説明

蓋材

【課題】 本発明の目的は、外蓋と内蓋とを開口用切目より剥離させて内蓋に開口を容易に形成することができる蓋材を提供することにある。
【解決手段】 少なくとも基材層を有する外蓋と少なくとも最内層にイージーピール性樹脂層を有する内蓋とが接着樹脂層を介して積層され外周縁に摘み部を備えた構成からなり、容器のフランジ部に熱接着して密封する蓋材であって、外蓋と内蓋との間に剥離剤層を備えた易剥離領域と、易剥離領域に隣接して配設された非剥離領域とを有し、易剥離領域内にはイージーピール性樹脂層側から閉じた形状の開口用切目が形成され、摘み部と開口用切目との間にイージーピール性樹脂層側から剥離開始用切目が形成され、イージーピール性樹脂層が、最内層側から熱接着性樹脂層と該層の樹脂より融点が高い樹脂を含むコア層からなり熱接着性樹脂層とコア層が剥離可能に積層されてなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スナック食品や即席麺等を包装するトレー状やカップ状等の容器に熱接着して密封する蓋材に関し、詳しくは、外蓋を剥離することにより内蓋に振出口や排湯口を形成することができる蓋材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外蓋を剥離することにより内蓋に開口が形成される構成の容器の蓋材としては、例えば、外側から紙、ポリエチレン、アルミニウム箔、シール剤が積層されて成り、紙とポリエチレンとの層間に離型剤の塗布された剥離領域と、該剥離領域内に配置された非剥離領域と、該剥離領域に隣接して配置された別の非剥離領域とに区画され、シール剤層から紙層の中間部に至る排湯の開口形成用ハーフカットが形成され、剥離領域内にあるつまみの首部にはシール剤層から紙層の中間部に至る剥離用ハーフカットが形成されている構成の蓋材であり、剥離用ハーフカットが形成された部分から剥離領域を剥離させることにより、剥離用ハーフカットに囲まれた領域が抜き取られて容器に接着した蓋材の一部に開口が形成される構成の蓋材が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、上記構成の蓋材では、容器のフランジ部に熱接着される際に、蓋材と容器との位置ズレが生じ、剥離用ハーフカット部分が容器のフランジ部に重なる位置で熱接着されると、熱接着により剥離用ハーフカットされたシール剤層が再接着し、ハーフカットの効果が消滅し開口が形成されないことが時たまあるという欠点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭57−120472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明の目的は、外蓋と内蓋とを開口用切目より剥離させて内蓋に開口を容易に形成することができる蓋材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を達成するためになされたものであり、請求項1記載の本発明は、少なくとも基材層を有する外蓋と少なくとも最内層にイージーピール性樹脂層を有する内蓋とが接着樹脂層を介して積層され外周縁に外方に突出する摘み部を備えた構成からなり、開口部周縁にフランジ部が設けられた容器のフランジ部に熱接着して該容器を密封する蓋材であって、前記外蓋と前記内蓋との間に剥離剤層を備えた易剥離領域と、前記易剥離領域に隣接して配設された非剥離領域とを有し、前記易剥離領域内には前記イージーピール性樹脂層側から前記内蓋と前記接着樹脂層を貫通する閉じた形状の開口用切目が形成され、前記摘み部と前記開口用切目との間で前記内蓋を二分し前記イージーピール性樹脂層側から前記内蓋と前記接着樹脂層を貫通する剥離開始用切目が形成され、前記イージーピール性樹脂層が、少なくとも最内層側から熱接着性樹脂層と前記熱接着性樹脂層の樹脂より融点が高い樹脂を含む樹脂からなるコア層が剥離可能に積層されてなることを特徴とする蓋材である。
【0007】
また、請求項2記載の本発明は、少なくとも基材層を有する外蓋と少なくとも最内層にイージーピール性樹脂層を有する内蓋とが接着樹脂層を介して積層され外周縁の対向する位置に外方に突出する開封用摘み部と湯切り孔形成用摘み部を備えた構成からなり、開口部周縁にフランジ部が設けられた容器のフランジ部に熱接着して該容器を密封する蓋材であって、前記湯切り孔形成用摘み部側より開封用摘み部側に向かって、前記外蓋と前記内蓋との間に剥離剤層を備えた易剥離領域と、前記易剥離領域に隣接して配設された非剥離領域とを有し、前記易剥離領域内には前記イージーピール性樹脂層側から前記内蓋と前記接着樹脂層を貫通する複数個の湯切り口形状の湯切り孔切目が形成され、前記湯切り孔形成用摘み部と前記湯切り孔切目との間で前記内蓋を二分し前記イージーピール性樹脂層側から前記内蓋と前記接着樹脂層を貫通する湯切り孔形成用切目が形成され、前記イージーピール性樹脂層が、少なくとも最内層側から熱接着性樹脂層と前記熱接着性樹脂層の樹脂より融点が高い樹脂を含む樹脂からなるコア層が剥離可能に積層されてなることを特徴とする蓋材である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の請求項1記載の蓋材は、少なくとも基材層を有する外蓋と少なくとも最内層にイージーピール性樹脂層を有する内蓋とが接着樹脂層を介して積層され外周縁に外方に突出する摘み部を備えた構成からなり、開口部周縁にフランジ部が設けられた容器のフランジ部に熱接着して該容器を密封する蓋材であって、前記外蓋と前記内蓋との間に剥離剤層を備えた易剥離領域と、前記易剥離領域に隣接して配設された非剥離領域とを有し、前記易剥離領域内には前記イージーピール性樹脂層側から前記内蓋と前記接着樹脂層を貫通する閉じた形状の開口用切目が形成され、前記摘み部と前記開口用切目との間で前記内蓋を二分し前記イージーピール性樹脂層側から前記内蓋と前記接着樹脂層を貫通する剥離開始用切目が形成され、前記イージーピール性樹脂層が、少なくとも最内層側から熱接着性樹脂層とコア層が剥離可能に積層されてなる構成とすることにより、開口用切目が形成された部分より外蓋を内蓋から剥離させることにより、内蓋の開口用切目に囲まれた領域が外蓋に接着した状態で取り除かれるので容易に内蓋に開口を形成できる。特に、前記イージーピール性樹脂層が、少なくとも最内層側から熱接着性樹脂層とコア層が剥離可能に積層されてなる構成とすることにより、蓋材を容器のフランジ部に熱接着される際に、蓋材と容器との位置ズレを生じ、剥離開始用切目が容器のフランジ部に重なる位置で熱接着されても、摘み部を引っ張り上げると、まず、フランジ部に熱接着された外側周縁で蓋材の熱接着性樹脂層の破断が起こり、ついで熱接着性樹脂層とコア層との間で剥離し、剥離が剥離開始用切目に達すると剥離する層間が剥離剤層と接着樹脂層間に移行し、易剥離領域において外蓋が内蓋から確実に剥離させることができる。
【0009】
また、請求項2記載の本発明は、少なくとも基材層を有する外蓋と少なくとも最内層にイージーピール性樹脂層を有する内蓋とが接着樹脂層を介して積層され外周縁の対向する位置に外方に突出する開封用摘み部と湯切り孔形成用摘み部を備えた構成からなり、開口部周縁にフランジ部が設けられた容器のフランジ部に熱接着して該容器を密封する蓋材であって、前記湯切り孔形成用摘み部側より開封用摘み部側に向かって、前記外蓋と前記内蓋との間に剥離剤層を備えた易剥離領域と、前記易剥離領域に隣接して配設された非剥離領域とを有し、前記易剥離領域内には前記イージーピール性樹脂層側から前記内蓋と前記接着樹脂層を貫通する複数個の湯切り口形状の湯切り孔切目が形成され、前記湯切り孔形成用摘み部と前記湯切り孔切目との間で前記内蓋を二分し前記イージーピール性樹脂層側から前記内蓋と前記接着樹脂層を貫通する湯切り孔形成用切目が形成され、前記イージーピール性樹脂層が、少なくとも最内層側から熱接着性樹脂層とコア層が剥離可能に積層されてなる構成の蓋材とすることにより、容器に熱接着された蓋材の湯切り孔形成用摘み部を引っ張り上げると上記の効果を奏し、内蓋に容易に湯切り口を形成できる。また、開封用摘み部を引っ張り上げると蓋材を容器より容易に剥離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る蓋材の第一実施形態を示す(イ)が平面図、(ロ)が底面図である。
【図2】第一実施形態の積層構成を示す図1(イ)におけるX−X断面図である。
【図3】本発明に係る第一実施形態の蓋材を容器開口部に接着した状態を示す断面図である。
【図4】容器開口部に接着した第一実施形態の蓋材の外蓋を部分的に剥離した状態を示す断面図である。
【図5】本発明に係る蓋材の第二実施形態を示す(イ)が平面図、(ロ)が底面図である。
【図6】第二実施形態の積層構成を示す図5(イ)におけるY−Y断面図である。
【図7】本発明に係る第二実施形態の蓋材を容器開口部に接着した状態を示す部分断面図である。
【図8】容器開口部に接着した第二実施形態の蓋材の外蓋を部分的に剥離した状態を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳述する。
図1は本発明に係る蓋材の第一実施形態を示す(イ)が平面図、(ロ)が底面図、図2は第一実施形態の積層構成を示す図1(イ)におけるX−X断面図、図3は本発明に係る第一実施形態の蓋材を容器開口部に接着した状態を示す断面図、図4は容器開口部に接着した第一実施形態の蓋材の外蓋を部分的に剥離した状態を示す断面図、図5は本発明に係る蓋材の第二実施形態を示す(イ)が平面図、(ロ)が底面図、図6は第二実施形態の積層構成を示す図5(イ)におけるY−Y断面図、図7は本発明に係る第二実施形態の蓋材を容器開口部に接着した状態を示す部分断面図、図8は容器開口部に接着した第二実施形態の蓋材の外蓋を部分的に剥離した状態を示す部分断面図であり、図中の2は摘み部、2’aは湯切り孔形成用摘み部、2’bは開封用摘み部、3は開口用切目、3’は湯切り孔切目、4は剥離開始用切目、4’は湯切り孔形成用切目、5はフランジ部、6は熱接着部、7は開口、8は湯切り孔、10、10’は外蓋、11は基材層、12は剥離剤層、13は表面層、14は接着剤層、20は接着樹脂層、30は内蓋、31はイージーピール性樹脂層、31aは熱接着性樹脂層、31bはコア層、31cはラミネート樹脂層、32は中間層、A、A’は蓋材、B、B’は容器、Sは易剥離領域、Nは非剥離領域をそれぞれ示す。
【0012】
本発明に係る蓋材の第一実施形態は図1、図2に示す通りである。図1に示すように蓋材Aは、外周縁に外方に突出する摘み部2を備えた略円形状であり、容器の開口部周縁に設けられたフランジ部に熱接着して容器を密封する蓋材として使用されるものである。蓋材Aの大きさは、容器のフランジ部の外周縁と略同じ大きさか、あるいはやや大きくするのが好ましく、蓋材Aの形状はフランジ部の外周縁の形状に合わせて決定すればよく、例えば円形、楕円形、角形等である。図1の(イ)は、蓋材Aの外面側から見た平面図であり、外蓋10が見えている状態を示す。蓋材Aの外面には販売促進のためのデザインや商品の内容等について印刷が施されている(図示しない)。図1の(ロ)は蓋材Aの内面側(容器に熱接着される面側)から見た底面図であり、内蓋30を構成するイージーピール性樹脂層31が見えている状態を示している。蓋材Aの内面には角丸の略四角形の開口用切目3が形成されている。開口用切目3は閉じた形状であれば、四角形に限定されるものではなく、内容物の振出やすさ、注ぎやすさにより任意に形成すればよく、さらに内容物が固体、液体、粉体等の性状により振出量や注出量をコントロールするために開口用切目3を複数個形成してもよい。ただし、開口用切目3を形成する位置は、フランジ部の内周縁の近傍に形成する方が、内容物が容器内に残存する量が少なくなるので好ましい。また、摘み部2と開口用切目3との間には、内蓋30を二分して剥離開始用切目4が形成されている。
【0013】
図2は、本発明の蓋材Aの図1(イ)におけるX−X断面図を示す。図2に示すように本発明の蓋材Aは、基材層11を有する外蓋10と、中間層32としてアルミニウム箔と最内層にイージーピール性樹脂層31が積層された内蓋30とが接着樹脂層20を介して積層された構成である。外蓋10と内蓋30との間には、剥離剤層12を備えた易剥離領域Sと、易剥離領域Sに隣接して剥離剤層を有していない非剥離領域Nとが配設されている。易剥離領域Sは、摘み部2側の剥離開始用切目4、開口用切目3を含む領域に形成され、蓋材Aの約2/5の部分で非剥離領域Nと区画されている。易剥離領域Sは、通常、蓋材Aの面積の半分以下でよい。なお、分かりやすくするために図1(ロ)に易剥離領域Sを点線柄で透視して示した。易剥離領域S内にはイージーピール性樹脂層31側から内蓋30と接着樹脂層20を貫通する閉じた形状の開口用切目3が形成され、開口用切目3で囲まれた領域内は剥離剤層がなく接着樹脂層20を介して内蓋30と外蓋10は接着されている。開口用切目3に囲まれた領域内に剥離剤層があってもよいが、剥離剤層がない方が内蓋30に確実に開口部が形成できるので好ましい。また、摘み部2と開口用切目3との間には内蓋30を二分しイージーピール性樹脂層31側から内蓋30と接着樹脂層20を貫通する剥離開始用切目4が形成されている。剥離開始用切目4はフランジ部に略沿った形状で形成されている。なお、剥離開始用切目4が容器のフランジ部より開口部側と対向する位置にならないように形成することが肝要である。
【0014】
イージーピール性樹脂層31は、最内層側から熱接着性樹脂層31aと、熱接着性樹脂層31aを構成する樹脂より融点が高い樹脂を含む樹脂からなるコア層31bと、ラミネート樹脂層31cが、この順に積層された3層構成である。最内層となる熱接着性樹脂層31aは、105℃未満の低融点の樹脂からなり容易に容器のフランジ部に接着可能とされている。コア層31bは、熱接着性樹脂層31aを構成する樹脂より融点が高く、110℃以上の高融点の樹脂を含む樹脂からなる層である。このコア層31bに含まれる高融点の樹脂は、熱接着性樹脂層31aを構成する樹脂の融点と融点差が大きいほうが蓋材を容器のフランジ部に熱接着する温度範囲が広くなるので好ましい。この熱接着性樹脂層31aとコア層31bの接着強度は、熱接着性樹脂層31aと容器との熱接着強度より弱くされており、蓋材Aが熱接着された容器から蓋材を引っ張り上げて開封する際、コア層31bと熱接着性樹脂層31aとの間で層間剥離するようにされている。さらに、熱接着性樹脂層31aの厚みは10μm以下と薄くされており、より好ましくは5μm以下とされており、蓋材の開封開始点では熱接着性樹脂層31aが容易に破断する構成とされている。また、ラミネート樹脂層31cは、中間層を積層しない構成の場合には接着樹脂層20に、中間層を積層する構成の場合には中間層32に接着しやすくするための層である。
【0015】
蓋材を構成する外蓋10の積層構成としては、基材層11の表面に透明なプラスチックフィルムを表面層として積層することができる。表面層を積層することにより、基材層11に印刷された印刷インキの保護ができると共に表面に艶や艶消しを付加し、蓋材に高級感を与えることができる。また、内蓋30には、第一実施形態のように中間層32を積層することもできる。蓋材に要求されるガスバリア性、防湿性、耐突き刺し性等の内容物保護機能や表面光沢、耐摩擦性等の表面物性性能により積層構成および各層に使用する素材が適宜、決定される。
【0016】
次に、本発明の蓋材を構成する各層について説明する。外蓋10を構成する表面層には、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、ポリ乳酸等のプラスチックフィルムや、あるいはこれらのプラスチックフィルムに酸化珪素や酸化アルミ等の無機酸化物を蒸着したプラスチックフィルムが用いられる。プラスチックフィルムとしては、二軸延伸されたフィルムが好ましく、厚さは通常9〜40μm程度とするのがよい。
【0017】
外蓋10を構成する基材層11としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、ポリ乳酸等のプラスチックフィルムや、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン等の合成紙や、紙が用いられる。また、これらのいずれかを組合わせて積層したものが用いられる。プラスチックフィルムの厚みは9〜40μm程度であり、合成紙の厚みは60〜300μmである。紙を用いる場合には、印刷適性の優れた片面コート紙、両面コート紙が好ましい。また、紙の厚さとしては、外蓋10に表面層を積層する場合には30〜100g/m2 程度であり、表面層を積層しない場合には50〜130g/m2 程度である。
【0018】
剥離剤層12を形成する剥離剤としては、例えば、硝化綿系、ポリアミド系、ポリエステル系、アクリル系、ウレタン系、アルキッド系の樹脂が挙げられ、これらを単独若しくは二つ以上組合わせてインキとしグラビア印刷、フレキソ印刷等の加工法でパートコートして所定の位置に剥離剤層12を形成することができる。剥離剤にはワックスやシリコンなどを添加剤として混合して接着樹脂層との剥離強度を調整することもできる。また、剥離剤層12と基材層11との間には例えば硝化綿系、ポリエステル系、アクリル系、ウレタン系、アルキッド系等の樹脂を単独若しくは二つ以上組合わせて混合した目止め剤を用いてアンダーコート層を設けてもよい。特に、片面コート紙の非コート面に剥離剤層12を設ける場合には好ましい。
【0019】
外蓋10と内蓋30を接着させる接着樹脂層20としては、ポリエチレン、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリル酸共重合体、エチレン/メタアクリル酸共重合体、アイオノマー、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を用いることができ、これらを熱溶融押出しして外蓋10と内蓋30とを押出しラミネーション法により積層する。また、接着樹脂層20は、エマルジョン接着剤やドライラミ接着剤を用いてロールコート、グラビアコート、キスコート等によりウエットラミネーション法、ドライラミネーション法により積層することもできるが、生産性の高い押出しラミネーション法が好ましい。
【0020】
内蓋30を構成する中間層には、表面層に用いたプラスチックフィルムや、エチレン/ビニルアルコール共重合体、塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール等のプラスチックフィルムや、アルミニウム箔等が用いられる。厚さは通常9〜40μm程度である。
【0021】
内蓋30を構成するイージーピール性樹脂層31は、特に熱接着性樹脂層31aの厚さを薄くする必要があり、共押出し法により製造するのが好ましい。熱接着性樹脂層31aに使用される樹脂は、105℃未満の低融点の樹脂が使用され、蓋材が熱接着される容器の樹脂の種類により選定される。例えば、ポリエチレン、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリエステル等の樹脂が挙げられ、これらの樹脂単体もしくは二つ以上の樹脂を混合して用いられる。
コア層31bに使用される樹脂は、少なくとも110℃以上の高融点の樹脂を含む樹脂からなる層である。高融点の樹脂としては、中密度あるいは高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂が挙げられる。コア層31bは熱接着性樹脂層31aと剥離可能に接着させる必要があり、コア層31bに用いられる樹脂としては、熱接着性樹脂層31aに用いられる樹脂と上記高融点の樹脂と例えば酸変性ポリオレフィン等の接着性樹脂とこれらの樹脂の相溶性を大きくするための相溶化剤を含む混合樹脂である。また、ラミネート樹脂層31cは、コア層31bと同様の混合樹脂で構成される。
【0022】
本発明の蓋材が熱接着して取付けられる容器に使用される樹脂としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、エチレンビニルアルコール共重合体等が挙げられる。これらの樹脂をシートや発泡シートとし、これらのシートを単体もしくは積層して、真空成形、圧空成形、真空圧空成形することにより作製した成形容器、あるいは、これらの樹脂を射出成形することにより作製したインジェクション容器が使用できる。また、インジェクション容器には上記樹脂に発泡剤を混合して発泡樹脂製のインジェクション容器も使用できる。
【0023】
次に、開口用切目3、剥離開始用切目4の形成方法について説明する。基材層11の内面に形成される開口用切目3および剥離開始用切目4は、基材層11に剥離剤層12が形成された外蓋10と、中間層32とイージーピール性樹脂層31とが積層された内蓋30を、接着樹脂層20を介して積層して蓋材用の積層体を作製した後に、内蓋30のイージーピール性樹脂層31側からハーフカットを行うことにより形成されるものである。
【0024】
図3は、本発明の第一実施形態の蓋材Aを容器開口部に接着した状態を示す断面図である。本発明の蓋材Aの使用状態は、図3に示すように、円形の開口部周縁にフランジ部が設けられた容器Bのフランジ部5に蓋材Aを熱接着して取付けられ、容器Bが蓋材Aで密封されるものである。熱接着部6は蓋材Aの周縁より内側の位置に所定巾で円周状に形成される。蓋材Aを容器Bに熱接着して熱接着部6にて取り付けた際に、剥離開始用切目4が熱接着部6の外側に位置するか、乃至は熱接着部6内に位置していてもよい。なお、図3では、剥離開始用切目4がフランジ部5と重なった位置、つまり、熱接着部6内にある状態の例を示している。従来の蓋材であれば剥離開始用切目の位置が熱接着部内に位置すると、蓋材を容器のフランジ部に熱接着した際に、剥離開始用切目が形成された熱接着性樹脂層が再接着し、ハーフカットの効果が消滅し、開口が形成されないことがあったが、本発明は、このような問題点を解決し、剥離開始用切目が熱接着部内に位置しても確実に開口できる。
【0025】
図4は、容器開口部に接着した本発明の第一実施形態の蓋材の外蓋を部分的に剥離した状態を示す断面図である。図3、図4に示すように本発明の蓋材Aの摘み部2を摘み引っ張り上げると、熱接着部6の外縁で、まず、イージーピール性樹脂層31の熱接着性樹脂層31aが破断し、熱接着性樹脂層31aとコア層31bとの間で層間剥離が発生し、さらに剥離が進み、剥離開始用切目4に達すると剥離する層間の移行が起こり、接着樹脂層20と剥離剤層12との間が剥離し、摘み部2の部分は内蓋30が外蓋10に接着した状態で、剥離開始用切目4より内側は内蓋30と接着樹脂層20とは容器Bに接着した状態で剥離が進み、開口用切目3に達すると開口用切目3に囲まれた接着樹脂層20と内蓋30は外蓋10に接着した状態で切り取られ、容器Bの上面には開口用切目3で囲まれた角丸の略四角形の開口7が形成され、開口7より内容物を取り出すことができる。
【0026】
本発明に係る蓋材の第二実施形態は図5、図6に示す通りである。図5に示すように蓋材A’は、略四角形状であり、外周縁の対向する角部に外方に突出する湯切り孔形成用摘み部2’aと開封用摘み部2’bとを備え、四角形状の開口部を有する容器の開口部周縁に設けられたフランジ部に熱接着して容器を密封する蓋材として使用されるものであり、焼きそば等の即席食品をお湯で調理して、調理後、不要となったお湯を排湯するという用途に好ましく使用される。蓋材A’の大きさは、容器のフランジ部の外周縁と略同じ大きさか、あるいはやや大きくするのが好ましく、蓋材A’の形状はフランジ部の外周縁の形状に合わせて決定すればよく、四角形状以外に円形、楕円形、角形等にすることができる。図5の(イ)は、蓋材A’の外面側から見た平面図であり、外蓋10’が見えている状態を示す。蓋材A’の外面には販売促進のためのデザインや商品の内容等について印刷が施されている(図示しない)。図5の(ロ)は蓋材A’の内面側(容器に熱接着される面側)から見た底面図であり、内蓋30を構成するイージーピール性樹脂層31が見えている状態を示している。蓋材A’の内面には複数個の湯切り口形状の湯切り孔切目3’が形成されている。湯切り孔切目3’は閉じた形状であれば円形、楕円形、四角形等、湯切りのしやすさにより任意に形成できる。また、湯切り孔形成用摘み部2’aと湯切り孔切目3’との間には、内蓋30を二分する湯切り孔形成用切目4’が形成されている。
【0027】
図6は、本発明の蓋材A’の図5(イ)におけるY−Y断面図を示す。図6に示すように本発明の蓋材A’は、透明なプラスチックフィルムからなる表面層13と基材層11が接着剤層14を介して積層された外蓋10’と、中間層32としてアルミニウム箔と最内層にイージーピール性樹脂層31が積層された内蓋30とが接着樹脂層20を介して積層された構成である。外蓋10’と内蓋30との間には、剥離剤層12を備えた易剥離領域Sと、易剥離領域Sに隣接して剥離剤層を有していない非剥離領域Nとが配設されている。易剥離領域Sは、湯切り孔形成用摘み部2’a側の湯切り孔形成用切目4’、湯切り孔切目3’を含む領域に形成され、湯切り孔形成用摘み部2’aに隣接する両辺の約1/2の点を結ぶ部分で非剥離領域Nと区画されている。易剥離領域Sは、通常、蓋材A’の面積の半分以下でよい。易剥離領域S内にはイージーピール性樹脂層31側から内蓋30と接着樹脂層20を貫通する閉じた形状の湯切り孔切目3’が形成され、湯切り孔切目3’で囲まれた領域内は剥離剤層がなく接着樹脂層20を介して内蓋30と外蓋10’は接着されている。湯切り孔切目3’に囲まれた領域内に剥離剤層があってもよいが、剥離剤層がない方が内蓋30に確実に湯切り孔が形成できるので好ましい。また、湯切り孔形成用摘み部2’aと湯切り孔切目3’との間には内蓋30を二分しイージーピール性樹脂層31側から内蓋30と接着樹脂層20を貫通する湯切り孔形成用切目4’が形成されている。湯切り孔形成用切目4’はフランジ部に略沿った形状で形成されている。なお、湯切り孔形成用切目4’が容器のフランジ部より開口部側と対向する位置にならないように形成することが肝要である。
【0028】
蓋材の積層構成、および各層に使用される素材、並びに湯切り孔切目3’、湯切り孔形成用切目4’の形成方法は第一実施形態と同様であり説明を省略する。
【0029】
図7は、本発明の第二実施形態の蓋材A’を容器の開口部に接着した状態を示す断面図である。本発明の蓋材A’の使用状態は、図7に示すように、例えば略四角形の開口部の周縁にフランジ部5を有するトレー状の容器B’に焼きそば等の即席麺とプラスチックフィルム製の小袋に密封包装された具材、スープ等を収容し、開口部に蓋材A’を覆い被せてフランジ部5に蓋材A’を熱接着して取付け、容器B’を蓋材A’で密封したものである。熱接着部6は蓋材A’の周縁より内側の位置に所定巾で略四角形状に形成される。蓋材A’を容器B’に熱接着して熱接着部6にて取り付けた際に、湯切り孔形成用切目4’が熱接着部6の外側に位置するか、乃至は熱接着部6内に位置していてもよい。図7には、湯切り孔形成用切目4’がフランジ部5と重なった位置、つまり、熱接着部6内にある状態の例を示す。従来の蓋材であれば湯切り孔形成用切目の位置が熱接着部内に位置すると、蓋材を容器のフランジ部に熱接着した際に、湯切り孔形成用切目が形成された熱接着性樹脂層が再接着し、ハーフカットの効果が消滅し、湯切り孔が形成されないことがあったが、本発明は、このような問題点を解決し、湯切り孔形成用切目が熱接着部内に位置しても確実に湯切り孔を形成できる。
【0030】
図7に示す蓋材A’を取付けた容器を使用するには、先ず、蓋材A’の開封用摘み部2’bを摘んで蓋材A’を容器B’から所定の距離だけ引き剥がして部分的に容器の口部に開口部を設け、容器内に収納されている小袋に密封包装された具材、スープ等を取り出し、必要とされる具材等を容器内に投入した後に、開口部から容器B’内に熱湯を所定の水位まで注いだ後に蓋材A’で開口部を塞ぎ一定時間湯戻しする。図8に示すように、内容物が湯戻しされた後、湯切りを行うには、蓋材A’の湯切り孔形成用摘み部2’aを摘んで上方に引っ張り上げることにより、熱接着部6の外縁で、まず、イージーピール性樹脂層31の熱接着性樹脂層31aが破断し、熱接着性樹脂層31aとコア層31bとの間で層間剥離が発生し、さらに剥離が進み、湯切り孔形成用切目4’に達すると剥離する層間の移行が起こり、接着樹脂層20と剥離剤層12との間が剥離し、湯切り孔形成用摘み部2’aの部分は内蓋30が外蓋10’に接着した状態で、湯切り孔形成用切目4’より内側は内蓋30と接着樹脂層20とが容器B’に接着した状態で剥離が進み、湯切り孔切目3’に達すると、湯切り孔切目3’に囲まれた接着樹脂層20と内蓋30は外蓋10’に接着した状態で切り取られるので容器B’の上面には湯切り孔切目3’で囲まれた湯切り口形状の湯切り孔8が複数個形成される。而して、湯切り孔8を下方にして容器B’を傾けることにより湯切り孔8から容器B’内のお湯を排出させることができる。湯切り後、開封用摘み部2’bを摘んで蓋材A’を容器B’から剥離する。その後、添付のスープやふりかけ等をかけて食する。なお、蓋材A’の開封用摘み部2’bを摘んで蓋材A’を容器B’から引き剥がした場合には、図示しないが蓋材A’の開封用摘み部2’bを摘んで上方に引っ張り上げることにより、熱接着部6の外縁で、まず、イージーピール性樹脂層31の熱接着性樹脂層31aが破断し、熱接着性樹脂層31aとコア層31bとの間で層間剥離が発生し、さらに剥離が進み、熱接着部6の内縁に達すると再び熱接着性樹脂層31aが破断し、容器B’と蓋材A’とが剥離される。つまり、熱接着部6に沿って、熱接着性樹脂層31aが破断し、破断した熱接着性樹脂層31aの小片が熱接着部6に接着した状態となっている。
【0031】
次に本発明について実施例を挙げてさらに詳しく説明する。
【実施例1】
【0032】
基材層に片面コート紙79.1g/m2 を用い、コート面にウレタン系のグラビアインキを用いて所定の絵柄を、非コート面に絵柄に見当を合せて硝化綿・ポリアミド系のグラビアインキを用いて部分的に剥離剤層を、グラビア印刷機により両面印刷して<絵柄印刷/紙/剥離剤層>なる構成の外蓋シートを作製した。次に中間層にアルミニウム箔(Al)15μm、イージーピール性樹脂層として熱接着性樹脂層にポリスチレン樹脂を用い、ラミネート樹脂層/コア層/熱接着性樹脂層の厚さ35μmの3層共押出しフィルム(EP)を用い、接着樹脂層に低密度ポリエチレン(PE)を用いてエクストルージョン法により、外蓋シートの剥離剤層面とアルミニウム箔(Al)15μmとをPEを熱溶融させながら厚さ15μmとしてサンドイッチラミネーションし、Alの反対面にポリエステル−イソシアネート系接着剤を塗布し、接着剤層を形成し、EPのラミネート樹脂層面をドライラミネーション法(DL)により貼合し、<Al/DL/EP>なる構成の内蓋シートを作製すると同時に<絵柄印刷/紙79.1g/m2 /剥離剤層/PE15μm/Al15μm/DL/EP35μm>なる構成の蓋材用シートを作製した。なお、EPには、<熱接着性樹脂層5μm/コア層10μm/ラミネート樹脂層20>なる構成のフィルム(住化プラステック株式会社製、商品名:アシストMS430)を用いた。
【0033】
その後、蓋材用シートの巻取に所定の開口用切目および剥離開始用切目を有する抜き型を備えたロータリーダイカッターでEP面から内蓋と接着樹脂層を貫通するハーフカットを施し所定の開口用切目および剥離開始用切目を形成した。その後、断裁、抜き加工をして図1に示す蓋材Aを作製した。
【0034】
上記で作製した蓋材Aを発泡ポリスチレン製のカップ形状のインジェクション容器のフランジ部に熱接着して容器を密封した。剥離開始用切目と熱接着部6との位置関係について、剥離開始用切目が熱接着部6内にある状態(サンプルA)と、熱接着部6の外側縁とほぼ同じ位置の状態(サンプルB)と、熱接着部6の外側縁よりやや外側に位置する状態(サンプルC)とで熱接着して3種類のサンプルA、B、Cを作製した。その後、各サンプルについて蓋材を摘み部より引っ張り上げて容器から剥離し開封性を評価した。開封性の評価基準は、剥離開始用切目より外蓋が剥離剤層と接着樹脂層との間で剥離して、容器に接着された接着樹脂層と内蓋に開口を形成することができたものを良好と判定した。
【0035】
開封性を評価した結果、サンプルA、サンプルB、サンプルCのいずれについても開封性は良好であった。開封開始点についてはサンプルB、Cは剥離開始用切目であった。サンプルAの開封開始点は、熱接着部6の外縁であり、該開封開始点で熱接着性樹脂層が破断し、熱接着性樹脂層とコア層との層間で剥離し、剥離開始用切目に剥離が到達するものであった。
【実施例2】
【0036】
基材層に片面コート紙79.1g/m2 を用い、コート面にウレタン系のグラビアインキを用いて所定の絵柄を、非コート面に絵柄に見当を合せて硝化綿・ポリアミド系のグラビアインキを用いて部分的に剥離剤層を、グラビア印刷機により両面印刷して形成した。次に厚さ12μmの片面コロナ処理を施した二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を表面層として用いて該コロナ処理面にポリエステル−イソシアネート系接着剤を塗布し、接着剤層を形成し、両面コート紙の絵柄面とをドライラミネーション法(DL)により貼合して<PET/DL/絵柄印刷/紙/剥離剤層>なる構成の外蓋シートを作製した。次に中間層、イージーピール性樹脂層には、実施例1と同じ厚みの同じ材料を用い、接着樹脂層に低密度ポリエチレン(PE)を用いてエクストルージョン法により、外蓋シートの剥離剤層面とアルミニウム箔(Al)15μmとをPEを熱溶融させながら厚さ15μmとしてサンドイッチラミネーションし、Alの反対面にポリエステル−イソシアネート系接着剤を塗布し、接着剤層を形成し、EPのラミネート樹脂層面をドライラミネーション法(DL)で貼合し、<Al/DL/EP>なる構成の内蓋シートを作製すると同時に<PET12μm/DL/絵柄印刷/紙79.1g/m2 /剥離剤層/PE15μm/Al15μm/DL/EP35μm>なる構成の湯切り孔付き蓋材用シートを作製した。
【0037】
その後、湯切り孔付き蓋材用シートの巻取に所定の湯切り孔切目および湯切り孔形成用切目を有する抜き型を備えたロータリーダイカッターでEP面から内蓋と接着樹脂層を貫通するハーフカットを施し所定の湯切り孔切目、湯切り孔形成用切目を形成した。その後、断裁、抜き加工をして図5に示す湯切り孔付き蓋材A’を作製した。
【0038】
容器に発泡ポリスチレン製の四角形のトレー形状の成形容器を用い、上記で作製した蓋材A’を該成形容器のフランジ部に熱接着して容器を密封した。湯切り孔形成用切目と熱接着部6との位置関係について、湯切り孔形成用切目が熱接着部6内にある状態(サンプルD)と、熱接着部6の外側縁とほぼ同じ位置の状態(サンプルE)と、熱接着部6の外側縁よりやや外側に位置する状態(サンプルF)とで熱接着して3種類のサンプルD、E、Fを作製した。その後、各サンプルについて蓋材を湯切り孔形成用摘み部より引っ張り上げて容器から剥離し開封性を評価した。開封性の評価基準は、湯切り孔形成用切目より外蓋が剥離剤層と接着樹脂層との間で剥離して、容器に接着された接着樹脂層と内蓋に湯切り孔を形成することができたものを良好と判定した。
【0039】
開封性を評価した結果、サンプルD、サンプルE、サンプルFのいずれについても開封性は良好であった。開封開始点についてはサンプルE、Fは湯切り孔形成用切目であった。サンプルDの開封開始点は、熱接着部6の外縁であり、該開封開始点で熱接着性樹脂層が破断し、熱接着性樹脂層とコア層との層間で剥離し、湯切り孔形成用切目に剥離が到達するものであった。
【符号の説明】
【0040】
2 摘み部
2’a 湯切り孔形成用摘み部
2’b 開封用摘み部
3 開口用切目
3’ 湯切り孔切目
4 剥離開始用切目
4’ 湯切り孔形成用切目
5 フランジ部
6 熱接着部
7 開口
8 湯切り孔
10、10’ 外蓋
11 基材層
12 剥離剤層
13 表面層
14 接着剤層
20 接着樹脂層
30 内蓋
31 イージーピール性樹脂層
31a 熱接着性樹脂層
31b コア層
31c ラミネート樹脂層
32 中間層
A、A’ 蓋材
B、B’ 容器
S 易剥離領域
N 非剥離領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも基材層を有する外蓋と少なくとも最内層にイージーピール性樹脂層を有する内蓋とが接着樹脂層を介して積層され外周縁に外方に突出する摘み部を備えた構成からなり、開口部周縁にフランジ部が設けられた容器のフランジ部に熱接着して該容器を密封する蓋材であって、
前記外蓋と前記内蓋との間に剥離剤層を備えた易剥離領域と、前記易剥離領域に隣接して配設された非剥離領域とを有し、
前記易剥離領域内には前記イージーピール性樹脂層側から前記内蓋と前記接着樹脂層を貫通する閉じた形状の開口用切目が形成され、
前記摘み部と前記開口用切目との間で前記内蓋を二分し前記イージーピール性樹脂層側から前記内蓋と前記接着樹脂層を貫通する剥離開始用切目が形成され、
前記イージーピール性樹脂層が、少なくとも最内層側から熱接着性樹脂層と前記熱接着性樹脂層の樹脂より融点が高い樹脂を含む樹脂からなるコア層が積層され、前記熱接着性樹脂層と前記コア層が剥離可能に積層されてなることを特徴とする蓋材。
【請求項2】
少なくとも基材層を有する外蓋と少なくとも最内層にイージーピール性樹脂層を有する内蓋とが接着樹脂層を介して積層され外周縁の対向する位置に外方に突出する開封用摘み部と湯切り孔形成用摘み部を備えた構成からなり、開口部周縁にフランジ部が設けられた容器のフランジ部に熱接着して該容器を密封する蓋材であって、
前記湯切り孔形成用摘み部側より開封用摘み部側に向かって、前記外蓋と前記内蓋との間に剥離剤層を備えた易剥離領域と、前記易剥離領域に隣接して配設された非剥離領域とを有し、
前記易剥離領域内には前記イージーピール性樹脂層側から前記内蓋と前記接着樹脂層を貫通する複数個の湯切り口形状の湯切り孔切目が形成され、
前記湯切り孔形成用摘み部と前記湯切り孔切目との間で前記内蓋を二分し前記イージーピール性樹脂層側から前記内蓋と前記接着樹脂層を貫通する湯切り孔形成用切目が形成され、
前記イージーピール性樹脂層が、少なくとも最内層側から熱接着性樹脂層と前記熱接着性樹脂層の樹脂より融点が高い樹脂を含む樹脂からなるコア層が積層され、前記熱接着性樹脂層と前記コア層が剥離可能に積層されてなることを特徴とする蓋材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−189948(P2011−189948A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−56427(P2010−56427)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】