説明

薄板部材の組付け装置及び組付け方法

【課題】組付け作業性を大幅に向上させるとともに、締まり嵌めでの嵌合を可能とする薄板部材の組付け装置及び組付け方法を提供すること。
【解決手段】電磁鋼板30に形成された有底穴31に改質用チップ20を組み付ける組付け装置10において、合わせ面が略球状に形成され、電磁鋼板30を挟み込む上型11及び下型12と、改質用チップ20を保持し、上型11と下型12とに電磁鋼板30が挟み込まれた状態で、保持した改質用チップ20を有底穴31に配置するチップ保持具13とを設け、上型11の中心にチップ保持具13が通過可能な貫通穴18を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄板部材を有底穴に組み付けるための組付け装置及び組付け方法に関する。より詳細には、組付け作業性を向上させることができる薄板部材の組付け装置及び組付け方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
薄板部材を相手材に形成された有底穴に組み付ける場合、例えば特許文献1に開示された技術を利用する方法が考えられる。ここに開示されている技術では、コの字型部材であるホルダの開口部(有底穴に相当する)に、分離した2つの先端を有する鋭利部材であるブレードを挿入し、挿入されたブレードの2つの先端の間隔を広げることによって開口部の幅を拡張し、幅が拡張された開口部に薄板である導光体(チップに相当する)を挿入し、導光体が開口部に挿入された後に、ブレードの2つの先端を開口部から抜き取る。これにより、組付け作業性を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−001528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した特許文献1に記載の技術では、ブレードの2つの先端を開口部に引っ掛けるため、開口部に一定以上の深さが必要であるが、厚さが0.15mm程度の非常に薄い薄板部材を組み付ける、深さが0.15mm程度の非常に浅い有底穴では、ブレードの先端を引っ掛ける部位を確保することができない。このため、薄板部材の組付けには特許文献1に記載の技術を利用することは非常に困難である。
【0005】
ここで、薄板部材は相手材の有底穴に組み付けられた後、その状態で別工程に搬送されるが、搬送時に組み付けた薄板部材が有底穴から外れないように有底穴内に保持されている必要がある。そのため、薄板部材は有底穴に対して圧入又は微少クリアランスで嵌合されていることが望ましい。
ところが、圧入又は微少クリアランスで嵌合させる場合、一般的に、穴側及び軸側に面取り処理を行うが、薄板部材の組付けでは、有底穴が非常に浅くて薄板部材も非常に薄いため、ともに圧入又は嵌合に有効な面取り処理を施すことが非常に困難である。
【0006】
そのため、現状では、有底穴及び薄板部材外径の加工寸法を、非常に高精度に仕上げ(クリアランスをφ0.003〜0.006で管理している)、熟練作業者によって手作業で有底穴へ薄板部材を組み付けている。このため、組付け作業性が非常に悪いという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、組付け作業性を大幅に向上させるとともに、締まり嵌めでの嵌合を可能とする薄板部材の組付け装置及び組付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、板状部材に形成された有底穴に薄板部材を組み付ける組付け装置において、合わせ面が略球状に形成され、前記板状部材を挟み込む凸型及び凹型と、前記薄板部材を保持し、前記凸型と前記凹型に前記板状部材が挟み込まれた状態で、保持した前記薄板部材を前記有底穴に配置する保持部材と、を有し、前記凹型の中心に前記チップ保持部材が通過可能な貫通穴が形成されていることを特徴とする。
【0009】
この薄板部材の組付け装置では、薄板部材を組み付ける有底穴が形成された板状部材が、凸型と凹型とによって挟み込まれる。そして、凸型と凹型の合わせ面(対向面)は、略球状に形成されているため、凸型と凹型とによって挟み込まれた板状部材が湾曲する。この板状部材の変形により、板状部材に形成された有底穴が拡張される。その状態で、薄板部材が保持部材により、凹型の中心に設けられた貫通穴を介して、有底穴に配置される。このとき、貫通穴が薄板部材を有底穴に配置する際のガイドとなり、作業を容易にする。その後、凸型と凹型を離間させることにより、板状部材の変形を元に戻して薄板部材を有底穴に組み付ける。
【0010】
このように、薄板部材を有底穴に組み付けるときに、有底穴が拡張されて組み付け時におけるクリアランスが大きくなるので、組付け作業性を大幅に向上させることができる。また、組付け作業を自動化することもできる。さらに、拡張した有底穴に薄板部材を配置した後、板状部材の変形を元に戻して薄板部材を有底穴に組み付けるため、薄板部材を有底穴に対して締まり嵌めで嵌合させることができる。さらにまた、有底穴及び薄板部材外径の加工寸法を、非常に高精度に仕上げる必要もなくなる。
【0011】
上記した薄板部材の組付け装置においては、前記凸型の球Rは、前記板状部材が前記凸型と前記凹型とに挟み込まれたときに弾性変形するように設定されていることが望ましい。
【0012】
薄板部材を有底穴に組み付ける際に、板状部材を凸型と凹型とによって挟み込んで変形させるが、板状部材が塑性変形してしまうと、凸型と凹型を離間させても板状部材の変形が元に戻らなくなる。そうすると、薄板部材を有底穴に対して締まり嵌めで嵌合させることができなくなる。
【0013】
そこで、この薄板部材の組付け装置では、凸型の球Rを、板状部材が凸型と凹型とに挟み込まれたときに弾性変形するように、すなわち板状部材が塑性変形しないように弾性変形限度内に設定している。これにより、板状部材を凸型と凹型とによって挟み込んで変形させたときに、板状部材が塑性変形することを確実に防止することができる。そのため、凸型と凹型を離間させると板状部材の変形が確実に元に戻るため、薄板部材を有底穴に対して締まり嵌めで嵌合させることができる。
【0014】
上記した薄板部材の組付け装置においては、前記貫通穴の前記チップ保持部材挿入側端面には、円錐状の面取りが施されており、前記チップ保持部材の径が、前記薄板部材の径と同じであることが望ましい。
【0015】
このような構成により、有底穴への薄板部材の配置をより容易に、かつスムーズに行うことができる。また、有底穴への薄板部材の配置をより精度良く行うことができる。特に、薄板部材の組付けを自動化する場合には効果的である。
【0016】
また、上記課題を解決するためになされた本発明の別態様は、板状部材に形成された有底穴に薄板部材を組み付ける組付け方法において、合わせ面が略球状に形成された凸型と凹型とで前記板状部材を挟み込み、前記板状部材の弾性限度内で前記有底穴を拡張変形させた状態で、前記薄板部材を前記有底穴に組み付けることを特徴とする。
【0017】
この薄板部材の組付け方法でも、凸型と凹型とで板状部材を挟み込み、板状部材の弾性限度内で有底穴を拡張変形させた状態で、薄板部材を有底穴に組み付けるため、組付け作業性を大幅に向上させるとともに、締まり嵌めでの嵌合を行うことができる。
【0018】
なお、前記薄板部材の径は、前記有底穴の径以下にすることが好ましい。このように、板部材の径を有底穴の径以下にする、つまり、薄板部材の径を有底穴の径と等しくする、又は薄板部材の径を有底穴の径よりも若干小さくすることにより、薄板部材を有底穴に対して確実に締まり嵌めで嵌合させることができる。その結果、後工程において、薄板部材の脱落やズレなどを防止することができ、作業性や生産性が向上させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る薄板部材の組付け装置及び組付け方法によれば、上記した通り、組付け作業性を大幅に向上させるとともに、締まり嵌めでの嵌合を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施の形態に係る組付け装置の概略を示す概略構成図である。
【図2】下型の上面における球Rと、電磁鋼板の有底穴の拡張量との関係を示す図である。
【図3】拡張した有底穴に改質用チップを配置した状態を示す図である。
【図4】上型を下型から離間させて改質用チップを有底穴に組み付けた状態を示す図である。
【図5】厚さが有底穴の深さよりも厚い改質用チップを有底穴に組み付けた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の薄板部材の組付け装置及び組付け方法を具体化した実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。本実施の形態では、電磁鋼板の一部を非磁性化するための改質用チップを電磁鋼板に形成された有底穴に組み込む場合を例示する。なお、電磁鋼板の部分非磁性化は、電磁鋼板の有底穴に改質用チップを組み込み、通電でそれらを溶融一体化し改質するものである。
【0022】
まず、本実施の形態に係る組付け装置について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態に係る組付け装置の概略を示す概略構成図である。
図1に示すように、組付け装置10には、上型11と、下型12と、チップ保持具13とが備わっている。そして、上型11と下型12とで電磁鋼板30を挟み込んで、チップ保持具13の先端に保持した改質用チップ20を、電磁鋼板30に形成された有底穴31に組み込むようになっている。
【0023】
上型11は、円筒形状をなし、下面11bが略球状に形成された凹型である。下型12は、円筒形状をなし、上面12aが略球状に形成された凸型である。これら上型11及び下型12は、中空状の枠材15内に配置されている。そして、下型12は、枠材15内に配置され固定されるが、上型13は、稼働機構により枠材15内で上下動するようにされている。つまり、組付け装置10では、上型11が下型12に対して中心軸X上で近接・離間するようになっている。
【0024】
上型11には、枠材15外に突き出た連結板16の一端がボルトにより取り付けられている。連結板16の他端には、枠材15に固定されたシリンダ17のロッド17aが連結されている。これにより、シリンダ17の動きに連動して上型11が上下動するようになっている。つまり、連結板16及びシリンダ17により、上型11を枠材15内を上下動させる稼働機構が構成されている。
【0025】
また、上型11の中心には、貫通孔18が設けられている。この貫通孔18の径は、改質用チップ20の径及びチップ保持具13の径よりも若干大きくされている。これにより、改質用チップ20の組み付け時に、チップ保持具13が貫通孔18を通過することができるようになっている。そして、貫通孔18の径がチップ保持具13の径よりも若干大きいので、貫通孔18がチップ保持具13のガイドとして作用するようにもなっている。
【0026】
なお、改質用チップの組付けを自動化する場合には、貫通穴18の上部開口端面に、円錐状の面取りを施すことが好ましい。これにより、有底穴31への改質用チップ20の配置を精度良く、容易かつスムーズに行うことができるため、組付け作業の自動化がより容易になるからである。
【0027】
そして、上型11の下面11bにおける球Rは、下型12の上面12aにおける球Rに電磁鋼板30の板厚を加算した寸法となっている。なお、本実施の形態における電磁鋼板30の板厚は、0.3mmである。
ここで、下型12の上面12aにおける球Rは、電磁鋼板30が上型11と下型12とに挟み込まれたときに弾性変形する範囲内に設定されている。なお、下型12の上面12aにおける球Rの最適値は、薄板部材の材質などにより変化するため、実験などにより求めて下型12の上面12a及び上型11の下面11bの各形状を設計すればよい。
【0028】
ここで、本実施の形態における下型12の上面12aにおける球Rと、電磁鋼板30の有底穴31の拡張量との関係を図2に示す。図2からわかるように、下型12の上面12aにおける球Rは、電磁鋼板30の弾性変形内になるようにすれば良いから、110以上に設定すれば良い。一方、有底穴31の拡張量は大きい程、作業性が良くなる。そのため、下型12の上面12aにおける球Rは、理想的には110に設定するのが良い。ところが、電磁鋼板30の製品ばらつきなどにより、球Rが110では、電磁鋼板30に塑性変形が発生するおそれがある。そのため、本実施の形態では、弾性限度にある程度の余裕代を持たせ、下型12の上面12aにおける球Rを150に設定している。これにより、有底穴31の拡張量をある程度は確保しつつ、電磁鋼板30が塑性変形しないようにしている。なお、有底穴31の径は3mmであり、深さは0.15mmである。
【0029】
図1に戻って、枠材15の側部には、切り欠き部15aが形成されている。この切り欠き部15aは、下型12の上面12a付近に設けられている。これにより、有底穴31が形成された電磁鋼板30を、切り欠き部15aから上型11と下型12との間に配置することができるようになっている。なお、電磁鋼板30は、不図示の搬送装置によって上型11と下型12との間に配置される。
【0030】
チップ保持具13は、吸引などにより改質用チップ20を先端部に保持する円筒形状をなすものである。チップ保持具13の径は、改質用チップ20の径と同じに設定されている。なお、改質用チップ20の径は3mmであり、厚さ(高さ)は0.15mmである。このチップ保持具13は、枠材15の上部に取り付けられた上部プレート19に固定されたシリンダ14のロッド14aに接続されている。そして、上部プレート19の中心には貫通穴19aが形成されている。この貫通穴19aは、貫通穴18と同軸(中心軸X)上に配置されている。そして、貫通穴19a内にチップ保持具13が摺動可能に配置されている。これにより、チップ保持具13は、シリンダ14の動きに連動して貫通穴19aにガイドされながら上下動するようになっている。
【0031】
また、チップ保持具13は、保持した改質用チップ30を有底穴31に配置するものでもある。つまり、チップ保持具13は、シリンダ14により下降させられ、先端部に保持した改質用チップ20が有底穴31内に到達すると、改質用チップ20をリリースして有底穴31内に配置するようになっている。
【0032】
次に、上記した構成を有する組付け装置10を用いて、電磁鋼板30の有底穴31に改質用チップ20を組み付ける手順(組付け方法)について、図1、図3及び図4を参照しながら説明する。図3は、拡張した有底穴に改質用チップを配置した状態を示す図である。図4は、上型を下型から離間させて改質用チップを有底穴に組み付けた状態を示す図である。
【0033】
まず、組付け装置10において、図1に示すように、チップ保持具13が上昇させられた状態で、チップ保持具13の先端に改質用チップ20が保持される。このとき、上型11が上昇させられており、下型12から離間している。この状態で、組付け装置10の横側から有底穴31が形成された電磁鋼板30が、上型11と下型12との間に配置される。このとき、電磁鋼板30は、有底穴31の中心が組付け装置10の中心軸X上に位置するように配置される。これにより、上型11及び下型12は、あらかじめ中心軸X上に配置されているので、有底穴31、上型11及び下型12が中心軸X上に配置される。
【0034】
次いで、シリンダ17を作動させて上型11を下降させて、電磁鋼板30を上型11と下型12とで挟み込む。そうすると、電磁鋼板30のうち上型11と下型12とで挟み込まれた部分が、上型11の下面11bと下型12の上面12aとの形状に倣って球形状に弾性変形する。このとき、下型12の上面12aの球Rを150に設定しているので、電磁鋼板30が塑性変形することはない(図2参照)。そして、この電磁鋼板30の弾性変形により有底穴31が拡張される。
【0035】
この状態で、シリンダ14を作動させて、改質用チップ20を保持したチップ保持具13を下降させる。そうすると、改質用チップ20及びチップ保持具13は、上型11に設けられた貫通穴18を通過し、改質用チップ20が電磁鋼板30の有底穴31に到達する。そして、チップ保持具13から改質用チップ20がリリースされた後、チップ保持具13が上昇させられて、図3に示すように、改質用チップ20が電磁鋼板30の有底穴31に配置される。
【0036】
改質用チップ20を有底穴31に配置するとき、上部プレート19の貫通穴19a及び上型11の貫通穴18が、チップ保持具13のガイドになるとともに、有底穴31が拡張されているため、改質用チップ20の有底穴31への配置作業を精度良く、容易かつスムーズに行うことができる。つまり、作業性が大幅に向上している。
【0037】
その後、シリンダ17により上型11を下型12から離間させる。そうすると、電磁鋼板30の弾性変形が解除されて元の形状に戻る。これにより、図4に示すように、改質用チップ20が電磁鋼板30の有底穴31にしっかりと組付けられる。このように、改質用チップ20を組み付ける際に、有底穴31を拡張しているため、締まり嵌めの公差品であっても容易に組み付けることができる。つまり、有底穴31及び改質用チップ20の加工寸法を高精度に仕上げなくても、改質用チップ20を有底穴31に対して確実に組み付けることができる。
【0038】
以上、詳細に説明したように本実施の形態に係る組付け装置10によれば、略球状に形成された下面11bを有する上型11と、略球状に形成された上面12aを有する下型12とによって、有底穴31が形成された電磁鋼板30を挟み込んで弾性変形させ、有底穴31を拡張した状態でチップ保持具13により改質用チップ20を有底穴31に配置し、その後、上型11を下型12から離間させて電磁鋼板30の変形を元に戻して、改質用チップ20を有底穴31に組み付ける。従って、改質用チップ20の有底穴31への組付け作業性を大幅に向上させるとともに、改質用チップ20を有底穴31に対して締まり嵌めで嵌合させることができる。
【0039】
また、下型12の上面12aにおける球Rを、電磁鋼板30が上型11と下型12に挟み込まれたときに塑性変形しないように弾性変形限度内に設定しているため、電磁鋼板30を上型11と下型12とによって挟み込んで変形させたときに、電磁鋼板30が塑性変形することを確実に防止することができる。これにより、上型11を下型12から離間させたときに電磁鋼板30の変形が確実に元に戻るため、改質用チップ20を有底穴31にしっかりと組み付けることができる。
【0040】
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。例えば、上記した実施の形態では、電磁鋼板の有底穴に改質用チップを組み付ける際に本発明を適用した場合について例示したが、電磁鋼板以外の板状部材の有底穴に改質用チップ以外の薄板部材を組み付ける場合であっても本発明を適用することができる。
【0041】
また、上記した実施の形態では、下型12を固定して上型11を稼働させているが、これとは逆に、上型11を固定して下型12を稼働させるようにしてもよい。
さらに、上記した実施の形態では、上型11を凹型とし、下型12を凸型としているが、改質用チップを下方より組み付ける際には、上型11を凸型とし、下型12を凹型とすることもできる。
【0042】
また、上記した実施の形態では、有底穴31の径を改質用チップ20の径と同じにしているが、有底穴31の径を改質用チップ20の径よりも若干小さくしてもよい。これにより、改質用チップ20を有底穴31に対して確実に締まり嵌めで嵌合させることができる。その結果、後工程において、改質用チップ20の脱落やズレなどを防止することができ、作業性や生産性を向上させることができる。
【0043】
さらに、上記した実施の形態では、有底穴31の深さと等しい厚さの改質用チップ20を組み付ける場合について例示したが、図5に示すように、有底穴31の深さよりも厚い厚さの改質用チップ20aを組み付けるような場合であっても、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0044】
10 組付け装置
11 上型
11b 下面
12 下型
12a 上面
13 チップ保持具
18 貫通穴
19a 貫通穴
20 改質用チップ
30 電磁鋼板
31 有底穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状部材に形成された有底穴に薄板部材を組み付ける組付け装置において、
合わせ面が略球状に形成され、前記板状部材を挟み込む凸型及び凹型と、
前記薄板部材を保持し、前記凸型と前記凹型に前記板状部材が挟み込まれた状態で、保持した前記薄板部材を前記有底穴に配置するチップ保持部材と、
を有し、
前記凹型の中心に前記チップ保持部材が通過可能な貫通穴が形成されている
ことを特徴とする薄板部材の組付け装置。
【請求項2】
請求項1に記載する薄板部材の組付け装置において、
前記凸型の球Rは、前記板状部材が前記凸型と前記凹型とに挟み込まれたときに弾性変形するように設定されている
ことを特徴とする薄板部材の組付け装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載する薄板部材の組付け装置において、
前記貫通穴の前記チップ保持部材挿入側端面には、円錐状の面取りが施されており、
前記チップ保持部材の径が、前記薄板部材の径と同じである
ことを特徴とする薄板部材の組付け装置。
【請求項4】
板状部材に形成された有底穴に薄板部材を組み付ける組付け方法において、
合わせ面が略球状に形成された凸型と凹型とで前記板状部材を挟み込み、前記板状部材の弾性限度内で前記有底穴を拡張変形させた状態で、前記薄板部材を前記有底穴に組み付ける
ことを特徴とする薄板部材の組付け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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