説明

薄膜形成体及びその製造方法並びにその薄膜形成体を用いた光記録媒体

【課題】 有機色素の光劣化及び酸化を防止する、即ち励起一重項状態からの劣化のみ、或いは励起一重項状態からの劣化及び励起三重項状態からの劣化の双方を抑制する。
【解決手段】 薄膜形成体は、基板11の表面に形成された有機色素層12と、有機色素層12の表面に形成されたケイ素ポリマー層13とを備える。また薄膜形成体は、先ず基板11の表面に有機色素をコーティングして有機色素層12を形成し、この有機色素層12の表面にケイ素ポリマーをコーティングしてケイ素ポリマー層13を形成することにより製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学素子に応用できる薄膜形成体と、この薄膜形成体を製造する方法と、この薄膜形成体を利用したCD(Compact Disc)、CD−R(Compact Disc−Recordable)、CD−RW(Compact Disc−ReWritable)、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−R(Digital Versatile Disc−Recordable)、DVD−RW(Digital Versatile Disc−ReWritable)、今後の普及が見込まれるHD−DVD(High Difinition−Digital Versatile Disc)等の光記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、文字、図形等の画像又は映像、或いは音声等のデータを記録し再生する手段としては、例えば、波長770〜830nmのレーザ光により記録又は再生されるCD−R、このレーザ光より波長の短い620〜690nmの赤色レーザ光により高密度に記録又は再生されるDVD−R、更に次世代光記録媒体として波長405〜410nmの青色レーザ光により超高密度に記録又は再生されるHD−DVD等の光記録媒体が知られている。これらの光記録媒体の記録層(有機色素層)は、主として有機色素からなり、レーザ光の照射により有機色素が加熱され分解等して化学的ないし物理的に変化し、これにより有機色素層にピットが形成されて情報が記録される。この情報を再生するときには、記録時より出力の小さいレーザ光を照射することにより行われる。
【0003】
一方、上記記録層の有機色素としてSi−フタロシアニン系色素を用いた光記録媒体(例えば、特許文献1〜4参照。)が開示されている。上記特許文献1には、記録層がSi−フタロシアニン系色素及びエポキシ樹脂を含有することにより、低パワーでの記録が可能であって、記録振幅が大きく、キャリアレベルの高く、更に光記録媒体としての耐環境性も高くなると記載されている。また特許文献2には、記録層用の色素に適するSi−フタロシアニン系色素を用いることにより、記録用レーザ光に対する記録感度が高く、最適な記録パワーの範囲が広くなると記載されている。更に特許文献3及び4には、基板上に、相変化記録層と、Si−ナフタロシアニン色素からなる少なくとも1層の可飽和吸収色素含有層と、反射層とを形成することにより、青色系レーザ光で記録情報を書換えることができ、かつ赤色系レーザ光で再生できることが記載されている。
【特許文献1】特開平7−125434号公報(請求項1、段落[0005])
【特許文献2】特開平7−268227号公報(請求項1及び7、段落[0258])
【特許文献3】特開2003−175673号公報(請求項1、段落[0008]、段落[0010])
【特許文献4】特開2003−178488号公報(請求項1、段落[0009]、段落[0011])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
有機色素が光の照射を受けると、一般的に光劣化を起こし易い。この光が劣化する過程には次の2つの過程が存在する。第1の光劣化過程は、光の照射により励起一重項状態の色素が電子を失って、カチオンラジカルが生成されることにより、色素が劣化する過程である。第2の劣化過程は、光の照射により励起された色素が項間交差を経て励起三重項状態となって酸素にエネルギを渡し、このエネルギを得た酸素が活性酸素となって色素を壊すという劣化過程である。有機色素としてシアニン系色素を用いた場合、光記録媒体の再生時にレーザ光を使用するため、この光により有機色素の劣化が発生し、光記録媒体に記録された情報が消去されてしまうおそれがあった。
上記従来の特許文献1〜4に示された光記録媒体等では、有機色素として、シアニン系色素より光劣化し難いSi−フタロシアニン系色素を用いているけれども、光記録媒体が次世代光記録媒体のHD−DVDである場合、現在普及しているCD−RやDVD−R等で用いられるレーザ光よりも短波長のレーザ光(青色半導体レーザ)を使用しており、より高いフォトンエネルギをもつため、このフォトンエネルギにより有機色素が劣化してしまうおそれがあった。
また、上記従来の特許文献1〜4に示された光記録媒体等では、有機色素が酸素による影響を受け易いため、有機色素が酸化して劣化するという問題点もあった。
本発明の目的は、有機色素の光劣化及び酸化を防止できる、具体的には、励起一重項状態からの劣化、或いは励起一重項状態からの劣化及び励起三重項状態からの劣化の双方を抑制できる、薄膜形成体及びその製造方法並びにその薄膜形成体を用いた光記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、図1に示すように、基板11の表面に形成された有機色素層12と、有機色素層12の表面に形成されたケイ素ポリマー層13とを備えた薄膜形成体である。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、更に図1に示すように、有機色素層12がJ会合薄膜であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、図1に示すように、基板11の表面に有機色素をコーティングして有機色素層12を形成する工程と、有機色素層12の表面にケイ素ポリマーをコーティングしてケイ素ポリマー層13を形成する工程とを含む薄膜形成体の製造方法である。
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明であって、更に図1に示すように、有機色素層12がJ会合薄膜であることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、図1に示すように、基板11と、基板11の表面に形成された有機色素層12と、有機色素層12の表面に形成されたケイ素ポリマー層13と、ケイ素ポリマー層13の表面に形成された反射層14とを備えた光記録媒体である。
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明であって、更に図1に示すように、有機色素層12がJ会合薄膜であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に係る発明では、基板の表面に有機色素層を形成し、有機色素層の表面にケイ素ポリマー層を形成したので、有機色素への光の照射時に、ケイ素ポリマーが電子を放出することにより、薄膜形成体の有機色素が励起一重項状態から劣化するのを抑制できるとともに、薄膜形成体の有機色素の酸化による劣化を抑制できる。
請求項2、4又は6に係る発明では、有機色素層がJ会合薄膜であるので、有機色素が単量体である場合と比較して、有機色素への光の照射時に、薄膜形成体又は光記録媒体の有機色素が励起三重項状態から劣化するのを抑制できる。この結果、有機色素の励起一重項状態からの劣化及び励起三重項状態からの劣化の双方を抑制できる。
【0007】
請求項3に係る発明は、基板の表面に有機色素をコーティングして有機色素層を形成し、有機色素層の表面にケイ素ポリマーをコーティングしてケイ素ポリマー層を形成したので、比較的簡単な工程で上記請求項1と同様の効果、即ち有機色素への光の照射時に、ケイ素ポリマーが電子を放出することにより、薄膜形成体の有機色素が励起一重項状態から劣化するのを抑制できるとともに、有機色素の酸化による劣化を抑制できるという効果が得られる。
請求項5に係る発明は、基板の表面に有機色素層を形成し、有機色素層の表面にケイ素ポリマー層を形成し、更にケイ素ポリマー層の表面に反射層を形成したので、有機色素への光の照射時に、ケイ素ポリマーが電子を放出することにより、光記録媒体の有機色素が励起一重項状態から劣化するのを抑制できるとともに、有機色素の酸化による劣化を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施の形態>
図1に示すように、光記録媒体10は、基板11と、基板11の表面に形成された有機色素層12と、有機色素層12の表面に形成されたケイ素ポリマー層13と、ケイ素ポリマー層13の表面に形成された反射層14とを備える。光記録媒体10としては、CD、CD−R、CD−RW、DVD、DVD−R、DVD−RW、HD−DVD等が挙げられる。基板11はポリカーボネート等の透明樹脂により形成される。また有機色素層12中の有機色素としては、シアニン系色素、フタロシアニン系色素、アゾ系色素等が挙げられる。シアニン系色素としては、オキソシアニン色素若しくはチオシアニン色素を用いることが好ましい。有機色素層12の厚さは5nm〜1μm、好ましくは10nm〜100nmの範囲に設定される。有機色素層12の厚さを5nm〜1μmの範囲に限定したのは、5nm未満では十分に膜(有機色素層12)を形成できず、1μmを越えると有機色素層12の膜厚が不均一になってしまうからである。更に有機色素としてシアニン系色素を用いる場合、良好な光学特性(高屈折率)を有する、即ち有機色素層12の吸収スペクトルを先鋭化(シャープ)させることができるJ会合薄膜を有機色素層12として用いることが好ましい。
【0009】
一方、ケイ素ポリマー層13はケイ素ポリマーからなり、このケイ素ポリマーは次の化学式(1)で示される組成を有する。
【0010】
【化1】

【0011】
上記化学式(1)中のR1及びR2は、水素、水酸基、エーテル又はアルキル基を示す。上記R1及びR2は同一であってもよく、或いは異なっていてもよい。また化学式(1)中のnは整数であればよく、具体的には、10〜3000である。エーテルとしては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、フェノキシ基等が例示され、アルキル基としては、炭素1〜10の低級アルキル基、n-プロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基等が例示される。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が例示される。更にケイ素ポリマー層13の厚さは30nm〜1μm、好ましくは30nm〜200nmの範囲に設定される。ここで、ケイ素ポリマー層13の厚さを30nm〜1μmの範囲に限定したのは、30nm未満では十分に膜(ケイ素ポリマー層13)を形成できず、1μmを越えるとケイ素ポリマー層13の膜厚が不均一になってしまうからである。一方、反射層14は銀、金、アルミニウム等により形成される。なお、反射層14の表面にはこの反射層14を保護するための保護層16が形成され、この保護層16の表面にはダミー基板18が接着剤層17により積層接着される。保護層16及びダミー基板18は紫外線硬化樹脂等によりそれぞれ形成される。
【0012】
このように構成された光記録媒体10の製造方法を説明する。
先ずポリカーボネート等の透明樹脂により形成された基板11を用意する。この基板11の表面に有機色素をコーティングして有機色素層12を形成する。この有機色素のコーティング方法としては、スピンコート法、LB(Langmuir−Blodgett)法、ディップコート法などが挙げられるけれども、均一な厚さの薄膜を形成できるスピンコート法を用いることが好ましい。ここで、有機色素層の表面に、電解質(poly(diallyl dimethyl ammonuium chloride))(PDDA)の水溶液をスピンコートしてPDDA薄膜を形成することにより、有機色素層がJ会合薄膜(J会合体)となる。次いで有機色素層12の表面にケイ素ポリマーをコーティングしてケイ素ポリマー層13を形成する。このケイ素ポリマーのコーティング方法としては、真空蒸着法、スピンコート法、キャストコート法、ディップコート法などが挙げられる。次にケイ素ポリマー層13の表面に真空蒸着法等により反射層14を形成した後に、反射層14の表面にスピンコート法により保護層16を形成する。更に保護層16の表面に接着剤層17を介してダミー基板18を積層接着する。
【0013】
このように製造された光記録媒体10では、有機色素への光の照射時に、ケイ素ポリマーが電子を放出することにより、光記録媒体10の有機色素が励起一重項状態から劣化するのを抑制できるとともに、有機色素の酸化による劣化を抑制できる。特に、有機色素層12がJ会合薄膜である場合、有機色素が単量体である場合と比較して、有機色素への光の照射時に、光記録媒体10の有機色素が励起三重項状態から劣化するのを抑制できる。この結果、有機色素の励起一重項状態からの劣化及び励起三重項状態からの劣化の双方を抑制できる。
従来、次の2つの光劣化過程により有機色素が劣化していた。図2に示すように、第1の光劣化過程は、有機色素(Dye)への光(hν)の照射により励起一重項状態の有機色素(1Dye*)が電子を失って、カチオンラジカル(Dye・+)が生成されることにより、有機色素が劣化する過程である。第2の劣化過程は、有機色素(Dye)への光(hν)の照射により励起された有機色素(Dye)が項間交差を経て励起三重項状態の有機色素(3Dye*)が生成されて酸素にエネルギを渡し、このエネルギを得た酸素(32)が活性酸素となって有機色素を壊して、劣化する過程である。
しかし、本実施の形態では、図2に示すように、有機色素(Dye)への光(hν)の照射により励起一重項状態の色素(1Dye*)が電子を失って、カチオンラジカルが生成されようとするけれども、ケイ素ポリマー層(PDMS:poly(dimethylsilane))が励起一重項状態の有機色素(1Dye*)に電子(e-)を供給するため、第1の光劣化過程が進行し難くなり、有機色素の劣化が抑制される。特に有機色素層がJ会合薄膜である場合、光の照射(hν)により励起された色素(Dye)が項間交差を経て励起三重項状態の色素(3Dye*)が生成されようとするけれども、有機色素がJ会合体を形成しており、上記項間公差が生じ難くなっているため、上記第2の劣化過程が進行し難くなり、有機色素の劣化が抑制される。
【実施例】
【0014】
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
図3に示すように、先ず縦×横×厚さがそれぞれ25mm×25mm×2mmである透明の石英基板21を用意した。次に石英基板21の表面にオキサチオシアニン色素の単量体をスピンコート法によりコーティングして厚さ30nmの有機色素層22を形成した。具体的にはオキサシアニン色素(5-Chloro-2-[[5-chloro-3-(3-sulfopropyl)-2(3H)-benzoxazolylidene]methyl]-3-(3-sulfopropyl)-benzoxazolium hydroxide ethyl amine salt)1.5gを、100mlの溶媒(2,2,3,3-Tetrafluoro-1-propanol)に溶解させて、15g/リットルの溶液を調製した。この溶液を石英基板21上に1ml滴下した後、3000rpmの回転速度で30秒間スピンコートして有機色素層22を形成した。更に有機色素層22の表面にR1及びR2がメチル基であるポリジメチルシラン(PDMS)を真空蒸着法によりコーティングして厚さ50nmのケイ素ポリマー層23を形成した。この積層体20を実施例1とした。なお、上記オキサシアニン色素は次の化学式(2)で示され、上記ポリジメチルシラン(PDMS)は次の化学式(3)で示される。またポリジメチルシラン(PDMS)の平均分子量Mwは2000であり、nは36であった。
【0015】
【化2】

【0016】
【化3】

【0017】
<実施例2>
実施例1と同様にして石英基板の表面に有機色素層を形成した後に、電解質(poly(diallyl dimethyl ammonuium chloride))(PDDA、東京化成社製:98%)の1g/リットルの濃度の水溶液を用意し、上記有機色素層の表面に2ml滴下した後、3000rpmの回転速度で30秒間スピンコートし、PDDA薄膜を有機色素層上に形成した。このようにPDDA薄膜を有機色素層上に形成することにより、有機色素層がJ会合薄膜(J会合体)となる。このJ会合薄膜となった有機色素層の表面にR1及びR2がメチル基であるポリジメチルシラン(PDMS)をスピンコート法によりコーティングして厚さ30nmのケイ素ポリマー層を形成した。この積層体を実施例2とした。なお、上記PDDA薄膜は次の化学式(4)で示される。またPDDA薄膜の平均分子量400000〜500000であり、化学式(4)中のnは2480〜3110であった。
【0018】
【化4】

【0019】
<実施例3>
有機色素層としてオキサシアニン色素(5-Chloro-2-[[5-chloro-3-(3-sulfopropyl)-2(3H)-benzoxazolylidene]methyl]-3-(3-sulfopropyl)-benzoxazolium hydroxide ethyl amine salt)を用い、有機色素層の表面にR1及びR2がヘキシル基であるポリジヘキシルシラン(PDHS)をスピンコート法によりコーティングして厚さ30nmのケイ素ポリマー層を形成した以外は実施例1と同様にして積層体を形成した。この積層体を実施例3とした。なお、上記有機色素は次の化学式(5)で示され、上記ポリジヘキシルシラン(PDHS)は次の化学式(6)で示される。またポリジヘキシルシラン(PDHS)の平均分子量Mwは200000〜300000であり、nは100〜150であった。
【0020】
【化5】

【0021】
【化6】

【0022】
<比較例1>
高分子ケイ素膜を有機色素層上に形成しなかったこと以外は実施例1と同様にして積層体を形成した。この積層体を比較例1とした。
<比較例2>
J会合薄膜となった有機色素層の表面にケイ素ポリマー層を形成しなかったこと以外は実施例2と同様にして積層体を形成した。この積層体を比較例2とした。
<比較例3>
高分子ケイ素膜を有機色素層上に形成しなかったこと以外は実施例3と同様にして積層体を形成した。この積層体を比較例3とした。
【0023】
<比較試験及び評価>
実施例1〜3及び比較例1〜3の積層体に、酸素雰囲気下で、300Wのキセノンランプ(ウシオ電機社製)から分光器(日本分光社製:CT10分光器)を通した410nmの光を照射した。そして10分毎に有機色素の相対減少率を測定した。その結果を図1及び図2に示す。なお、図1及び図2において光を照射する直前の有機色素を100%とした。
図4から明らかなように、比較例1及び2では相対減少率が約27%及び約14%であったのに対し、実施例1及び2では相対減少率が約12%及び約7%であり、実施例1及び2の方が比較例1及び2より有機色素の減少が抑制されることが分かった。また有機色素層がJ会合体(J会合薄膜)である実施例2の方が、有機色素層が単量体である実施例1より有機色素の減少が抑制されることが分かった。
また図5から明らかなように、比較例3では相対減少率が約38%であったのに対し、実施例3では相対減少率が約15%であり、実施例3の方が比較例3より有機色素の減少が抑制されることが分かった。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明実施形態の光記録媒体の縦断面図である。
【図2】有機色素の光劣化の進行過程を示す図である。
【図3】実施例1の有機色素層及びケイ素ポリマー層をコーティングした石英基板の縦断面図である。
【図4】実施例1及び2と、比較例1及び2の光照射による有機色素の時間に対する相対的減少率を示す図である。
【図5】実施例3及び比較例3の光照射による有機色素の時間に対する相対的減少率を示す図である。
【符号の説明】
【0025】
10 光記録媒体
11,21 基板
12,22 有機色素層
13,23 ケイ素ポリマー層
14 反射層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(11,21)の表面に形成された有機色素層(12,22)と、
前記有機色素層(12,22)の表面に形成されたケイ素ポリマー層(13,23)と
を備えた薄膜形成体。
【請求項2】
有機色素層(12,22)がJ会合薄膜である請求項1記載の薄膜形成体。
【請求項3】
基板(11,21)の表面に有機色素をコーティングして有機色素層(12,22)を形成する工程と、
前記有機色素層(12,22)の表面にケイ素ポリマーをコーティングしてケイ素ポリマー層(13,23)を形成する工程と
を含む薄膜形成体の製造方法。
【請求項4】
有機色素層(12,22)がJ会合薄膜である請求項3記載の薄膜形成体の製造方法。
【請求項5】
基板(11,21)と、
前記基板(11,21)の表面に形成された有機色素層(12,22)と、
前記有機色素層(12,22)の表面に形成されたケイ素ポリマー層(13,23)と、
前記ケイ素ポリマー層(13,23)の表面に形成された反射層(14)と
を備えた光記録媒体。
【請求項6】
有機色素層(12,22)がJ会合薄膜である請求項5記載の光記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−66363(P2007−66363A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−248659(P2005−248659)
【出願日】平成17年8月30日(2005.8.30)
【出願人】(504145364)国立大学法人群馬大学 (352)
【出願人】(000204284)太陽誘電株式会社 (964)
【Fターム(参考)】