薄膜試料のゼーベック係数および/または熱伝導率を測定する方法および装置
【課題】熱電変換素子(薄膜)の効率的なゼーベック係数および熱伝導率を同時に測定できる簡便な方法・装置が存在しなかった。
【解決手段】薄膜試料1を貼付した基板2をヒーターブロック1上に載置し、さらにこの基板2の薄膜試料1を貼付した側を透明なフード4で被い、これら構造体を一体的に略垂直状態に維持し、このフード面に送風5を行うことにより、薄膜試料1のフード側面(試料表面)と基板側面(試料裏面)と間に温度差を作り出し、この温度差をベースとしてゼーベック係数あるいは熱伝導率を測定しようとするものである。
【解決手段】薄膜試料1を貼付した基板2をヒーターブロック1上に載置し、さらにこの基板2の薄膜試料1を貼付した側を透明なフード4で被い、これら構造体を一体的に略垂直状態に維持し、このフード面に送風5を行うことにより、薄膜試料1のフード側面(試料表面)と基板側面(試料裏面)と間に温度差を作り出し、この温度差をベースとしてゼーベック係数あるいは熱伝導率を測定しようとするものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱電試料(材料)、例えば熱電(変換)素子の性能を評価するために、薄膜試料(半導体)のゼーベック係数および熱伝導率を同時に測定できる簡易な測定方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱電(変換)素子にはゼーベック効果とペルテイエ効果という二つの性質がある。2つの半導体を直列につなぎ、素子の片側を過熱し温度差を与えると起電力が発生し、エネルギーの高い高温面からエネルギーの低い低温面に電子またはホールが移動し電流が流れる。これをゼーベック効果という。
【0003】
またその逆に、2つの半導体を直列につなぎ直流電流を流すと、電子あるいはホールが移動することによって、素子の両側で温度差が生じる。これをペルテイエ効果という。現在、これらの特性から体温と外気温の差を利用して発電する熱発電腕時計などが製品化されており、太陽熱や海洋の温度差を利用する研究も進められている。
【0004】
一般に、熱電素子の性能を表す指標として、次式の性能指数Zが用いられる。
Z=(S2/ρk)
この式で、Sはゼーベック係数[μV/K],ρは電気抵抗[S/m],kは熱伝導率[W/(m・K)]である。
【0005】
ゼーベック係数とは、熱電素子によって発生する起電力を2点間(素子の表と裏)の温度差で割ったものであり、
S=V/ΔT (V:起電力[μV],ΔT:温度差[K])
で表すことができる。一般的に優れた熱電材料(試料)とは、性能指数が大きい、すなわちゼーベック係数が大きく、電気抵抗率と熱伝導率が小さい物質であると言われている。
【0006】
近年、新しいエネルギー源としてこの熱電変換材料はクリーンなエネルギーが得られる材料として開発が期待されており、熱電変換材料の適否を判断するためにいくつかの熱起電力の測定方法が考えられている。一般的には、試料の一端を任意の温度に加熱して高温部を設け、他端を自然冷却あるいは強制冷却することで低温部を設けて材料(試料)に温度勾配を発生させ、その間に発生した熱起電力を測定する方法をとっている。
【0007】
しかしながらこの熱起電力の測定装置は、測定者が自作しているケースが多く、それらの構造は測定者によってかなり異なっているが、試料の加熱方法に着目すれば、一応つぎの3種類に分類される。
1)材料の近傍に発熱体を設け、試料の一端を冷却する。
2)発熱体により加熱された2つの物体を試料の端部に接触させる。
3)ハロゲンランプで試料と密着している試料台を過熱する。
これらの方式でも安定的な測定ができなかったので、2個の架台間に懸架された平板試料の下方中心部からスポット光を試料に照射して、試料中心部を局部加熱し、温度勾配が生じた試料の中心部と試料端部の任意の2点間の起電力を熱電対で測定する装置も提案されている(特許文献1を参照)。
【0008】
【特許文献1】特開平5−18913号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし上記の従来法等では、バルク状物質の測定は可能だが、薄膜状物質の測定ができないという問題点があり、また熱電変換材料の実用化面から考えると、バルク状物質よりも、材料が少なくてすみ、小型化が容易で、大量生産可能な薄膜状物質が望まれている。さらにこの従来技術であっては、バルク状物質の熱起電力の測定、およびゼーベック係数を算出できるが、スポット光源の影響で、暖かい上昇気流で試料が曝され、正確な温度測定ができず、したがって安定的に熱起電力の測定、ゼーベック係数の算出は不可能であった。まして薄膜試料での測定は、試料保持自体が困難であった。
【0010】
ゆえに、この発明は、薄膜試料を暖かい気流に曝すことなく、よって気流温度による影響を受けずに、ゼーベック係数を測定し、かつ試料の熱伝導率も同時に測定できる方法、装置を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明においては、ヒーターブロック上に薄膜試料を貼付した基板を載置し、上記基板の薄膜試料表面を透明なフードで被うとともに薄膜試料を略一体的に略垂直状態に挟持保持し、フード側からの送風により薄膜試料面のフード側面(試料表面)の温度値をヒーター側面(試料裏面)の温度値より低温に維持するとともに、薄膜試料表面・ブロック表面(試料裏面)の各温度値差および薄膜試料表裏面間の起電力値とから、薄膜試料のゼーベック係数および/または熱伝導率を測定する方法である。
【0012】
さらにこの発明は、ヒーターブロックと、このヒーターブロック上に裁置される薄膜試料を貼付した基板と、これらの薄膜試料面を被う透明なフードと、これらの構造体を略一体的に略垂直状態に保持した状態でヒーターブロックとフード間の間隔を相対的に調整できるように支持する枠体と、薄膜試料面のフード側面(試料表面)の温度値をヒーター側面(試料裏面)温度より低温に維持するための送風手段と、薄膜試料表面・ブロック表面(試料裏面)の各温度値差を測定する熱電対と、薄膜試料表裏面間の起電力を測定する電圧計とからなる薄膜試料のゼーベック係数および/または熱伝導率測定装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明では、熱電素子薄膜の性能を評価するために、半導体のゼーベック係数、および熱伝導率を同時に安定的に、かつ簡単に測定できる方法および装置を得ることができ、熱電材料の開発に大いに効果をもたらす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
薄膜試料を貼付した基板をヒーターブロック上に載置し、さらにこの基板の薄膜試料を貼付した側をフードで被い、これら構造体を一体的に略垂直状態に維持し、このフード面に送風を行うことにより、薄膜試料のフード側面(試料表面)と基板側面(試料裏面)と間に温度差を作り出し、この温度差をベースとしてゼーベック係数、あるいは熱伝導率を測定しようとするものである。以下図面に従いこの発明を説明する。
【0015】
(実施例1)
図1、図2はいずれも説明が理解され易くした簡略図面で、図1は、この発明の構造体を斜め上方から見た図面で、図2は、側面から見た図面であり、試料の厚さなど、その構成は、理解しやすいように誇張して示されている。
【0016】
図において、1は、例えば銅(Cu)などで整形されたヒーターブロックで、その内部にはニクロム線(図示省略)などが埋め込まれ、このニクロム線に通電することで、ブロックの温度が制御される。2は、例えばアルミ基板(Al)で、この基板2は、ヒーターブロック1上に載置されるとともに他面には例えばビスマス・テルル合金(Bi−Te)の薄膜(板)試料3が貼付される。なお、4はフードとして機能するマイカ板で、このマイカ板4は図のように、薄板試料3が送風5に曝されることを防ぐように、薄板試料に密着して、あるいは間隔(間隙)を持たせて、送風の上流側に配置されている。さらに6は、これらの構造体を一体に保持するための枠体(詳細構成は省略)で、この枠体6は、図のようにこれら構造体を一体的に略垂直状態に保持している。
【0017】
図2におけるTc1,Tc2,Tc3は熱電対で、熱電対Tc1はヒーターブロック1の表面(基板裏面)温度、熱電対Tc2は基板2の表面(薄膜試料の裏面)温度、Tc3は試料薄膜3の表面温度、を夫々測定するものである。なお、Vは薄膜3の表面と裏面(基板表面)間の電圧(起電圧)を測定する電圧計である。
【0018】
この結果、ゼーベック係数は次式で測定できる。
S=dV/(Th−Tc)
ここでdV(薄膜の起電力μV),Th−Tc(薄膜の表裏間の温度差K)である。
【0019】
図3は、時間的なゼーベック係数の変化を調べたこの発明の送風データー下での実験結果を表したもので、薄膜試料は、Bi−Te系のBi2(Se0.15Te2.85)で膜厚1μmのn型で、ヒーターの設定温度は30℃で、あった。この実験において、50秒までは略10秒ごとに、以後は略50秒ごとの時間間隔で複数回にわたり2回測定した結果をもとに上式からゼーベック係数を算出した結果、ゼーベック係数が略150〜200の範囲内で、しかも何分かにわたる(10分〜50分程度の範囲)測定でさえも略安定した測定結果が得られた。
【0020】
なお、図3のゼーベック係数50以下の値は、送風に代えて、温度差をつけるためアルミ棒をフードに押し当てることにより得た結果(アルミ棒データー)である。本来熱容量の大きいアルミ棒を押し当てることにより大きな温度差が付いてゼーベック係数が大きくなると思われたが、このデーターでは逆に送風したときの値に対し10分の1程度の大きさになってしまった。これはアルミ棒を押し当てる際に場所のずれと熱流束の乱れが発生して、熱電対と電圧計とで温度の減少度に差が出ているためではないかと考えられる。
またアルミ棒の場合、押し当てる力の調整が難しく、薄膜試料を突き破ったり、熱平衡までに時間を要し(1時間程度)、データー自体も不安定であった。
【0021】
この発明の場合は、データーの安定さは、ヒーターブロックで発生した熱流束は、約数メートル/秒の送風により風下に吹き流され、薄膜試料(表面)には影響を与えず安定な熱伝導が得られる結果と思われるが、アルミ棒を押し当てた際には、ヒーターブロック、基板、薄膜試料の間での接触度の強弱、さらには対流による試料表面の熱流束の乱れなどが影響するものと思われる。
【0022】
以上のようにこの発明の構成のごとく、略縦型(垂直状態)に保持され、薄膜表面で熱流束の乱れが起きにくいようにマイカ板で表面を覆い、一定の場所からファン(送風手段)を使って風を送る方法にあっては、大きな、かつ略一定値のゼーベック係数となり、信頼度の高いデーターが得られ、換言すれば、実用的な測定方法(装置)となる。
【0023】
上記の実施例では、フードとしてマイカ板を利用したが、これは以下の理由による。電圧あるいは熱電対の電極端子を、フード側から薄板試料の目的の場所に間違いなくセットするのに便利なように透明であること、電圧(起電力、熱電素子の電圧等)を測定するため絶縁性が必要であること、測定試料表面に電極などを接触させるためある程度の圧力をかけても割れにくくかつ薄い材質であること、ヒーターで加熱されるので耐熱性(70度程度以上)に優れていること、周囲を多い周囲との熱流束を減少させること、などの特性が必要で、透明で絶縁性、耐熱性があり、ある程度の熱拡散があり、かつあるていどの応力をかけても(しなっても)割れない材料としてマイカ(雲母)板を使用したが、代替品としては薄い硝子板の使用も可能である。
【0024】
(実施例2)
次に図4に従って熱伝導率の測定につき説明する。
この図4における熱伝導率は以下の式で表される。この図において、2はアルミ(Al)基板、3は薄板試料(Bi−Te)で、a,bは各々Al基板と薄膜試料の厚さ、K1,K2はAl基板およびBi−Teの薄膜試料の熱伝導率、T1,T2,T3は図に示すAl基板裏および表面、熱電素子(薄板試料)表面の夫々の部分の温度である。この結果、この図示した薄膜試料に熱伝導率は理論上次のようになる。
K2=bK1(T1−T2)/a(T2−T3)
a,b (Al基板,Bi−Te夫々の膜厚 m)
K1,K2 (Al基板、Bi−Te夫々の熱伝導率 W/(m・k))
T1,T2,T3 (基板裏、Al基板表面、熱電素子表面夫々の温度 K)
【0025】
以上の状況下でT1,T3の温度をもとにT2の温度を算出し(Ti)、実際に測定したT2と比較した。なおここでp型の薄膜試料は、(Bi0.5Sb1.5)Te3である。
Ti−T2およびT2より算出した熱伝導率を図5および図6に示す。ここではn型,p型でかつ膜厚1μm,4μm,12μmのものを使用し、かつ30℃,50℃,60℃の温度のもとで測定、計算した。図5において明らかなように、中間点計算値Tiと中間点実測値T2との差、Ti−T2は一部を除いて他は略等しく、よって中間点実測値T2から算出される熱伝導率K2は、信頼性の高い値と考えられる。また図5をアレンジして示した図6のように、n型,p型の各薄膜の膜厚1μm,4μm,12μmの場合にあっても温度30℃,50℃,60℃における各熱伝導率は略直線状態となり、十分利用できることが判明した。なお薄膜のn型,p型は以下の組成である。
n型;Bi2(Se0.15Te2.85)
p型;(Bi0.5Sb1.5)Te3
【0026】
また熱伝導率の計算値(Ti)および測定値(T2)の夫々において算出したゼーベック係数Si,S2を図7および図8に示す。これらの図からも、計算値(Ti)、測定値(T2)で計測、計算した結果は略一致し、測定値であっても十分に利用にできることが判明した。
【0027】
次に熱伝導率が既知の標準材料を用いて行った実験結果を図9に示す。
薄膜の標準試料としてタルタン板、パラジウム板、コンスタンタン箔、PLD法で作成した膜厚1μmのコンスタンタン薄膜を用い、基板の標準試料としてアルミニウムを用いた。計算値と測定値の差(Ti−T2)および測定値(T2)より算出した熱伝導率を示したものであり、この図において明らかなように、中間点計算値(Ti)と中間点実測値(T2)の差(Ti−T2)はゼロで、これから得られた結果を示す図10においても明確なごとく、タルタン等の各標準試料の文献値と同じような略直線的な結果が得られた。この結果からも明らかなように、この発明の方法・装置は、信頼性の高いものと考えられ、実用に十分耐えられるものであることは明らかである。
【0028】
(実施例3)
図11に、図1,図2の構成の変形例を示す。
図において図1,図2と同じ符号は、同じものを示す。この図において、7は2本のスライド枠体を示し、この枠体7上をフード4を保持したスライド部材8が矢印9方向に移動し、フード4と薄膜試料3間の距離を調整する。また図のa〜eは、熱電対Tc1,Tc2,Tc3,電圧計Vのリード線を構成し、各リード線の各端子は、その先端の端子部分(◎印)で、ヒーターブロック1、基板2、に電気的接続されてそれぞれからの出力を検出できる構成となっている。なお、リード線c,eの先端の端子は、フードを貫通して、薄膜試料面3に接触するようになっており、薄膜試料からの電気的信号がフードを介して取り出せるように構成されている。また、10は、風速、約数メートル/秒の送風5のための送風手段である。
【0029】
以上の構成において、試験したい薄膜試料を、基板上に貼付し、次いでフードをスライドさせて挟み込むことで、自動的に各リード線の先端部から電気信号を得ることが可能となり、試験するスピードも速くなり、産業的にも利用価値がある。なお、この構成では、フードをスライドさせる構成で説明したが、フードを固定して、ヒーターブロック側をスライドさせる構成、あるいは両方を適宜スライドさせる構成を採用することも容易に考えられる事項である。
【産業上の利用可能性】
【0030】
この構成の方法・装置において、任意の材料で実験的に測定した結果と、標準試料を用いた結果とを比較しても、信頼性の高い結果が得られているので、この発明の方法・装置の利用可能性は大変大きいものと思われ、さらに図11の構成をとることで迅速に薄膜材料の試験研究の能率が上がり、薄膜材料の開発に大いに貢献するものと信じる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この発明の構成の概要を説明する概略図で、斜め上方からの図ある。
【図2】この発明の構成を説明するための側面図(一部拡大)である。
【図3】この発明を説明するゼーベック係数の時間的変化を説明する図である。
【図4】この発明の可能性説明するための熱伝導率の計算法を説明する図である。
【図5】各種膜厚でのTi−T2およびT2より算出した熱電素子薄膜の熱伝導率の図表である。
【図6】n型,p型の各々の膜厚、1μm,4μm,12μmでの図5の結果を表したグラフである。
【図7】図5でのn型の各試料膜厚でのゼーベック係数の測定値を表した図表である。
【図8】図5でのp型の各試料膜厚でのゼーベック係数の測定値を表した図表である。
【図9】タルタン(膜厚0.1mm)、パラジウム(0.1mm)、コンスタンタン(0.05mm,0.001mm)、標準試料で各温度が30℃,50℃,60℃における熱伝導率の測定値を表した図表である
【図10】図9の図表結果と各試料の文献値を同一の図表に表したものである。
【図11】図1,図2の他の変形実施例を示すものである。
【符号の説明】
【0032】
1 ヒーターブロック
2 基板
3 薄膜(板)試料
4 フード
5 送風
6 枠体
7 スライド枠体
8 スライド部材
10 送風手段
a,b,c,d,e リード線
Tc1、Tc2、Tc3 熱電対
V 電圧計
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱電試料(材料)、例えば熱電(変換)素子の性能を評価するために、薄膜試料(半導体)のゼーベック係数および熱伝導率を同時に測定できる簡易な測定方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱電(変換)素子にはゼーベック効果とペルテイエ効果という二つの性質がある。2つの半導体を直列につなぎ、素子の片側を過熱し温度差を与えると起電力が発生し、エネルギーの高い高温面からエネルギーの低い低温面に電子またはホールが移動し電流が流れる。これをゼーベック効果という。
【0003】
またその逆に、2つの半導体を直列につなぎ直流電流を流すと、電子あるいはホールが移動することによって、素子の両側で温度差が生じる。これをペルテイエ効果という。現在、これらの特性から体温と外気温の差を利用して発電する熱発電腕時計などが製品化されており、太陽熱や海洋の温度差を利用する研究も進められている。
【0004】
一般に、熱電素子の性能を表す指標として、次式の性能指数Zが用いられる。
Z=(S2/ρk)
この式で、Sはゼーベック係数[μV/K],ρは電気抵抗[S/m],kは熱伝導率[W/(m・K)]である。
【0005】
ゼーベック係数とは、熱電素子によって発生する起電力を2点間(素子の表と裏)の温度差で割ったものであり、
S=V/ΔT (V:起電力[μV],ΔT:温度差[K])
で表すことができる。一般的に優れた熱電材料(試料)とは、性能指数が大きい、すなわちゼーベック係数が大きく、電気抵抗率と熱伝導率が小さい物質であると言われている。
【0006】
近年、新しいエネルギー源としてこの熱電変換材料はクリーンなエネルギーが得られる材料として開発が期待されており、熱電変換材料の適否を判断するためにいくつかの熱起電力の測定方法が考えられている。一般的には、試料の一端を任意の温度に加熱して高温部を設け、他端を自然冷却あるいは強制冷却することで低温部を設けて材料(試料)に温度勾配を発生させ、その間に発生した熱起電力を測定する方法をとっている。
【0007】
しかしながらこの熱起電力の測定装置は、測定者が自作しているケースが多く、それらの構造は測定者によってかなり異なっているが、試料の加熱方法に着目すれば、一応つぎの3種類に分類される。
1)材料の近傍に発熱体を設け、試料の一端を冷却する。
2)発熱体により加熱された2つの物体を試料の端部に接触させる。
3)ハロゲンランプで試料と密着している試料台を過熱する。
これらの方式でも安定的な測定ができなかったので、2個の架台間に懸架された平板試料の下方中心部からスポット光を試料に照射して、試料中心部を局部加熱し、温度勾配が生じた試料の中心部と試料端部の任意の2点間の起電力を熱電対で測定する装置も提案されている(特許文献1を参照)。
【0008】
【特許文献1】特開平5−18913号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし上記の従来法等では、バルク状物質の測定は可能だが、薄膜状物質の測定ができないという問題点があり、また熱電変換材料の実用化面から考えると、バルク状物質よりも、材料が少なくてすみ、小型化が容易で、大量生産可能な薄膜状物質が望まれている。さらにこの従来技術であっては、バルク状物質の熱起電力の測定、およびゼーベック係数を算出できるが、スポット光源の影響で、暖かい上昇気流で試料が曝され、正確な温度測定ができず、したがって安定的に熱起電力の測定、ゼーベック係数の算出は不可能であった。まして薄膜試料での測定は、試料保持自体が困難であった。
【0010】
ゆえに、この発明は、薄膜試料を暖かい気流に曝すことなく、よって気流温度による影響を受けずに、ゼーベック係数を測定し、かつ試料の熱伝導率も同時に測定できる方法、装置を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明においては、ヒーターブロック上に薄膜試料を貼付した基板を載置し、上記基板の薄膜試料表面を透明なフードで被うとともに薄膜試料を略一体的に略垂直状態に挟持保持し、フード側からの送風により薄膜試料面のフード側面(試料表面)の温度値をヒーター側面(試料裏面)の温度値より低温に維持するとともに、薄膜試料表面・ブロック表面(試料裏面)の各温度値差および薄膜試料表裏面間の起電力値とから、薄膜試料のゼーベック係数および/または熱伝導率を測定する方法である。
【0012】
さらにこの発明は、ヒーターブロックと、このヒーターブロック上に裁置される薄膜試料を貼付した基板と、これらの薄膜試料面を被う透明なフードと、これらの構造体を略一体的に略垂直状態に保持した状態でヒーターブロックとフード間の間隔を相対的に調整できるように支持する枠体と、薄膜試料面のフード側面(試料表面)の温度値をヒーター側面(試料裏面)温度より低温に維持するための送風手段と、薄膜試料表面・ブロック表面(試料裏面)の各温度値差を測定する熱電対と、薄膜試料表裏面間の起電力を測定する電圧計とからなる薄膜試料のゼーベック係数および/または熱伝導率測定装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明では、熱電素子薄膜の性能を評価するために、半導体のゼーベック係数、および熱伝導率を同時に安定的に、かつ簡単に測定できる方法および装置を得ることができ、熱電材料の開発に大いに効果をもたらす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
薄膜試料を貼付した基板をヒーターブロック上に載置し、さらにこの基板の薄膜試料を貼付した側をフードで被い、これら構造体を一体的に略垂直状態に維持し、このフード面に送風を行うことにより、薄膜試料のフード側面(試料表面)と基板側面(試料裏面)と間に温度差を作り出し、この温度差をベースとしてゼーベック係数、あるいは熱伝導率を測定しようとするものである。以下図面に従いこの発明を説明する。
【0015】
(実施例1)
図1、図2はいずれも説明が理解され易くした簡略図面で、図1は、この発明の構造体を斜め上方から見た図面で、図2は、側面から見た図面であり、試料の厚さなど、その構成は、理解しやすいように誇張して示されている。
【0016】
図において、1は、例えば銅(Cu)などで整形されたヒーターブロックで、その内部にはニクロム線(図示省略)などが埋め込まれ、このニクロム線に通電することで、ブロックの温度が制御される。2は、例えばアルミ基板(Al)で、この基板2は、ヒーターブロック1上に載置されるとともに他面には例えばビスマス・テルル合金(Bi−Te)の薄膜(板)試料3が貼付される。なお、4はフードとして機能するマイカ板で、このマイカ板4は図のように、薄板試料3が送風5に曝されることを防ぐように、薄板試料に密着して、あるいは間隔(間隙)を持たせて、送風の上流側に配置されている。さらに6は、これらの構造体を一体に保持するための枠体(詳細構成は省略)で、この枠体6は、図のようにこれら構造体を一体的に略垂直状態に保持している。
【0017】
図2におけるTc1,Tc2,Tc3は熱電対で、熱電対Tc1はヒーターブロック1の表面(基板裏面)温度、熱電対Tc2は基板2の表面(薄膜試料の裏面)温度、Tc3は試料薄膜3の表面温度、を夫々測定するものである。なお、Vは薄膜3の表面と裏面(基板表面)間の電圧(起電圧)を測定する電圧計である。
【0018】
この結果、ゼーベック係数は次式で測定できる。
S=dV/(Th−Tc)
ここでdV(薄膜の起電力μV),Th−Tc(薄膜の表裏間の温度差K)である。
【0019】
図3は、時間的なゼーベック係数の変化を調べたこの発明の送風データー下での実験結果を表したもので、薄膜試料は、Bi−Te系のBi2(Se0.15Te2.85)で膜厚1μmのn型で、ヒーターの設定温度は30℃で、あった。この実験において、50秒までは略10秒ごとに、以後は略50秒ごとの時間間隔で複数回にわたり2回測定した結果をもとに上式からゼーベック係数を算出した結果、ゼーベック係数が略150〜200の範囲内で、しかも何分かにわたる(10分〜50分程度の範囲)測定でさえも略安定した測定結果が得られた。
【0020】
なお、図3のゼーベック係数50以下の値は、送風に代えて、温度差をつけるためアルミ棒をフードに押し当てることにより得た結果(アルミ棒データー)である。本来熱容量の大きいアルミ棒を押し当てることにより大きな温度差が付いてゼーベック係数が大きくなると思われたが、このデーターでは逆に送風したときの値に対し10分の1程度の大きさになってしまった。これはアルミ棒を押し当てる際に場所のずれと熱流束の乱れが発生して、熱電対と電圧計とで温度の減少度に差が出ているためではないかと考えられる。
またアルミ棒の場合、押し当てる力の調整が難しく、薄膜試料を突き破ったり、熱平衡までに時間を要し(1時間程度)、データー自体も不安定であった。
【0021】
この発明の場合は、データーの安定さは、ヒーターブロックで発生した熱流束は、約数メートル/秒の送風により風下に吹き流され、薄膜試料(表面)には影響を与えず安定な熱伝導が得られる結果と思われるが、アルミ棒を押し当てた際には、ヒーターブロック、基板、薄膜試料の間での接触度の強弱、さらには対流による試料表面の熱流束の乱れなどが影響するものと思われる。
【0022】
以上のようにこの発明の構成のごとく、略縦型(垂直状態)に保持され、薄膜表面で熱流束の乱れが起きにくいようにマイカ板で表面を覆い、一定の場所からファン(送風手段)を使って風を送る方法にあっては、大きな、かつ略一定値のゼーベック係数となり、信頼度の高いデーターが得られ、換言すれば、実用的な測定方法(装置)となる。
【0023】
上記の実施例では、フードとしてマイカ板を利用したが、これは以下の理由による。電圧あるいは熱電対の電極端子を、フード側から薄板試料の目的の場所に間違いなくセットするのに便利なように透明であること、電圧(起電力、熱電素子の電圧等)を測定するため絶縁性が必要であること、測定試料表面に電極などを接触させるためある程度の圧力をかけても割れにくくかつ薄い材質であること、ヒーターで加熱されるので耐熱性(70度程度以上)に優れていること、周囲を多い周囲との熱流束を減少させること、などの特性が必要で、透明で絶縁性、耐熱性があり、ある程度の熱拡散があり、かつあるていどの応力をかけても(しなっても)割れない材料としてマイカ(雲母)板を使用したが、代替品としては薄い硝子板の使用も可能である。
【0024】
(実施例2)
次に図4に従って熱伝導率の測定につき説明する。
この図4における熱伝導率は以下の式で表される。この図において、2はアルミ(Al)基板、3は薄板試料(Bi−Te)で、a,bは各々Al基板と薄膜試料の厚さ、K1,K2はAl基板およびBi−Teの薄膜試料の熱伝導率、T1,T2,T3は図に示すAl基板裏および表面、熱電素子(薄板試料)表面の夫々の部分の温度である。この結果、この図示した薄膜試料に熱伝導率は理論上次のようになる。
K2=bK1(T1−T2)/a(T2−T3)
a,b (Al基板,Bi−Te夫々の膜厚 m)
K1,K2 (Al基板、Bi−Te夫々の熱伝導率 W/(m・k))
T1,T2,T3 (基板裏、Al基板表面、熱電素子表面夫々の温度 K)
【0025】
以上の状況下でT1,T3の温度をもとにT2の温度を算出し(Ti)、実際に測定したT2と比較した。なおここでp型の薄膜試料は、(Bi0.5Sb1.5)Te3である。
Ti−T2およびT2より算出した熱伝導率を図5および図6に示す。ここではn型,p型でかつ膜厚1μm,4μm,12μmのものを使用し、かつ30℃,50℃,60℃の温度のもとで測定、計算した。図5において明らかなように、中間点計算値Tiと中間点実測値T2との差、Ti−T2は一部を除いて他は略等しく、よって中間点実測値T2から算出される熱伝導率K2は、信頼性の高い値と考えられる。また図5をアレンジして示した図6のように、n型,p型の各薄膜の膜厚1μm,4μm,12μmの場合にあっても温度30℃,50℃,60℃における各熱伝導率は略直線状態となり、十分利用できることが判明した。なお薄膜のn型,p型は以下の組成である。
n型;Bi2(Se0.15Te2.85)
p型;(Bi0.5Sb1.5)Te3
【0026】
また熱伝導率の計算値(Ti)および測定値(T2)の夫々において算出したゼーベック係数Si,S2を図7および図8に示す。これらの図からも、計算値(Ti)、測定値(T2)で計測、計算した結果は略一致し、測定値であっても十分に利用にできることが判明した。
【0027】
次に熱伝導率が既知の標準材料を用いて行った実験結果を図9に示す。
薄膜の標準試料としてタルタン板、パラジウム板、コンスタンタン箔、PLD法で作成した膜厚1μmのコンスタンタン薄膜を用い、基板の標準試料としてアルミニウムを用いた。計算値と測定値の差(Ti−T2)および測定値(T2)より算出した熱伝導率を示したものであり、この図において明らかなように、中間点計算値(Ti)と中間点実測値(T2)の差(Ti−T2)はゼロで、これから得られた結果を示す図10においても明確なごとく、タルタン等の各標準試料の文献値と同じような略直線的な結果が得られた。この結果からも明らかなように、この発明の方法・装置は、信頼性の高いものと考えられ、実用に十分耐えられるものであることは明らかである。
【0028】
(実施例3)
図11に、図1,図2の構成の変形例を示す。
図において図1,図2と同じ符号は、同じものを示す。この図において、7は2本のスライド枠体を示し、この枠体7上をフード4を保持したスライド部材8が矢印9方向に移動し、フード4と薄膜試料3間の距離を調整する。また図のa〜eは、熱電対Tc1,Tc2,Tc3,電圧計Vのリード線を構成し、各リード線の各端子は、その先端の端子部分(◎印)で、ヒーターブロック1、基板2、に電気的接続されてそれぞれからの出力を検出できる構成となっている。なお、リード線c,eの先端の端子は、フードを貫通して、薄膜試料面3に接触するようになっており、薄膜試料からの電気的信号がフードを介して取り出せるように構成されている。また、10は、風速、約数メートル/秒の送風5のための送風手段である。
【0029】
以上の構成において、試験したい薄膜試料を、基板上に貼付し、次いでフードをスライドさせて挟み込むことで、自動的に各リード線の先端部から電気信号を得ることが可能となり、試験するスピードも速くなり、産業的にも利用価値がある。なお、この構成では、フードをスライドさせる構成で説明したが、フードを固定して、ヒーターブロック側をスライドさせる構成、あるいは両方を適宜スライドさせる構成を採用することも容易に考えられる事項である。
【産業上の利用可能性】
【0030】
この構成の方法・装置において、任意の材料で実験的に測定した結果と、標準試料を用いた結果とを比較しても、信頼性の高い結果が得られているので、この発明の方法・装置の利用可能性は大変大きいものと思われ、さらに図11の構成をとることで迅速に薄膜材料の試験研究の能率が上がり、薄膜材料の開発に大いに貢献するものと信じる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この発明の構成の概要を説明する概略図で、斜め上方からの図ある。
【図2】この発明の構成を説明するための側面図(一部拡大)である。
【図3】この発明を説明するゼーベック係数の時間的変化を説明する図である。
【図4】この発明の可能性説明するための熱伝導率の計算法を説明する図である。
【図5】各種膜厚でのTi−T2およびT2より算出した熱電素子薄膜の熱伝導率の図表である。
【図6】n型,p型の各々の膜厚、1μm,4μm,12μmでの図5の結果を表したグラフである。
【図7】図5でのn型の各試料膜厚でのゼーベック係数の測定値を表した図表である。
【図8】図5でのp型の各試料膜厚でのゼーベック係数の測定値を表した図表である。
【図9】タルタン(膜厚0.1mm)、パラジウム(0.1mm)、コンスタンタン(0.05mm,0.001mm)、標準試料で各温度が30℃,50℃,60℃における熱伝導率の測定値を表した図表である
【図10】図9の図表結果と各試料の文献値を同一の図表に表したものである。
【図11】図1,図2の他の変形実施例を示すものである。
【符号の説明】
【0032】
1 ヒーターブロック
2 基板
3 薄膜(板)試料
4 フード
5 送風
6 枠体
7 スライド枠体
8 スライド部材
10 送風手段
a,b,c,d,e リード線
Tc1、Tc2、Tc3 熱電対
V 電圧計
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒーターブロック上に薄膜試料を貼付した基板を載置するとともに、前記基板上の薄膜試料面を透明なフードで被うとともにこれらを一体的に略垂直状態で保持し、フード面への送風により薄膜試料面のフード側面の温度値をヒーター側面の温度値より低温に維持するとともに、薄膜試料表面・ブロック表面(薄膜試料裏面)の各温度値差および薄膜試料表裏面間の起電力値とから、薄膜試料のゼーベック係数および/または熱伝導率を測定する方法。
【請求項2】
ヒーターブロックと、このヒーターブロック上に裁置される薄膜試料を貼付した基板と、これらの薄膜試料面を被う透明なフードと、これらを一体的に略垂直状態に保持する枠体と、薄膜試料面のフード側面(薄膜試料表面)の温度値をヒーター側面温度(薄膜試料裏面)より低温に維持するためにフード側面に送風するための送風手段と、薄膜試料表面・ブロック表面の各温度値差を測定する熱電対と、薄膜試料表裏面間の起電力を測定する電圧計とからなる薄膜試料のゼーベック係数および/または熱伝導率測定装置。
【請求項3】
ヒーターブロックと、このヒーターブロックに載置され薄膜試料を貼付される基盤と、これらに対面して基盤を被うことができる透明なフードと、これらを略垂直状態に維持した状態でヒーターブロックとフード間との間隔を相対的に調整できるようにこれらを支持する枠体と、フードと基盤とに固定された電圧計端子と、フード、基盤、ヒーターブロックの各々に固定された熱電対と、フード側面に送風するための送風手段とから成り、フードに固定された電圧計端子および熱電対は、フードを貫通して貼付される薄膜試料面に接触するように構成される請求項2に記載の薄膜試料のゼーベック係数および/または熱伝導率測定装置。
【請求項1】
ヒーターブロック上に薄膜試料を貼付した基板を載置するとともに、前記基板上の薄膜試料面を透明なフードで被うとともにこれらを一体的に略垂直状態で保持し、フード面への送風により薄膜試料面のフード側面の温度値をヒーター側面の温度値より低温に維持するとともに、薄膜試料表面・ブロック表面(薄膜試料裏面)の各温度値差および薄膜試料表裏面間の起電力値とから、薄膜試料のゼーベック係数および/または熱伝導率を測定する方法。
【請求項2】
ヒーターブロックと、このヒーターブロック上に裁置される薄膜試料を貼付した基板と、これらの薄膜試料面を被う透明なフードと、これらを一体的に略垂直状態に保持する枠体と、薄膜試料面のフード側面(薄膜試料表面)の温度値をヒーター側面温度(薄膜試料裏面)より低温に維持するためにフード側面に送風するための送風手段と、薄膜試料表面・ブロック表面の各温度値差を測定する熱電対と、薄膜試料表裏面間の起電力を測定する電圧計とからなる薄膜試料のゼーベック係数および/または熱伝導率測定装置。
【請求項3】
ヒーターブロックと、このヒーターブロックに載置され薄膜試料を貼付される基盤と、これらに対面して基盤を被うことができる透明なフードと、これらを略垂直状態に維持した状態でヒーターブロックとフード間との間隔を相対的に調整できるようにこれらを支持する枠体と、フードと基盤とに固定された電圧計端子と、フード、基盤、ヒーターブロックの各々に固定された熱電対と、フード側面に送風するための送風手段とから成り、フードに固定された電圧計端子および熱電対は、フードを貫通して貼付される薄膜試料面に接触するように構成される請求項2に記載の薄膜試料のゼーベック係数および/または熱伝導率測定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−210378(P2009−210378A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−53026(P2008−53026)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(505127721)公立大学法人大阪府立大学 (688)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(505127721)公立大学法人大阪府立大学 (688)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]