説明

薄葉紙用ディスペンサ

【課題】収容枚数を確保しつつも軽量であることによって、携帯性を高め、且つ設置コストを低減可能な薄葉紙用ディスペンサを提供すること。
【解決手段】矩形状の底面部10と、底面部10の左右方向両端縁である一対の端縁15を基端として延出する一対の端壁部20と、一対の端壁部20における前方向端縁である一対の端縁23を基端としてそれぞれ延出する一対の第1翼様部30と、一対の端壁部20における後方向端縁である端縁25を基端としてそれぞれ延出し、先端側の一部が切り欠かれている一対の第2翼様部40と、底面部10の前方向端縁である端縁18を基端として延出する第1側壁部70と、第1側壁部70の前側に位置する第1内壁部80と、底面部10の後方向端縁である端縁17を基端として延出する第2側壁部50と、第2側壁部の後側に位置する第2内壁部61と、を備えた一枚の段ボールシートから形成される薄葉紙用ディスペンサ1とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はワイプやペーパータオルなどの薄葉紙を収納する薄葉紙用ディスペンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ワイプやペーパータオルなどの薄葉紙を収納する薄葉紙用ディスペンサは、繰り返し使用されるため、耐久性の高さを考慮して金属製または硬質な樹脂製のものが一般的であった。
【特許文献1】特表平08−504614号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、金属製または硬質な樹脂製の薄葉紙用ディスペンサは、薄葉紙の収容枚数を増やすために大きく形成すると、重量が重くなってしまうため、携帯性が良くないという問題が有り、薄葉紙の収容枚数を容易に増やすことが困難であった。また、薄葉紙用ディスペンサの重量が重くなってしまうと、壁に掛けるようにして固定する場合、フックなどの壁掛け具が大がかりなものとなってしまい、設置に際するコストが嵩んでしまうという問題があった。
【0004】
そこで、本発明は上記事実を考慮し、収容枚数を確保しつつも軽量であることによって、携帯性を高め、且つ設置コストを低減可能な薄葉紙用ディスペンサを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下に、上記課題を解決するための手段とその作用効果を記述する。なお、本発明における、前方向・後方向・左方向・右方向とは、発明の説明の便宜上定めたものに過ぎない。
〔請求項1に係る薄葉紙用ディスペンサ〕
本請求項に係る薄葉紙用ディスペンサは、
少なくとも4辺を有する底面部と、
底面部の左右方向両端縁を基端として延出する一対の端壁部と、
一対の端壁部における前方向端縁を基端としてそれぞれ延出する一対の第1翼様部と、
一対の端壁部における後方向端縁を基端としてそれぞれ延出し、先端側の一部が切り欠かれている一対の第2翼様部と、
底面部の前方向端縁を基端として延出する第1側壁部と、
第1側壁部の先端を基端として延出する第1内壁部と、
底面部の後方向端縁を基端として延出する第2側壁部と、
第2側壁部の先端を基端として延出する第2内壁部と、を備えた一枚の段ボールシートから形成される薄葉紙用ディスペンサであって、
一対の端壁部を内側に向かって立ち上げつつ一対の第1翼様部および一対の第2翼様部をそれぞれ内側に折り込み、
第1側壁部を一対の第1翼様部側に向かって立ち上げつつ、第1内壁部の先端が底面部に対向するように第1内壁部を内側に折り込むと共に、第1側壁部および第1内壁部によって一対の第1翼様部をそれぞれ被覆し、
第2側壁部を一対の第2翼様部側に向かって立ち上げつつ、第2内壁部の先端が底面部に対向するように第2内壁部を内側に折り込むと共に、第2側壁部および第2内壁部によって一対の第2翼様部をそれぞれ被覆することによって組み立てられるよう構成されている、ことを特徴とするものである。
【0006】
本請求項に係る薄葉紙用ディスペンサの作用を以下に説明する。
本請求項に係る薄葉紙用ディスペンサは、一枚の段ボールシートから形成され、組立状態において、一対の端壁部と、一対の第1翼様部と、第1側壁部と、第1内壁部と、一対の第2翼様部と、第2側壁部と、第2内壁部と、が底面部に対して立ち上がるような形となり、周壁を成すようになっている。そして、組立状態において、底面部に対向する部分は周壁に囲まれる開口となり、この開口から内部に収容された薄葉紙が取り出されることとなる。
【0007】
このように、本請求項に係る薄葉紙用ディスペンサは、段ボールシートから形成されているため、大型化したとしても金属製または硬質な樹脂製のものと比べて軽く構成することができため携帯性が向上する。また、軽く構成することが可能であると、大型化したものを壁に掛けるようにして固定する場合であっても、フックなどの壁掛け具が大がかりなものとならないため、設置に際するコストが嵩んでしまうということがない。さらに、本請求項に係る薄葉紙用ディスペンサは、組み立てる前の状態では一枚のシート状であり、部品点数が最小限であるため、組み立て前の状態であっても良好な携帯性を確保することができる。
【0008】
また、一対の第2翼様部の先端側の一部が切り欠かれているため、組み立て状態において、周壁の一部が底面部と対向する開口と連続するようにして開口する。そのため、相互に異なる二つの方向から薄葉紙用ディスペンサ内部に手を入れることが可能となり、内部に収容された薄葉紙を取り出しやすくなる。
【0009】
〔請求項2に係る薄葉紙用ディスペンサ〕
本請求項に係る薄葉紙用ディスペンサは、請求項1に係る薄葉紙用ディスペンサと同様の構成を有しており、さらに、第1内壁部の先端には、第1内壁部の一部を切り欠くことで形成される指挿入部が存在している、ことを特徴とするものである。
【0010】
本発明に係る薄葉紙用ディスペンサは、組み立て状態において、内部に収容された薄葉紙は、底面部と対向する開口から取り出される。このようなタイプの薄葉紙用ディスペンサでは、薄葉紙の収容枚数が減るに連れて、薄葉紙に対して指を掛けることを可能とするようなスペースが確保できないため、薄葉紙が取り出し難くなってしまうという問題があった。
【0011】
本請求項に係る薄葉紙用ディスペンサの作用を以下に説明する。
本請求項に係る薄葉紙用ディスペンサは、請求項1に係る薄葉紙用ディスペンサと同様の構成を有しているため、請求項1に係る薄葉紙用ディスペンサと同様に作用する。さらに、本請求項に係る薄葉紙用ディスペンサでは、組み立て状態において、第1内壁部の先端を底面部に対向させるようにして第1内壁部が内側に折り込まれるため、指挿入部は底面部側に位置するようになっている。つまり、組み立て状態において、薄葉紙用ディスペンサの内壁における底面部近傍には、指挿入部によって凹部が存在するようになっている。そうすると、内部に収容された薄葉紙の枚数が残り少なくなってしまったとしても、指挿入部により形成される凹部に指を入れることによって、残った薄葉紙を摘みやすくなり取り出しが容易となる。
【0012】
また、指挿入部により形成される凹部は、第1側壁部によって外側から覆われるため、指挿入部からゴミや埃などの異物が薄葉紙用ディスペンサ内部に侵入することがない。
【0013】
〔請求項3に係る薄葉紙用ディスペンサ〕
本請求項に係る薄葉紙用ディスペンサは、請求項2に係る薄葉紙用ディスペンサと同様の構成を有しており、さらに、組立状態において一対の第1翼様部における指挿入部と重なる位置には、第1翼様部の一部を切り欠くことで形成される一対の奥側指挿入部が存在している、ことを特徴とするものである。
【0014】
本請求項に係る薄葉紙用ディスペンサの作用を以下に説明する。
本請求項に係る薄葉紙用ディスペンサは、請求項2に係る薄葉紙用ディスペンサと同様の構成を有しているため、請求項2に係る薄葉紙用ディスペンサと同様に作用する。さらに、組立状態において一対の第1翼様部における指挿入部と重なる位置には、第1翼様部の一部を切り欠くことで形成される一対の奥側指挿入部が存在しているため、指挿入部および一対の奥側指挿入部によって指を入れる凹部が形成される。そうすると、指を入れる凹部が深くなるため、より一層凹部に指が入れやすくなり、残った薄葉紙を摘みやすくなり取り出しが容易となる。
【0015】
〔請求項4に係る薄葉紙用ディスペンサ〕
本請求項に係る薄葉紙用ディスペンサは、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に係る薄葉紙用ディスペンサと同様の構成を有しており、さらに、第1側壁部と、第1内壁部と、一対の第1翼様部とには、それぞれの一部を切り抜くことで形成されるフック穴が存在しており、これらのフック穴は、組立状態において重なるよう配置されている、ことを特徴とするものである。
【0016】
本請求項に係る薄葉紙用ディスペンサの作用を以下に説明する。
本請求項に係る薄葉紙用ディスペンサは、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に係る薄葉紙用ディスペンサと同様の構成を有しているため、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に係る薄葉紙用ディスペンサと同様に作用する。さらに、第1側壁部と、第1内壁部と、一対の第1翼様部とには、それぞれの一部を切り抜くことで形成されるフック穴が存在しており、これらのフック穴は、組み立て状態において重なるよう配置されているため、フック穴近傍ではシートが三重に重なることとなる。そうすると、本請求項に係る薄葉紙用ディスペンサをこれらのフック穴で壁のフックなどに掛けた場合、薄葉紙用ディスペンサ内部に多数の薄葉紙が収容されて重くなったとしても、薄葉紙の重みによってフック穴近傍に破れなどの破損が生じることを防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明によれば、収容枚数を確保しつつも軽量であることによって、携帯性を高め、且つ設置コストを低減可能な薄葉紙用ディスペンサを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、本発明に係る薄葉紙用ディスペンサの実施の形態を説明する。尚、図中において、矢印Xの示す方向を右方向、矢印Xが示す方向とは逆の方向を左方向、矢印Yの示す方向を前方向、矢印Yが示す方向とは逆の方向を後方向とする。
【0019】
まず、本発明に係る薄葉紙用ディスペンサの第1の実施の形態を図1〜図9に示し、これらの図に基づき本実施の形態を説明する。
図1は本実施の形態に係る薄葉紙用ディスペンサ1の展開状態を示す図であり、薄葉紙用ディスペンサ1は、両面段ボールを加工することで形成された折り曲げ自在なシートを基材としている。
【0020】
薄葉紙用ディスペンサ1には、組み立て状態において底面を成す矩形状の底面部10が存在しており、この底面部10は、底面部10の左右方向両端縁である一対の端縁15と、底面部10の前方向端縁である端縁18と、底面部10の後方向端縁である端縁17とによって囲まれている。底面部10には、端縁18と接するようにして矩形状に切り抜かれた一対の第1挿入口13が存在しており、これらの第1挿入口13は、一対の端縁15から長さW4だけ離間するようにそれぞれ位置している。
【0021】
一方、底面部10には、端縁17と接するようにして矩形状に切り抜かれた一対の第2挿入口11が存在しており、これらの第2挿入口11は、一対の端縁15からから長さW4だけ離間するようにそれぞれ位置している。尚、一対の第1挿入口13および一対の第2挿入口11の前後方向長さは、薄葉紙用ディスペンサ1の基材であるシート2枚分の厚みと同じ長さとなっている。
【0022】
底面部10の前方向側には、矩形状である第1側壁部70が存在しており、この第1側壁部70は端縁18を基端として長さW2だけ延出するような形となっている。第1側壁部70には、この第1側壁部70の先端である端縁71側であって且つ左右方向両側に、第1側壁部70の一部を切り抜くことで形成される一対のフック穴77が凸形状を成して存在している。
【0023】
第1側壁部70の前方向側には、長方形状の第1折り部73が、端縁71を基端として延出するように存在しており、さらに、この第1折り部73の前方向側には、略矩形状である第1内壁部80が、第1折り部の前方向端縁である端縁75を基端として長さW2だけ延出するように存在している。尚、第1内壁部80の前後方向長さW2は、後述する一対の挿入部85を除いた前後方向長さである。
【0024】
この第1内壁部80における後方向側であって且つ左右方向両側には、第1内壁部80の一部を切り抜くことで形成される一対のフック穴83が凸形状を成して存在している。これらのフック穴83は、第1折り部73を挟んで、一対のフック穴77と形状および配置共に対象に現れるよう存在している。また、第1内壁部80の前方向側における左右方向中央には、第1内壁部80の一部をU字状に切り欠くことで形成される指挿入部81が存在しており、この指挿入部81の前後方向長さは後述する第2側壁部50および第2内壁部60の前後方向長さよりも長くなっている。
【0025】
第1内壁部80の前方向側には、矩形状に突出する一対の挿入部85が、第1内壁部80の前方向端縁から延出するような形で存在している。これらの挿入部85は、左右方向長さが第1挿入口13の左右方向長さと同じになっており、前後方向長さが、薄葉紙用ディスペンサ1の基材であるシート1枚分の厚みと同じ長さとなっている。それと共に、一対の挿入部85は、一対の端縁15から左右方向に長さW4だけそれぞれ離間するように位置している。
【0026】
一方で、底面部10の後方向側には、略台形状である第2側壁部50が存在しており、この第2側壁部50は端縁17を基端として長さW3だけ延出するような形となっている。
【0027】
第2側壁部50の後方向側には、長方形状の第2折り部53が、第2側壁部50の後方向端縁である端縁51を基端として延出するように存在しており、さらに、この第2折り部53の後方向端縁である端縁55側(後方向側)には、第2内壁部60が、端縁55を基端として長さW3だけ延出するように存在している。尚、第2内壁部60の前後方向長さW3は、後述する一対の挿入部63を除いた前後方向長さである。
【0028】
第2内壁部60の後方向側における左右方向中央には、第2内壁部60の一部を半円状に切り欠いて形成される指掛部61が存在しており、この指掛部61の左右両側には、矩形状に突出する一対の挿入部63が存在している。これらの挿入部63は、左右方向長さが第2挿入口11の左右方向長さと同じとなっており、前後方向長さが、薄葉紙用ディスペンサ1の基材であるシート1枚分の厚みと同じ長さになっている。それと共に、一対の挿入部63は、一対の端縁15から左右方向に長さW4だけ離間するように位置している。また、第2内壁部60には、前後方向に沿って延在する切り込みによって形成される一対の折り曲げ部65が存在しており、これらの左右方向における位置は、第2折り部53の左右方向端縁の位置と同じになっている。
【0029】
底面部10の左右方向両側には、矩形状である一対の端壁部20が存在しており、これらの端壁部20は、一対の端縁15を基端としてそれぞれ長さW2と同じ長さである長さW1だけ延出するような形となっている。これらの端壁20の中央からやや先端側の部分には、これらの端壁20の一部を切り抜くことで形成される手掛穴21が存在しており、これらの手掛穴21は、それぞれ丸みを帯びた形状を成している。
【0030】
一対の端壁部20の前方向側には、略矩形状である一対の第1翼様部30が存在しており、これらの第1翼様部30は、一対の端壁部20の前方向端縁である端縁23を基端としてそれぞれ延出するような形となっている。これらの第1翼様部30の左右方向長さW5は、長さW1よりも薄葉紙用ディスペンサ1の基材であるシート1枚分の厚み分だけ短くなっており、これらの第1翼様部30は、端壁部20に対して、薄葉紙用ディスペンサ1を構成する基材の厚み分だけ左右方向中央側にそれぞれずれるようにして位置している。
【0031】
一対の第1翼様部30のうちの左側に位置する第1翼様部30における端縁23寄りであって、且つ左側端縁近傍には、第1翼様部30の一部分を切り抜くことで形成されるフック穴35が凸形状を成して存在している。また、左側に位置する第1翼様部30における右方向端縁からは、矩形状に突出する挿入部31が、前方向端縁23から長さW4だけ離間して存在している。この挿入部31は、左右方向長さが薄葉紙用ディスペンサ1の基材であるシート1枚分の厚みと同じ長さとなっており、前後方向長さが、第1挿入口13の左右方向長さと同じとなっている。また、左側に位置する第1翼様部30における右前側の部分には、第1翼様部30の一部を略円弧を描くように切り欠くことで形成される奥側指挿入部33が存在している。
【0032】
尚、一対の第1翼様部30のうちの右側の第1翼様部30は、第1側壁部70を挟んで、左側に位置する第1翼様部30と対象に現れ、構造も同一であるため説明を省略する。
【0033】
この一方、一対のフック穴35のうちの左側に位置するフック穴35の位置について説明すると、このフック穴35と第1翼様部30における左後側の頂点との離間距離は、一対のフック穴77のうちの左側に位置するフック穴77と第1側壁部70の左前側の頂点との離間距離、および、一対のフック穴83のうちの左側に位置するフック穴83と第1内壁部80の左後側の頂点との離間距離、とはそれぞれほぼ同一となっている。このことによって、これらのフック穴群は、薄葉紙用ディスペンサ1の組み立て時においてそれぞれが重なるようになっている。また、右側に位置するフック穴群についても、左右方向中央を境にして左側に位置するフック穴群と対象に現れるため、左側に位置するフック穴群と同様に、葉紙用ディスペンサ1の組み立て時においてそれぞれが重なるようになっている。
【0034】
このことによって、本実施の形態に係る薄葉紙用ディスペンサ1をこれらのフック穴で壁のフックなどに掛けた場合、薄葉紙用ディスペンサ1内部に多数の薄葉紙Pが収容されて重くなったとしても、薄葉紙Pの重みによってフック穴近傍に破れなどの破損が生じることを防止することができる。
【0035】
一対の端壁部20の後方向側には、一対の第2翼様部40が存在しており、これらの第2翼様部40は、一対の端壁部20の後方向端縁である端縁25を基端としてそれぞれ延出するような形となっている。これらの第2翼様部40は、先端側の一部分が丸み帯びるように切り欠かれた形状を成している。
【0036】
一対の第2翼様部40のうちの左側に位置する第2翼様部40における右後側には、第2翼様部40から後方向に向かって突出するような形で突出部41が存在しており、この突出部41は左右方向幅が長さW3、前後方向長さが、第2折り部53の左右方向長さの半分の長さである長さW6となっている。また、この第2翼様部40における右方向端縁からは、矩形状に突出する挿入部43が、端縁25から長さW4だけ離間して存在している。この挿入部43の左右方向長さは、薄葉紙用ディスペンサ1の基材であるシート1枚分の厚みと同じ長さとなっており、前後方向長さは、第2挿入口11の左右方向長さと同じとなっている。
【0037】
尚、一対の第2翼様部40のうちの右側に位置する第2翼様部40は、第2側壁部50を挟んで、左側に位置する第2翼様部40と対象に現れ、構造も同一であるため説明を省略する。
【0038】
次に、本実施の形態に係る薄葉紙用ディスペンサ1の組み立て手順を図2〜図7を参照しつつ説明する。
本実施の形態に係る薄葉紙用ディスペンサ1は、図1に示す展開状態から、図3および図4に示すように、まず左右の一対の端壁部20を90度立ち上げつつ、一対の第1翼様部30を内側に90度折り込み、一対の挿入部31を一対の第1挿入口13へそれぞれ挿入する。次いで、第1側壁部70を一対の第1翼様部30に向かって立ち上げると共に、第1内壁部80の先端が底面部10に対向するように第1内壁部80を内側に折り込むことによって、一対の第1翼様部30を、第1側壁部70および第1内壁部80によって被覆し、そして、一対の挿入部85を一対の第1挿入口13へそれぞれ挿入する。
【0039】
次に、図6に示すように、一対の第2翼様部40を内側に90度折り込むと共に、一対の挿入部43を一対の第2挿入口11へそれぞれ挿入する。続いて、図7に示すように、第2側壁部50を一対の第2翼様部40に向かって立ち上げると共に、第2内壁部60を、一対の折り曲げ部65で外側に向かって折り曲げつつ、第2内壁部60の先端が底面部10に対向するように第2内壁部60を内側に折り込むことによって、一対の第2翼様部40における突出部41とその近傍を、第2側壁部50および第2内壁部60によって被覆する。そして、一対の挿入部63を一対の第2挿入口11へそれぞれ挿入する。かくして、組み立てられた薄葉紙用ディスペンサ1は、図2に示されるような形態を呈する。
【0040】
次に、本実施の形態に係る薄葉紙用ディスペンサ1の作用を説明する。
本実施の形態に係る薄葉紙用ディスペンサ1は、一枚の段ボールシートから形成され、組立状態において、一対の端壁部20と、一対の第1翼様部30と、第1側壁部70と、第1内壁部80と、一対の第2翼様部40と、第2側壁部50と、第2内壁部60と、が底面部10に対して立ち上がるような形となり、周壁を成すようになっている。そして、図2に示すように、組立状態において、底面部10に対向する部分は周壁に囲まれる開口となり、この開口から内部に収容された薄葉紙Pが取り出されることとなる。
【0041】
本実施の形態に係る薄葉紙用ディスペンサ1は、段ボールシートから形成されているため、大型化したとしても軽く構成することができため携帯性が向上する。また、軽く構成することが可能であると、大型化したものを壁に掛けるようにして固定する場合であっても、フックなどの壁掛け具が大がかりなものとならないため、設置に際するコストが嵩んでしまうということがない。さらに、本実施の形態に係る薄葉紙用ディスペンサ1は、組み立てる前の状態では一枚のシート状であり、部品点数が最小限であるため、組み立て前の状態であっても良好な携帯性を確保することができる。
【0042】
また、一対の第2翼様部40の先端側の一部が切り欠かれているため、組み立て状態において、図2に示すように、周壁の一部が底面部10と対向する開口と連続するようにして開口する。そのため、図8に示すように、相互に異なる二つの方向から薄葉紙用ディスペンサ1内部に手を入れることが可能となり、内部に収容された薄葉紙Pを取り出しやすくなる。
【0043】
この一方、本実施の形態に係る薄葉紙用ディスペンサ1では、組み立て状態において、第1内壁部80の先端を底面部10に対向させるようにして第1内壁部80が内側に折り込まれるため、図2に示すように、指挿入部81は底面部10側に位置するようになっている。つまり、組み立て状態において、薄葉紙用ディスペンサ1の内壁における底面部10近傍には、指挿入部81によって凹部が形成される。そうすると、図9に示すように、内部に収容された薄葉紙Pの枚数が残り少なくなってしまったとしても、指挿入部81により形成される凹部に指を入れることによって、残った薄葉紙Pを摘みやすくなり取り出しが容易となる。また、指挿入部81により形成される凹部は、第1側壁部70によって外側から覆われるため、指挿入部81からゴミや埃などの異物が薄葉紙用ディスペンサ1内部に侵入することがない。
【0044】
さらに、本実施の形態に係る薄葉紙用ディスペンサ1には、第1翼様部30の一部を切り欠くことで形成される一対の奥側指挿入部33が存在しているため、指挿入部81によって形成される凹部が深くなるため、より一層凹部に指が入れやすくなり、残った薄葉紙Pを摘みやすくなり取り出しが容易となる。
【0045】
次に、本発明に係る薄葉紙用ディスペンサの第2の実施の形態を図10〜図12に示し、これらの図に基づき本実施の形態を説明する。尚、第1の実施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
【0046】
一対の端壁20と、一対の第1翼様部30と、一対の第2翼様部40と、はそれぞれ左右方向に長く形成われ、このように形成することによって、薄葉紙Pの収容枚数を増やすことができる。この場合、第1翼様部30における先端側の一部分を切り欠くことによって、図12に示すように、前後方向に一続きの開口が形成される。このように第1翼様部30における先端側の一部分を切り欠くことによって形成される一対の突出部37の左右方向長さW7は、第1側壁部70の前後方向長さおよび第1内壁部80の一対の挿入部85を除いた前後方向長さと同じになる。また、第1内壁部80には、前後方向に沿って延在する切り込みによって形成される一対の折り曲げ部89が存在しており、これらの左右方向における位置は、第1折り部73の左右方向端縁の位置と同じになっている。
【0047】
また、図11に示すように、本実施の形態に係る薄葉紙用ディスペンサ1では、裏面側における一対の手掛穴21周辺に、段ボールシートから形成される補強材22が貼り付られている。これと同様に、本実施の形態に係る薄葉紙用ディスペンサ1では、裏面側における一対のフック穴36周辺に、段ボールシートから形成される補強材36が貼り付けられている。
【0048】
次に、本発明に係る薄葉紙用ディスペンサの第3の実施の形態を図13および図14に示し、これらの図に基づき本実施の形態を説明する。尚、第1の実施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
【0049】
本実施の形態に係る薄葉紙用ディスペンサ1では、第1の実施の形態に係る薄葉紙用ディスペンサ1の第1側壁部70と、第1折り部73と、第1内壁部80と、一対の第1翼様部30とに対応する部材が、それぞれ、第2側壁部50と、第2折り部53と、第2内壁部60と、一対の第2翼様部40と、入れ替わった形となっている。つまり、本実施の形態に係る薄葉紙用ディスペンサ1では、第2側壁部50と、第2折り部53と、第2内壁部60と、一対の第2翼様部40とが、前後方向中央を挟んで対象に現れるようになっている。
【0050】
一対の端壁部20の先端縁近傍における前後方向両端には、端壁部20の一部を切り抜くことで形成される円状の通し穴27がそれぞれ存在している。また、第2翼様部40には、第2翼様部40の一部を切り抜くことで形成される通し穴45が存在している。これらの通し穴は、フックを掛ける穴として使用できるほか、ピンなどの部品を用いて複数の薄葉紙用ディスペンサ1同士を連結することもできる。
【0051】
尚、上記に示した第1および第2の実施の形態においては、手掛穴21は、端壁20の一部を切り抜くことで形成されるとしたが、第1側壁部70および第1内壁部80の一部を切り抜き、一対の第1翼様部30の一部をそれぞれ切り欠くことによって形成することも可能である。
【0052】
また、上記に示した第1〜第3の実施の形態においては、薄葉紙用ディスペンサ1を形成するシート基材は段ボールとしたが、プラスチック段ボールとすることも可能である。この場合、紙製の段ボールと比べて防水性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る薄葉紙用ディスペンサの展開図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る薄葉紙用ディスペンサの組み立てた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る薄葉紙用ディスペンサの組み立てた状態の断面図であって、図1のA−A矢視線に対応する断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る薄葉紙用ディスペンサの組み立て途中の状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る薄葉紙用ディスペンサの組み立て途中の状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る薄葉紙用ディスペンサの組み立て途中の状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る薄葉紙用ディスペンサの組み立て途中の状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る薄葉紙用ディスペンサの組み立て状態における、使用状態を示す参考図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る薄葉紙用ディスペンサの組み立て状態における、使用状態を示す参考図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る薄葉紙用ディスペンサの展開図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る薄葉紙用ディスペンサの裏面側の展開図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る薄葉紙用ディスペンサの組み立てた状態を示す斜視図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係る薄葉紙用ディスペンサの展開図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係る薄葉紙用ディスペンサの組み立てた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0054】
1 薄葉紙用ディスペンサ
10 底面部
20 端壁部
30 第1翼様部
33 奥側指挿入部
35 フック穴
40 第2翼様部
50 第2側壁部
60 第2内壁部
70 第1側壁部
77 フック穴
80 第1内壁部
83 フック穴
81 指挿入部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも4辺を有する底面部と、
底面部の左右方向両端縁を基端として延出する一対の端壁部と、
一対の端壁部における前方向端縁を基端としてそれぞれ延出する一対の第1翼様部と、
一対の端壁部における後方向端縁を基端としてそれぞれ延出し、先端側の一部が切り欠かれている一対の第2翼様部と、
底面部の前方向端縁を基端として延出する第1側壁部と、
第1側壁部の先端を基端として延出する第1内壁部と、
底面部の後方向端縁を基端として延出する第2側壁部と、
第2側壁部の先端を基端として延出する第2内壁部と、を備えた一枚の段ボールシートから形成される薄葉紙用ディスペンサであって、
一対の端壁部を内側に向かって立ち上げつつ一対の第1翼様部および一対の第2翼様部をそれぞれ内側に折り込み、
第1側壁部を一対の第1翼様部側に向かって立ち上げつつ、第1内壁部の先端が底面部に対向するように第1内壁部を内側に折り込むと共に、第1側壁部および第1内壁部によって一対の第1翼様部をそれぞれ被覆し、
第2側壁部を一対の第2翼様部側に向かって立ち上げつつ、第2内壁部の先端が底面部に対向するように第2内壁部を内側に折り込むと共に、第2側壁部および第2内壁部によって一対の第2翼様部をそれぞれ被覆することによって組み立てられるよう構成されている、ことを特徴とする薄葉紙用ディスペンサ。
【請求項2】
第1内壁部の先端には、第1内壁部の一部を切り欠くことで形成される指挿入部が存在している、請求項1に記載の薄葉紙用ディスペンサ。
【請求項3】
組立状態において一対の第1翼様部における指挿入部と重なる位置には、第1翼様部の一部を切り欠くことで形成される一対の奥側指挿入部が存在している、請求項2に記載の薄葉紙用ディスペンサ。
【請求項4】
第1側壁部と、第1内壁部と、一対の第1翼様部とには、それぞれの一部を切り抜くことで形成されるフック穴が存在しており、これらのフック穴は、組立状態において重なるよう配置されている、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の薄葉紙用ディスペンサ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2009−298455(P2009−298455A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−156939(P2008−156939)
【出願日】平成20年6月16日(2008.6.16)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】