説明

薬剤の共送達のためのカニューレアセンブリ

ハブ(76)及びハブ(76)に取付したカニューレ(12)を含んでなるカニューレアセンブリ(10)。カニューレアセンブリのハブは、注射デバイス(26)に連結するように構成される。カニューレアセンブリは、第二の薬剤(17)を含む注射デバイスに取り外し可能に、又は恒久的に連結し得る。内部スペース(67)Bが備え付けられ、この中に薬物担体(98)Bが配置され、複数のキャビティ内に薬剤(92)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、一般的に、複数の薬剤(即ち、少なくとも二つの薬剤)を送達する装置及び/又は方法を開示する。好ましくは、そのような薬剤は、更なる薬剤を含む第二の容器又はリザーバとは別々の薬剤を含む第一の容器、例えばカートリッジ又はアンプル内に保存又は収納される。一つの配置において、これらの複数薬剤は、単回注射により注射される。好ましくは、一つの薬剤は、用量注射デバイス、好ましくは反復用量注射デバイスに取り付けられたカニューレアセンブリ内に備え付けられる。そのような注射デバイスは、薬剤を含むカートリッジ又はアンプルを含んでなるペン型注射デバイスのような使い捨て又は再使用可能な注射デバイスであってもよい。
【背景技術】
【0002】
二つ又はそれ以上の薬剤を同時に注射することの一般的なニーズは存在する。薬剤の例としては、インスリン、インスリン類似体若しくはインスリン誘導体、GLP−1若しくはGLP−1類似体、鎮痛剤、ホルモン、β−アゴニスト又はコルチコステロイドを含有する薬剤、又は上述の任意の原薬それ自体(API)の組合せを含有する薬剤、又は一つ又はそれ以上の適した賦形剤を更に含んでなる乾燥、固体、若しくは液体製剤の薬剤である。この目的のための適した賦形剤としては、例えば水、グリセリン、ポリオール(マンニトール、キシリトール)、マクロゴール、又はモノ−、ジ−、オリゴ−若しくはポリサッカリド(例えば、グルコース、フルクトース、サッカロース、デキストレート類、デキストラン40)がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的のために、用語「インスリン」は、インスリン、インスリン類似体、インスリン誘導体、又はヒトインスリン若しくはヒトインスリン類似体若しくは誘導体を含むそれらの混合物を意味するものとする。インスリン類似体の実例は、限定なしで、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリンであり、ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、B29位において、Lysは、Proで代替されてもよく;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、又はDes(B30)ヒトインスリンである。インスリン誘導体の実例は、限定なしで、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0004】
本明細書で用いる、用語「GLP−1」は、GLP−1、GLP−1類似体、又は、例外なしで、エキセナチド(エキセンジン−4(1−39)、ペプチド配列:H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2);エキセンジン−3、リラグルチド、又はAVE0010(H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Ser−Lys−Lys−Lys−Lys−Lys−Lys−NH2)を含むその混合物を意味するものとする。
【0005】
β−アゴニストの実例としては、限定なしで、サルブタモール、レボサルブタモール、テルブタリン、ピルブテロール、プロカテロール、メタプロテレノール、フェノテロール、メシル酸ビトルテロール、サルメテロール、ホルモテロール、バムブテロール、クレンブテロール、インダカテロールがある。
【0006】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロパイン (ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は規制活性ペプチド及びそれらの拮抗剤である。
【0007】
ほんの一例として、ある疾患状態は、一つ又はそれ以上の異なった薬剤を用いた処置を必要とする。例えば、あるケースにおいて、長期間作用型インスリンを、プログルカゴン遺伝子の転写産物から誘導されるグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)又はGLP−類似体と一緒に糖尿病を処置することが有益であるかもしれない。GLP−1は体内で見いだされ、そして消化管ホルモンのように腸管L−細胞より分泌される。GLP−1、及びGLP−1類似体は、それ(及びその類似体を)糖尿病の可能性のある処置として厳しい調査対象とする数種の生理学的特性を有する。
【0008】
少なくとも二つの薬剤を同時に送達することは、薬物送達デバイスの提供者、並びにデバイスの使用者に対する多くの懸念を作り出すことになる。ほんの一例として、薬剤はその製剤の長期間保存中、互いに相互作用する可能性がある。従って、薬剤を別々に保存し、その後、薬剤の投与時などの後の時点で、これら活性成分を更に組み合わせることが有利であり得る。いくつかの配置において、それは注射中、又は吸入中のいずれかである。しかし、使用者の観点からすれば、薬剤を組み合わせることは、信頼性のある用量選択及び用量注射の結果をもたらすために、患者に使い勝手が良く、そして便利であるべきである。
【0009】
更なる潜在的な懸念は、組合せ治療を構成する各薬剤の量、及び/又は、割合は、各使用者に対して、又は彼らの治療の異なった段階において変更する必要があるかもしれないことである。例えば、一つ又はそれ以上の薬剤は、「維持」用量まで患者に徐々に増加させるための調節(titration)期間が必要となり得る。更なる実例は、一つの薬剤が非調整可能な固定用量を必要とする場合、一方、他剤は、患者の症状、肉体的条件、又はその他患者の基準に対応して変更することであろう。この懸念は、これら事前混合された製剤が医療専門家又は患者により変更できない第一及び第二の活性成分の固定比率を有することになるので、複数の活性剤の事前混合された製剤は、適切でない可能性があることを意味する。
【0010】
従って、二つ又はそれ以上の薬物の共同送達のためにデバイス及び方法を提供するための一般的な必要性が存在する。少なくとも一つの実施態様によると、本発明の装置及び方法は、改良されたカニューレアセンブリ、及び活性薬剤を含有するリザーバを含むカニューレを有する関連注射デバイスを提供することにより上記問題点の解決を提供することにより上記の懸念を克服する。このカニューレは、カートリッジを含むペン型注射デバイスのような注射デバイスに取り付けるカニューレアセンブリの部分である。これら及びその他の利点は、発明の次のより詳細な説明から明白になるであろう。本発明により解決される一般的な問題は、少なくとも二つの薬剤の投与が助けられるニードルアセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
注射デバイスと共に使用できるカニューレアセンブリ又はニードルアセンブリが説明され、ここでアセンブリは、ハブの注射デバイスに対する取り付けのための手段を有するハブを含む。薬剤が送達できる第一のカニューレは前記ハブに取り付けられ、前記第一のカニューレは遠位端及び近位端を有する。更にその上、薬物担体が配置される内部空間が備え付けられる。薬物担体は、複数のキャビティを含んでなる。第一の薬剤はキャビティ内に含まれる。アセンブリは、第一の薬剤が第一のカニューレを通して送達され得るように適用される。
【0012】
用語「に取り付ける」は、直接連結又は操作連結を含んでもよい。
【0013】
薬物担体のキャビティは、互いに分離してもよく、又は代替肢として、互いに相互連結してもよい。
【0014】
薬物担体は、流動性形態及び乾燥形態で存在し得る第一の薬剤を含み得る。流動性薬剤の場合、それが、第一のカニューレを通して流体を押圧する薬物送達デバイスの操作によりすすがれる場合を除いて、毛細管力が薬剤を所定の位置に維持するように、キャビティのサイズを選択することが好ましい。
【0015】
薬物担体は、少なくとも一つの開放気孔固体形態及び繊維状材料を含み得る。繊維状材料は、中空繊維ストランドを含み得る。形態の気孔、及び繊維のチューブは、これにより、それぞれ、キャビティを形成する。
【0016】
一つの実施態様によると、ニードルアセンブリが一つのカニューレのみ含み、そして第一のカニューレそれ自体が、中に薬物担体が配置される内部空間を画成する。
【0017】
別の実施態様によると、ニードルアセンブリはハウジングを含み、ハウジングはハブに連結される。ハウジングは一体化ハウジングを含んでもよい。この実施態様において、第二のカニューレは、注射デバイスにおいて提供される液体と流体係合するように構成できる穿孔近位端、及びハウジングにおいて提供される内部空間と流体係合するように構成された遠位端を含む。更にその上、内部空間及び穿孔遠位端と流体係合するように構成された近位端を含む第一のカニューレが提供される。薬物担体は、ハウジングにより提供される内部空間内で配置される。薬物担体は、活性成分を含んでもよい。
【0018】
一般的に、薬物担体は、ニードル配置の内部キャビティに含まれてもよく、内部キャビティはニードル配置のカニューレと流体連通にある。
【0019】
一つの実施態様において、薬剤は、乾燥、固体又は液体製剤の形態での配置の内部空間内に備え付けられ得る。
【0020】
注射デバイスはペン型注射デバイスを含み得る。ペン型注射デバイスは、再設定可能なペン型注射デバイスを含み得る。カニューレアセンブリは、取り外し可能に、又は恒久的に注射デバイスに連結できる。更に、アセンブリは、前記ハブ及び前記カニューレを取り囲むよう適合されるカバーキャップを含んでもよく、該カバーキャップは、第一開放側面を含み、ここで、使用者が取り外し可能バリアは、前記カバーキャップの前記第一開放側面をシールするために提供される。
【0021】
更にその上、アセンブリは、前記ハブを取り囲むよう適合されたカバーキャップ、及び少なくとも一つの前記カニューレを含み、前記カバーキャップは第一開放側面を含み、ここで、使用者が取り外し可能なバリアは、前記カバーキャップの前記第一側面をシールするために提供される。前記カバー及び前記使用者が取り外し可能なバリアは、前記カニューレアセンブリに対して滅菌封入を提供し得る。
【0022】
更にその上、薬物送達システムが記述され、システムは、上記で説明したアセンブリ及び更なる注射デバイスを含み、ここで、アセンブリの前記カニューレの前記近位端は、ハブに連結するように構成された注射デバイスに提供されるカートリッジ内に含まれる第二の薬剤と液体係合にある。注射デバイスを操作することにより、第二の薬剤は、前記第一のカニューレを通して、薬物送達システムから排出する薬物担体を通して、前記第二の薬剤容器から投与され、それにより、前記第一の薬剤をすすぐ。
【0023】
前記注射システムは、薬物送達デバイスをテストする目的で前記注射デバイスに提供される前記カートリッジ内に含まれる前記第二の薬剤の可変用量を投与するために使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
現在説明される配置の様々な態様のこれら並びにその他の利点は、添付の図面を適切に参照して、以下の詳細な説明を読むことにより、当業者には明確になるであろう。
【0025】
本発明の範囲は、請求項の内容で定義される。発明は特定の実施態様に限定されず、異なった実施態様のエレメントのいかなる組合せも含有する。その上、発明は、請求項のいかなる組合せも、及び請求項で開示された特徴のいかなる組合せも含有する。
【0026】
典型的な実施態様は、図を参照して本明細書で説明する:
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】カニューレアセンブリの第一の配置を示す。
【図2】カニューレアセンブリの第二の配置を示す。
【図3】図1及び2で示すカニューレのような、カニューレアセンブリ用の第一の包装配置を示す。
【図4】図3及び4で示すカニューレアセンブリと共に使用するための注射デバイスを示す。
【図5】図4で示す注射デバイス上に取り付けられたカニューレアセンブリの一配置を示す。
【0028】
図1は第一の薬剤40(例えば、GLP−1又はGLP−1類似体を含む薬剤)を含むカニューレアセンブリ10の第一の配置を示す。そのようなカニューレアセンブリ10は、図4で示す注射デバイスのような注射デバイス26に連結するように構成される。図1において、注射デバイス26のハウジング部分1が示され、そして、このハウジング部分1は端壁8を含む。この端壁8は、開口部6を含む。ハウジング部分1は、カートリッジ又はアンプル2を取り囲み、そして収納する外壁30を含む。好ましくは、このカートリッジ2は、ガラス又はプラスチックで作られる。
【0029】
カートリッジ2は、第二の薬剤17(例えば、インスリンを含む薬物)を含む。遠位端でのカートリッジ2は、大径環状ビーズにより部分的に画成されるネック3を含む。金属スリーブ22は、カートリッジ2の遠位端で大径環状ビーズの周囲にヒダを付けられる。金属スリーブ22は、孔23を画成し、そしてこのスリーブ22は、所定の位置に再シール可能なゴム膜32を恒久的に保持する。カニューレアセンブリ10が注射デバイス26に連結され、又は結合されるとき、第一のカニューレ12の近位端18は、ハウジング1の開口部6内、及び金属スリーブ22の孔23内で、軸方向に動くことによりこの膜32を穿孔する。
【0030】
カニューレアセンブリ10は、カニューレハブ14に取り付けられた第一のカニューレ12を含む。図1はハブ14に取り付けられた単回の第一のカニューレ12のみを示すが、そのような配置は二つ又はそれ以上のカニューレを含む。
【0031】
第一のカニューレ12は遠位端16及び近位端18を含み、両端16、18は、鋭利にされ、そして面取りされている。より具体的には、第一のカニューレ12の遠位端16の鋭利にされ、面取りした部分は位置20で示され、そして第一のカニューレ12の近位端18の鋭利にされ、面取りした部分は位置24で示されている。
【0032】
第一のカニューレ12は、カニューレホルダ28により、ハブ14内に固定的に取り付けられる。このカニューレホルダ28は、カニューレハブ14と一体設計(unitary design)であってもよい。あるいは、このカニューレホルダ28は、カニューレハブ14とは別々の部材の部分であってもよい。別々の部材として、このカニューレホルダ28は、カニューレハブ14に第一のカニューレ12を保持するのに役立つ。
【0033】
この第一のカニューレアセンブリ配置10において、カニューレハブ14は、一つ又はそれ以上の内部ねじ込みコネクタ34を有する。図1に図示するこれら内部ねじ込みコネクタ34は、カニューレアセンブリ10を図4で示す注射デバイスのような注射デバイスの遠位端に取り外し可能に取り付けることを可能にする。好ましくは、一つ又はそれ以上の内部ねじ込みコネクタ34は、注射デバイス26の遠位端1の外部表面に沿って備え付けられる外側に配列されたネジ山又は溝48に解放可能に連結できる。
【0034】
代替のコネクタ配置は、また、カニューレアセンブリ10を注射デバイス26に解放可能に連結するためにも使用され得る。そのような配置において、このコネクタ配置は、当業者に公知のいかなるコネクタデザイン(connector design)、好ましくは使用者により解放可能なデザインであってもよい。例えば、そのような解放可能なコネクタは、一条ネジ又は多条ネジ、バヨネットロック、ルアーロック、斜面及び戻り止め、スナップロック、スナップフィット、又は薬剤ハウジング上の対応するメス型又はオス型部分に連結するオス型又はメス型部分を有するその他のコネクタを含む。
【0035】
図1は送達デバイスの遠位部分上に取り付けられるカニューレアセンブリ10を示す。カニューレアセンブリ10は注射デバイス1の遠位端に取り付けられるので、カニューレの近位端18は、鋭利な、及び、面取りした端部24が膜32を穿孔するので、注射デバイス1の遠位端の開口部6を通じて通過する。面取り端部24が膜32を穿孔し、そして、その後、更に、近位方向に動くとき、近位端はカートリッジ2内に含まれる第二の薬剤17と流体係合するであろう。
【0036】
更なる配置において、カニューレアセンブリ10は単回用量の事前充填注射デバイス配置と一緒に使用できるようなとき、ハブ14は恒久的なコネクタを含んでもよい。この方式において、ハブ14は、注射デバイスの薬物ハウジングに恒久的に取り付けてもよい。そのような配置において、一度、注射が終了すると、注射デバイス及びカニューレアセンブリを含む全用量システムが廃棄される。
【0037】
カニューレアセンブリ10は、長さL43及び内径D38を有するカニューレ内壁13を有する。カニューレ12のこれらの寸法特性は、第一のカニューレ12の、内部空間又はリザーバ36を画成する。以下に詳細に説明する通り、この内部空間36は第一のカニューレを、固定用量として定義できる第一の薬剤40の固定用量を収納し、又は保存することを可能にする。好ましくは、薬物担体は内部空間36に配置され、ここで、薬物担体は互いに分離した複数キャビティを含み、そしてここで、第一の薬剤40は、薬物担体のキャビティに含まれる。
【0038】
この方式において、カニューレアセンブリ10は、注射デバイス26の単回注射中に、組合せ品を投与するために使用できる。そのような組合せ品は、第一の用量(例えば、第一のカニューレ12の内部空間36内に含まれる固定用量)及び第二の用量を含むであろう。そのような第二の用量は、カートリッジ2内に保存される第二の薬剤17の可変用量を含み、そして、注射デバイス26で選択される。図1で図解されているように、第一の薬剤40は、第一のカニューレ12の内壁13の全長L43に沿って沈積されるように示される。しかし、薬剤40はこの内壁13の部分に沿ってのみ提供されてもよく、又は沈積されてもよい。
【0039】
図4で示す注射デバイスのような、現在公知のある注射デバイスを備えて、二つの薬剤の用量を確実にすることは、上記の通り、ある課題を提示する。開示されたカニューレアセンブリは、ペン型注射デバイスのような注射デバイス上に連結するカニューレ内の第一の薬剤40を含むリザーバ又はカニューレアセンブリの内部空間に利用可能な、ある固定用量の作成を提供する。このペン型デバイスは、その後、ペン型デバイス内に含まれる薬剤、例えば、カートリッジ又はアンプル内に含まれる第二の薬剤17の可変用量を設定するために使用できる。デバイスは、その後、カニューレアセンブリリザーバ内に保存される活性成分と一緒にこの可変の設定用量を投与するために使用できる。
【0040】
ほんの一例として、カニューレアセンブリ10の内部空間又はリザーバ36は、GLP−1又はGLP−1類似体、又はカートリッジ2内に保存された活性成分11のような長時間作用型インスリンとの組合せの固定用量を投与するために使用し得る。そのような長時間作用型インスリンは、1日1回インスリン、例えば、インスリングラルギンを含むことができる。一配置において、GLP−1又はGLP−1類似体の固定用量は、約20μg含み、そして注射デバイスのカートリッジ内に第二の薬剤17として含まれる長時間作用型インスリンの可変用量と一緒にカニューレ12で画成される内部キャビティ36内で備え付けられる。そのような可変用量は、約5〜約100ユニットのインスリンの使用者設定可能用量を含む。一ユニットは、約45.5μgの純粋な結晶性インスリンの生物学的等価量である。
【0041】
一つの好ましい配置において、第一の薬剤40を含有するリザーバ36は、原薬(API)約20μgの用量を受けるための寸法を含む。APIのそのようなサイズに対して、第一のカニューレ12の内部空間36は、薬剤リザーバとして使用できる。あるいは、そして、図2に関連して説明したように、この第一の薬剤40は、好適な形状をしたカニューレアセンブリハウジングに収容し得る。そのような好適な形状をしたカニューレアセンブリハウジングは、単回又は複数部材アセンブリハウジングであってもよい。
【0042】
ほんの一例として、図1において、インスリン用の従来型のペン型30ゲージ(G)の内部空間又はキャビティ36は、約23mmの全長「L」43を有する。そのような30Gペン型ニードルアセンブリの内径「D」38は、約0.16mmとなる。従って、そのような30Gカニューレ内部空間の計算された体積は、ニードルペン型カニューレアセンブリに対しては、約、V=(Pi)*(L)*(D/2)2となる。これは、約0.46μlの流体を保持できるカニューレリザーバ又は内部キャビティを画成することと同一である。従って、図1で示すカニューレ12がそのような従来型の30Gカニューレを含むところでは、そのようなカニューレの内部空間36は、GLP−1又はGLP−1類似体のようなAPI約20μgの活性薬剤40の用量を受け入れ、又は保存できる。
【0043】
この約20μgのAPIは、APIの約4.3%溶液の形態を取ることができる。原薬のこの液体製剤は、更に、保存中、乾燥を防ぐ賦形剤又はカニューレリザーバを含んでもよい。この目的のための好適な賦形剤としては、例えば、グリセリン、ポリオール、マクロゴール、又はモノ−、ジ−、オリゴ−、若しくはポリサッカリドがある。カニューレアセンブリの両端部のニードルキャップ及び外部包装などの更なる閉塞具は、更に、保存安定性を改善するであろう。あるいは、薬物リザーバの乾燥による限られた安定性を回避するために、乾燥工程は、カニューレの液体充填を乾燥製品に移すように計画的に行なわれ得る。乾燥に対する好適な方法としては、例えば、空気乾燥、真空乾燥、又は凍結乾燥がある。これは、固体薬物を含む活性成分リザーバの製造に導き得る。そのような配置において、この固体薬物は、その後、注射デバイスから薬物の可変の設定用量を用いて溶解し、その後、この組合せ品を注射することができる。固体薬物の溶解は、ポリオール(マンニトール、キシリトール)、モノ−、ジ−、オリゴ−、若しくはポリサッカリド(例えば、グルコース、フルクトース、サッカロース、デキストレーツ、デキストラン40)又は凍結乾燥からの当業者に公知のその他類似の助剤などの賦形剤を用いることにより達成し得る。これらの賦形剤は、原薬(draug substance)の非晶質状態を維持し、そして結晶化を防ぐ。
【0044】
図1で示すカニューレアセンブリ10と一緒に、可変用量(即ち、連結した注射デバイス26のカートリッジ2に含まれる第二の薬剤17から設定される用量)の注射中、カニューレアセンブリリザーバに収納されている第一の薬剤40は洗い流される。従って、第一及び第二の薬剤40、17は一緒に、患者の注射サイトへ適用される。
【0045】
図2は、図4の注射デバイスのような注射デバイスと一緒に使用し得る開示されたカニューレアセンブリ60の第二の配置を示す。換言すれば、図1で示す通り、図2の第二配置60は、図1で示すハウジング部分1及びカートリッジ2に連結し得る。
【0046】
開示されたカニューレアセンブリ60のこの第二配置において、カニューレアセンブリ60は、第一のカニューレ部材62、第二のカニューレ部材86、カニューレハブ76、第一の活性成分ハウジング部分70及び第二の活性成分ハウジング部分64を含む。活性成分担体は、第一及び第二の活性成分ハウジング部分64、70により部分的に画成される内部空間67内に含まれる。
【0047】
この更なるニードルアセンブリ配置60において、第二のカニューレ部材86は、遠位端90及び近位端88を含む。好ましくは、第一のカニューレ部材86の近位端88は、図1で示すカートリッジ2の膜32のような、注射デバイスに含まれるカートリッジ又はアンプルの膜を穿孔するために使用される。第二のカニューレ部材86の近位端88は、従って、カートリッジ内に含まれる流体又は薬剤と流体係合にある。従って、第二のカニューレ部材86の近位端88は、カートリッジ内に含まれる流体又は薬剤と流体係合にある。図1で示す第一のカニューレ12と同様に、近位端は、面取りした、及び穿孔のための形状をした穿孔近位部分89を含む。好ましくは、カートリッジ2と連結状態にある第二のカニューレ部材86の内部空間は、薬物を含まず、そしてそれにより、カートリッジ2の内容物を汚染することができない。
【0048】
第二のカニューレ部材86の遠位端90は、カニューレハブ76及び第一ハウジング部材70を通して伸びる。この第二のカニューレ部材86は、ハブ76及び第一の活性成分ハウジング部材70の両者により所定の位置に保持される。遠位端90は内部キャビティ67と流体係合にある。この内部キャビティ67は、薬物担体98を含む。一好ましい配置において、内部キャビティ67は、第一の薬剤92を含む中空の複数の繊維ストランドを含む薬物担体98を含む。そのような第一の薬剤92は、純粋な原薬として、又は乾燥、固形又は液体の薬物製剤としてGLP−1又はGLP−1類似体を含むことができる。液体薬物製剤において、液体は中空繊維ストランドの内部キャビティ内の毛細管作用により固定される。乾燥原薬又は乾燥薬物製剤の場合、薬物は、内部キャビティ67内の薬物担体98上に液体形態で調剤され、次いで空気乾燥、真空乾燥、又は凍結乾燥などの乾燥方法にかける。乾燥方法は、調剤された水性製剤にエタノールなどの揮発性溶媒の添加を通して加速し得る。この実施態様において、薬物は、中空繊維キャビティ内に捕捉され、そして保存及び輸送中に固定される。
【0049】
第一のハウジング部材70に、第二のハウジング部材64を連結する。この第二のハウジング部材64は、第一のカニューレ部材62を取り付けるために使用できる。この第二の部材は、近位端68及び遠位端66を含む。近位端68は、薬物担体98と流体係合にある。遠位端66は、キャビティ内に含まれる第一の薬剤及び取付した注射デバイス内に含まれるカートリッジに含まれる第二の薬剤の両者の注射を提供するために使用者の皮膚に突き刺すために使用し得る穿孔部分69を含む。
【0050】
ほんの一例として、GLP−1、又はGLP−1類似体の0.1%の活性成分の濃度で、約20μgのAPIが20μlの体積中に含まれ得る。L=3mm及びH=3mmの寸法を有するリザーバ、又は円筒状リザーバを含み得る内部キャビティ67は使用できる。そのような寸法は、20μlのAPIを十分に含むことができる体積を有する内部キャビティに対応し、そしてカニューレアセンブリ60のデザインに一体化することができる。
【0051】
リザーバ中の液体の第一の薬剤92を固定化するために、薬物担体98を導入でき、これはその薬剤の溶液を含むように投薬される(dosed)。ほんの一例として、中空繊維、開放気孔形態、又は繊維状材料は、毛細管作用の公知の効果の結果として固定化をもたらすことができる。従って、第一の薬剤92は、第一及び第二の活性成分ハウジング部分70及び64でそれぞれ画成される内部キャビティ67内で、流動性製剤で固定化できる。そのような薬物担体材料は、また、例えば、中空繊維ストランド(例えば、ガラス繊維、ポリウレタン、ポリエステル、PTFE、ポリエチレン、ポロプロピレン、ポリ酪酸−グリコール酸(PLGA)など)、開放気孔形態(例えば、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルから作られる)、フィルタ膜材料(例えば、PTFE、PVDF、セルロースアセテート、ポリエーテルスルホン、ポリアミドなどから作られる)、焼結プラスチックビーズ(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、PTFE、PVDFなどのポリオレフィンから作られる)、 繊維材料(例えば、紙、プラスチック繊維、セルロース及びセルロース誘導体などから作られる繊維パッド)を含むことができる。
【0052】
好適な流体製剤は、もし必要ならば、保存中活性成分の乾燥を防ぐための水を結合する添加物を含む。例えば、そのような好適な流体製剤は、グリセリン又はマクロゴール又は他の同じタイプの賦形剤を含むことができる。更に、製剤は、保存安定性の可能性のある改善のために続いての乾燥工程又は複数の乾燥工程により、乾燥形態に転換できる。固体形態の第一の薬剤の溶解は、必要な場合、注射デバイスのカートリッジ又はアンプル中に含まれる第二の薬剤でのプライミング工程の過程で行なわれる。
【0053】
適した担体材料は、製造中の商業的方法で第一の薬剤(GLP−1又はその類似体などの)溶液で、カニューレハウジングに取り付ける前で、型打ちされ、自動的にニードルハウジング上に取り付けられた後、含浸され得る。活性成分を含む層材料を製造するための手順は、とりわけ、局所的な救急絆創膏製剤及び包帯材料から公知である。射出成形プラスチックハウジングへの膜の挿入技術は、例えばシリンジプレフィルタの製造から公知である。あるいは、第一の薬剤は、カニューレハウジングに取付けられた後、担体材料上に溶液として加えることもできる。
【0054】
中空繊維をリザーバの薬物担体材料として活用することは、一定の利点をもたらす。例えば、中空繊維は、必要な場合、中空繊維ストランドがリザーバを通して線状の流れを確実にできるので、リザーバの特に有利なバージョンであり得る。一つの配置において、約0.1〜0.3ミリメートル(mm)の内径を有するそのような中空繊維は、約0.5〜約5mmの直径で、約5〜約20mmの長さのストランド内に包まれ、そして第一の活性成分を含む溶液の必要体積を受け入れることができる。
【0055】
あるいは、薬物担体として中空繊維ストランドを用いる代わりに、開放気孔固体形態及び繊維状材料は使用してもよい。開放気孔固体形態は、形態の骨格を形成する相互連結したラメラの固体構造より成り立っている。形態のボイドスペースは、また、相互に連結し、そして流体で充填され得るコヒーレント構造を形成する。繊維状材料の場合、繊維は構造の固体部分を形成し、そして、流体を取り込める繊維間のボイドスペースが存在する。更に、流体は、繊維材料それ自体によってある程度取り込まれ、膨潤させることができる。そのような開放気孔固体形態及び繊維状材料は、滅菌フィルタ及びデプス型フィルタの製造から公知である。開放気孔形態又は繊維状材料のボイドスペースは、材料の製造工程で調節でき、そして全体積に対して約50%から>95%の画成されたキャビティ体積を有することができる。例えば、一つの配置において、GLP−1又はGLP−1類似体などの活性成分を約20μgを約10μlの溶液に溶解するところで、マトリックスが約50%の開放気孔体積を有する場合、マトリックス体積が約20μl必要となる。このマトリックス体積は、2〜3mmの直径、及び3〜6mmの長さを有する図2のアセンブリハウジングなどのカニューレアセンブリハウジングにより達成できる。
【0056】
図3は、図1で示すカニューレアセンブリ10、又は図2で示すカニューレアセンブリ60のような開示されたカニューレアセンブリ用の包装配置120を示す。この包装配置120は、カバーキャップ140を含む。このカバーキャップ140は、注射デバイス上にカニューレアセンブリを取り付けるために使用者により使用し得る。輸送及び保存のため、このカバーキャップ140は、保護フィルム124と共に、ニードル配置128の滅菌封入を提供する。カバー140は、ニードル配置128上を摺動し、そして本質的に、全ニードルアセンブリ128を覆う。しかし、ニードル配置128がカバー140内に摺動する前に、ニードルキャップ132は、一部は、不注意によるニードル突き刺しを防ぐために、アセンブリ128のカニューレ142の遠位端144上に備え付けられる。図3で判明できるように、保護フィルム124も備え付けられる。この保護フィルム124は、完全にシールされ、滅菌封入を提供するために、カバー140の開口部142を覆う。この保護フィルム124は、カバー140の開口部142に溶着しても、又は接着剤で結合させてもよい。
【0057】
使用者がカニューレアセンブリを注射デバイスに取り付ける前に、この保護フィルム124は、使用者により引き裂かれる。その後、カバーキャップ140は、注射デバイス上にカニューレアセンブリ128を取り付けるために使用し得る。一旦取り付けられると、カバー及びニードルシールド132は、注射を可能とするように取り外し得る。使用後、カバー140は、カニューレアセンブリ128上で後退でき、そして、連結された注射デバイスからニードルアセンブリを取り外しするために使用し得る。可能性のある偶然のニードル突き刺しを防ぐために、ニードルカバー132は、ニードルアセンブリが注射デバイスから取り外される前に、カニューレ142の遠位端を覆うために使用し得る。
【0058】
開示されたカニューレアセンブリは、反復使用注射デバイスと,好ましくは、図1で示すものと同様のペン型反復用量注射デバイスと連携して操作するよう設計される。そのような従来型の注射デバイス200は、図4で示される。図5は、図1で示すカニューレアセンブリ10と同様、開示されたカニューレアセンブリ250の一つの配置を示し、そのような従来型の薬物送達デバイス200に取り付けられる。第一の薬剤(40、92)は、それが流体、例えば、第二の薬剤17を、前記薬物担体98を通して、そして第一のカニューレ(12、62)を通して、押圧する薬物送達デバイスの操作によりすすがれなければ、前記カニューレアセンブリ(10、60)内で所定の位置に維持される。
【0059】
注射デバイス200は、再使用可能、又は使い捨てデバイスであってもよい。使い捨てデバイスは、製造業者から得られた薬剤で事前充填され、そして初期薬剤を使い切った後、新しい薬剤で再装填できない注射デバイスを意味する。デバイスは固定用量、又は設定可能用量であってもよいが、しかし、いずれの場合でも、それは反復用量デバイスである。
【0060】
図4において、従来型デバイス200は、カートリッジハウジング206、用量ダイヤリングモジュール204、及び用量調整ノブ202を含む。カートリッジハウジング206の第一端及び用量ダイヤリングモジュール204は、機構を保持することにより共に固定される。そのような一般的な注射デバイス200は、薬剤のカートリッジ又は薬剤の他のリザーバを含む。このカートリッジは、一般的に、円筒状の形状であり、通常はガラスで作製されている。カートリッジは、一端をゴム栓で、そして他端をゴム隔膜でシールする。注射ペンは、多重注射を送達するよう設計される。従って、図1で示すカニューレアセンブリのような注射カニューレアセンブリを取り付けるために使用する機構、例えば、スクリュネジ山を有する。図1及び2を参照して議論した通り、開示されたカニューレアセンブリは、カートリッジ隔膜を穿孔するよう設計され、そしてカートリッジの内容物と患者の皮下領域の間の流体連通を提供する。
【0061】
カートリッジハウジング206に含まれる薬剤は、カートリッジ栓を前進させる注射デバイス内の機構で放出される。送達機構は、一般的に、使用者の作用により動力を受けるが、しかし、注射機構は、また、スプリング、圧縮ガス又は電気エネルギなどの他の手段により動力を受けてもよい。
【0062】
一つの配置において、カニューレアセンブリ250は、現在上市されているペン型注射デバイスと連動するよう設計でき、あるいは、カニューレアセンブリ250は、特定デザインの注射デバイスとのみ連動するよう設計し得る。これはカニューレアセンブリ250上に、適合し、又は相補する機構と係合する注射デバイスに特定の連結又は結合機構を導入することにより達成できる。例えば、特定の結合又は連結機構は、注射デバイスの一タイプとのみ使用するためのカニューレアセンブリ250の特定タイプに関する適合性のある、又は相補的な機構と係合する注射デバイス200の遠位端208上で提供し得る。ほんの一例として、インスリングルリシンのような活性成分として即効性のインスリンを含むカニューレアセンブリ250の特定タイプは、インスリングラルジンのような長時間作用型インスリンを含む注射デバイスの特定型とのみ隣接することが可能となる。しかし、関連分野の当業者は、代替の機械的配置及び活性成分配置も、また、可能であることを認識するであろう。注射システムの特定カニューレアセンブリへの使用を限定する一つの理由は、注射デバイスから送達される薬物の用量の正確性を確実にすることである。注射システムの特定カニューレアセンブリへの使用を限定する別の理由は、一定の活性薬剤のみが、注射デバイス内で保存される他のある活性薬剤と一緒に送達することができることを確実にすることである。
【0063】
現在開示されているカニューレアセンブリに対して多くの利点がある。例えば、一利点は低用量の活性成分の正確な投与が達成できることである。投与は単回用量で確実にされ、そして投与システム(デバイス)の許容誤差、又は反復用量の包装、例えば、カートリッジ/ストッパーシステムの可変性に依存しない。
【0064】
また、現在特許請求したカニューレアセンブリは、固定用量と可変用量との組み合せを可能にする。換言すれば、固定用量は、広範囲の可変用量と組み合わせることができる。活性成分をリザーバから洗い流すために必要な可変用量の最小量に関して、限界が発生するかもしれない。他の技術的解決策、例えば、固定及び可変の用量用の数個のカートリッジを有するデバイスは、作るのに非常に高価であり、そして、恐らく、取扱いが複雑である。
【0065】
更に、開示されたカニューレアセンブリは、使用者への適用に対しては、簡単で、安全な結果をもたらす。換言すれば、注射デバイス上に活性成分リザーバを有するカニューレシステムを取り付けることによってのみ、操作はほとんど公知のデバイスシステムと異ならず、そして考えられるかぎり容易である。一つの可能性のある結果は、使用におけるより高い安全性が達成できることである。
【0066】
また別の利点として、開示されたカニューレアセンブリは、個々の用量の費用効率の高い、商業的製造をもたらす。即ち、自動化システムを用いることにより、個々の用量の商業的で費用効率の高い製造が達成でき、それにより、公知の製造原理を用いることができる。
【0067】
本発明の例示的な実施態様が説明された。しかし、変更及び改変は、請求項で画成される本発明の真の範囲及び趣旨から逸脱することなくこれらの実施態様に対して行うことができる。
【0068】
参照番号:
1.ハウジング部分;
2.カートリッジ/アンプル;
3.ネック;
4.環状ビーズ直径;
6.開口部;
8.端壁;
10.カニューレアセンブリ;
17.第二の薬剤;
12.第一のカニューレ;
13.壁;
13.カニューレハブ;
16.遠位端;
18.近位端;
20.位置;
22.金属スリーブ;
23.孔;
24.位置;
26.注射デバイス;
28.カニューレホルダ;
30.外壁;
32.ゴム膜;
34.内部ねじ込みコネクタ;
36.内部空間/リザーバ;
40.第一の薬剤;
48.ネジ山/溝;
60.カニューレアセンブリ;
62.第一のカニューレ部材;
64.第二の活性成分ハウジング部分;
66.第一の部材の遠位端;
67.内部空間;
68.第一の部材の近位端;
69.穿孔部分;
70.第一の活性成分ハウジング部分;
76.カニューレハブ;
86.第二のカニューレ部材;
88.近位端;
89.近位部分;
90.遠位端;
92.第一の薬剤;
98.薬物担体;

120.包装配置;
124.保護フィルム;
128.ニードル配置;
132.ニードルキャップ;
140.カバーキャップ;
142.カニューレ;
144.遠位端;

200.注射デバイス;
202.用量調整ノブ;
204.用量ダイヤルモジュール;
206:カートリッジハウジング;
208.遠位端;
250.カニューレアセンブリ;

【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射デバイスと共に使用するためのニードルアセンブリであって:
注射デバイス(26)に取り付けるための手段を含んでなるハブ(14、76);
該ハブに取り付けられ、遠位端(16、66)及び近位端(18、68)を有する、第一のカニューレ(12、62);
を含んでなり、
ここで、中に薬物担体(98)が配置される、内部空間(36、67)が備え付けられ、
薬物担体(98)は、複数のキャビティを含んでなり、そして
第一の薬剤(40、92)は、キャビティ内に含まれ、そして
アセンブリは、第一の薬剤(40、92)が第一のカニューレ(12、62)を通して送達され得るように適合される、
上記ニードルアセンブリ。
【請求項2】
前記薬剤が原薬を含んでなるか;又は
前記薬剤が原薬の製剤を含んでなるか;又は
前記薬剤が乾燥固体製剤を含んでなるか;又は
前記薬剤が液体製剤を含んでなるか;又は
前記薬剤が、乾燥工程を通して乾燥固体製剤に転換される液体製剤を含んでなる;
請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記乾燥固体製剤が、該製剤の迅速溶解を促進するために賦形剤を含んでなるか;又は、
前記乾燥固体製剤が、該製剤の迅速溶解を促進するために賦形剤を含んでなり、賦形剤が、モノ−、ジ−、オリゴ−、又はポリサッカリド、デキストラン又はポリオールを含んでなるグループから選択される、
請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記製剤が液体製剤を含んでなり、該液体製剤が、該製剤の乾燥を防ぐために賦形剤を含んでなるか;又は
前記製剤が液体製剤を含んでなり、該液体製剤が、該製剤の乾燥を防ぐために賦形剤を含んでなり、賦形剤が、グリセリン、ポリオール、マクロゴール、又はモノ−、ジ−、オリゴ−、又はポリサッカリドを含むグループから選択される、請求項1又は2に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記薬物担体(98)が、開放気孔固体フォーム及び繊維状材料の少なくとも一つを含んでなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記繊維状材料が中空繊維ストランドを含んでなる、請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記第一の薬剤(40、92)が、原薬の固定用量を規定する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記第一の薬剤(92)が、1〜50μgの原薬を含んでなる、請求項1〜7のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記第一薬剤がGLP−1又はGLP−1類似体を含んでなる、請求項1〜8のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項10】
ニードルアセンブリが、前記薬物担体及び前記第一のカニューレ(12、62)を通して流体を押圧することにより前記第一の薬剤をすすぐように構成される、請求項1〜9のいずれか1項に記載のニードルアセンブリ。
【請求項11】
ニードルアセンブリが一つのカニューレのみを含んでなり、そしてここで、該第一のカニューレは、中に薬物担体が配置される内部空間(36)を画成する、請求項1〜10のいずれか1項に記載のニードルアセンブリ。
【請求項12】
前記ハブに連結するハウジングが備え付けられ;そして
前記第二のカニューレ(86)が穿孔近位端(88)、及び
上記ハウジング内に備え付けられた内部空間(67)と流体係合するように構成された遠位端(90)を含んでなり;そして
第一のカニューレ(62)が、該内部空間と流体係合するように構成された近位端(68)、及び
穿孔遠位端(66)を含んでなり;
ここで、薬物担体(98)は上記内部空間(67)内に配置される、
請求項1〜10のいずれか1項に記載のニードルアセンブリ。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載のアセンブリ及び更に注射デバイスを、含んでなる薬物送達システムであって、ここで、前記第一のカニューレの前記近位端は、ハブ(14)に連結するように構成された注射デバイス(26)内に備えられたカートリッジ(2)に含まれる第二の薬剤(17)と液体係合にある、上記薬物送達システム。
【請求項14】
薬物送達デバイスが、前記薬物担体(98)及び前記第一のカニューレを通して第二の薬剤(17)を押圧することにより、該薬物送達デバイスの操作中、前記第一の薬剤をすすぐように構成される、請求項13に記載の薬物送達システム。
【請求項15】
前記注射デバイス(26)が、デバイスのテストの目的で、該注射デバイス(26)に備え付けられた前記カートリッジ(2)内に含まれる前記第二の薬剤(17)の可変用量を投与するために使用される、請求項13又は14に記載のシステム。
【請求項16】
前記注射デバイス(26)に備え付けられた前記カートリッジ(2)内に含まれる前記第二の薬剤(17)がインスリンのタイプを含んでなる、請求項13〜15のいずれか1項に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−530578(P2012−530578A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516738(P2012−516738)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際出願番号】PCT/EP2010/058984
【国際公開番号】WO2010/149734
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】