説明

薬剤の効力を決定する方法とシステム

創傷または瘢痕を治療するための薬剤の効力を決定するための方法および装置。本方法は、第1および第2の瘢痕化部位部分を選択することを含み、上記第1の瘢痕化部位部分は上記薬剤で治療されている。上記第1の瘢痕化部位部分の第1の画像と、上記第2の瘢痕化部位部分の第2の画像とを備える1つの画像ペアが生成され、この画像ペアが表示される。第1および第2の記録部分を備える記録エレメントが設けられ、上記第1の記録部分は、上記第1の画像内の瘢痕化が上記第2の画像内の瘢痕化ほど重大でないことを示す複数の第1の点を備え、かつ上記第2の記録部分は、上記第2の画像内の瘢痕化が上記第1の画像内の瘢痕化ほど重大でないことを示す複数の第2の点を備え、上記第1および第2の点は各々異なる関連値を有する。上記点の一方を識別するデータが受信され、かつ上記薬剤の効力を決定するために使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトまたは動物の皮膚における瘢痕化を低減するように意図される薬剤の効果を決定するための方法とシステムに関する。本発明は、瘢痕を含むヒトまたは動物の皮膚の画像等の画像に関するデータを収集するための方法とシステムにも関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤の有効性を決定する方法が必要とされていることは周知である。典型的には、新薬はまず、ヒトで試験する前に動物で試験される。ヒトに対する試験は、治療することが望まれる病気を病んでいる人間のグループを2つのサブグループに分けることを含む場合が多い。第1のサブグループにはプラシーボ(即ち、治療効果のない物質)が与えられ、第2のグループには効果の試験対象である薬剤が与えられる。第1および第2のサブグループ内の症状を比較することにより、プラシーボと比較した薬剤の有効性を決定することができる。
【0003】
薬剤の有効性を測定する方法は、治療されるべき状態に大きく依存する。幾つかの状態に対しては、有効性の客観的目安を容易に導出することができる。例えば、薬剤がコレステロールレベルを減らすためのものであれば、第1および第2のサブグループにおける患者のコレステロール測定値をとって薬剤の有効性が決定される。他のケースでは、このような客観的目安を容易に導出することができない。このようなケースの一例は、創傷の治癒を促進する、かつ/または瘢痕化を低減するための薬剤の有効性を評価することであり、この評価は少なくとも部分的に主観的である。
【0004】
「創傷」という用語は、皮膚に対する負傷によって例示されるが、この限りではない。他のタイプの創傷には、肺、腎臓、心臓、腸、腱または肝臓等の体内組織または器官に対する損傷、負傷または外傷が含まれる可能性がある。
【0005】
創傷に対する反応は、全ての成体哺乳動物に共通している。これは同じパターンを辿り、同じ結果、即ち瘢痕の形成に至る。治癒プロセスの間は多くの異なるプロセスが働いていて、何がこれらのプロセスを仲介しているか、またそれらが互いにどのように作用し合って最終結果をもたらすか、を発見する研究が多く実行されてきた。
【0006】
治癒反応は、負傷した動物の死亡を阻止するための生物学的急務に対する進化的解決策として生じる。従って身体は、感染または失血による死亡リスクを克服するために、損傷組織を再生しようとするよりも損傷領域を修復するように迅速に反応する。
【0007】
瘢痕は、修復反応の結果として生成される構造体と定義される場合がある。負傷組織は創傷化前に存在した同じ組織構造を得て再生されるわけではなく、瘢痕は非創傷化組織と比較したその異常な形態によって識別される場合がある。瘢痕は、治癒プロセスで蓄積される結合組織で構成される。瘢痕は、(皮膚の瘢痕内に認められる)異常な組織を有する結合組織および/または(中枢神経系の瘢痕内に認められる)異常に増量して存在する結合組織を含む場合がある。大部分の瘢痕は、異常に組織化された組織および過剰な結合組織の双方から成る。
【0008】
瘢痕の異常な構造は、(顕微鏡分析によって決定され得る)その内部構造および(肉眼検査で評価され得る)その外観の双方に関連して認められる場合がある。
【0009】
細胞外基質(ECM)分子は、非創傷化皮膚および瘢痕化皮膚の双方である主たる構造成分を含む。非創傷化皮膚では、これらの分子は、一般に「バスケット織り」と呼ばれる特徴的な無作為の配置を有する線維を形成する。一般に、非創傷化皮膚内に認められる線維は、瘢痕に認められる線維より直径が大きい。瘢痕内の線維はまた、非創傷化皮膚内の線維に比べて互いに過度に整列している。ECMのサイズおよび配置は共に、正常な非創傷化皮膚に比べた際の瘢痕の機械的性質の変化、最も顕著には剛性の増加に寄与する場合がある。
【0010】
肉眼で観察した場合、瘢痕は、周辺組織の表面より下に陥没している場合もあれば、非創傷化皮膚の表面より上に隆起している場合もある。瘢痕は、非創傷化組織に比べて暗色である(高色素沈着)場合もあれば、その周辺より淡色である(低色素沈着)場合もある。また瘢痕は、周辺の皮膚より赤い場合もある。瘢痕が高色素沈着、低色素沈着または赤い瘢痕の何れであれ、容易に目立つ美容上の欠点になる。瘢痕の美容上の外観は患者に対する創傷の心理学的影響に寄与する主な要因の1つであること、およびこれらの影響は創傷自体の治癒後も長期に渡って残る可能性のあることが分かっている。
【0011】
瘢痕には、患者に物理的な悪影響もある場合がある。これらの影響は、典型的には、瘢痕と非創傷化皮膚との機械的相違の結果として生じる。瘢痕の異常な構造および組成は、これらが典型的には正常な皮膚より柔軟性が少ないことを意味する。その結果、瘢痕は、(瘢痕が関節を覆い、可能な動作範囲を制限し得る場合等)正常な機能を損なう原因となる場合があり、または若年齢から存在すれば、正常な発育を遅らせる場合がある。
【0012】
概説した上述の影響は全て、創傷治癒反応の正常な進行の結果として生じる場合がある。しかしながら、この反応を異常に変え得る多くの状況が存在し、多くの場合、これらはさらなる結果的損傷に関係する。
【0013】
治癒反応が変わる場合のある1つの状況は、過剰な瘢痕の異常生成である。肥厚性瘢痕は重篤な瘢痕形態を示し、かつ肥厚性瘢痕は患者に目立った悪影響を与える。肥厚性瘢痕は正常な皮膚表面より上に持ち上がり、異常なパターンで配置される過剰なコラーゲンを含む。その結果、このような瘢痕は、正常な機械的機能の著しい喪失に関連づけられる場合が多い。これは、肥厚性瘢痕には形成後に収縮する傾向があること、即ち通常はその筋肉関連タンパク質(具体的には、平滑筋アクチン)の異常な発現だとされる活動によって悪化される場合がある。小児は、特に火傷の結果として肥厚性瘢痕形成の可能性が増加する。
【0014】
ケロイドは、病理学的瘢痕化の別の一般的形態である。ケロイド状の瘢痕は、皮膚表面から上へ持ち上がるだけでなく、もとの負傷の境界を越えて拡大する。ケロイドは、異常な様式で組織化される、通常は渦巻き状のコラーゲン組織として発現する過剰な結合組織を含む。ケロイド形成の原因には推測の余地があるが、概して個体によってはその形成に対する遺伝的疾病素因を有するもののあることが認識されている。肥厚性瘢痕およびケロイドは共に、アフリカ系カリブ人および蒙古人種に一般的である。
【0015】
上述の考察は主としてヒトにおける創傷治癒の影響について当てはまるものであるが、この創傷治癒反応並びにその欠点および潜在的異常がほとんどの動物種間で保存されていることは認識されるであろう。従って、上記概説の問題は、非ヒト動物および特に獣医学的動物または家畜(例えば、ウマ、ウシ、イヌ、ネコ、他)にも当てはまる。例として、腹部創傷の不適切な治療の結果として生じる癒着がウマ(特に競走馬)の獣医学的破棄の主たる理由を成すことは周知である。同様に、家畜または獣医学的動物の腱および靱帯も負傷することが多く、これらの負傷の治癒によっても動物の死亡数増加に関連づけられる瘢痕化が生じる場合がある。
【0016】
先の論考から、創傷治癒薬および瘢痕軽減薬の有効性を測る方法が必要とされていることは認識されるであろう。瘢痕の悪影響の幾分かは精神的であり、かつ瘢痕に対する人間の知覚に基づくものであることを考えれば、このような精神的影響を克服することにおける瘢痕軽減治療の有効性を正しく決定できる客観的な化学的または生化学的試験は存在しない。実際に、瘢痕軽減の評価における重要な指針は、その薬剤で治療されている瘢痕に対する、その薬剤で治療されていない瘢痕と比較した場合の主観的反応である。この問題は、時として、瘢痕軽減治療の試験が、臨床試験で傷つけられて薬剤によりその治療を受けている志願者に対して行われる場合が多い、という事実によって複雑化される。従って、改善されつつある瘢痕は、臨床試験を目的として生成されたものであることが多い。
【0017】
視覚的なアナログ採点を使用して瘢痕化の重大度を測ることは知られている。これは、査定者に複数の瘢痕を見せて、低値から高値まで拡がるスケール上に各瘢痕の重大度を示すように求めることによって達成される。スケール上に記されたマークは、次に、各瘢痕における瘢痕化の知覚される相対的重大度を決定する採点に変換される。薬剤処理を受けている瘢痕および受けていない瘢痕に対するこの技術を使用すれば、薬剤の有効性の尺度を導出することができる。
【0018】
視覚的なアナログ採点は貴重なデータを提供するが、欠点がないわけではない。より具体的には、査定者は単にその瘢痕を提示されるだけで、その特定の瘢痕における瘢痕化をより一般的な瘢痕化と比較することは不可能であることを考えれば、査定者が特定の瘢痕に反応して印を付けるべきスケール上の点を決定するのは困難である場合が多い。
【0019】
この課題は、参照画像を視覚的なアナログスケール上の点に関連づけることによって部分的には解決されている。このような参照画像は、査定者が、参照画像と特定の瘢痕との比較をもとに、特定の瘢痕に反応して印を付けるべきスケール上の点をより良く決定できるようにする。
【0020】
視覚的なアナログスケールに関連する参照画像の使用には利点があるが、問題も残っている。第1に、肌の色はヒトによって(特定の人種集団内のヒトによっても)著しく変わることを考えれば、ある範囲の被検者達における瘢痕の評価に参照画像が有益であるとなると多大な参照画像セットが必要になる。例えば、赤みおよび/または高色素沈着による効果は、瘢痕が知覚され、故に評価される方法に多大な影響を与える可能性がある。
【0021】
さらに、任意のある特定の外科手術タイプからの瘢痕は、一般に視覚的なアナログスケール全体の小域に含まれ、典型的には、実際にスケールの長さの20%から50%までしか使用されないことを意味する。視覚的なアナログスケールは瘢痕の重大度の全範囲を包含するように、即ち知覚できない瘢痕(0mm)からかなり悪い肥厚性瘢痕(100mm)に至るまでを包含するように故意に設計されたものであることから、これは驚きでもある。薬物処置の結果として生じる統計的に重大な改善はスケール上で決定されているが、典型的には、これらは約4mmから10mmまでである。このような小さい改善は、統計学的に重大であると共に臨床パネルによっても臨床的に重大であると評定されているものの、薬物の治療効果を臨床医および一般人の双方に伝達する際には問題があることが分かっている。具体的には、任意のある特定の臨床試験ではスケールの小部分しか使用されないことから、視覚的なアナログ採点法を使用して生成される値の4−10mmのシフトは、使用されるスケール部分に依存して、改善パーセントとの関連で著しい不一致をもたらす場合がある。例えば、薬剤に起因するスケール下端における10mmの改善(例えば、薬物で処置された瘢痕の採点10mmおよびコントロール処置の瘢痕の採点20mm)は、結果的に高率の改善(即ち、50%)になる。これに対して、スケール上端における同じ10mmの改善(例えば、薬物処置の瘢痕の採点80mmおよびコントロール処置の瘢痕の採点90mm)の改善は、約11%にしかならない。改善パーセントのこの不一致は薬物処置の有効性には全く関連がなく、むしろデータが得られる方法の帰結であって、改善パーセントはスケールの長さを通じて一貫しないものとなる。
【0022】
試験もまた、スケール上の低値、具体的には35mmより下(即ち、極めて良好な瘢痕)では、固定式の視覚的アナログ採点法を使用して臨床的に意味のある改善を達成するのはより困難であることを示しているが、これは、視覚的アナログ採点スケール上自体でのさらなる改善の余地が極めて小さく、認められる改善の多くはスケールのノイズ内で失われることに起因する。
【0023】
従って、視覚的アナログ採点法は有益なデータを提供することが分かっているが、視覚的アナログ採点法の代替方法として、または上記採点法に加えて使用できる採点方法が依然として必要とされている。
【0024】
さらに、瘢痕に関するデータを収集するための便利な方法を提供する必要もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明の目的は、これまでに概説した問題点の少なくとも幾つかを取り除く、または緩和することにある。
【発明を解決するための手段】
【0026】
本発明の態様は、創傷または瘢痕の治療を目的とする薬剤、例えば瘢痕化の低減または創傷治癒比率の向上を目的とする薬剤の効力の決定において有益な方法およびシステムを提供する。従って、本発明の態様は、瘢痕化の重大度を示すデータを収集するための方法とシステムを提供する。このようなデータは、採点データと呼ばれるデータを含んでもよく、かつ2つの瘢痕の瘢痕化の重大度の比較を示してもよい。本発明の態様はさらに、瘢痕化の重大度を示すデータを取得する、具体的には2つの画像における瘢痕化の重大度の比較を示すデータを取得するための新規方法を提供する。
【0027】
本発明の第1の態様によれば、創傷または瘢痕を治療するための薬剤の効力、例えば創傷の結果として生じる瘢痕化を防止する、または既存の瘢痕の外観を改善するための薬剤の効力を決定する方法が提供されている。本方法は、第1および第2の瘢痕化部位部分を選択することを含み、上記第1の瘢痕化部位部分は上記薬剤で治療されている。上記第1の瘢痕化部位部分の第1の画像と、上記第2の瘢痕化部位部分の第2の画像とを備える1つの画像ペアが生成され、この画像ペアが表示される。第1および第2の記録部分を備える記録エレメントが設けられ、上記第1の記録部分は、上記第1の画像内の瘢痕化が上記第2の画像内の瘢痕化ほど重大でないことを示す複数の第1の点を備え、かつ上記第2の記録部分は、上記第2の画像内の瘢痕化が上記第1の画像内の瘢痕化ほど重大でないことを示す複数の第2の点を備え、上記第1および第2の点は各々異なる関連値を有する。上記点の一方を識別するデータが受信され、かつ上記薬剤の効力を決定するために使用される。
【0028】
本明細書に記述している方法は、薬剤で治療されている第1の瘢痕の第1の画像と、その薬剤で治療されていない第2の瘢痕の第2の画像とを比較する特定のアプリケーションを有する。例えば、第2の瘢痕は治療されなくても、プラシーボ(即ち、治療効果のない物質)または他の何らかのコントロール処置で治療されてもよい。
【0029】
本発明の第2の態様によれば、創傷または瘢痕を治療するための薬剤の効力、例えば瘢痕化を防止する、または瘢痕の外観を改善するための薬剤の効力を決定する方法が提供されている。本方法は、第1および第2の瘢痕化部位部分を選択することを含み、上記第1の瘢痕化部位部分は上記薬剤で治療されている。複数の予め決められた時間の各々において、上記第1の瘢痕化部位部分の第1の画像と、上記第2の瘢痕化部位部分の第2の画像とを備える1つの画像ペアが生成される。上記画像ペアは連続的に表示され、画像ペアは、これらが生成された時間によって決定される順序で表示される。第1および第2の記録部分を備えるユーザ入力エレメントが設けられ、上記第1の記録部分は、上記第1の画像内の瘢痕化が上記第2の画像内の瘢痕化ほど重大でないことを示す複数の第1の点を備え、かつ上記第2の記録部分は、上記第2の画像内の瘢痕化が上記第1の画像内の瘢痕化ほど重大でないことを示す複数の第2の点を備え、上記第1および第2の点は各々異なる関連値を有する。上記点の一方を識別するユーザ入力が受信され、かつ上記ユーザ入力を基礎とする比較データが生成され、上記比較データは上記薬剤の効力を決定するために使用される。
【0030】
本発明の第2の態様は、複数の画像ペアを使用して、プロバイダにもとの瘢痕の性状に関するデータを知らせかつ瘢痕の成熟プロセスにおける瘢痕の変化を示すことができるようにする。即ち、データは最終的に表示される画像ペアを基礎として収集されるが、それ以前に表示された画像ペアも、データのプロバイダが瘢痕の位置、その長さおよびその治癒プロセスを認識できることにおいて有益である。
【0031】
「瘢痕化部位」という用語は、そこに瘢痕が形成されている、またはそこで瘢痕が形成されることが予想される組織(例えば、皮膚)を示すために使用される。従って、「瘢痕化部位」という用語は、瘢痕を含む組織、通常は結果として瘢痕が生じる創傷を含む組織および傷つけられるべき組織であって通常はこのような創傷から結果的に瘢痕が生じる組織を含む。「瘢痕化部位部分」という用語は、先に記述されているように、瘢痕化部位の全体または一部を示すために使用される。第1および第2の瘢痕化部位部分は、共通する瘢痕化部位の各部分(例えば、単一の瘢痕の各部分)であっても、代替的に異なる瘢痕化部位の各部分であってもよい(例えば、各瘢痕化部位部分は個々の異なる瘢痕の全体または一部であってもよい)。
【0032】
本発明の第3の態様によれば、創傷または瘢痕を治療するための薬剤の効力を決定する方法が提供されていて、本方法は、第1および第2の瘢痕化部位部分を選択することであって、上記第1の瘢痕化部位部分は上記薬剤で治療されていることと、第1および第2の記録部分を備える記録エレメントを設けることであって、上記第1の記録部分は、上記第1の瘢痕化部位部分内の瘢痕化が上記第2の瘢痕化部位部分内の瘢痕化ほど重大でないことを示す複数の第1の点を備え、かつ上記第2の部分は、上記第2の瘢痕化部位部分内の瘢痕化が上記第1の瘢痕化部位部分内の瘢痕化ほど重大でないことを示す複数の第2の点を備え、上記第1および第2の点は各々異なる関連値を有することと、前記点の一方を識別するデータを受信しかつ上記データを使用して薬剤の効力を決定することを含む。
【0033】
本発明の第4の態様によれば、2つの画像における瘢痕化の重大度の比較を示す比較データを生成する方法が提供されている。本方法は、第1および第2の画像を表示することであって、上記第1および第2の画像は各々瘢痕を含むヒトまたは動物の皮膚の画像であることと、ユーザ入力エレメントを表示することを含む。ユーザ入力エレメントは第1および第2の記録部分を備え、上記第1の記録部分は、上記第1の画像内の瘢痕化が上記第2の画像内の瘢痕化ほど重大でないことを示す複数の第1の点を備え、かつ上記第2の記録部分は、上記第2の画像内の瘢痕化が上記第1の画像内の瘢痕化ほど重大でないことを示す複数の第2の点を備える。上記第1および第2の点は各々、異なる関連値を有する。上記点の一方を識別するユーザ入力が受信され、かつ上記ユーザ入力を基礎として比較データが生成される。
【0034】
本発明の第5の態様によれば、比較データを生成するコンピュータ利用方法が提供されている。本方法は、コンピュータに関連づけられるディスプレイデバイス上に第1および第2の画像を表示することを含み、上記第1および第2の画像は各々、瘢痕を含むヒトまたは動物の皮膚の画像である。第1および第2の記録部分を備えるユーザ入力エレメントは上記ディスプレイデバイス上に表示され、上記第1の記録部分は、上記第1の画像内の瘢痕化が上記第2の画像内の瘢痕化ほど重大でないことを示す複数の第1の点を備え、かつ上記第2の記録部分は、上記第2の画像内の瘢痕化が上記第1の画像内の瘢痕化ほど重大でないことを示す複数の第2の点を備え、上記第1および第2の点は各々異なる関連値を有する。上記点の一方を識別するユーザ入力はコンピュータで受信され、かつ上記ユーザ入力を基礎として比較データが生成される。
【0035】
本発明の第6の態様によれば、第1および第2の瘢痕部分における瘢痕化の相対的重大度に関する比較データを収集するための方法が提供されている。本方法は、第1および第2の記録部分を備える記録エレメントを設けることを含み、上記第1の記録部分は、上記第1の瘢痕化部位部分内の瘢痕化が上記第2の瘢痕部分内の瘢痕化ほど重大でないことを示す複数の第1の点を備え、かつ上記第2の記録部分は、上記第2の瘢痕化部位部分内の瘢痕化が上記第1の瘢痕部分内の瘢痕化ほど重大でないことを示す複数の第2の点を備え、上記第1および第2の点は各々異なる関連値を有する。上記比較データを収集するために、上記点の一方を示すデータが取得される。
【0036】
本発明の第7の態様によれば、第1および第2の瘢痕部分における瘢痕化の相対的重大度に関する比較データを収集するための有形的表現媒体が提供されている。本媒体は、第1および第2の記録部分を備えるスケールを備え、上記第1の記録部分は、上記第1の瘢痕部分内の瘢痕化が上記第2の瘢痕部分内の瘢痕化ほど重大でないことを示す複数の第1の点を備え、かつ上記第2の記録部分は、上記第2の瘢痕部分内の瘢痕化が上記第1の瘢痕部分内の瘢痕化ほど重大でないことを示す複数の第2の点を備え、上記第1および第2の点は各々異なる関連値を有する。
【0037】
本発明の第8の態様によれば、ヒトまたは動物の皮膚における瘢痕化の重大度を、上記ヒトまたは動物の皮膚の創傷化を踏まえて示すデータを取得する方法が提供されている。本方法は、上記ヒトまたは動物の皮膚の少なくとも1つの第1の画像を表示することであって、上記または各第1の画像は、上記ヒトまたは動物の皮膚の創傷化後の各第1の時間に形成された瘢痕の画像であることと、上記ヒトまたは動物の皮膚の第2の画像を表示することであって、上記第2の画像は、上記ヒトまたは動物の皮膚の創傷化後の第2の時間に形成された瘢痕の画像であり、上記第2の時間は上記または各第1の時間より長いことと、上記第2の画像の表示を踏まえた上記ヒトまたは動物の皮膚内の瘢痕化の重大度を示すデータを入力として受信することを含む。
【0038】
このようにして、本発明の第8の態様は、上記または各第1の画像を使用して、瘢痕のもとの位置および性状に関する入力データのプロバイダが「正しい判断を下せる」ようにし、第2の画像の表示を踏まえて提供される入力データはより有益にされる。
【0039】
記録エレメントは、データが記録される媒体上に設けられてもよい。上述の記録エレメントは、ユーザ入力エレメントの形式をとってもよい。より具体的には、記録エレメントは、ユーザインタフェース内のポインタの位置を制御するためにユーザがマウス等の適切な入力デバイスを使用して相互的に作用するグラフィカルユーザインターフェースの一部として設けられてもよい。ユーザ入力エレメントのコンテキストで記述される特徴は、そのコンテキストにより別段の必要のない限り、ユーザインタフェースの一部であるユーザ入力エレメントの形式をとらない記録エレメントにも同様に当てはまる可能性がある。同様に、記録エレメントのコンテキストで記述される特徴は、そのコンテキストにより別段の必要のない限り、ユーザインタフェースエレメントにも同様に当てはまる可能性がある。
【0040】
第1の部分が第1の瘢痕化部位部分内の瘢痕化は第2の瘢痕化部位部分内の瘢痕化ほど重大でないことを示す点を備え、かつ第2の部分が第2の瘢痕化部位部分内の瘢痕化は第1の瘢痕化部位部分内の瘢痕化ほど重大でないことを示す点を備えるスケール形式の記録エレメントを提供することは、2つの瘢痕化部位部分またはこれらの瘢痕化部位部分の2つの画像における瘢痕化の重大度の比較を示す比較データを生成する効果的な方法を提供することが発見されている。上述の方法は、患者の皮膚を直に調べること、或いは患者の皮膚の画像を調査することの何れかによってデータを収集するために使用可能である。
【0041】
上記第1の点に関連づけられる値は、上記第1の瘢痕化部位部分内の瘢痕化の重大度が上記第2の瘢痕化部位部分内の瘢痕化より著しく低いことを示す第1の限界値から、上記第1の瘢痕化部位部分内の瘢痕化の重大度が上記第2の瘢痕化部位部分内の瘢痕化よりかろうじて低いだけであることを示す第2の限界値まで広がる値範囲を画定してもよい。上記第2の点に関連づけられる値は、上記第2の瘢痕化部位部分内の瘢痕化の重大度が上記第1の瘢痕化部位部分内の瘢痕化より著しく低いことを示す第3の限界値から、上記第2の瘢痕化部位部分内の瘢痕化の重大度が上記第1の瘢痕化部位部分内の瘢痕化よりかろうじて低いだけであることを示す第4の限界値まで広がる値範囲を画定してもよい。この方法では、上述の記録エレメントは、ユーザが、どの瘢痕化部位部分が最も低い重大度の瘢痕化を示しているかを表示するデータを提供し、かつ瘢痕化の重大度の差の程度を示すことにより提供されるデータに定量的情報を添付することを可能にする。
【0042】
瘢痕化の第1および第2の画像は、好適には同時に表示される。例えば、第1および第2の画像は、互いに並んで表示されてもよい。
【0043】
ユーザ入力エレメントは、上記ユーザ入力エレメントの上記第1の部分が上記第1の画像と位置合わせされるように、かつ上記ユーザ入力エレメントの上記第2の部分が上記第2の画像と位置合わせされるように表示されてもよい。例えば、第1および第2の画像は画像表示部分において並んで、かつ互いに当接して表示されてもよい。ユーザ入力エレメントは、上記ユーザ入力エレメントの上記第1の部分が上記第1の画像と位置合わせされるように、かつ上記ユーザ入力エレメントの上記第2の部分が上記第2の画像と位置合わせされるように、画像表示部分に沿って延びてもよい。第1の部分の端は第1の画像の縁と位置合わせされてもよく、かつ第2の部分の端は第2の画像の縁と位置合わせされてもよい。
【0044】
ユーザ入力エレメントはさらに、上記第1および第2の画像の各々が同程度に重大な瘢痕化を示していることを表示する第3の点を備える第3の部分を備えてもよい。第3の点は、上記第1および第2の画像がそれに沿って互いに当接する線と位置合わせされてもよい。第2および第4の限界値は、上記ユーザ入力エレメントの上記第3の部分に隣接するユーザインタフェースエレメントの個々の点に関連づけられてもよい。同様に、第1および第3の限界値は、上記ユーザ入力エレメントの上記第3の部分から遠位にあるユーザインタフェースエレメントの個々の点に関連づけられてもよい。
【0045】
上記第1および第2の画像の各々は、共通する被検者の皮膚の画像であってもよい。第1の画像は予め決められた第1の時間における第1の瘢痕を含んでもよく、かつ第2の画像は同じ上記予め決められた第1の時間における第2の瘢痕を含んでもよい。予め決められる時間は、創傷が生成された時間、または創傷または瘢痕が薬剤で治療された時間に関連して画定されてもよい。
【0046】
薬剤による瘢痕化部位の処置は、一般に薬剤の性質によって決定されるように任意の従来方法で実行されることが可能である。例えば、薬剤は創傷の縁に注入されてもよく、或いはクリームまたは軟膏の形式で創傷へ塗布されてもよい。或いは、意図される創傷生成に対する瘢痕化の効果を最小限に抑えかつ/またはその外観を改善するために、薬剤は創傷が生成されるべき部位に注入されてもよい。このような意図される創傷生成は、外科的処置を目的とするものであってもよい。さらなる代替方法として、薬剤は、注入またはクリームまたは軟膏形式での塗布の何れかによって既存の瘢痕へ施されてもよい。
【0047】
実施形態によっては、本方法はさらに、上記第1および第2の画像を表示する前に順序づけられた複数の画像ペアを表示することを含んでもよく、各画像ペアの第1の画像は上記第1の瘢痕の画像であり、かつ各画像ペアの第2の画像は第2の瘢痕の画像である。
【0048】
画像ペアの各画像は同時に表示されてもよく、例えば、画像ペアの画像は互いに並んで表示されてもよい。上記各画像ペアは、個々の予め決められた時間に生成される上記第1および第2の瘢痕の画像を備えてもよい。
【0049】
上記複数の画像ペアは、これらの画像が生成された上記個々の予め決められた時間に関連して順序づけられてもよい。予め決められる上記または各時間は、瘢痕の生成および瘢痕の処置の少なくとも一方に関連して画定されてもよい。個々の予め決められる時間は、好適には上記予め決められる第1の時間より短い。即ち、各画像ペアは、第1および第2の画像の生成前に生成された画像を備えてもよい。画像ペアは、定間隔で隔たる時間間隔で生成されてもよい。例えば、第1の画像ペアは創傷化後1か月で、かつ第2の画像ペアは創傷化後2か月で、等々と生成されてもよい。
【0050】
上記複数の画像ペアは各々、予め決められた時間期間に渡って表示されてもよい。即ち、ユーザはディスプレイ画面上で一連の画像ペアを提示されてもよく、画像ペアは予め決められた時間間隔で提示される。
【0051】
ユーザ入力エレメントは、ラインを備えてもよい。第1の部分はラインの第1の部分であってもよく、第2の部分は上記ラインの第2の部分であってもよい。
【0052】
上記第1の点の1つを表示するデータを取得した後、本方法はさらに、上記認識される瘢痕化の差の臨床的重大さに関する質問を提示することと、提示されたこの質問に対する回答を受信することを含んでもよい。
【0053】
本明細書に記述している方法は、(形成外科および一般外科双方の)有免許の外科医および美容皮膚科医で構成される独立した臨床専門家パネルにより評価される標準化された写真を使用して、臨床試験におけるエンドポイント評価を提供するために使用される。本方法は、一人の患者内の瘢痕化を基礎としてエンドポイントを画定する際に特に適用可能である。本方法は、同一患者における2つの瘢痕(例えば、一方は特定の薬剤で処置された瘢痕、他方はプラシーボで処置された瘢痕)の直接的比較を見込んでいる。瘢痕化の評価は創傷生成から12か月後(例えば、外科手術後12か月)に有益に実行可能であることが発見されている。
【0054】
上述の方法を使用するデータの生成は、ユーザ入力を提供する個々人を訓練しかつ事前に選別する必要性を最小限に抑え、同時に一方で再現精度および信頼性を最適化しかつ生成されるデータの可変性を最小限に抑えることが発見されている。さらに、本方法は、独立した臨床医、患者および治験担当医師を含む様々な異なるタイプの個人からデータを取得するために使用されることが可能である。本方法は、ある特定の薬剤によって生じる瘢痕化の改善が効果的に決定されることを可能にする。
【0055】
記述している方法は、改善の定性的比較評価と、改善を決定するための定量的スケールとを組み合せ、よって単一の測度から統計的重要性および臨床的有意性の双方を評価することができる。
【0056】
本方法は、一般人および臨床関係者の双方によって容易に理解可能であり、よって、薬剤使用から導出される改善予想は、採用される方法論の実施に関する詳細な知識がなくても、医薬品の認可プロセスにおいて規定通りに使用されるタイプの製品概要(SmPC)において、より容易に伝達されることが可能である。
【0057】
また記述している方法は、ある範囲の皮膚タイプ、例えばある範囲の皮膚の色および肌色を所与としても効果的である。これは、記述している方法によって提供される、幾つかの先行技術方法、具体的には先に述べた視覚的なアナログスケール法では達成されないかなりの利点である。
【0058】
上述の方法は、4つの臨床試験で試験された。これらの臨床試験は、極めて良好な瘢痕(志願者において行われた全厚1cmの切開術および豊胸患者のより長い4−7cm切開術)および著しく不良な瘢痕(瘢痕修正術)の双方に関連するものであった。様々なパラメータに関する本記述方法の検証は、主として有免許の形成外科医/顔面形成外科医および皮膚外科医で構成される2つの独立した臨床専門家パネルによる標準化された写真の評価から導出されて取得されたデータを使用して行われた。
【0059】
本記述方法は、優れた査定者間一貫性をもたらすことが発見されている。収集されたデータは、12名中11名の臨床医が一貫性テストに合格したこと、即ち、採点セッションを通じて反復性10%(無作為)の画像を見せられた際の採点がさほど異ならなかった(対応のあるt検定、p>0.05)ことを示している。
【0060】
また、本記述方法は、先に検認されている上述の視覚的アナログ採点法に比べて査定者間の可変性を減じることも発見されている。収集されるデータは、臨床パネル上の6名の査定者に関して観察される平均値の最大標準偏差、および臨床的に意味のある結果の予測に必要な平均的改善を基礎として、変動率が大幅に低減する可能性を追認する。
【0061】
また、上述の方法は独立した臨床パネルによる画像評価に限定されず、瘢痕の患部調査を実行する治験外科医または患者によっても使用可能であることが発見されている。
【0062】
本発明の第9の態様は、複数の画像査定者から複数の画像に関するデータを取得する方法を提供する。本方法は、上記複数の画像の各々を識別するデータを格納することと、上記複数の査定者の各々を識別するデータを格納することと、上記複数の画像の1つまたは複数のサブセットと上記複数の査定者のうちの一名との関係性を識別するデータを格納することと、上記複数の査定者のうちの上記一名を識別するデータを受信することと、上記複数の画像の上記サブセットに関するデータを取得するように上記複数の画像の上記サブセットのうちの1つを表示させることを含む。
【0063】
従って、本発明の第9の態様は、データを取得できる便利な方法を提供する。より具体的には、規定された関係性を所与として、査定者は、査定者のロケーションに関わらず、画像を格納している中央コンピュータにアクセスして評価の関連画像を提供されることが可能である。従って、本発明のこの第8の態様は、ポータビリティに関して著しい利点を提供する。これらの利点は、データが中央で取得されかつデータベースに格納されることを可能にする一方で達成される。
【0064】
これらのデータが複数のサブセットと上記複数の査定者のうちの上記一名との関係性を識別すれば、本方法は、複数のサブセットを識別するデータを表示することと、ユーザ入力に応答してサブセットのうちの1つを表示させることを含んでもよい。
【0065】
本方法はさらに、査定者の少なくとも1つのグループを規定するデータを格納することと、上記査定者のグループを上記複数の査定者のうちの上記一名を識別する上記データを基礎として識別することと、上記複数の画像の上記サブセットのうちの1つを上記識別された査定者のグループを基礎として識別することを含んでもよい。上記複数の画像の上記サブセットに関するデータの取得は、先に述べた方法を使用して比較データを生成することを含んでもよい。
【0066】
本発明の第10の態様は、画像に示される瘢痕化の重大度を表示するデータを取得するための方法を提供する。本方法は、表示されるべき画像を選択することと、瘢痕成形物に関連づけられるコンピュータ読取り可能な識別子(例えば、バーコード)を走査することにより生成されるデータを入力として受信することと、選択された画像および入力されたデータが予め決められた関係性を満たしているかどうかを決定することと、上記予め決められた関係性が満たされていれば、瘢痕化の重大度を表示するデータを収集することを含む。
【0067】
このようにして、本発明の第10の態様は、査定者が瘢痕の物理的成形物に付けられるバーコード等のコンピュータ読取り可能な識別子を走査して瘢痕のこの物理的外観を識別することを可能にする。次には、表示用に選択された画像がコンピュータ読取り可能な識別子が読みとられた瘢痕の物理的成形物に一致することを確認するためのチェックを実行することができる。例えば、チェックは、画像と外観とが共通する瘢痕のものであることを確かにするために実行されることが可能である。収集されるデータは、選択された画像および関連する瘢痕成形物に示される瘢痕化の重大度を基礎とするものであってもよい。本発明の特定の態様に関連して記述される特徴が本発明の他の態様にも適用可能であることは認識されるであろう。
【0068】
また、本発明の態様は、適切な方法または装置によることを含む任意の便利な方法で実装され得ることも認識されるであろう。本発明の幾つかの態様は、適切なコンピュータプログラムとして実装される。このようなコンピュータプログラムは、有形の伝送媒体(例えば、CD−ROM、ハードディスクドライブ、他)および無形の伝送媒体(例えば、通信信号)等の適切な伝送媒体上で伝送されることが可能である。本発明は、本発明の態様による方法を実行するようにプログラムされるコンピュータも提供する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施形態を実装できるコンピュータネットワークを示す略図である。
【図2】本発明の一実施形態において実行される処理の高レベルフローチャートである。
【図3A】本発明の一実施形態において提供される、表示画像に関連づけられる採点データを取得するためのデータ収集画面を示す略図である。
【図3B】本発明の一実施形態において提供される、表示画像の2つのサブ画像間の比較を示す採点データを取得するためのデータ収集画面を示す略図である。
【図4A】図3Bのデータ収集画面を使用して入力された採点データから取得された受信者動作特性曲線である。
【図4B】図3Aのデータ収集画面を使用して入力された採点データから取得された受信者動作特性曲線である。
【図5】臨床的関連性を決定するための、査定者のタイプおよび瘢痕のタイプが適用可能な採点カットオフに与える影響を示すグラフである。
【図6】図3Bのデータ収集画面を使用して取得された採点データを示すグラフである。
【図7】外科医による瘢痕の患部調査から取得された採点データを示すグラフである。
【図8】図3Aのデータ収集画面を使用して取得されたデータと図3Bのデータ収集画面を使用して取得されたデータとの相関性を示すグラフである。
【図9】図1のネットワークを使用して本発明の一実施形態を実装するために使用されるソフトウェアコンポーネントを示す略図である。
【図10】本発明の一実施形態を実装するために使用されるデータ構造を示す略図である。
【図11】本発明の一実施形態を実装するために使用されるデータベーステーブルのエンティティ関係図を示す図である。
【図12】査定者から採点データが収集されるべき座を画定するために実行される処理を示すフローチャートである。
【図13】図12に示す処理に使用されるウェブページのスクリーンショットである。
【図14A】採点データを入力できるように配置されたユーザインタフェースエレメントのスクリーンショットである。
【図14B】採点データを入力できるように配置されたユーザインタフェースエレメントのスクリーンショットである。
【図14C】採点データを入力できるように配置されたユーザインタフェースエレメントのスクリーンショットである。
【図14D】採点データを入力できるように配置されたユーザインタフェースエレメントのスクリーンショットである。
【図14E】採点データを入力できるように配置されたユーザインタフェースエレメントのスクリーンショットである。
【図14F】画像間の差の重要性を表示する二次データを入力できるように配置されたユーザインタフェースエレメントのスクリーンショットである。
【図15】図12の処理において、サーバへ画像をアップロードするために実行される処理を示すフローチャートである。
【図16】図12の処理において、座の画定を生成するために実行される処理を示すフローチャートである。
【図17】図12の処理において、座の画定を生成するために実行される処理を示すフローチャートである。
【図18】採点データを提供する査定者のパネルを規定するために使用されるウェブページのスクリーンショットである。
【図19】査定者のパネルを座に関連づけるために使用されるウェブページのスクリーンショットである。
【図20】査定者が採点データを入力できるように実行される処理を示すフローチャートである。
【図21】データベースに画像を格納するために実行される処理を示すフローチャートであり、画像は瘢痕の物理的成形物に関連づけられる。
【図22】図21の処理において使用されるユーザインタフェースのスクリーンショットである。
【図23】図21の処理において使用されるユーザインタフェースのスクリーンショットである。
【図24】画像および関連の瘢痕の物理的成形物を基礎とする採点データの収集に適する配置を示す略図である。
【図25】特定の瘢痕の物理的成形物に関連づけられる画像を表示するために実行される処理のフローチャートである。
【図26】バーコード識別子を走査するように査定者をプロンプトするために使用されるダイアログボックスのスクリーンショットである。
【図27】特定の瘢痕の物理的成形物に関連づけられる画像を表示するために実行される代替処理を示すフローチャートである。
【図28】さらなるバーコード識別子を走査するように査定者をプロンプトするために使用されるダイアログボックスのスクリーンショットである。
【発明を実施するための形態】
【0070】
次に、添付の図面を参照して、本発明の実施形態を例示として説明する。
【0071】
図1は、複数のコンピュータが接続されるネットワーク1を示す。ネットワーク1は任意の適切な形式をとることができ、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはインターネット等の広域ネットワーク(WAN)であることが可能である。ネットワーク1は有線ネットワークまたは無線ネットワークであることが可能であり、かつ適切には、無線LANまたは無線WANの形式をとることができる。ネットワーク1へ接続されるコンピュータには、コーディネータPC2、2台のユーザPC3、4およびユーザラップトップ5が含まれる。ネットワーク1へは、サーバ6も接続される。サーバ6は、データベース7へのアクセスを管理しかつ制御する。
【0072】
本発明の実施形態は、コーディネータPC2がデータベース7へ格納するためのデータを生成することを可能にする。このようなデータは、後に詳述するように、コーディネータPC2からネットワーク1を介してサーバ6へ提供される。サーバ6は、受信されるデータをデータベース7に格納する。
【0073】
サーバ6は、ウェブサーバとして作用する。従って、後にさらに詳述するように、コーディネータPC2は、サーバ6により提供されるウェブページにアクセスし、かつアクセスされたウェブページを使用してデータベース7へアップロードされるべきデータの詳細を指定することによって、データベース7に格納するためのデータを提供することができる。さらに、ユーザPC3、4およびユーザラップトップ5も、ネットワーク1上でサーバ6により提供されるウェブページにアクセスすることができる。このようなウェブページは、ユーザがデータベース7に格納されたデータにアクセスできるように、かつユーザがデータベース7に格納するためのデータを入力できるようにも構成される。
【0074】
図1に示す上述のコンピュータネットワークは、コーディネータPC2を使用するコーディネータが画像コレクションをデータベース7へアップロードできるように使用されることが可能である。アップロードされる画像は、ヒトまたは動物の皮膚の瘢痕化の画像である。次に、ネットワーク1へ接続されるコンピュータのユーザは、サーバ6により提供されるウェブページにアクセスすることによってデータベース7に格納された画像をダウンロードすることができる。ユーザはさらに、ダウンロードされた画像に関連づけられるメタデータを入力することができる。このようなメタデータは、次にデータベース7に格納されることが可能である。このような処理は、後に詳述するように、ユーザPC3、4およびユーザラップトップ5のユーザが知覚された瘢痕の重大度を示すデータまたは瘢痕ペアの重大度の知覚された比較を示すデータを指定できるようにすることにおいて有益である可能性がある。
【0075】
図2は、ヒトの皮膚の瘢痕化の画像に関するデータを取得するために実行される処理を示す。ステップS1において、コーディネータはコーディネータPC2を使用して、査定者と称されるユーザによって評価されるべきヒトの皮膚の瘢痕化の画像コレクションを選択する。本明細書では、このような評価を「採点」と称する。ステップS2では、ステップS1において選択された画像コレクションを評価する査定者グループが指定され、次に、指定された査定者を選択された画像に関連づけるデータがデータベース7に格納される。
【0076】
ユーザは、ユーザPC3、4またはユーザラップトップ5のうちの1つを使用して適切なウェブページにアクセスすることによりサーバ6にアクセスする。ステップS3において、査定者は、ユーザ名およびパスワード形式の適切なログオン情報を提供することによって、サーバ6に対し自らを識別する。ステップS4において、サーバ6は、査定者によって採点されるべき1つまたは複数の画像を識別する。この識別は、(提供されたユーザ名およびパスワードにより識別される)査定者とデータベース7に格納された1つまたは複数の画像コレクションとの間の格納された関連性を基礎とする。
【0077】
採点されるべき1つまたは複数の画像を識別すると、ステップS5において、これらの画像はサーバ6からネットワーク1上で査定者のコンピュータへ提供される。査定者のコンピュータで受信された画像は適切なディスプレイ画面に表示され、よって査定者は、表示された画像に関連づけられるべき採点データを入力することができる。ステップS6において、このような採点データはユーザのコンピュータからサーバ6へ提供され、データベース7に格納するためにサーバ6により受信される。
【0078】
後に詳述するように、採点データは様々な方法で入力されることが可能である。図3Aは、瘢痕を示す画像8に関連づけられる採点データを取得する一方法を示す。スケール9が表示され、査定者はスケール9上の点に印をつけて知覚された瘢痕の重大度を示す。瘢痕が比較的重大であれば、スケール9の右側の点が選択される。瘢痕がさほど重大でなければ、スケール9のさらに左側の点が選択される。
【0079】
それ以上の案内を行うことなく査定者に特定の瘢痕における知覚される瘢痕化の重大度を示すように依頼すれば、ロバストな採点データが産出される可能性はない。従って、複数の画像10がスケール9に沿った点に関連づけられていることが分かる。これらの画像はコントロール画像であり、査定者によって、画像8内に示される瘢痕化の重大度を最も良く示すスケール9上の点を決定するために使用されることが可能である。即ち、画像8内に示される瘢痕化の重大度を各画像10に示された瘢痕化の重大度と比較して、査定者によって示されるべきスケール9上の点を決定することができる。
【0080】
図3Aを参照して述べた技術を使用して採点データを効果的に取得できるようにするためには、コントロール画像10の複数のセットを格納して特定の画像8の肌の色に関連するコントロール画像を保有することが必要である。即ち、コントロール画像10が査定者に正しい案内を提供するものであるとすれば、画像8が白色人種の皮膚における瘢痕化の画像であればコントロール画像10も同様に白色人種の皮膚における瘢痕化の画像であるべきである。同様に、コントロール画像10が査定者に正しい案内を提供するものであるとして、画像8が特定の色の皮膚における瘢痕化の画像であれば、コントロール画像10も同様にその特定の色の皮膚における瘢痕化の画像であるべきである。
【0081】
図3Bは、採点データを入力する別の方法を示す。この場合、入力される採点データは2つのサブ画像間の比較を表し、よって比較による瘢痕化の重大度を示す採点データの入力を可能にする。
【0082】
図3Bを参照すると、第1のサブ画像Aと第2のサブ画像Bとを備える画像11が表示される。スケール12も表示される。スケール12は、真ん中に「0」、および両端に各々「より良好100%」と印されていることが分かる。従ってスケール12は、サブ画像AおよびBのどちらの方が「良好」であるか、即ちサブ画像AおよびBのどちらが最小重大度の瘢痕化を示しているかを査定者が定量的に表示できるように効果的に使用されることが可能である。
【0083】
査定者は、サブ画像Aの瘢痕化がサブ画像Bより低い重大度を表していれば、スケールの第1の部分13上の点に印を付けることによってデータを入力する。同様に、査定者は、サブ画像B内の瘢痕化の重大度がサブ画像A内の瘢痕化より低ければ、スケール12の第2の部分14内の点に印を付けることによってデータを入力する。図3Bからは、サブ画像A内の瘢痕化の重大度がサブ画像B内より著しく低ければ、スケール12の左側の比較的遠くの点が選択され、一方でこのサブ画像がサブ画像Bの瘢痕化よりほんの僅かに良いだけであれば、スケール12の中心により近い点が選択されるものと認識することができる。実際に、サブ画像AおよびBの瘢痕化の重大度が等しいものと知覚されれば(即ち、瘢痕化の重大度に知覚可能な差がなければ)、「0」で表示される中心点が選択される。
【0084】
例えば、サブ画像A内の瘢痕化がサブ画像B内の瘢痕化より50%良いものとされれば、第1の部分13における0と100%との真ん中の一点が指定される。逆に、サブ画像B内の瘢痕化がサブ画像A内の瘢痕化より例えば50%良いものとされれば、第2の部分14において0と100%との真ん中の一点が指定される。
【0085】
次に、図3Bのユーザインタフェースを使用する一例について説明する。
【0086】
サブ画像A、Bは共に、同じ患者から撮影された個々の瘢痕の写真である。一方のサブ画像は、特定の薬剤で処置された瘢痕のものであり、もう一方のサブ画像は処置されていない瘢痕、またはプラシーボで処置された瘢痕(即ち、治療効果のない物質で処置された瘢痕)のものである。双方の瘢痕は生成された創傷から同時に発生し、かつサブ画像A、Bは創傷生成から共通時間の後に、或いは各瘢痕の何らかの処置から共通時間の後に撮影された。この方法では、図3Bのユーザインタフェースを使用して瘢痕重大度の低減における特定の薬剤の有効性を効果的にアドレスすることができ、瘢痕化の重大度を表示する採点データが取得される。
【0087】
査定者はまず、一連のサブ画像ペアを示される。ある特定ペアのサブ画像は、個々の創傷生成から共通時間後に撮影された個々の瘢痕の写真である。複数のサブ画像ペアは、連続的に表示される。即ち、第1のペアのサブ画像は創傷化後6週間で撮影された写真であってもよく、一方で最後の画像ペアは創傷化後9か月で撮影された写真を含んでもよい。これらの画像ペアは、瘢痕成熟のプロセスを示す。採点データは、これらのサブ画像ペアを基礎として収集されるものではない。むしろ、これらの画像ペアは、もとの創傷の長さおよび身体位置に関して査定者を方向づけるために使用される。これらの画像ペアは、画像11を構成するサブ画像において瘢痕が位置合わせされる、採点データが基礎とすべき場所へのガイドとして使用されることが可能である。画像11を構成するサブ画像は、創傷生成後12か月で撮影された写真であってもよく、かつこれらは、採点データ収集の基礎として使用されるサブ画像である。
【0088】
瘢痕成熟が正しく認識されるようにするための複数の画像ペアの表示は、査定者がもとの創傷の性質をより良く理解しかつその成熟プロセスを介する瘢痕の変化を見ることができるようにする際に役立つことが分かっている。このようなプロセスは、査定者が開業医である試験で使用されてきた。このような試験は、例えば2つの瘢痕のうちの一方が経時的に全く、または部分的に感知できなくなれば、もとの創傷(および、結果的な瘢痕)が体の輪郭/ひだ(例えば、乳房内のひだ)の近く、または内部に置かれれば、または12か月で撮影された写真において衣類(例えば、下着)が皮膚上に瘢痕と混同される可能性のある追加のマークを残していれば、記述している方法が特に有益であることを示している。複数の画像ペアの表示は、治療する外科医および/または患者が瘢痕をその成熟に伴う異なる時点で観察する際の「生きた」状況を部分的に再現もする。
【0089】
各瘢痕ペアはその固有のコントロール(即ち、あるものと他のものとの直接的比較)として効果的に作用することから、この方法論を使用して採点プロセスにおける参照として使用するための瘢痕重大度の標準化された写真を提供する必要はない。実際に、スケールは、唯一必要な参照点が「0」で示される中心点である(即ち、差がない)ことから自己固定式であると考えることができる。参照画像がないことにより、この採点方法は背景の皮膚の色とは独立して行動し、よって白色人種および有色人種双方の皮膚に有効な評価手段となる。
【0090】
同様に、改善の測度は主観的な「全体的印象」であることから、参照画像を使用して画定される特定の固定点に関連してスケールを精確に使用する能力について査定者を事前に選別するための要件は存在しない。査定者の方法論的評価は、唯一、査定者が調査全体に渡って一貫した方法で行動していることを保証することである。調査をアンブラインドする前に一貫性なしに採点していることが判明した査定者から取得されたデータは、分析に先立って収集データから除外されるべきである。
【0091】
図3Bを参照した上述の採点方法の検証は、独立した2つの臨床専門家パネルを使用する、臨床的に意味のあるスケール上での改善は何かに関する査定者間一貫性の評価、全体効果サイズによる査定者間可変性の評価、他の査定者を使用する結果の比較によるパネルのさらなる検証の評価によって、および同じ査定者を使用する、記述方法を使用して得られた結果と他の採点方法による結果との相関によって着手されている。次に、このような検証について説明する。具体的には、図3Bのインタフェースを使用して取得されるデータと図3Aのインタフェースを使用して取得されるデータとの比較について説明する。
【0092】
検証データは、特定の薬剤の独立した4つの第2相臨床試験の評価から導出されている。採点データは、表1に示すように、2つの別々の独立した臨床専門家パネルによって提供された。
【0093】
【表1】

【0094】
規約に従って、独立した各臨床専門家パネルは、表1の記載通りに2つの臨床試験で採点を行った。査定者間一貫性は、採点セッション全体に渡って反復10%のサブ画像ペアをランダムに導入することによって評価された。具体的には、対応のあるt検定を使用して、個々の各査定者が反復された画像ペアに対して顕著に異なる採点をしたかどうかが決定された。
【0095】
要約すれば、2つのパネルに関わった12名の臨床査定者のうちで1名のみがp値<0.05を示した。一貫性基準を満たさなかったこの一人の査定者も、採点した3つのセッションの1つにおいて一貫性が不足していただけであった。
【0096】
瘢痕化評価のためのどの方法論もそうであるように、瘢痕化における任意の改善を臨床的に意味のある改善と見なすことができるかどうかを評価するための基準を決定することが重要である。この決定を行うために、かつ検証演習の一部として、2つの採点パネル上の各臨床医は、まず先に述べたようにサブ画像ペアを示され、記述方法を使用して採点データが取得された。各サブ画像ペアの採点直後に、「瘢痕外観の差は薬剤使用を正当な理由とするに足るものであるか?」という補足質問がなされた。その他類似の質問、例えば薬剤に起因する改善の臨床的関連性、重要性または有意性に関する質問が行われる可能性もあることは認識されるであろう。
【0097】
提示された質問に対する査定者グループからのモード(即ち発生頻度が最も高い)回答は、任意の特定の瘢痕ペアに関する改善が臨床的に意味のある改善を表すものであるかどうかを決定するために使用された。
【0098】
受信者動作特性(ROC)分析は、図3Bを参照した上述の採点方法が臨床的有意性の優れた予測因子であるかどうかを、4つの臨床試験全てからのデータを使用して、かつ薬剤使用が正当な理由とされたかどうかに関する質問に対する回答を使用して決定する統計モデルとして使用されてきた。
【0099】
ROC分析の第1のステップは、所定のカットオフ値における方法の診断精度を示す2×2表を作成することであった。カットオフ値がXに設定されていれば、表は下記のようになる。
【0100】
【表2】

【0101】
表2からは、比較的低い採点は比較的高い採点より大きい改善を示すことが分かる。
【0102】
この場合、文字P、Q、RおよびSは、4つの可能分類の各々における瘢痕ペア数の計数を表す。ROC分析は、(1−特異度)に対する分析感度をプロットすることによって達成される。
【0103】
感度は、下記のように定義される。
感度=P/(P+R)
【0104】
および、特異度は下記のように定義される。
特異度=S/(Q+S)
【0105】
従って、感度は、採点カットオフXを使用して臨床的に関連のある改善を示すものとして正しく識別されるサブ画像ペアの数の、先に述べた質問に対する回答を基礎として臨床的に関連のある改善を示すサブ画像ペア総数に対する割合を示す。
【0106】
特異度は、採点カットオフXを使用して臨床的に関連のある改善を示さないものとして正しく識別されるサブ画像ペアの数の、先に述べた質問に対する回答を基礎として臨床的に関連のある改善を示さないサブ画像ペア総数に対する割合を示す。
【0107】
ROC曲線を分析する一般的方法は、曲線下の面積(AUC)の計算を含む。45゜の線は確率予測因子の面積を表し、この線はAUC0.5を有する。臨床的に関連のある全ての改善および臨床的に関連のない全ての改善を完全に予測する可能性もある予測因子採点の面積は、感度および(1−特異度)の双方の値が1になることを所与として1である。
【0108】
図3Bを参照した上述の採点方法を使用して取得されたデータのROC曲線を図4Aに示す。これは、曲線下面積(AUC)が0.93であって、記述している採点方法が臨床的に関連のある改善の優れた予測因子となることを示している。
【0109】
これに対して、かつ比較のために、図4Bは、瘢痕が図3Aを参照して述べた参照画像を使用する視覚的アナログ採点法を基礎として採点される採点方法を使用して取得されたデータのROC曲線を示している。この場合の曲線下面積は、0.69である。
【0110】
先の論考から、図3Bを参照して記述した採点方法を使用して取得されるデータのROC曲線は、この採点方法が、適切な値の採点カットオフXを使用することによって、図3Aを参照して先に述べた採点方法より優れた臨床関連効果の叙述モデルを与えることを示すことが分かる。
【0111】
ROC分析は、感度および特異度の最適値を与える採点カットオフXの値を決定するために使用されることが可能である。本事例では、採点データが図3Bを参照して述べた方法を使用して取得される際のX値を改善21%に設定すると、結果的に特異度の値は0.88になり、かつ感度値は、効果的であることが分かっている0.80になることが発見されている。
【0112】
図3Bを参照して述べた方法を使用して取得されるデータに適用されるべき採点カットオフは、査定者の性質および評価されている瘢痕の重大度を含む様々な因子に影響される可能性がある。従って、臨床パネルのメンバ(即ち、顔面形成外科医/皮膚外科医に対する一般形成外科医)の背景(例えば、専門医療分野)が採点カットオフに与える影響、および瘢痕化の重大度(即ち、良好な細い線の瘢痕に対する美観を損ねる肥厚性瘢痕)が採点カットオフに与える影響を決定するための試験が実行されてきた。
【0113】
これらの試験から得たデータを図5に示す。図5のグラフの第1の左側部分は、薬剤使用が正当な理由とされないことが決定された事例において取得された採点を示している。図5のグラフの第2の右側部分は、薬剤使用が正当な理由とされることが決定された事例において取得された採点を示している。
【0114】
ある臨床試験事例では、採点は異なる専門を有する2つの査定者グループから取得された。このデータは、図5のグラフにおいて1Aおよび1Bで示されている。21%のカットオフ採点を選択する有効性に対しては、査定者の性質が重大な影響を与えないことが分かる。従って、図5は、臨床パネルの専門分野または瘢痕重大度に関わらず、パネルによって臨床的に意味があるとされる、または意味があるとされない改善の範囲が臨床試験を通じて略一貫したままであり、図3Bを参照して先に述べた採点方法を使用する調査において臨床的に意味のある改善を決定するためのしきい値として平均21%の改善を使用できるという事実を表すことを示している。
【0115】
同様に、データは様々な瘢痕重大度を表しているが、カットオフ21%の有効性は試験間で維持されることが分かる。実際に、臨床試験のテスト4(瘢痕修正)において見受けられるもの等のより重大な瘢痕を別にすれば、瘢痕が概して良好である他の臨床試験に比べて、偽陽性結果を得る確率(即ち、実際には改善がない場合に臨床的に関連のある改善があると決定する確率)は幾分下がるように思われる。
【0116】
幾つかの採点方法とは異なり、図3Bを参照して先に述べた方法は、線の長さに沿って標準化された固定画像を配置する必要がなく、単に改善を評価するベースラインとしてコンパレータの瘢痕を使用する。より主観的ではあるが、臨床医は単一のオペレーションにおいて、より良好な瘢痕の改善をそのコンパレータに対して評価するように要求されていることから、このスケールは遙かに優れた「全体的印象」スケールであると考えることができる。
【0117】
その結果、検証の初めにおいて、査定者間可変性(即ち、平均値の標準偏差)は、記述している採点方法の方が、(例えば図3Aを参照して述べたような)臨床医が規定された固定点に対して採点するように訓練されかつその能力に即して選択される採点方法に関して先に取得されたものより幾分大きくなることが予想された。
【0118】
上述の採点方法を使用して査定者間可変性を評価するために、4つの臨床試験を通じて12か月目で臨床パネルにより観察された採点の最大標準偏差を使用して、臨床的重要性の実証に必要なしきい値(21%)に対する変動係数(標準偏差/平均値×100%)が計算されている。
【0119】
比較のために、(図3Aを参照して述べた)固定式の視覚的アナログ採点として知られる採点方法の変動係数が臨床的に意味のあるしきい値として7mmを使用して決定されている。しきい値7mmは、上述の採点方法の採点カットオフ21%を導出するために使用された同じデータセットに対するROC分析(信頼度80%)を使用して計算された。
【0120】
この分析の結果を下記の表3に示す。
【0121】
【表3】

【0122】
要約すれば、表3は、個々の臨床パネルの訓練の欠如およびスケール上のガイドアンカの欠如にも関わらず、上述の方法を使用する単一ペアの評価が、複数の独立評価を必要とする固定式の視覚的アナログ採点に比べて査定者による変動係数を著しく下げることを示す。
【0123】
独立した臨床専門家パネルによる上述の採点方法を使用する12か月目の瘢痕改善評価に加えて、幾つかの臨床試験は、図3Bに示すスケール12を使用して、手術後12か月での治験外科医による患部評価を基礎とするデータ収集を行っている。
【0124】
図6は、上述のような採点技術および図3Bのインタフェースを使用して複数の査定者から取得された採点データを示すグラフである。データは3つの臨床試験別に示され、かつ各臨床試験について、特定の薬剤の様々な投与量に関するデータが示されている。図7は、瘢痕の患部分析を実行する外科医から取得された類似データを示すグラフである。患部評価によって示される改善の大きさは、複数の査定者による画像分析から取得されたものより小さく見えるが、双方の投与量反応曲線は形状がほとんど同じであり、採点方法は、複数の査定者による画像分析および一人の外科医による患部評価の双方で同様に行動しているという事実を示している点に留意することは重要である。
【0125】
患部分析で観察される反応平均は、複数の査定者への画像表示を基礎として採点データを取得することで達成されるものより小さいことが分かる。従って、21%の改善を示す採点は、採点データが複数の査定者によって生成される場合には適切な採点カットオフであったが、患部データには異なる採点カットオフが適用されるべきである。このような採点カットオフは、先に述べたようなROC分析を使用して決定することができる。
【0126】
図3Bを参照して述べかつ先に述べたようなタイプの入力を含む採点方法を使用して取得されたデータと、図3Aを参照して先に述べたような固定式VASスケールを基礎とする採点を使用して取得されたデータとの相関性を決定する試験が実行されている。データの相関性は、図8に示されている。
【0127】
4つの臨床試験からの組み合わされたデータの分析は、2つの採点方法間の正相関を表示する相関係数0.63を示している。強い相関ではないとはいえ、このデータは、2つのスケールの示す方向性が同じであることを示している。ROC分析(図4Aおよび図4B)の曲線下面積は、これらの2つの採点方法が類似方法で、但し完全な互換方法ではなく行動していることを示したことから、2つの採点方法間により強い正相関が予想されることはなかった。一部には、これは、図3Bのスケール12ではその全長を瘢痕改善の決定に使用できるが、図3Aの固定式の視覚的アナログ採点スケールでは任意の1つの調査にその小部分しか使用されない傾向があるという事実に起因するという可能性もある。さらに、方向性も、測定誤差の結果としての固定式の視覚的アナログ採点の小さな変化によって頻繁に歪められる可能性がある。
【0128】
以上、採点データを入力する方法を説明し、かつこのような方法の有効性についても述べたが、次に、このような採点データを収集するためのシステムの実装について説明する。図9は、本システムの実装に使用されるコンポーネントを示す。
【0129】
サーバ6は、クライアント20との通信を可能にする複数のコンポーネントを提供するソフトウェアを実行する。クライアント20は、ネットワーク1(図1)へ接続される任意のコンピュータであることが可能であり、かつユーザPC3、4またはユーザラップトップ5またはコーディネータPC2のうちの1つであることが可能である。クライアント20は、従来形式(例えば、Microsoft(登録商標)Internet Explorer等)のウェブブラウザ21を実行する。ウェブブラウザ21は、サーバ6にウェブページを要求しかつサーバ6からウェブページを受信するように構成される。
【0130】
サーバ6は、クライアント20と通信できるようにするウェブコンテナ22内の複数のコンポーネントを提供する。これらのコンポーネントには、ウェブブラウザ21により送信される要求を受信して処理するように構成されるサーブレット23が含まれる。より具体的には、サーブレット23は指定されたURLを参照して要求を処理し、かつ要求に対する応答としてウェブブラウザ21へ提供される1つまたは複数のジャバサーバページ(JSP)24を生成するように構成される。JSP24を生成するために、サーブレットは、RSSサービス26と通信するRSSウェブコンポーネント25と通信する。RSSサービス26は、ウェブブラウザ21を介して取得されるデータを受信しかつ処理し、このようなデータをデータベース7(図1)に格納し、ウェブブラウザ21を介して行われる要求に応答してデータベース7からデータを取得しかつ取得されたデータを生成されるJSP24に包含するためにサーブレット23へ提供するように構成される。ウェブコンテナのオペレーションは、コントローラコンポーネント27によって監督される。
【0131】
図9の描写からは、サーバ6がウェブブラウザ21を介して行われる要求を受信して処理し、かつこのような要求に対して適切な応答を提供するように構成されることが分かる。サーバ6とウェブブラウザ21との間の相互作用は、ウェブブラウザ21とサーバ6との間のウェブページの交換を含む。
【0132】
次に、図10を参照して、採点データを取得するためのシステムの実装に使用されるデータ構造について説明する。複数の画像30は、合同で座31を形成する。座31はさらに、後にさらに詳述するように、採点データの取得を可能にするためには画像30を査定者へどのように表示すべきかを示すデータを備える。
【0133】
複数の査定者32は、合同でパネル33を構成する。パネルと座との間には多対多関係が存在し、よって、各パネルは複数の座に関連づけられてもよく、かつ各座は複数のパネルに関連づけられてもよい。コーディネータPC2を使用するコーディネータ34は、座とパネルとの間の関係性を規定する。座とパネルとの間の関係性は、座を構成する特定の画像グループに関連する採点データを提供しようとしている1つまたは複数のパネルを示す。
【0134】
図11は、記述しているシステム内にデータを格納するデータベーステーブルをこれらの間の関係性と共に示すエンティティ関係図である。これらのテーブルは、テーブル間の関係性を使用してエンティティ間の関係性が表されるリレーショナルデータベースのテーブルである。ユーザテーブル34は、システムのユーザを識別するデータを格納するために使用される。ユーザには、採点データを提供する査定者および採点データの収集を可能にするようにシステムを構成するコーディネータの双方が含まれる。ユーザテーブル34は、ユーザ名およびパスワードフィールドを含むユーザ関連のデータ、並びにシステム内でのユーザの役割(例えば、コーディネータまたは査定者)を示すデータを格納する複数のフィールドを含む。
【0135】
パネルテーブル35は、採点データを提供する予定の査定者のグループであるパネルを識別するデータを格納する。パネルテーブル35は、このテーブルの主キー並びにこのテーブルのテキスト名を提供するネームフィールドとして作用するIDフィールドと、ある特定のパネルが、その査定者グループが採点データを提供するためにその時点で使用されつつあるという意味においてアクティブであるかどうかを示すフィールドとを備える。
【0136】
サブスクリプションテーブル36は、ユーザテーブル34およびパネルテーブル35のエントリ間の関係を規定する。即ち、サブスクリプションテーブル36は、どのユーザがある特定パネルのメンバであるかを示すデータを格納する。サブスクリプションテーブルの各エントリは、ユーザテーブル34の1つの記録をパネルテーブル35の1つの記録へリンクすることが分かる。さらに、ユーザテーブル34の各記録はサブスクリプションテーブル36の多くの記録によって参照されることが可能であり、かつ同様に、パネルテーブル35の各記録はサブスクリプションテーブル36の多くの記録によって参照されることが可能であることも分かる。従って、サブスクリプションテーブル36の各記録は、ユーザとパネルとの間の1対1関係を表す。
【0137】
座テーブル37は、座を規定するデータ、即ち採点データ収集の基礎として使用されるべき複数の画像に関連づけられる特性を規定するデータを格納する。パネル2座テーブル38は、パネルテーブル35と座テーブル37のエントリ間の関係を規定する。パネル2座テーブル38は、パネルテーブル35および座テーブル37の各々と多対1関係を有することが分かる。
【0138】
座テーブル37は、評価可能タイプテーブル39の記録を識別する評価可能タイプフィールドを含む。評価可能タイプテーブル39は、採点データ収集の基礎として使用されることが可能な異なるタイプの評価可能オブジェクト(例えば、画像)を規定する。以下、異なるタイプの評価可能オブジェクトについて説明する。しかしながら、評価可能タイプテーブル39の記録が、このタイプの評価可能オブジェクトをアップロードするために実行されるべきプログラムコードを示すフィールドと、適切な採点データの収集を可能にすべくそのタイプの評価可能オブジェクトを表示させるために実行されるべきプログラムコードを示すフィールドとを含むことは留意されるべきである。
【0139】
評価可能テーブル40は、採点データ収集の基礎として使用されるべきある特定の評価可能オブジェクト(例えば、画像)に関するデータを格納する。評価可能テーブル40は、評価可能オブジェクトが格納されるロケーションを示すフィールドを含む。このロケーションは、URLを使用して指定される。評価可能テーブル40の記録は、各評価可能オブジェクトにそのタイプを示すデータを提供するために評価可能タイプテーブル39の記録を識別するフィールドを含む。
【0140】
評価可能メタデータテーブル41は、評価可能オブジェクトに関するメタデータを格納する。評価可能テーブル40と評価可能メタデータテーブル41との間には1対多関係が存在し、これは、その識別子を使用して識別される1つの評価可能オブジェクトに対して多くのアイテムのメタデータが格納されてもよいことを意味する。
【0141】
座テーブル37は、評価タイプテーブル42とも1対多関係を有する。評価タイプテーブル42は、後に詳述するように、異なる評価タイプを採点データが収集されるべき方法に関連して規定する記録を格納する。評価タイプテーブル42の各記録は、採点データを適切な方法で収集させるように構成されるコードを含むクラスを指定するフィールドを含む。
【0142】
採点セッションテーブル43は、採点セッションを規定する記録を格納するために使用される。採点セッションテーブル43は座テーブル37と多対1関係を有し、よって各採点セッションは1つの座に関連づけられるが、1つの座は関連づけられる多くの採点セッションを有してもよいことが分かる。採点セッションテーブル43の記録は、サブスクリプションテーブル36の記録を識別するフィールドをさらに含み、これにより、ある特定の採点セッションに関連づけられるユーザの識別が可能にされる。
【0143】
各採点セッションは、複数の採点を備える。各採点は、採点テーブル44の記録によって表される。採点セッションテーブル43は採点テーブル44と1対多関係を有し、各採点セッションは複数の採点を備えること、および各採点は1つの採点セッションに関連づけられることが分かる。採点テーブル44は、採点テーブル44の記録によって表される採点の値を格納する採点値テーブル45と1対1関係を有する。
【0144】
次に、記述しているシステムによって実行される、採点データの収集を可能にするための処理について説明する。
【0145】
図12は、座を規定しかつこの座に関連づけられる画像をデータベース7へアップロードするために、コーディネータによりコーディネータPC2(図1)を使用して実行される処理のフローチャートである。図12の処理は、図13に示すウェブページを使用してコーディネータが適切なデータを入力できるようにする。図13のウェブページは、クライアント20側で実行されるウェブブラウザ21を介して行われる要求に応答して表示される。この場合、コーディネータPC2がクライアント20として行動する。
【0146】
図12のステップS10において、コーディネータは、座用のネームをネームフィールド50に入力する。ネームは、人間が座を容易に識別できるようにするために使用されるテキスト文字列の形式をとる。ステップS11では、座に関連づけられるべき評価可能オブジェクトのタイプが選択される。先に指摘したように評価可能オブジェクトのタイプは、採点プロセスの間にユーザへ表示される画像のタイプおよび表示方法を決定する。評価可能オブジェクトのタイプは、図13のウェブページにより提供されるセッションタイプドロップダウンリスト51を使用して選択される。セッションタイプドロップダウンリスト51は、評価可能タイプテーブル39(図11)のエントリによってポピュレートされる。
【0147】
セッションのタイプは、表示される画像の性質によって、および表示方法、例えば、順不同の表示またはコーディネータが指定する順序での表示によって規定される。セッションタイプドロップダウンリスト51により提供されるオプションは、下記の通りである。
・無作為化された画像:各採点は単一画像の表示を基礎とし、単一画像はサーバが生成するランダムな順序で表示される。
・指定された画像:各採点は単一画像の表示を基礎とし、単一画像はコーディネータが指定する順序で表示される。
・無作為化されたマルチ画像:各採点は一連の画像の表示を基礎とし、その各々は、図3Bを参照して先に述べたような2つのサブ画像を備えてもよく、複数の一連の画像が表示される順序はサーバが生成するランダムな順序である。
【0148】
記述している実施形態では、単一の採点の基礎として使用される一連の画像がランダムな順序で表示されるが、他の実施形態では、複数の一連の画像がコーディネータにより指定される順序で表示されてもよいことは認識されるであろう。
【0149】
さらに、サブ画像間の比較を示す採点データを取得できるように、先に参照された単一の画像が各々2つのサブ画像を備えてもよいことは認識されるであろう。
【0150】
ステップS12では、評価タイプドロップダウンリスト52を使用して評価タイプが選択される。評価タイプの決定は、査定者によって採点データが入力されるべき方法を決定する。評価タイプドロップダウンリスト52は、評価タイプテーブル42(図11)のエントリによってポピュレートされる。ドロップダウンリスト52は、5つのオプションを提供する。
【0151】
第1のオプションは、サブ画像の序列に関連する。即ち、単一の画像が2つのサブ画像を備える場合、どちらのサブ画像が最も重大な瘢痕化を示すかを指示する評価データが取得されてもよい。このようなデータは、図14Aに示すタイプのユーザインタフェースを使用して取得されることが可能である。チックボックス56aは、画像「A」が画像「B」ほど重大でない瘢痕化を示していることを指示するために選択され、チックボックス56bは、画像「A」および画像「B」が重大度の等しい瘢痕化を示していることを指示するために選択され、かつチックボックス56cは、画像「B」が画像「A」ほど重大でない瘢痕化を示していることを指示するために選択される。
【0152】
第2のオプションは、図3Aを参照して先に述べたタイプの視覚的アナログ採点の使用に関連している。この場合、単一の画像は単一の瘢痕を示す。データは、ライン67を備える、図14Bに示すタイプのユーザインタフェースを使用して取得される。査定者は、ライン57上の点を指示して採点データを提供する。
【0153】
第3のオプションは、5点分類採点の使用に関連している。このような事例では、単一の瘢痕を示す単一画像に関する採点データが取得され、このデータは、スケール上に画定された5つの点のうちの1つの選択を含む。このようなデータは、図14Cに示すタイプのユーザインタフェースを使用して取得されることが可能である。この場合、査定者は、チックボックスのうちの1つ、58aを選択して瘢痕化の重大度を指示する。
【0154】
第4のオプションは、上述の第3のオプションに類似するタイプの7点分類スケールの使用に関連している。このようなデータは、図14Dに示すタイプのユーザインタフェースを使用して取得されることが可能である。この場合もやはり、査定者は、チックボックスのうちの1つ、58bを選択して瘢痕化の重大度を指示する。
【0155】
第5のオプションは、図3Bを参照して先に述べたタイプの比較採点に関連している。このようなデータの収集に適するユーザインタフェースを図14Eに示す。
【0156】
採点セッションの間、図14Aから図14Eまでのインタフェースは、例えばグラフィカルユーザインターフェース内のポインタ制御に使用されるマウス等の適切な入力デバイスを使用することによってデータを入力するために使用される。
【0157】
図14Aから図14Eまでに示されかつ先に述べたインタフェースを規定するコードは、評価タイプテーブル42の適切な記録によって識別される。
【0158】
また採点データを収集するための上述のインタフェースは、二次データの収集を含んでもよい。より具体的には、採点データが(上述の第4および第5のオプションの場合のように)比較データである場合、二次データの収集は、2つの画像間の臨床的重要性の差を示すデータの収集を含んでもよい。このような重要性は、ある実施形態では、改善をもたらした薬剤が使用に値すると考えられるかどうかを尋ねることによって決定される。このような入力を受信するように構成されるユーザインタフェースを図14Fに示す。この場合、査定者は表示された質問に対し、チックボックス59a、59bのうちの一方を使用して回答を提供する。このような質問の使用については、図3Bを参照して述べた採点方法の有効性を決定するために実行される試験のコンテキストにおいて先に述べた。
【0159】
図12および図13に戻って参照すると、ステップS12で評価タイプドロップダウンリスト52を使用して評価タイプを選択した後、処理はステップS13において継続され、コーディネータは、テキストボックス53へ時間(単位秒)を入力することによって特定の画像に関するデータの収集に割り当てられるべき最大時間を指示する。入力される時間は、タイムアウトを発生させることなく採点データを取得する試みにおいて画像が表示される最大時間を決定する。
【0160】
ステップS14において、コーディネータは、テキストボックス54を使用して特定の画像の反復に関するデータを指定する。特定の画像は、査定者の一貫性を監視するために反復される。即ち、ある特定の画像が2度表示されれば、特定の画像の各表示に対して取得されるデータを比較して査定者の一貫性を監視することができる。テキストボックス54は、反復されるように選択される画像が示されるべき回数を指示する整数値を受信するように構成される。例えば、テキストボックス54に値「0」が入力される場合、反復されるように選択される画像は1回反復される(即ち、反復されるべき各画像は2回示される)。テキストボックス54に値「1」が入力されれば、反復されるように選択される画像は2回反復される(即ち、反復されるべき各画像は3回示される)。
【0161】
コーディネータが「次へ」ボタン55を選択すると、処理はステップS14からステップS15へ移る。ステップS15では、後に詳述するように、評価可能オブジェクトがデータベース7への格納のためにサーバ6へアップロードされる。ステップS16では、規定された座を表すデータが生成され、生成されたデータは、ステップS17においてデータベース7の座テーブル37に格納される。ステップS18では、データベース7に格納するための適切な監査試験データが生成される。ステップS19では、座を規定するレポートが生成され、コーディネータへ提供される。
【0162】
図15は、図12のステップS23において評価可能オブジェクトをアップロードするために実行される処理を示す。アップロードされた評価可能オブジェクトは、評価可能テーブル40に格納される。ステップS20では、コーディネータが、コーディネータにより使用されているコンピュータへアクセスできる格納デバイスに格納されたファイルを見ることを可能にするファイルシステムブラウザが表示される。このような格納デバイスは、コーディネータによって使用されているコンピュータのローカルハードディスクドライブであってもよく、コンピュータネットワーク上で利用可能な格納デバイスであっても、CD−ROM、DVDまたはこれらに類似するもの等の取外し可能な格納媒体であってもよい。ステップS21において、コーディネータは、表示されたファイルシステムブラウザを使用して格納デバイスからファイルを選択する。ステップS22において、コーディネータは、選択された画像のうちのどれが反復されるべきかを指示する。これには、選択されるファイルのリストを表示することが含まれる。選択されるファイルは各々、採点の間に特定ファイルの画像が反復されるべきであることを示すために選択できる関連するチックボックスを伴って表示される。
【0163】
処理はステップS22からステップS23へ進み、ここで、選択された第1の画像がデータベース7への格納のためにアップロードされる。ステップS24では、アップロードされた画像のチェックサムが生成される。アップロードされた画像が(ステップS22の入力により決定されたように)反復されるべきものであれば、ステップS26において、アップロードされた画像に反復タグが関連づけられる。アップロードされた画像は、ステップS26において、そのチェックサムおよび(適用可能であれば)反復タグと共にデータベース7に格納される。
【0164】
処理は、ステップS26からステップS27へ進む。ここでは、さらなる画像がアップロードされるべきかどうかを決定するチェックが実行される。アップロードされるべきであれば、処理はステップS27からステップS23へ移る。そうでなければ、処理は終了する。
【0165】
ステップS15における画像アップロードの後、ステップS16において座の規定が生成されることは、図12を参照して述べた。以下、図16および図17を参照して、座規定を生成する2例について説明する。
【0166】
図16は、画像が順不同で表示されるべき座の生成を示す。ステップS30では、コーディネータにより指定される画像を基礎として画像識別子のリストが生成される。ステップS31では、反復されるべき画像の識別子がリストに付加され、よって反復されるべき画像の識別子は生成されたリストに2回現出する。生成されたリストのエレメントは、次にステップS32において順不同で配置され、その後ステップS33において、座を規定するデータ構造が生成される。
【0167】
図17は、画像がコーディネータによって指定される順序で表示されるべき座の生成を示す。ステップS35では、表示されるべき画像に関連づけられる、かつ指定された表示順序を示すメタデータが読み取られる。このメタデータは、ステップS36において順序づけられた画像リストを生成するために使用され、ステップS37では、このリストを使用して座の規定が生成される。
【0168】
先の記述では、座が規定される方法および表示されるべき画像が生成された座に関連づけられる方法について説明した。記述しているシステムは、さらに、座がもはや関心事でなくなったときにコーディネータが規定された座をデータベースから除去できるようにする機能性も備えている。さらに、座の規定は通常、それが「アクティブ」な状態にあることを示すデータと共に格納されるが、コーディネータはこのデータを、座の規定が、それが「非アクティブ」な状態にあることを示すデータと共に格納されるように修正することができる。アクティブ状態では、座は、後にさらに詳述する方法で査定者のパネルに関連づけられることが可能であるが、座が非アクティブ状態にある場合、これは発生し得ない。
【0169】
図18は、採点データを提供すべき査定者のパネルを規定するためにコーディネータによりアクセスされるウェブページのスクリーンショットである。このウェブページもやはり、コーディネータにより、図9のクライアント20として行動しかつサーブレット23によりJSP24として提供される図18のウェブページへアクセスするためにウェブブラウザ21を実行するコーディネータコンピュータ2を使用してアクセスされる。
【0170】
図18のウェブページは、コーディネータが査定者のパネルへネームを割り付けるために使用するテキストボックス60を含む。リスト61は、システム内で規定される複数の査定者のネームを含み、各査定者はユーザテーブル34(図11)内に対応する記録を有する。リスト61内のエントリは、コーディネータによって選択されることが可能である。「追加」ボタン62を選択した時点で、リスト61の選択されたエントリは、生成されたパネルに関連づけられる査定者を示すリスト63へ追加される。同様に、リスト63に示される査定者もコーディネータによって選択されることが可能である。コーディネータは次に、除去ボタン64を使用してリスト64から査定者を除去し、かつ除去された査定者のネームをリスト61へ戻すことができる。
【0171】
或いは、コーディネータは、アカウントを生成すべき新しい査定者のネームをエリア65に入力してもよい。「生成」ボタン66を選択すると、コーディネータは、明記された各査定者に関してユーザテーブル34内に記録を確立するために必要なデータ(ユーザ名およびパスワード等)を入力するようにプロンプトされる。ユーザテーブル34内に適切な記録を生成すると、新しく生成された査定者に関する詳細がリスト63へ追加される。
【0172】
図18を参照して提示した先の記述は、査定者のパネルが規定される方法について説明した。図19は、座を特定のパネルに関連づけることができるようにコーディネータへ提示されるウェブページを示す。図19のウェブページは、図18のウェブページにおける「座を追加」ボタン67の選択に応答して表示される。
【0173】
図19を参照すると、規定された座がリスト68に示される。コーディネータは、「追加」ボタン69を使用してリスト68からの座をパネルに割り付けることができ、この場合、選択された座は、特定のパネルに関連づけられる座を示すリスト70へ追加される。図19のインタフェースを使用して生成される座とパネルとの関係性は、パネル2座テーブル38の記録によって表される。
【0174】
リスト70に含まれる座は選択されることが可能であって、「除去」ボタン71を使用してこの選択された座をリスト70から除去し、かつ選択された座をリスト68へ再び導入することができる。
【0175】
所望されれば、コーディネータはリンク72を使用して新しい座を生成することができ、この場合は、図13のウェブページが表示される。
【0176】
座およびパネルの双方を規定するために実行される処理、および座とパネルとの間の関連づけを規定するために実行される処理について説明したが、以下、図20のフローチャートを参照して、採点データを収集するために実行される処理について説明する。図20の処理は、査定者により使用される、図11の配置においてクライアント20として行動するコンピュータによって行われる要求に応答して、サーバ6により実行される。例えば、クライアント20はユーザPC3、4のうちの一方であることが可能であり、またはユーザラップトップ5であることも可能である。
【0177】
図20を参照すると、ステップS40において、査定者はシステムへログオンする。これには、査定者がウェブブラウザ21を使用してサーバ6により提供されるログオンページへアクセスすることが含まれる。ユーザ名およびパスワードの形式である適切なログオン情報がログオンページへ入力され、かつこのログオン情報は検証のためにサーバ6へ送信される。後続の処理が、提供されたユーザ名およびパスワードの正しい検証を条件として行われてもよいことは認識されるであろう。
【0178】
ステップS40において上記記述方法でシステムへログオンすると、ステップS41において、複数のパネルが選択のために査定者へ表示される。パネルは任意の便利な方法で規定されてもよいが、典型的には、実行されている試験のコンテキストにおいてユーザにより異なるパネルが容易に識別され得るように構成される。ステップS41でユーザに表示されるべきパネルは、データベース7へ適切に問い合わせることによって取得される。より具体的には、(ログオン情報を使用して決定される)査定者の識別子を使用してサブスクリプションテーブル36が問い合わされ、かつこの問合せは、識別される査定者に関連づけられるパネルテーブル35の1つまたは複数の記録を識別する。問合せによって返されるパネルテーブル35の記録は、ステップS41において表示されるべきパネルを示すデータを生成するために使用される。
【0179】
ステップS42で表示されたパネルのうちの1つが選択されると、処理はステップS43へ進み、ここで、座のリストが選択のために査定者へ提示される。座のこのリストは、データベース7に格納されているデータを使用して再度生成される。より具体的には、パネル2座テーブル38は、ステップS42で実行された選択により決定されるパネル識別子を使用して問い合わされる。この問合せは、ステップS43で表示するための座のリストを生成するために使用される座テーブル37の1つまたは複数の記録を識別する。査定者は、ステップS44において、表示された座のうちの1つを選択する。
【0180】
ステップS45では、選択された座および査定者の双方に関連づけられる採点セッションが存在するかどうかを決定するためのチェックが実行される。このチェックは、採点セッションテーブル43に問い合わせることを含む。採点セッションは存在しないことが決定されれば、処理はステップS46へ進む。この場合、座の規定はデータベース7の座テーブル37から取得される。ステップS47では、採点セッションが生成され、ステップS48では、生成された採点セッションを規定するデータが採点セッションテーブル43に保存される。ステップS49では、採点セッションが開始される。
【0181】
ステップS45のチェックが、採点セッションが存在することを示せば、処理はステップS50へ進む。ここでは、現存の採点セッションが24時間前以前に開始されたかどうかを決定するためのチェックが実行される。現存の採点セッションが24時間前以降に開始されていれば、このセッションは継続され、処理はステップS52(後に詳述する)へ進む。
【0182】
しかしながら、採点セッションが24時間前以前に開始されたことが決定されれば、処理はステップS50からステップS51へ進み、ここで採点セッションテーブル43の適切な記録がタイムアウトとして印を付けられた後、ステップS46において処理が継続される。
【0183】
処理は、ステップS49からステップS52へ進む。ステップS52では、データベース7から次の画像が取得される。ステップS53では、データベースから取得された画像のチェックサムが決定されてデータベース7に格納されているチェックサムと比較され、ダウンロードされた画像が間違いを含むものでないことが確かにされる。ダウンロードされた画像が間違いを含むものであれば、適切な是正処置が講じられる。ダウンロードされた画像は、次にステップS54において査定者に表示され、かつステップS55において採点がイネーブルされる。採点のイネーブルは、収集されている採点データの性質に依存する(図14Aから図14Eまでに示すような)適切なユーザインタフェースの表示を含む。査定者は表示されたユーザインタフェースと相互作用し、生成された採点は、ステップS56においてデータベース7の採点テーブル44および採点値テーブル45の適切な記録に保存される。
【0184】
処理は、ステップS56からステップS57へ進む。ステップS57では、さらなる画像が表示されずに残っているかどうかを決定するためのチェックが実行される。残っていれば、処理はステップS52へ戻る。残っていなければ、処理はステップS57からステップS58へ進み、ここで採点セッションテーブル58の適切な記録が適切に更新された後、ステップS59において査定者に採点の完了が知らされる。
【0185】
図20の処理において、ステップS54における画像の表示は、場合によって、図3Bを参照して先に述べたような一連の画像の表示を含む。より具体的には、1つまたは複数の同じ瘢痕の一連の画像が、創傷化と画像生成との間の時間により決定される順序で表示されてもよい。
【0186】
コーディネータは、画像が採点データの取得を目的として表示されるべき最大時間を指定してもよいことは先に述べた。従って、ステップS54の処理は、画像表示以降の経過時間を監視しかつ採点データが受信されないまま予め決められた時間に達すれば画像の表示を停止するように構成されるタイムアウト機構を含んでもよい。
【0187】
ステップS54における画像の表示は、慎重に制御される。例えば、画像が表示されるべきディスプレイ画面は、異なるディスプレイ画面上に表示される画像から取得される採点データが高信頼度で比較され得ることを保証するために、明るさおよびコントラスト等のパラメータに関して事前に較正される。さらに、ステップS54における画像の表示に先立って、画像を表示するウェブページ内のアプレットは、画像サイズを決定しかつその画像サイズがウェブページ上に画像が表示されるべき領域のサイズ以下である場合に限って画像を表示するように構成される。そうでなければ、画像は表示に先立って、画像のアスペクト比が維持されるようにしてサイズを変更される。
【0188】
画像を表示しかつ表示されたこれらの画像に関する採点データを収集することによって採点データを収集する様々な方法について記述したが、次に、データ収集が表示画像を基礎とする収集に限定されず、瘢痕の物理的成形物をも基礎とし得るシステムについて説明する。各画像は、画像内に示された瘢痕の石膏の型である付属の瘢痕の物理的成形物を有する。このような石膏の型は、瘢痕のネガ型のシリコーン金型から生成される。簡単に言えば、液体シリコーンが瘢痕を覆って成形され、固まった後に取り外される。外されたシリコーンは金型として作用し、瘢痕を識別する適切な識別子でラベリングされる。ポジ型の石膏の型は、シリコーン金型に凝固可能な歯科用石膏を充填することによって生成される。瘢痕の石膏の型を生成する技術は、Nedelec B、Shankowsky HAおよびTredgett EE著(2000年)「Rating the resolving hypertrophic scar: comparison of the Vancouver Scar Scale and scar volume」、J Burn Care Rehabil、21(3):205−12、に記述されている。上記文献の内容は、参照により本開示に含まれる。
【0189】
次に、瘢痕成形物に関連づけられる画像をデータベース7へアップロードしかつこのような画像および瘢痕成形物を基礎として採点データを収集するための方法について説明する。
【0190】
図21は、瘢痕の物理的成形物に関連づけられる画像をデータベース7へアップロードするためのプロセスを示すフローチャートである。図21の処理は、ステップS11において評価タイプが物理的成形物の使用を指示して設定される場合に、図12のステップS15において実行される。図21の処理は、例えばJavaアプレットの形式であるウェブページのフレーム内で提示される、図22に示すユーザインタフェースを使用する。
【0191】
ステップS70において、コーディネータは「ブラウズ」ボタン75を選択してファイルシステムブラウザを表示させる。ファイルシステムブラウザは、ステップS71において、図15を参照して先に述べた一般的方法でデータベース7へアップロードされるべきファイルを選択するために使用されることが可能である。ファイルシステムブラウザを使用して選択されたファイルは、ステップS72においてエリア76に表示される。エリア76は、各ファイルについてファイル名77、サイズ78およびディレクトリ79を表示することが分かる。ステップS73において、コーディネータは、エリア76内にリストされた各ファイルに与えられているチックボックス80を使用して、採点セッションの間に反復されるべき特定のファイルを指示することができる。
【0192】
ステップS74において、コーディネータは、エリア81内の各画面の成形物識別子を入力する。成形物識別子は関連の瘢痕成形物へ添付または貼付され、エリア81へ入力するためにコーディネータによって読み取られる。
【0193】
図22のユーザインタフェースはさらに、エリア76内に示されるファイルをユーザが選択できるようにし、かつ「選択されたものを除去」ボタン82を選択すれば、選択されたファイルをエリア76から除去させることができる。「全て除去」ボタン83を選択すれば、エリア76に包含される全てのファイルを除去させることができる。
【0194】
先に述べた方法で適切なファイルを選択し、反復を指定しかつ成形物識別子を入力すると、ユーザは次に、ステップS75において「アップロード」ボタン84を選択し、エリア76内にリストされているファイルをアップロードさせる。画像のアップロードは、図15を参照して先に述べた処理に類似する処理によって実行される。より具体的には、図21のステップS76からステップS80までは概して図15のステップS23からステップS27までに一致し、ファイルをデータベース7へアップロードさせる。しかしながら、この場合、ファイルのアップロードが入力された成形物識別子のアップロードをさらに含むことは認識されるであろう。
【0195】
図22のユーザインタフェースはさらに、ファイルのアップロード作業の進捗を示すプログレスバー85と、ファイルのアップロードを停止させる「停止」ボタン86とを備える。
【0196】
サーバ6は、入力される成形物識別子毎に対応するバーコード識別子を生成するように構成される。ステップS81では、成形物識別子とバーコード識別子との関係を示すレポートが生成され、かつ提供される。次には、後に詳述するように、採点セッションで使用するために、適切なバーコード識別子が生成され、正しい瘢痕成形物へ貼付される。
【0197】
画像がコーディネータの指定する順序で表示されても、順不同で表示されてもよいことは先に述べた。これは、図12のステップS11において評価可能タイプを選択することにより決定される。画像がコーディネータの指定する順序で表示されるべきものであれば、画像がデータベース7へアップロードされる前に図23のユーザインタフェースが表示される。
【0198】
図23のユーザインタフェースは、画像リストが表示されるエリア87を備える。エリア87内の画像はコーディネータによって選択されることが可能であり、かつ「上へ」ボタン88および「下へ」ボタン89を使用すればエリア87内に表示される画像の順序を変更することができ、よって、採点セッションの間に画像が表示される順序を変更することができる。
【0199】
採点セッションの間に実行される処理については、図20を参照して先に説明した。採点が(画像に加えて)瘢痕の物理的成形物を基礎とするものである場合に使用される一般的構成を図24に示す。ユーザPC3は先に述べたようにネットワーク1へ接続されて示され、かつサーバ6もネットワーク1へ接続されていることが分かる。図24の構成については、ユーザPC3に関連して説明するが、ユーザPC4またはユーザラップトップ5の使用も同様であることは認識されるであろう。
【0200】
ユーザPC3は、従来形式のバーコードリーダ90へ接続される。査定者には、複数の瘢痕の物理的成形物91が提供される。各瘢痕の物理的成形物には、バーコードリーダ90による読取りが可能なバーコード識別子92が添付されている。この方法では、査定者は、後述するように、バーコード識別子92を走査してシステムに瘢痕の物理的成形物を識別することができる。
【0201】
図25は、瘢痕の物理的成形物が表示されるべき画像に関連づけられる図20のステップS54で実行される処理を示すフローチャートである。ステップS85では、画像が割り付けられた表示面積内で表示され得るようなサイズであることを確かにするためのチェックが実行される。表示され得るサイズでなければ、処理はステップS86へ進み、画像はここでアスペクト比を維持しながらサイズを変更される。この後、処理はステップS87へ進む。画像が割り付けられた表示面積内で表示され得るようなサイズであれば、処理はステップS85から直にステップS87へ進む。
【0202】
ステップS87において、査定者は、適切な画像に関連づけられるものと査定者が信じる瘢痕の物理的成形物に付随するバーコード識別子を走査するようにプロンプトされる。これは、コーディネータが査定者へ瘢痕の物理的成形物を正しいと考えられる順序で提供することによって達成されることが可能であり、正しい順序は、コーディネータへ提供される、瘢痕の物理的成形物が提供されるべき順序を指示するレポートに関連して決定される。査定者は、図26に示す形式を有するダイアログボックスの表示によってバーコードを走査するようにプロンプトされる。適切なバーコード識別子はバーコードリーダ90を使用して走査され、走査されたバーコードに付随する値がテキストボックス95内に示される。査定者は次に、OKボタン96を選択して走査されたバーコードを処理させる。
【0203】
ステップS88では、表示されるべき画像とステップS87で走査されたバーコード識別子とがデータベース7に格納されたデータによる規定通りに一致するかどうかを決定するためのチェックが実行される。バーコード識別子が表示されるべき画像に一致すれば、ステップS89において画像は、採点データを上述の方法で収集できるように表示される。バーコード識別子が表示されるべき画像に一致しなければ、処理はステップS90へ進み、ここで査定者に適切なメッセージが表示された後、処理はステップS86へ戻って上述の通りに継続される。
【0204】
順序がコーディネータの入力によって決定されるか、サーバ6により生成される順不同であるかに関わらず、上述の処理を、画像がデータベース7内に格納されたデータにより決定される順序で表示される任意の採点方法に対して実行可能であることは認識されるであろう。
【0205】
記述しているシステムは、瘢痕の物理的成形物を異なる方法で使用する採点データの収集もサポートする。これについて、図27に示すフローチャートを参照して説明する。
【0206】
ステップS91において、ユーザは、採点の基礎として使用されるべきものとユーザが考える任意の物理的成形物91のバーコード識別子92を走査するようにプロンプトされる。これは、図26に示す上述のダイアログボックスの表示によって達成される。ステップS92において、ユーザはバーコード識別子を走査する。走査されたバーコード識別子はステップS93で処理され、それが認識されるものかどうかが決定される。これは、走査されたバーコード識別子がデータベース7の評価可能メタデータテーブル41内に格納されているかどうかを決定することを含む。バーコード識別子が認識されなければ、処理はステップS94へ進み、ここで査定者は、バーコード識別子を走査するように査定者をプロンプトする図28に示すダイアログボックスの表示によって適切な通知を受け、処理はステップS91へ戻る。
【0207】
走査されたバーコード識別子がステップS93において認識されれば、処理はステップS95へ進み、ここで、走査されたバーコード識別子に付随する画像に関連づけられる採点データが必要かどうかが決定される。必要でなければ、処理はステップS96へ進み、ここで査定者に適切な通知が行われた後、処理はステップS91へ戻る。必要であれば、処理はステップS95からステップS97へ進む。ステップS97では、走査されたバーコードに関連づけられる画像がデータベース7からダウンロードされる。ステップS98では、そのサイズが上述の方法でチェックされる。チェックによりサイズが適切であることが示されれば、処理はステップS99へ進み、ここで画像が表示される。適切でなければ、処理はステップS100へ進み、ここで画像は表示に先立ってスケールし直される。
【0208】
以上、画像内に示される瘢痕の重大度を指示する採点データを取得するために、コレクション画像を複数の査定者にどのように関連づけることができるかについて説明した。このようなデータが収集されかつデータベース7に格納されると、このようなデータを使用して、収集されている採点データを示しかつ要約するレポートを生成できることは認識されるであろう。
【0209】
採点データを収集する様々な方法について説明した。先に述べた1つの方法の説明は、図3Bを参照したものであり、その利点を示す実験についても先に述べた。図3Bを参照して述べたような採点データの収集方法が、決して記述されているコンピュータシステムの使用に限定されないことは認識されるであろう。例えば、実施形態によっては、採点データは、患者または患者を治療する医療スタッフに記入され得る適切な質問表を使用する、図3Bを参照して述べた方法を使用して収集される。質問票は、図3Bのスケール12に類似するスケールを含む。
【0210】
これまでに述べた本発明の実施形態があらゆる点で例示を目的とするものであり、決して限定を意図するものでないことは認識されるであろう。これまでに述べた本発明の実施形態に対しては、様々な変更が行われてもよいことも認識されるであろう。例えば、図1には1つの例示的なコンピュータネットワークが示されているが、このネットワークに様々な変更を行えることは認識されるであろう。さらに、ネットワーク1へは、これまでに述べたオペレーションを実行するために任意の適切なコンピューティングデバイスが接続され得ることは理解されるであろう。従って、本明細書において使用されている用語、PC、ラップトップおよびサーバは、任意の適切なコンピューティングデバイスを包含するように広義に解釈されるべきである。
【0211】
記述された実施形態に対しては、添付の請求の範囲に記載された本発明の精神および範囲を逸脱することなく、様々な変更を行い得ることが認識されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
創傷または瘢痕を治療するための薬剤の効力を決定する方法であって、
前記薬剤で治療されている第1の瘢痕化部位部分および第2の瘢痕化部位部分を選択することと、
前記第1の瘢痕化部位部分の第1の画像と前記第2の瘢痕化部位部分の第2の画像とを備える画像ペアを生成することと、
前記画像ペアを表示することと、
第1および第2の記録部分を備える記録エレメントを設けることと、を含み、前記第1の記録部分は、前記第1の画像内の瘢痕化が前記第2の画像内の瘢痕化ほど重大でないことを示す複数の第1の点を備え、かつ前記第2の記録部分は、前記第2の画像内の瘢痕化が前記第1の画像内の瘢痕化ほど重大でないことを示す複数の第2の点を備え、前記第1および第2の点は各々異なる関連値を有しており、
更に、前記点の一方を識別するデータを受信しかつ前記データを使用して前記薬剤の効力を決定すること、を含む方法。
【請求項2】
前記第2の瘢痕化部位部分はコントロール処置で処置されていることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1および第2の画像は同時に表示される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記記録エレメントは、前記記録エレメントの前記第1の記録部分が前記第1の画像と位置合わせされるように、かつ前記記録エレメントの前記第2の記録部分が前記第2の画像と位置合わせされるように、表示される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1および第2の画像は、画像表示部分において、並んでかつ互いに当接して表示される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記記録エレメントは、前記記録エレメントの前記第1の記録部分が前記第1の画像と位置合わせされるように、かつ前記記録エレメントの前記第2の記録部分が前記第2の画像と位置合わせされるように、前記画像表示部分に沿って延びる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記記録エレメントはさらに、前記第1および第2の画像の各々が同程度に重大な瘢痕化を示していることを表示する第3の点を備える第3の記録部分を備える、先行する請求項のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
前記第3の点は、前記第1および第2の画像がそれに沿って互いに当接するラインに位置合わせされる、請求項5または請求項6に従属する請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の点に関連づけられる前記値は、前記第1の画像内の瘢痕化の重大度が前記第2の画像内の瘢痕化より著しく低いことを示す第1の限界値から、前記第1の画像内の瘢痕化の重大度が前記第2の画像内の瘢痕化よりかろうじて低い第2の限界値まで広がる値範囲を画定し、
前記第2の点に関連づけられる前記値は、前記第2の画像内の瘢痕化の重大度が前記第1の画像内の瘢痕化より著しく低いことを示す第3の限界値から、前記第2の画像内の瘢痕化の重大度が前記第1の画像内の瘢痕化よりかろうじて低い第4の限界値まで広がる値範囲を画定する、先行する請求項のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
前記第2および第4の限界値は、前記記録エレメントの前記第3の記録部分に隣接する記録エレメントの個々の点に関連づけられる、請求項7または請求項8に従属する請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1および第3の限界値は、前記記録エレメントの前記第3の記録部分から遠位の記録エレメントの個々の点に関連づけられる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1および第2の画像は各々、同じ被検者の皮膚の画像である、先行する請求項のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
前記第1および第2の画像は、開始時間に関連して規定される第1の共通する時間で生成されている、先行する請求項のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
前記開始時間は、瘢痕の創傷化および処置の少なくとも一方に関連して規定される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1および第2の画像を表示する前に、順序づけられた複数の画像ペアを表示することをさらに含み、
各画像ペアの第1の画像は上記第1の瘢痕化部位部分の画像であり、かつ各画像ペアの第2の画像は第2の瘢痕化部位部分の画像である、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
画像ペアの各画像は同時に表示される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記画像ペアの各々は、前記開始時間に関連して規定される個々の共通する時間における前記第1および第2の瘢痕化部位の画像を備える、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の画像ペアは、前記個々の共通する時間に関連して順序づけられる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記個々の共通する時間は前記第1の共通する時間より短い、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記記録エレメントはラインを備え、
前記第1の記録部分は前記ラインの第1の部分であり、かつ前記第2の記録部分は前記ラインの第2の部分である、先行する請求項のいずれか1つに記載の方法。
【請求項21】
前記第1の点の1つを表示するデータを取得した後に、前記受信されるデータの臨床的重大さに関する質問を提示することと、前記提示された質問に対する回答を受信することをさらに含む、先行する請求項のいずれか1つに記載の方法。
【請求項22】
前記第1および第2の瘢痕化部位部分を形成する少なくとも1つの創傷を生成することをさらに含む、先行する請求項のいずれか1つに記載の方法。
【請求項23】
前記第1および第2の瘢痕化部位部分は共通する瘢痕の部分である、先行する請求項のいずれか1つに記載の方法。
【請求項24】
前記第1および第2の瘢痕化部位部分は異なる瘢痕の部分である、請求項1〜22のいずれか1つに記載の方法。
【請求項25】
創傷または瘢痕を治療するための薬剤の効力を決定する方法であって、
前記薬剤で治療されている第1の瘢痕化部位部分および第2の瘢痕化部位部分を選択することと、
複数の予め決められた時間の各々において、前記第1の瘢痕化部位部分の第1の画像と前記第2の瘢痕化部位部分の第2の画像とを備える画像ペアを生成することと、
生成された時間によって決定される順序で表示される、前記画像ペアを連続的に表示することと、
第1および第2の記録部分を備えるユーザ入力エレメントを設けることと、を含み、前記第1の記録部分は、前記第1の画像内の瘢痕化が前記第2の画像内の瘢痕化ほど重大でないことを示す複数の第1の点を備え、かつ前記第2の記録部分は、前記第2の画像内の瘢痕化が前記第1の画像内の瘢痕化ほど重大でないことを示す複数の第2の点を備え、前記第1および第2の点は各々異なる関連値を有しており、
更に、前記点の一方を識別するユーザ入力を受信することと、
前記ユーザ入力を基礎として比較データを生成すること、を含む方法であって、
前記比較データは前記薬剤の効力を決定するために使用される、方法。
【請求項26】
前記予め決められた時間は、瘢痕の創傷化および処置の少なくとも一方に関連して規定される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第2の瘢痕化部位部分はコントロール処置で処置されている、請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
創傷または瘢痕を治療するための薬剤の効力を決定する方法であって、
前記薬剤で治療されている第1の瘢痕化部位部分および第2の瘢痕化部位部分を選択することと、
第1および第2の記録部分を備える記録エレメントを設けることと、を含み、前記第1の記録部分は、前記第1の瘢痕化部位部分内の瘢痕化が前記第2の瘢痕化部位部分内の瘢痕化ほど重大でないことを示す複数の第1の点を備え、かつ前記第2の部分は、前記第2の瘢痕化部位部分内の瘢痕化が前記第1の瘢痕化部位部分内の瘢痕化ほど重大でないことを示す複数の第2の点を備え、前記第1および第2の点は各々異なる関連値を有しており、
更に、前記点の一方を識別するデータを受信しかつ前記データを使用して前記薬剤の効力を決定すること、を含む方法。
【請求項29】
2つの画像における瘢痕化の重大度の比較を示す比較データを生成する方法であって、
各々瘢痕を含むヒトまたは動物の皮膚の画像である、第1および第2の画像を表示することと、
第1および第2の部分を備えるユーザ入力エレメントを表示することと、を含み、前記第1の部分は、前記第1の画像内の瘢痕化が前記第2の画像内の瘢痕化ほど重大でないことを示す複数の第1の点を備え、かつ前記第2の部分は、前記第2の画像内の瘢痕化が前記第1の画像内の瘢痕化ほど重大でないことを示す複数の第2の点を備え、前記第1および第2の点は各々異なる関連値を有しており、
更に、前記点の一方を識別するユーザ入力を受信することと、
前記ユーザ入力を基礎として比較データを生成すること、を含む方法。
【請求項30】
前記第1および第2の画像は同時に表示される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記ユーザ入力エレメントは、前記ユーザ入力エレメントの前記第1の部分が前記第1の画像と位置合わせされるように、かつ前記ユーザ入力エレメントの前記第2の部分が前記第2の画像と位置合わせされるように表示される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記第1および第2の画像は、画像表示部分において、並んでかつ互いに当接して表示される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記ユーザ入力エレメントは、前記ユーザ入力エレメントの前記第1の部分が前記第1の画像と位置合わせされるように、かつ前記ユーザ入力エレメントの前記第2の部分が前記第2の画像と位置合わせされるように前記画像表示部分に沿って延びる、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記ユーザ入力エレメントはさらに、前記第1および第2の画像の各々が同程度に重大な瘢痕化を示していることを表示する第3の点を備える第3の部分を備える、請求項29〜33までのいずれか1つに記載の方法。
【請求項35】
前記第3の点は、前記第1および第2の画像がそれに沿って互いに当接するラインに位置合わせされる、請求項32または請求項33に従属する請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記第1の点に関連づけられる前記値は、前記第1の画像内の瘢痕化の重大度が前記第2の画像内の瘢痕化より著しく低いことを示す第1の限界値から、前記第1の画像内の瘢痕化の重大度が前記第2の画像内の瘢痕化よりかろうじて低い第2の限界値まで広がる値範囲を画定し、
前記第2の点に関連づけられる前記値は、前記第2の画像内の瘢痕化の重大度が前記第1の画像内の瘢痕化より著しく低いことを示す第3の限界値から、前記第2の画像内の瘢痕化の重大度が前記第1の画像内の瘢痕化よりかろうじて低い第4の限界値まで広がる値範囲を画定する、請求項29〜35のいずれか1つに記載の方法。
【請求項37】
前記第2および第4の限界値は、前記ユーザ入力エレメントの前記第3の部分に隣接するユーザインタフェースエレメントの個々の点に関連づけられる、請求項34または35に従属する請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記第1および第3の限界値は、前記ユーザ入力エレメントの前記第3の部分から遠位のユーザインタフェースエレメントの個々の点に関連づけられる、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記第1の画像は予め決められた第1の時間における第1の瘢痕を含み、かつ前記第2の画像は前記予め決められた第1の時間における第2の瘢痕を含む、請求項29〜38までのいずれか1つに記載の方法。
【請求項40】
前記第1および第2の画像を表示する前に、順序づけられた複数の画像ペアを表示することをさらに含み、
各画像ペアの第1の画像は前記第1の瘢痕の画像であり、かつ各画像ペアの第2の画像は第2の瘢痕の画像であり、
画像ペアの各画像は同時に表示される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記画像ペアの各々は、個々の予め決められた時間における前記第1および第2の瘢痕の画像を備える、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記複数の画像ペアは、前記個々の予め決められた時間に関連して順序づけられる、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記個々の予め決められた時間は前記第1の予め決められた時間より短い、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記または各予め決められた時間は、瘢痕の生成および瘢痕の処置の少なくとも一方に関連して規定される、請求項39〜43のいずれか1つに記載の方法。
【請求項45】
比較データを生成するコンピュータ実装された方法であって、
前記コンピュータに関連づけられるディスプレイデバイス上に、各々瘢痕を含むヒトまたは動物の皮膚の画像である、第1および第2の画像を表示することと、
前記ディスプレイデバイス上に第1および第2の部分を備えるユーザ入力エレメントを表示することと、を含み、前記第1の部分は、前記第1の画像内の瘢痕化が前記第2の画像内の瘢痕化ほど重大でないことを示す複数の第1の点を備え、かつ前記第2の部分は、前記第2の画像内の瘢痕化が前記第1の画像内の瘢痕化ほど重大でないことを示す複数の第2の点を備え、前記第1および第2の点は各々異なる関連値を有しており、
更に、前記コンピュータにおいて前記点の一方を識別するユーザ入力を受信することと、
前記コンピュータにおいて前記ユーザ入力を基礎として比較データを生成すること、を含む方法。
【請求項46】
請求項29〜45のいずれか1つに記載の方法を実行すべくコンピュータを制御するためのコンピュータ読取り可能命令を含む、コンピュータプログラム。
【請求項47】
請求項46に記載のコンピュータプログラムを伝送する、コンピュータ読取り可能媒体。
【請求項48】
比較データを収集するように構成されるコンピュータ装置であって、
プロセッサ読取り可能命令を格納するメモリと、
前記メモリに格納された命令を読み取って実行するように構成されるプロセッサと、を備え、
前記プロセッサ読取り可能命令は、請求項29〜45のいずれか1つに記載の方法を実行するために、前記コンピュータを制御するように構成される命令を含む、コンピュータ装置。
【請求項49】
第1および第2の瘢痕部分における瘢痕化の相対的重大度に関する比較データを収集するための方法であって、
第1および第2の記録部分を備える記録エレメントを設けること、を含み、前記第1の記録部分は、前記第1の瘢痕部分内の瘢痕化が前記第2の瘢痕部分内の瘢痕化ほど重大でないことを示す複数の第1の点を備え、かつ前記第2の記録部分は、前記第2の瘢痕部分内の瘢痕化が前記第1の瘢痕部分内の瘢痕化ほど重大でないことを示す複数の第2の点を備え、前記第1および第2の点は各々異なる関連値を有しており、
更に、前記比較データを収集するために前記点の一方を指示するデータを記録すること、を含む方法。
【請求項50】
前記記録エレメントは、前記データが記録される媒体上に設けられる、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記記録エレメントはラインを備え、
前記第1の部分は前記ラインの第1の部分であり、かつ前記第2の部分は前記ラインの第2の部分である、請求項49または50に記載の方法。
【請求項52】
前記第1および第2の瘢痕部分は同じ瘢痕の部分である、請求項49〜51のいずれか1つに記載の方法。
【請求項53】
前記第1および第2の瘢痕部分は異なる瘢痕の部分である、請求項49〜51のいずれか1つに記載の方法。
【請求項54】
第1および第2の瘢痕部分における瘢痕化の相対的重大度に関する比較データを収集するための有形的表現媒体であって、
前記媒体は第1および第2の記録部分を備えるスケールを備え、
前記第1の記録部分は、前記第1の瘢痕部分内の瘢痕化が前記第2の瘢痕部分内の瘢痕化ほど重大でないことを示す複数の第1の点を備え、かつ前記第2の記録部分は、前記第2の瘢痕部分内の瘢痕化が前記第1の瘢痕部分内の瘢痕化ほど重大でないことを示す複数の第2の点を備え、前記第1および第2の点は各々異なる関連値を有する、有形的表現媒体。
【請求項55】
ヒトまたは動物の皮膚における瘢痕化の重大度を、前記ヒトまたは動物の皮膚の創傷化を踏まえて示す、データを取得する方法であって、
前記ヒトまたは動物の皮膚の少なくとも1つの第1の画像を表示すること、を含み、前記または各第1の画像は、前記ヒトまたは動物の皮膚の創傷化後の各第1の時間に形成された瘢痕の画像であり、
前記ヒトまたは動物の皮膚の第2の画像を表示すること、を含み、前記第2の画像は、前記ヒトまたは動物の皮膚の創傷化後の第2の時間に形成された瘢痕の画像であり、前記第2の時間は前記または各第1の時間より長く、
更に、前記第2の画像の表示を踏まえた前記ヒトまたは動物の皮膚内の瘢痕化の重大度を示すデータを入力として受信すること、を含む方法。
【請求項56】
前記少なくとも1つの第1の画像および前記第2の画像は連続的に表示される、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
複数の第1の画像を表示することを含み、
前記複数の第1の画像は連続的に表示される、請求項55または56に記載の方法。
【請求項58】
前記第1の画像の各々は個々の時間に形成された瘢痕の画像であり、かつ前記第1の画像は、各第1の画像が創傷化後より長い時間において形成された瘢痕の任意の第1の画像より前に表示されるように、連続的に表示される、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記第1および第2の画像は各々1対のサブ画像を備える、請求項55〜58のいずれか1つに記載の方法。
【請求項60】
前記ヒトまたは動物の皮膚における瘢痕化の重大度を示す前記入力データは、前記サブ画像における瘢痕化の比較を示す比較データを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
1対のサブ画像の各サブ画像は共通する被検者の皮膚の画像である、請求項59または60に記載の方法。
【請求項62】
各画像ペアの第1の画像は予め決められた第1の物質で処置された第1の瘢痕の画像である、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記予め決められた物質はその効力が調査されている薬剤である、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
各画像ペアの第2の画像はコントロール処置で処置された第2の瘢痕の画像である、請求項62または63に記載の方法。
【請求項65】
請求項55〜64のいずれか1つに記載の方法を実行すべくコンピュータを制御するためのコンピュータ読取り可能命令を含む、コンピュータプログラム。
【請求項66】
請求項65に記載のコンピュータプログラムを伝送する、コンピュータ読取り可能媒体。
【請求項67】
比較データを収集するように構成されるコンピュータ装置であって、
プロセッサ読取り可能命令を格納するメモリと、
前記メモリに格納された命令を読み取って実行するように構成されるプロセッサと、を備え、
前記プロセッサ読取り可能命令は、請求項55〜64のいずれか1つに記載の方法を実行するために前記コンピュータを制御するように構成される命令を含む、コンピュータ装置。
【請求項68】
複数の画像査定者から複数の画像に関するデータを取得する方法であって、
前記複数の画像の各々を識別するデータを格納することと、
前記複数の査定者の各々を識別するデータを格納することと、
前記複数の画像の1つまたは複数のサブセットと前記複数の査定者のうちの一名との関係性を識別するデータを格納することと、
前記複数の査定者のうちの前記一名を識別するデータを受信することと、
前記複数の画像の前記サブセットに関するデータを取得するように、前記複数の画像の前記サブセットのうちの1つを表示させること、を含む方法。
【請求項69】
前記データが複数のサブセットと前記複数の査定者のうちの前記一名との関係性を識別すれば、前記複数のサブセットを識別するデータを表示し、かつユーザ入力に応答して前記サブセットのうちの前記1つを表示させる、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
査定者の少なくとも1つのグループを規定するデータを格納することと、
前記査定者のグループを、前記複数の査定者のうちの前記一名を識別する前記データを基礎として識別することと、
前記複数の画像の前記サブセットのうちの1つを、前記識別された査定者のグループを基礎として識別すること、をさらに含む、請求項68または69に記載の方法。
【請求項71】
前記複数の画像の前記サブセットに関するデータの取得は、請求項29〜45のいずれか1つに記載の方法を使用して比較データを生成することを含む、請求項68〜70のいずれか1つに記載の方法。
【請求項72】
請求項68〜70のいずれか1つに記載の方法を実行すべくコンピュータを制御するためのコンピュータ読取り可能命令を含む、コンピュータプログラム。
【請求項73】
請求項72に記載のコンピュータプログラムを伝送する、コンピュータ読取り可能媒体。
【請求項74】
データを収集するように構成されるコンピュータ装置であって、
プロセッサ読取り可能命令を格納するメモリと、
前記メモリに格納された命令を読み取って実行するように構成されるプロセッサと、を備え、
前記プロセッサ読取り可能命令は、請求項68〜70のいずれか1つに記載の方法を実行するために、前記コンピュータを制御するように構成される命令を含む、コンピュータ装置。
【請求項75】
画像内に示される瘢痕化の重大度を示すデータを取得するための方法であって、
表示されるべき画像を選択することと、
瘢痕成形物に関連づけられるコンピュータ読取り可能な識別子を走査することにより生成される、データを入力として受信することと、
選択された画像および入力されたデータが予め決められた関係性を満たしているかどうかを決定することと、
前記予め決められた関係性が満たされていれば、瘢痕化の重大度を表示するデータを収集すること、を含む方法。
【請求項76】
前記収集されるデータは、選択された画像および関連する瘢痕成形物に示される瘢痕化の重大度を基礎とする、請求項75に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図14E】
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【図14F】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公表番号】特表2011−526690(P2011−526690A)
【公表日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515588(P2011−515588)
【出願日】平成21年6月15日(2009.6.15)
【国際出願番号】PCT/GB2009/001508
【国際公開番号】WO2010/001088
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(500588178)レノボ・リミテッド (17)
【氏名又は名称原語表記】RENOVO LTD.
【Fターム(参考)】