説明

薬剤分配装置及び薬剤分包装置

【課題】従来に比べ駆動手段の構成を簡素化でき、それだけコストダウンを実現できる散薬タブレット及び薬剤分配装置並びに薬剤分包装置を提供する。
【解決手段】操作用タブ241bを有する散薬タブレット240を備えた薬剤分配装置A1は、散薬タブレット240をX1方向へ移動させることにより、複数の散薬バルブ241を順次開放させる散薬分配機構250を備え、散薬分配機構250は、バルブオープナ251との当接により操作用タブ241bの散薬バルブ241を開放させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤を分配するために用いられる薬剤分配装置及びこれを備えた薬剤分包装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の薬剤分包装置では、例えば、散薬や錠剤(散薬等をカプセルに入れたものを含む、以下同じ)等の薬剤を自動的に分配する薬剤分配装置が備えられ、この薬剤分配装置にて分配された薬剤が包装される。
【0003】
この薬剤分包装置に備えられる薬剤分配装置のなかには、例えば、それぞれが散薬バルブを有する複数の散薬マスであって所定の方向に所定の散薬マスピッチで並設された複数の散薬マスを備えた散薬タブレットを備え、前記散薬タブレットを前記所定方向一方側へ移動させつつ前記散薬バルブを順次開放させることで、散薬を分配する薬剤分配装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、それぞれが錠剤バルブを有する複数の錠剤マスであって所定の方向に所定の錠剤マスピッチで並設された複数の錠剤マスを備えた錠剤タブレットと、それぞれが散薬バルブを有する複数の散薬マスであって前記所定方向に所定の散薬マスピッチで並設された複数の散薬マスを備えた散薬タブレットとが装置本体に対し移動可能に保持され、前記錠剤タブレット及び前記散薬タブレットを前記所定方向一方側へ移動させつつ前記錠剤バルブ及び前記散薬バルブを順次開放させることで、錠剤及び散薬を分配する薬剤分配装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
このような従来の薬剤分配装置では、錠剤タブレットや散薬タブレットを所定方向へ移動させるためのタブレット駆動手段によりタブレットの移動動作を行い、該タブレット駆動手段とは別に設けられた錠剤バルブや散薬バルブを開放させるためのバルブ駆動手段によりバルブの開放動作を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公平6−29042号公報
【特許文献2】実公平2−13375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記したような薬剤分配装置では、タブレット移動のためのタブレット駆動手段とは別に、バルブ開放のためのバルブ駆動手段が設けられるので、コストが高くつく。
【0008】
本発明は、前記問題に鑑みてなされたもので、従来に比べ駆動手段の構成を簡素化でき、それだけコストダウンを実現できる散薬タブレット及び薬剤分配装置並びに薬剤分包装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の散薬分配装置は、前記課題を解決するため、それぞれが散薬バルブを有する複数の散薬マスであって第1水平方向に所定の散薬マスピッチで並設された複数の散薬マスを備え、前記複数の散薬バルブは、それぞれ前記第1水平方向に略平行になるように保持可能に、且つ、前記バルブ保持姿勢において前記第1水平方向と略直交する第2水平方向に沿った支点部で回動自在に支持されるとともに、該バルブを開放させるための操作用タブを有しており、該操作用タブが前記バルブ保持姿勢において前記支点部の前記第2水平方向両外側端のうち少なくとも一方の外側端近傍に該外側端近傍から水平面に対して略垂直方向に延びていることを特徴とする散薬タブレットと、該散薬タブレットを前記第1水平方向一方側へ移動させることにより、前記散薬バルブを順次開放させる散薬分配機構とを備え、前記散薬分配機構は、前記散薬タブレットの前記第1水平方向一方側への移動により、前記各散薬バルブが前記第1水平方向に略平行になるように保持されているときの前記操作用タブに対応する位置で該操作用タブに当接させることで該操作用タブの散薬バルブを開放させるための当接部を有するバルブオープナを備えていることを特徴としている。
【0010】
上記のように、散薬分配機構のバルブオープナが、散薬タブレットの第1水平方向一方側への移動により、各散薬バルブが第1水平方向に略平行になるように保持されているときの操作用タブに対応する位置で操作用タブに当接することで操作用タブの散薬バルブを開放させることができる。このように薬剤分配装置において散薬バルブを開放させるためのバルブオープナを備えているだけなので、タブレット移動のためのタブレット駆動手段とは別に、散薬バルブ開放のためのバルブ駆動手段を設ける必要がなく、従って、従来に比べ駆動手段の構成を簡素化でき、それだけコストダウンを実現できる。また、散薬タブレットにおいて、複数の散薬バルブは、バルブ保持姿勢の第1水平方向一方側への第1移動方向において中央部より下流側、より好ましくは最下流側における一支点部で支持されてもよいし、上流側、より好ましくは最上流側における一支点部で支持されてもよい。
【0011】
また、前記散薬マスに投入される散薬を良好に落下させるという観点から、前記複数の散薬バルブが前記バルブ保持姿勢の前記第1水平方向において中央部より下流側における一支点部で支持される場合には、前記操作用タブは前記バルブ外側端近傍から水平面に対して略垂直方向上方に延びていることが望ましく、前記複数の散薬バルブが前記バルブ保持姿勢の前記第1移動方向において中央部より上流側における一支点部で支持される場合には、前記操作用タブは前記バルブ外側端近傍から水平面に対して略垂直方向下方に延びていることが望ましい。
【0012】
また、本発明の散薬分配装置は、前記散薬分配機構が、前記散薬タブレットの前記第1水平方向一方側への移動により、前記バルブオープナで開放させた前記散薬バルブに対応する位置で該散薬バルブに当接させることで該散薬バルブを閉じさせるバルブクローズ部材をさらに備えていてもよい。
【0013】
上記の場合、前記散薬分配機構における前記バルブクローズ部材は、前記散薬タブレットの前記第1水平方向一方側への移動により、前記バルブオープナにて開放させた前記散薬バルブに対応する位置で該散薬バルブに当接することで該散薬バルブを閉じさせることができる。
【0014】
また、本発明の散薬分配装置は、それぞれが錠剤バルブを有する複数の錠剤マスであって第1水平方向に所定の錠剤マスピッチで並設された複数の錠剤マスを備えた錠剤タブレットを前記第1水平方向一方側へ移動させることにより、前記錠剤バルブを順次開放させる錠剤分配機構と、前記錠剤タブレット及び前記散薬タブレットを保持するブラケットとをさらに備え、前記ブラケットを前記第1水平方向一方側へ移動させることにより、前記錠剤タブレット及び前記散薬タブレットを一体的に移動させるように構成されていてもよい。
【0015】
また、本発明の散薬分配装置は、前記ブラケットが、前記錠剤タブレット及び前記散薬タブレットを着脱可能に保持する構成であってもよい。
【0016】
上記のように、ブラケットが、前記錠剤タブレット及び前記散薬タブレットを着脱可能に保持することで、前記錠剤タブレットや前記散薬タブレットを前記ブラケットから着脱した状態で清掃することができ、それだけ前記錠剤タブレット及び前記散薬タブレットの清掃を容易に行うことができる。
【0017】
また、本発明の散薬分配装置は、前記散薬分配機構が、前記バルブオープナを前記操作用タブとの当接位置と該当接位置から退避させる退避位置との間で所定のタイミングで選択的に配置される構成であってもよい。
【0018】
上記構成にすれば、任意の散薬マスについて、前記バルブオープナを前記退避位置から前記当接位置に配置させ、さらに前記当接位置から前記退避位置に配置させることができ、これにより、任意の散薬マスの散薬バルブを開放させることができる。
【0019】
また、本発明の散薬分配装置は、前記錠剤タブレット及び前記散薬タブレットからの薬剤を受け入れるとともに該受け入れられた薬剤を包装用部材に投入するための薬剤投入部であって前記錠剤タブレットからの錠剤進入経路の途中に、該錠剤を開放又は遮断するために開閉自在に配置された開閉バルブを有する薬剤投入部と、前記開閉バルブを所定のタイミングで開閉させるバルブ開閉機構とをさらに備えていてもよい。
【0020】
上記構成にすれば、前記開閉バルブは、前記薬剤投入部における前記錠剤タブレットからの錠剤進入経路の途中に配置されており、前記バルブ開閉機構にて前記開閉バルブを所定のタイミングで開閉させることができるので、例えば、前記錠剤タブレット及び前記散薬タブレットを保持した前記ブラケットの前記水平方向一方側への移動に先立ち、前記開閉バルブを閉状態にしておき、前記ブラケットの前記水平方向一方側への移動により、先ず、前記錠剤タブレットからの進入経路を通過する錠剤を前記開閉バルブにて留めておくとともに前記散薬タブレットからの進入経路を通過する散薬のみを前記包装用部材に投入して包装した後、前記開閉バルブを開状態にし、前記開閉バルブにて留められていた錠剤のみを前記包装用部材に投入して包装することができる。また、前記錠剤タブレット及び前記散薬タブレットを保持した前記ブラケットの前記水平方向一方側への移動の際に、前記開閉バルブを常に開状態にしておくことで、散薬及び錠剤をいずれも前記包装用部材に投入して包装することができる。
【0021】
また、本発明の散薬分配装置は、前記バルブ開閉機構が前記開閉バルブを閉じさせるときには前記散薬分配機構が前記バルブオープナを前記当接位置に配置させ、前記バルブ開閉機構が前記開閉バルブを開放させるときには前記散薬分配機構が前記バルブオープナを前記退避位置に配置させることで、前記開閉バルブの開閉及び前記バルブオープナの配置を単一の駆動部による駆動で行うように構成してもよい。
【0022】
上記構成にすれば、単一の駆動部で前記開閉バルブの開閉と前記バルブオープナの配置とを行うことができるので、コストダウンを実現できる。
【0023】
請求項1から7のいずれかに記載の薬剤分配装置を備えたことを特徴とする薬剤分包装置であってもよい。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように本発明によると、従来に比べ駆動手段の構成を簡素化でき、それだけコストダウンを実現できる散薬タブレット及び薬剤分配装置並びに薬剤分包装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る薬剤分配装置の一例を備えた本発明に係る薬剤分包装置の一例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す薬剤分配装置の一部を正面から見た概略断面図である。
【図3】図1に示す薬剤分配装置のトップタブレット及びタブレットシャッタを外した状態を平面から見た概略図である。
【図4】ブラケットから錠剤タブレット及び散薬タブレットを取り外した状態の斜視図である。
【図5】図1に示す薬剤分配装置の一部を右側面から見た概略図である。
【図6】散薬タブレットの一部の散薬バルブ部分を拡大して示す斜視図である。
【図7】図(A)は図2に示す散薬分配機構及びその周辺部分を正面から見た概略図であり、図(B)はその一部を平面から見た概略図である。
【図8】散薬バルブを開閉させる過程を示す図である。図(A)に散薬タブレットの初期位置を正面から見た状態を、図(B)に図(A)に示す散薬タブレットの初期位置を右側面から見た状態をそれぞれ示す。また、図(C)に散薬タブレットの初期位置から1散薬ピッチの移動後の第1列目の散薬マスの散薬バルブの開放動作を正面から見た状態を、図(D)に図(C)に示す散薬バルブ開放動作を右側面から見た状態をそれぞれ示す。さらに、図(E)に散薬タブレットの初期位置から2散薬ピッチ移動後の第2列目の散薬マスの散薬バルブの開放動作を正面から見た状態を示す。
【図9】図2及び図5に示す薬剤投入部等を右側面から見た概略図である。
【図10】図5及び図9に示すバルブ開閉機構を説明するための図であり、図(A)に開閉バルブがバルブ開閉機構にて開状態になっているとともにバルブオープナの当接部が散薬分配機構にて退避位置に配置されている状態を、図(B)に開閉バルブがバルブ開閉機構にて閉状態になっているとともにバルブオープナの当接部が散薬分配機構にて当接位置に配置されている状態をそれぞれ示す。
【図11】タブレットシャッタのシャッタ開閉動作を説明するための図であり、図(A)にブラケット初期位置の状態を、図(B)にシャッタオープン位置の状態を、また図(C)に錠剤タブレットが初期位置より第1水平方向一方側に位置しているときの状態をそれぞれ示す。
【図12】図1に示す薬剤分配装置における制御部の概略ブロック図である。
【図13】薬剤分配装置の初期状態を示す図であり、図(A)に平面から見た動作例を、図(B)に正面から見た動作例を、また図(C)に右側面から見た動作例をそれぞれ示す。
【図14】分包動作開始前の状態を示す図であり、図(A)に平面から見た動作例を、図(B)に正面から見た動作例を、また図(C)に右側面から見た動作例をそれぞれ示す。
【図15】個々の包装体に散薬及び錠剤のいずれも包装する動作の一例を説明するための図であり、図(A)に平面から見た動作例を、図(B)に正面から見た動作例を、また図(C)に右側面から見た動作例をそれぞれ示す。
【図16】個々の包装体に散薬及び錠剤のいずれも包装する動作の一例を説明するための図であり、図(A)に平面から見た動作例を、図(B)に正面から見た動作例を、また図(C)に右側面から見た動作例をそれぞれ示す。
【図17】個々の包装体に散薬及び錠剤のいずれも包装する動作の一例を説明するための図であり、図(A)に平面から見た動作例を、図(B)に正面から見た動作例を、また図(C)に右側面から見た動作例をそれぞれ示す。
【図18】個々の包装体に散薬と薬剤とを交互に包装する動作の一例を説明するための図であり、図(A)に平面から見た動作例を、図(B)に正面から見た動作例を、また図(C)に右側面から見た動作例をそれぞれ示す。
【図19】個々の包装体に散薬と薬剤とを交互に包装する動作の一例を説明するための図であり、図(A)に平面から見た動作例を、図(B)に正面から見た動作例を、また図(C)に右側面から見た動作例をそれぞれ示す。
【図20】錠剤タブレット及び散薬タブレットの他の例を平面から見た概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係る薬剤分配装置の一例A1を備えた本発明に係る薬剤分包装置の一例Aを示す斜視図である。
【0027】
図1に示す薬剤分包装置Aは、既述の薬剤分配装置A1の他、薬剤包装装置A2及び制御部CONT(図1では図示せず、後述する図12参照)を備えている。
【0028】
薬剤分包装置Aでは、薬剤分配装置A1から処方箋に対応する散薬や錠剤(散薬等をカプセルに入れたものを含む、以下同じ)が薬剤包装装置A2に供給される。
【0029】
薬剤包装装置A2は、図示していないシール装置(例えばヒートシール装置)を備え、包装用部材、ここでは長尺の包装シートH(図1では図示省略、後述する図2等参照)に薬剤分配装置A1からの薬剤を投入し、該薬剤が投入された包装シートHにシール装置にてシール(例えばヒートシール)H1を行い、個々に区画された包装体H2を形成するものである。
【0030】
薬剤分配装置A1は薬剤を分配して前記の薬剤包装装置A2に供給するためのものであり、薬剤包装装置A2上に配置される。以下、薬剤分配装置A1について詳しく説明する。
【0031】
薬剤分配装置A1は、図1に示すように、錠剤分配処理部100及び散薬分配処理部200を備えており、錠剤分配処理部100の頂部にはトップタブレット110及びタブレットシャッタ120が配置されている。
【0032】
図2に図1に示す薬剤分配装置A1の一部を正面から見た概略断面図を示し、図3に図1に示す薬剤分配装置A1のトップタブレット110及びタブレットシャッタ120を外した状態を平面から見た概略図を示す。
【0033】
図2及び図3に示すように、錠剤分配処理部100は、前記のトップタブレット110及びタブレットシャッタ120の他、付勢部材130、錠剤タブレット140及び錠剤分配機構150を備えている。散薬分配処理部200は、散薬タブレット240及び散薬分配機構250を備えている。
【0034】
この薬剤分配装置A1は、図2及び図3に示すように、前記の錠剤分配処理部100及び散薬分配処理部200の他、ブラケット300、ブラケット駆動部800を有している。
【0035】
ブラケット300は、錠剤タブレット140及び散薬タブレット240を着脱可能に保持するものである。
【0036】
図4にブラケット300から錠剤タブレット140及び散薬タブレット240を取り外した状態の斜視図を示す。図4に示すように、錠剤タブレット140はブラケット300の錠剤タブレット支持部310に支持され、散薬タブレット240はブラケット300の散薬タブレット支持部320に支持され、いずれもブラケット300に装着され得る。また、散薬タブレット240は、該散薬タブレット240の取扱いを容易にするための取っ手245を備えている。
【0037】
薬剤分配装置A1は、ブラケット駆動部800によってブラケット300を第1水平方向(図2及び図3中X方向)へ移動させることにより、錠剤タブレット140及び散薬タブレット240を一体的に移動させるように構成されている。
【0038】
図5に図1に示す薬剤分配装置A1の一部を右側面から見た概略図を示す。なお、図5においてトップタブレット110等は図示を省略してある。
【0039】
ブラケット300は、図5に示すように、摺動部330及びラック部340を有している(図3も参照)。
【0040】
ラック部340は、図3に示すように、後述するピニオンギア822に噛み合わされるように凹凸部341を有している。
【0041】
摺動部330は、図5に示すように、支持部331にて回転自在に支持されたローラ332を有している。ローラ332は、薬剤分配装置A1本体の図示を省略した支持部材に固定支持されたブラケットレールRに嵌合されている。これにより、ブラケット300はローラ332を介してブラケットレールRに第1水平方向Xへ往復動自在に支持されている。
【0042】
ブラケット駆動部800は、ブラケット送りモータ810、駆動伝達系820を備えている。
【0043】
ブラケット送りモータ810は、前記の制御部CONTに接続されており(図12参照)、制御部CONTの指示の下、モータ軸811を時計方向又は反時計方向に回転駆動できる。
【0044】
駆動伝達系820は、減速ギア821、ピニオンギア822、ギア軸823を備えている。ギア軸823は、図示を省略した支持部材にて軸芯周りに回転自在に支持されているとともに一端部に減速ギア821が設けられ、他端部にピニオンギア822が設けられている。そして、減速ギア821とモータ810のギア812とが噛み合わされ、ピニオンギア822とブラケット300のラック部340とが噛み合わされている。
【0045】
これにより、ブラケット送りモータ810のモータ軸811の回転駆動により駆動伝達系820を介してブラケット300とともに錠剤タブレット140及び散薬タブレット240を第1水平方向Xに一体的に移動させることができる。
【0046】
ブラケット300はまた、図3に示すように、第1水平方向Xに沿う方向に所定の識別ピッチP3で並べられた複数の第1識別部350を有している。複数の第1識別部350は、ここでは第1水平方向Xに沿う方向に所定の識別ピッチP3で並べられた複数のスリット351からなるスリット部である。
【0047】
ブラケット300における複数のスリット351からなるスリット部350の識別ピッチP3は、ここでは、散薬タブレット240における後述する複数の散薬マス242の散薬マスピッチP2に等しい。
【0048】
薬剤分配装置A1はさらに、第1検出装置(ここではブラケット送り量検出用第1光検出センサ)610と、第2検出装置(ここではブラケット初期位置検出用第2光検出センサ)620と、第3検出装置(ここではブラケット停止用第3光検出センサ)630と、第4検出装置(ここではシャッタオープン用第4光検出装置)640とを備えている。
【0049】
第1光検出センサ610は、ブラケット300におけるスリット部350を検出するためのものであり、制御部CONTに接続されている(図12参照)。
【0050】
第1光検出センサ610は、ここでは図5に示すように、光を出射する第1発光部611と第1発光部611から出射される光を受光する第1受光部612とからなり、第1発光部611と第1受光部612との間に複数のスリット351が通過するように設けられている。
【0051】
第1光検出センサ610では、発光部611と受光部612との間にスリット351がないときは発光部611から受光部612への光が遮断されるので、制御部CONTにOFF信号が送られ、発光部611と受光部612との間にスリット351があるときは発光部611から受光部612へ光が通過するので、制御部CONTにON信号が送られる。これにより、制御部CONTは、ブラケット300の第1水平方向X一方側(図2及び図3中X1側)への送り量を検出することができるので、ブラケット300を初期位置、換言すれば錠剤タブレット140及び散薬タブレット240の初期位置から第1水平方向X一方側への第1移動方向X1へ所定量(ここでは、第1移動方向X1最上流側の散薬マス242が後述する薬剤投入部400を通過するところまで)移動させたところで、第1移動方向X1とは逆向きの第2移動方向(図2及び図3中X2方向)に反転させることができる。また、スリット351の識別ピッチP3は、散薬タブレット240における複数の散薬マス242の散薬マスピッチP2に等しいので、スリット351の識別ピッチP3の検出を散薬タブレット240における散薬マスピッチP2の検出とすることができる。
【0052】
ブラケット300は、該ブラケット300の初期位置を検出するための第2識別部360と、ブラケット300の第1移動方向X1への移動において何らかの原因で前記反転位置を越えたときにブラケット300を停止させるための第3識別部370と、タブレットシャッタ120を開放させるための第4識別部380とをさらに有している。第2識別部360、第3識別部370及び第4識別部380は、ここではそれぞれ初期位置検出用突起部、ブラケット停止用突起部及びシャッタオープン用突起部である。なお、ここでは、ブラケット停止用突起部370はシャッタオープン用突起部380を兼ねており、シャッタオープン用突起部380はブラケット停止用突起部370を兼ねている。すなわち、突起部370、380は兼用の一つの突起部としている。
【0053】
第2光検出センサ620は、初期位置検出用突起部360を検出するためのものであり、ブラケット300の初期位置に対応する位置に配置されている。第3光検出センサ630は、ブラケット停止用突起部370を検出するためのものであり、ブラケット300を停止させる位置に対応する位置に配置されている。また、第4光検出センサ640は、シャッタオープン用突起部380を検出するためのものであり、タブレットシャッタ120を開放させるシャッタ開放位置に対応する位置に配置されている。これらはいずれも制御部CONTに接続されている(図12参照)。なお、タブレットシャッタ120のシャッタ開閉動作については、のちほど詳述する。
【0054】
第2〜第4の光検出センサ620〜640は、ここでは図5に示すように、光を出射する第2〜第4の発光部621〜641と第2〜第4の発光部621〜641から出射される光を受光する第2〜第4の受光部622〜642とからなり、第2発光部621と第2受光部622との間に初期位置検出用突起部360が通過するように、第3及び第4の発光部631,641と第3及び第4の受光部632,642との間にブラケット停止用兼シャッタオープン用突起部370,380が通過するように設けられている。そして、ブラケット300の初期位置は、初期位置検出用突起部360が第2光検出センサ620の発光部621と受光部622との間の光を遮る位置とし、またブラケット300の反転位置は、ブラケット停止用突起部370(380)が第3光検出センサ630の発光部631と受光部632との間の光を遮る位置とし、さらにタブレットシャッタ120のシャッタ開放位置は、シャッタオープン用突起部380(370)が第4光検出センサ640の発光部641と受光部642との間の光を遮る位置としている。
【0055】
第2〜第4の光検出センサ620〜640では、発光部621〜641と受光部622〜642との間に突起部360,370があるときは発光部621〜641から受光部622〜642への光が遮断されるので、制御部CONTにOFF信号が送られ、発光部621〜641と受光部622〜642との間に突起部360,370がないときは発光部621〜641から受光部622〜642へ光が通過するので、制御部CONTにON信号が送られる。これにより、制御部CONTは、第2光検出センサ620がOFFのときにブラケット300の初期位置を、第3光検出センサ630がOFFのときにブラケット300の停止位置を、さらに第4光検出センサ640がOFFのときにタブレットシャッタ120の開放位置を検出することができる。
【0056】
錠剤タブレット140は、図2及び図3に示すように、それぞれが錠剤バルブ141を有する複数の錠剤マス142を備えており、複数の錠剤マス142が第1水平方向Xに所定の錠剤マスピッチP1で並設されている。さらに説明すると、錠剤タブレット140は、複数の錠剤マス142が第1水平方向Xにm列(ここでは7列)を第1錠剤マスピッチP1で形成し、且つ、第1水平方向Xと略直交する第2水平方向(図3中Y方向)にn段(ここでは3段)を所定の第2錠剤マスピッチPで形成するように構成されている。
【0057】
散薬タブレット240は、図2及び図3に示すように、それぞれが散薬バルブ241を有する複数の散薬マス242を備えており、複数の散薬マス242が第1水平方向X方向に所定の散薬マスピッチP2で並設されている。さらに説明すると、散薬タブレット240は、複数の散薬マス242が第1水平方向Xに少なくともk列(kはmにnを乗じた数、ここでは7×3=21列)を散薬マスピッチP2で形成するように構成されている。そして、複数の錠剤マス142の第1錠剤マスピッチP1は、複数の散薬マス242の散薬マスピッチP2のn倍(ここでは3倍)のピッチである。
【0058】
複数の錠剤バルブ141は、それぞれ自重によって第1水平方向Xに対して略垂直方向(図2中Z方向)に垂れ下がるように、且つ、第1水平方向Xに略平行な姿勢の第1水平方向Xにおいて中央部より上流側における一支点部(ここでは第1移動方向X1において最上流側端部における支点部)であって第1水平方向Xと略直交する第2水平方向Yに沿った支点部141aで回動自在に支持されている。
【0059】
錠剤分配機構150は、複数の錠剤マス142を備えた錠剤タブレット140を第1水平方向X一方側X1へ移動させることにより、錠剤バルブ141を順次開放させるものである。この錠剤分配機構150は、ブラケット300が第1水平方向X一方側X1へ複数の散薬マス242の散薬マスピッチP2移動するごとに錠剤マス142について各列ごとに第1段から第3段まで錠剤バルブ141を一つずつ順に開放させるように構成されている。
【0060】
さらに説明すると、錠剤分配機構150は、図3中2点鎖線で示すように、第1移動方向X1において最下流側端部151aが平面視(平面から見て)第1水平方向Xに散薬マスピッチP2で、第2水平方向Yに第2錠剤マスピッチPで階段状にn段(ここでは3段)形成されたタブレットプレート151を有しており、該タブレットプレート151を錠剤タブレット140の下方に固定配置するとともに錠剤タブレット140に接触させるように構成されている。これにより、ブラケット300が第1水平方向X一方側X1へ散薬マスピッチP2移動するごとに錠剤マス142について各列ごとに第1段から第3段まで錠剤バルブ141を一つずつ順に開放させることができる。また、ブラケット300が第2移動方向X2に移動することで錠剤バルブ141を閉じさせることができる。
【0061】
図6は散薬タブレット240の一部の散薬バルブ241部分を拡大して示す斜視図である。
【0062】
散薬タブレット240は、図6に示すように、複数の散薬バルブ241の他、一対の支持部材243及び一対の保持部材244を備えている。
【0063】
散薬バルブ241は、ここでは金属からなる磁性部材であり、第2水平方向Yに沿った支点部241aを有している。
【0064】
一対の支持部材243は、ここでは第1水平方向Xに延びる板状の部材であり、散薬バルブ241の両端部に配置され、支点部241aを支持する支持用穴部243aが設けられている。
【0065】
一対の保持部材244は、ここでは第1水平方向Xに延びる板状のマグネットであり、一対の支持部材243の内側に沿って、散薬バルブ241の両端部、且つ、上方に配置されている。
【0066】
このように複数の散薬バルブ241は、それぞれマグネット244による吸着作用によって、第1水平方向Xに略平行になるように保持可能に、且つ、該バルブ保持姿勢において第1水平方向Xにおける一支点部(ここでは第1移動方向X1において最下流側端部における支点部)であって第2水平方向Yに沿った支点部241aで一対の支持部材243の支持用穴部243aにて回動自在に支持されている。
【0067】
複数の散薬バルブ241はまた、該バルブ241を開放させるための操作用タブ241bを有しており、該操作用タブ241bが前記バルブ保持姿勢において支点部241aの第2水平方向Y両外側端のうち一方の外側端近傍に該外側端近傍から水平面に対して略垂直方向Z(ここでは上方向Z1)に延びている。これにより、操作用タブ241bに第1水平方向X他方側X2に沿う方向から外力Tが加えられることで、散薬バルブ241を開放させることができる。
【0068】
この薬剤分配装置A1はさらに、薬剤投入部400、バルブ開閉機構500及び駆動部700を備えている。
【0069】
図7(A)に図2に示す散薬分配機構250及びその周辺部分を正面から見た概略図を示し、図7(B)にその一部を平面から見た概略図を示す。また、図9に図2及び図5に示す薬剤投入部400等を右側面から見た概略図を示し、図10に図5及び図9に示すバルブ開閉機構500を説明するための図を示す。
【0070】
散薬分配機構250は、図7に示すように、複数の散薬マス242を備えた散薬タブレット240を第1水平方向X一方側X1へ移動させることにより、散薬バルブ241を順次開放させるものであり、散薬タブレット240の第1水平方向X一方側X1への移動により、各散薬バルブ241が第1水平方向Xに略平行になるように保持されているときの操作用タブ241bに対応する位置で操作用タブ241bに当接させることで操作用タブ241bの散薬バルブ241を開放させるバルブオープナ251を備えており、散薬タブレット240を装着したブラケット300が第1水平方向X一方側X1へ複数の散薬マス242の散薬マスピッチP2移動するごとに第1列から第k列(ここでは第21列)まで散薬バルブ241を一つずつ順に開放させるように構成されている。
【0071】
さらに説明すると、散薬分配機構250は、前記のバルブオープナ251の他、バルブクローズ部材252、付勢部材253、カム254aを備えている。
【0072】
バルブオープナ251は、図7(B)に示すように、アーム部251aと当接部251bからなる。アーム部251aは、散薬バルブ241の操作用タブ241bより外側に配置されており、当接部251bは、操作用タブ241bに当接するようにアーム部251aより操作用タブ241b側に突き出ている。これにより、ブラケット300が第1水平方向X一方側X1へ複数の散薬マス242の散薬マスピッチP2移動するごとにバルブオープナ251の当接部251bを操作用タブ241bに当接させることができ、ひいては第1列から第21列まで散薬バルブ241を一つずつ順に開放させることができる。このとき、バルブオープナ251のアーム部251aは、散薬バルブ241の操作用タブ241bより外側に配置されているので、アーム部251aのブラケット300のX1方向移動による操作用タブ241bとの衝突を回避することができる。
【0073】
バルブクローズ部材252は、散薬タブレット240の第1水平方向X一方側X1への移動により、バルブオープナ251で開放させた散薬バルブ241に対応する位置で該散薬バルブ241に当接させることで該散薬バルブ241を閉じさせるものである。
【0074】
さらに説明すると、バルブクローズ部材252は、ここではローラであり、ローラ軸線方向が第2水平方向Yに向くように、且つ、バルブオープナ251の当接部251bの操作用タブ241bとの当接位置より若干下方に配置してある(図7(A)参照)。これにより、ブラケット300の第1移動方向X1の移動によって開放させた散薬バルブ241を該ブラケット300のX1方向の移動によって再び閉じさせることができる。
【0075】
図8は散薬バルブ241を開閉させる過程を示す図である。図8(A)に散薬タブレット240の初期位置を正面から見た状態を、図8(B)に図8(A)に示す散薬タブレット240の初期位置を右側面から見た状態を示す。また、図8(C)に散薬タブレット240の初期位置から1散薬ピッチP2の移動後の第1列目の散薬マス242の散薬バルブ241の開放動作を正面から見た状態を、図8(D)に図8(C)に示す散薬バルブ241開放動作を右側面から見た状態を示す。さらに、図8(E)に散薬タブレット240の初期位置から2散薬ピッチP2移動後の第2列目の散薬マス242の散薬バルブ241の開放動作を正面から見た状態を示す。
【0076】
ブラケット300に装着された散薬タブレット240は、図8(A)及び図8(B)に示すように、先ず初期位置に配置される。この散薬タブレット240が第1移動方向X1に移動すると、図8(C)及び図8(D)に示すように、散薬バルブ241の操作用タブ241bにバルブオープナ251の当接部251bが当接し、これにより、第1列目マスの散薬バルブ241が開く。散薬タブレット240がさらに第1移動方向X1に移動すると、図8(E)に示すように、開いていた第1列目マスの散薬バルブ241が、バルブクローズローラ252により、閉じるとともに次の第2列目マスの散薬バルブ241の操作用タブ241bにバルブオープナ251の当接部251bが当接し、これにより、第2列目マスの散薬バルブ241が開く。この動作が第21列目マスの散薬バルブ241まで繰り返される。
【0077】
なお、この薬剤分配装置A1では、錠剤分配機構150のタブレットプレート151による錠剤バルブ141の開放位置と散薬分配機構250のバルブオープナ251による散薬バルブ241の開放位置とを略一致させてある。
【0078】
さらに、散薬分配機構250は、図7(A)に示すように、バルブオープナ251を操作用タブ241bとの当接位置αと該当接位置αから退避させる退避位置βとの間で所定のタイミングで選択的に配置させるように構成されている。
【0079】
バルブオープナ251のアーム部251aは、支点部254により回動自在に支持されており、当接部251bとは反対側の端部251cで付勢部材253にて当接部251bが退避位置βに配置するように図7(A)中反時計方向B2に回動するように付勢されている。
【0080】
一方、薬剤投入部400は、図9に示すように、錠剤タブレット140及び散薬タブレット240からの薬剤を受け入れるとともに該受け入れられた薬剤を包装シートHに投入する薬剤ホッパ410と、錠剤タブレット140からの錠剤を受け入れるとともに該受け入れられた錠剤を薬剤ホッパ410に導く錠剤ホッパ420と、錠剤タブレット140からの進入経路の途中に、錠剤を開放又は遮断するために開閉自在に配置された開閉バルブ430と、開閉バルブ430を支持するバルブ回転軸431とを有している。
【0081】
バルブ回転軸431は、図示を省略した支持部材にて軸芯周りに回転自在に支持されているとともに、図7(A)に示すように、一端部に開閉バルブ430が設けられ、他端部にカム254aが設けられ、さらにバルブ430とカム254aとの間にバルブアーム431aが設けられている。これにより、開閉バルブ430とカム254aとバルブアーム431aとが一体となって回動され得る。
【0082】
駆動部700は、図7及び図10に示すように、ソレノイド710を備えている。ソレノイド710は、制御部CONTに接続されており(図12参照)、制御部CONTの指示の下、ソレノイド回転軸711を図10中時計方向C1又は反時計方向C2に所定量回転駆動できる。
【0083】
バルブ開閉機構500は、ソレノイドアーム510、リンク部材520を備えている。ソレノイドアーム510の一端及びリンク部材520の一端は支点部530で、また、リンク部材520の他端及びバルブアーム431aの一端は支点部540でそれぞれ回動自在に支持されており、ソレノイドアーム510の他端はソレノイド710のソレノイド回転軸711に接続されている。
【0084】
これにより、ソレノイド710のソレノイド回転軸711の図10中C2方向の回転駆動によりバルブ開閉機構500を介して開閉バルブ430を開放させることができる(図7(A)参照)。このとき、開閉バルブ430と一体のカム254aが図10中C1方向に所定量回動し、バルブオープナ251の当接部251bとは反対側の端部251cを付勢部材253による付勢力にて押し下げ、すなわちバルブオープナ251を図7(A)中B2方向に所定量回動させるので、バルブオープナ251の当接部251bを操作用タブ241bとの当接位置αから退避させる退避位置βに配置させることができる。
【0085】
一方、ソレノイド710のソレノイド回転軸711の図10中C1方向の回転駆動によりバルブ開閉機構500を介して開閉バルブ430を閉じさせることができる(図7(B)参照)。このとき、開閉バルブ430と一体のカム254aが図10中C2方向に所定量回動し、バルブオープナ251の端部251cをカム254aにて付勢部材253に抗して押し上げ、すなわちバルブオープナ251を図7(A)中B1方向に所定量回動させるので、バルブオープナ251の当接部251bを操作用タブ241bとの当接位置αに配置させることができる。かくして、バルブオープナ251は、制御部CONTの指示に基づいて、操作用タブ241bとの当接位置αと該当接位置αから退避させる退避位置βとの間で所定のタイミングで揺動することができる。
【0086】
このように薬剤分配装置A1は、バルブ開閉機構500が開閉バルブ430を閉じさせるときには散薬分配機構250がバルブオープナ251を操作用タブ241bとの当接位置αに配置させ、バルブ開閉機構500が開閉バルブ430を開放させるときには散薬分配機構250がバルブオープナ251を当接位置αから退避させる退避位置βに配置させることで、開閉バルブ430の開閉及びバルブオープナ251の配置を単一の駆動部700による駆動で行うように構成されている。
【0087】
図2に示すように、トップタブレット110は、それぞれが錠剤タブレット140の複数の錠剤マス142に対応する複数のトップタブレット開口部111と該複数のトップタブレット開口部111以外のトップタブレット閉塞領域112とを有し、錠剤タブレット140の上方において、固定配置されている。
【0088】
タブレットシャッタ120は、それぞれが錠剤タブレット140の複数の錠剤マス142に対応する複数のシャッタ開口部121と該複数のシャッタ開口部121以外のシャッタ閉塞領域122とを有し、錠剤タブレット140の上方、且つ、トップタブレット110の下方において、第1水平方向Xに揺動自在に配置されている。
【0089】
付勢部材130は、タブレットシャッタ120を第1移動方向X1へ移行させるために該移動方向X1において上流側から下流側に向けて付勢するものであり、ここではバネ部材である。
【0090】
錠剤タブレット140は錠剤タブレット係合部140aを、タブレットシャッタ120はタブレットシャッタ第1係合部124及びタブレットシャッタ第2係合部123を、トップタブレット110はトップタブレット係合部110aをそれぞれ有している。
【0091】
錠剤タブレット140及びタブレットシャッタ120は、複数のシャッタ開口部121と複数の錠剤マス142とが互いに対向する位置で、第1移動方向X1において錠剤タブレット係合部140aの上流側部分とタブレットシャッタ第1係合部124の下流側部分とが互いに係合し、また、トップタブレット110及びタブレットシャッタ120は、複数のトップタブレット開口部111とシャッタ閉塞領域122とが互いに対向するとともにトップタブレット閉塞領域112と複数のシャッタ開口部121とが互いに対向する位置で、第1移動方向X1においてトップタブレット係合部110aの上流側部分とタブレットシャッタ第2係合部123の下流側部分とが互いに係合する。
【0092】
さらに説明すると、タブレットシャッタ120は、ここでは、第1移動方向X1において最上流側端部120aに第1係合部124及び第2係合部123を有し、複数のシャッタ開口部121と複数の錠剤マス142とが互いに対向する位置で、第1係合部124と錠剤タブレット140の第1移動方向X1において最上流側端部140aとが互いに係合し、また、複数のトップタブレット開口部111とシャッタ閉塞領域122とが互いに対向するとともにトップタブレット閉塞領域112と複数のシャッタ開口部121とが互いに対向する位置で、第2係合部123とトップタブレット110の第1移動方向X1において最上流側端部110aとが互いに係合する。
【0093】
図11にタブレットシャッタ120のシャッタ開閉動作を説明するための図を示す。
【0094】
薬剤分配装置A1では、錠剤タブレット140が初期位置にあるときには、トップタブレット110及びタブレットシャッタ120をトップタブレット係合部110a及びタブレットシャッタ第2係合部123にて互いに係合させるとともに錠剤タブレット係合部140a及びタブレットシャッタ第1係合部124にて互いに係合させることでタブレットシャッタ120をトップタブレット110とともに配置させて付勢部材130(図2参照)にて第1移動方向X1上流側から下流側に張設させつつトップタブレット110及びタブレットシャッタ120を複数のトップタブレット開口部111とシャッタ閉塞領域122とが互いに対向するとともにトップタブレット閉塞領域112と複数のシャッタ開口部121とが互いに対向する位置であって複数のトップタブレット開口部111から複数の錠剤マス142への錠剤投入路がシャッタ閉塞領域122にて遮断され得るシャッタ遮断位置に配置させる(図11(A)参照)。
【0095】
また、錠剤タブレット140が前記初期位置から第2移動方向X2に移動するときには、錠剤タブレット140及びタブレットシャッタ120を錠剤タブレット係合部140a及びタブレットシャッタ第1係合部124にて互いに係合させることでタブレットシャッタ120を錠剤タブレット140とともに移動させて第4光検出センサ640による突起部370検出によりブラケット300に装着された錠剤タブレット140を停止させ、付勢部材130にて第1移動方向X1上流側から下流側に張設させつつトップタブレット110とタブレットシャッタ120と錠剤タブレット140とを複数のトップタブレット開口部111と複数のシャッタ開口部121と複数の錠剤マス142とが互いに対向する位置であって複数のトップタブレット開口部111から複数の錠剤マス142への錠剤投入路が連通され得るシャッタ開放位置に配置させる(図11(B)参照)。
【0096】
さらに、錠剤タブレット140が前記初期位置から第1移動方向X1に移動するとき及び前記初期位置より第1移動方向X1下流側位置から第2移動方向X2に移動するときには、トップタブレット110及びタブレットシャッタ120をトップタブレット係合部110a及びタブレットシャッタ第2係合部123にて互いに係合させることでタブレットシャッタ120をトップタブレット110とともに固定配置させて付勢部材130にて第1移動方向X1上流側から下流側に張設させつつトップタブレット110及びタブレットシャッタ120を前記シャッタ遮断位置に配置させる(図11(C)参照)。
【0097】
なお、タブレットシャッタ120がタブレットシャッタ第1係合部124のみを有し、錠剤タブレット140が前記初期位置及び前記初期位置より第1水平方向一方側X1にあるときには、付勢部材130の自然長によりタブレットシャッタ120をトップタブレット110とともに配置させることでトップタブレット110及びタブレットシャッタ120を前記シャッタ遮断位置に配置させてもよい。
【0098】
図12に図1に示す薬剤分配装置Aにおける制御部CONTの概略ブロック図を示す。
【0099】
図12に示すように、制御部CONTは、薬剤分配装置A1及び薬剤包装装置A2に接続されており、第1〜第4の光検出センサ610〜640、薬剤包装装置A2等からの入力信号に基づいて、ソレノイド710、ブラケット送りモータ810、薬剤包装装置A2等の動作を制御することができる。
【0100】
以上説明した薬剤分配装置A1を備えた薬剤分包装置Aでは、図1に示すように、錠剤分配処理部100のトップタブレット110の開口部111に錠剤が投入され、散薬分配処理部200の散薬収容部Sに散薬が投入される。このとき、錠剤分配処理部100のトップタブレット110の開口部111に投入された錠剤はタブレットシャッタ120にてせき止められており、開口部111内に留まっている(図11(A)も参照)。また、散薬分配処理部200の収容部Sから投入された散薬は、可動板S1の可動により収容部下方を開放させることによって散薬タブレット240に落下する。
【0101】
以下、
(a)個々の包装体H2に散薬及び錠剤をいずれも包装する場合、
(b)個々の包装体H2に散薬と錠剤とを交互に包装する場合、
(c)個々の包装体H2に散薬のみを包装する場合、及び
(d)個々の包装体H2に錠剤のみを包装する場合
に分けて説明する。
【0102】
(a)個々の包装体H2に散薬E及び錠剤Fをいずれも包装する場合
図13に薬剤分配装置A1の初期状態を示し、図14に分包動作開始前の状態を示す。
【0103】
なお、この図13及び図14について図(A)は平面から見た動作例を、図(B)は正面から見た動作例を、また図(C)は右側面から見た動作例を示す。後述する図15から図19についても同様である。
【0104】
図13に示すように、初期状態では、錠剤タブレット140及び散薬タブレット240を装着したブラケット300は、第2光検出センサ620による突起部360検出によりブラケット初期位置に配置されている。なお、このブラケット初期位置は、錠剤分配機構150のタブレットプレート151が第1列第1段目の錠剤バルブ141(図13(A)中斜線で示す錠剤バルブ)を開放させる位置及び散薬分配機構250のバルブオープナ251が第1列目の散薬バルブ241(図13(A)中斜線で示す散薬バルブ)を開放させる位置より散薬マスピッチP2の1ピッチ程度第1移動方向X1上流側の位置としている。
【0105】
このとき、ソレノイド710は、回転軸711が図13(C)(図10(A)も参照)に示すようにC2方向に所定量回転駆動されていて、開閉バルブ430がバルブ開閉機構500にて開状態になっており、バルブオープナ251の当接部251bが散薬分配機構250にて退避位置βに配置されている。
【0106】
そして分包開始が指示されると、制御部CONTは、分包動作にあたって、図14(C)(図10(B)も参照)に示すように、先ず、ソレノイド710に駆動を指示し、回転軸711を図中C1方向に回転駆動させ、開閉バルブ430をバルブ開閉機構500にて閉状態にさせるとともにバルブオープナ251の当接部251bを散薬分配機構250にて当接位置αに配置させる。
【0107】
次いで、制御部CONTは、ブラケット送りモータ810に駆動を指示し、モータ軸811を回転駆動させ、錠剤タブレット140及び散薬タブレット240を装着したブラケット300を第2移動方向X2に移動させる。そして第4光検出センサ640が突起部370を検出すると、今度はブラケット300を第1移動方向X1に移動させ、再び前記初期位置の方に戻す。この動作によって、図11(B)に示すように、トップタブレット110とタブレットシャッタ120と錠剤タブレット140とがシャッタ開放位置に配置され、複数のトップタブレット開口部111と複数のシャッタ開口部121と複数の錠剤マス142とが互いに対向し、複数のトップタブレット開口部111から複数の錠剤マス142への錠剤投入路が連通されるので、トップタブレット110でタブレットシャッタ120にて留まっていた錠剤Fが錠剤タブレットに落下する。
【0108】
さらに制御部CONTは、錠剤タブレット140及び散薬タブレット240を装着したブラケット300を前記初期位置からさらに第1移動方向X1に移動させる。このとき、図11(C)に示すように、トップタブレット110及びタブレットシャッタ120がシャッタ遮断位置に配置されており、複数のトップタブレット開口部111とシャッタ閉塞領域122とが互いに対向するとともにトップタブレット閉塞領域112と複数のシャッタ開口部121とが互いに対向しており、複数のトップタブレット開口部111から複数の錠剤マス142への錠剤投入路がシャッタ閉塞領域122にて遮断されている。また、このとき第1光検出センサ610はスリット部350を監視しており、その検出信号を制御部CONTに送る。
【0109】
第1光検出センサ610からの検出信号を受けた制御部CONTは、散薬マス242の散薬投入位置を認識し、錠剤タブレット140及び散薬タブレット240を装着したブラケット300が初期位置から散薬マスピッチP2移動した散薬投入位置で、ブラケット送りモータ810に駆動停止の指示を行い、該ブラケット300を一旦停止させる。このように薬剤分配装置A1は、ブラケット300を第1水平方向X一方側X1へ複数の散薬マス242の散薬マスピッチP2で間欠的に移動させることにより、錠剤タブレット140及び散薬タブレット240を一体的に散薬マスピッチP2で間欠的に移動させるように構成されている。
【0110】
この錠剤タブレット140及び散薬タブレット240を装着したブラケット300の第1移動方向X1の移動により、第1列第1段目の錠剤マス142の錠剤バルブ141及び第1列目の散薬マス242の散薬バルブ241が開状態となり、散薬Eが散薬マス242から落下するとともに錠剤Fが錠剤マス142から落下する。
【0111】
図15から図17に個々の包装体H2に散薬E及び錠剤Fのいずれも包装する動作の一例を説明するための図を示す。
【0112】
散薬マス242から落下した散薬Eは、図15(B)に示すように、薬剤ホッパ410を通過し、包装シートHに投入される。一方、錠剤マス142から落下した錠剤Fは、錠剤ホッパ420にて薬剤ホッパ410の方に導かれる。このとき、図15(B)及び図15(C)に示すように、開閉バルブ430は閉状態になっているので、錠剤ホッパ420を通過する錠剤Fは開閉バルブ430に受け止められ、包装シートHには到達していない。
【0113】
次に制御部CONTは、図16(C)(図10(A)も参照)に示すように、ソレノイド710に駆動を指示し、回転軸711を図中C2方向に回転駆動させ、開閉バルブ430をバルブ開閉機構500にて開状態にさせるとともにバルブオープナ251の当接部251bを散薬分配機構250にて退避位置βに配置させる。すると開閉バルブ430に受け止められていた錠剤Fは、薬剤ホッパ410を通過し、包装シートHに投入される。
【0114】
このようにバルブ開閉機構500は、ブラケット300が第1水平方向X一方側X1へ複数の散薬マス242の散薬マスピッチP2移動するごとに、ブラケット300の移動に先立って開閉バルブ430を閉じさせ、該ブラケット300の移動により散薬タブレット240からの散薬進入経路を通過する散薬Eが包装シートHに投入された後に、開閉バルブ430を開放させるように構成されている。
【0115】
その後、制御部CONTは、薬剤包装装置A2に薬剤包装動作を指示する。制御部CONTにて薬剤包装を指示された薬剤包装装置A2は、図17に示すように、散薬E及び錠剤Fが投入された包装シートHにヒートシールH1を行い、個々に区画された包装体H2を形成するとともに、次の散薬E及び錠剤Fを投入するために包装シートHを図17(B)中W方向に1包装体分移行させ、次の薬剤投入に備える。
【0116】
次に制御部CONTは、図17(C)(図10(B)も参照)に示すように、第1水平方向X一方側X1へのブラケット300の移動に先立って、ソレノイド710に駆動を指示し、回転軸711を図中C1方向に回転駆動させ、開閉バルブ430をバルブ開閉機構500にて閉状態にさせるとともにバルブオープナ251の当接部251bを散薬分配機構250にて当接位置αに配置させる。
【0117】
その後、制御部CONTは、ブラケット送りモータ810に駆動を指示し、モータ軸811を回転駆動させ、図17に示すように、錠剤タブレット140及び散薬タブレット240を装着したブラケット300を第1移動方向X1にさらに散薬マスピッチP2移動させる。以下、散薬Eについて第2列目〜第21列目まで、錠剤Fについて第1列第2段目〜第7列第3段目まで、前述した動作と同様の動作を繰り返す。
【0118】
かかる分包動作が終了すると、制御部CONTは、ソレノイド710に駆動を指示し、回転軸711を図10(A)に示すようにC2方向に回転駆動させ、開閉バルブ430をバルブ開閉機構500にて開状態にさせるとともにバルブオープナ251の当接部251bを散薬分配機構250にて退避位置βに配置させる。その後、ブラケット300を反転させ、さらに第2光検出センサ620による突起部360検出にてブラケット300を初期位置に停止させ、次の薬剤分包に備える。
【0119】
(b)個々の包装体H2に散薬Eと錠剤Fとを交互に包装する場合
図18及び図19に個々の包装体H2に散薬Eと錠剤Fとを交互に包装する動作の一例を説明するための図を示す。
【0120】
錠剤マス142から開閉バルブ430閉状態の錠剤ホッパ420への錠剤Fの落下、及び散薬マス242から包装シートHへの散薬Eの落下までの動作は、既述した動作と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0121】
以下、前記(a)の包装体H2に散薬E及び錠剤Fのいずれも包装する場合とは異なる点を中心に説明する。
【0122】
散薬E及び錠剤Fの落下動作の後、制御部CONTは、薬剤包装装置A2に薬剤包装動作を指示する。制御部CONTにて薬剤包装を指示された薬剤包装装置A2は、図18(B)に示すように、散薬Eのみが投入された包装シートHにヒートシールH1を行い、個々に区画された包装体H2を形成するとともに、開閉バルブ430に受け止められていた錠剤Fを投入するために包装シートHを図中W方向に1包装体分移行させ、該錠剤Fの投入に備える。
【0123】
次に制御部CONTは、図19(C)に示すように、ソレノイド710に駆動を指示し、回転軸711を図中C2方向に回転駆動させ、開閉バルブ430をバルブ開閉機構500にて開状態にさせるとともにバルブオープナ251の当接部251bを散薬分配機構250にて退避位置βに配置させる。すると開閉バルブ430に受け止められていた錠剤Fは、薬剤ホッパ410を通過し、包装シートHに投入される(図19(B)参照)。
【0124】
さらに制御部CONTは、薬剤包装装置A2に薬剤包装動作を指示し、制御部CONTにて薬剤包装を指示された薬剤包装装置A2は、錠剤Fのみが投入された包装シートHにヒートシールH1を行い、個々に区画された包装体H2を形成するとともに、次の散薬Eを投入するために包装シートHを図中W方向に1包装体分移行させ、次の散薬E投入に備える。
【0125】
次に制御部CONTは、第1水平方向X一方側X1へのブラケット300の移動に先立って、ソレノイド710に駆動を指示し、回転軸711を図中C1方向に回転駆動させ、開閉バルブ430をバルブ開閉機構500にて閉状態にさせるとともにバルブオープナ251の当接部251bを散薬分配機構250にて当接位置αに配置させる。
【0126】
その後、制御部CONTは、ブラケット送りモータ810に駆動を指示し、モータ軸811を回転駆動させ、錠剤タブレット140及び散薬タブレット240を装着したブラケット300を第1移動方向X1にさらに散薬マスピッチP2移動させる。以下、散薬Eについて第2列目〜第21列目まで、錠剤Fについて第1列第2段目〜第7列第3段目まで、前述した動作と同様の動作を繰り返す。
【0127】
かかる分包動作が終了すると、制御部CONTは、ソレノイド710に駆動を指示し、開閉バルブ430をバルブ開閉機構500にて開状態にさせるとともにバルブオープナ251の当接部251bを散薬分配機構250にて退避位置βに配置させる。その後、ブラケット300を反転させ、さらに第2光検出センサ620による突起部360検出にてブラケット300を初期位置に停止させ、次の薬剤分包に備える。
【0128】
(c)個々の包装体H2に散薬Eのみ包装する場合
前記(a)の個々の包装体H2に錠剤F及び散薬Eのいずれも包装する場合において、図11(B)に示すようなトップタブレット110でタブレットシャッタ120にて留まっていた錠剤Fの錠剤タブレットへの落下動作を行わないことで、個々の包装体H2に対して散薬Eのみの包装がなされる。
【0129】
(d)個々の包装体H2に錠剤Fのみ包装する場合
前記(a)の個々の包装体H2に錠剤F及び散薬Eのいずれも包装する場合において、錠剤タブレット140及び散薬タブレット240を装着したブラケット300の第1移動方向X1への移動の間中、図7(A)に示すように、バルブオープナ251の当接部251bを退避位置βに配置させることで、個々の包装体H2に対して錠剤Fのみの包装がなされる。
【0130】
なお、前記の(a)から(d)のうち少なくとも二つを組み合わせた動作を行ってもよい。また、錠剤タブレット140及び散薬タブレット240を装着したブラケット300の第1移動方向X1への移動において、任意の列の散薬マスについて、図7(A)に示すように、バルブオープナ251の当接部251bを退避位置βから当接位置αに配置させ、さらに当接位置αから退避位置βに配置させることで、任意の包装体H2に対して散薬Eを包装してもよい。
【0131】
以上説明した散薬タブレット240を備えた薬剤分配装置A1及び装置A1を備えた薬剤分包装置Aでは、散薬分配機構250におけるバルブオープナ251が、散薬タブレット240の第1水平方向一方側X1への移動により、各散薬バルブ241が第1水平方向Xに略平行になるように保持されているときの操作用タブ241bに対応する位置で該操作用タブ241bに当接することで該操作用タブ241bの散薬バルブ241を開放させることができる。
【0132】
このように散薬タブレット240及び薬剤分配装置A1並びに薬剤分包装置Aによると、薬剤分配装置A1において散薬バルブ241を開放させるバルブオープナ251を備えているだけなので、タブレット移動のためのタブレット駆動手段とは別に、散薬バルブ開放のためのバルブ駆動手段を設ける必要がなく、従って、従来に比べ駆動手段の構成を簡素化でき、それだけコストダウンを実現できる。
【0133】
また、図4に示すように、錠剤タブレット140及び散薬タブレット240がブラケット300に着脱可能に保持されるので、錠剤タブレット140や散薬タブレット240をブラケット300から着脱した状態で清掃することができ、それだけ錠剤タブレット140及び散薬タブレット240の清掃を容易に行うことができる。また、散薬タブレット240は、該散薬タブレット240の取扱いを容易にするための取っ手245を備えているので、ブラケット300に対し容易に着脱することができる。
【0134】
さらに、開閉バルブ430は、薬剤投入部400における錠剤タブレット140からの錠剤進入経路の途中に配置されており、バルブ開閉機構500にて開閉バルブ430を所定のタイミングで開閉させることができるので、錠剤タブレット140及び散薬タブレット240を保持したブラケット300の水平方向X一方側X1への移動に先立ち、開閉バルブ430を閉状態にしておき、ブラケット300の水平方向一方側X1への移動により、先ず、錠剤タブレット140からの進入経路を通過する錠剤Fを開閉バルブ430にて留めておくとともに散薬タブレット240からの進入経路を通過する散薬Eのみを包装シートHに投入して包装した後、開閉バルブ430を開状態にし、開閉バルブ430にて留められていた錠剤Fのみを包装シートHに投入して包装することができる。また、錠剤タブレット140及び散薬タブレット240を保持したブラケット300の水平方向一方側X1への移動の際に、開閉バルブ430を常に開状態にしておくことで、散薬E及び錠剤Fをいずれも包装シートHに投入して包装することができる。
【0135】
さらに、単一の駆動部700で開閉バルブ430の開閉とバルブオープナ251の配置とを行うことができるので、コストダウンを実現できる。
【0136】
本例では、錠剤タブレット140は、複数の錠剤マス142が第1水平方向Xに7列を錠剤マスピッチP1で形成し、且つ、第2水平方向Yに3段を形成するように構成され、散薬タブレット240は、複数の散薬マス242が第1水平方向Xに少なくとも21列を散薬マスピッチP2で形成するように構成されているが、図20に示すように、散薬タブレット240は、複数の散薬マス242が第1水平方向Xに少なくともg列(図示例では45列)を散薬マスピッチP2で形成するように構成され、錠剤タブレット140は、複数の錠剤マス142が第2水平方向Yにh段(図示例では6段)を第2錠剤マスピッチPで形成し、且つ、複数の錠剤マス142が第1水平方向Xにi列(iはgをhで割って得られる商の数、図示例では7列)を第1錠剤マスピッチP1で形成するとともにi+1列目(図示例では8列目)にj段(jはgをhで割って得られるあまりの数、図示例では3段)形成するように構成されていてもよい。図20における錠剤タブレット140は、右端部分の網掛け部のマスを使用しない状態(マスを埋めた状態)で45包の分包を可能とするものである。
【符号の説明】
【0137】
140…錠剤タブレット、141…錠剤バルブ、142…錠剤マス、
150…錠剤分配機構、240…散薬タブレット、241…散薬バルブ
241a…支点部、241b…操作用タブ、242…散薬マス
250…散薬分配機構、251…バルブオープナ、300…ブラケット
400…薬剤投入部、430…開閉バルブ、500…バルブ開閉機構
700…駆動部、A…薬剤分包装置、A1…薬剤分配装置、H…包装シート
P1…錠剤マスピッチ、P2…散薬マスピッチ、X…第1水平方向
X1…第1移動方向、Y…第2水平方向、α…当接位置、β…退避位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが散薬バルブを有する複数の散薬マスであって第1水平方向に所定の散薬マスピッチで並設された複数の散薬マスを備え、前記複数の散薬バルブは、それぞれ前記第1水平方向に略平行になるように保持可能に、且つ、前記バルブ保持姿勢において前記第1水平方向と略直交する第2水平方向に沿った支点部で回動自在に支持されるとともに、該バルブを開放させるための操作用タブを有しており、該操作用タブが前記バルブ保持姿勢において前記支点部の前記第2水平方向両外側端のうち少なくとも一方の外側端近傍に該外側端近傍から水平面に対して略垂直方向に延びている散薬タブレットと、
該散薬タブレットを前記第1水平方向一方側へ移動させることにより、前記散薬バルブを順次開放させる散薬分配機構とを備え、
前記散薬分配機構は、前記散薬タブレットの前記第1水平方向一方側への移動により、前記各散薬バルブが前記第1水平方向に略平行になるように保持されているときの前記操作用タブに対応する位置で該操作用タブに当接させることで該操作用タブの散薬バルブを開放させるための当接部を有するバルブオープナを備えていることを特徴とする薬剤分配装置。
【請求項2】
前記散薬分配機構は、前記散薬タブレットの前記第1水平方向一方側への移動により、前記バルブオープナで開放させた前記散薬バルブに対応する位置で該散薬バルブに当接させることで該散薬バルブを閉じさせるバルブクローズ部材をさらに備えている請求項1記載の薬剤分配装置。
【請求項3】
それぞれが錠剤バルブを有する複数の錠剤マスであって第1水平方向に所定の錠剤マスピッチで並設された複数の錠剤マスを備えた錠剤タブレットを前記第1水平方向一方側へ移動させることにより、前記錠剤バルブを順次開放させる錠剤分配機構と、
前記錠剤タブレット及び前記散薬タブレットを保持するブラケットとをさらに備え、
前記ブラケットを前記第1水平方向一方側へ移動させることにより、前記錠剤タブレット及び前記散薬タブレットを一体的に移動させるように構成した請求項1又は2記載の薬剤分配装置。
【請求項4】
前記ブラケットは、前記錠剤タブレット及び前記散薬タブレットを着脱可能に保持する請求項3記載の薬剤分配装置。
【請求項5】
前記散薬分配機構は、前記バルブオープナを前記操作用タブとの当接位置と該当接位置から退避させる退避位置との間で所定のタイミングで選択的に配置させるように構成されている請求項1から4のいずれかに記載の薬剤分配装置。
【請求項6】
前記錠剤タブレット及び前記散薬タブレットからの薬剤を受け入れるとともに該受け入れられた薬剤を包装用部材に投入するための薬剤投入部であって前記錠剤タブレットからの錠剤進入経路の途中に、該錠剤を開放又は遮断するために開閉自在に配置された開閉バルブを有する薬剤投入部と、
前記開閉バルブを所定のタイミングで開閉させるバルブ開閉機構と
をさらに備えている請求項1から5のいずれかに記載の薬剤分配装置。
【請求項7】
前記バルブ開閉機構が前記開閉バルブを閉じさせるときには前記散薬分配機構が前記バルブオープナを前記当接位置に配置させ、前記バルブ開閉機構が前記開閉バルブを開放させるときには前記散薬分配機構が前記バルブオープナを前記退避位置に配置させることで、前記開閉バルブの開閉及び前記バルブオープナの配置を単一の駆動部による駆動で行うように構成した請求項6記載の薬剤分配装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の薬剤分配装置を備えたことを特徴とする薬剤分包装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−189860(P2009−189860A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−125381(P2009−125381)
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【分割の表示】特願2003−4753(P2003−4753)の分割
【原出願日】平成15年1月10日(2003.1.10)
【出願人】(593129342)高園産業株式会社 (232)
【Fターム(参考)】