説明

薬剤払出装置

【課題】バイアル瓶に一旦充填された薬剤を薬剤カセット(薬剤収容容器)に戻す場合を典型例とする薬剤カセットへの薬剤の補給作業において薬剤の有効期限管理を適切に支援できる薬剤払出装置を提供すること。
【解決手段】処方内容に応じた種類及び量の薬剤を薬剤カセット(薬剤収容容器)からバイアル瓶(提供用容器)へ充填することによって薬剤の払い出しを行う薬剤払出手段によりバイアル瓶に充填された薬剤の有効期限の特定に用いる前記有効期限特定用情報をバイアル瓶から読み取り(S202),前記有効期限特定用情報で特定されるバイアル瓶に充填された薬剤の有効期限が,バイアル瓶に充填された薬剤に対応する薬剤カセットに収容されている薬剤の有効期限よりも早い若しくは所定期間以上早い場合に(S205のNo側)、所定の警報表示を行う(S215)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,各々特定の薬剤を収容する複数の薬剤収容容器から各患者への薬剤の処方内容に応じた種類及び量の薬剤を払い出す薬剤払出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
薬局等に設置される薬剤払出装置(或いは薬剤分配装置)は,各々特定の薬剤(主として錠剤)を収容する容器である複数の薬剤カセット(薬剤収容容器の一例)各々から,各患者への薬剤の処方内容に応じた種類及び数量の薬剤をバイアル瓶とよばれる所定の容器(提供用容器の一例)各々へ充填することによって薬剤を処方ごとに分けて払い出すものである。このようにして薬剤が充填されたバイアル瓶が患者に提供される。また,このような薬剤払出装置は,通常,薬剤がバイアル瓶に充填される際に,そのバイアル瓶にその薬剤の処方に関する各種情報を記録する情報記録機能を備えている。一般にこの情報記録機能は,薬剤の処方に関する情報をラベルに記録し,そのラベルをバイアル瓶に貼付する機能である。このラベルには,薬剤の名称や用法等を表す文字情報の他,当該薬剤の処方を識別する情報(処方識別情報)がバーコード等により記録される。
ところで,米国の薬局等では,患者に処方された薬剤を提供する場合,薬剤が処方された患者からの薬剤引き取りの予約や医師から発行された処方箋の受け取り等に応じて,薬剤の処方に応じた薬剤を薬剤払出装置によって予めバイアル瓶に充填させ,その後,患者が薬剤を引き取りに来た際にそのバイアル瓶を引き渡す(提供する)といった運用が行われることがある。以下,このような運用を事前払い出しという。
このような事前払い出しが行われたにもかかわらず,患者がその薬剤(バイアル瓶)を所定期間内に引き取りに来なかった場合,その薬剤を無駄にしないため,バイアル瓶から元の薬剤カセットに薬剤が戻される。この作業を以下,薬剤戻しという。特に米国においては,このような薬剤戻しの頻度が高い。
薬剤戻しの際,その薬剤を戻すべき薬剤カセットを誤ると,医療事故につながるため,正しい薬剤カセットに薬剤が戻されるようにすることが極めて重要になる。しかしながら,多忙な医療現場において,人の注意力のみに頼って薬剤戻し作業における誤り防止を期待することは難しい。
一方,特許文献1には,補充用の薬剤が入った容器(容器45)から薬剤カセット(セル12)に薬剤を補充する際に,補充用の容器と薬剤カセットとの各々に記されたバーコード等の証印をバーコードリーダ等で読み取り,両証印の照合によって補充用の容器内の薬剤と薬剤カセット内の薬剤とが一致するかどうかを判定する技術が示されている。この技術における補充用の容器をバイアル瓶に置き換えて適用すれば,上記薬剤戻し作業における誤り防止に寄与し得る。
【特許文献1】特表平11−513954号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで,一般に,薬剤には有効期限があるため,その期限を経過した薬剤が薬剤収容容器(薬剤カセット)に補給されると,医療事故につながり得るため,薬剤収容容器に補給される薬剤の有効期限管理が重要である一方,薬剤戻しが生じた場合における薬剤の有効期限管理を適切に支援する機能を従来の薬剤払出装置は備えていない。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,バイアル瓶に一旦充填された薬剤を薬剤カセット(薬剤収容容器)に戻す場合を典型例とする薬剤カセットへの薬剤の補給作業において薬剤の有効期限管理を適切に支援できる薬剤払出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために本発明は,複数の薬剤収容容器(前記薬剤カセットがその典型例)と,処方内容に応じた種類及び量の薬剤を前記薬剤収容容器から提供用容器(前記バイアル瓶がその典型例)へ充填することによって薬剤の払い出しを行う薬剤払出手段と,前記薬剤払出手段により前記提供用容器に充填された薬剤の有効期限の特定に用いる前記有効期限特定用情報を前記提供用容器から読み取る有効期限特定用情報読取手段と,前記有効期限特定用情報読取手段により読み取られた前記有効期限特定用情報で特定される前記提供用容器に充填された薬剤の有効期限が,前記提供用容器に充填された薬剤に対応する前記薬剤収容容器に収容されている薬剤の有効期限よりも早い若しくは所定期間以上早い場合に所定の警報表示を行う有効期限警報通知手段と,を備えてなる薬剤払出装置として構成される。
本発明によれば,薬剤収容容器に,既に収容されている薬剤よりも有効期限が早い若しくは所定期間以上早い薬剤(古い薬剤)が補給されるといった不都合を防止することができる。
【0005】
また,前記薬剤払出装置は,前記提供用容器各々に充填された薬剤の有効期限と前記薬剤に対応する前記有効期限特定用情報とが関連付けられた払出履歴情報が記憶された第1の有効期限記憶手段をさらに備えてなる構成が考えられる。ここで,前記有効期限警報通知手段は,前記有効期限特定用情報及び前記第1の有効期限記憶手段に記憶された前記払出履歴情報で特定される前記提供用容器の薬剤の有効期限が,前記提供用容器に充填された薬剤に対応する前記薬剤収容容器に収容されている薬剤の有効期限よりも早い若しくは所定期間以上早い場合に所定の警報表示を行うものである。
【0006】
前記払出履歴情報は,前記提供用容器各々に充填された薬剤の有効期限と前記薬剤に対応する前記有効期限特定用情報と前記提供用容器に充填された薬剤が収容されている前記薬剤収容容器を識別する識別情報とが関連付けられたものであることが考えられる。ここで,前記有効期限警報通知手段は,前記有効期限特定用情報及び前記払出履歴情報で特定される前記提供用容器の薬剤の有効期限が,前記有効期限特定用情報及び前記払出履歴情報で特定される前記識別情報に対応する前記薬剤収容容器に収容されている薬剤の有効期限よりも早い若しくは所定期間以上早い場合に所定の警報表示を行うものである。
【0007】
また,前記薬剤払出装置は,前記識別情報と前記薬剤収容容器に収容されている薬剤の有効期限とが関連付けられた薬剤補給履歴情報が記憶された第2の有効期限記憶手段をさらに備えてなることが考えられる。ここで,前記有効期限警報通知手段は,前記有効期限特定用情報及び前記払出履歴情報で特定される前記提供用容器の薬剤の有効期限が,前記識別情報及び前記第2の有効期限記憶手段に記憶された前記薬剤補給履歴情報で特定される前記薬剤収容容器に収容されている薬剤の有効期限よりも早い若しくは所定期間以上早い場合に所定の警報表示を行うものである。
【0008】
前記薬剤補給履歴情報は,前記識別情報と前記薬剤収容容器に収容されている薬剤の有効期限と前記薬剤収容容器への薬剤の補給が行われた月日を示す補給月日情報とが関連付けられた複数の補給履歴データを含むものであることが考えられる。ここで,前記薬剤収容容器に現在収容されている薬剤の有効期限は,複数の前記補給履歴データの中で前記補給月日情報が示す月日が最も新しいものに含まれる前記薬剤の有効期限である。
【0009】
また,薬剤切れが生じた前記薬剤収容容器への薬剤補給が完了した場合に,前記薬剤補給履歴情報に含まれた前記薬剤収容容器に収容されている薬剤の有効期限の初期設定を行う制御部を備えてなることが考えられる。
【0010】
具体的に,前記制御部は,前記薬剤収容容器に収容されている薬剤の有効期限を,操作部に対して任意に入力された初期値,又は前記薬剤の補給元の容器から読み取って入力された初期値に設定するものである。
【0011】
また,前記薬剤払出装置は,前記有効期限特定用情報を前記提供用容器に記録する有効期限特定用情報記録手段をさらに備えてなることが考えられる。
【0012】
前記提供用容器に,前記有効期限特定用情報が記録されたラベルが貼付されてなり,前記有効期限特定用情報読取手段が,前記ラベルから前記有効期限特定用情報を読み取るものであることが考えられる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば,薬剤収容容器に,既に収容されている薬剤よりも有効期限が早い若しくは所定期間以上早い薬剤(古い薬剤)が補給されるといった不都合を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施形態に係る薬剤払出装置X本体の斜視図及び部分拡大図,図2は薬剤払出装置Xの主要部の構成を表すブロック図,図3は薬剤払出装置Xにおける薬剤払出処理の手順を表すフローチャート,図4は薬剤払出装置Xにおける薬剤引渡等の処理の手順を表すフローチャート,図5は薬剤払出装置Xにおける薬剤補給時処理の手順を表すフローチャート,図6は薬剤払出装置Xに関係する各種データベース及びデータの構成を表す図,図7は薬剤払出装置Xにおける薬剤補給時処理の際の画面例を表す図,図8は薬剤払出装置Xによりバイアル瓶に貼付されるラベルの一例を表す図である。
本発明の実施形態に係る薬剤払出装置Xは,薬局等に設置され,各々特定の薬剤(ここでは,錠剤であるものとする)を収容する容器である複数の薬剤カセット各々から,各患者への薬剤の処方内容に応じた種類及び数量の薬剤をバイアル瓶とよばれる所定の容器(提供用容器の一例)各々へ充填することによって薬剤を処方ごとに分けて払い出すものである。そして,このようにして薬剤が充填されたバイアル瓶が患者に提供される。
ここで,薬剤払出装置Xの特徴は,薬剤の特定に用いる所定の情報(薬剤特定用情報)を入力することにより,その入力情報に対応する薬剤を収容する薬剤カセットが装着されているカセット棚が特定され,その特定されたカセット棚に設けられた棚ランプ(表示部の一例)が所定の通報表示状態となるよう制御される点にある。これにより,多数の薬剤カセットの中から,薬剤補給先となる薬剤カセット及びそれが装着されるカセット棚を特定する作業を的確化及び効率化することができる。
【0015】
まず,図1に示す斜視図及び図2に示すブロック図を参照しつつ,薬剤払出装置Xの構成について説明する。
薬剤払出装置Xは,図2に示すように,大きく分けて本体装置100と管理計算機200とから構成されている。
また,本体装置100は,図1に示すように,各々特定の薬剤を収容する複数の薬剤カセット1(薬剤収容容器の一例)と,当該本体装置100の一面に複数配列され,薬剤カセット1各々が装着される部分であって各々所定の表示部である棚ランプ3が設けられたカセット棚2(容器装着部の一例)と,各患者への薬剤提供用の容器であるバイアル瓶が空の状態で収容されるバイアル瓶収容部5とを備えている。
さらに,本体装置100は,図2に示すように,カセットセンサ101,瓶取出・搬送機102,薬剤充填機103,薬剤カウンタ104,通信インターフェース105,ラベル出力機106,バーコードリーダ107,表示・操作部108及び制御部109等を備えている。以下,各構成要素について説明する。
【0016】
カセットセンサ101は,カセット棚2各々について,薬剤カセット1の着脱状態を検知するセンサ(容器着脱検知手段の一例)であり,装着された薬剤カセット1に接触して変位する所定の変位部の変位状態を検出する接触型スイッチや,透過型或いは反射型のフォトセンサ(フォトカップラ)等の非接触型スイッチ等により構成されるものである。
瓶取出・搬送機102は,バイアル瓶収容部5に収容された空のバイアル瓶を取り出すとともに,そのバイアル瓶を各患者への薬剤の処方内容に応じた種類の薬剤を収容する薬剤カセット1の装着部であるカセット棚2まで搬送し,そのカセット棚2において薬剤カセット1から薬剤が充填されたバイアル瓶を,さらに本体装置100前面の薬剤払出口4(図1参照)まで搬送するアクチュエータである。
薬剤充填機103は,瓶取出・搬送機102によって所定のカセット棚2へ搬送されたバイアル瓶に,そのカセット棚2に装着されている薬剤カセット1から,各患者への薬剤の処方内容に応じた量(数)の薬剤を充填するアクチュエータである。一般には,瓶取出・搬送機102によってバイアル瓶とともに各カセット棚2に移動する回転駆動部と,薬剤カセット1各々に設けられ,前記回転駆動部によって回転駆動させられることにより当該薬剤カセット1内の薬剤(錠剤)を1錠ずつバイアル瓶側へ送り出す(落下させる)薬剤送り出し機構とを備え,前記回転駆動部の回転回数が制御されることにより,薬剤の充填量(充填個数)が制御される。
また,薬剤カウンタ104は,前記薬剤充填機103によって1錠ずつ薬剤が充填される際に,充填された薬剤の数を検知するセンサである。例えば,落下する薬剤に接触して変位する変位部の変位状態を検知する接触式スイッチや,透過型或いは反射型のフォトセンサ(フォトカップラ)等の非接触型スイッチ等のON/OFF変化の回数によって薬剤の充填数(充填量)を検知するものである。
ここで,瓶取出・搬送機102,薬剤充填機103及び薬剤カウンタ104が,各患者への薬剤の処方内容に応じた種類及び量(数)の薬剤を薬剤カセット1からバイアル瓶(提供用容器)各々へ充填する薬剤充填手段の一例である。
【0017】
前記通信インターフェース105は,所定の通信線11を通じて接続された管理計算機200との間で通信を行うものである。ここで,管理計算機200は,所定のネットワーク10を通じて接続された外部装置であるホストコンピュータYと通信可能に構成されており,この管理計算機200を介して,ホストコンピュータYから送信される情報が本体装置100に伝送されるよう構成されている。
前記ラベル出力機106は,薬剤の処方に関する情報をラベルsに印刷(記録)し,そのラベルをバイアル瓶に貼付するものである。
図8に,ラベル出力機106によりバイアル瓶に貼付されるラベルsの一例を示す。図8に示すように,ラベルsには,各患者への薬剤の処方(処方箋)各々を識別する処方コード(処方識別情報の一例)がバーコードp1及び文字列情報p2として記録される他,処方された(即ち,バイアル瓶に充填された)薬剤の名称や用法,数量(錠数),使用期限,製造メーカ名等の薬剤情報p3,その薬剤の有効期限p4,処方を行った医師の名前等の医師情報p5,患者の名前や住所等の患者情報p6,各種コメント情報p7(注意書き等),及び当該薬剤の提供を行う薬局の名称や住所等の店舗情報p8等が記録される。
ラベル出力機106は,薬剤充填機103により薬剤が充填されるバイアル瓶各々に,処方コード(そのバーコードp1及び文字列情報p2)を初めとする図8に示すような各種情報を印刷したラベルを貼付することにより,その印刷情報をバイアル瓶に記録する(薬剤特定用情報記録手段及び有効期限特定用情報を記録する手段の一例)。なお,後述するように,処方コードは,払出履歴DBd4と照合されることによりバイアル瓶に充填された薬剤の特定に用いられる情報(薬剤特定用情報の一例)であるとともに,その薬剤の有効期限の特定に用いられる情報(有効期限特定用情報)でもある。
【0018】
前記バーコードリーダ107は,バイアル瓶に記録された処方コード(各患者への薬剤の処方を識別する情報)を表すバーコードを光学的に読み取るものである(薬剤特定用情報入力手段,薬剤特定用情報読取手段及び有効期限特定用情報の読取手段の一例)。ここで,処方コードは,後述するように薬剤や薬剤カセット1及びカセット棚2を特定するのに用いられる情報であるとともに,その薬剤の有効期限を特定することにも用いられる情報でもある。
前記表示・操作部108は,本体装置100の一部(図1参照)に設けられた液晶タッチパネルやELタッチパネル等であり,各種情報を表示する表示手段であるとともに,利用者による操作入力を受け付ける操作入力手段でもある。
前記制御部109は,CPU及びその周辺装置(RAM,ROM等)からなり,カセットセンサ101や薬剤カウンタ104等の各種センサの検出結果を入力するとともに,そのROMに予め記録された制御プログラムをCPUが実行することにより,本体装置100に設けられた各構成要素を制御するものである。
また,前記管理計算機200は,所定の通信線11を通じて本体装置100と接続され,さらに所定のネットワーク10を通じて外部のホストコンピュータYと接続されたパーソナルコンピュータ等の計算機であり,CPU及びその周辺装置(RAM,ROM等)からなる演算部の他,各種データやプログラムが記憶されるハードディスク等の記憶手段や,キーボードやマウス等の操作入力手段,液晶ディスプレイ等の表示手段等,一般的な計算機が備える各種構成要素を備えている。
【0019】
図6は,管理計算機200が備える記憶手段(ハードディスク等)に記憶される各種データベース(DB)及び当該薬剤払出装置Xが外部のホストコンピュータYから受信する処方箋データのデータ構成を表す図である。
図6に示すように,管理計算機200には,(a):薬剤マスタDB(d1),(b):カセットDB(d2),(d):払出履歴DB(d4)及び(e):薬剤補給履歴DB(d5)等のデータベースが記憶され,また,当該薬剤払出装置Xは,ホストコンピュータYから(c):各患者の処方箋データd3を受信する。
薬剤マスタDB(d1)は,薬剤の種類ごとにその薬剤に関する情報(薬剤情報)が対応付けられた情報であり,図6(a)に示すように,各薬剤の種類ごとに,その薬剤を識別する薬剤コードd11(NDC:NationalDrugCode)と,その薬剤名d12と,数量を管理するときの単位d13(枚,CAP,錠など)と,その薬剤の形態情報d14(錠剤
,カプセル,外用・貼付など),用法情報d15(摂取の周期やタイミング等),外観写真データd16,形状情報d17(円盤状,球状など),寸法情報d18及び色情報d19等とが関連付けられて記憶されたデータ群である。
また,カセットDB(d2)は,薬剤の種類とその薬剤を収容する薬剤カセット1が現在装着されているカセット棚2とが対応付けられた情報であり,図6(b)に示すように,薬剤カセット1が装着されるカセット棚2各々を識別する情報であるカセットコードd21(薬剤カセット1の装着位置の変更がなされない場合は,薬剤カセット1の識別情報ともいえる)と,そのカセット棚2の薬剤カセット1が収納する薬剤を識別する前記薬剤コードd11(NDC)と,そのカセット棚2の薬剤カセット1が現在収容している薬剤の残量(残数)情報d22等とが関連付けられて記憶されたデータ群である。このカセットDB(d2)は,各薬剤カセット1が装着されるカセット棚2が変更されるごとに,表示・操作部108を通じた操作入力等によって常に最新状態に更新されるデータベースである。
【0020】
また,処方箋データd3は,各患者への処方内容を表す情報であり,図6(c)に示すように,各患者への処方内容(処方箋)各々を識別する情報である処方コードd31と,処方された薬剤を表すNDC(d11)と,その薬剤名d12と,その薬剤の処方数量d32と,その薬剤を充填するバイアル瓶のサイズ(種類)を表す容器サイズd33と,前述のラベルs(図8参照)に記録(印刷)すべき各種情報を含むラベル印字情報d34等とが一組となったデータ群である。
また,払出履歴DB(d4)は,バイアル瓶への薬剤の充填及び払い出し(バイアル瓶の払出口4への搬送)が完了するごとにその履歴情報(以下,払出履歴情報という)が管理計算機200の記憶手段に追加記録(蓄積記憶)される情報であり,図6(d)に示すように,その払い出し(バイアル瓶への薬剤充填)が行われた日時を表す払出日時d41と,その払い出しに対応する薬剤の処方を識別する前記処方コードd31と,その払い出しがなされた薬剤を表す前記薬剤コードd11(NDC)と,その払い出しがなされた薬剤カセット1に対応するカセット棚2を表す前記カセットコードd21と,その払い出しの数量(払出数量d42)と,その払い出しがなされた薬剤の有効期限d43等とが関連付けられた払出履歴情報が蓄積記憶されたデータ群である。この払出履歴DB(d4)の記憶手段が,第1の有効期限記憶手段の一例である。
ここで,払出履歴DB(d4)及びカセットDB(d2)は,NDC(d11)を共通に有することにより,払出履歴DB(d4)の処方コードd31(各患者への薬剤の処方各々を識別する処方識別情報の一例)と,処方された薬剤を収容する薬剤カセット1が装着されているカセット棚2を識別するカセットDB(d2)におけるカセットコードd21とが対応付けられており,これらが処方・薬剤収容対応情報の一例である。この場合,薬剤払出処理(薬剤払出口4までバイアル瓶が搬送される処理)が行われるごとに,その薬剤充填に対応する処方コードd31を含む払出履歴情報が,処方・薬剤収容対応情報の一部を構成することになる。
なお,管理計算機200の記憶手段に記憶された払出履歴DB(d4)は,処方コードd31(各患者への薬剤の処方各々を識別する処方識別情報の一例)とカセットコードd21とが対応付けられており,薬剤カセット1の装着位置の変更が生じない場合には,これが処方・薬剤収容対応情報の一例であると捉えることもできる。この場合,払出履歴情報の集合である払出履歴DB(d4)が,処方・薬剤収容対応情報の全部を構成することになる。
【0021】
また,払出履歴DB(d4)において,処方コードd31に対し,薬剤コードd11及びその薬剤の有効期限情報d43が対応づけられているため,処方コードd31は,患者に処方された薬剤の特定に用いることができる薬剤特定用情報の一例であるとともに,その薬剤の有効期限の特定に用いることができる有効期限特定用情報の一例でもある。
さらに,管理計算機200の記憶手段に記憶されているカセットDB(d2)及び薬剤マスタDB(d1)は,NDC(d11)を共通に有することにより,各薬剤に関する薬剤情報d12〜d19と各薬剤を収容する薬剤カセット1が装着されているカセット棚2を識別するカセットコードd21(容器装着部識別情報の一例)とが対応付けられており,薬剤・収容対応情報の一例である。
なお,払出履歴DB(d4)に,払い出しがなされた薬剤の現在の処理状態(患者に「未引渡」,患者に「引渡済み」,元の薬剤カセット1に薬剤を「戻し済み」,のうちのいずれかの状態等)を表す情報を含めれば,既に払い出された薬剤(バイアル瓶)のうち,患者に未だ引き渡されていないものがどれだけ残っているか等の状況を把握できる点で好適である。
【0022】
また,薬剤補給履歴DB(d5)は,各カセット棚2の薬剤カセット1に薬剤が補給されるごとにその履歴(以下,補給履歴データという)が追加登録される情報であり,図6(e)に示すように,薬剤補給が行われた月日を表す補給月日情報d51と,薬剤カセット1が装着されるカセット棚2各々を識別する前記カセットコードd21と,補給した薬剤の種類を表す前記NDC(d11)と,補給した薬剤の数量を表す補給数量d52と,補給した薬剤の有効期限d53と,その薬剤補給を行った担当者を表す補給者情報d54等とが関連付けられて記憶されたデータ群である。この薬剤補給履歴DB(d5)の記憶手段が,第2の有効期限記憶手段の一例である。
ここで,カセットコードd21とNDC(d11)との組合せが指定されると,この薬剤補給履歴DB(d5)を参照(検索)することにより,その組合せに対応する補給履歴データが1又は複数特定される。その補給履歴データの中で,補給月日d51が最も新しいものに含まれる有効期限d53が,薬剤カセット1が現在収容している薬剤の有効期限を表す。
【0023】
次に,図3に示すフローチャートを参照しつつ,薬剤払出装置Xにおける薬剤の払出処理の手順について説明する。この薬剤の払出処理は,制御部109及び管理計算機200のCPU各々が所定の制御プログラムを実行することにより行われる処理である。以下,S101,S102,・・・は,処理手順(ステップ)の識別符号を表す。なお,以下に示す薬剤の払出処理は,従来の薬剤払出装置が実行する処理と同様のものである。
まず,管理計算機200により,ネットワーク10を介して接続された外部装置であるホストコンピュータYから,各患者の処方箋データd3が受信(S101)されると,管理計算機200によりその記憶手段に記憶されたデータベースの検索が行われ,受信した処方箋データd3に応じた薬剤を収容する薬剤カセット1及びその薬剤カセット1が装着されているカセット棚2を特定する処理が実行される(S102)。
具体的には,図6(c)に示したように,処方箋データd3には,薬剤コードd11(NDC)が含まれるため,このNDC(d11)を検索キーとしてカセットDB(d2)(図6(a)参照)を検索し,対応するカセットコードd21を特定する(取得する)。同時に,その薬剤のNDC(d11)と,そのカセットコードd21に基づき薬剤補給履歴DB(d5)を検索することにより特定される有効期限d53も取得する。
【0024】
次に(又は上記S101,S102の処理と並行して),制御部109が瓶取出・搬送機102を制御することにより,空のバイアル瓶がバイアル瓶収容部5から特定されたカセット棚2へ移動されるとともに,その移動途中で,ラベル出力機106により,図8に示したようなラベルsの印刷及びバイアル瓶への貼付が行われる。(S103)。
具体的には,ステップS102で特定されたカセットコードd21(カセット棚2の識別情報)と処方箋データd3に含まれている処方数量情報d32,容器サイズd33及びラベル印字情報d34とを含む所定の薬剤払出指令が,管理計算機200から通信線11及び通信インターフェース105を通じて制御部109に伝送され,この制御部109が,瓶取出・搬送機102を制御することにより,バイアル瓶収容部5から前記薬剤払出指令でカセットコードd21により指定されたカセット棚2への空のバイアル瓶の移動が行われる。
ここで,バイアル瓶収容部5は,バイアル瓶のサイズ(種類)ごとに区分して設けられており,瓶取出・搬送機102は,前記薬剤払出指令に含まれる容器サイズd33に対応したバイアル瓶収容部5から空のバイアル瓶を取り出して指定されたカセット棚2へ搬送する。また,図8に示したラベルsへの印刷情報p1〜p8は,ホストコンピュータYから受信された処方箋データd3(図6(c)参照)のラベル印字情報d35に含まれるものである。
さらに,ステップS103の処理でバイアル瓶の移動先となったカセット棚2の薬剤カセット1からバイアル瓶への薬剤充填処理が行われる(S104)。
具体的には,制御部109が薬剤充填機103を制御することにより,前記薬剤払出指令で指定された処方数量情報d32に従った数量分だけ,薬剤カセット1からバイアル瓶への薬剤充填動作が行われる。その際,薬剤カウンタ104により,前記処方数量情報d32に従った数量に到達するまで薬剤充填量のカウントが行われるとともに,カウントされた数量(以下,カウント数量という)が制御部109から管理計算機200に伝送され,管理計算機200において,カセットDB(d2)における残量情報d22が前記カウント数量分だけ減算されてデータ更新される。即ち,管理計算機200により,その記憶手段にカセットDB(d2)として記憶された薬剤カセット1各々における薬剤の残量情報d22が,薬剤充填機103による薬剤の充填量に応じて減算更新される(第1の薬剤残量更新手段の一例)。
【0025】
さらに,薬剤充填中に,制御部109により,薬剤カセット1内の薬剤切れが生じたか否かが監視(S105)されつつ,薬剤カウンタ104によるカウント数が処方数量情報d32の数量に達したか否かの判別により,薬剤充填が完了したか否かが判別される(S106)。
ここで,制御部109により,薬剤充填機103による薬剤充填動作が一定時間以上行われているにもかかわらず,薬剤カウンタ104による薬剤充填量がカウントアップされない状態が検知された場合には,薬剤カセット1内の薬剤切れであると判別される(S105のY側)。この場合,制御部109により,当該カセット棚2に設けられた棚ランプ3を点滅させるとともに,所定の警報ブザーにより警報音を出力させる(S109)。これにより,利用者に薬剤切れが生じたことを気付かせ,その薬剤カセット1への薬剤補給が促される。
そして,制御部109により,薬剤切れが生じた薬剤カセット1への薬剤補給が完了したことが検知(S110)されると,その旨が制御部109から管理計算機200に通知され,管理計算機200において,カセットDB(d2)における残量情報d22及びその薬剤カセット1のカセットコードd21に対応する有効期限情報d53が初期設定(S111)されるとともに,制御部109により棚ランプ3が消灯され(S112),処理がステップS104へ戻される。これにより,薬剤充填処理の続きが行われる。
ここで,薬剤補給完了の検知(判別)は,例えば,表示・操作部108を通じて所定の薬剤補給完了操作が検知されたことをもって薬剤補給完了と判別することや,ステップS109で棚ランプ3を点滅させたカセット棚2について,カセットセンサ101により,薬剤カセット1の取り外し及び装着が検知されたことをもって薬剤補給完了と判別すること等が考えられる。
【0026】
また,薬剤補給の際,特許文献1に示されるように,補給元の薬剤容器と薬剤カセット1との各々に,収容される薬剤を識別する薬剤コードd11を予めバーコードで記録しておき,両バーコード(薬剤コードd11)をバーコードリーダ107で読み取るとともに,読み取った薬剤コードd11の一致若しくは不一致の判定結果によって正しい薬剤補給が行われたか否かを判定することも考えられる。この場合,両薬剤コードd11が不一致と判定された場合に警報音を出力すること等が考えられる。
また,残量情報d22の初期値は,予め決まっている場合(例えば,補給元の薬剤の容器の容量が予め決まっている場合)はその初期値を管理計算機200等に予め記憶させておき,その値を自動的に設定することが考えられる。また,予め複数の初期値の候補が決まっている場合は,その候補を管理計算機200等に予め記憶させておき,その候補を表示・操作部108に表示させてその中から利用者に選択させるよう構成することが考えられる。その他,表示・操作部108を通じて利用者に初期値を数値入力させる構成も考えられる。
また,有効期限情報d53の初期値は,表示・操作部108を通じて利用者に数値入力させることや,薬剤の補給元の容器に予め有効期限情報をバーコードで記録しておき,これをバーコードリーダ107で読み取ることにより入力すること等が考えられる。
一方,ステップS106において,薬剤充填が完了したと判別されると,瓶取出・搬送機102により,薬剤充填が完了したバイアル瓶がカセット棚2から薬剤払出口4へ搬送される(薬剤の払い出し処理,S107)。
【0027】
以上のようにして薬剤の払い出し処理が正常に行われると,管理計算機200によってその払出履歴の記録処理,即ち,払出履歴DB(d4)(図6(d)参照)への払出履歴情報の追加登録(蓄積記憶)処理が行われ(S108),当該薬剤払出処理が終了する。この払出履歴情報には,図6(d)に示したように処方コードd31が含まれ,このステップS108の処理を行う管理計算機200が,払出歴情報蓄積手段の一例である。なお,ステップS107において,薬剤の払い出し処理がバイアル瓶の搬送不良等により正常に終了しなかった場合には,払出履歴DB(d4)へのデータの追加登録処理は行われない。
ここで,払出履歴情報として記録(登録)されるデータの取得元は,例えば以下の通りである。
即ち,払出日時d41は,管理計算機200等の計時手段(時計機能)により計時された現在日時が用いられ,処方コードd31及び薬剤コードd11並びに払出数量は,ホストコンピュータYから受信した処方箋データd3に含まれる処方コードd31及び薬剤コードd11並びに処方数量情報d32が用いられる。
また,カセットコードd21及び有効期限d43は,ステップS102でカセットDB(d2)から検索(特定)されたカセットコードd21,及びそのカセットコードd21とこれに対応するNDC(d11)とに基づいて薬剤補給履歴DBd5を参照(検索)することにより特定される有効期限d53(最新の補給月日d51に対応するもの)が用いられる。但し,有効期限d43については,薬剤補給履歴DB(d5)から検索された有効期限d53に所定の安全率を見込んだ期限とすること等も考えられる。
【0028】
次に,図4に示すフローチャートを参照しつつ,薬剤引渡等の処理の手順について説明する。この薬剤引渡等の処理も,制御部109及び管理計算機200のCPU各々が所定の制御プログラムを実行することにより行われる処理であり,表示・操作部108を通じて所定の操作がなされた場合に開始される。なお,以下に示す薬剤引渡等の処理も,後述する薬剤補給時処理(S132)の内容を除き,従来の薬剤払出装置が実行する処理と同様のものである。
まず,制御部109により,表示・操作部108を通じて所定の操作がなされたことが検知されると,その操作が,薬剤引渡処理の開始操作であるか否かが判別される(S121)。
この薬剤引渡処理とは,薬剤が充填されたバイアル瓶(払い出された薬剤)が患者に引き渡される際に行われる処理である。
ここで,薬剤引渡処理の開始操作であると判別されると,処理対象となるバイアル瓶(のラベルs)に記録された処方コードd31のバーコードを,バーコードリーダ107によって読み取る処理が行われる(S122)。
さらに,管理計算機200により,患者への薬剤引き渡しに伴う料金の決済処理等のその他の処理(S123)が行われた後,当該薬剤引渡等の処理が終了する。
このステップS123の処理において,管理計算機200により,バーコードリーダ107で読み取られた処方コードd31に基づく払出履歴DB(d4)の更新処理を行うことも考えられる。即ち,払出履歴DB(d4)において処方コードd31に対応付けて各データの処理状態を表す情報を記憶させておき,バーコードリーダ107によって読み取られた処方コードd31に対応するデータの処理状態を,初期値の「未引渡」から「引渡済」に更新する。或いは,該当するデータを削除することも考えられる。
このように,患者への薬剤引き渡しに応じて払出履歴DB(d4)の各データにおける前記処理状態を更新することにより,薬剤の払い出し(充填)がなされたバイアル瓶各々について(即ち,各患者への処方箋各々について),患者への引き渡しが既に行われたものと未だ行われていないものとを区別して管理(参照)することができる。
一方,ステップS121において,薬剤引渡処理の開始操作ではないと判別された場合,さらに,制御部109により,薬剤補給時の処理の開始操作であるか否かが判別され(S131),薬剤補給時の処理の開始操作であると判別された場合は,後に詳述する薬剤補給時処理(S132)が実行された後,当該薬剤引渡等の処理が終了する。
また,ステップS131において,薬剤補給時の処理を開始する操作ではない判別された場合は,その操作に対応したその他の処理(S141)が実行された後,当該薬剤引渡等の処理が終了する。
【0029】
次に,図5に示すフローチャートを参照しつつ,本薬剤払出装置Xの特徴をなす処理である,前記薬剤補給時処理(S132)の内容について詳述する。この薬剤補給時処理も,制御部109及び管理計算機200のCPU各々が所定の制御プログラムを実行することにより行われる処理である。
まず,制御部109により,表示・操作部108を通じて検知された操作が,薬剤戻し時の処理或いはその他の薬剤補給時の処理のいずれの開始操作であるかが判別される(S201)。
ここで,薬剤戻し時の処理とは,図3に示した処理によりバイアル瓶に充填して払い出された薬剤について,患者がその薬剤(バイアル瓶)を所定期間内に引き取りに来なかった等のために,その薬剤を無駄にしないようバイアル瓶から元の薬剤カセット1に薬剤を戻す際に行われる処理である。
一方,その他の薬剤補給時の処理とは,バーコード(処方コードd31)が記録されたバイアル瓶に収容されていない薬剤(例えば,誤って払い出された裸のままの錠剤)を,その薬剤と同じ薬剤を収容する薬剤カセット1に補給する際に行われる処理である。
【0030】
ステップS201において,薬剤戻し時の処理の開始操作であると判別されると,作業者によってバーコードリーダ107のバーコード読取り窓(読取り光の出力窓)にバイアル瓶のラベルsが近づけられることにより,薬剤戻しの対象となるバイアル瓶(のラベルs)に記録された処方コードd31のバーコードがバーコードリーダ107によって読み取られる(S202)。読み取られた処方コードd31は,バーコードリーダ107から管理計算機200へ伝送される。
次に,管理計算機200によりその記憶手段に記憶された払出履歴DB(d4)及びカセットDB(d2)の検索が行われ,バーコードリーダ107で読み取られた処方コードd31(薬剤特定用情報の一例)に対応した薬剤の払出履歴情報,及びその薬剤を収容する薬剤カセット1が装着されているカセット棚2を特定する処理が実行される(S203,容器装着部特定手段の一例)。
具体的には,払出履歴DB(d4)を検索することにより,バーコードリーダ107で読み取られた処方コードd31に対応する払出履歴情報を特定し,その払出履歴情報に含まれるNDC(d1)を検索キーとしてカセットDB(d2)を検索してカセットコードd21(カセット棚2の識別情報)を特定することによりカセット棚2を特定する。
なお,薬剤カセット1の装着位置の変更が生じない場合には,払出履歴DB(d4)からバーコードリーダ107で読み取られた処方コードd31に対応するカセットコードd21を検索することによってカセット棚2を特定するよう構成してもよい。
【0031】
次に,管理計算機200により,バイアル瓶から読み取られた処方コードd31に対応する払出履歴情報が払出履歴DB(d4)に存在するか否かが判別され(S204),存在しない(見つからない)と判別された場合は,管理計算機200から制御部109にその旨の通知がなされ,制御部109により,表示・操作部108を通じて所定の警報表示がなされるとともに,警報ブザー(不図示)を通じて警報音が出力(S214)された後,当該薬剤補給時処理は終了する。
また,バイアル瓶から読み取られた処方コードd31に対応する払出履歴情報が存在した場合でも,管理計算機200により,その払出履歴情報に含まれる有効期限d43が参照され,これが予め定められた許容条件に適合するか否かが判別される(S205)。ここで,有効期限d43が前記許容条件に適合しないと判別された場合は,管理計算機200から制御部109にその旨の通知がなされ,制御部109により,表示・操作部108を通じて所定の警報表示がなされるとともに,警報ブザー(不図示)を通じて警報音が出力(S215,有効期限警報通知手段の一例)された後,当該薬剤補給時処理は終了する。
一方,ステップS205において,有効期限d43が前記許容条件に適合すると判別された場合は,後述するステップS206へ処理が移行される。
【0032】
以下,有効期限d43の許容条件の例について説明する。
例えば,許容条件の一例としては,バーコードリーダ107(有効期限特定用情報読取手段の一例)により読み取られた処方コードd31(有効期限特定用情報の一例)に基づき特定された有効期限d43と,管理計算機200が備える計時手段(現在の日時を計時する時計機能)により計時される現在日時との比較により判別される条件が考えられる。
この場合,払出履歴DB(d4)に基づく有効期限d43が現在日時を過ぎている場合や,その有効期限d43が現在日時から予め定められた期間以内にある場合等に許容されないとし,それよりも有効期限d43が先(将来)である場合に許容されるとする条件が考えられる。
また,許容条件のその他の例としては,薬剤カセット1各々について収容する薬剤の有効期限d53を記憶する薬剤補給履歴DB(d5)を利用し,バーコードリーダ107(有効期限特定用情報読取手段の一例)により読み取られた処方コードd31(有効期限特定用情報の一例)に基づき特定された有効期限d43と,薬剤補給履歴DB(d5)に記憶された対応する有効期限d53との比較により判別される条件も考えられる。なお,薬剤補給履歴DB(d5)を記憶する管理計算機200の記憶手段が薬剤有効期限情報記憶手段の一例である。
例えば,バイアル瓶に充填されている薬剤の有効期限d43が,薬剤カセット1に既に収容されている薬剤の有効期限d53よりも早い若しくは所定期間以上早い場合に許容されないとし,それ以外の場合に許容されるとする条件等が考えられる。
これらの許容条件のいずれか或いは両方の組合せ(OR条件等)により,古い薬剤が補給される不都合を防止できる。
【0033】
一方,ステップS201において,その他の薬剤補給時の処理の開始操作であると判別されると,制御部109により,補給しようとする薬剤の特定に用いる所定の薬剤検索情報(薬剤特定用情報の一例)の入力画面を含む所定の薬剤検索画面が表示・操作部108に表示され,その薬剤検索画面を通じた薬剤検索情報の入力処理が実行される(S221,薬剤特定用情報入力手段の一例)。
図7は,前記薬剤検索画面Pg1の一例を表す。
図7に示すように,薬剤検索画面Pg1には,薬剤の特定に用いる薬剤検索情報の入力インターフェースとして,薬剤の名称情報や薬剤コードd11を入力する入力枠g1,g2や,薬剤の形態情報(錠剤,カプセル等),色情報,形状情報(円盤状,球状等),寸法(大きさ)情報を選択肢の中から選択して入力する選択メニューg3〜g6等が表示される。これら薬剤検索情報は,薬剤マスタDB(d1)に含まれる形態情報d14,形状情報d17,色情報d19,寸法情報d18の各々に対応する情報である。即ち,表示・操作部108により入力可能な薬剤検索情報(薬剤特定用情報の一例)及び薬剤マスタDB(d1)における薬剤情報の各々が,薬剤の名称情報,色情報,形状情報,大きさ情報及び薬剤各々を識別する薬剤コードを含んでいる。
この薬剤検索画面Pg1において,利用者により1又は複数の検索情報が入力された後,検索ボタンg7が操作されると,制御部109及び管理計算機200により,薬剤候補抽出・一覧処理が実行される(S222)。
具体的には,入力された検索情報(薬剤特定用情報の一例)が制御部109から管理計算機200に伝送され,その検索情報を検索キーとして薬剤マスタDB(d1)が検索されることにより,入力された検索情報に関連する薬剤の候補各々の薬剤情報が抽出される。その際,抽出された薬剤情報に含まれる薬剤コードd11に基づいてカセットDB(d2)も検索され,対応するカセットコードd21も抽出される。さらに,その抽出された薬剤情報とカセットコードd21とが管理計算機200から制御部109に伝送され,制御部109により,抽出された薬剤の候補各々の薬剤情報の一部が表示・操作部108に一覧表示(提示)される(S222,薬剤情報検索手段の一例)。
図7に示す薬剤検索画面Pg1の一部の表示欄g8に,抽出された薬剤の候補の一覧を薬剤名d12と薬剤コードd11とによってリスト表示した例を表す。
【0034】
次に,制御部109により,前記薬剤検索画面Pg1の表示欄g8に一覧表示された薬剤候補の中から,利用者による表示・操作部108の操作に従って一の薬剤情報(薬剤名d12&薬剤コードd11)を選択する薬剤選択処理が実行される(S223,薬剤情報選択手段の一例)。
この薬剤選択処理では,例えば図7に示すように,薬剤候補の一覧表示欄g8においてタッチパネル操作等によっていずれかの薬剤候補が選択されると,制御部109により,選択された薬剤候補に対応するその他の薬剤情報(形態情報d14,形状情報d17,寸法情報d18,色情報d19及び外観写真データd16に基づく画像)と,その薬剤を収容する薬剤カセット1に対応するカセットコードd21が薬剤情報表示欄g9に表示される。
そして,一覧表示された薬剤候補の中からいずれか一つが選択された状態で確定ボタンg10が操作されることにより薬剤の選択が確定する。なお,入力された薬剤の名称等に類似するものを薬剤候補として抽出・一覧表示するようにしてもよい。また,補給しようとする薬剤をデジタルカメラ等で撮影して得た外観写真データを,所定の記憶媒体や通信媒体を通じて管理計算機200に入力(転送)し,その入力された外観写真データと薬剤マスタDB(d1)に記憶された外観写真データd16各々とのパターンマッチングにより,画像が近似するものを薬剤候補として抽出・一覧表示する機能を有するものも考えられる。
このようにして特定の薬剤の選択が確定すると,制御部109により,選択された薬剤に対応するカセットコードd21(即ち,カセット棚2)を特定する処理(S224)が行われた後,処理がステップS206へ移行される。
ここで,ステップS221〜S224の処理を行う制御部109及び管理計算機200が,表示・操作部108(薬剤特定用情報入力手段の一例)を通じた入力情報に対応する薬剤を収容する薬剤カセット1が装着されているカセット棚2を特定する容器装着部特定手段の一例である。
【0035】
次に,前述のステップS205或いはS224からステップS206へ処理が移行されると,制御部109により,薬剤の戻し先となる薬剤カセット1がいずれかのカセット棚2に装着されているか否か,即ち,ステップS203或いはS224においてカセットDB(d2)の参照(検索)によりカセットコードd21を特定できたか否かが判別され(S206),薬剤の戻し先となる薬剤カセット1がいずれのカセット棚2にも装着されていないと判別された場合には,制御部109により,ステップS202で払出履歴DB(d4)に基づき特定されたNDC(d11)やそのNDC(d11)と薬剤マスタDB(d1)とに基づき特定できる薬剤名d12,或いはステップS223で選択された薬剤に関する情報等が表示・操作部108を通じて表示されるとともに,所定のスピーカから通知音が出力(S216)された後,当該薬剤補給時処理は終了する。
これにより,作業者は薬剤の戻し先となる薬剤カセット1がカセット棚2に存在しないことを認識できる。また,カセットDB(d2)におけるカセットコードd21の設定内容として,当該薬剤カセット1の保管場所情報が設定されている場合は,その保管場所情報を表示・操作部108に表示させることにより,薬剤の戻し先となる薬剤カセット1を容易に探し出すことができる。
【0036】
一方,ステップS206において,ステップS202或いはS224(容器装着部特定手段の処理に相当)で補給対象となる薬剤の薬剤カセット1がカセット棚2に装着されていると判別された場合は,制御部109により,そのカセット棚2に設けられた棚ランプ3を例えば比較的長周期の点滅表示状態(以下,通報表示状態という)にする(S207,通報表示制御手段の一例)。
これにより,バイアル瓶に記録された処方コードd31をバーコードリーダ107で読み取らせるだけで,戻そうとする薬剤を収容する薬剤カセット1が装着されているカセット棚2が棚ランプ3によって通報されるので,多数の薬剤カセット1(カセット棚2)の中から,薬剤の戻し先となるものを探し出す作業を的確化及び効率化することができる。
また,薬剤カセット1に補給しようとする薬剤が,バーコードリーダ107等の情報読取手段で読み取り可能な情報が記録された容器に入っていない場合(例えば,裸の錠剤そのまま)であっても,前記検索情報の入力により,その薬剤の補給先となるカセット棚2を容易かつ的確に特定できる。特に,薬剤の色情報や形状情報,大きさ情報を検索情報として検索可能であるので,薬剤の名称や薬剤コードがわからない場合にも対応できる(S221〜S224)。
また,薬剤情報に薬剤の外観写真データd16が含まれるので,提示された外観写真と実際の薬剤の外観とを見比べて確認でき,薬剤を誤った薬剤カセット1に補給してしまう誤作業をより確実に防止できる。
【0037】
以上のようにして棚ランプ3が前記通報表示状態にされると,次に,制御部109により,カセットセンサ101による薬剤カセット1の着脱状態が監視され,棚ランプ3が通報表示状態にされているカセット棚2の薬剤カセット1(以下,正当カセットという)が取り外されたか,或いはそれ以外のカセット棚2の薬剤カセット1(以下,非正当カセットという)が取り外されたかが判別される(S209)。
ここで,前記非正当カセットが取り外されたことが検知された場合は,制御部109により,その非正当カセットが装着されている棚ランプ3を比較的短周期の点滅表示状態(以下,警告表示状態という)にするとともに,所定の警報ブザーにより警告音を出力させ(S210,容器誤外し警告手段の一例),その後処理がステップS208へ戻される。
これにより,多数のカセット棚2が密に配列されている状況下で,棚ランプ3が前記通報表示状態となっているもの以外のカセット棚2(例えば,隣接するカセット棚2)から誤って薬剤カセット1が取り外された場合に,警告通知によってその誤りに気付かせることができる。
【0038】
一方,ステップS209において,前記正当カセットが取り外されたことが検知されると,制御部109により,棚ランプ3が前記通報表示状態にされたカセット棚2の薬剤カセット1への薬剤補給が完了したか否かが監視される(S211)。ここで,薬剤補給の完了が検知されると,その旨が制御部109から管理計算機200に通知され,管理計算機200において,カセットDB(d2)における残量情報d22が,補給された薬剤の数量(取得方法の例は後述)の分だけ加算更新される(S212,第2の薬剤残量更新手段の一例)とともに,制御部109により棚ランプ3が消灯され(S213),その後当該薬剤補給時処理が終了する。
ここで,薬剤払戻時における残量情報d22の加算に用いる薬剤の補給数量の取得手段(薬剤補給量取得手段に相当)としては,管理計算機200により,ステップS202でバイアル瓶から読み取られた処方コードd31と払出履歴DB(d4)とにより特定される払出数量情報d42を取得するものや,或いは,同処方コードd31を制御部109或いは管理計算機200からホストコンピュータYに送信することにより,その処方コードd31に対応する処方箋データd3に含まれる処方数量d32を要求しこれを取得するもの等が考えられる。
また,薬剤払戻時以外(その他)の場合における残量情報d22の加算に用いる薬剤の補給数量の取得手段(薬剤補給量取得手段に相当)としては,表示・操作部108を通じて利用者による補給数量の情報を入力することにより取得するもの等が考えられる。
また,薬剤補給の完了検知(判別)の方法は,ステップS110で示した薬剤補給完了の検知の場合と同様である。また,薬剤戻し時の処理の場合(S201で「薬剤戻し」と判別された場合)は,予め薬剤カセット1にNDC(d11)或いはカセットコードd21をバーコードとして記録しておいてこれをバーコードリーダ107で読み取り,その読み取り情報に基づき特定される薬剤コードd11と,ステップS202でバイアル瓶から読み取られた処方コードd31により特定される薬剤コードd11とを照合し,その照合結果によって正しい薬剤カセット1への薬剤補給が行われたか否かを判定することも考えられる。この場合,両薬剤コードd11が不一致と判定された場合に警報音を出力すること等が考えられる。
【0039】
ところで,ステップS213の処理の後,薬剤戻し時の処理の場合(S201で「薬剤戻し」と判別された場合)に,ステップS202でバイアル瓶から読み取られた処方コードd31を管理計算機200に伝送し,管理計算機200において,その処方コードd31に基づく払出履歴DB(d4)の更新処理を行うよう構成することも考えられる。
この払出履歴DB(d4)の更新処理では,払出履歴DB(d4)において処方コードd3各々に対応させてデータの処理状態を記憶させておき,バーコードリーダ107によって読み取られた処方コードd31に対応する前記処理状態を,初期値の「未引渡」から「戻し済」に更新する。或いは,該当するデータを削除することも考えられる。
このように,バイアル瓶からの薬剤戻しに応じて払出履歴DB(d4)の各データにおける前記処理状態を更新することにより,薬剤戻しがなされたバイアル瓶各々について(即ち,各患者への処方箋各々について),薬剤戻しが行われたものとそうでないものとを区別して管理(参照)することができる。
【0040】
以上示した実施形態では,薬剤や薬剤の有効期限を特定するための情報である処方コードd31を,ラベル出力機106によりバーコードとして薬剤カセット1に記録し,その記録情報をバーコードリーダ107で読み取る例について示したが,これに限るものでなく,例えば,バイアル瓶(提供用容器)に,RFID(RadioFrequencyIdentification)技術の適用等により無線信号で情報の読み書きが可能なメモリであるICタグを設け,バイアル瓶に情報を記録する手段及びその記録情報を読み取る手段として,バイアル瓶に設けられたICタグに情報を無線信号を通じて書き込むタグライター及びその書き込み情報(記憶情報)を無線信号を通じて読み込むタグリーダを採用すること等も考えられる。
また,前述の実施形態では,バイアル瓶への記録情報として,従来から記録が行われている処方コードd31を記録する例を示したが,これに限るものでなく,例えば,薬剤の特定に用いる薬剤コードd11や,その薬剤の有効期限の特定に用いる有効期限情報d43等を記録することも考えられる。
また,前述の実施形態に示した各種データベースの構成は一例であって,各種の他の構成が考えられる。
また,前述の実施形態では,本体装置100と管理計算機200とを分離した構成について示したが,管理計算機200の機能を本体装置100に設けて一体化した構成も考えられる。
【0041】
(薬剤払出装置の他の形態)
ところで,上記特許文献1に示される技術は,薬剤戻しの対象となる薬剤カセットが特定された後に適用されるものであり,数十個以上存在する多くの薬剤カセットの中から,薬剤戻しの対象となる薬剤カセットを特定する作業を的確化及び効率化することには寄与し得ないという問題点があった。特に,薬剤払出装置では,薬剤カセット各々が複数配列されたカセット装着部に対して着脱可能に構成され,各々特定の薬剤を収容する薬剤カセットの装着位置が変わり得るため,薬剤戻しの対象となる薬剤カセットが装着されたカセット装着部を迅速かつ的確に特定することが困難であるという問題点があった。これらのことは,薬剤戻し作業に限らず,薬剤カセットに薬剤を入れる(以下,補給するという)作業全般においていえることである。
従って,バイアル瓶に一旦充填された薬剤を薬剤カセット(薬剤収容容器)に戻す場合を典型例とする薬剤カセットへの薬剤の補給作業において,薬剤補給先となる薬剤カセットを特定する作業を的確化及び効率化することができ,また,薬剤の有効期限管理や薬剤カセットにおける残量管理を適切に支援できる薬剤払出装置が望ましい。
【0042】
そこで,複数の薬剤収容容器(前記薬剤カセットがその典型例)と,該薬剤収容容器各々が装着される部分であって各々所定の表示部(LEDランプ等)が設けられた複数の容器装着部(前記カセット装着部がその典型例)と,処方内容(即ち,処方箋)に応じた種類及び量の薬剤を前記薬剤収容容器から払い出す薬剤払出手段とを備える薬剤払出装置であって,薬剤の特定に用いる薬剤特定用情報を入力する薬剤特定用情報入力手段と,その薬剤特定用情報入力手段を通じた薬剤特定用情報に対応する薬剤を収容する薬剤収容容器が装着されている容器装着部を特定する容器装着部特定手段と,その特定された容器装着部に設けられた表示部を通報表示状態にさせる通報表示制御手段とが設けられたことを特徴とする薬剤払出装置として構成することが考えられる。
前記薬剤払出手段としては,処方内容に応じた種類及び量の薬剤を前記薬剤収容容器から提供用容器(前記バイアル瓶がその典型例)へ充填する薬剤充填手段が考えられる。
これにより,作業者が薬剤収容容器に補給しようとする薬剤を特定するための情報を前記薬剤特定用情報入力手段を通じて入力させれば,その薬剤を収容する薬剤収容容器が装着されている容器装着部が,その表示部によって通報されるので,多数の薬剤収容容器の中から,薬剤補給先となる薬剤収容容器(の容器装着部)を特定する作業を的確化及び効率化することができる。
【0043】
より具体的な第1の構成としては,前記薬剤特定用情報入力手段として,前記提供用容器からこれに記録された薬剤特定用情報を読み取る薬剤特定用情報読取手段を採用したものが考えられる。この場合,前記薬剤充填手段により薬剤が充填される前記提供用容器各々に前記薬剤特定用情報を記録する手段を備えるものであってもよい。
ここで,薬剤特定用情報記録手段及び薬剤特定用情報読取手段として,例えば,バーコードを記録したラベルを貼付する手段及びそのバーコードを光学的に読み取る手段(いわゆるバーコードリーダ)を採用すれば,これらは一般的な薬剤払出装置が備えるものであるので,それを兼用することができ好適である。
これにより,キーボードやマウス等の入力手段を操作する煩雑さが回避され,情報入力作業の効率化が図れる。
【0044】
また,前記第1の構成は,一般的な薬剤払出装置が備える手段を有効活用して具現すれば好適である。
即ち,一般的な薬剤払出装置は,処方を識別する処方識別情報と前記容器装着部を識別する容器装着部識別情報とが対応付けられた情報(以下,処方・薬剤収容対応情報という)を記憶する記憶手段を備えている。
より具体的には,前記薬剤充填手段による薬剤充填がなされた前記薬剤収容容器について所定の払出処理(所定の薬剤払出口まで搬送される処理)が行われると少なくとも該薬剤充填に対応する処方識別情報を含む払出履歴情報を前記記憶手段に蓄積記憶させる手段(払出歴情報蓄積手段)を備え,その払出履歴情報を一部若しくは全部の構成要素として前記処方・薬剤収容対応情報が構成されていることが一般的である。
また,前記薬剤充填手段により薬剤が充填される前記提供用容器各々に前記処方識別情報を記録する手段(一般には,処方識別情報を表すバーコードをラベルに記録して貼付する手段)を備えているので,これを前記薬剤特定用情報の記録手段として用い,記録される処方識別情報(バーコード等)を前記薬剤特定用情報として用いることができる。即ち,前記容器装着部特定手段を,前記薬剤特定用情報読取手段により前記薬剤特定用情報として読み取られた処方識別情報と前記処方・薬剤収容対応情報とに基づいて該処方識別情報が読み取られた提供用容器に充填されている薬剤と同一の薬剤が収容されている薬剤収容容器が装着されている容器装着部を特定するものとすればよい。
これにより,一般的な薬剤払出装置が備える手段を有効活用して前記第1の構成を具現することができる。
【0045】
ところで,一般に,薬剤には有効期限があるため,その期限を経過した薬剤が薬剤収容容器(薬剤カセット)に補給されると,医療事故につながり得るため,薬剤収容容器に補給される薬剤の有効期限管理が重要である一方,薬剤戻しが生じた場合における薬剤の有効期限管理を適切に支援する機能を従来の薬剤払出装置は備えていない。
そこで,前記第1の構成において,前記提供用容器各々に収納されている薬剤の有効期限を記憶する有効期限記憶手段と,前記容器装着部特定手段により特定された容器装着部に装着された薬剤収容容器に収納されている薬剤の有効期限を前記有効期限記憶手段から読み取る(読み出す)有効期限読取手段と,これによって読み取られた有効期限と現在の日時との比較結果が所定の許容条件に適合しない場合に所定の警報(例えば,前記提供用容器から前記薬剤収容容器に薬剤を戻すことを禁止する旨を表す警報)を通知する有効期限警報通知手段とを備えたものであれば好適である。
これにより,既に有効期限が過ぎた薬剤や,有効期限が近い古い薬剤が補給されるといった不都合を防止できる。
上記の他,前記薬剤充填手段により薬剤が充填される前記患者提供用容器各々にその薬剤の有効期限の特定に用いる有効期限特定用情報を記録する手段と,前記患者提供用容器に記録されたその有効期限特定用情報を読み取る手段と,これにより読み取られた前記有効期限特定用情報が所定の許容条件に適合しない場合に所定の警報を通知する手段とを備えたものも考えられる。
この場合,前記薬剤収容容器各々について収容する薬剤の有効期限情報を記憶する手段を備える場合に,許容条件として,前記特定用情報読取手段により読み取られた前記有効期限特定用情報に基づく有効期限と前記薬剤有効期限情報記憶手段に記憶された前記有効期限情報との比較により判別される条件を有するものが考えられる。
これにより,薬剤収容容器に,既に収容されている薬剤よりも有効期限が早い若しくは所定期間以上早い薬剤(古い薬剤)が補給されるといった不都合を防止できる。
【0046】
一方,第2の構成としては,各薬剤に関する薬剤情報と前記容器装着部を識別する容器装着部識別情報とが対応付けられた薬剤・収容対応情報を予め記憶する記憶手段を設け,さらに,前記容器装着部特定手段として,例えばキーボードやマウス等の操作入力手段からなる前記薬剤特定用情報入力手段により入力された薬剤特定用情報に関連する薬剤情報の候補を,前記薬剤・収容対応情報の中からいわゆるキーワード検索等により検索して所定の情報表示手段等を通じて提示する薬剤情報検索手段と,これにより提示された薬剤情報の候補の中から一の薬剤情報を選択する薬剤情報選択手段とを有するものであって,前記薬剤・収容対応情報の中から前記薬剤情報選択手段により選択された薬剤情報に対応する容器装着部を特定するものを適用したものが考えられる。
この場合,前記薬剤特定用情報及び前記薬剤情報としては,例えば,薬剤の名称情報,色情報,形状情報,大きさ情報,薬剤各々を識別する薬剤識別情報及び薬剤の外観写真情報のうちの1又は複数を含むものが考えられる。
これにより,薬剤収容容器に補給しようとする薬剤が,バーコードリーダ等の情報読取手段で読み取り可能な前記薬剤特定用情報が記録された容器に入っていない場合(例えば,裸の錠剤そのまま)であっても,その薬剤の補給先となる容器装着部(の薬剤収容容器)を容易かつ的確に特定できる。特に,薬剤の色情報や形状情報,大きさ情報に基づいて検索可能とすれば,薬剤の名称や識別情報がわからない場合にも対応できる。
また,前記薬剤情報が,薬剤の外観写真情報を含むものであれば,提示された外観写真情報と実際の薬剤の外観とを見比べて確認できるので,薬剤を誤った薬剤収容容器に補給してしまう誤作業をより確実に防止できる。
【0047】
また,前記第1の構成及び前記第2の構成に共通する事項として以下のことが考えられる。
例えば,薬剤収容容器(薬剤カセット)への薬剤補給時期の管理等のため,各薬剤収容容器における薬剤の残量把握が重要であるが,薬剤戻しが生じた場合における薬剤収容容器中の薬剤の残量管理を適切に行える機能を従来の薬剤払出装置は備えていない。
一般に,薬剤払出装置は,前記薬剤払出手段による薬剤の払い出し量(前記薬剤充填手段による薬剤の充填量に相当)に応じて所定の記憶手段に記憶された前記薬剤収容容器各々における薬剤の残量情報を減算更新する手段(第1の薬剤残量更新手段)を備えている。
そこで,そのような手段を備える場合に,前記薬剤特定用情報入力手段を通じた入力情報に対応する薬剤を収容する前記薬剤収容容器(以下,対象薬剤収容容器という)への薬剤補給量を取得する薬剤補給量取得手段と,その対象薬剤収容容器に薬剤が補給された場合に,その対象薬剤収容容器における前記薬剤の残量情報を前記薬剤補給量取得手段により取得された前記薬剤補給量分だけ加算更新する手段(第2の薬剤残量更新手段)をさらに備えたものであれば好適である。
これにより,薬剤戻しが行われた際に,各薬剤収容器において,記憶手段に記憶された薬剤の残量情報と実際の薬剤残量とに不整合が生じる不都合を防止できる。
ここで,前記薬剤補給量取得手段としては,前記薬剤補給量を手入力する所定の操作入力手段が考えられるが,その他,前記薬剤収容容器に記録されているバーコードやICタグの記憶データ等の情報(薬剤補給量の特定に用いる所定の情報)を読み取る手段と,その読み取り情報に基づいて前記薬剤補給量を特定する手段とを有するものも考えられる。
また,一般的な薬剤払出装置では,前記薬剤の残量情報は薬剤収容容器各々を識別する収容容器識別情報と対応付けられて記憶手段に記憶される(この記憶情報を収容容器残量情報というものとする)。さらに,その収容容器識別情報は,前述した処方・薬剤収容対応情報や,前記薬剤充填手段により提供用容器に薬剤が充填されるごとに所定の記憶手段に記憶される薬剤の充填履歴情報等により,前記処方識別情報と対応付けられて記憶手段に記憶されていることが通常である。即ち,前記処方・薬剤収容対応情報が,各患者への薬剤の処方各々を識別する処方識別情報とその処方内容の情報と処方された薬剤を収容する前記薬剤収容容器を識別する薬剤収容容器識別情報と該薬剤収容容器が装着されている前記容器装着部を識別する容器装着部識別情報とが対応付けられた情報となっていたり,或いは,前記充填履歴情報が,実行された薬剤充填に対応する前記処方識別情報と前記薬剤収容容器識別情報とが対応付けられた情報となっている。
このため,前記第2の薬剤残量更新手段としては,前記第1の構成において前記処方識別情報が前記提供用容器に記録される場合に,前記薬剤特定用情報読取手段により読み取られた前記処方識別情報と前記処方・薬剤収容対応情報若しくは前記充填履歴情報と前記収容容器残量情報とに基づいて加算更新する前記薬剤の残量情報を特定するものが考えられる。
【0048】
また,一般的な薬剤払出装置は,前記容器装着部各々について前記薬剤収容容器の着脱状態を検知する容器着脱検知手段を備えている。そこで,前記通報表示手段により前記表示部が前記通報表示状態にされている前記容器装着部以外の容器装着部について,前記容器着脱検知手段により前記薬剤収容容器が取り外されたことが検知された場合に所定の警告通知を行う容器誤外し警告手段を設けたものであればなお好適である。
これにより,多数の容器装着部が密に配列されている状況下で,前記表示部が通報表示状態となっているもの以外の容器装着部(例えば,隣接する容器装着部)から,誤って薬剤収容容器が取り外された場合に,前記警告通知によってその誤りに気付かせることができる。
この他,前記容器装着部ごとに前記薬剤収容容器を装着された状態でロック及びそのロックの解除を行うロック手段と,前記通報表示手段により前記表示部が前記通報表示状態にされている場合に,その表示部が通報表示状態である容器装着部についてのみロックが解除されるよう前記ロック手段を制御するロック制御手段とを設けたもの等も考えられる。
【0049】
当該薬剤払出装置の他の形態によれば,薬剤の特定に用いる所定の薬剤特定用情報を入力することにより,その入力情報に対応する薬剤を収容する前記薬剤収容容器が装着されている前記容器装着部が特定され,その特定された前記容器装着部に設けられた前記表示部が所定の通報表示状態となるよう制御されるので,多数の薬剤収容容器の中から,薬剤補給先となる薬剤収容容器(の容器装着部)を特定する作業を的確化及び効率化することができる。
特に,薬剤が充填される前記提供用容器各々に薬剤特定用情報を記録する手段と,その記録情報を薬剤特定用情報として読み取る手段とを設けた構成とすれば,キーボードやマウス等の入力手段を操作する煩雑さが回避され,情報入力作業の効率化が図れる。また,そのような記録手段や読取手段は,一般的な薬剤払出装置が備えるバーコード記録手段やバーコード読取手段等を有効活用できる点で好適である。
【0050】
また,前記提供用容器各々に収納されている薬剤の有効期限を記憶する有効期限記憶手段を備える場合に,前記容器装着部特定手段により特定された容器装着部に装着された薬剤収容容器に収納されている薬剤の有効期限を前記有効期限記憶手段から読み取り(読み出し),その読み取られた有効期限と現在の日時との比較結果が所定の許容条件に適合しない場合に所定の警報を通知する手段とを設けることにより,既に有効期限が過ぎた薬剤や,有効期限が近い古い薬剤等が補給されるといった不都合を防止でき,適正な有効期限管理が可能となって医療事故防止につながる。
また,例えば,薬剤の名称情報,色情報,形状情報,大きさ情報,薬剤各々を識別する薬剤識別情報或いは薬剤の外観写真情報等が入力されることにより,その入力情報に基づいて予め記憶された薬剤情報の中から該当する薬剤の候補を検索して提示し,その候補の中から一の薬剤情報を選択可能とすることにより,薬剤収容容器に補給しようとする薬剤が,バーコードリーダ等の情報読取手段で読み取り可能な薬剤特定用情報が記録された容器に入っていない場合(例えば,裸の錠剤そのまま)であっても,その薬剤の補給先となる容器装着部(の薬剤収容容器)を容易かつ的確に特定できる。特に,前記薬剤情報に薬剤の外観写真情報を含めれば,提示された外観写真情報と実際の薬剤の外観とを見比べて確認できるので,薬剤を誤った薬剤収容容器に補給してしまう誤作業をより確実に防止できる。
【0051】
また,入力された前記薬剤特定用情報に対応する薬剤を収容する前記薬剤収容容器(対象薬剤収容容器)への薬剤補給量を取得し,その対象薬剤収容容器に薬剤が補給された場合に,その対象薬剤収容容器における薬剤の残量情報を取得した前記薬剤補給量分だけ加算更新すれば,各薬剤収容器において,記憶手段に記憶された薬剤の残量情報と実際の薬剤残量とに不整合が生じる不都合を防止でき,正確な薬剤残量管理が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は,各々特定の薬剤を収容する複数の薬剤収容容器から各患者への薬剤の処方内容に応じた種類及び量の薬剤を所定の提供用容器各々へ充填する薬剤払出装置に利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態に係る薬剤払出装置X本体の斜視図及び部分拡大図。
【図2】薬剤払出装置Xの主要部の構成を表すブロック図。
【図3】薬剤払出装置Xにおける薬剤払出処理の手順を表すフローチャート。
【図4】薬剤払出装置Xにおける薬剤引渡等の処理の手順を表すフローチャート。
【図5】薬剤払出装置Xにおける薬剤引渡等の処理の手順を表すフローチャート。
【図6】薬剤払出装置Xに関係する各種データベース及びデータの構成を表す図。
【図7】薬剤払出装置Xにおける薬剤補給時処理の際の画面例を表す図。
【図8】薬剤払出装置Xによりバイアル瓶に貼付されるラベルの一例を表す図。
【符号の説明】
【0054】
X:本発明の実施形態に係る薬剤払出装置
Y:ホストコンピュータ
1:薬剤カセット
2:カセット棚
3:棚ランプ
100:薬剤払出装置本体
101:カセットセンサ
102:瓶取出・搬送機
103:薬剤充填機
104:薬剤カウンタ
105:通信インターフェース
106:ラベル出力機
107:バーコードリーダ
108:表示・操作部
109:制御部
200:管理計算機
d1:薬剤マスタDB
d2:カセットDB
d3:処方箋データ
d4:払出履歴DB
s:ラベル
S101,S102,,,:処理手順(ステップ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の薬剤収容容器と,
処方内容に応じた種類及び量の薬剤を前記薬剤収容容器から提供用容器へ充填することによって薬剤の払い出しを行う薬剤払出手段と,
前記薬剤払出手段により前記提供用容器に充填された薬剤の有効期限の特定に用いる前記有効期限特定用情報を前記提供用容器から読み取る有効期限特定用情報読取手段と,
前記有効期限特定用情報読取手段により読み取られた前記有効期限特定用情報で特定される前記提供用容器に充填された薬剤の有効期限が,前記提供用容器に充填された薬剤に対応する前記薬剤収容容器に収容されている薬剤の有効期限よりも早い若しくは所定期間以上早い場合に所定の警報表示を行う有効期限警報通知手段と,
を備えてなる薬剤払出装置。
【請求項2】
前記提供用容器各々に充填された薬剤の有効期限と前記薬剤に対応する前記有効期限特定用情報とが関連付けられた払出履歴情報が記憶された第1の有効期限記憶手段をさらに備えてなり,
前記有効期限警報通知手段は,前記有効期限特定用情報及び前記第1の有効期限記憶手段に記憶された前記払出履歴情報で特定される前記提供用容器の薬剤の有効期限が,前記提供用容器に充填された薬剤に対応する前記薬剤収容容器に収容されている薬剤の有効期限よりも早い若しくは所定期間以上早い場合に所定の警報表示を行うものである請求項1に記載の薬剤払出装置。
【請求項3】
前記払出履歴情報は,前記提供用容器各々に充填された薬剤の有効期限と前記薬剤に対応する前記有効期限特定用情報と前記提供用容器に充填された薬剤が収容されている前記薬剤収容容器を識別する識別情報とが関連付けられたものであって,
前記有効期限警報通知手段は,前記有効期限特定用情報及び前記払出履歴情報で特定される前記提供用容器の薬剤の有効期限が,前記有効期限特定用情報及び前記払出履歴情報で特定される前記識別情報に対応する前記薬剤収容容器に収容されている薬剤の有効期限よりも早い若しくは所定期間以上早い場合に所定の警報表示を行うものである請求項2に記載の薬剤払出装置。
【請求項4】
前記識別情報と前記薬剤収容容器に収容されている薬剤の有効期限とが関連付けられた薬剤補給履歴情報が記憶された第2の有効期限記憶手段をさらに備えてなり,
前記有効期限警報通知手段は,前記有効期限特定用情報及び前記払出履歴情報で特定される前記提供用容器の薬剤の有効期限が,前記識別情報及び前記第2の有効期限記憶手段に記憶された前記薬剤補給履歴情報で特定される前記薬剤収容容器に収容されている薬剤の有効期限よりも早い若しくは所定期間以上早い場合に所定の警報表示を行うものである請求項3に記載の薬剤払出装置。
【請求項5】
前記薬剤補給履歴情報は,前記識別情報と前記薬剤収容容器に収容されている薬剤の有効期限と前記薬剤収容容器への薬剤の補給が行われた月日を示す補給月日情報とが関連付けられた複数の補給履歴データを含むものであり,
前記薬剤収容容器に現在収容されている薬剤の有効期限は,複数の前記補給履歴データの中で前記補給月日情報が示す月日が最も新しいものに含まれる前記薬剤の有効期限である請求項4に記載の薬剤払出装置。
【請求項6】
薬剤切れが生じた前記薬剤収容容器への薬剤補給が完了した場合に,前記薬剤補給履歴情報に含まれた前記薬剤収容容器に収容されている薬剤の有効期限の初期設定を行う制御部を備えてなる請求項4又は5に記載の薬剤払出装置。
【請求項7】
前記制御部は,前記薬剤収容容器に収容されている薬剤の有効期限を,操作部に対して任意に入力された初期値,又は前記薬剤の補給元の容器から読み取って入力された初期値に設定するものである請求項6に記載の薬剤払出装置。
【請求項8】
前記有効期限特定用情報を前記提供用容器に記録する有効期限特定用情報記録手段をさらに備えてなる請求項1〜7のいずれかに記載の薬剤払出装置。
【請求項9】
前記提供用容器に,前記有効期限特定用情報が記録されたラベルが貼付されてなり,
前記有効期限特定用情報読取手段が,前記ラベルから前記有効期限特定用情報を読み取るものである請求項1〜8のいずれかに記載の薬剤払出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−130779(P2012−130779A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−87357(P2012−87357)
【出願日】平成24年4月6日(2012.4.6)
【分割の表示】特願2005−244942(P2005−244942)の分割
【原出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(592246705)株式会社湯山製作所 (202)
【Fターム(参考)】