薬剤混合システム
第1容器に収納された薬物を第2容器に収納された希釈液または流体と混合または再構成するシステム。第2容器は、第1容器と係合するためのポートドッキングアセンブリを有する。第1容器は、ポートドッキングアセンブリ内で回転可能で、軸方向に摺動可能である。ポートドッキングアセンブリは、第1容器を流体的に封止する栓を第1容器の内部に押し込むためのアクチュエータを有する。ポートドッキングアセンブリはさらに、第1のドッキング位置で第2容器を流体的に封止するように、および、第2の作動位置で第2容器の内部へのアクセスを提供するように構成された可動プラグを含み、それによって、第1および第2容器が第2の作動位置にあるときは、第1および第2容器の間に流体連通が提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、2つの容器の内容物を混合するシステムおよび方法に関し、より具体的には、第1容器に収納された薬剤を第2容器に収納された希釈液と混合または再構成するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療環境において投与される薬剤または薬物は、典型的には、内部が無菌状態に維持されたバイアルに収納されている。バイアル自体は、薬剤または薬物を取り出すことが望まれるときに、典型的にはカニューレによって貫通される、無菌栓で封止されている。バイアルから患者の体内へ薬物を導入するには、いくつかの手順が必要である。各手順は、バイアル、栓または薬剤の無菌状態を損なう可能性がある。さらに、特定のバイアル内の薬剤が粉末または濃縮されている場合、希釈液をバイアルに加えて、粉末を溶解するか、または濃縮された薬剤溶液を所望の濃度に希釈する必要があることが多い。後に混合し得るように異なる成分を個別に収納するために、単一容器内に分離した区画を設けたデバイスが様々な米国特許に記載されており、それら特許には、Nitardyの米国特許第2,176,923号明細書、Daviesらの米国特許第3,290,017号明細書、Burkeらの米国特許第3,532,254号明細書が挙げられる。この種類の別のデバイスが、他の米国特許に記載されており、それら特許には、Wilkinsonの米国特許第4,458,811号明細書、Knoxらの米国特許第4,610,684号明細書、Lefheitらの米国特許第4,998,671号明細書、Hanacherの米国特許第5,102,408号明細書、Barneyらの米国特許第5,176,526号明細書、Barneyらの米国特許第5,462,526号明細書、Barneyらの米国特許第5,928,213号明細書、Barneyらの米国特許第5,944,709号明細書、Barneyらの米国特許第6,203,535号明細書およびSmithらの米国特許第6,846,305号明細書が挙げられる。
【0003】
さらに、2つの容器の内容物を混合する手段を有した、2区画に分割された容器システムもまた当該技術分野で知られている。例えば、本発明の譲受人であるHospira,Inc.は、米国特許第4,614,267号明細書、第4,614,515号明細書、第4,757,911号明細書、第4,703,864号明細書、第4,784,658号明細書、第4,784,259号明細書、第4,948,000号明細書、第4,963,441号明細書および第5,064,059号明細書を含む、このような技術に関する多数の特許を所有する。このような送達システムは、ADD−VANTAGE(R)商標でHospira,Inc.によって製造、販売されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
再構成システムおよび2つの容器の内容物を容器の外側から混合するシステムは、当該技術分野では知られている。従来技術によるこのような再構成システムは、多くの有利な特徴を提供するが、それにもかかわらず、特定の限界を有する。本発明は、従来技術の特定のこれらの限界および他の欠点を克服し、これまで利用できなかった新たな特徴を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の特徴および利点の完全な記述は、添付図面を参照して進める以下の詳細な説明に譲る。本発明は、一般に、第1容器に収納された薬物を第2容器に収納された希釈液と混合または再構成するシステムを提供する。一実施形態では、第1容器は、第1容器の空洞と第2容器の空洞との間の流体連通を提供するために、第2容器に接続されたポートアセンブリに係合する本体キャップを有する。
【0006】
一実施形態によれば、第1容器は薬物容器である。薬物容器は、首部と、空洞に通じる首部内の開口とを有する。第1容器の空洞へのアクセスを遮断するために、第1容器の開口内に栓が位置決めされる。本体キャップは、容器本体の首部および本体部分のまわりに位置決めされる。本体キャップは、第1容器を第2容器に接続するために、第2容器の第2嵌合部材によって受けられるように適合された第1嵌合部材を有する。一実施形態では、第1嵌合部材は、本体キャップから突き出るフランジを備える。
【0007】
別の実施形態によれば、第2容器は、輸液バッグなどの希釈液容器である。希釈液容器は、希釈液容器から突き出るポートアセンブリを有する。ポートアセンブリは、第1容器を受け入れて、第1容器の内容物を第2容器の内容物と流体連通するよう設計されている。
【0008】
別の実施形態によれば、ポートアセンブリは、ポートハウジングの空洞へのアクセスを提供する近位端の第1開口と、第1開口の反対側の第2開口と、第2開口を封止する可動プラグとを有する。別の実施形態によれば、ポートハウジングは、第2容器を第1容器に接続するために、第1容器の第1嵌合部材と係合するように適合された第2嵌合部材を有する。一実施形態では、第2嵌合部材は、異なる軸方向位置で第1容器と係合するために、複数の異なる長さのタブを有する保持体である。
【0009】
別の実施形態によれば、第1群のタブを利用して、第1容器をポートハウジングにドッキングするのを助け、好ましくは、ドッキング後に、すなわち、ドッキングされた非作動位置で、第1容器がポートハウジングから取り外されるのを防止する。別の実施形態では、第2群のタブを利用して、第1容器を作動位置に維持するのを助ける。
【0010】
別の実施形態によれば、栓は、容器本体の首部の開口内の第1の位置から、容器本体の空洞内の第2の位置へ移動する。栓が第2の位置にあるとき、薬剤は第1容器の開口を通って流れることができる。
【0011】
別の実施形態によれば、ポートアセンブリは、一体型アクチュエータを有する。アクチュエータは、ポートハウジングの空洞内に置かれている。一実施形態では、アクチュエータは、近位端と遠位端と中央空洞とを有する。別の実施形態では、アクチュエータは、側壁部材の間に軸方向の隙間を備える、複数の軸方向の側壁部材から構成されている。
【0012】
別の実施形態によれば、第1容器内の薬剤を、第2容器内の無菌流体と混合するためのシステムが提供される。システムは、第1容器に接続された作動環を備える。
【0013】
別の実施形態によれば、第1容器は、第1容器の外面に窪んだトラックを有し、作動環はトラックに嵌合する突出部を有する。トラックの形状によって、第1容器の許容移動量が決まる。
【0014】
別の実施形態によれば、可視インジケータが第1容器の外面に設けられる。可視インジケータは一般に、第1容器が第1の位置すなわちドッキング位置にあるときに目視できる。しかしながら、可視インジケータ一般に、第1容器が第2の位置すなわち作動位置にあるときは、ポートアセンブリ内に隠されており、それによって、作動状態の明瞭な可視表示を提供する。
【0015】
本発明の他の特徴および利点は、以下の図面と併せた以下の詳細の説明から明らかとなる。
【0016】
本発明を理解するために、次に、例として、添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態の斜視図であり、図では、第1容器が第2容器にドッキングされ、第1容器内の薬物を第2容器内の希釈液で再構成可能にするように作動しており、システムは、使用するために吊下げ状態で示されている。
【図2】本発明による第1容器と、本発明による第2容器の一実施形態の斜視図であり、第2容器はドッキングポートを有し、第1および第2容器は、第2容器に第1容器をドッキングして作動する前の状態が示されている。
【図3】本発明による第2容器のドッキングアセンブリの一実施形態の分解組立斜視図である。
【図4】図1に示す第1容器の一実施形態の分解組立斜視図である。
【図5】想定されるドッキング位置で示された第1容器の正面図である。
【図6】最終的な作動の前の回転位置で示された第1容器の正面図である。
【図7】想定される作動後の作動位置で示された第1容器の正面図である。
【図8】第1容器の中心線に沿った、第1容器の上部ハウジングアセンブリの断面図である。
【図9】第1容器のドッキング前の、第1容器および第2容器の中心線に沿った断面図である。
【図10】第1容器のドッキング(すなわち、ドッキング位置)の後の、第1容器および第2容器の中心線に沿った断面図である。
【図11】第1容器の作動中の、第1容器および第2容器の中心線に沿った断面図である。
【図12】第1容器の作動後の、第1容器および第2容器の中心線に沿った断面図である。
【図13】シリンジを利用して第1容器内の薬剤にアクセスする方法の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明では、多くの異なる形態の実施形態が可能であるが、本明細書では、本発明の好ましい実施形態が図面に示され、詳細に説明される。本開示は本発明の原理の例示と解釈されるべきであり、本発明の広義の態様を図示された実施形態に限定することを意図しないと理解されたい。
【0019】
次に、図、特に図1および図2を参照すると、第1容器412と第2容器414とから構成される2成分の混合または再構成システム410が示されている。一実施形態では、第1容器412は薬剤または薬物容器412であり、好ましくは、外部ハウジングを備えるバイアルの形態である。第2容器414は希釈液容器であり、好ましくは、フレキシブルバッグの形態である。一実施形態では、希釈液容器414は、端部を接合および封止されたフレキシブル材料の第1および第2の対向シートから形成されたフレキシブル容器であり、内部に希釈液を収納するための流体密封空洞を備える。容器の一端では、フレキシブルな希釈液容器414の対向シートが、ポートアセンブリ418のポートハウジング482のまわりで封止され、ポートアセンブリ418を第2容器414に固定して接続している。
【0020】
第1容器412は、図3で示されるように、第2容器414のポートアセンブリ418内の保持部486に嵌合するように適合された上部本体部材416または本体キャップ416を有する。本体キャップ416とポートアセンブリ418の保持部486との組み合わせは、第1容器412を第2容器414にドッキングするのを助け、また、第1容器412と第2容器414の内部との間で流体接続を確立することにより、2つの容器412、414の内容物を混合できるようにするのを助ける。典型的には、第1容器412内の薬物を混合または再構成するために、図10で示されるように、第1容器412は第2容器414のポートアセンブリ418にドッキングまたは接続され、次に、図1および図11から図12で示されるように、作動工程によって各容器412、414の空洞が流体連通されることにより、第1および第2容器412、414の内容物を混合する。
【0021】
図4で示されるように、一実施形態では、第1容器412は、薬剤または薬物を収納するバイアルである。薬剤または薬物は、液体、ジェル、もしくは粉末(例えば、凍結乾燥)の形態、またはそれらの知られている形態のいずれかの組み合わせを含む、任意の数の種々の形態であってもよい。薬剤または薬物は、図4では、粉末または凍結乾燥薬物として示されている。本実施形態では、第1容器412は、本体キャップ416とハンガーキャップ476とラベル480とによって部分的に囲まれている。本体キャップ416には、取り外し可能な頂部キャップ464と作動環438とが結合されている。さらに、図8で示されるように、封止リング439が設けられている。封止リング439は、第1容器412の首部領域422まわりに接続され、頂部キャップ464を本体キャップ416から取り外す前には、取り外し可能な頂部キャップ464の内部表面に近接している。封止リング439は、希釈液および/または薬剤が第1容器412と第2容器414との間の流体流路から漏れ出るのを防止する。
【0022】
第1容器412は、ガラス、プラスチックおよび任意の他の市場で入手可能な材料を含む多種多様な知られている材料から構成できるバイアルの形態であってもよい。第1容器412は、一般に、本体部分420と本体部分420から突き出る首部422とを有する。第1容器412の首部422は、内容物、例えば、薬剤または薬物を第1容器412内に収納する内部空洞426に通じる開口424を取り囲んでいる。一実施形態では、第1容器412の首部422はまた、第1容器412の開口424近くで外側に突き出る環状部分436を有する。
【0023】
栓428が第1容器412の開口424内に位置決めされている。栓428は、第2容器414を封止するように動作する。栓428は、開口424を密閉し、内部空洞426内の内容物が、第1容器412の空洞426から漏れ出るのを防止する。栓428はまた、外部の成分が意図せずに第1容器412の空洞426に入るのを防止する。栓428は第1容器412の首部422内に位置決めされるように構成された本体部分430と、栓428が図9で示した位置にあるときに、第1容器412の首部422から外側に向いている上面432とを有する。一実施形態では、栓428の上面432は、栓428が第1容器412内の第2の位置へ移動するのに必要な力を軽減するのに役立つ、凹部433を有する。代替の実施形態では、栓428の上面432内には凹部433が存在しない。さらに、好ましい実施形態では、栓428はまた、本体部分430から突き出るフランジ434を有する。フランジ434は、シリンジまたはカニューレを栓428を通して挿入して、溶液を追加するためおよび/または物質を第1容器412から取り出すときに、第1容器412内の栓428の位置を維持するのに有用であり、および、第1容器412が第2容器414のポートアセンブリ418に接続されているときに、気密および/または防湿を実現するのに有用である。図9に示される実施形態では、フランジ434の下側が栓の本体部分430と接する点において、栓428のまわりにアンダーカット429が設けられる。アンダーカット429はヒンジまたは屈曲点として作用して、本発明のシステムを作動位置に移動するときに、栓の押し込み力、すなわち、栓428を第1容器412の内部へ押し入れるのに必要な力を軽減するのに役立つ。アンダーカット429によって、システムの作動中にフランジ434は上向きにヒンジ運動するかまたは折れ曲がることができる。例えば、図9に示される位置では、栓428のフランジ434は、第1容器412の首部422の外側に突き出る環状部分436の頂部に載っている。すなわち、フランジ434は、内側に向けられた作動力を加えることによって、上向きに折れ曲がっている。栓428の図示された実施形態では、アンダーカット429は、0.03インチから0.1インチの範囲の幅を有するスプラインの形態である。代替の実施形態では、アンダーカット429の幅は0.04から0.07インチの範囲内にある。アンダーカット429の寸法および形状は、(a)栓428を形成する材料と、(b)本明細書で詳細に説明されるように、本発明のシステムが作動されるときに、栓428を第1容器412の内部に押し込むのに必要な目標力とによって変化することは、当業者には明らかである。
【0024】
図4および図9で示されるように、第1容器412の分解組立図および断面図を参照すると、一実施形態では、本体キャップ416は一般に、第1容器412の首部422および本体部分420のまわりに位置決めされる。より具体的には、本体キャップ416は、第1容器412の本体420の少なくとも一部を収納する内部空洞456を有する。このように、本体キャップ416は一般に、第1容器412の上部分を覆い、第1容器412を第2容器414にドッキングするのを助け、およびシステム410を作動させるのを助ける。
【0025】
図4および図9で示されるように、本体キャップ416は側壁442を有する。トラック441が本体キャップ416の側壁442に設けられている。本明細書で説明するように、トラック441は、第1容器412がドッキング位置から作動位置へ移動する間に、作動環438と組み合わさって第1容器412の動きを案内する。図4で示された実施形態では、トラック441は、本体キャップ416の側壁442内の窪みまたは凹部である。トラック441は作動環438から突き出る突出部479を受け入れ、これにより突出部479がトラック441内で動くことができるように設計されている。トラック441は、第1の垂直部分443と水平部分445と第2の水平部分447とを有する。トラック441はまた、少なくとも1つの解除可能(defeatable)な係止部449を有する。一実施形態では、解除可能な係止部449は、第1の垂直部分443内に設けられる。代替の実施形態では、別の解除可能な係止部449が、トラック441の水平部分445内に設けられる。解除可能な係止部449は、一定量の力が加わる結果、係止部が「解除可能になり」、さらなる移動が可能となるまで、作動環438の内側側壁上の突出部479が解除可能な係止部449を通り越すことができないようにすることによって、作動環438の移動を妨げるように作動する。トラック441の第1の垂直部分443は相対的に短く、一般に、解除可能な係止部449を乗り越える際に少量の移動を可能にするために設けられている。反対に、トラック441の第2の垂直部分447はより長く、以下に詳細に説明するように、第2容器414に対して第1容器412の完全な軸方向移動を可能にし、この結果システム410が作動する。トラック441の第2の垂直部分447は作動マーカ483と協働する作動マーカ485を有し、作動のための、第1容器412の正しい回転整列の可視表示を提供する。トラック441の水平部分445は第1の垂直部分443と第2の垂直部分447とを結合して、単一の連続トラックを提供する。水平部分445によって、作動環438(ここに示されるように、作動環のスプライン481によって固定して維持される)に対して本体キャップ416を回転させ、これにより、本体キャップ416上の作動マーカ485が、作動環438上の作動マーカ483と整列するようにすることができる(図4から図7参照)。代替の一実施形態では、本体キャップ416は、本体キャップ416の側壁442上で180°間隔の空いた第1および第2のトラック441を有し、作動環438は、180°間隔の空いた、嵌合する第1および第2突出部479を有する。別の代替の実施形態では、本体キャップ416は、本体キャップ416の側壁442上で120°間隔の空いた、第1、第2および第3のトラック441を有し、作動環438は、120°間隔の空いた、嵌合する第1、第2および第3突出部479を有する。
【0026】
本体キャップ416はまた、ポートハウジングアセンブリ418の第2嵌合部材に係合する第1嵌合部材を有する。好ましい実施形態では、本体キャップ416の第1嵌合部材、したがって第1容器412は、図4から図8で示されるように、本体キャップ416の側壁442の遠位部分から半径外側方向に突き出る第1および第2の環状フランジ450、451を備える。第1環状フランジ450は、本体キャップ416の遠位端に近接して位置決めされ、第2環状フランジ451は、第1環状フランジ450の下の所定距離に位置決めされている。一実施形態では、第1嵌合部材の第1環状フランジ450は、第1容器412をポートハウジング482内の中心に位置合わせすること(図9および図10を参照)と、第1容器412をドッキング位置でポートハウジング482にドッキングすること(図10を参照)とを助けるために利用される。第1嵌合部材の第2環状フランジ451は、第1容器412を、完全に作動した位置で維持する(図12を参照)のを助けるために利用される。本発明の図示された実施形態では、第1および第2の環状フランジ450、451は円形の外周周辺部を有し、この周辺部のサイズおよび形状は、開口内でポートハウジング482の保持部486に嵌合し、およびポートハウジング482の保持部486のタブ520、522に係合するように決められている。代替の実施形態では、第1および第2の環状フランジ450、451は、断続的な外周周辺部を有する。すなわち、1つ以上の隙間または間隙が外周辺りに存在する。
【0027】
上述のように、本体キャップ416の頂部キャップ464は取り外しできる。図4および図8で示されるように、頂部キャップ464は、頂部キャップ464と結合された引っ張りリング465を有する。頂部キャップ464は、頂部キャップ464を取り外す前に、第1容器412が第2容器414にドッキングされるのを防ぐ一体型キャップを、第1容器412に提供する。頂部キャップ464はまた、本体キャップ416の内部空洞456(本体キャップ416の内部にある全ての構成要素および表面を含む)を外部環境から封止し、本体キャップ416の内部領域に無菌状態を提供するために、一般に本体キャップ416への開口の上に保護シールを提供することによって、不正開封の試みから第1容器412を保護している。したがって、頂部キャップ464が本体キャップ416に接続されている状態のときは、第1容器412の内容物にアクセスできない。頂部キャップ464はまた、本体キャップ416の空洞に軸方向に下向きに突き出る周囲リブ467を有する。図8で示されているように、周囲リブ467は封止リング439の頂部において環状の凹部437と係合して、第1容器412を本体キャップ416内で正しく位置合わせするのを助ける。一実施形態では、本体キャップ416および頂部キャップ464は、低密度のポリエチレンから一体的に製造される。様々な材料および材料の組み合わせが、本体キャップ416と頂部キャップ464を製造する際に使用可能であることが理解される。薄壁466によって、頂部キャップ464が本体キャップ416に結合されている。薄壁466を破壊して、頂部キャップ464を本体キャップ416から外すことができる。頂部キャップ464を取り外すには、使用者は、引っ張りリング465を引っ張り、次に頂部キャップ464を本体キャップ416に接続している薄壁466を破壊し、それによって、頂部キャップ464を本体キャップ416の残り部分から外す(図9を参照)。頂部キャップ464を本体キャップ416から取り外す過程で薄壁466が破壊されるので、頂部キャップ464は、再び取り付けることができず、したがって、第1容器412の内容物への起こり得る不正開封の証拠を提供する。
【0028】
図8を参照すると、本体キャップ416はまた第1および第2のリブ状封止部460を有する。好ましくは、リブ状封止部460は、本体キャップ416の内部表面から本体キャップ416の空洞456内に半径内側方向に突き出る突出部であって、第1容器412と係合し、汚染物質が本体キャップ416の空洞456に入るのを防ぐ封止体を設ける。一実施形態では、各リブ状封止部460には約180°の位置に切り欠き部分が設けられて、空洞456の通気を可能にしているが、第1のリブ状封止部460の切り欠き部分は、第2のリブ状封止部460の切り欠き部分から90°ずれており、これにより切り欠かれた蛇行した経路を提供することにより、本体キャップ416の空洞456およびその内容物の無菌状態を保護する。
【0029】
封止リング439は、第1容器412の首部領域422に係合するように構成されている。図8で示されるように、封止リング439は、側壁453を有するほぼ円筒形の構成要素を備える。側壁453は、側壁453の上側の第1端部部分で側壁453から半径外側方向に突き出る第1フランジ455と、側壁453の下側の第2端部部分で側壁453から半径内側方向に突き出る第2フランジ459とを有する。封止リング439はまた、内側肩部463を有する。内側肩部463と第2フランジ459は協働して凹部469を形成し、この凹部が第1容器412の首部422の外側方向に突き出る環状部分436を受け入れて保持する。さらに、封止リング439は封止リング439の側壁453から半径内側方向に突き出る一連の環状リブ471を有し、このリブ471が第1容器412の首部422を封止する。上記で説明したように、封止リング439はまた、頂部キャップ464から突き出る環状リブ467を受け入れるために、封止リング439の頂部に環状の凹部437を有する。最後に、封止リング439は、第2フランジ459に近接した第1開口473(この開口を通してバイアル412が挿入されて封止リング439と係合する)と、第2開口とを有し、この第2開口は、封止リング439が第1容器412に結合されたときに、栓428へのアクセスを提供する。封止リング439はまた、半径内側方向に突き出た、第1フランジ455と対向する内側フランジ475を有する。内側フランジ475は、ここで説明するように、プラグ489の脚507に係合する。一実施形態では、封止リング439は、プラスチック材料、好ましくは、熱可塑性ポリエステルエラストマーでできている。熱可塑性ポリエステルエラストマー材料は一般に、ゴムのフレキシブル性とプラスチックの強度と熱可塑性材料の加工性とを備える。熱可塑性ポリエステルエラストマー材料は、射出成形、ブロー成形、カレンダー成形、回転成形、押し出し成形および溶融鋳造などの従来の熱可塑工程によって容易に加工することができる。
【0030】
図4から図9を参照すると、作動環438は、本体キャップ416の外側側壁に接続されている。本体キャップ416と組み合わさった作動環438は、第1容器412がポートアセンブリ418にドッキングされるとき、第1容器412の動きを制御するのを助ける。作動環438は、上述のように、側壁477の内面から内側に突き出る突出部479を備える円筒形側壁477を有する。突出部479は、本体キャップ416の側壁442内のトラック441に嵌合する嵌合部材である。本発明の一実施形態では、作動環438は、180°間隔の空いた第1および第2の突出部479を有する。同様に、本体キャップ416は、本体キャップ416の側壁442上で180°間隔の空いた、第1および第2のトラック441を有する。突出部479とトラック441との数および形状は、本発明の精神と範囲から逸脱することなく変更可能であることが理解される。作動環438上の突出部479と、本体キャップ416上のトラック441との間の係合によって、本体キャップ416の外側側壁に接続された作動環438が維持され、ここで詳細に説明される。さらに、作動環438の突出部479とトラック441とは、第1容器412が第2容器414のポートハウジング482にドッキングした後に、係止部として協働して、第1容器412の意図しない作動を防止する。
【0031】
作動環438はまた、作動環438の側壁477から延びる複数のスプライン481を有する。一実施形態では、スプライン481は、作動環438の側壁477の外部表面から延びている。一実施形態では、作動環438は36個のスプライン481を有する。したがって、その実施形態では、スプライン481は10°毎の間隔が空いている。しかしながら、スプライン481の数は変更可能であることが理解される。作動環438のスプライン481はポートアセンブリ418上の嵌合突出部519(図9を参照)と係合して、第1容器412が第2容器414に取り付けまたは「ドッキングされている」ときに、作動環438が回転するのを防止する。このような係合はここで詳細に説明される。36個のスプライン481が設けられている本発明の構成においては、作動環438のスプライン481をポートアセンブリ418の嵌合突出部519に係合するのに必要な最大の角回転は5°である。さらに、好ましい実施形態では、作動環438の外面上のスプライン481は、ここで説明するように、スプライン438に嵌合突出部519を嵌合するのを助けるために、面取りした導入部を有する。作動環438はまた、作動マーカ483を有し、作動するための、作動環438の本体キャップ416との正しい回転整列の可視表示を提供する。好ましい実施形態では、作動環438はポリプロピレン材料からできている。図10で示されているように、作動環438を含む本体キャップ416の外面は、ポートハウジング482への開口よりも小さい円周を有する。このようにして、第1容器412に固定された本体キャップ416をポートハウジング482に挿入してドッキングさせ、その後の第1容器412の作動を可能にすることができる。
【0032】
図1、図4および図9で示されるように、第1容器412は、第1容器412の本体部分420の遠位端に設けられたハンガーキャップ476を有する。一実施形態では、ハンガーキャップ476は、第1容器412の本体部分420の遠位端の形状とほぼ一致した形状を有する。図示された実施形態では、ハンガーキャップ476は、ほぼ円筒形の形状を有する。ハンガーキャップ476はまた、ハンガーキャップ476から延びる、蝶番式コネクタ478を有する。図1で示されるように、コネクタ478はハンガーキャップ476の下側部分から回動することにより、例えば、従来のIVポールまたは輸液バッグを保持するように構成された他の構造体から再構成システム410を吊下げるのを助けることができる。
【0033】
次に、図1、図2、図4から図7および図9を参照すると、一実施形態では、第1容器412はラベル480を有し、このラベル480が、本体キャップ416をハンガーキャップ476に接続し、本体キャップ416およびハンガーキャップ476を第1容器412上に固定する。図9で示されるように、このような実施形態では、本体キャップ416およびハンガーキャップ476が第1容器412上に完全に取り付けられると、本体キャップ416とハンガーキャップ476との嵌合端部の間には、約0.060インチの隙間が存在する。
【0034】
再構成システム410はまた、作動マーカ487を有する。一実施形態では、作動マーカ487は、本体キャップ416をハンガーキャップ476に結合するラベル480上の着色帯487である。ここで説明するように、作動マーカ487は、第1容器412が第2容器414にドッキングされたとき(図5を参照)、および作動工程中(図6を参照)に目視できるが、完全に作動した後は、作動マーカ487は作動環438の下に隠れることになる(図1および図7を参照)。したがって、作動マーカ487が目視できないときは、完全に作動がなされたことの明瞭な可視表示が提供される。
【0035】
次に、図1から図3を参照すると、第2容器414は、第1容器412の本体キャップ416に係合して、第1容器412を第2容器414にドッキングするように適合されたポートアセンブリ418を有する。したがって、ポートアセンブリ418の1つの機能は、薬物のバイアル412をドッキングするための受容体として働くことである。ポートアセンブリ418はまた、作動、混合および/または第1容器412内の薬剤を再構成するために、第1容器412と第2容器414との間の流体連通を容易にする構造体を含む。
【0036】
図3で示されるように、ポートアセンブリ418は一般に、ポートハウジング482とアクチュエータ484とプラグ489と保持部486と剥離可能なカバー488と上蓋490とを備える。図3で示される本発明の実施形態では、ポートアセンブリ418の保持部486は、保持体またはドッキング部材486である。保持部486の一部は、第1容器412のドッキングおよび作動中に、第1容器412の第1嵌合部材(すなわち、第1および第2フランジ450、451)に係合する。剥離可能なカバー488および上蓋490は、ポートアセンブリ418の内容物の無菌状態を維持するのを助ける。剥離可能なカバー488および上蓋490はまた、第1容器412の内容物への不正開封の証拠を提供する。
【0037】
図3および図9で最も詳しく示されているように、ポートアセンブリ418のポートハウジング482は、第1端部494と第2端部496とを有する第1ハウジング部分492を有する。フランジ498は、第1ハウジング部分492の第1端部494から半径外側方向に突き出ており、肩部499は、第1のハウジング部分492の第2端部496から半径内側方向に突き出ている。別のハウジング部分502が第1ハウジング部分492から突き出ている。第2容器414がフレキシブルな希釈液バッグである一実施形態では、図1および図9で示されるように、第2容器414は、ポートアセンブリ418を第2容器414の内部空洞415と接続するために、ポートハウジングアセンブリ418のハウジング部分502の外壁に固定状態で接続されている。このような実施形態では、ハウジング部分502は好ましくは半楕円形の外側形状(図3で示されるように)を有し、これにより第2容器414をポートハウジング482に封止するのを助ける。
【0038】
ポートハウジング482の第1ハウジング部分492は、第1空洞506を画定する内部表面504を有し、ハウジング部分502は、ポートハウジング482の別の空洞または内部孔514を画定する内部壁512を有する。ポートハウジング482は、ハウジング部分502の遠位端515に孔514への出口に近接して設けられた環状凹部513を有する。図9で示される実施形態では、突き出たリップ部517が設けられている。
【0039】
ポートアセンブリ418のプラグ489が、ポートハウジング482の孔514内に位置決めされている。プラグ489は、流体が、ポートハウジング482の内部孔514を通って第2容器414へまたは第2容器414から漏れ出すのを防止するために、ハウジング部分502内またはハウジング部分502の端部に位置決めされた封止部材491を有する。プラグ489は、第2容器414の内部空洞415を、ポートハウジング482の内部孔514から流体的に分離する。
【0040】
ポートハウジング482はまた、第1ハウジング部分492の第2端部部分496において、肩部499から第1のハウジング部分492の第1空洞506内に軸方向に延びる内部封止壁576を有する。一実施形態では、内部封止壁576は、ほぼ円筒形の形状を有し、ポートハウジング482の第1のハウジング部分492の内部表面504に対して同心状に位置決めされている。第2の実施形態では、内部封止壁576はわずかに先細になっている。内部封止壁576は、下向きに延び、第1容器412の作動中に、封止リング439の上側の第1端部457で、側壁453から半径外側方向に突き出る第1フランジ455に接触するかまたは係合する。第1容器412の作動中に、内部封止壁576が封止リング439の第1フランジ455に係合することによって、封止体として働く。ここで説明するように、第1容器412が、作動ステップ中に第2容器414の方に軸方向に移動すると、図10から図12で示されるように、封止リング439の第1フランジ455は、内部封止壁576上を摺動する。封止体は内部封止壁576と封止リング439の第1フランジ455との間に形成される。
【0041】
上述のように、ポートアセンブリ418はアクチュエータ484を有する。一実施形態では、アクチュエータ484はポートハウジング482と一体である。図3および図9で示されるように、アクチュエータ484は、第1ハウジング部分492の第2端部496において、肩部499から第1ハウジング部分492の第1空洞506内へ軸方向に突き出ている。アクチュエータ484はさらに、ポートハウジング482の内部封止壁576に対して半径内側方向に、ほぼ同心状に位置決めされている。アクチュエータ484は、ポートハウジング482の肩部499から延び、底部503で終端する複数のリブまたは側壁部材501から形成されている。好ましい実施形態では、アクチュエータ484は、各側壁部材またはリブ501の間に軸方向の隙間505を備える、3つの側壁部材またはリブ501から構成されている。側壁部材またはリブ501は、アクチュエータ484の中心空洞521を画定し、軸方向の隙間505は中心空洞521へのアクセスを可能にする。中心空洞521は、最終的には、流体流路になる。側壁部材またはリブ501の外径は、第1容器412の開口424の内径に近い。側壁部材またはリブ501の遠位端は、アクチュエータの底部503の方に内側に先細になっていてもよい。ここで説明するように、アクチュエータ484は、好ましくは比較的硬い材料、例えば、剛性プラスチックで構成され、その結果、アクチュエータ484は、図11から図12で示されるように、第1容器412の内部空洞426内へ栓428を移動させるのに用いることができる。アクチュエータ484の軸方向の隙間505が大きいことは、アクチュエータ484が第1容器412の開口424内に位置するときに、第1容器412の内容物との流体連通を容易にする。好ましい実施形態では、ポートハウジング482とその一体のアクチュエータ484とは、ポリプロピレンコポリマーから作られている。
【0042】
上述のように、ポートアセンブリ418のプラグ489は、ハウジング部分502の内部壁512によって画定される孔514内に位置決めされている。プラグ489は、遠位端493に環状の封止部材491を備える端部壁497を有する。封止部材491は、プラグ489の遠位端493の周囲を取り囲んでいる。封止部材491の環状リブ495がポートハウジング482内の環状の凹部513に係合して、第2容器414の内部空洞415をポートハウジング482の内部孔514から封止している。プラグ489はまた、プラグ489の本体部509から軸方向に離れる方向に突き出る複数の脚507を有する。好ましい実施形態では、プラグ489は、図3および図9で示されるように、3本の脚507を有する。各脚507の終端部に、半径方向の延長部511が設けられている。ここで説明するように、脚507の半径方向の延長部511は、封止リング439と係合するために設けられている。最後に、プラグ489の脚507の間に空洞513が画定されている。空洞513は、プラグ489の脚507の間の隙間を通して、およびプラグ489の遠位の開放端部における隙間を通して完全にアクセスすることができる。
【0043】
図3および図9で最も詳しく示されているように、保持またはドッキング部材486は、ポートハウジング482の第1ハウジング部分492の第1空洞506内に位置している。保持部486は、基底部518を有する本体部分と、基底部518から突き出る複数の異なる長さのタブ520、522と、保持部486の近位端から突き出るフランジ524とを備える。保持部486はまた、基底部518の内部表面から突き出る1つ以上の突出部519を有する。突出部519は、作動環438の外面上のスプライン481の間にある空間に嵌まり込む。一実施形態では、基底部518の形状と組み合わさった突出部519はまた、第1容器412をポートアセンブリ418に挿入して(図10に図示)、アセンブリ418内で第1容器412をドッキングするときに、作動環438の係止部として働く。一実施形態では、保持部486のフランジ524は、ポートハウジング482のフランジ498に固定される。例えば、保持部486のフランジ524の上面が、ポートハウジング482のフランジ498の下面に超音波的に溶接される。したがって、このような実施形態では、保持部486は、ポートアセンブリ482内に固定されている。保持部486およびポートアセンブリ482は、本発明の範囲から逸脱することなく、単一の材料部品または複数の構成要素から形成することができる。
【0044】
図3および図9から図12に示し、また上述のように、保持部486は、複数のタブ520、522を有する。一実施形態では、第1群のタブ520の高さは、第2群のタブ522の高さより低い。本実施形態では、第1群のタブ520は、図10で示されるように、ドッキング位置において第1容器412を支持するために利用され、第2群のタブ522は、図12で示されるように、作動位置において第1容器412を支持するために利用される。タブ520、522はそれぞれ、タブの遠位端に先細部分を含むことができる。保持部486をプラスチックなどのフレキシブル材料(例えば、ポリプロピレンコポリマー)で構成することによって、第1容器412がポートハウジング482に挿入されるときにタブ520、522を屈曲させ、その後、タブ520、522を弾性でそれらの元の位置に戻るようにすることができる。したがって、タブ520、522は、第1容器412を第2容器414の方向へ第1軸方向に押し込むことができるが、反対方向への後退移動を阻止して、第1容器412がドッキングおよび作動した後に、第1容器412がポートハウジング482との係合から外れるのを防止する。
【0045】
図9から図12を参照すると、第1容器412がポートハウジング482に挿入されると、第1環状フランジ450が、ポートハウジング482の保持部486の近位端における開口内で第1容器412を中心に位置合わせする。第1容器412が軸方向に内側に押されると、第1環状フランジ450は、第1群のタブ520の遠位端を半径外側方向に屈曲させて、第1環状フランジ450をタブ520の軸方向に内側に突き出るのを可能にする。第1環状フランジ450が第1群のタブ520の内側に位置するとき、タブ520は再屈曲し、タブ520の元の屈曲していない位置へ戻る。この位置では、図10で示されるように、環状フランジ450は第1群のタブ520上にドッキングされ、第1群のタブ520は、環状フランジ450、したがって第1容器412が、保持部486から引っ張り出されるのを防ぐ。このようにして、システムは、ドッキング工程が完了した後に、第1容器412が第2容器414との「ドッキングから外される」のを防ぎ、それによって、不正開封の可能性を最小にし、および/またはシステムの無菌状態の損なわれるのを最小にする。さらに、この位置において、作動環438上のスプライン481が保持部486上の突出部519に係合して、作動環438、さらに第1容器412全体がポートハウジング482内で回転するのを防止する。
【0046】
第1容器412がポートハウジング482にドッキングされた後は、システム410は、その後の任意の時間に作動できる。作動するために、第1容器412は、最初に、ポートハウジング282に向かって軸方向に内側に移動し、その結果、作動環438上の突出部479が、解除可能な係止部449を乗り越える(図5を参照)。次に、第1容器412が、第1容器412を回転させることによって、固定された作動環438に対して回転する(図6を参照)。上述のように、第1容器412の移動は、トラック441によって可能となる移動に限定される。第1容器412が回転して、第1容器412がトラック441の水平部分445内で起こり得る突出部479の平行移動範囲の限界に達した後は、第1容器412は再び、第2容器414の方へ、さらにポートハウジング482内へ軸方向に平行移動することができる(図7を参照)。
【0047】
作動工程は上記で機能的に明確にしてきたが、ここでは構造的に説明する。第1容器412が第2の垂直トラック部分447上で軸方向に内側に押されて、ポートハウジング482の第1空洞506内へ入ると、第1環状フランジ450は、第2群のタブ522の遠位端と接触し、第2群のタブ522を半径外側方向に屈曲して、第1環状フランジ450を第2群のタブ522の軸方向に内側に突き出るのを可能にする(図11を参照)。これは、部分的な作動位置と称される。完全な作動を得るには、図12で示されるように、第1容器412は、第2の垂直トラック部分447上で軸方向に内側にさらに押されて、ポートハウジング482の第1空洞506内へ入らなければならない。図12で示されるように、第2環状フランジ451は、第2群のタブ522の遠位端と接触し、第2群のタブ522を半径外側方向に屈曲して、第2環状フランジ451を第2群のタブ522の軸方向に内側に位置決めすることができる。第2環状フランジ451が第2群のタブ522の内側に位置するとき、タブ522は再屈曲し、屈曲していない位置へ戻る(図12を参照)。これは、作動または完全な作動位置と称される。この位置では、第2環状フランジ451は、第2群のタブ522上に位置し、第2群のタブ522は、第2環状フランジ451、したがって第1容器412が、保持部482から引っ張り出されるのを防止する。この位置では、第1容器412は、第2容器414の方へさらに軸方向に移動するのを防止される。これらの特徴により、意図的な不正開封、および第1容器412および第2容器414の内容物の無菌状態を損ない得る他の行為が防止される。
【0048】
図3で示される本発明の実施形態では、ポートアセンブリ418はまた、剥離可能なカバー488を含む。剥離可能なカバー488はポートハウジング482に接続された保持部486のフランジ424上に位置決めされ、ポートアセンブリ418への開口の上に保護シールを提供し、ポートアセンブリ418の内部(ポートアセンブリ418の全ての構成要素および表面を含む)を外部環境から封止し、この領域に無菌状態を提供する。一実施形態では、剥離可能なカバー488はTyvek(R)材料(または他の知られている材料)と、剥離可能なカバー488を保持部486に接着しやすくするために、カバー488の片側に塗布された適切な接着剤とでできている。剥離可能なカバー488は、剥離可能なカバー488を保持部486から取り外すのを容易にするために、1つ以上のタブまたは延長部を有してもよい。好ましくはプラスチック材料で形成される上蓋490が、好ましくは、剥離可能なカバー488に対する保護体として働くように構成される。添付図面に示される実施形態においては、上蓋490は一組の側壁と、剥離可能なカバー488まわり、およびポートハウジング482のフランジ498上に把持するフランジとを有し、これにより上蓋490をポートアセンブリ418上に保持する。
【0049】
本発明の一実施形態では、第1容器412の内容物を第2容器414の内容物と混合または再構成するために、図1で示されるように、第1容器412は、第2容器414のポートアセンブリ418にドッキングまたは接続される。ここで説明するように、ドッキングステップ後に、各容器412、414の空洞が作動工程によって流体接触状態になり、それによって第1および第2の容器412、414の内容物が結合または混合されることができる。
【0050】
図2を参照すると、第1容器412は、医師が薬物を要求するまで、第2容器414から分離して維持されてもよい。処方箋が出されると、薬剤師または臨床医は、第1容器412の本体キャップ416から頂部キャップ464を取り外す。薬剤師または臨床医は、上蓋490と剥離可能なカバー488もポートハウジングアセンブリ418から取り外す。これで、図10から図12で示されるように、典型的には薬局で、薬物のバイアル412をポートアセンブリ418に押し入れることによって、第1容器または薬物のバイアル412をポートアセンブリ418に「ドッキング」することができる。第1容器412が軸方向に移動されてポートアセンブリ418内に入ると、第1環状フランジ450が第1群の短いタブ520と接触し、短いタブ520を半径方向外側に屈曲させて、第1フランジ550がタブ520を通り越すのを可能にする。フランジ450がタブ520の端部を通過した後に、タブ520は、タブの元の屈曲していない位置へ弾性で戻り、それによって、第1容器412を第2容器414に対してドッキング位置で固定する。フランジ450が第1群のタブ520を通って押し込まれると、通常、薬剤師は、フランジ450がタブ520を通り越したことと、バイアル412がドッキングされ、準備完了位置で固定されていることを知らせる、耳に聞こえる「ポン」という音を聞く。さらに、この位置では、タブ520は逆向きの軸方向移動を防止し、したがって第1容器412はポートハウジング482から取り外しできない。起こり得る不正開封を防止することに加え、第1容器412をドッキング位置で固定することによって、第1容器412が、作動前に第2容器414から誤って外れないことを保証する。このような容器の外れは、第1容器412および第2容器414の移動中(例えば、手動で、医療カートで、または空気圧システムでなど、知られている手段による)、またはドッキングシステムの保管中に起こり得る。
【0051】
さらに、ドッキング中、封止リング439の側壁453から半径方向外側に突き出る第1フランジ455は、先細の内部封止壁576に係合する。フランジ455が先細の内部封止壁576に係合することにより、内部封止壁576と封止リング439の第1フランジ455との間に封止が形成される。図10で示されるように、ドッキングの間、アクチュエータ484の底部503が栓428の上面432に係合し、栓428に小さい力を加える。
【0052】
ドッキング状態では、図10で示されるように、第1容器すなわち薬物のバイアル412の内容物は、第2容器すなわち希釈液用バッグ414の内容物から分離された状態を維持する。しかしながら、第1容器412は、ポートアセンブリ418および第2容器414に固定され、一般には第1容器412の種々の構成要素を破壊せずには、ポートアセンブリ418および第2容器414から取り外すことができない。したがって、この時点では、バイアル412は、ポートアセンブリ418に機械的に接続されているが、希釈液用バッグ414とは流体的に接続されていない。ドッキング状態においては、2つの容器412、414の内容物は、完全に分離されたままであり、したがって、2つの容器412、414は、典型的には、2つの容器412、414内の内容物の保存期間によってのみ限定される長期間、混合されずにドッキング状態を維持できることが理解される。ドッキング状態では、栓がバイアルの開口内に位置し、それによって第1容器412の内容物に対する水分および空気バリアを提供する。薬物のバイアル412がポートアセンブリ418上で「ドッキング」された後の任意の時間に、看護婦または他の臨床医がシステムを作動し、それによって、第1容器412内の薬物を第2容器414内の希釈液と混合または再構成することができる。
【0053】
2部品の混合システム410を作動させるために、臨床医は、第1容器412を第2容器414の方に軸方向に押す。この工程において、臨床医は、係止部449を作動環438の内面の突出部479を越えるように押すことによって、解除可能な係止部449を乗り越える必要がある(図5を参照)。次に、図6で示されるように、臨床医は、固定された作動環438およびポートハウジング482に対して第1容器412を回転させる必要がある。ここでも、誤って作動するのを防止するために、一実施形態では、臨床医は十分な力を加えて、係止部449を、作動環438上の突出部479を越えて水平トラック部分445内に押し込む必要がある。最後に、図7および図11から図12で示されるように、臨床医はさらに、第1容器412を第2容器414の方に軸方向に押して、第2群のタブ522上の完全な作動位置に移動させる。
【0054】
最終の軸方向に作動する段階においては、プラグ489が部分的に第2容器414の空洞に押し入れられると、プラグ489の封止部材491とポートハウジング482との間の封止は破壊する。さらに、栓428は、図11および図12で示されるように、アクチュエータ484の近位端503によって、バイアル412内の開口424に押し付けられ、バイアル412の内側空洞426に押し込められる。これにより、第1容器412と第2容器414との間に流体流路が形成される。
【0055】
第2容器414への流体流路の開口が、図11で示されている。第1容器412が、作動中に第2容器414の方へ軸方向に押されると、脚507が封止リング439の内側フランジ475を押し付けて通過し、第1容器412の外側に突き出る環状部分436に係合する。さらに、内側フランジ475は、内側フランジ475とバイアル412のリップ部436との間で脚507を保持し、脚507を内側フランジ475とリップ部436との間に維持する。したがって、第1容器412が第2容器414の方に軸方向にさらに押されると、その力によって、プラグ489上の封止部材491の環状リブ495がポートハウジング482内の環状の凹部513から外れ、プラグ489を第2容器414の空洞に押し入れ、それによって、第2容器414への流体流路を開く。図11で示され、また上述したように、第1フランジ455は第1容器412の作動中に、内部封止壁576に係合する。内部封止壁576が封止リング439の第1フランジ455に係合することによって、第2容器414の内容物を封止して、ポートハウジング482から漏れ出て、第1容器412を通過するのを防ぐ。
【0056】
図11から図12への移行で示されるように、第1容器412が第2容器414の方にさらに軸方向に移動することによって、栓428が第1容器412の空洞426内へ移動し、それによって、第1容器412とアクチュエータ484の中心空洞521との間に流体流が形成される。一実施形態では、栓428は、最終的に、第1容器412の開口424を完全に通過して移動し、第1容器412の空洞426内に置かれる。この時点において、第1容器412の空洞426は、アクチュエータ484の中心空洞521に対して開いている。図12で示されるように、アクチュエータ484の中心空洞521は、第1容器412への開口424とほぼ同じ大きさの断面を有する。このことは、第1容器412への流体の流れおよび第1容器412からの流体の流れを制限しないことで、再構成システム410を支援する。
【0057】
第1容器412が完全に作動した位置に移動すると、本体キャップ416の第2環状フランジ451が保持部486を、第2容器414の方に、第2群のタブ522を通過して軸方向に上方に移動させる。この位置において、図12で示されるように、第2環状フランジ451は、第2群のタブ522上に位置し、第2群のタブ522は、第2環状フランジ451、したがって第1容器412が、逆向き、すなわち近位の軸方向に移動するのが防止される(すなわち、第2群のタブ522は、第1容器412が、ポートハウジング482から引っ張り出される、または外れるのを防ぐ)。これは、作動位置と称される。
【0058】
2成分の混合システム410の一実施形態の別の態様は、システム410の作動についての可視表示が設けられていることである。図1、図2および図5から図7で示されるように、一実施形態では、作動マーカ487が設けられている。作動マーカ487は、ハンガーキャップ476に本体キャップ416を結合するラベル480上の着色または印刷された帯487であってもよい。第1容器412がドッキング位置にあるとき、作動マーカ487は目視することができる。これは、システム410がまだ作動していないことを臨床医に示す。第1容器412が第2容器414にドッキングされているとき(図5を参照)、および作動工程中(図6を参照)には、作動マーカ487は、目視することができる。完全な作動が生じた後は、作動マーカ487は、作動環438の下に隠される(図1および図7を参照)。作動マーカ487が見えなくなるということは、混合システム410が作動し、2つの容器412、414の内容物の間の流体流路が開いていることを臨床医に示す。臨床医が作動マーカ487を見ることができないということはまた、容器412、414の内容物が患者に送達される準備ができていること、すなわち、容器412、414の内容物が患者に送達するために混合または希釈されたことを臨床医に示す。
【0059】
図13で示された2成分の混合システム410の一実施形態の別の態様では、頂部キャップ464が本体キャップ416から取り外された後に、シリンジを用いて第1容器412の内容物にアクセスすることにより、その内容物のうちの一部を取り出すか、その内容物に少量の希釈液を加えるか、または内容物を加え、混合された内容物を第1容器412から取り出すことの組み合わせるかのいずれかを実行できる。このような作業を実行するために、図13で示されるように、臨床医は、シリンジの針を用いて栓428に孔を開け、第1容器412の空洞にアクセスしてもよい。この実施形態では、第1容器412は、標準的な薬剤のバイアル、すなわち、シリンジに接続した皮下注射針を用いてアクセスされるバイアルとして、および本発明の2成分の混合システム410の一構成要素として用いることができる。栓428は、好ましくは、皮下注射のシリンジ針を栓428に突き通すときに、孔あけに抵抗する高分子材料で構成される。栓428の構成および材料は、好ましくは、皮下注射のシリンジ針を栓428に突き通すのに必要な力が、臨床医に人間工学的に受け入れられるように選択される。本発明の一実施形態では、皮下注射のシリンジ針を栓428に突き通すのに必要な力は、1.5重量ポンド未満である。代替の一実施形態では、皮下注射のシリンジ針を栓428に突き通すのに必要な力は、0.5から1.0重量ポンドの範囲である。栓428の構成および材料はまた、好ましくは本発明のシステムが作動する際に、栓428を第1容器412の内部に押し込むのに必要な力がシステムおよび人間工学の機械的強度の点において適切であるように、選択される。栓428を第1容器412の内部に押し込むのに必要な力は、誤って作動するのを防ぐために十分大きくなければならないと同時に、(i)本発明のシステムが比較的低価格の材料から構成できること、(ii)臨床医がシステムを容易に作動状態に移すことができることの両方のために十分小さくなければならないことが理解される。本発明の一実施形態では、栓428を第1容器412の内部に押し込むのに必要な力は、4から20重量ポンドの範囲である。第2の実施形態では、栓428を第1容器412の内部に押し込むのに必要な力は、5から15重量ポンドの範囲である。第3の実施形態では、栓428を第1容器412の内部に押し込むのに必要な力は、8から13重量ポンドの範囲である。栓428を構成するのに用いられる材料は、好ましくは、第1容器412内の対象内容物に対して不活性な材料である。第1容器412が医薬品の収納を意図されている場合、栓428を構成する材料は、理想的には、医薬品とともに使用することに対して規制機関によってすでに承認された材料であり、それによって、医薬品と栓428との間で望ましくない相互作用が生じないことを保証するために、広範囲の適合性試験を実施する必要性を最小限または除去する。
【0060】
一実施形態では、第2容器414は、オーバーラップ材を用いることなく、希釈液または医薬品を第2容器414に保管することができるのに十分な防湿能力を提供する、非PVCの、DEHPを含まない材料から構成されている。例えば、第2容器414は、VISIV(R)のフレキシブル容器の製造において、Hospira,Inc.によって利用される材料で構成できる。
【0061】
本明細書では、いくつかの代替的な実施形態および実施例を説明および図示してきた。当業者であれば、さらに、実施形態のうちのいくつかは本明細書で開示した他の実施形態との任意の組み合わせで提供できること理解する。さらに、本明細書で用いられている用語の「第1」、「第2」、「第3」および「第4」は、例示目的のみを意図しているのであって、実施形態を限定するものではない。さらに、本明細書で用いられている用語の「複数」は、分離的または連結的な、1よりも大きい任意の数、必要に応じて無限の数までを表す。さらに、本明細書において明細書および特許請求の範囲の両方で用いられている用語の「有する」は、非制限の意味で用いられている。
【0062】
本発明は、本発明の精神または中心的な特徴から逸脱することなく他の特定の形態で具体化されてもよいことが理解される。したがって、本実施例および実施形態は、あらゆる点において、例示と見なされるべきであり、限定と見なされるべきではなく、本発明は、本明細書に記載された詳細事項に限定されるものではない。したがって、特定の実施形態を図示および説明してきたが、本発明の精神から大幅に逸脱することなく多くの変更形態が想定され、保護範囲は添付の特許請求項の範囲によってのみ限定される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、2つの容器の内容物を混合するシステムおよび方法に関し、より具体的には、第1容器に収納された薬剤を第2容器に収納された希釈液と混合または再構成するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療環境において投与される薬剤または薬物は、典型的には、内部が無菌状態に維持されたバイアルに収納されている。バイアル自体は、薬剤または薬物を取り出すことが望まれるときに、典型的にはカニューレによって貫通される、無菌栓で封止されている。バイアルから患者の体内へ薬物を導入するには、いくつかの手順が必要である。各手順は、バイアル、栓または薬剤の無菌状態を損なう可能性がある。さらに、特定のバイアル内の薬剤が粉末または濃縮されている場合、希釈液をバイアルに加えて、粉末を溶解するか、または濃縮された薬剤溶液を所望の濃度に希釈する必要があることが多い。後に混合し得るように異なる成分を個別に収納するために、単一容器内に分離した区画を設けたデバイスが様々な米国特許に記載されており、それら特許には、Nitardyの米国特許第2,176,923号明細書、Daviesらの米国特許第3,290,017号明細書、Burkeらの米国特許第3,532,254号明細書が挙げられる。この種類の別のデバイスが、他の米国特許に記載されており、それら特許には、Wilkinsonの米国特許第4,458,811号明細書、Knoxらの米国特許第4,610,684号明細書、Lefheitらの米国特許第4,998,671号明細書、Hanacherの米国特許第5,102,408号明細書、Barneyらの米国特許第5,176,526号明細書、Barneyらの米国特許第5,462,526号明細書、Barneyらの米国特許第5,928,213号明細書、Barneyらの米国特許第5,944,709号明細書、Barneyらの米国特許第6,203,535号明細書およびSmithらの米国特許第6,846,305号明細書が挙げられる。
【0003】
さらに、2つの容器の内容物を混合する手段を有した、2区画に分割された容器システムもまた当該技術分野で知られている。例えば、本発明の譲受人であるHospira,Inc.は、米国特許第4,614,267号明細書、第4,614,515号明細書、第4,757,911号明細書、第4,703,864号明細書、第4,784,658号明細書、第4,784,259号明細書、第4,948,000号明細書、第4,963,441号明細書および第5,064,059号明細書を含む、このような技術に関する多数の特許を所有する。このような送達システムは、ADD−VANTAGE(R)商標でHospira,Inc.によって製造、販売されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
再構成システムおよび2つの容器の内容物を容器の外側から混合するシステムは、当該技術分野では知られている。従来技術によるこのような再構成システムは、多くの有利な特徴を提供するが、それにもかかわらず、特定の限界を有する。本発明は、従来技術の特定のこれらの限界および他の欠点を克服し、これまで利用できなかった新たな特徴を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の特徴および利点の完全な記述は、添付図面を参照して進める以下の詳細な説明に譲る。本発明は、一般に、第1容器に収納された薬物を第2容器に収納された希釈液と混合または再構成するシステムを提供する。一実施形態では、第1容器は、第1容器の空洞と第2容器の空洞との間の流体連通を提供するために、第2容器に接続されたポートアセンブリに係合する本体キャップを有する。
【0006】
一実施形態によれば、第1容器は薬物容器である。薬物容器は、首部と、空洞に通じる首部内の開口とを有する。第1容器の空洞へのアクセスを遮断するために、第1容器の開口内に栓が位置決めされる。本体キャップは、容器本体の首部および本体部分のまわりに位置決めされる。本体キャップは、第1容器を第2容器に接続するために、第2容器の第2嵌合部材によって受けられるように適合された第1嵌合部材を有する。一実施形態では、第1嵌合部材は、本体キャップから突き出るフランジを備える。
【0007】
別の実施形態によれば、第2容器は、輸液バッグなどの希釈液容器である。希釈液容器は、希釈液容器から突き出るポートアセンブリを有する。ポートアセンブリは、第1容器を受け入れて、第1容器の内容物を第2容器の内容物と流体連通するよう設計されている。
【0008】
別の実施形態によれば、ポートアセンブリは、ポートハウジングの空洞へのアクセスを提供する近位端の第1開口と、第1開口の反対側の第2開口と、第2開口を封止する可動プラグとを有する。別の実施形態によれば、ポートハウジングは、第2容器を第1容器に接続するために、第1容器の第1嵌合部材と係合するように適合された第2嵌合部材を有する。一実施形態では、第2嵌合部材は、異なる軸方向位置で第1容器と係合するために、複数の異なる長さのタブを有する保持体である。
【0009】
別の実施形態によれば、第1群のタブを利用して、第1容器をポートハウジングにドッキングするのを助け、好ましくは、ドッキング後に、すなわち、ドッキングされた非作動位置で、第1容器がポートハウジングから取り外されるのを防止する。別の実施形態では、第2群のタブを利用して、第1容器を作動位置に維持するのを助ける。
【0010】
別の実施形態によれば、栓は、容器本体の首部の開口内の第1の位置から、容器本体の空洞内の第2の位置へ移動する。栓が第2の位置にあるとき、薬剤は第1容器の開口を通って流れることができる。
【0011】
別の実施形態によれば、ポートアセンブリは、一体型アクチュエータを有する。アクチュエータは、ポートハウジングの空洞内に置かれている。一実施形態では、アクチュエータは、近位端と遠位端と中央空洞とを有する。別の実施形態では、アクチュエータは、側壁部材の間に軸方向の隙間を備える、複数の軸方向の側壁部材から構成されている。
【0012】
別の実施形態によれば、第1容器内の薬剤を、第2容器内の無菌流体と混合するためのシステムが提供される。システムは、第1容器に接続された作動環を備える。
【0013】
別の実施形態によれば、第1容器は、第1容器の外面に窪んだトラックを有し、作動環はトラックに嵌合する突出部を有する。トラックの形状によって、第1容器の許容移動量が決まる。
【0014】
別の実施形態によれば、可視インジケータが第1容器の外面に設けられる。可視インジケータは一般に、第1容器が第1の位置すなわちドッキング位置にあるときに目視できる。しかしながら、可視インジケータ一般に、第1容器が第2の位置すなわち作動位置にあるときは、ポートアセンブリ内に隠されており、それによって、作動状態の明瞭な可視表示を提供する。
【0015】
本発明の他の特徴および利点は、以下の図面と併せた以下の詳細の説明から明らかとなる。
【0016】
本発明を理解するために、次に、例として、添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態の斜視図であり、図では、第1容器が第2容器にドッキングされ、第1容器内の薬物を第2容器内の希釈液で再構成可能にするように作動しており、システムは、使用するために吊下げ状態で示されている。
【図2】本発明による第1容器と、本発明による第2容器の一実施形態の斜視図であり、第2容器はドッキングポートを有し、第1および第2容器は、第2容器に第1容器をドッキングして作動する前の状態が示されている。
【図3】本発明による第2容器のドッキングアセンブリの一実施形態の分解組立斜視図である。
【図4】図1に示す第1容器の一実施形態の分解組立斜視図である。
【図5】想定されるドッキング位置で示された第1容器の正面図である。
【図6】最終的な作動の前の回転位置で示された第1容器の正面図である。
【図7】想定される作動後の作動位置で示された第1容器の正面図である。
【図8】第1容器の中心線に沿った、第1容器の上部ハウジングアセンブリの断面図である。
【図9】第1容器のドッキング前の、第1容器および第2容器の中心線に沿った断面図である。
【図10】第1容器のドッキング(すなわち、ドッキング位置)の後の、第1容器および第2容器の中心線に沿った断面図である。
【図11】第1容器の作動中の、第1容器および第2容器の中心線に沿った断面図である。
【図12】第1容器の作動後の、第1容器および第2容器の中心線に沿った断面図である。
【図13】シリンジを利用して第1容器内の薬剤にアクセスする方法の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明では、多くの異なる形態の実施形態が可能であるが、本明細書では、本発明の好ましい実施形態が図面に示され、詳細に説明される。本開示は本発明の原理の例示と解釈されるべきであり、本発明の広義の態様を図示された実施形態に限定することを意図しないと理解されたい。
【0019】
次に、図、特に図1および図2を参照すると、第1容器412と第2容器414とから構成される2成分の混合または再構成システム410が示されている。一実施形態では、第1容器412は薬剤または薬物容器412であり、好ましくは、外部ハウジングを備えるバイアルの形態である。第2容器414は希釈液容器であり、好ましくは、フレキシブルバッグの形態である。一実施形態では、希釈液容器414は、端部を接合および封止されたフレキシブル材料の第1および第2の対向シートから形成されたフレキシブル容器であり、内部に希釈液を収納するための流体密封空洞を備える。容器の一端では、フレキシブルな希釈液容器414の対向シートが、ポートアセンブリ418のポートハウジング482のまわりで封止され、ポートアセンブリ418を第2容器414に固定して接続している。
【0020】
第1容器412は、図3で示されるように、第2容器414のポートアセンブリ418内の保持部486に嵌合するように適合された上部本体部材416または本体キャップ416を有する。本体キャップ416とポートアセンブリ418の保持部486との組み合わせは、第1容器412を第2容器414にドッキングするのを助け、また、第1容器412と第2容器414の内部との間で流体接続を確立することにより、2つの容器412、414の内容物を混合できるようにするのを助ける。典型的には、第1容器412内の薬物を混合または再構成するために、図10で示されるように、第1容器412は第2容器414のポートアセンブリ418にドッキングまたは接続され、次に、図1および図11から図12で示されるように、作動工程によって各容器412、414の空洞が流体連通されることにより、第1および第2容器412、414の内容物を混合する。
【0021】
図4で示されるように、一実施形態では、第1容器412は、薬剤または薬物を収納するバイアルである。薬剤または薬物は、液体、ジェル、もしくは粉末(例えば、凍結乾燥)の形態、またはそれらの知られている形態のいずれかの組み合わせを含む、任意の数の種々の形態であってもよい。薬剤または薬物は、図4では、粉末または凍結乾燥薬物として示されている。本実施形態では、第1容器412は、本体キャップ416とハンガーキャップ476とラベル480とによって部分的に囲まれている。本体キャップ416には、取り外し可能な頂部キャップ464と作動環438とが結合されている。さらに、図8で示されるように、封止リング439が設けられている。封止リング439は、第1容器412の首部領域422まわりに接続され、頂部キャップ464を本体キャップ416から取り外す前には、取り外し可能な頂部キャップ464の内部表面に近接している。封止リング439は、希釈液および/または薬剤が第1容器412と第2容器414との間の流体流路から漏れ出るのを防止する。
【0022】
第1容器412は、ガラス、プラスチックおよび任意の他の市場で入手可能な材料を含む多種多様な知られている材料から構成できるバイアルの形態であってもよい。第1容器412は、一般に、本体部分420と本体部分420から突き出る首部422とを有する。第1容器412の首部422は、内容物、例えば、薬剤または薬物を第1容器412内に収納する内部空洞426に通じる開口424を取り囲んでいる。一実施形態では、第1容器412の首部422はまた、第1容器412の開口424近くで外側に突き出る環状部分436を有する。
【0023】
栓428が第1容器412の開口424内に位置決めされている。栓428は、第2容器414を封止するように動作する。栓428は、開口424を密閉し、内部空洞426内の内容物が、第1容器412の空洞426から漏れ出るのを防止する。栓428はまた、外部の成分が意図せずに第1容器412の空洞426に入るのを防止する。栓428は第1容器412の首部422内に位置決めされるように構成された本体部分430と、栓428が図9で示した位置にあるときに、第1容器412の首部422から外側に向いている上面432とを有する。一実施形態では、栓428の上面432は、栓428が第1容器412内の第2の位置へ移動するのに必要な力を軽減するのに役立つ、凹部433を有する。代替の実施形態では、栓428の上面432内には凹部433が存在しない。さらに、好ましい実施形態では、栓428はまた、本体部分430から突き出るフランジ434を有する。フランジ434は、シリンジまたはカニューレを栓428を通して挿入して、溶液を追加するためおよび/または物質を第1容器412から取り出すときに、第1容器412内の栓428の位置を維持するのに有用であり、および、第1容器412が第2容器414のポートアセンブリ418に接続されているときに、気密および/または防湿を実現するのに有用である。図9に示される実施形態では、フランジ434の下側が栓の本体部分430と接する点において、栓428のまわりにアンダーカット429が設けられる。アンダーカット429はヒンジまたは屈曲点として作用して、本発明のシステムを作動位置に移動するときに、栓の押し込み力、すなわち、栓428を第1容器412の内部へ押し入れるのに必要な力を軽減するのに役立つ。アンダーカット429によって、システムの作動中にフランジ434は上向きにヒンジ運動するかまたは折れ曲がることができる。例えば、図9に示される位置では、栓428のフランジ434は、第1容器412の首部422の外側に突き出る環状部分436の頂部に載っている。すなわち、フランジ434は、内側に向けられた作動力を加えることによって、上向きに折れ曲がっている。栓428の図示された実施形態では、アンダーカット429は、0.03インチから0.1インチの範囲の幅を有するスプラインの形態である。代替の実施形態では、アンダーカット429の幅は0.04から0.07インチの範囲内にある。アンダーカット429の寸法および形状は、(a)栓428を形成する材料と、(b)本明細書で詳細に説明されるように、本発明のシステムが作動されるときに、栓428を第1容器412の内部に押し込むのに必要な目標力とによって変化することは、当業者には明らかである。
【0024】
図4および図9で示されるように、第1容器412の分解組立図および断面図を参照すると、一実施形態では、本体キャップ416は一般に、第1容器412の首部422および本体部分420のまわりに位置決めされる。より具体的には、本体キャップ416は、第1容器412の本体420の少なくとも一部を収納する内部空洞456を有する。このように、本体キャップ416は一般に、第1容器412の上部分を覆い、第1容器412を第2容器414にドッキングするのを助け、およびシステム410を作動させるのを助ける。
【0025】
図4および図9で示されるように、本体キャップ416は側壁442を有する。トラック441が本体キャップ416の側壁442に設けられている。本明細書で説明するように、トラック441は、第1容器412がドッキング位置から作動位置へ移動する間に、作動環438と組み合わさって第1容器412の動きを案内する。図4で示された実施形態では、トラック441は、本体キャップ416の側壁442内の窪みまたは凹部である。トラック441は作動環438から突き出る突出部479を受け入れ、これにより突出部479がトラック441内で動くことができるように設計されている。トラック441は、第1の垂直部分443と水平部分445と第2の水平部分447とを有する。トラック441はまた、少なくとも1つの解除可能(defeatable)な係止部449を有する。一実施形態では、解除可能な係止部449は、第1の垂直部分443内に設けられる。代替の実施形態では、別の解除可能な係止部449が、トラック441の水平部分445内に設けられる。解除可能な係止部449は、一定量の力が加わる結果、係止部が「解除可能になり」、さらなる移動が可能となるまで、作動環438の内側側壁上の突出部479が解除可能な係止部449を通り越すことができないようにすることによって、作動環438の移動を妨げるように作動する。トラック441の第1の垂直部分443は相対的に短く、一般に、解除可能な係止部449を乗り越える際に少量の移動を可能にするために設けられている。反対に、トラック441の第2の垂直部分447はより長く、以下に詳細に説明するように、第2容器414に対して第1容器412の完全な軸方向移動を可能にし、この結果システム410が作動する。トラック441の第2の垂直部分447は作動マーカ483と協働する作動マーカ485を有し、作動のための、第1容器412の正しい回転整列の可視表示を提供する。トラック441の水平部分445は第1の垂直部分443と第2の垂直部分447とを結合して、単一の連続トラックを提供する。水平部分445によって、作動環438(ここに示されるように、作動環のスプライン481によって固定して維持される)に対して本体キャップ416を回転させ、これにより、本体キャップ416上の作動マーカ485が、作動環438上の作動マーカ483と整列するようにすることができる(図4から図7参照)。代替の一実施形態では、本体キャップ416は、本体キャップ416の側壁442上で180°間隔の空いた第1および第2のトラック441を有し、作動環438は、180°間隔の空いた、嵌合する第1および第2突出部479を有する。別の代替の実施形態では、本体キャップ416は、本体キャップ416の側壁442上で120°間隔の空いた、第1、第2および第3のトラック441を有し、作動環438は、120°間隔の空いた、嵌合する第1、第2および第3突出部479を有する。
【0026】
本体キャップ416はまた、ポートハウジングアセンブリ418の第2嵌合部材に係合する第1嵌合部材を有する。好ましい実施形態では、本体キャップ416の第1嵌合部材、したがって第1容器412は、図4から図8で示されるように、本体キャップ416の側壁442の遠位部分から半径外側方向に突き出る第1および第2の環状フランジ450、451を備える。第1環状フランジ450は、本体キャップ416の遠位端に近接して位置決めされ、第2環状フランジ451は、第1環状フランジ450の下の所定距離に位置決めされている。一実施形態では、第1嵌合部材の第1環状フランジ450は、第1容器412をポートハウジング482内の中心に位置合わせすること(図9および図10を参照)と、第1容器412をドッキング位置でポートハウジング482にドッキングすること(図10を参照)とを助けるために利用される。第1嵌合部材の第2環状フランジ451は、第1容器412を、完全に作動した位置で維持する(図12を参照)のを助けるために利用される。本発明の図示された実施形態では、第1および第2の環状フランジ450、451は円形の外周周辺部を有し、この周辺部のサイズおよび形状は、開口内でポートハウジング482の保持部486に嵌合し、およびポートハウジング482の保持部486のタブ520、522に係合するように決められている。代替の実施形態では、第1および第2の環状フランジ450、451は、断続的な外周周辺部を有する。すなわち、1つ以上の隙間または間隙が外周辺りに存在する。
【0027】
上述のように、本体キャップ416の頂部キャップ464は取り外しできる。図4および図8で示されるように、頂部キャップ464は、頂部キャップ464と結合された引っ張りリング465を有する。頂部キャップ464は、頂部キャップ464を取り外す前に、第1容器412が第2容器414にドッキングされるのを防ぐ一体型キャップを、第1容器412に提供する。頂部キャップ464はまた、本体キャップ416の内部空洞456(本体キャップ416の内部にある全ての構成要素および表面を含む)を外部環境から封止し、本体キャップ416の内部領域に無菌状態を提供するために、一般に本体キャップ416への開口の上に保護シールを提供することによって、不正開封の試みから第1容器412を保護している。したがって、頂部キャップ464が本体キャップ416に接続されている状態のときは、第1容器412の内容物にアクセスできない。頂部キャップ464はまた、本体キャップ416の空洞に軸方向に下向きに突き出る周囲リブ467を有する。図8で示されているように、周囲リブ467は封止リング439の頂部において環状の凹部437と係合して、第1容器412を本体キャップ416内で正しく位置合わせするのを助ける。一実施形態では、本体キャップ416および頂部キャップ464は、低密度のポリエチレンから一体的に製造される。様々な材料および材料の組み合わせが、本体キャップ416と頂部キャップ464を製造する際に使用可能であることが理解される。薄壁466によって、頂部キャップ464が本体キャップ416に結合されている。薄壁466を破壊して、頂部キャップ464を本体キャップ416から外すことができる。頂部キャップ464を取り外すには、使用者は、引っ張りリング465を引っ張り、次に頂部キャップ464を本体キャップ416に接続している薄壁466を破壊し、それによって、頂部キャップ464を本体キャップ416の残り部分から外す(図9を参照)。頂部キャップ464を本体キャップ416から取り外す過程で薄壁466が破壊されるので、頂部キャップ464は、再び取り付けることができず、したがって、第1容器412の内容物への起こり得る不正開封の証拠を提供する。
【0028】
図8を参照すると、本体キャップ416はまた第1および第2のリブ状封止部460を有する。好ましくは、リブ状封止部460は、本体キャップ416の内部表面から本体キャップ416の空洞456内に半径内側方向に突き出る突出部であって、第1容器412と係合し、汚染物質が本体キャップ416の空洞456に入るのを防ぐ封止体を設ける。一実施形態では、各リブ状封止部460には約180°の位置に切り欠き部分が設けられて、空洞456の通気を可能にしているが、第1のリブ状封止部460の切り欠き部分は、第2のリブ状封止部460の切り欠き部分から90°ずれており、これにより切り欠かれた蛇行した経路を提供することにより、本体キャップ416の空洞456およびその内容物の無菌状態を保護する。
【0029】
封止リング439は、第1容器412の首部領域422に係合するように構成されている。図8で示されるように、封止リング439は、側壁453を有するほぼ円筒形の構成要素を備える。側壁453は、側壁453の上側の第1端部部分で側壁453から半径外側方向に突き出る第1フランジ455と、側壁453の下側の第2端部部分で側壁453から半径内側方向に突き出る第2フランジ459とを有する。封止リング439はまた、内側肩部463を有する。内側肩部463と第2フランジ459は協働して凹部469を形成し、この凹部が第1容器412の首部422の外側方向に突き出る環状部分436を受け入れて保持する。さらに、封止リング439は封止リング439の側壁453から半径内側方向に突き出る一連の環状リブ471を有し、このリブ471が第1容器412の首部422を封止する。上記で説明したように、封止リング439はまた、頂部キャップ464から突き出る環状リブ467を受け入れるために、封止リング439の頂部に環状の凹部437を有する。最後に、封止リング439は、第2フランジ459に近接した第1開口473(この開口を通してバイアル412が挿入されて封止リング439と係合する)と、第2開口とを有し、この第2開口は、封止リング439が第1容器412に結合されたときに、栓428へのアクセスを提供する。封止リング439はまた、半径内側方向に突き出た、第1フランジ455と対向する内側フランジ475を有する。内側フランジ475は、ここで説明するように、プラグ489の脚507に係合する。一実施形態では、封止リング439は、プラスチック材料、好ましくは、熱可塑性ポリエステルエラストマーでできている。熱可塑性ポリエステルエラストマー材料は一般に、ゴムのフレキシブル性とプラスチックの強度と熱可塑性材料の加工性とを備える。熱可塑性ポリエステルエラストマー材料は、射出成形、ブロー成形、カレンダー成形、回転成形、押し出し成形および溶融鋳造などの従来の熱可塑工程によって容易に加工することができる。
【0030】
図4から図9を参照すると、作動環438は、本体キャップ416の外側側壁に接続されている。本体キャップ416と組み合わさった作動環438は、第1容器412がポートアセンブリ418にドッキングされるとき、第1容器412の動きを制御するのを助ける。作動環438は、上述のように、側壁477の内面から内側に突き出る突出部479を備える円筒形側壁477を有する。突出部479は、本体キャップ416の側壁442内のトラック441に嵌合する嵌合部材である。本発明の一実施形態では、作動環438は、180°間隔の空いた第1および第2の突出部479を有する。同様に、本体キャップ416は、本体キャップ416の側壁442上で180°間隔の空いた、第1および第2のトラック441を有する。突出部479とトラック441との数および形状は、本発明の精神と範囲から逸脱することなく変更可能であることが理解される。作動環438上の突出部479と、本体キャップ416上のトラック441との間の係合によって、本体キャップ416の外側側壁に接続された作動環438が維持され、ここで詳細に説明される。さらに、作動環438の突出部479とトラック441とは、第1容器412が第2容器414のポートハウジング482にドッキングした後に、係止部として協働して、第1容器412の意図しない作動を防止する。
【0031】
作動環438はまた、作動環438の側壁477から延びる複数のスプライン481を有する。一実施形態では、スプライン481は、作動環438の側壁477の外部表面から延びている。一実施形態では、作動環438は36個のスプライン481を有する。したがって、その実施形態では、スプライン481は10°毎の間隔が空いている。しかしながら、スプライン481の数は変更可能であることが理解される。作動環438のスプライン481はポートアセンブリ418上の嵌合突出部519(図9を参照)と係合して、第1容器412が第2容器414に取り付けまたは「ドッキングされている」ときに、作動環438が回転するのを防止する。このような係合はここで詳細に説明される。36個のスプライン481が設けられている本発明の構成においては、作動環438のスプライン481をポートアセンブリ418の嵌合突出部519に係合するのに必要な最大の角回転は5°である。さらに、好ましい実施形態では、作動環438の外面上のスプライン481は、ここで説明するように、スプライン438に嵌合突出部519を嵌合するのを助けるために、面取りした導入部を有する。作動環438はまた、作動マーカ483を有し、作動するための、作動環438の本体キャップ416との正しい回転整列の可視表示を提供する。好ましい実施形態では、作動環438はポリプロピレン材料からできている。図10で示されているように、作動環438を含む本体キャップ416の外面は、ポートハウジング482への開口よりも小さい円周を有する。このようにして、第1容器412に固定された本体キャップ416をポートハウジング482に挿入してドッキングさせ、その後の第1容器412の作動を可能にすることができる。
【0032】
図1、図4および図9で示されるように、第1容器412は、第1容器412の本体部分420の遠位端に設けられたハンガーキャップ476を有する。一実施形態では、ハンガーキャップ476は、第1容器412の本体部分420の遠位端の形状とほぼ一致した形状を有する。図示された実施形態では、ハンガーキャップ476は、ほぼ円筒形の形状を有する。ハンガーキャップ476はまた、ハンガーキャップ476から延びる、蝶番式コネクタ478を有する。図1で示されるように、コネクタ478はハンガーキャップ476の下側部分から回動することにより、例えば、従来のIVポールまたは輸液バッグを保持するように構成された他の構造体から再構成システム410を吊下げるのを助けることができる。
【0033】
次に、図1、図2、図4から図7および図9を参照すると、一実施形態では、第1容器412はラベル480を有し、このラベル480が、本体キャップ416をハンガーキャップ476に接続し、本体キャップ416およびハンガーキャップ476を第1容器412上に固定する。図9で示されるように、このような実施形態では、本体キャップ416およびハンガーキャップ476が第1容器412上に完全に取り付けられると、本体キャップ416とハンガーキャップ476との嵌合端部の間には、約0.060インチの隙間が存在する。
【0034】
再構成システム410はまた、作動マーカ487を有する。一実施形態では、作動マーカ487は、本体キャップ416をハンガーキャップ476に結合するラベル480上の着色帯487である。ここで説明するように、作動マーカ487は、第1容器412が第2容器414にドッキングされたとき(図5を参照)、および作動工程中(図6を参照)に目視できるが、完全に作動した後は、作動マーカ487は作動環438の下に隠れることになる(図1および図7を参照)。したがって、作動マーカ487が目視できないときは、完全に作動がなされたことの明瞭な可視表示が提供される。
【0035】
次に、図1から図3を参照すると、第2容器414は、第1容器412の本体キャップ416に係合して、第1容器412を第2容器414にドッキングするように適合されたポートアセンブリ418を有する。したがって、ポートアセンブリ418の1つの機能は、薬物のバイアル412をドッキングするための受容体として働くことである。ポートアセンブリ418はまた、作動、混合および/または第1容器412内の薬剤を再構成するために、第1容器412と第2容器414との間の流体連通を容易にする構造体を含む。
【0036】
図3で示されるように、ポートアセンブリ418は一般に、ポートハウジング482とアクチュエータ484とプラグ489と保持部486と剥離可能なカバー488と上蓋490とを備える。図3で示される本発明の実施形態では、ポートアセンブリ418の保持部486は、保持体またはドッキング部材486である。保持部486の一部は、第1容器412のドッキングおよび作動中に、第1容器412の第1嵌合部材(すなわち、第1および第2フランジ450、451)に係合する。剥離可能なカバー488および上蓋490は、ポートアセンブリ418の内容物の無菌状態を維持するのを助ける。剥離可能なカバー488および上蓋490はまた、第1容器412の内容物への不正開封の証拠を提供する。
【0037】
図3および図9で最も詳しく示されているように、ポートアセンブリ418のポートハウジング482は、第1端部494と第2端部496とを有する第1ハウジング部分492を有する。フランジ498は、第1ハウジング部分492の第1端部494から半径外側方向に突き出ており、肩部499は、第1のハウジング部分492の第2端部496から半径内側方向に突き出ている。別のハウジング部分502が第1ハウジング部分492から突き出ている。第2容器414がフレキシブルな希釈液バッグである一実施形態では、図1および図9で示されるように、第2容器414は、ポートアセンブリ418を第2容器414の内部空洞415と接続するために、ポートハウジングアセンブリ418のハウジング部分502の外壁に固定状態で接続されている。このような実施形態では、ハウジング部分502は好ましくは半楕円形の外側形状(図3で示されるように)を有し、これにより第2容器414をポートハウジング482に封止するのを助ける。
【0038】
ポートハウジング482の第1ハウジング部分492は、第1空洞506を画定する内部表面504を有し、ハウジング部分502は、ポートハウジング482の別の空洞または内部孔514を画定する内部壁512を有する。ポートハウジング482は、ハウジング部分502の遠位端515に孔514への出口に近接して設けられた環状凹部513を有する。図9で示される実施形態では、突き出たリップ部517が設けられている。
【0039】
ポートアセンブリ418のプラグ489が、ポートハウジング482の孔514内に位置決めされている。プラグ489は、流体が、ポートハウジング482の内部孔514を通って第2容器414へまたは第2容器414から漏れ出すのを防止するために、ハウジング部分502内またはハウジング部分502の端部に位置決めされた封止部材491を有する。プラグ489は、第2容器414の内部空洞415を、ポートハウジング482の内部孔514から流体的に分離する。
【0040】
ポートハウジング482はまた、第1ハウジング部分492の第2端部部分496において、肩部499から第1のハウジング部分492の第1空洞506内に軸方向に延びる内部封止壁576を有する。一実施形態では、内部封止壁576は、ほぼ円筒形の形状を有し、ポートハウジング482の第1のハウジング部分492の内部表面504に対して同心状に位置決めされている。第2の実施形態では、内部封止壁576はわずかに先細になっている。内部封止壁576は、下向きに延び、第1容器412の作動中に、封止リング439の上側の第1端部457で、側壁453から半径外側方向に突き出る第1フランジ455に接触するかまたは係合する。第1容器412の作動中に、内部封止壁576が封止リング439の第1フランジ455に係合することによって、封止体として働く。ここで説明するように、第1容器412が、作動ステップ中に第2容器414の方に軸方向に移動すると、図10から図12で示されるように、封止リング439の第1フランジ455は、内部封止壁576上を摺動する。封止体は内部封止壁576と封止リング439の第1フランジ455との間に形成される。
【0041】
上述のように、ポートアセンブリ418はアクチュエータ484を有する。一実施形態では、アクチュエータ484はポートハウジング482と一体である。図3および図9で示されるように、アクチュエータ484は、第1ハウジング部分492の第2端部496において、肩部499から第1ハウジング部分492の第1空洞506内へ軸方向に突き出ている。アクチュエータ484はさらに、ポートハウジング482の内部封止壁576に対して半径内側方向に、ほぼ同心状に位置決めされている。アクチュエータ484は、ポートハウジング482の肩部499から延び、底部503で終端する複数のリブまたは側壁部材501から形成されている。好ましい実施形態では、アクチュエータ484は、各側壁部材またはリブ501の間に軸方向の隙間505を備える、3つの側壁部材またはリブ501から構成されている。側壁部材またはリブ501は、アクチュエータ484の中心空洞521を画定し、軸方向の隙間505は中心空洞521へのアクセスを可能にする。中心空洞521は、最終的には、流体流路になる。側壁部材またはリブ501の外径は、第1容器412の開口424の内径に近い。側壁部材またはリブ501の遠位端は、アクチュエータの底部503の方に内側に先細になっていてもよい。ここで説明するように、アクチュエータ484は、好ましくは比較的硬い材料、例えば、剛性プラスチックで構成され、その結果、アクチュエータ484は、図11から図12で示されるように、第1容器412の内部空洞426内へ栓428を移動させるのに用いることができる。アクチュエータ484の軸方向の隙間505が大きいことは、アクチュエータ484が第1容器412の開口424内に位置するときに、第1容器412の内容物との流体連通を容易にする。好ましい実施形態では、ポートハウジング482とその一体のアクチュエータ484とは、ポリプロピレンコポリマーから作られている。
【0042】
上述のように、ポートアセンブリ418のプラグ489は、ハウジング部分502の内部壁512によって画定される孔514内に位置決めされている。プラグ489は、遠位端493に環状の封止部材491を備える端部壁497を有する。封止部材491は、プラグ489の遠位端493の周囲を取り囲んでいる。封止部材491の環状リブ495がポートハウジング482内の環状の凹部513に係合して、第2容器414の内部空洞415をポートハウジング482の内部孔514から封止している。プラグ489はまた、プラグ489の本体部509から軸方向に離れる方向に突き出る複数の脚507を有する。好ましい実施形態では、プラグ489は、図3および図9で示されるように、3本の脚507を有する。各脚507の終端部に、半径方向の延長部511が設けられている。ここで説明するように、脚507の半径方向の延長部511は、封止リング439と係合するために設けられている。最後に、プラグ489の脚507の間に空洞513が画定されている。空洞513は、プラグ489の脚507の間の隙間を通して、およびプラグ489の遠位の開放端部における隙間を通して完全にアクセスすることができる。
【0043】
図3および図9で最も詳しく示されているように、保持またはドッキング部材486は、ポートハウジング482の第1ハウジング部分492の第1空洞506内に位置している。保持部486は、基底部518を有する本体部分と、基底部518から突き出る複数の異なる長さのタブ520、522と、保持部486の近位端から突き出るフランジ524とを備える。保持部486はまた、基底部518の内部表面から突き出る1つ以上の突出部519を有する。突出部519は、作動環438の外面上のスプライン481の間にある空間に嵌まり込む。一実施形態では、基底部518の形状と組み合わさった突出部519はまた、第1容器412をポートアセンブリ418に挿入して(図10に図示)、アセンブリ418内で第1容器412をドッキングするときに、作動環438の係止部として働く。一実施形態では、保持部486のフランジ524は、ポートハウジング482のフランジ498に固定される。例えば、保持部486のフランジ524の上面が、ポートハウジング482のフランジ498の下面に超音波的に溶接される。したがって、このような実施形態では、保持部486は、ポートアセンブリ482内に固定されている。保持部486およびポートアセンブリ482は、本発明の範囲から逸脱することなく、単一の材料部品または複数の構成要素から形成することができる。
【0044】
図3および図9から図12に示し、また上述のように、保持部486は、複数のタブ520、522を有する。一実施形態では、第1群のタブ520の高さは、第2群のタブ522の高さより低い。本実施形態では、第1群のタブ520は、図10で示されるように、ドッキング位置において第1容器412を支持するために利用され、第2群のタブ522は、図12で示されるように、作動位置において第1容器412を支持するために利用される。タブ520、522はそれぞれ、タブの遠位端に先細部分を含むことができる。保持部486をプラスチックなどのフレキシブル材料(例えば、ポリプロピレンコポリマー)で構成することによって、第1容器412がポートハウジング482に挿入されるときにタブ520、522を屈曲させ、その後、タブ520、522を弾性でそれらの元の位置に戻るようにすることができる。したがって、タブ520、522は、第1容器412を第2容器414の方向へ第1軸方向に押し込むことができるが、反対方向への後退移動を阻止して、第1容器412がドッキングおよび作動した後に、第1容器412がポートハウジング482との係合から外れるのを防止する。
【0045】
図9から図12を参照すると、第1容器412がポートハウジング482に挿入されると、第1環状フランジ450が、ポートハウジング482の保持部486の近位端における開口内で第1容器412を中心に位置合わせする。第1容器412が軸方向に内側に押されると、第1環状フランジ450は、第1群のタブ520の遠位端を半径外側方向に屈曲させて、第1環状フランジ450をタブ520の軸方向に内側に突き出るのを可能にする。第1環状フランジ450が第1群のタブ520の内側に位置するとき、タブ520は再屈曲し、タブ520の元の屈曲していない位置へ戻る。この位置では、図10で示されるように、環状フランジ450は第1群のタブ520上にドッキングされ、第1群のタブ520は、環状フランジ450、したがって第1容器412が、保持部486から引っ張り出されるのを防ぐ。このようにして、システムは、ドッキング工程が完了した後に、第1容器412が第2容器414との「ドッキングから外される」のを防ぎ、それによって、不正開封の可能性を最小にし、および/またはシステムの無菌状態の損なわれるのを最小にする。さらに、この位置において、作動環438上のスプライン481が保持部486上の突出部519に係合して、作動環438、さらに第1容器412全体がポートハウジング482内で回転するのを防止する。
【0046】
第1容器412がポートハウジング482にドッキングされた後は、システム410は、その後の任意の時間に作動できる。作動するために、第1容器412は、最初に、ポートハウジング282に向かって軸方向に内側に移動し、その結果、作動環438上の突出部479が、解除可能な係止部449を乗り越える(図5を参照)。次に、第1容器412が、第1容器412を回転させることによって、固定された作動環438に対して回転する(図6を参照)。上述のように、第1容器412の移動は、トラック441によって可能となる移動に限定される。第1容器412が回転して、第1容器412がトラック441の水平部分445内で起こり得る突出部479の平行移動範囲の限界に達した後は、第1容器412は再び、第2容器414の方へ、さらにポートハウジング482内へ軸方向に平行移動することができる(図7を参照)。
【0047】
作動工程は上記で機能的に明確にしてきたが、ここでは構造的に説明する。第1容器412が第2の垂直トラック部分447上で軸方向に内側に押されて、ポートハウジング482の第1空洞506内へ入ると、第1環状フランジ450は、第2群のタブ522の遠位端と接触し、第2群のタブ522を半径外側方向に屈曲して、第1環状フランジ450を第2群のタブ522の軸方向に内側に突き出るのを可能にする(図11を参照)。これは、部分的な作動位置と称される。完全な作動を得るには、図12で示されるように、第1容器412は、第2の垂直トラック部分447上で軸方向に内側にさらに押されて、ポートハウジング482の第1空洞506内へ入らなければならない。図12で示されるように、第2環状フランジ451は、第2群のタブ522の遠位端と接触し、第2群のタブ522を半径外側方向に屈曲して、第2環状フランジ451を第2群のタブ522の軸方向に内側に位置決めすることができる。第2環状フランジ451が第2群のタブ522の内側に位置するとき、タブ522は再屈曲し、屈曲していない位置へ戻る(図12を参照)。これは、作動または完全な作動位置と称される。この位置では、第2環状フランジ451は、第2群のタブ522上に位置し、第2群のタブ522は、第2環状フランジ451、したがって第1容器412が、保持部482から引っ張り出されるのを防止する。この位置では、第1容器412は、第2容器414の方へさらに軸方向に移動するのを防止される。これらの特徴により、意図的な不正開封、および第1容器412および第2容器414の内容物の無菌状態を損ない得る他の行為が防止される。
【0048】
図3で示される本発明の実施形態では、ポートアセンブリ418はまた、剥離可能なカバー488を含む。剥離可能なカバー488はポートハウジング482に接続された保持部486のフランジ424上に位置決めされ、ポートアセンブリ418への開口の上に保護シールを提供し、ポートアセンブリ418の内部(ポートアセンブリ418の全ての構成要素および表面を含む)を外部環境から封止し、この領域に無菌状態を提供する。一実施形態では、剥離可能なカバー488はTyvek(R)材料(または他の知られている材料)と、剥離可能なカバー488を保持部486に接着しやすくするために、カバー488の片側に塗布された適切な接着剤とでできている。剥離可能なカバー488は、剥離可能なカバー488を保持部486から取り外すのを容易にするために、1つ以上のタブまたは延長部を有してもよい。好ましくはプラスチック材料で形成される上蓋490が、好ましくは、剥離可能なカバー488に対する保護体として働くように構成される。添付図面に示される実施形態においては、上蓋490は一組の側壁と、剥離可能なカバー488まわり、およびポートハウジング482のフランジ498上に把持するフランジとを有し、これにより上蓋490をポートアセンブリ418上に保持する。
【0049】
本発明の一実施形態では、第1容器412の内容物を第2容器414の内容物と混合または再構成するために、図1で示されるように、第1容器412は、第2容器414のポートアセンブリ418にドッキングまたは接続される。ここで説明するように、ドッキングステップ後に、各容器412、414の空洞が作動工程によって流体接触状態になり、それによって第1および第2の容器412、414の内容物が結合または混合されることができる。
【0050】
図2を参照すると、第1容器412は、医師が薬物を要求するまで、第2容器414から分離して維持されてもよい。処方箋が出されると、薬剤師または臨床医は、第1容器412の本体キャップ416から頂部キャップ464を取り外す。薬剤師または臨床医は、上蓋490と剥離可能なカバー488もポートハウジングアセンブリ418から取り外す。これで、図10から図12で示されるように、典型的には薬局で、薬物のバイアル412をポートアセンブリ418に押し入れることによって、第1容器または薬物のバイアル412をポートアセンブリ418に「ドッキング」することができる。第1容器412が軸方向に移動されてポートアセンブリ418内に入ると、第1環状フランジ450が第1群の短いタブ520と接触し、短いタブ520を半径方向外側に屈曲させて、第1フランジ550がタブ520を通り越すのを可能にする。フランジ450がタブ520の端部を通過した後に、タブ520は、タブの元の屈曲していない位置へ弾性で戻り、それによって、第1容器412を第2容器414に対してドッキング位置で固定する。フランジ450が第1群のタブ520を通って押し込まれると、通常、薬剤師は、フランジ450がタブ520を通り越したことと、バイアル412がドッキングされ、準備完了位置で固定されていることを知らせる、耳に聞こえる「ポン」という音を聞く。さらに、この位置では、タブ520は逆向きの軸方向移動を防止し、したがって第1容器412はポートハウジング482から取り外しできない。起こり得る不正開封を防止することに加え、第1容器412をドッキング位置で固定することによって、第1容器412が、作動前に第2容器414から誤って外れないことを保証する。このような容器の外れは、第1容器412および第2容器414の移動中(例えば、手動で、医療カートで、または空気圧システムでなど、知られている手段による)、またはドッキングシステムの保管中に起こり得る。
【0051】
さらに、ドッキング中、封止リング439の側壁453から半径方向外側に突き出る第1フランジ455は、先細の内部封止壁576に係合する。フランジ455が先細の内部封止壁576に係合することにより、内部封止壁576と封止リング439の第1フランジ455との間に封止が形成される。図10で示されるように、ドッキングの間、アクチュエータ484の底部503が栓428の上面432に係合し、栓428に小さい力を加える。
【0052】
ドッキング状態では、図10で示されるように、第1容器すなわち薬物のバイアル412の内容物は、第2容器すなわち希釈液用バッグ414の内容物から分離された状態を維持する。しかしながら、第1容器412は、ポートアセンブリ418および第2容器414に固定され、一般には第1容器412の種々の構成要素を破壊せずには、ポートアセンブリ418および第2容器414から取り外すことができない。したがって、この時点では、バイアル412は、ポートアセンブリ418に機械的に接続されているが、希釈液用バッグ414とは流体的に接続されていない。ドッキング状態においては、2つの容器412、414の内容物は、完全に分離されたままであり、したがって、2つの容器412、414は、典型的には、2つの容器412、414内の内容物の保存期間によってのみ限定される長期間、混合されずにドッキング状態を維持できることが理解される。ドッキング状態では、栓がバイアルの開口内に位置し、それによって第1容器412の内容物に対する水分および空気バリアを提供する。薬物のバイアル412がポートアセンブリ418上で「ドッキング」された後の任意の時間に、看護婦または他の臨床医がシステムを作動し、それによって、第1容器412内の薬物を第2容器414内の希釈液と混合または再構成することができる。
【0053】
2部品の混合システム410を作動させるために、臨床医は、第1容器412を第2容器414の方に軸方向に押す。この工程において、臨床医は、係止部449を作動環438の内面の突出部479を越えるように押すことによって、解除可能な係止部449を乗り越える必要がある(図5を参照)。次に、図6で示されるように、臨床医は、固定された作動環438およびポートハウジング482に対して第1容器412を回転させる必要がある。ここでも、誤って作動するのを防止するために、一実施形態では、臨床医は十分な力を加えて、係止部449を、作動環438上の突出部479を越えて水平トラック部分445内に押し込む必要がある。最後に、図7および図11から図12で示されるように、臨床医はさらに、第1容器412を第2容器414の方に軸方向に押して、第2群のタブ522上の完全な作動位置に移動させる。
【0054】
最終の軸方向に作動する段階においては、プラグ489が部分的に第2容器414の空洞に押し入れられると、プラグ489の封止部材491とポートハウジング482との間の封止は破壊する。さらに、栓428は、図11および図12で示されるように、アクチュエータ484の近位端503によって、バイアル412内の開口424に押し付けられ、バイアル412の内側空洞426に押し込められる。これにより、第1容器412と第2容器414との間に流体流路が形成される。
【0055】
第2容器414への流体流路の開口が、図11で示されている。第1容器412が、作動中に第2容器414の方へ軸方向に押されると、脚507が封止リング439の内側フランジ475を押し付けて通過し、第1容器412の外側に突き出る環状部分436に係合する。さらに、内側フランジ475は、内側フランジ475とバイアル412のリップ部436との間で脚507を保持し、脚507を内側フランジ475とリップ部436との間に維持する。したがって、第1容器412が第2容器414の方に軸方向にさらに押されると、その力によって、プラグ489上の封止部材491の環状リブ495がポートハウジング482内の環状の凹部513から外れ、プラグ489を第2容器414の空洞に押し入れ、それによって、第2容器414への流体流路を開く。図11で示され、また上述したように、第1フランジ455は第1容器412の作動中に、内部封止壁576に係合する。内部封止壁576が封止リング439の第1フランジ455に係合することによって、第2容器414の内容物を封止して、ポートハウジング482から漏れ出て、第1容器412を通過するのを防ぐ。
【0056】
図11から図12への移行で示されるように、第1容器412が第2容器414の方にさらに軸方向に移動することによって、栓428が第1容器412の空洞426内へ移動し、それによって、第1容器412とアクチュエータ484の中心空洞521との間に流体流が形成される。一実施形態では、栓428は、最終的に、第1容器412の開口424を完全に通過して移動し、第1容器412の空洞426内に置かれる。この時点において、第1容器412の空洞426は、アクチュエータ484の中心空洞521に対して開いている。図12で示されるように、アクチュエータ484の中心空洞521は、第1容器412への開口424とほぼ同じ大きさの断面を有する。このことは、第1容器412への流体の流れおよび第1容器412からの流体の流れを制限しないことで、再構成システム410を支援する。
【0057】
第1容器412が完全に作動した位置に移動すると、本体キャップ416の第2環状フランジ451が保持部486を、第2容器414の方に、第2群のタブ522を通過して軸方向に上方に移動させる。この位置において、図12で示されるように、第2環状フランジ451は、第2群のタブ522上に位置し、第2群のタブ522は、第2環状フランジ451、したがって第1容器412が、逆向き、すなわち近位の軸方向に移動するのが防止される(すなわち、第2群のタブ522は、第1容器412が、ポートハウジング482から引っ張り出される、または外れるのを防ぐ)。これは、作動位置と称される。
【0058】
2成分の混合システム410の一実施形態の別の態様は、システム410の作動についての可視表示が設けられていることである。図1、図2および図5から図7で示されるように、一実施形態では、作動マーカ487が設けられている。作動マーカ487は、ハンガーキャップ476に本体キャップ416を結合するラベル480上の着色または印刷された帯487であってもよい。第1容器412がドッキング位置にあるとき、作動マーカ487は目視することができる。これは、システム410がまだ作動していないことを臨床医に示す。第1容器412が第2容器414にドッキングされているとき(図5を参照)、および作動工程中(図6を参照)には、作動マーカ487は、目視することができる。完全な作動が生じた後は、作動マーカ487は、作動環438の下に隠される(図1および図7を参照)。作動マーカ487が見えなくなるということは、混合システム410が作動し、2つの容器412、414の内容物の間の流体流路が開いていることを臨床医に示す。臨床医が作動マーカ487を見ることができないということはまた、容器412、414の内容物が患者に送達される準備ができていること、すなわち、容器412、414の内容物が患者に送達するために混合または希釈されたことを臨床医に示す。
【0059】
図13で示された2成分の混合システム410の一実施形態の別の態様では、頂部キャップ464が本体キャップ416から取り外された後に、シリンジを用いて第1容器412の内容物にアクセスすることにより、その内容物のうちの一部を取り出すか、その内容物に少量の希釈液を加えるか、または内容物を加え、混合された内容物を第1容器412から取り出すことの組み合わせるかのいずれかを実行できる。このような作業を実行するために、図13で示されるように、臨床医は、シリンジの針を用いて栓428に孔を開け、第1容器412の空洞にアクセスしてもよい。この実施形態では、第1容器412は、標準的な薬剤のバイアル、すなわち、シリンジに接続した皮下注射針を用いてアクセスされるバイアルとして、および本発明の2成分の混合システム410の一構成要素として用いることができる。栓428は、好ましくは、皮下注射のシリンジ針を栓428に突き通すときに、孔あけに抵抗する高分子材料で構成される。栓428の構成および材料は、好ましくは、皮下注射のシリンジ針を栓428に突き通すのに必要な力が、臨床医に人間工学的に受け入れられるように選択される。本発明の一実施形態では、皮下注射のシリンジ針を栓428に突き通すのに必要な力は、1.5重量ポンド未満である。代替の一実施形態では、皮下注射のシリンジ針を栓428に突き通すのに必要な力は、0.5から1.0重量ポンドの範囲である。栓428の構成および材料はまた、好ましくは本発明のシステムが作動する際に、栓428を第1容器412の内部に押し込むのに必要な力がシステムおよび人間工学の機械的強度の点において適切であるように、選択される。栓428を第1容器412の内部に押し込むのに必要な力は、誤って作動するのを防ぐために十分大きくなければならないと同時に、(i)本発明のシステムが比較的低価格の材料から構成できること、(ii)臨床医がシステムを容易に作動状態に移すことができることの両方のために十分小さくなければならないことが理解される。本発明の一実施形態では、栓428を第1容器412の内部に押し込むのに必要な力は、4から20重量ポンドの範囲である。第2の実施形態では、栓428を第1容器412の内部に押し込むのに必要な力は、5から15重量ポンドの範囲である。第3の実施形態では、栓428を第1容器412の内部に押し込むのに必要な力は、8から13重量ポンドの範囲である。栓428を構成するのに用いられる材料は、好ましくは、第1容器412内の対象内容物に対して不活性な材料である。第1容器412が医薬品の収納を意図されている場合、栓428を構成する材料は、理想的には、医薬品とともに使用することに対して規制機関によってすでに承認された材料であり、それによって、医薬品と栓428との間で望ましくない相互作用が生じないことを保証するために、広範囲の適合性試験を実施する必要性を最小限または除去する。
【0060】
一実施形態では、第2容器414は、オーバーラップ材を用いることなく、希釈液または医薬品を第2容器414に保管することができるのに十分な防湿能力を提供する、非PVCの、DEHPを含まない材料から構成されている。例えば、第2容器414は、VISIV(R)のフレキシブル容器の製造において、Hospira,Inc.によって利用される材料で構成できる。
【0061】
本明細書では、いくつかの代替的な実施形態および実施例を説明および図示してきた。当業者であれば、さらに、実施形態のうちのいくつかは本明細書で開示した他の実施形態との任意の組み合わせで提供できること理解する。さらに、本明細書で用いられている用語の「第1」、「第2」、「第3」および「第4」は、例示目的のみを意図しているのであって、実施形態を限定するものではない。さらに、本明細書で用いられている用語の「複数」は、分離的または連結的な、1よりも大きい任意の数、必要に応じて無限の数までを表す。さらに、本明細書において明細書および特許請求の範囲の両方で用いられている用語の「有する」は、非制限の意味で用いられている。
【0062】
本発明は、本発明の精神または中心的な特徴から逸脱することなく他の特定の形態で具体化されてもよいことが理解される。したがって、本実施例および実施形態は、あらゆる点において、例示と見なされるべきであり、限定と見なされるべきではなく、本発明は、本明細書に記載された詳細事項に限定されるものではない。したがって、特定の実施形態を図示および説明してきたが、本発明の精神から大幅に逸脱することなく多くの変更形態が想定され、保護範囲は添付の特許請求項の範囲によってのみ限定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1容器内の薬剤を第2容器内の流体と混合するシステムであって、
第1容器の一部のまわりに位置決めされるように構成された本体部材であり、本体部材から半径方向に突き出る第1嵌合部材を有し、さらに作動インジケータを有する本体部材と、
第2容器に接続されるように構成されたポートハウジングであり、前記ポートハウジングが、前記ポートハウジングによって画定される内部空洞へのアクセスを提供する第1開口をポートハウジングの近位端に有し、前記第1開口が前記本体部材の一部を受け入れるように構成されているポートハウジングと、
前記ポートハウジングによって画定された前記内部空洞内に位置決めされた第2嵌合部材であり、前記第2嵌合部材が、第1のドッキング位置において、および第2の作動位置において、前記本体部材の前記第1の嵌合部材と係合して第1容器を第2容器に作動可能に接続するように構成され、前記作動インジケータが、前記ポートハウジングの前記内部空洞の外側にあり、ドッキング位置では目視することができ、前記作動インジケータが、作動位置では目視することができない第2嵌合部材とを備える、システム。
【請求項2】
前記システムがさらに、前記本体部材の周囲に接続された作動環を備え、前記作動インジケータが、作動後に、作動リングの背後に位置を移し、作動位置では目視することができない、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記作動環が、ドッキング位置および作動位置の両方において、前記ポートハウジングに係合する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
第1容器内の薬剤を第2容器内の無菌流体と混合するシステムであって、
第1容器と、前記第1容器上に設けられた作動マーカと、
前記第1容器に接続された作動環であり、前記第1容器が、第1のドッキング位置に位置決めすることができ、前記作動マーカが、前記第1のドッキング位置では目視することができ、前記第1容器が、第2の作動位置に移動することができ、前記作動マーカが、前記第2の作動位置では、前記作動環によって隠されている作動環と、
前記第1容器が前記第2の作動位置にあるときは、前記第1容器に流体的に接続されるように構成された第2容器とを備える、システム。
【請求項5】
第1容器内の薬剤を第2容器内の無菌流体と混合するプロセスであって、
薬剤を収納する第1容器を提供し、前記第1容器が、第1容器に対応する作動マーカを有することと、
無菌流体を収納する第2容器を提供することと、
前記第1容器および前記第2容器が第1のドッキング位置にあるときは前記作動マーカを見ることができるように構成され、前記第1容器および前記第2容器が第2の作動位置にあるときは前記作動マーカを覆うように構成された作動環を提供することと、
前記作動環を前記第1容器のまわりに置くことと、
前記第1容器と前記第2容器を、前記作動マーカが目視可能な前記第1のドッキング位置に置くことと、
前記第1容器と前記第2容器を、前記作動マーカが前記作動環によって覆われた前記第2のドッキング位置に置くこととを含む、プロセス。
【請求項6】
第1容器内の薬剤を第2容器内の流体と混合するシステムであって、
開口と、前記開口に流体的に接続された内部空洞とを画定する第1容器と、
前記第1容器によって画定された前記開口内に位置決めされた栓であり、前記第1容器によって画定された前記内部空洞を、前記第1容器の外部環境から流体的に封止する栓と、
前記第1容器の少なくとも一部のまわりに位置決めされた本体部材であり、本体部材から半径方向に突き出る第1嵌合部材を有する本体部材と、
内部空洞を画定する第2容器と、前記第2容器に接続されたポートハウジングであり、ポートハウジングの近位端に第1開口を画定し、ポートハウジングの遠位端に第2開口を画定するポートハウジングと、前記ポートハウジングによって画定された前記第2開口を封止する可動プラグと、
前記ポートハウジングによって画定された前記内部空洞内に位置決めされた第2嵌合部材であり、前記第1容器が前記ポートハウジングに挿入されると、前記第1の嵌合部材に係合するように構成されている第2嵌合部材と、
前記ポートハウジングの前記内部空洞内に配置されたアクチュエータであり、前記アクチュエータが、近位端部分を有し、前記近位端部分から、前記ポートハウジングによって画定された前記第1開口の方に軸方向に延びる複数の側壁部材を有し、前記複数の側壁部材が、複数の側壁部材の間で1つ以上の開口を画定し、前記アクチュエータの前記側壁部材が、内部空洞を画定し、前記アクチュエータが、前記第1容器を流体的に封止する第1のドッキング位置から、前記第1容器によって画定された前記内部空洞内に位置する第2の作動位置に、前記栓を移動するように構成され、それによって、作動位置では、第1容器と第2容器との間に流体連通が形成されるアクチュエータとを備える、システム。
【請求項7】
前記第1嵌合部材が、前記本体部材から突き出るフランジである、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第2嵌合部材が、前記ポートハウジング内で固定された保持部を備え、前記保持部が、種々の長さの複数のタブを有する、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記システムがさらに、前記本体部材の周囲に接続された作動リングを備え、前記作動リングが、前記本体部材の周囲に画定されたトラックに嵌合するように構成された突出部を有し、それによって、前記突出部と前記トラックが、第1のドッキング位置と第2の作動位置との間の前記本体部材の動きを制御する、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムがさらに、前記トラック内に配置された解除可能な係止部を備え、前記解除可能な係止部が、前記解除可能な係止部を乗り越えるのに所定の力を加える前に、前記システムが作動するのを防止するように構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記プラグが、本体部分と前記本体部分から突き出る複数の脚とを有し、前記第1容器が、前記プラグを前記ポートハウジングの前記第2開口から外すために、作動中は、前記プラグの前記脚と係合するように構成され、それによって、作動位置で、前記第1容器と前記第2容器との間に流体連通を提供する、請求項6に記載のシステム。
【請求項12】
前記システムがさらに、前記ポートハウジングから突き出る突出部を備え、前記突出部が、前記作動リング上に配置されたスプラインに係合するように構成され、前記突出部と前記スプラインとが、前記作動リングが回転するのを防止するように構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記保持部がさらに、前記第1容器をドッキング位置に位置決めするように構成された第1群のタブと、前記第1容器を作動位置に位置決めするように構成された第2群のタブとを備え、前記第1および第2のタブが、前記第1容器が前記ドッキング位置と前記作動位置にそれぞれ位置決めされた後に、前記第1容器が前記第2容器から引き抜かれるのを防止するように構成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項14】
第1容器内の薬剤を第2容器内の流体と混合する方法であって、
開口と前記開口に流体的に接続された内部空洞とを画定する第1容器と、前記第1容器によって画定された前記開口内に位置決めされた栓であり、前記第1容器によって画定された前記内部空洞を前記第1容器の外部環境から流体的に封止する栓と、前記第1容器の少なくとも一部のまわりに位置決めされた本体部材であり、本体部材から半径方向に突き出る第1嵌合部材を有する本体部材とを提供することと、
内部空洞を画定する第2容器と、前記第2容器に接続されたポートハウジングであり、ポートハウジングの近位端に第1開口を画定し、ポートハウジングの遠位端に第2開口を画定しているポートハウジングと、前記ポートハウジングによって画定された前記第2開口を封止する可動プラグと、前記ポートハウジングによって画定された前記内部空洞内に位置決めされた第2嵌合部材であり、前記第1容器が前記ポートハウジングに挿入されると前記第1嵌合部材に係合するよう構成されている第2嵌合部材と、前記ポートハウジングの前記内部空洞内に位置決めされたアクチュエータであり、前記アクチュエータが、近位端部分を有し、前記近位端部分から前記ポートハウジングによって画定された前記第1開口の方へ軸方向に延びる複数の側壁部材を有し、前記複数の側壁部材が、側壁部材の間に1つ以上の開口を画定し、前記アクチュエータの前記側壁部材が中心空洞を画定し、前記アクチュエータが、前記第1容器を流体的に封止する第1のドッキング位置から、前記第1容器によって画定された前記内部空洞内に位置する第2の作動位置まで、前記栓を移動させるように構成され、それによって、作動位置では、第1容器と第2容器との間に流体連通が形成されるアクチュエータとを提供することと、
前記第1および第2容器の内容物が流体的に分離している第1のドッキング位置で、前記第1容器を前記第2容器に取り付けることと、
前記第1容器と前記第2容器が互いに流体連通する第2の作動位置に、前記第1容器を前記第2容器に対して移動させることとを含む、方法。
【請求項15】
前記第1嵌合部材が前記本体部材から突き出るフランジである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第2嵌合部材が、前記ポートハウジング内で固定された保持部を備え、前記保持部が種々の長さの複数のタブを有する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記システムがさらに、前記本体部材の周囲に接続された作動リングを備え、前記作動リングが、前記本体部材の周囲に画定されたトラックに嵌合するように構成された突出部を有し、それによって、前記突出部と前記トラックとが、第1のドッキング位置と第2の作動位置との間の前記本体部材の動きを制御する、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記システムがさらに、前記トラック内に配置された解除可能な係止部を備え、前記解除可能な係止部が、前記解除可能な係止部を乗り越えるのに所定の力を加える前に、前記システムが作動するのを防止するように構成されている、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記プラグが、本体部分と前記本体部分から突き出る複数の脚とを有し、前記第1容器が、前記プラグを前記ポートハウジングの前記第2開口から外すために、作動中は、前記プラグの前記脚に係合するように構成され、それによって、作動位置で、前記第1容器と前記第2容器との間に流体連通を提供する、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記システムがさらに、前記ポートハウジングから突き出る突出部を備え、前記突出部が、前記作動リング上に配置されたスプラインと係合するように構成され、前記突出部と前記スプラインとが、前記作動リングが回転するのを防止するように構成されている、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記保持部がさらに、前記第1容器をドッキング位置に位置決めするように構成された第1群のタブと、前記第1容器を作動位置に位置決めするように構成された第2群のタブとを備え、前記第1および第2のタブが、前記第1容器が前記ドッキング位置と前記作動位置にそれぞれ位置決めされた後に、前記第1容器が前記第2容器から引き抜かれるのを防止するように構成されている、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
バイアル内の薬剤と混合される無菌流体を保管する容器用のポートアセンブリであって、
ポートアセンブリの近位端に第1開口を画定するポートハウジングであり、前記第1開口が、前記ポートハウジング内に画定された空洞へのアクセスを提供し、前記ポートハウジングが、前記第1開口から間隔の空いた第2開口を画定し、前記第2開口が、前記ポートハウジング内に画定された前記空洞へのアクセスを提供するポートハウジングと、前記第2開口を封止する可動プラグと、
前記ポートハウジングの前記空洞内に位置決めされたアクチュエータであり、前記アクチュエータが、近位端部分と、前記近位端部分からポートハウジングの前記第1開口の方に軸方向に延びる複数の側壁部材であり、1つ以上の開口が前記側壁部材の間に画定され、前記側壁部材が、前記アクチュエータの前記近位端部分から間隔の空いた終端部を有する側壁部材と、前記側壁部材によって画定された中心空洞とを有し、前記アクチュエータが、作動工程中に、バイアルに関連する栓をバイアルに押し込むように適合されているアクチュエータと、
前記ポートハウジングによって画定された空洞内に位置決めされた保持部であり、前記保持部が、複数の保持タブを有し、前記複数の保持タブの少なくとも1つが、バイアルを第1のドッキング位置に保持するように適合された第1の長さを有し、前記複数の保持タブのうちの少なくとも1つが、第2の作動位置にバイアルを保持するように適合された第2の長さを有する保持部とを備える、ポートアセンブリ。
【請求項23】
前記プラグが、前記第1開口の方に軸方向に突き出る複数の脚を有し、前記脚が、バイアルが作動している間は、バイアルに係合するように適合されている、請求項22に記載のポートアセンブリ。
【請求項24】
前記アクチュエータが、前記ポートハウジングと一体であり、前記アクチュエータがポートハウジング内の所定の位置に固定されている、請求項22に記載のポートアセンブリ。
【請求項25】
前記ポートハウジングが、バイアルに関連する作動環と係合し、バイアルに関連する作動環と前記ポートアセンブリとの間で相対回転するのを防止するために、ポートハウジングの内壁から突き出る突出部を有する、請求項22に記載のポートアセンブリ。
【請求項26】
前記保持部がさらに、開口を画定するフランジを備え、前記ポートアセンブリがさらに、前記保持フランジによって画定される前記開口を封止する剥離可能なカバーを備える、請求項22に記載のポートアセンブリ。
【請求項27】
前記ポートアセンブリがさらに、前記保持フランジによって画定された前記開口を着脱可能に封止する上蓋を備え、前記上蓋が、前記剥離可能なカバーの外部に位置決めされている、請求項26に記載のポートアセンブリ。
【請求項28】
前記ポートアセンブリが、高分子材料で構成されたフレキシブル容器に接着され、前記ポートアセンブリが、前記フレキシブル容器の外部と内部との間に流体連通を提供する、請求項22に記載のポートアセンブリ。
【請求項29】
前記フレキシブル容器が、非PVC材料で構成されている、請求項28に記載のポートアセンブリ。
【請求項30】
希釈液と混合される薬剤を収納するための薬剤容器であって、
容器本体によって画定された空洞に流体的に接続された開口を有する容器本体と、
前記容器本体の前記開口内に位置決めされた栓であり、前記容器本体によって画定された前記空洞を前記容器本体の外部環境から流体的に封止する栓と、
前記容器本体の少なくとも一部のまわりに位置決めされた本体キャップであり、前記本体キャップが、本体キャップから半径方向に突き出るフランジを有し、前記フランジが第2容器の相補的な受容部と嵌合するように適合され、これにより前記薬剤容器を第2容器と接続して、前記薬品容器内の薬剤を第2容器内の希釈液と混合する本体キャップと、
前記本体キャップの外部壁の周囲に画定されたトラックと、
前記本体キャップの周囲に接続された作動環であり、前記作動環が、前記本体キャップの前記周囲上に画定された前記トラックに係合するように構成された、作動環から突き出る突出部を有し、前記トラックと前記突出部とが、ドッキング位置と作動位置との間で、前記作動環に対して前記本体キャップの動きを制御するように構成されている作動環とを備える、薬剤容器。
【請求項31】
前記薬剤容器がさらに、解除可能な係止部を乗り越えるために所定の力が加わるまで、前記本体キャップと前記作動環との間の相対的な動きを防止するように構成された解除可能な係止部を備える、請求項30に記載の薬剤容器。
【請求項32】
前記栓が、前記容器本体の前記開口内の第1の位置から、前記容器本体によって画定された前記空洞内の第2の位置まで移動可能に構成されている、請求項30に記載の薬剤容器。
【請求項33】
前記薬剤容器がさらに、前記薬剤容器を吊り下げることができるように構成されたコネクタを備える、請求項30に記載の薬剤容器。
【請求項34】
前記薬剤容器がさらに、前記本体キャップに一体的に取り付けられた着脱可能な頂部キャップを備え、前記頂部キャップが、前記頂部キャップが本体キャップ上に位置決めされると、栓へのアクセスを防止するように構成されている、請求項30に記載の薬剤容器。
【請求項35】
前記薬剤容器がさらに、前記頂部キャップと前記本体キャップとに関連する引っ張りリングを備え、前記引っ張りリングが、前記本体キャップから取り外すことができるように構成され、それによって、前記頂部キャップが、前記引っ張りリングが前記本体キャップから外される場合には前記本体キャップから取り外され、前記頂部キャップが前記本体キャップから取り外されることによって、前記栓へのアクセスが提供される、請求項34に記載の薬剤容器。
【請求項36】
前記薬剤容器がさらに、封止リングを備え、前記封止リングがフランジを有する側壁を有し、側壁から半径方向内側に突き出るリブを有し、前記リブが、前記容器本体を封止するように構成されている、請求項30に記載の薬剤容器。
【請求項37】
前記封止リングがさらに、半径方向内側に突き出る内側フランジを備え、前記内側フランジが、前記薬剤容器が第2容器に取り付けられると、第2容器に関連するプラグの脚に係合するよう構成されている、請求項36に記載の薬剤容器。
【請求項1】
第1容器内の薬剤を第2容器内の流体と混合するシステムであって、
第1容器の一部のまわりに位置決めされるように構成された本体部材であり、本体部材から半径方向に突き出る第1嵌合部材を有し、さらに作動インジケータを有する本体部材と、
第2容器に接続されるように構成されたポートハウジングであり、前記ポートハウジングが、前記ポートハウジングによって画定される内部空洞へのアクセスを提供する第1開口をポートハウジングの近位端に有し、前記第1開口が前記本体部材の一部を受け入れるように構成されているポートハウジングと、
前記ポートハウジングによって画定された前記内部空洞内に位置決めされた第2嵌合部材であり、前記第2嵌合部材が、第1のドッキング位置において、および第2の作動位置において、前記本体部材の前記第1の嵌合部材と係合して第1容器を第2容器に作動可能に接続するように構成され、前記作動インジケータが、前記ポートハウジングの前記内部空洞の外側にあり、ドッキング位置では目視することができ、前記作動インジケータが、作動位置では目視することができない第2嵌合部材とを備える、システム。
【請求項2】
前記システムがさらに、前記本体部材の周囲に接続された作動環を備え、前記作動インジケータが、作動後に、作動リングの背後に位置を移し、作動位置では目視することができない、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記作動環が、ドッキング位置および作動位置の両方において、前記ポートハウジングに係合する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
第1容器内の薬剤を第2容器内の無菌流体と混合するシステムであって、
第1容器と、前記第1容器上に設けられた作動マーカと、
前記第1容器に接続された作動環であり、前記第1容器が、第1のドッキング位置に位置決めすることができ、前記作動マーカが、前記第1のドッキング位置では目視することができ、前記第1容器が、第2の作動位置に移動することができ、前記作動マーカが、前記第2の作動位置では、前記作動環によって隠されている作動環と、
前記第1容器が前記第2の作動位置にあるときは、前記第1容器に流体的に接続されるように構成された第2容器とを備える、システム。
【請求項5】
第1容器内の薬剤を第2容器内の無菌流体と混合するプロセスであって、
薬剤を収納する第1容器を提供し、前記第1容器が、第1容器に対応する作動マーカを有することと、
無菌流体を収納する第2容器を提供することと、
前記第1容器および前記第2容器が第1のドッキング位置にあるときは前記作動マーカを見ることができるように構成され、前記第1容器および前記第2容器が第2の作動位置にあるときは前記作動マーカを覆うように構成された作動環を提供することと、
前記作動環を前記第1容器のまわりに置くことと、
前記第1容器と前記第2容器を、前記作動マーカが目視可能な前記第1のドッキング位置に置くことと、
前記第1容器と前記第2容器を、前記作動マーカが前記作動環によって覆われた前記第2のドッキング位置に置くこととを含む、プロセス。
【請求項6】
第1容器内の薬剤を第2容器内の流体と混合するシステムであって、
開口と、前記開口に流体的に接続された内部空洞とを画定する第1容器と、
前記第1容器によって画定された前記開口内に位置決めされた栓であり、前記第1容器によって画定された前記内部空洞を、前記第1容器の外部環境から流体的に封止する栓と、
前記第1容器の少なくとも一部のまわりに位置決めされた本体部材であり、本体部材から半径方向に突き出る第1嵌合部材を有する本体部材と、
内部空洞を画定する第2容器と、前記第2容器に接続されたポートハウジングであり、ポートハウジングの近位端に第1開口を画定し、ポートハウジングの遠位端に第2開口を画定するポートハウジングと、前記ポートハウジングによって画定された前記第2開口を封止する可動プラグと、
前記ポートハウジングによって画定された前記内部空洞内に位置決めされた第2嵌合部材であり、前記第1容器が前記ポートハウジングに挿入されると、前記第1の嵌合部材に係合するように構成されている第2嵌合部材と、
前記ポートハウジングの前記内部空洞内に配置されたアクチュエータであり、前記アクチュエータが、近位端部分を有し、前記近位端部分から、前記ポートハウジングによって画定された前記第1開口の方に軸方向に延びる複数の側壁部材を有し、前記複数の側壁部材が、複数の側壁部材の間で1つ以上の開口を画定し、前記アクチュエータの前記側壁部材が、内部空洞を画定し、前記アクチュエータが、前記第1容器を流体的に封止する第1のドッキング位置から、前記第1容器によって画定された前記内部空洞内に位置する第2の作動位置に、前記栓を移動するように構成され、それによって、作動位置では、第1容器と第2容器との間に流体連通が形成されるアクチュエータとを備える、システム。
【請求項7】
前記第1嵌合部材が、前記本体部材から突き出るフランジである、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第2嵌合部材が、前記ポートハウジング内で固定された保持部を備え、前記保持部が、種々の長さの複数のタブを有する、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記システムがさらに、前記本体部材の周囲に接続された作動リングを備え、前記作動リングが、前記本体部材の周囲に画定されたトラックに嵌合するように構成された突出部を有し、それによって、前記突出部と前記トラックが、第1のドッキング位置と第2の作動位置との間の前記本体部材の動きを制御する、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムがさらに、前記トラック内に配置された解除可能な係止部を備え、前記解除可能な係止部が、前記解除可能な係止部を乗り越えるのに所定の力を加える前に、前記システムが作動するのを防止するように構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記プラグが、本体部分と前記本体部分から突き出る複数の脚とを有し、前記第1容器が、前記プラグを前記ポートハウジングの前記第2開口から外すために、作動中は、前記プラグの前記脚と係合するように構成され、それによって、作動位置で、前記第1容器と前記第2容器との間に流体連通を提供する、請求項6に記載のシステム。
【請求項12】
前記システムがさらに、前記ポートハウジングから突き出る突出部を備え、前記突出部が、前記作動リング上に配置されたスプラインに係合するように構成され、前記突出部と前記スプラインとが、前記作動リングが回転するのを防止するように構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記保持部がさらに、前記第1容器をドッキング位置に位置決めするように構成された第1群のタブと、前記第1容器を作動位置に位置決めするように構成された第2群のタブとを備え、前記第1および第2のタブが、前記第1容器が前記ドッキング位置と前記作動位置にそれぞれ位置決めされた後に、前記第1容器が前記第2容器から引き抜かれるのを防止するように構成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項14】
第1容器内の薬剤を第2容器内の流体と混合する方法であって、
開口と前記開口に流体的に接続された内部空洞とを画定する第1容器と、前記第1容器によって画定された前記開口内に位置決めされた栓であり、前記第1容器によって画定された前記内部空洞を前記第1容器の外部環境から流体的に封止する栓と、前記第1容器の少なくとも一部のまわりに位置決めされた本体部材であり、本体部材から半径方向に突き出る第1嵌合部材を有する本体部材とを提供することと、
内部空洞を画定する第2容器と、前記第2容器に接続されたポートハウジングであり、ポートハウジングの近位端に第1開口を画定し、ポートハウジングの遠位端に第2開口を画定しているポートハウジングと、前記ポートハウジングによって画定された前記第2開口を封止する可動プラグと、前記ポートハウジングによって画定された前記内部空洞内に位置決めされた第2嵌合部材であり、前記第1容器が前記ポートハウジングに挿入されると前記第1嵌合部材に係合するよう構成されている第2嵌合部材と、前記ポートハウジングの前記内部空洞内に位置決めされたアクチュエータであり、前記アクチュエータが、近位端部分を有し、前記近位端部分から前記ポートハウジングによって画定された前記第1開口の方へ軸方向に延びる複数の側壁部材を有し、前記複数の側壁部材が、側壁部材の間に1つ以上の開口を画定し、前記アクチュエータの前記側壁部材が中心空洞を画定し、前記アクチュエータが、前記第1容器を流体的に封止する第1のドッキング位置から、前記第1容器によって画定された前記内部空洞内に位置する第2の作動位置まで、前記栓を移動させるように構成され、それによって、作動位置では、第1容器と第2容器との間に流体連通が形成されるアクチュエータとを提供することと、
前記第1および第2容器の内容物が流体的に分離している第1のドッキング位置で、前記第1容器を前記第2容器に取り付けることと、
前記第1容器と前記第2容器が互いに流体連通する第2の作動位置に、前記第1容器を前記第2容器に対して移動させることとを含む、方法。
【請求項15】
前記第1嵌合部材が前記本体部材から突き出るフランジである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第2嵌合部材が、前記ポートハウジング内で固定された保持部を備え、前記保持部が種々の長さの複数のタブを有する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記システムがさらに、前記本体部材の周囲に接続された作動リングを備え、前記作動リングが、前記本体部材の周囲に画定されたトラックに嵌合するように構成された突出部を有し、それによって、前記突出部と前記トラックとが、第1のドッキング位置と第2の作動位置との間の前記本体部材の動きを制御する、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記システムがさらに、前記トラック内に配置された解除可能な係止部を備え、前記解除可能な係止部が、前記解除可能な係止部を乗り越えるのに所定の力を加える前に、前記システムが作動するのを防止するように構成されている、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記プラグが、本体部分と前記本体部分から突き出る複数の脚とを有し、前記第1容器が、前記プラグを前記ポートハウジングの前記第2開口から外すために、作動中は、前記プラグの前記脚に係合するように構成され、それによって、作動位置で、前記第1容器と前記第2容器との間に流体連通を提供する、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記システムがさらに、前記ポートハウジングから突き出る突出部を備え、前記突出部が、前記作動リング上に配置されたスプラインと係合するように構成され、前記突出部と前記スプラインとが、前記作動リングが回転するのを防止するように構成されている、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記保持部がさらに、前記第1容器をドッキング位置に位置決めするように構成された第1群のタブと、前記第1容器を作動位置に位置決めするように構成された第2群のタブとを備え、前記第1および第2のタブが、前記第1容器が前記ドッキング位置と前記作動位置にそれぞれ位置決めされた後に、前記第1容器が前記第2容器から引き抜かれるのを防止するように構成されている、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
バイアル内の薬剤と混合される無菌流体を保管する容器用のポートアセンブリであって、
ポートアセンブリの近位端に第1開口を画定するポートハウジングであり、前記第1開口が、前記ポートハウジング内に画定された空洞へのアクセスを提供し、前記ポートハウジングが、前記第1開口から間隔の空いた第2開口を画定し、前記第2開口が、前記ポートハウジング内に画定された前記空洞へのアクセスを提供するポートハウジングと、前記第2開口を封止する可動プラグと、
前記ポートハウジングの前記空洞内に位置決めされたアクチュエータであり、前記アクチュエータが、近位端部分と、前記近位端部分からポートハウジングの前記第1開口の方に軸方向に延びる複数の側壁部材であり、1つ以上の開口が前記側壁部材の間に画定され、前記側壁部材が、前記アクチュエータの前記近位端部分から間隔の空いた終端部を有する側壁部材と、前記側壁部材によって画定された中心空洞とを有し、前記アクチュエータが、作動工程中に、バイアルに関連する栓をバイアルに押し込むように適合されているアクチュエータと、
前記ポートハウジングによって画定された空洞内に位置決めされた保持部であり、前記保持部が、複数の保持タブを有し、前記複数の保持タブの少なくとも1つが、バイアルを第1のドッキング位置に保持するように適合された第1の長さを有し、前記複数の保持タブのうちの少なくとも1つが、第2の作動位置にバイアルを保持するように適合された第2の長さを有する保持部とを備える、ポートアセンブリ。
【請求項23】
前記プラグが、前記第1開口の方に軸方向に突き出る複数の脚を有し、前記脚が、バイアルが作動している間は、バイアルに係合するように適合されている、請求項22に記載のポートアセンブリ。
【請求項24】
前記アクチュエータが、前記ポートハウジングと一体であり、前記アクチュエータがポートハウジング内の所定の位置に固定されている、請求項22に記載のポートアセンブリ。
【請求項25】
前記ポートハウジングが、バイアルに関連する作動環と係合し、バイアルに関連する作動環と前記ポートアセンブリとの間で相対回転するのを防止するために、ポートハウジングの内壁から突き出る突出部を有する、請求項22に記載のポートアセンブリ。
【請求項26】
前記保持部がさらに、開口を画定するフランジを備え、前記ポートアセンブリがさらに、前記保持フランジによって画定される前記開口を封止する剥離可能なカバーを備える、請求項22に記載のポートアセンブリ。
【請求項27】
前記ポートアセンブリがさらに、前記保持フランジによって画定された前記開口を着脱可能に封止する上蓋を備え、前記上蓋が、前記剥離可能なカバーの外部に位置決めされている、請求項26に記載のポートアセンブリ。
【請求項28】
前記ポートアセンブリが、高分子材料で構成されたフレキシブル容器に接着され、前記ポートアセンブリが、前記フレキシブル容器の外部と内部との間に流体連通を提供する、請求項22に記載のポートアセンブリ。
【請求項29】
前記フレキシブル容器が、非PVC材料で構成されている、請求項28に記載のポートアセンブリ。
【請求項30】
希釈液と混合される薬剤を収納するための薬剤容器であって、
容器本体によって画定された空洞に流体的に接続された開口を有する容器本体と、
前記容器本体の前記開口内に位置決めされた栓であり、前記容器本体によって画定された前記空洞を前記容器本体の外部環境から流体的に封止する栓と、
前記容器本体の少なくとも一部のまわりに位置決めされた本体キャップであり、前記本体キャップが、本体キャップから半径方向に突き出るフランジを有し、前記フランジが第2容器の相補的な受容部と嵌合するように適合され、これにより前記薬剤容器を第2容器と接続して、前記薬品容器内の薬剤を第2容器内の希釈液と混合する本体キャップと、
前記本体キャップの外部壁の周囲に画定されたトラックと、
前記本体キャップの周囲に接続された作動環であり、前記作動環が、前記本体キャップの前記周囲上に画定された前記トラックに係合するように構成された、作動環から突き出る突出部を有し、前記トラックと前記突出部とが、ドッキング位置と作動位置との間で、前記作動環に対して前記本体キャップの動きを制御するように構成されている作動環とを備える、薬剤容器。
【請求項31】
前記薬剤容器がさらに、解除可能な係止部を乗り越えるために所定の力が加わるまで、前記本体キャップと前記作動環との間の相対的な動きを防止するように構成された解除可能な係止部を備える、請求項30に記載の薬剤容器。
【請求項32】
前記栓が、前記容器本体の前記開口内の第1の位置から、前記容器本体によって画定された前記空洞内の第2の位置まで移動可能に構成されている、請求項30に記載の薬剤容器。
【請求項33】
前記薬剤容器がさらに、前記薬剤容器を吊り下げることができるように構成されたコネクタを備える、請求項30に記載の薬剤容器。
【請求項34】
前記薬剤容器がさらに、前記本体キャップに一体的に取り付けられた着脱可能な頂部キャップを備え、前記頂部キャップが、前記頂部キャップが本体キャップ上に位置決めされると、栓へのアクセスを防止するように構成されている、請求項30に記載の薬剤容器。
【請求項35】
前記薬剤容器がさらに、前記頂部キャップと前記本体キャップとに関連する引っ張りリングを備え、前記引っ張りリングが、前記本体キャップから取り外すことができるように構成され、それによって、前記頂部キャップが、前記引っ張りリングが前記本体キャップから外される場合には前記本体キャップから取り外され、前記頂部キャップが前記本体キャップから取り外されることによって、前記栓へのアクセスが提供される、請求項34に記載の薬剤容器。
【請求項36】
前記薬剤容器がさらに、封止リングを備え、前記封止リングがフランジを有する側壁を有し、側壁から半径方向内側に突き出るリブを有し、前記リブが、前記容器本体を封止するように構成されている、請求項30に記載の薬剤容器。
【請求項37】
前記封止リングがさらに、半径方向内側に突き出る内側フランジを備え、前記内側フランジが、前記薬剤容器が第2容器に取り付けられると、第2容器に関連するプラグの脚に係合するよう構成されている、請求項36に記載の薬剤容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2010−535070(P2010−535070A)
【公表日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−519251(P2010−519251)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【国際出願番号】PCT/US2008/071991
【国際公開番号】WO2009/038887
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(504308442)ホスピラ・インコーポレイテツド (50)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【国際出願番号】PCT/US2008/071991
【国際公開番号】WO2009/038887
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(504308442)ホスピラ・インコーポレイテツド (50)
【Fターム(参考)】
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