説明

薬物標的化された局所的脂肪分解

本発明は、少なくとも1種のリン脂質、少なくとも1種の胆汁酸、および水を含む水性リン脂質系に関し、そして脂肪組織疾患の処置のための医薬を製造するのに適切であり、そして病的な増殖性脂肪組織の退行をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脂肪組織障害の処置のためおよび病的に増殖した脂肪組織の退行のための医薬を製造するのに適切な、少なくとも1種のリン脂質、少なくとも1種の胆汁酸、および水を含む水性リン脂質系に関する。
【背景技術】
【0002】
水性リン脂質性のリン脂質系については、種々の適用が公知である。従って、これらの系は、例えば、化粧品部門または医薬品を製造するために利用されている。これらの系は、球状の小胞(リポソームとも称される)を有することで分類される。前記リポソームの外部との境界線は、脂質二重層膜によって形成され、そしてこれらは内部に水相を含む。少なくとも1種のリン脂質、少なくとも1種の胆汁酸、および水を含む水性リン脂質系は、例えば、欧州特許出願EP 0 615 746に記載される。市販品では、Lipostabil(登録商標)Ni.V.(Rote Liste,March2003)があり、これは、リン脂質、胆汁酸、DL−α−トコフェロール、エタノール、および水を含む水性リン脂質系から構成され、そして脂肪塞栓症の予防および処置について認可されている。
【0003】
Lipostabil(登録商標)Ni.V.を皮下注射すると、過体重者の眼の下、腹部または臀部に発生するのと同種の脂肪体が縮小し、そして処置された人の外見における美的改善が生じると言われていることが報告されている(Patricia Guedes Rittes,The Use of Phosphatidylcholine for Correction of Lower Lid Bulging Due to Prominent Fat Pads,Dermatol Surg.2001;27:391−392)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
今回、脂肪組織の障害を処置するのに有効な化合物を見出す目的で、本発明に従って利用されるリポソーム系が病的に増殖した脂肪組織の退行をもたらすことを見出した。脂肪組織の脂肪分解が起こり、そして関連する病的に増殖した脂肪組織領域が減少する。後述するように、これらの障害は、脂肪組織の美的に乱れた増殖だけでなく、疼痛状態および身体機能の障害を含む。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、本発明は、脂肪組織障害の処置のための医薬を製造するための水性リン脂質系の使用に関し、水性リン脂質系は、以下:
a)少なくとも1種のリン脂質
b)少なくとも1種の胆汁酸、および
c)水
を含む。
【0006】
本発明は、さらに、脂肪組織腫瘍の退行のための医薬を製造するための前記水性リポソーム系の使用に関する。
【0007】
用語「リン脂質」とは、以下のような化合物:3−sn−ホスファチジルコリン、ソヤ(soya)(Phospholipon 90)、3−sn−ホスファチジルコリン、還元ソヤ(Phospholipon 90H)、3−(3sn)−ホスファチジル)グリセロールソヤ(Phospholipon G)、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、リソ−ホスファチジルコリン、またはジパルミトイルホスファチジルグリセロール、ならびにそれらの生理的に許容される塩、を意味する。
【0008】
用語「胆汁酸」とは、以下のような化合物:デオキシコール酸、コール酸、リトコール酸、ケノデオキシコール酸(chenodeocycholic acid)、ヒオデオキシコール酸、トリヒドロキシコプロスタン酸(trihydroxycoprostanic acid)、ウルソデオキシコール酸、タウロコール酸、またはグリココール酸、ならびにそれらの生理的に許容される塩を意味する。
【0009】
用語「脂肪組織障害」とは、例えば、以下の障害を意味する:
脂肪腫は、脂肪組織腫瘍であり、これは良性でゆっくり増殖し、通常球状であり、恐らく有茎性(=l.pendulum)であるが、さもなければ絨毛様(=l.arborescens)、例えば、滑膜絨毛)である間葉性腫瘍であり、選択的に皮下細胞組織中に存在する拡大した脂肪組織細胞から成り、おそらく以下を伴う:中心性骨(=l.ossificans)、ムコイドの生成(=l.myxomatodes)、または石灰化(=l.petrificans)、また結合組織の増加、および嚢形成(=l.fibrosum)、血管新生(neoangiogenesis)(=l.teleangiectodes)、悪性変性の稀な提示(=l.sarcomatodes、脂肪肉腫)。これらは成長するし、そしてそれらの結合組織性外膜は、それら自体が疼痛性であり、かつそれらに由来する血管の圧迫(これが神経痛を引き起こし得る)から、病気として分類されるべきである。
【0010】
有痛性リポマトーシス(lipomatosis dolorosa)と呼ばれるダーカム病は、真皮脂肪筋膜(カンパ脂肪筋膜:Kampa’s fat fascia)と真皮下との間に局在する脂肪組織の特定のタイプの肥大性増殖である。ホルモン効果は、それらの脂肪細胞の水結合能力の増大をもたらし、次いで脂肪細胞は、それら自身が、圧迫現象によってシダ様の原始(initial)リンパ管の領域においてリンパ管閉塞をもたらし、それによってさらなる圧迫効果および刺激性効果が末梢感覚神経に加わり、その結果、これらの患者は、触れられた時に極めて痛い感覚を示す。数年〜10年の間に、真皮(これは、老化プロセスの間に薄くなる)下の広範な場所に不規則な脂肪結節が形成され、いくつかのこれらの節は、痛みがあり、そして非常に異常な(dysesthetic)特性を有する。
【0011】
マーデルング頚部(Madelung’s neck)(Lanois−Bensaude症候群)は、ジストロフィー性脂肪組織腫瘍形成が皮下の瘢痕様結合組織の圧迫に付随して起こる脂肪組織増殖を伴う脂肪組織炎症である。このような場合において、本質的な解剖学的構造がこのプロセスに関与し、そして障害が本質的に頭部、頚部、および肩の領域に現れるので、外科手術は、しばしば部分的にしか成功し得ない。
【0012】
リペデーマ(lipedema)は、女性の下肢に特に発症し、そして加齢に伴う進行性の過程および特徴を示す有痛性の脂肪組織の隆起である。
【0013】
圧力原性節(piezogenic nodules)は、圧迫によって引き起こされ、そして多脂肪組織性のヘルニアとして主に肥満体の人々のかかとの内側領域に発症する、手およびかかとの縁の節である。これらは、通常、患者によって美容上の妨害または機能的妨害としてみなされる、皮下脂肪組織の中隔形成(septation)の異常である。
【0014】
黄色腫は、まぶた領域における若干隆起した淡黄色のコレステロールの班様沈積物である。これらは、柔らかく、容易に移動可能であり、そして通常、両目の上に対照的に発症する。これは、局所的な脂質代謝異常によって引き起こされる。閉経後の女性が特に高頻度で冒される。糖尿病および上昇した血液脂質レベルもまた、黄色腫を発症する危険性の増大に関連する。黄色腫は、それらの出現によって、精神的ストレスを引き起こし得る。
【0015】
リポジストロフィーの種々のタイプ(例えば、プロテアーゼインヒビターを用いた処置後のHIV患者に発症し得るリポジストロフィー症候群、若年女子における内分泌障害である脂肪性器性異栄養症、通常遺伝的特徴を有するスフィンゴリピドーシス(例えば、体部被角血管腫(ファブリー病))、または皮膚症状を伴うガングリオシドーシス)。
【0016】
用語「退行」とは、脂肪組織の脂肪分解および増殖性脂肪領域の退行を意味する。
【0017】
食物関連の肥満相関性脂肪肥大と比較して、前記の脂肪組織障害は、病理的に明確に区別され得る組織の状態または属性を示し、そしてこれらは傷および炎症の組織学的パラメータによって表され得るだけでなく、結合組織カプセル化およびその組織学的脂肪組織形態の変化によっても表すことができる。
【0018】
従って、本発明は、セルライトの処置のための医薬を製造するための水性リン脂質系の使用に関し、水性リン脂質系は、以下:
a)少なくとも1種のリン脂質、
b)少なくとも1種の胆汁酸、および
c)水
を含む。
【0019】
セルライトは、真皮脂肪筋膜(カンパ脂肪筋膜)と真皮下との間に局在する脂肪組織の特定のタイプの肥大性増殖である。ホルモン効果は、それらの脂肪細胞の水結合能力の増強をもたらし、次いで脂肪細胞は、それら自身が、圧迫現象を通じて、シダ様の原始リンパ管の領域においてリンパ管閉塞をもたらす。数年〜10年の間に、真皮(これは、老化プロセスの間に薄くなる)下の広範な場所に不規則な脂肪結節が形成され、いくつかのこれらの節は、痛みがあり、そして非常に異常な特性を有する。
【0020】
本発明はまた、脂肪組織障害またはセルライトの処置のために医薬を製造するための、少なくとも1種のリン脂質または少なくとも1種の胆汁酸の使用に関する。
【0021】
リン脂質または胆汁酸のみが単独で利用される場合、同様の条件および定義が、リン脂質と胆汁酸との前記混合物に関するそれらとして適用される。
【0022】
本発明はまた、リン脂質が生理的に許容される塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、および/またはアンモニウム塩)の形態であるリン脂質の使用に関する。
【0023】
リン脂質は、脂肪種子、菜種、大豆、またはヒマワリから単離され得、適切な適用後、リポソーム系に利用され得る。レシチン(例えば、鶏卵由来)もまた適切である。大豆由来のリン脂質が好ましい。本発明はまた、リン脂質が大豆由来の、それから単離されるホスファチジルコリンであるリン脂質の使用に関する。特に、リン脂質は、少なくとも90質量%、特に95質量%の大豆ホスファチジルコリンからなる。
【0024】
本発明はまた、胆汁酸が生理的に許容される塩の形態である胆汁酸の使用に関する。これは、例えば、デオキシコール酸、コール酸、リトコール酸、ケノデオキシコール酸(chenodeocycholic acid)、ヒオデオキシコール酸、トリヒドロキシコプロスタン酸、ウルソデオキシコール酸、タウロコール酸、またはグリココール酸のナトリウム塩、カリウム塩、および/またはアンモニウム塩であり得る。
【0025】
リン脂質対胆汁酸の質量比(質量%)は、30:1〜1:0.03、好ましくは、1:0.7〜1:0.1、特に1:0.6〜1:0.3である。リポソーム系中のリン脂質濃度は、0.5質量%〜30質量%、好ましくは、5質量%〜25質量%、特に、10質量%〜20質量%である。リポソームは、30nm〜180nm、好ましくは、30nm〜130nm、特に50nm〜90nmの直径を有する。これらのリポソームは、0.2μmの孔直径を有するフィルターを利用して、容易な濾過によって滅菌され得る。リポソーム系のpHは、中性点の辺りであり、好ましくは5.0〜8.0、特に6.2〜7.4である。
【0026】
リポソーム系は、例えば、少なくとも1種のリン脂質および少なくとも1種の胆汁酸を、前記の互いに対する比で、有機溶媒に溶解または分散させることによって製造される。次いで、この溶液または分散物は濃縮され、その後、リポソーム系を形成させるために水を添加する。水の添加後、リポソーム系の製造は、押し出し、高圧均質化(high−pressure homogenization)、および/または超音波処理によって促進され得る。処理は、40℃以下、好ましくは20℃〜30℃で行われる。適切な有機溶媒は、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、またはベンジルアルコールであり、各場合において単独または混合物である。濃縮後に残存しているアルコールの容積は、0体積%〜20体積%、好ましくは0体積%〜10体積%であるべきである。リポソーム系の製造方法はまた、欧州特許出願EP 0 470 437またはEP 0 615 746に記載される。
【0027】
本発明に従って利用されるリポソーム系は、皮下注射、関節内注射、腹腔内注射、筋内注射、または静脈内注射によって投与される。皮下注射が好ましい。種々のキャリア媒体および種々の補助具(例えば、イオン導入)の使用による経皮投与もまた可能である。
本発明に従って利用されるリポソーム系の均一導入は、均質分布を確実にするために静水圧を利用するチューメセント法によって行われるべきである。
【0028】
適切な処方物は、例えば、懸濁液、エマルション、または注射溶液、ならびに従来の補助具が使用される製造における、活性成分の長期的な放出を有する製品である。
【0029】
医薬品は、好ましくは、投薬単位に製造され、そして投与され、各単位は活性成分として特定の用量のリポソーム系を含む。アンプル形態の注射用溶液の場合、この用量は、リン脂質に基づいて、約10mg〜約2000mg、好ましくは、約50mg〜約2000mgであり得、約250mg〜500mgが好ましい。
【0030】
処置される脂肪組織のサイズ、注射溶液の投与に基づいて、成人患者の処置に必要な日用量は、リン脂質に基づいて注射1回あたり、5mg〜500mg、好ましくは250mg〜500mgである。注射溶液はまた、好ましくは、生理食塩水を用いて投与の前に希釈され得る。しかし、状況によって、高日用量または低日用量もまた適用されてもよい。用量はまた、脂肪腫のサイズに依存し、そして小さい脂肪腫については、リン脂質に基づいて注射1回あたり1mg〜50mg、好ましくは2mg〜20mgの量で十分である。日用量の投与は、1回の投薬単位の形態で単回用量、または複数回の少量の投薬単位によって、および所定の間隔で分割した用量の複数回投与によって、行われ得る。
【0031】
本発明を以下の実施例によってより詳細に説明する。
【0032】
〔実施例〕
実施例1:リポソーム系の製造
90質量%より多いホスファチジルコリンおよびデオキシコール酸(126.5g)を
含む、高純度大豆ホスファチジルコリン(250g)を、エタノール(1リットル)に溶解した。その後、この得られた溶液を、減圧下、乾燥状態までエバポレートした。この得られた残留物を水(5リットル)に分散させ、次いで、高圧均質化によって平均30nm〜100nmのリポソーム直径にした。次いで、この得られたリポソーム系を0.2μmフィルターによって滅菌条件下で濾過し、そして滅菌条件下でリポソーム系(5ml)を各々含むアンプルに分配した。
【0033】
実施例2:脂肪腫の退行
a)女性患者は腹部の脂肪吸引術についての診察を受け、そしてこの処置の枠組みの中で、以下の病歴を取った:
小児および若年成人の時、彼女は曲芸師であり、そして体操器具を使う等の身体運動を行っていた。この間に、彼女は左肩甲骨の下部に重度の出血を伴う鈍的損傷を受けた。その後、特に、特定の動作の間、長年にわたって常に残っている組織腫瘍のために、肩甲骨に目立つ隆起が生じた。
次いで、処置の間、除去の治療可能性の問題を議論し、そして腫れに局所麻酔の補助を用いる脂肪腫の除去を患者に勧めた。その後に行った部分除去は困難を伴わずに行われたが不完全に終わった。
急性の改善は減退し、そして肩甲骨の下部の突起の部分的退行があり、次いで、これをコンピュータ断層撮影法(CT)によって詳細に調べた。
放射線結果の評価は、以下の通りである:肩甲骨の骨質の変化なし;CTにおいて、僧帽筋の区画における肩甲骨の内側下部縁(medial underedge)で、明らかな残留組織の嫌疑がある。この筋肉は腫れ上がっており、そして脂肪の蓄積が見られる(鑑別診断によると腫瘍残留物)。特に、新しい手術が意図される場合、補足的なNMR断層撮影法を上記に従って勧める。
続いて、手術の約4ヶ月後、再び患者が受診し、10cm針でLipostabil(登録商標)Ni.V.(Rote Liste,March2003)(5ml)の注射(infiltration)を行い、そして上記所見(finding)に分散させた。1日間、患者は軽い痛みの感覚を報告したが、その後それらは消失した。脂肪腫は、症状が完全に消失するまで比較的早く退行した。
その後、患者は症状がないままであった。
b)男性患者は右上腕部におよそクルミサイズの脂肪腫を有していた。この患者は、脂質代謝の障害がなく、そして血清脂質は正常範囲であった。NaCl ad inj.(0.2ml)で希釈した0.2mlの量のLipostabil(登録商標)を患者に注射した。最初の10日間以降に、脂肪腫の明らかな退行があった。
【0034】
実施例3:明白なセルライトの退行
2人の女性患者は、脂質代謝の障害がなく、そして血清脂質は正常範囲であった。両方の患者は、1回のセッションで、NaCl水溶液inj.(0.6ml)で希釈したLipostabil(登録商標)(0.4ml)の注射を受けた(全量1.0mlを注射した)。溶液(0.1ml)を各「セルライトマウンド」に注射し、そして全量を使用して、両足の大腿部の外側の、およそ手のひらサイズの領域を処置した(多汗症についてのボトックススキームに類似する注射スキーム)。触れられた時の軽い圧痛および敏感性、ならびに中程度の紅斑のみを伴って、始めの2週間内で、隆起した領域の退行があった。超音波検査もまた行った。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも1種のリン脂質
b)少なくとも1種の胆汁酸、および
c)水
を含む、脂肪組織障害の処置用医薬を製造するための水性リン脂質系の使用。
【請求項2】
以下の化合物:3−sn−ホスファチジルコリン、ソヤ(Phospholipon 90)、3−sn−ホスファチジルコリン、還元ソヤ(Phospholipon 90H)、3−(3sn)−ホスファチジル)グリセロール、ソヤ(Phospholipon G)、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、リソ−ホスファチジルコリン、またはジパルミトイルホスファチジルグリセロール、ならびにそれらの生理的に許容される塩またはそれらの化合物の混合物の1つが、リン脂質として利用される、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
リン脂質のナトリウム塩、カリウム塩、および/またはアンモニウム塩が、それらの生理的に許容される塩として利用される、請求項2に記載の使用。
【請求項4】
大豆ホスファチジルコリンが、リン脂質として利用される、請求項2に記載の使用。
【請求項5】
リン脂質が、少なくとも90質量%、特に95質量%の大豆ホスファチジルコリンからなる、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
以下の化合物:デオキシコール酸、コール酸、リトコール酸、ケノデオキシコール酸、ヒオデオキシコール酸、トリヒドロキシコプロスタン酸、ウルソデオキシコール酸、タウロコール酸、またはグリココール酸、ならびにそれらの生理的に許容される塩またはそれらの化合物の混合物の1つが、胆汁酸として利用される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
胆汁酸のナトリウム塩、カリウム塩、および/またはアンモニウム塩が、それらの生理的に許容される塩として利用される、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
リン脂質対胆汁酸の質量比(質量%)が、30:1〜1:0.03、好ましくは、1:0.7〜1:0.1、特に1:0.6〜1:0.3である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用。
【請求項9】
リポソーム系において、リン脂質の濃度が、0.5質量%〜30質量%、好ましくは、5質量%〜25質量%、特に、10質量%〜20質量%である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
脂肪組織障害が、脂肪腫、ダーカム病、マーデルング頚部、脂肪性浮腫、黄色腫、または圧力原性節である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
水性リポソーム系が、脂肪組織腫瘍の退行に利用される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の使用。
【請求項12】
a)少なくとも1種のリン脂質、
b)少なくとも1種の胆汁酸、および
c)水
を含む、セルライトの処置用医薬を製造するための水性リン脂質系の使用。
【請求項13】
脂肪組織障害またはセルライトの処置用医薬を製造するための少なくとも1種のリン脂質または少なくとも1種の胆汁酸の使用。

【公表番号】特表2007−509085(P2007−509085A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−535989(P2006−535989)
【出願日】平成16年10月9日(2004.10.9)
【国際出願番号】PCT/EP2004/011320
【国際公開番号】WO2005/041919
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】