説明

蛇行環状コイルの成形方法及び蛇行環状コイル

【課題】蛇行環状コイルの曲げ成形時に巻線がばらけることを防止し、コンパクトな形状で寸法精度がよく絶縁性に優れた蛇行環状コイルを得る。
【解決手段】巻線となる線材の外周に接着剤を塗布しておき、該線材を環状コイルに成形し、該環状コイルを蛇行曲げ成形をして蛇行環状コイル成形体を得、該蛇行環状コイル成形体を加熱・熱処理用金型に入れ、該加熱・熱処理用金型に固定した状態で加温・熱処理して、前記接着剤を焼付け固化させるか、又は蛇行環状コイル成形体を二次成形プレスで最終形状に成形して、金型で固定した状態で熱処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動モータのステータに使用する蛇行環状コイルの成形方法及び蛇行環状コイルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば内燃機関と共に車両の駆動源としてハイブリッド車両に搭載される永久磁石式交流モータ等の小型化と部品点数削減を目的として、モータのステータを構成するコイルを蛇行環状コイルにしたものが提案されている(特許文献1、2参照)。該蛇行環状コイルは、周方向に所定のピッチで且つ軸線方向に所定の深さ(高さ)で突出するように複数の蛇行部を備えることによって、ステータの部品点数を削減し、且つステータでの巻線占積率を向上させつつ、コイルエンド高さを低減してモータの軸線方向の寸法を低減して、車両等への積載性を向上させることが可能となるモータを得ることができたものである。
【特許文献1】特開2006−280188号公報
【特許文献2】特開2006−280189号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本出願人らは、コイル皮膜にダメージを与えずに量産できる手段として環状コイルを複数回軸方向に蛇行曲げ成形する蛇行環状コイル成形方法を開発し、先に特許出願をした(特願2007−119376号)。該蛇行環状コイル成形方法は、コイル始端と終端を外方に突出させてその中間部を複数回旋回して環状巻線した環状コイルを束ねた状態で、軸方向に蛇行曲げ成形するものであった。複雑な環状に蛇行曲げを行う為、各線材の残留応力がそれぞれで異なり、束ねた場合の拘束力が弱いと残留応力に負けて巻線がばらけてしまう。その場合、各線の整列性が悪くなり、次工程の鉄芯組み込み時に疵が付き易くなり、絶縁性にダメージを与える場合が生じることがあった。
【0004】
そこで、本発明は、蛇行環状コイルの蛇行曲げ成形時に巻線がばらけることを防止し、コンパクトな形状で寸法精度がよく絶縁性に優れた蛇行環状コイルを得ることができる蛇行環状コイルの成形方法及びそれに得られた蛇行環状コイルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する本発明の蛇行環状コイルの成形方法は、巻線となる線材の外周に接着剤を塗布して接着層(融着層)を形成する工程、該線材を環状コイルに成形する工程、該環状コイルを蛇行曲げ成形をして蛇行環状コイル成形体を得る工程、該蛇行環状コイル成形体を加熱・熱処理用金型に入れ、該加熱・熱処理用金型に固定した状態で加温・熱処理して、前記接着剤を焼付け固化させる工程からなることを特徴とするものである。
【0006】
また、本発明の蛇行環状コイルの成形方法の他の方法として、巻線となる線材の外周に接着剤を塗布して接着層(融着層)を形成する工程、該線材を環状コイルに成形する工程、該環状コイルを蛇行曲げ成形をして蛇行環状コイル成形体を得る工程、該蛇行環状コイル成形体を最終形状に成形する二次プレス工程、該二次プレスの金型で蛇行環状コイル成形体を挟んで固定した状態で前記二次プレスから金型ユニットを取り外し、金型に固定した状態で加温・熱処理して、前記接着剤を焼付け重合固化させる工程からなることを特徴とする蛇行環状コイルの成形方法も採用することができる。
【0007】
前記蛇行環状コイルの成形方法において、前記線材は銅系の平角線からなる素線の外周部に絶縁被覆層を有するものであり、該絶縁被覆層がポリアミドイミド系樹脂で形成されているのが望ましい。さらに、前記接着層はエポキシ系樹脂で形成されているのが望ましい。
【0008】
また、上記課題を解決する本発明の蛇行環状コイルは、軸方向に蛇行部を有する蛇行環状コイルであって、素線の外周部に絶縁被覆層を有し、かつ該絶縁被覆層の外周部に接着層を有してなる被覆線材で巻線コイルが形成され、該巻線コイル外周面に位置する被覆線材同士の接着層が互いに重合固化して一体となっていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1〜5に記載の発明によれば、巻線の各線がきちんと整列して、絶縁性が高く、コンパクトな形状で次工程での鉄芯組み込み時に疵が付きにくく、寸法精度の高い蛇行環状コイルを得ることができる。従って、車両等への積載性を向上させることが可能となるモータを得ることができる。その上、環状コイル成形体の熱処理は、蛇行成形プレスの金型から一旦取外して、他の熱処理金型で行う(請求項1)か、あるいは二次成形プレスの金型ごと取外してプレス本体とは別に行う(請求項2)ので、接着剤を焼き付け固化させるのに時間を要しても、その間プレス成形作業を続けることができ、装置の稼動率を高めることができる。
【0010】
請求項3の記載の発明によれば、絶縁被覆層は耐熱性、耐久性、耐摩耗性に優れ、且つ層厚が厚いのでピンホールの発生や組み込み時の疵に対しても絶縁性を破壊することがなく、絶縁性に優れた蛇行環状コイルを得ることができる。また、請求項4の発明によれば、接着剤を巻線形成前の線材に直接塗布することができ、乾燥させた状態で成形することによって金型へ付着することなく蛇行環状コイルを成形することができる。且つ成形後熱処理することによって、容易に重合固化させることができ、蛇行環状コイルがばらけることを確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の望ましい実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
本実施形態の蛇行環状コイル10は、図3に示すように素線2として純銅系の平角線、あるいはその表面にニッケルめっき等の表面処理を施したものを採用し、その外周部に絶縁皮膜層3を形成し、さらにその外周部に接着層4を形成している。絶縁皮膜層3として、ポリアミドイミド系樹脂その他の耐熱性、耐摩耗性、耐久性がある樹脂であれば特に限定されない。絶縁被覆層の形成は、複数回の溶融樹脂の重ね塗りによって形成できるが、均一性を確保する皮膜形成法として素線2に対して絶縁樹脂を押出成形により外周部を被覆するように連続成形する方法が好ましい。
【0012】
接着層としては、一般的な接着樹脂が採用でき、例えばエポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、ユリア系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂等が採用できる。接着層は、成形の際金型への付着を防止するために、素線に塗布後乾燥させておき、成形後に加温・熱処理により、固化して隣接する線材の接着層同士が溶融接着して一体になるものが好ましい。接着層の厚さは、コイル成形後に絶縁被覆された素線がばらけない程度に相互に接着可能であればよい。
【0013】
以上のようにして断面構造が中心部より銅/絶縁被覆/接着層からなる被覆線5を得、該被覆線により図1に示すような、環状コイル6を成形する。本実施形態の環状コイル6は、両端部が外方に突出して端子7、8を形成し、断面が図3(B)に示すように、5巻2段に形成されているが、必ずしもそれに限るものでなく、モータの定格に応じて適宜選定される。該環状コイル6を前記、例えば前記特願2007−119376号に示すような蛇行環状コイル成形機を用いて、その上金型ユニット及び下金型ユニットにより、蛇行曲げ成形により直径方向に縮径しながら軸方向に突出して蛇行する蛇行部を成形して蛇行環状コイル1を得る。蛇行環状コイル1は、図2に示すように、ステータの軸方向にクランク状に蛇行する複数(本実施形態では10個)の蛇行部11を有している。得られた蛇行環状コイル1は蛇行曲げ成形による各被覆線5の残留応力により巻線がある程度ばらけた状態になっている。
【0014】
図5及び図6は、特願2007−119376号に示す蛇行環状コイル成形機による蛇行環状コイル1の成形方法を示している。この環状巻線コイル成形機は、円周方向に等間隔で離間された複数の蛇行曲げ成形上金型54を有する上金型ユニット50と、円周方向に前記等間隔と同一間隔で離間され各々が隣接する前記上金型54の間に配置される複数の下金型64を有する下金型ユニット60とを備え、前記下金型64の各々は環状コイル6を保持するコイル保持部67を有しており、該コイル保持部67で保持された環状コイル6に対して前記上金型ユニット50の軸方向の変位に応じて前記環状コイル6を径方向に縮小させるコイル径縮小手段(カム面56,66)を前記上金型ユニット50及び前記下金型ユニット60にそれぞれ設けてある。
【0015】
この装置による蛇行環状コイルの成形は、環状コイル6を下金型ユニット60の各下金型64の金型ベース62で保持し、コイル保持部67を金型ベース62に固定して行う。この状態から、上金型ユニット50を下降させることにより、上金型ユニット50のローラ52が下金型ユニット60のローラガイド65のカム面66に当接するため、上金型ユニット50の軸方向変位量に対して環状コイル6が半径方向へ縮小変化すると共に軸線方向へ変位する。同様に下金型ユニット60のローラ63が上金型ユニット50のローラガイドのカム面56に当接するため、金型ベース62がカム面の形状に応じてガイドレール68に沿って半径方向に変位する。このように、特殊形状の曲面状カムを採用することにより、環状コイル6の軸方向変位量に対して径方向変位量の比率を連続的に変化させることができるため、環状コイル6に無理なストレスを与えることなく、複数の蛇行部11を有する蛇行環状コイル1を自動的に形成することができる。
【0016】
このようにして得られた蛇行環状コイル1を、成形機から取り出して予め用意してある蛇行環状コイルの所望の最終寸法に形成された例えば図4に示すような加熱・熱処理用金型15に入れて固定し、固定した状態で加温・熱処理して、接着層を焼き付け重合固化させる。接着層の熱処理は、蛇行環状コイル成形機で成形終了後、その上金型ユニット50及び下金型ユニット60に固定保持された状態で該金型ユニット自体を内部より加熱して熱処理してもよいが、接着剤を焼き付け重合固化するのにかなりの時間を要するので、その間成形機の稼動を停止しなければならず、稼動率が低下するため、本実施形態では、成形機の金型ユニットとは別に蛇行環状コイルの最終形状をした専用の加熱・熱処理用金型15を用意し、成形機の稼動率を向上させるようにした。
【0017】
加熱・熱処理用金型15は、蛇行部の形状に対応する凹部16が所定ピッチで形成された加熱・熱処理用下金型17と、凹部16に嵌合して凹部との間で蛇行環状コイルの蛇行部11を挟んで押圧加熱する凸部19を有する加熱・熱処理用上金型18から構成され、内部に加熱用ヒータを有し、蛇行環状コイルを挟んで固定した状態で加温して、蛇行環状コイルを熱処理する。該加熱・熱処理用金型15は、焼き付け時の熱で変形が少ない耐熱合金で形成され、且つ熱処理後の蛇行環状コイルの離型性に優れているものが望ましく、例えば型面をフッ素系樹脂をコーティングするのが望ましい。
焼き付け固化の熱処理温度は、接着層4を構成する樹脂によって相違するが、接着性樹脂を重合固化させかつ内層の絶縁皮膜層に影響を与えない程度でなければならない。また、金型固定の際に、圧力をかけ接着面積を大きくするのが望ましい。しかしながら、その場合の圧力も内層の絶縁皮膜層に影響与えない程度でなければならない。
【0018】
以上のように、蛇行曲げ成形後の蛇行環状コイルを最終形状に形成されている加熱・熱処理用金型15に保持して熱処理することによって、接着層4が図3(C)に示すように、接触している被覆線5の接着層4同士が接着して一体となって、蛇行環状コイルの外周部全体が均一に接着層で一体に被覆された状態になり、ばらけた状態が補正され、最終形状に修正された蛇行環状コイル10を得ることができ、次工程の鉄芯組み込みがスムーズにでき、組み込み時の疵付きを防止することができる。
また、蛇行曲げ成形後の蛇行環状コイルを最終形状に形成されている加熱・熱処理用金型15に保持した状態で加熱炉などに入れ、加熱・熱処理を行ってもよい。
【0019】
次に本発明に係る蛇行環状コイルの成形方法の他の実施形態について説明する。
本実施形態に係る成形方法は、上金型ユニット及び下金型ユニットを用いた蛇行曲げ成形により蛇行環状コイルを成形するまでの工程は前記実施形態と同様であるが、本実施形態では、その後さらに前記金型ユニットから取り出した後、最終形状に二次プレス成形機により成形を行い、該二次プレス成形機の金型で蛇行環状コイルを挟んだ状態で金型ごと取り外し、金型に固定した状態で加温・熱処理し、接着層を焼き付け重合固化させるようにしたことを特徴とするものである。
【0020】
図7(A)は、環状コイルを前記実施形態と同様に成形機により蛇行曲げ成形により形成された蛇行環状コイルをさらに、プレスして最終形状に成形する二次プレス上金型ユニット24と二次プレス下金型ユニット30を備えた二次プレス成形機20を示している。また、図7(B)は、二次プレス上金型ユニット24と二次プレス下金型ユニット30により蛇行環状コイルを固定保持した状態の要部断面図を示している。
二次プレス成形機20は、上側治具22に固定された上金型23a、23bを備えた二次プレス上金型ユニット24と、下側治具25に固定された内径枠26と外径枠27内に下金型28a、28bを備えた二次プレス下金型ユニット30を有し、上側治具22及び下側治具25は、同図(B)に示すように蛇行環状コイルを加圧固定した状態で、同図(A)で仮想線31で示す部分が二次プレス成形機のベース本体32、33から容易に脱着できるように構成されている。
【0021】
前記実施形態と同様に蛇行環状コイル成形機により蛇行曲げ成形されて形成された蛇行環状コイルをさらに二次プレス成形機20にセットして二次プレス上金型ユニット24と二次プレス下金型ユニット30で最終形状に成形し、金型で所定圧の加圧状態で挟んだ状態で、必要に応じて二次プレス上金型ユニット24と二次プレス下金型ユニット30を冶具などの使用により固定し、その状態で二次プレス上金型ユニット24及び二次プレス下金型ユニット30をベース本体32・33から取り外し、金型で固定した状態で加熱炉に入れて加温・熱処理を行い、接着層を焼き付け重合固化させる。その場合、接着層の材質、焼付け固化の熱処理温度条件等は前記実施形態と同様な条件が採用できる。本実施形態の場合は、蛇行環状コイル成形機で成形後さらに、二次プレス成形機で成形する成形工程を含んでいる場合であり、二次プレス成形機の金型ユニットは、蛇行環状コイル成形機の金型ユニットの場合と比べて駆動機構が単純であり、金型ユニット自体を二次プレス成形機の駆動機構と容易に脱着可能に構成できるので、二次プレス成形機の金型を複数個用意しておき、脱着可能にすることによって、熱処理時間に関わらず稼働率を上げるようにした。
【実施例1】
【0022】
素線として純銅系の平角線を採用し、該素線にポリアミドイミド樹脂を数回塗布焼付けで被覆して絶縁皮膜を形成した。その表面に、さらにエポキシ系樹脂を塗布して接着層を形成して、該接着層を乾燥させて被覆線を得た。該被覆線により、5巻2段の環状コイル6を成形し、該環状コイル6を蛇行環状コイル成形機により蛇行曲げ成形して、蛇行環状コイル1を得た。得られた蛇行環状コイルを加熱熱処理用金型に入れて、加圧固定状態で保持して所定の金型内面温度で所定時間保持して、蛇行環状コイル10を得た。
得られた蛇行環状コイル10は、ばらけがなく整列状態を維持しており、複数箇所のコイル外径、内径、及びコイル幅(高さ)を測定して最大値、最小値、平均値を求めたが何れも基準内にあり、また、外観、触感上もコイルはばらけてなく、本発明の有効性が確認された。
【実施例2】
【0023】
素線として純銅系の平角線を採用し、該素線にポリアミドイミド樹脂を数回塗布焼付けで被覆しての絶縁皮膜を形成した。その表面に、さらにエポキシ系樹脂を塗布して接着層を形成して、該接着層を乾燥させて被覆線を得た。該被覆線により、5巻2段の環状コイル6を成形し、該環状コイル6を蛇行環状コイル成形機により蛇行曲げ成形して、蛇行環状コイル1を得た。蛇行環状コイル成形機により蛇行曲げ成形されて形成された蛇行環状コイルを、さらに二次プレス成形機20にセットして、二次プレス上金型ユニット24と二次プレス下金型ユニット30で最終形状に成形し、金型で所定圧の加圧状態で挟んだ状態で、二次プレス上金型ユニット24と二次プレス下金型ユニット30とを冶具を使って固定し、ベース本体から取り外し、加熱炉に入れて加温・熱処理を行い、蛇行環状コイルの温度が所定温度で所定時間保持して接着層を焼き付け重合固化させることによって、蛇行環状コイル10を得た。
得られた蛇行環状コイル10は、ばらけがなく整列状態を維持しており、複数箇所のコイル外径、内径、及びコイル幅(高さ)を測定して最大値、最小値、平均値を求めたが何れも基準内にあり、また、外観、触感上もコイルはばらけてなく、本発明の有効性が確認された。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明の蛇行環状コイルの成形方法及び蛇行環状コイルは、ハイブリッド車両用モータ、電気自動車用モータのステータ巻線として特に好適に利用できるが、それに限らず、一般的なステータコイルのばらけ防止に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に係る蛇行環状コイルを形成するための環状巻線の斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る蛇行環状コイルの斜視図である。
【図3】本発明の蛇行環状コイルを形成する被覆線を示す断面図であり、(A)は被覆線単線の断面図(図1のI−I断面図)である。(B)は巻線コイルの断面(図1のII−II断面)又は蛇行環状コイル成形後の熱処理前の断面を示す断面図である。(C)は蛇行環状コイルの熱処理後の断面(図2のIII−III断面)を示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る蛇行環状コイルを加熱・熱処理用金型に保持している状態を示す模式断面図である。
【図5】蛇行環状コイル成形(蛇行曲げ成形)装置の一例を示す断面図である。
【図6】図5に示す蛇行環状コイル成形(蛇行曲げ成形)装置の上型ユニットの底面図である。
【図7】(A)は二次プレス成形の断面概略図であり、(B)は二次プレス上金型ユニット24及び二次プレス下金型ユニットにより蛇行環状コイルを固定保持した状態の要部断面図である。
【符号の説明】
【0026】
1 蛇行環状コイル(熱処理前) 2 素線
3 絶縁被覆層 4 接着層
5 被覆線 6 環状コイル
7、8 端子 10 蛇行環状コイル(熱処理後)
11 蛇行部 15 加熱・熱処理用金型
16 凹部 17 加熱・熱処理用下金型
18 加熱・熱処理用上金型 19 凸部
20 二次プレス成形機 22 上側冶具
23a、23b 二次プレス上金型 24 二次プレス上金型ユニット
25 下側冶具 26 内径枠
27 外径枠 28a、28b 二次プレス下金型
30 二次プレス下金型ユニット 31 仮想線
32、33 ベース本体 50 蛇行曲げ成形上金型ユニット
52、63 ローラ 54 蛇行曲げ成形上金型
56、66 カム面 60 蛇行曲げ成形下金型ユニット
62 蛇行曲げ成形金型ベース 64 蛇行曲げ成形下金型
65 ローラガイド 67 コイル保持部
68 ガイドレール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻線となる線材の外周に接着剤を塗布する工程、該線材を環状コイルに成形する工程、該環状コイルを蛇行曲げ成形をして蛇行環状コイル成形体を得る工程、該蛇行環状コイル成形体を加熱・熱処理用金型に入れ、該加熱・熱処理用金型に固定した状態で加温・熱処理して、前記接着剤を焼付け固化させる工程からなることを特徴とする蛇行環状コイルの成形方法。
【請求項2】
巻線となる線材の外周に接着剤を塗布する工程、該線材を環状コイルに成形する工程、該環状コイルを蛇行曲げ成形をして蛇行環状コイル成形体を得る工程、該蛇行環状コイル成形体を最終形状に成形する二次プレス工程、該二次プレスの金型で蛇行環状コイル成形体を挟んだ状態で前記二次プレスから金型ユニットを取り外し、金型に固定した状態で加温・熱処理して、前記接着剤を焼付け固化させる工程からなることを特徴とする蛇行環状コイルの成形方法。
【請求項3】
前記線材が銅系の平角線からなる素線の外周部に絶縁被覆層を有するものであり、該絶縁被覆層がポリアミドイミド系樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の蛇行環状コイルの成形方法。
【請求項4】
前記接着層がエポキシ系樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の蛇行環状コイルの成形方法。
【請求項5】
軸方向に蛇行部を有する蛇行環状コイルであって、素線の外周部に絶縁被覆層を有し、かつ該絶縁被覆層の外周部に接着層を有してなる被覆線材で巻線コイルが形成され、該巻線コイル外周面に位置する被覆線材同士の接着層が互いに重合固化して一体となっていることを特徴とする蛇行環状コイル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−312352(P2008−312352A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−157720(P2007−157720)
【出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【出願人】(000003768)東洋製罐株式会社 (1,150)
【Fターム(参考)】