説明

蛍光基準部材、蛍光検査装置、および蛍光基準部材の製造方法

【課題】この発明は、信頼性の高い検出基準を与えることができる蛍光基準部材、この蛍光基準部材を備えた蛍光検査装置、および蛍光基準部材の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】蛍光検査装置1は、検査対称となる媒体Mを搬送路3を介して矢印T方向に搬送する搬送ローラ対2、搬送路3の一側に配置された紫外光源4、搬送路3を挟んで紫外光源4に対向して配置された蛍光基準部材9、および搬送路3を搬送される媒体Mからの蛍光を受光するとともに媒体Mが搬送されていない状態で蛍光基準部材9からの蛍光を受光する読み取りセンサ5を有する。蛍光基準部材9は、全ての面が光学研磨によって鏡面処理された蛍光ガラス、蛍光ガラスを非接触で包囲するよう設けられたケース、および蛍光ガラスとケースとの間の隙間に充填される光吸収部材を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば検査対称となる蛍光物質を含む媒体に励起光を照射して媒体から発光される蛍光を検出する蛍光検査装置、この蛍光検査装置に組み込まれる蛍光基準部材、およびこの蛍光基準部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蛍光検査装置として、搬送路を介して搬送される紙幣に紫外線を照射して紙幣表面から放出される蛍光を検出する紙幣検査装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この装置は、搬送路の一側に、発光素子と受光素子を収容配置した蛍光センサを有し、搬送路の他側に、検出基準を与えるための蛍光ガラスを有する。そして、紙幣を検査するとき、紙幣を搬送していない状態で蛍光ガラスの蛍光量を検出し、その検出値に基づいて発光素子の発光量を補正する。
【0003】
しかし、蛍光ガラスは、紫外線が照射される照射面や蛍光を発光する発光面に限らず、その表面の状態に応じて励起光に対する蛍光の発光量が変化する。このため、蛍光ガラスを保持するための持具や接着剤の反射率、表面に付着したほこりや傷などの影響により、出荷時の状態で或いは経時的に、個体間で発光量にバラツキを生じてしまう。特に、蛍光ガラスの発光量を大きくするためサンドブラストにより表面を粗くした場合、個体間のバラツキをコントロールすることが難しくなる。
【特許文献1】特開2004−265104号公報(要約、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明の目的は、信頼性の高い検出基準を与えることができる蛍光基準部材、この蛍光基準部材を備えた蛍光検査装置、および蛍光基準部材の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の蛍光基準部材は、励起光が照射される照射面、および蛍光を発光する発光面を有するとともに、上記照射面を介して照射される上記励起光により励起されて上記蛍光を発光する蛍光物質を含み、この蛍光物質から発光される上記蛍光を上記発光面を介して発光させる本体と、この本体の上記照射面および発光面を除く全ての表面を被覆するように設けられた光吸収部材と、を有する。
【0006】
また、本発明の蛍光基準部材は、励起光が照射される照射面、および蛍光を発光する発光面を有するとともに、上記照射面を介して照射される上記励起光により励起されて上記蛍光を発光する蛍光物質を含み、この蛍光物質から発光される上記蛍光を上記発光面を介して発光させる本体と、この本体の上記照射面および発光面を除く全ての表面を覆うように該本体に非接触で設けられたケースと、このケースと上記本体の照射面および発光面を除く全ての表面との間の隙間を埋めるように設けられた光吸収部材と、を有する。
【0007】
また、本発明の蛍光検査装置は、検査対称となる媒体に励起光を照射する光源と、この光源からの励起光が照射される照射面、およびこの照射面を介して照射された上記励起光に基づいて励起発光される蛍光を発光する発光面を有する本体と、この本体の上記照射面および発光面を除く全ての面を被覆するように設けられた光吸収部材とを具備した蛍光基準部材と、上記光源から照射された励起光に基づいて、上記媒体に含まれる蛍光物質から励起発光される第1の蛍光、および上記蛍光基準部材から発光される第2の蛍光を選択的に受光する受光部と、この受光部で受光した第2の蛍光に基づいて該受光部の出力を補正する補正部と、この補正部で補正した上記第1の蛍光を検査する検査部と、を有する。
【0008】
また、本発明の蛍光検査装置は、検査対称となる媒体に励起光を照射する光源と、この光源から照射された励起光に基づいて上記媒体に含まれる蛍光物質から励起発光される第1の蛍光を受光する第1受光部と、上記光源からの励起光が照射される照射面、およびこの照射面を介して照射された上記励起光に基づいて励起発光される第2の蛍光を発光する発光面を有する本体と、この本体の上記照射面および発光面を除く全ての面を被覆するように設けられた光吸収部材とを具備した蛍光基準部材と、この蛍光基準部材の上記発光面を介して発光される上記第2の蛍光を受光する第2受光部と、この第2受光部で受光した第2の蛍光に基づいて上記第1受光部の出力を補正する補正部と、この補正部で補正した上記第1の蛍光を検査する検査部と、を有する。
【0009】
また、本発明の蛍光検査装置は、検査対称となる媒体に励起光を照射する光源と、この光源からの励起光が照射される照射面、およびこの照射面を介して照射された上記励起光に基づいて励起発光される蛍光を発光する発光面を有する本体と、この本体の上記照射面および発光面を除く全ての面を被覆するように設けられた光吸収部材とを具備した蛍光基準部材と、上記光源から照射された励起光に基づいて、上記媒体に含まれる蛍光物質から励起発光される第1の蛍光、および上記蛍光基準部材から発光される第2の蛍光を選択的に受光する受光部と、この受光部で受光した上記第1の蛍光を検査する検査部と、上記受光部で受光した第2の蛍光に基づいて上記光源の発光量を補正する補正部と、を有する。
【0010】
また、本発明の蛍光検査装置は、検査対称となる媒体に励起光を照射する光源と、この光源から照射された励起光に基づいて上記媒体に含まれる蛍光物質から励起発光される第1の蛍光を受光する第1受光部と、この第1受光部で受光した上記第1の蛍光を検査する検査部と、上記光源からの励起光が照射される照射面、およびこの照射面を介して照射された上記励起光に基づいて励起発光される第2の蛍光を発光する発光面を有する本体と、この本体の上記照射面および発光面を除く全ての面を被覆するように設けられた光吸収部材とを具備した蛍光基準部材と、の蛍光基準部材の上記発光面を介して発光される上記第2の蛍光を受光する第2受光部と、この第2受光部で受光した第2の蛍光に基づいて上記光源の発光量を補正する補正部と、を有する。
【0011】
また、本発明の蛍光検査装置は、検査対称となる媒体に励起光を照射する光源と、この光源からの励起光が照射される照射面、およびこの照射面を介して照射された上記励起光に基づいて励起発光される蛍光を発光する発光面を有する本体と、この本体の上記照射面および発光面を除く全ての表面を覆うように該本体に非接触で設けられたケースと、このケースと上記本体の照射面および発光面を除く全ての表面との間の隙間を埋めるように設けられた光吸収部材とを具備した蛍光基準部材と、上記光源から照射された励起光に基づいて、上記媒体に含まれる蛍光物質から励起発光される第1の蛍光、および上記蛍光基準部材から発光される第2の蛍光を選択的に受光する受光部と、この受光部で受光した第2の蛍光に基づいて該受光部の出力を補正する補正部と、この補正部で補正した上記第1の蛍光を検査する検査部と、を有する。
【0012】
また、本発明の蛍光検査装置は、検査対称となる媒体に励起光を照射する光源と、この光源から照射された励起光に基づいて上記媒体に含まれる蛍光物質から励起発光される第1の蛍光を受光する第1受光部と、上記光源からの励起光が照射される照射面、およびこの照射面を介して照射された上記励起光に基づいて励起発光される第2の蛍光を発光する発光面を有する本体と、この本体の上記照射面および発光面を除く全ての表面を覆うように該本体に非接触で設けられたケースと、このケースと上記本体の照射面および発光面を除く全ての表面との間の隙間を埋めるように設けられた光吸収部材とを具備した蛍光基準部材と、この蛍光基準部材の上記発光面を介して発光される上記第2の蛍光を受光する第2受光部と、この第2受光部で受光した第2の蛍光に基づいて上記第1受光部の出力を補正する補正部と、この補正部で補正した上記第1の蛍光を検査する検査部と、を有する。
【0013】
また、本発明の蛍光検査装置は、検査対称となる媒体に励起光を照射する光源と、この光源からの励起光が照射される照射面、およびこの照射面を介して照射された上記励起光に基づいて励起発光される蛍光を発光する発光面を有する本体と、この本体の上記照射面および発光面を除く全ての表面を覆うように該本体に非接触で設けられたケースと、このケースと上記本体の照射面および発光面を除く全ての表面との間の隙間を埋めるように設けられた光吸収部材とを具備した蛍光基準部材と、上記光源から照射された励起光に基づいて、上記媒体に含まれる蛍光物質から励起発光される第1の蛍光、および上記蛍光基準部材から発光される第2の蛍光を選択的に受光する受光部と、この受光部で受光した上記第1の蛍光を検査する検査部と、上記受光部で受光した第2の蛍光に基づいて上記光源の発光量を補正する補正部と、を有する。
【0014】
また、本発明の蛍光検査装置は、検査対称となる媒体に励起光を照射する光源と、この光源から照射された励起光に基づいて上記媒体に含まれる蛍光物質から励起発光される第1の蛍光を受光する第1受光部と、この第1受光部で受光した上記第1の蛍光を検査する検査部と、上記光源からの励起光が照射される照射面、およびこの照射面を介して照射された上記励起光に基づいて励起発光される第2の蛍光を発光する発光面を有する本体と、この本体の上記照射面および発光面を除く全ての表面を覆うように該本体に非接触で設けられたケースと、このケースと上記本体の照射面および発光面を除く全ての表面との間の隙間を埋めるように設けられた光吸収部材とを具備した蛍光基準部材と、この蛍光基準部材の上記発光面を介して発光される上記第2の蛍光を受光する第2受光部と、この第2受光部で受光した第2の蛍光に基づいて上記光源の発光量を補正する補正部と、を有する。
【0015】
さらに、本発明の蛍光基準部材の製造方法は、励起光が照射される照射面、および蛍光を発光する発光面を有するとともに、上記照射面を介して照射される上記励起光により励起されて上記蛍光を発光する蛍光物質を含み、この蛍光物質から発光される上記蛍光を上記発光面を介して発光させる本体を用意する工程と、この本体の上記照射面および発光面を除く全ての表面を非接触で覆うケースを用意する工程と、このケースと上記本体の照射面および発光面を除く全ての表面との間の隙間に光吸収材料を充填する工程と、充填した光吸収材料を硬化させる工程と、を有する。
【0016】
上記発明によると、検査基準を与えるための蛍光基準部材が、励起光の照射面および蛍光の発光面を除く本体の全ての表面を被覆するように光吸収部材を設けた構造を有するため、蛍光基準部材を保持するための持具や接着剤からの光反射による影響や、傷やほこりによる反射率変動の影響が蛍光基準部材の表面に作用することがない。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、信頼性の高い検出基準を与えることができる蛍光基準部材、この蛍光基準部材を備えた蛍光検査装置、および蛍光基準部材の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1には、この発明の第1の実施の形態に係る蛍光検査装置1の要部の構成を概略的に示してある。また、図2にはこの蛍光検査装置1の平面図を示してあり、図3にはこの蛍光検査装置1を媒体Mの搬送方向(図中矢印T方向)下流側から見た側面図を示してある。
【0019】
蛍光検査装置1は、検査対称となる媒体Mを図中矢印T方向に搬送する複数組の搬送ローラ対2を有する。例えば、媒体Mが紙幣である場合、紙幣に印刷されるインクに検出対称となる蛍光物質が含まれており、蛍光検査装置1は、この蛍光物質に紫外光を照射して蛍光物質から励起発光される蛍光を検出して紙幣の真偽を判別する。蛍光物質は、特定の波長帯域を有する紫外光によって励起され、特定の波長帯域を有する蛍光を発光する特性を有する。
【0020】
複数組の搬送ローラ対2によって規定される搬送路3の一側(図1で手前側)には、搬送路3に沿って搬送される媒体Mに紫外光(励起光)を照射するための2つの紫外光源4(光源)が搬送方向Tに沿って併設されている。紫外光源4として、媒体Mの全面を照明可能なように、媒体Mの搬送方向Tと交差する方向に延びた管軸を有するブラックライトやUVランプなどが用いられる。
【0021】
搬送路3に対して紫外光源4と同じ側には、紫外光の照射によって媒体Mに含まれる蛍光物質から励起発光された蛍光(第1の蛍光)を受光するための読み取りセンサ5(受光部、第1受光部)が設けられている。また、搬送路3を挟んで読み取りセンサ5に対向する位置には、検出基準を与えるための後に詳述する蛍光基準部材9が設けられている。蛍光基準部材9は、媒体Mの搬送方向と略直交する方向に延設されている。
【0022】
しかして、媒体Mが搬送路3を介して搬送されると、紫外光源4からの紫外光が媒体Mに照射され、媒体Mに含まれる蛍光物質が励起されて蛍光が発光される。そして、この蛍光が読み取りセンサ5を介して検出される。また、搬送路3を介して媒体Mが搬送されていない状態で、紫外光源4からの紫外光が蛍光基準部材9に照射され、紫外光によって蛍光基準部材9の本体6に含まれる蛍光物質が励起され、その蛍光(第2の蛍光)が図示しないレンズ等の光学系を介して読み取りセンサ5に集光されるようになっている。つまり、本実施の形態の読み取りセンサ5は、この発明の第2受光部としても機能する。
【0023】
図4に示すように、蛍光基準部材9は、例えば、紫外光源4からの紫外光を入射する面6aを有する直方体形状の蛍光ガラス6(本体)、この蛍光ガラス6の面6aを除く全ての面(本実施の形態では5つの面)を非接触で包囲するように設けられた矩形のケース8、および蛍光ガラス6の5つの面とケース8との間に形成された隙間を埋めるように充填された光吸収部材7により形成されている。
【0024】
蛍光ガラス6は、このような6面体に限らず面6a以外の表面の形状は任意に変更可能である。また、蛍光ガラス6の全ての面(本実施の形態では6面)は、光学研磨により予め鏡面処理がなされている。蛍光ガラス6として、例えば、(株)住田光学ガラス製のルミラス(商品名)が知られている。ケース8は、例えば鉄などの不透明な金属材料を加工して形成されており、蛍光ガラス6より一回り大きい矩形の凹所8aを有する。凹所8aの形状も、矩形に限らず、蛍光ガラス6を非接触で収容可能な大きさであれば良い。光吸収部材7は、例えば、市販されている「レンズ墨塗り用剤」(商品名:マックロン等)の光吸収材料を蛍光ガラス6の面6aを除く全ての面とケース8との間の隙間に充填して硬化させることで形成される。
【0025】
具体的には、例えば、ケース8を凹所8aの開口が上を向く姿勢にして図示しない作業台の上に載置し、蛍光ガラス6を図示しない持具により保持して凹所8a内に非接触で挿入配置する。このとき、蛍光ガラス6の面6aが凹所8aの開口と面一になるように、凹所8a内で蛍光ガラス6を位置決めする。この状態で、凹所8aと蛍光ガラス6との間には隙間が形成されている。言い換えると、この状態で両者の間に十分な隙間が形成される程度に凹所8aの形状およびサイズが決められている。なお、蛍光ガラス6を保持する方法として、例えば、吸盤や静電チャックを面6aに吸着せしめ保持する方法がある。
【0026】
そして、蛍光ガラス6と凹所8aとの間に形成された隙間に光吸収材料を注入する。このとき、例えば、蛍光ガラス6の下側半分だけが光吸収材料で埋まる程度に光吸収材料を凹所8a内に注入して硬化させ、蛍光ガラス6の下側半分だけを凹所8a内で固定する。この後、持具を蛍光ガラス6から取り外し、蛍光ガラス6が面6aの高さまで埋まるように凹所8a内に光吸収材料を充填して硬化させる。
【0027】
このように製造された蛍光基準部材9は、蛍光ガラス6の面6aが搬送路3に対向する姿勢で図示しない持具等により搬送路3に隣接して取り付けられる。この際、持具は蛍光基準部材9のケース8に取り付けられる。つまり、本実施の形態によると、ケース8を介して蛍光ガラス6を保持するようにしたため、蛍光ガラス6を傷つけることがない。
【0028】
或いは、図5に示すように、光吸収材料を硬化させて光吸収部材7を蛍光ガラス6の表円に積層した後、ケース8を取り除いても良い。この蛍光基準部材9’を蛍光検査装置1に取り付ける場合、硬化された光吸収部材7を持具で保持することになる。このように、ケース8を取り除くことで、ケース8を次の蛍光基準部材9’の製造に使用することができ、その分、製造コストを低減できる。
【0029】
以上のように、本実施の形態では、蛍光ガラス6の表面に形成した光吸収部材7により、紫外線波長域〜可視波長域の光を吸収させるようにした。このため、蛍光ガラス6に対して面6a以外の面を介して外部から不所望な波長を有する光が入ることを防止でき、周辺の環境変化による発光量の変動を無くすことができる。特に、本実施の形態のように、蛍光ガラス6の面6a以外の全ての表面を被覆するように光吸収部材7を設けることで、蛍光ガラス6の各面が形成する角部にも光吸収材料を良好に付着形成できる。これにより、蛍光ガラスの角部に対する光吸収材料の付着不良に起因した剥れ等により外部から不所望な光が入ることを防止できる。
【0030】
紫外光源4からの紫外光が面6aを介して蛍光ガラス6に照射されると、蛍光ガラス6に含まれる蛍光物質が励起されて蛍光を発光する。蛍光ガラス6の蛍光物質が均一に分散されているため、蛍光物質から発光した蛍光は全ての方向に均一に拡散する。しかし、面6a以外の全ての面が光吸収部材7によって被覆されているため、蛍光は面6aを介してのみ蛍光ガラス6から放出されることになる。つまり、蛍光ガラス6の面6aは、紫外光が照射されるこの発明の照射面として機能するとともに、蛍光を発光するこの発明の発光面として機能する。
【0031】
また、このように、蛍光ガラス6に面6aを介して紫外光が照射されたとき、他の全ての面が鏡面加工されているとともに5つの面が光吸収部材7によって被覆されているため、蛍光ガラス6の表面の状態に応じて蛍光の発光量が変化することがなく、励起光の照射量にのみ依存して発光量を安定させることができる。例えば、蛍光基準部材9を保持するための図示しない持具や接着剤からの反射光が蛍光ガラス6内に入射することがなく、蛍光ガラス6の表面に付着するほこりや傷による影響で表面の反射率が変わることがなく、当該蛍光ガラス6からの発光量は励起光の照射量と蛍光ガラス6の厚さによってのみ決まることになる。つまり、本実施の形態の蛍光基準部材9を用いることで、励起光の照射量にのみ依存した発光量とすることができ蛍光の発光量を安定させることができ、信頼性の高い検出基準を与えることができる。また、本実施の形態の蛍光基準部材9は、その厚さをコントロールすることで発光量を容易に制御できる。
【0032】
図6には、上述した蛍光検査装置1により処理動作を制御するための制御系のブロック図を示してある。
蛍光検査装置1の制御系は、媒体M(検査対象物)からの第1の蛍光を受光するとともに蛍光基準部材9からの第2の蛍光を受光する読み取りセンサ5、これら受光した蛍光に基づいて読み取りセンサ5から出力されるセンサ信号を増幅するアンプ11、上記第2の蛍光に基づくセンサ信号に基づいて上記第1の蛍光に基づくセンサ信号の増幅率を変更して補正するゲイン可変アンプ12(補正部)、補正された第1の蛍光に基づくセンサ信号をA/D変換するA/D変換器13、およびA/D変換されたセンサ信号を判定基準メモリ14に予め用意された判定基準に照合して検査し、当該媒体Mの真偽を判定する判定処理回路10(検査部)を有する。
【0033】
上記構成によると、蛍光基準部材9からの第2の蛍光に基づくセンサ信号に基づいて、読み取りセンサ5の出力、すなわち媒体Mからの第1の蛍光に基づくセンサ信号を補正するようにしたため、紫外光源4の経時的な劣化に基づくセンサ出力の変動を正確に補正できる。つまり、本実施の形態の蛍光基準部材9を用いることで、紫外光源4の光量の変動を高いS/N比で検出でき、信頼性の高い検出基準を与えることができる。
【0034】
なお、上述した第1の実施の形態では、蛍光基準部材9を用いて信頼性の高い検出基準を与えてセンサ出力を補正する場合について説明したが、例えば、図7に示すように、読み取りセンサ5のセンサ信号を増幅するアンプ11の出力側に発光量補正回路18を接続して、センサ信号を補正基準メモリ19に予め用意した補正基準に照合し、紫外光源4の発光量を補正することもできる。
【0035】
以上のように、本実施の形態によると、蛍光ガラス6の照射面および発光面として機能する面6a以外の表面を比較的厚い光吸収材料による層で被覆したため、蛍光ガラス6に対して面6a以外から不所望な光が入ることを防止でき、信頼性の高い検出基準を与えることができる。特に、比較的厚い光吸収部材7を形成できるため、蛍光ガラス6の表面をムラなく確実に被覆でき、蛍光ガラス6の角部であっても確実に被覆でき、外光を確実に遮断できる。また、ケース8を取り除いた場合であっても、蛍光ガラス6の表面に傷が付き難く、長期間に亘って信頼性の高い検出基準を与えることができる。
【0036】
次に、図8乃至図11を参照して、この発明の第2の実施の形態に係る蛍光検査装置20について説明する。なお、ここでは、上述した第1の実施の形態の蛍光検査装置1と同様に機能する構成要素については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0037】
図8乃至図10に示すように、蛍光検査装置20は、紫外光源4に対して搬送路3の反対側で媒体Mの搬送経路から外れた位置(図10で図中上方に外れた位置)に蛍光基準部材21を備えている。そして、この蛍光基準部材21から励起発光された蛍光(第2の蛍光)を受光する、読み取りセンサ5とは別の紫外線モニタ用センサ25を有する。
【0038】
図11に示すように、本実施の形態の蛍光基準部材21は、紫外光源4からの紫外光が照射される照射面22a、および紫外光の励起により蛍光を発光する発光面22bを互いに対向する関係で有する直方体形状の蛍光ガラス22(本体)、この蛍光ガラス22の照射面22aおよび発光面22bを除く4つの面を非接触で包囲するように設けられた四角い筒状のケース23、および蛍光ガラス22の4つの面とケース23の孔部23aとの間に形成された隙間を埋めるように充填された光吸収部材24により形成されている。ケース23の孔部23aの高さは、蛍光ガラス22の照射面22aと発光面22bとの間の距離と等しくされている。
【0039】
この蛍光基準部材21を製造する場合、例えば、図示しない作業台の上に図示しない平らな板材を介してケース23の孔部23aの一端を密着させて載置し、蛍光ガラス22を図示しない持具により保持してケース23の孔部23a内に非接触で挿入配置する。このとき、板材の上に蛍光ガラス22の発光面22bを面接させて蛍光ガラス22をセットする。この状態で、孔部23aと蛍光ガラス22との間には隙間が形成されている。言い換えると、この状態で両者の間に十分な隙間が形成される程度に孔部23aの形状およびサイズが決められている。
【0040】
そして、蛍光ガラス22と孔部23aとの間に形成された隙間に光吸収材料を注入して硬化させる。このとき、孔部23aの一端(図中下端)が図示しない板材によって密閉されて塞がれているため、光吸収材料を注入した際に漏れることはない。さらに、光吸収材料を硬化させて光吸収部材24を蛍光ガラス22の面22a、22b以外の面に被覆した後、板材を取り除く。
【0041】
このように製造された蛍光基準部材21は、紫外光源4に照射面22aが対向する姿勢で装置20に取り付けられ、反対側の発光面22bに紫外線モニタ用センサ25が対向するように取り付けられる。しかして、紫外光源4からの紫外光は、搬送路3を介して搬送される媒体Mに照射されるとともに搬送路3から外れた位置にある蛍光基準部材21に照射され、蛍光基準部材21の蛍光ガラス22から励起発光される蛍光が紫外線モニタ用センサ25によって受光される。
【0042】
このようにして紫外線モニタ用センサ25で受光した第2の蛍光は、センサ信号としてアンプ16(図12)に出力され、ここでセンサ出力が増幅されてゲイン可変アンプ12へ出力される。そして、媒体Mからの蛍光に基づくセンサ信号が第1の実施の形態と同様に補正され、A/D変換器13を介して判別処理回路10へ出力され、判定基準に照合して検査される。
【0043】
以上、第2の実施の形態においても、上述した第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。また、第2の実施の形態では、媒体Mを搬送中にいつでもセンサ信号を補正でき、より信頼性を高めることができる。さらに、図13に示すように、紫外線モニタ用センサ25のセンサ信号を増幅するアンプ16の出力側に上述した発光量補正回路18を接続して、センサ信号を補正基準メモリ19に予め用意した補正基準に照合し、紫外光源4の発光量を補正することもできる。
【0044】
また、本実施の形態においても、図14に示すように、蛍光基準部材21’の光吸収材料を硬化させた後、ケースを取り除いても良く、これにより製造コストを低減できる。
【0045】
なお、この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【0046】
例えば、上述した実施の形態では、主に6面体からなる蛍光基準板について説明したが、これに限らず、4面体や10面体などの他の多面体形状とすることもできる。また、上述した実施の形態では、紙幣に含まれる蛍光物質を検査する場合について説明したが、これに限らず、検査対象となる媒体Mはいかなるものであっても良い。さらに、上述した実施の形態では、励起光として紫外光を用いた場合について説明したが、これに限らず、他の波長帯域を有する光を励起光として用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係る蛍光検査装置の要部の構成を示す概略斜視図。
【図2】図1の蛍光検査装置の平面図。
【図3】図1の蛍光検査装置を媒体の搬送方向下流側から見た側面図。
【図4】図1の蛍光検査装置に組み込まれた蛍光基準部材の概略構造を示す斜視図。
【図5】図4の蛍光基準部材のケースを取り除いた状態を示す斜視図。
【図6】図1の蛍光検査装置の処理動作を制御するための制御系を示すブロック図。
【図7】紫外光源の光量を補正する例を説明するためのブロック図。
【図8】この発明の第2の実施の形態に係る蛍光検査装置の要部の構成を示す概略斜視図。
【図9】図8の蛍光検査装置の平面図。
【図10】図8の蛍光検査装置を媒体の搬送方向下流側から見た側面図。
【図11】図8の蛍光検査装置に組み込まれた蛍光基準部材の概略構造を示す斜視図。
【図12】図8の蛍光検査装置の処理動作を制御するための制御系を示すブロック図。
【図13】紫外光源の光量を補正する例を説明するためのブロック図。
【図14】図11の蛍光基準部材のケースを取り除いた状態を示す斜視図。
【符号の説明】
【0048】
1、20…蛍光検査装置、2…搬送ローラ対、3…搬送路、4…紫外光源、5…読み取りセンサ、6、22…蛍光ガラス、7、24…光吸収材料、8、23…ケース、9、21…蛍光基準部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起光が照射される照射面、および蛍光を発光する発光面を有するとともに、上記照射面を介して照射される上記励起光により励起されて上記蛍光を発光する蛍光物質を含み、この蛍光物質から発光される上記蛍光を上記発光面を介して発光させる本体と、
この本体の上記照射面および発光面を除く全ての表面を被覆するように設けられた光吸収部材と、
を有することを特徴とする蛍光基準部材。
【請求項2】
励起光が照射される照射面、および蛍光を発光する発光面を有するとともに、上記照射面を介して照射される上記励起光により励起されて上記蛍光を発光する蛍光物質を含み、この蛍光物質から発光される上記蛍光を上記発光面を介して発光させる本体と、
この本体の上記照射面および発光面を除く全ての表面を覆うように該本体に非接触で設けられたケースと、
このケースと上記本体の照射面および発光面を除く全ての表面との間の隙間を埋めるように設けられた光吸収部材と、
を有することを特徴とする蛍光基準部材。
【請求項3】
上記本体の照射面および発光面は同じ面を構成していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蛍光基準部材。
【請求項4】
上記本体の照射面および発光面を含む全ての面は光学研磨されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の蛍光基準部材。
【請求項5】
上記本体は、上記照射面および発光面を含む多面体に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の蛍光基準部材。
【請求項6】
検査対称となる媒体に励起光を照射する光源と、
この光源からの励起光が照射される照射面、およびこの照射面を介して照射された上記励起光に基づいて励起発光される蛍光を発光する発光面を有する本体と、この本体の上記照射面および発光面を除く全ての面を被覆するように設けられた光吸収部材とを具備した蛍光基準部材と、
上記光源から照射された励起光に基づいて、上記媒体に含まれる蛍光物質から励起発光される第1の蛍光、および上記蛍光基準部材から発光される第2の蛍光を選択的に受光する受光部と、
この受光部で受光した第2の蛍光に基づいて該受光部の出力を補正する補正部と、
この補正部で補正した上記第1の蛍光を検査する検査部と、
を有することを特徴とする蛍光検査装置。
【請求項7】
検査対称となる媒体に励起光を照射する光源と、
この光源から照射された励起光に基づいて上記媒体に含まれる蛍光物質から励起発光される第1の蛍光を受光する第1受光部と、
上記光源からの励起光が照射される照射面、およびこの照射面を介して照射された上記励起光に基づいて励起発光される第2の蛍光を発光する発光面を有する本体と、この本体の上記照射面および発光面を除く全ての面を被覆するように設けられた光吸収部材とを具備した蛍光基準部材と、
この蛍光基準部材の上記発光面を介して発光される上記第2の蛍光を受光する第2受光部と、
この第2受光部で受光した第2の蛍光に基づいて上記第1受光部の出力を補正する補正部と、
この補正部で補正した上記第1の蛍光を検査する検査部と、
を有することを特徴とする蛍光検査装置。
【請求項8】
検査対称となる媒体に励起光を照射する光源と、
この光源からの励起光が照射される照射面、およびこの照射面を介して照射された上記励起光に基づいて励起発光される蛍光を発光する発光面を有する本体と、この本体の上記照射面および発光面を除く全ての面を被覆するように設けられた光吸収部材とを具備した蛍光基準部材と、
上記光源から照射された励起光に基づいて、上記媒体に含まれる蛍光物質から励起発光される第1の蛍光、および上記蛍光基準部材から発光される第2の蛍光を選択的に受光する受光部と、
この受光部で受光した上記第1の蛍光を検査する検査部と、
上記受光部で受光した第2の蛍光に基づいて上記光源の発光量を補正する補正部と、
を有することを特徴とする蛍光検査装置。
【請求項9】
検査対称となる媒体に励起光を照射する光源と、
この光源から照射された励起光に基づいて上記媒体に含まれる蛍光物質から励起発光される第1の蛍光を受光する第1受光部と、
この第1受光部で受光した上記第1の蛍光を検査する検査部と、
上記光源からの励起光が照射される照射面、およびこの照射面を介して照射された上記励起光に基づいて励起発光される第2の蛍光を発光する発光面を有する本体と、この本体の上記照射面および発光面を除く全ての面を被覆するように設けられた光吸収部材とを具備した蛍光基準部材と、
この蛍光基準部材の上記発光面を介して発光される上記第2の蛍光を受光する第2受光部と、
この第2受光部で受光した第2の蛍光に基づいて上記光源の発光量を補正する補正部と、
を有することを特徴とする蛍光検査装置。
【請求項10】
検査対称となる媒体に励起光を照射する光源と、
この光源からの励起光が照射される照射面、およびこの照射面を介して照射された上記励起光に基づいて励起発光される蛍光を発光する発光面を有する本体と、この本体の上記照射面および発光面を除く全ての表面を覆うように該本体に非接触で設けられたケースと、このケースと上記本体の照射面および発光面を除く全ての表面との間の隙間を埋めるように設けられた光吸収部材とを具備した蛍光基準部材と、
上記光源から照射された励起光に基づいて、上記媒体に含まれる蛍光物質から励起発光される第1の蛍光、および上記蛍光基準部材から発光される第2の蛍光を選択的に受光する受光部と、
この受光部で受光した第2の蛍光に基づいて該受光部の出力を補正する補正部と、
この補正部で補正した上記第1の蛍光を検査する検査部と、
を有することを特徴とする蛍光検査装置。
【請求項11】
検査対称となる媒体に励起光を照射する光源と、
この光源から照射された励起光に基づいて上記媒体に含まれる蛍光物質から励起発光される第1の蛍光を受光する第1受光部と、
上記光源からの励起光が照射される照射面、およびこの照射面を介して照射された上記励起光に基づいて励起発光される第2の蛍光を発光する発光面を有する本体と、この本体の上記照射面および発光面を除く全ての表面を覆うように該本体に非接触で設けられたケースと、このケースと上記本体の照射面および発光面を除く全ての表面との間の隙間を埋めるように設けられた光吸収部材とを具備した蛍光基準部材と、
この蛍光基準部材の上記発光面を介して発光される上記第2の蛍光を受光する第2受光部と、
この第2受光部で受光した第2の蛍光に基づいて上記第1受光部の出力を補正する補正部と、
この補正部で補正した上記第1の蛍光を検査する検査部と、
を有することを特徴とする蛍光検査装置。
【請求項12】
検査対称となる媒体に励起光を照射する光源と、
この光源からの励起光が照射される照射面、およびこの照射面を介して照射された上記励起光に基づいて励起発光される蛍光を発光する発光面を有する本体と、この本体の上記照射面および発光面を除く全ての表面を覆うように該本体に非接触で設けられたケースと、このケースと上記本体の照射面および発光面を除く全ての表面との間の隙間を埋めるように設けられた光吸収部材とを具備した蛍光基準部材と、
上記光源から照射された励起光に基づいて、上記媒体に含まれる蛍光物質から励起発光される第1の蛍光、および上記蛍光基準部材から発光される第2の蛍光を選択的に受光する受光部と、
この受光部で受光した上記第1の蛍光を検査する検査部と、
上記受光部で受光した第2の蛍光に基づいて上記光源の発光量を補正する補正部と、
を有することを特徴とする蛍光検査装置。
【請求項13】
検査対称となる媒体に励起光を照射する光源と、
この光源から照射された励起光に基づいて上記媒体に含まれる蛍光物質から励起発光される第1の蛍光を受光する第1受光部と、
この第1受光部で受光した上記第1の蛍光を検査する検査部と、
上記光源からの励起光が照射される照射面、およびこの照射面を介して照射された上記励起光に基づいて励起発光される第2の蛍光を発光する発光面を有する本体と、この本体の上記照射面および発光面を除く全ての表面を覆うように該本体に非接触で設けられたケースと、このケースと上記本体の照射面および発光面を除く全ての表面との間の隙間を埋めるように設けられた光吸収部材とを具備した蛍光基準部材と、
この蛍光基準部材の上記発光面を介して発光される上記第2の蛍光を受光する第2受光部と、
この第2受光部で受光した第2の蛍光に基づいて上記光源の発光量を補正する補正部と、
を有することを特徴とする蛍光検査装置。
【請求項14】
上記蛍光基準部材の本体の照射面および発光面を含む全ての面は光学研磨されていることを特徴とする請求項6乃至請求項13のいずれか1項に記載の蛍光検査装置。
【請求項15】
励起光が照射される照射面、および蛍光を発光する発光面を有するとともに、上記照射面を介して照射される上記励起光により励起されて上記蛍光を発光する蛍光物質を含み、この蛍光物質から発光される上記蛍光を上記発光面を介して発光させる本体を用意する工程と、
この本体の上記照射面および発光面を除く全ての表面を非接触で覆うケースを用意する工程と、
このケースと上記本体の照射面および発光面を除く全ての表面との間の隙間に光吸収材料を充填する工程と、
充填した光吸収材料を硬化させる工程と、
を有することを特徴とする蛍光基準部材の製造方法。
【請求項16】
上記光吸収材料を硬化させた後、上記ケースを取り除く工程をさらに有することを特徴とする請求項15に記載の蛍光基準部材の製造方法。
【請求項17】
上記本体を用意する工程は、該本体の上記照射面および発光面を含む全ての表面を光学研磨する工程を含むことを特徴とする請求項15または請求項16に記載の蛍光基準部材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−64828(P2007−64828A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−252120(P2005−252120)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】