説明

融着トレイの構造

【課題】本発明は、容易にアダプタ6の追加が可能である融着トレイ1の構造を提供することを目的としている。
【解決手段】本発明に係る融着トレイの構造は、芯線を固定するための芯線押さえと芯線を融着トレイ内で整線するためのスペーサとが嵌合可能である芯線の入出線口2は、芯線が接続されるアダプタ6が芯線押さえとスペーサと交換可能で、芯線の入出線口2に嵌合可能であると共に、アダプタ6に接続されるコードの余長を収納可能とすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光成端箱に配置され、外部より引き込んだ芯線を融着するための融着トレイの構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光成端箱は光通信機器を収納する箱で、従来、光成端箱の基台31に融着トレイ32を配置し、融着トレイ32周辺に、光アダプタ33や光コードの余長を収納するためのサドル34等を備えていた。この状態でユニットとしてラック等に収納し用いられていた。
【0003】
基台31に入線された光ケーブルは、ケーブルクランプ35で固定され、光ケーブルの中の芯線は融着トレイ32へと導かれる。融着トレイ32上では、芯線が融着される。融着トレイ32から出線された光コードは光アダプタ33に接続されて、光通信機器へとつながっている。
【特許文献1】特開2005−148327号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来の融着トレイの構造では、一旦光成端箱が設置された後に、光アダプタの増設の必要ができた場合に、基台上には余分なスペースがないため、光アダプタ本体や、光アダプタを取り付けるための金具や、光コードの余長を収納するスペースを確保することが困難であり、対応できなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明は、容易にアダプタの追加が可能である融着トレイの構造を提供することを目的とし、その構造は、芯線を固定するための芯線押さえと芯線を融着トレイ内で整線するためのスペーサとが嵌合可能である芯線の入出線口は、芯線が接続されるアダプタが芯線押さえとスペーサと交換可能で、芯線の入出線口に嵌合可能であると共に、アダプタに接続されるコードの余長を収納可能とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る融着トレイの構造は、芯線を固定するための芯線押さえと芯線を融着トレイ内で整線するためのスペーサとが嵌合可能である芯線の入出線口は、芯線が接続されるアダプタが芯線押さえとスペーサと交換可能で、芯線の入出線口に嵌合可能であると共に、アダプタに接続されるコードの余長を収納可能とするため、光成端箱へのアダプタの追加が可能となり、作業も簡単である。また、光成端箱が省スペースとなり、コンパクトに収納できる。光コードの余長を収納するスペースも確保でき、光コードの保護と、光コードの整線による外観の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明に係る融着トレイの構造を図1〜図3の添付図面に基いて説明する。
【0008】
光通信機器間を配線する光コードを接続したり、余長を収納するのに用いられる光成端箱には、光コードの芯線を融着支持する融着トレイ1を収納している。融着トレイ1には、一部側面に入出線口2を設け、芯線が入線される部分には芯線押さえ3を設置し、芯線を固定する。また、入出線口2として用いられない部分にはスペーサ4を嵌め込み、融着トレイ1への異物の侵入を防止している。融着トレイ上には芯線の融着した部分を支持固定するためのホルダ5を設けている。
【0009】
融着トレイ1の入出線口2は、融着トレイ1に嵌め込まれた芯線押さえ3やスペーサ4が、アダプタ6と交換できる構造であり、芯線押さえ3やスペーサ4を取り外し、替わりにアダプタ6を嵌合させることができる。アダプタ6の融着トレイ1への固定は、アダプタ6を嵌合させた後、融着トレイ1に、蓋体7や他の融着トレイを段積みして行う。アダプタ6を取り付けた状態で、アダプタ6や芯線融着部のホルダ5に干渉しない位置に光コードの余長収納部7を設ける。
【0010】
融着トレイ1は、複数段積み上げて用いることができる。融着トレイ1aが先に設置された状態で、アダプタ6の増設が必要になった場合、その融着トレイ1aの上段にアダプタ増設用に別のトレイ1bを積み上げる。そしてそのトレイ1bの入出線口にアダプタ6を取り付け、蓋体8や別のトレイで施蓋し、アダプタ6を固定する。
【0011】
下段の融着トレイ1から出線した芯線は、上段のトレイ1bに増設されたアダプタ6に接続され入線される。融着トレイ1の内部でアダプタ6で接続された光コードは、余長を余長収納部にて通信に障害が発生しないように折り曲げず収納される。
【0012】
以上のように、本発明では融着トレイ1にアダプタ6が取り付け可能であり、そのアダプタ6は、融着トレイ1の外側から芯線の接続ができるように、融着トレイ1の入出線口2に取り付けられることが特徴である。融着トレイ1に容易にアダプタ6が増設でき、なおかつ、アダプタ6への芯線の接続も融着トレイ1の外側からできるという構造である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】融着トレイの構造を示す説明図である。
【図2】融着トレイにアダプタを増設する場合の構造を示す説明図である。
【図3】融着トレイの使用状態を示す説明図である。
【図4】従来の融着トレイの構造を示す説明図である。
【符号の説明】
【0014】
1 融着トレイ
1a 下段のトレイ
1b 上段のトレイ
2 入出線口
3 芯線押さえ
4 スペーサ
5 ホルダ
6 アダプタ
7 余長収納部
8 蓋体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光成端箱に配置され、外部より引き込んだ芯線を融着するための融着トレイの構造において、前記芯線を固定するための芯線押さえと前記芯線を前記融着トレイ内で整線するためのスペーサとが嵌合可能である前記芯線の入出線口は、前記芯線が接続されるアダプタが前記芯線押さえと前記スペーサと交換可能で、前記芯線の入出線口に嵌合可能であると共に、前記アダプタに接続されるコードの余長を収納可能とすることを特徴とする融着トレイの構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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