説明

螺旋トンネル掘削用シールド掘進機

【課題】非円形断面の螺旋トンネルを容易に掘進でき、低コストで提供できる。
【解決手段】矩形断面のシールド本体11を、螺旋軸を中心とする円弧状に形成するとともに前胴12と後胴13とで構成し、後胴13に対して前胴12を、掘進方向に向かって左カーブするときには、時計方向に所定の捻り角βで捻って連結固定し、前胴12の前端面と後胴13の後端面とをそれぞれ螺旋経路S上の螺旋トンネルTsの断面に略合致させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、矩形断面や長円形断面、まゆ形断面などの非円形断面の螺旋トンネルを掘削するためのシールド掘進機に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば地下大空間の周壁や地下道路の立体ジャンクションを形成するために、螺旋トンネルを掘削することがある。このような場合、従来では、図19(a)に示すように、前胴1と後胴2とを球面継手を介して屈曲中心3を中心に屈曲自在に連結した掘削機本体4を使用している。しかし、上記構成では、曲率が小さくなるほど大きい断面を余掘りしなければならなくなり、特に密閉形の場合には余掘り量に制約を受けること、余掘り後の注入剤の使用が増大すること、急勾配の螺旋トンネルの場合の施工工期が長くなることなどの問題点がある。これらの問題点を解消するものとして提案された特許文献1の掘削機本体7は、図19(b)に示すように、前胴5と後胴6とを螺旋トンネルの曲率と同一の円弧状に形成している。これにより、余掘りをなくすことができ、余掘りによる注入剤の削減や地盤沈下を防止することができる。
【0003】
ところで、特許文献1は円形断面トンネルを掘削するものであるが、トンネル内に道路などを設置する場合、円形断面では、使用面積に対する掘削面積が広く、使用効率が低いために、矩形断面やまゆ形断面、長円形断面、釣鐘形断面などの非円形断面が数多く提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3−176592
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
螺旋トンネルを非円形断面で掘削する場合、セグメントは常に正立姿勢、たとえば矩形断面の場合には、上下面が水平で、内外周面が鉛直となるように、組み立てる必要がある。図19(b)に示す円弧状の掘削機本体8を使用して、螺旋トンネルを掘削する場合のトンネルの傾きについて、図19(c)を参照して説明する。
【0006】
まず、図19(c6〜c8)は、上記従来の円弧状の掘削機本体8を水平に配置した中心軸心上の平面視の断面を示す円弧面CPである。この円弧面CPを、螺旋半径に沿う後端辺を中心に勾配αだけ前部上方に傾斜させると、図19(c3〜c5)に示す傾斜姿勢となる。一方、傾斜姿勢の円弧面CPと同じ占有角θで同じ勾配αの螺旋面SPは、図19(c1,c2)に示すとおりである。
【0007】
前記傾斜円弧面CPと螺旋面SPとを比較すると、後端辺はそれぞれ水平であるが、螺旋面SPの前端辺が水平であるのに対して、円弧面CPの前端辺がB−B矢視でβだけ内周側下方に傾斜され、捻り角βが生じている点で相違している。
【0008】
したがって、図19(d)に示すように、円弧状の掘削機本体4を、勾配分θだけ前部上方に傾斜させて、螺旋経路上をたとえば左のカーブに沿って掘進させても、一点鎖線で示す正立姿勢の螺旋トンネルTsに対して、前端部では捻り角βだけ掘進方向に向かって反時計方向に捻れた実線の傾斜円弧トンネルTcしか掘削することができず、掘進するに従って反時計方向に捻れたトンネルが形成されて、螺旋トンネルをスムーズに掘削できないという問題があった。
【0009】
本発明は上記問題点を解決して、非円形断面のトンネルを正立姿勢で螺旋経路に沿って容易に掘進できるとともに、製作も容易で低コストで提供できる螺旋トンネル掘削用シールド掘進機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の発明は、
螺旋軸を中心として所定の勾配の螺旋経路に沿って、非円形断面の螺旋トンネルを掘削する螺旋トンネル掘削用シールド掘進機であって、
前部に掘削装置を有し、後部に螺旋トンネルに沿って覆工体を組み立てるエレクタ装置を有するシールド本体を、螺旋軸を中心とする円弧状に形成するとともに、前後に複数に分割された複数の胴部により構成し、
互いに隣接される後方の胴部に対して前方の胴部を、掘進方向に向かって左右一方に旋回して螺旋トンネルを掘削する場合に、左右他方に所定の捻り角で捻って連結固定することにより、前端の胴部の前端面と後端の胴部の後端面とをそれぞれ螺旋経路上の螺旋トンネル断面に略合致させるものである。
【0011】
請求項2記載の発明は、
螺旋軸を中心として所定の勾配の螺旋経路に沿って、非円形断面の螺旋トンネルを掘削する螺旋トンネル掘削用シールド掘進機であって、
前部に掘削装置を有し、後部に螺旋トンネルに沿って覆工体を組み立てるエレクタ装置を有するシールド本体を、前後に複数に分割された複数の胴部により構成するとともに、当該各胴部を、螺旋トンネルに内接するように中間部で折り曲げられた複数の直状断面の分割胴部により形成し、
互いに隣接される後方の胴部に対して前方の胴部を、掘進方向に向かって左右一方に旋回して螺旋トンネルを掘削する場合に、左右他方に所定の捻り角で捻って連結固定することにより、前端の胴部の前端面と後端の胴部の後端面とをそれぞれ螺旋経路上の螺旋トンネル断面に略合致させるものである。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の構成において、
前後に3個以上に分割された複数の胴部からなるシールド本体における連結部の捻り角は、連結部の前後の胴部の合計の周長または螺旋軸を中心とする占有角の比率により設定され、ここで周長は、端部の胴部は全周長、中間の胴部は周長の1/2、また占有角は、端部の胴部は全占有角、中間の胴部は占有角の1/2としたものである。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の構成において、
連結部に、前側胴部の連結端面と後側胴部の連結端面との合致部分からはみ出す胴部拡張部が形成され、
前側胴部と後側胴部の連結部側の外面に、前記胴部拡張部を削除する削除面部および前記胴部拡張部に連続する増径面部の少なくとも一方を設けたものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明によれば、非円形断面のシールド本体を、螺旋軸を中心とする螺旋半径に沿った円弧状に形成するとともに、シールド本体を構成する胴部の連結部で、後側胴部に対して前側胴部を、掘進方向に向かって左方向に旋回して螺旋トンネルを掘削する場合は、右方向(時計方向)に所定の捻り角だけ捻り、掘進方向に向かって右方向に旋回して螺旋トンネルを掘削する場合は、左方向(反時計方向)に所定の捻り角だけ捻って連結固定することにより、シールド本体の前端面と後端面とを螺旋経路上のトンネル断面に略合致させる。これにより、前部で掘削した螺旋トンネル断面を後方の胴部が通過する時に、シールド本体をローリングさせる捻り力を付与することができ、前端面と後端面の捻れの位相差により、シールド本体を旋回させつつ螺旋トンネルを掘進することができ、余掘り量を少なくして、非円形断面の螺旋トンネルをスムーズに掘削することができる。またシールド本体自体を捻った立体形状にすることなく、円弧状に形成した胴部を捻って連結するだけでよいので、低コストで製作でき、さらに捻り角を変更することにより、勾配の異なる螺旋トンネルの掘削にも適用することができ、汎用性を拡大することができる。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、非円形断面のシールド本体を構成する各胴部を、螺旋軸を中心とする螺旋トンネルに内接する折り曲げ形状に形成するとともに、シールド本体を構成する胴部の連結部で、後側胴部に対して前側胴部を、掘進方向に向かって左方向に旋回して螺旋トンネルを掘削する場合は、右方向(時計方向)に所定の捻り角だけ捻り、掘進方向に向かって右方向に旋回して螺旋トンネルを掘削する場合は、左方向(反時計方向)に所定の捻り角だけ捻って連結固定することにより、シールド本体の前端面と後端面とを螺旋経路上のトンネル断面に略合致させる。これにより、前端面で掘削した螺旋トンネル断面を後方の胴部が通過する時に、シールド本体をローリングさせる捻り力を付与することができ、前端面と後端面の捻れの位相差により、シールド本体を旋回させつつ螺旋トンネルを掘進することができ、余掘り量を少なくして、非円形断面の螺旋トンネルをスムーズに掘削することができる。また各胴部を円弧形状にすることなく、直状断面の分割胴部を折り曲げて形成するとともに、前後の胴部を捻って連結してシールド本体を形成するだけでよく、容易に短期間で製作でき、製作コストを削減することができる。さらに捻り角や折り曲げ角を変更することにより、勾配や半径の異なる螺旋トンネルの掘削にも適用することができ、汎用性を拡大することができる。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、連結固定される胴部の捻り角を、その胴部の占有角または周長から求めることにより、螺旋トンネルから突出する胴部断面積を少なくして余掘り量を減少させることができ、スムーズに非円形断面の螺旋トンネルを掘削することができる。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、前側胴部と後側胴部の連結部に、胴部拡張部に連続する増径面部や胴部拡張部を削除する削除面部を形成することにより、連結部における断部をなくして連続面を形成することができ、掘進抵抗を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る螺旋トンネル掘削用シールド掘進機の実施例1を示し、シールド本体の概略斜視図である。
【図2】シールド本体の連結部を示す正面視の横断面図である。
【図3】螺旋トンネルを示す側面図である。
【図4】(a)〜(c)は捻り角の説明図で、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は同図(a)に示すA−A矢視図である。
【図5】シールド掘進機を示す平面視の断面図である。
【図6】シールド掘進機を示す縦断面図である。
【図7】本発明に係る螺旋トンネル掘削用シールド掘進機の実施例2を示し、3つの胴部を有するシールド掘進機の概略平面図である。
【図8】(a)〜(f)はそれぞれ他の非円形断面の螺旋トンネルを掘削するシールド掘進機の胴部を示す正面図で、(a)は楕円形断面、(b)はまゆ形断面、(c)は角丸正方形断面、(d)は長円形断面、(e)は釣鐘形断面、(f)は長辺膨出タイプの矩形断面を示す。
【図9】(a)〜(d)はそれぞれ本発明に係るシールド掘進機の胴部の実施例3を示し、(a)は実施例1の連結部を示す横断面図、(b)は実施例1の連結部を示す斜視図、(c)は第1連結構造の増設部と削除部を示す斜視図、(d)は第1連結構造の増径面部と削除面部を示す斜視図である。
【図10】(a)および(b)はそれぞれ実施例3の第2連結構造を示し、(a)は増設部と削除部を示す斜視図、(b)は増径面部と削除面部を示す斜視図である。
【図11】(a)および(b)はそれぞれ実施例3の第3連結構造を示し、(a)は増設部と削除部を示す斜視図、(b)は増径面部と削除面部を示す斜視図である。
【図12】(a)および(b)はそれぞれ本発明に係るまゆ形断面の螺旋トンネル掘削用シールド掘進機の胴部の実施例4の基本構造を示し、(a)は正面図、(b)は斜視図である。
【図13】(a)〜(c)はそれぞれ実施例4の連結部の第1連結構造を示し、(a)は正面図、(b)は斜視図、(c)は平面図である。
【図14】(a)〜(c)はそれぞれ実施例4の連結部の第2連結構造を示し、(a)は正面図、(b)は斜視図、(c)は平面図である。
【図15】本発明に係る螺旋トンネル掘削用シールド掘進機の折り曲げ部を有する胴部の実施例5の基本構造を示し、(a)は平面図、(b)は斜視図、(c)は分解斜視図である。
【図16】(a)〜(c)はそれぞれ実施例5の連結部を示し、(a)は第1連結構造を示す斜視図、(b)は第2連結構造を示す斜視図、(c)は第3連結構造を示す斜視図である。
【図17】本発明に係る螺旋トンネル掘削用シールド掘進機の折り曲げ部を有する胴部の実施例6の基本構造を示し、(a)は平面図、(b)は斜視図、(c)は分解斜視図である。
【図18】(a)および(b)はそれぞれ実施例6の連結部を示し、(a)は第1連結構造を示す斜視図、(b)は第2連結構造を示す斜視図である。
【図19】(a)〜(d)はそれぞれ従来の技術を説明するシールド掘進機と掘削トンネルを示し、(a)は従来の屈曲式シールド掘進機、(b)は特許文献1に開示された円弧状の屈曲式シールド掘進機、(c1)は螺旋面の正面図、(c2)は螺旋面の左側面端面図、(c3)は傾斜円弧面の平面図、(c4)は傾斜円弧面の正面図、(c5)は(c3)に示すB−B矢視端面図、(c6)は水平円弧面の正面図、(c7)は(c8)に示すC−C矢視端面図、(c8)は水平円弧面の平面、(d)は螺旋トンネルと傾斜円弧トンネルの比較斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0019】
以下、本発明に係るシールド掘進機の実施例を図面に基づいて説明する。
[実施例1]
図1,図3に示すように、この螺旋トンネル掘削用シールド掘進機は、螺旋軸Osを中心とする勾配:α、ピッチ:Pの螺旋経路Sに沿って矩形(正方形を含む)断面の螺旋トンネルTsを、上下辺が水平で左右側辺が鉛直な正立姿勢で掘削するもので、切羽崩壊土圧を保持する圧力室を有しない開放形に構成されている。もちろん、密閉形(圧力保持形)であってもよい。このシールド掘進機のシールド本体11は、互いに連結された前胴12と後胴13とを具備し、螺旋トンネルTsよりひと回り大きい相似形の略矩形断面に形成されている。また前胴12および後胴13は、螺旋トンネルTsの螺旋軸Osを中心とする円弧状にそれぞれ形成されている。
【0020】
前胴12および後胴13の外殻(スキンプレート)は、平板状の上面プレート12U,13Uおよび下面プレート12D,13Dと、円弧板状の内周面プレート12I,13Iおよび外周面プレート12O,13Oにより形成されている。
【0021】
図5,図6に示すように、前胴12の前部に、上下方向の中央部に配置された水平区画板14と、幅方向の中央部に配置された垂直区画板15が設けられて、上下左右に四つの掘削室16が形成され、各掘削室16に、作業員によりそれぞれ操作されるバックホー形の掘削装置17が2基ずつを設置されている。また各掘削室16には、集荷排土コンベヤ18がそれぞれ設置され、掘削した土砂を集荷排土コンベヤ18から合流排土コンベヤ19を介してシールド本体11の後方に搬出する。
【0022】
後胴13には、螺旋トンネルTsの内面に沿って複数のセグメント(覆工体)23を矩形断面に組み立てるエレクタ装置21が配置されている。またエレクタ装置21の外周部には、組み立てられたセグメント23を反力受けとしてシールド本体11を推進させる複数の推進ジャッキ22が周方向所定間隔ごとに設置されている。
【0023】
このシールド本体11は、たとえば略1/2の占有角(θ/2)で旋回軸Osの半径方向でシールド本体11の軸心(シールド軸心Oという)に直交する平面で分割された前胴12と後胴13とで構成され、前胴12と後胴13とは連結部31で連結されている。この連結部31では、前胴12と後胴13とをシールド軸心O周りに所定方向に所定の捻り角βで捻った状態で連結固定され、前胴12の前端面と後胴13の後端面とを、それぞれ螺旋トンネルTsに略合致させている。ここで「略」とは、掘削した螺旋トンネルTs内でセグメント23を組み立てる範囲で支障のない誤差をいう。
【0024】
すなわち、この連結部31は、前胴12の後端部に、スキンプレート12U,12D,12I,12Oからシールド軸心Oに直交する平面上で内側に直角に折り曲げられた前フランジ板32が設けられ、後胴13の前端部に、スキンプレート13U,13D,13I,13Oからシールド軸心Oに直交する平面上で内側に直角に折り曲げられて、前記前フランジ板32に対面される後フランジ板33が設けられている。そしてこれら前フランジ板32と後フランジ板33が、たとえば周方向所定間隔ごとに取り付けられた複数の連結具である連結ボルト(連結手段)34により連結固定されている。この連結ボルト34は、連結手段として特に限定されるものではなく、溶接接合などを用いてもよい。
【0025】
(前胴と後胴の捻りについて)
ここで、前胴12と後胴13との捻り角βが必要な理由を簡単に説明する。
矩形断面の螺旋トンネルを掘削する場合、セグメントは正立姿勢で組み立てられるため、後胴の後端面を正立姿勢に保持する必要がある。円弧状のシールド本体では、前述したように、掘進方向に左右一方に旋回して螺旋経路Sを掘削する場合、シールド本体は左右一方に回転するので、左右他方側に強制的に捻りを加えながら掘進する必要がある。たとえば掘進方向に左旋回して螺旋経路Sを掘進する場合、シールド本体は反時計回りに回転するので、強制的に時計回りに捻りを加えながら掘進する。
【0026】
この場合、シールド本体前端の掘削部では、予め通過するシールド本体後方側の捻り分の余掘り量を掘削するが、この余掘り量は余分な空間を形成するだけであり、これだけでシールド本体の姿勢を変更するだけのローリング(捻り)力が働くものではない。またシールド本体は、後部周囲に設けられた推進ジャッキにより推力を与えられ、これら推進ジャッキの伸縮量により(屈曲式シールドの場合は、屈曲ジャッキによる上下左右の屈曲と共に)姿勢制御を行っているが、シールド本体11が矩形断面の螺旋トンネル内で拘束されているので、シールド軸心O周りのローリング(捻り)制御は極めて困難である。
【0027】
このため、本発明では、前胴12と後胴13とを、予め所定の捻り角βで捻って連結固定しておくことで、前胴12の前端部でほぼ螺旋トンネルの断面に沿って掘削すれば、この掘削面を後胴13が通過するときに捻り力が働き、これが連続的に行われることにより、螺旋経路Sに沿って捻りながら掘進できるとともに掘削断面も正立姿勢で連続させることかでき、余掘り量も少なくすることができて地盤沈下も抑制することができる。
【0028】
ところで、上記対策として、シールド本体を螺旋トンネルに一致するように、予め捻った立体形状に形成することも考えられる。しかし、シールド本体の外殻であるスキンプレートを、予め捻られた立体形状に形成するためには、極めて高度な技術が必要で、製作コストが嵩む。またシールド本体が、螺旋半径および勾配の決まった螺旋トンネルしか掘削することができない専用機となることから、再利用が困難で汎用性が低いという問題がある。
【0029】
(捻り角)
次に前胴12と後胴13の捻り角βについて、図4を参照して説明する。
螺旋軸Osを中心とし、螺旋半径:Rの螺旋経路S上で、点P0から占有角:θ(rad)を隔てた点P1に至る円弧の周長:L(円弧面の内周長とする)は、
L=R×θ…(1)式で求められる。
また螺旋経路Sのリード角:αとすると、点P0−P1間のリード:Hは、
tanα=H/L→H=L×tanα…(2)式で求められる。
さらに図4(c)に示すように、円弧面の前辺の傾き角∠PO−Os’−P1である捻れ角β(rad)から求められる点P0−P1間のリード:Hは、
tanβ=H/R→H=R×tanβ…(3)式で求められる。ここで捻れ角β(rad)は、(円弧面の前辺の傾き角∠PO−Os’−P1)
上記(1)、(2)式から、
R×tanβ=L×tanα、(3)式を代入すると、
R×tanβ=R×θ×tanα
β=tan-1(θ×tanα)…(4)式により、捻り角:βを求めることができ、螺旋トンネルTsを掘削するには、後胴13に対して前胴12を捻り角:βとは逆方向にβだけ捻ればよい。
【0030】
(実施例1の効果)
上記実施例によれば、矩形断面のシールド本体11を構成する前胴12と後胴13を円弧状に形成するとともに、その連結部31で、後胴13に対して前胴12を、掘進方向に左旋回して螺旋トンネルを掘削する場合には、時計方向に所定の捻り角だけ捻って連結固定し、また掘進方向に右旋回して螺旋トンネルを掘削する場合には、反時計方向に所定の捻り角だけ捻って連結固定し、これにより、シールド本体11の前端面と後端面とを螺旋経路S上の螺旋トンネルTsの断面に略合致させることにより、余掘り量を極力少なくして、シールド本体11を掘進することで掘削した螺旋トンネルTsの断面により、シールド本体をローリングさせる捻り力を付与することができ、螺旋トンネルTsを正立姿勢でスムーズに掘削することができる。またシールド本体11を、螺旋経路Sを中心とする円弧状に形成した前胴12と後胴13とを、連結部31で捻って連結するだけでよいので、低コストで製作できる。さらに連結部31で捻り角を変更することにより、勾配の異なる螺旋トンネルTsを掘削することができ、汎用性を拡大することができる。
【0031】
(実施例1の変形例)
上記実施例1および2では、矩形断面のトンネルTsを掘削するシールド掘進機で説明したが、図8(a)に示すように、前胴51fと後胴51rとを有する楕円形断面のシールド本体51や、図8(b)に示すように、前胴52fと後胴52rとを有するまゆ形断面のシールド本体52、図8(c)に示すように、前胴53fと後胴53rとを有する角丸矩形断面のシールド本体53、図8(d)に示すように、前胴54fと後胴54rとを有する長円形断面のシールド本体54、図8(e)に示すように、前胴55fと後胴55rとを有する釣鐘形断面のシールド本体55、図8(f)に示すように、前胴56fと後胴56rとを有する長辺膨出タイプの矩形断面のシールド本体56であってもよい。
【0032】
これらシールド本体51〜56をそれぞれ螺旋軸を中心とした円弧形に形成するとともに、前胴51f〜56fと後胴51r〜56rとで形成し、後胴51r〜56rに対して前胴51f〜56fをシールド軸心O周りに所定方向の捻り角βだけ捻って連結固定することにより、螺旋トンネルTsをそれぞれスムーズに掘削することができる。またこれらのシールド本体51〜56は、さらに中胴を付加した前後三連以上の胴部で構成してもよい。
【0033】
[実施例2]
このシールド本体41は、図7に示すように、掘進方向に向かって左旋回する螺旋トンネルTsを掘削するもので、前胴42と中胴43とを前連結部45を介して掘進方向に向かって時計方向に捻り角β1で捻って連結固定し、中胴43と、後胴44とを後連結部46を介して掘進方向に向かって時計方向に捻り角β2で捻って連結固定したものである。これにより前胴42の前端面と後胴の後端面とを、螺旋経路S上の螺旋トンネルTsの断面に略合致される。さらに連結部45,46の捻り角:β1およびβ2は、連結部45,46に接する前後の胴部の長さ(占有角)、すなわち端部の胴部42,44は全占有角、中間の胴43部は占有角の1/2の比で求められる。すなわち、前胴42の占有角:θ1、中胴43の占有角:θ2、後胴44の占有角:θ3とすると、
β1:β2=(θ1+θ2/2):(θ2/2+θ3)…(5)式
となる。
【0034】
なお、上記占有角θ1〜θ3に替えて、各胴部42〜43のシールド軸心O上の周長L1〜L3であってもよい。
β1:β2=(L1+L2/2):(L2/2+L3)…(6)式
上記構成によれば、連結部45,46を複数個所設けて捻り角β1,β2を付与することにより、周長の長いシールド本体41や螺旋半径の小さい螺旋トンネルであっても、スムーズに掘削することができる。
【0035】
[実施例3]
螺旋トンネル掘削用シールド掘進機の実施例3を、図9〜図11を参照して説明する。このシールド掘進機は、正方形断面の螺旋トンネルを掘削するためのもので、実施例1と同一、略同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0036】
図9(a),(b)に示すように、前胴12と後胴13とで構成されたシールド本体11は、その連結部31で捻り角βで捻られて連結されており、この連結部31では、後胴13の後胴連結端面63に対して前胴12の前胴連結端面62が外側にはみ出す前胴拡張部(胴部拡張部)64と、前胴連結端面62に対して後胴連結端面63が外側にはみ出す後胴拡張部(胴部拡張部)65とが断付き状に形成される。このような前胴拡張部64および後胴拡張部65は、掘削トンネルの内面に接触し掘進抵抗を与えるおそれがあるため、この掘進抵抗を軽減することが望ましい。
【0037】
この対策として、図9(c),(d)に示すように、後胴連結端面63を基準面とする第1連結構造と、図10(a),(b)に示すように、前胴連結端面62を基準面とする第2連結構造と、図11(a),(b)に示すように、前胴連結端面62と後胴連結端面63との合致面を規準面とする第3連結構造を提案している。
【0038】
(第1連結構造)
第1連結構造は、図9(c)(d)に示すように、後胴連結端面63を基準として、前胴12のスキンプレート12U,12D,12O,12Iに、前胴12の中間部にある前胴中央横断面FCPから後胴拡張部65の外縁に至る高さの低い直角三角錐空間Pに増径面部66Fを増設することにより、その平坦な外面で前胴12外面から後胴拡張部65に連続させる。
【0039】
また前胴12の中間部にある前胴中央横断面FCPから前胴拡張部64に至る高さの低い直角三角錐形部分Qを削除する削除面部67Fを形成することにより、その平坦な削除面で前胴12の外面から後胴13の外面に連続させる。
【0040】
(第2連結構造)
第2連結構造は、図10(a)(b)に示すように、前胴連結端面62を基準として、後胴13のスキンプレート13U,13D,13O,13Iに、前胴拡張部64の外縁から後胴13の後胴中央横断面RCPに至る高さの低い直角三角錐空間Pに増径面部66Rを増設することにより、その平坦な外面で前胴拡張部64から後胴13の外面に連続させる。
【0041】
また後胴拡張部65から後胴中央横断面RCPに至る高さの低い直角三角錐形部分Qを削除して削除面部67Rを形成することにより、その平坦な削除面で前胴12の外面から後胴13の外面に連続させる。
【0042】
(第3連結構造)
第3連結構造は、図11(a)(b)に示すように、前胴連結端面64と後胴連結端面63とが互いに重なり合う八角形の合致面を基準として、前胴12のスキンプレート12U,12D,12O,12Iに、前胴中央横断面FCPから前胴拡張部64に至る高さの低い直角三角錐形部分QFを削除して削除面部67Fを形成することにより、その平坦な削除面で前胴12の外面から後胴13の外面を連続させる。
【0043】
また後胴13のスキンプレート13U,13D,13O,13Iに、後胴拡張部65から後胴中央横断面RCPに至る高さの低い直角三角錐形の部分QRを削除して削除面部67Rを形成することにより、その平坦な削除面で前胴12の外面と後胴13の外面とを連続させる。
【0044】
なお、これら第1〜第3連結構造以外に、増径面部66F,66Rのみを増設することで連結部31を構成することもできる。しかし、この場合には胴部外径が大きくなることから、掘進抵抗となるおそれがある。
【0045】
上記第1〜第3連結構造によれば、前胴12と後胴13の連結部31で、前胴12と後胴13のスキンプレート12U,12D,12I,12O,13U,13D,13I,13Oの連結部31側に、前胴拡張部64と後胴拡張部65の段付き部をなくすために、前胴12と後胴13の外面を連続させる増径面部66F,66Rと削除面部67F,67R、または削除面部67F,67Rを設けたので、連結部31における掘進抵抗を減少させて螺旋トンネルTsをスムーズに掘削することができる。
【0046】
[実施例4]
上記実施例1〜3では、矩形(正方形)断面の螺旋トンネルTsを掘削するシールド掘進機について説明したが、実施例4では、まゆ形断面の螺旋トンネルTsを掘削するシールド掘進機について、図12,図13を参照して説明する。なお、ここで、シールド本体の前部に設けられる掘削装置や後部に設けられるエレクタ装置などの内部機構の説明は省略する。
【0047】
このシールド掘進機は、螺旋軸を中心として掘進方向に向かってたとえば左方向に旋回してまゆ形断面の螺旋トンネルTsを掘削するもので、前胴72および後胴73からなるシールド本体71は、螺旋軸を中心とする円弧状にそれぞれ形成されるとともに、図12(a)(b)に示すように、その連結部74で後胴73に対して前胴72がシールド軸Oを中心に、左側に旋回する掘進方向に向かって時計方向にβだけ捻られて連結固定されている。
【0048】
この連結部74では、後胴73の後胴連結端面74Rに対して前胴72の前胴連結端面74Fがはみ出す2箇所の前胴拡張部75と、前胴72の前胴連結端面74Fに対して後胴73の後胴連結端面74Rがはみ出す2箇所の後胴拡張部76が対称位置に形成される。
【0049】
(第1連結構造)
図13に示すように、この連結部74には、掘進抵抗を軽減するために、後胴73の連結端側に、対称位置の2つの後胴拡張部76をそれぞれ削除する円筒テーパ面状の部分削除面部77が形成されている。この部分削除面部77により、前胴連結端面74Fから後胴73の外面に連続させることができ、掘進抵抗を軽減させることができる。
【0050】
(第2連結構造)
図14に示すように、シールド本体71の後胴73の連結端側に、後胴連結端面74Rを含む全周にわたって全周削除面部78を形成したもので、全周削除面部78の外径が前胴連結端面74Fと略同一か、小さく形成されている。この全周削除面部78により2つの後胴拡張部76を削除している。
【0051】
この第2連結構造によれば、筒状の後胴73の前部に、全周削除面部78を形成するテーパ筒を接合することにより、後胴73を容易に製作することができる。
上記実施例4によれば、実施例1と同様の作用効果を奏することができるとともに、前胴72と後胴73の連結部74で、後胴73のスキンプレートに、後胴拡張部66の突出を削除する部分削除面部77または全周削除面部78を形成したので、連結部における後胴拡張部76を無くすことができ、掘進抵抗を減少させて螺旋トンネルTsをスムーズに掘削することができる。
【0052】
[実施例5]
上記各実施例1〜4では、シールド本体11を螺旋軸を中心とする円弧状に形成した。ところで、図8(a)〜(f)に示すような非円形断面では、特に内外周部に湾曲面を有している胴部は、円弧状に加工することがきわめて難しく、製作工程が複雑となり、製作期間も長く必要で、製作コストが嵩むという問題がある。このため、この実施例5では、軸方向に同一断面形状である直状断面に形成した複数の分割胴部を使用し、これら分割胴部を、螺旋軸を中心とする掘削トンネルの内外周線MSi,MSoに内接するように、所定角度折り曲げて接合形成して、シールド本体81を製作している。
【0053】
すなわち、図16に示すように、正方形断面のシールド本体81では、前胴82と後胴83とを、螺旋軸Osを中心とする掘削トンネルの円弧線(内外周線)MSi,MSoに内接するように、前中央横断面FCPおよび後中央横断面RCPでそれぞれ所定の折り曲げ角γで折り曲げて形成している。なお、掘削装置やエレクタ装置などの内部機構は説明を省略する。
【0054】
製作に際しては、前胴82と後胴83の上下面は、それぞれ1枚の平板状の上下面プレート82U,82D,83U,83Dにより形成され、また内外周面は、それぞれ前後に2分割された平板状の分割内外周面プレート82If,82Ir、82Of,82Or、83If,83Ir、83Of,83Orを、所定の折り曲げ角γで折り曲げた状態で溶接接合して形成される。さらに中央部で折り曲げられたこれら前胴82と後胴83とが、連結部31で、先の実施例と同様に捻り角βだけ捻って連結固定される。
【0055】
上記構成によれば、円弧状に湾曲した前胴および後胴を製作するのに比較して、直状断面の分割胴部82f,82r、83f,83rを内外周線MSi,MSoに内接するように折り曲げた状態で前胴82と後胴83を製作するので、容易に製作することができ、製作コストおよび製作時間を削減することができる。
【0056】
(実施例5の第1〜第3変形例)
この連結部31に、実施例3における第1連結構造の増径面部66Fと削除面部67Fを前胴82に設けたものを図17(a)に示し、第2連結構造の増径面部66Rと削除面部37Rを後胴83に設けたものを図17(a)に示し、第3連結構造の削除面部67F,67Rを前胴82と後胴83設けたものを図17(a)に示す。これら第1〜第3変形例によれば、上記作用効果に加えて、連結部31に突出部がなくなり、掘進抵抗を軽減することができる。
【0057】
[実施例6]
実施例6では、まゆ形断面の螺旋トンネルを掘削するシールド掘進機の実施例6を、図18,図19を参照して説明する。掘削装置やエレクタ装置などの内部機構は説明を省略する。
【0058】
まゆ形断面のシールド本体91は、前胴92と後胴93とを、螺旋軸Osを中心とする掘削トンネルの円弧線(内外周線)MSi,MSoに内接するように、前中央横断面FCPおよび後中央横断面RCPでそれぞれ所定の折り曲げ角γで折り曲げて形成している。
【0059】
前胴82は、まゆ形の直状断面の分割前胴92f,92rを、内外周線MSi,MSoに内接するように、所定の折り曲げ角γで溶接接合して形成している。また後胴93も同様に、まゆ形の直状断面の分割後胴93f,93rを、掘削トンネルの円弧線(内外周線)MSi,MSoに内接するように所定の折り曲げ角γで溶接接合して形成している。
【0060】
すなわち、まゆ形で直状断面の筒体により、所定寸法および形状の分割前胴92f,92rおよび分割後胴93f,93rをそれぞれ形成し、前後の分割前胴92f,92rおよび分割後胴93f,93rをそれぞれ折り曲げ角γで溶接接合して前胴92と後胴93を形成する。そして前胴92と後胴93を連結部74で、所定の捻り角βで捻って連結固定しシールド本体91を形成している。
【0061】
図18(a)(b)は、シールド本体91の連結部31に、実施例4の部分削除面部77または全周削除面部78をそれぞれ形成したものである。
上記構成によれば、円弧状に製作するのが困難なまゆ形断面のシールド本体91であっても、掘削トンネルに内接するようにまゆ形直状断面の分割前胴92f,92rおよび分割後胴93f,93rを折り曲げて接合することにより前胴92と後胴93を形成し、連結部31で捻り角βだけ捻って連結固定することにより、まゆ形断面の螺旋トンネルを正立姿勢でスムーズに掘削することができる。また前胴92および後胴93を容易に製作することができ、製作コストおよび製作期間を削減することができる。
【0062】
また、連結部31に部分削除面部77または全周削除面部78を形成することにより、前胴92と後胴93の外面を連続させることができ、掘進抵抗を減少させて螺旋トンネルTsをスムーズに掘削することができる。
【0063】
なお、上記実施例5および6では、各胴部について、折れ曲がり箇所を1箇所としているが、2箇所以上であってもよい。
【符号の説明】
【0064】
Ts 螺旋トンネル
Os 螺旋軸
O シールド軸心(掘削機軸心)
S 螺旋経路
β 捻り角
R 半径
α 勾配
θ 占有角
FCP 前胴中央断面
RCP 後胴中央断面
MSi 内周線
MSo 外周線
11 シールド本体
12 前胴
13 後胴
14 水平区画板
15 垂直区画板
16 掘削室
17 掘削装置
18 集荷排土コンベヤ
19 合流排土コンベヤ
22 推進ジャッキ
23 セグメント
31 連結部
21 エレクタ装置
32 前フランジ板
33 後フランジ板
34 連結ボルト
41 シールド本体
42 前胴
43 中胴
44 後胴
51〜55 シールド本体
51f〜55f 前胴
51r〜55r 後胴
64 前胴拡張部
65 後胴拡張部
66F,66R 増径面部
67F,67R 削除面部
71 シールド本体
72 前胴
73 後胴
74F 前胴連結端面
74R 後胴連結端面
75 前胴拡張部
76 後胴拡張部
77 部分削除面部
78 全周削除面部
81 シールド本体
82 前胴
83 後胴
82U,83U 上面プレート
82D,83D 下面プレート
82If,82Ir、83If,83Ir 分割内周面プレート
82Of,82Or、83Of,83Or 分割外周面プレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
螺旋軸を中心として所定の勾配の螺旋経路に沿って、非円形断面の螺旋トンネルを掘削する螺旋トンネル掘削用シールド掘進機であって、
前部に掘削装置を有し、後部に螺旋トンネルに沿って覆工体を組み立てるエレクタ装置を有するシールド本体を、螺旋軸を中心とする円弧状に形成するとともに、前後に複数に分割された複数の胴部により構成し、
互いに隣接される後方の胴部に対して前方の胴部を、掘進方向に向かって左右一方に旋回して螺旋トンネルを掘削する場合に、左右他方に所定の捻り角で捻って連結固定することにより、前端の胴部の前端面と後端の胴部の後端面とをそれぞれ螺旋経路上の螺旋トンネル断面に略合致させる
ことを特徴とする螺旋トンネル掘削用シールド掘進機。
【請求項2】
螺旋軸を中心として所定の勾配の螺旋経路に沿って、非円形断面の螺旋トンネルを掘削する螺旋トンネル掘削用シールド掘進機であって、
前部に掘削装置を有し、後部に螺旋トンネルに沿って覆工体を組み立てるエレクタ装置を有するシールド本体を、前後に複数に分割された複数の胴部により構成するとともに、当該各胴部を、螺旋トンネルに内接するように中間部で折り曲げられた複数の直状断面の分割胴部により形成し、
互いに隣接される後方の胴部に対して前方の胴部を、掘進方向に向かって左右一方に旋回して螺旋トンネルを掘削する場合に、左右他方に所定の捻り角で捻って連結固定することにより、前端の胴部の前端面と後端の胴部の後端面とをそれぞれ螺旋経路上の螺旋トンネル断面に略合致させる
ことを特徴とする螺旋トンネル掘削用シールド掘進機。
【請求項3】
前後に3個以上に分割された複数の胴部からなるシールド本体における連結部の捻り角は、連結部の前後の胴部の合計の周長または螺旋軸を中心とする占有角の比率により設定され、ここで周長は、端部の胴部は全周長、中間の胴部は周長の1/2、また占有角は、端部の胴部は全占有角、中間の胴部は占有角の1/2とした
ことを特徴とする請求項1または2記載の螺旋トンネル掘削用シールド掘進機。
【請求項4】
連結部に、前側胴部の連結端面と後側胴部の連結端面との合致部分からはみ出す胴部拡張部が形成され、
前側胴部と後側胴部の連結部側の外面に、前記胴部拡張部を削除する削除面部および前記胴部拡張部に連続する増径面部の少なくとも一方を設けた
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の螺旋トンネル掘削用シールド掘進機。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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