血小板グリコプロテインVIの核酸調節因子
本発明は、血小板機能を制御する血小板グリコプロテインGPVIの活性と相互に作用することができ、かつ、その活性を調節することができる核酸リガンドに基づいて血小板の生物学的現象を調節するための薬理学系に全般的に関する。核酸リガンドの活性を抑制する調節因子を使用してこの薬理効果を無効化し、それによって、コラーゲン結合、血小板付着、コラーゲンによって誘導される血小板活性化、及び、コラーゲンによって誘導される血小板凝集を含むGPVIの機能を回復させることによって、これらの核酸リガンドは活性的に可逆である。さらに、本発明は、核酸リガンド、リガンド及び調節因子を含む組成物、核酸リガンド及びその調節因子を生成する方法のみならず、医学治療的及び診断処置においてこれらの物質及び組成物を使用する方法にも関する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の単離された核酸配列を含むGPVIリガンドであって、
前記GPVIリガンドは、グリコプロテインVI(GPVI)に結合するものであり、
前記GPVIリガンドは、5’から3’の方向に、第1の軸部、第1の環、第2の軸部、第2の環、第3の環、第3の軸部、及び、第4の環を含む二次構造を含み、
前記第4の環がUAAを含むことを特徴とするGPVIリガンド。
【請求項2】
前記第2の環がスペーサで置換されたことを特徴とする請求項1のGPVIリガンド。
【請求項3】
前記第1の核酸が少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを含むことを特徴とする請求項1又は2のGPVIリガンド。
【請求項4】
前記GPVIリガンドが担体に接合したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項のGPVIリガンド。
【請求項5】
前記担体が親水性部位であることを特徴とする請求項4のGPVIリガンド。
【請求項6】
前記親水性部位がポリエチレングリコール(PEG)分子であることを特徴とする請求項5のGPVIリガンド。
【請求項7】
前記GPVIリガンドが修飾されたホスフェート骨格を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項のGPVIリガンド。
【請求項8】
前記GPVIリガンドが配列番号69の配列を含み、
配列番号69の位置11の2’O−メチルGと、位置12の2’O−メチルCとの間にスペーサが組み込まれていることを特徴とする請求項1のGPVIリガンド。
【請求項9】
前記GPVIリガンドが修飾されたホスフェート骨格を含むことを特徴とする請求項8のGPVIリガンド。
【請求項10】
前記GPVIリガンドがポリエチレングリコール部位をさらに含むことを特徴とする請求項8又は9のGPVIリガンド。
【請求項11】
前記GPVIリガンドが、RB569、RB570及びRB571からなる群より選択されることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項のGPVIリガンド。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項の前記GPVIリガンドを含むことを特徴とする医薬品組成物。
【請求項13】
GPVIリガンドに特異的に結合する調節因子であって、
前記調節因子は第2の核酸配列を含み、
前記GPVIリガンドはグリコプロテインVI(GPVI)に結合するものであり、
前記GPVIリガンドは、5’から3’の方向に、第1の軸部、第1の環、第2軸部、第2の環、第3の環、第3の軸部及び第4の環を含む二次構造を含む第1核酸配列を含み、
前記第4の環がUAAを含むことを特徴とする調節因子。
【請求項14】
前記第2の核酸配列が約10個〜約50個のヌクレオチドからなることを特徴とする請求項13の調節因子。
【請求項15】
請求項13又は14の調節因子を含むことを特徴とする医薬品組成物。
【請求項16】
配列番号84の配列を含むことを特徴とする調節因子。
【請求項17】
前記調節因子がRB515であることを特徴とする請求項16の調節因子。
【請求項18】
請求項13〜17のいずれか1項の調節因子を含むことを特徴とする医薬品組成物。
【請求項19】
血小板を介してもたらされる病気を治療するための治療的有効量のGPVIリガンドの使用であって、必要性のある接種者に治療的有効量のGPVIリガンドを投与するステップを含むことを特徴とする使用。
【請求項20】
前記血小板を介してもたらされる障害は、血管障害、脳血管障害、血小板を介してもたらされる炎症性障害、糖尿病関連障害、又は、癌からなる群より選択されることを特徴とする請求項19の使用。
【請求項21】
前記血管障害は、急性冠動脈症候群、血栓症、血栓塞栓症、末梢血管疾患及び一過性脳乏血発作からなる群より選択されることを特徴とする請求項20の使用。
【請求項22】
前記脳血管障害は、一過性脳乏血発作、虚血性脳血管障害及び塞栓症からなる群より選択されることを特徴とする請求項20の使用。
【請求項23】
前記血小板を介してもたらされる炎症性障害は、関節炎、慢性関節リウマチ、乾癬性関節炎、反応性関節炎、炎症性腸疾患、強直性脊椎炎及び強皮症からなる群より選択されることを特徴とする請求項20の使用。
【請求項24】
前記糖尿病関連障害は、糖尿病性網膜症、糖尿病性の血管症、アテローム性動脈硬化、虚血性脳血管障害、末梢血管疾患、急性腎損傷及び慢性腎不全からなる群より選択されることを特徴とする請求項20の使用。
【請求項25】
前記癌が、肺癌、乳癌、前立腺癌、膵癌、脳腫瘍、骨癌及び肝臓癌からなる群より選択されることを特徴とする請求項20の使用。
【請求項26】
必要性がある接種者における血小板機能を調節するのためのGPVIリガンドの使用であって、有効量のGPVIリガンドを接種者に投与するステップを含むことを特徴とする使用。
【請求項27】
前記接種者は心臓治療を受けていることを特徴とする請求項26の使用。
【請求項28】
接種者に調節因子を投与するステップをさらに含み、
前記調節因子がGPVIリガンドに特異的に結合するものであることを特徴とする請求項19〜27のいずれか1項の使用。
【請求項1】
第1の単離された核酸配列を含むGPVIリガンドであって、
前記GPVIリガンドは、グリコプロテインVI(GPVI)に結合するものであり、
前記GPVIリガンドは、5’から3’の方向に、第1の軸部、第1の環、第2の軸部、第2の環、第3の環、第3の軸部、及び、第4の環を含む二次構造を含み、
前記第4の環がUAAを含むことを特徴とするGPVIリガンド。
【請求項2】
前記第2の環がスペーサで置換されたことを特徴とする請求項1のGPVIリガンド。
【請求項3】
前記第1の核酸が少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを含むことを特徴とする請求項1又は2のGPVIリガンド。
【請求項4】
前記GPVIリガンドが担体に接合したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項のGPVIリガンド。
【請求項5】
前記担体が親水性部位であることを特徴とする請求項4のGPVIリガンド。
【請求項6】
前記親水性部位がポリエチレングリコール(PEG)分子であることを特徴とする請求項5のGPVIリガンド。
【請求項7】
前記GPVIリガンドが修飾されたホスフェート骨格を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項のGPVIリガンド。
【請求項8】
前記GPVIリガンドが配列番号69の配列を含み、
配列番号69の位置11の2’O−メチルGと、位置12の2’O−メチルCとの間にスペーサが組み込まれていることを特徴とする請求項1のGPVIリガンド。
【請求項9】
前記GPVIリガンドが修飾されたホスフェート骨格を含むことを特徴とする請求項8のGPVIリガンド。
【請求項10】
前記GPVIリガンドがポリエチレングリコール部位をさらに含むことを特徴とする請求項8又は9のGPVIリガンド。
【請求項11】
前記GPVIリガンドが、RB569、RB570及びRB571からなる群より選択されることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項のGPVIリガンド。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項の前記GPVIリガンドを含むことを特徴とする医薬品組成物。
【請求項13】
GPVIリガンドに特異的に結合する調節因子であって、
前記調節因子は第2の核酸配列を含み、
前記GPVIリガンドはグリコプロテインVI(GPVI)に結合するものであり、
前記GPVIリガンドは、5’から3’の方向に、第1の軸部、第1の環、第2軸部、第2の環、第3の環、第3の軸部及び第4の環を含む二次構造を含む第1核酸配列を含み、
前記第4の環がUAAを含むことを特徴とする調節因子。
【請求項14】
前記第2の核酸配列が約10個〜約50個のヌクレオチドからなることを特徴とする請求項13の調節因子。
【請求項15】
請求項13又は14の調節因子を含むことを特徴とする医薬品組成物。
【請求項16】
配列番号84の配列を含むことを特徴とする調節因子。
【請求項17】
前記調節因子がRB515であることを特徴とする請求項16の調節因子。
【請求項18】
請求項13〜17のいずれか1項の調節因子を含むことを特徴とする医薬品組成物。
【請求項19】
血小板を介してもたらされる病気を治療するための治療的有効量のGPVIリガンドの使用であって、必要性のある接種者に治療的有効量のGPVIリガンドを投与するステップを含むことを特徴とする使用。
【請求項20】
前記血小板を介してもたらされる障害は、血管障害、脳血管障害、血小板を介してもたらされる炎症性障害、糖尿病関連障害、又は、癌からなる群より選択されることを特徴とする請求項19の使用。
【請求項21】
前記血管障害は、急性冠動脈症候群、血栓症、血栓塞栓症、末梢血管疾患及び一過性脳乏血発作からなる群より選択されることを特徴とする請求項20の使用。
【請求項22】
前記脳血管障害は、一過性脳乏血発作、虚血性脳血管障害及び塞栓症からなる群より選択されることを特徴とする請求項20の使用。
【請求項23】
前記血小板を介してもたらされる炎症性障害は、関節炎、慢性関節リウマチ、乾癬性関節炎、反応性関節炎、炎症性腸疾患、強直性脊椎炎及び強皮症からなる群より選択されることを特徴とする請求項20の使用。
【請求項24】
前記糖尿病関連障害は、糖尿病性網膜症、糖尿病性の血管症、アテローム性動脈硬化、虚血性脳血管障害、末梢血管疾患、急性腎損傷及び慢性腎不全からなる群より選択されることを特徴とする請求項20の使用。
【請求項25】
前記癌が、肺癌、乳癌、前立腺癌、膵癌、脳腫瘍、骨癌及び肝臓癌からなる群より選択されることを特徴とする請求項20の使用。
【請求項26】
必要性がある接種者における血小板機能を調節するのためのGPVIリガンドの使用であって、有効量のGPVIリガンドを接種者に投与するステップを含むことを特徴とする使用。
【請求項27】
前記接種者は心臓治療を受けていることを特徴とする請求項26の使用。
【請求項28】
接種者に調節因子を投与するステップをさらに含み、
前記調節因子がGPVIリガンドに特異的に結合するものであることを特徴とする請求項19〜27のいずれか1項の使用。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公表番号】特表2012−528597(P2012−528597A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514147(P2012−514147)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/037319
【国際公開番号】WO2010/141771
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(511295380)レガド・バイオサイエンシズ・インク (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/037319
【国際公開番号】WO2010/141771
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(511295380)レガド・バイオサイエンシズ・インク (1)
【Fターム(参考)】
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