説明

血液処理装置のためのチューブセット及びチューブセットを有する血液処理装置

本発明は、血液処理装置、特に体外血液回路を有する体外血液処理装置、もしくは腹膜透析のための装置のためのチューブセットに関わる。更に、本発明は、このようなチューブセットを有する血液処理装置に関わる。前記チューブセット(1)は、咬合ホースポンプ中に配置されるチューブ部分(3C)の下流に位置する前記チューブセットのチューブライン(3)のチューブライン部分(3D)に設けられている、粒子を集めるための装置(6)によって区別される。この粒子を集めるための装置は、透析流体、代用液、もしくは腹膜の溶液中に含まれ得る固形の物質の保持を防ぐ。また、前記チューブセットは、前記咬合ホースポンプ中に配置されるチューブ部分(3C)と前記粒子を集めるための装置との間に位置するホースライン部分(3E)中の圧力を制限するための装置(8)を有している。前記圧力を制限するための装置は、前記粒子を集めるための装置を通る流体の流れが減じられるか遮断された時に、超過圧力が前記チューブライン中に生じることを防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液処理のための装置、特に体外血液回路を有する体外血液処理のための装置、もしくは腹膜透析(peritoneal dialysis)のための装置のためのホースセットに関わる。更に、本発明は、このようなホースセットを有する血液処理、特に体外血液処理のための装置、もしくは腹膜透析のための装置に関わる。
【背景技術】
【0002】
体外血液処理のための種々の方法が知られている。体外血液処理では、患者の血液が、交換ユニット、例えば透析装置即ちフィルタを有する体外血液回路で浄化される。透析装置即ちフィルタは、半透膜によって分けられている血液チャンバと透析流体チャンバとを有している。狭い意味での血液透析では、血液は、透析装置の前記血液チャンバを通って流れ、透析流体は、前記透析流体チャンバを通って流れる。血液濾過では、患者から取り出された流体が、透析装置即ちフィルタの半透膜を介して、無菌の代用流体(代用液(substituate))によって完全にもしくは部分的に取り替えられる。このことは、透析装置の上流もしくは下流で可能である。また、血液透析と血液濾過とは、一体に組み合わされて血液透析濾過と称され得る。このような変形例は、以下では、広い意味で血液透析と称される。
【0003】
血液透析以外に、腹膜透析もまた、知られている。腹膜透析では、腹膜の溶液(a peritoneal solution)が、患者の腹膜空間に供給されて、挿入された腹膜のカテーテルを介して、腹膜空間から運び出される。腹膜透析では、血液処理が、腹膜空間を介して行われる。
【0004】
血液透析では、透析流体が、中央の供給ユニットによって利用可能にされ得る。代用液が、新しい水と濃縮物とから、もしくは透析流体から得られ得る。緊急の血液透析の場合には、バッグの中で利用可能にされている透析流体と代用液とを使用することが、知られている。透析流体と代用液とを利用可能にするために、透析流体もしくは代用液の準備のために種々の構成成分が充填されているマルチチャンババッグが、知られている。通例、個々の構成成分は、処理の直前でのみ、完成した流体の準備のために一緒に混ぜられる。
【0005】
透析流体もしくは代用液の準備のための周知の溶液バッグは、2つの分かれたチャンバを有しており、これらチャンバのうちの一方のチャンバには、アルカリ性の溶液として重炭酸塩が充填されており、もう一方のチャンバには、カルシウムと電解液との酸性の溶液が、充填されている。外側のパッケージによって覆われているダブルチャンバのバッグの2つのチャンバは、分離可能なシーム(seam)によって分けられている。前記外側のパッケージからバッグを取り外してシームを分離した後に、前記2種類の溶液が、ほぼ生理学的なpH値を有する中性のpH値の透析流体もしくは代用液を形成するように、混ぜられる。実施形態によっては、主要なパッケージ及び/もしくは外側のパッケージに、ガスバリアが、一体化されている。このガスバリアは、重炭酸塩の溶液からのCOの放出と、この結果としての前記pH値の高い値へのシフトとを防ぐ。適切でない保管と取り扱いとの結果として、前記パッケージへのダメージが生じ、この結果、重炭酸塩の溶液のpH値は、高い値にシフトされる。このような溶液では、用意された透析流体もしくは代用液中の炭酸カルシウムの沈殿が、固形の成分として生じ得る。そして、このような粒子の侵入が、患者の脅威となる。
【0006】
また、沈殿する固形の成分の侵入の問題は、腹膜透析によって生じる。腹膜透析では、腹膜の溶液が、処理の直前でのみ混ぜられる構成成分を収容しているマルチチャンババッグ中で利用可能にされる。腹膜の溶液は、基本的にグルコース含有量によって、透析流体とは異なる。この場合でも、パッケージの適切でない保管もしくはパッケージへのダメージが、患者の腹膜空間に入り得る固形の成分としての炭酸カルシウムの沈殿をもたらし得る。他の溶解されていない物質もしくは成分、例えばブレークオフ・コーン(break-off cones)の破片が、腹膜溶液中に含まれ得る。
【0007】
周知の血液処理装置は、1回限りの使用のための複数のホースラインを有している。このようなホースラインは、セットとして提供される。前記ホースラインは、咬合ポンプ(オクルーディングポンプ、occluding pumps)、特にローラポンプ中に挿入される。咬合ポンプは、以下では、非咬合ポンプ、例えば遠心ポンプを含むポンプシステムも意味することが理解される。このようなポンプシステムは、上流及び/もしくは下流弁を有しており、このような弁は、1つもしくは複数の弁と非咬合ポンプとのシステムが咬合ポンプのように機能するように、制御によって駆動される。
【0008】
新しい透析流体と使用された透析流体とのバランスを保つためのバランス装置が、血液処理で知られている。バランス装置は、中で新しい透析流体が利用可能にされており且つ使用された透析流体が受けられるバッグの重量を量ることが、知られている。従って、このようなバランス装置は、溶液バッグのためのはかりを有する。
【0009】
特許文献1は、外科用器具に繋がっているホースラインが接続されている流体を収容するためのバッグを有する医療装置を開示している。このような流体は、バッグから、咬合ホースポンプによって搬送される。また、このようなホースセットは、ポンプ中に挿入されるホースラインのホースセクションを迂回するバイパスラインを有している。このバイパスラインには、前記ホースセットの圧力を一定のレベルに制限する逆止め弁が設けられている。また、圧力制限のためのバイパスラインを有する注入ライン(an infusion line)が、特許文献2によって知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】US-A-5,605,545
【特許文献2】US-A-4,391,599
【発明の概要】
【0011】
本発明の基礎となる課題は、患者にとって安全な血液処理装置の動作を可能にする、血液処理装置、特に対外血液処理装置、もしくは腹膜透析ための装置のためのホースセットを提供することである。更に、本発明の課題は、患者により高い安全性を与える血液処理装置、特に体外血液処理装置、もしくは腹膜透析のための装置を提供することである。
【0012】
本発明に従えば、このような課題の解決が、請求項1及び請求項10の特徴によって果たされる。本発明の有効な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0013】
血液処理装置、特に体外血液処理装置、もしくは腹膜透析のための装置のための本発明に係るホースセットは、咬合ホースポンプ中に挿入されるホースセクションの下流に位置するホースセットのホースラインのホースセクションに設けられている、粒子を捕らえるための装置によって特徴づけられている。前記粒子を捕らえるための装置は、沈殿され得る物質が、透析流体、もしくは代用液、もしくは腹膜の溶液中に保持されることを防ぐ。この点に関して、本発明に係るホースセットは、緊急の血液透析のための装置中での使用に対して特に有効である。緊急の血液透析のための装置では、透析流体もしくは代用液の準備のために必要な構成成分が、マルチチャンババッグ中で利用可能にされている。このマルチチャンババッグの外側のパッケージは、不適切な保管もしくは取り扱いの結果として、ダメージを受ける可能性がある。
【0014】
また、本発明に係るホースセットは、粒子を捕らえるための装置以外に、咬合ホースポンプ中に挿入されるホースセクションと粒子を捕らえるための装置との間に位置するホースセクションの圧力を制限するための装置を有している。超過圧力を制限するための装置は、粒子を捕らえるための装置によって流体の流れが減じられるか遮断された場合に、超過圧力が前記ホースライン中に生じることを防ぐ。
【0015】
また、本発明に係るホースセットが緊急の血液透析のための周知の装置に使用される場合、ホースセットは、場合によっては、このホースセットによって搬送される流体を加熱するために使用されるホースセクションを含み得る。流体を加熱するために使用されるこのホースセクションは、加熱バッグとして構成され得る。加熱は、通例、溶液の温度を体温に近づけるために行われる。前記加熱のためのホースセクションは、前記咬合ホースポンプの上流もしくは下流に配置され得る。前記加熱のためのホースセクションは、好ましくは前記咬合ホースポンプの上流に配置される。前記超過圧力を制限するための装置は、前記咬合ホースポンプの下流のホースセットの一部が、前記咬合ホースポンプの動作中に破裂するのを防ぐ。かくして、それでも前記加熱バッグが前記咬合ホースポンプの下流に配置される場合でも、前記ホースセットは、過度に高い超過圧力によってこのように破裂し得ない。
【0016】
前記咬合ホースポンプ中に挿入されるホースセクションの下流に位置し且つ前記粒子を捕らえるための装置の上流に位置するホースセクション中で、所定の最大超過圧力を超えると、前記超過圧力を制限するための装置は、前記咬合ホースポンプ中に挿入されるホースセクションの下流に位置するホースセクションと、前記咬合ホースポンプ中に挿入されるホースセクションの上流に位置するホースセクションとの間で、流体接続を形成する。前記所定の最大超過圧力を超えると、バイパスラインが、かくして形成され、このバイパスラインを通って、流体が、前記咬合ホースポンプの動作中に循環し得る。前記所定の最大超過圧力を下回ると、流体が前記咬合ホースポンプによって搬送され得るように、前記流体接続は、遮断される。
【0017】
好ましい実施形態では、前記超過圧力を制限するための装置は、プレストレスを与えた逆止め弁を有している。この逆止め弁は、前記所定の最大超過圧力を超えた場合に、前記咬合ホースポンプ中に挿入されるホースセクションの下流のホースセクションから、前記咬合ホースポンプ中に挿入されるホースセクションの上流のホースセクションへの流体の流れの方向に、開かれる。前記所定の最大超過圧力を下回ると、前記逆止め弁は、閉じられる。前記逆止め弁は、前記咬合ホースポンプ中に挿入されるホースセクションのすぐ上流及び下流のホースラインから分岐しているホース部分に接続され得る。
【0018】
他の実施形態では、前記超過圧力を制限するための装置は、電磁気、もしくは液圧、もしくは空圧駆動の弁を有しており、この弁は、粒子を捕らえるための装置によって高められた流れ抵抗による異常を検出するための装置と協動する制御ユニットによって、駆動され得る。前記制御ユニットは、異常が検出された場合に前記弁が開かれ、異常が検出されない場合に前記弁が閉じられるように、構成されている。また、前記電磁気、もしくは液圧、もしくは空圧駆動の弁は、前記ホースラインから分岐しているホース部分に接続され得る。
【0019】
前記粒子を捕らえるための装置は、好ましくは、0.1μm乃至100μm、好ましくは0.2μm乃至50μm、特に好ましくは0.2μm乃至20μmの孔径を有する粒子フィルタである。このような粒子フィルタは、従来技術に属している。前記粒子フィルタは、前記ホースラインの複数のホースセクションに固定して接続されているか、対応する接続部品によって、複数のホースセクションに接続され得る。
【0020】
本発明に係るホースセットは、体外血液処理のための透析流体もしくは代用液を利用可能にするための、あるいは、腹膜透析のための腹膜の溶液を利用可能にするためのバッグと一緒に使用される。このバッグは、適切な接続部品によって前記ホースラインに接続され得る。しかしながら、前記バッグと前記ホースラインとは、互いに予め固定されることも可能である。
【0021】
透析流体、代用液、もしくは腹膜の溶液を利用可能にするためのバッグは、好ましくはマルチチャンババッグであり、このバッグの複数のチャンバには、それぞれの流体の準備のための種々の構成成分が充填されている。特に、前記バッグは、ダブルチャンババッグであり、このバッグの2つのチャンバは、分離可能なシームによって互いに離間されている。
【0022】
本発明に係るホースセットが体外血液処理のために使用される場合、前記ホースセットは、透析流体を搬送するために使用され得、前記ホースラインは、透析流体ポンプ中に挿入される。しかしながら、体外血液処理では、本発明に係るホースセットが代用液を搬送するために使用されることも可能であり、前記ホースラインは、代用液ポンプ中に挿入される。前記ホースセットが腹膜透析のために使用される場合には、前記ホースセットのホースラインは、腹膜の溶液を搬送するために咬合ホースポンプ中に挿入される。
【0023】
体外血液処理のための装置もしくは腹膜透析のための装置であり得る血液処理装置の好ましい実施形態は、前記粒子を捕らえるための装置によって減じられたあるいは遮断された流体の流れによる動作の異常の検出のための装置を提供する。特に好ましい実施形態では、前記異常を検出するための装置は、アラームユニットと協動する。このアラームユニットは、前記ホースラインの過度に高い超過圧力を防ぐために、前記咬合ポンプの動作中に流体がバイパスラインのみで循環しているということを使用者に知らせるように、光学、及び/もしくは音響、及び/もしくは触知可能アラームを発信する。
【0024】
第1の好ましい実施形態では、前記異常を検出するための装置は、評価ユニットと圧力変換器とを有しており、この圧力変換器は、前記咬合ホースポンプ中に挿入されるホースセクションと前記粒子を捕らえるための装置との間に位置するホースセクションの圧力を測定する。前記評価ユニットは、前記圧力変換器によって測定された圧力が、所定の最大超過圧力と比較されるように構成されている。前記所定の最大超過圧力を超えると、前記評価ユニットは、異常を検出する。そして、前記バイパスラインにある電磁気もしくは空圧駆動の弁が、流体が前記咬合ポンプの動作中に循環し得るように、開かれる。
【0025】
異常を検出するための装置の他の実施形態は、評価ユニットと、透析流体、代用液、もしくは腹膜の溶液を収容するためのバッグの重量を量るための装置とを提供する。このような重量を量るための装置は、いかなる場合も、流体のバランスを保つために、周知の血液処理装置中に設けられている。前記評価ユニットは、所定の時間間隔内での前記バッグの重量の減少が、所定の閾値と比較されるように、構成されている。前記所定の閾値は、流体が所望の吐出速度で運ばれる場合に生じるバッグの重量の減少に対応する。前記粒子を捕らえるための装置によって流体の流れが減じられるか遮断されると、即ち、前記粒子フィルタが部分的にもしくは完全に詰まると、前記重量の減少が、前記所定の閾値を下回る。そして、前記評価ユニットは、異常を検出する。
【0026】
本発明の実施形態の例が、図面を参照して以下により詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、血液処理装置のための本発明に係るホースセットの実施形態の例を示す概略図である。
【図2】図2は、本発明に係るホースセットを有する体外血液処理のための本発明に係る装置の実施形態の例を示す非常に簡略化された概略図である。
【図3】図3は、本発明に係るホースセットを有する体外血液処理のための本発明に係る装置の第2の実施形態の例を示す非常に簡略化された概略図である。
【図4】図4は、本発明に係るホースセットを有する体外血液処理装置の更なる実施形態の例を示す非常に簡略化された概略図である。
【図5】図5は、本発明に係るホースセットを有する腹膜透析のための本発明に係る装置の実施形態の例を示す非常に簡略化された図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、本発明に係るホースセットの実施形態の例を概略図で示しており、このホースセットは、この実施形態の例では、緊急の血液透析のための装置に使用することを意図されている。ホースセット1は、ホースライン3中に透析流体もしくは代用液を準備するために必要な構成成分を利用可能にするためのバッグ2を有している。この実施形態の例では、前記バッグ2と前記ホースライン3とは、互いに固定して接続されている。しかしながら、前記バッグ2は、ホースセットの一部ではなく、前記バッグ2と前記ホースライン3とが適切なコネクタによって互いに接続され得ることも、可能である。
【0029】
前記バッグ2は、分離可能なシーム(seam)2Cによって互いに離間されている第1のチャンバ2Aと第2のチャンバ2Bとを有しているダブルチャンババッグである。バッグ2の前記第1のチャンバ2Aは、重炭酸塩を含む溶液を収容しており、前記第2のチャンバ2Bは、代表的に酸性の、カルシウムを含む溶液を収容している。これら両溶液は、シーム2Cの分離の後で、処理の直前でのみ一緒に混ぜられる。
【0030】
前記ホースライン3の一方の端部3Aが、前記バッグ2の出口2Dに接続されている。バッグ2のこの出口2Dは、閉鎖部分2Eによって閉じられており、処理の直前でのみ開かれる。前記ホースライン3のもう一方の端部3Bは、透析装置の透析流体チャンバの入口のところで、前記ホースライン3を対応した接続部品に、もしくはドリップチャンバに接続し得るように、接続部品4を有している。
【0031】
前記ホースライン3は、複数のホースセクションに分けられている。このホースライン3は、緊急の血液透析のための装置の咬合ホースポンプ(occluding hose pump)5中に、この実施形態の例では透析流体ポンプもしくは代用液ポンプ中に挿入され得るホースセクション3Cを、有している。体外血液処理装置の透析流体もしくは代用液ポンプは、図1の表示によってのみ示されている。
【0032】
粒子を捕らえるための装置6が、前記咬合ホースポンプ5中に挿入される前記ホースセクション3Cの下流に位置するホースラインのホースセクション3Dに、配置されている。この装置は、従来技術で知られているような粒子フィルタ6である。この粒子フィルタ6は、例えばポリカーボネートによって形成されているハウジング6Aを有している。このハウジング6A中には、0.1μm乃至100μm、好ましくは0.2μm乃至50μm、特に好ましくは0.2μm乃至20μmの孔径を有するフィルタ膜6Bが、配置されている。この膜は、ポリアミドによって形成され得る。フィルタの前記ハウジング6Aは、フィルタまで延びているホースセクションと、フィルタから離れる方向に延びているホースセクションとに固定して接続されている入口6C及び出口6Dを有している。
【0033】
図1の実施形態の例では、ホースセット1は、透析流体を患者の体温まで加熱するために使用される加熱バッグ7を有している。この加熱バッグ7は、前記バッグ2と、前記咬合ホースポンプ5中に挿入されるホースセクション3Cとの間に位置するホースセクション3Eに、好ましくは配置されている。しかしながら、前記加熱バッグ7は、前記咬合ホースポンプ5中に挿入されるホースセクション3Cの下流及び粒子フィルタ6の上流であるホースセクション3Fに配置されることも可能である。前記加熱バッグ7は、対応したホースセクションにそれぞれ固定して接続されている入口7A及び出口7Bを有している。透析流体もしくは代用液を人の体温まで加熱するために、前記加熱バッグ7は、緊急の血液透析のための装置の加熱装置(図示されていない)に設けられている。
【0034】
前記粒子フィルタ6は、完全には図示されていないパッキングシステムの不適切な保管もしくはこのパッキングシステムへのダメージの場合に沈殿され得る粒子を保持する。前記粒子フィルタ6が、この粒子フィルタ6の流れ抵抗が著しく強まるように部分的にもしくは完全に詰まると、超過圧力が、前記咬合ホースポンプ5の動作中に、この咬合ホースポンプ5と前記粒子フィルタ6との間にあるホースセクション3Fに生じ得る。従って、ホースセット1は、咬合ホースポンプ5と粒子フィルタ6との間の前記ホースセクション3Fに、超過圧力を制限するための装置8を有している。
【0035】
前記超過圧力を制限するための装置8は、バイパスライン9と、このバイパスライン9に配置されている逆止め弁10とを有している。このバイパスライン9は、2つのホース部分9A及び9Bを有している。一方のホース部分9Aは、前記咬合ホースポンプ5中に挿入されるホースセクション3Cの上流に位置するホースセクション3Eから分岐しており、前記逆止め弁10の一方の接続部10Aに接続されている。もう一方のホース部分9Bは、前記逆止め弁10のもう一方の接続部10Bに接続されており、咬合ホースポンプ5中に挿入されるホースセクション3Cと加熱バッグ7との間に位置するホースセクション3Gへと延びている。
【0036】
前記逆止め弁10は、好ましくは、ばね付勢の逆止めボール弁(non-return ball valve)である。この逆止めボール弁は、咬合ホースポンプ5の下流及び粒子フィルタ6の上流のホースセクション中で所定の最大超過圧力を超えた場合に、前記バッグ2の方向に開き、そうでない場合は閉じている。前記粒子フィルタ6が詰まった場合、前記逆止め弁10は、流体が前記咬合ホースポンプ5の動作中にバイパスライン9を通って循環するように、開く。このことによって、ポンプの動作中に、超過圧力が更に高まることが防がれる。超過圧力が更に高まると、動作中の前記ポンプの下流の構成要素、特に前記粒子を捕らえるための装置の構成要素が、破壊する危険がある。
【0037】
本発明に係るホースセット1は、より明快にするために図示されていないが、透析流体もしくは代用液を収容するためのバッグ2及び加熱バッグ7以外に、更なる構成要素を有し得る。例えば、前記ホースセットは、更なる接続部品を有し得る。また、ドリップチャンバが、前記ホースセットが代用液を供給するために使用される場合に、前記ホースセットの構成部分であり得る。しかしながら、前記ホースセットは、体外血液回路のホースセットに設けられているドリップチャンバに接続されることも可能である。
【0038】
図2は、ホースセットを有する体外血液処理装置の主要な構成要素を示している。この実施形態の例では、緊急の血液透析のための装置に関わり、この装置は、透析流体及び/もしくは代用液がバッグ中で利用可能にされることによって区別される。緊急の血液透析装置は、従来技術に属しているので、図2は、非常に単純化された概略図にのみ、装置の主要な構成要素を示している。
【0039】
体外血液透析装置は、半透膜12によって血液チャンバ13と透析流体チャンバ14とに分けられている透析装置11を、交換ユニットとして有している。前記血液チャンバ13は、体外血液回路Iの一部であり、前記透析流体チャンバ14は、体外血液処理装置の流体システムIIの一部である。
【0040】
動脈血液ライン15は、患者から血液チャンバ13の入口13Aへと延びている。血液ポンプ32は、血液を搬送するために使用される。静脈血液ライン16は、血液チャンバ13の出口13Bから患者へと延びている。
【0041】
広い意味で緊急の血液透析のための装置の、この実施形態の例では、図1を参照して説明されているホースセットは、透析流体と代用液との両方を搬送するために、使用される。この理由のために、この処理方法は、より適切なことには、血液透析濾過と称され得る。従って、同じ参照符号が、ホースセット1に対して使用されている。透析流体を利用可能にするために、ホースセット1のバッグ2には、透析流体の準備のために必要な構成成分が充填されており、これに対して代用液の準備のために、前記バッグ2には、代用液の準備のために必要な構成成分が充填されている。代用液の準備のために必要な構成成分は、透析流体の準備のために必要な構成成分と基本的に同じ構成成分であり得る。この点に関して、両ホースセットは、この実施形態の例では、互いに異ならない。
【0042】
透析流体のためのホースセット1のホースライン3の自由端3Bが、透析装置11の透析流体チャンバ14の入口14Aに接続されており、代用液のためのホースセット1のホースライン3の自由端3Bが、静脈血液ライン16に接続されている。ホースライン3の前記自由端3Bは、動脈血液ライン15に接続されることも可能である。より明快にするために、対応した接続部品の表示が省かれている。同様に、ドリップチャンバが図示されていない。ホースライン3は、透析流体を搬送するための透析流体ポンプ17中に、並びに、代用液を搬送するための代用液ポンプ18中に、それぞれ挿入されている。前記透析流体ポンプ17と前記代用液ポンプ18とは、血液処理装置の構成要素である。
【0043】
両方の粒子フィルタ6が、沈殿され得る粒子を有効に保持する。前記2つの粒子フィルタ6の一方が詰まると、透析流体即ち血液透析液が、対応したホースラインの圧力が所定の最大閾値を超えないでバイパスライン9を通って循環し得るように、対応した逆止め弁10が開く。
【0044】
使用された透析流体は、ホースライン20を介して透析流体チャンバ14の出口14Bに接続されているバッグ19中に集められる。前記ホースライン20は、通例、透析流体チャンバ14の下流に配置されているホースローラポンプ33(廃液ポンプ)中に挿入されている。
【0045】
更に、体外血液処理装置は、バッグ2、19の重量を量るための装置を有している。この装置は、新しい透析流体及び代用液用のバッグ2のための共通のはかり(balance)21と、使用された透析流体用のバッグ19のためのはかり22とを有しており、これらはかり21、22の上に前記バッグが置かれている。しかしながら、前記新しい透析流体及び代用液のための共通のはかりの代わりに、別々のはかりが設けられることも、可能である。血液ポンプ32と、ホースローラポンプ33(廃液ポンプ)と、透析流体ポンプ17と、代用液ポンプ18とは、データライン21’、22’を介して前記はかり21、22の測定値を受信する中央の制御コンピュータユニット24によって、(図示されていない)制御ラインを介して駆動される。
【0046】
前記中央の制御コンピュータユニット24は、動作の異常の場合に、光学、及び/もしくは音響、及び/もしくは触知可能アラームを発信するアラームユニット26に、データライン25を介して接続されている。
【0047】
図3は、非常に単純化された概略図で、体外血液処理装置の第2の実施形態の例を示している。互いに対応する部分には、同じ参照符号が付されている。
【0048】
図3の体外血液処理装置は、透析流体のためのホースセット1を有しており、電磁気駆動の遮断部材10’が、逆止め弁10の代わりにバイパスライン9に設けられている。更に、図3の血液処理装置は、粒子フィルタ6によって減じられたもしくは遮断された流体の流れによる異常を検出するための装置と、前記電磁気駆動の遮断部材10’を駆動させるための制御ユニットとを有している。前記異常を検出するための装置は、評価ユニットと、透析流体用のバッグの重量を量るための装置とを有している。前記透析流体用のバッグの重量を量るための装置は、バッグ2の重量を量るためのはかり21である。評価ユニット24Aは、血液処理装置の中央の制御コンピュータユニット24の一部である。前記電磁気駆動の遮断部材10’は、制御ライン10’’を介して前記制御コンピュータユニット24に接続されている。血液処理の間に、中央の制御コンピュータユニット24の評価ユニット24Aは、中に透析流体があるバッグ2の重量の減少を監視する。所定の時間間隔での透析流体の重量の減少が、前記評価ユニットによって、所定の閾値と比較される。所定の閾値を下回ると、前記評価ユニットは、粒子フィルタ6に対する流体の流れが減じられているか遮断されて、ホースライン3中で過剰に高い超過圧力が透析流体ポンプ17の動作中に生じている、と判断する。このような異常が検出されると、前記制御コンピュータユニット24は、アラーム信号を発し、このアラーム信号は、データライン25を介して前記制御コンピュータユニット24に接続されているアラームユニット26によって受信される。そして、前記アラームユニット26は、光学、及び/もしくは音響、及び/もしくは触知可能アラームを発信する。同時に、前記制御コンピュータユニット24は、透析流体が循環し得るように、バイパスライン9で電磁気駆動の遮断部材10’を開く。前記所定の最大超過圧力を前記ホースラインで超えた場合に前記バイパスラインが開くように、単位時間当たりの重量の減少に対する所定の閾値が、選択されなければならない。
【0049】
図4は、体外血液処理装置の更なる実施形態の例を示している。この血液処理装置は、バッグ2の重量の減少ではなく、ホースセット1のホースライン3の圧力が測定されることによって、図3を参照して説明された血液処理装置と異なる。この場合も同様に、互いに対応する部分には、同じ参照符号が付されている。
【0050】
図4の血液処理装置では、咬合ホースポンプ5中に挿入されるホースセクション3Cと粒子フィルタ6との間に配置されている圧力変換器27が、透析流体用のホースセット1に設けられている。この圧力変換器27は、中央の制御コンピュータユニット24に、データライン27’を介して接続されている。所定の最大超過圧力を超える圧力が測定されると、異常が検出され、アラームが発信される。この実施形態の例では、粒子フィルタによって高められた流れ抵抗を検出するために、バッグ2の重量の減少が監視される必要が無い。
【0051】
図2乃至図4は、代用液用のホースセット1が電磁気もしくは空圧駆動の遮断部材10’ではなく逆止め弁10を有している、実施形態の例を示している。しかしながら、代用液用のホースセットは、中央の制御コンピュータユニット24によって駆動される、電磁気もしくは液圧もしくは空圧駆動の遮断部材を有することも可能である。
【0052】
図5は、図1を参照して説明されたホースセット1が使用される腹膜透析のための装置を、非常に簡略化された概略図で示している。しかしながら、腹膜透析で前記ホースセットを使用するために、バッグ2には、透析流体の準備のために必要な構成成分ではなく、腹膜の溶液に必要な構成成分が充填されている。しかしながら、この他の点では、これらホースセットは互いに異ならない。従って、この場合も同様に、互いに対応する部分には、同じ参照符号が付されている。前記腹膜透析のための装置は、本発明に係るホースセット1を有しており、ホースライン3の自由端3Bが、患者の腹膜空間中に腹膜の溶液を供給するために、あるいは、腹膜空間から溶液を運び出すために、ダブルルーメンの腹膜カテーテル28の第1のルーメンに接続されている。前記腹膜カテーテル28の第2のルーメンには、腹膜の溶液を集めるためのバッグ30に延びているホースライン29が、接続されている。前記ホースセットのホースライン3は、前記腹膜透析のための装置の咬合ホースポンプ31中に挿入されている。
【0053】
この場合も同様に、ホースセット1の粒子フィルタ6は、バッグ2のパッケージシステムの不適切な保管もしくはこのパッケージシステムへのダメージによって腹膜の溶液に含まれ得る沈殿した粒子を、保持する。ここでも、前記粒子フィルタが詰まった場合に、ホースポンプの動作中に所定の最大超過圧力を超えることが、防がれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液処理装置の咬合ホースポンプ中に挿入されるホースセクション(3C)を備えたホースライン(3)を具備する血液処理装置のためのホースセットにおいて、
粒子を捕らえるための装置(6)が、前記咬合ホースポンプ中に挿入されるホースセクションの下流のホースセクション(3D)に設けられており、
超過圧力を制限するための装置(8)が、設けられており、この超過圧力を制限するための装置(8)は、前記咬合ホースポンプ中に挿入されるホースセクション(3C)の下流及び前記粒子を捕らえるための装置(6)の上流に位置するホースセクション中で、所定の最大超過圧力を超えると、前記咬合ホースポンプ中に挿入されるホースセクションの下流に位置するホースセクション(3G)と、前記咬合ホースポンプ中に挿入されるホースセクションの上流に位置するホースセクション(3E)との間に、流体接続が形成され、前記所定の最大超過圧力を下回ると、前記流体接続が遮断されるように、構成されていることを特徴とするホースセット。
【請求項2】
前記超過圧力を制限するための装置(8)は、プレストレスを与えた逆止め弁(10)を有しており、このプレストレスを与えた逆止め弁(10)は、前記所定の最大超過圧力を超えると、前記咬合ホースポンプ中に挿入されるホースセクション(3C)の下流のホースセクションから、前記咬合ホースポンプ中に挿入されるホースセクションの上流のホースセクションへの流体の流れの方向に開かれ、前記所定の最大超過圧力を下回ると、閉じられることを特徴とする請求項1に記載のホースセット。
【請求項3】
一端が前記プレストレスを与えた逆止め弁(10)の一方の接続部(10B)に接続されている第1のホース部分(9B)が、前記咬合ホースポンプ中に挿入されるホースセクション(3C)の下流に位置する前記ホースセクション(3G)から分岐していることと、
一端が前記プレストレスを与えた逆止め弁(10)のもう一方の接続部(10A)に接続されている第2のホース部分(9A)が、前記咬合ホースポンプ中に挿入されるホースセクション(3C)の上流に位置するホースセクション(3E)から分岐していることとを特徴とする請求項2に記載のホースセット。
【請求項4】
前記超過圧力を制限するための装置(8)は、電磁気、液圧、もしくは空圧駆動の弁(10’)を有しており、この弁(10’)は、前記粒子を捕らえるための装置によって高められた流れ抵抗による異常を検出するための装置と協動する制御ユニットによって駆動され得、
前記制御ユニットは、異常が検出された場合に、前記咬合ホースポンプ中に挿入されるホースセクションの下流に位置する前記ホースセクションと、前記咬合ホースポンプ中に挿入されるホースセクションの上流に位置する前記ホースセクションとの間に接続が形成されるように、前記弁が開かれ、異常が検出されない場合に、前記弁が閉じられることを特徴とする請求項1に記載のホースセット。
【請求項5】
一端が前記電磁気、液圧、もしくは空圧駆動の弁(10’)の一方の接続部(10B)に接続されている第1のホース部分(9B)が、前記咬合ホースポンプ中に挿入されるホースセクション(3C)の下流に位置する前記ホースセクション(3G)から分岐していることと、
一端が前記電磁気、液圧、もしくは空圧駆動の弁(10’)の他方の接続部(10A)に接続されている第2のホース部分(9A)が、前記咬合ホースポンプ中に挿入されるホースセクション(3C)の上流に位置する前記ホースセクション(3E)から分岐していることとを特徴とする請求項4に記載のホースセット。
【請求項6】
前記粒子を捕らえるための装置は、0.1μm乃至100μm、好ましくは0.2μm乃至50μm、特に好ましくは0.2μm乃至20μmの孔径を有する粒子フィルタ(6)であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載のホースセット。
【請求項7】
このホースセット(1)は、前記ホースラインを通って流れる流体を加熱するためのバッグ(7)を具備することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載のホースセット。
【請求項8】
体外血液処理のための透析流体もしくは代用液、もしくは腹膜透析のための腹膜の溶液を利用可能にするためのバッグ(2)と、請求項1乃至7のいずれか1に記載のホースセット(1)とを備えた装置。
【請求項9】
前記透析流体、代用液、もしくは腹膜の溶液を利用可能にするためのバッグ(2)は、マルチチャンババッグであり、このバッグの複数のチャンバ(2A、2B)には、透析流体、代用液、もしくは腹膜の溶液の準備のための種々の構成成分が充填されていることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
請求項1乃至7のいずれか1に記載のホースラインを具備する、血液処理のための装置。
【請求項11】
この血液処理のための装置は、腹膜の溶液を供給するためのライン(3)と、腹膜の溶液を運び出すためのホースライン(29)とを備えた腹膜透析のための装置であることと、
請求項1乃至7のいずれか1に記載のホースセット(1)の前記ホースライン(3)は、腹膜の溶液を供給するためのラインであり、前記ホースセット(1)のこのホースライン(3)は、腹膜の溶液を搬送するために、腹膜透析のための装置の咬合ホースポンプ(31)中に挿入されていることとを特徴とする請求項10に記載の血液処理のための装置。
【請求項12】
前記ホースセット(1)の前記ホースライン(3)の一方の端部(3A)に、腹膜の溶液を利用可能にするためのバッグ(2)が接続されており、このバッグ(2)は、マルチチャンババッグであり、このバッグの複数のチャンバ(2A、2B)が、腹膜の溶液の準備のための種々の構成成分を収容していることを特徴とする請求項11に記載の血液処理のための装置。
【請求項13】
前記血液処理のための装置は、体外血液回路(I)の一部である第1のチャンバ(13)と、流体システム(II)の一部である第2のチャンバ(14)とを有する交換ユニット(11)を備えた体外血液処理のための装置であり、前記体外血液回路(I)は、前記交換ユニット(11)の第1のチャンバ(13)の入口(13A)へと延びている動脈血液ライン(15)と、前記交換ユニット(11)の第1のチャンバ(13)の出口(13B)から離れる方向に延びている静脈血液ライン(16)とを有することを特徴とする請求項10に記載の血液処理のための装置。
【請求項14】
前記ホースセット(1)の前記ホースライン(3)の一方の端部(3A)に、透析流体を利用可能にするためのバッグ(2)が接続されており、このバッグ(2)は、マルチチャンババッグであり、このバッグの複数のチャンバ(2A、2B)が、透析流体を準備するための種々の構成成分を収容しており、
前記ホースラインのもう一方の端部(3B)が、前記交換ユニット(11)の前記第2のチャンバ(14)の入口(14A)に接続されており、
咬合ホースポンプ中に挿入されるホースセクション(3C)が、透析流体を搬送するために、体外血液処理装置の咬合ホースポンプ(17)中に挿入されていることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記ホースライン(3)の一方の端部(3A)に、代用液を利用可能にするためのバッグ(2)が接続されており、このバッグ(2)は、マルチチャンババッグであり、このバッグの複数のチャンバ(2A、2B)が、代用液を準備するための種々の構成成分を収容しており、
前記ホースライン(3)のもう一方の端部(3B)が、体外血液回路の静脈及び/もしくは動脈血液ライン(15、16)に接続されており、
咬合ホースポンプ中に挿入されるホースセクションが、体外血液処理装置の代用液ポンプ(18)中に挿入されていることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記血液処理装置は、粒子を捕らえるための装置(6)によって減じられたもしくは遮断された流体の流れによる異常を検出するための装置(24;27、21)を具備することを特徴とする請求項10乃至15のいずれか1に記載の装置。
【請求項17】
前記異常を検出するための装置(24;27、21)は、動作の異常の場合に光学、及び/もしくは音響、及び/もしくは触知可能なアラームを発信するアラームユニット(26)と協動することを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記異常を検出するための装置(24;27)は、評価ユニット(24)と圧力変換器(27)とを有し、この圧力変換器(27)は、咬合ホースポンプ中に挿入されるホースセクション(3C)と粒子を捕らえるための装置(6)との間に位置するホースセクション(3E)の圧力を測定し、
前記評価ユニット(24)は、前記圧力変換器によって測定された圧力が所定の最大超過圧力と比較されて、超過圧力を超えると異常が検出されるように構成されていることを特徴とする請求項16又は17に記載の装置。
【請求項19】
前記異常を検出するための装置(24、21)は、評価ユニット(24)と、透析流体、代用液、もしくは腹膜の溶液を収容するためのバッグの重量を量るための装置(21)とを有し、
前記評価ユニット(24)は、所定の時間間隔内での前記バッグの重量の減少が所定の閾値と比較されて、前記所定の閾値を下回ると異常が検出されるように構成されていることを特徴とする請求項16又は17に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−502249(P2013−502249A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525079(P2012−525079)
【出願日】平成22年8月13日(2010.8.13)
【国際出願番号】PCT/EP2010/004985
【国際公開番号】WO2011/020585
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(501276371)フレセニウス・メディカル・ケア・ドイチュラント・ゲーエムベーハー (31)
【Fターム(参考)】