説明

血液採集アセンブリ

血液採集アセンブリはハブを含み、ハブは、遠位端、近位端、ハブ外面およびそれを貫いて延びる内部開口を有する。アセンブリはさらに、受取り室を画定するホルダハウジングであって、この室の中に試料採集管を受け取るように適合された後端と、この室の中へ延びる受取り口を含む前端とを含むホルダハウジングを含み、受取り口は、ハブの近位端の一部分を受け取る。ハブの内部開口は、流体を通過させるための穿刺要素をハブの近位端に収容し、この穿刺要素は試料採集管と接触する。ハブおよびホルダハウジングは、それを一周して実質的に周囲に沿って延びる、ハブをホルダハウジングに軸方向に固定するための相互係合構造を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年7月20日に出願された米国特許仮出願第60/589294号明細書の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は一般に、血液採取手技に関連して使用される医療用針装置およびアセンブリ、例えばそのさまざまな構成要素間のスナップばめ(snap fit)接続を提供する血液採集アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
穿孔要素を有する使い捨て医療用針装置は一般に、薬物を投与し、または患者の体内から血液などの流体を抜き取るために使用される。このような穿孔要素には、血液採集針、流体ハンドリング(handling)針およびそれらのアセンブリが含まれる。現在の医療はしばしば、このような装置で使用される流体採集容器および針アセンブリが安価で容易に使い捨てできることを要求する。既存の血液採集装置はしばしば、取外し可能な使い捨て針アセンブリおよび流体採集容器が取り付けられたある形態の再使用可能な耐久性のあるホルダを使用する。この種類の血液採集システムは使用前に組み立て、使用後に分解することができる。
【0004】
知られている血液採集システムは一般に、取り付けられた両頭の針アセンブリを含み、この針アセンブリをホルダが支持し、ホルダは、脱気された流体採集管をその中に収容することができる。この両頭の針アセンブリは、ボア(bore)が貫通したハブを含み、このハブのボアの中を針カニューレ(cannula)が延びる。針アセンブリのハブは、患者の静脈に穿刺するための針の第1端ないし遠位端がホルダから外側に延びるようにホルダの一端の開口に受け取られ、その中に保持される。反対端では、針の非患者側端が中空の本体の中へ延びる。この血液採集システムを組み立てるためには、ホルダハウジング(housing)の中に針アセンブリを挿入し、この中空本体の開端に、脱気された流体採集管を途中までに挿入する。これらのシステムの1つを使用して患者から血液検体を抜き取るためには、針の露出した遠位端を患者の静脈に挿入し、針の第2端ないし近位端が流体採集管の穿刺可能な栓を刺し貫くまで、採集管をホルダの中に最後まで挿入し、それによって流体採集管の内部と針のボアとを流体連絡させる。すると、血液が、針の中を通って、脱気された流体採集管の中へ、管の負圧に基づいて引き込まれる。検体を抜き取った後、血液採集管を取り外して、その中に含まれる血液を分析できるようにし、針アセンブリは取り外して廃棄する。
【0005】
当技術分野において知られている従来技術の1つの血液採集装置が、Ryanに付与された特許文献1に開示されている。この特許は、血液採集セットの一部として使用される後部アダプタアセンブリを開示している。この後部アダプタアセンブリは、後部血液管ホルダと、このホルダに挿入された雄コネクタとを含む。この雄コネクタは、ホルダの中に位置する環状内部ラチェットと係合する複数のラチェット歯を有するラチェット付きランプ(ramp)を含む。具体的には、環状内部ラチェットは、ホルダの前壁に形成されたホルダランプに提供される。この雄コネクタとホルダの間のラチェット接続は、これらの2つの要素間の永続的な接続を提供する。
【0006】
当技術分野において知られている他の血液採集装置が、Wanamakerらに付与された特許文献2に開示されている。この特許は、一般に針アセンブリと針ホルダとからなり、脱気された試料採集管とともに使用される血液採集装置を対象としている。針アセンブリは、アダプタを介してホルダに接続されたハブを含む。アダプタとハブは、ねじ式の接続によって互いに接続されており、アダプタは、複数の鋸歯を画定するクラウン(crown)を含む。クラウンの鋸歯は、ホルダの遠位端を覆うふたに形成された鋸歯と協働するように適合されている。アダプタは、このホルダの遠位端を覆うふたと係合する。
【0007】
当技術分野において知られている他の血液採集装置が、Ryanに付与された特許文献3に開示されている。この特許は、雄コネクタと後部血液管ホルダとを有するルーアー(luer)アダプタアセンブリを開示している。雄コネクタの後端は、溝を画定する中空中央部分を含み、この部分はホルダの前端にスナップばめされ、それによって雄コネクタが後部血液管ホルダの中に永続的に取り付けられる。コネクタおよびホルダは、これらの要素間のわずかな移動を可能にする途切れ途切れの接触面を有する。雄コネクタはさらに、コネクタを取り巻いて広がる長手方向に延びる複数の突起を含み、ストップカラー(stop collar)で止まる。後部管ホルダに対する雄コネクタの不必要な回転を防ぐため、これらの突起はホルダのそれぞれの長手方向の溝と係合する。
【0008】
以上に述べたものなどの従来技術の装置は一般に、ハブおよび/または雄ルーアーコネクタとホルダとの間の複雑な係合システムを含む。このような装置はしばしば、はめ合いの構造上の限界のため、整列させ、係合させ、他の方法で組み立てることが難しい。
【0009】
【特許文献1】米国特許第5066287号明細書
【特許文献2】米国特許第5117837号明細書
【特許文献3】米国特許第5066286号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
必要不可欠な構成要素を含み、これらの構成要素が安全かつ効率的な方法で容易に製造され、係合され、組み立てられる血液採集アセンブリが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって、本発明の一実施形態は、受取り室を画定するホルダハウジングであって、室の中に試料採集管を受け取るように適合された後端と、室の中へ延びる受取り口を含む前端とを含むホルダハウジングを含む血液採集アセンブリを提供する。このアセンブリはさらに、遠位端と近位端の間に延びるハブ外面と、自体を貫いて延びる内部開口と、その近位端の穿刺要素とを含むハブを含む。ハブは、ホルダハウジングの受取り口の中に、ハブ外面の少なくとも一部分が受取り口の対応する内面と係合するように受け取られる。ハブは、実質的に周囲に沿って延びる、ハブ外面と受取り口の内面との間の締まりばめ構造によって、受取り口の中に保持される。このようにすると、スナップばめ係合が、ハブをホルダハウジングに軸方向に固定し、ハブの穿刺要素が、受取り口を通ってホルダハウジングの室の中へ延びて、室の中に受け取られた試料採集管と接触する。ハブ外面と対応する受取り口内面との間の係合は、ハブの遠位端に加えられたトルクに対抗する支持を提供し、それによって、ハブ外面と受取り口内面との間の締まりばめ構造によって確立されたスナップばめ係合の解除を防ぐ。
【0012】
ハブは、ハブの内部開口を貫いて取り付けられた針カニューレを含むことが望ましい。この針カニューレは、ハブの遠位端から延びる穿刺先端を有する静脈側前端と、ハブの近位端から延びる非患者側後端とを含み、非患者側端は前記穿刺要素を含む。ハブの遠位端はあるいは、相補的な対合面を有するルーアーアダプタなどの医療装置と係合するように適合された対合面を含む。
【0013】
ある種の実施形態では、ハブが、ハブの遠位端と近位端の間の1つの位置で、ハブ外面を取り巻いて、実質的に周囲に沿って延びる、環状リブなどの環状突起を含む。受取り口は、ハブの環状突起と対合する、受取り口の内面で周囲に沿って延びる対応する環状溝を含むことができる。
【0014】
さらに、このアセンブリは、受取り口の中でのハブの回転運動を防ぐための構造を含むことができる。例えば、ハブ外面は、受取り口の中でのハブの回転運動を防ぐ回転防止要素を含む。例えば、ハブ外面は、近位端のハブ外面から延びるこぶを含み、受取り口のサイズおよび形状は、例えばこぶの外面を受け取り、実質的にこれと接するように形成された切欠き部分によって、こぶを受け取り、実質的にこれと接するように決められる。さらに、こぶの外面は丸くすることができ、受取り口の切欠き部分の丸みを帯びた相補的な内面に挿入され、それと接するように形成することができる。
【0015】
特定の一実施形態では、ハブが、その遠位端から延びる穿刺先端を有する静脈側端を有する針カニューレを含み、回転防止要素が、ホルダの受取り口の中でハブを適切に整列させて、針カニューレの静脈側端の穿刺先端を、上向きベベル(bevel up)方向などの所定の方向に向けるようにするための機構を提供する。さらに、ホルダハウジングの後端は、その対向する側から延びる一対のフランジを含むことができ、ホルダハウジングの底面は、患者の皮膚に載るように形成される。そのため、針のベベルを、この一対のフランジおよびホルダハウジングの底面に対して、所定の位置に整列させるように、回転防止要素を適合させることができる。
【0016】
針アセンブリが、ハブおよび/またはホルダハウジングとピボット可能に係合したシールドを含み、このシールドが、ピボット運動して、針カニューレの穿刺先端を包み込むように適合されることも企図される。取外し可能なパッケージングカバーで針カニューレの穿刺先端を覆い、使用前にハブがホルダハウジングに取り付けることができ、また、ホルダハウジングの後端に後側キャップ要素を取外し可能に取り付けて、ホルダハウジングの受取り室を密閉することができる。
【0017】
他の実施形態では、血液採集アセンブリが、ベベルの付いた穿刺先端を有する静脈側端と、ハブに取り付けられた非患者側端とを有する針カニューレを含み、ハブは遠位端と近位端の間に延び、ハブは、その外面から延びる回転防止要素を含む。ホルダハウジングが受取り室を画定し、このホルダハウジングは、室の中に試料採集管を受け取るように適合された後端と、ハブの少なくとも一部分を受け取り、それとスナップばめ係合するように形成された、それを貫いて延びる受取り口を含む前端とを含む。受取り口は、血液採集アセンブリを画定する長手軸を軸としたハブのホルダハウジングに対する回転運動を制限し、または防ぐためにハブの回転防止要素と係合する、ハブの回転防止要素に対応する構造を含む。ハブおよび前取り口は、ハブをホルダハウジングに軸方向に固定するための相互係合構造を含み、ハブの回転防止要素は、受取り口の対応する構造と接触して、ハブおよび針カニューレを所定の位置に整列させ、長手軸を軸としたハブのホルダハウジングに対する回転を防ぐ。例えば、ハブは、近位端の外面を取り巻いて、実質的に周囲に沿って延びる突起を含み、受取り口は、受取り口の中で実質的に周囲に沿って延びる対応する溝を含み、ハブの突起は、この溝と固定係合するように適合される。
【0018】
ホルダハウジングの後端は、平らな表面でのホルダハウジングのころがりを阻止し、それによってホルダハウジングの上面を画定する少なくとも1つのフランジを含むことができる。このようにすると、受取り口への回転防止要素の挿入が、カニューレのベベルを実質的に、ホルダハウジングの上面と整列させる。針カニューレの静脈側端を包み込むためにピボット運動する、ハブおよび/またはホルダハウジングとピボット可能に係合したシールドを提供することもできる。
【0019】
他の実施形態では、ホルダハウジングに針アセンブリを取り付ける方法が提供される。この方法は、ベベルの付いた穿刺先端を有する静脈側端と、ハブに取り付けられた非患者側端とを有する針カニューレを含む針アセンブリを用意するステップを含む。ハブは、遠位端と近位端の間に延び、ハブは、近位端の外面を取り巻いて実質的に周囲に沿って延びる突起と、近位端の外面から延びる回転防止要素とを有する。ホルダハウジングが受取り室を画定し、このホルダハウジングは、室の中に試料採集管を受け取るように適合された後端と、ハブの近位端の少なくとも一部分を受け取るように形成された、それを貫いて延びる受取り口を含む前端とを含む。受取り口は、ハブの突起と対合する内面と、ハブの回転防止要素と係合する切欠き部分とを含む。ホルダハウジングの受取り口にハブの近位端が挿入され、それによって、ハブの突起が、受取り口の対応する対合内面と、実質的にそれらの間の接触面全体に沿って係合して、ハブをホルダハウジングに軸方向に固定する。このようにすると、受取り口への回転防止要素の挿入が、ハブ、したがって針カニューレを所定の位置に整列させる。回転防止要素は、ハブの表面から延び、ベベルと整列したこぶを含むことが望ましい。そのため、前記挿入は、こぶを切欠き部分と整列させ、それによってベベルを所定の位置に整列させるステップを含む。さらに、受取り口へのハブの挿入は、相互係合構造によってハブがホルダハウジングに軸方向に固定されたことを指示する触覚的表示を提供することができる。
【0020】
本発明の他の詳細および利点は、以下の詳細な説明を図面を参照して読むことによって明白となろう。図中、同様の部分は同様の参照符号で示されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下の説明の目的上、用語「上」、「下」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「横」、「長手」およびこれらの用語の派生語は、図面での向きに配置されたときの本発明の実施形態に関する。しかし、そうではないと明示されない限り、これらの実施形態は、さまざまな代替形態およびさまざまな代替ステップ順をとることができることを理解されたい。さらに、添付図面に示され、以下の明細に記載される特定の装置およびプロセスは、本発明の例示的な実施形態であるにすぎないことを理解されたい。したがって、本明細書に開示される実施形態に関係する特定の寸法およびその他の物理特性を、本発明を限定するものと考えてはならない。
【0022】
以下の説明および添付図面において、用語「遠位」は装置の前側すなわち患者側を指し、用語「近位」は装置の後側すなわち非患者側を指す。これらの表記は以下の詳細な説明から明白となろう。
【0023】
図面を参照すると、全体として、本発明の一実施形態に基づく血液採集アセンブリ10が示されている。血液採集アセンブリ10は、例えば静脈切開(すなわち血液採集)手技において使用され、血液採集アセンブリ10はこのような場合に、以下で論じるように、血液採集アセンブリ10のさまざまな構成要素および副構成要素間の簡単かつ効率的な接続を可能にし、またこれを助長するように設計されている。
【0024】
図1〜9を参照して、血液採集アセンブリ10の一実施形態について論じる。図1〜7の血液採集アセンブリ10の動作原理は、本明細書で論じられる血液採集アセンブリ10の全ての実施形態を例示する。血液採集アセンブリ10は一般に、ホルダハウジング22に取り付けられた針アセンブリ11からなる。針アセンブリ11はハブ12を含み、ハブ12は、遠位端14、近位端16、ハブ外面18、およびハブ12を貫いて延びる内部開口20を有する。
【0025】
ハブ12は、ハブ12の近位端16の近くに配置された、血液などの流体を通過させるための穿刺要素を含む。後により詳細に論じるが、この実施形態では穿刺要素32が、使用中に試料採集管と接触し、それを刺し貫くように適合されている。針アセンブリ11は、ハブ12の内部開口20の中に取り付けられた針カニューレ38を含むことが望ましい。針カニューレ38は一般に、内部ルーメン(lumen)40を有する中空針構造体であり、穿刺先端44を有する静脈側針端ないし患者側針端を確立する遠位端ないし前端42と、近位端ないし非患者側後端46との間に延びている。針カニューレ38の前端42はハブ12の遠位端14から延び、針カニューレ38の近位端ないし後端46はハブ12の近位端16から延びることが望ましい。針カニューレ38の非患者側後端46は、試料採集管と接触するための穿刺要素32を備える。図6に示されているように、ハブ12はさらに、近位端16から針カニューレ38の非患者側端46を取り巻いて延びるエラストマースリーブ82を含むことができる。このエラストマースリーブ82は、血液採集アセンブリ10の使用中に針カニューレの中に流体を保持するための弁の働きをし、当技術分野において知られているように、使用中に針カニューレ38の非患者側端46によって刺し貫かれるように適合されている。
【0026】
血液採集アセンブリ10はさらに、受取り室24を画定するホルダハウジング22を含む。ホルダハウジングは、室24の中に試料採集管(図示せず)を受け取るための後端26と、それを貫いて延びる受取り口30を有する前端28とを有し、ホルダハウジング22を通って受取り室24内に達する経路を確立する。受取り口30のサイズおよび形状は、針アセンブリ11のハブ12の近位端16の少なくとも一部分をその中に受け取るように決められている。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、血液採集アセンブリ10は、ハブ12とホルダハウジング22の間の相互係合構造34を含む。この相互係合構造34は、ハブ12をホルダハウジング22に軸方向に固定するために使用される。具体的には、この相互係合構造34は、ハブ12とホルダハウジング22の間の「スナップばめ」を提供し、これによって、当技術分野において一般的なねじ取付け型ないしスクリューオン(screw−on)型の取付けではなく、血液採集アセンブリ10の長手軸に沿った軸方向取付けによって、ハブ12をホルダハウジング22に簡単に取り付けることができ、それによって、多くの場合に追加の構造の必要なしに、簡単な位置合せおよび操作を助長する。相互係合構造34は、ハブ12とホルダハウジング22の間の接触面ないし対合面をほぼ一周して延びることが望ましい。この相互係合構造34は、ハブ12とホルダハウジング22を軸方向に固定(lock)するように適合されている。
【0028】
具体的には、ハブ12は、ハブ12の近位端16のところのハブ外面18を取り巻いて、実質的に周囲に沿って(perimetrically)延びる突起54を含むことが望ましい。ホルダハウジング22の受取り口30は、ハブ12のこの突起54と対合する対応する表面56を含む。したがって、突起54を対応する表面56と係合させると、ハブ12は、ホルダハウジング22に対して軸方向に固定される。対応する表面56は、受取り口30の中で実質的に周囲に沿って延びる溝58を含む。したがって、突起54のサイズおよび形状は、突起54がこの溝58と固定可能に係合するように決められる。突起54は例えば、溝58と対合する環状リブ60とすることができる。
【0029】
血液採集アセンブリ10はさらに、ホルダハウジング22の受取り口30の中にハブ12が配置されたときにハブ12の回転運動を制限し、場合によってはこれを防ぐ構造を含むことができる。好ましい一実施形態ではハブ外面18が、ハブ12の近位端16に隣接して配置された回転防止要素64を含む。さらに、ホルダハウジング22の受取り口30のサイズおよび形状は、受取り口30が回転防止要素64を受け取り、実質的にこれと接して、ホルダハウジング22の受取り口30の中でのハブ12の回転運動を防ぐ締まりばめ係合(interference engagement)を形成するように決められる。
【0030】
ハブ12を貫いて延びる針カニューレ38を含む上で論じた実施形態に関して使用されるとき、ホルダハウジング22の受取り口30への回転防止要素64の挿入は、ハブ12を整列させる。針カニューレ38はハブ12に対して固定されているので、回転防止要素64の挿入はさらに、針カニューレ38を、ホルダハウジング22に対する所定の位置に整列させる。このような一実施形態では、受取り口30への回転防止要素64の挿入が、組立て工程中のスナップばめ係合の前に起こり、それによって、ハブ12がホルダハウジング22にスナップばめされる前に、針カニューレ38を所定の所望の方向に整列させる機構を提供する。
【0031】
好ましい一実施形態では、回転防止要素64が、ハブ12の近位端16からハブ外面18に沿って概ね長手方向に延びるこぶ(nub)66を含む。さらに、受取り口30が、こぶ66の外面70を受け取り、これと接する切欠き部分68を含む。こぶ66の外面70は例えば、切欠き部分68の丸みを帯びた相補的な内面72に適当に挿入され、それと接するように、丸くすることができる。したがって、回転防止要素64によって確立される回転防止構造は、針カニューレ38の整列を助けるだけでなく、ホルダハウジング22に対するハブ12の回転を防ぐ。例えば、ある実施形態では、針カニューレ38がベベル74を含む。血液採集アセンブリ10の使用中に、静脈穿刺を助ける「上向きベベル(bevel up)」方向など適当な方向にベベルを向けることが望ましいことがしばしばある。こぶ66が、このベベル74と長手方向に整列してハブ12から延び、その結果、切欠き部分68へのこぶ66の挿入が、ベベル74を所定の位置に整列させることが望ましい。
【0032】
こぶ66は、環状リブ60に隣接して配置することができ、あるいは他の実施形態では、望ましくはこぶ66が、図4に示すように環状リブ60を横切る。このようにすると、ハブ12の接触面とホルダハウジング22の接触面との間の周囲に沿った連続接触が達成され、この接触が、それらの接触面間の軸方向の固定および回転の固定を確立する。
【0033】
ホルダハウジング22の後端26はさらにフランジ76を含むことができる。このフランジ76は、平らな表面でのホルダハウジング22のころがりを阻止し、それによってホルダハウジング22の上面78を画定する。したがって、ホルダ12のこぶ66が、ホルダハウジング22の切欠き部分68に挿入されたときに、針カニューレ38のベベル74は、ホルダハウジング22の上面78と実質的に整列する。ホルダハウジング22の後端26が、ホルダハウジング22の対抗する側から延びる一対のフランジ76を含み、それによってホルダハウジング22の底面80を患者の皮膚に載せることができることも想像される。さらに、針カニューレ38のベベル74の向きに関して、前述の配置は、フランジ76から約60度から約120度の角度のベベルの向きを達成することができる。
【0034】
他の実施形態では、アセンブリ10が、ホルダハウジング22の後端26に取外し可能に取り付けられたキャップ要素86を含む。このキャップ要素86をホルダハウジング22に取り付けることによって、受取り室24は外部環境から密閉される。キャップ要素86は、ホルダハウジング22の後端26に、例えば適当な接着剤によって直接に接着しまたは取り付けることができる。また、キャップ要素86とホルダハウジング22の間の締まりばめ構造(interfering structure)などの機械的係合によって、キャップ要素86を後端26に固定することも企図される。例えばキャップ要素86は、ホルダハウジング22の後端の内面の溝にスナップばめされる環状リブを含むことができる。さらに、相互係合構造34によってハブ12をホルダハウジング22に取り付けられた後に、血液採集アセンブリ10をエンクロージャ88で気密密閉することができる。このようにすると、事前に包装された単一のアセンブリとして完全に組み立てられた使用準備の整った構造体として、血液採集アセンブリ10を提供することができる。
【0035】
ホルダハウジング22へのハブ12の挿入中に触覚的表示(tactile indication)が提供されることが想像される。この触覚的表示は、相互係合構造34によってハブ12がホルダハウジング22に軸方向に固定されたことを指示する。このような配置は、ホルダハウジング22とハブ12が適当かつ効果的に軸方向に固定されることを保証する。
【0036】
他の実施形態では、図10に示されているように、ハブ12が、ハブ12の遠位端14から延びる次第に細くなる対合面48を含む。この次第に細くなる対合面48は、次第に細くなる相補的な相互係合対合面を含む別個の医療装置(図示せず)と係合するように適合されている。当技術分野では知られているように、この配置はしばしば「ルーアー(lure)」はめ合いと呼ばれる。さらにこの実施形態では、ハブ12の次第に細くなる対合面48を、医療装置の次第に細くなる相補的な対合面に取外し可能に固定することができる。したがって、ハブ12または医療装置のどちらか一方の次第に細くなる対合面が、この固定配置を達成するための適当な構造を含むこととなろう。
【0037】
図11〜14に示された他の実施形態では、血液採集アセンブリ10が、針カニューレ38の静脈側端42を包み込むように形成されたシールド84を含む。このシールド84は、ハブ12および/またはホルダハウジング22に取外し可能に取り付けることができ、あるいは、ハブ12および/またはホルダハウジング22に永久に固定し、あるいはハブ12および/またはホルダハウジング22と一体に形成することができる。シールド84は、針カニューレ38の静脈側端42が露出した図12に示された開位置と、針カニューレ38の静脈側端42をその中に包み込みまたはシールドする図14に示された閉位置との間で旋回(pivot)するように適合された、旋回シールドであることが望ましい。このような一実施形態ではさらに、使用前の針カニューレ38をその中に密封するため、エンクロージャ88が提供される。
【0038】
次に、血液採集アセンブリ10の組立てについて説明する。針アセンブリ11は、図8〜9に示されたホルダハウジング22に取り付けるための使い捨てアセンブリとして提供することが企図される。これらは、本技術分野の一般的に実施されているように使用直前に組み立てられ使用後に分解される別個の構造体とすることができる。図8〜9に示されているように、このような針アセンブリ11は、静脈側端42を覆い、ハブ12に固定されまたは取り付けられたエンクロージャ88を備えることができ、別個の後側カバー87をこれに取り付けることができ、使用直前に後側カバー87を取り外し、ハブ12をホルダハウジング22に組み付けることができる。しかし、病気伝染の危険を低減させるため、針アセンブリ11とホルダハウジング22は、包装前の製造および組立て中に針アセンブリ11がホルダハウジング22に取り付けられた、事前に組み立てられた構造として提供されることが好ましい。
【0039】
いずれにしても、先に論じたように静脈側前端42にベベル74を有し、ハブ12に取り付けられた針カニューレ38を含む針アセンブリ11が提供される。この場合にはハブ12に突起54が配置され、突起54は、ハブ12の近位端16のところのハブ12の外面18を一周して実質的に周囲に沿って延びる。さらに、この実施形態では、ハブ12の近位端16の外面18から、突起54に隣接して、こぶ66が延び、こぶ66は、針カニューレ38のベベル74と整列する。ホルダハウジング22が提供され、このホルダハウジング22は先に論じたとおりに構成することができる。具体的には、受取り口30が、突起54と対合する内面56と、こぶ66と係合する切欠き部分68とを含む。ハブ12の近位端16は、ホルダハウジング22の前端28を通してホルダハウジング22の受取り口30に挿入され、こぶ66は切欠き部分68と整列する。こぶ66の外面70と切欠き部分68の対応する内面72は協働して、ホルダハウジング22に関して適当に整列した所定の位置にハブ12を案内することができる。こぶ66と切欠き部分68の間のこのような整列は、組立て工程中のハブ12とホルダハウジング22の間のスナップばめ係合の前に起こる。
【0040】
その後に、ハブ12の突起54と受取り口30の対応する対合内面56とが、それらの間の接触面ないし対合面全体を実質的に一周して係合する。具体的には、ハブ外面18の外周を一周して延びる突起54が、受取り口30の対応する表面56で周囲に沿って延びる溝58と、スナップばめ係合を提供する締まりばめによって係合し、さらにこぶ66が切欠き部分68と係合する。したがって、受取り口30へのハブ12の挿入は、ハブ12、したがって針カニューレ38を、所定の位置に整列させ、例えば、患者に対して有効に使用するためにベベル74とまっすぐに整列させ、さらに、ハブ12をホルダハウジング22に、スナップばめ係合によって軸方向に固定する。このように組み立てられた血液採集アセンブリ10はさらに、保護のため静脈側端42を取り囲むエンクロージャ88を備えることができ、後の使用のためにこのようにして包装することができる。
【0041】
使用時には、針カニューレ38の静脈側前端42を患者の皮膚に挿入し、知られている血液採集手技を使用して試料を得る。使用後、針カニューレ38の静脈側前端42を患者から引き抜き、提供されている場合には、旋回シールド84を静脈側前端42に旋回式にかぶせて、保護のため針を遮蔽する。シールド84は、針カニューレ38の静脈側端42を包み込む安全位置までシールド84を回転させまたは旋回させたときに針カニューレ38と係合する、カニューレ固定機構などの構造をその中に含むことができ、それによって、シールド84が遮蔽位置に移動した後に、シールド84が旋回により遮蔽位置から外れることを防ぐことができる。この遮蔽の後、血液採集アセンブリ10は、医療用廃棄物容器中に適当に廃棄することができる。
【0042】
他の実施形態が図15〜16に示されている。このような実施形態では、ハブ12が取り付けられたホルダハウジング22、任意選択ではさらにシールド84が存在するホルダハウジング22を、保護のためにエンクロージャ89の中にパッケージ化し、またはエンクロージャ89で覆うことができる。エンクロージャ89は前述のエンクロージャ88とは異なり、ホルダハウジング22の外面に直接に取り付けられ、針カニューレ38の静脈側端42および旋回シールド84を包み込むように設計されている。旋回シールド84は、針カニューレ38と固定係合させずにエンクロージャ89の中に収容することができ、そのため、エンクロージャ89を取り外したときに、旋回シールド84をじゃまにならない位置に移動させることができ、次いで、針カニューレ38との固定位置に旋回させて、針カニューレ38の静脈側端42の穿刺先端を包み込むことができる。さらに、ホルダハウジング22の後端26にキャップ要素86を提供して、受取り室24を密閉することができる。このようにすると、採血者による手技前の組立てを一切必要としない使用準備の整った事前に組み立てられたユニットとして、血液採集アセンブリ10を事前に包装し、滅菌することができる。
【0043】
本発明の血液採集アセンブリ10では、ハブ12を含む針アセンブリをホルダハウジング22に「スナップばめ」することができる。したがって、このようにすると、本発明のこの実施形態の血液採集アセンブリ10の構造は、より効率的かつ容易に係合可能なハブ/ホルダハウジング組立てを可能にする。さらに、回転防止要素64を使用して、ホルダハウジング22と針カニューレ38、具体的にはホルダハウジング22とカニューレのベベル74を適当に整列させることができ、さらに不必要な回転を防ぐことができる。さらに、ハブ12とホルダハウジング22の間の相互係合構造の特定の係合は、ハブに加えられたトルクに対抗する支持を提供して、係合の解除を防ぐ。具体的には、ハブ外面18および受取り口30の表面56を一周して実質的に周囲に沿って延びる、ハブ外面18の周囲全体にわたって溝58と締まりばめ係合とした環状リブ60などの相互係合構造を提供することによって、接触面全体にわたって連続する支持が提供される。さらに、環状リブ60および溝58の対応する丸い輪郭は、ハブ12と受取り口30の相互係合の点において、ハブ12と受取り口30の間の実質的に連続する接触面を確立する。さらに、環状リブ60が、ハブ外面18の遠位端14と近位端16の間に位置することによって、環状リブ60の両方の側のハブ外面18がさらに、ハブ12と受取り口30の間の連続する接触面を提供し、それによってトルク圧力に対抗するさらなる支持を提供する。このような連続する接触面は、ハブ12と環状リブ60の間の係合の点における支持を提供して、ハブにトルク力が加わったときに、ハブ12をホルダハウジング22に固定された状態に保つ。具体的には、針カニューレ38の静脈側端42を包み込むためのシールド84の遮蔽位置への旋回運動は、針カニューレ38に対するトルク力を生じさせ、この力は、ハブ12の遠位端14へ伝えられる。この連続する接触面、具体的には、ハブ外面18と受取り口30の間の実質的に周囲に沿って延びる前述の締まりばめ構造は、それらの間のスナップばめ係合の解除の危険なく、ハブ12をホルダハウジング22に固定された状態に効果的に保つ。
【0044】
本明細書では説明されたアセンブリが一般に、いくつかの実施形態に関して論じられるが、本開示は、本発明の原理を例示するものと考えるべきであり、本開示は、示された実施形態に本発明を限定することを意図したものではない。当業者は、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなくさまざまな変更を加えることができる。本発明の範囲は、添付の請求項およびそれらの等価物によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態に基づく血液採集アセンブリの分解透視図である。
【図2】図1の血液採集アセンブリのホルダハウジングの透視図である。
【図3】図2のホルダハウジングの下面の透視図である。
【図4】図1の血液採集アセンブリのハブの透視図である。
【図5】ホルダハウジングと係合した針アセンブリの透視図である。
【図6】係合した図5のアセンブリの側断面図である。
【図7】図6の線7−7に沿って切った水平断面図である。
【図8】エンクロージャの透視図である。
【図9】図8のハブを取り囲む係合したエンクロージャの側断面図である。
【図10】次第に細くなる対合面を有する他の実施形態に基づくハブの透視図である。
【図11】他の実施形態に基づく血液採集アセンブリおよび旋回シールドの分解透視図である。
【図12】図11のハブ、ホルダハウジングおよび旋回シールドの透視図である。
【図13】図12の係合した構造ならびに針の一部を覆うキャップの側断面図である。
【図14】旋回シールドが針を包み込んでいる図12の構造の透視図である。
【図15】保護カバーを有する他の実施形態の血液採集アセンブリの透視図である。
【図16】図15のアセンブリの分解透視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受取り室を画定するホルダハウジングであって、前記室の中に試料採集管を受け取るように適合された後端と、受取り口を含む前端とを含むホルダハウジングと、
遠位端と近位端の間に延びるハブ外面を含むハブであって、さらに、自体を貫いて延びる内部開口と、前記近位端の穿刺要素とを含むハブと
を含み、
前記ハブは、前記ホルダハウジングの前記受取り口の中に、前記ハブ外面の少なくとも一部分が前記受取り口の対応する内面と係合するように受け取られ、前記ハブは、前記ハブを前記ホルダハウジングに対して軸方向に固定するためのスナップばめ係合を提供すべき、実質的に周囲に沿って延びる、前記ハブ外面と前記受取り口の前記内面との間の締まりばめ構造によって、前記受取り口の中に保持され、前記ハブの前記穿刺要素は、前記受取り口を通って前記ホルダハウジングの前記室の中へ延びる
ことを特徴とする血液採集アセンブリ。
【請求項2】
前記ハブの前記内部開口を貫いて取り付けられた、内部ルーメンを含む針カニューレをさらに含み、前記針カニューレは、前記ハブの前記遠位端から延びる穿刺先端を有する静脈側前端と、前記ハブの前記近位端から延びる非患者側後端とを有し、前記非患者側端は前記穿刺要素を含むことを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記ハブの前記遠位端は、相補的な対合面を有する医療装置と係合するように適合された対合面を含むことを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記ハブ外面と前記対応する受取り口内面との間の係合は、前記ハブの前記遠位端に加えられたトルクに対抗する支持を提供し、それによって、実質的に周囲に沿って延びる、前記ハブ外面と前記受取り口内面との間の前記締まりばめ構造によって確立された前記スナップばめ係合の解除を防ぐことを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記ハブは、前記ハブの前記遠位端と前記近位端の間の1つの位置で、前記ハブ外面を取り巻いて、実質的に周囲に沿って延びる環状突起を含み、前記受取り口は、前記ハブの前記環状突起と対合する、前記受取り口の前記内面で周囲に沿って延びる対応する環状溝を含むことを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記環状突起は環状リブを含むことを特徴とする請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記受取り口の中での前記ハブの回転運動を防ぐための構造をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記ハブ外面は回転防止要素を含み、前記受取り口のサイズおよび形状は、前記回転防止要素を受け取り、実質的にこれと接し、それによって前記受取り口の中での前記ハブの回転運動を防ぐように定められていることを特徴とする請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記回転防止要素は、前記ハブの前記近位端の前記ハブ外面から延びるこぶを含み、前記受取り口は、前記こぶの外面を受け取り、実質的にこれと接するように形成された切欠き部分を含むことを特徴とする請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記こぶの前記外面は丸みを帯びており、前記受取り口の前記切欠き部分の丸みを帯びた相補的な内面に挿入され、それと接するように形成されていることを特徴とする請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記ハブの前記内部開口を貫いて取り付けられた、内部ルーメンを含む針カニューレをさらに含み、前記針カニューレは、前記ハブの前記遠位端から延びる穿刺先端を有する静脈側前端と、前記ハブの前記近位端から延びる非患者側後端とを有し、前記非患者側端は前記穿刺要素を含み、前記受取り口への前記回転防止要素の挿入は、前記ハブ、したがって前記針カニューレの前記静脈側端の前記穿刺先端を、所定の位置に整列させることを特徴とする請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記ホルダハウジングの前記後端は、その対向する側から延びる一対のフランジを含み、前記ホルダハウジングの底面は、患者の皮膚に載るように形成されており、前記針カニューレの前記静脈側端の前記穿刺先端はベベルを含み、前記受取り口への前記回転防止要素の挿入は、前記ベベルを、前記一対のフランジおよび前記ホルダハウジングの前記底面に対して、所定の位置に整列させることを特徴とする請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記受取り口への前記回転防止要素の挿入は、前記ベベルを、前記一対のフランジの少なくとも一方のフランジから約60度から約120度の間の角度に整列させることを特徴とする請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記ハブと前記ホルダハウジングのうちの少なくとも一方とピボット可能に係合したシールドであって、ピボット運動して、前記針カニューレの前記穿刺先端を包み込むように適合されたシールドをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項15】
ベベルの付いた穿刺先端を有する静脈側端と、ハブに取り付けられた非患者側端とを有する針カニューレを含む針アセンブリであって、前記ハブは、遠位端と近位端の間に延び、前記ハブは、その外面から延びる回転防止要素を含む針アセンブリと、
受取り室を画定するホルダハウジングであって、前記室の中に試料採集管を受け取るように適合された後端と、前記ハブの少なくとも一部分を受け取り、それとスナップばめ係合するように形成された、それを貫いて延びる受取り口を含む前端とを含み、前記受取り口は、血液採集アセンブリを画定する長手軸を軸とした前記ハブの前記ホルダハウジングに対する回転運動を防ぐために前記ハブの前記回転防止要素と係合する、前記ハブの前記回転防止要素に対応する構造を含むホルダハウジングと
を含み、
前記ハブおよび前記受取り口は、前記ハブを前記ホルダハウジングに軸方向に固定するための相互係合構造を含み、前記ハブの前記回転防止要素は、前記受取り口の前記対応する構造と接触し、それによって前記ハブおよび前記針カニューレを所定の位置に整列させ、前記長手軸を軸とした前記ハブの前記ホルダハウジングに対する回転を制限する
ことを特徴とする血液採集アセンブリ。
【請求項16】
前記ハブは、前記近位端の前記外面を取り巻いて、実質的に周囲に沿って延びる突起を含み、前記受取り口は、前記受取り口の中で実質的に周囲に沿って延びる溝を含み、前記ハブの前記突起は、前記溝と固定係合するように適合されていることを特徴とする請求項15に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記ホルダハウジングの前記後端は、平らな表面での前記ホルダハウジングのころがりを阻止し、それによって前記ホルダハウジングの上面を画定する少なくとも1つのフランジを含み、前記受取り口への前記回転防止要素の挿入は、前記カニューレの前記ベベルを実質的に、前記ホルダハウジングに対する所定の角度範囲に整列させることを特徴とする請求項15に記載のアセンブリ。
【請求項18】
前記針カニューレの前記静脈側端を包み込むためにピボット運動する、前記ハブと前記ホルダハウジングのうちの少なくとも一方とピボット可能に係合したシールドをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載のアセンブリ。
【請求項19】
ホルダハウジングに針アセンブリを取り付ける方法であって、
a)ベベルの付いた穿刺先端を有する静脈側端と、ハブに取り付けられた非患者側端とを有する針カニューレを含む針アセンブリであって、前記ハブは、遠位端と近位端の間に延び、前記ハブは、前記近位端の外面を取り巻いて実質的に周囲に沿って延びる突起と、前記近位端の前記外面から延びる回転防止要素とを有する針アセンブリを用意するステップと、
b)受取り室を画定するホルダハウジングであって、前記室の中に試料採集管を受け取るように適合された後端と、前記ハブの前記近位端の少なくとも一部分を受け取るように形成された、それを貫いて延びる受取り口を含む前端とを含み、前記受取り口は、前記ハブの前記突起と対合する内面と、前記ハブの前記回転防止要素と係合する切欠き部分とを含むホルダハウジングを用意するステップと、
c)前記ハブの前記近位端を前記ホルダハウジングの前記受取り口に挿入するステップであって、それによって、前記ハブの前記突起が、前記受取り口の前記対応する対合内面と、実質的にそれらの間の接触面全体に沿って係合して、前記ハブを前記ホルダハウジングに軸方向に固定し、前記受取り口への前記回転防止要素の前記挿入が、前記ハブを、且つしたがって前記針カニューレを所定の位置に整列させるステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
前記回転防止要素は、前記ハブの表面から延び、前記ベベルと整列したこぶを含み、前記挿入するステップc)は、前記こぶを前記切欠き部分と整列させ、それによって前記ベベルを所定の位置に整列させるステップを含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記受取り口への前記ハブの挿入は、前記相互係合構造によって前記ハブが前記ホルダハウジングに軸方向に固定されたことを指示する触覚的表示を提供することを特徴とする請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2008−507352(P2008−507352A)
【公表日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−522707(P2007−522707)
【出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【国際出願番号】PCT/US2005/025765
【国際公開番号】WO2006/014751
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】