説明

血液検査装置

【課題】血液検査装置において検査後の血液拭き取り用具の準備を不要とすること。
【解決手段】アダプタを有する本体;前記アダプタの開口部に装着され、前記アダプタの一部と係合する筒形状部材であるホルダ及び前記ホルダの内部に装着され、血液を溜める貯留部が形成された血液センサを有する血液センサユニット;前記本体内部に設けられ、前記貯留部を通過して皮膚を穿刺する穿刺手段;前記血液センサと前記アダプタ経由で接続された電気回路部;および前記電気回路部に電気を供給する電源部を備える血液検査装置であって、前記ホルダを構成する筒形状部材の筒先端部は、検査の際に皮膚と接触し、前記ホルダは、前記筒先端部の近傍に、前記貯留部に取り込まれずに前記皮膚に残った血液を含む体液を吸収する吸収手段を有し、かつ前記吸収手段は、前記ホルダを構成する筒形状部材の筒先端部の縁の周方向に亘って配置されていることを特徴とする血液検査装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液の成分検査などに用いる血液検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病患者は、定期的に血糖値を測定し、その血糖値に基づいてインスリンを投与し、血糖値を正常に保つ必要がある。この血糖値を正常に保つため、血糖値を定期的に測定する必要があり、そのために患者は血液検査装置を用いて指先等から、少量の血液を採取し、この採取した血液から血糖値を測定しなければならない。
【0003】
従来の血液検査装置は、一般的に皮膚を穿刺する手段として針を用いていた(例えば、特許文献1参照)。従来の針を穿刺手段とする血液検査装置1は、図37に示すように、筺体を形成するハウジング2;ハウジング2の一方が開口した筒体3;筒体3内を往復するプランジャ4;プランジャ4に一方が連結されたハンドル5;ハンドル5がハウジング2に係止される係止部6;ハンドル5を筒体3の開口部3a側に付勢するバネ7;プランジャ4に一方の端が把持されるとともに他方の端には金属製の採血針(以下、針という)8が装着されるランセット9;開口部3a側に血液センサ10を保持する保持部11;および血液センサ10の出力が接続された電気回路部12を有する。
さらに血液センサ10を、取り外し可能な交換部材とした血液検査装置も提案されている。
【0004】
血液検査装置1を患者の皮膚に当接し、係止部6の係止を解除する。するとバネ7によって付勢されたハンドル5が、矢印14方向に発射される。ハンドル5の係止解除により、このハンドル5にプランジャ4とランセット9を介して連結された針8も同時に発射される。針8は、血液センサ10を突き破って皮膚13を穿刺する。
【0005】
穿刺された皮膚13から、少量の血液が流出する。流出した血液は、血液センサ10の内部に取り込まれる。血液センサ10に取り込まれた血液は、血液センサ10の内部で患者の血糖値に応じた化学変化を起こす。化学変化により生じた電流は、電気回路部12に導かれ、血糖値が計算される。計算された血糖値は表示部15に表示される。求められた血糖値に基づいて、例えば、患者に投与するインスリン量の基礎データが提供される。
【0006】
一方、穿刺手段としてレーザを用いた血液サンプルを採取する装置も提案されている(特許文献2および3を参照)。レーザを用いれば、針の交換が不要になるなどの利点があり、また穿刺の際の患者への痛みも軽減されうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2003−524496号公報
【特許文献2】特表2004−533866号公報
【特許文献3】特開2004−195245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
いずれの穿刺手段を用いた血液検査装置であっても、穿刺された皮膚から流出した血液の一部が、血液センサに取り込まれず、皮膚に残ることがある。従って、血液検査装置によって血液を検査するたびに拭き取り紙などを用意して、皮膚に残った血液を拭き取る必要があった。本発明は、検査後の血液拭き取り用具の準備を不要とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の血液検査装置は、装置本体に着脱可能な、血液センサを含む血液センサユニットを具備し、かつ血液センサユニットが吸収手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の血液検査装置は、血液センサを含む血液センサユニットに吸収手段が装着されているので、穿刺によって流出した余分な血液が皮膚に残存しても、血液センサユニットに装着された吸収手段で血液を拭き取ることができる。従って、測定後の血液拭き取り用具などを準備する必要がない。また拭き取られた血液は、血液センサユニットとともに廃棄することができるので、衛生的である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】針を穿刺手段とする血液検査装置の一例の断面図である。
【図2】レーザを穿刺手段とする血液検査装置の一例の組立図である。
【図3】レーザ発射装置の斜視図である。
【図4】レーザ発射装置の断面図である。
【図5】血液センサの第一の例の断面図である。
【図6】血液センサの第二の例の断面図である。
【図7】図6に示された血液センサに血液が貯留した状態を示す図である。
【図8】血液センサの透視平面図である。
【図9】血液センサの透視平面図である。
【図10】血液センサの透視平面図である。
【図11】血液センサの分解平面図である。図11Aはカバーの平面図、図11Bはスペーサの平面図、図11Cは基板の平面図である。
【図12】針を穿刺手段とする血液検査装置の血液センサユニットの分解斜視図である。
【図13】レーザを穿刺手段とする血液検査装置の血液センサユニット近傍の断面図である。
【図14】レーザを穿刺手段とする血液検査装置の血液センサユニットの斜視図である。
【図15】レーザを穿刺手段とする血液検査装置の血液センサユニットの断面図である。
【図16】レーザを穿刺手段とする血液検査装置の血液センサユニットの断面図である。
【図17】レーザを穿刺手段とする血液検査装置の血液センサユニットの断面図である。
【図18】レーザを穿刺手段とする血液検査装置の血液センサユニットの平面図である。
【図19】血液センサユニットの先端部を示す図である。先端に毛細管となる溝が形成されている。
【図20】血液センサユニットの先端部を示す図である。先端に毛細管となる溝が形成されている。
【図21】血液センサユニットの先端部を示す図である。先端に、両端が開口された毛細管となる溝が形成されている。
【図22】血液センサユニットの先端部を示す図である。先端に、両端が開口された毛細管となる溝が形成されている。
【図23】血液センサユニットの先端部を示す図である。図23Aではホルダの内側面に溝が形成され、図23Bではホルダの外側面に溝が形成される。
【図24】血液センサユニットの先端部を示す図である。ホルダの先端部に吸収部材が配置される。
【図25】血液センサユニットの先端部を示す図である。ホルダの下面内部に吸収部材が埋め込まれている。
【図26】血液センサユニットの先端部を示す図である。ホルダの内側面内部に吸収部材が埋め込まれている。
【図27】血液センサユニットの先端部を示す図である。ホルダの先端部に吸収部材が配置され、かつ下端部には毛細管が形成されている。
【図28】血液センサユニットの先端部を示す図である。ホルダの外側面に吸収部材が設けられている。
【図29】血液センサユニットの先端部を示す図である。ホルダの外側面に吸収部材が配置され、かつホルダ内部と貫通孔を通じて連通している。
【図30】血液センサユニットの先端部を示す図である。ホルダの先端部に蛇腹状の伸縮体が設けられている。図30Aは皮膚に押しつけた伸縮体が縮んだ状態、図30Bはそれを引き上げて伸縮体が伸びた状態、図30Cは血液が伸縮体に取り込まれた状態である。
【図31】血液センサユニットを血液検査装置に装着するためのガイド部の要部展開平面図である。
【図32】血液検査装置の電気回路部のブロック図である。
【図33】血液検査装置を用いた血液検査のフローチャートである。
【図34A】本発明の血液検査装置を用いた検査手順の一例をより具体的に示す工程別断面図である。
【図34B】図34Aに続く工程別断面図である。
【図34C】図34Bに続く工程別断面図である。
【図34D】図34Cに続く工程別断面図である。
【図35】血液検査装置を用いた血液検査において、負圧を複数回断続して加えた様子を示す図である。
【図36】血液検査装置を用いた血液検査において、負圧を複数回断続して加えた様子を示す図である。
【図37】従来の血液検査装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の血液検査装置は、開口部を有する本体;前記開口部に保持された血液センサ;前記本体内部に設けられた、皮膚を穿刺する穿刺手段;前記血液センサに接続された電気回路部;および前記電気回路部に電気を供給する電源部を備える。穿刺手段は、針であっても、レーザであっても構わない。血液センサは、装置本体に着脱可能な血液センサユニットの一部材とされる。
前記血液センサユニットは、穿刺対象である皮膚と接触する部位を有する。皮膚と接触することにより、血液センサユニットの内部空間が塞がれることが好ましい。
【0013】
さらに本発明の血液検査装置は負圧手段を有していてもよい。前述の通り血液センサユニットの内部空間は、穿刺対象である皮膚によって塞がれるので、皮膚で塞がれた血液センサユニットの内部を負圧手段が負圧することができる。負圧により、穿刺対象である皮膚が吸引されうる。
【0014】
針穿刺の血液検査装置の全体
本発明の血液検査装置は、穿刺手段として針を用いてもよい。針を穿刺手段とする装置の一例を図1に示す。図1は血液検査装置220の断面図である。血液検査装置220は、樹脂で形成されたハウジング221を有する。ハウジング221は装置の枠体であって、装置の主要部材を収納する。ハウジング221には、電気回路232が収納される。電気回路232は、血液センサ42(後述)での血液成分の検出結果を受信して当該血液成分を測定する。
【0015】
ハウジング221の一方(図中右上)は、装着部221aとされている。装着部221aの端から、血液センサユニット222が挿入される。詳細は後述するが、血液センサユニット222は、ホルダ223;ホルダ223の内部に装着された血液センサ42;ホルダ223の内部を自在に滑動できるランセット225;ランセット225の端部に装着された採血針226を有する。血液センサ42は検査電極と、検査電極に接続された接続電極を含む(後述)。接続電極には、コネクタ227が接触する。
【0016】
血液センサユニット222の一部材であるランセット225の一方端の近傍に形成された被把持部225fは、装着部221aの内部を滑動するプランジャ230の一方に設けられた把持部230aに把持される。プランジャ230の把持部230aが、ランセット225の被把持部225fを把持することにより、採血針226で皮膚を穿刺するときに、採血針226がぶれずに直進性がよくなり、安定して採血針226を皮膚に穿刺することができる。
【0017】
プランジャ230は、クランク形状をしたハンドル231に連結されている。ハンドル231の端231bには係止凸部231cが形成されている。ハンドル231はハウジング221に形成された孔221cを通り、係止凸部231cが係止凹部221dと嵌合することにより係止する。係止を解除すると、バネ240に付勢されたプランジャ230が、穿刺針226を有するランセット225を押し出す。
【0018】
ハウジング221には電気回路232に電源を供給する電源部234も収納される。さらに負圧手段282も収納され、負圧手段282は負圧路283を介して血液センサユニット222の内部を負圧することができる。
【0019】
レーザ穿刺の血液検査装置の全体
本発明の血液検査装置は、穿刺手段としてレーザを用いてもよい。レーザを穿刺手段とする装置の一例を図2(組立斜視図)に示す。図2に示される血液検査装置31の下ケース32の内部には、レーザ発射装置33;吸引ポンプ34a、ポンプ弁ユニット34bおよび大気開放スイッチ34cで構成された負圧手段34;電気部品に電力を供給する電池35;これらの部品上に装着された電気回路部36;電気回路部36の上に装着されるとともに、たとえば液晶で構成された表示部37などの部材が格納される。
各部材が格納された下ケース32に、上ケース38が被せられて本体39が構成される。上ケース38には透明の表示窓38aが、表示部37に対応した位置に設けられる。
【0020】
本体39は、アダプタ40を介して血液センサユニット44と接続される。アダプタ40の一方は円筒状の筒体であり、血液センサユニット44が挿抜自在に装着される。血液センサユニット44は、ホルダ41;ホルダ41の内部に装着された血液センサ42とから構成される。血液センサユニット44の中央に設けられた窓43は、レーザ発射装置33のレーザ発射口からのレーザを通過させる部材である。窓43は、貫通孔であってもよく、レーザを透過する部材で形成された部材でもよい。
【0021】
前述の通り血液検査装置は、皮膚を穿刺する手段としてレーザ発射装置を格納されうる。レーザを皮膚に照射すると、皮膚の水分(血液の水分など)のOH基にレーザが吸収されて瞬間的に熱が上昇する。温度上昇により、水分が蒸発して皮膚を押し上げる。押し上げられた皮膚が破壊されて(穴が開き)血液が流出する。血液16が流出した後、レーザ光で穿刺された底面は炭化するので炭化臭を発する。この炭化臭は脱臭剤で脱臭するとよい。
【0022】
図3は、血液検査装置に収納されるレーザ発射装置33の外観斜視図である。また図4は、レーザ発射装置33の断面図である。レーザ発射装置33は、発振チューブ33a;発振チューブ33a前方に連結された円筒状の筒体33bから構成される。筒体33bの前方中央にはレーザ発射口33cが設けられる。
【0023】
発振チューブ33aの内部には、レーザ結晶(例えばEr:YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット))33d;および励起光源33eが格納される。発振チューブ33aの一方の端には、部分透過鏡33fが装着される。部分透過鏡33fの透過率は、約1%にすればよい。発振チューブ33aの他方端には、全反射鏡33gが装着される。
筒体33bの内部には凸レンズ(焦点レンズ)33hが装着される。凸レンズ33hは、レーザを血液センサ面の近傍に集光させる。全反射鏡33gとYAGレーザ結晶33dと部分透過鏡33fとレンズ33hとレーザ発射口33cとは、この順に配置される。
【0024】
具体的にレーザ発射装置33は、レーザの種類がEr:YAGまたはCO2ガスであり;波長領域は2.7〜3.5μmまたは6.5〜10.5μmであり;パルス幅は50〜400μs、好ましくは200μsであり;出力は300mJ〜3000mJである。ショット経は0.1mm〜0.5mm;ショット深さは0.3〜0.7mmである。チャージ電圧は200〜700Vの範囲であり、好ましくは500Vである。高電圧は、電池を用いて電荷をコンデンサにチャージ(充電)して、チャージされた電荷を一気に放電することにより得ればよい。
【0025】
レーザ発射装置33からレーザが発射されるプロセスを説明する。励起光源33eから発射された励起光は、レーザ結晶33dの内部に入り、全反射鏡33gとレーザ結晶33dと部分透過鏡33fの間を反射して共振するとともに増幅される。増幅されたレーザの一部は、誘導放出により部分透過鏡33fを通過する。部分透過鏡33fを通過したレーザは、レンズ33hを通過してレーザ発射口33cから放射される。後述のように、レーザ発射口33cから放射されたレーザが皮膚を穿刺(照射)する。
【0026】
血液センサについて
本発明の血液検査装置は、穿刺された皮膚から流出した血液を取り込み、その血液成分などを検査するための血液センサを有する。血液センサは、血液センサユニットの内部に配置される。
【0027】
図5は、血液センサの第一の例の断面図が示される。図5に示される血液センサ42−1は、外形形状が円形である。血液センサ42を構成する基体45は、基板46;基板46の上面に貼り合わされたスペーサ47;スペーサ47の上面に貼り合わされたカバー48で構成される。
【0028】
基体45の略中央に、血液の貯留部49が設けられる。貯留部49は、基板46に設けられた孔46aと、スペーサ47に設けられた孔47aとが連通して形成される。貯留部49は、皮膚からの血液を採取するため、下方(皮膚が配置される側)に向かって開口している。貯留部49の容積は特に限定されないが、例えば0.904μLとすればよい。貯留部49には、供給路50の一方の端が連結される。供給路50の容積は特に限定されないが、例えば0.144μLとすればよい。供給路50の内部には検出部51が配置される。
【0029】
貯留部49に溜められた血液は毛細管現象で供給路50に浸入し、検出部51に導かれる。供給路50の他端は空気孔52に連結されている。空気孔52の直径は、50μm程度とすればよい。空気孔52の直径を小さくすれば、空気孔52からの血液の過剰な流出が抑えられる。また負圧手段が血液センサユニットの内部を負圧する場合には、貯留部49の内部も、皮膚が密着した状態において、空気孔52を介して負圧される。
【0030】
検出部51上に載置された試薬53は、検査対象に応じて適宜調製すればよい。例えば、0.01〜2.0wt%CMC(カルボキシルメチルセルロース)水溶液に、酵素(PQQ−GDH)を0.1〜5.0U/センサ;フェリシアン化カリウムを10〜200mM;マルチトールを1〜50mM;タウリンを20〜200mMとなるように添加して溶解させて調製した試薬溶液を、基板46に配置された検出部上に滴下して、乾燥させて試薬53とする。
【0031】
血液センサ42−1の貯留部49は、面49a(「天面」ともいう)で封鎖されている。したがって穿刺手段として針を用いる場合には、針でカバー48を穿孔して皮膚を穿刺すればよい。
【0032】
一方、穿刺手段としてレーザを用いる場合には、照射されたレーザが天面49aを透過するようにすることができる。レーザによって穿刺された皮膚から流出した血液が、天面49aから流出することはなく好ましい。天面49aをレーザが透過するには、カバー48をレーザが透過できる材質(例えば、ガラスやポリイミドなどのプラスチックが含まれる)で形成すればよい。また照射されたレーザが天面49aを透過できない場合は、そのレーザが天面49aを穿孔できればよい。
【0033】
針またはレーザが、天面49aを穿孔する場合は、基板46、スペーサ47およびカバー48を、同じ材質で形成することができるので、材料管理やコスト面で好ましい。
【0034】
血液検査装置に負圧手段を設けて血液センサユニット内部を負圧する場合には、針またはレーザによって天面49aに形成された孔は、空気孔52とともに、負圧手段が貯留部49を負圧するための負圧経路となる。
【0035】
図6は、血液センサの第二の例の断面図である。図5に示される血液センサ42−1の貯留部49の天面49aは封鎖されているが、一方、図6に示される血液センサ42−2の貯留部49の天面は開放されている。
【0036】
血液センサ42−2のカバー48には孔103bが形成されている。孔103bの直径(例えば1.0mm)は、貯留部49の直径(例えば2.0mm)より小さい直径であって、空気孔52の直径(例えば50μm)より大きいことが好ましい。孔103bは、貯留部49の天面中央に位置することが好ましい。穿刺手段である針またはレーザは、孔103bを通過して皮膚を穿刺する。孔103bを設けることにより、針またはレーザで天面を穿孔する必要がなく、針の移動エネルギーの減少やレーザの減衰を抑制することができる。よって、針を発射させる力や照射するレーザのエネルギーを小さくすることができる。
【0037】
血液検査装置に負圧手段を設けて血液センサユニット内部を負圧する場合には、孔103bは空気孔52とともに、負圧手段が貯留部49を負圧するための負圧経路となることができる。
【0038】
図7に示すように、孔103bの内側に生じる血液16の表面張力が、皮膚穿刺により採取した血液16のカバー上面への流出を抑制する。血液16が貯留部49の内部に行き渡るので、適正量の血液16を採取することができる。貯留部49を満たした血液16は、供給路50に流入する。
【0039】
孔103bを撥水性にしておけば、血液16は孔103bからさらに溢れにくくなる。よって、血液検査装置31の内部が血液で汚染されることはない。
【0040】
血液センサ42−2のカバー48の材質には、ポリエチレンテレフタート(PET)等を使用することができ、基板46、スペーサ47と同様の材質とすることができる。よって、材料管理が容易である。
【0041】
穿刺手段である針またはレーザは、貯留部49の孔103bを通過するが、孔103bの中心を通過してもよく、孔103bの中心からずれた位置を通過してもよい。例えばレーザを、孔103bの中心よりも、供給路50から遠い位置を通過させれば、皮膚13から流出した血液16が確実に貯留部49の内部を満たした後に、供給路50へ流入する。したがって精度の高い測定ができる。
【0042】
血液センサ42−2は、あらかじめ貯留部の天面に孔103bを形成されている。あらかじめ孔103bが形成されているので、穿孔すべき箇所にレーザの軸を合わせる必要がない。よって、血液センサユニット44への血液センサの装着が容易となる。孔103bの径を0.05〜0.2mm程度と小さくして、穿刺孔からの血液16の流出を抑制することが好ましい。
【0043】
本発明の血液センサ42は、図5および図6に示されたように、貯留部と供給路を有することが好ましい。供給路の内壁面は親水性を有することが好ましい。検出部を配置された供給路に、血液をスムーズに送り込むためである。また供給路の内壁面の親水性は、貯留部の内壁面の親水性よりも強いことが好ましい。貯留部に貯留された血液を、スムーズに供給路に供給するためである。
【0044】
さらに本発明の血液センサ42は、図5および図6に示されたようにカバー48を有し、カバーは貯留部の天面を形成している。カバーの上面48aまたは103a(レーザが照射される面)は、撥水性を有することが好ましい。またカバーの上面の撥水性は、貯留部の内壁面の撥水性よりも強いことが好ましい。貯留部に貯留された血液が、カバーに形成された孔から流出するのを防止するためである。
【0045】
血液センサの透視平面図1
図8は、血液センサ42の透視平面図である。血液センサ42には、検出電極54〜57が配置され、貯留部49から空気孔52に向かって順に、検出電極57(Hct(ヘマトクリット)測定極)、検出電極56(対極)、検出電極54(作用極)、検出電極56(対極)、検出電極55(検知極)とされている。検出部51に検出電極54〜56が配置される。
【0046】
検出電極54〜57のそれぞれは、接続電極54a〜57aに接続される。接続電極54a〜57aは、基板46の外周にまで延びる。接続電極54a〜57aのそれぞれには、接触部位54b〜57bが設けられている。さらに接続電極56aには、接触部位56bに加えて接触部位56cも設けられ、2つの接触部位が形成されている。基準電極56dは、接続電極56a以外の接続電極(54a、55aまたは57a)に設けても構わない。
接触部位54b〜57b、および接触部位56cは、血液センサ42の外周近傍に略等間隔に配置される。
【0047】
各接触部位のうち、接触部位56bと接触部位56cとは導通しており、その他の接触部位同士は絶縁されている。接触部位56cを基準接触部位、つまり基準電極56dとして用いて、各接続電極を特定することができる。つまり、隣り合う接触部位の絶縁抵抗を電気回路部(図1における232;図2における36を参照)で測定し、絶縁抵抗が零となる接触部位を基準電極56dと特定する。基準電極56dを基準に、時計周りに接続電極56a、接続電極57a、接続電極54a、接続電極55aを特定する。
【0048】
このように血液センサ42は基準電極56dを有するので、各接続電極を特定することができる。よって装置本体に配置された5つのコネクタそれぞれに、接触部位(54b〜57bおよび56c)が任意に接続されても、各接続電極が特定されて測定が可能となる。よって、血液センサ42(または血液センサ42を含む血液センサユニット)を対称形として、無造作に装置本体に装着することができ、装着作業が非常に容易となる。
【0049】
基板46の外周上には、位置合わせ凹部46cを設けてもよい。位置合わせ凹部46cに対応して、スペーサ47とカバー48のそれぞれ外周上にも、位置合わせ凹部47cと48cが設けられる。位置合わせ凹部46c〜48cは、血液センサ42を血液センサユニット44の所定位置に合わせるための基準となる。
【0050】
血液センサの透視平面図2
図9は、他の例の円形形状の血液センサ42'の透視平面図である。血液センサ42'は、接続電極56aから所定のパターンを介して基準電極56dを形成した点で血液センサ42(図9参照)と相違している。以下において、この相違点を中心に説明する。
【0051】
基準電極56dには、基準接触部位56cが設けられる。基準接触部位56cおよび接触部位54b〜57bはそれぞれ、外周近傍に等間隔で配置される。つまり接触部位54b、55b、56b、56c、57bで正五角形を形成している。
【0052】
接続電極56aと基準電極56dの間はレーザで加工されたパターン56eで接続される。パターン56eの幅を変えることにより、接触部位56bと基準接触部位56cとの間の抵抗値を変化させることができる。基準電極56dは、接続電極54a〜57aの位置を特定する基準となる。
【0053】
基準電極56dは、血液センサ42'の製品仕様の識別に利用されうる。例えば、パターン56eの抵抗値が200オーム〜1000オームのであれば検量線1を;抵抗値が1000オーム〜2000オームであれば検量線2を;抵抗値が2000オーム〜3000オームであれば検量線3を用いると設定し、自動でその血液センサの検量線を認識し、最適な検量線を用いて血糖値の測定をする。
基準電極は、検量線の自動認識のほかにも、種々の製品仕様の識別について利用されうる。例えば、A社仕様、B社仕様のように、出荷先のユーザの識別に用いることもできる。
【0054】
パターン56eで種々の値を有するインダクタを形成し、形成されたインダクタを発振器を構成する共振器に接続して、インダクタ値の相違により発振周波数を変化させて、種々の情報をもたせることもできる。
【0055】
基準電極56dを設けることにより、血液センサユニット44を血液検査装置31に装着するときに、装着方向を軸とする軸周りの角度を任意にしても、各接続電極54a〜57aを特定することができる。したがって血液センサユニット44の装着において、装着方向を目視等で合わせる必要がなく、装着が容易になる。
【0056】
血液センサの透視平面図3
図10は、四角形状をした血液センサ42''の透視平面図である。図10に示された血液センサ42''の外形形状は四角形であるが、六角形や八角形等の多角形であってもよい。四角形や六角形にすると、材料取りの歩留まりが向上する。また図11に示したように、四辺のうちの一辺に血液センサユニット44との位置合わせ凹部102aを設けて非対称形にしてもよい。凹部102aは、血液センサ42''を血液センサユニット44に取り付けるときの基準となる。また、凹部102aに係合する血液センサユニット44側の凸部130f(図18参照)を基準にして、アダプタ40との位置合わせをすれば、基準電極56dを設けなくても検出電極54〜57の位置を特定することができる。
【0057】
接触部位54b〜57bは、四角形の基板102bの各角に設けている。基板102bにはスペーサ102c、およびカバー102dが貼り合わせられている。基板102bは、基板46に対応し、スペーサ102cはスペーサ47に対応し、カバー102dはカバー48に対応する(図5参照)。
【0058】
血液センサの分解平面図
本発明の血液検査装置に具備される血液センサ42(図5など参照)の組み立てや、材料について説明する。同一物については同一番号を付して説明を簡略化する。
【0059】
図11は、血液センサ42の分解平面図である。図11Aはカバー48の平面図;図11Bはスペーサ47の平面図;図11Cは基板46の平面図である。
【0060】
図11Cは、血液センサ42を構成する円形をした基板46の平面図である。基板46の直径は、約8.0mmとすればよい。基板46の材質は、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂であり、厚さは約0.075〜0.250mm(例えば0.188mm)である。
【0061】
基板46の上面には、検出電極54〜57、および検出電極54〜57のそれぞれから導出された接続電極54a〜57aが一体的に形成されている。検出電極および接続電極は、金、白金またはパラジウムなどを材料として、スパッタリング法または蒸着法により導電層を形成し;レーザ加工して形成すればよい。
【0062】
基板46の略中央に設けられた孔46aの直径は、約2.0mmとすればよい。孔46aの壁面は、供給路50より弱い親水性を有するか、またはカバー48の上面48aより弱い撥水性を有することが好ましい。
【0063】
孔46aは、検出電極54〜57側から、凸金型を用いて打ち抜いて形成することが好ましい。検出電極54〜57側から打ち抜けば、検出電極54〜57に傷を付けにくいからである。また、打ち抜きにより孔46aにバリが生じたとしても、そのバリは下方(皮膚側)に向かう。従って、貯留部49からの血液16の流出が防止される。基板46の外周上に設けられた位置合わせ用の凹部46cは、血液センサユニット44のホルダ41に形成された位置合わせ用凸部(図示せず)とかみ合う。よって、血液センサ42の血液センサユニット44への装着位置が決定される。
【0064】
図11Bはスペーサ47の平面図である。スペーサ47の直径は、約5.2mmとすればよい。スペーサ47の材質はポリエチレンテレフタレートなどの樹脂であればよく、その厚さは0.025〜0.25mm(例えば0.1mm)であればよい。
【0065】
スペーサ47の略中央に設けられた孔47aは直径2.0mmであり、かつ基板46に設けられた孔46aに対応する位置に設けられる。孔47aの壁面は、供給路50より弱い親水性を有するか、またはカバー48の上面48aより弱い撥水性を有することが好ましい。貯留部49は、孔46aと孔47aとで形成される。
【0066】
孔47aから外周方向へ向かってスリット47bが形成される。スリット47bは、血液の供給路50となる。スリット47bの壁面と、それに対応する前記基板46の上面も親水性処理されている。また、スリット47bの幅は約0.6mmとすればよく、長さは約2.4mmとすればよい。その結果、供給路50の容量は約0.144μLとなる。供給路50の容量を小さくすれば、小容量の血液で血液検査ができるので、患者への負担も少なく、また患者へ与える恐怖心もない。
【0067】
スペーサ47の外周上に設けられた位置合わせ用の凹部47cは、基板46に形成された位置合わせ用の凹部46cに対応した位置に形成される。
【0068】
図11Aは、カバー48の平面図である。カバー48の直径は、約5.2mmとすればよい。カバー48の厚さは、約0.050〜0.125mm(例えば0.075mm)とすればよい。
【0069】
カバー48の材質は、レーザを吸収しない材質とすることができる。カバー48の材質の例には、ガラスおよびポリイミドなどのプラスチックが含まれる。レーザがカバー48で吸収されなければ、貯留部49の天面49aを通過して、皮膚を穿刺することができる。レーザにより天面49aが穿孔されないので、血液が孔から流出せず、本体39の内部に血液16が流入しない。
【0070】
カバー48の材質は、レーザを吸収する材質であってもよい。その場合には、照射されたレーザによってカバー48が穿孔されるか;またはレーザを照射する前に、カバー48にレーザが貫通するための孔を形成しておけばよい。
【0071】
空気孔52は、供給路50の先端部に対応して設けられる。空気孔52の直径は50μmである。
【0072】
基体45の上面を形成するカバー48の上面48a(図5参照)は撥水化処理されていることが好ましい。供給路50の天面は親水化処理されていることが好ましい。また、貯留部49の天面49aは、供給路50より弱い親水化処理をされているか、またはカバー48の上面48aより弱い撥水化処理をされていることが好ましい。
【0073】
親水性を弱めるには、例えば疎水性材料に施された親水性化材を除去して、疎水性を強めればよい。親水化材の除去は、例えばUV(紫外線)照射により親水化材を分解して行なう。貯留部49の天面49aは、疎水性の素材をそのまま用いることができる。
【0074】
材料の撥水化は、その材料に撥水化材を混入すればよい。また、親水性材料の表面に適量の撥水化材を塗布してもよい。なお撥水性の程度を調整するには、混入する撥水化材の量を調整すればよい。
【0075】
血液センサ42の各部材の親水性または疎水性は、以下のようにして調整することができる。あらかじめカバー48の上面48aに撥水化処理を行なう。一方、カバー48の下面には親水化処理を全面に施す。カバー48の下面には、供給路50の天面が含まれる。次に、基板46;スペーサ47;カバー48を貼り合わせる。貼り合わせた後に、貯留部49の開口から短波長のUVを照射して、天面49aの親水性材料を分解除去する。
以上のように製造された血液センサ42は、カバー48の上面48aを撥水性にして、かつ供給路50の内面を親水性にすることができる。また、貯留部49の内面は、供給路50より弱い親水性を、または上面48aより弱い撥水性を有しうる。
【0076】
基板46の厚み(0.188mm)と、スペーサ47の厚み(0.100mm)と、カバー48の厚み(0.075mm)との比は、略2.5:1.3:1とされている。血液センサ42の薄型化しながら、しかも十分な血液を溜める貯留部49を形成することができる。また、スペーサ47の厚み(0.100mm)によって、供給路50の毛細管現象の効果も十分に得ることができる。
【0077】
血液センサ42の貯留部49の容積(0.904μL)と供給路50の容積(0.144μL)の比は、は、特に限定されないが、略6:1とすればよい。それにより、血液16の不足により検査が不正確になることはない。また、貯留部49の容積は、必要とする供給路50の容積に対して大き過ぎることはなく、血液16が大量に供給路50を流れて、試薬53(図5など参照)を押し流すこともない。従って、血液16の流れが律速状態となり、試薬53の溶融性にばらつきが生ずることはなく、正確な血液16の検査ができる。
【0078】
また、採取する血液16の量は、血液16の検査に必要十分な微小容量に設定されたものであり、供給路容積の約6倍の血液16を採取するのみである。従って、患者にかける負担を極めて少なくする。正確な測定のための血液16の採取量と、患者への負担を少なくするための血液16の採取量とを勘案して、貯留部49の容積は、供給路50の容積の5倍以上、かつ7倍以下であることが好ましい。
【0079】
血液センサユニットについて
血液センサは、装置本体に着脱可能な血液センサユニットに含まれていることが好ましい。つまり、血液センサは血液センサユニットの一部材として装置本体に交換可能である。
【0080】
穿刺手段が針の血液センサユニットについて
穿刺手段として針を用いた血液検査装置の血液センサユニットには、血液センサに加えて、針などを含むことが好ましい。
図12は、穿刺手段として針を用いた血液検査装置(図1参照)の血液センサユニット222の一例の分解斜視図である。図12に示される血液センサユニット222は、第二のホルダ238とホルダ223と血液センサ42とランセット225と採血針226とを有する。ランセット225と採血針226は、容易に分離しないように一体的に形成されるが;一方、ホルダ223とランセット225は、それぞれ別個に製造された後に一体化されてもよく、互いに分離可能でありうる。第二のホルダ238の先端238aに、穿刺される皮膚が配置される。後述の通り、先端238aには吸収手段が配置される。
【0081】
図1にはプランジャ230が後方へ引き込まれた状態が示され、採血針226は血液センサユニット222の内部にある。つまり穿刺前の状態を示している。患者の皮膚を穿刺するには、後方に引き込まれたプランジャ230を前方へ突出させ、採血針226を血液センサ42から突出させる。穿刺後にプランジャ230は再び後方へ引き込まれ、採血針226を血液センサユニット222内に収納する。プランジャ230が前方へ突出した状態を除いて、採血針226は血液センサユニット222内に収納されている。よって、採血針226で皮膚を誤って刺すことはなく安全である。また、患者に恐怖心を与えることもない。
【0082】
穿刺手段がレーザの血液センサユニットについて
穿刺手段としてレーザを用いた血液検査装置の血液センサユニットは、血液センサを有していればよい。
【0083】
図13は、血液センサユニット44とその近傍の断面図である。血液センサユニット44は、上下方向が共に開口した円筒形状のホルダ41;およびホルダ41内を塞ぐように設けられた装着部41bによって、断面を「H」形状に構成されている。
【0084】
ホルダ41の材質は、射出成形されうる樹脂が好ましく、ABS樹脂、AS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタートなどの熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等の熱硬化性樹脂などが例示される。
【0085】
装着部41bには血液センサ42が装着されているが、着脱可能であってもよい。図13では血液センサ42が、装着部41bの上側(レーザ発射装置側)に装着されているが、装着部41bの下側(穿刺される皮膚側)に装着されていてもよい。
【0086】
装着部41bの中央には、貯留部49に対応して窓43を設けることが好ましい。窓43の開口部面積は、貯留部49の開口部面積よりも大きいことが好ましい。さらに、装着部41bの上側と下側を貫通する負圧路41cが設けられる。負圧路41cは、例えば血液センサ42の外周とホルダ41の内周側との間に設けられていればよい。
【0087】
装着部41bより下側の筒体41dは、皮膚13との間に負圧室60を形成する。また、血液センサユニット44の装着部41bより上側の筒体41eの内壁は、アダプタ40の外側に係止する。
【0088】
アダプタ40の内側にコネクタ61が設けられる。コネクタ61は、それぞれ独立した複数本(例えば5本)のコネクタ61a〜61eからなる。血液センサユニット44をアダプタ40に装着すると、コネクタ61a〜61eが、血液センサ42の接触部位54b〜57bおよび56cのそれぞれに接触する。コネクタ61a〜61eの信号は電気回路部36に導かれる。
【0089】
ホルダ41の先端部41hに設けられた第1の皮膚接触センサ62は、血液センサユニット44が皮膚13に当接したことを検知する。第1の皮膚接触センサ62も、ホルダ41内に配置された導体62aを介して、アダプタ40に設けられた接続部62cに接続し;さらにアダプタ40側の導体62bに接続される。導体62bは電気回路部36に導かれている。
【0090】
ホルダ41の先端部41hの互いに異なった部位(図13においてはホルダ41の中心を通る直線上)に、複数個(例えば2個)の導体からなる第1の皮膚接触センサ62を設けることが好ましい。第1の皮膚接触センサ62の2個の導体間の抵抗値を測定することにより、皮膚13への当接を検知する。それにより、皮膚13が、隙間なく確実に血液センサユニットの先端に当接したことを検知することができる。第1の皮膚接触センサ62が皮膚の接触を検知しない限り、レーザを発射できなくすることが好ましい。第1の皮膚接触センサ62は、機構式のマイクロスイッチ、反射型の光学スイッチ等であってもよい。
【0091】
レーザ発射装置33からレーザが発射されると、レーザにより皮膚13内の毛細血管が傷付けられ、血液16が流出する。流出した血液16は貯留部49に溜められる。
【0092】
図14は、血液センサユニット110の斜視図である。血液センサユニット110は、特に説明のない限り、血液センサユニット44と同様の構造とすればよい。血液センサユニット110は、その断面が「H」形状である円筒状である。血液センサユニット110のホルダ110aの内側には、血液センサの接触部位の信号を、電気回路部36へ伝達する5本のコネクタ111が設けられていてもよい(血液センサ102の場合には4本のコネクタでよい)。コネクタ111は、ホルダ110aの上端でアダプタ40に接続され、このアダプタ40を介して電気回路部36に導かれる。
コネクタ111をアダプタに設けて、コネクタ111を血液センサユニット110の血液センサの接触部位に接触させてもよい。
【0093】
ホルダ110aの開口を塞ぐように設けられた装着部110bの裏側(下端部110h側、つまり穿刺される皮膚が配置される側)に、血液センサ42が装着される。装着部110bの略中央に設けられた窓110cは、血液センサ42の貯留部49の位置に対応して設けられる。レーザは、窓110cと貯留部49を通過して、皮膚13を穿刺する。
【0094】
装着部110bに設けられた空気孔110dは、血液センサ42の空気孔52と対応した位置に設けられる。空気孔110dは、血液センサ42の供給路50に血液16を流入させたり、貯留部49を負圧にしたりするために設けられる。
【0095】
アダプタ40との係合部110eの弾性で、アダプタ40に血液センサユニット110が係合する。ホルダ110aには、互いに対向する2つの係合部110eが設けられる。係合部110eの両隣にスリットを形成して弾性を付与して、ホルダ110aと一体的に形成されている。このように係合部110を容易に形成することができる。
【0096】
装着部110bの上面に、消臭剤置場110fが同心円状に設けられる。消臭剤置場110fには消臭剤が載置される。レーザ穿刺をした場合、皮膚13が炭化して臭いを生ずることがあるので、この臭いを消臭剤で消すことができる。また、装着部110bの上面には、血液溜り110gが同心円状に設けられる。血液センサ42−2(図6参照)の孔103bから血液16が溢れ出たとしても、血液溜り110gに滞留するので、血液16が血液検査装置31の本体部を汚すことを防止する。
【0097】
図15は、血液センサユニット110の断面図である。図15に示すように、血液センサユニット110の装着部110bの下面に血液センサ42が配置され、装着部110bに保持される。皮膚13は、負圧手段(図2の34などを参照)によって盛り上げられて、血液センサ42に密着する。血液センサ42は、装着部110bにより保持されているので、密着する皮膚13によって歪みにくい。コネクタ111は、血液センサ42の接触部位54b〜57b、56cに接触する。ホルダ110aは、アダプタ40に対応するガイド部63(図31を参照)が設けられていることが好ましい。
【0098】
コネクタ111は、ホルダ110aに内蔵され、装着部110bの一部に割り込むように形成されている。コネクタ111の接触面111aは、血液センサ42と接触する。つまり、血液センサ42の上面に形成された接続電極と、コネクタ111に設けられたコンタクト部(図示せず)とが接続する。
また、血液センサの接続電極とコネクタ111とは、ホルダ内に形成された導体パターンまたは導体ジョイント部を経由して接続されてもよい。
【0099】
本発明の血液検査装置は負圧手段を有していてもよく、負圧手段は血液センサユニット110の内部を負圧する。その負圧経路として、血液センサユニット110の装着部110bに、溝110fを形成してもよい。溝110fは、ホルダ110aの装着部の外周側から、装着部110bの略中央に形成された窓110eに延びる。負圧を加えたときに溝110fも負圧されて、血液センサ42は装着部110bに密着し:負圧を大気開放したときに血液センサ42は装着部110bから外れる。
【0100】
血液センサ42の下面に第2の皮膚接触センサ110mを設けてもよい。負圧室60の負圧により、皮膚13が第2の皮膚接触センサ110mに当接したことを検知する。第2の皮膚接触センサは、例えば対電極で構成すればよい。第2の皮膚接触センサ110mが、皮膚との接触を検知しない限り、レーザが発射できないようにすることが好ましい。
前記当接を検知した時点で、負圧手段34による負圧室60への負圧を停止してもよい。このように負圧手段34を制御することにより、負圧電力を無駄にせずに最適に制御できる。さらに、ホルダ110aの下端部110hに第1の皮膚接触センサ62を設けてもよい。
【0101】
図16は、血液センサユニット120の断面図である。血液センサユニット120は、特に説明のない限り、血液センサユニット110と同様の構造とすればよい。血液センサユニット120は、ホルダ120aの開口を塞ぐように形成された装着部120bの上側に、血液センサ42が載置される点で、血液センサユニット110と相違する。電気回路部36に接続されているコネクタ61は、血液センサ42の接触部位(54b〜57b、56c)と導通する。
【0102】
断面「H」形状に形成された血液センサユニット120の装着部120bの上方空間と下方空間は、負圧路120cで連通される。下方空間も負圧室60を形成する。第1の皮膚接触センサ62が、ホルダ120aの下端120hに設けられる。さらに装着部120bの下面に第2の皮膚接触センサ120mが設けられてもよい
【0103】
血液センサ42を装着部120bの上面に装着すれば、コネクタ61と、血液センサの接触部位(54b〜57b、56c)との接触圧を大きくすることができる。また、血液センサ42の装着部120bへの装着が容易となる。
【0104】
血液センサ42および装着部120bで区切られた、本体側の空間(図中上部空間)と、皮膚13側の空間(図中下方空間)とは、負圧路120c介して連通される。皮膚13に負圧を加えるときには、この負圧路120cを介して皮膚13側の空間を負圧することができる。また、負圧を大気開放すると、負圧路120cを介して本体39側の空間に空気がすばやく流入する。よって血液センサ42に取り込まれた血液が、本体39側に飛散することを防止することもできる。
【0105】
負圧路として、装着部120bの上側に溝120fを形成してもよい。溝120fは、ホルダ120aの装着部120bの外周側から、装着部120bの略中央に形成された窓120eに延びる。溝120fがあれば、装着部120bを貫通する孔を設ける必要がなくなる。
【0106】
図17は、血液センサユニット130の断面図である。血液センサユニット130は、特に説明のない限り、血液センサユニット44と同様の構造とすればよい。血液センサユニット130の装着部130bの上面に、血液センサ42が装着される。ホルダ130aの下端130dの内径は、上端130cの内径より小さい。
【0107】
装着部130bの下方に形成される負圧室60の開口部130eの直径は、2〜20mmが好ましく、3〜10mmがより好ましく、5〜7mmがさらに好ましい。穿刺する皮膚への負圧効率を高めるためである。また、上端130cの外形より、下端130dの外形を小さくすれば、複数の血液センサユニット130を縦に積層して、効率よく収納することができる。一方、血液センサ42はある程度の大きさを必要とするので、上端130cの外形は一般的に小さくしにくい。
【0108】
またホルダの130aの内側に、血液センサ42方向に突出して設けられた係止凸部130gは、血液センサ42を係止して、ホルダ130aからの外れを防止する。
【0109】
図18は、血液センサユニット130の平面図である。血液センサユニット130のホルダ130aには、血液センサ42の位置合わせ用の凹部46cや47c(図9参照)に嵌合する凸部130fが2つ形成されている。2つの凸部130fは、互いに略120度の角度異なる位置に配置される。ホルダ130aの凸部130fと、血液センサ42の位置合わせ用凹部46cとで、血液センサユニット130内における血液センサ42の配置位置が決定される。血液センサ42が適切に配置された血液センサユニット130が、アダプタ40に、ガイド部63(図26参照)により所定位置に装着される。その結果、血液センサ42の検出電極54〜57の信号を電気回路部36に伝えることができる。
また、凸部130fは1つでもよい。凸部130fが1つの場合には、ホルダ130aの構造を、血液センサ42が装着部130bに嵌入できるような構造にすることが好ましい。
【0110】
血液センサユニットの先端について
図19〜図23は、ホルダ110aの下端部110h近傍の第1の実施例の断面図である。下端部110hは患者の皮膚13に当接され、下端部110hの一部には溝が形成される。
図19〜図22に示される下端部110hは、2本の同心円上の線110jで形成されている。2以上の同心円上の線110jの間に形成される溝を毛細管110xとしているので、前記毛細管に測定後の余分な血液(穿刺により流出したが、血液センサ42に取り込めなかった血液)を吸引することができる。
【0111】
同心円上の線110jにより形成される毛細管111xは、図19に示されるように1つでもよいが、図20に示されるように複数であってもよい。さらに、複数の同心円状の線110jの高さは同じでもよいが、外周側の線110jを、内周側の線110jよりも突出させると、ホルダ110a内部の皮膚に残った血液を毛細管111xに吸引しやすくなる。このことは、図21、図22に示す実施例においても同様の効果がある。
【0112】
図19や20に示されたように、一方端だけが開口された毛細管110xでもよいが;図21や図22に示されたように、両端が開口された毛細管110xとされている方が、吸引能力が高まるので好ましい。
【0113】
図21に示されたように、皮膚表面に対する血液センサ42を設ける高さは適宜調整すればよいが、負圧手段で負圧室60を負圧したときに、皮膚13が血液センサ42に接触するようにすることが好ましい。血液を血液センサ42に取り込みやすくするとともに、皮膚13の位置を規定してレーザの焦点をあわせやすくするためである。
【0114】
下端部110hに形成された毛細管110xに、穿刺により皮膚から流出した血液の一部であって、血液センサに取り込まれなかった血液を、吸収することができる。そのため、検査のたびに血液を拭き取るための紙等を準備する必要がなくなり、使い勝手が向上する。
【0115】
また血液センサユニットの内部(負圧室60)を負圧する場合には、図22に示すように、下端部110hに形成された毛細管と、負圧室60との間を連通する孔110yを設けてもよい。負圧室の負圧により血液16が、より効率的に毛細管に吸引されうる。連通する孔110yの出口をフィルタ110zで覆ってもよい。フィルタ110zは、毛細管に吸引された血液16が負圧室60へ飛散することを防ぐ。
【0116】
また、本発明の血液センサユニットの内部(負圧室60)を負圧する場合には、負圧室60の密室性を高める必要があるので、端110hと皮膚13との密着性が要求される。そこで下端部110hを、鋭角に尖った2本の同心円上の線110jで形成すれば(図19〜22参照)、皮膚13と線接触により接触するので、負圧室60の密室性が高まる。
【0117】
図23Aまたは図23Bに示す例は、ホルダ110aの下端部110hの内側面または外側面に、毛細管となる溝110xを設けた例である。溝110xは1または2以上である。溝の形状は限定されず、毛細管現象が起こるようにすればよい。図23Aの場合は、血液検査をしたときにホルダ110a内部の皮膚に残った血液が、ホルダ110aの内側側面下方にある溝110xに吸い込まれる。
ホルダ110aの下端部110hの皮膚と接する面に角度θ(>0)をつけてもよい。皮膚との接触が線接触になり、拭き取り操作時に下端部110hが皮膚に食い込みやすくなり、血液除去の確実性が向上する。
図23Bは、ホルダ110aの下端部110hの外側側面に溝110xを設けた例である。採血後に血液センサユニットを一端皮膚から離してからふき取る場合に好ましい。もちろん、ホルダ110aの下端部110hの内側側面および外側側面の両方に溝を設けてもよい。
【0118】
図24〜図27はホルダ110aの下端部110h近傍の第2の実施例の断面図である。つまり下端部110hに吸収部材を設けている。
図24に示される下端部110hには同心円状の当接部110kが設けられ、当接部110kは皮膚13と当接する。当接部110kをスポンジ等の吸水性を有する吸収部材で形成すれば、穿刺により皮膚から流出した血液であって、血液センサに取り込まれなかった血液16を、測定後に拭き取ることができる。拭き取り用の紙等を準備する必要がなく使い勝手が向上する。また、給水部材に消毒薬を加えれば衛生的である。
【0119】
図24に示されるように、血液センサ42は下端部110hに設けられればよく、皮膚表面に対する高さは適宜調整される。好ましくは、負圧手段で負圧室60を負圧したときに、皮膚が血液センサ42に接触するようにする。
【0120】
また本発明の血液センサユニットの内部(負圧室60)を負圧する場合には、当接部110kを、ゴム、シリコン、ウレタン、スポンジ等の弾性体で形成してもよい。当接部110kが、その弾性により皮膚13と確実に当接し、負圧室60の密室性が向上する。また当接部110kを平面とすれば、皮膚13との当接面積が大きくなるので、負圧室60の密室性がより向上する。
【0121】
図25においては、吸収手段である吸水性を有する吸収部材110kは、ホルダ110aの下端部110hの皮膚と接触する面の内部に埋め込まれている。図26においては、吸収部材110kはホルダ110aの下端部110hの内側面の内部に埋め込まれている。さらに図示されないが、吸収部材110kはホルダ110aの下端部110hの内側の角(内側側面と下面が交差するエッジ)部分に設けても良い。
【0122】
さらに図27に示すように、当接部110kを設けられた下端部110hに毛細管110xを形成し、毛細管110xと負圧室60との間を連通する孔110yを設けてもよい。負圧室60の負圧によって、より効率的に毛細管110xに余分な血液16を吸引させることができる。さらに連通する孔110yの出口をフィルタ110zで覆うことにより、吸引された血液16が負圧室60に飛散することを防ぐことができる。
【0123】
図28はホルダ110aの下端部110h近傍の第三の実施例の断面図である。
下端部110hの外側面に、繊維綿等の吸水性を有する材質からなる吸収部材110kが設けられる。穿刺により流出した余分な血液16を、測定後に吸収部材110kで拭き取ることができる。拭き取り用の紙等を準備する必要がなくなり、使い勝手が向上する。また、吸収部材に消毒薬を加えれば衛生的である。また、下端部110hを鋭角に尖った2本の同心円上の線110jで形成すれば、皮膚13と線接触するのでしっかりと当接し、負圧室60の密室性が保たれる。
【0124】
図29は、ホルダ110aの下端部110h近傍の第4の実施例の断面図である。
下端部110hの外側側面に吸水性を有する吸収部材110kが設けられ、かつ吸収部材110kに接続するように下端部110hの内側からの貫通孔110pが、下端部110hに形成されている。吸収部材110kは、繊維質、多孔質などの材料が圧縮された状態で形成されており、負圧を掛けた場合にも、エアーが通過しにくいため、空気の漏れも少ない。また貫通孔110pを、微細な貫通孔(たとえば孔径が50μm〜250μm)とすることで、毛細管現象を起こしやすくする。上記のように、通気性のある吸収部材110kと、毛細管現象を有する貫通孔110pを組み合わせることで、ホルダ110a内の皮膚に残った血液の吸収性能は向上する。貫通孔110pは水平方向に設けられているので、毛細管現象が重力の影響を受けにくく、吸収性能が高まる。
【0125】
ホルダ110aの下端部110hに、穿刺位置を中心に放射状に複数の貫通孔110pを設置すれば、吸収性能はさらに高まる。また、上下方向に複数の貫通孔110pが設けられていてもよい。もちろん、負圧手段34により負圧路を経由してホルダ110aの内部を負圧してもよい。
【0126】
図30A、図30B、図30Cは、ホルダ110aの下端部110h近傍の第5の実施例の断面図である。
この例では、下端部110hの下面に蛇腹状の伸縮体110rを設けて、かつ伸縮体110rの先端部分にシール材110s備える。蛇腹状の伸縮体110rは、図30において上下方向に、ある程度の自由度で伸縮することができる。伸縮体110rは、ホルダ110aの内部の気密性を確保する。シール部材110sにパッドなどのシール材を用いれば、皮膚13との接触性が高まり、ホルダ110aの内部の気密性がより高まる。
【0127】
図30Aは、ホルダ110aを含む血液センサユニット110全体が、皮膚13に押し付けられた状態(矢印方向110t)が示される。蛇腹状の伸縮体110rは、シール部材110sと一緒に押しつぶされるように圧縮される。
図30Bは、穿刺・測定が完了して、ホルダ110aを含む血液センサユニット110全体を皮膚から離す方向(矢印110uの方向)に移動させた状態を示す。このとき、蛇腹状の伸縮体110rとシール部材110sの気密性によって、ホルダ110aの内部に負圧が発生して皮膚13が持ち上げられる。
さらに矢印110uの方向に移動させると、図30Cに示されるように、ホルダ110aの内部に残っていた血液16が、蛇腹状の伸縮体110rの蛇腹状の隙間に吸収される。また一度吸収した血液は保持されたままとなる。
【0128】
このように、ホルダ110aの内部の気密性が高ければ、当該内部を負圧しなくても、容易に残った血液16を回収することができる。血液センサユニット110の内部で処理ができるために、別途に拭取り用の紙などを準備する必要も無く、ユーザの手を汚さずに拭き取り廃棄ができる。
【0129】
血液センサユニットの装着
前記の通り、血液センサユニットは血液検査装置に着脱可能である。したがって血液センサユニットと、装置本体の血液センサユニット装着部には、血液センサユニットの装着を容易にするためのガイド部が設けられていてもよい。例えば、図2に示される血液検査装置の血液センサユニット44のホルダ41と、アダプタ40とには、血液センサユニット44の装着を容易にするためのガイド部を設ける。図31は、血液センサユニット44のアダプタ40への挿入をガイドするガイド部63の要部展開平面図である。ホルダ41の内側に凸部41fが形成され、アダプタ40の外側に凸部40fが形成される。凸部41fおよび凸部40fの端の先端部41gおよび先端部40gは、鋭角とされている。先端部41gおよび先端部40gは互いに向かい合う。凸部40fとその先端部40g、および凸部41fとその先端部41gとでガイド部63を形成する。
【0130】
血液センサユニット44をアダプタ40に挿入するときに、互いの位置が多少ずれていたとしても、血液センサユニット44はガイド部63に沿って進路を修正しながら挿入される(矢印64参照)。その結果、アダプタ40に設けられたコネクタ61a〜61eと、血液センサ42に設けられた接触部位54b〜57bおよび56cの何れかとが、確実に接触する。従って、血液センサユニット44を、挿入方向を軸とする回転角度を考慮することなく挿入することができるので、血液センサユニット44の装着が容易になる。
【0131】
図32に、穿刺手段としてレーザを用いた血液検査装置の、電気回路部のブロック図を示す。図32において、54b〜57bおよび56cは、血液センサ42に形成された接触部位である。接触部位54b〜57bおよび56cは、コネクタ61a〜61eを介して、切換回路71に接続される。切換回路71の出力は電流/電圧変換器72の入力に接続されている。変換器72の出力は、アナログ/デジタル変換器(以後、A/D変換器という)73を介して、演算部74の入力に接続されている。演算部74の出力は、液晶で形成された表示部37に接続されている。また、切換回路71には基準電圧源78が接続されている。基準電圧源78はグランド電位であってもよい。
【0132】
制御部76の入出力は、切換回路71の制御端子;演算部74;穿刺ボタン75;送信部77;タイマ79;レーザ発射装置33;負圧手段34;第1の皮膚接触センサ62に接続され、図示されない警報手段や第2の皮膚接触センサ(図15を参照)にも接続されている。演算部74の出力は、送信部77の入力にも接続されている。負圧手段34の出力は負圧路41cを介して負圧室60と血液センサユニット44の内部に導かれている。
【0133】
電気回路部36の動作を説明する。
血液検査の前に、血液センサ42の接触部位54b〜57bおよび56cのそれぞれが、コネクタ61a〜61eのいずれに接続されているかを特定する。まず、制御部76の指令により、コネクタ61a〜61eのうち、隣り合う端子間の電気抵抗が零である接触部位56cを特定する。特定された接触部位56cに接続されている接続電極を基準電極56dであると決定する。接触部位56cに接続されたコネクタ61を基準として、順に接続電極56a、57a、54a、55aに接続するコネクタ61であると特定する。このようにして、接続電極54a〜57aのそれぞれに接続されたコネクタ61を特定する。
【0134】
その後に血液検査を行なう。先ず、切換回路71を切換えて、血液成分量を測定するための作用極となる検出電極54を、コネクタ61を介して電流/電圧変換器72に接続する。また、血液16の流入を検知するための検知極となる検出電極54を、コネクタ61を介して基準電圧源78に接続する。
そして、検出電極54と検出電極55との間に、一定の電圧を印加する。この状態で、血液16が検出部に流入すると、検出電極54と55との間に電流が流れる。この電流は、電流/電圧変換器72によって電圧に変換され、その電圧値はA/D変換器73によってデジタル値に変換される。デジタル値は演算部74に向かって出力される。演算部74はそのデジタル値に基づいて血液16が十分に流入したことを検出する。
【0135】
予め定められた時間が経過しても、検出部51で血液16の検出がされない場合や、血液16の量が適正でない場合は警報手段を働かせて警報するとともに処置の内容を表示部37に表示してもよい。
【0136】
次に、血液成分であるグルコースの測定が行なわれる。グルコース成分量の測定は、先ず制御部76の指令により切換回路71を切換えて、グルコース成分量の測定のための作用極となる検出電極54を、コネクタ61を介して電流/電圧変換器72に接続する。また、グルコース成分量の測定のための対極となる検出電極56を、コネクタ61を介して基準電圧源78に接続する。
【0137】
例えば血液中のグルコースとその酸化還元酵素とを一定時間反応させる間は、電流/電圧変換器72および基準電圧源78をオフにしておく。そして、一定時間(1〜10秒)の経過後に、制御部76の指令により、検出電極54と検出電極56との間に、一定の電圧(0.2〜0.5V)を印加する。検出電極54と検出電極56との間に流れた電流を、電流/電圧変換器72によって電圧に変換する。電圧値は、A/D変換器73によってデジタル値に変換される。デジタル値は、演算部74に出力される。演算部74はそのデジタル値に基づいてグルコース成分量を求める。
【0138】
グルコース成分量の測定後に、Hct(ヘマトクリット)値の測定が行なわれる。
先ず、制御部76からの指令により切換回路71を切り換える。Hct値の測定のための作用極となる検出電極57を、コネクタ61を介して電流/電圧変換器72に接続する。また、Hct値の測定のための対極となる検出電極54を、コネクタ61を介して基準電圧源78に接続する。
【0139】
次に、制御部76の指令により、検出電極57と検出電極54との間に一定の電圧(2V〜3V)を印加する。検出電極57と検出電極54との間に流れる電流は、電流/電圧変換器72によって電圧に変換される。電圧値は、A/D変換器73によってデジタル値に変換される。デジタル値は、演算部74に出力される。演算部74は、そのデジタル値に基づいてHct値を求める。
【0140】
得られたHct値とグルコース成分量を用いて、あらかじめ求めておいた検量線または検量線テーブルを参照して、グルコース成分量をHct値で補正する。補正された結果は表示部37に表示される。
【0141】
また補正された結果は、送信部77からインスリン(治療薬の一例として用いた)を注射する注射装置に向けて送信されてもよい。電波を用いて送信してもよいが、医療器具への妨害のない光通信で送信することが好ましい。注射装置に送信された測定データに基づいて、インスリンの投与量を注射装置が自動的に設定できるようにすれば、投与するインスリン量を患者自身が注射装置に設定する必要がなくなり、煩わしさが軽減される。また人為手段を介さずにインスリン量を注射装置に設定することができるので、設定ミスが防止される。
【0142】
以上、本発明の血液検査装置を用いてグルコースを測定する例を説明したが、グルコース以外の血液成分(乳酸値やコレステロールなど)の測定にも、本発明の血液検査装置は有用である。
【0143】
検査方法
以下において、穿刺手段としてレーザを用いた血液検査装置を例に、本発明の血液検査装置を用いた血液を検査するステップについて説明する。図2に示された血液検査装置31を用いた血液検査のフローを、図33を参照して説明する。
血液センサユニット44を、血液検査装置31に装着する(ステップ81)。ステップ81では、血液センサユニット44をアダプタ40に挿入する。挿入により、アダプタ40の先端が血液センサユニット44の装着部41bに当接する。血液センサユニット44は、そのホルダ41の弾性で、アダプタ40に係止される。
【0144】
次に、血液センサ42の接続電極54a〜57aの特定を行なう(ステップ82)。電気回路部36で隣り合うコネクタ61a〜61e間の抵抗値から基準電極56dを特定する。特定された基準電極56dから時計回りに接続電極56a、57a、54a,55aと決定する。このように、任意の角度で挿入された血液センサユニット44の血液センサの接続電極54a〜57aが、ステップ82で特定され、その結果、検出電極54〜57が特定される。
【0145】
血液センサユニット44のホルダ41の先端部41hを患者の皮膚13に押し当てて密着させる(ステップ83)。皮膚13の先端部41hへの接触を、第1皮膚接触センサ62が検知すると、負圧手段34の吸引ポンプ34aが動作し負圧を開始する。吸引ポンプ34aに加わる負荷電流を制御部76で検出して、穿刺可能な負圧か否かを表示部37に表示してもよい。負荷電流を検出する代わりに、負圧が発生してから予め定められた時間をタイマ79で計測して、表示部37に穿刺が可能であるか否かを表示してもよい。
また、第2皮膚接触センサが設けられていれば、負圧の吸引による皮膚13の盛り上がりを検知できる。該検知を、表示部37に表示してもよい。
【0146】
レーザ穿刺するときに皮膚13に負圧を加えると、弛緩していた皮膚13が緊張状態になるので、穿刺による傷が小さくても、血液16を効率良く採取することができる。よって、患者に与える苦痛が軽減される。また、負圧により皮膚13を所定位置にまで盛り上げて位置を規定すれば、照射するレーザを正確に皮膚近傍に集光することができる。
【0147】
次に、穿刺ボタン75を押下る(ステップ84)。穿刺ボタン75の信号は電気回路部36で認識される。電気回路部36がレーザ発射装置33を駆動すると、レーザが皮膚13に向けて発射される。レーザでの穿刺電圧を、約300Vとすれば、患者に与える苦痛は少なくなる。
【0148】
次に、採血を行う(ステップ85)。レーザでの穿刺により患者の皮膚13から流出した血液16を、血液センサ42の貯留部49に貯留する(図7など参照)。貯留部49に貯留された血液16は、毛細管現象によって供給路50に浸入し、検出部51に導かれる。検出部51に導かれた血液16が、検知極としての検出電極55に達すると、測定に必要な量の血液16が得られたと判断される。このときに負圧手段34を停止してもよく、皮膚接触センサ62が皮膚の非接触を検知してから負圧手段34を停止してもよい。
【0149】
皮膚13から流出した血液16が、血液センサ42に取り込まれずに、皮膚に残った場合には、血液センサユニット44のホルダ41の先端部41hに設けられた吸収手段で拭き取る(ステップ86)。ステップ86は、ステップ85の後に行われればよく、グルコースの測定(ステップ87)、Hct値の測定(ステップ88)、成分量の補正(ステップ89)の後に行なわれてもよい。
【0150】
一方、予め定められた時間が経過しても、検出部51で血液16が検出されない場合や、血液16の量が適正でない場合(検出電極54と検出電極55間の抵抗で検出する)には、警報手段を作動させて警告するとともに、適切な処置内容を表示部37に表示してもよい。
【0151】
次に、グルコースの測定を行う(ステップ87)。血液中のグルコースとグルコース酸化還元酵素とを一定時間反応させた後、検出電極54を作用極;検出電極56を対極として、前記両検出電極54と56との間に電圧を印加して、グルコース測定を行えばよい。
【0152】
さらに、Hct値の測定をする(ステップ87)。検出電極57を作用極;検出電極54を対極として、両検出電極間に電圧を印加すれば、Hct値に依存する電流が検出される。この電流に基づいてHct値を測定できる。
【0153】
最後に、血液成分量の補正を行なう(ステップ88)。つまり、ステップ87で検出したHct値を用いて、ステップ86で得られたグルコース量を補正する。以上のステップにより、血糖値測定が終了したら使用済み血液センサユニット44は廃棄する。
【0154】
検査方法の模式的フロー
図34は、測定ステップのフローチャートを、より詳細に模式的に説明する図である。
図34において、ステップ151は、血液検査装置31のアダプタ40に血液センサユニット44を装着する前の状態を示す。ステップ152は、ガイド部63(図31参照)に沿って血液センサユニット44をアダプタ40へ挿入した状態を示す。ステップ153は、コネクタ61を押し下げて、コネクタ61がセンサ42の接触部位54b〜57b、56cに当接した状態を示す。
【0155】
次に、ステップ154に移行して、血液検査装置31のメインスイッチを起動する。すると、自動的に電気回路部36が基準電極56dを検出し、検出電極54〜57を特定する。その後、表示部37が、測定準備が完了したことを表示する。
【0156】
ステップ155では、血液検査装置31を穿刺する皮膚13に、血液センサユニット44の端部を当接させる。図34において、ステップ155以降については、血液検査装置31の装置本体39を省略して、血液センサユニット44のみを示す。ステップ156では、血液検査装置31を患者の皮膚13に当接させる。この皮膚13への当接を第1の皮膚接触センサ62が検出する。
【0157】
第1の皮膚接触センサ62が皮膚13を検知すると、ステップ157に移る。そして、負圧手段34が動作を開始し、矢印157aに示すように負圧室60を吸引する。吸引の結果、皮膚13が盛り上る。
【0158】
負圧が加えられると、ステップ158に示すように皮膚13はさらに盛り上がり、第2の皮膚接触センサ(皮膚接触電極)110mに当接する。
第2の皮膚接触センサ110mは、血液センサユニット44の下面に装着された血液センサ42の裏面に形成されるか(図15参照)、または、血液センサユニット44の上面に血液センサ42が装着される場合は、装着部120bの下面に形成される(図16参照)。
第2の皮膚接触センサ110mは、血液センサ42への皮膚13の接触を検知できればよいので、電極の代わりに、光センサ、機構スイッチまたは電気抵抗検出素子などを用いてもよい。
【0159】
ステップ159では、負圧室60における皮膚13の吸引を停止する。なお、第2の皮膚接触センサ110mがない場合は、負圧手段34の動作開始からあらかじめ定められた時間の経過後に、吸引を停止すればよい。経過時間は電気回路部36のタイマ79で計測すればよい。
【0160】
次に、ステップ160に移り、皮膚13にレーザを照射して穿刺する。穿刺により、皮膚13からは血液16が流出する。第2の皮膚接触センサ110mが皮膚13を検知すると、自動的に穿刺が行われてもよい。また、皮膚13の当接を表示部37に表示することにより、患者が穿刺ボタン75(図32参照)を押下するようにしてもよい。患者自身が穿刺ボタン75を押下する場合には、患者は気構えをすることができる。
【0161】
流出した血液16は、ステップ161に示すように、貯留部49を満たし、供給路50へ流入する。血液16の流入は、供給路50による毛細管現象と、負圧手段34による空気孔52からの吸引とにより行われる。
ステップ162に示すように、血液16は血液センサ42の検出部51に導かれる。血液16の検出部51への流入が検知されると、負圧手段34の動作を停止する(ステップ163)。血液16がセンサ42の検出電極55(図8参照)に達すると、血液16の流入が検知される。そして、大気開放スイッチ34cを操作して負圧室60内を外気圧にする。
【0162】
次に、ステップ164に示すように、血液検査装置31を皮膚13から離す。測定が終了したら、その旨を表示部37に表示する。そして、ステップ165に移り、採取した血液16の測定結果を表示部37に表示する。
【0163】
複数回の負圧
本発明の血液検査装置は、穿刺後に、負圧を複数回断続して加えてもよい。図35および図36を参照して、負圧を加えるタイミングと、その作用を説明する。
第1の皮膚接触センサ62が皮膚13を検知すると、時間166aで負圧手段34が駆動を開始する(図34のステップ156に対応)。負圧室60内に負圧が加えられ、皮膚13は状態167aのように緊張して盛り上がる(図34のステップ157に対応)。皮膚13が盛り上がり、時間166bで、第2の皮膚接触センサ110mに当接する(図34のステップ158に対応)。時間166bで、皮膚13は、図36に示す状態167bとなる。ここで、負圧室60に供給する負圧を停止する(図34のステップ159に対応)。そして、時間166cで、皮膚13を穿刺する(図34のステップ160に対応)。ここで、皮膚13は状態167cとなり、血液16が滲み出る。
【0164】
そして、一旦負圧の供給を停止した後、時間166dの時点で、再び負圧を加える。負圧により、状態167dのように皮膚13の開口部が広がり、血液16が流出し易くなる(図34のステップ161に対応)。
このように、負圧を断続的に加える理由の一つは、皮膚13の穿刺孔を広げて血液16の採取を容易にするためである。別の理由は、強い負圧で一気に吸引すると血液16が勢い良く流出し、過剰に採血してしまうことがあるので、これを防止するためでもある。そのため、余分に血液16が溢れ出ない程度に負圧手段34を断続的に動作させている。このようにして、吸引力を弱めて省電力化を図るとともに、適量の血液16を採取する。適量の血液16を得て、精密な測定が終了した段階で、血液検査装置31を皮膚13から外す(図34のステップ164に対応)。測定が終了した時間166eにおいて、皮膚13は、状態169eに示すように、負圧で広げられた傷口168を元の通りに塞ぐ。したがって、傷口の回復が早くなる。
【0165】
患者によっては、レーザ穿刺しても皮膚13から血液16が流出しにくい場合もある。そのような場合は、穿刺前の負圧力に比べて、穿刺後の負圧力を大きくして血液16が流出しやすいようにしてもよい。負圧力の制御は、最高到達圧(負圧)が一定であるので、弁34bの閉鎖時間を制御することによって行う。また、断続的な負圧の駆動を行わなくとも、継続して負圧を加えるように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0166】
本発明にかかる血液検査装置は、穿刺針の交換が不要であり、また、測定後の処置も容易であるので、医療分野等における血液検査装置として有用である。
【0167】
本出願は、2006年3月22日出願の出願番号JP2006−078425に基づく優先権を主張する。当該出願明細書および図面に記載された内容は、すべて本出願に援用される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アダプタを有する本体;前記アダプタの開口部に装着され、前記アダプタの一部と係合する筒形状部材であるホルダ及び前記ホルダの内部に装着され、血液を溜める貯留部が形成された血液センサを有する血液センサユニット;前記本体内部に設けられ、前記貯留部を通過して皮膚を穿刺する穿刺手段;前記血液センサと前記アダプタ経由で接続された電気回路部;および前記電気回路部に電気を供給する電源部を備える血液検査装置であって、
前記ホルダを構成する筒形状部材の筒先端部は、検査の際に皮膚と接触し、
前記ホルダは、前記筒先端部の近傍に、前記貯留部に取り込まれずに前記皮膚に残った血液を含む体液を吸収する吸収手段を有し、かつ
前記吸収手段は、前記ホルダを構成する筒形状部材の筒先端部の縁の周方向に亘って配置されていることを特徴とする血液検査装置。
【請求項2】
前記血液センサは、板状部材であり、
前記アダプタに装着された前記血液センサユニットの血液センサの面は、前記穿刺手段の穿刺方向と直交する、請求項1に記載の血液検査装置。
【請求項3】
前記吸収手段は、毛細管現象が生じる溝である、請求項1に記載の血液検査装置。
【請求項4】
前記吸収手段は、吸水性を有する一または複数の弾性体である、請求項1に記載の血液検査装置。
【請求項5】
前記弾性体には、消毒薬が含浸される、請求項4に記載の血液検査装置。
【請求項6】
前記吸収手段は蛇腹形状を有する伸縮体である、請求項1に記載の血液検査装置。
【請求項7】
前記蛇腹形状を有する伸縮体の先端にシール部材が配置される、請求項6に記載の血液検査装置。
【請求項8】
前記吸収手段は、吸水性を有する弾性体と、前記弾性体と前記血液センサユニットの内部とを連通する貫通孔である、請求項1に記載の血液検査装置。
【請求項9】
前記吸収手段は、複数の前記貫通孔を有する、請求項8に記載の血液検査装置。
【請求項10】
前記吸収手段は、毛細管現象が生じる溝、および吸水性を有する一または複数の弾性体である、請求項1に記載の血液検査装置。
【請求項11】
前記本体内部に設けられた負圧手段をさらに有し、かつ前記負圧手段は前記血液センサユニットの内部を負圧することができる、請求項1に記載の血液検査装置。
【請求項12】
前記吸収手段は、毛細管現象が生じる溝であって、かつ前記血液センサユニットの内部と連通しており、
前記本体内部に設けられた負圧手段をさらに有し、かつ前記負圧手段は前記血液センサユニットの内部を負圧することができる、請求項1に記載の血液検査装置。
【請求項13】
前記ホルダを構成する筒形状部材の筒先端部は、接触する皮膚面に対して傾斜しており、かつ
前記筒先端部の内側が、外側よりも前記皮膚の内部に入り込む、請求項1に記載の血液検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34A】
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【図34B】
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【図34C】
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【図34D】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2012−50886(P2012−50886A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−272208(P2011−272208)
【出願日】平成23年12月13日(2011.12.13)
【分割の表示】特願2008−506342(P2008−506342)の分割
【原出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】