説明

血液透析装置における静脈圧及び透析液圧の警報監視システム

【課題】静脈圧及び透析液圧をモニタとして常時監視するに際し、循環動態が安定した時点で確実に透析装置の警報監視操作を開始することができる静脈圧及び透析液圧の警報監視システムを提供すること。
【解決手段】ダイアライザに、動脈側血液回路及び静脈側血液回路と、透析液供給排出ラインをそれぞれ接続してなる血液透析装置において、治療開始後に、前記血液回路の静脈側から静脈圧を検出するとともに、透析液ラインから透析圧を検出し、少なくともこれら静脈圧及び透析液圧のいずれか一方の検出値を得て、この検出値の一定時間における圧力変動幅が設定範囲内に収まった時点で警報監視操作を開始すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療領域における腎不全患者の血液を浄化するための血液透析装置における静脈圧及び透析液圧の警報監視システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、血液透析治療は、透析の準備段階であるプライミング行程、穿刺後の脱血行程、血液浄化を体外循環で行う透析行程、浄化した血液の返血行程からなり、また、これらの行程を実施するための透析設備としては、血液の体外循環で浄化を行う血液透析器(ダイアライザ)、該ダイアライザを挟んで配置される血液を体外循環させる血液回路、及びダイアライザに接続する透析液供給系の3つの部分から構成される。
前記ダイアライザは半透膜を介して血液と透析液を接触させるものであり、前記血液循環系は患者から血液を導出してダイアライザに流入させる動脈側血液回路とダイアライザから流出した血液を患者に戻す静脈側血液回路を有し、前記透析液給排液系は透析器に対し透析液を給排液するラインを有し、前記両血液回路のうち少なくとも一方の回路に血液ポンプ、他方の血液回路に血液チャンバを連結し、前記透析液の給排液ラインにそれぞれ第1及び第2送液手段を備えている。
【0003】
血液透析を施行するに際しては、安全で適切な治療を行なううえで、設備側の各種モニタリングが必須である。例えば、体外循環を監視するモニタとして、透析液の濃度や温度、気泡検知などと並んで静脈圧及び透析液圧が不可欠のものとして挙げられる。透析開始直後は患者の状態や除水速度など様々な要因で、循環動態が安定する時間は一定ではない。また、治療の進行とともに、中空糸膜のファリング(中空糸の目詰まり)や、血液のヘマクリット値の変化などにより、静脈圧及び透析液圧は徐々に変化する。
従来、これら静脈圧及び透析液圧は、それぞれ静脈圧センサ及び透析液圧センサによって測定され、各センサの測定値がそれぞれ設定された上限・下限の絶対値を超えたときに警報を発するようにしていたが、上記の如く循環動態が不安定な時期には警報状態ではないにもかかわらず、異常として警報を発するおそれがある。このため、治療の進行に伴って徐々に変化する圧力値に対しては、警報発生後に警報のモニタ値(上限、下限)を変更して警報設定を行なうという操作を実施していた。但し、何らかの異常(例えば、ダイアライザのクロットなど)による急激な圧力変動は警報として検出しなければならないため、安易に警報のモニター値を広げることはできない。
【0004】
一方、血液透析装置の警報監視システムとして、静脈圧及び透析液圧の測定値を利用してダイアライザの透析膜の限外濾過圧(TMP)を予め設定した基準時毎に算出し、それぞれ透析時間に対する経時的に変化する基準点を定めてこの基準点に対する許容変域をそれぞれ設定して、連続的に測定する前記TMP値が透析時間中常に所定の許容変域内にあるかを監視することにより、除水制御監視を行なうことが、特許文献1にて提案されている。
また、透析装置の限外濾過制御の監視システムとして、ダイアライザの血液側および透析液側からそれぞれ出口圧もしくは入口圧を検出し、これらの検出値よりダイアライザの透析膜の限外濾過率(UFR値)を予め設定した時間間隔で算出し、ある時点の限外濾過率の変化量とその時点以前の限外濾過率の変化量とを比較して、その比較値が予め設定した警報条件との適合性を監視する演算手段を設けることにより、時間の経過とともに変化する限外濾過制御特性に適合した限外濾過制御監視を行なうことが、特許文献2として提案されている。
【特許文献1】特許第2510736号明細書
【特許文献2】特許第2506245号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上の如く、従来の静脈圧及び透析液圧の警報監視システムにおいては、基本的には圧力値の絶対値を上下限として設定した方式を採用していたため、誤警報の発生を防止することができず、また、種々の要因で起こる変動に対しても柔軟に対応することが不可能であるという問題点があった。また、血液透析装置の警報監視システムとして提案されている前記特許文献1、2に関しても、上記した問題点を完全には解決することができず、その改善が強く求められていた。
本発明の課題とするところは、従来技術の問題点を解決し、誤警報を確実に防止することができる静脈圧及び透析液圧の警報監視システムを提供することに有り、まず第1に、静脈圧及び透析液圧をモニタとして常時監視するに際し、循環動態が安定した時点で確実に透析装置の警報監視操作を開始することができる静脈圧及び透析液圧の警報監視システムを提供することにある。また第2に、一旦解除した警報監視設定を再度確実に設定し得るようにした警報監視システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明に係る第1の血液透析装置における警報監視システムは、ダイアライザに、動脈側血液回路及び静脈側血液回路と、透析液供給排出ラインをそれぞれ接続してなる血液透析装置において、治療開始後に、前記血液回路の静脈側から静脈圧を検出するとともに、透析液ラインから透析圧を検出し、少なくともこれら静脈圧及び透析液圧のいずれか一方の検出値を得て、この検出値の一定時間における圧力変動幅が設定範囲内に収まった時点で警報監視操作を開始することを特徴とする。
上記第1のシステムにおいて、圧力変動幅の許容設定範囲が10〜100mmHgであること、また、治療開始から初期の段階における圧力変動幅のデータは、警報監視操作開始の判断材料から除外することが好ましい。
また、本発明に係る第2の血液透析装置における警報監視システムは、ダイアライザに、動脈側血液回路及び静脈側血液回路と、透析液供給排出ラインをそれぞれ接続し、治療開始後に、前記血液回路の静脈側から静脈圧を検出するとともに透析液ラインから透析液圧を検出し、これら圧力値が予め設定してある許容圧力範囲を超えたときに警報を発するようにした透析装置における警報監視システムにおいて、治療の進行に伴って徐々に変化する圧力に対して警報のモニタ値を一旦解除し、再度警報監視設定を行なうに際し、圧力検出値が設定した上限又は下限値に一定以内に近づいた時点で、一定時間内における一定幅以下のゆるやかな圧力変動に対してのみ警報監視設定を解除し、再度警報監視設定を実施することを特徴とする。
上記第2のシステムにおいて、静脈発及び透析液圧の少なくとも一方の圧力変動の傾きにより警報設定の解除と再設定を判断すること、圧力検出値が上限又は下限値に一定以内に近づいた時点は、上限又は下限値の10〜30%以下であることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の透析装置における警報監視システムよれば、警報監視の開始を最適な時点に設定することができるとともに、一度設定しかつ必要に応じて解除した警報監視設定を再度確実に自動的に設定し得るものであり、これにより警報システムの誤警報をほぼなくすことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明を実施する上で最適な透析装置の概要を示す模式図であり、血液の体外循環により血液浄化を行うダイアライザ1の動脈側に動脈側血液回路2を接続し、静脈側に静脈側血液回路3を接続するとともに、ダイアライザ1の側面に、透析液供給ライン4及び透析液排出ライン5がそれぞれ接続している。動脈側血液回路2には、患者の動脈側接続部6aから脱血しダイアライザ1に導く血液ポンプ7と、回路内に混入した気泡を除去するなどの機能を有する動脈側チャンバ8が設けられている。また、患者の静脈側接続部6bに返血するための静脈側血液回路3には、回路内に混入した気泡及び余剰な透析液をオーバーフローライン9に排出する機能を有する静脈側チャンバ10が設けられている。前記透析液供給ライン4及び透析液排出ライン5に、それぞれ第1送液手段11(透析液供給側)及び第2送液手段12(透析液排液側)が設けられている。
前記静脈側チャンバ10には、静脈圧圧力計13が設けられており、該圧力計13によって静脈側血液回路3の静脈圧が検出される。また、透析液排出ライン5には、透析液圧圧力計14が設けられており、該圧力計14によって透析液圧が検出される。更に、図示していないが、一般的には静脈側チャンバ10の下方には気泡センサとクランプ手段が配置されている。
【0009】
上記の構成からなる透析装置において実際の血液透析を実施する場合には、治療開始前に血液回路や透析液回路の洗浄を行うプライミング行程、血液を体内から引き出す穿刺後の脱血行程、体外循環を行うためのダイアライザにおける拡散・濾過による透析行程、血液回路内の血液を体内に戻す返血行程を経ることになる。
以下、図示した透析装置における本発明の各実施形態を図面に基づいて順次説明する。
【0010】
[本発明の第1の発明の実施形態例]
本発明に係る警報監視システムの第1番目の発明は、警報監視を開始する時期を自動的に設定可能にするものである。透析開始直後においては患者の状態や除水速度などにより、循環動態が不安定であるため、この時点での警報監視スタートは誤警報の可能性が高いことから、循環動態が安定してからの警報監視を開始することが望ましい。本発明では循環動態の安定は、静脈圧及び透析液圧の少なくともいずれか一方の圧力変動幅が一定の範囲内に収まったか否かで判断する。この場合、一定の圧力とは、一定の時間間隔における測定圧力の変動幅であり、判断するパラメータは時間間隔と圧力変動幅となる。
【0011】
図2は、治療開始からの経時的な静脈圧の変化を模式的に示すもので、治療初期では図示の如く、患者の状態(血圧や脈拍が不安定)により静脈圧の変動幅が大きく、この時期に警報監視を開始することは適切ではない。そこで本発明では、治療開始直後は避け、変動幅が小さくなる時期を選んで警報監視を開始させる。そのために一定時間間隔毎に測定した静脈圧の変動幅が一定範囲内に収まった時点で警報監視をスタートさせる。変動幅Dは一定時間間隔Kにおける圧力値の最大と最小の差であり、変動幅Dが安定した循環動態と判断できる値になった時点で、警報監視を開始すればよい。なお、一定時間間隔Kとしては大体60〜120秒程度である。警報監視スタート後は、前記の警報値として設定された範囲を超えた圧力が検出されたときに警報が鳴ることとなる。
実際には圧力変動幅Dは、通常はこの幅は10〜100mmHg程度と設定することができる。この変動幅は余り小さすぎても警報が頻発して効果がなくなるという問題があり、また、過度に大きすぎても異常が検出できないという不都合があるため、前記の範囲に規定することが望ましい。これら圧力変動幅Dや時間間隔Kは、他の透析条件や患者の状況などによって適宜調整すればよく、また、適用対象とする透析装置についても図1の方式に必ずしも限ることなく、他の方式のものに対しても適用し得る。
上記の図示の例では静脈圧を用いた場合を説明したが、本発明では静脈圧に限らず透析液圧の測定値を基に上記した警報監視操作を同様に行なってもよい。静脈圧と透析液圧とは、密接な関係が有り、一方の圧力変動に他方が影響されるが、それぞれ独自の要因によっても圧力変動が生じることも考えられるため、両方の測定値を用いてより精度の高い警報監視開始操作を行なうこともできる。
【0012】
図4は、本発明に係る警報監視システムの第1番目の発明のフローチャートの一例を示すものである。透析治療が開始されると(S1)、圧力計13、14によって静脈圧と透析液圧が測定され(S2)、これらの測定値は演算制御部に送られ、そこで設定値と比較・演算される(S3)。設定値は一定時間間隔Kにおける変動幅Dとして予め設定されている(S4)。時間間隔K及び変動幅Dが許容範囲内(設定範囲内)かを判定し(S5)、範囲内であれば警報監視開始に移行し圧力値の上下限がセットされる(S6)、これをもって警報監視設定は終了する(S7)。また、測定値が上記の範囲外であれば、再度、実測値と設定値の比較・演算工程(S3)に戻る。
【0013】
[本発明の第2の発明の実施形態例]
次に、本発明に係る警報監視システムの第2番目の発明は、一旦開始された静脈圧と透析液圧の警報監視を何らかの理由で解除した後、自動的に再設定することができる監視システムである。通常、静脈圧と透析液圧の警報監視は、上限・下限の絶対値でのモニタであるが、治療初期の監視値では前述した理由(患者の状態など)で警報状態ではないのに警報を発生するおそれがある。また、治療の進行に伴う圧力値の変化に対しては、ある段階で警報のモニタ値(上限、下限)を一旦解除して、変化に見合った値に再設定することが必要である。しかし、何らかの異常による急激な圧力値の変動は、警報として確実に検出することが要求される。
【0014】
本発明は、このような要求に応えるものであり、図3に基づいてその具体例を説明する。図3は、治療開始後の静脈圧の経時的な変化の一部を拡大表示した模式図であり、警報の再設定を行なう場合の前後の段階を示している。治療開始後の静脈圧は、前述したように、膜のファウリングやヘマクリット値の変動などにより徐々に変化するが、このような治療の進行に伴う変化については、当初の警報設定をそのままにしておくと、ある時間経過により警報を発する段階に到達するおそれがある。このため定期的に治療の進行に伴う圧変化を見越して警報値を実情に沿って再設定していた。
本発明ではこの再設定の際に、静脈圧の測定値が上限又は下限警報値に一定以内(例えば、10〜20mmHg程度)に近づいた時点において、一定以下のゆるやかな変動に対してだけ、一旦警報設定を解除してから、再設定を行なうものである。この一定以下のゆるやかな変動とは、例えば、静脈圧の一定時間における変動圧力(一例として、180秒で10mmHg以下の上昇であれば、再設定するというような)で表すことが可能である。具体的には経時的な測定圧力の傾きの度合いによって判別すればよく、図3の如く、測定値が上限警報値ラインに近接した時点でその傾きがゆるやかな線Aであれば、解除と再設定を行なうとともに、線Bの如く急激に変動するときには解除・再設定は行なわずに、何らかの異常が有ったものとして警報を発する。
【0015】
透析治療に際しては必ず静脈圧及び透析液圧は圧力計によって計測されモニタリングの対象となっていることから、本発明の場合、静脈圧だけに限らず透析液圧についても同様に警報設定の基準にすることができ、少なくともこれら静脈圧及び透析液圧のいずれかの測定値の傾きが一定値を超えたときには警報を発するようにすればよい。なお、警報が発せられた場合には、静脈圧異常のときには血液ポンプの停止など、透析液圧異常のときは透析液供給停止などの対策を採ればよいが、勿論、必要に応じて他の対策も講じることが必要である。
【0016】
図5は、本発明に係る警報監視システムの第2番目の発明のフローチャートの一例を示すものである。透析治療の開始の際(S11)、静脈圧P及び透析液圧Pの上限及び下限値を設定する(S12)。圧力計13、14によって静脈圧と透析液圧が測定され(S13)、これらの測定値が静脈圧P及び/又は透析液圧Pの上限・下限の10〜30%の範囲内に近づいた否かを判定する(S14)。場合によっては、上限・下限の10〜30%以内か否かではなく、P及び/又はPが10〜20mmHg以内で変動したかで判断してもよい。静脈圧P及び/又は透析液圧Pの測定値が上限又は下限値に対し一定範囲内に近づいた時点で、これらP及び/又はPの一定時間内の圧力値の変動(傾き)が許容範囲内か否かを判定する(S15)。測定値が静脈圧P及び/又は透析液圧Pの上限・下限の10〜30%の範囲外の場合は、前の静脈圧と透析液圧の測定(S13)に戻る。
及び/又はPの一定時間内の圧力値の変動(傾き)が許容範囲内であれば、設定されていた各圧力値の上下限の設定が解除され(S16)、次いで改めて上下限の再設定が行われ(S17)、新しい警報監視設定が再スタートし(S18)、前記静脈圧と透析液圧の測定ステップ(S13)に戻る。P及び/又はPの一定時間内の圧力値の変動(傾き)が許容範囲外であれば、異常事態発生として警報を鳴らす(S19)。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明を実施する上で最適な透析装置の概要を示す模式図である。
【図2】透析治療開始からの経時的な静脈圧の変化を模式的に示す説明図である。
【図3】透析治療開始後の静脈圧の経時的な変化の一部を拡大表示した模式図である。
【図4】本発明に係る警報監視システムの第1番目の発明のフローチャートの一例を示す図である。
【図5】本発明に係る警報監視システムの第2番目の発明のフローチャートの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0018】
1 ダイアライザ 2 動脈側血液回路
3 静脈側血液回路 4 透析液供給ライン
5 透析液排出ライン 6a 動脈側接続部
6b 静脈側接続部 7 血液ポンプ
8 動脈側チャンバ 9 オーバーフローライン
10 静脈側チャンバ 11 第1送液手段
12 第2送液手段 13 静脈圧検出器
14 透析液圧検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイアライザに、動脈側血液回路及び静脈側血液回路と、透析液供給排出ラインをそれぞれ接続してなる血液透析装置において、治療開始後に、前記血液回路の静脈側から静脈圧を検出するとともに、透析液ラインから透析圧を連続的に検出し、少なくともこれら静脈圧及び透析液圧のいずれか一方の検出値を得て、この検出値の一定時間における圧力変動幅が設定範囲内に収まった時点で警報監視操作を開始することを特徴とする血液透析装置における静脈圧及び透析液圧の警報監視システム。
【請求項2】
圧力変動幅の許容設定範囲が10〜100mmHgであることを特徴とする請求項1記載の警報監視システム。
【請求項3】
治療開始から初期の段階における圧力変動幅のデータは、警報監視操作開始の判断材料から除外することを特徴とする請求項1又は2記載の警報監視システム。
【請求項4】
ダイアライザに、動脈側血液回路及び静脈側血液回路と、透析液供給排出ラインをそれぞれ接続し、治療開始後に、前記血液回路の静脈側から静脈圧を検出するとともに透析液ラインから透析液圧を検出し、これら圧力値が予め設定してある許容圧力範囲を超えたときに警報を発するようにした透析装置における警報監視システムにおいて、治療の進行に伴って徐々に変化する圧力に対して警報のモニタ値を一旦解除し、再度警報監視設定を行なうに際し、圧力検出値が設定した上限又は下限値に一定以内に近づいた時点で、一定時間内における一定幅以下のゆるやかな圧力変動に対してのみ警報監視設定を解除し、再度警報監視設定を実施することを特徴とする血液透析装置における静脈圧及び透析液圧の警報監視システム。
【請求項5】
静脈発及び透析液圧の少なくとも一方の圧力変動の傾きにより警報設定の解除と再設定を判断することを特徴とする請求項4記載の警報監視システム。
【請求項6】
圧力検出値が上限又は下限値に一定以内に近づいた時点は、上限又は下限値の10〜30%以下であることを特徴とする請求項4又は5記載の警報監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−167109(P2007−167109A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−364760(P2005−364760)
【出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【出願人】(000153030)株式会社ジェイ・エム・エス (452)
【出願人】(599120783)株式会社北九州バイオフィジックス研究所 (6)
【Fターム(参考)】