説明

血清に安定な両性リポソーム

本発明は大きな血清に対する安定性と、オリゴヌクレオチドの細胞内送達に適した両性リポソーム製剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、特別な血清安定性を示し、オリゴヌクレオチドの細胞内送達に適した、血清に安定な両性リポソーム製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆる短い干渉リボ核酸(siRNA)が比較的新しい部類の潜在的な医薬作用物質を提示するが、それは特定の遺伝子の活性を下方規制しまたは遮断するために、二本鎖として挿入される。治療および診断におけるその大きな能力は、残念なことに、体液に対する強い不安定性という欠点を伴っている。とりわけ血液中では、小さな核酸は極めて素早く除去される。核酸の化学的な修飾によりこれらの分子の感度を下げることが試みられたが、そこでは欠点としてしばしば生物活性の減少ないし欠如が問題になりうる。
【0003】
別のアプローチは担体の使用であり、これはsiRNAを酵素の攻撃から遮断し、作用部位へと移送できるものである。リポソームは、長く医薬物質のための薬剤用担体として用いられている。
【0004】
多数の刊行物が、インビボにおけるオリゴヌクレオチドの細胞内送達のため、大部分はカチオン性リポソームシステムの使用を扱っている(例えば「モレキュラー・メンブラン・バイオロジー(Molecular Membrane Biology)」,第16巻,P.129−140,(1999年);「ビオシミカ・エ・ビオフィジカ・アクタ(BBA)」,第1464巻,P.251−261,(2000年);「レビューズ・イン・バイオロジー・アンド・バイオテクノロジー(Reviews in Biology and Biotechnology)」,第1巻,第2号,P.27−33,(2001年))。しかし、これら全てのシステムは、使用した脂質混合物が、例えばDOTAPおよび/またはDOPEのような、不飽和およびカチオン性の脂質から構成され、これらの理由から血清に安定でないという事実で共通している。これらのリポソームに封入された作用物質は非経口適用後極めて速やかに遊離される。上記の用途について、予め形成されたリポソームと核酸の複合体もまたしばしばつくられている(例えばリポプレックス)。この複合体形成物ないしはほとんどの血清中で安定でないリポソーム製剤は、オリゴヌクレオチドの長期間安定性の保証がないという結果に導く。
【0005】
両性リポソームはリポソームの新たな部類であり、それは従来のリポソーム及び純粋なカチオン性システムに比較して細胞内送達のための有利な性質を提供するものである。核酸のような陰性に荷電した作用物質は、このリポソームに包まれた内部に有効に封入できるが、リポソームの合計荷電は生理的pHで陰性のままである。細胞内におけるリポソームのエンドソーム内取り込みの際に起るような環境pHの中性から弱酸性への変化により、両性リポソームの荷電がアニオン性から弱いカチオン性に変化し、このようにしてカチオン性トランスフェクション試薬の利点が利用される。国際公開第02/66012A2号中にこのようなリポソームが始めて報告された。国際公開第02/66490号および国際公開第02/66489号(国際公開第03/070220号および国際公開第03/070735号)は、pH感受性脂質を提示しているが、これは両性リポソームの構成に適したものである。
【0006】
ハフェッツら,「(バイオフィジカル・ジャーナル(Biophysical Journal)」,2000年(第79巻),P.1438−46)およびシら,「ジャーナル・オブ・コントロールド・レリース(Journal of Controlled Release)」,2002年(第80巻),P.309−319)は、pH感受性リポソームの製造を記載しているが、これは中性脂質を用いていない。このリポソームは、生理的pH値において陰性に荷電し、弱いアニオン性または弱いカチオン性の両親媒性物質を含有するpH感受性成分を含んでいる。脂質は、中性または塩基性pHでは安定なリポソームを形成する。酸性媒質中ではアニオン性ないしはカチオン性脂質がプロトン化され、それにより放電ないしは荷電の付与がされる。静電的不安定化によりリポソームは速やかに凝集し、これは膜融合を促進する。しかし、荷電した成分のみからなるリポソームはその血清中での安定性が少ないためインビボでの使用に適さない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
無菌状態、等張性、純度および毒性要件のような非経口適用に対する通常の条件のほかに、ヒト血清中におけるリポソーム製剤の安定性と無凝集性は全身適用への応用を成功させる前提である。それ故、アメリカ合衆国の監督官庁FDAのリポソーム製剤に関する指針(http://www.fda.gov/cder/guidance/index.htm、リポソーム薬剤製品)もまた特別な証明を定めている。そこでは、インビトロと同じくインビボにおけるカプセル化対遊離の医薬物質の比率を循環時間に対して測定することが要求されている。
【0008】
血清成分はリポソーム膜を透過性にし、作用物質を遊離させることができる。作用物質の遊離化が速やかか、緩徐かまたは無いかは、作用物質の分子の大きさにも左右される。それ故、何千の塩基対をもつプラスミドが小さなオリゴヌクレオチドよりむしろよくリポソーム中にとどまっている。細胞内送達のためには、遊離化ができるだけ少ないことが要求される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
驚くべきことに、WO02/66012A2中に開示された両性リポソームが、小さなオリゴヌクレオチドの使用に際しその血清安定性を大きく異にすることが見出された。したがって、この発明の目的は、siRNAおよび/またはアンチセンス分子のような小さなオリゴヌクレオチドをその内部空間に封入し、血清条件下において全くまたは小部分しか遊離にせず、それにより非経腸投与に適合する両性リポソーム製剤を提供することである。
【0010】
この発明は、この課題を
・10−60モル%の膜割合の中性脂質、
・30−50モル%の割合のコレステロール、
帯電性脂質として、
・5−30モル%の割合の両性脂質か、または
・多くとも50モル%の合計割合のカチオン性およびアニオン性脂質の混合物
を含む水性の内部空間をもち、その際製剤は少なくとも一つのオリゴヌクレオチドを水性内部空間中に作用物質として含むリポソーム製剤を提供することにより、解決するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
この発明の実施形態に重要なオリゴヌクレオチドは、5−100個、好ましくは5−40個、特に好ましくは10−25個のヌクレオチドまたは塩基対から構成される。さらに、オリゴヌクレオチドは一本鎖として(例えばアンチセンスヌクレオチド)、二本鎖として(例えば短い干渉RNA、デコイオリゴヌクレオチド)または複合折りたたみ体として(例えばアプタマー、スピーゲルマー、リボザイム)存在することができる。この発明に重要なオリゴヌクレオチドはすべてデオキシリボヌクレオチドから、またはリボヌクレオチドから、さらにはそれらの化学的に修飾された誘導体、例えばホスホロチオエートDNA(PS)、2’−O−メチルRNA(OMe)、2’−O−メトキシ−エチルRNA(MOE)、ペプチド核酸(PNA)、N3’−P5’−ホスホロアミデート(NP)、2’−フルオロ−アラビノ核酸(FANA)、ロックド核酸(LNA)、モルホリノホスホロアミデート(MF)、シクロヘキセン核酸(CeNA)、トリシクロDNA(tcDNA)から構成される。さらに、コポリマーおよびブロックコポリマーで異なるヌクレオチド、およびいわゆるガプマーをリポソームに封入することができる。
【0012】
この発明の一つの有利な形態では、アプタマーまたはスピーゲルマーをリポソームに封入することができる。
【0013】
アプタマーは、複雑な三次元構造をもった、DNAまたはRNAに基礎をおくオリゴヌクレオチドである。この構造に基づき、アプタマーは、たいてい細胞外で、極めて特異的におよび高親和性でたんぱく質標的に結合し、それにより治療的作用を持つ。その作用性は、モノクローナル抗体にほとんど等しい。
【0014】
スピーゲルマーは、D−オリゴヌクレオチドと異なり、L−リボースおよびL−2’−デスオキシリボースを単位として構成される。アプタマーと全く同様に、この鏡像形の核酸はたんぱく質標的に特異的に結合する。キラル性が逆転しているため、スピーゲルマーは従来のD−オリゴヌクレオチドと対照的に酵素的分解に対して高い安定性をもつ。
【0015】
この発明による両性リポソームの基本骨子は、膜に対する割合が5ないし65モル%、好ましくは10ないし60モル%の、中性の骨格脂質から形成されている。適当な脂質は、DMPC、DPPC、DSPC、DOPCおよびPOPCのようなホスファチジルコリンであり、これらは合成、天然または半合成起源のものであることができる。
【0016】
膜中にコレステロールを添加することによりリポソームの血清安定性が高まることが、専門家に知られている。このことは、両性リポソームについても見出された。この発明のリポソームは、好適には30ないし50モル%、好ましくは35ないし45モル%の含量のコレステロールを膜中に有する。
【0017】
両性リポソームの荷電担体として使用することができる多数の脂質は、コレステロールの化学的基本構造から派生している(例えばWO02/66490およびWO/026648中に開示された化合物)。
【0018】
驚くべきことに、これらのコレステロール誘導体全般、特にMoChol、 HisChol、Chems、HistCholが天然コレステロールの安定化作用をもたず、したがってすべてのステロールに基づく脂質の合計が60モル%を上回らないときは有利なことが見出された。
【0019】
両性の荷電特性は二つの方法で生成することができる:両性脂質の使用によるか、またはWO02/066012中に開示されているような、pH感受性のカチオン性またはアニオン性脂質の適切な混合によるかである。両性脂質は、5および30モル%の間、さらに好ましくは5および20モル%の間の膜割合になるように、混合物の場合、合計荷電担体割合は好ましくは50モル%より多からず、さらに好ましくは15および45モル%の間になるように、使用される。
【0020】
この発明の一つの好ましい実施態様において、両性製剤は次の構成をもつ:
・10ないし60モル%のDMPC、DPPC、DSPCの群から選ばれた基礎脂質、
・35-45モル%のコレステロール、
・5-20モル%のHistChol、HistDG、isoHistSuccDG、アシルカルノシン、HCCholの群から選ばれた両性脂質。
【0021】
この発明の別の好ましい実施態様では、製剤は次の構成をもつ:
・10ないし50モル%のDMPC、DPPC、DSPCの群から選ばれた基礎脂質、
・35-45モル%のコレステロール、
・a)カチオン性:5ないし40モル%のDMTAP、DPTAP、DOTAP、DC−Chol、MoChol、HisChol、DPIM、CHIM、DORIE、DDAB、DAC−Chol、TC−Chol、DOTMA、DOGS、C(18)2Gly+N, N−ジオクタデシルアミドグリシン、CTAP、CpyC、DODAP、およびDOEPC、
b)アニオン性:5ないし40モル%のDGSucc、DMPS、DPPS、DOPS、POPS、DMPG、DPPG、DOPG、POPG、DMPA、DPPA、DOPA、POPA、ChemsおよびCetyIP、
の群から選ばれた、少なくとも一つのpH感受性のカチオン性およびアニオン性脂質の混合物であって、リポソーム膜に対する割合が合計15−45モル%。
【0022】
この発明の特に好ましい実施態様では、製剤およびその構成は表3から選ばれたものである。
【0023】
この発明による製剤を医薬担体として使用するためには、持続性が高まり、浸透圧の調節に役立つ物質を添加することが好適でありうる。
【0024】
この発明のリポソームの製造は、例えば所定の孔径の膜を通じた押し出し、エタノール注入または高圧ホモゲネーションのような、先行技術の方法により行うことができる。これは実施例において例示される。
【0025】
封入されない作用物質は分離される。それには、適切な分離方法が使用され、その結果作用物質が少なくとも90%リポソーム中に封入され、10%より少ない作用物質がリポソームの外に見出される。この目的のために、クロマトグラフ法、遠心分離、透析または限外ろ過を使用することができる。
【0026】
この発明によるリポソーム製剤は、哺乳類の治療的処置に使用することができる。それはまた、ヒトの治療的処置にも使用することができる。
【0027】
この発明のリポソーム製剤は特に非経口適用に適し、静脈内適用に好適である。そのことにより、この発明はまた、この発明によるリポソーム製剤を必要に応じて適当な担体とともに含むキット、ならびに診断および治療におけるキットの使用に関するものである。
【0028】
【表1】

【0029】
【表2】

【0030】
次にこの発明を実施例によりさらに説明するが、これの実施例に基づいて限定されるべきでない。
略号
DMPC ジミリストイルホスファチジルコリン
DPPC ジパルミトイルホスファチジルコリン
DSPC ジステアロイルホスファチジルコリン
POPC パルミトイル−オレオイルホスファチジルコリン
DOPC ジオレオイルホスファチジルコリン
DOPG ジオレオイルホスファチジルグリセリン
POPG パルミトイル−オレオイルホスファチジルグリセリン
DMPG ジミリストイルホスファチジルグリセリン
DPPG ジパルミトイルホスファチジルグリセリン
DMPS ジミリストイルホスファチジルセリン
DPPS ジパルミトイルホスファチジルセリン
DOPS ジオレオイルホスファチジルセリン
POPS パルミトイル−オレオイルホスファチジルセリン
DMPA ジミリストイルフォスファチジン酸
DPPA ジパルミトイルフォスファチジン酸
DOPA ジオレオイルフォスファチジン酸
POPA パルミトイル−オレオイルフォスファチジン酸
DOPE ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン
Chems コレステロールヘミスクシネート
DC-Chol 3-β-[N-(N’,N’-ジメチルエタン)カルバモイル]コレステロール
CetylP 燐酸セチル
DODAP (1,2)-シ゛オレオイルオキシプロピル)-N,N-ジジメチルアンモニウムクロリド
DOEPC 1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン
DAC-Chol 3-β-[N-(N,N’-ジメチルエタン)カルバモイル]コレステロール
TC-Chol 3-β-[N-(N’,N’,N’-トリメチルアミノエタン)カルバモイル]コレステロール
DOTMA (1,2-ジオレイルオキシプロピル)-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド)(商標Lipofectin)
DOGS ((C18)2GlySper3+)N,N-ジオクタデシルアミド-グリシル-スペルミン(商標Transfectam)
CTAB セチル-トリメチルアンモニウムブロミド
CPyC セチル-ピリジニウムクロリド
DOTAP (1,2-ジオレオイルオキシプロピル)-N,N,N-トリメチルアンモニウム塩
DMTAP (1,2-ジミリストイルオキシプロピル)-N,N,N-トリメチルアンモニウム塩
DPTAP (1,2-ジパルミトイルオキシプロピル)-N,N,N-トリメチルアンモニウム塩
DOTMA (1,2-ジオレイルオキシプロピル)-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド)
DORIE (1,2-ジオレイルオキシプロピル)-3 ジメチルヒドロキシエチルアンモニウムブロミド)
DDAB ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド
DPIM ジパルミトイルオキシプロピル−メチルイミダゾール
CHIM ヒスタミニル−コレステロールカルバメート
MoChol 4-(2-アミノエチル)-モルホリノ-コレステロールヘミスクシネート
HisChol ヒスタミニル-コレステロールヘミスクシネート
HCChol Nα’-ヒスチジニル−コレステロールカルバメート
HistChol Nα’-ヒスチジニル-コレステロール-ヘミスクシネート
AC アシルカルノシン、ステアリル−およびパルミトイルカルノシン
HistSuccDG 1,2-ジパルミトイルグリセリン-ヘミスクシネート-Nα-ヒスチジニル-ヘミスクシネート、およびジステアロイル-、ジミリストイル、ジオレオイルまたはパルミトイル−オレオイル誘導体
IsoHistSuccDG 1,2-ジパルミトイルグリセリン-Oα-ヒスチジニル-Nα-ヘミスクシネート、およびジステアロイル-、ジミリストイル、ジオレオイルまたはパルミトイル-オレオイル誘導体
DGSucc 1,2-ジパルミトイルグリセリン-3-ヘミスクシネートおよびジステアロイル-、ジミリストイル-ジオレオイルまたはパルミトイル-オレオイル誘導体
【実施例1】
【0031】
両性リポソームの製造
表1に挙げた脂質の混合物を、記載されたモル比でクロロホルムに溶解し、続いてロータリーエバポレーター中、真空で完全に乾固する。
【0032】
脂質膜に、10mMHepes、150mMNaCl、pH7.5を加え、その結果100mMけんだく液を生じる。続いてこのけんだく液を50℃の水浴中で回転しながら45分間水和し、さらに5分間超音波槽で処理する。その後、溶液を冷凍する。
【0033】
解凍後、リポソームを孔径400nmの膜を通じて繰り返し押し出す。
【0034】
CF(カルボキシフルオレスセイン)充填リポソーム
製造は先出のものと同様に行うが、ただし脂質膜の水和の際、後述の色素溶液を使用する:500mgのCFを130μlの5MNaCl、12.5mlの10mMHepes、pH7.5および630μlの5NNaOHに溶解する。pH値を調整し、必要に応じて(pH7.5に)追加処理する。
【0035】
封入されなかったCFの分離はゲルろ過で行う。
【実施例2】
【0036】
両性リポソーム中へのCy5.5アンチCD40ODN(蛍光標識したアンチセンスオリゴヌクレオチド)の封入
DMPC/MoChol/DG−Succ/Chol=40:10:10:40(モル%)の脂質混合物を50℃でクロロホルムに溶解し、続いてロータリーエバポレーター中、真空で完全に乾固する。
【0037】
脂質膜に、Cy5.5アンチCD40ODN(アンチセンスオリゴヌクレオチド)(10mM酢酸Na、300mMしょ糖、pH4.5中150μg/ml)を加え、その結果15mMけんだく液を生じる。続いてこのけんだく液を50℃の水浴中で撹拌しながら45分間水和し、さらに5分間超音波槽で処理する。その後、溶液を冷凍する。ついで凍結解凍を3回行い、その際、解凍後毎回5分間超音波槽で処理する。
【0038】
最後の解凍後、リポソームを孔径200nmまたは400nmの膜を通じて繰り返し押し出す(アベスチン社リポソファスト、孔経200nmまたは400nmのポリカーボネート膜)。押し出し後、1モル/リットルのHEPES原液を加えてpHを7.5に調節する。
【0039】
封入されたCy5.5アンチCD40ODN(アンチセンスオリゴヌクレオチド)の割合は、60000×g、45分間の超遠心による沈降を3回行って遊離で存在する作用物質を分離後、蛍光スペクトル法で調べる。
【0040】
オリゴヌクレオチドの封入効率は、脂質およびODNの物質投入量に対する脂質含量の測定値および蛍光法によるCy5.5の測定値の比率により調べて、製剤につき53%の結果を得る。
【実施例3】
【0041】
血清安定性の測定
作用物質モデルとして、オリゴヌクレオチドと同様に生理的pHで陰性荷電する、カルボキシフルオレスセイン(CF)を使用する。CFを充填したリポソームの安定性は37℃で合計24時間の期間観察する。その際、リポソームからのCFの遊離を経時的に蛍光測定で観察する。3種の異なるリポソーム製剤を96ウエルプレートごとに試験することができる。CFに関する遊離量パーセントの測定のため、緩衝液中でインキュベートした試料を直接(基底値)およびトリトンを添加してリポソームを破壊した後(トリトン値または100%値)に行う。
【0042】
滅菌血清および1mMリポソームを混合して500μlの合計量にする。同じような添加物を対照として血清の代わりに緩衝液を用いてつくる。
【0043】
96ウエルプレートを次のように各試料名について準備する:1列のウエル中、穴1,3,5,7,9および11は各5μlの緩衝液(10mMHepes、150mMNaCl、pH7.5)を入れる。穴2,4,6,8,10および12は各5μlの10%トリトンX-100を入れる。
【0044】
96ウエルプレートを図2に示すように割り当てる。穴1−6にはそれぞれ5μlの緩衝液中でインキュベートしたリポソームを入れ、穴7−12には血清中でインキュベートしたものを入れる。5μlの試料プラス5μlの緩衝液またはトリトンに290μlの緩衝液を加える。それぞれの場合に再び基底値およびトリトン値を得る。このようにして、プレート当たり3製剤を8期間にわたり試験することができる。時点は下記の通りである:ゼロ、ゼロ、15分、30分、1時間、3時間、5時間、24時間。
【0045】
蛍光の測定には、485/530nmフィルターをもつプレートリーダーを使用する。測定した蛍光データから、相対的蛍光値が得られ、そのうちトリトン値が100%遊離に相当する。表1は、一連の試験した製剤を示す。それは、この発明により構成したものだけが高い血清安定性を有することを示す。
【実施例4】
【0046】
FITC−ODN(蛍光標識したアンチセンスDNA)の封入
使用したアンチセンスオリゴヌクレオチド(ODN)は、5’末端にFITC標識をもつ18マーホスホロチオエート(フルオレスセインイソチオシアネート)である。FITC−ODNをもつリポソームを製造した:9μgのODNを含む0.5mlの1mM脂質溶液。アニオン性ODN電荷に対するカチオン性脂質電荷の異なるモル比3:1および4,5:1をもつ2種の調合物。
・それぞれDPPC/DOTAP/DG−Succ/Chol=20:10:30:40
・水和ないしOCN溶液:10mMNaOAc、pH4.5、300mMしょ糖
・封入されなかったODNの分離には、リポソームをHep10、NaCl150中に0、0.8および1.2Mしょ糖をもつ不連続しょ糖勾配中でフローテーションする(10mMHepes、150mMNaCl)。
【0047】
測定したFITC−ODN蛍光(100%)ないしは入力値の合計からのFITC-ODNに対する組み込みの測定値およびそれから導かれる遊離対組み込み蛍光の比率:
【0048】
【表3】

【実施例5】
【0049】
両性リポソームへのsiRNA(アンチGFP)の封入
アニオン性siRNAに対するカチオン性脂質の荷電比として5:1ないし10:1を選ぶ。siRNA(10mMHepes、10mMNaCl、pH7.2中)を水和緩衝液(10mM酢酸Na、10mMNaCl、280mMしょ糖、pH4.5)と混合し、脂質膜に加え、その結果5−10mM脂質けんだく液が生じる。脂質を超音波処理してフラスコ壁から除く(最大10分間)。水和は室温(担体脂質POPC)または50℃(担体脂質DMPC、DPPC)で、15分間である。ついで、少なくとも3回、−70℃(1ml容量に対して10分間、15mlまでの容量に対して30分間)冷凍、水浴中再解凍を行う(温度は水和と同様)。
【0050】
フラスコを解凍し、容量が大きなときは溶液3mlを採る(8mlガラス管中)。残りの混合物を再び−70℃で冷凍する。100nmフィルターを通して押出を行う。続いて1/10容量の1MHepesでpH値をpH8.0に調節する。
【0051】
リポソームのフローテーション
リポソームフラクションに同容量のHO中2.4Mしょ糖を加える(したがって、1.2M溶液を生じる)。勾配に、緩衝液(10mMHepes、150mMNaCl、pH7.5)、その下に緩衝液中0.8Mしょ糖、最下段にHO中1.2Mしょ糖にリポソームを入れたものを積層する。勾配の容量は最大4.5mlになる。フローテーションは、超遠心機中、室温で45分間50,000rpmで行う。0.8Mしょ糖と緩衝液層の間に見出されるリポソームをとる。
【0052】
リボグリーンRNA定量試薬によるRNA定量分析
アッセイは、最終容量200μlで実施する。最初、1ngと10ngの間のsiRNA(10−100μlの100ng/mlsiRNA)の標準系列を調製する。
【0053】
リボグリーンはTE緩衝液中で1:2000に希釈する。各混合物に100μlのリボグリーンを加え、ついで室温で5分間インキュベートし、485/520nmで蛍光を測定する。混合物に各4μlの10%トリトン(最終濃度0.2mM)を加える。この検量線は後でリポソームに封入されたsiRNA量の定量に用いることができる。約15分後、さらに一度蛍光を測定する。結果をグラフとして図に記入(それぞれトリトンありおよびなしの曲線)し、数値から標準直線とそれに関する方程式を作成する。
【0054】
リポソームを2種の異なる濃度(例えば1:50および1:100)に希釈し、トリトンなしおよびありの希釈液2−3種の異なる容量(例えば希釈液5、10および15μlに100μlのTEプラス100μlのリボグリーン試薬を加える)について測定する。
【0055】
製剤中のsiRNA濃度の算出値は、別の測定値とほぼ一致するに違いない。違う場合には、siRNA量が検量線の外にあり、この値を濃度の計算に入れてはならない。siRNAが種々の製剤に封入される効率は、表2に示すことができる。
【0056】
【表4】

【0057】
siRNA含有リポソームの血清中における試験
修飾されていないsiRNAは血清中で極めて急速に分解される。siRNAに対するリポソームの保護効果を調査するため、下記のように行う。
【0058】
封入siRNAの濃度を血清試験の前に定量する。各試験の時点において、それぞれの時点当たり4μgのsiRNAを入れたリポソームを用いる。試験された時点はゼロ、1時間、2時間および4時間である。
【0059】
4μgのsiRNAを内部に組み込んだリポソームをリポソーム(通常10mMHepes、150mMNaCl、pH7.5)を含む緩衝液で60μl容量に希釈する。。混合物に60μlの血清を加え、上記の時点まで37℃でインキュベートする。ゼロ時点は別に定量する。
【0060】
血清成分と脂質をsiRNAから良好に分離するために、フェノール/クロロホルム抽出をPLG−Eppis(フェーズ・ロック・ゲル・エッペンドルフ試験管)で実施する。PLG−Eppisは13000rpmで1分間遠心分離し、氷上に置く(以下では最高4℃で作業する)。PLG−Eppisに280μlの(上記のような)緩衝液と45μlの5MNaClを加える。
【0061】
この溶液に血清中(120μl)のリポソーム混合物を加える。そのあと直ぐに300μlのフェノール/クロロホルム混合物を添加する。ゼロ値についてはPLG−Eppi中のNaClと緩衝液に60μlの血清を加える。全てを、直ちに混合する。
【0062】
13000rpm、4℃、10分間の遠心を行う。水層には遊離siRNAを含有する。勾配にさらに300μlのクロロホルムを加え、短時間混合する。さらに上記の様に遠心後、水層は透明であり、可能な限り充分に除去することができる。ここでsiRNAは水層から沈降させる。siRNA溶液に1/10容量の3MNaOAc、pH5.2および2.5容量部のエタノールを加える。溶液をよく混合し、siRNAを−70℃で1時間沈降させる。さらに4℃、13000rpmで10分間遠心する。siRNAはペレット化される。上澄を充分分離し、ペレットを70%エタノール200μlで洗浄し、約10分間乾燥する。siRNAを5μlの水に再溶解する。
【0063】
siRNAの品質は変性状態および出来得れば未変性のアクリルアミドゲルで検査する。
【0064】
未変性アクリルアミドゲル中におけるsiRNA二本鎖性の証明
siRNAの品質は、一本鎖完全長および二本鎖性により特徴づけられる。二本鎖siRNAは一本鎖のものより未変性アクリルアミドゲル中ゆっくり移動するので、未変性アクリルアミドを用いてsiRNAの二本鎖性を検査することができる。
【0065】
ゲルは、必要な温度にするため、TBE緩衝液で30分間予備処理(80V、100mA)する。
【0066】
ゲルが過負荷されないように、スロット当たり最高2μgのsiRNAを塗布する。合計容量9μlの試料をとる。それに1μlのブルージュース荷電緩衝液を加える。試料を予備処理したゲルに塗布し,100mAで1時間分離させる。
ゲルの染色:
ゲルを電気泳動後装置から取り出す。ゲルに約200mlのステインオール溶液(20mlの原液、180mlのホルムアミド、200mlの水 を加える。ゲルを暗所でステインオール溶液中30−60分間染色する。その後、溶液をゲルから除去し、ゲルを明所で水中に入れて脱色する(光の強さに応じて約30分−2時間)。siRNAは染色されたままであり、それに対してバックグラウンドは完全に脱色されている。
【実施例6】
【0067】
Cy3−BCL2アンチセンスをもつ両性リポソームのHepG2細胞へのインビトロでの取り込み
HepG2細胞はトランスフェクションの2日前に96ウエルプレートに接種し、トランスフェクションの日に細胞密度が60-80%となるようにする(100μl中に0.02−0.2×10、i.d.R.1×10)。2個のプレート(遠心および対照インキュベーション)を用意し、これらはほかの点では同じように処理する。
【0068】
トランスフェクション
遠心分離機(バイオフュージ・ストラトス、ヘレウス社)、マイクロタイタープレート用ローターNO.3048を予備加熱する。Cy3−Bcl2アンチセンス含有リポソームを10mMHepes、150mMNaCl、pH7.5(HBS)で一定濃度に調節する(Cy−3は赤色の蛍光を出すマーカーである)。
【0069】
リポソーム希釈液(充填物ありおよびなし)ならびに市販の対照トランスフェクション試薬(例えばリポフェクタミン2000、オリゴフェクタミン、siポートアミン、siポートリピッド)からのトランスフェクション混合物の、無血清媒地(約160ngアンチセンス/ウエル)を用いた96ウエルウエルプレートでの製造。リポソーム希釈液は25−50μl容量で細胞に対して加える。
【0070】
リポソーム希釈液を25μl中に上記量のアンチセンス/ウエルを含むようにつくる場合、細胞を無血清培地で洗浄し(1回)、血清含有または無血清培地を例えば各ウエルに75μl入れる。
【0071】
マルチウエルプレートを1,500rpm(342g)、1時間、37℃で遠心分離し、対照プレートを1時間インキュベート(37℃、5%CO)する。続いて、2つのプレートを3時間インキュベート(37℃、5%CO)する。
【0072】
全てのウエルから培地を完全に除去し、PBSで1回洗浄し、血清含有培地で2回洗浄する;全てのウエルに血清含有培地の添加、生存率について顕微鏡でチェック、続いて両プレートを一夜インキュベーション(37℃、5%CO)する。
【0073】
トランスフェクションの翌日、細胞中のリポソーム取り込みを蛍光顕微鏡で調べる。図3に細胞局在化のための位相差写真と蛍光写真とを示す。
【実施例7】
【0074】
コレステロールおよび/またはマトリックス脂質なしおよびありの両性リポソームの血清安定性測定
両性リポソーム中へのFITCデキストランの封入
15mg/mlのFITCデキストランを用いて下記の製剤を作成した(Hafez IM, Ansell S, Cullis PR : カチオン性およびアニオン性脂質から構成した調節できるpH感受性リポソーム(Tunable pHsensitive liposomes composed of mixtures of cationic and anionic lipids) Biophys J. 2000 Sep; 79 (3): 1438-46.)の場合と同様、10mMHepes、150mMNaCl、pH3.9(HAc)中で調整)。
【0075】
E1 DC-Chol/DOPA(66/34)
E2 DC-Chol/DOPA/Chol(40/20/40)
E3 DMPC/DC-Chol/DOPA(60/27/13)
E4 DMPC/DC-Chol/DOPA/Chol(20/27/13/40)
E5 DMPC/DC-Chol/DOPA/Chol(30/20/10/40)
E6 DMPC/DC-Chol/DOPA/Chol(40/13/7/40)
外側のFITCデキストランを分離するため、リポソームを押し出し後フローテーションさせた。pH3.9(10mMHepes150mMNaCl、HAc)またはpH9.0(10mMTris、150mMNaCl)において、ゼータサイザーで下記のデータを測定した。
【0076】
【表5】

【0077】
血清中におけるFITCデキストラン含有リポソームの試験
ヒト血清中におけるこの製剤の安定性を試験するため、ヒト血清中において〜1mMのリポソームを37℃で3時間インキュベートし、その後フローテーションさせた。非フローテーション試料中並びにフローテーション試料の下層(血清層)において蛍光を定量し、それから充填物の放出を計算した。試験開始時に対する外側のFITCデキストランの比率は、pH3.9の緩衝液中の上記希釈と続くフローテーションにより同様の方法で測定した。
【0078】
【表6】

【0079】
40%コレステロールもマトリックス脂質も含有するすべての製剤(E4、E5、E6)は、コレステロールのみ(E2)またはマトリックス脂質のみ(E3)を含有または両者を含有しない(E1)製剤よりも安定である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】脂質の化学式である。
【図2】血清安定性試験のための96ウエルマイクロタイタープレートにおける配置であり、蛍光マーカーCFの遊離化が測定される。
【図3】細胞局在化のための蛍光顕微鏡写真と、その横に位相差顕微鏡写真を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リポソームが
・10−60モル%の膜割合の中性脂質と、
・30−50モル%の割合のコレステロールと、
帯電性脂質として、
・5−30モル%の割合の両性脂質か、または
・最大50モル%の合計割合のカチオン性およびアニオン性脂質の混合物と、
少なくとも一つのオリゴヌクレオチドからなる作用物質と、
を有することを特徴とする、水性の内部空間中に少なくとも一つの作用物質を有する血清に安定な両性リポソーム製剤。
【請求項2】
コレステロールが35−45モル%の割合、両性脂質が5−20モル%の割合、および/または前記混合物が15−45モル%の割合を示す請求項1に記載のリポソーム製剤。
【請求項3】
オリゴヌクレオチドが5−100個、好ましくは5−40個、特に好ましくは10−25個のデオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチドまたはそれらの化学修飾された誘導体から構成されている請求項1又は2に記載のリポソーム製剤。
【請求項4】
オリゴヌクレオチドが、一本鎖として、二本鎖として、または複合折りたたみ体で存在する請求項1乃至3の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項5】
一本鎖がアンチセンスオリゴヌクレオチドとして、二本鎖が短い干渉RNAおよび/またはデコイオリゴヌクレオチドとして、および/または複合折りたたみ体がアプタマーおよび/またはスピーゲルマーとして、存在する請求項4に記載のリポソーム製剤。
【請求項6】
オリゴヌクレオチドがアプタマーである請求項1乃至5の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項7】
オリゴヌクレオチドがスピーゲルマーである請求項1乃至6の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項8】
リポソーム膜がモル組成DMPC/MoChol/DMPS/Chol=40:10:10:40を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項9】
リポソーム膜がモル組成DMPC/AC/Chol=50:10:40を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項10】
リポソーム膜がモル組成DMPC/HisChol/DPPS/Chol=35:10:15:40を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項11】
リポソーム膜がモル組成DMPC/IsohistsuccDG/Chol=50:10:40を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項12】
リポソーム膜がモル組成DMPC/MOChol/DGSucc/Chol=35:10:15:40を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項13】
リポソーム膜がモル組成DMPC/MoChol/DGSucc/Chol=40:10:10:40を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項14】
リポソーム膜がモル組成POPC/MoChol/DGSucc/Chol=35:10:15:40を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項15】
リポソーム膜がモル組成DMPC/HistSuccDG/Chol=50:10:40を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項16】
リポソーム膜がモル組成POPC/MoChol/DPPS/Chol=40:10:10:40を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項17】
リポソーム膜がモル組成DPPC/DOTAP/DGSucc/Chol=20:10:30:40を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項18】
リポソーム膜がモル組成DPPC/HistChol/Chol=50:10:40を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項19】
リポソーム膜がモル組成DPPC/HistSuccDG/Chol=40:20:40を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項20】
リポソーム膜がモル組成DPPC/MoChol/DGSucc/Chol=20:10:30:40を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項21】
リポソーム膜がモル組成POPC/HcChol/Chol=50:15:35を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項22】
リポソーム膜がモル組成DPPC/HcChol/Chol=50:15:35を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項23】
リポソーム膜がモル組成POPC/HistPS/Chol=50:15:35を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項24】
リポソーム膜がモル組成DPPC/HistPS/Chol=50:15:35を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項25】
リポソーム膜がモル組成POPC/AC/Chol=50:15:35を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項26】
リポソーム膜がモル組成DPPC/AC/Chol=50:15:35を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項27】
リポソーム膜がモル組成DPPC/HistChol/Chol=50:15:35を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項28】
リポソーム膜がモル組成POPC/HistChol/Chol=50:15:35を有する請求項1乃至5の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項29】
リポソーム膜がモル組成DMPC/MoChol/DGSucc/Chol=20:10:30:40を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項30】
リポソーム膜がモル組成POPC/HistSuccDG/Chol=50:15:35を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項31】
リポソーム膜がモル組成DPPC/IsoHistSuccDG/Chol=50:15:35を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項32】
リポソーム膜がモル組成DPPC/HistSuccDG/Chol=50:15:35を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項33】
リポソーム膜がモル組成POPC/IsoHistSuccDG/Chol=50:15:35を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項34】
リポソーム膜がモル組成DMPC/MoChol/DGSucc/Chol=20:10:30:40を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項35】
リポソーム膜がモル組成POPC/MoChol/Chems/Chol=40:10:10:40を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項36】
リポソーム膜がモル組成DMPC/HistChol/Chol=50:10:40を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項37】
リポソーム膜がモル組成POPC/DOTAP/Chems/Chol=30:10:20:40を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項38】
リポソーム膜がモル組成DMPC/HistChol/DGSucc/Chol=40:10:10:40を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項39】
リポソーム膜がモル組成POPC/HistChol/Chems/Chol=40:10:10:40を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項40】
リポソーム膜がモル組成DMPC/MoChol/Chems/Chol=40:10:10:40を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項41】
リポソーム膜がモル組成POPC/MoChol/DGSucc/Chol=30:20:10:40を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載のリポソーム製剤。
【請求項42】
哺乳類の治療的処置のための医薬の製造における前記請求項1に記載のリポソーム製剤の使用。
【請求項43】
哺乳類がヒトである請求項1に記載のリポソーム製剤の使用。
【請求項44】
非経口適用、好ましくは静脈内適用のための、請求項42または43に記載のリポソーム製剤の使用。
【請求項45】
一種またはそれ以上の作用物質を含有することを特徴とする、請求項1乃至41の何れか組成1項に記載のリポソーム製剤。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2007−530462(P2007−530462A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−504251(P2007−504251)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【国際出願番号】PCT/DE2005/000589
【国際公開番号】WO2005/094783
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(502316717)ノボソム アーゲー (2)
【Fターム(参考)】