血漿中のグルコースレベル、コレステロールレベル及びトリグリセリドレベルを低下させるための5−[4−(4−(2−アミノ−2−メトキシカルボニルエチル)フェノキシ)ベンジリデン]チアゾリジン−2,4−ジオン誘導体及び関連化合物
血漿中のグルコースレベル、コレステロールレベル及び/又はトリグリセリドを低下させるのに有用な活性並びに肥満症、炎症、免疫疾患、自己免疫疾患、糖尿病及びインスリン抵抗性に関連する疾患の治療に有用な活性を発揮する式(I)のジフェニルエーテル化合物が提供される。
【化1】
(式中、----は、結合を表しもよく;Wは、O又はSを表し;Zは、CR10、O又はSを表し;Gは、O又はSを表すか又はR10と共にO、S及びNからなる群より選択される1つ若しくは2つのヘテロ原子を含む5員若しくは6員の芳香族環系若しくは芳香族複素環系を形成し;R8は、OR13又はNR14R15を表し(式中、R13は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルキル、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びにカウンターイオンからなる群より選択され、さらにR14及びR15は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル並びに置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);その他の置換基は特許請求の範囲で定義される。)
【化1】
(式中、----は、結合を表しもよく;Wは、O又はSを表し;Zは、CR10、O又はSを表し;Gは、O又はSを表すか又はR10と共にO、S及びNからなる群より選択される1つ若しくは2つのヘテロ原子を含む5員若しくは6員の芳香族環系若しくは芳香族複素環系を形成し;R8は、OR13又はNR14R15を表し(式中、R13は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルキル、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びにカウンターイオンからなる群より選択され、さらにR14及びR15は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル並びに置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);その他の置換基は特許請求の範囲で定義される。)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I)の新規のジフェニルエーテル誘導体、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの多形体(polymorphs)、それらの医薬的に許容される塩、それらの医薬的に許容される溶媒和物及びそれらを含む医薬的に許容される組成物に関する。
【化1】
【0002】
本発明はまた、上述の新規化合物、それらのアナログ、それらの誘導体、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの多形体(polymorphs)、それらの医薬的に許容される塩、それらの医薬的に許容される溶媒和物及びそれらを含む医薬的に許容される組成物の調製方法に関する。
【0003】
本発明の化合物は、血糖レベル、血清インスリンレベル、遊離脂肪酸レベル、コレステロールレベル及びトリグリセリドレベルを低下させるのに有効であり、さらにII型糖尿病の治療及び/又は予防に有用である。本発明の化合物は、肥満症、炎症並びに多発性硬化症及び関節リウマチのような自己免疫疾患の治療に有効である。驚いたことに、これらの化合物は、レプチンレベルを増加させ、肝臓毒性を全く有していない。
【0004】
さらに、本発明の化合物は、高脂血症、冠動脈疾患及び末梢血管疾患に加えて多嚢胞性卵巣症候群のようなインスリン抵抗性に関連する疾患の治療に有用であり、さらに、炎症及び免疫疾患、とりわけTNF−α、IL−1、LI−6及びIL−1βのようなサイトカイン並びにCOX−2のようなシクロオキシゲナーゼによって介在されるこれらの治療に有用である。この部類の化合物はまた、網膜症、神経障害及び腎症等といった糖尿病合併症の治療にも有用である。
【背景技術】
【0005】
I型糖尿病及びII型糖尿病の原因はまだはっきりとしないが、遺伝的特徴及び環境の両方が要因であると考えられている。I型は自己免疫疾患であり、患者は生存するためにインスリンを摂取しなければならない。II型糖尿病は、より発症率の高い型であり、身体が十分量のインスリンを作ることができないこと又は身体が生成されるインスリンを適切に利用できないことに起因する代謝性疾患である。インスリン分泌及びインスリン抵抗性が主要な欠陥であると考えられるが、当該機構に関わる正確な遺伝因子は依然として不明である。
【0006】
糖尿病患者は通常、以下の欠陥の一つ以上を有する。
・膵臓によるより少ないインスリン産生
・肝臓によるグルコースの過剰分泌
・骨格筋によるグルコース取り込みからの非依存
・グルコーストランスポーターにおける欠陥、インスリン受容体の脱感作及び
・多糖類の代謝性破壊における欠陥
【0007】
インスリンの非経口投与又はインスリンの皮下投与以外に、およそ4つの部類の経口血糖降下薬、すなわち、スルホニルウレア、ビグアナイド、αグルコシダーゼ阻害剤及びチアゾリジンジオンが使用される。
【0008】
糖尿病の治療で使用するために入手可能な現行の薬剤のそれぞれは、いくらかの不都合を有する。従って、糖尿病の治療に使用するための経口投与することができる新たな薬剤の同定及び開発における尽きることのない関心が存在する。
【0009】
上記にリストアップされるチアゾリジンジオン部類はII型糖尿病の治療のために近年より広範囲にわたって使用されてきており、患者がインスリンの効果に関してより低い感受性になる状態である“インスリン抵抗性”に対抗するインスリン抵抗性改善薬として特有の有用性を発揮する。無毒性で、より広く有効なインスリン抵抗性改善薬に関する尽きることのない必要性が存在する。
【0010】
急性炎症性疾患、慢性炎症性疾患及び癌に関連するメディエーターの科学的理解における最近の進歩は、有効な薬物療法に関する追求における新たな戦略をもたらした。従来型のアプローチは、特異的抗体、受容体アンタゴニスト又は酵素阻害剤の使用のような直接のターゲット介入を含む。様々なメディエーターの転写及び翻訳に関わる調節機構の解明における近年の飛躍的進歩は、遺伝子転写レベルへ向けられる治療的アプローチへの関心の高まりをもたらした。
【0011】
上述のとおり、本発明は、免疫疾患の治療又は炎症の治療、とりわけサイトカイン又はシクロオキシゲナーゼに介在されるような疾患の治療にも関係する。免疫システムの重要な要素は、マクロファージ又は抗原提示細胞、T細胞及びB細胞である。NK細胞、好塩基球、マスト細胞及び樹状細胞のような他の免疫細胞の役割が知られるが、初期の免疫学的疾患におけるそれらの役割は、完全には解明されていない。マクロファージは、炎症並びにT細胞刺激及びT細胞増殖に必須の支援を提供する過程の両方の重要なメディエーターである。最も重要なことは、マクロファージが、それら全てが強力な炎症促進性分子であるIL−1、IL−12及びTNF−αを作り、さらにまたT細胞のための支援を提供することである。さらに、マクロファージの活性化は結果として、シクロオキシゲナーゼII(COX−2)及び誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)のような酵素の誘導並びに正常細胞を損傷し得るフリーラジカルの生成をもたらす。細菌産物、スーパー抗原及びインターフェロンガンマ(IFNγ)を含む多くの因子は、マクロファージを活性化する。ホスホチロシンキナーゼ(PTKs)及び他の未決定の細胞性キナーゼもまた、当該活性化過程に関与するかもしれない。
【0012】
サイトカインは、免疫応答を媒介するのに重要な免疫細胞によって分泌される分子である。サイトカイン産生は、結果として他のサイトカインの分泌をもたらし、細胞機能、細胞分裂又は分化を変化させるかもしれない。炎症は、外傷又は感染への身体の正常応答である。しかしながら、関節リウマチのような炎症性疾患において、病態の炎症性過程は、結果として病的状態及び死亡をもたらし得る。サイトカイン腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)は炎症反応における中心的役割を果たし、炎症性疾患における介入治療の重点として標的にされてきた。TNF−αは、活性化されたマクロファージ及びその他の細胞によって放出されるポリペプチドホルモンである。低濃度において、TNF−αは、白血球を活性化して炎症の血管外部位への遊走を促進することによって保護的な炎症反応に関与する(Moser et al., J Clin Invest, 83:444-55,1989)。高濃度において、TNF−αは、強力な発熱物質として働くことができ、他の炎症促進性サイトカインの産生を誘導する(Haworth et al., Eur J Immunol, 21:2575-79, 1991; Brennan et al., Lancet, 2:244-7, 1989)。TNF−αはまた、急性期タンパクの合成をも刺激する。米国成人人口のおよそ 1% を襲う慢性的かつ進行性の炎症性疾患である関節リウマチにおいて、TNF−αは、関節損傷及び関節破壊をもたらすサイトカインカスケードに介在する(Arend et al., Arthritis Rheum, 38:151-60,1995)。可溶性TNF受容体(エタネルセプト)(Goldenberg, Clin Ther, 21:75-87, 1999)及び抗−TNF−α抗体(インフリキシマブ)(Luong et al., Ann Pharmacother, 34:743-60, 2000)を含むTNF−αの阻害剤が、関節リウマチの治療用薬剤として米国食品医薬品局(FDA)によって最近承認された。
【0013】
高められたレベルのTNF−αはまた、悪液質、敗血性ショック症候群、変形性関節症並びにクローン病及び潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患を含む多くの他の疾患及び疾患状態にも関係する。
【0014】
従って、TNF−αの阻害剤が多種多様の疾患の治療に潜在的に有用であることを理解することができる。
【0015】
TNF−α、IL−1、IL−6、COX−2又は例えば関節炎のような免疫応答、炎症若しくは炎症性疾患を引き起こすと考えられる他の因子を阻害するための化合物を提供するための従前の取り組みがなされてきた一方で、そのような疾患を有効に治療するか又は有効に阻害するための新規かつ改良された化合物への必要性が未だ存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従って、本発明の目的は、新規のジフェニルエーテル誘導体、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの多形体(polymorphs)、それらの医薬的に許容される塩、それらの医薬的に許容される溶媒和物及びそれらを含む医薬的に許容される組成物又はそれらの混合物を提供することである。
【0017】
本発明の他の目的は、高脂血症、冠動脈疾患及び末梢血管疾患はもとより多嚢胞性卵巣症候群のようなインスリン抵抗性と関連する疾患の治療のために並びに炎症及び免疫疾患、とりわけ、TNF−α、IL−1、IL−6、IL−1βのようなサイトカイン及びCOX−2のようなシクロオキシゲナーゼによって介在される炎症及び免疫疾患の治療のために有用な新規のジフェニルエーテル誘導体、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの多形体(polymorphs)、それらの医薬的に許容される塩、それらの医薬的に許容される溶媒和物及びそれらを含む医薬的に許容される組成物又はそれらの混合物を提供することである。
【0018】
本発明の他の目的は、高められた活性を有し、毒性作用を持たない又は減弱された毒性作用を有する新規のジフェニルエーテル誘導体、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの多形体(polymorphs)、それらの医薬的に許容される塩、それらの医薬的に許容される溶媒和物及びそれらを含む医薬的に許容される組成物又はそれらの混合物を提供することである。
【0019】
本発明のさらにもう一つの目的は、式(I)の新規のジフェニルエーテル誘導体、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの多形体(polymorphs)、それらの医薬的に許容される塩及びそれらの医薬的に許容される溶媒和物の調製方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
(発明の要約)
本発明は、式(I)の新規のジフェニルエーテル誘導体、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの多形体(polymorphs)、それらの医薬的に許容される塩及びそれらの医薬的に許容される溶媒和物に関する。
【化2】
【0021】
(式中、----は、結合を表しもよく;
Wは、O又はSを表し;
Zは、CR10、O又はSを表し;
Gは、O又はSを表すか又はR10と共にO、S若しくはNより選択される1つ若しくは2つのヘテロ原子を含む5員若しくは6員の芳香族環系若しくは芳香族複素環系を形成し;
R2、R3、R4及びR5は、水素又はフッ素、塩素、臭素若しくはヨウ素のようなハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ又はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル等のような直鎖の若しくは分鎖の置換型の若しくは非置換型の(C1-C6)アルキル基又はメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等のような置換型の若しくは非置換型の(C1-C6)アルコキシ基より選択され;
R6及びR7は同じであるか又は異なっていてもよいが、H、COR12又はアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール若しくはヘテロシクリルより選択される置換型の基若しくは非置換型の基をそれぞれ独立して表し(式中、R12は、H又はアルキル、アルケニル、アリール、アルケニルオキシ、アリールオキシ、アルコキシ、アラルキル若しくはアラルコキシより選択される置換型の基若しくは非置換型の基を表す。);
R8は、-OR13又はNR14R15を表し(式中、R13は、水素又はアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル若しくはヘテロアリールより選択される置換型の基若しくは非置換型の基又は対イオンを表し;さらにR14及びR15は、同じであるか又は異なっていてもよいが、H又は置換型の若しくは非置換型のアルキル、置換型の若しくは非置換型のアルケニル又は置換型の若しくは非置換型のアリールをそれぞれ独立して表す。);
R1は、水素又は置換型の若しくは非置換型のアルキル又は置換型の若しくは非置換型のアルケニル又は置換型の若しくは非置換型の-CH2COOR又は置換型の若しくは非置換型のアリール又は対イオンを表し(式中、Rは、H又は(C1−C6)アルキルを表す。);
R10は、Gと共にフェニル、ナフチル、フリル、ピロリル、ピリジル等のような5員若しくは6員の芳香族環系又は芳香族複素環系を形成してもよい。)
【0022】
ある部類の化合物において、W及びGは、Oを表し;Zは、Sを表し;R13は、H並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルキル並びに対イオンより選択され;さらに、R14及びR15は、置換型の(C1−C6)アルキル及び非置換型の(C1−C6)アルキルよりそれぞれ独立して選択される。この部類のサブクラスには、R2及びR3が、H、ハロ、ニトロ並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルキル並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルコキシよりそれぞれ独立して選択されるそれらの化合物が含まれる。
【0023】
別の部類の化合物において、Wは、Oを表し;G及びZは、Sを表し;さらに、R13は、置換型の(C1−C6)アルキル及び非置換型の(C1−C6)アルキルより選択される。
【0024】
この部類のサブクラスには、R2及びR3が、H、ハロ、並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルキル並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルコキシよりそれぞれ独立して選択されるそれらの化合物が含まれる。
【0025】
さらにもう一つの部類の化合物には、----が存在し、Wが、Oを表し;G及びZが、Sを表し;さらに、R13が、置換型の(C1−C6)アルキル及び非置換型の(C1−C6)アルキルより選択され;さらに、R1が、-CH2COORを表すそれらの化合物が含まれる。この部類のサブクラスには、R2及びR3が、H、ハロ並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルキル並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルコキシよりそれぞれ独立して選択されるそれらの化合物が含まれる。
【0026】
他の部類の化合物には、----が存在せず、さらに、Wが、Oを表し;G及びZが、Sを表し;さらに、R13が、置換型の(C1−C6)アルキル及び非置換型の(C1−C6)アルキルより選択され;さらに、R1が、-CH2COORを表すそれらの化合物が含まれる。この部類のサブクラスには、R2及びR3が、H並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルキルよりそれぞれ独立して選択されるそれらの化合物が含まれる。
【0027】
本発明はさらに、有効量の式(I)の化合物、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの医薬的に許容される塩及び/又はそれらの医薬的に許容される溶媒和物をそれを必要とする患者へ投与することを含む、血漿中のグルコースレベル、脂肪酸レベル、コレステロールレベル及びトリグリセリドレベルを低下させる方法に向けられる。
【0028】
本発明はまた、有効量の式(I)の化合物、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの医薬的に許容される塩及び/又はそれらの医薬的に許容される溶媒和物をそれを必要とする患者へ投与することを含む、肥満症、自己免疫疾患、炎症、免疫疾患、糖尿病及びインスリン抵抗性と関連する疾患を治療する方法にも向けられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(発明の詳細な記載)
本発明のある実施態様において、R2、R3、R4及びR5により表される基は、水素又はフッ素、塩素、臭素若しくはヨウ素のようなハロゲン又はヒドロキシ、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ又はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ノニル等のような直鎖の若しくは分鎖の置換型の若しくは非置換型の(C1-C20)アルキル基又はメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等のような置換型の若しくは非置換型の(C1-C20)アルコキシ基より選択される。アルキル及びアルコキシは、直鎖炭化水素構造、分鎖炭化水素構造、環状炭化水素構造及びそれらの組み合わせであってもよい。低アルキル基及び低アルコキシ基、すなわち、1個−6個の原子を有するものが好ましい。
【0030】
R6及びR7により表される適切な基は、同じであるか又は異なっていてもよいが、H、COR12又は(C1−C20)アルキル、(C2−C20)アルケニル、(C5−C14)アリール、(C1−C13)ヘテロアリールから選択される置換型の基若しくは非置換型の基又は(C1−C11)ヘテロシクリルをそれぞれ独立して表す。アリール基又はヘテロアリール基は、O、N及びSより選択される0個のヘテロ原子を含む(アリール)若しくは1個−4個のヘテロ原子を含む(ヘテロアリール)4員環系、5員環系又は6員環系;又は0個のヘテロ原子を含む(アリール)若しくは1個以上のヘテロ原子を含む(ヘテロアリール)9員の二環式環系又は10員の二環式環系;又は0個のヘテロ原子を含む(アリール)若しくは1個以上のヘテロ原子を含む(ヘテロアリール)12員から14員までの三環式環系であってもよい。R12基は、H又は置換型の若しくは非置換型の(C1−C20)アルキル、置換型の若しくは非置換型の(C2−C20)アルケニル、置換型の若しくは非置換型の(C5−C14)アリール、置換型の若しくは非置換型の(C2−C20)アルケニルオキシ、置換型の若しくは非置換型の(C5−C14)アリールオキシ、置換型の若しくは非置換型の(C1−C20)アルコキシ又は置換型の若しくは非置換型の(C6−C34)アラルコキシを表す。
【0031】
R1により表される適切な基は、水素又は置換型の若しくは非置換型の(C1−C20)アルキル、置換型の若しくは非置換型の(C2−C20)アルケニル、置換型の若しくは非置換型のCH2COOR、置換型の若しくは非置換型の(C5−C14)アリール又は対イオンより選択される。
【0032】
R13により表される適切な基は、水素又は置換型の若しくは非置換型の(C1−C20)アルキル、好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチルのような低アルキル又は置換型の若しくは非置換型の(C2−C20)アルケニル又はフェニルのような置換型の若しくは非置換型の(C5−C14)アリール又はベンジルのような置換型の若しくは非置換型の(C6−C34)アラルキル基又は置換型の若しくは非置換型の(C1−C13)ヘテロアリール又はLi、Na及びKのようなアルカリ金属若しくはCa及びMgのようなアルカリ土類金属より選択される対イオン又はアンモニウム塩若しくは置換型のアンモニウム塩、ジエタノールアミン、α−フェニルエチルアミン、ベンジルアミン、ピペリジン、モルホリン、ピリジン、ヒドロキシエチルピロリジン、ヒドロキシエチルピペリジン、クロリン等、アルミナム(aluminum)、トロメタミン等のような種々の塩基の塩より選択される。
【0033】
R14及びR15により表される適切な基は、水素及び置換型の若しくは非置換型の(C1−C20)アルキル基、好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル等のような低アルキル及び置換型の若しくは非置換型の(C2−C20)アルケニル及びフェニルのような(C5−C14)アリールより選択される。
【0034】
式(I)の化合物のある部類には、----が、存在するか又は存在せず、さらにW及びGが、Oを表し;Zが、Sを表し;R13が、H並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルキル並びに対イオンより選択され;さらに、R14及びR15が、置換型の(C1−C6)アルキル及び非置換型の(C1−C6)アルキルよりそれぞれ独立して選択される化合物が含まれる。この部類のサブクラスには、R2及びR3が、H、ハロ、ニトロ並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルキル並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルコキシよりそれぞれ独立して選択されるそれらの化合物が含まれる。
【0035】
式(I)の化合物の他の部類には、----が、存在するか又は存在せず、さらに、Wが、Oを表し;G及びZが、Sを表し;さらに、R13が、置換型の(C1−C6)アルキル及び非置換型の(C1−C6)アルキルより選択される化合物が含まれる。この部類のサブクラスには、R2及びR3が、H、ハロ並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルキル並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルコキシよりそれぞれ独立して選択されるそれらの化合物が含まれる。
【0036】
式(I)の化合物のさらにもう一つの部類には、----が、存在し、さらに、Wが、Oを表し;G及びZが、Sを表し;さらに、R13が、置換型の(C1−C6)アルキル及び非置換型の(C1−C6)アルキルより選択され;さらに、R1が、-CH2COORを表す化合物が含まれる。この部類のサブクラスには、R2及びR3が、H、ハロ並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルキル並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルコキシよりそれぞれ独立して選択されるそれらの化合物が含まれる。
【0037】
式(I)の化合物の他の部類には、----が、存在せず、さらに、Wが、Oを表し;G及びZが、Sを表し;さらに、R13が、置換型の(C1−C6)アルキル及び非置換型の(C1−C6)アルキルより選択され;さらに、R1が、-CH2COORを表す化合物が含まれる。この部類のサブクラスには、R2及びR3が、H並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルキルよりそれぞれ独立してそれらの選択される化合物が含まれる。
【0038】
“アナログ”という用語には、一つ以上のC原子、N原子、O原子又はS原子によって親構造と異なる化合物が含まれる。従って、親構造中のN原子の一つが一つのS原子によって置換される化合物の場合、後者の化合物は前者のアナログである。
【0039】
“立体異性体”という用語には、原子の空間への配置のされ方において相互に異なるがそれらの化学式及び化学構造は同一である異性体が含まれる。立体異性体には、エナンチオマー及びジアステレオ異性体が含まれる。
【0040】
“互換異性体”という用語には、容易に相互変換のできる異性体形態の平衡状態にある化合物が含まれる。エノール・ケト互変異性が、一つの例である。
【0041】
“多形体(polymorphs)”という用語には、化学的に同一の構造を有する結晶学的に識別可能な形態の化合物が含まれる。
【0042】
“医薬的に許容される溶媒和物”という用語には、溶質化合物の分子又はイオンと溶媒分子との組み合わせが含まれる。
【0043】
“置換型”という用語は、一つ以上の水素原子が、アルキル、アルコキシ、アルキレンジオキシ、アミノ、アミジノ、アリール、アラルキル(例えば、ベンジル)、アリールオキシ(例えば、フェノキシ)、アラルコキシ(例えば、ベンジルオキシ)、カルボアルコキシ(例えば、アシルオキシ)、カルボキシアルキル(例えば、エステル)、カルボキサミド、アミノカルボニル、シアノ、カルボニル、ハロ、ヒドロキシル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、ニトロ、スルファニル、スルフィニル、スルホニル及びチオであってもよいがこれらに限定されない置換基により置換されていることを意味する。さらに、当該置換基は、置換されていてもよい。
【0044】
本発明の一部を形成する“医薬的に許容される塩”には、Li塩、Na塩及びK塩のようなアルカリ金属塩又はCa塩及びMg塩のようなアルカリ土類金属塩又はリシン、アルギニン、グアニジン、ジエタノールアミン、コリン等のような有機塩基の塩又はアンモニウム塩又は置換型のアンモニウム塩のような塩基添加性塩(base addition salts)が含まれる。塩は、スルファート、ニトラート、ホスファート、ペルクロラート、ボラート、ヒドロハリド、アセタート、タルトラート、マレアート、シトラート、スクシナート、パルモアート、メタンスルホナート、ベンゾアート、サリチラート、ヒドロキシナフトアート、ベンゼンスルホナート、アスコルバート、グリセロホスファート、ケトグルタラート等の酸添加性塩(acid addition salts)を含んでいてもよい。医薬的に許容される溶媒和物は、水和物であってもよいし又はアルコールのような他の結晶化溶媒を含んでいてもよい。
【0045】
本発明に従ったとりわけ有用な化合物は:
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-3-フルオロ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-クロロ-4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[3-クロロ-4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-2-メトキシ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-2-ニトロ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-3-トリフルオロメチル-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオナート二カリウム塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオナート二ナトリウム塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[3-クロロ-4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-クロロ-4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-2-メトキシ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-2-フルオロ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸塩酸塩 (化合物16)
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオナート二ナトリウム塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオナート二カリウム塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-N,N-ジメチル-プロピオンアミド塩酸塩
(R,S)-2-アミノ-3-{4-[4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩 (化合物20)
(S)-2-アミノ-3-{4-[3-フルオロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-フルオロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[3-クロロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-クロロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-メトキシ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-2-トリフルオロメチル-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-3-トリフルオロメチル-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-メトキシ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(R,S)-2-アミノ-3-{4-[4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-クロロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[3-クロロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[3-フルオロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-フルオロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-3-トリフルオロメチル-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(R,S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩 (化合物36)
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-3-クロロ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-2-クロロ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-2-フルオロ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-2-トリフルオロメチル-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-3-フルオロ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-3-トリフルオロメチル-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-2-メトキシ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(R,S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-3-トリフルオロメチル-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
であってもよい。
【0046】
上記のリストの化合物に関して好ましい塩は、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ナトリウム、カリウム又はマグネシウムである。
【0047】
本発明の範囲内の化合物の構造及び3T3L−1細胞におけるそれらのグルコース取り込みが、下記の表I−IVに提供される。
【化3】
【表1】
【化4】
【表2】
【化5】
【表3】
【化6】
【表4】
【0048】
本発明の他の特徴に従って、式(I)の化合物の調製方法が提供される。式中、----は、結合を表し、さらに全ての他の記号は、これに先だって定義されるとおりであり、スキーム−Iに示されるとおりである。
【化7】
【0049】
(式中、A=CHO又はCH2-Mであり;Pは、N-保護基であり、----は、結合を表してもよいし又は結合を表さなくてもよく;Mは、クロロ、ブロモ、イオド、OSO2CH3、O-SO2Ph、O-SO2C6H4-CH3及び同様の脱離基より選択される適切な脱離基を表す。)
【0050】
式(IIIa)の化合物と式(IIIb)の化合物との反応により、使用されてもよいTHF、DMF、DMSO、DME等のような溶媒又は溶媒の混合物の存在で式(IIIc)の化合物を生成する。当該反応は、不活性雰囲気中で行われてもよい。当該反応は、K2CO3、Na2CO3、NaH又はそれらの混合物のような塩基の存在下で達成されてもよい。当該反応温度は、20 ℃ − 150 ℃ で変動してもよく、好ましくは、30 ℃ − 100 ℃ の範囲であってもよい。当該反応の持続時間は、1時間−24時間で変動してもよく、好ましくは、2時間−6時間であってもよい。一般式(IIIc)の化合物と式(IIId)の化合物との反応は、以下の方法に従って行われてもよい:
a.アルデヒド基と(IIId)のアクティブなメチレン基の反応で脱水に作用することによってC-C結合を作ることによる;
b.AがCH2M基であって、塩基の存在下で(IIId)の環窒素へ取り付けられる際にC-N結合を作ることによる。
【0051】
両方のアプローチは、塩基存在下及びトルエン、メトキシエタノール又はそれらの混合物の存在下で行うことが可能であり、式(IIIe)の化合物をもたらす。当該反応温度は、当該反応をきちんと酢酸ナトリウム存在下で行う際には、60 ℃ − 180 ℃ で変動してもよい。ピペリジニウムアセタート若しくはベンゾアート、酢酸ナトリウムのような適切な触媒又は触媒の混合物もまた採用されてもよい。酢酸ナトリウムは溶媒の存在下で使用することができるが、酢酸ナトリウムがきちんと使用されるのが好ましい。当該反応中で生成される水は、ディーンスターク水分離器を使用することにより又は分子ふるいのような吸水剤を使用することにより除去されてもよい。
【0052】
式(I)の化合物を生じさせるための式(IIIe)の脱保護が、HCl、硫酸、酢酸のような酸を使用して、DCM、酢酸エチル、水等のような溶媒又はそれらの混合物の存在下で、-10 ℃ − 50 ℃ の範囲の温度において行われてもよい。
【0053】
本発明の他の実施態様において、式中----が結合を表す式(I)の最後から2番目のステップを還元することによる式(I)の化合物の調製方法が提供される。----が結合を表さず、かつ全ての他の記号がこれに先だって定義されるとおりである際には、当該還元ステップは必要とされない。当該還元は、気体の水素及びPd/C、Rh/C、Pt/C、ラネーニッケル等のような触媒の存在下で行われてもよい。触媒の混合物が使用されてもよい。当該反応は、メタノール、ジクロロメタン、ジオキサン、酢酸、酢酸エチル等のような溶媒の存在下で実施されてもよい。溶媒の混合物が使用されてもよい。大気圧から 100 psi までの間の圧力が採用されてもよい。当該触媒は 5 − 10 % Pd/Cであってもよく、使用される触媒の量は、50 % w/w − 300 % w/w で変動してもよい。
【0054】
本発明において使用される保護基Pは、t-ブトキシカルボニル(t-Boc)、トリチル、トリフルオロアセチル、ベンジルオキシ、ベンジルオキシカルボニ(Cbz)等のような従来の保護基である。
【0055】
医薬的に許容される塩は、式(I)の化合物を、エーテル、THF、メタノールt−ブタノール、ジオキサン、イソプロパノール、エタノール等のような溶媒中で、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、水素化ナトリウム、カリウムt-ブトキシド、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のような塩基の1当量−4当量と反応させることによって調製される。溶媒の混合物が使用されてもよい。リシン、アルギニン、ジエタノールアミン、コリン、グアニジン及びそれらの誘導体等のような有機塩基もまた使用されてもよい。あるいは、酸添加性塩(acid addition salts)は、酢酸エチル、エーテル、アルコール、アセトン、THF、ジオキサン等のような溶媒中で、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、酢酸、クエン酸、マレイン酸、サリチル酸、ヒドロキシナフトエ酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、コハク酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、酒石酸等のような酸で処理することによって調製される。溶媒の混合物もまた使用されてもよい。
【0056】
本発明はまた、上記で定義されるとおりの一つ以上の一般式(I)の化合物、それらの互変異性体、それらの誘導体、それらのアナログ、それらの立体異性体、それらの多形体(polymorphs)、それらの医薬的に許容される塩又はそれらの医薬的に許容される溶媒和物を通常の医薬的に採用されるキャリア、希釈剤等と組み合わせて含む医薬組成物をも提供する。
【0057】
当該医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、粉末剤、シロップ剤、液剤、懸濁剤等のような通常採用される形態であってもよく、適切な固体若しくは液体キャリア又は希釈剤中、又は注射可能溶液若しくは懸濁液を形成するための適切な無菌媒体中に香料(flavorants)、甘味料等を含んでいてもよい。そのような組成物は概して、重量で 1 % − 25 % の活性化合物、好ましくは、重量で 1 % − 15 % の活性化合物を含み、当該組成物の残りは、医薬的に許容されるキャリア、希釈剤、賦形剤又は溶媒である。
【0058】
適切な医薬的に許容されるキャリアは、固体注入剤又は希釈剤及び無菌水溶液又は無菌有機溶媒であってもよい。当該活性化合物は、好ましい投与量を提供するのに十分な量の医薬組成物が上記で記載されるとおりの範囲にあるように存在する。従って、経口投与に関しては、当該化合物を適切な固体若しくは液体キャリア又は希釈剤と組み合わせてカプセル剤、錠剤、粉末剤、シロップ剤、液剤、懸濁剤等を形成させることができる。当該医薬組成物は、香料(flavorants)、甘味料、賦形剤等のような付加的な成分を含んでいてもよい。非経口的な投与に関しては、当該化合物を無菌の水性媒体又は有機媒体と組み合わせて注射可能な溶液又は懸濁液を形成させることができる。例えば、当該化合物の水溶性の医薬的に許容される酸添加性塩(acid addition salts)又はアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩の水溶液だけでなく、ゴマ油溶液、ピーナッツ油溶液、含水プロピレングリコール等を使用することもできる。このようにして調製される注射可能な溶液を次に、静脈内に、腹腔内に、皮下に又は筋肉内に投与することができ、ヒトにおいては筋肉内投与が好ましい。
【0059】
本発明の医薬組成物は、糖尿病の動物モデルにおける試験によって示されるとおり、血糖レベル、血清インスリンレベル及び血清トリグリセリドレベルを低下させるのに有効である。本発明の医薬組成物は従って、I型糖尿病又はII型糖尿病の治療に関して有効である。本発明の医薬組成物はまた、肥満症、炎症、自己免疫疾患の治療においても有効である。本発明の医薬組成物はまた、血漿中の遊離脂肪酸レベル及びコレステロールレベルを低下させるのにも有効である。さらに、本発明の医薬組成物は、高脂血症、冠動脈疾患及び末梢血管疾患と同様に多嚢胞性卵巣症候群のようなインスリン抵抗性に関連する疾患の治療並びに炎症及び免疫疾患の治療、とりわけTNF−α、IL−1、IL−6のようなサイトカイン及びCOX−2のようなシクロオキシゲナーゼによって媒介されるそれらの治療に有用である。概して、患者における特定の状態を治療するための有効投与量は、状態又は疾患の症状又は兆候を軽減するための治療期間中に医師により容易に決定され調節されてもよい。概して、1 kg の体重にあたり およそ 0.01 mg − およそ 1000 mg の範囲の活性化合物の一日投与量が、有効な結果を得るための投与量に関して適切である。当該一日投与量は、単回投与で投与されてもよいし又は複数回投与に分けられてもよい。場合によっては、個々の反応に依存して、最初に定められた一日投与量から上方又は下方へそらせることが必要であってもよい。標準的な医薬品は通常、投与量あたり、およそ 0.2 mg − およそ 500 mg の式(I)の活性化合物及び/又はその医薬的な活性塩若しくは溶媒和物を含む。
【0060】
“治療的有効量”又は“有効量”という用語は、当該治療を必要とする哺乳動物へ単独で又は他の治療と組み合わせて投与される際に、下記で定義されるとおり、治療を達成するのに十分な式(I)の化合物又は式(I)の化合物の混合物の量を意味する。さらに具体的に言うと、グルコース、脂肪酸、コレステロール若しくはトリグリセリドの血漿レベルを低下させるのに十分な又は肥満症、自己免疫疾患、炎症、免疫疾患、糖尿病及びインスリン抵抗性に関連する疾患を治療するために十分な量のことである。本明細書で用いられるとおりの“動物”という用語は、全ての哺乳動物を含むことを意味し、とりわけヒトを含むことを意味する。当該動物はまた、本明細書において、治療を必要とする被験者又は患者としても言及される。治療的有効量は、治療される被験者及び疾患状態、当該被験者の体重及び年齢、疾患状態の重症度、選択される式(I)の特定の化合物、従われる投与計画、投与のタイミング、投与の方法等に応じて異なり、それらの全ては、当業者により容易に決定することができる。
【0061】
“治療”又は“治療する”という用語は、哺乳動物における疾患のいずれの治療をも意味し、以下を含む:
a)当該疾患を阻止すること、つまり、当該疾患の臨床症状を進展しないようにすること;
b)当該疾患を抑制すること、つまり、臨床症状の進展を遅くすること若しくは停止させること;及び/又は
c)当該疾患を取り除くこと、つまり、臨床症状の復帰を引き起こすこと。
【0062】
本発明は、例証のみを手段として提供される下記に与えられる実施例において詳細に説明され、従って、本発明の範囲を限定するように解釈されるべきではない。
【実施例】
【0063】
実施例1:5-[4-(4-(2-アミノ-2-メトキシカルボニルエチル)フェノキシ)ベンジリデン]-チアゾリジン-2,4-ジオン塩酸塩の合成
【化8】
【0064】
ステップI:(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(4-(4-ホルミルフェノキシ)フェニル)-プロパン酸の調製
【化9】
【0065】
N-tert-ブトキシカルボニル-L-チロシン(2.42 kg、8.3 mol)を乾燥DMF(7.26 L)中にアルゴン下で溶解し、溶解が完結するまで静置した。K2CO3(3.57 kg、25.81 mol)、4-フルオロベンズアルデヒド(4-fluorobenzaldeyde)(5.34 kg、43.01 mol)を加え、アルゴン下において、70℃ ± 5℃ で48時間撹拌した。反応混合物を 30 ℃ 未満まで冷却した。当該反応混合物を水中(75 L)に注ぎ入れ、15分間撹拌した。酢酸エチル(40 L)を加え、30分間撹拌した。有機層を分離し、水層をHCl(6 M)で pH 2 まで酸性化した。沈殿された固体物を酢酸エチル(40 L)中に溶解し、水層を分離した。有機層をかん水(40 L)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で溶媒を蒸発させた。HPLC純度(93.4 %)及びHPLCによるキラル純度(100 %)を観察した。無水MgSO4で乾燥し、減圧下で蒸発させた。黄白色固体(3.06 kg、99.3 %)。1H NMR(300 MHz, DMSO-d6): 9.89 (s, 1H), 7.82 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.23 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.00 (重複 d, J = 9.0 Hz, 4H), 4.63 (m, 1H), 3.2 (m, 1H), 3.06 (m, 1H), 1.40 (s, 9H)。
【0066】
ステップII:(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(4-(4-ホルミルフェノキシ)フェニル)-プロパン酸メチルエステルの調製
【化10】
【0067】
(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(4-(4-ホルミルフェノキシ)フェニル)-プロパン酸(2.97 kg、7.7 mol)を乾燥DMF(14.84 L)中に溶解した。NaHCO3(1.29 kg、15.4 mol)及びヨードメタン(6.56 kg、46.19 mol)を不活性雰囲気下で加え、室温で14時間攪拌した。当該反応の完結をTLC(SiO2ゲル、CHCl3-MeOH、9:1)によりチェックした。当該反応混合物を水中に注ぎ入れ、15分間攪拌した。酢酸エチル(40 L)を加えた。有機層をかん水で洗浄し、減圧下で蒸発させた。収量 3.06 kg、99.3 %、HPLC純度 94.6 % 及び キラル純度 100 % ee。1H NMR (300MHz, CDCl3): 9.92 (s, 1H), 7.83 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.16 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.02 (重複 d, 4H), 5.03 (brs, 1H), 4.59 (m, 1H), 3.74 (s, 3H), 3.13 (dd, J=5.7 及び 13.8 Hz, 1H), 3.00 (dd, J = 6.3 及び 13.8 Hz, 1H), 1.43 (3, 9H)。
【0068】
ステップIII:(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステルの調製
【化11】
【0069】
(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(4-(4-ホルミルフェノキシ)フェニル)-プロパン酸メチルエステル(3.05 kg、7.64 mol)をトルエン(18 L)中に溶解した。安息香酸(144.9 g)、ピペリジン(87.6 g)及び2,4-チアゾリジンジオン(1.11 kg、20.5)を順次加えた。水を共沸して6時間除去した。当該反応の完結をTLC(SiO2ゲル、CHCl3-MeOH、19:1)によりチェックした。溶媒の半分を蒸留して室温まで冷却し、5 % 重炭酸ナトリウム溶液、水、かん水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。収量 3.80 kg、99.9 %、キラル純度 100 % ee。1H NMR (300 MHz, CD3OD) : 7.75 (s, 1H), 7.52 (d, J = 9.0 Hz, 2H) 7.26 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.26 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.03 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 6.95 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 4.38 (m, 1H), 3.71 (S, 3H), 3.12 (dd, J = 5.4 及び 13.5 Hz, 1H), 2.85 (dd, J = 9.3 及び 13.5 Hz, 1H), 1.30 (s, 9H)。
【0070】
ステップIV:5-[4-(4-(2-アミノ-2-メトキシカルボニルエチル)フェノキシ)ベンジリデン]チアゾリジン-2,4-ジオン塩酸塩の調製
【化12】
【0071】
ジクロロメタン(100 mL)中の2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-{4-[4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-インドール-3-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル(1.2 g、2.4 mmol)に乾燥HClガスを0℃−5℃で2時間、ゆっくりと通した。当該反応の完結後、過剰の塩化水素ガスをバブリング窒素ガス(bubbling nitrogen gas)により除去した。このようにして析出した固体物を濾過し、ジクロロメタン(25 mL)で洗浄し、乾燥して表題生成物(0.84 g、80.56 %)、1H NMR (D2O, 400 MHz) dppm: 7.76(s, 1H), 7.62(d, 2H), 7.30(d, 2H), 7.1(m, 4H), 4.3(t, 1H), 3.73(s, 3H), 3.14(m, 2H), m/zM+1 399.2 を供給した。
【0072】
実施例2:(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩(化合物 2)の合成
【化13】
【0073】
ステップI:(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩の調製
【化14】
【0074】
(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル(2.5 kg、5.02 mol)を、メタノール(25 L)中に溶解した。窒素雰囲気下で木炭上のパラジウム(10 %、940 g、湿気 50 %)を加えた。温度を 75℃ ± 5℃ まで上昇させ、150 psi − 200 psi で水素をチャージし、18時間維持した。当該反応の完結を、HPLCによりモニターした。室温まで冷却し、Celite(登録商標)のベッドを通して触媒を濾過した。当該ベッドをメタノールで洗浄した。溶媒を蒸発させ、当該化合物を乾燥した。収量 100 %、2.51 kg。1H NMR (300 MHz, CDCl3) ; 7.18 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.10 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.93 (重複 d, 4H), 5.03 (br, 1H), 4.58 (m, 1H), 4.51 (dd, J = 3.9 及び 9.3H, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.50 (dd, J = 3.9 及び 14.1 Hz, 1H), 3.13 (dd, J = 9.6 及び 14.1Hz, 1H), 2.97-3.04 (m, 2H), 1.42 (s, 9H)。
【0075】
ステップII:(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩の調製
【化15】
【0076】
ステップ4生成物(2.5 kg)をMTBE(9.66 L)とメタノール(9.85 L)の混合物中に懸濁させて、これに2 M HClのエーテル溶液(13.6 L)を加え、反応が完結するまで当該反応混合物を撹拌した。当該未精製混合物を精製して98.35純粋な生成物の 1.3 kg(60.0 %)を生じさせた。 1H NMR (300 MHz, DMSOd6): 7.28 (d, J = 8.7 Hz, 4H), 6.96 (重複 d, 4.H), 4.91 (dd, J = 4.2 及び 9.0 Hz, IH), 4.26 (t, J = 6.9 Hz, 1H), 3.70 (s, 3H), 3.37 (dd, J = 4.5 及び 14.4 Hz, 1H), 3.09-3.16 (m, 2H)。
【0077】
実施例3−実施例11
さらなる化合物を、概して実施例1の手順に従い調製した。
当該化合物の分析を表1に示す。
【表5】
【表6】
【表7】
【0078】
実施例12−実施例18
さらなる化合物を、概して実施例2の手順に従い調製した。
当該化合物の分析を表2に示す。
【表8】
【表9】
【表10】
【0079】
実施例19:2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-N,N-ジメチルプロピオンアミド塩酸塩(19)の合成
【化16】
【0080】
ステップI:(1-ジメチルカルバモイル-2-{4-[4-(2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステルの調製
【化17】
【0081】
当該化合物、2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸(4.2 g、8.63 mmol)を、CH2Cl2(30 mL)中に溶解し、アルゴン雰囲気下において室温で撹拌した。トリエチルアミン(1.44 mL、0.014 mmol)及びベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(BOP試薬、4.19 g、9.5 mmol)を加え、当該反応混合物を15分間撹拌した。ジメチルアミン(2.0 M THF溶液、5.6 mL、11.2 mmol)を加え、結果として生じた溶液を室温でおよそ1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、結果として生じたオイルをEtOAc(100 mL)中に取り上げ入れた。有機層を 0.5 N NaOH(1 × 50 mL)、水(1 × 100 mL)及びかん水(1 × 100 mL)で抽出した。当該未精製生成物をCHCl3-MeOH(19:1)のシリカゲルクロマトグラフィで精製して、純粋なアミド、(1-ジメチルカルバモイル-2-{4-[4-(2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(0.61 g、13.8 %)を生じさせた。1H NMR (400 MHz, CDCl3): 7.17 (重複 d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.16 (重複 d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.92 (重複 d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.90 (重複d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.51 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.81 (m, 1H), 3.02-3.13 (m, 2H), 2.83-2.95 (m, 5H), 2.76 (s, 3H), 1.46 (s, 9H)。
【0082】
ステップII:2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-N,N-ジメチルプロピオンアミド塩酸塩の調製
【化18】
【0083】
(1-ジメチルカルバモイル-2-{4-[4-(2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(0.25 g)を、CH2Cl2中に溶解し、0℃−5℃まで冷却した。塩化水素を当該溶液に30分間通して泡立たせた。過剰のHClを脱気し、CH2Cl2を除去した。残余の固体物をEtOAc(2 × 25 mL)ですり潰し、デカントし、乾燥して、好ましい化合物2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-N,N-ジメチルプロピオンアミド塩酸塩を白色の非晶質固体(0.16 g、73.1 %)として生じさせた。1H NMR (DMSO-d6): 12.05 (br, 1H), 7.26 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.22 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.96 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.91 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.90 (dd, J = 9.6 及び 4.4 Hz, 1H), 4.53 ( br, 1H), 2.91-3.14 (m, 4H), 2.81 (s, 3H), 3.05 (s, 3H)。
【0084】
ロダニナ(Rhodanina)化合物及びロダニン酢酸化合物(rhodanine acetic acid)を、実施例1及び2で報告された一般的な方法に従い、それぞれステップIIIにおいてロダニン(rhodanine)又はロダニン酢酸(rhodanine acetic acid)を使用して調製した。二重結合(the double)の還元は、ロダニン(rhodanine)シリーズの分子に関しては一般的な方法Aにより行い、ロダニン酢酸(rhodanine acetic acid)に関しては一般的な方法Bにより行った。
【0085】
一般的な方法A
トルエン(120 mL)中の出発物質(1.0 g、1eq)の溶液に、1,4-ジヒドロ-3,5-ジカルボエトキシ-2,6-ジメチルピリジン(1.3 eq)及びシリカゲル(3.0 g)を加えた。当該反応混合物を 80 ℃ まで加熱し、36時間撹拌した。反応の進行を、HPLCによりモニターした。反応混合物を濾過し、酢酸エチルで洗浄した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物を酢酸エチル中に溶解し、希塩酸で洗浄した。酢酸エチルを減圧下で蒸発させた。
【0086】
一般的な方法B
Pt(IV)酸化物(0.35 mmol)をメタノール(250 mL)中の化合物(2.62 mmol)の溶液に加え、水素付加フラスコ(hydrogenator flask)にチャージした。当該反応混合物を 210 psi の圧力で80時間水素付加し、HPLCによりモニターした。未反応の出発物質を含む得られた未精製生成物を、さらなる精製をせずに次のステップで使用した。
【0087】
実施例20−実施例46
さらなる化合物を、概して実施例19の手順に従い調製した。当該化合物の分析を表3−表6に示す。
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【表20】
【0088】
実施例47:ストレプトゾトシン誘発糖尿病マウスにおける血糖の低下
6週齢の雄の正常Swiss Webster(SW)マウス(n=6)に糖尿病を誘発するために、1kgの体重あたり 150 mg の投与量(ip)でストレプトゾトシンを与え、マウスの血糖レベルがおよそ 350 mg/dL である5日後に、マウスに化合物2(100 mg/kg 及び 200 mg/kg)をそれから15日間強制経口投与し、血糖を3日毎にモニターした。結果を図1に示す。
【0089】
実施例48:ストレプトゾトシン誘発マウスにおけるトリグリセリドレベル及びコレステロールレベルの低下
雄の正常SWマウス(6週齢、n=6)に糖尿病を誘発するために、マウスに1kgの体重あたり 150 mg の投与量(ip)でストレプトゾトシンを与え、5日後に、マウスに化合物2(100 mg/kg 及び 200 mg/kg)を15日間強制経口投与した。15日目に、血清トリグリセリド(A)を、GPO-Trinder method、Procedure No.339)Sigma Chemicals Inc. により 540 nm で比色分析的に測定した。同様に、総血漿コレステロールを、Sigma procedure No.352 により比色分析キットを使用して測定し、吸光度を 500 nM でチェックした。トリグリセリドレベル及びコレステロールレベルを、それぞれ図2A及び図2Bに示す。
【0090】
実施例49:非糖尿病(NOD)マウスにおける血糖の低下
非肥満糖尿病(NOD)マウスは、I型糖尿病の代表的なモデルであり、当該マウスにおいては循環するインスリンが存在せず、当該マウスは極めて高い血糖レベルのために最終的には死亡する。NODマウスの血糖レベルが 300 mg/dL になった時に、NODマウスに化合物2(100 mg/kg)をそれから9日間処理し、血糖を3日毎にモニターした。当該実験において、化合物2は、これらの動物における血糖レベルを低下させた。結果を図3に示す。
【0091】
実施例50:NODマウスにおける血清グリセリド、インスリン及び膵島への化合物2の効果
非肥満糖尿病(NOD)マウスは、I型糖尿病の代表的なモデルであり、当該マウスにおいては循環するインスリンが存在せず、当該マウスは極めて高い血糖レベルのために最終的には死亡する。NODマウスの血糖レベルが 300 mg/dL になった時に、NODマウスに化合物2(100 mg/kg)をそれから9日間処理し、9日目に、血漿トリグリセリドレベル(A)を ALPCO Diagnostics、NH のマウスインスリンELISAアッセイキットにより測定した。膵臓切片をIDEXX研究所で調製し、島の数を顕微鏡下でカウント(C)した。
結果を、図4A、図4B及び図4Cに示す。
【0092】
実施例51:フルクトース食ラットにおけるトリグリセリドレベル及び血圧への化合物2の効果
高フルクトース食餌は、正常ラットにインスリン抵抗性、高トリグリセリド血症及び高インスリン血症を引き起こす。インスリン抵抗性は、インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)、肥満症、高血圧、脂質代謝異常及び粥状動脈硬化(ひとまとめにしてシンドローム-Xと呼ばれる)の中心的な病態生理学的特徴である。雄のSDラットに、処理をせずに初めの15日間、高フルクトース食餌(60 %)を与えた。15日間のフルクトース食餌の後、ラットの血漿トリグリセリド及び血圧は高くなり、その時点において、一群の動物に、化合物2(50 mg/kg)をそれから15日間処理した。血中トリグリセリド(図5A)を、GPO-Trinder method(Sigma)により3日毎に測定し、血圧(図5B)を、XBP 1000 ラット尾部血圧システム、Kent scientific Inc. によりモニターした。化合物2は、当該モデルにおいてTG及び血圧の両方を低下させた。
【0093】
実施例52:化合物2はPPARα、PPARγ及びPPARδのアゴニストではない
転写促進実験を、NIH3T3細胞において全長PPARγ遺伝子又はキメラPPARγ遺伝子のどちらか及びFATP- PPREレポーターコンストラクトを用いて行った。ロシグリタゾン(Rosi)及びピオグリタゾン(Pio)を、ポジティブコントロールとして維持した。ロシグリタゾン及びピオグリタゾンと比べて、化合物2は、当該システムにおいてPPARγ親和性を全く示さなかった。
転写促進実験を、NIH3T3細胞において全長PPARα遺伝子又はキメラPPARα遺伝子のどちらか及びFATP- PPREレポーターコンストラクトを用いて行った。Wy14643(Wyeth)をポジティブコントロールとして維持した。ポジティブコントロールと比べて、化合物2は、当該システムにおいてPPARα親和性を全く示さなかった。転写促進実験を、NIH3T3細胞において全長PPARδ遺伝子及びFATP- PPREレポーターコンストラクトを用いて行った。L165041(L-165)をポジティブコントロールとして維持した。結果を、図6に示す。
【0094】
実施例53:化合物2及び化合物16のインビトロでの有効性
3T3−L1繊維芽細胞を、インスリン、デキサメタゾン及びIBMXを含むカクテルにより数日間処理して脂肪細胞へ分化させた。完全に分化した脂肪細胞を、当該化合物(0.1 μM、1μM 及び 10 μM の化合物2及び化合物16)又は 0.1 % DMSOで72時間処理し、次に、グルコース取り込みをいずれのインスリンもなしで15分間行わせた。基底の取り込みを、放射性の14C-2DOGの添加により開始させ、15分後に、細胞を冷たいグルコースを含む冷たいPBSで洗浄した。結果を、図7に示す。
【0095】
実施例54:db/dbマウスにおける化合物16のインビトロでの有効性
7週齢の雄のdb/db(自然発生モデル)糖尿病マウスに、体重1kgあたり 5 % PEG中 50 mg の投与量の化合物16を経口的に処理し、血糖をワンタッチ血糖計(glucometer)によりモニターした。当該化合物は水溶性ではないので、PEGをビークルとして使用した。結果を、図8に示す。
【0096】
実施例55:化合物2及び化合物16は脂肪生成性ではない
化合物2が脂肪生成又は他の知られるようなaP2発現又はPPARγアゴニストを誘導しないことが示されたが、3T3−L1繊維芽細胞の同様の脂肪生成実験における化合物2の酸性形態の効果を調べるための試験を行った。全ての既知のPPAR−gアゴニストは、繊維芽細胞において分化を誘導する。これらの化合物の脂肪生成潜在能力は、当該受容体への親和性と相関する。化合物2、化合物16が当該受容体へのいくらかの親和性を有しているか否かを素早くチェックするために、3T3−L1繊維芽細胞を、DMSOコントロール又はポジティブコントロールとしてのロシグリタゾン又はこれらの2つの化合物のどれかで数日間種々の濃度で処理した。11日目において、分化した脂肪細胞を、Oil-red-O(Sigma)で染色し、十分に洗浄して結合していない染色液を除去した。当該赤色(red cooler)をイソプロパノールで抽出し、540 nm で比色分析的に測定した。PPAR−gアゴニストであるロシグリタゾンは、当該細胞システムにおいて脂肪生成を強力に誘導したが、一方で、化合物2と化合物16の両方は未変化のままであり、これは、化合物2だけでなく化合物16もPPAR−g受容体への親和性を有していないことの間接的な証明である。結果を、図9に示す。
【0097】
実施例56:db/dbマウスにおける化合物20及び化合物36による血糖の低下
7週齢の雄のdb/db(自然発生モデル)糖尿病マウスに、体重1kgあたり 5 % PEG中 50 mg の投与量の化合物20及び化合物36を経口的に処理し、血糖をワンタッチ血糖計(glucometer)によりモニターした。当該化合物の両方は、II型糖尿病の当該動物モデルにおいてグルコース低下活性を示した。結果を、図10に示す。
【0098】
実施例57:db/dbマウスにおける体重及びトリグリセリドレベルへの化合物20及び化合物36の効果
7週齢の雄のdb/db(自然発生モデル)糖尿病マウスに、体重1kgあたり 5 % PEG中 50 mg の投与量の化合物20及び化合物36を経口的に処理し、血糖をワンタッチ血糖計(glucometer)によりモニターした。当該化合物の両方は、コントロールの体重を示し、さらに、未処理コントロールと比べて血漿トリグリセリドレベルの低下を示した。結果を、図11A及び図11Bに示す。
【0099】
実施例58:ob/obマウスにおける化合物36による血糖の低下
7週齢の雄のob/ob(肥満型、II型糖尿病のインスリン抵抗性自然発生モデル)糖尿病マウスに、体重1kgあたり 5 % PEG中 50 mg の投与量の化合物36を経口的に処理し、血糖(図12A)をワンタッチ血糖計(glucometer)により3日目及び6日目にモニターした。化合物36は、II型糖尿病の当該動物モデルにおいて強力なグルコース低下(A)活性を示した。体重(図12B)はまた、コントロールと比較して化合物36の処理後においても上昇しなかった。
【0100】
実施例59:化合物2及び化合物16によるアルドースレダクターゼの阻害
モノマーNADPH依存性アルドケトレダクターゼのメンバーであるアルドースレダクターゼは、種々のアルデヒドの還元を触媒するポリオール経路の律速酵素である。これには、グルコースのアルデヒド形態のそれに対応する糖アルコールソルビトールへの還元が含まれる。ソルビトールの蓄積は、糖尿病動物の水晶体、神経、腎臓及び網膜において報告されている。大量のソルビトールは浸透圧の混乱を引き起こし、このことは、網膜症、神経障害、腎症及び粥状動脈硬化のようないくつかの糖尿病合併症の発病における病因的因子の一つであるかもしれない。
組織の均質化により部分的に精製したラット水晶体由来のアルドースレダクターゼを使用した。試験化合物及び/又はビークル、0.6 mg 酵素、0.2 mM NaDPH及びpH 6.2 のリン酸アッセイバッファーを、25 ℃ で3分間プレインキュベートした。吸光度を、340 nm で、初期のゼロ時間値に関して観察した。次に、当該反応を 10 mM DL−グリセルアルデヒドの添加により開始させ、インキュベーションを 25 ℃ において20分間続け、その時点で最終的な吸光度を記録した。酵素活性を、初期の吸光度と最終的な吸光度との間の差により決定した。結果を、図13A及び図13Bに示す。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】図1は、実施例47に記載されるとおりに化合物2を与えられたストレプトゾトシン誘発マウスの血糖レベルのプロットである。
【図2A】図2Aは、実施例48に記載されるとおりに化合物2を与えられたストレプトゾトシン誘発マウスのトリグリセリドレベルのプロット(2A)である。
【図2B】図2Bは、実施例48に記載されるとおりに化合物2を与えられたストレプトゾトシン誘発マウスのコレステロールレベルのプロット(2B)である。
【図3】図3は、実施例49に記載されるとおりに化合物2を与えられたマウスの血糖レベルのプロットである。
【図4A】図4Aは、実施例50に記載されるとおりに化合物2で処理したマウスにおけるトリグリセリドレベル、インスリンレベル及び膵島の総数を示す棒グラフである。
【図4B】図4Bは、実施例50に記載されるとおりに化合物2で処理したマウスにおけるトリグリセリドレベル、インスリンレベル及び膵島の総数を示す棒グラフである。
【図4C】図4Cは、実施例50に記載されるとおりに化合物2で処理したマウスにおけるトリグリセリドレベル、インスリンレベル及び膵島の総数を示す棒グラフである。
【図5A】図5Aは、実施例51に記載されるとおりに化合物2を与えられたラットにおけるトリグリセリドレベル及び血圧を示す棒グラフである。
【図5B】図5Bは、実施例51に記載されるとおりに化合物2を与えられたラットにおけるトリグリセリドレベル及び血圧を示す棒グラフである。
【図6】図6は、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、化合物2又は他のコントロールで実施例52に記載されるとおりに活性化されたNIH3T3細胞におけるPPARα、PPARγ(全長及びキメラ)及びPPARδの転写の一連のプロットである。
【図7】図7は、実施例53に記載されるとおりに 0.1 μM、1 μM 及び 10 μM の濃度で化合物2又は化合物16を処理した脂肪細胞のグルコース取り込みの棒グラフである。
【図8】図8は、実施例54に記載されるとおりに化合物16で処理したマウスにおける血糖レベルのプロットである。
【図9】図9は、実施例55に記載されるとおりに化合物2及び化合物16で処理した繊維芽細胞における脂肪生成アッセイによるトリグリセリド蓄積のプロットである。
【図10】図10は、実施例56に記載されるとおりに化合物20及び化合物36で処理したマウスにおける血糖レベルのプロットである。
【図11A】図11Aは、実施例57に記載されるとおりに化合物20及び化合物36で処理したマウスにおける体重変化及びトリグリセリドレベルのプロットである。
【図11B】図11Bは、実施例57に記載されるとおりに化合物20及び化合物36で処理したマウスにおける体重変化及びトリグリセリドレベルのプロットである。
【図12A】図12Aは、実施例58に記載されるとおりに化合物36で処理したマウスにおける血糖レベル及び体重のグラフである。
【図12B】図12Bは、実施例58に記載されるとおりに化合物36で処理したマウスにおける血糖レベル及び体重のグラフである。
【図13A】図13Aは、実施例59に記載されるとおりの化合物2(図13A)によるアルドースレダクターゼ阻害の棒グラフである。
【図13B】図13Bは、実施例59に記載されるとおりの化合物16(図13B)によるアルドースレダクターゼ阻害の棒グラフである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I)の新規のジフェニルエーテル誘導体、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの多形体(polymorphs)、それらの医薬的に許容される塩、それらの医薬的に許容される溶媒和物及びそれらを含む医薬的に許容される組成物に関する。
【化1】
【0002】
本発明はまた、上述の新規化合物、それらのアナログ、それらの誘導体、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの多形体(polymorphs)、それらの医薬的に許容される塩、それらの医薬的に許容される溶媒和物及びそれらを含む医薬的に許容される組成物の調製方法に関する。
【0003】
本発明の化合物は、血糖レベル、血清インスリンレベル、遊離脂肪酸レベル、コレステロールレベル及びトリグリセリドレベルを低下させるのに有効であり、さらにII型糖尿病の治療及び/又は予防に有用である。本発明の化合物は、肥満症、炎症並びに多発性硬化症及び関節リウマチのような自己免疫疾患の治療に有効である。驚いたことに、これらの化合物は、レプチンレベルを増加させ、肝臓毒性を全く有していない。
【0004】
さらに、本発明の化合物は、高脂血症、冠動脈疾患及び末梢血管疾患に加えて多嚢胞性卵巣症候群のようなインスリン抵抗性に関連する疾患の治療に有用であり、さらに、炎症及び免疫疾患、とりわけTNF−α、IL−1、LI−6及びIL−1βのようなサイトカイン並びにCOX−2のようなシクロオキシゲナーゼによって介在されるこれらの治療に有用である。この部類の化合物はまた、網膜症、神経障害及び腎症等といった糖尿病合併症の治療にも有用である。
【背景技術】
【0005】
I型糖尿病及びII型糖尿病の原因はまだはっきりとしないが、遺伝的特徴及び環境の両方が要因であると考えられている。I型は自己免疫疾患であり、患者は生存するためにインスリンを摂取しなければならない。II型糖尿病は、より発症率の高い型であり、身体が十分量のインスリンを作ることができないこと又は身体が生成されるインスリンを適切に利用できないことに起因する代謝性疾患である。インスリン分泌及びインスリン抵抗性が主要な欠陥であると考えられるが、当該機構に関わる正確な遺伝因子は依然として不明である。
【0006】
糖尿病患者は通常、以下の欠陥の一つ以上を有する。
・膵臓によるより少ないインスリン産生
・肝臓によるグルコースの過剰分泌
・骨格筋によるグルコース取り込みからの非依存
・グルコーストランスポーターにおける欠陥、インスリン受容体の脱感作及び
・多糖類の代謝性破壊における欠陥
【0007】
インスリンの非経口投与又はインスリンの皮下投与以外に、およそ4つの部類の経口血糖降下薬、すなわち、スルホニルウレア、ビグアナイド、αグルコシダーゼ阻害剤及びチアゾリジンジオンが使用される。
【0008】
糖尿病の治療で使用するために入手可能な現行の薬剤のそれぞれは、いくらかの不都合を有する。従って、糖尿病の治療に使用するための経口投与することができる新たな薬剤の同定及び開発における尽きることのない関心が存在する。
【0009】
上記にリストアップされるチアゾリジンジオン部類はII型糖尿病の治療のために近年より広範囲にわたって使用されてきており、患者がインスリンの効果に関してより低い感受性になる状態である“インスリン抵抗性”に対抗するインスリン抵抗性改善薬として特有の有用性を発揮する。無毒性で、より広く有効なインスリン抵抗性改善薬に関する尽きることのない必要性が存在する。
【0010】
急性炎症性疾患、慢性炎症性疾患及び癌に関連するメディエーターの科学的理解における最近の進歩は、有効な薬物療法に関する追求における新たな戦略をもたらした。従来型のアプローチは、特異的抗体、受容体アンタゴニスト又は酵素阻害剤の使用のような直接のターゲット介入を含む。様々なメディエーターの転写及び翻訳に関わる調節機構の解明における近年の飛躍的進歩は、遺伝子転写レベルへ向けられる治療的アプローチへの関心の高まりをもたらした。
【0011】
上述のとおり、本発明は、免疫疾患の治療又は炎症の治療、とりわけサイトカイン又はシクロオキシゲナーゼに介在されるような疾患の治療にも関係する。免疫システムの重要な要素は、マクロファージ又は抗原提示細胞、T細胞及びB細胞である。NK細胞、好塩基球、マスト細胞及び樹状細胞のような他の免疫細胞の役割が知られるが、初期の免疫学的疾患におけるそれらの役割は、完全には解明されていない。マクロファージは、炎症並びにT細胞刺激及びT細胞増殖に必須の支援を提供する過程の両方の重要なメディエーターである。最も重要なことは、マクロファージが、それら全てが強力な炎症促進性分子であるIL−1、IL−12及びTNF−αを作り、さらにまたT細胞のための支援を提供することである。さらに、マクロファージの活性化は結果として、シクロオキシゲナーゼII(COX−2)及び誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)のような酵素の誘導並びに正常細胞を損傷し得るフリーラジカルの生成をもたらす。細菌産物、スーパー抗原及びインターフェロンガンマ(IFNγ)を含む多くの因子は、マクロファージを活性化する。ホスホチロシンキナーゼ(PTKs)及び他の未決定の細胞性キナーゼもまた、当該活性化過程に関与するかもしれない。
【0012】
サイトカインは、免疫応答を媒介するのに重要な免疫細胞によって分泌される分子である。サイトカイン産生は、結果として他のサイトカインの分泌をもたらし、細胞機能、細胞分裂又は分化を変化させるかもしれない。炎症は、外傷又は感染への身体の正常応答である。しかしながら、関節リウマチのような炎症性疾患において、病態の炎症性過程は、結果として病的状態及び死亡をもたらし得る。サイトカイン腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)は炎症反応における中心的役割を果たし、炎症性疾患における介入治療の重点として標的にされてきた。TNF−αは、活性化されたマクロファージ及びその他の細胞によって放出されるポリペプチドホルモンである。低濃度において、TNF−αは、白血球を活性化して炎症の血管外部位への遊走を促進することによって保護的な炎症反応に関与する(Moser et al., J Clin Invest, 83:444-55,1989)。高濃度において、TNF−αは、強力な発熱物質として働くことができ、他の炎症促進性サイトカインの産生を誘導する(Haworth et al., Eur J Immunol, 21:2575-79, 1991; Brennan et al., Lancet, 2:244-7, 1989)。TNF−αはまた、急性期タンパクの合成をも刺激する。米国成人人口のおよそ 1% を襲う慢性的かつ進行性の炎症性疾患である関節リウマチにおいて、TNF−αは、関節損傷及び関節破壊をもたらすサイトカインカスケードに介在する(Arend et al., Arthritis Rheum, 38:151-60,1995)。可溶性TNF受容体(エタネルセプト)(Goldenberg, Clin Ther, 21:75-87, 1999)及び抗−TNF−α抗体(インフリキシマブ)(Luong et al., Ann Pharmacother, 34:743-60, 2000)を含むTNF−αの阻害剤が、関節リウマチの治療用薬剤として米国食品医薬品局(FDA)によって最近承認された。
【0013】
高められたレベルのTNF−αはまた、悪液質、敗血性ショック症候群、変形性関節症並びにクローン病及び潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患を含む多くの他の疾患及び疾患状態にも関係する。
【0014】
従って、TNF−αの阻害剤が多種多様の疾患の治療に潜在的に有用であることを理解することができる。
【0015】
TNF−α、IL−1、IL−6、COX−2又は例えば関節炎のような免疫応答、炎症若しくは炎症性疾患を引き起こすと考えられる他の因子を阻害するための化合物を提供するための従前の取り組みがなされてきた一方で、そのような疾患を有効に治療するか又は有効に阻害するための新規かつ改良された化合物への必要性が未だ存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従って、本発明の目的は、新規のジフェニルエーテル誘導体、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの多形体(polymorphs)、それらの医薬的に許容される塩、それらの医薬的に許容される溶媒和物及びそれらを含む医薬的に許容される組成物又はそれらの混合物を提供することである。
【0017】
本発明の他の目的は、高脂血症、冠動脈疾患及び末梢血管疾患はもとより多嚢胞性卵巣症候群のようなインスリン抵抗性と関連する疾患の治療のために並びに炎症及び免疫疾患、とりわけ、TNF−α、IL−1、IL−6、IL−1βのようなサイトカイン及びCOX−2のようなシクロオキシゲナーゼによって介在される炎症及び免疫疾患の治療のために有用な新規のジフェニルエーテル誘導体、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの多形体(polymorphs)、それらの医薬的に許容される塩、それらの医薬的に許容される溶媒和物及びそれらを含む医薬的に許容される組成物又はそれらの混合物を提供することである。
【0018】
本発明の他の目的は、高められた活性を有し、毒性作用を持たない又は減弱された毒性作用を有する新規のジフェニルエーテル誘導体、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの多形体(polymorphs)、それらの医薬的に許容される塩、それらの医薬的に許容される溶媒和物及びそれらを含む医薬的に許容される組成物又はそれらの混合物を提供することである。
【0019】
本発明のさらにもう一つの目的は、式(I)の新規のジフェニルエーテル誘導体、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの多形体(polymorphs)、それらの医薬的に許容される塩及びそれらの医薬的に許容される溶媒和物の調製方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
(発明の要約)
本発明は、式(I)の新規のジフェニルエーテル誘導体、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの多形体(polymorphs)、それらの医薬的に許容される塩及びそれらの医薬的に許容される溶媒和物に関する。
【化2】
【0021】
(式中、----は、結合を表しもよく;
Wは、O又はSを表し;
Zは、CR10、O又はSを表し;
Gは、O又はSを表すか又はR10と共にO、S若しくはNより選択される1つ若しくは2つのヘテロ原子を含む5員若しくは6員の芳香族環系若しくは芳香族複素環系を形成し;
R2、R3、R4及びR5は、水素又はフッ素、塩素、臭素若しくはヨウ素のようなハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ又はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル等のような直鎖の若しくは分鎖の置換型の若しくは非置換型の(C1-C6)アルキル基又はメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等のような置換型の若しくは非置換型の(C1-C6)アルコキシ基より選択され;
R6及びR7は同じであるか又は異なっていてもよいが、H、COR12又はアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール若しくはヘテロシクリルより選択される置換型の基若しくは非置換型の基をそれぞれ独立して表し(式中、R12は、H又はアルキル、アルケニル、アリール、アルケニルオキシ、アリールオキシ、アルコキシ、アラルキル若しくはアラルコキシより選択される置換型の基若しくは非置換型の基を表す。);
R8は、-OR13又はNR14R15を表し(式中、R13は、水素又はアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル若しくはヘテロアリールより選択される置換型の基若しくは非置換型の基又は対イオンを表し;さらにR14及びR15は、同じであるか又は異なっていてもよいが、H又は置換型の若しくは非置換型のアルキル、置換型の若しくは非置換型のアルケニル又は置換型の若しくは非置換型のアリールをそれぞれ独立して表す。);
R1は、水素又は置換型の若しくは非置換型のアルキル又は置換型の若しくは非置換型のアルケニル又は置換型の若しくは非置換型の-CH2COOR又は置換型の若しくは非置換型のアリール又は対イオンを表し(式中、Rは、H又は(C1−C6)アルキルを表す。);
R10は、Gと共にフェニル、ナフチル、フリル、ピロリル、ピリジル等のような5員若しくは6員の芳香族環系又は芳香族複素環系を形成してもよい。)
【0022】
ある部類の化合物において、W及びGは、Oを表し;Zは、Sを表し;R13は、H並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルキル並びに対イオンより選択され;さらに、R14及びR15は、置換型の(C1−C6)アルキル及び非置換型の(C1−C6)アルキルよりそれぞれ独立して選択される。この部類のサブクラスには、R2及びR3が、H、ハロ、ニトロ並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルキル並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルコキシよりそれぞれ独立して選択されるそれらの化合物が含まれる。
【0023】
別の部類の化合物において、Wは、Oを表し;G及びZは、Sを表し;さらに、R13は、置換型の(C1−C6)アルキル及び非置換型の(C1−C6)アルキルより選択される。
【0024】
この部類のサブクラスには、R2及びR3が、H、ハロ、並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルキル並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルコキシよりそれぞれ独立して選択されるそれらの化合物が含まれる。
【0025】
さらにもう一つの部類の化合物には、----が存在し、Wが、Oを表し;G及びZが、Sを表し;さらに、R13が、置換型の(C1−C6)アルキル及び非置換型の(C1−C6)アルキルより選択され;さらに、R1が、-CH2COORを表すそれらの化合物が含まれる。この部類のサブクラスには、R2及びR3が、H、ハロ並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルキル並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルコキシよりそれぞれ独立して選択されるそれらの化合物が含まれる。
【0026】
他の部類の化合物には、----が存在せず、さらに、Wが、Oを表し;G及びZが、Sを表し;さらに、R13が、置換型の(C1−C6)アルキル及び非置換型の(C1−C6)アルキルより選択され;さらに、R1が、-CH2COORを表すそれらの化合物が含まれる。この部類のサブクラスには、R2及びR3が、H並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルキルよりそれぞれ独立して選択されるそれらの化合物が含まれる。
【0027】
本発明はさらに、有効量の式(I)の化合物、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの医薬的に許容される塩及び/又はそれらの医薬的に許容される溶媒和物をそれを必要とする患者へ投与することを含む、血漿中のグルコースレベル、脂肪酸レベル、コレステロールレベル及びトリグリセリドレベルを低下させる方法に向けられる。
【0028】
本発明はまた、有効量の式(I)の化合物、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの医薬的に許容される塩及び/又はそれらの医薬的に許容される溶媒和物をそれを必要とする患者へ投与することを含む、肥満症、自己免疫疾患、炎症、免疫疾患、糖尿病及びインスリン抵抗性と関連する疾患を治療する方法にも向けられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(発明の詳細な記載)
本発明のある実施態様において、R2、R3、R4及びR5により表される基は、水素又はフッ素、塩素、臭素若しくはヨウ素のようなハロゲン又はヒドロキシ、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ又はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ノニル等のような直鎖の若しくは分鎖の置換型の若しくは非置換型の(C1-C20)アルキル基又はメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等のような置換型の若しくは非置換型の(C1-C20)アルコキシ基より選択される。アルキル及びアルコキシは、直鎖炭化水素構造、分鎖炭化水素構造、環状炭化水素構造及びそれらの組み合わせであってもよい。低アルキル基及び低アルコキシ基、すなわち、1個−6個の原子を有するものが好ましい。
【0030】
R6及びR7により表される適切な基は、同じであるか又は異なっていてもよいが、H、COR12又は(C1−C20)アルキル、(C2−C20)アルケニル、(C5−C14)アリール、(C1−C13)ヘテロアリールから選択される置換型の基若しくは非置換型の基又は(C1−C11)ヘテロシクリルをそれぞれ独立して表す。アリール基又はヘテロアリール基は、O、N及びSより選択される0個のヘテロ原子を含む(アリール)若しくは1個−4個のヘテロ原子を含む(ヘテロアリール)4員環系、5員環系又は6員環系;又は0個のヘテロ原子を含む(アリール)若しくは1個以上のヘテロ原子を含む(ヘテロアリール)9員の二環式環系又は10員の二環式環系;又は0個のヘテロ原子を含む(アリール)若しくは1個以上のヘテロ原子を含む(ヘテロアリール)12員から14員までの三環式環系であってもよい。R12基は、H又は置換型の若しくは非置換型の(C1−C20)アルキル、置換型の若しくは非置換型の(C2−C20)アルケニル、置換型の若しくは非置換型の(C5−C14)アリール、置換型の若しくは非置換型の(C2−C20)アルケニルオキシ、置換型の若しくは非置換型の(C5−C14)アリールオキシ、置換型の若しくは非置換型の(C1−C20)アルコキシ又は置換型の若しくは非置換型の(C6−C34)アラルコキシを表す。
【0031】
R1により表される適切な基は、水素又は置換型の若しくは非置換型の(C1−C20)アルキル、置換型の若しくは非置換型の(C2−C20)アルケニル、置換型の若しくは非置換型のCH2COOR、置換型の若しくは非置換型の(C5−C14)アリール又は対イオンより選択される。
【0032】
R13により表される適切な基は、水素又は置換型の若しくは非置換型の(C1−C20)アルキル、好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチルのような低アルキル又は置換型の若しくは非置換型の(C2−C20)アルケニル又はフェニルのような置換型の若しくは非置換型の(C5−C14)アリール又はベンジルのような置換型の若しくは非置換型の(C6−C34)アラルキル基又は置換型の若しくは非置換型の(C1−C13)ヘテロアリール又はLi、Na及びKのようなアルカリ金属若しくはCa及びMgのようなアルカリ土類金属より選択される対イオン又はアンモニウム塩若しくは置換型のアンモニウム塩、ジエタノールアミン、α−フェニルエチルアミン、ベンジルアミン、ピペリジン、モルホリン、ピリジン、ヒドロキシエチルピロリジン、ヒドロキシエチルピペリジン、クロリン等、アルミナム(aluminum)、トロメタミン等のような種々の塩基の塩より選択される。
【0033】
R14及びR15により表される適切な基は、水素及び置換型の若しくは非置換型の(C1−C20)アルキル基、好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル等のような低アルキル及び置換型の若しくは非置換型の(C2−C20)アルケニル及びフェニルのような(C5−C14)アリールより選択される。
【0034】
式(I)の化合物のある部類には、----が、存在するか又は存在せず、さらにW及びGが、Oを表し;Zが、Sを表し;R13が、H並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルキル並びに対イオンより選択され;さらに、R14及びR15が、置換型の(C1−C6)アルキル及び非置換型の(C1−C6)アルキルよりそれぞれ独立して選択される化合物が含まれる。この部類のサブクラスには、R2及びR3が、H、ハロ、ニトロ並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルキル並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルコキシよりそれぞれ独立して選択されるそれらの化合物が含まれる。
【0035】
式(I)の化合物の他の部類には、----が、存在するか又は存在せず、さらに、Wが、Oを表し;G及びZが、Sを表し;さらに、R13が、置換型の(C1−C6)アルキル及び非置換型の(C1−C6)アルキルより選択される化合物が含まれる。この部類のサブクラスには、R2及びR3が、H、ハロ並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルキル並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルコキシよりそれぞれ独立して選択されるそれらの化合物が含まれる。
【0036】
式(I)の化合物のさらにもう一つの部類には、----が、存在し、さらに、Wが、Oを表し;G及びZが、Sを表し;さらに、R13が、置換型の(C1−C6)アルキル及び非置換型の(C1−C6)アルキルより選択され;さらに、R1が、-CH2COORを表す化合物が含まれる。この部類のサブクラスには、R2及びR3が、H、ハロ並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルキル並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルコキシよりそれぞれ独立して選択されるそれらの化合物が含まれる。
【0037】
式(I)の化合物の他の部類には、----が、存在せず、さらに、Wが、Oを表し;G及びZが、Sを表し;さらに、R13が、置換型の(C1−C6)アルキル及び非置換型の(C1−C6)アルキルより選択され;さらに、R1が、-CH2COORを表す化合物が含まれる。この部類のサブクラスには、R2及びR3が、H並びに置換型の及び非置換型の(C1−C6)アルキルよりそれぞれ独立してそれらの選択される化合物が含まれる。
【0038】
“アナログ”という用語には、一つ以上のC原子、N原子、O原子又はS原子によって親構造と異なる化合物が含まれる。従って、親構造中のN原子の一つが一つのS原子によって置換される化合物の場合、後者の化合物は前者のアナログである。
【0039】
“立体異性体”という用語には、原子の空間への配置のされ方において相互に異なるがそれらの化学式及び化学構造は同一である異性体が含まれる。立体異性体には、エナンチオマー及びジアステレオ異性体が含まれる。
【0040】
“互換異性体”という用語には、容易に相互変換のできる異性体形態の平衡状態にある化合物が含まれる。エノール・ケト互変異性が、一つの例である。
【0041】
“多形体(polymorphs)”という用語には、化学的に同一の構造を有する結晶学的に識別可能な形態の化合物が含まれる。
【0042】
“医薬的に許容される溶媒和物”という用語には、溶質化合物の分子又はイオンと溶媒分子との組み合わせが含まれる。
【0043】
“置換型”という用語は、一つ以上の水素原子が、アルキル、アルコキシ、アルキレンジオキシ、アミノ、アミジノ、アリール、アラルキル(例えば、ベンジル)、アリールオキシ(例えば、フェノキシ)、アラルコキシ(例えば、ベンジルオキシ)、カルボアルコキシ(例えば、アシルオキシ)、カルボキシアルキル(例えば、エステル)、カルボキサミド、アミノカルボニル、シアノ、カルボニル、ハロ、ヒドロキシル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、ニトロ、スルファニル、スルフィニル、スルホニル及びチオであってもよいがこれらに限定されない置換基により置換されていることを意味する。さらに、当該置換基は、置換されていてもよい。
【0044】
本発明の一部を形成する“医薬的に許容される塩”には、Li塩、Na塩及びK塩のようなアルカリ金属塩又はCa塩及びMg塩のようなアルカリ土類金属塩又はリシン、アルギニン、グアニジン、ジエタノールアミン、コリン等のような有機塩基の塩又はアンモニウム塩又は置換型のアンモニウム塩のような塩基添加性塩(base addition salts)が含まれる。塩は、スルファート、ニトラート、ホスファート、ペルクロラート、ボラート、ヒドロハリド、アセタート、タルトラート、マレアート、シトラート、スクシナート、パルモアート、メタンスルホナート、ベンゾアート、サリチラート、ヒドロキシナフトアート、ベンゼンスルホナート、アスコルバート、グリセロホスファート、ケトグルタラート等の酸添加性塩(acid addition salts)を含んでいてもよい。医薬的に許容される溶媒和物は、水和物であってもよいし又はアルコールのような他の結晶化溶媒を含んでいてもよい。
【0045】
本発明に従ったとりわけ有用な化合物は:
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-3-フルオロ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-クロロ-4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[3-クロロ-4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-2-メトキシ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-2-ニトロ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-3-トリフルオロメチル-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオナート二カリウム塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオナート二ナトリウム塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[3-クロロ-4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-クロロ-4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-2-メトキシ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-2-フルオロ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸塩酸塩 (化合物16)
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオナート二ナトリウム塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオナート二カリウム塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-N,N-ジメチル-プロピオンアミド塩酸塩
(R,S)-2-アミノ-3-{4-[4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩 (化合物20)
(S)-2-アミノ-3-{4-[3-フルオロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-フルオロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[3-クロロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-クロロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-メトキシ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-2-トリフルオロメチル-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-3-トリフルオロメチル-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-メトキシ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(R,S)-2-アミノ-3-{4-[4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-クロロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[3-クロロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[3-フルオロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-フルオロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-3-トリフルオロメチル-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(R,S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩 (化合物36)
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-3-クロロ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-2-クロロ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-2-フルオロ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-2-トリフルオロメチル-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-3-フルオロ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-3-トリフルオロメチル-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-2-メトキシ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(R,S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-3-トリフルオロメチル-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
であってもよい。
【0046】
上記のリストの化合物に関して好ましい塩は、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ナトリウム、カリウム又はマグネシウムである。
【0047】
本発明の範囲内の化合物の構造及び3T3L−1細胞におけるそれらのグルコース取り込みが、下記の表I−IVに提供される。
【化3】
【表1】
【化4】
【表2】
【化5】
【表3】
【化6】
【表4】
【0048】
本発明の他の特徴に従って、式(I)の化合物の調製方法が提供される。式中、----は、結合を表し、さらに全ての他の記号は、これに先だって定義されるとおりであり、スキーム−Iに示されるとおりである。
【化7】
【0049】
(式中、A=CHO又はCH2-Mであり;Pは、N-保護基であり、----は、結合を表してもよいし又は結合を表さなくてもよく;Mは、クロロ、ブロモ、イオド、OSO2CH3、O-SO2Ph、O-SO2C6H4-CH3及び同様の脱離基より選択される適切な脱離基を表す。)
【0050】
式(IIIa)の化合物と式(IIIb)の化合物との反応により、使用されてもよいTHF、DMF、DMSO、DME等のような溶媒又は溶媒の混合物の存在で式(IIIc)の化合物を生成する。当該反応は、不活性雰囲気中で行われてもよい。当該反応は、K2CO3、Na2CO3、NaH又はそれらの混合物のような塩基の存在下で達成されてもよい。当該反応温度は、20 ℃ − 150 ℃ で変動してもよく、好ましくは、30 ℃ − 100 ℃ の範囲であってもよい。当該反応の持続時間は、1時間−24時間で変動してもよく、好ましくは、2時間−6時間であってもよい。一般式(IIIc)の化合物と式(IIId)の化合物との反応は、以下の方法に従って行われてもよい:
a.アルデヒド基と(IIId)のアクティブなメチレン基の反応で脱水に作用することによってC-C結合を作ることによる;
b.AがCH2M基であって、塩基の存在下で(IIId)の環窒素へ取り付けられる際にC-N結合を作ることによる。
【0051】
両方のアプローチは、塩基存在下及びトルエン、メトキシエタノール又はそれらの混合物の存在下で行うことが可能であり、式(IIIe)の化合物をもたらす。当該反応温度は、当該反応をきちんと酢酸ナトリウム存在下で行う際には、60 ℃ − 180 ℃ で変動してもよい。ピペリジニウムアセタート若しくはベンゾアート、酢酸ナトリウムのような適切な触媒又は触媒の混合物もまた採用されてもよい。酢酸ナトリウムは溶媒の存在下で使用することができるが、酢酸ナトリウムがきちんと使用されるのが好ましい。当該反応中で生成される水は、ディーンスターク水分離器を使用することにより又は分子ふるいのような吸水剤を使用することにより除去されてもよい。
【0052】
式(I)の化合物を生じさせるための式(IIIe)の脱保護が、HCl、硫酸、酢酸のような酸を使用して、DCM、酢酸エチル、水等のような溶媒又はそれらの混合物の存在下で、-10 ℃ − 50 ℃ の範囲の温度において行われてもよい。
【0053】
本発明の他の実施態様において、式中----が結合を表す式(I)の最後から2番目のステップを還元することによる式(I)の化合物の調製方法が提供される。----が結合を表さず、かつ全ての他の記号がこれに先だって定義されるとおりである際には、当該還元ステップは必要とされない。当該還元は、気体の水素及びPd/C、Rh/C、Pt/C、ラネーニッケル等のような触媒の存在下で行われてもよい。触媒の混合物が使用されてもよい。当該反応は、メタノール、ジクロロメタン、ジオキサン、酢酸、酢酸エチル等のような溶媒の存在下で実施されてもよい。溶媒の混合物が使用されてもよい。大気圧から 100 psi までの間の圧力が採用されてもよい。当該触媒は 5 − 10 % Pd/Cであってもよく、使用される触媒の量は、50 % w/w − 300 % w/w で変動してもよい。
【0054】
本発明において使用される保護基Pは、t-ブトキシカルボニル(t-Boc)、トリチル、トリフルオロアセチル、ベンジルオキシ、ベンジルオキシカルボニ(Cbz)等のような従来の保護基である。
【0055】
医薬的に許容される塩は、式(I)の化合物を、エーテル、THF、メタノールt−ブタノール、ジオキサン、イソプロパノール、エタノール等のような溶媒中で、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、水素化ナトリウム、カリウムt-ブトキシド、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のような塩基の1当量−4当量と反応させることによって調製される。溶媒の混合物が使用されてもよい。リシン、アルギニン、ジエタノールアミン、コリン、グアニジン及びそれらの誘導体等のような有機塩基もまた使用されてもよい。あるいは、酸添加性塩(acid addition salts)は、酢酸エチル、エーテル、アルコール、アセトン、THF、ジオキサン等のような溶媒中で、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、酢酸、クエン酸、マレイン酸、サリチル酸、ヒドロキシナフトエ酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、コハク酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、酒石酸等のような酸で処理することによって調製される。溶媒の混合物もまた使用されてもよい。
【0056】
本発明はまた、上記で定義されるとおりの一つ以上の一般式(I)の化合物、それらの互変異性体、それらの誘導体、それらのアナログ、それらの立体異性体、それらの多形体(polymorphs)、それらの医薬的に許容される塩又はそれらの医薬的に許容される溶媒和物を通常の医薬的に採用されるキャリア、希釈剤等と組み合わせて含む医薬組成物をも提供する。
【0057】
当該医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、粉末剤、シロップ剤、液剤、懸濁剤等のような通常採用される形態であってもよく、適切な固体若しくは液体キャリア又は希釈剤中、又は注射可能溶液若しくは懸濁液を形成するための適切な無菌媒体中に香料(flavorants)、甘味料等を含んでいてもよい。そのような組成物は概して、重量で 1 % − 25 % の活性化合物、好ましくは、重量で 1 % − 15 % の活性化合物を含み、当該組成物の残りは、医薬的に許容されるキャリア、希釈剤、賦形剤又は溶媒である。
【0058】
適切な医薬的に許容されるキャリアは、固体注入剤又は希釈剤及び無菌水溶液又は無菌有機溶媒であってもよい。当該活性化合物は、好ましい投与量を提供するのに十分な量の医薬組成物が上記で記載されるとおりの範囲にあるように存在する。従って、経口投与に関しては、当該化合物を適切な固体若しくは液体キャリア又は希釈剤と組み合わせてカプセル剤、錠剤、粉末剤、シロップ剤、液剤、懸濁剤等を形成させることができる。当該医薬組成物は、香料(flavorants)、甘味料、賦形剤等のような付加的な成分を含んでいてもよい。非経口的な投与に関しては、当該化合物を無菌の水性媒体又は有機媒体と組み合わせて注射可能な溶液又は懸濁液を形成させることができる。例えば、当該化合物の水溶性の医薬的に許容される酸添加性塩(acid addition salts)又はアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩の水溶液だけでなく、ゴマ油溶液、ピーナッツ油溶液、含水プロピレングリコール等を使用することもできる。このようにして調製される注射可能な溶液を次に、静脈内に、腹腔内に、皮下に又は筋肉内に投与することができ、ヒトにおいては筋肉内投与が好ましい。
【0059】
本発明の医薬組成物は、糖尿病の動物モデルにおける試験によって示されるとおり、血糖レベル、血清インスリンレベル及び血清トリグリセリドレベルを低下させるのに有効である。本発明の医薬組成物は従って、I型糖尿病又はII型糖尿病の治療に関して有効である。本発明の医薬組成物はまた、肥満症、炎症、自己免疫疾患の治療においても有効である。本発明の医薬組成物はまた、血漿中の遊離脂肪酸レベル及びコレステロールレベルを低下させるのにも有効である。さらに、本発明の医薬組成物は、高脂血症、冠動脈疾患及び末梢血管疾患と同様に多嚢胞性卵巣症候群のようなインスリン抵抗性に関連する疾患の治療並びに炎症及び免疫疾患の治療、とりわけTNF−α、IL−1、IL−6のようなサイトカイン及びCOX−2のようなシクロオキシゲナーゼによって媒介されるそれらの治療に有用である。概して、患者における特定の状態を治療するための有効投与量は、状態又は疾患の症状又は兆候を軽減するための治療期間中に医師により容易に決定され調節されてもよい。概して、1 kg の体重にあたり およそ 0.01 mg − およそ 1000 mg の範囲の活性化合物の一日投与量が、有効な結果を得るための投与量に関して適切である。当該一日投与量は、単回投与で投与されてもよいし又は複数回投与に分けられてもよい。場合によっては、個々の反応に依存して、最初に定められた一日投与量から上方又は下方へそらせることが必要であってもよい。標準的な医薬品は通常、投与量あたり、およそ 0.2 mg − およそ 500 mg の式(I)の活性化合物及び/又はその医薬的な活性塩若しくは溶媒和物を含む。
【0060】
“治療的有効量”又は“有効量”という用語は、当該治療を必要とする哺乳動物へ単独で又は他の治療と組み合わせて投与される際に、下記で定義されるとおり、治療を達成するのに十分な式(I)の化合物又は式(I)の化合物の混合物の量を意味する。さらに具体的に言うと、グルコース、脂肪酸、コレステロール若しくはトリグリセリドの血漿レベルを低下させるのに十分な又は肥満症、自己免疫疾患、炎症、免疫疾患、糖尿病及びインスリン抵抗性に関連する疾患を治療するために十分な量のことである。本明細書で用いられるとおりの“動物”という用語は、全ての哺乳動物を含むことを意味し、とりわけヒトを含むことを意味する。当該動物はまた、本明細書において、治療を必要とする被験者又は患者としても言及される。治療的有効量は、治療される被験者及び疾患状態、当該被験者の体重及び年齢、疾患状態の重症度、選択される式(I)の特定の化合物、従われる投与計画、投与のタイミング、投与の方法等に応じて異なり、それらの全ては、当業者により容易に決定することができる。
【0061】
“治療”又は“治療する”という用語は、哺乳動物における疾患のいずれの治療をも意味し、以下を含む:
a)当該疾患を阻止すること、つまり、当該疾患の臨床症状を進展しないようにすること;
b)当該疾患を抑制すること、つまり、臨床症状の進展を遅くすること若しくは停止させること;及び/又は
c)当該疾患を取り除くこと、つまり、臨床症状の復帰を引き起こすこと。
【0062】
本発明は、例証のみを手段として提供される下記に与えられる実施例において詳細に説明され、従って、本発明の範囲を限定するように解釈されるべきではない。
【実施例】
【0063】
実施例1:5-[4-(4-(2-アミノ-2-メトキシカルボニルエチル)フェノキシ)ベンジリデン]-チアゾリジン-2,4-ジオン塩酸塩の合成
【化8】
【0064】
ステップI:(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(4-(4-ホルミルフェノキシ)フェニル)-プロパン酸の調製
【化9】
【0065】
N-tert-ブトキシカルボニル-L-チロシン(2.42 kg、8.3 mol)を乾燥DMF(7.26 L)中にアルゴン下で溶解し、溶解が完結するまで静置した。K2CO3(3.57 kg、25.81 mol)、4-フルオロベンズアルデヒド(4-fluorobenzaldeyde)(5.34 kg、43.01 mol)を加え、アルゴン下において、70℃ ± 5℃ で48時間撹拌した。反応混合物を 30 ℃ 未満まで冷却した。当該反応混合物を水中(75 L)に注ぎ入れ、15分間撹拌した。酢酸エチル(40 L)を加え、30分間撹拌した。有機層を分離し、水層をHCl(6 M)で pH 2 まで酸性化した。沈殿された固体物を酢酸エチル(40 L)中に溶解し、水層を分離した。有機層をかん水(40 L)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で溶媒を蒸発させた。HPLC純度(93.4 %)及びHPLCによるキラル純度(100 %)を観察した。無水MgSO4で乾燥し、減圧下で蒸発させた。黄白色固体(3.06 kg、99.3 %)。1H NMR(300 MHz, DMSO-d6): 9.89 (s, 1H), 7.82 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.23 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.00 (重複 d, J = 9.0 Hz, 4H), 4.63 (m, 1H), 3.2 (m, 1H), 3.06 (m, 1H), 1.40 (s, 9H)。
【0066】
ステップII:(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(4-(4-ホルミルフェノキシ)フェニル)-プロパン酸メチルエステルの調製
【化10】
【0067】
(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(4-(4-ホルミルフェノキシ)フェニル)-プロパン酸(2.97 kg、7.7 mol)を乾燥DMF(14.84 L)中に溶解した。NaHCO3(1.29 kg、15.4 mol)及びヨードメタン(6.56 kg、46.19 mol)を不活性雰囲気下で加え、室温で14時間攪拌した。当該反応の完結をTLC(SiO2ゲル、CHCl3-MeOH、9:1)によりチェックした。当該反応混合物を水中に注ぎ入れ、15分間攪拌した。酢酸エチル(40 L)を加えた。有機層をかん水で洗浄し、減圧下で蒸発させた。収量 3.06 kg、99.3 %、HPLC純度 94.6 % 及び キラル純度 100 % ee。1H NMR (300MHz, CDCl3): 9.92 (s, 1H), 7.83 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.16 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.02 (重複 d, 4H), 5.03 (brs, 1H), 4.59 (m, 1H), 3.74 (s, 3H), 3.13 (dd, J=5.7 及び 13.8 Hz, 1H), 3.00 (dd, J = 6.3 及び 13.8 Hz, 1H), 1.43 (3, 9H)。
【0068】
ステップIII:(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステルの調製
【化11】
【0069】
(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(4-(4-ホルミルフェノキシ)フェニル)-プロパン酸メチルエステル(3.05 kg、7.64 mol)をトルエン(18 L)中に溶解した。安息香酸(144.9 g)、ピペリジン(87.6 g)及び2,4-チアゾリジンジオン(1.11 kg、20.5)を順次加えた。水を共沸して6時間除去した。当該反応の完結をTLC(SiO2ゲル、CHCl3-MeOH、19:1)によりチェックした。溶媒の半分を蒸留して室温まで冷却し、5 % 重炭酸ナトリウム溶液、水、かん水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。収量 3.80 kg、99.9 %、キラル純度 100 % ee。1H NMR (300 MHz, CD3OD) : 7.75 (s, 1H), 7.52 (d, J = 9.0 Hz, 2H) 7.26 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.26 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.03 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 6.95 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 4.38 (m, 1H), 3.71 (S, 3H), 3.12 (dd, J = 5.4 及び 13.5 Hz, 1H), 2.85 (dd, J = 9.3 及び 13.5 Hz, 1H), 1.30 (s, 9H)。
【0070】
ステップIV:5-[4-(4-(2-アミノ-2-メトキシカルボニルエチル)フェノキシ)ベンジリデン]チアゾリジン-2,4-ジオン塩酸塩の調製
【化12】
【0071】
ジクロロメタン(100 mL)中の2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-{4-[4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-インドール-3-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル(1.2 g、2.4 mmol)に乾燥HClガスを0℃−5℃で2時間、ゆっくりと通した。当該反応の完結後、過剰の塩化水素ガスをバブリング窒素ガス(bubbling nitrogen gas)により除去した。このようにして析出した固体物を濾過し、ジクロロメタン(25 mL)で洗浄し、乾燥して表題生成物(0.84 g、80.56 %)、1H NMR (D2O, 400 MHz) dppm: 7.76(s, 1H), 7.62(d, 2H), 7.30(d, 2H), 7.1(m, 4H), 4.3(t, 1H), 3.73(s, 3H), 3.14(m, 2H), m/zM+1 399.2 を供給した。
【0072】
実施例2:(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩(化合物 2)の合成
【化13】
【0073】
ステップI:(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩の調製
【化14】
【0074】
(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル(2.5 kg、5.02 mol)を、メタノール(25 L)中に溶解した。窒素雰囲気下で木炭上のパラジウム(10 %、940 g、湿気 50 %)を加えた。温度を 75℃ ± 5℃ まで上昇させ、150 psi − 200 psi で水素をチャージし、18時間維持した。当該反応の完結を、HPLCによりモニターした。室温まで冷却し、Celite(登録商標)のベッドを通して触媒を濾過した。当該ベッドをメタノールで洗浄した。溶媒を蒸発させ、当該化合物を乾燥した。収量 100 %、2.51 kg。1H NMR (300 MHz, CDCl3) ; 7.18 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.10 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.93 (重複 d, 4H), 5.03 (br, 1H), 4.58 (m, 1H), 4.51 (dd, J = 3.9 及び 9.3H, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.50 (dd, J = 3.9 及び 14.1 Hz, 1H), 3.13 (dd, J = 9.6 及び 14.1Hz, 1H), 2.97-3.04 (m, 2H), 1.42 (s, 9H)。
【0075】
ステップII:(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩の調製
【化15】
【0076】
ステップ4生成物(2.5 kg)をMTBE(9.66 L)とメタノール(9.85 L)の混合物中に懸濁させて、これに2 M HClのエーテル溶液(13.6 L)を加え、反応が完結するまで当該反応混合物を撹拌した。当該未精製混合物を精製して98.35純粋な生成物の 1.3 kg(60.0 %)を生じさせた。 1H NMR (300 MHz, DMSOd6): 7.28 (d, J = 8.7 Hz, 4H), 6.96 (重複 d, 4.H), 4.91 (dd, J = 4.2 及び 9.0 Hz, IH), 4.26 (t, J = 6.9 Hz, 1H), 3.70 (s, 3H), 3.37 (dd, J = 4.5 及び 14.4 Hz, 1H), 3.09-3.16 (m, 2H)。
【0077】
実施例3−実施例11
さらなる化合物を、概して実施例1の手順に従い調製した。
当該化合物の分析を表1に示す。
【表5】
【表6】
【表7】
【0078】
実施例12−実施例18
さらなる化合物を、概して実施例2の手順に従い調製した。
当該化合物の分析を表2に示す。
【表8】
【表9】
【表10】
【0079】
実施例19:2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-N,N-ジメチルプロピオンアミド塩酸塩(19)の合成
【化16】
【0080】
ステップI:(1-ジメチルカルバモイル-2-{4-[4-(2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステルの調製
【化17】
【0081】
当該化合物、2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸(4.2 g、8.63 mmol)を、CH2Cl2(30 mL)中に溶解し、アルゴン雰囲気下において室温で撹拌した。トリエチルアミン(1.44 mL、0.014 mmol)及びベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(BOP試薬、4.19 g、9.5 mmol)を加え、当該反応混合物を15分間撹拌した。ジメチルアミン(2.0 M THF溶液、5.6 mL、11.2 mmol)を加え、結果として生じた溶液を室温でおよそ1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、結果として生じたオイルをEtOAc(100 mL)中に取り上げ入れた。有機層を 0.5 N NaOH(1 × 50 mL)、水(1 × 100 mL)及びかん水(1 × 100 mL)で抽出した。当該未精製生成物をCHCl3-MeOH(19:1)のシリカゲルクロマトグラフィで精製して、純粋なアミド、(1-ジメチルカルバモイル-2-{4-[4-(2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(0.61 g、13.8 %)を生じさせた。1H NMR (400 MHz, CDCl3): 7.17 (重複 d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.16 (重複 d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.92 (重複 d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.90 (重複d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.51 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.81 (m, 1H), 3.02-3.13 (m, 2H), 2.83-2.95 (m, 5H), 2.76 (s, 3H), 1.46 (s, 9H)。
【0082】
ステップII:2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-N,N-ジメチルプロピオンアミド塩酸塩の調製
【化18】
【0083】
(1-ジメチルカルバモイル-2-{4-[4-(2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(0.25 g)を、CH2Cl2中に溶解し、0℃−5℃まで冷却した。塩化水素を当該溶液に30分間通して泡立たせた。過剰のHClを脱気し、CH2Cl2を除去した。残余の固体物をEtOAc(2 × 25 mL)ですり潰し、デカントし、乾燥して、好ましい化合物2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-N,N-ジメチルプロピオンアミド塩酸塩を白色の非晶質固体(0.16 g、73.1 %)として生じさせた。1H NMR (DMSO-d6): 12.05 (br, 1H), 7.26 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.22 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.96 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.91 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.90 (dd, J = 9.6 及び 4.4 Hz, 1H), 4.53 ( br, 1H), 2.91-3.14 (m, 4H), 2.81 (s, 3H), 3.05 (s, 3H)。
【0084】
ロダニナ(Rhodanina)化合物及びロダニン酢酸化合物(rhodanine acetic acid)を、実施例1及び2で報告された一般的な方法に従い、それぞれステップIIIにおいてロダニン(rhodanine)又はロダニン酢酸(rhodanine acetic acid)を使用して調製した。二重結合(the double)の還元は、ロダニン(rhodanine)シリーズの分子に関しては一般的な方法Aにより行い、ロダニン酢酸(rhodanine acetic acid)に関しては一般的な方法Bにより行った。
【0085】
一般的な方法A
トルエン(120 mL)中の出発物質(1.0 g、1eq)の溶液に、1,4-ジヒドロ-3,5-ジカルボエトキシ-2,6-ジメチルピリジン(1.3 eq)及びシリカゲル(3.0 g)を加えた。当該反応混合物を 80 ℃ まで加熱し、36時間撹拌した。反応の進行を、HPLCによりモニターした。反応混合物を濾過し、酢酸エチルで洗浄した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物を酢酸エチル中に溶解し、希塩酸で洗浄した。酢酸エチルを減圧下で蒸発させた。
【0086】
一般的な方法B
Pt(IV)酸化物(0.35 mmol)をメタノール(250 mL)中の化合物(2.62 mmol)の溶液に加え、水素付加フラスコ(hydrogenator flask)にチャージした。当該反応混合物を 210 psi の圧力で80時間水素付加し、HPLCによりモニターした。未反応の出発物質を含む得られた未精製生成物を、さらなる精製をせずに次のステップで使用した。
【0087】
実施例20−実施例46
さらなる化合物を、概して実施例19の手順に従い調製した。当該化合物の分析を表3−表6に示す。
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【表20】
【0088】
実施例47:ストレプトゾトシン誘発糖尿病マウスにおける血糖の低下
6週齢の雄の正常Swiss Webster(SW)マウス(n=6)に糖尿病を誘発するために、1kgの体重あたり 150 mg の投与量(ip)でストレプトゾトシンを与え、マウスの血糖レベルがおよそ 350 mg/dL である5日後に、マウスに化合物2(100 mg/kg 及び 200 mg/kg)をそれから15日間強制経口投与し、血糖を3日毎にモニターした。結果を図1に示す。
【0089】
実施例48:ストレプトゾトシン誘発マウスにおけるトリグリセリドレベル及びコレステロールレベルの低下
雄の正常SWマウス(6週齢、n=6)に糖尿病を誘発するために、マウスに1kgの体重あたり 150 mg の投与量(ip)でストレプトゾトシンを与え、5日後に、マウスに化合物2(100 mg/kg 及び 200 mg/kg)を15日間強制経口投与した。15日目に、血清トリグリセリド(A)を、GPO-Trinder method、Procedure No.339)Sigma Chemicals Inc. により 540 nm で比色分析的に測定した。同様に、総血漿コレステロールを、Sigma procedure No.352 により比色分析キットを使用して測定し、吸光度を 500 nM でチェックした。トリグリセリドレベル及びコレステロールレベルを、それぞれ図2A及び図2Bに示す。
【0090】
実施例49:非糖尿病(NOD)マウスにおける血糖の低下
非肥満糖尿病(NOD)マウスは、I型糖尿病の代表的なモデルであり、当該マウスにおいては循環するインスリンが存在せず、当該マウスは極めて高い血糖レベルのために最終的には死亡する。NODマウスの血糖レベルが 300 mg/dL になった時に、NODマウスに化合物2(100 mg/kg)をそれから9日間処理し、血糖を3日毎にモニターした。当該実験において、化合物2は、これらの動物における血糖レベルを低下させた。結果を図3に示す。
【0091】
実施例50:NODマウスにおける血清グリセリド、インスリン及び膵島への化合物2の効果
非肥満糖尿病(NOD)マウスは、I型糖尿病の代表的なモデルであり、当該マウスにおいては循環するインスリンが存在せず、当該マウスは極めて高い血糖レベルのために最終的には死亡する。NODマウスの血糖レベルが 300 mg/dL になった時に、NODマウスに化合物2(100 mg/kg)をそれから9日間処理し、9日目に、血漿トリグリセリドレベル(A)を ALPCO Diagnostics、NH のマウスインスリンELISAアッセイキットにより測定した。膵臓切片をIDEXX研究所で調製し、島の数を顕微鏡下でカウント(C)した。
結果を、図4A、図4B及び図4Cに示す。
【0092】
実施例51:フルクトース食ラットにおけるトリグリセリドレベル及び血圧への化合物2の効果
高フルクトース食餌は、正常ラットにインスリン抵抗性、高トリグリセリド血症及び高インスリン血症を引き起こす。インスリン抵抗性は、インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)、肥満症、高血圧、脂質代謝異常及び粥状動脈硬化(ひとまとめにしてシンドローム-Xと呼ばれる)の中心的な病態生理学的特徴である。雄のSDラットに、処理をせずに初めの15日間、高フルクトース食餌(60 %)を与えた。15日間のフルクトース食餌の後、ラットの血漿トリグリセリド及び血圧は高くなり、その時点において、一群の動物に、化合物2(50 mg/kg)をそれから15日間処理した。血中トリグリセリド(図5A)を、GPO-Trinder method(Sigma)により3日毎に測定し、血圧(図5B)を、XBP 1000 ラット尾部血圧システム、Kent scientific Inc. によりモニターした。化合物2は、当該モデルにおいてTG及び血圧の両方を低下させた。
【0093】
実施例52:化合物2はPPARα、PPARγ及びPPARδのアゴニストではない
転写促進実験を、NIH3T3細胞において全長PPARγ遺伝子又はキメラPPARγ遺伝子のどちらか及びFATP- PPREレポーターコンストラクトを用いて行った。ロシグリタゾン(Rosi)及びピオグリタゾン(Pio)を、ポジティブコントロールとして維持した。ロシグリタゾン及びピオグリタゾンと比べて、化合物2は、当該システムにおいてPPARγ親和性を全く示さなかった。
転写促進実験を、NIH3T3細胞において全長PPARα遺伝子又はキメラPPARα遺伝子のどちらか及びFATP- PPREレポーターコンストラクトを用いて行った。Wy14643(Wyeth)をポジティブコントロールとして維持した。ポジティブコントロールと比べて、化合物2は、当該システムにおいてPPARα親和性を全く示さなかった。転写促進実験を、NIH3T3細胞において全長PPARδ遺伝子及びFATP- PPREレポーターコンストラクトを用いて行った。L165041(L-165)をポジティブコントロールとして維持した。結果を、図6に示す。
【0094】
実施例53:化合物2及び化合物16のインビトロでの有効性
3T3−L1繊維芽細胞を、インスリン、デキサメタゾン及びIBMXを含むカクテルにより数日間処理して脂肪細胞へ分化させた。完全に分化した脂肪細胞を、当該化合物(0.1 μM、1μM 及び 10 μM の化合物2及び化合物16)又は 0.1 % DMSOで72時間処理し、次に、グルコース取り込みをいずれのインスリンもなしで15分間行わせた。基底の取り込みを、放射性の14C-2DOGの添加により開始させ、15分後に、細胞を冷たいグルコースを含む冷たいPBSで洗浄した。結果を、図7に示す。
【0095】
実施例54:db/dbマウスにおける化合物16のインビトロでの有効性
7週齢の雄のdb/db(自然発生モデル)糖尿病マウスに、体重1kgあたり 5 % PEG中 50 mg の投与量の化合物16を経口的に処理し、血糖をワンタッチ血糖計(glucometer)によりモニターした。当該化合物は水溶性ではないので、PEGをビークルとして使用した。結果を、図8に示す。
【0096】
実施例55:化合物2及び化合物16は脂肪生成性ではない
化合物2が脂肪生成又は他の知られるようなaP2発現又はPPARγアゴニストを誘導しないことが示されたが、3T3−L1繊維芽細胞の同様の脂肪生成実験における化合物2の酸性形態の効果を調べるための試験を行った。全ての既知のPPAR−gアゴニストは、繊維芽細胞において分化を誘導する。これらの化合物の脂肪生成潜在能力は、当該受容体への親和性と相関する。化合物2、化合物16が当該受容体へのいくらかの親和性を有しているか否かを素早くチェックするために、3T3−L1繊維芽細胞を、DMSOコントロール又はポジティブコントロールとしてのロシグリタゾン又はこれらの2つの化合物のどれかで数日間種々の濃度で処理した。11日目において、分化した脂肪細胞を、Oil-red-O(Sigma)で染色し、十分に洗浄して結合していない染色液を除去した。当該赤色(red cooler)をイソプロパノールで抽出し、540 nm で比色分析的に測定した。PPAR−gアゴニストであるロシグリタゾンは、当該細胞システムにおいて脂肪生成を強力に誘導したが、一方で、化合物2と化合物16の両方は未変化のままであり、これは、化合物2だけでなく化合物16もPPAR−g受容体への親和性を有していないことの間接的な証明である。結果を、図9に示す。
【0097】
実施例56:db/dbマウスにおける化合物20及び化合物36による血糖の低下
7週齢の雄のdb/db(自然発生モデル)糖尿病マウスに、体重1kgあたり 5 % PEG中 50 mg の投与量の化合物20及び化合物36を経口的に処理し、血糖をワンタッチ血糖計(glucometer)によりモニターした。当該化合物の両方は、II型糖尿病の当該動物モデルにおいてグルコース低下活性を示した。結果を、図10に示す。
【0098】
実施例57:db/dbマウスにおける体重及びトリグリセリドレベルへの化合物20及び化合物36の効果
7週齢の雄のdb/db(自然発生モデル)糖尿病マウスに、体重1kgあたり 5 % PEG中 50 mg の投与量の化合物20及び化合物36を経口的に処理し、血糖をワンタッチ血糖計(glucometer)によりモニターした。当該化合物の両方は、コントロールの体重を示し、さらに、未処理コントロールと比べて血漿トリグリセリドレベルの低下を示した。結果を、図11A及び図11Bに示す。
【0099】
実施例58:ob/obマウスにおける化合物36による血糖の低下
7週齢の雄のob/ob(肥満型、II型糖尿病のインスリン抵抗性自然発生モデル)糖尿病マウスに、体重1kgあたり 5 % PEG中 50 mg の投与量の化合物36を経口的に処理し、血糖(図12A)をワンタッチ血糖計(glucometer)により3日目及び6日目にモニターした。化合物36は、II型糖尿病の当該動物モデルにおいて強力なグルコース低下(A)活性を示した。体重(図12B)はまた、コントロールと比較して化合物36の処理後においても上昇しなかった。
【0100】
実施例59:化合物2及び化合物16によるアルドースレダクターゼの阻害
モノマーNADPH依存性アルドケトレダクターゼのメンバーであるアルドースレダクターゼは、種々のアルデヒドの還元を触媒するポリオール経路の律速酵素である。これには、グルコースのアルデヒド形態のそれに対応する糖アルコールソルビトールへの還元が含まれる。ソルビトールの蓄積は、糖尿病動物の水晶体、神経、腎臓及び網膜において報告されている。大量のソルビトールは浸透圧の混乱を引き起こし、このことは、網膜症、神経障害、腎症及び粥状動脈硬化のようないくつかの糖尿病合併症の発病における病因的因子の一つであるかもしれない。
組織の均質化により部分的に精製したラット水晶体由来のアルドースレダクターゼを使用した。試験化合物及び/又はビークル、0.6 mg 酵素、0.2 mM NaDPH及びpH 6.2 のリン酸アッセイバッファーを、25 ℃ で3分間プレインキュベートした。吸光度を、340 nm で、初期のゼロ時間値に関して観察した。次に、当該反応を 10 mM DL−グリセルアルデヒドの添加により開始させ、インキュベーションを 25 ℃ において20分間続け、その時点で最終的な吸光度を記録した。酵素活性を、初期の吸光度と最終的な吸光度との間の差により決定した。結果を、図13A及び図13Bに示す。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】図1は、実施例47に記載されるとおりに化合物2を与えられたストレプトゾトシン誘発マウスの血糖レベルのプロットである。
【図2A】図2Aは、実施例48に記載されるとおりに化合物2を与えられたストレプトゾトシン誘発マウスのトリグリセリドレベルのプロット(2A)である。
【図2B】図2Bは、実施例48に記載されるとおりに化合物2を与えられたストレプトゾトシン誘発マウスのコレステロールレベルのプロット(2B)である。
【図3】図3は、実施例49に記載されるとおりに化合物2を与えられたマウスの血糖レベルのプロットである。
【図4A】図4Aは、実施例50に記載されるとおりに化合物2で処理したマウスにおけるトリグリセリドレベル、インスリンレベル及び膵島の総数を示す棒グラフである。
【図4B】図4Bは、実施例50に記載されるとおりに化合物2で処理したマウスにおけるトリグリセリドレベル、インスリンレベル及び膵島の総数を示す棒グラフである。
【図4C】図4Cは、実施例50に記載されるとおりに化合物2で処理したマウスにおけるトリグリセリドレベル、インスリンレベル及び膵島の総数を示す棒グラフである。
【図5A】図5Aは、実施例51に記載されるとおりに化合物2を与えられたラットにおけるトリグリセリドレベル及び血圧を示す棒グラフである。
【図5B】図5Bは、実施例51に記載されるとおりに化合物2を与えられたラットにおけるトリグリセリドレベル及び血圧を示す棒グラフである。
【図6】図6は、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、化合物2又は他のコントロールで実施例52に記載されるとおりに活性化されたNIH3T3細胞におけるPPARα、PPARγ(全長及びキメラ)及びPPARδの転写の一連のプロットである。
【図7】図7は、実施例53に記載されるとおりに 0.1 μM、1 μM 及び 10 μM の濃度で化合物2又は化合物16を処理した脂肪細胞のグルコース取り込みの棒グラフである。
【図8】図8は、実施例54に記載されるとおりに化合物16で処理したマウスにおける血糖レベルのプロットである。
【図9】図9は、実施例55に記載されるとおりに化合物2及び化合物16で処理した繊維芽細胞における脂肪生成アッセイによるトリグリセリド蓄積のプロットである。
【図10】図10は、実施例56に記載されるとおりに化合物20及び化合物36で処理したマウスにおける血糖レベルのプロットである。
【図11A】図11Aは、実施例57に記載されるとおりに化合物20及び化合物36で処理したマウスにおける体重変化及びトリグリセリドレベルのプロットである。
【図11B】図11Bは、実施例57に記載されるとおりに化合物20及び化合物36で処理したマウスにおける体重変化及びトリグリセリドレベルのプロットである。
【図12A】図12Aは、実施例58に記載されるとおりに化合物36で処理したマウスにおける血糖レベル及び体重のグラフである。
【図12B】図12Bは、実施例58に記載されるとおりに化合物36で処理したマウスにおける血糖レベル及び体重のグラフである。
【図13A】図13Aは、実施例59に記載されるとおりの化合物2(図13A)によるアルドースレダクターゼ阻害の棒グラフである。
【図13B】図13Bは、実施例59に記載されるとおりの化合物16(図13B)によるアルドースレダクターゼ阻害の棒グラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)のジフェニルエーテル化合物、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの医薬的に許容される塩及びそれらの医薬的に許容される溶媒和物。
【化1】
(式中、----は、結合を表してもよく;
Wは、O又はSを表し;
Zは、CR10、O又はSを表し;
Gは、O又はSを表すか又はR10と共にO、S及びNからなる群より選択される1つ若しくは2つのヘテロ原子を含む5員若しくは6員の芳香族環系若しくは芳香族複素環系を形成し;
R1は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の-CH2COOR、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール並びに対イオンからなる群より選択され(式中Rは、H及び(C1-C6)アルキルからなる群より選択される。);
R2、R3、R4及びR5は、水素、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル並びに直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択され;
R6及びR7は、H、COR12、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びに置換型の及び非置換型の(C1-C11)ヘテロシクリルからなる群よりそれぞれ独立して選択され(式中、R12は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニルオキシ、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールオキシ、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシ並びに置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);
R8は、OR13又はNR14R15を表し(式中、R13は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルキル、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びにカウンターイオンからなる群より選択され、さらにR14及びR15は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル並びに置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);さらに、
R10は、Gと共に5員若しくは6員の芳香族環系又は芳香族複素環系を形成してもよい。)
【請求項2】
前記----が結合を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記----が存在しない、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
W及びGが、Oを表し;
Zが、Sを表し;
R13が、H、置換型の及び非置換型の(C1-C6)アルキル並びに対イオンからなる群より選択され;さらに、
R14及びR15が、置換型の(C1-C6)アルキル及び非置換型の(C1-C6)アルキルからなる群よりそれぞれ独立して選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
R2及びR3が、H、ハロ、ニトロ、置換型の及び非置換型の(C1-C6)アルキル並びに置換型の及び非置換型の(C1-C6)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
W及びGが、Oを表し;
Zが、Sを表し;
R13が、H、置換型の及び非置換型の(C1-C6)アルキル並びに対イオンからなる群より選択され;さらに、
R14及びR15が、置換型の(C1-C6)アルキル及び非置換型の(C1-C6)アルキルからなる群よりそれぞれ独立して選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項7】
R2及びR3が、H、ハロ、置換型の及び非置換型の(C1-C6)アルキル並びに置換型の及び非置換型の(C1-C6)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
Wが、Oを表し;
G及びZが、Sを表し;さらに、
R13が、置換型の(C1-C6)アルキル及び非置換型の(C1-C6)アルキルからなる群より選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項9】
R2及びR3が、H、ハロ、置換型の及び非置換型の(C1-C6)アルキル並びに置換型の及び非置換型の(C1-C6)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
Wが、Oを表し;
G及びZが、Sを表し;さらに、
R13が、置換型の(C1-C6)アルキル及び非置換型の(C1-C6)アルキルからなる群より選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項11】
R2及びR3が、H、ハロ、置換型の及び非置換型の(C1-C6)アルキル並びに置換型の及び非置換型の(C1-C6)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
Wが、Oを表し;
G及びZが、Sを表し;さらに、
R13が、置換型の(C1-C6)アルキル及び非置換型の(C1-C6)アルキルからなる群より選択され;さらに、
R1が、-CH2COORを表す、請求項2に記載の化合物。
【請求項13】
R2及びR3が、H、ハロ、置換型の及び非置換型の(C1-C6)アルキル並びに置換型の及び非置換型の(C1-C6)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
Wが、Oを表し;
G及びZが、Sを表し;さらに、
R13が、置換型の(C1-C6)アルキル及び非置換型の(C1-C6)アルキルからなる群より選択され;さらに、
R1が、-CH2COORを表す、請求項3に記載の化合物。
【請求項15】
R2及びR3が、H並びに置換型の及び非置換型の(C1-C6)アルキルからなる群よりそれぞれ独立して選択される、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-3-フルオロ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-クロロ-4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-2-メトキシ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-2-ニトロ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-3-トリフルオロメチル-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸二カリウム塩、及び
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオナート二ナトリウム塩
からなる群より選択される、請求項4に記載の化合物。
【請求項17】
(S)-2-アミノ-3-{4-[3-クロロ-4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-クロロ-4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-2-メトキシ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-2-フルオロ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオナート二ナトリウム塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸二カリウム塩、及び
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-N,N-ジメチル-プロピオンアミド塩酸塩
からなる群より選択される、請求項6に記載の化合物。
【請求項18】
(R,S)-2-アミノ-3-{4-[4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[3-フルオロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-フルオロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[3-クロロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-クロロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-メトキシ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-2-トリフルオロメチル-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、及び
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-3-トリフルオロメチル-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
からなる群より選択される、請求項8に記載の化合物。
【請求項19】
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-メトキシ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(R,S)-2-アミノ-3-{4-[4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル、
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-クロロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[3-クロロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[3-フルオロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-フルオロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、及び
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-3-トリフルオロメチル-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
からなる群より選択される、請求項10に記載の化合物。
【請求項20】
(R,S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩 、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-3-クロロ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-2-クロロ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-2-フルオロ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-2-トリフルオロメチル-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-3-フルオロ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-3-トリフルオロメチル-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、及び
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-2-メトキシ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
からなる群より選択される、請求項12に記載の化合物。
【請求項21】
(R,S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、及び
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-3-トリフルオロメチル-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル 塩酸塩
からなる群より選択される、請求項14に記載の化合物。
【請求項22】
有効量の式(I)の化合物、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの医薬的に許容される塩及びそれらの医薬的に許容される溶媒和物をそれを必要とする患者へ投与することを含む、血漿中のグルコースを低下させる方法。
【化2】
(式中、----は、結合を表してもよく;
Wは、O又はSを表し;
Zは、CR10、O又はSを表し;
Gは、O又はSを表すか又はR10と共にO、S及びNからなる群より選択される1つ若しくは2つのヘテロ原子を含む5員若しくは6員の芳香族環系若しくは芳香族複素環系を形成し;
R1は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の-CH2COOR、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール並びに対イオンからなる群より選択され(式中Rは、H及び(C1-C6)アルキルからなる群より選択される。);
R2、R3、R4及びR5は、水素、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル並びに直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択され;
R6及びR7は、H、COR12、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びに置換型の及び非置換型の(C1-C11)ヘテロシクリルからなる群よりそれぞれ独立して選択され(式中、R12は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニルオキシ、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールオキシ、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシ並びに置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);
R8は、OR13又はNR14R15を表し(式中、R13は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルキル、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びにカウンターイオンからなる群より選択され、さらにR14及びR15は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル並びに置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);さらに、
R10は、Gと共に5員若しくは6員の芳香族環系又は芳香族複素環系を形成してもよい。)
【請求項23】
有効量の式(I)の化合物、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの医薬的に許容される塩及びそれらの医薬的に許容される溶媒和物をそれを必要とする患者へ投与することを含む、血漿中の遊離脂肪酸を低下させる方法。
【化3】
(式中、----は、結合を表してもよく;
Wは、O又はSを表し;
Zは、CR10、O又はSを表し;
Gは、O又はSを表すか又はR10と共にO、S及びNからなる群より選択される1つ若しくは2つのヘテロ原子を含む5員若しくは6員の芳香族環系若しくは芳香族複素環系を形成し;
R1は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の-CH2COOR、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール並びに対イオンからなる群より選択され(式中Rは、H及び(C1-C6)アルキルからなる群より選択される。);
R2、R3、R4及びR5は、水素、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル並びに直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択され;
R6及びR7は、H、COR12、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びに置換型の及び非置換型の(C1-C11)ヘテロシクリルからなる群よりそれぞれ独立して選択され(式中、R12は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニルオキシ、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールオキシ、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシ並びに置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);
R8は、OR13又はNR14R15を表し(式中、R13は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルキル、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びにカウンターイオンからなる群より選択され、さらにR14及びR15は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル並びに置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);さらに、
R10は、Gと共に5員若しくは6員の芳香族環系又は芳香族複素環系を形成してもよい。)
【請求項24】
有効量の式(I)の化合物、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの医薬的に許容される塩及びそれらの医薬的に許容される溶媒和物をそれを必要とする患者へ投与することを含む、血漿中のコレステロールを低下させる方法。
【化4】
(式中、----は、結合を表しもよく;
Wは、O又はSを表し;
Zは、CR10、O又はSを表し;
Gは、O又はSを表すか又はR10と共にO、S及びNからなる群より選択される1つ若しくは2つのヘテロ原子を含む5員若しくは6員の芳香族環系若しくは芳香族複素環系を形成し;
R1は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の-CH2COOR、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール並びに対イオンからなる群より選択され(式中Rは、H及び(C1-C6)アルキルからなる群より選択される。);
R2、R3、R4及びR5は、水素、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル並びに直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択され;
R6及びR7は、H、COR12、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びに置換型の及び非置換型の(C1-C11)ヘテロシクリルからなる群よりそれぞれ独立して選択され(式中、R12は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニルオキシ、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールオキシ、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシ並びに置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);
R8は、OR13又はNR14R15を表し(式中、R13は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルキル、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びにカウンターイオンからなる群より選択され、さらにR14及びR15は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル並びに置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);さらに、
R10は、Gと共に5員若しくは6員の芳香族環系又は芳香族複素環系を形成してもよい。)
【請求項25】
有効量の式(I)の化合物、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの医薬的に許容される塩及びそれらの医薬的に許容される溶媒和物をそれを必要とする患者へ投与することを含む、血漿中のトリグリセリドレベルを低下させる方法。
【化5】
(式中、----は、結合を表してもよく;
Wは、O又はSを表し;
Zは、CR10、O又はSを表し;
Gは、O又はSを表すか又はR10と共にO、S及びNからなる群より選択される1つ若しくは2つのヘテロ原子を含む5員若しくは6員の芳香族環系若しくは芳香族複素環系を形成し;
R1は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の-CH2COOR、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール並びに対イオンからなる群より選択され(式中Rは、H及び(C1-C6)アルキルからなる群より選択される。);
R2、R3、R4及びR5は、水素、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル並びに直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択され;
R6及びR7は、H、COR12、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びに置換型の及び非置換型の(C1-C11)ヘテロシクリルからなる群よりそれぞれ独立して選択され(式中、R12は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニルオキシ、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールオキシ、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシ並びに置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);
R8は、OR13又はNR14R15を表し(式中、R13は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルキル、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びにカウンターイオンからなる群より選択され、さらにR14及びR15は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル並びに置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);さらに、
R10は、Gと共に5員若しくは6員の芳香族環系又は芳香族複素環系を形成してもよい。)
【請求項26】
有効量の式(I)の化合物、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの医薬的に許容される塩及びそれらの医薬的に許容される溶媒和物をそれを必要とする患者へ投与することを含む、肥満症を治療する方法。
【化6】
(式中、----は、結合を表してもよく;
Wは、O又はSを表し;
Zは、CR10、O又はSを表し;
Gは、O又はSを表すか又はR10と共にO、S及びNからなる群より選択される1つ若しくは2つのヘテロ原子を含む5員若しくは6員の芳香族環系若しくは芳香族複素環系を形成し;
R1は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の-CH2COOR、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール並びに対イオンからなる群より選択され(式中Rは、H及び(C1-C6)アルキルからなる群より選択される。);
R2、R3、R4及びR5は、水素、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル並びに直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択され;
R6及びR7は、H、COR12、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びに置換型の及び非置換型の(C1-C11)ヘテロシクリルからなる群よりそれぞれ独立して選択され(式中、R12は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニルオキシ、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールオキシ、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシ並びに置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);
R8は、OR13又はNR14R15を表し(式中、R13は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルキル、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びにカウンターイオンからなる群より選択され、さらにR14及びR15は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル並びに置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);さらに、
R10は、Gと共に5員若しくは6員の芳香族環系又は芳香族複素環系を形成してもよい。)
【請求項27】
有効量の式(I)の化合物、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの医薬的に許容される塩及びそれらの医薬的に許容される溶媒和物をそれを必要とする患者へ投与することを含む、自己免疫疾患を治療する方法。
【化7】
(式中、----は、結合を表してもよく;
Wは、O又はSを表し;
Zは、CR10、O又はSを表し;
Gは、O又はSを表すか又はR10と共にO、S及びNからなる群より選択される1つ若しくは2つのヘテロ原子を含む5員若しくは6員の芳香族環系若しくは芳香族複素環系を形成し;
R1は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の-CH2COOR、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール並びに対イオンからなる群より選択され(式中Rは、H及び(C1-C6)アルキルからなる群より選択される。);
R2、R3、R4及びR5は、水素、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル並びに直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択され;
R6及びR7は、H、COR12、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びに置換型の及び非置換型の(C1-C11)ヘテロシクリルからなる群よりそれぞれ独立して選択され(式中、R12は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニルオキシ、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールオキシ、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシ並びに置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);
R8は、OR13又はNR14R15を表し(式中、R13は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルキル、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びにカウンターイオンからなる群より選択され、さらにR14及びR15は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル並びに置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);さらに、
R10は、Gと共に5員若しくは6員の芳香族環系又は芳香族複素環系を形成してもよい。)
【請求項28】
有効量の式(I)の化合物、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの医薬的に許容される塩及びそれらの医薬的に許容される溶媒和物をそれを必要とする患者へ投与することを含む、炎症を治療する方法。
【化8】
(式中、----は、結合を表してもよく;
Wは、O又はSを表し;
Zは、CR10、O又はSを表し;
Gは、O又はSを表すか又はR10と共にO、S及びNからなる群より選択される1つ若しくは2つのヘテロ原子を含む5員若しくは6員の芳香族環系若しくは芳香族複素環系を形成し;
R1は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の-CH2COOR、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール並びに対イオンからなる群より選択され(式中Rは、H及び(C1-C6)アルキルからなる群より選択される。);
R2、R3、R4及びR5は、水素、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル並びに直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択され;
R6及びR7は、H、COR12、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びに置換型の及び非置換型の(C1-C11)ヘテロシクリルからなる群よりそれぞれ独立して選択され(式中、R12は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニルオキシ、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールオキシ、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシ並びに置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);
R8は、OR13又はNR14R15を表し(式中、R13は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルキル、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びにカウンターイオンからなる群より選択され、さらにR14及びR15は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル並びに置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);さらに、
R10は、Gと共に5員若しくは6員の芳香族環系又は芳香族複素環系を形成してもよい。)
【請求項29】
有効量の式(I)の化合物、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの医薬的に許容される塩及びそれらの医薬的に許容される溶媒和物をそれを必要とする患者へ投与することを含む、免疫疾患を治療する方法。
【化9】
(式中、----は、結合を表してもよく;
Wは、O又はSを表し;
Zは、CR10、O又はSを表し;
Gは、O又はSを表すか又はR10と共にO、S及びNからなる群より選択される1つ若しくは2つのヘテロ原子を含む5員若しくは6員の芳香族環系若しくは芳香族複素環系を形成し;
R1は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の-CH2COOR、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール並びに対イオンからなる群より選択され(式中Rは、H及び(C1-C6)アルキルからなる群より選択される。);
R2、R3、R4及びR5は、水素、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル並びに直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択され;
R6及びR7は、H、COR12、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びに置換型の及び非置換型の(C1-C11)ヘテロシクリルからなる群よりそれぞれ独立して選択され(式中、R12は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニルオキシ、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールオキシ、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシ並びに置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);
R8は、OR13又はNR14R15を表し(式中、R13は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルキル、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びにカウンターイオンからなる群より選択され、さらにR14及びR15は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル並びに置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);さらに、
R10は、Gと共に5員若しくは6員の芳香族環系又は芳香族複素環系を形成してもよい。)
【請求項30】
前記自己免疫疾患が多発性硬化症である、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記自己免疫疾患が関節リウマチである、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記炎症がシクロオキシゲナーゼに介在される、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記免疫疾患がサイトカインに介在される、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
有効量の式(I)の化合物、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの医薬的に許容される塩及びそれらの医薬的に許容される溶媒和物をそれを必要とする患者へ投与することを含む、インスリン抵抗性と関連する疾患を治療する方法。
【化10】
(式中、----は、結合を表してもよく;
Wは、O又はSを表し;
Zは、CR10、O又はSを表し;
Gは、O又はSを表すか又はR10と共にO、S及びNからなる群より選択される1つ若しくは2つのヘテロ原子を含む5員若しくは6員の芳香族環系若しくは芳香族複素環系を形成し;
R1は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の-CH2COOR、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール並びに対イオンからなる群より選択され(式中Rは、H及び(C1-C6)アルキルからなる群より選択される。);
R2、R3、R4及びR5は、水素、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル並びに直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択され;
R6及びR7は、H、COR12、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びに置換型の及び非置換型の(C1-C11)ヘテロシクリルからなる群よりそれぞれ独立して選択され(式中、R12は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニルオキシ、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールオキシ、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシ並びに置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);
R8は、OR13又はNR14R15を表し(式中、R13は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルキル、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びにカウンターイオンからなる群より選択され、さらにR14及びR15は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル並びに置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);さらに、
R10は、Gと共に5員若しくは6員の芳香族環系又は芳香族複素環系を形成してもよい。)
【請求項35】
有効量の式(I)の化合物、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの医薬的に許容される塩及びそれらの医薬的に許容される溶媒和物をそれを必要とする患者へ投与することを含む、糖尿病を治療する方法。
【化11】
(式中、----は、結合を表してもよく;
Wは、O又はSを表し;
Zは、CR10、O又はSを表し;
Gは、O又はSを表すか又はR10と共にO、S及びNからなる群より選択される1つ若しくは2つのヘテロ原子を含む5員若しくは6員の芳香族環系若しくは芳香族複素環系を形成し;
R1は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の-CH2COOR、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール並びに対イオンからなる群より選択され(式中Rは、H及び(C1-C6)アルキルからなる群より選択される。);
R2、R3、R4及びR5は、水素、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル並びに直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択され;
R6及びR7は、H、COR12、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びに置換型の及び非置換型の(C1-C11)ヘテロシクリルからなる群よりそれぞれ独立して選択され(式中、R12は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニルオキシ、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールオキシ、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシ並びに置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);
R8は、OR13又はNR14R15を表し(式中、R13は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルキル、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びにカウンターイオンからなる群より選択され、さらにR14及びR15は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル並びに置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);さらに、
R10は、Gと共に5員若しくは6員の芳香族環系又は芳香族複素環系を形成してもよい。)
【請求項36】
前記の医薬的に許容される塩が塩酸塩、臭化水素酸塩、カリウム塩及びマグネシウム塩からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項37】
被験者においてグルコース、脂肪酸、コレステロール又はトリグリセリドの血漿レベルを低下させるのに十分な治療的有効量の請求項1〜請求項15及び請求項36のいずれか一項に記載の化合物又は化合物の混合物並びに医薬的に許容されるキャリアを含む、医薬組成物。
【請求項38】
被験者において肥満症、自己免疫疾患、炎症、免疫疾患、糖尿病又はインスリン抵抗性と関連する疾患を治療するのに十分な治療的有効量の請求項1〜請求項15及び請求項36のいずれか一項に記載の化合物又は化合物の混合物並びに医薬的に許容されるキャリアを含む、医薬組成物。
【請求項1】
式(I)のジフェニルエーテル化合物、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの医薬的に許容される塩及びそれらの医薬的に許容される溶媒和物。
【化1】
(式中、----は、結合を表してもよく;
Wは、O又はSを表し;
Zは、CR10、O又はSを表し;
Gは、O又はSを表すか又はR10と共にO、S及びNからなる群より選択される1つ若しくは2つのヘテロ原子を含む5員若しくは6員の芳香族環系若しくは芳香族複素環系を形成し;
R1は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の-CH2COOR、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール並びに対イオンからなる群より選択され(式中Rは、H及び(C1-C6)アルキルからなる群より選択される。);
R2、R3、R4及びR5は、水素、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル並びに直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択され;
R6及びR7は、H、COR12、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びに置換型の及び非置換型の(C1-C11)ヘテロシクリルからなる群よりそれぞれ独立して選択され(式中、R12は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニルオキシ、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールオキシ、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシ並びに置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);
R8は、OR13又はNR14R15を表し(式中、R13は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルキル、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びにカウンターイオンからなる群より選択され、さらにR14及びR15は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル並びに置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);さらに、
R10は、Gと共に5員若しくは6員の芳香族環系又は芳香族複素環系を形成してもよい。)
【請求項2】
前記----が結合を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記----が存在しない、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
W及びGが、Oを表し;
Zが、Sを表し;
R13が、H、置換型の及び非置換型の(C1-C6)アルキル並びに対イオンからなる群より選択され;さらに、
R14及びR15が、置換型の(C1-C6)アルキル及び非置換型の(C1-C6)アルキルからなる群よりそれぞれ独立して選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
R2及びR3が、H、ハロ、ニトロ、置換型の及び非置換型の(C1-C6)アルキル並びに置換型の及び非置換型の(C1-C6)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
W及びGが、Oを表し;
Zが、Sを表し;
R13が、H、置換型の及び非置換型の(C1-C6)アルキル並びに対イオンからなる群より選択され;さらに、
R14及びR15が、置換型の(C1-C6)アルキル及び非置換型の(C1-C6)アルキルからなる群よりそれぞれ独立して選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項7】
R2及びR3が、H、ハロ、置換型の及び非置換型の(C1-C6)アルキル並びに置換型の及び非置換型の(C1-C6)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
Wが、Oを表し;
G及びZが、Sを表し;さらに、
R13が、置換型の(C1-C6)アルキル及び非置換型の(C1-C6)アルキルからなる群より選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項9】
R2及びR3が、H、ハロ、置換型の及び非置換型の(C1-C6)アルキル並びに置換型の及び非置換型の(C1-C6)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
Wが、Oを表し;
G及びZが、Sを表し;さらに、
R13が、置換型の(C1-C6)アルキル及び非置換型の(C1-C6)アルキルからなる群より選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項11】
R2及びR3が、H、ハロ、置換型の及び非置換型の(C1-C6)アルキル並びに置換型の及び非置換型の(C1-C6)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
Wが、Oを表し;
G及びZが、Sを表し;さらに、
R13が、置換型の(C1-C6)アルキル及び非置換型の(C1-C6)アルキルからなる群より選択され;さらに、
R1が、-CH2COORを表す、請求項2に記載の化合物。
【請求項13】
R2及びR3が、H、ハロ、置換型の及び非置換型の(C1-C6)アルキル並びに置換型の及び非置換型の(C1-C6)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
Wが、Oを表し;
G及びZが、Sを表し;さらに、
R13が、置換型の(C1-C6)アルキル及び非置換型の(C1-C6)アルキルからなる群より選択され;さらに、
R1が、-CH2COORを表す、請求項3に記載の化合物。
【請求項15】
R2及びR3が、H並びに置換型の及び非置換型の(C1-C6)アルキルからなる群よりそれぞれ独立して選択される、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-3-フルオロ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-クロロ-4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-2-メトキシ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-2-ニトロ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-3-トリフルオロメチル-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸二カリウム塩、及び
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオナート二ナトリウム塩
からなる群より選択される、請求項4に記載の化合物。
【請求項17】
(S)-2-アミノ-3-{4-[3-クロロ-4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-クロロ-4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-2-メトキシ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-2-フルオロ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオナート二ナトリウム塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸二カリウム塩、及び
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(2,4-ジオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-N,N-ジメチル-プロピオンアミド塩酸塩
からなる群より選択される、請求項6に記載の化合物。
【請求項18】
(R,S)-2-アミノ-3-{4-[4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[3-フルオロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-フルオロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[3-クロロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-クロロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-メトキシ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-2-トリフルオロメチル-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、及び
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-3-トリフルオロメチル-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
からなる群より選択される、請求項8に記載の化合物。
【請求項19】
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-メトキシ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(R,S)-2-アミノ-3-{4-[4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル、
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-クロロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[3-クロロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[3-フルオロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[2-フルオロ-4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、及び
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-3-トリフルオロメチル-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
からなる群より選択される、請求項10に記載の化合物。
【請求項20】
(R,S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩 、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-3-クロロ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-2-クロロ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-2-フルオロ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-2-トリフルオロメチル-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-3-フルオロ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-3-トリフルオロメチル-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、及び
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデンメチル)-2-メトキシ-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
からなる群より選択される、請求項12に記載の化合物。
【請求項21】
(R,S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩、及び
(S)-2-アミノ-3-{4-[4-(3-カルボキシメチル-4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イルメチル)-3-トリフルオロメチル-フェノキシ]-フェニル}-プロピオン酸メチルエステル 塩酸塩
からなる群より選択される、請求項14に記載の化合物。
【請求項22】
有効量の式(I)の化合物、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの医薬的に許容される塩及びそれらの医薬的に許容される溶媒和物をそれを必要とする患者へ投与することを含む、血漿中のグルコースを低下させる方法。
【化2】
(式中、----は、結合を表してもよく;
Wは、O又はSを表し;
Zは、CR10、O又はSを表し;
Gは、O又はSを表すか又はR10と共にO、S及びNからなる群より選択される1つ若しくは2つのヘテロ原子を含む5員若しくは6員の芳香族環系若しくは芳香族複素環系を形成し;
R1は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の-CH2COOR、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール並びに対イオンからなる群より選択され(式中Rは、H及び(C1-C6)アルキルからなる群より選択される。);
R2、R3、R4及びR5は、水素、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル並びに直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択され;
R6及びR7は、H、COR12、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びに置換型の及び非置換型の(C1-C11)ヘテロシクリルからなる群よりそれぞれ独立して選択され(式中、R12は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニルオキシ、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールオキシ、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシ並びに置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);
R8は、OR13又はNR14R15を表し(式中、R13は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルキル、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びにカウンターイオンからなる群より選択され、さらにR14及びR15は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル並びに置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);さらに、
R10は、Gと共に5員若しくは6員の芳香族環系又は芳香族複素環系を形成してもよい。)
【請求項23】
有効量の式(I)の化合物、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの医薬的に許容される塩及びそれらの医薬的に許容される溶媒和物をそれを必要とする患者へ投与することを含む、血漿中の遊離脂肪酸を低下させる方法。
【化3】
(式中、----は、結合を表してもよく;
Wは、O又はSを表し;
Zは、CR10、O又はSを表し;
Gは、O又はSを表すか又はR10と共にO、S及びNからなる群より選択される1つ若しくは2つのヘテロ原子を含む5員若しくは6員の芳香族環系若しくは芳香族複素環系を形成し;
R1は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の-CH2COOR、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール並びに対イオンからなる群より選択され(式中Rは、H及び(C1-C6)アルキルからなる群より選択される。);
R2、R3、R4及びR5は、水素、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル並びに直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択され;
R6及びR7は、H、COR12、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びに置換型の及び非置換型の(C1-C11)ヘテロシクリルからなる群よりそれぞれ独立して選択され(式中、R12は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニルオキシ、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールオキシ、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシ並びに置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);
R8は、OR13又はNR14R15を表し(式中、R13は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルキル、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びにカウンターイオンからなる群より選択され、さらにR14及びR15は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル並びに置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);さらに、
R10は、Gと共に5員若しくは6員の芳香族環系又は芳香族複素環系を形成してもよい。)
【請求項24】
有効量の式(I)の化合物、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの医薬的に許容される塩及びそれらの医薬的に許容される溶媒和物をそれを必要とする患者へ投与することを含む、血漿中のコレステロールを低下させる方法。
【化4】
(式中、----は、結合を表しもよく;
Wは、O又はSを表し;
Zは、CR10、O又はSを表し;
Gは、O又はSを表すか又はR10と共にO、S及びNからなる群より選択される1つ若しくは2つのヘテロ原子を含む5員若しくは6員の芳香族環系若しくは芳香族複素環系を形成し;
R1は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の-CH2COOR、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール並びに対イオンからなる群より選択され(式中Rは、H及び(C1-C6)アルキルからなる群より選択される。);
R2、R3、R4及びR5は、水素、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル並びに直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択され;
R6及びR7は、H、COR12、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びに置換型の及び非置換型の(C1-C11)ヘテロシクリルからなる群よりそれぞれ独立して選択され(式中、R12は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニルオキシ、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールオキシ、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシ並びに置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);
R8は、OR13又はNR14R15を表し(式中、R13は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルキル、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びにカウンターイオンからなる群より選択され、さらにR14及びR15は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル並びに置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);さらに、
R10は、Gと共に5員若しくは6員の芳香族環系又は芳香族複素環系を形成してもよい。)
【請求項25】
有効量の式(I)の化合物、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの医薬的に許容される塩及びそれらの医薬的に許容される溶媒和物をそれを必要とする患者へ投与することを含む、血漿中のトリグリセリドレベルを低下させる方法。
【化5】
(式中、----は、結合を表してもよく;
Wは、O又はSを表し;
Zは、CR10、O又はSを表し;
Gは、O又はSを表すか又はR10と共にO、S及びNからなる群より選択される1つ若しくは2つのヘテロ原子を含む5員若しくは6員の芳香族環系若しくは芳香族複素環系を形成し;
R1は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の-CH2COOR、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール並びに対イオンからなる群より選択され(式中Rは、H及び(C1-C6)アルキルからなる群より選択される。);
R2、R3、R4及びR5は、水素、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル並びに直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択され;
R6及びR7は、H、COR12、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びに置換型の及び非置換型の(C1-C11)ヘテロシクリルからなる群よりそれぞれ独立して選択され(式中、R12は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニルオキシ、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールオキシ、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシ並びに置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);
R8は、OR13又はNR14R15を表し(式中、R13は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルキル、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びにカウンターイオンからなる群より選択され、さらにR14及びR15は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル並びに置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);さらに、
R10は、Gと共に5員若しくは6員の芳香族環系又は芳香族複素環系を形成してもよい。)
【請求項26】
有効量の式(I)の化合物、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの医薬的に許容される塩及びそれらの医薬的に許容される溶媒和物をそれを必要とする患者へ投与することを含む、肥満症を治療する方法。
【化6】
(式中、----は、結合を表してもよく;
Wは、O又はSを表し;
Zは、CR10、O又はSを表し;
Gは、O又はSを表すか又はR10と共にO、S及びNからなる群より選択される1つ若しくは2つのヘテロ原子を含む5員若しくは6員の芳香族環系若しくは芳香族複素環系を形成し;
R1は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の-CH2COOR、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール並びに対イオンからなる群より選択され(式中Rは、H及び(C1-C6)アルキルからなる群より選択される。);
R2、R3、R4及びR5は、水素、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル並びに直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択され;
R6及びR7は、H、COR12、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びに置換型の及び非置換型の(C1-C11)ヘテロシクリルからなる群よりそれぞれ独立して選択され(式中、R12は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニルオキシ、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールオキシ、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシ並びに置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);
R8は、OR13又はNR14R15を表し(式中、R13は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルキル、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びにカウンターイオンからなる群より選択され、さらにR14及びR15は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル並びに置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);さらに、
R10は、Gと共に5員若しくは6員の芳香族環系又は芳香族複素環系を形成してもよい。)
【請求項27】
有効量の式(I)の化合物、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの医薬的に許容される塩及びそれらの医薬的に許容される溶媒和物をそれを必要とする患者へ投与することを含む、自己免疫疾患を治療する方法。
【化7】
(式中、----は、結合を表してもよく;
Wは、O又はSを表し;
Zは、CR10、O又はSを表し;
Gは、O又はSを表すか又はR10と共にO、S及びNからなる群より選択される1つ若しくは2つのヘテロ原子を含む5員若しくは6員の芳香族環系若しくは芳香族複素環系を形成し;
R1は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の-CH2COOR、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール並びに対イオンからなる群より選択され(式中Rは、H及び(C1-C6)アルキルからなる群より選択される。);
R2、R3、R4及びR5は、水素、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル並びに直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択され;
R6及びR7は、H、COR12、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びに置換型の及び非置換型の(C1-C11)ヘテロシクリルからなる群よりそれぞれ独立して選択され(式中、R12は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニルオキシ、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールオキシ、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシ並びに置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);
R8は、OR13又はNR14R15を表し(式中、R13は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルキル、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びにカウンターイオンからなる群より選択され、さらにR14及びR15は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル並びに置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);さらに、
R10は、Gと共に5員若しくは6員の芳香族環系又は芳香族複素環系を形成してもよい。)
【請求項28】
有効量の式(I)の化合物、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの医薬的に許容される塩及びそれらの医薬的に許容される溶媒和物をそれを必要とする患者へ投与することを含む、炎症を治療する方法。
【化8】
(式中、----は、結合を表してもよく;
Wは、O又はSを表し;
Zは、CR10、O又はSを表し;
Gは、O又はSを表すか又はR10と共にO、S及びNからなる群より選択される1つ若しくは2つのヘテロ原子を含む5員若しくは6員の芳香族環系若しくは芳香族複素環系を形成し;
R1は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の-CH2COOR、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール並びに対イオンからなる群より選択され(式中Rは、H及び(C1-C6)アルキルからなる群より選択される。);
R2、R3、R4及びR5は、水素、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル並びに直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択され;
R6及びR7は、H、COR12、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びに置換型の及び非置換型の(C1-C11)ヘテロシクリルからなる群よりそれぞれ独立して選択され(式中、R12は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニルオキシ、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールオキシ、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシ並びに置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);
R8は、OR13又はNR14R15を表し(式中、R13は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルキル、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びにカウンターイオンからなる群より選択され、さらにR14及びR15は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル並びに置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);さらに、
R10は、Gと共に5員若しくは6員の芳香族環系又は芳香族複素環系を形成してもよい。)
【請求項29】
有効量の式(I)の化合物、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの医薬的に許容される塩及びそれらの医薬的に許容される溶媒和物をそれを必要とする患者へ投与することを含む、免疫疾患を治療する方法。
【化9】
(式中、----は、結合を表してもよく;
Wは、O又はSを表し;
Zは、CR10、O又はSを表し;
Gは、O又はSを表すか又はR10と共にO、S及びNからなる群より選択される1つ若しくは2つのヘテロ原子を含む5員若しくは6員の芳香族環系若しくは芳香族複素環系を形成し;
R1は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の-CH2COOR、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール並びに対イオンからなる群より選択され(式中Rは、H及び(C1-C6)アルキルからなる群より選択される。);
R2、R3、R4及びR5は、水素、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル並びに直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択され;
R6及びR7は、H、COR12、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びに置換型の及び非置換型の(C1-C11)ヘテロシクリルからなる群よりそれぞれ独立して選択され(式中、R12は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニルオキシ、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールオキシ、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシ並びに置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);
R8は、OR13又はNR14R15を表し(式中、R13は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルキル、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びにカウンターイオンからなる群より選択され、さらにR14及びR15は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル並びに置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);さらに、
R10は、Gと共に5員若しくは6員の芳香族環系又は芳香族複素環系を形成してもよい。)
【請求項30】
前記自己免疫疾患が多発性硬化症である、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記自己免疫疾患が関節リウマチである、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記炎症がシクロオキシゲナーゼに介在される、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記免疫疾患がサイトカインに介在される、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
有効量の式(I)の化合物、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの医薬的に許容される塩及びそれらの医薬的に許容される溶媒和物をそれを必要とする患者へ投与することを含む、インスリン抵抗性と関連する疾患を治療する方法。
【化10】
(式中、----は、結合を表してもよく;
Wは、O又はSを表し;
Zは、CR10、O又はSを表し;
Gは、O又はSを表すか又はR10と共にO、S及びNからなる群より選択される1つ若しくは2つのヘテロ原子を含む5員若しくは6員の芳香族環系若しくは芳香族複素環系を形成し;
R1は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の-CH2COOR、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール並びに対イオンからなる群より選択され(式中Rは、H及び(C1-C6)アルキルからなる群より選択される。);
R2、R3、R4及びR5は、水素、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル並びに直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択され;
R6及びR7は、H、COR12、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びに置換型の及び非置換型の(C1-C11)ヘテロシクリルからなる群よりそれぞれ独立して選択され(式中、R12は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニルオキシ、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールオキシ、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシ並びに置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);
R8は、OR13又はNR14R15を表し(式中、R13は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルキル、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びにカウンターイオンからなる群より選択され、さらにR14及びR15は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル並びに置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);さらに、
R10は、Gと共に5員若しくは6員の芳香族環系又は芳香族複素環系を形成してもよい。)
【請求項35】
有効量の式(I)の化合物、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの医薬的に許容される塩及びそれらの医薬的に許容される溶媒和物をそれを必要とする患者へ投与することを含む、糖尿病を治療する方法。
【化11】
(式中、----は、結合を表してもよく;
Wは、O又はSを表し;
Zは、CR10、O又はSを表し;
Gは、O又はSを表すか又はR10と共にO、S及びNからなる群より選択される1つ若しくは2つのヘテロ原子を含む5員若しくは6員の芳香族環系若しくは芳香族複素環系を形成し;
R1は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の-CH2COOR、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール並びに対イオンからなる群より選択され(式中Rは、H及び(C1-C6)アルキルからなる群より選択される。);
R2、R3、R4及びR5は、水素、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル並びに直鎖の及び分鎖の置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択され;
R6及びR7は、H、COR12、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びに置換型の及び非置換型の(C1-C11)ヘテロシクリルからなる群よりそれぞれ独立して選択され(式中、R12は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニルオキシ、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールオキシ、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルコキシ並びに置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルコキシからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);
R8は、OR13又はNR14R15を表し(式中、R13は、水素、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル、置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリール、置換型の及び非置換型の(C6-C34)アラルキル、置換型の及び非置換型の(C1-C13)ヘテロアリール並びにカウンターイオンからなる群より選択され、さらにR14及びR15は、H、置換型の及び非置換型の(C1-C20)アルキル、置換型の及び非置換型の(C2-C20)アルケニル並びに置換型の及び非置換型の(C5-C14)アリールからなる群よりそれぞれ独立して選択される。);さらに、
R10は、Gと共に5員若しくは6員の芳香族環系又は芳香族複素環系を形成してもよい。)
【請求項36】
前記の医薬的に許容される塩が塩酸塩、臭化水素酸塩、カリウム塩及びマグネシウム塩からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項37】
被験者においてグルコース、脂肪酸、コレステロール又はトリグリセリドの血漿レベルを低下させるのに十分な治療的有効量の請求項1〜請求項15及び請求項36のいずれか一項に記載の化合物又は化合物の混合物並びに医薬的に許容されるキャリアを含む、医薬組成物。
【請求項38】
被験者において肥満症、自己免疫疾患、炎症、免疫疾患、糖尿病又はインスリン抵抗性と関連する疾患を治療するのに十分な治療的有効量の請求項1〜請求項15及び請求項36のいずれか一項に記載の化合物又は化合物の混合物並びに医薬的に許容されるキャリアを含む、医薬組成物。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【公表番号】特表2008−530242(P2008−530242A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−556366(P2007−556366)
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【国際出願番号】PCT/US2006/005846
【国際公開番号】WO2006/089225
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(505268758)ベクセル ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【国際出願番号】PCT/US2006/005846
【国際公開番号】WO2006/089225
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(505268758)ベクセル ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】
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