説明

血管観察用プローブおよび血管観察装置

【課題】 血管を観察するまでの作業が簡単であり、レンズの焦点を合わせるのが簡単であり、安定した鮮明な画像を得ること。
【解決手段】 操作者は血管観察用プローブ1を手に持って被験者の皮膚の観察部位に鏡筒6の先端を当接させる。このとき、その先端に設けられているLEDの緑色または青色の光は、鏡筒6の先端の開口部内の皮膚表面には直接当たることはない。このため、毛細血管を照らすための光は、生体組織を通しての間接光となる。またその光は緑色または青色の光である。操作者は、CRTモニタ3の画面を見ながら血管観察用プローブ1の操作つまみ11を操作して鏡筒6内のレンズを移動させ、CCDカメラ14が毛細血管の鮮明な画像が得られるようにレンズの位置を調節する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血管を観察するための血管観察用プローブおよびそのプローブを用いた血管観察装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、皮膚表層などの毛細血管や細動脈や細静脈の一部やその血管内の血球の動きを観察する際、観察部位が皮膚であれば、皮膚表面での光の散乱を少なくするため、その部位の角質を粘着テープの様な強い接着性のある物質が付いているテープを貼り、剥がすことを何回か繰り返すことによって、血管が存在しない表層を除去していた。そしてその観察部位を何らかの手段で固定し、実体顕微鏡により白色光照明下で毛細血管や細動脈や細静脈の一部やその血管内の血球の動きを観察していた。
【0003】
しかし、このような方法では被験者の皮膚を痛めるのみならず、観察に至るまでの作業が煩雑である。そこで、角質を除去することを行わないで、観察部位の皮膚表面にオイルまたは他の液体状のものを塗って皮膚表面の光の散乱を抑えて観察する方法がある。例えば砂糖の溶液を用いるものについては特許文献1参照。このようにオイル等を塗ると、皮膚表面がガサついていてもその皮膚表面における光の散乱が少なくなるので効率良く光を組織内に入れることができる。また、組織内から光が出ていくときもその皮膚表面での散乱が少なくなるので、観察対象の血管等からの光を効率良く受けることができる。しかし、このように皮膚表面にオイル等を塗って観察する場合であっても、塗るという作業が必要であるので煩雑であることに変わりはない。
【0004】
また、照射光が白色光であると血管とその他の組織とを良好なコントラストで捉えることができない。このため白色光に代えて緑色光または青色光を観察部位に照射して観測する方法がある。例えば、特許文献2参照。
【0005】
しかし、緑色光または青色光を用いても、光を皮膚表面に照射しているのでやはり皮膚表面での散乱は避けられない。たとえ緑色光または青色光を用い、かつ上記のようにオイルを皮膚表面に塗っても、皮膚表面での散乱を完全には無くすることはできないので、その散乱光はCCD素子に直接入り、強度の強いテカリとなって画像に現れる。これが、CCD素子から得られたデータをコンピュータ処理して鮮明な血管画像を抽出しようとする場合、大きな障害となる。
【0006】
また、従来の血管血液観測装置は、特許文献1に開示されているように、実体顕微鏡を用いるものは、観察部位を固定する必要があるので、その作業に手間が掛かり、また、観察部位によっては固定することが困難な場合が多く、その部位を簡単に観察できないことがある。
【0007】
また特許文献2に開示されている内視鏡タイプのものであれば、観察部位の生体表面からプローブを離した状態で観測するので、プローブの位置が不安定であり焦点を合わせるのが困難であった。このため高倍率の安定した鮮明な血管の画像が得られなかった。
【0008】
【特許文献1】特開2004−198391
【特許文献2】特開2004−065728
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
解決しようとする問題点は、血管を観察するまでの作業が煩雑であり、レンズの焦点を合わせるのが困難であり、鮮明な画像が得られない点である。本発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、血管を観察するまでの作業が簡単であり、レンズの焦点を合わせるのが容易であり、鮮明な画像が得られることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の血管観察用プローブは、先端に開口部を有する鏡筒と、レンズと、このレンズを前記鏡筒の内部で保持するレンズホルダーと、前記鏡筒の外周面に操作部を有し、この操作部が操作されることにより前記レンズホルダーを移動させて前記レンズの位置を調節するレンズ位置調節手段と、前記鏡筒の基端側に設けられ前記開口部からの光を前記レンズを介して受ける撮像素子と、前記鏡筒に取り付けられ、前記鏡筒の前記先端が観察部位に当接されて前記開口部がその観察部位により閉塞された状態において前記観察部位の前記開口部外側周辺に向けて、緑色の光を照射する緑色発光素子および青色の光を照射する青色発光素子のいずれか一方または両方と、を具備することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の血管観察装置は、先端に開口部を有する鏡筒と、レンズと、このレンズを前記鏡筒の内部で保持するレンズホルダーと、前記鏡筒の外周面に操作部を有し、この操作部が操作されることにより前記レンズホルダーを移動させて前記レンズの位置を調節するレンズ位置調節手段と、前記鏡筒の基端側に設けられ前記開口部からの光を前記レンズを介して受ける撮像素子と、前記鏡筒に取り付けられ、前記鏡筒の前記先端が観察部位に当接されて前記開口部がその観察部位により閉塞された状態において前記観察部位の前記開口部外側周辺に向けて、緑色の光を照射する緑色発光素子および青色の光を照射する青色発光素子のいずれか一方または両方と、前記撮像素子を駆動しその出力を処理して映像信号を出力する信号処理部と、この信号処理部が出力する映像信号に基づいて前記観察部位の画像を表示する表示部と、を具備することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の血管観察装置は、先端に開口部を有する鏡筒と、レンズと、このレンズを前記鏡筒の内部で保持するレンズホルダーと、前記鏡筒の外周面に操作部を有し、この操作部が操作されることにより前記レンズホルダーを移動させて前記レンズの位置を調節するレンズ位置調節手段と、前記鏡筒の基端側に設けられ前記開口部からの光を前記レンズを介して受ける撮像素子と、前記鏡筒に一端側を取り付けられ前記鏡筒の先端に光を導くライトガイドと、このライトガイドの他端側に設けられ緑色の光および青色の光のいずれか一方または両方の光を発生する光源とを備え、前記鏡筒の前記先端が観察部位に当接されて前記開口部がその観察部位により閉塞された状態においてその観察部位の前記開口部外側周辺に向けて前記ライトガイドにより導かれた光を照射する光照射手段と、前記撮像素子を駆動しその出力を処理して映像信号を出力する信号処理部と、この信号処理部が出力する映像信号に基づいて前記観察部位の画像を表示する表示部と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、観察部位に鏡筒の先端を当接させることによって鏡筒の開口部を観察部位に対して固定し、この状態でレンズの位置を調節するので高倍率の安定した画像が得られる。また、鏡筒の開口部は観察部位によって閉塞され、開口部の外側周辺が照射されるので皮膚表面の散乱光がCCD素子に入ることはない。このため皮膚表面にオイル等を塗って皮膚表面の散乱光を減少させる従来の手法よりも鮮明な画像を得ることができる。また、皮膚表面にオイル等を塗る必要がなくなるため観察のための作業が簡単になる。さらに、緑色または青色の光またはその両方の光を用いたのでより一層鮮明な血管画像が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[実施例1]
図1に本発明の実施例1の血管観察装置の全体構成を示す。この装置は、血管観察用プローブ1と、DC電源2と、CRTモニタ3と、LED電源4とを備えている。図2は血管観察用プローブ1の構成を示す一部断面図である。図2に示すように、血管観察用プローブ1は、先端に開口部5が設けられた鏡筒6を有している。鏡筒6の内部には、図3に示すようにレンズ7がレンズホルダー8によって保持されている。レンズホルダー8は、レンズ7の前面に設けられた絞り9も保持する。さらにレンズホルダー8には側面にねじ棒10の一端のねじ部がねじ込まれており、このねじ棒10の他端には操作つまみ(操作部)11が設けられている。鏡筒6の周壁には、鏡筒6の内部と外部を連通するスリット12が鏡筒6の長手方向に設けられている。ねじ棒10は、スリット12に挿通されている。
【0015】
レンズホルダー8は、弾力性のある部材で形成されており、その外周面は、鏡筒6の内周面に接触している。レンズホルダー8は、操作つまみ11によりスリット12の長手方向の力を受けると移動するが、その操作つまみ11に力が与えられないときは鏡筒6の内周面との摩擦によって、その位置で停止した状態を保つようになっている。操作つまみ11と、ねじ棒10と、スリット12とからレンズ位置調節手段を構成する。
【0016】
図2に示すように、鏡筒6の先端付近から先端面までは外径が徐々に小さくなった形状である。鏡筒6の先端面には開口部5を挟んで1対の穴部50a,50bが穿設されている。穴部50a,50bには緑色の光を発生する発光素子であるLED13a,13bがそれぞれ収容されている。LED13a,13bは鏡筒6の中心線の延長上の1点に向けられている。
【0017】
鏡筒6の基端側にはCCDカメラ14が設けられている。CCDカメラ14は内部にCCD素子(撮像素子)15とカメラ回路部(信号処理部)16を備えている。CCD素子15の受光面は鏡筒6の開口部5からの光をレンズ7を介して受けるように配置されている。
【0018】
カメラ回路部16は、CCD素子15を駆動すると共に、CCD素子15の出力信号を処理して映像信号(例えば輝度信号と色差信号)にして出力する機能を有する。
【0019】
鏡筒6の周壁にはこの鏡筒6の基端側の端面から、先端の穴部50a,50bへ至る1対の細長い孔部が設けられており、それぞれの孔部にリード線17a,17bが挿通されている。なお、リード線17a,17bそれぞれはさらに1対のリード線からなっている。リード線17a,17bの一端はLED13a,13bにそれぞれ接続され、他端側は鏡筒6の外側で1本に纏められてLED点灯ケーブル18とされ、図1に示したようにLED電源4に至るようにされている。
【0020】
カメラ回路部16には、電源供給のためおよび映像信号を出力するためのCCDカメラ用ケーブル19の一端が接続されている。CCDカメラ用ケーブル19の他端側は図1に示したように、電源供給用のリード線と映像信号出力用のリード線に分けられ、それぞれDC電源2と、CRTモニタ3に接続される。
【0021】
次に、このように構成された装置の動作を説明する。まず操作者は、血管観察用プローブ1の鏡筒6を手に持ってその先端を被験者の観察部位の皮膚表面に軽く当接させる。このとき、図7に示すように血管観察用プローブ1の開口部5は皮膚表面70により閉塞され、LED13a,13bの光は、観察部位の開口部5外側周辺に向けて照射され、開口部5内の皮膚表面70には直接当たることはない。このため、皮膚表面70の散乱光がCCD素子に入ることがなくなり、テカリの全く無い鮮明な画像が得られる。
【0022】
そして操作者は、CRTモニタ3の表示部の画面を見ながら血管観察用プローブ1の操作つまみ11を操作してレンズ7を移動させ、毛細血管の鮮明な画像が得られるようにレンズ7の位置を調節する。このとき操作者は、プローブの先端を皮膚表面70に当接させて調節を行うので、安定した調節ができ、鮮明な画像がCRTモニタ3の表示部の画面に得られる。また、ここで用いる光は、緑色の光であるので、血管の赤色に対して補色関係にあり、これによっても鮮明な血管画像が得られる。
【0023】
また、こうして得られた画像データは、記憶手段(図示せず)に記憶したり、印刷手段(図示せず)によって印刷するようにすれば、より詳細に検討する場合に有益である。LED13a,13bは緑色の光を発生するLEDとしたが、これらを青色の光を発生するLEDとしても良い。また、これらのLEDのうち、いずれか一方を緑色の光を発生するLEDとし、他方を青色の光を発生するLEDとし、両者の光を同時に発生させて観測を行っても良いし、片方づつ光を発生させて観測しても良い。このようにしても、赤色光や白色光を用いた場合と比べ、はるかに鮮明な画像が得られる。
【0024】
なお、レンズ位置調節手段は、図4に示す構成としても良い。ここで、レンズ7がレンズホルダー8によって保持され、さらにレンズ7の前面に設けられた絞り9も上記の構成と同じであるが、鏡筒6の周壁外面にはスリットの代わりに溝21が設けられている。そしてこの溝21を介して磁石22a,22bが対向する位置に配置されている。一方の磁石22aはレンズホルダー8の周面に埋め込まれており、他方の磁石22bは操作つまみ23に埋め込まれ溝21の中を摺動するように配置されている。
【0025】
この場合、レンズホルダー8の素材の弾力性による摩擦力は、実施例1ほど強くなくても良いし、または無くとも良い。なぜなら、2つの磁石22a,22bの引き合う力によって磁石22aと鏡筒6の内周面との間に摩擦力が生じ、これによってレンズホルダー8は鏡筒6内に停止した状態を保つことができるからである。
【0026】
このように構成されたレンズ位置調節手段によれば、操作つまみ23が操作されることによって磁石22bが移動すると、それに追随して磁石22aが移動し、このためレンズホルダー8に保持されたレンズ7も移動して、そのレンズ7の位置が調節される。
【0027】
このレンズ位置調節手段によれば、鏡筒6にスリット設ける必要がないので鏡筒6内に埃や外乱光が侵入することが少なくなる。
【0028】
本実施例では、鏡筒6の先端に2個の発光素子(LED)を設けたが、発光素子は2個に限らず、3個、4個・・・と多く設ける程明るくなり、これらを開口部5の周囲に均等に配置すれば光のムラがなくなり、焦点深度の大きい明るい画像が得られる。この場合において、これらの発光素子はすべて緑色の光を発生する発光素子(LED)であっても、すべて青色の光を発生する発光素子(LED)であっても良い。また、これらの発光素子のうち一部が緑色の発光素子(LED)であり、他が青色の発光素子(LED)であっても良い。
【0029】
[実施例2]
図5に本発明の実施例2の血管観察装置の全体構成を示す。実施例1の装置と異なるのは、実施例1の血管観察用プローブは、先端にLEDを備えていて、これによって光を照射したのであるが、この実施例2の装置では、血管観察用プローブ31の外に光源32を備え、図6に示すように、その光をライトガイド33a,33bによって血管観察用プローブ31の先端に導き、そこから光を照射する点である。
【0030】
この装置は、図5に示すように血管観察用プローブ31と、DC電源2と、CRTモニタ3と、光源32とを備えている。図6に示すように、血管観察用プローブ31は、先端に開口部5が設けられた鏡筒6を有し、鏡筒6の内部には、レンズ7が設けられており、図3に示したレンズ位置調節手段を備えている。すなわち、レンズ7と絞り9がレンズホルダー8によって保持され、レンズホルダー8は、操作つまみ11の操作によって移動するようになっている。
【0031】
鏡筒6の基端側にはCCDカメラ14が設けられていることおよびCCDカメラ14の内部構成も実施例1と同じである。
【0032】
鏡筒6の先端付近から先端にかけて外径が徐々に小さくなっている形状は実施例1と同じであるが、鏡筒6の周壁には、鏡筒6の先端面の2か所から基端側の周面に至る2本の細長い貫通孔が設けられている。2本の貫通孔それぞれの鏡筒6の先端側の出口は、開口部5を挟む2箇所にあって、それぞれ鏡筒6の中心線の延長上の1点に向けられている。
【0033】
この貫通孔それぞれには、光ファイバーで構成されるライトガイド33a,33bが挿通されている。なお、ライトガイド33a,33bの一端は、それぞれ鏡筒6の先端側の前記貫通孔の出口近傍まで配置され、他端側は鏡筒6の基端側の周面から外部に至り、1本に纏められて図5に示すようにライトガイドケーブル34とされ、さらに光源32に至るようにされている。
【0034】
光源32は緑色の光を発生する2つのLEDを備え、それぞれのLEDの光がライトガイド33a,33bのそれぞれの他端を照射するようになっている。
【0035】
カメラ回路部16には、電源供給のためおよび映像信号を出力するためのCCDカメラ用ケーブル19の一端が接続されており、CCDカメラ用ケーブル19の他端側は電源供給のリード線と映像信号出力のためのリード線に分けられ、それぞれDC電源2と、CRTモニタ3に接続される。
【0036】
次に、このように構成された装置の動作を説明する。まず操作者は、血管観察用プローブ31の鏡筒6を手に持ってその先端を被験者の観察部位の皮膚表面に軽く当接させる。このとき、図8に示すように血管観察用プローブ31の開口部5は皮膚表面70により閉塞され、ライトガイド33a,33bのそれぞれの一端からの光は、観察部位の開口部5外側周辺に向けて照射され、開口部5内の皮膚表面70には直接当たることはない。このため、皮膚表面70の散乱光がCCD素子に入ることがなくなり、テカリの全く無い鮮明な画像が得られる。
【0037】
そして操作者は、CRTモニタ3の表示部の画面を見ながら血管観察用プローブ31の操作つまみ11を操作してレンズ7を移動させ、毛細血管の鮮明な画像が得られるようにレンズ7の位置を調節する。これによっても、実施例1と同様に安定した鮮明な毛細血管の画像をCRTモニタ3で見ることができる。
【0038】
また、こうして得られた画像データは、記憶手段(図示せず)に記憶したり、印刷手段(図示せず)によって印刷するようにすれば、より詳細に検討する場合に有益である。
【0039】
この実施例2の装置においても、レンズ位置調節手段を図4に示した構成としても良い。
【0040】
また、光源32は緑色の光を発生する2個のLEDとしたが、いずれも青色の光を発生するLEDとしても良い。また、これらLEDのうち、いずれか一方を緑色の光を発生するLEDとし、他方を青色の光を発生するLEDとして、両者の光を同時に発生させて観察を行っても良いし、片方づつ光を発生させて観察を行っても良い。このようにしても、赤色光や白色光を用いた場合と比べ、はるかに鮮明な画像が得られる。
【0041】
本実施例では、鏡筒6に2本のライトガイドを設け、2つの光源の光が鏡筒6の先端にそれぞれ至るようにしたが、光源は2個に限らず、3個、4個・・・と多く設け、これに対応する数のライトガイドを設けるならば、これらを多く設ける程明るくなり、これらを開口部5の周囲に均等に配置すれば光のムラがなくなり、焦点深度の大きい明るい画像が得られる。この場合において、それぞれの光源はすべて緑色の光を発生する光源(LED)であっても、すべて青色の光を発生する光源(LED)であっても良い。また、これらの光源のうち一部が緑色の光源であり、他が青色の光源であっても良い。
【0042】
また、以上の2つの実施例では毛細血管の観察であるが、細動脈や細静脈の一部やその血管内の血球の動きを観察することも可能である。また、被験者の皮膚表層を観察したが、例えば手術中においては臓器表層についても観察することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】血管観察プローブを有する血管観察装置の全体構成を示した図である(実施例1)。
【図2】血管観察プローブの内部を詳細に示す図である(実施例1)。
【図3】血管観察プローブのレンズ位置調節手段の一例を示す図である(実施例1)。
【図4】血管観察プローブのレンズ位置調節手段の他の例を示す図である。
【図5】血管観察プローブを有する血管観察装置の全体構成を示した図である(実施例2)。
【図6】血管観察プローブの内部を詳細に示す図である(実施例2)。
【図7】血管観察プローブの使用状態を示す図(実施例1)。
【図8】血管観察プローブの使用状態を示す図(実施例2)。
【符号の説明】
【0044】
1 血管観察用プローブ
2 DC電源
3 CRTモニタ
4 LED電源
5 開口部
6 鏡筒
7 レンズ
8 レンズホルダー
11 操作つまみ
12 スリット
13a,13b LED
14 CCDカメラ
15 CCD素子
21 溝
22a,22b 磁石
23 操作つまみ
31 血管観察用プローブ
32 光源
33a,33b ライトガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に開口部を有する鏡筒と、
レンズと、
このレンズを前記鏡筒の内部で保持するレンズホルダーと、
前記鏡筒の外周面に操作部を有し、この操作部が操作されることにより前記レンズホルダーを移動させて前記レンズの位置を調節するレンズ位置調節手段と、
前記鏡筒の基端側に設けられ前記開口部からの光を前記レンズを介して受ける撮像素子と、
前記鏡筒に取り付けられ、前記鏡筒の前記先端が観察部位に当接されて前記開口部がその観察部位により閉塞された状態において前記観察部位の前記開口部外側周辺に向けて、緑色の光を照射する緑色発光素子および青色の光を照射する青色発光素子のいずれか一方または両方と、
を具備する血管観察用プローブ。
【請求項2】
先端に開口部を有する鏡筒と、
レンズと、
このレンズを前記鏡筒の内部で保持するレンズホルダーと、
前記鏡筒の外周面に操作部を有し、この操作部が操作されることにより前記レンズホルダーを移動させて前記レンズの位置を調節するレンズ位置調節手段と、
前記鏡筒の基端側に設けられ前記開口部からの光を前記レンズを介して受ける撮像素子と、
前記鏡筒に取り付けられ、前記鏡筒の前記先端が観察部位に当接されて前記開口部がその観察部位により閉塞された状態において前記観察部位の前記開口部外側周辺に向けて、緑色の光を照射する緑色発光素子および青色の光を照射する青色発光素子のいずれか一方または両方と、
前記撮像素子を駆動しその出力を処理して映像信号を出力する信号処理部と、
この信号処理部が出力する映像信号に基づいて前記観察部位の画像を表示する表示部と、
を具備する血管観察装置。
【請求項3】
先端に開口部を有する鏡筒と、
レンズと、
このレンズを前記鏡筒の内部で保持するレンズホルダーと、
前記鏡筒の外周面に操作部を有し、この操作部が操作されることにより前記レンズホルダーを移動させて前記レンズの位置を調節するレンズ位置調節手段と、
前記鏡筒の基端側に設けられ前記開口部からの光を前記レンズを介して受ける撮像素子と、
前記鏡筒に一端側を取り付けられ前記鏡筒の先端に光を導くライトガイドと、このライトガイドの他端側に設けられ緑色の光および青色の光のいずれか一方または両方の光を発生する光源とを備え、前記鏡筒の前記先端が観察部位に当接されて前記開口部がその観察部位により閉塞された状態においてその観察部位の前記開口部外側周辺に向けて前記ライトガイドにより導かれた光を照射する光照射手段と、
前記撮像素子を駆動しその出力を処理して映像信号を出力する信号処理部と、
この信号処理部が出力する映像信号に基づいて前記観察部位の画像を表示する表示部と、
を具備する血管観察装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−271843(P2006−271843A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−98669(P2005−98669)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(598142597)
【Fターム(参考)】