説明

衛星測位システム測定情報を選択的に確認するための方法および装置

位置推定フィルタ/速度推定フィルタ/時間推定フィルタの中で使用するための疑わしい測定を識別して、位置推定フィルタ/速度推定フィルタ/時間推定フィルタによって後で考慮されるとき、何らかの形で機能するように再重み付け可能であるか、または何らかの形で機能するように片側隔離可能な対応する確認された測定を提供するために、様々な電子デバイス内で実施可能な方法および装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される主題は、電子デバイスに関し、より詳細には、位置推定、速度推定、および/もしくは時間推定を提供できるか、または、そうでない場合、これらの推定をサポートできるデバイス内で、かつ/あるいは当該デバイスと共に使用するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムは、デジタル情報の舞台において急速に最も一般的な技術のうちの1つになっている。衛星電話サービスおよびセルラ電話サービス、ならびにその他の類似の無線通信ネットワークは、既に全地球に及んでいる可能性がある。加えて、固定と携帯の両方の多数のデバイス間の接続性を提供するために、様々なタイプおよび様々なサイズの新しい無線システム(例えば、ネットワーク)が毎日追加されている。これらの無線システムの多くは、さらに多くの通信および情報の共有を促すために、他の通信システムと他のリソースとを介して一緒に結合されている。
【0003】
もう1つの一般的で益々重要な無線技術は、航法システムと、詳細には、例えば、全地球測位システム(GPS)およびその他の類似の全地球航法衛星システム(GNSS)など、衛星測位システム(SPS)とを含む。SPS可能にされたデバイスは、例えば、GNSSおよび/またはその他の地上ベースの送信デバイスの軌道衛星によって送信された無線SPS信号を受信することが可能である。これらの受信されたSPS信号は、例えば、SPS可能にされたデバイスの地球時間、範囲もしくは疑似距離、近似地理的位置もしくは正確な地理的位置、高度、および/または速度を決定するために処理可能である。その結果として、SPS可能にされたデバイスを使用して、様々な位置推定プロセスおよび/または速度推定プロセスを少なくとも一部サポートすることが可能である。
【0004】
SPS信号が物体によって反射されて、複数の経路を介して受信機に到着している結果として、「アーバンキャニオン」など、ある種の環境におけるSPS位置追跡は困難になる場合がある。そのようなマルチパス信号およびその他の類似の信号は、送信機から見通し線(LOS)経路に沿って移動する信号と干渉する場合があり、これは位置測定誤差/速度測定誤差/時間測定誤差をもたらす可能性がある。例えば、最小二乗測位、カルマンフィルタ(KF)、および/または位置推定プロセス/速度推定プロセス/時間推定プロセスに関連するその他の類似の測位プロセスにおいて提示されるとき、そのような誤差は、かなりの位置誤差/速度誤差/時間誤差をもたらす可能性がある。例として、一部の疑似距離(PR)測定誤差および/または疑似距離レート(PRR)測定誤差は、数十メートルから数百メートル程度の推定位置誤差をもたらす可能性がある。したがって、そのような誤差を時折低減または除去することは有益でありうる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの態様によれば、1つまたは複数のしきい値に少なくとも一部基づいて、位置推定フィルタ/速度推定フィルタ/時間推定フィルタ(例えば、カルマンフィルタなど)の中で使用するための初期測定が「疑わしい」可能性があるかどうかを決定するために、1つもしくは複数の電子デバイスを用いて、または1つもしくは複数の電子デバイス内で実施可能な様々な方法が提供される。例えば、初期測定が1つまたは複数のしきい値を満たすことができない測定イノベーション(measurement innovation)を有する場合、その初期測定は疑わしいと見なすことができる。初期測定が疑わしいことが決定された場合、例えば、疑わしい測定を何らかの形で機能するように再重み付けすること、または疑わしい測定を機能するように片側(one-sided)隔離することによって、確認された測定を選択的に確立することが可能である。
【0006】
例として、いくつかの実装形態では、初期測定は、衛星測位システム(SPS)、宇宙船(SV)、全地球航法衛星システム(GNSS)、地上ベースの送信機(GBT)、1つもしくは複数の位置関連センサ/速度関連センサ/時間関連センサなどのうちの少なくとも1つからの少なくとも第1の信号に関連しうる(この場合、位相位置関連センサ/位相速度関連センサ/位相時間関連センサは、位置、速度、および/または時間を感知するための1つもしくは複数のセンサを指す)。いくつかの実装形態では、例えば、初期測定は、そのような第1の信号の信号強度、そのような第1の信号のタイプ、そのような第1の信号のソースなどと関連付けられてよい。いくつかの実装形態では、初期測定は、例えば、そのような第1の信号に少なくとも一部基づいて決定されうる疑似距離(PR)測定または疑似距離レート(PRR)測定と関連付けられてよい。
【0007】
初期測定が疑わしい可能性があるかどうかを決定するために、例えば、(位置、速度、および/または時間をフィルタリングするための)位置推定フィルタ/速度推定フィルタ/時間推定フィルタを使用して、第1の信号に関して予測される測定を決定し、次いで、そのような予測される測定と初期測定とに少なくとも一部基づいて、測定イノベーションを決定することが可能である。次いで、そのような測定イノベーションに少なくとも一部基づいて、その初期測定が疑わしいかどうかを決定することが可能である。いくつかの例示的な実装形態では、測定イノベーションは、位置推定フィルタ/速度推定フィルタ/時間推定フィルタの時間更新された状態および/または位置推定フィルタ/速度推定フィルタ/時間推定ファイルの少なくとも1つの試行状態に少なくとも一部基づいて決定することが可能である。
【0008】
いくつかの例示的な実装形態では、確認された測定は、初期測定を機能するように再重み付けする結果として、機能するように重み付け解除された測定または機能するように片側重み付け解除された測定を含むことが可能である。この場合、例えば、位置推定フィルタ/速度推定フィルタ/時間推定フィルタは、測定セット内の複数の測定に少なくとも一部基づいて、推定される位置/速度/時間を決定する際に使用可能であり、それらの複数の測定は、そのような確認された測定を含む。
【0009】
いくつかの例示的な実装形態では、確認された測定は、初期測定を機能するように片側隔離する結果として、機能するように片側隔離された測定を含むことが可能である。この場合、例えば、位置推定フィルタ/速度推定フィルタ/時間推定フィルタは、測定セット内の複数の測定に少なくとも一部基づいて、推定される位置/速度/時間を決定する際に使用可能であるが、複数の測定は、そのような片側隔離された測定を含まない。
【0010】
いくつかの例示的な実装形態では、少なくとも1つの他の初期測定が疑わしいことが決定された場合、(例えば、最小数の測定が利用可能な状態で残っていることを条件に)そのような他の初期測定を機能するように隔離することが可能である。
【0011】
いくつかの態様によれば、例えば、少なくとも1つのしきい値に少なくとも一部基づいて、位置/速度/時間を推定するための手段において使用するための初期測定が疑わしいかどうかを決定するための手段と、初期測定が疑わしいことが決定された場合、(1)初期測定に機能するように再重み付けすること、および/または(2)初期測定を機能するように片側隔離することのいずれかによって、確認された測定を選択的に確立するための手段とを備える装置を提供することが可能である。
【0012】
いくつかの態様によれば、例えば、複数の位置関連信号/速度関連信号/時間関連信号に関連する測定セットを記憶できるメモリと、少なくとも1つのしきい値に少なくとも一部基づいて、初期測定が疑わしいかどかを決定し、初期測定が疑わしいことが決定された場合、(1)初期測定を機能するように再重み付けすること、および/または(2)初期測定を機能するように片側隔離することのいずれかによって、確認された測定を選択的に確立して、測定セット内に記憶して、位置推定フィルタ/速度推定フィルタ/時間推定フィルタの中で後で使用する目的で、確認された測定をメモリに提供するために、メモリに結合された少なくとも1つの処理ユニットとを備えた装置を提供することが可能である。
【0013】
いくつかの態様によれば、例えば、電子デバイス内で1つまたは複数の処理ユニットによって実施された場合、その電子デバイスが、少なくとも1つのしきい値に少なくとも一部基づいて、位置推定フィルタ/速度推定フィルタ/時間推定フィルタの中で使用するための初期測定が疑わしいかどうかを決定し、初期測定が疑わしいことが決定された場合、(1)初期測定に機能するように再重み付けすること、および/または(2)初期測定を機能するように片側隔離することのいずれかによって、確認された測定を選択的に確立することを可能にするコンピュータ実施可能命令を記憶したコンピュータ可読媒体を備えた製品を提供することが可能である。
【0014】
非限定的な態様および非網羅的な態様が、以下の図面を参照して説明され、別段の指定がない限り、様々な図面を通して、類似の参照番号は類似の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】一実装形態による、1つもしくは複数の送信および受信SPS信号に少なくとも一部基づいて、1つもしくは複数の位置推定プロセス、速度推定プロセス、および/または時間推定プロセスを少なくとも一部サポートできる少なくとも1つのデバイスを含む、ある例示的なシグナリング環境を示す概略ブロック図である。
【図2】一実装形態による、位置推定プロセス/速度推定プロセス/時間推定プロセスの中に測定確認プロセスを提供できる、かつ/または、そうでない場合、位置推定プロセス/速度推定プロセス/時間推定プロセスをサポートできる、例えば、図1におけるような、ある例示的なデバイスのいくつかの特徴を例示する概略図である。
【図3】一実装形態による、測定セット内の1つもしくは複数の確認された測定を表す1つもしくは複数の電子信号を生成および記憶できる、例えば、図2におけるようなデバイス内で全部または一部実施可能なある例示的なプロセスのいくつかの特徴を例示する機能ブロック図である。
【図4】一実装形態による、測定セット内の複数の測定に少なくとも一部基づいて、推定される位置/速度/時間の少なくとも一部を表す1つもしくは複数の電子信号を生成および記憶するための、例えば、図2内におけるようなデバイス内で全部または一部実施可能なある例示的なプロセスを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
位置推定フィルタ/速度推定フィルタ/時間推定フィルタの中で使用するための疑わしい測定を識別して、位置推定フィルタ/速度推定フィルタ/時間推定フィルタによって後で考慮されるとき、何らかの形で機能するように再重み付け可能であるか、または何らかの形で機能するように片側隔離可能な対応する確認された測定を提供するために、様々な電子デバイス内で実施可能な方法および装置が提供される。
【0017】
位置、速度、および/または時間(「位置/速度/時間」)の推定能力に関連する1つもしくは複数の測定を「確認する」ために1つもしくは複数のデバイス内で実施可能ないくつかの例示的な方法、および装置が本明細書で説明される。いくつかの例示的な実装形態では、確認プロセスは、疑わしい測定を識別して、選択的に(機能するように)片側隔離するか、または、何らかの形で、疑わしい測定を修正することが可能である。測定セット内のそのような確認された測定を用いて、結果として生じる推定される位置/速度/時間は、より正確および/またはより信頼性の高いものになりうる。
【0018】
限定ではなく、例として、SPS信号に関連する測定は、マルチパス伝搬および/またはその他の類似の干渉信号による影響をかなり受けている場合がある。場合によっては、例えば、確認プロセスは、そのような疑わしい測定を識別して、後続の位置/速度/時間を推定する間に、その疑わしい測定が使用されない、何らかの形で測定を隔離することを可能にされうる。場合によっては、例えば、確認プロセスは、そのような疑わしい測定を識別して、疑わしい測定が後で位置/速度/時間を推定する際に使用され、位置推定/速度推定/時間推定に対するその影響が軽減されるように、何らかの形でその測定を修正することを可能にされうる。この場合、例えば、疑わしい測定は、選択的に(機能するように)再重み付け可能であり、または、そうでない場合、測定セット内で修正されて、位置/速度/時間を推定するために使用されうるその測定セット内の複数の測定内に含まれることが可能である。
【0019】
これにより、本説明のいくつかの態様によれば、いくつかのSPS信号関連測定誤差が航法もしくはその他の類似のプロセスにもたらしうる影響を低減および/または除去するための様々な様式で実施可能ないくつかの方法および装置が提示される。本明細書で説明される場合、疑わしいSPS信号関連測定を識別して、そのような識別された疑わしい測定を選択的に「片側隔離する」か、または、場合によっては、そのような識別された疑わしい測定に関連する重みを変更することが可能な技法を用いる、いくつかの例示的な実装形態が提示される。
【0020】
限定ではなく、さらなる例として、本明細書で説明される場合、どのSPS信号関連測定が誤差である可能性が最も高いか、およびどれが再重み付けされるべきか、または推定される位置/速度/時間の解決計算における使用から片側隔離されるべきかを識別するために使用可能ないくつかの例示的な実装形態が提示される。
【0021】
いくつかの例示的な実装形態では、新しい推定される位置/速度/時間の解決計算が実行される前に、SPS信号関連測定情報を含む測定セットのすべてまたは一部を解析することが可能である。例えば、過剰な測定情報、または、場合によっては、冗長な測定情報が存在するかどうかを決定し、存在する場合、何らかの理由で、疑わしいとして、いくつかの測定情報が(機能するように)隔離されているかどうかを決定するための確認プロセスの一環として、SPS信号関連測定情報を含む測定セットのすべてまたは一部を解析することが可能である。例えば、その確認プロセスが、様々な理由で、あまりにも信頼できないと決定された場合、ある過剰な測定情報、または、場合によっては、冗長な測定情報が隔離されうることを決定できる。この場合、例えば、ある過剰な測定情報、または、場合によっては、冗長な測定情報がしきい値信号強度レベルを満たすことができない(受信された)信号強度を有するSPS信号に関連する場合、当該情報は無視されてよい。
【0022】
いくつかの例示的な実装形態では、ある過剰な測定情報、または、場合によっては、冗長な測定情報がある「宇宙船」(SV)から送信されたSPS信号に関連する場合、当該情報を確認プロセスによって隔離することが可能である。この場合、例えば、例えば、マルチパス干渉に関するより高い可能性などにより、あるタイプの地上ベースのSVがその他のタイプのSVほど望ましくないことを決定できる。
【0023】
いくつかの例示的な実装形態では、測定情報のすべてまたは一部は、確認プロセスの間にその他の測定情報と比較可能であり、かつ/または照合可能である。例として、測定情報は、位置/速度/時間の推定計算をサポートする位置推定フィルタ/速度推定フィルタ/時間推定フィルタと関連する推定される測定情報か、または当該推定フィルタによって確立された推定される測定情報を用いて照合可能である。例えば、測定セット内の複数の測定に少なくとも一部基づいて測定情報を推定するため、および/または位置/速度/時間を推定する目的で使用される状態を確立/維持するために、カルマンフィルタ(KF)またはその他の類似の機能/プロセス/回路を使用することが可能である(例えば、複数の測定は、任意の機能するように隔離された測定を含まないが、1つもしくは複数の機能するように再重み付けされた測定および/または1つもしくは複数の初期測定を含むことが可能である)。これにより、確認プロセスは、例えば、いくつかの推定と矛盾する測定を選択的に重み付け解除するか、または、場合によっては、片側隔離することが可能である。
【0024】
場合によっては、確認プロセスは、ある推定される測定と矛盾する測定を、それでもなお、隔離すべきでないか、または再重み付けするべきでないことを決定できる。例えば、本明細書でより詳細に説明されるように、いくつかの例示的な実装形態では、確認プロセスは、より一般的な両側(two-sided)誤差分布仮定、多くの場合、ガウス誤差分布仮定よりも、実際に観察される誤差分布により良好に整合しうる(例えば、正の残差と負の残差とに関して異なるしきい値を用いる片側重み付け解除の形で)片側隔離を用いることが可能である。例えば、片側重み付け解除は、より一般的でない負の(短い)PR残差に関連する測定情報がより一般的な正の(長い)PR残差に関連する測定情報ほど重み付け解除されないように実施可能である。
【0025】
いくつかの例示的な実装形態では、本明細書でより詳細に説明されるように、確認プロセスは、初期測定情報、および時間更新されたKFまたはその他の類似の状態情報を同時に使用する、ある照合プロセスおよび/またはその他の類似の決定プロセスを用いることが可能である。例えば、そのような照合プロセスおよび/またはその他の類似の決定プロセスは、更新されたKFまたはその他の類似の状態からある測定情報を選択的に追加または除去することによって反復的に実行可能である。限定ではなく、例として、その他の例示的な実装形態も本明細書でより詳細に説明される。
【0026】
いくつかの例示的な実装形態では、確認プロセスは、例えば、PR残差、PRR残差などに関連するイノベーションなど、測定イノベーションを比較できる、ある照合プロセスおよび/またはその他の類似の決定プロセスを用いることが可能である。いくつかの例示的な実装形態では、ある測定情報は、SPS信号の受信されたドップラー速度部分および/または搬送波位相部分と関連付けることが可能である。例えば、PRR測定情報は、SPS信号のドップラー速度および/または搬送波位相から導出可能である。そのような測定情報は、例えば、積極的な(低い)誤差推定セットと一致するかどうかを決定するための確認プロセスの一環として解析可能であり、一致しない場合、または照合プロセスおよび/もしくはその他の類似の決定プロセスに関して十分な情報が利用可能でない場合、代わりに、より慎重な(高い)誤差推定を使用し、結果として、測定セットをもたらすことが可能である。
【0027】
やはり後続の項においてより詳細に説明されるように、本明細書で使用される場合、SPSは、位置推定プロセス/速度推定プロセス/時間推定プロセスを何らかの形で提供および/または、そうでない場合、サポートできる様々な類似のタイプもしくは異なるタイプのシステム、デバイス、プロセスなどを含むことが可能である。限定ではなく、例として、いくつかの例示的な実装形態では、SPSは、複数のSVを有する全地球測位システム(GPS)など、1つもしくは複数の全地球航法衛星システム(GNSS)、および/あるいは、例えば、移動局(MS)測位の分野において知られているAFLT技法に関して使用されうる信号を送信する、セルラ基地局など、1つもしくは複数の地上ベースの送信機、ネットワーク、またはデバイスを含むことが可能である。
【0028】
本明細書で使用される場合、位置推定プロセス/速度推定プロセス/時間推定プロセスは、あるデバイス内のSPS受信機および/またはそのデバイスに結合されるが外部にあるSPS受信機によって獲得された少なくとも1つのSPS信号に関連するSPS関連情報に何らかの形で少なくとも一部基づくデバイスが関与しうる任意のプロセスを含むことが可能である。いくつかの例示的な実装形態では、位置推定プロセス/速度推定プロセス/時間推定プロセスは、局所的に維持された測定情報に基づいて、デバイスによって提供される位置付け機能/航法機能を含むことが可能である。あるその他の例示的な実装形態では、位置推定プロセス/速度推定プロセス/時間推定プロセスは、ホストデバイスと1つまたは複数のその他のデバイスとの間で通信されるSPS関連情報に少なくとも一部基づいて、そのホストデバイスからの支援を得て、1つまたは複数のその他のデバイスによって一部提供される位置付け機能/航法機能を含むことが可能である。
【0029】
次に、ある例示的な実装形態による、1つまたは複数の送受信SPS信号に少なくとも一部基づいて、1つまたは複数の位置推定プロセス/速度推定プロセス/時間推定プロセスを少なくとも一部サポートできる少なくとも1つのデバイス102を含む、例示的なシグナリング環境100を示す概略ブロック図である図1を参照する。
【0030】
環境100は、SPS106からの1つまたは複数のSPS信号112に少なくとも一部基づいて、デバイス102に関して、少なくとも何らかの形で位置推定プロセス/速度推定プロセス/時間推定プロセスを提供できる様々なコンピューティングリソースおよび通信リソースを含むことが可能である。デバイス102は、したがって、SPS信号に少なくとも一部基づいて、支援の有無にかかわらず、位置推定プロセス/速度推定プロセス/時間推定プロセスを実行できる電子デバイスを表す。したがって、デバイス102は、SPS受信機104を含むことが可能である。これにより、例えば、デバイス102は、いくつかの実装形態では、独立型の航法回路または航法デバイスの形をとってよい。その他の実装形態では、図1に示される例に示されるように、デバイス102は、デバイス102がその他のプロセスを実行および/またはサポートするのを可能にするその他の回路105などを含むことが可能である。限定ではなく、例として、デバイス102は、基地局114またはその他の類似のアクセスポイントに結合された1つもしくは複数の無線通信リンク/有線通信リンク150を介して、無線通信ネットワーク/有線通信ネットワーク116内の1つもしくは複数のリソースと通信することもできるモバイルまたは携帯用コンピューティングデバイスあるいは携帯用コンピューティング機械の形をとってよい。したがって、例えば、デバイス102は、セルラ電話、スマートフォン、携帯情報端末、携帯用コンピューティングデバイス、航法ユニット、および/または類似のものもしくはそれらの任意の組合せなどの移動局を含むことが可能である。その他の例示的な実装形態では、デバイス102は、別のデバイス内で使用することが機能するように可能にされうる1つまたは複数の集積回路、回路基板などの形をとってよい。
【0031】
デバイス102は、例えば、無線広域ネットワーク(WWAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)など、様々な無線通信ネットワークと共に使用することを可能にされうる。「ネットワーク」および「システム」という用語は、本明細書において、交換可能に使用できる。WWANは、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直行周波数分割多元接続(OFDMA)ネットワーク、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)ネットワークなどであってよい。CDMAネットワークは、ほんのいくつかの無線技術を挙げると、cdma2000、広帯域CDMA(W-CDMA)、時分割同期符号分割多元接続(TD-SCDMA)など、1つまたは複数の無線アクセス技術(RAT)を実施することが可能である。この場合、cdma2000は、IS-95標準、IS-2000標準、およびIS-856標準に従って実施される技術を含むことが可能である。TDMAネットワークは、移動体通信用グローバルシステム(GSM(登録商標))、デジタルアドバンスドモバイルフォンシステム(Digital Advanced Mobile Phone System)(D-AMPS)、またはいくつかのその他のRATを実施することが可能である。GSM(登録商標)およびW-CDMAは、「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)と名付けられた協会からの文書において説明されている。cdma2000は、「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)と名付けられた協会からの文書において説明されている。3GPP文書および3GPP2文書は公に利用可能である。WLANは、IEEE 802.11xネットワークを含むことが可能であり、WPANは、例えば、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、IEEE802.15xを含むことが可能である。
【0032】
図1の例に示されるように、SPS106は、例えば、そのそれぞれが、異なるSPS信号112を送信できる異なる複数のSV110を含みうる1つまたは複数のGNSS108を含むことが可能である。例示されるように、SPS106は、例えば、あるSPS信号112を送信できる、1つもしくは複数の疑似衛星111および/またはその他の類似の送信デバイスを含むことが可能である。
【0033】
本明細書で説明される技法は、いくつかのGNSSのうちの任意の1つおよび/またはGNSSの組合せを含む「SPS」と共に使用可能である。さらに、そのような技法は、地上ベースの送信機(GBT)、またはSVとGBTの組合せを利用する測位システムと共に使用可能である。GBT111は、例えば、測定の例として、PR測定もしくはPRR測定、および/または信号強度に変換されうるタイミング情報を識別するなど、何らかの形で信号を測定できる、上で説明された無線ネットワーク送信機(802.11b、WWAN/セルラUMTS/cdma2000/など、TV塔、疑似衛星など)の多くを含むことが可能である。そのような送信機は、遠隔受信機による識別を可能にするために、局所的に独自に識別可能な信号であってよい。GBTは、例えば、トンネル、炭鉱、建物、アーバンキャニオン、またはその他の閉鎖領域の中など、軌道SVからのSPS信号が利用可能でない状況において、SPSを増強するために有益でありうる。GBTの別の実装形態は、無線ビーコンとして知られている。本明細書で使用される場合、「SV」という用語は、GBT、GBTの均等物、および、場合によっては、その他を含むことが意図される。「SPS信号」および/または「SV信号」という用語は、本明細書で使用される場合、GBTまたはGBTの均等物からの信号を含むことが意図される。
【0034】
この点を考慮して、いくつかの態様によれば、1つもしくは複数の送受信SPS信号に少なくとも一部基づいて、1つもしくは複数の位置推定プロセス/速度推定プロセス/時間推定プロセスを少なくとも一部サポートするために、電子デバイス102など、1つもしくは複数のデバイス内で全部または一部実施可能ないくつかの例示的な方法および装置が次に説明される。例として、1つまたは複数のデバイス102は、位置推定プロセス/速度推定プロセス/時間推定プロセスの一環として測定確認プロセスを提供でき、かつ/または、そうでな場合、位置推定プロセス/速度推定プロセス/時間推定プロセスをサポートできる専用および/または特別目的のプログラム化された回路を含むことが可能である。
【0035】
図2の例示的な概略ブロック図に示されるように、いくつかの例示的な実装形態では、デバイス102は、少なくとも1つのSPS信号112を含むRF信号を受信できるSPS受信機104を含むことが可能である。SPS受信機104は、例えば、バックエンド処理ユニット210に結合されたRFフロントエンド回路208を含むことが可能である。RFフロントエンド回路208は、例えば、受信された1つまたは複数のSPS信号を表す1つまたは複数の電子信号を提供することが可能である。いくつかの実装形態では、バックエンド処理ユニット210は、測定セット242の1つまたは複数の測定を確立するために、RFフロントエンド回路208から1つまたは複数の電子信号を使用することが可能である。この例に示されるように、バックエンド処理ユニット210は、位置推定/速度推定/時間推定もしくはその他の類似のフィルタ212を含むことが可能であるか、またはそうでない場合、位置推定/速度推定/時間推定もしくはその他の類似のフィルタ212を、全部または一部、機能するように実施することが可能である。例として、フィルタ212は、測定セット242内の測定の少なくとも一部に少なくとも一部基づいて、位置推定プロセス/速度推定プロセス/時間推定プロセスをサポートできるカルマンフィルタなどを含むことが可能である。いくつかのその他の例示的な実装形態では、フィルタ212のすべてまたは一部は、デバイス102内のその他の回路内で実施可能である。
【0036】
いくつかの例示的な実装形態では、SPS受信機104は、ここで、メモリ204内に記憶されるとして示される測定セット242の1つまたは複数の測定を表す1つまたは複数の電子信号を提供することが可能である。いくつかの例示的な実装形態では、1つまたは複数の処理ユニット202は、SPS受信機104に結合可能であり、測定セット242の1つまたは複数の測定を表す1つまたは複数の電子信号を提供することが可能である。いくつかの例示的な実装形態では、1つまたは複数の位置関連センサ260は、処理ユニット202および/またはメモリ204に結合可能であり、測定セット242の1つまたは複数の測定を表す1つまたは複数の電子信号を提供することが可能である。限定ではなく、例として、位置関連センサ260は、位置/速度/時間を推定する際に有益な1つもしくは複数の測定を提供できる加速度計、ジャイロスコープ、コンパスまたはその他の類似の磁気計、気圧計またはその他の類似の高度計などのうちの1つもしくは複数、あるいはそれらの組合せを含むことが可能である。
【0037】
いくつかの例示的な実装形態では、SPS受信機104および/または処理ユニット202は、(例えば、1つもしくは複数の接続206を経由して)メモリ204と測定セット242のすべてまたは一部を表す1つまたは複数の電子信号を交換することを可能にされうる。
【0038】
いくつかの例示的な実装形態では、デバイス102内に示される1つまたは複数の例示的な回路は、メモリ204内に記憶されうるコンピュータ実施可能命令208に機能するように応答できるか、または、そうでない場合、何らかの形で、コンピュータ実施可能命令208に影響を与えることができる。したがって、例えば、コンピュータ実施可能命令208の少なくとも一部は、バリデータ(Validator)250によって表される確認プロセスを提供するため、または当該確認プロセスを何らかの形で機能するようにサポートするために、処理ユニット202、バックエンド処理ユニット210、フィルタ212、センサ260、ネットワークインターフェース230などによって実施可能である。限定ではなく、例として、図2に例示されるように、バリデータ250は、処理ユニット202、および/またはバックエンド処理ユニット210によって全部または一部提供可能である。いくつかの実装形態では、処理ユニット202およびバックエンド処理ユニット210のうちの1つまたは複数は、同じ共通回路または何らかの共通回路を備えることが可能であることを理解されたい。
【0039】
図2に例示されるように、コンピュータ可読媒体220によってここで表される製品は、例えば、処理ユニット202によって提供およびアクセス可能である。したがって、いくつかの例示的な実装形態では、これらの方法および/または装置は、少なくとも1つの処理ユニットまたはその他の類似の回路によって実行された場合、処理ユニット202および/またはその他の類似の回路が、本明細書の例において提示されるバリデータ250および/あるいはサポート技法/サポートプロセスのすべてまたは一部を実行することを可能にすることが可能にされる、コンピュータ可読媒体220内に記憶されたコンピュータ実施可能命令208を含みうるコンピュータ可読媒体220の全部もしくは一部の形をとってよい。
【0040】
処理ユニット202は、ハードウェアの形で、またはハードウェアとソフトウェアの組合せの形で実施可能である。処理ユニット202は、データコンピューティング手順またはデータコンピューティングプロセスの少なくとも一部を実行するように構成可能な1つもしくは複数の回路を表すことができる。限定ではなく、例として、処理ユニット202は、1つもしくは複数のプロセッサ、コントローラ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路、デジタル信号プロセッサ、プログラマブル論理デバイス、フィールドプログラマブルゲートアレイなど、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。
【0041】
メモリ204は、任意のデータ記憶機構を表しうる。メモリ204は、例えば、一次メモリおよび/または二次メモリを含むことが可能である。一次メモリは、例えば、ランダムアクセスメモリ、読出し専用メモリなどを含むことが可能である。この例では、処理ユニット202とは別個であるとして示されるが、一次メモリのすべてまたは一部は、処理ユニット202、SPS受信機104、バックエンド処理ユニット210などの中に提供可能であるか、またはそうでない場合、それらと共同設置可能である/それらに結合可能である点を理解されたい。二次メモリは、例えば、一次メモリと同じタイプもしくは類似のタイプのメモリ、および/あるいは、例えば、ディスクドライブ、光ディスクドライブ、テープドライブ、固体メモリドライブなど、1つもしくは複数のデータ記憶デイバスまたはデータ記憶システムを含むことが可能である。いくつかの実装形態では、二次メモリは、コンピュータ可読媒体220を機能するように受入れ可能でありうるか、またはそうでない場合、コンピュータ可読媒体220に結合するように構成可能でありうる。
【0042】
図2に例示されるように、測定セット242に加えて、バリデータ250および/またはフィルタ212を支援して、メモリ204は、状態240、1つもしくは複数の試行測定セット244、1つもしくは複数の試行状態246、1つもしくは複数のしきい値249、および/または1つもしくは複数の測定イノベーション248を表す1つもしくは複数の電子信号を記憶することも可能である。
【0043】
状態240は、例えば、測定セット242の少なくとも一部に少なくとも一部基づいて、フィルタ212と関連付けられて、フィルタ212によって更新されることが可能である。例えば、いくつかの実装形態では、状態240は、カルマンフィルタによって決定されるか、またはそうでない場合、カルマンフィルタと関連付けられる既存の状態に関連する情報を含むことが可能である。
【0044】
本明細書の他の項でより詳細に説明されるように、バリデータ250は、例えば、測定セット242内の1つまたは複数の初期測定に少なくとも一部基づいて、1つまたは複数の試行測定セット244を確立することが可能である。例えば、バリデータ250は、測定セット242のすべてまたは一部を複写して、その中の1つまたは複数の疑わしい測定を伴わない試行測定セット244を一時的に作成するために、そのような疑わしい測定を選択的に隔離することが可能である。例えば、バリデータ250は、測定セット242のすべてまたは一部を複写して、再重み付けされた測定を伴う試行測定セット244を一時的に作成するために、その中の1つまたは複数の疑わしい測定を選択的に再重み付けすることが可能である。これにより、試行測定セット244は、隔離された測定、再重み付けされた測定、および/または測定セット242の初期測定の組合せを含むことが可能である。
【0045】
バリデータ250および/またはフィルタ212は、例えば、測定セット242の一部および/または1つもしくは複数の試行測定セット244の一部に少なくとも一部基づいて、1つもしくは複数の試行状態246を確立することが可能である。試行状態246は、例えば、既存の状態240から初めて適時に転送された(時間更新された)伝搬位置情報/伝搬速度情報/伝搬時間情報に少なくとも一部基づいて、カルマンフィルタによって確立可能である。
【0046】
バリデータ250および/またはフィルタ212は、例えば、1つもしくは複数の測定セット242および/または1つもしくは複数の試行測定セット244からの測定に少なくとも一部基づいて、1つもしくは複数の測定イノベーション248を確立することが可能である。例えば、カルマンフィルタは、状態240および/または試行状態246のいずれかに関連する対応する予測される測定と比較して、測定セット242または試行測定セット244のいずれかの中の測定に少なくとも一部基づいて、測定イノベーションを確立するために使用可能である。
【0047】
バリデータ250は、例えば、1つまたは複数のしきい値249を確立することが可能である。例えば、バリデータ250は、測定セット242の測定の信頼性/非信頼性に何らかの形で関係しうる所与のソース、信号、測定、および/またはその他の類似の決定された情報に関連する確率決定および/またはその他の類似の決定に基づいて、1つもしくは複数のしきい値249を確立することが可能である。いくつかの実装形態では、1つまたは複数のしきい値249は、命令250を経由して、何らかの形で事前に画定可能であり、かつ/または適応可能である。バリデータ250は、例えば、1つもしくは複数の測定セット242内および/または1つもしくは複数の試行測定セット244内の1つもしくは複数の測定が、1つもしくは複数のしきい値249に少なくとも一部基づいて、疑わしいと見なすことができるかどうかを決定することが可能である。例えば、バリデータ250は、場合によっては、疑わしいとして測定を識別するために、測定、測定イノベーションなどを対応するしきい値と比較することが可能である。
【0048】
図2にさらに例示されるように、デバイス102は、様々な回路を一緒に機能するように結合して、それらの間で1つまたは複数の電子信号を搬送するための1つまたは複数の接続206(例えば、バス、ライン、導体、ファイバなど)と、ユーザ入力を受信し、かつ/またはユーザに情報を提供するためのユーザインターフェース214(例えば、ディスプレイ、タッチスクリーン、キーパッド、ボタン、ノブ、マイクロフォン、スピーカなど)とを含むことが可能である。デバイス102は、通信リンク(例えば、図1のリンク150)を介して、1つまたは複数のその他のデバイスと通信することを可能にするためのネットワークインターフェース230(例えば、無線トランシーバ、モデム、アンテナなど)を含むことが可能である。
【0049】
図1および2の例を考慮に入れて、次に図3を参照する。図3は、ある実装形態による、測定セット242内の1つまたは複数の確認された測定306を表す1つまたは複数の電子信号を生成および記憶できる例示的なプロセス300のいくつかの特徴を例示する機能ブロック図である。
【0050】
図3に例示されるように、測定セット242は、例えば、SPS受信機104および/または1つもしくは複数のセンサ260に関連しうるような、1つもしくは複数の初期測定302を含むことが可能である。測定セット242は、1つもしくは複数の隔離された測定306-1、および/または1つもしくは複数の再重み付けされた測定306-2など、1つもしくは複数の確認された測定306を含むことも可能である。確認された測定306は、バリデータ250によって提供可能であり、初期測定302、予測される測定304、測定イノベーション248、状態240、試行状態246、試行測定244、および/またはしきい値249のうちの1つもしくは複数に少なくとも一部基づいて確立可能である。
【0051】
この説明のための実施例では、フィルタ212は、状態240と、予測される測定304と、測定イノベーション248とを確立するとして示される。いくつかの実装形態では、フィルタ212は、試行測定244に少なくとも一部基づいて、試行状態246を確立することも可能である。試行測定244は、バリデータ250によって確立可能であり、確認された測定および初期測定の様々な実装形態を含むことが可能である。本明細書でより詳細に説明されるように、バリデータ250は、疑わしい測定を識別して、疑わしい測定による後続の位置/速度/時間の推定計算への影響が少なくなることを可能にするために、例えば、確認された測定を用いて、何らかの形で測定セット242を改正するための様々な形で実装可能である。
【0052】
次に、ある実装形態による、1つまたは複数の確認された測定を含む測定セットに少なくとも一部基づいて、推定される位置/速度/時間の少なくとも一部を表す1つまたは複数の電子信号を生成および記憶するために、デバイス102(例えば、図1および2を参照されたい)内で全部または一部実施可能な例示的なプロセス400を示す流れ図である図4を参照する。
【0053】
ブロック402において、状態を確立できる。例えば、測定セット内の複数の測定に少なくとも一部基づいて既存の状態を確立するために、カルマンフィルタなどを用いることが可能である。既に説明されたように、そのような測定は、SPSおよび/または1つもしくは複数のセンサと関連付けられてよい。
【0054】
ブロック404において、測定セットを確立でき、かつ/またはそうでない場合、測定セットにアクセスできる。したがって、例えば、(新しい)初期測定は、SPS受信機および/または1つもしくは複数のセンサ、ならびにメモリ内に記憶されうるそのような測定を表す1つもしくは複数の電子信号によって行うことが可能である。
【0055】
ブロック406において、測定セットの1つまたは複数の測定を使用して、1つまたは複数の確認プロセスを実行することが可能である。したがって、例えば、ブロック408において、1つまたは複数の試行測定セットは、1つまたは複数の初期測定に少なくとも一部基づいて確立可能である。試行測定セットは、例えば、片側隔離された測定、または再重み付けされた測定など、1つまたは複数の確認された測定を含むことが可能である。試行測定セットは、例えば、1つまたは複数の初期測定を含むことが可能であり、または、場合によっては、初期測定を含まなくてもよい。いくつかの実装形態では、試行測定セットは、同じ数の測定を含むことが可能であり、または場合によっては、ブロック404で確立された測定セットよりも少ない測定を含むことも可能である。
【0056】
ブロック410において、1つまたは複数のしきい値を確立できるか、または、そうでない場合、1つまたは複数のしきい値にアクセスできる。この場合、例えば、しきい値は、それを下回る信号強度の測定は疑わしいと決定でき、潜在的に隔離されるか、または再重み付けされる(例えば、この場合、重み付け解除される)ことが可能な所望される信号強度レベルを識別するしきい値を確立することが可能である。いくつかの例示的な実装形態では、測定が疑わしいことを決定でき、そのようなタイプのものであると決定された場合、そのようなソースから潜在的に隔離できるか、再重み付けできる(例えば、この場合、重み付け解除できる)ように、あるいはその他の形でしきい値にマッチするように、タイプ、ソース、またはその他の類似の識別様式によってある測定を識別するしきい値を確立することが可能である。さらにその他の例示的な実装形態では、所望される測定イノベーション、および/あるいは、それを上回る/下回る測定は疑わしいことを決定でき、潜在的に片側隔離できるか、もしくは再重み付けできる(例えば、この場合、重み付け解除できる)その他の類似の誤差または不確実性測定を識別するしきい値を確立することが可能である。したがって、ブロック410において、しきい値は、例えば、数値、識別子値、機能値(例えば、確率ベースの機能またはパラメータなど)など、様々な形をとってよい。
【0057】
ブロック412において、1つまたは複数の試行状態を確立できる。例えば、試行状態は、ブロック408において確立された試行測定セット(または、初期測定セット)からの1つもしくは複数の測定に少なくとも一部基づいて確立可能である。この場合、例えば、カルマンフィルタは、結果として生じる試行状態を表す1つまたは複数の電子信号を確立するために、既存の状態と、試行測定セットの少なくとも一部を使用することが可能である。このように、確認プロセスは、特定のパフォーマンスしきい値を満たす試み、および/もしくは更新された(現在の)推定される位置情報/速度情報/時間情報を計算するのに先立って測定されたセットを精緻化する試みにおいて、異なる確認された測定を伴う様々な試行測定セットからの結果を解析することが可能であり、かつ/または、そうでない場合、当該結果を比較することが可能である。いくつかの態様によれば、「状態」という用語は、そこから、少なくとも一部、推定される測定を導出できるか、またはそうでない場合、推定される測定を決定できる位置、速度、時間、もしくはその他の類似の情報など、情報のセットを含むことが可能である。排他的ではない状態の一例は、三次元の位置情報を含むカルマンフィルタ状態である。
【0058】
ブロック414において、ブロック408における試行測定セットからの1つまたは複数の確認された測定は、測定セット内に選択的に記憶可能である。したがって、例えば、ブロック404における測定セットの1つもしくは複数の初期測定は、置換可能であり、かつ/または、そうでない場合、試行測定セットの1つもしくは複数の対応する確認された測定に基づいて、何らかの形で修正可能である。したがって、ブロック406において、その疑わしい測定を識別して、その潜在的な隔離、片側隔離、ならびに/または何らかの形の再重み付けをテストするために、1つまたは複数の確認プロセスを実施することが可能であり、これは、後で推定される位置計算/速度計算/時間計算を改善できる。
【0059】
ブロック416において、ブロック402からの状態は更新可能であり、かつ/または1つもしくは複数の確認された測定を含みうる、結果として生じる測定セットに少なくとも一部基づいて、推定される位置情報/速度情報/時間情報を計算することが可能である。
【0060】
上の例において、バリデータ250ならびに/または関連する確認プロセス300および400は、様々な異なる形で実施可能である。いくつかの例示的な実装の特徴をさらに示すために、いくつかの非限定的な例が下で要約される。
【0061】
いくつかの例示的な実装形態では、確認プロセスは、対応する測定イノベーション、および/またはその他の信号関連パラメータ(例えば、信号強度、ソース、タイプなど)に少なくとも一部基づく1つもしくは複数の測定の選択的な隔離を含むことが可能である。少なくとも測定イノベーション決定プロセスに関して、そのような選択的な隔離技法は、例えば、SPS信号に関連するPR測定およびPRR測定に適用可能である。この場合、例えば、測定イノベーションは、(新しい)初期測定と(例えば、既存の状態に基づいて伝搬されたとして時間更新された)対応する予測される測定との比較に少なくとも一部基づいてよい。したがって、いくつかの実装形態では、そのような測定イノベーションは、符号位相もしくは搬送波位相に基づくPR測定、ドップラー速度(エネルギー)に基づくPRR測定、周波数ロックループ(frequency-lock-loop)、もしくは搬送波位相測定、および/または場合によっては、(例えば、1つもしくは複数のセンサに関連する)その他の測位測定に関連しうる。したがって、ある例示的な選択的な隔離技法は、位置推定フィルタ/速度推定フィルタ/時間推定フィルタに関連する測定イノベーションに少なくとも一部基づいて、測定セット内の少なくとも1つの測定を隔離することを決定できる。この場合、例えば、先に説明された1つまたは複数の所定の(例えば、静的、プログラムされたなどの)しきい値のように、1つもしくは複数の適応しきい値、および/あるいは1つもしくは複数のシグマベースのしきい値、またはその他の類似の決定された(例えば、確率的、動的などの)確率ベースのしきい値をこの決定プロセスで使用することが可能である。
【0062】
同様に、いくつかの例示的な実装形態では、確認プロセスは、対応する測定イノベーションに少なくとも一部基づいて、1つまたは複数の測定を選択的に再重み付けするステップを含むことが可能である。そのような選択的に再重み付けする技法は、例えば、SPS信号に関連するPR測定およびPRR測定、ならびに/または(例えば、1つもしくは複数のセンサに関連する)その他の測位測定に適用することも可能である。
【0063】
さらにまた、いくつかの例示的な実装形態では、確認プロセスは、対応する測定イノベーション値に少なくとも一部基づく1つまたは複数の測定の選択的な片側重み付け解除を含むことが可能である。そのような選択的な片側重み付け解除技法は、例えば、SPS信号に関連するPR測定に適用可能である。先に説明されたように、片側重み付け解除プロセスは、(例えば、送信時間/送信距離が予測されたよりも短かったことを推論する、場合によっては、送信時間が推定状態と推定測定とに基づいて、場合によっては、物理的に出現するよりも短かったことを推論する)「負」である残差と比べて、関連する測定イノベーションが(例えば、送信時間/送信距離が予測されたよりも長かったことを推論する)「正」であると決定された場合、測定を異なって重み付け解除できる。したがって、そのような片側重み付け解除プロセスの結果として、いくつかの実装形態では、後続の位置/速度/時間の推定解決計算において、負のPR残差の同じ大きさの正のPR残差により小さな重みを与えることが可能である。
【0064】
前述の例示的な隔離技法および/または重み付け解除技法のうちの1つもしくは複数は、そのいくつかの非限定的な例が下でより詳細に説明される様々な形で実施可能である。例えば、いくつかの実装形態では、測定のうちのいずれかを用いて状態を更新する前に、その状態とそれぞれの測定との比較が行われ、(例えば、測定が疑わしいかどうかを決定するために)それに少なくとも一部基づいて、対応する測定の評価を確立することができる測定イノベーション検査を実施することが可能である。別の例示的な実装形態では、状態を更新するために、測定のすべてのまたはかなりの部分を使用でき、次いで、ある測定が後続の位置/速度/時間の推定計算に与える可能性がある影響を選択的に再重み付け(例えば、影響を増大または減少)するために、結果として生じる測定イノベーションを考慮でき、確認された測定を確立できる同時測定イノベーション検査を実施することが可能である。したがって、例えば、確認プロセスは、(例えば、位置/速度/時間を推定するために)更新された状態を確立して、それぞれの測定を行い、更新された状態に関してその残差を検査して、測定が疑わしいかどうかを決定し、疑わしい場合、その測定を隔離または再重み付けすべきかどうかを決定するためのしきい値を選択して、この決定に基づいて、プロセスを再び繰り返して行うことが可能である。同時プロセスのいくつかのさらなる例示的な実装形態は、下でより詳細に説明される。
【0065】
いくつかの例示的な実装形態では、関連する手法において、確認プロセスは、例えば、試行測定セットと試行状態とを確立するために、複数の測定の積極的な(低い)不確定性への依存を試みることが可能である。この場合、例えば、そのようなプロセスは、そのそれぞれが(対応する高い重みを伴う)比較的低い不確実性を有する測定のサブセットを使用することが可能である。次いで、(この場合も、例えば、1つまたは複数のしきい値に基づいて)結果として生じる測定イノベーションに少なくとも一部基づいて、結果として生じる誤差推定が受入れ可能であるかどうかを決定できる。そのような誤差推定が受入れ可能である場合、その試行状態は、更新された(既存の)状態になりうる。
【0066】
その他の例示的な実装形態では、確認プロセスは、様々な連続的な測定更新と連続的な決定プロセスとを用いる確認プロセスを実施することが可能である。この場合、例えば、確認プロセスは、予測される試行状態を生み出すために、それぞれの(新しい)初期測定を別個に適用し、例えば、結果として生じる測定イノベーションに少なくとも一部基づいて、最後に適用された測定が疑わしいか否かを決定することが可能である。所望される場合、確認された測定は、機能するように隔離可能であるか、または再重み付け可能である。そのような連続的なプロセスは、次いで、引き続き、測定セット内のそれぞれの測定に関する試行状態を更新して、類似の決定を行うことが可能である。
【0067】
上で要約された例を考慮して、カルマンフィルタ(KF)の例示的な実装形態に関して、いくつかの追加の実装形態の詳細と実装形態の例とが次により詳細に説明される。本明細書で提供される他の例と同様に、以下の例は、特許請求される主題に関して非限定的であることが意図される。
【0068】
いくつかの例示的な実装形態では、KF状態更新は、「イノベーションシグマ(Innovation-Sigma)技術を用いることが可能である。この場合、例えば、(例えば、図4のブロック402における)KF状態更新の間、測定(例えば、初期PR測定または初期PRR測定)は、イノベーションのMシグマを有すると決定できる。そのようなMは、例えば、以下のように計算できる。
Mi=Δzi/sqrt(HiPHiT+Ri)
式中、
【0069】
【数1】

【0070】
Ziは、第i番目の測定であり
Riは、[数2]に示す第i番目の測定の二乗不確実性(squared uncertainty)(推定変数)である。
【0071】
【数2】

【0072】
Hiは、第i番目の測定に関する幾何行列(geometry matrix)(方向余弦)であり、
xはKF状態であり、
Pは、KF状態の共分散行列であり、
HiPHiTは、予測される測定に関する二乗不確実性(推定変数)であり、
(HiPHiT+Ri)は、予測される測定と観測された測定との間の差異に関する二乗不確実性(推定変数)である。
【0073】
いくつかの例示的な実装形態では、考えられる隔離決定および/または重み付け解除決定に関して、その妥当性をテストするために、互いに対して、かつKF状態に対して(新しい)初期SPS測定を検査することが可能である。いくつかの例示的な実装形態では、例えば、PRは、例えば、より低い不確実性を伴うPRから始めて連続的にKF試行状態内に機能するように含まれることが可能である。そのような測定が連続的に追加されるにつれて、これは、含まれることになる第i番目のPRをKF状態内の情報に対して、および既にその状態に追加された第i-1番目のPRに対して検査できることを意味する。
【0074】
この場合、例えば、KF状態に対するPR情報のそれぞれの潜在的な追加に伴って、innovation_sigma(Mi)を計算することが可能である。限定ではなく、例として、いくつかの実装形態では、Miが5のしきい値(絶対値)よりも大きい場合、それは疑わしいと見なすことができ、KF状態を更新するために使用されないように隔離できる。Miが3のしきい値(絶対値)よりも大きい場合、それは疑わしいと見なすことができ、例えば、その測定をKF状態に適用する前に、PR_Uncを2で乗算することによって、重み付け解除できる。
【0075】
再重み付けを選択的に適用することが可能であり、例えば、いくつかの実装形態では、measured_PRがstate_predicted_PR(Δzi->0)よりも長いことが決定されたときだけ、重み付け解除を行うことが可能である。そのような技法は、本明細書において、片側重み付け解除と呼ばれ、PR測定、PRR測定、およびその他の類似の測定に関して有益でありうる。この場合、例えば、重み付け解除しきい値は、正の残差を有する測定に関して、Mi>2に設定可能であり、一方、負の残差を有する測定に関して、Mi>3に設定することが可能であるか、または用いなくてもよい。したがって、いくつかの態様によれば、正の残差と負の残差に関して、異なるしきい値を使用することが可能である。
【0076】
イノベーションシグマ(Mi)値の使用は、より一般的には、測定をより大きな値またはより小さな値のいずれかに再重み付けするために使用可能である。例えば、測定のセットがすべて1よりも実質的に小さいMi値(絶対)を有する場合、より低い測定不確実性と、より高い重みとを使用することが可能である。
【0077】
いくつかの例示的な実装形態では、本明細書で同時RAIMとして参照される技法を実施することが可能である。この場合、例えば、KF状態の一時複写(例えば、試行状態)を使用することが可能である。この一時複写は、例えば、KF状態の(例えば、予測されたまたは伝搬された)時間更新されたバージョンであってよい。そのような試行状態では、PRRなしから始めて、隔離なし、および重み付け解除なしと、測定ブロック内で利用可能なSPS PR測定情報のすべてを機能するように含めることが可能である。次いで、それらの測定のうちのいずれかが、完全に更新された状態と比べて大きな(隔離可能な)異常値であるか、または小さな(重み付け解除可能な)異常値であるかを決定するために、結果として生じる試行状態を測定セットと比較することが可能である。更新された状態に基づいて、それぞれのSVに関してinnovation_sigma(Mi)を計算することが可能であり、それらの測定のすべてはその測定自体を伴わない。これを行うためのいくつかの例示的な技法は、限定ではなく、例として、下で説明される。
【0078】
いくつかの例示的な実装形態では、限界値、例えば、5シグマ限界を超える何らかの異常値が検出された場合、そのような疑わしい測定の(例えば、最高絶対値のMiを有する)最悪測定を隔離することが可能であり、隔離されるべきそのような疑わしい測定が残っていない状態までこのプロセスを繰り返すことができる。そのような時点で、例えば、再重み付け計算(例えば、予測されるPRよりも長いものに関して、PR_UncをMiで乗算すること)に関して同時に計算されうる残りの測定のinnovation_sigma(Mi)を使用することが可能である。
【0079】
同時KF RAIM内にイノベーションシグマを含む確認プロセスを実施するための1つの考えられる例示的な技法は以下の通りである。この場合、例えば、同時RAIMは、KF状態を更新するために、テストされることになる測定を除くすべてのSPS PR測定を使用することが可能であり、次いで、その更新された状態を使用して、その最後の測定に関するイノベーションシグマ(Mi)を計算できる。
【0080】
これにより、例えば、KF状態の一時複写(例えば、試行状態)を作成することが可能である。次いで、第i番目のPR(または、PRR)測定を除くすべてのPR(または、PRR)測定をKF状態内に機能するように含めることが可能である。次いで、この更新されたKF(試行)状態は、次いで、第i番目のPR(または、PRR)測定に関するイノベーションシグマ(Mi)を計算するために使用されうる残差Ri-を計算する目的で、次いで、観測された(初期の)第i番目のPR(または、PRR)測定と比較されうる第i番目のPR(または、PRR)測定を予測するために使用可能である。このプロセスは、N回、例えば、それぞれの測定に関して一回繰り返すことが可能である。
【0081】
より詳細には、例示的な確認プロセスは、以下の通りでありうる。
1)下で使用されるベースラインとして、KF状態を測定ブロックの時間に伝搬する(時間更新する)
2)1からNまでのそれぞれの第i番目の測定に関して(この場合、Nは、PR測定の数)、
a.第i番目のPR測定を除いて、すべてのPR測定を用いて時間更新されたベースラインKF状態を更新する。
b.その状態と第i番目のPR測定との間のイノベーションシグマを計算して、Miとして保存する。
3)対応する測定を選択的に隔離するか、または重み付け解除するかを決定する際にそのMiを使用する。
【0082】
限定ではなく、例として、いくつかの実装形態では、確認プロセスは、C/N0比較に少なくとも一部基づいて、隔離を実施することが可能である。例えば、アーバンキャニオンまたはその他の類似の環境において、より長い統合プロセスまたはより高いマルチパスにより、SPS受信機は、特に大きな誤差を伴うより弱い信号を拾い上げる場合がある。小さな誤差の可能性が高いいくつかの測定を用いた位置計算において、大きな誤差の可能性が高いいくつかの測定が使用されるとき、より大きな誤差の可能性が高い測定は、カルマンフィルタなど、測位計算の正確さの性能を低減する場合がある。1つの考えられる解決策は、場合によっては、より大きな誤差の可能性が高い測定の数とより小さな誤差の可能性が高い測定の数との間のバランスを改善するために、より大きな誤差の可能性が高い一定数の測定(例えば、低い搬送波対雑音比C/N0を有する測定)を選択的に隔離するか、場合によっては(実質的に)重み付け解除することである。限定ではなく、例として、いくつかの実装形態では、位置/速度/時間の計算に関して、最小数の測定が利用可能であり、かつ使用可能である(例えば、位置推算表(ephemeris)が利用可能である)場合、(例えば、低いC/N0に基づいて)疑わしい測定を隔離または重み付け解除することが可能である。この場合、例えば、その隔離の後で最小数の測定が依然として利用可能であり、かつ使用可能である場合、より低いC/N0を有する測定を除去することによって、そのような疑わしい測定を選択的に隔離することが可能である。
【0083】
本明細書を通して「一例」、「ある例」、「いくつかの例」、または「例示的な実装形態」の参照は、その特徴および/もしくはその例に関して説明された特定の特徴、構造、または特性が特許請求される主題の少なくとも1つの特徴および/または例の中に含まれうることを意味する。したがって、本明細書を通した様々な場所における「一例では」、「ある例では」、「いくつかの例では」、または「いくつかの実装形態では」という成句、またはその他の類似の成句の出現は、すべて同じ特徴、例、および/または限定を参照するとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、または特性を1つもしくは複数の例および/あるいは特徴の中に組み合わせることが可能である。
【0084】
本明細書で説明された方法論は、特定の特徴および/または例による応用例に応じて、様々な手段によって実施可能である。例えば、そのような方法論は、ソフトウェアと共に、ハードウェア、ファームウェア、および/またはそれらの組合せの形で実施可能である。ハードウェア実装形態では、例えば、処理ユニットは、本明細書で説明された機能を実行するように設計された1つもしくは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、その他のデバイスユニット、および/またはそれらの組合せの中で実施可能である。
【0085】
前述の詳細な説明において、特許請求される主題の十分な理解をもたらすために、多数の特定の詳細が記載されている。しかし、当業者は、特許請求の主題はこれらの詳細な説明なしに実施可能であることを理解されよう。その他の場合において、特許請求される主題をあいまいにしないように、当業者によって知られることになる方法および装置は詳細に説明されていない。
【0086】
前述の詳細な説明のいくつかの部分は、特定の装置、または専用コンピューティングデバイスもしくは専用プラットフォームのメモリ内に記憶された2進デジタル電子信号に関する演算のアルゴリズムあるいは記号表現の点で提示される。この特定の明細書の文脈で、特定の装置などの用語は、その装置がプログラムソフトウェアからの命令に従って特定の機能を実行するようにプログラムされると、汎用コンピュータを含む。アルゴリズム記述または記号表現は、信号処理技術分野または関係する技術分野の当業者がその研究の内容を他の当業者に伝えるために使用される技法の例である。この場合、アルゴリズムは、一般に、所望される結果を導く動作または類似の信号処理の自己無撞着系列と見なされる。この文脈で、動作または処理は、物理量の物理的操作を伴う。そうであるとは限らないが、典型的には、そのような数量は、情報を表す電子信号として記憶されること、転送されること、組み合わされること、比較されること、もしくは、そうでない場合、操作されることが可能な電気信号または磁気信号の形をとりうる。主に、共通使用の理由により、そのような信号をビット、データ、値、要素、シンボル、文字、項、数、数字、情報などと呼ぶことは、時には好都合であることが証明されている。しかし、これらの用語または類似の用語のすべては、適切な物理量と関連付けられるべきであり、単なる好都合なラベルである点を理解されたい。別段に明記されていない限り、以下の議論から明瞭なように、本明細書を通して、「処理」、「演算」、「計算」、「決定」、「確立」、「取得」などの用語を利用する議論は、専用コンピュータもしくは類似の専用電子コンピューティングデバイスなど、特定の装置の活動または処理を指すことが理解されよう。したがって、本明細書の文脈で、専用コンピュータまたは類似の専用電子コンピューティングデバイスは、通常、専用コンピュータあるいは類似の専用電子コンピューティングバイスのメモリ、レジスタ、またはその他の情報記憶デバイス、送信デバイス、もしくはディスプレイデバイスの中の物理的な電子量、および/または磁気量として表される信号を操作あるいは変換することが可能である。この特定の特許出願の文脈で、「特定の装置」という用語は、その装置がプログラムソフトウェアからの命令に従って特定の機能を実行するようにプログラムされると、汎用コンピュータを含む。
【0087】
現在例示的な特徴と見なされるものが示され、説明されているが、特許請求される主題から逸脱せずに、様々なその他の修正を行うことが可能であり、均等物で代用することが可能である点を当業者は理解されよう。加えて、本明細書で説明された主な概念から逸脱せずに、特定の状況を特許請求される主題の教示に適応させるために、多くの修正を行うことが可能である。
【0088】
したがって、特許請求される主題は、開示された特定の例に限定されず、そのような特許請求される主題は、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内に包含されるすべての態様を含むことも可能であることが意図される。
【符号の説明】
【0089】
100 シグナリング環境
環境
102 デバイス
104 SPS受信機
105 回路
106 SPS
108 GNSS
111 疑似衛星
GBT
112 SPS信号
114 基地局
116 無線通信ネットワーク/有線通信ネットワーク
150 無線通信リンク/有線通信リンク
リンク
202 処理ユニット
204 メモリ
206 接続
208 RFフロントエンド回路
コンピュータ実施可能命令
210 バックエンド処理ユニット
212 フィルタ
214 ユーザインターフェース
220 コンピュータ可読媒体
230 ネットワークインターフェース
240 状態
242 測定セット
244 試行測定セット
246 試行状態
248 測定イノベーション
249 しきい値
250 バリデータ
命令
260 位置関係センサ
センサ
300 プロセス
302 初期測定
304 予測される測定
306 確認された測定
306-1 隔離された測定
306-2 再重み付けされた測定

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスを用いて、
少なくとも1つのしきい値を表す1つまたは複数の電子信号に少なくとも一部基づいて、位置推定フィルタ/速度推定フィルタ/時間推定フィルタの中で使用するための初期測定を表す1つまたは複数の電子信号が疑わしいかどうかを決定するステップと、
前記初期測定が疑わしいことが決定された場合、(1)前記初期測定を機能するように再重み付けすること、および/または(2)前記初期測定を機能するように片側隔離することのいずれかによって、確認された測定を表す1つもしくは複数の電子信号を選択的に確立するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記初期測定が、少なくとも第1の信号に関連し、前記第1の信号が、衛星測位システム(SPS)、宇宙船(SV)、全地球航法衛星システム(GNSS)、地上ベースの送信機(GBT)、または位置関連センサ、速度関連センサ、および/もしくは時間関連センサのうちの少なくとも1つから受信されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記初期測定が、前記第1の信号の信号強度、前記第1の信号のタイプ、前記第1の信号のソース、前記第1の信号に少なくとも一部基づいて決定された疑似距離(PR)測定、および/または前記第1の信号に少なくとも一部基づいて決定された疑似距離レート(PRR)測定のうちの少なくとも1つに関連する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記疑似距離レート(PRR)測定が、前記第1の信号のドップラー速度部分および/または搬送波位相部分を表す1つもしくは複数の電子信号に少なくとも一部基づいて決定される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのしきい値が、所定のしきい値を表す1つもしくは複数の電子信号、適応しきい値を表す1つもしくは複数の電子信号、および/または決定された確率ベースのしきい値を表す1つもしくは複数の電子信号のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記位置推定フィルタ/前記速度推定フィルタ/前記時間推定フィルタが、カルマンフィルタを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記初期測定が疑わしいかどうかを決定するステップが、
前記位置推定フィルタ/前記速度推定フィルタ/前記時間推定フィルタを使用して、前記第1の信号に関して予測される測定を表す1つまたは複数の電子信号を決定するステップと、
前記予測される測定と前記初期測定とに少なくとも一部基づいて、測定イノベーションを表す1つまたは複数の電子信号を決定するステップと、
前記測定イノベーションに少なくとも一部基づいて、前記初期測定が疑わしいかどうかを決定するステップとを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記測定イノベーションを決定するステップが、
前記位置推定フィルタ/前記速度推定フィルタ/前記時間推定フィルタの少なくとも1つの時間更新された状態および/または前記位置推定フィルタ/前記速度推定フィルタ/前記時間推定フィルタの少なくとも1つの試行状態を表す1つまたは複数の電子信号に少なくとも一部基づいて、前記測定イノベーションを決定するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記確認された測定が、前記初期測定を機能するように再重み付けする結果として、機能するように重み付け解除された測定または機能するように片側重み付け解除された測定のうちの少なくとも1つを表す1つもしくは複数の電子信号を含み、
前記位置推定フィルタ/前記速度推定フィルタ/前記時間推定フィルタを用いて、測定セット内の複数の測定を表す1つもしくは複数の電子信号に少なくとも一部基づいて、推定される位置および/または推定される速度のうちの少なくとも1つを表す1つもしくは複数の電子信号を決定するステップをさらに含み、前記複数の測定が前記確認された測定を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記確認された測定が、前記初期測定を機能するように片側隔離する結果として、機能するように片側隔離された測定を表す1つまたは複数の電子信号を含み、
前記位置推定フィルタ/前記速度推定フィルタ/前記時間推定フィルタを用いて、測定セット内の複数の測定を表す1つまたは複数の電子信号に少なくとも一部基づいて、推定される位置および/または推定される速度のうちの少なくとも1つを表す1つもしくは複数の電子信号を決定するステップをさらに含むが、前記複数の測定が前記機能するように片側隔離された測定を含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記電子デバイスを用いて、
少なくとも1つの他の初期測定が疑わしいことが決定された場合、最小数の測定が利用可能な状態で残っている場合、前記少なくとも1つの他の初期測定を除去することによって、前記少なくとも1つの他の初期測定を機能するように隔離するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つのしきい値に少なくとも一部基づいて、位置/速度/時間を推定するための手段において使用するための初期測定が疑わしいかどうかを決定するための手段と、
前記初期測定が疑わしいことが決定された場合、(1)前記初期測定を機能するように再重み付けすること、および/または(2)前記初期測定を機能するように片側隔離することのいずれかによって、確認された測定を選択的に確立するための手段と
を備える装置。
【請求項13】
前記初期測定が、少なくとも第1の信号に関連し、前記第1の信号が、衛星測位システム(SPS)、宇宙船(SV)、全地球航法衛星システム(GNSS)、地上ベースの送信機(GBT)、または位置関連センサ、速度関連センサ、および/もしくは時間関連センサのうちの少なくとも1つから受信されている、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記初期測定が、前記第1の信号の信号強度、前記第1の信号のタイプ、前記第1の信号のソース、前記第1の信号に少なくとも一部基づいて決定された疑似距離(PR)測定、および/または前記第1の信号に少なくとも一部基づいて決定された疑似距離レート(PRR)測定のうちの少なくとも1つに関連する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記疑似距離レート(PRR)測定が、前記第1の信号のドップラー速度部分および/または搬送波位相部分に少なくとも一部基づいて決定される、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つのしきい値が、所定のしきい値、適応しきい値、および/または決定された確率ベースのしきい値のうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の装置。
【請求項17】
少なくとも1つの確率ベースのしきい値を決定するための手段
をさらに備える、請求項12に記載の装置。
【請求項18】
前記第1の信号に関して予測される測定を決定するための手段と、
前記予測される測定と前記初期測定とに少なくとも一部基づいて、測定イノベーションを決定するための手段と、
前記測定イノベーションに少なくとも一部基づいて、前記初期測定が疑わしいかどうかを決定するための手段と
をさらに備える、請求項13に記載の装置。
【請求項19】
位置/速度/時間を推定するための前記手段の少なくとも1つの時間更新された状態および/または位置/速度/時間を推定するための前記手段の少なくとも1つの試行状態に少なくとも一部基づいて、前記測定イノベーションを決定するための手段
をさらに備える、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記確認された測定が、前記初期測定を機能するように再重み付けする結果として、機能するように重み付け解除された測定または機能するように片側重み付け解除された測定のうちの少なくとも1つを含み、
位置/速度/時間を推定するための前記手段を用いて、測定セット内の複数の測定に少なくとも一部基づいて、推定される位置および/または推定される速度のうちの少なくとも1つを決定するための手段をさらに含み、前記複数の測定が前記確認された測定を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項21】
前記確認された測定が、前記初期測定を機能するように片側隔離する結果として、機能するように片側隔離された測定を含み、
位置/速度/時間を推定するための前記手段を用いて、測定セット内の複数の測定に少なくとも一部基づいて、推定される位置および/または推定される速度のうちの少なくとも1つを決定するための手段をさらに含むが、前記複数の測定が前記機能するように片側隔離された測定を含まない、請求項12に記載の装置。
【請求項22】
少なくとも1つの他の初期測定が疑わしいことが決定された場合、最小数の測定が利用可能な状態で残っている場合、前記少なくとも1つの他の初期測定を除去することによって、前記少なくとも1つの他の初期測定を機能するように隔離するための手段
をさらに備える、請求項12に記載の装置。
【請求項23】
複数の位置関連信号/速度関連信号/時間関連信号に関連する測定セットを記憶できるメモリであって、前記測定セットが、位置推定フィルタ/速度推定フィルタ/時間推定フィルタの中で使用するための少なくとも初期測定を含む、メモリと、
少なくとも1つのしきい値に少なくとも一部基づいて、前記初期測定が疑わしいかどうかを決定し、前記初期測定が疑わしいことが決定された場合、(1)前記初期測定を機能するように再重み付けすること、および/または(2)前記初期測定を機能するように片側隔離することのいずれかによって、確認された測定を選択的に確立して、前記測定セット内に記憶して、前記位置推定フィルタ/前記速度推定フィルタ/前記時間推定フィルタの中で後で使用する目的で、前記確認された測定を前記メモリに提供するために、前記メモリに結合された少なくとも1つの処理ユニットと
を備える装置。
【請求項24】
前記初期測定が、少なくとも第1の信号に関連し、
衛星測位システム(SPS)、宇宙船(SV)、および/もしくは全地球航法衛星システム(GNSS)、または地上ベースの送信機(GBT)のうちの少なくとも1つから少なくとも前記第1の信号を受信して、前記初期測定を前記メモリに提供するために、少なくとも前記メモリに結合された受信機、ならびに/あるいは
前記第1の信号を生成して、前記初期測定を前記メモリに提供するために、少なくとも前記メモリに結合された位置関連センサ、速度関連センサ、および/または時間関連センサのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記初期測定が、前記第1の信号の信号強度、前記第1の信号のタイプ、前記第1の信号のソース、前記第1の信号に少なくとも一部基づいて決定された疑似距離(PR)測定、および/または前記第1の信号に少なくとも一部基づいて決定された疑似距離レート(PRR)測定のうちの少なくとも1つに関連する、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記疑似距離レート(PRR)測定が、前記第1の信号のドップラー速度部分および/または搬送波位相部分に少なくとも一部基づいて決定される、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記少なくとも1つのしきい値が、前記メモリ内に記憶された所定のしきい値、および/または適応しきい値、および/または前記少なくとも1つの処理ユニットによって決定された確率ベースのしきい値のうちの少なくとも1つを含む、請求項23に記載の装置。
【請求項28】
前記位置推定フィルタ/前記速度推定フィルタ/前記時間推定フィルタとして機能するために、少なくとも前記メモリに結合されたカルマンフィルタをさらに含む、請求項23に記載の装置。
【請求項29】
前記位置推定フィルタ/前記速度推定フィルタ/前記時間推定フィルタが、前記予測される測定と前記初期測定とに少なくとも一部基づいて、前記第1の信号に関して予測される測定と測定イノベーションとを決定し、
前記少なくとも1つの処理ユニットが、前記測定イノベーションに少なくとも一部基づいて、前記初期測定が疑わしいかどうかを決定する
請求項24に記載の装置。
【請求項30】
前記位置推定フィルタ/前記速度推定フィルタ/前記時間推定フィルタが、少なくとも1つの時間更新された状態および/または少なくとも1つの試行状態に少なくとも一部基づいて、前記測定イノベーションを決定する、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記確認された測定が、前記初期測定を機能するように再重み付けする結果として、機能するように重み付け解除された測定または機能するように片側重み付け解除された測定のうちの少なくとも1つを含み、
前記位置推定フィルタ/前記速度推定フィルタ/前記時間推定フィルタが、前記測定セット内の複数の測定に少なくとも一部基づいて、推定される位置および/または推定される速度のうちの少なくとも1つを決定し、前記複数の測定が前記確認された測定を含む、請求項23に記載の装置。
【請求項32】
前記確認された測定が、前記初期測定を機能するように片側隔離する結果として、機能するように片側隔離された測定を含み、
前記位置推定フィルタ/前記速度推定フィルタ/前記時間推定フィルタが、前記測定セット内の複数の測定に少なくとも一部基づいて、推定される位置および/または推定される速度のうちの少なくとも1つを決定するが、前記複数の測定が前記機能するように片側隔離された測定を含まない、請求項23に記載の装置。
【請求項33】
少なくとも1つの他の初期測定が疑わしいことが決定された場合、最小数の測定が利用可能な状態で残っている場合、前記少なくとも1つの処理ユニットが、前記少なくとも1つの他の初期測定を除去することによって、前記少なくとも1つの他の初期測定を機能するように隔離する、請求項23に記載の装置。
【請求項34】
電子デバイス内の1つまたは複数の処理ユニットによって実施された場合、前記電子デバイスが、
少なくとも1つのしきい値に少なくとも一部基づいて、位置推定フィルタ/速度推定フィルタ/時間推定フィルタの中で使用するための初期測定が疑わしいかどうかを決定し、
前記初期測定が疑わしいことが決定された場合、(1)前記初期測定を機能するように再重み付けすること、および/または(2)前記初期測定を機能するように片側隔離することのいずれかによって、確認された測定を選択的に確立することを可能にするコンピュータ実施可能命令を記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項35】
前記初期測定が、少なくとも第1の信号に関連し、前記第1の信号が、衛星測位システム(SPS)、宇宙船(SV)、全地球航法衛星システム(GNSS)、地上ベースの送信機(GBT)、または位置関連センサ、速度関連センサ、および/もしくは時間関連センサのうちの少なくとも1つから受信されている、請求項34に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項36】
前記初期測定が、前記第1の信号の信号強度、前記第1の信号のタイプ、前記第1の信号のソース、前記第1の信号に少なくとも一部基づいて決定された疑似距離(PR)測定、および/または前記第1の信号に少なくとも一部基づいて決定された疑似距離レート(PRR)測定のうちの少なくとも1つに関連する、請求項35に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項37】
前記疑似距離レート(PRR)測定が、前記第1の信号のドップラー速度部分および/または搬送波位相部分に少なくとも一部基づいて決定される、請求項36に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項38】
前記少なくとも1つのしきい値が、所定のしきい値、適応しきい値、および/または決定された確率ベースのしきい値のうちの少なくとも1つを含む、請求項34に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項39】
前記位置推定フィルタ/前記速度推定フィルタ/前記時間推定フィルタが、カルマンフィルタを含む、請求項34に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項40】
前記1つまたは複数の処理ユニットによって実施された場合、前記電子デバイスが、
前記位置推定フィルタ/前記速度推定フィルタ/前記時間推定フィルタを使用して、前記第1の信号に関して予測される測定を決定し、
前記予測される測定と前記初期測定とに少なくとも一部基づいて、測定イノベーションを決定し、
前記測定イノベーションに少なくとも一部基づいて、前記初期測定が疑わしいかどうかを決定することを可能にするコンピュータ実施可能命令をさらに備える、請求項35に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項41】
前記1つまたは複数の処理ユニットによって実施された場合、前記電子デバイスが、
前記位置推定フィルタ/前記速度推定フィルタ/前記時間推定フィルタの少なくとも1つの時間更新された状態および/または前記位置推定フィルタ/前記速度推定フィルタ/前記時間推定フィルタの少なくとも1つの試行状態に少なくとも一部基づいて、前記測定イノベーションを決定することを可能にするコンピュータ実施可能命令をさらに備える、請求項40に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項42】
前記確認された測定が、前記初期測定を機能するように再重み付けする結果として、機能するように重み付け解除された測定または機能するように片側重み付け解除された測定のうちの少なくとも1つを含み、前記1つまたは複数の処理ユニットによって実施された場合、前記電子デバイスが、
前記位置推定フィルタ/前記速度推定フィルタ/前記時間推定フィルタを用いて、測定セット内の複数の測定に少なくとも一部基づいて、推定される位置および/または推定される速度のうちの少なくとも1つを決定することを可能にするコンピュータ実施可能命令をさらに含み、前記複数の測定が前記確認された測定を含む、請求項34に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項43】
前記確認された測定が、前記初期測定を機能するように片側隔離する結果として、機能するように片側隔離された測定を含み、前記1つまたは複数の処理ユニットによって実施された場合、前記電子デバイスが、
前記位置推定フィルタ/前記速度推定フィルタ/前記時間推定フィルタを用いて、測定セット内の複数の測定に少なくとも一部基づいて、推定される位置および/または推定される速度のうちの少なくとも1つを決定することを可能にするコンピュータ実施可能命令をさらに含み、前記複数の測定が前記機能するように片側隔離された測定を含まない、請求項34に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項44】
前記1つまたは複数の処理ユニットによって実施された場合、前記電子デバイスが、
前記少なくとも1つの他の初期測定が疑わしいことが決定された場合、最小数の測定が利用可能な状態で残っている場合、前記少なくとも1つの他の初期測定を除去することによって、少なくとも1つの他の初期測定を機能するように隔離することを可能にするコンピュータ実施可能命令をさらに含む、請求項34に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−507638(P2013−507638A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534253(P2012−534253)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/052065
【国際公開番号】WO2011/046839
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(507364838)クアルコム,インコーポレイテッド (446)
【Fターム(参考)】