衛星電波腕時計
【課題】衛星信号を正常受信できない姿勢での受信動作を抑制して、より消費電力の低減を図ることができる衛星電波腕時計を提供する。
【解決手段】衛星から送信される衛星信号に基づいて時刻修正する衛星電波腕時計において、前記衛星信号を受信する高周波回路46及びデコーダ回路53と、前記衛星電波腕時計の受光量を順次検出するともに、前記受光量の変化量である受光変化量を演算し、前記受光変化量に基づいて高周波回路46及びデコーダ回路53による前記衛星信号の受信動作を開始させるコントローラ47と、を含む。
【解決手段】衛星から送信される衛星信号に基づいて時刻修正する衛星電波腕時計において、前記衛星信号を受信する高周波回路46及びデコーダ回路53と、前記衛星電波腕時計の受光量を順次検出するともに、前記受光量の変化量である受光変化量を演算し、前記受光変化量に基づいて高周波回路46及びデコーダ回路53による前記衛星信号の受信動作を開始させるコントローラ47と、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衛星電波腕時計に関し、特に衛星から送信される衛星信号に基づいて時刻修正する衛星電波腕時計に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、GPS(Global Positioning System)衛星からの衛星信号に基づいて時刻修正するGPS付き腕時計が開示されている。この腕時計は、ソーラーパネルの発電量が閾値を超えるか、或いは加速度センサの出力振幅が閾値を超えるか、によって、当該腕時計が屋内外のいずれにあるのかを判断している。そして、屋外と判断された場合にのみ衛星信号の受信動作を行うことにより、消費電力の低減を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−039565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、GPS衛星からの衛星信号は短波長であり、たとえGPS付き腕時計が屋外にあったとしても、内蔵アンテナがGPS衛星の方向、すなわち上方を向いていないと、衛星信号を正常受信することは困難である。特に、内蔵アンテナが金属製の時計ケースに収容されている場合には、この問題が顕著である。すなわち、内蔵アンテナが上方を向いていないと、衛星側から見て内蔵アンテナと金属製の時計ケースが部分的に重なったり、或いは近接したりするので、衛星信号を内蔵アンテナで正常受信することが困難となる。従って、上記従来技術のように屋内外の判定のみに従って衛星信号の受信動作を行うのでは、消費電力低減として不十分である。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、衛星信号を正常受信できない姿勢での受信動作を抑制して、より消費電力の低減を図ることができる衛星電波腕時計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一側面に係る衛星電波腕時計は、衛星から送信される衛星信号に基づいて時刻修正する衛星電波腕時計において、前記衛星信号を受信する受信手段と、前記衛星電波腕時計の受光量を順次検出する受光量検出手段と、前記受光量の変化量である受光変化量を演算する受光変化量演算手段と、前記受光変化量に基づいて前記受信手段による前記衛星信号の受信動作を開始させる受信制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の他の側面に係る衛星電波腕時計は、衛星からの送信される衛星信号に基づいて時刻修正する衛星電波腕時計において、前記送信波を受信する受信手段と、前記衛星電波腕時計の姿勢を検知するセンサと、前記センサにより検知される前記衛星電波腕時計の姿勢に基づいて前記受信手段による前記衛星信号の受信動作を開始させる受信制御手段と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、衛星信号を正常受信できない姿勢での受信動作を抑制して、より消費電力の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る衛星電波腕時計の平面図である。
【図2】図1のA−A線における断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る衛星電波腕時計の回路構成図である。
【図4】コントローラに記憶される基準情報を模式的に示す図である。
【図5】発電量検出部の回路構成例を示す図である。
【図6】太陽電池の発電量の変化の一例を示す図である。
【図7】状況別の文字板が受ける光量を示す図である。
【図8】発電変化量の変化の一例を示す図である。
【図9】屋内外判定処理を示すフローチャートである。
【図10】実施形態1に係る受信開始タイミング判定処理を示すフロー図である。
【図11】発電量の安定性を評価する方法を説明する図である。
【図12】発電量の変化の一例を示す図である。
【図13】発電変化量の変化の一例を示す図である。
【図14】実施形態2に係る受信開始タイミング判定処理を示すフロー図である。
【図15】実施形態3に係る受信開始タイミング判定処理を示すフロー図である。
【図16】実施形態4に係る受信開始タイミング判定処理を示すフロー図である。
【図17】実施形態5に係る受信開始タイミング判定処理を示すフロー図である。
【図18】実施形態6に係る受信開始タイミング判定処理を示すフロー図である。
【図19】本発明の実施形態7に係る衛星電波腕時計の断面図である。
【図20】本発明の実施形態7に係る衛星電波腕時計の回路構成図である。
【図21】発電量及び傾斜量の変化の一例を示す図である。
【図22】実施形態7に係る受信開始タイミング判定処理を示すフロー図である。
【図23】実施形態8に係る衛星電波腕時計の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0011】
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1に係る衛星電波腕時計100を示す平面図である。同図には、衛星電波腕時計の外装(時計ケース)である胴1、胴1内に配置された文字板2と時刻を示す指針である時針3、分針4、秒針5が示されている。また、胴1の3時側の側面にはユーザが種々の操作を行うための竜頭6、ボタン7が配置されている。胴1の12時側及び6時側の側面からは、バンドを固定するためのバンド固定部8が伸びている。
【0012】
なお、同図に示した衛星電波腕時計100のデザインは一例である。ここで示したもの以外にも、例えば、胴1を丸型でなく角型にしてもよいし、竜頭6やボタン7の有無、数、配置は任意である。また、本実施形態では、指針を時針3、分針4、秒針5の3本としているが、これに限定されず、秒針5を省略しても、あるいは、曜日、タイムゾーンやサマータイムの有無、電波の受信状態や電池の残量、各種の表示を行う指針や、日付表示等を追加したりしてもよい。
【0013】
なお、本明細書では、衛星電波腕時計という用語を、腕時計であって、かつ、GPS衛星などの日付や時刻に関する情報を含む衛星信号を送信する衛星から当該衛星信号を受信し、それに含まれる日付や時刻に関する情報、すなわち基準情報に基づき、腕時計内部に保持している時刻の情報である内部時刻を修正する機能を有している腕時計を指すものとして用いる。
【0014】
図2は、図1のA−A線による断面図である。衛星電波腕時計100の文字板2を覆うように風防9が胴1に取り付けられ、また、風防9の反対側では、裏蓋10が胴1に取り付けられる。風防9の材質は、ガラス等の透明な材料であり、非磁性かつ非導電性である。また、胴1及び裏蓋10の材質は、特に限定はされないが、本実施形態では金属である。
【0015】
本明細書では、以降、衛星電波腕時計100の風防9が配置される方向(図2における上方向)を風防側、裏蓋10が配置される方向(図2における下方向)を裏蓋側と呼ぶ。
【0016】
文字板2の裏蓋側には、太陽電池(光起電パネル)11が配置され、風防側から入光した光により発電がなされる。そのため、文字板2はある程度光線を透過する材質で形成される。本実施形態では、文字板2は、太陽電池11を挟むようにして、ベース部材12に固定される。
【0017】
ベース部材12は、合成樹脂等の非磁性かつ非導電性の材質からなり、パッチアンテナ14や指針を駆動するための歯車機構25をはじめとする各種部材を支持する。パッチアンテナ14には、その厚み方向を貫くように給電ピン14bが設けられ、風防側の面が衛星からの電波を受信する受信面14aとなっている。
【0018】
ところで、一般に長波帯を用いて地上局から送信される標準電波を用いて時刻修正を行う電波時計では、フェライトあるいはアモルファス合金等の磁芯にコイルを巻いた形式のいわゆるバーアンテナが用いられることが多い。これに対し、本実施形態に係る衛星電波腕時計100では、はるかに周波数の高いUHF帯を用いて衛星から送信される信号を受信する。そのため、UHF帯の信号の受信に適した小型のアンテナとして、パッチアンテナ14を用いている。
【0019】
ベース部材12の裏蓋側には、回路基板24が配置され、さらにその裏蓋側には電池26が配置される。本実施形態では、電池26は充電可能な二次電池であり、ボタン型のリチウムイオン二次電池を用いている。そして、太陽電池11により発電された電力が蓄積されるようになっている。また、回路基板24には歯車機構25の駆動源であるモータ23も取り付けられている。
【0020】
なお、電池26の形状はボタン型に限定されず、任意である。さらに、二次電池としてリチウムイオン二次電池以外のもの、例えば、リチウムイオンキャパシタやニッケル水素畜電池を用いてもよい。
【0021】
ここで、図2に示されるようにパッチアンテナ14の受信面14aは太陽電池11の受光面と平行に設けられており、いずれも風防側を向いている。また、図1に示されるように太陽電池11は概略円形をなし、その外周の一部が矩形状に切りかかれている。そして、この部分にパッチアンテナ14が配置されている。このため、パッチアンテナ14の受信面14aと太陽電池11の受光面は、いずれも文字板2の裏面に直接対向している。本実施形態では、太陽電池11の発電量を衛星電波腕時計100の受光量としている。この受光量は、パッチアンテナ14の受信面14aが天上方向を向いているか否かの判断基準として用いられる。
【0022】
図3は、本実施形態1に係る電波腕時計100の回路構成図である。これら回路要素は、主に回路基板24上に配置される。パッチアンテナ14により受信された衛星信号は、高周波回路46によりベースバンド信号に変換され、デコーダ回路53により時刻に関する情報、具体的には時刻や日付を示す情報が抽出され、コントローラ47へと受け渡される。コントローラ47は、モータ23のドライバ、揮発性及び不揮発性メモリ、時計回路、各種AD変換器を内蔵したマイクロコンピュータであり、各種の制御は不揮発性メモリに記憶されたプログラムに従って実行される。
【0023】
ここで、コントローラ47に内蔵される揮発性メモリには、図4に示される日時修正のための基準情報が格納される。これらの基準情報は、衛星信号から抽出されるものである。まず、週内時刻TOW(Time Of Week)は、直近の日曜日の0時からの経過秒を示すものであり、衛星信号の全てのサブフレーム1〜5に含まれており、各サブフレームにおいて、同期ワードであるTLM(TeLemeTry)の直後に位置するHOW(Hand Over Word)に含まれている。週番号WN(Week Number)は、1999年8月22日午前9時に0に再設定された後、毎週1ずつ増加している。週番号WNは、衛星信号のサブフレーム1のみに含まれており、HOWの後に位置している。閏秒オフセットΔtLS(Leap Second)は、GPS衛星の原子時計の出力する時刻とUTC(Universal Time, Coordinated)とのずれを示すものであり、不定期に更新されるものである。閏秒オフセットΔtLSは、衛星信号のサブフレーム4が25回送信されるうち1回のみに含まれており、TLMから4〜5秒経過後に送信される。閏秒更新週WNLSFは、閏秒オフセットΔtLSの更新が予定される週の週番号であり、閏秒オフセットΔtLSの直後に送信される。閏秒更新日DNは、閏秒オフセットΔtLSの更新が予定される日の、直近の日曜日からの経過日数であり、閏秒更新週WNLSFの直後に送信される。更新後閏秒オフセットΔtLSFは、更新後の閏秒オフセットの値であり、閏秒更新日DNの直後に送信される。コントローラ47では、衛星信号からこれらの基準情報を抽出すると、揮発性メモリに保存するとともに、その保存した基準情報に関連づけて該基準情報の受信日時も記憶する。受信日時は、例えば内蔵時計回路の出力に従って設定される。
【0024】
コントローラ47は、こうして保存される基準情報に基づいて、内部の時計回路が保持する時刻情報である内部時刻(現在の時刻及び日付を含む)を修正し、内部時刻に基づいてモータ23を駆動する。モータ23により発生した回転動力は、輪列を経て指針(時針3、分針4及び秒針5)へと伝達され、時刻表示がなされる。
【0025】
また、太陽電池11はスイッチ29を介して電池26に接続されており、コントローラ47からの指示によりスイッチ29が太陽電池11と電池26とを導通させている状態では、太陽電池11により発電された電力は、電池26に蓄積される。そして、電池26からは、高周波回路46、デコーダ回路53及びコントローラ47に電力が供給される。また、太陽電池11はスイッチ29を介して発電量検出部30にも接続されており、コントローラ47からの指示によりスイッチ29が太陽電池11と発電量検出部30を導通させている状態では、太陽電池11により生じる電流は発電量検出部30に流れる。発電量検出部30はこの電流を電圧に変換するとともに、この電圧をさらにデジタル値に変換し、コントローラ47に供給する。スイッチ56は、高周波回路46及びデコーダ回路53への電力供給のオン/オフを切り替えるスイッチであり、コントローラ47により制御される。高周波数で動作する高周波回路46とデコーダ回路53はその消費電力が大きいため、コントローラ47は、衛星信号を受信する時のみスイッチ56をオンとして高周波回路46及びデコーダ回路53を動作させ、それ以外の時はスイッチ56をオフとして、電力消費を低減する。
【0026】
衛星信号の受信は、竜頭6やボタン7等の入力手段によるユーザからの要求がなされた時や、あらかじめ定められた時刻となったときに行ってよく、そのほかにも、前回の時刻修正があった時刻からの経過時間、あるいは太陽電池11の発電量やその他の電波腕時計100の周囲の環境を示す情報等に基づいて行うようにしてよい。なお、コントローラ47は、任意のタイミングでスイッチ29を切り替えて太陽電池11の端子を発電量検出部30に接続し、発電量検出部30に発電量を示すデジタル値を生成させ、このデジタル値をコントローラ47が取得することができるようになっている。図5は、発電量検出部30の回路構成例である。太陽電池11は、該太陽電池11が受ける光の量により電流値が大きく異なる。そこで、同図に示す発電量検出部30は、太陽電池11と並列接続される抵抗器30aと、該抵抗器30aの両端電圧をデジタル値に変換するAD変換器30と、を備えるようにしている。AD変換器30により生成されるデジタル値は発電量、すなわち太陽電池11が受ける光の量を示しており、このデジタル値はコントローラ47に入力される。
【0027】
以下では、太陽電池11の発電量に基づいて、衛星信号の受信タイミングを制御する処理について具体的に説明する。図6は、太陽電池11における発電量Pの推移の一例を示している。同図6は、衛星電波腕時計100を腕につけた状態で屋内から屋外に出て、その後に腕を上げて文字板2を太陽の方向に向けた場合における、発電量Pの推移を示している。図7に示すように、屋外での文字板が受ける光量は天気が晴れであっても曇りであっても一般に屋内での光量とは数十倍以上異なる(同図において各数値の単位はルクス)。一方、文字板が上方を向いているか否かでは、検出される光量は2倍程度しか異ならない。このため、太陽電池11の発電量Pの閾値Pthを、太陽電池11が屋内で電灯に向けてられている場合の発電量Pと、太陽電池11が屋外で上方、すなわち太陽の方向を向いていない場合の発電量Pと、の間の値に設定されていれば、該閾値と現在の発電量Pとの比較により、該太陽電池11が屋内又は屋外のいずれにあるかを判定できる。本実施形態1では、まず発電量Pが閾値Pthを超えるか否かにより屋内外の判定を行う。また、屋内に衛星電波腕時計100が位置していると判定される場合には、発電量Pの取得間隔は時間T1とする。一方、屋外に衛星電波腕時計100が位置していると判定される場合には、発電量Pの取得間隔は時間T2(T2<T1)とする。こうして、発電量Pを取得するための電力消費を抑えるようにしている。また、上述のように、発電量Pを取得する際にはスイッチ29を切り替えて、太陽電池11と電池26とを切り離し、太陽電池11と発電量検出部30を接続する。このため、発電量Pを取得する際には電池26への充電が行われない。この点、本実施形態では発電量Pが小さい場合には発電量Pの取得間隔を長くして、電池26への充電機会を多くとるようにしているので、充電効率を上げることができる。なお、時間T1としては、衛星電波腕時計100を着けて屋内から屋外に出るのに必要な時間(例えば20秒)よりも大きな値に設定することが望ましい。また、時間T2としては、衛星電波腕時計100を着けて腕を下ろした状態から、衛星電波腕時計100の文字板2を上方に向けるまでに必要な時間(例えば1秒程度)より大きな値に設定することが望ましい。
【0028】
屋外に衛星電波腕時計100が位置していると判定される場合には、発電量Pの変化量、すなわち発電変化量dPの演算を開始する。そして、この発電変化量dPが閾値dPthを超えるか否かにより、文字板2が上方を向いているか否かを判定する。ここで、図8は、太陽電池11における発電変化量dPの推移の一例を示している。同図に示される横軸(時間軸)は図5における横軸(時間軸)と対応している。閾値dPthを、屋外において文字板2を上方に向けていない場合における平均的な発電量Pと、屋外において文字板2を上方に向けている場合における平均的な発電量Pと、の差の半分程度の値に設定しておけば、図8に示されるように、発電変化量dPが閾値dPthを超えるタイミングXを、文字板2が屋外において上方に向けられたタイミングであると判断できる。なお、閾値dPthは固定値であってよい。また、文字板2が上方を向くとき、発電量Pは2倍程度に変化するから、発電変化量dPは文字板2が上方を向く直前の発電量Pと同程度の値をとる。そこで、文字板2が上方を向く直前の発電量Pそのもの、或いは発電量Pの移動平均値(例えば5〜10回程度の移動平均値)に一定値(例えば0.5程度)を乗算することにより、閾値dPthを得てもよい。そうすれば、天候に応じて適切に閾値dPthを設定することができる。
【0029】
図9は、コントローラ47が実行する屋内外判定処理を示すフロー図である。本衛星電波腕時計100では、図4に示されるようにして保存されている、衛星信号から抽出される各種基準情報の有効期限を定期的(例えば毎日午後0時)に調べ、有効期限が切れている基準情報は再取得するようにしている。例えば、週内時刻TOWは、前回受信日時から48時間が経過した場合に有効期限切れであると判断する。内部時計のずれを15秒/月とすると、48時間では1秒程度のずれが生じる可能性がある。48時間で週内時刻TOWを有効期限切れと判断し、再取得することで、内部時計のずれを継続的に1秒程度内に抑えることができる。週番号WNは、前回受信日時から例えば1週間が経過した場合に有効期限切れであると判断する。閏秒オフセットΔtLS、閏秒更新週WNLSF、閏秒更新日DN、更新後閏秒オフセットΔtLSFは、前回受信日時から半年が経過した場合や、既に記憶されている閏秒更新週WNLSF及び閏秒更新日DNにより特定される日付の翌月に入った場合に、有効期限切れであると判断する。いずれかの情報が有効期限切れであれば、コントローラ47は屋内該判定処理を実施する。この処理では、まずコントローラ47は発電量Pをサンプリングする(S101)。そして、発電量Pが閾値Pthを超えているか否かを判断する(S102)。発電量Pが閾値Pthを超えていなければ、前回のサンプリング時刻から時間T1が経過するまで待機してから(S103)、再度発電量Pをサンプリングする(S101)。一方、発電量Pが閾値Pthを超えていれば、屋外に移動したと判断して、受信開始タイミング判定処理に移る。
【0030】
図10は、コントローラ47が実行する受信開始タイミング判定処理を示すフロー図である。この処理では、まずコントローラ47が、発電量Pをサンプリングする(S201)。次に、発電量Pが閾値Pth以下であるか否かを判断する(S202)。発電量Pが閾値Pth以下であれば、屋内に移動したと判断して、図9の屋内外判定処理に戻る。一方、発電量Pが閾値Pthを超えていれば、発電変化量dPを演算する(S203)。次に、この発電変化量dPが閾値dPthを超えているか否かを判断する(S204)。閾値dPthは、上述のように固定値であってもよいし、S201で取得した発電量P又はその移動平均値から算出してもよい。そして、超えていなければ、前回のサンプリング時刻から時間T2だけ経過するまで待機してから(S205)、再度発電量Pをサンプリングする(S201)。
【0031】
一方、発電変化量dPが閾値dPthを超えていれば、文字板2が上方を向いたと判断して、次に受光量の安定性を調べる。具体的には、まず発電量Pの上限値及び下限値を設定する(S206)。例えば、図11に示すように、最後にサンプリングした発電量Pを一定割合(例えば15%)増やした値を上限値とし、一定割合(例えば15%)減らした値を下限値とする。次に発電量Pを再度サンプリングし(S207)、この発電量PがS206で設定した上限値及び下限値の間に収まっているか否かを判断する(S208)。そして、収まっていれば初期値0の変数であるカウンタnを1だけインクリメントし(S210)、このカウンタnが3を超えているか否かを判断する(S211)。そして、カウンタnが3を超えていれば、受光量が安定していると判断して、コントローラ47はスイッチ56をオンに設定して、高周波回路46及びデコーダ回路53による基準情報の取得を開始させる。
【0032】
一方、カウンタnが3を超えていなければ、S207で前回発電量Pをサンプリングしてから時間T2が経過するまで待機してから(S212)、S207に戻り、以降の処理を実行する。また、S208において発電量PがS206で設定した上限値及び下限値の間に収まっていないと判断するとカウンタnを0に初期化してから(S209)、S201に戻り、以降の処理を実行する。なお、S211ではカウンタnが3を超えているか否かを判断したが、値「3」は例示であり、他の値を設定してよいのはもちろんである。
【0033】
以上説明した制御によると、屋内外判定処理により屋外に移動したと判断するまで、低レートで発電量Pのサンプリングを行い、また図10に示す受信開始タイミング判定処理を実施しないので、消費電力を抑えることができるようになる。また、受信開始タイミング判定処理では、発電量Pの変化量である発電変化量dPが閾値dPthを超え、さらにその後、所定の値域に収まる発電量Pを連続して一定回数サンプリングした場合にだけ、高周波回路46及びデコーダ回路53を動作させる。すなわち、衛星電波腕時計100の文字板2が上方を向いた状態が維持されていると推定される場合にのみ、衛星信号の受信動作を開始する。このため、パッチアンテナ14により衛星信号を正しく受信できる可能性が高い場合に限って、高周波回路46及びデコーダ回路53を動作させ、無駄に消費電力が使われることを防止できる。
【0034】
[実施形態2]
図12は、屋外に衛星電波腕時計100が持ち出されている場合の発電量Pの推移の一例を示しており、図13は、図11に示される発電量Pの推移に対応する、発電変化量dPの推移を示している。この例は、使用者が腕を上げて文字板2が上方に向けられた後、一定時間が経過して、再び腕が下ろされるケースを示している。このような場合、発電量Pは一旦急増し、その後、同様の傾きで急減する。一方、発電変化量dPは、一旦上向きの楔状をなし、その後、下向きの楔状をなす。このような場合、発電変化量dPが閾値dPthを超えた後、閾値−dPthを下回るまでは、文字板2が上方に向けられたままであると評価できる。そこで、使用者が腕を上げて文字板2が上方に向けられた後、再び腕が下ろされるまでの時間が一定時間以上であれば、受光量が安定していると判断して、受信動作を開始するようにしてもよい。
【0035】
図14は、図10に示される受信開始タイミング判定処理の変形例を示すフロー図である。この処理では、まずコントローラ47が、発電量Pをサンプリングする(S301)。次に、発電量Pが閾値Pth以下であるか否かを判断する(S302)。発電量Pが閾値Pth以下であれば、屋内に移動したと判断して、図9の屋内外判定処理に戻る。一方、発電量Pが閾値Pthを超えていれば、発電変化量dPを演算する(S303)。次に、この発電変化量dPが閾値+dPthを超えているか否かを判断する(S304)。閾値dPthは、上述のように固定値であってもよいし、S301で取得した発電量P又はその移動平均値から算出してもよい。そして、超えていなければ、前回のサンプリング時刻から時間T2だけ経過するまで待機してから(S305)、再度発電量Pをサンプリングする(S301)。
【0036】
一方、発電変化量dPが閾値+dPthを超えていれば、文字板2が上方を向いたと判断して、次に受光量の安定性を調べる。具体的には、発電量Pを再度サンプリングし(S306)、さらに発電変化量dPを算出する(S307)。そして、発電変化量dPが−dP未満であるか否かを判断する(S308)。そして、−dP以上であれば、初期値0の変数であるカウンタnを1だけインクリメントし(S310)、このカウンタnが3を超えているか否かを判断する(S311)。そして、カウンタnが3を超えていれば、受光量が安定していると判断して、コントローラ47はスイッチ56をオンに設定して、高周波回路46及びデコーダ回路53による基準情報の取得を開始させる。
【0037】
一方、カウンタnが3を超えていなければ、S306で前回発電量Pをサンプリングしてから時間T2が経過するまで待機してから(S312)、S306に戻り、以降の処理を実行する。また、S308において発電変化量dPが−dPを未満であれば、カウンタnを0に初期化してから(S309)、S301に戻り、以降の処理を実行する。なお、S311ではカウンタnが3を超えているか否かを判断したが、値「3」は例示であり、他の値を設定してよいのはもちろんである。
【0038】
以上のようにしても、正常に基準情報を取得できる可能性が高い状況で、高周波回路46及びデコーダ回路53を動作させることができ、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0039】
[実施形態3]
文字板2が上方を向く前における発電量Pの平均値を基準として、文字板2が再び上方を向かなくなったタイミングを判断するようにしてもよい。
【0040】
図15は、図10に示される受信開始タイミング判定処理の他の変形例を示すフロー図である。この処理では、まずコントローラ47が、発電量Pをサンプリングする(S401)。次に、発電量Pが閾値Pth以下であるか否かを判断する(S402)。発電量Pが閾値Pth以下であれば、屋内に移動したと判断して、図9の屋内外判定処理に戻る。一方、発電量Pが閾値Pthを超えていれば、発電量Pの移動平均値を算出する(S403)。移動平均値は、直前n回分の発電量Pの平均値である。ここで、nは、例えば20〜30であってよい。さらに、コントローラ47は、発電変化量dPを演算する(S404)。次に、この発電変化量dPが閾値dPthを超えているか否かを判断する(S405)。閾値dPthは、上述のように固定値であってもよいし、S401で取得した発電量P又はその移動平均値から算出してもよい。そして、超えていなければ、前回のサンプリング時刻から時間T2だけ経過するまで待機してから(S406)、再度発電量Pをサンプリングする(S401)。
【0041】
一方、発電変化量dPが閾値dPthを超えていれば、文字板2が上方を向いたと判断して、次に受光量の安定性を調べる。具体的には、まずS403で算出された移動平均値に一定値を乗算することで、閾値Pthを得る(S407)。当該一定値は、例えば1.5程度であってよい。図7に示すように、天候によらず文字板2の向きによる受光量の変化割合はほぼ一定であるので、文字板2が上方を向いているのか否かを判断する基準として、発電量Pの移動平均値に一定値(1.5程度)を乗算した値を用いることができる。その後、発電量Pを再度サンプリングし(S408)、この発電量PがS407で取得した閾値Pth以上であるか否かを判断する(S409)。そして、閾値Pth以上であれば初期値0の変数であるカウンタnを1だけインクリメントし(S411)、このカウンタnが3を超えているか否かを判断する(S412)。そして、カウンタnが3を超えていれば、受光量が安定していると判断して、コントローラ47はスイッチ56をオンに設定して、高周波回路46及びデコーダ回路53による基準情報の取得を開始させる。
【0042】
一方、カウンタnが3を超えていなければ、S408で前回発電量Pをサンプリングしてから時間T2が経過するまで待機してから(S413)、S408に戻り、以降の処理を実行する。また、S409において発電量PがS407で取得した閾値Pth未満であると判断すると、カウンタnを0に初期化してから(S410)、S401に戻り、以降の処理を実行する。なお、S412ではカウンタnが3を超えているか否かを判断したが、値「3」は例示であり、他の値を設定してよいのはもちろんである。
【0043】
以上のようにしても、正常に基準情報を取得できる可能性が高い状況で、高周波回路46及びデコーダ回路53を動作させることができる。特に、発電量Pの移動平均値を算出し、この値に一定値を乗算した値を受光量の安定性の判断基準としているので、天候によらず受光量の安定性を判断することができる。
【0044】
[実施形態4]
発電変化量dPの積算値を基準として、文字板2が再び上方を向かなくなったタイミングを判断するようにしてもよい。
【0045】
図16は、図10に示される受信開始タイミング判定処理の他の変形例を示すフロー図である。この処理では、まずコントローラ47が、発電量Pをサンプリングする(S801)。次に、発電量Pが閾値Pth以下であるか否かを判断する(S802)。発電量Pが閾値Pth以下であれば、屋内に移動したと判断して、図9の屋内外判定処理に戻る。一方、発電量Pが閾値Pthを超えていれば、コントローラ47は、発電変化量dPを演算する(S803)。さらに、コントローラ47は、発電変化量dPの積算値であるIdPを算出する(S804)。すなわち、既に記憶されている積算値IdPにS803で算出された発電変化量dPを加算し、その値を積算値IdPとして再度記憶する。次に、発電変化量dPが閾値dPthを超えているか否かを判断する(S805)。閾値dPthは、上述のように固定値であってもよいし、S801で取得した発電量P又はその移動平均値から算出してもよい。そして、超えていなければ、前回のサンプリング時刻から時間T2だけ経過するまで待機してから(S806)、再度発電量Pをサンプリングする(S801)。
【0046】
一方、発電変化量dPが閾値dPthを超えていれば、文字板2が上方を向いたと判断して、次に受光量の安定性を調べる。具体的には、まず既に記憶されている積算値IdPに一定値を乗算することで、積算値IdPの閾値を得る(S807)。当該一定値は、例えば0.5程度であってよい。その後、発電量Pを再度サンプリングするとともに、積算値IdPを更新する(S808)。すなわち、発電変化量dPを算出し、既に記憶されている積算値IdPにその発電変化量dPを加算することで、積算値IdPを更新する。そして、積算値IdPがS807で取得した閾値以上であるか否かを判断する(S809)。そして、閾値以上であれば初期値0の変数であるカウンタnを1だけインクリメントし(S811)、このカウンタnが3を超えているか否かを判断する(S812)。そして、カウンタnが3を超えていれば、受光量が安定していると判断して、コントローラ47はスイッチ56をオンに設定して、高周波回路46及びデコーダ回路53による基準情報の取得を開始させる。
【0047】
一方、カウンタnが3を超えていなければ、S808で前回発電量Pをサンプリングしてから時間T2が経過するまで待機してから(S813)、S808に戻り、以降の処理を実行する。また、S809において積算値IdPがS807で取得した閾値未満であると判断すると、カウンタnを0に初期化するとともに、記憶されている積算値IdPを0も0に初期化してから(S810)、S801に戻り、以降の処理を実行する。なお、S812ではカウンタnが3を超えているか否かを判断したが、値「3」は例示であり、他の値を設定してよいのはもちろんである。
【0048】
以上のようにしても、正常に基準情報を取得できる可能性が高い状況で、高周波回路46及びデコーダ回路53を動作させることができる。特に、積算値IdPを受光量の安定性の判断基準としているので、簡易な処理で、天候によらず受光量の安定性を判断することができる。
【0049】
[実施形態5]
衛星信号から取得すべき基準情報の種類によって、受信動作を開始させる条件を変更するようにしてもよい。上述のように週内時刻TOWは同期ワードであるTLMの直後に位置するHOWに含まれており、週番号WNはHOWの後に位置していることから、1秒強でこれら基準情報を一括取得できる。一方、閏秒オフセットΔtLS、閏秒更新週WNLSF、閏秒更新日DN、更新後閏秒オフセットΔtLSFは、TLMから5〜6秒後に送信されることから、これら基準情報の一括取得には6秒程度が必要である。そこで、本実施形態では、取得を要するのが、週内時刻TOW及び週番号WNであるのか、閏秒オフセットΔtLS、閏秒更新週WNLSF、閏秒更新日DN及び更新後閏秒オフセットΔtLSFであるのか、によって、受信動作の開始条件を異ならせる。
【0050】
図17は、図10に示される受信開始タイミング判定処理のさらに他の変形例を示すフロー図である。この処理では、まずコントローラ47が、発電量Pをサンプリングする(S501)。次に、発電量Pが閾値Pth以下であるか否かを判断する(S502)。発電量Pが閾値Pth以下であれば、屋内に移動したと判断して、図9の屋内外判定処理に戻る。一方、発電量Pが閾値Pthを超えていれば、発電変化量dPを演算する(S503)。次に、この発電変化量dPが閾値dPthを超えているか否かを判断する(S504)。閾値dPthは、上述のように固定値であってもよいし、S501で取得した発電量P又はその移動平均値から算出してもよい。そして、超えていなければ、前回のサンプリング時刻から時間T2だけ経過するまで待機してから(S505)、再度発電量Pをサンプリングする(S501)。
【0051】
一方、発電変化量dPが閾値dPthを超えていれば、文字板2が上方を向いたと判断して、次に受光量の安定性を調べる。具体的には、まず発電量Pの上限値及び下限値を設定する(S506)。上限値及び下限値は、実施形態1と同様にして算出してよい。次に発電量Pを再度サンプリングし(S507)、この発電量PがS506で設定した上限値及び下限値の間に収まっているか否かを判断する(S508)。そして、収まっていれば初期値0の変数であるカウンタnを1だけインクリメントする(S510)。
【0052】
ここで、コントローラ47の揮発性メモリに、有効期限が切れていない閏秒オフセットΔtLS、閏秒更新週WNLSF、閏秒更新日DN及び更新後閏秒オフセットΔtLSFが記憶されているか否かを判断する(S511)。そして、それらが記憶されていれば、S515に進む。一方、それらが記憶されていなければ、内蔵時計回路を参照して(S512)、現在日時がサブフレーム4ページ18の送信前、一定時間内であるか否かを判断する(S513)。そして、S513においてイエスならば、カウンタnが10を超えているか否かを判断し(S514)、超えていれば、コントローラ47はスイッチ56をオンに設定して、高周波回路46及びデコーダ回路53を動作させ、閏秒オフセットΔtLS、閏秒更新週WNLSF、閏秒更新日DN及び更新後閏秒オフセットΔtLSFを取得する。また、超えていなければ、発電量Pの前回サンプリング時刻から時間T2が経過するまで待って(S516)、S507に戻り、以降の処理を実行する。一方、S513においてノーならば、次にカウンタnが3を超えているかを判断し(S515)、超えていれば、コントローラ47はスイッチ56をオンに設定して、高周波回路46及びデコーダ回路53を動作させ、週内時刻TOW及び週番号WNを取得する。また、超えていなければ、発電量Pの前回サンプリング時刻から時間T2が経過するまで待って(S516)、S507に戻り、以降の処理を実行する。また、S508において発電量PがS506で設定した上限値及び下限値の間に収まっていないと判断すると、カウンタnを0に初期化してから(S509)、S501に戻り、以降の処理を実行する。なお、S514ではカウンタnが10を超えているか否かを判断し、またS515ではカウンタnが3を超えているか否かを判断したが、値「10」や「3」は例示であり、それぞれ他の値を設定してよいのはもちろんである。
【0053】
以上説明した制御によると、週内時刻TOW及び週番号WNの取得の際には、比較的受光安定性が低い場合にも受信動作を行う。一方、閏秒オフセットΔtLS、閏秒更新週WNLSF、閏秒更新日DN及び更新後閏秒オフセットΔtLSFの取得の際には、比較的受光安定性が高い場合にしか受信動作を行わない。これは、後者の方が受信の困難性が高く、より良好な受信環境を必要とするからである。こうして、本実施形態によると、閏秒オフセットΔtLS等、取得の困難性が高い基準情報については、より安定した受信環境にて受信動作を行うことにより、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0054】
[実施形態6]
図18は、図10に示される受信開始タイミング判定処理のさらに他の変形例を示すフロー図である。この処理では、まずコントローラ47が、発電量Pをサンプリングする(S601)。次に、発電量Pが閾値Pth以下であるか否かを判断する(S602)。発電量Pが閾値Pth以下であれば、屋内に移動したと判断して、図9の屋内外判定処理に戻る。一方、発電量Pが閾値Pthを超えていれば、コントローラ47は発電変化量dPを演算する(S603)。次に、この発電変化量dPが閾値dPthを超えているか否かを判断する(S604)。閾値dPthは、上述のように固定値であってもよいし、S601で取得した発電量P又はその移動平均値から算出してもよい。そして、超えていなければ、前回のサンプリング時刻から時間T2だけ経過するまで待機してから(S605)、再度発電量Pをサンプリングする(S601)。
【0055】
一方、発電変化量dPが閾値dPthを超えていれば、文字板2が上方を向いたと判断して、次に受光量の安定性を調べる。このとき、まず現在再取得を必要としているのが、週内時刻TOW及び週番号WNであるのか、閏秒オフセットΔtLS、閏秒更新週WNLSF、閏秒更新日DN及び更新後閏秒オフセットΔtLSFであるのか、を判断する(S606)。例えば、有効期限の切れた週内時刻TOW又は週番号WNが記憶されていれば、それらの再取得が必要と判断し、有効期限の切れていない週内時刻TOW及び週番号WNが記憶されており、且つ閏秒オフセットΔtLS、閏秒更新週WNLSF、閏秒更新日DN及び更新後閏秒オフセットΔtLSFのいずれかが記憶されていない、或いは有効期限が切れていれば、閏秒オフセットΔtLS等の再取得が必要と判断してよい。各データの有効期限については、実施形態1で説明したのと同様にして判断すればよい。そして、週内時刻TOW等の再取得が必要と判断すると、発電量Pの閾値として第1の値Pth1を設定し(S608)、閏秒オフセットΔtLS等の再取得が必要と判断すると、発電量Pの閾値として第2の値Pth2を設定する(S607)。ここで、Pth2>Pth1である。
【0056】
その後、発電量Pを再度サンプリングし(S609)、この発電量PがS607又はS608で設定した閾値以上であるか否かを判断する(S610)。そして、閾値以上であれば初期値0の変数であるカウンタnを1だけインクリメントし(S612)、このカウンタnが3を超えているか否かを判断する(S613)。そして、カウンタnが3を超えていれば、受光量が安定していると判断して、コントローラ47はスイッチ56をオンに設定して、高周波回路46及びデコーダ回路53により、S606で再取得が必要と判断した基準情報の取得を開始させる。
【0057】
一方、カウンタnが3を超えていなければ、S609で前回発電量Pをサンプリングしてから時間T2が経過するまで待機してから(S614)、S609に戻り、以降の処理を実行する。また、S610において発電量PがS607で取得した閾値未満であると判断すると、カウンタnを0に初期化してから(S611)、S601に戻り、以降の処理を実行する。なお、S613ではカウンタnが3を超えているか否かを判断したが、値「3」は例示であり、他の値を設定してよいのはもちろんである。
【0058】
以上のようにすれば、受信困難な閏秒オフセットΔtLS等を、週内時刻TOW及び週番号WNよりも良い環境で受信させることができるようになり、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0059】
[実施形態7]
実施形態1〜6では、発電変化量dPにより文字板2が上方を向いたかどうかを判断するようにしたが、加速度センサにより衛星電波腕時計100の姿勢を検知して、検知される姿勢に基づいて衛星信号の受信開始タイミングを判定するようにしてもよい。
【0060】
図19及び図20に示すように、実施形態7では、実施形態1〜6と比して、回路基板24上に加速度センサ28が搭載され、その出力がコントローラ47に入力されている点が異なる。加速度センサ28は例えば2軸加速度センサであり、各検出軸方向の加速度を電圧又はデジタル値で出力するようになっている。加速度が電圧で出力される場合には、コントローラ47に内蔵されるAD変換器でデジタル値に変換すればよい。加速度センサ28は、その2つの検出軸がパッチアンテナ14の受信面14aと平行となるようにして回路基板24上に設けられている。このため、パッチアンテナ14が垂直上方を向いて静止すると、各検出軸方向の加速度として0が加速度センサ28から出力される。コントローラ47では、各検出軸方向の二乗平均、二乗平均平方根、二乗和、二乗和平方根などを傾斜量Gとして算出して、この傾斜量Gに基づいて、衛星信号の受信開始タイミングを判定する。
【0061】
図21は、発電量P及び傾斜量Gの推移の一例を示す図である。本実施形態6では、衛星電波腕時計100を着けて屋外に移動し、発電量Pが閾値Pthを超えれば発電量Pの取得間隔を狭めるとともに、加速度センサ28を起動する。逆に、屋内に移動し、発電量Pが閾値Pth以下となれば発電量Pの取得間隔を広げるとともに、加速度センサ28を停止させる。また、屋外において文字板2が垂直上方に向けられると、傾斜量Gは0付近の値となる。そこで、傾斜量Gが0近傍のまま所定時間が経過すると衛星信号の受信を開始させるとともに、加速度センサ28の動作を停止させる。受信開始時に加速度センサ28を停止させることで、不要な加速度センサ28の駆動を防ぎ、より低消費電力化を図ることができる。
【0062】
図22は、実施形態7に係る衛星電波腕時計100の屋内外判定及び受信開始タイミング判定処理を示すフロー図である。この処理では、まずコントローラ47は発電量Pをサンプリングする(S701)。そして、発電量Pが閾値Pthを超えているか否かを判断する(S702)。発電量Pが閾値Pthを超えていなければ、前回のサンプリング時刻から時間T1が経過するまで待機してから(S703)、再度発電量Pをサンプリングする(S701)。一方、発電量Pが閾値Pthを超えていれば、屋外に移動したと判断して、加速度センサ28を起動する(S704)。
【0063】
その後、コントローラ47は、加速度センサ28の出力に基づいて傾斜量Gを演算するとともに、再度発電量Pをサンプリングする(S705)。次に、発電量Pが閾値Pth以上であるか否かを判断する(S706)。発電量Pが閾値Pth未満であれば、カウンタnを0に初期化してから(S707)、S701に戻る。一方、発電量Pが閾値Pth以上であれば、傾斜量Gが0以上Δ未満であるかを判断する(S708)。ここでΔは、パッチアンテナ14による衛星信号の受信が良好に行えるように、微少値が設定される。傾斜量GがΔ以上であれば、カウンタnを0に初期化してから(S707)、S701に戻る。
【0064】
一方、傾斜量Gが0以上Δ未満であれば、カウンタnを1だけインクリメントし(S709)、このカウンタnが3を超えているか否かを判断する(S710)。そして、カウンタnが3を超えていれば、受光量が安定していると判断して、コントローラ47はスイッチ56をオンに設定して、高周波回路46及びデコーダ回路53による基準情報の取得を開始させる。このとき、加速度センサ28の動作を停止させる。一方、カウンタnが3を超えていなければ、S705で前回発電量Pをサンプリングしてから時間T2が経過するまで待機してから(S711)、S705に戻り、以降の処理を実行する。なお、S710ではカウンタnが3を超えているか否かを判断したが、値「3」は例示であり、他の値を設定してよいのはもちろんである。
【0065】
以上の実施形態によると、加速度センサ28の出力を利用して文字板2が上方を向いているか否かを判定することができ、文字板2が上方を向いていると判定される場合のみ衛星信号の受信動作を行うので、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0066】
[実施形態8]
実施形態7では2軸加速度センサを用いて衛星電波腕時計100の姿勢を検出したが、1軸加速度センサを用いることもできる。すなわち、衛星電波腕時計100を左腕に着けたとき、当該衛星電波腕時計100は、主として、腕を上げる動作により12時の位置及び6時の位置を結ぶ線を軸にした回転をするか、腕をひねる動作により3時の位置及び9時の位置を結ぶ線を軸にした回転をする。そこで、図23に示すように、1軸加速度センサ27の検出軸が12時と3時の間の位置、及び9時と6時の間の位置を結ぶ線に一致するようにして回路基板24上に設ければ、文字板2が垂直上方を向いたときに当該1軸加速度センサ27の出力は0となり、それ以外のときには0以外の値を出力するようになる。この1軸加速度センサ27の出力を傾斜量Gとして、図22の処理を実行すれば、1軸加速度センサ27を用いて受信開始タイミングを適切に判断できる。なお、1軸加速度センサ27は、その検出軸が9時と12時の間の位置、及び3時と6時の間の位置を結ぶ線に一致するようにして回路基板24上に設けてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 胴、2 文字板、3 時針、4 分針、5 秒針、6 竜頭、7 ボタン、8 バンド固定部、9 風防、10 裏蓋、11 太陽電池、12 ベース部材、14 パッチアンテナ、14a 受信面、14b 給電ピン、23 モータ、24 回路基板、26 電池、100 衛星電波腕時計。
【技術分野】
【0001】
本発明は衛星電波腕時計に関し、特に衛星から送信される衛星信号に基づいて時刻修正する衛星電波腕時計に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、GPS(Global Positioning System)衛星からの衛星信号に基づいて時刻修正するGPS付き腕時計が開示されている。この腕時計は、ソーラーパネルの発電量が閾値を超えるか、或いは加速度センサの出力振幅が閾値を超えるか、によって、当該腕時計が屋内外のいずれにあるのかを判断している。そして、屋外と判断された場合にのみ衛星信号の受信動作を行うことにより、消費電力の低減を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−039565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、GPS衛星からの衛星信号は短波長であり、たとえGPS付き腕時計が屋外にあったとしても、内蔵アンテナがGPS衛星の方向、すなわち上方を向いていないと、衛星信号を正常受信することは困難である。特に、内蔵アンテナが金属製の時計ケースに収容されている場合には、この問題が顕著である。すなわち、内蔵アンテナが上方を向いていないと、衛星側から見て内蔵アンテナと金属製の時計ケースが部分的に重なったり、或いは近接したりするので、衛星信号を内蔵アンテナで正常受信することが困難となる。従って、上記従来技術のように屋内外の判定のみに従って衛星信号の受信動作を行うのでは、消費電力低減として不十分である。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、衛星信号を正常受信できない姿勢での受信動作を抑制して、より消費電力の低減を図ることができる衛星電波腕時計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一側面に係る衛星電波腕時計は、衛星から送信される衛星信号に基づいて時刻修正する衛星電波腕時計において、前記衛星信号を受信する受信手段と、前記衛星電波腕時計の受光量を順次検出する受光量検出手段と、前記受光量の変化量である受光変化量を演算する受光変化量演算手段と、前記受光変化量に基づいて前記受信手段による前記衛星信号の受信動作を開始させる受信制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の他の側面に係る衛星電波腕時計は、衛星からの送信される衛星信号に基づいて時刻修正する衛星電波腕時計において、前記送信波を受信する受信手段と、前記衛星電波腕時計の姿勢を検知するセンサと、前記センサにより検知される前記衛星電波腕時計の姿勢に基づいて前記受信手段による前記衛星信号の受信動作を開始させる受信制御手段と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、衛星信号を正常受信できない姿勢での受信動作を抑制して、より消費電力の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る衛星電波腕時計の平面図である。
【図2】図1のA−A線における断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る衛星電波腕時計の回路構成図である。
【図4】コントローラに記憶される基準情報を模式的に示す図である。
【図5】発電量検出部の回路構成例を示す図である。
【図6】太陽電池の発電量の変化の一例を示す図である。
【図7】状況別の文字板が受ける光量を示す図である。
【図8】発電変化量の変化の一例を示す図である。
【図9】屋内外判定処理を示すフローチャートである。
【図10】実施形態1に係る受信開始タイミング判定処理を示すフロー図である。
【図11】発電量の安定性を評価する方法を説明する図である。
【図12】発電量の変化の一例を示す図である。
【図13】発電変化量の変化の一例を示す図である。
【図14】実施形態2に係る受信開始タイミング判定処理を示すフロー図である。
【図15】実施形態3に係る受信開始タイミング判定処理を示すフロー図である。
【図16】実施形態4に係る受信開始タイミング判定処理を示すフロー図である。
【図17】実施形態5に係る受信開始タイミング判定処理を示すフロー図である。
【図18】実施形態6に係る受信開始タイミング判定処理を示すフロー図である。
【図19】本発明の実施形態7に係る衛星電波腕時計の断面図である。
【図20】本発明の実施形態7に係る衛星電波腕時計の回路構成図である。
【図21】発電量及び傾斜量の変化の一例を示す図である。
【図22】実施形態7に係る受信開始タイミング判定処理を示すフロー図である。
【図23】実施形態8に係る衛星電波腕時計の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0011】
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1に係る衛星電波腕時計100を示す平面図である。同図には、衛星電波腕時計の外装(時計ケース)である胴1、胴1内に配置された文字板2と時刻を示す指針である時針3、分針4、秒針5が示されている。また、胴1の3時側の側面にはユーザが種々の操作を行うための竜頭6、ボタン7が配置されている。胴1の12時側及び6時側の側面からは、バンドを固定するためのバンド固定部8が伸びている。
【0012】
なお、同図に示した衛星電波腕時計100のデザインは一例である。ここで示したもの以外にも、例えば、胴1を丸型でなく角型にしてもよいし、竜頭6やボタン7の有無、数、配置は任意である。また、本実施形態では、指針を時針3、分針4、秒針5の3本としているが、これに限定されず、秒針5を省略しても、あるいは、曜日、タイムゾーンやサマータイムの有無、電波の受信状態や電池の残量、各種の表示を行う指針や、日付表示等を追加したりしてもよい。
【0013】
なお、本明細書では、衛星電波腕時計という用語を、腕時計であって、かつ、GPS衛星などの日付や時刻に関する情報を含む衛星信号を送信する衛星から当該衛星信号を受信し、それに含まれる日付や時刻に関する情報、すなわち基準情報に基づき、腕時計内部に保持している時刻の情報である内部時刻を修正する機能を有している腕時計を指すものとして用いる。
【0014】
図2は、図1のA−A線による断面図である。衛星電波腕時計100の文字板2を覆うように風防9が胴1に取り付けられ、また、風防9の反対側では、裏蓋10が胴1に取り付けられる。風防9の材質は、ガラス等の透明な材料であり、非磁性かつ非導電性である。また、胴1及び裏蓋10の材質は、特に限定はされないが、本実施形態では金属である。
【0015】
本明細書では、以降、衛星電波腕時計100の風防9が配置される方向(図2における上方向)を風防側、裏蓋10が配置される方向(図2における下方向)を裏蓋側と呼ぶ。
【0016】
文字板2の裏蓋側には、太陽電池(光起電パネル)11が配置され、風防側から入光した光により発電がなされる。そのため、文字板2はある程度光線を透過する材質で形成される。本実施形態では、文字板2は、太陽電池11を挟むようにして、ベース部材12に固定される。
【0017】
ベース部材12は、合成樹脂等の非磁性かつ非導電性の材質からなり、パッチアンテナ14や指針を駆動するための歯車機構25をはじめとする各種部材を支持する。パッチアンテナ14には、その厚み方向を貫くように給電ピン14bが設けられ、風防側の面が衛星からの電波を受信する受信面14aとなっている。
【0018】
ところで、一般に長波帯を用いて地上局から送信される標準電波を用いて時刻修正を行う電波時計では、フェライトあるいはアモルファス合金等の磁芯にコイルを巻いた形式のいわゆるバーアンテナが用いられることが多い。これに対し、本実施形態に係る衛星電波腕時計100では、はるかに周波数の高いUHF帯を用いて衛星から送信される信号を受信する。そのため、UHF帯の信号の受信に適した小型のアンテナとして、パッチアンテナ14を用いている。
【0019】
ベース部材12の裏蓋側には、回路基板24が配置され、さらにその裏蓋側には電池26が配置される。本実施形態では、電池26は充電可能な二次電池であり、ボタン型のリチウムイオン二次電池を用いている。そして、太陽電池11により発電された電力が蓄積されるようになっている。また、回路基板24には歯車機構25の駆動源であるモータ23も取り付けられている。
【0020】
なお、電池26の形状はボタン型に限定されず、任意である。さらに、二次電池としてリチウムイオン二次電池以外のもの、例えば、リチウムイオンキャパシタやニッケル水素畜電池を用いてもよい。
【0021】
ここで、図2に示されるようにパッチアンテナ14の受信面14aは太陽電池11の受光面と平行に設けられており、いずれも風防側を向いている。また、図1に示されるように太陽電池11は概略円形をなし、その外周の一部が矩形状に切りかかれている。そして、この部分にパッチアンテナ14が配置されている。このため、パッチアンテナ14の受信面14aと太陽電池11の受光面は、いずれも文字板2の裏面に直接対向している。本実施形態では、太陽電池11の発電量を衛星電波腕時計100の受光量としている。この受光量は、パッチアンテナ14の受信面14aが天上方向を向いているか否かの判断基準として用いられる。
【0022】
図3は、本実施形態1に係る電波腕時計100の回路構成図である。これら回路要素は、主に回路基板24上に配置される。パッチアンテナ14により受信された衛星信号は、高周波回路46によりベースバンド信号に変換され、デコーダ回路53により時刻に関する情報、具体的には時刻や日付を示す情報が抽出され、コントローラ47へと受け渡される。コントローラ47は、モータ23のドライバ、揮発性及び不揮発性メモリ、時計回路、各種AD変換器を内蔵したマイクロコンピュータであり、各種の制御は不揮発性メモリに記憶されたプログラムに従って実行される。
【0023】
ここで、コントローラ47に内蔵される揮発性メモリには、図4に示される日時修正のための基準情報が格納される。これらの基準情報は、衛星信号から抽出されるものである。まず、週内時刻TOW(Time Of Week)は、直近の日曜日の0時からの経過秒を示すものであり、衛星信号の全てのサブフレーム1〜5に含まれており、各サブフレームにおいて、同期ワードであるTLM(TeLemeTry)の直後に位置するHOW(Hand Over Word)に含まれている。週番号WN(Week Number)は、1999年8月22日午前9時に0に再設定された後、毎週1ずつ増加している。週番号WNは、衛星信号のサブフレーム1のみに含まれており、HOWの後に位置している。閏秒オフセットΔtLS(Leap Second)は、GPS衛星の原子時計の出力する時刻とUTC(Universal Time, Coordinated)とのずれを示すものであり、不定期に更新されるものである。閏秒オフセットΔtLSは、衛星信号のサブフレーム4が25回送信されるうち1回のみに含まれており、TLMから4〜5秒経過後に送信される。閏秒更新週WNLSFは、閏秒オフセットΔtLSの更新が予定される週の週番号であり、閏秒オフセットΔtLSの直後に送信される。閏秒更新日DNは、閏秒オフセットΔtLSの更新が予定される日の、直近の日曜日からの経過日数であり、閏秒更新週WNLSFの直後に送信される。更新後閏秒オフセットΔtLSFは、更新後の閏秒オフセットの値であり、閏秒更新日DNの直後に送信される。コントローラ47では、衛星信号からこれらの基準情報を抽出すると、揮発性メモリに保存するとともに、その保存した基準情報に関連づけて該基準情報の受信日時も記憶する。受信日時は、例えば内蔵時計回路の出力に従って設定される。
【0024】
コントローラ47は、こうして保存される基準情報に基づいて、内部の時計回路が保持する時刻情報である内部時刻(現在の時刻及び日付を含む)を修正し、内部時刻に基づいてモータ23を駆動する。モータ23により発生した回転動力は、輪列を経て指針(時針3、分針4及び秒針5)へと伝達され、時刻表示がなされる。
【0025】
また、太陽電池11はスイッチ29を介して電池26に接続されており、コントローラ47からの指示によりスイッチ29が太陽電池11と電池26とを導通させている状態では、太陽電池11により発電された電力は、電池26に蓄積される。そして、電池26からは、高周波回路46、デコーダ回路53及びコントローラ47に電力が供給される。また、太陽電池11はスイッチ29を介して発電量検出部30にも接続されており、コントローラ47からの指示によりスイッチ29が太陽電池11と発電量検出部30を導通させている状態では、太陽電池11により生じる電流は発電量検出部30に流れる。発電量検出部30はこの電流を電圧に変換するとともに、この電圧をさらにデジタル値に変換し、コントローラ47に供給する。スイッチ56は、高周波回路46及びデコーダ回路53への電力供給のオン/オフを切り替えるスイッチであり、コントローラ47により制御される。高周波数で動作する高周波回路46とデコーダ回路53はその消費電力が大きいため、コントローラ47は、衛星信号を受信する時のみスイッチ56をオンとして高周波回路46及びデコーダ回路53を動作させ、それ以外の時はスイッチ56をオフとして、電力消費を低減する。
【0026】
衛星信号の受信は、竜頭6やボタン7等の入力手段によるユーザからの要求がなされた時や、あらかじめ定められた時刻となったときに行ってよく、そのほかにも、前回の時刻修正があった時刻からの経過時間、あるいは太陽電池11の発電量やその他の電波腕時計100の周囲の環境を示す情報等に基づいて行うようにしてよい。なお、コントローラ47は、任意のタイミングでスイッチ29を切り替えて太陽電池11の端子を発電量検出部30に接続し、発電量検出部30に発電量を示すデジタル値を生成させ、このデジタル値をコントローラ47が取得することができるようになっている。図5は、発電量検出部30の回路構成例である。太陽電池11は、該太陽電池11が受ける光の量により電流値が大きく異なる。そこで、同図に示す発電量検出部30は、太陽電池11と並列接続される抵抗器30aと、該抵抗器30aの両端電圧をデジタル値に変換するAD変換器30と、を備えるようにしている。AD変換器30により生成されるデジタル値は発電量、すなわち太陽電池11が受ける光の量を示しており、このデジタル値はコントローラ47に入力される。
【0027】
以下では、太陽電池11の発電量に基づいて、衛星信号の受信タイミングを制御する処理について具体的に説明する。図6は、太陽電池11における発電量Pの推移の一例を示している。同図6は、衛星電波腕時計100を腕につけた状態で屋内から屋外に出て、その後に腕を上げて文字板2を太陽の方向に向けた場合における、発電量Pの推移を示している。図7に示すように、屋外での文字板が受ける光量は天気が晴れであっても曇りであっても一般に屋内での光量とは数十倍以上異なる(同図において各数値の単位はルクス)。一方、文字板が上方を向いているか否かでは、検出される光量は2倍程度しか異ならない。このため、太陽電池11の発電量Pの閾値Pthを、太陽電池11が屋内で電灯に向けてられている場合の発電量Pと、太陽電池11が屋外で上方、すなわち太陽の方向を向いていない場合の発電量Pと、の間の値に設定されていれば、該閾値と現在の発電量Pとの比較により、該太陽電池11が屋内又は屋外のいずれにあるかを判定できる。本実施形態1では、まず発電量Pが閾値Pthを超えるか否かにより屋内外の判定を行う。また、屋内に衛星電波腕時計100が位置していると判定される場合には、発電量Pの取得間隔は時間T1とする。一方、屋外に衛星電波腕時計100が位置していると判定される場合には、発電量Pの取得間隔は時間T2(T2<T1)とする。こうして、発電量Pを取得するための電力消費を抑えるようにしている。また、上述のように、発電量Pを取得する際にはスイッチ29を切り替えて、太陽電池11と電池26とを切り離し、太陽電池11と発電量検出部30を接続する。このため、発電量Pを取得する際には電池26への充電が行われない。この点、本実施形態では発電量Pが小さい場合には発電量Pの取得間隔を長くして、電池26への充電機会を多くとるようにしているので、充電効率を上げることができる。なお、時間T1としては、衛星電波腕時計100を着けて屋内から屋外に出るのに必要な時間(例えば20秒)よりも大きな値に設定することが望ましい。また、時間T2としては、衛星電波腕時計100を着けて腕を下ろした状態から、衛星電波腕時計100の文字板2を上方に向けるまでに必要な時間(例えば1秒程度)より大きな値に設定することが望ましい。
【0028】
屋外に衛星電波腕時計100が位置していると判定される場合には、発電量Pの変化量、すなわち発電変化量dPの演算を開始する。そして、この発電変化量dPが閾値dPthを超えるか否かにより、文字板2が上方を向いているか否かを判定する。ここで、図8は、太陽電池11における発電変化量dPの推移の一例を示している。同図に示される横軸(時間軸)は図5における横軸(時間軸)と対応している。閾値dPthを、屋外において文字板2を上方に向けていない場合における平均的な発電量Pと、屋外において文字板2を上方に向けている場合における平均的な発電量Pと、の差の半分程度の値に設定しておけば、図8に示されるように、発電変化量dPが閾値dPthを超えるタイミングXを、文字板2が屋外において上方に向けられたタイミングであると判断できる。なお、閾値dPthは固定値であってよい。また、文字板2が上方を向くとき、発電量Pは2倍程度に変化するから、発電変化量dPは文字板2が上方を向く直前の発電量Pと同程度の値をとる。そこで、文字板2が上方を向く直前の発電量Pそのもの、或いは発電量Pの移動平均値(例えば5〜10回程度の移動平均値)に一定値(例えば0.5程度)を乗算することにより、閾値dPthを得てもよい。そうすれば、天候に応じて適切に閾値dPthを設定することができる。
【0029】
図9は、コントローラ47が実行する屋内外判定処理を示すフロー図である。本衛星電波腕時計100では、図4に示されるようにして保存されている、衛星信号から抽出される各種基準情報の有効期限を定期的(例えば毎日午後0時)に調べ、有効期限が切れている基準情報は再取得するようにしている。例えば、週内時刻TOWは、前回受信日時から48時間が経過した場合に有効期限切れであると判断する。内部時計のずれを15秒/月とすると、48時間では1秒程度のずれが生じる可能性がある。48時間で週内時刻TOWを有効期限切れと判断し、再取得することで、内部時計のずれを継続的に1秒程度内に抑えることができる。週番号WNは、前回受信日時から例えば1週間が経過した場合に有効期限切れであると判断する。閏秒オフセットΔtLS、閏秒更新週WNLSF、閏秒更新日DN、更新後閏秒オフセットΔtLSFは、前回受信日時から半年が経過した場合や、既に記憶されている閏秒更新週WNLSF及び閏秒更新日DNにより特定される日付の翌月に入った場合に、有効期限切れであると判断する。いずれかの情報が有効期限切れであれば、コントローラ47は屋内該判定処理を実施する。この処理では、まずコントローラ47は発電量Pをサンプリングする(S101)。そして、発電量Pが閾値Pthを超えているか否かを判断する(S102)。発電量Pが閾値Pthを超えていなければ、前回のサンプリング時刻から時間T1が経過するまで待機してから(S103)、再度発電量Pをサンプリングする(S101)。一方、発電量Pが閾値Pthを超えていれば、屋外に移動したと判断して、受信開始タイミング判定処理に移る。
【0030】
図10は、コントローラ47が実行する受信開始タイミング判定処理を示すフロー図である。この処理では、まずコントローラ47が、発電量Pをサンプリングする(S201)。次に、発電量Pが閾値Pth以下であるか否かを判断する(S202)。発電量Pが閾値Pth以下であれば、屋内に移動したと判断して、図9の屋内外判定処理に戻る。一方、発電量Pが閾値Pthを超えていれば、発電変化量dPを演算する(S203)。次に、この発電変化量dPが閾値dPthを超えているか否かを判断する(S204)。閾値dPthは、上述のように固定値であってもよいし、S201で取得した発電量P又はその移動平均値から算出してもよい。そして、超えていなければ、前回のサンプリング時刻から時間T2だけ経過するまで待機してから(S205)、再度発電量Pをサンプリングする(S201)。
【0031】
一方、発電変化量dPが閾値dPthを超えていれば、文字板2が上方を向いたと判断して、次に受光量の安定性を調べる。具体的には、まず発電量Pの上限値及び下限値を設定する(S206)。例えば、図11に示すように、最後にサンプリングした発電量Pを一定割合(例えば15%)増やした値を上限値とし、一定割合(例えば15%)減らした値を下限値とする。次に発電量Pを再度サンプリングし(S207)、この発電量PがS206で設定した上限値及び下限値の間に収まっているか否かを判断する(S208)。そして、収まっていれば初期値0の変数であるカウンタnを1だけインクリメントし(S210)、このカウンタnが3を超えているか否かを判断する(S211)。そして、カウンタnが3を超えていれば、受光量が安定していると判断して、コントローラ47はスイッチ56をオンに設定して、高周波回路46及びデコーダ回路53による基準情報の取得を開始させる。
【0032】
一方、カウンタnが3を超えていなければ、S207で前回発電量Pをサンプリングしてから時間T2が経過するまで待機してから(S212)、S207に戻り、以降の処理を実行する。また、S208において発電量PがS206で設定した上限値及び下限値の間に収まっていないと判断するとカウンタnを0に初期化してから(S209)、S201に戻り、以降の処理を実行する。なお、S211ではカウンタnが3を超えているか否かを判断したが、値「3」は例示であり、他の値を設定してよいのはもちろんである。
【0033】
以上説明した制御によると、屋内外判定処理により屋外に移動したと判断するまで、低レートで発電量Pのサンプリングを行い、また図10に示す受信開始タイミング判定処理を実施しないので、消費電力を抑えることができるようになる。また、受信開始タイミング判定処理では、発電量Pの変化量である発電変化量dPが閾値dPthを超え、さらにその後、所定の値域に収まる発電量Pを連続して一定回数サンプリングした場合にだけ、高周波回路46及びデコーダ回路53を動作させる。すなわち、衛星電波腕時計100の文字板2が上方を向いた状態が維持されていると推定される場合にのみ、衛星信号の受信動作を開始する。このため、パッチアンテナ14により衛星信号を正しく受信できる可能性が高い場合に限って、高周波回路46及びデコーダ回路53を動作させ、無駄に消費電力が使われることを防止できる。
【0034】
[実施形態2]
図12は、屋外に衛星電波腕時計100が持ち出されている場合の発電量Pの推移の一例を示しており、図13は、図11に示される発電量Pの推移に対応する、発電変化量dPの推移を示している。この例は、使用者が腕を上げて文字板2が上方に向けられた後、一定時間が経過して、再び腕が下ろされるケースを示している。このような場合、発電量Pは一旦急増し、その後、同様の傾きで急減する。一方、発電変化量dPは、一旦上向きの楔状をなし、その後、下向きの楔状をなす。このような場合、発電変化量dPが閾値dPthを超えた後、閾値−dPthを下回るまでは、文字板2が上方に向けられたままであると評価できる。そこで、使用者が腕を上げて文字板2が上方に向けられた後、再び腕が下ろされるまでの時間が一定時間以上であれば、受光量が安定していると判断して、受信動作を開始するようにしてもよい。
【0035】
図14は、図10に示される受信開始タイミング判定処理の変形例を示すフロー図である。この処理では、まずコントローラ47が、発電量Pをサンプリングする(S301)。次に、発電量Pが閾値Pth以下であるか否かを判断する(S302)。発電量Pが閾値Pth以下であれば、屋内に移動したと判断して、図9の屋内外判定処理に戻る。一方、発電量Pが閾値Pthを超えていれば、発電変化量dPを演算する(S303)。次に、この発電変化量dPが閾値+dPthを超えているか否かを判断する(S304)。閾値dPthは、上述のように固定値であってもよいし、S301で取得した発電量P又はその移動平均値から算出してもよい。そして、超えていなければ、前回のサンプリング時刻から時間T2だけ経過するまで待機してから(S305)、再度発電量Pをサンプリングする(S301)。
【0036】
一方、発電変化量dPが閾値+dPthを超えていれば、文字板2が上方を向いたと判断して、次に受光量の安定性を調べる。具体的には、発電量Pを再度サンプリングし(S306)、さらに発電変化量dPを算出する(S307)。そして、発電変化量dPが−dP未満であるか否かを判断する(S308)。そして、−dP以上であれば、初期値0の変数であるカウンタnを1だけインクリメントし(S310)、このカウンタnが3を超えているか否かを判断する(S311)。そして、カウンタnが3を超えていれば、受光量が安定していると判断して、コントローラ47はスイッチ56をオンに設定して、高周波回路46及びデコーダ回路53による基準情報の取得を開始させる。
【0037】
一方、カウンタnが3を超えていなければ、S306で前回発電量Pをサンプリングしてから時間T2が経過するまで待機してから(S312)、S306に戻り、以降の処理を実行する。また、S308において発電変化量dPが−dPを未満であれば、カウンタnを0に初期化してから(S309)、S301に戻り、以降の処理を実行する。なお、S311ではカウンタnが3を超えているか否かを判断したが、値「3」は例示であり、他の値を設定してよいのはもちろんである。
【0038】
以上のようにしても、正常に基準情報を取得できる可能性が高い状況で、高周波回路46及びデコーダ回路53を動作させることができ、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0039】
[実施形態3]
文字板2が上方を向く前における発電量Pの平均値を基準として、文字板2が再び上方を向かなくなったタイミングを判断するようにしてもよい。
【0040】
図15は、図10に示される受信開始タイミング判定処理の他の変形例を示すフロー図である。この処理では、まずコントローラ47が、発電量Pをサンプリングする(S401)。次に、発電量Pが閾値Pth以下であるか否かを判断する(S402)。発電量Pが閾値Pth以下であれば、屋内に移動したと判断して、図9の屋内外判定処理に戻る。一方、発電量Pが閾値Pthを超えていれば、発電量Pの移動平均値を算出する(S403)。移動平均値は、直前n回分の発電量Pの平均値である。ここで、nは、例えば20〜30であってよい。さらに、コントローラ47は、発電変化量dPを演算する(S404)。次に、この発電変化量dPが閾値dPthを超えているか否かを判断する(S405)。閾値dPthは、上述のように固定値であってもよいし、S401で取得した発電量P又はその移動平均値から算出してもよい。そして、超えていなければ、前回のサンプリング時刻から時間T2だけ経過するまで待機してから(S406)、再度発電量Pをサンプリングする(S401)。
【0041】
一方、発電変化量dPが閾値dPthを超えていれば、文字板2が上方を向いたと判断して、次に受光量の安定性を調べる。具体的には、まずS403で算出された移動平均値に一定値を乗算することで、閾値Pthを得る(S407)。当該一定値は、例えば1.5程度であってよい。図7に示すように、天候によらず文字板2の向きによる受光量の変化割合はほぼ一定であるので、文字板2が上方を向いているのか否かを判断する基準として、発電量Pの移動平均値に一定値(1.5程度)を乗算した値を用いることができる。その後、発電量Pを再度サンプリングし(S408)、この発電量PがS407で取得した閾値Pth以上であるか否かを判断する(S409)。そして、閾値Pth以上であれば初期値0の変数であるカウンタnを1だけインクリメントし(S411)、このカウンタnが3を超えているか否かを判断する(S412)。そして、カウンタnが3を超えていれば、受光量が安定していると判断して、コントローラ47はスイッチ56をオンに設定して、高周波回路46及びデコーダ回路53による基準情報の取得を開始させる。
【0042】
一方、カウンタnが3を超えていなければ、S408で前回発電量Pをサンプリングしてから時間T2が経過するまで待機してから(S413)、S408に戻り、以降の処理を実行する。また、S409において発電量PがS407で取得した閾値Pth未満であると判断すると、カウンタnを0に初期化してから(S410)、S401に戻り、以降の処理を実行する。なお、S412ではカウンタnが3を超えているか否かを判断したが、値「3」は例示であり、他の値を設定してよいのはもちろんである。
【0043】
以上のようにしても、正常に基準情報を取得できる可能性が高い状況で、高周波回路46及びデコーダ回路53を動作させることができる。特に、発電量Pの移動平均値を算出し、この値に一定値を乗算した値を受光量の安定性の判断基準としているので、天候によらず受光量の安定性を判断することができる。
【0044】
[実施形態4]
発電変化量dPの積算値を基準として、文字板2が再び上方を向かなくなったタイミングを判断するようにしてもよい。
【0045】
図16は、図10に示される受信開始タイミング判定処理の他の変形例を示すフロー図である。この処理では、まずコントローラ47が、発電量Pをサンプリングする(S801)。次に、発電量Pが閾値Pth以下であるか否かを判断する(S802)。発電量Pが閾値Pth以下であれば、屋内に移動したと判断して、図9の屋内外判定処理に戻る。一方、発電量Pが閾値Pthを超えていれば、コントローラ47は、発電変化量dPを演算する(S803)。さらに、コントローラ47は、発電変化量dPの積算値であるIdPを算出する(S804)。すなわち、既に記憶されている積算値IdPにS803で算出された発電変化量dPを加算し、その値を積算値IdPとして再度記憶する。次に、発電変化量dPが閾値dPthを超えているか否かを判断する(S805)。閾値dPthは、上述のように固定値であってもよいし、S801で取得した発電量P又はその移動平均値から算出してもよい。そして、超えていなければ、前回のサンプリング時刻から時間T2だけ経過するまで待機してから(S806)、再度発電量Pをサンプリングする(S801)。
【0046】
一方、発電変化量dPが閾値dPthを超えていれば、文字板2が上方を向いたと判断して、次に受光量の安定性を調べる。具体的には、まず既に記憶されている積算値IdPに一定値を乗算することで、積算値IdPの閾値を得る(S807)。当該一定値は、例えば0.5程度であってよい。その後、発電量Pを再度サンプリングするとともに、積算値IdPを更新する(S808)。すなわち、発電変化量dPを算出し、既に記憶されている積算値IdPにその発電変化量dPを加算することで、積算値IdPを更新する。そして、積算値IdPがS807で取得した閾値以上であるか否かを判断する(S809)。そして、閾値以上であれば初期値0の変数であるカウンタnを1だけインクリメントし(S811)、このカウンタnが3を超えているか否かを判断する(S812)。そして、カウンタnが3を超えていれば、受光量が安定していると判断して、コントローラ47はスイッチ56をオンに設定して、高周波回路46及びデコーダ回路53による基準情報の取得を開始させる。
【0047】
一方、カウンタnが3を超えていなければ、S808で前回発電量Pをサンプリングしてから時間T2が経過するまで待機してから(S813)、S808に戻り、以降の処理を実行する。また、S809において積算値IdPがS807で取得した閾値未満であると判断すると、カウンタnを0に初期化するとともに、記憶されている積算値IdPを0も0に初期化してから(S810)、S801に戻り、以降の処理を実行する。なお、S812ではカウンタnが3を超えているか否かを判断したが、値「3」は例示であり、他の値を設定してよいのはもちろんである。
【0048】
以上のようにしても、正常に基準情報を取得できる可能性が高い状況で、高周波回路46及びデコーダ回路53を動作させることができる。特に、積算値IdPを受光量の安定性の判断基準としているので、簡易な処理で、天候によらず受光量の安定性を判断することができる。
【0049】
[実施形態5]
衛星信号から取得すべき基準情報の種類によって、受信動作を開始させる条件を変更するようにしてもよい。上述のように週内時刻TOWは同期ワードであるTLMの直後に位置するHOWに含まれており、週番号WNはHOWの後に位置していることから、1秒強でこれら基準情報を一括取得できる。一方、閏秒オフセットΔtLS、閏秒更新週WNLSF、閏秒更新日DN、更新後閏秒オフセットΔtLSFは、TLMから5〜6秒後に送信されることから、これら基準情報の一括取得には6秒程度が必要である。そこで、本実施形態では、取得を要するのが、週内時刻TOW及び週番号WNであるのか、閏秒オフセットΔtLS、閏秒更新週WNLSF、閏秒更新日DN及び更新後閏秒オフセットΔtLSFであるのか、によって、受信動作の開始条件を異ならせる。
【0050】
図17は、図10に示される受信開始タイミング判定処理のさらに他の変形例を示すフロー図である。この処理では、まずコントローラ47が、発電量Pをサンプリングする(S501)。次に、発電量Pが閾値Pth以下であるか否かを判断する(S502)。発電量Pが閾値Pth以下であれば、屋内に移動したと判断して、図9の屋内外判定処理に戻る。一方、発電量Pが閾値Pthを超えていれば、発電変化量dPを演算する(S503)。次に、この発電変化量dPが閾値dPthを超えているか否かを判断する(S504)。閾値dPthは、上述のように固定値であってもよいし、S501で取得した発電量P又はその移動平均値から算出してもよい。そして、超えていなければ、前回のサンプリング時刻から時間T2だけ経過するまで待機してから(S505)、再度発電量Pをサンプリングする(S501)。
【0051】
一方、発電変化量dPが閾値dPthを超えていれば、文字板2が上方を向いたと判断して、次に受光量の安定性を調べる。具体的には、まず発電量Pの上限値及び下限値を設定する(S506)。上限値及び下限値は、実施形態1と同様にして算出してよい。次に発電量Pを再度サンプリングし(S507)、この発電量PがS506で設定した上限値及び下限値の間に収まっているか否かを判断する(S508)。そして、収まっていれば初期値0の変数であるカウンタnを1だけインクリメントする(S510)。
【0052】
ここで、コントローラ47の揮発性メモリに、有効期限が切れていない閏秒オフセットΔtLS、閏秒更新週WNLSF、閏秒更新日DN及び更新後閏秒オフセットΔtLSFが記憶されているか否かを判断する(S511)。そして、それらが記憶されていれば、S515に進む。一方、それらが記憶されていなければ、内蔵時計回路を参照して(S512)、現在日時がサブフレーム4ページ18の送信前、一定時間内であるか否かを判断する(S513)。そして、S513においてイエスならば、カウンタnが10を超えているか否かを判断し(S514)、超えていれば、コントローラ47はスイッチ56をオンに設定して、高周波回路46及びデコーダ回路53を動作させ、閏秒オフセットΔtLS、閏秒更新週WNLSF、閏秒更新日DN及び更新後閏秒オフセットΔtLSFを取得する。また、超えていなければ、発電量Pの前回サンプリング時刻から時間T2が経過するまで待って(S516)、S507に戻り、以降の処理を実行する。一方、S513においてノーならば、次にカウンタnが3を超えているかを判断し(S515)、超えていれば、コントローラ47はスイッチ56をオンに設定して、高周波回路46及びデコーダ回路53を動作させ、週内時刻TOW及び週番号WNを取得する。また、超えていなければ、発電量Pの前回サンプリング時刻から時間T2が経過するまで待って(S516)、S507に戻り、以降の処理を実行する。また、S508において発電量PがS506で設定した上限値及び下限値の間に収まっていないと判断すると、カウンタnを0に初期化してから(S509)、S501に戻り、以降の処理を実行する。なお、S514ではカウンタnが10を超えているか否かを判断し、またS515ではカウンタnが3を超えているか否かを判断したが、値「10」や「3」は例示であり、それぞれ他の値を設定してよいのはもちろんである。
【0053】
以上説明した制御によると、週内時刻TOW及び週番号WNの取得の際には、比較的受光安定性が低い場合にも受信動作を行う。一方、閏秒オフセットΔtLS、閏秒更新週WNLSF、閏秒更新日DN及び更新後閏秒オフセットΔtLSFの取得の際には、比較的受光安定性が高い場合にしか受信動作を行わない。これは、後者の方が受信の困難性が高く、より良好な受信環境を必要とするからである。こうして、本実施形態によると、閏秒オフセットΔtLS等、取得の困難性が高い基準情報については、より安定した受信環境にて受信動作を行うことにより、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0054】
[実施形態6]
図18は、図10に示される受信開始タイミング判定処理のさらに他の変形例を示すフロー図である。この処理では、まずコントローラ47が、発電量Pをサンプリングする(S601)。次に、発電量Pが閾値Pth以下であるか否かを判断する(S602)。発電量Pが閾値Pth以下であれば、屋内に移動したと判断して、図9の屋内外判定処理に戻る。一方、発電量Pが閾値Pthを超えていれば、コントローラ47は発電変化量dPを演算する(S603)。次に、この発電変化量dPが閾値dPthを超えているか否かを判断する(S604)。閾値dPthは、上述のように固定値であってもよいし、S601で取得した発電量P又はその移動平均値から算出してもよい。そして、超えていなければ、前回のサンプリング時刻から時間T2だけ経過するまで待機してから(S605)、再度発電量Pをサンプリングする(S601)。
【0055】
一方、発電変化量dPが閾値dPthを超えていれば、文字板2が上方を向いたと判断して、次に受光量の安定性を調べる。このとき、まず現在再取得を必要としているのが、週内時刻TOW及び週番号WNであるのか、閏秒オフセットΔtLS、閏秒更新週WNLSF、閏秒更新日DN及び更新後閏秒オフセットΔtLSFであるのか、を判断する(S606)。例えば、有効期限の切れた週内時刻TOW又は週番号WNが記憶されていれば、それらの再取得が必要と判断し、有効期限の切れていない週内時刻TOW及び週番号WNが記憶されており、且つ閏秒オフセットΔtLS、閏秒更新週WNLSF、閏秒更新日DN及び更新後閏秒オフセットΔtLSFのいずれかが記憶されていない、或いは有効期限が切れていれば、閏秒オフセットΔtLS等の再取得が必要と判断してよい。各データの有効期限については、実施形態1で説明したのと同様にして判断すればよい。そして、週内時刻TOW等の再取得が必要と判断すると、発電量Pの閾値として第1の値Pth1を設定し(S608)、閏秒オフセットΔtLS等の再取得が必要と判断すると、発電量Pの閾値として第2の値Pth2を設定する(S607)。ここで、Pth2>Pth1である。
【0056】
その後、発電量Pを再度サンプリングし(S609)、この発電量PがS607又はS608で設定した閾値以上であるか否かを判断する(S610)。そして、閾値以上であれば初期値0の変数であるカウンタnを1だけインクリメントし(S612)、このカウンタnが3を超えているか否かを判断する(S613)。そして、カウンタnが3を超えていれば、受光量が安定していると判断して、コントローラ47はスイッチ56をオンに設定して、高周波回路46及びデコーダ回路53により、S606で再取得が必要と判断した基準情報の取得を開始させる。
【0057】
一方、カウンタnが3を超えていなければ、S609で前回発電量Pをサンプリングしてから時間T2が経過するまで待機してから(S614)、S609に戻り、以降の処理を実行する。また、S610において発電量PがS607で取得した閾値未満であると判断すると、カウンタnを0に初期化してから(S611)、S601に戻り、以降の処理を実行する。なお、S613ではカウンタnが3を超えているか否かを判断したが、値「3」は例示であり、他の値を設定してよいのはもちろんである。
【0058】
以上のようにすれば、受信困難な閏秒オフセットΔtLS等を、週内時刻TOW及び週番号WNよりも良い環境で受信させることができるようになり、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0059】
[実施形態7]
実施形態1〜6では、発電変化量dPにより文字板2が上方を向いたかどうかを判断するようにしたが、加速度センサにより衛星電波腕時計100の姿勢を検知して、検知される姿勢に基づいて衛星信号の受信開始タイミングを判定するようにしてもよい。
【0060】
図19及び図20に示すように、実施形態7では、実施形態1〜6と比して、回路基板24上に加速度センサ28が搭載され、その出力がコントローラ47に入力されている点が異なる。加速度センサ28は例えば2軸加速度センサであり、各検出軸方向の加速度を電圧又はデジタル値で出力するようになっている。加速度が電圧で出力される場合には、コントローラ47に内蔵されるAD変換器でデジタル値に変換すればよい。加速度センサ28は、その2つの検出軸がパッチアンテナ14の受信面14aと平行となるようにして回路基板24上に設けられている。このため、パッチアンテナ14が垂直上方を向いて静止すると、各検出軸方向の加速度として0が加速度センサ28から出力される。コントローラ47では、各検出軸方向の二乗平均、二乗平均平方根、二乗和、二乗和平方根などを傾斜量Gとして算出して、この傾斜量Gに基づいて、衛星信号の受信開始タイミングを判定する。
【0061】
図21は、発電量P及び傾斜量Gの推移の一例を示す図である。本実施形態6では、衛星電波腕時計100を着けて屋外に移動し、発電量Pが閾値Pthを超えれば発電量Pの取得間隔を狭めるとともに、加速度センサ28を起動する。逆に、屋内に移動し、発電量Pが閾値Pth以下となれば発電量Pの取得間隔を広げるとともに、加速度センサ28を停止させる。また、屋外において文字板2が垂直上方に向けられると、傾斜量Gは0付近の値となる。そこで、傾斜量Gが0近傍のまま所定時間が経過すると衛星信号の受信を開始させるとともに、加速度センサ28の動作を停止させる。受信開始時に加速度センサ28を停止させることで、不要な加速度センサ28の駆動を防ぎ、より低消費電力化を図ることができる。
【0062】
図22は、実施形態7に係る衛星電波腕時計100の屋内外判定及び受信開始タイミング判定処理を示すフロー図である。この処理では、まずコントローラ47は発電量Pをサンプリングする(S701)。そして、発電量Pが閾値Pthを超えているか否かを判断する(S702)。発電量Pが閾値Pthを超えていなければ、前回のサンプリング時刻から時間T1が経過するまで待機してから(S703)、再度発電量Pをサンプリングする(S701)。一方、発電量Pが閾値Pthを超えていれば、屋外に移動したと判断して、加速度センサ28を起動する(S704)。
【0063】
その後、コントローラ47は、加速度センサ28の出力に基づいて傾斜量Gを演算するとともに、再度発電量Pをサンプリングする(S705)。次に、発電量Pが閾値Pth以上であるか否かを判断する(S706)。発電量Pが閾値Pth未満であれば、カウンタnを0に初期化してから(S707)、S701に戻る。一方、発電量Pが閾値Pth以上であれば、傾斜量Gが0以上Δ未満であるかを判断する(S708)。ここでΔは、パッチアンテナ14による衛星信号の受信が良好に行えるように、微少値が設定される。傾斜量GがΔ以上であれば、カウンタnを0に初期化してから(S707)、S701に戻る。
【0064】
一方、傾斜量Gが0以上Δ未満であれば、カウンタnを1だけインクリメントし(S709)、このカウンタnが3を超えているか否かを判断する(S710)。そして、カウンタnが3を超えていれば、受光量が安定していると判断して、コントローラ47はスイッチ56をオンに設定して、高周波回路46及びデコーダ回路53による基準情報の取得を開始させる。このとき、加速度センサ28の動作を停止させる。一方、カウンタnが3を超えていなければ、S705で前回発電量Pをサンプリングしてから時間T2が経過するまで待機してから(S711)、S705に戻り、以降の処理を実行する。なお、S710ではカウンタnが3を超えているか否かを判断したが、値「3」は例示であり、他の値を設定してよいのはもちろんである。
【0065】
以上の実施形態によると、加速度センサ28の出力を利用して文字板2が上方を向いているか否かを判定することができ、文字板2が上方を向いていると判定される場合のみ衛星信号の受信動作を行うので、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0066】
[実施形態8]
実施形態7では2軸加速度センサを用いて衛星電波腕時計100の姿勢を検出したが、1軸加速度センサを用いることもできる。すなわち、衛星電波腕時計100を左腕に着けたとき、当該衛星電波腕時計100は、主として、腕を上げる動作により12時の位置及び6時の位置を結ぶ線を軸にした回転をするか、腕をひねる動作により3時の位置及び9時の位置を結ぶ線を軸にした回転をする。そこで、図23に示すように、1軸加速度センサ27の検出軸が12時と3時の間の位置、及び9時と6時の間の位置を結ぶ線に一致するようにして回路基板24上に設ければ、文字板2が垂直上方を向いたときに当該1軸加速度センサ27の出力は0となり、それ以外のときには0以外の値を出力するようになる。この1軸加速度センサ27の出力を傾斜量Gとして、図22の処理を実行すれば、1軸加速度センサ27を用いて受信開始タイミングを適切に判断できる。なお、1軸加速度センサ27は、その検出軸が9時と12時の間の位置、及び3時と6時の間の位置を結ぶ線に一致するようにして回路基板24上に設けてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 胴、2 文字板、3 時針、4 分針、5 秒針、6 竜頭、7 ボタン、8 バンド固定部、9 風防、10 裏蓋、11 太陽電池、12 ベース部材、14 パッチアンテナ、14a 受信面、14b 給電ピン、23 モータ、24 回路基板、26 電池、100 衛星電波腕時計。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛星から送信される衛星信号に基づいて時刻修正する衛星電波腕時計において、
前記衛星信号を受信する受信手段と、
前記衛星電波腕時計の受光量を順次検出する受光量検出手段と、
前記受光量の変化量である受光変化量を演算する受光変化量演算手段と、
前記受光変化量に基づいて前記受信手段による前記衛星信号の受信動作を開始させる受信制御手段と、
を含むことを特徴とする衛星電波腕時計。
【請求項2】
請求項1に記載の衛星電波腕時計において、
前記受信制御手段は、前記受光変化量が所与の変化量閾値を超える場合に、前記受信手段による前記衛星信号の受信動作を開始させる、
ことを特徴とする衛星電波腕時計。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の衛星電波腕時計において、
前記受光量検出手段は、前記受光量が所与の受光量閾値を超える場合に、前記受光量を取得する時間間隔を変更する、
ことを特徴とする衛星電波腕時計。
【請求項4】
請求項3のいずれかに記載の衛星電波腕時計において、
前記受光変化量演算手段は、前記受光量が前記受光量閾値を超える場合に、前記受光変化量の演算を開始する、
ことを特徴とする衛星電波腕時計。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の衛星電波腕時計において、
前記受信制御手段は、前記受光量の安定性に基づいて、前記受信手段による前記衛星信号の受信動作を開始させる、
ことを特徴とする衛星電波腕時計。
【請求項6】
請求項5に記載の衛星電波腕時計において、
前記受信制御手段は、順次検出される前記受光量が所与の条件を満足する連続回数が所与の回数閾値を超える場合に、前記受信手段による前記衛星信号の受信動作を開始させる、
ことを特徴とする衛星電波腕時計。
【請求項7】
請求項6に記載の衛星電波腕時計において、
前記受信制御手段は、前記衛星信号から現在時刻を取得するか、又は閏秒オフセットを取得するかに応じて、前記回数閾値を変更する、
ことを特徴とする衛星電波腕時計。
【請求項8】
請求項6又は7のいずれかに記載の衛星電波腕時計において、
前記受信制御手段は、所与の閾値を超える前記受光量が連続して検出される回数が前記回数閾値を超える場合に、前記受信手段による前記衛星信号の受信動作を開始させ、前記所与の閾値には、前記衛星信号から時刻情報を取得するか、又は閏秒情報を取得するか、に応じて異なる値が設定される、
ことを特徴とする衛星電波腕時計。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の衛星電波腕時計において、
前記衛星腕時計の駆動電力を起電する光起電パネルをさらに含み、
前記受信手段は、その受信面が前記光起電パネルとともに風防側を向くよう設けられるパッチアンテナを含む、
ことを特徴とする衛星電波腕時計。
【請求項10】
衛星からの送信される衛星信号に基づいて時刻修正する衛星電波腕時計において、
前記送信波を受信する受信手段と、
前記衛星電波腕時計の姿勢を検知するセンサと、
前記センサにより検知される前記衛星電波腕時計の姿勢に基づいて前記受信手段による前記衛星信号の受信動作を開始させる受信制御手段と、
を含むことを特徴とする衛星電波腕時計。
【請求項11】
請求項10に記載の衛星電波腕時計において、
前記受信制御手段は、前記センサにより検知される前記衛星電波腕時計の姿勢が所与の範囲に収まったまま、所定時間が経過する場合に、前記受信手段による前記衛星信号の受信動作を開始させる、
ことを特徴とする衛星電波腕時計。
【請求項1】
衛星から送信される衛星信号に基づいて時刻修正する衛星電波腕時計において、
前記衛星信号を受信する受信手段と、
前記衛星電波腕時計の受光量を順次検出する受光量検出手段と、
前記受光量の変化量である受光変化量を演算する受光変化量演算手段と、
前記受光変化量に基づいて前記受信手段による前記衛星信号の受信動作を開始させる受信制御手段と、
を含むことを特徴とする衛星電波腕時計。
【請求項2】
請求項1に記載の衛星電波腕時計において、
前記受信制御手段は、前記受光変化量が所与の変化量閾値を超える場合に、前記受信手段による前記衛星信号の受信動作を開始させる、
ことを特徴とする衛星電波腕時計。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の衛星電波腕時計において、
前記受光量検出手段は、前記受光量が所与の受光量閾値を超える場合に、前記受光量を取得する時間間隔を変更する、
ことを特徴とする衛星電波腕時計。
【請求項4】
請求項3のいずれかに記載の衛星電波腕時計において、
前記受光変化量演算手段は、前記受光量が前記受光量閾値を超える場合に、前記受光変化量の演算を開始する、
ことを特徴とする衛星電波腕時計。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の衛星電波腕時計において、
前記受信制御手段は、前記受光量の安定性に基づいて、前記受信手段による前記衛星信号の受信動作を開始させる、
ことを特徴とする衛星電波腕時計。
【請求項6】
請求項5に記載の衛星電波腕時計において、
前記受信制御手段は、順次検出される前記受光量が所与の条件を満足する連続回数が所与の回数閾値を超える場合に、前記受信手段による前記衛星信号の受信動作を開始させる、
ことを特徴とする衛星電波腕時計。
【請求項7】
請求項6に記載の衛星電波腕時計において、
前記受信制御手段は、前記衛星信号から現在時刻を取得するか、又は閏秒オフセットを取得するかに応じて、前記回数閾値を変更する、
ことを特徴とする衛星電波腕時計。
【請求項8】
請求項6又は7のいずれかに記載の衛星電波腕時計において、
前記受信制御手段は、所与の閾値を超える前記受光量が連続して検出される回数が前記回数閾値を超える場合に、前記受信手段による前記衛星信号の受信動作を開始させ、前記所与の閾値には、前記衛星信号から時刻情報を取得するか、又は閏秒情報を取得するか、に応じて異なる値が設定される、
ことを特徴とする衛星電波腕時計。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の衛星電波腕時計において、
前記衛星腕時計の駆動電力を起電する光起電パネルをさらに含み、
前記受信手段は、その受信面が前記光起電パネルとともに風防側を向くよう設けられるパッチアンテナを含む、
ことを特徴とする衛星電波腕時計。
【請求項10】
衛星からの送信される衛星信号に基づいて時刻修正する衛星電波腕時計において、
前記送信波を受信する受信手段と、
前記衛星電波腕時計の姿勢を検知するセンサと、
前記センサにより検知される前記衛星電波腕時計の姿勢に基づいて前記受信手段による前記衛星信号の受信動作を開始させる受信制御手段と、
を含むことを特徴とする衛星電波腕時計。
【請求項11】
請求項10に記載の衛星電波腕時計において、
前記受信制御手段は、前記センサにより検知される前記衛星電波腕時計の姿勢が所与の範囲に収まったまま、所定時間が経過する場合に、前記受信手段による前記衛星信号の受信動作を開始させる、
ことを特徴とする衛星電波腕時計。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2011−208950(P2011−208950A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−73854(P2010−73854)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【出願人】(307023373)シチズン時計株式会社 (227)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【出願人】(307023373)シチズン時計株式会社 (227)
【Fターム(参考)】
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