説明

衛生的な洗浄サイクルを有する飲料分注装置

使用者の容器40のための充填領域35上にフレーバー系飲料を分注するための流出口15を有するダクト10を有する流体回路と、洗浄流体をダクト中に送り、ダクトの流出口から出すことによってダクトからフレーバー系飲料の残余物を除去するための洗浄機構と、を備えるフレーバー系飲料調製マシン1。洗浄機構は、気体を加圧下で供給するための手段300、400、450と、フレーバー系飲料の残余物をダクトから排出するために前記気体を加圧下で除去流体としてダクトを流通させダクトから出すための構成とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者のカップまたは使用者のマグのような使用者の容器に飲料流出口から飲料を分注するためのマシンに関する。このマシンは衛生保護機構を有する。特に飲料は、例えば、コーヒー調製および/またはチョコレート飲料調製に関するミルク含有物であってもよい。
【0002】
例えば、飲料調製マシンは、コーヒー淹出ユニットと、カフェラテ、カプチーノおよび/またはミルク入りのレギュラーコーヒーを調製するためのミルク加熱用および/またはミルク泡立用のユニットとを組み合わせたものである。
【背景技術】
【0003】
飲料、特にミルク含有飲料、例えばミルク含有コーヒー、茶またはチョコレート飲料のような時間の経過とともに質が低下する傾向のある飲料を製造するためのマシンは当技術分野において公知である。
【0004】
当技術分野において公知のように、そのような飲料を製造するため、蒸気を生成するためのヒータに水を通す。このように発生させた水蒸気は混合ヘッドに供給される。混合ヘッドでは、例えば、ベンチュリ効果を利用することによって、ミルク供給部から供給されるミルクと空気流入口からの空気が水蒸気流に吸入され、加熱された水/ミルクの混合物が生じる。この混合物は、その後、混合ヘッドの流出口ノズルからカップに送出される。
【0005】
公知の問題には、所望の量の飲料を生成した後、飲料にさらされていたマシンの一部に飲料、特にミルクの残留物が付着する点がある。この残留物は、後に調製される飲料(マシンが様々な種類の飲料を調製するのに適している場合、特にミルクを含有しない飲料)の質を低下させるか、後に調製される飲料と不要に混合されるかするおそれがある。
【0006】
そのような望ましくない残留物の問題の典型的な例は、インライン蒸気作動式のミルク泡立ヘッドまたは加熱ヘッドにおいて発生する。ヘッドの流入口、ヘッド自体の内部ならびに流出口ノズルはミルクにさらされるため、汚染を防止するために、例えば水洗により洗浄しなければならない。公知の装置においては、これは上述のミルク流路を手で水洗することが求められる労力と時間を要する作業である。水洗および/または洗浄は、実際、混合物の製造工程よりもかなり多くの時間と労力を要する場合がある。洗浄はミルクが混合ヘッドの表面において乾燥すると特に困難となる。その一方で、洗浄が適切かつ十分頻繁に実施されない場合、その後の装置の使用において衛生に関する問題が生じるおそれがある。
【0007】
この課題に対する解決策が欧州特許第1656863号明細書に提案されている。可動可能なインラインベンチュリ式ミルク泡立ヘッドが自己洗浄構成を有する。この構成においては、ミルク吸入流入口が移動し、水洗媒体に浸漬される。また、ミルク流出口が使用済み水洗媒体の収集部の上に移動する。この構成においては、ヘッドの洗浄のためにヘッド中に水洗媒体が導入される。ミルク泡立ヘッドは全洗浄工程を自動的に実施するために電動式にすることができる。
【0008】
欧州特許第1374748号明細書では、ミルク容器に連結されたミルク流入口と、水供給源に連結された水(蒸気)流入口と、空気流入口とを有するベンチュリ型インライン泡立て器について開示している。この泡立て器は、水供給源からの水または蒸気を空気流入路に分流し、そこから乳化室に分流して泡立て器を水洗するための三方バルブを有する。同時に、蒸気が蒸気供給路を通して蒸気流入口に送られる。泡立て器中を通過したフラッシング水は廃棄槽に集められる。結果として、空気路および蒸気路のミルク跡がフラッシング処理される。フラッシング工程は、毎回の飲料調製の終了時に、または使用者の要求に応じて、または使用者が飲料調製直後に自身の手を飲料排出管の下に挿入した場合偶発的な熱傷を避けるため、飲料調製後多少時間をあけて自動的に実施してもよい。
【0009】
別の手法は、例えば、欧州特許第1746920号明細書に教示されるような、ミルクなどの質が低下しうる液体にさらされる使い捨て部品の使用に関する。
【0010】
ミルクを運ぶ流体回路には頻繁な洗浄が必要である。飲料調製時、ミルクの残余物が飲料調製マシンの流体回路に蓄積し、その中で急速に劣化する傾向がある。したがって、回路、特にパイプおよびバルブが廃棄ミルクを含み、汚染される。
【0011】
しかし、依然として、飲料調製マシンのための単純かつ衛生的な洗浄機構を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の好ましい目的は、自己洗浄のための単純かつ安全な衛生的構成を有する飲料調製マシンに関する。
【0013】
本発明の別の好ましい目的は、装置良好な外観態様と満足のいく衛生水準を維持するための機構を備えた飲料調製マシンを提供することである。
【0014】
本発明のさらに好ましい目的は、飲料調製マシンの特に洗剤を使用した徹底的な洗浄の頻度を削減することである。
【0015】
本発明のさらに別の好ましい目的は、飲料調製マシンの流体回路において無駄になる飲料の量を削減することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
したがって、本発明は、フレーバー系飲料(特に、ミルク、コーヒー、茶、スープおよびチョコレートのうちの少なくとも1つを含むフレーバー系飲料)調製マシンに関する。フレーバー系飲料は、特に天然フレーバーまたは人工フレーバーの、人が消費するのに適したあらゆる液体、特にミルクを意味する。対照的に、浄水は通常フレーバー系飲料とみなされない。
【0017】
飲料調製マシンは、使用者の容器用の充填領域上にフレーバー系飲料を分注するための流出口を有するダクトを有する流体回路と、除去流体をダクト中に流通させダクトの出口から出すことによってダクトからフレーバー系飲料の残余物を除去するための洗浄機構とを備える。
【0018】
本発明によれば、洗浄機構は、加圧下でガスを供給する手段と、フレーバー系飲料の残余物をダクトから排出するために、前記ガスを加圧下で除去流体としてダクト中に流通させダクトから出すための構成とを備える。
【0019】
本発明のさらなる特徴および利点を詳細な説明に記載する。
【0020】
以下、概略図を参照して本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明による飲料調製マシンの第1の実施形態の概略図である。
【図2】本発明による飲料調製マシンの第1の実施形態の概略図である。
【図3】本発明による飲料調製マシンの第1の実施形態の概略図である。
【図4】本発明による飲料調製マシンの第2の実施形態の概略図である。
【図5】本発明による飲料調製マシンの第2の実施形態の概略図である。
【図6】図1〜図5に示した飲料調製マシンの流体回路の一部概略図である。
【図7】図1〜図5に示した飲料調製マシンの流体回路の一部概略図である。
【図8】図1〜図5に示した飲料調製マシンの流体回路の一部概略図である。
【図9】図1〜図5に示した飲料調製マシンの流体回路の一部概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1〜図5は、本発明による洗浄機構を備えた2つの飲料調製マシン構造を示す。洗浄機構それ自体については図6〜図9との関連においてより詳細に説明する。
【0023】
図1〜図3は、本発明による飲料調製マシン1の概略前面図である。マシン1は、ハウジング5と、流出口15を有するダクト10と、ダクト10の上流側にあり、かつダクト10に連結された導管20と、流出口15から廃液を収集するために配置された収集トレイ30の形態の廃液収集部とを有する。
【0024】
図1において、ダクト10は動作位置において示されている。動作位置では、飲料を導管20を通じてダクト10内に流通させ、その飲料を、容器充填領域35に載置された使用者の容器40、例えばマグまたはカップの上方にあるハウジング5外部の流出口15から分注する。容器充填領域35は収集部30上に格子で形成される。ハウジング5は、マシン1の前方に水平に延びる充填領域35の境界を一方の側において定める前壁6を有する。
【0025】
図2において、ダクト10は、図1に示す動作位置と図3に示す洗浄位置との間の中間位置において示される。
【0026】
洗浄の直前、流出口15は通常自動的にハウジング5内に枢動する。洗浄位置(図3)において、ダクト10は、導管20を通じて供給される洗浄流体を流通させ、その洗浄流体をハウジング5内部にある流出口15から収集トレイ30に排出するように配置されている。
【0027】
収集トレイ30は、流出口15が動作位置(図1)、中間位置(図2)および洗浄位置(図3)においてトレイ30上方に配置されるようにハウジング5の内部から外部に延びている。
【0028】
したがって、収集部30は、動作位置および中間位置においては廃棄飲料を、洗浄位置および中間位置においては使用済み洗浄流体を流出口15から収集するようになっている。
【0029】
さらに、ハウジング5は、枢動可能なゲート7、例えばハッチでカバーされる開口部を有し、このゲート7は、図3に示すように、ハウジング5内に枢動した場合、流出口15を通すことができる。ゲート7は、洗浄位置(図3)に枢動したダクト10によって押し開くことができるように枢動自在に取り付けてもよい。さらに、ゲート7は、ダクト10がハウジング5から枢動して出ると、重力の効果の下、その閉じた構成(図1および図2)に戻ることもできる。他のゲート構成、特に、ダクト10の動きに合わせて開閉する電動式ゲートも当然可能である。
【0030】
図1〜図3に示すように、ダクト10は導管20に枢動自在に組み付けられるが、これは、流出口15を、動作位置(図1)から中間位置(図2)を経て洗浄位置(図3)まで動かすためである。中間位置はダクト10の非作動(待機)位置であってもよい。
【0031】
一変形形態においては、作動位置と非作動位置とを組み合わせることが可能である。例えば、ダクトはその垂直位置において停止するか飲料を分注し、洗浄流体を排出するためにその流出口がハウジング内に入った状態で、例えば電気式アクチュエータのようなアクチュエータによってその洗浄位置に枢動する。ダクトは、アクチュエータが動作停止すると同時に重力の効果の下、または電気式アクチュエータのようなアクチュエータによって洗浄位置から作動位置/非作動位置に枢動して戻ることができる。
【0032】
ダクト10は、電気式アクチュエータ、特に電磁石またはモータのような電気機械式アクチュエータによって、動作位置から洗浄位置におよび/またはその逆に動かすことができる。例えば、ダクト10は、電気式アクチュエータの起動によって動作位置および洗浄位置(図1および図3)に移動し、アクチュエータが作動を停止すると重力の効果の下、中間位置(図2)に戻る。異なる構成においては、当然、ダクトを重力によって動作位置または洗浄位置に動かすことも可能である。
【0033】
導管20はハウジング5内部から、ハウジング5の前壁6を通って、ハウジング5の前壁6に対して略垂直にハウジング5の外に延びている。ハウジング5の外側では、ダクト10が導管20に対して垂直に取り付けられており、前壁6に略平行となっている面内において枢動可能である。したがって、ダクト10の枢動軸線11は前壁6に対して略垂直である。結果として、流出口15はゲート7を支持しながらハウジング5の側部8内に枢動する。側部8は側部飲料充填領域35の境界をその側において定める。
【0034】
一般に、導管20は、茶、コーヒー、チョコレート飲料、スープまたはミルク、特に冷たいまたは熱い飲料のような飲料を調製するためのユニットに連結される。
【0035】
図1〜図3に示される実施形態では、導管20はマシン内部においてミルク加熱用および/またはミルク泡立用の機構(図示せず)に連結することができる。例えば、この機構はミルクを空気および/または蒸気と混合するための混合ヘッドを備える。代替的に、混合ヘッドはダクト10と結合してもよい。ダクト10は、例えば、空気流入口150を有する。空気流入口150は、泡立てられていないミルクを分注するために、または空気を含まない洗浄液体を流通させるために恒久的に開口しているか、断続的に閉鎖可能であってもよい。任意の空気流入口150の閉鎖は手動でまたは必要に応じて例えば電気式バルブ(図示せず)により自動的に実施してもよい。当技術分野において一般に公知のようなベンチュリ式混合ヘッドが、例えば、欧州特許第1656863号明細書および欧州特許第1746920号明細書に開示されている。
【0036】
一般に、例えばベンチュリ式混合ヘッドにより導管20およびダクト10中を流通する洗浄流体は任意選択でスケール除去剤または洗剤を含む水または水含有流体である。洗浄流体は空気または空気含有流体であってもよい。例えば、マシン1は洗浄工程を実施するように配置されている。この洗浄工程では、導管20を通じて空気および蒸気および/または水が順次供給され、ダクト10の流出口15を通じて排出される。
【0037】
そのようなマシン1のためのミルク処理機構については図6〜図9との関連においてより詳細に説明する。
【0038】
動作位置において、ダクト10はハウジング5外部に突出し、飲料を流出口15から分注するように配置される。洗浄位置において、ダクト10はハウジング5外部に依然突出しているダクト10中に洗浄流体を流通するように、およびハウジング5内に配置された流出口15から廃液収集部30に洗浄流体を排出するように配置されている。換言すると、洗浄位置において、ダクト10は、使用者から離れた、遮蔽され、密閉された空間に洗浄液体を排出するために外側からハウジング5内に突出する。したがって、使用者は、排出された洗浄流体からハウジング5によって安全に保護される。
【0039】
また、コーヒー分注ヘッドまたは茶分注ヘッド50が図1〜図3に示されている。一般に、マシン1はミルク分注機構を組み込んだコーヒーマシンまたは茶マシンである。
【0040】
例えば、マシン1は、ヘッド50からコーヒーを分注するためのコーヒー淹出ユニットと、加熱されたおよび/または泡立てられたミルクを流出口15を通じて分注するミルク加熱用および/またはミルク泡立用のユニットとを組み合わせたものである。マシン1は、同じマシン内において、および任意選択で自動的に、カフェラテ、カプチーノおよび/またはミルク入りのレギュラーコーヒーを調製する。すなわち、使用者がそのようなミルク含有コーヒーを要求すると、ミルクとコーヒーとの混合物がマシンによって自動的に運ばれる。
【0041】
マシン1は、例えば家庭または職場において、電源に電気的に接続することができる自己内蔵型の卓上型マシンのようなコーヒー調製マシンまたは茶調製マシンとすることができる。特に、マシン1は、原材料処理機構内において、湯または冷水もしくは別の液体を、挽いたコーヒーまたは茶のような調製されるべき飲料の原材料を含むカプセルに通すことによって飲料を調製するために配置されている。「カプセル」は、予め小分けにされた任意の飲料原材料を封入容器、特に密閉容器内に含むことを意図する。封入容器は、例えばプラスチック製容器、アルミニウム製容器、再利用可能容器および/または生分解可能容器のような任意の材料であり、原材料を含む軟質のポッドまたは硬質のカートリッジを含む任意の形状および構造である。
【0042】
例えば、マシン1は、1つ以上の液体リザーバと、液体流通回路と、ヒータと、ポンプと、抽出のため原材料カプセルを受け取り、抽出するとカプセルを排出するように配置された飲料調製ユニットとを備える原材料処理機構と、カプセルが調製ユニットから排出されるシート部に通じる開口部を有するハウジングと、シート部に排出され、満杯のレベルまで容器に入ったカプセルを収集するための収納スペースを形成する空洞を有する容器と、を備える。容器はカプセルを収集するためのシート部に挿入可能であり、かつ収集したカプセルを空にするためにシート部から取り外し可能である。そのような原材料処理機構の例は国際公開第2009/074550号パンフレット、国際公開第2009/130099号パンフレットおよび国際公開第2010/015427号明細書に開示されている。
【0043】
飲料処理装置は1つ以上の以下の構成要素を備えてもよい。
a)この飲料の原材料、特に、カプセル内に供給される予め小分けにされた原材料を受けるための、および水などの入ってくる液体の流れを前記原材料に通して飲料流出口まで案内するための淹出ユニット、
b)サーモブロックのような、淹出ユニットに供給されるべきこの液体の流れを加熱するためのインラインヒータ、
c)この液体をインラインヒータに通して押し出すためのポンプ、
d)この液体をタンク入りの液体のような液体の源から飲料流出口に案内するための1つ以上の流体連結部材、
e)使用者からインターフェースを介して命令を受け取るための、およびインラインヒータおよびポンプを制御するための、特にプリント回路基板(PCB)を備える電気制御ユニット、
f)淹出ユニット、インラインヒータ、ポンプ、液体リザーバ、原材料収集部、当該液体の流れ、当該液体の圧力および当該液体の温度の特性から選択される少なくとも1つの動作特性を検出するための、およびそのような特性(複数)を制御ユニットに伝達するための1つ以上の電気センサ。
【0044】
ヒータはサーモブロックまたはオンデマンドヒータ(ODH)、例えば、欧州特許第1253844号明細書、欧州特許第1380243号明細書および欧州特許第1809151号明細書に開示される種類のODHであってもよい。
【0045】
図4および図5は、本発明による飲料調製マシン1の変形形態の概略断面側面図である。これらの図において、同じ参照符号は全般的に同じまたは類似の構成要素を示す。
【0046】
マシン1は、前壁6を有するハウジング5と、流出口15を有するダクト10と、ダクト10の上流側にあり、かつダクト10に連結された導管20と、流出口15から廃液を収集するために配置された廃液収集部30とを有する。ダクト10は、導管20中に飲料を流通させ、この飲料を、使用者の容器に充填する領域35の上方にあるハウジング5外部の流出口15からカップまたはマグ40に分注するための動作位置(図4)と、導管20中に洗浄流体を流通させ、この洗浄流体を、ハウジング5内部の流出口15から収集部30に排出するための洗浄位置(図5)とを有する。
【0047】
ダクト10は、動作位置(図4)と洗浄位置(図5)の間において流出口15を枢動させるための枢動点11において導管20に枢動自在に組み付けられる。
【0048】
導管20およびダクト10によって形成される流体路はハウジング5の前壁6を貫通して延びている。ダクト10は、上記の図に示した実施形態とは対照的に、ハウジング5の前壁6において、壁6に対して略平行に延びる枢動軸線11に沿って導管20に枢動自在に取り付けられている。図4および図5に示される実施形態では、枢動軸線11は前壁6内において延びている。
【0049】
さらに、ダクト10はダクト10の通過を可能にする開口部7を介してハウジング5の内部と外部とに枢動することができる。ダクト10は動作位置と洗浄位置の間、例えばハウジング5の位置、特にハウジング壁6の位置に中間静止位置を有してもよい。ダクト10は、アクチュエータ、例えば電磁石により、動作位置から洗浄位置に、およびその逆に自動的に動いてもよい。
【0050】
前壁6は使用者の容器に充填する領域35の境界を定める。廃液収集部30はトレイの形態で設けられる。廃液収集部30は、その動作位置において流出口15の下に、ハウジング5内部からハウジングの外部に延びている。特に、収集部30は、動作位置において、流出口15から排出される廃棄飲料を収集するように配置されている。加えて、収集部30は、その洗浄位置において、流出口15から排出された洗浄液体を収集するように配置されている。収集部トレイ30は、例えば、予め小分けされたカプセルに含まれた使用済みの飲料原材料、特に淹出後の挽いたコーヒーを収集するための容器36を支持する。使用済み原材料の容器36と、液体収集トレイ30と、使用者の容器支持部35の例が欧州特許第1731065号明細書、欧州特許第1867260号明細書、国際公開第2009/074559号パンフレットおよび国際公開第2009/135869号パンフレットに開示されており、その内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0051】
一般に、導管20は、茶、コーヒー、チョコレート飲料、スープまたはミルク、特に冷たいまたは熱い飲料のような飲料を調製するためのユニット(図示せず)に連結される。特に、飲料調製ユニットはミルク加熱および/または泡立機構を備える。例えば、飲料調製ユニットは、ミルクを空気および/または蒸気と混合するための混合ヘッド、特にベンチュリ式混合ヘッドを備える。混合ヘッドは、ミルク供給部と、蒸気供給部と、空気供給部とに連結される。
【0052】
そのようなマシン1のためのミルク処理機構については図6〜図9との関連においてより詳細に説明する。
【0053】
洗浄流体は、導管20とダクト10中を流通し、流出口15により容器36に排出される。この容器36から流体が収集部30に排出される。この流体は任意選択でスケール除去剤または洗剤を含む水または水含有流体および/または空気または空気含有流体とすることができる。特に、マシン1は、ダクト10と導管20とを備える流体回路に連結される制御ユニット(図示せず)を有する。特に流体回路は、洗浄流体の源に連結され、洗浄工程を実施するように配置されたポンプを備える。このポンプにより、空気および蒸気および/または水が導管を通して順次供給され、ダクトの流出口から排出される。
【0054】
洗浄流体を、ハウジング5内、すなわち遮蔽または密閉された空間内にある流出口15から排出することによって、使用者は、洗浄サイクル中、洗浄流体が飛び出すことから保護される。特に、流出口15から噴出して、使用者を火傷させるおそれのある蒸気および湯から保護される。
【0055】
さらに、洗浄工程が特定の時間周期で自動的に実行されるようにプログラムされている場合、流出口15は洗浄流体の排出前にハウジング5内に入れられる。したがって、洗浄流体が、正にマシン1が自動洗浄工程を開始しようとしているときに容器充填領域35上に配置されるであろう使用者の容器40に排出される危険性はない。これら状況下において、使用者の容器40に飲料ではなく排出された洗浄液体を意図せずに充填する危険性が排除されることになる。
【0056】
図6〜図9との関連において説明するように、マシン1の洗浄機構は、また、使用者の容器40内に入れる飲料調製サイクルが終わる度にダクト10の簡単な除去工程を行うように構成してもよい。そのような除去工程のため、ダクト10の流出口15を使用者から隠す必要はない。したがって、流出口15を使用者の容器40の上から離さなくてもよい。
【0057】
簡単に述べると、飲料流体流通機構(特にその飲料分注流出口まで、および飲料分注流出口を含む下流側部分)の安全な洗浄、特に水洗のための単純な構成が提供される。実際、使用者がさらされないようにするために、洗浄流体の排出を、遮蔽された、特に密閉領域において実施するには流通機構の下流側部分の端のみを可動可能にすることが必要である。
【0058】
内部において流出口が洗浄流体を排出するハウジングは、ポンプ、ヒータ、クーラ、制御ユニット、混合ユニット、淹出ユニット等のような部品を含む飲料調製マシンの主要部品を収容してもよい。または、ダクトの流出口を通じて洗浄流体を排出するために独立した密閉領域または遮蔽領域を形成するための専用のハウジングであってもよい。
【0059】
次に、飲料調製マシン、特に上記のマシン1の洗浄機構を図6〜図9との関連においてより詳細に説明する。同じ参照符号は同じ要素を示す。
【0060】
図6〜図9は、ダクト10と流出口15とに連結される流体回路を示す。分注ヘッド50に連結される流体回路はこれら図では示していない。
【0061】
図6〜図9に示す流体回路はミルクタンク100を備えている。ミルクタンク100は、特に冷蔵ミルクタンク、例えば、国際公開第2010/009975号パンフレットに開示されているようなタンクである。タンク100はバルブの流入口を介して多方バルブ400に連結されている。バルブ400の流出口は導管20を介してダクト10に連結されている。さらに、バルブ400は、一般に、空気流入口450と、水路240を介して水タンク200に連結するための追加の流入口とを有する。
【0062】
空気流入口450はダクト10において空気流入口150(図6〜図9に破線で示される)と組み合わせてもよい。
【0063】
ダクト10は、例えば、欧州特許第1746920号明細書に開示されるような、導管20に連結された第1の流入口と、蒸気管310を介してスチーマ300の流出口に連結された第2の流入口とを有するベンチュリ型機構に関連されてもよい。スチーマ300はポンプ350を介して水タンク200に連結された流入口を有する。ポンプ350は、水を、タンク200から第1の水導管352に沿って当該ポンプ350を通り、第2の水導管353を経て、スチーマ300内に圧送する。
【0064】
この流体回路10、15、20、100、200、240、300、310、352、353、400、450は、流出口15から充填されるべき使用者の容器40を受けるための容器充填領域35と、廃液収集部30とに関連されている。廃液収集部30は、以下に説明するような洗浄サイクル中に充填領域35から排出された廃液および流出口15から排出された液体を収集するように配置されている。
【0065】
図6は流体回路のミルク泡立構成を示す。具体的には、多方バルブ400は任意の空気流入口450を有するものとすることができる。任意の空気流入口450とそのミルクタンク100に連結された流入口は両方とも開いており、一方で、その水タンク200に通じる流入口は閉じている。空気流入口150がある場合は開くことができる。ポンプ350は、水をタンク200から水路352、353を通じてスチーマ300に流通させる。スチーマ、例えば電気抵抗式スチーマは、供給された水を蒸発させ、蒸気を、ベンチュリ装置を備えたダクト10に導管310を通じて送出する。このベンチュリ装置を通じて蒸気を通過させると、多方バルブ400を通じてミルクが吸い込まれ、流入口450および/または流入口150を通じて空気が吸い込まれる。空気とミルクとの混合物がその後この蒸気と接触することによって加熱され、泡立てられる。そして流出口15を通じて使用者の容器40にミルクの泡として分注される。加熱した液体を泡立てずに分注するため、多方バルブ400の空気流入口450と空気流入口150を閉じることもできる。
【0066】
図7は、多方バルブ400が、空気流入口450のみが開いたままであり、導管20とダクト10とに流体連通するように、水路240と、ミルクタンク100に連結されたミルク流入口とを閉じるように配置されている場合の構成を示す。タンク200からの水をライン352、353およびポンプ350を通じて、水を蒸気に変換し、ライン310を通じてダクト10に加圧供給するスチーマ300に流通させることによって、空気が導管20を通ってバルブ400に吸い込まれる。空気はこの蒸気と混合され、流出口15を通じて使用者の容器40に出る。
【0067】
図8は、多方バルブ400が、空気流入口450と、ミルクタンク100に連結される流入口とを閉じるように配置されている場合の構成を示す。水路240への流入口が開いており、タンク200からライン240と導管20中への水の流通を可能とする。この場合、スチーマ300で形成され、導管310を通じてダクト10に供給される蒸気によって、水を、タンク200からライン240とダクト10とを通じて引き込む。水はその後蒸気にさらされることによって加熱され、流出口15を通じて排出される。流出口15を通じて排出された液体の飛び出しを防止するため、図1〜図5との関連において説明するように、流出口15を閉じ込めるためにダクト10が枢動する。この構成においては、流出口15から排出された液体は容器40に収集されず、廃液収集部30に直接送られる。
【0068】
ライン240中の水の流通を向上させるため、ライン240の流入口241を、水タンク200に直結する代わりに、バルブ354、例えば三方バルブ354を介してポンプ350の流出口に連結することができる。したがって、水は、単に蒸気の効果で引き込まれるのではなく、ポンプ350によってライン240を通じて押し出される。バルブ354はライン353とライン240との間における水流の分配を調整するよう制御されうる。流入口241とバルブ354は図8に破線で示される。
【0069】
図9は、図7に示したものと同じ流体回路構成を示す。しかしながら、図9においては、図8と同様、流出口15を閉じ込めるためにダクト10が枢動されている。空気流入口150がある場合、図8および図9に示すように閉じられるか、開かれたままであってもよい。
【0070】
洗浄機構は、除去流体をダクト中に流通させダクトからその流出口15を通じて出すことによってダクト10からフレーバー系飲料の残余物を除去するために使用することができる。
【0071】
本発明によれば、洗浄機構は、ガスを加圧下で供給するための手段300、400、450と、フレーバー系飲料の残余物をダクトから排出するために前記ガスを除去流体として加圧下でダクト10中に流通させダクト10から出すための構成とを有する。
【0072】
洗浄機構は、蒸気ダクト310を通じてダクト10に加圧蒸気を供給するためのウォータスチーマ300を含む。洗浄機構はスチーマ300からの蒸気を空気と混合するために空気流入口450にも連結される。ダクト10は、蒸気の通過により流入口450を通じて空気を吸い込むためのベンチュリ機構を組み込む。例えば、ダクト10は、欧州特許第1 746 920号明細書に記載されている種類の使い捨てのミルク泡立機構を含む。同明細書の内容を参照によって本明細書中に組み込む。
【0073】
一変形形態において、ダクトを通過する洗浄流体を生成するために空気ポンプまたは圧縮空気タンクのような加圧空気フィーダを使用することが可能である。加圧空気フィーダは、蒸気を空気と組み合わせて洗浄流体を生成する蒸気フィーダと関連づけられてもよい。または、洗浄流体が実質的に空気で形成されるように、空気フィーダを単独で使用してもよい。空気の代わりにCOのような別のガスを使用することも当然可能である。
【0074】
本発明の一実施形態において、洗浄機構300、400、450は、図7に示すように、フレーバー系飲料分注サイクルの終わりに、加圧ガス、例えば、蒸気および空気をダクト10中に流通させダクト10から使用者の容器40に出すように構成される。これはフレーバー系飲料、例えば、熱いおよび/または泡立てられたミルクの残余物を使用者の容器40に排出するためである。
【0075】
したがって、空気および/または別のガスをシステム中に流通させ、システムから、飲料調製サイクルの終わりに、残りの閉じ込められたフレーバー系飲料、例えばミルクを直接使用者の容器に空ける。飲料調製および分注サイクル直後におけるシステムのこの除去工程によって、一方では、容器40を取り外す際に残りのフレーバー系飲料が流出口15から滴下することを防止し、その一方では、そのような液滴が廃液収集部30に蓄積することを防止する。フレーバー系飲料の望ましくない滴下をなくすことによって、収集部30を空にする頻度が低下し、マシンがより衛生的な状態で維持されることになる。
【0076】
洗浄機構300、400、450は、フレーバー系飲料分注サイクル直後、または、フレーバー系飲料の分注サイクル後、0.05〜3秒、例えば0.5〜1.5秒の範囲の遅れの後、加圧ガスをダクト10中に流通させダクト10から使用者の容器40に出すように構成することができる。上述のように、この目的はフレーバー系飲料をシステムから直接使用者の容器40に除去することである。したがって、除去工程は、使用者が容器40を流出口15の下から取り除く前に実施すべきである。
【0077】
別の実施形態において、洗浄機構300、400、450は、第1の除去流体に続いて異なる第2の除去流体を、ダクト10中に流通させダクト10から出すように構成することができる。これは、ダクト10からフレーバー系飲料の残余物を排出するためである。これら第1の除去流体および第2の除去流体の少なくとも一方が前記加圧ガスを生成する。洗浄機構300、400、450は、フレーバー系飲料の残余物をダクトから排出するために、ガスを加圧下で第1の除去流体として(図9)、特に、0.5〜5秒間、例えば1〜3秒間、その後、任意選択で洗剤を含む浄水などの除去液体(図8)を第2の洗浄流体として、特に、2〜15秒間、例えば3〜10秒間、ダクト10中に流通させダクト10から出すように構成してもよい。最初に液状の除去流体を送り(図8)、除去液体の通過後にガス状の除去流体を送る(図9)ことも可能である。ガス状除去流体(図9)を液状除去流体(図8)の後に送ると、システムが乾燥し、洗浄工程の完了後、流出口15から洗浄液体が滴下することを防止するのに有効である。そのような場合において、システムでは、新規の飲料調製および洗浄済みの、乾燥したダクト10による分注サイクルの準備が完了している。
【0078】
2つの除去流体の通過の間、例えば、第1の除去流体と第2の除去流体との間および/または第2の除去流体と第3の除去流体との間に、遅れがない、または実質的に遅れがないことが求められる。1つの流体通過後、もう1つの流体の通過は即時または実質的に即時であってもよい。
【0079】
洗浄機構300、400、450は、さらに、第2の除去流体の後、第3の除去流体を、特に、0.5〜5秒間、例えば1〜3秒間ダクト10中に流通させダクト10から出すように構成してもよい。通常、除去ガスの形態の第1の流体がシステムを通過し、フレーバー系飲料(図9)の残りの大半を排出する。その後、除去液体の形態の第2の流体(図8)がシステムを通過し、システムを洗浄する。その後、除去ガスの形態の第3の流体(図9)がシステムを通過し、システムを乾燥する。
【0080】
洗浄機構300、400、450は、1〜60分の範囲、特に、2〜30分の範囲、例えば、3〜20分の範囲または5〜10分の範囲の非分注時間(動作しない時間)の後、(前記第1の流体および第2の流体の)第1の除去流体をダクト10中に自動的に流通させるように構成することができる。
【0081】
図1〜図5との関連においてより詳細に説明するように、飲料調製マシンは、ダクト10を分注位置(図1、図4、図6および図7)から洗浄位置(図3、図5、図8および図9)に動かすための手段、特に、電気式アクチュエータのような自動手段を備えてもよい。洗浄位置では、流出口15が、少なくとも1つの閉じ込め壁6によって境界が定められる領域にあるが、これは、通常操作時、流出口15から排出された流体を使用者から離して閉じ込めるためである。
【0082】
一実施形態において、洗浄機構は、排出された飲料が容器に収集されるように飲料調製および容器への分注サイクル直後にフレーバー系飲料の残りを排出し(図7)、非分注時間の後、例えば異なる除去流体、特に、液状除去流体の通過を伴う(図8)さらなる徹底的な洗浄作業を実施してシステムのあらゆる汚れを実質的に除去し、任意選択でその後ガス状除去流体(図9)を通過させてシステムを乾燥するように構成される。このさらなる徹底的な洗浄作業は、通常操作時、使用者がアクセスできない密閉領域にある流出口によって実施してもよい(図3、図5、図8および図9)。1日1回または数日、例えば2日または3日に1回、特に洗剤を使用して、システムの一層さらなる徹底的な洗浄を実施してもよい。この洗浄では、例えば、流出口を通じて排出された洗浄流体に使用者がさらされることを防止するために、密閉領域にある流出口を用いる。しかしながら、後者の洗浄工程は従来技術のシステムに比べより少ない頻度で行うことができる。それは、本システムがある一定期間は比較的清浄に維持され、残ったフレーバー系飲料の付着がほとんど防止されるためである。
【0083】
一般に、加圧ガス手段300が、さらに、ミルクのような別の原材料の供給と混合するための蒸気を供給し、前記フレーバー系飲料を調製するために配置されている(図6)。洗浄機構300、400、450は、この別の原材料の供給を停止することによって、また飲料分注サイクルの終わりに蒸気の供給を維持することによって、ダクト10からフレーバー系飲料の残余物を除去するように構成することができる(図7)。したがって、流体は、飲料調製および分注サイクルと、ダクト10を容器40に空ける工程との間において、流出口15を通じて途切れることなく排出される。
【0084】
特に、導管20はダクト10と流体連結しており、導管20はミルクなどの飲料原材料をダクトに流通するように構成されている。したがって、洗浄機構300、400、450は、除去流体を導管20中に流通させ流出口15を通じてダクトから出すように配置することができる(図8)。この除去流体は任意選択で洗剤を含む水などの液状除去流体とすることができる。
【0085】
上述のように、ベンチュリ装置をダクト10の上流側部分に配置し、流体導管20と、加圧下でガスを供給するための手段300とに連結することができる。導管20を、特に空気流入口450を有する三方バルブ機構または四方バルブ機構400を介して、飲料原材料(例えばフレッシュミルク)供給部100と、水供給部200とに連結することができる。
【0086】
したがって、本発明の洗浄機構は、特にその質の低下によって衛生問題につながるミルクなどの物質にさらされる飲料調製マシンの全部分を洗浄するように構成することができる。図6〜図9に示される特定の実施形態において、これらのさらされる部分は、ミルクと、空気を含む蒸気または含まない蒸気との混合物にさらされるダクト10と、空気を含むまたは含まないミルクにさらされる導管20と、ミルクにさらされる多方バルブ機構400とを含む。上述したように、流通している蒸気(図6および図9)の効果により流入口450を通じて吸い込まれた空気を通過させることによって、および/または供給部200からライン240およびバルブ機構400を通じて導管20に水を通過させることによって(図8)、バルブ機構400および導管20からあらゆるミルク残留物を除去することができる。
【0087】
原材料供給部100は、断熱され、一般に、冷蔵機構内において0〜10℃、特に、1〜5℃の範囲の温度で冷却されたままであってもよい。したがって、供給部100は原材料劣化にあまりさらされることがないため、必要とする洗浄の頻度が減る。マシン1のこの部分は、時々、例えば、1日1回または数日に1回、自動的に、半自動的にまたは手動で洗浄してもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に、ミルク、コーヒー、茶、スープ、チョコレートのうちの少なくとも1つを含むフレーバー系飲料のフレーバー系飲料調製マシン(1)であって、
使用者の容器(40)のための充填領域(35)上にフレーバー系飲料を分注するための流出口(15)を有するダクト(10)を有する流体回路と、
前記洗浄流体を前記ダクト中に流通させ前記ダクトの前記流出口から出すことによって前記ダクトからフレーバー系飲料の残余物を除去するための洗浄機構と
を備える、フレーバー系飲料調製マシン(1)において、
前記洗浄機構が、
加圧下でガスを供給するための手段(300、400、450)と、
前記フレーバー系飲料の残余物を前記ダクトから排出するために前記ガスを加圧下で前記洗浄流体として前記ダクト中に流通させ前記ダクトから出すための構成と
を有することを特徴とする、フレーバー系飲料調製マシン(1)。
【請求項2】
前記洗浄機構が、
加圧下で蒸気を供給するためのウォータスチーマ(300)であり、任意選択で、前記蒸気を空気と混合するために空気供給部(450)に連結されるウォータスチーマ(300)と、
空気ポンプまたは圧縮空気タンクのような加圧空気フィーダと
のうちの少なくとも一方を備える、請求項1に記載のフレーバー系飲料調製マシン。
【請求項3】
前記洗浄機構(300、400、450)が、フレーバー系飲料分注サイクルの終わりに、前記フレーバー系飲料の残余物を前記使用者の容器に排出するために、加圧した前記ガスを前記ダクト(10)中に流通させ前記ダクト(10)から前記使用者の容器(40)内に出すように構成されている、請求項1または2に記載のフレーバー系飲料調製マシン。
【請求項4】
前記洗浄機構(300、400、450)が、前記加圧ガスを、前記フレーバー系飲料分注サイクル直後、または前記フレーバー系飲料分注サイクル後で、0.05〜3秒の範囲の、例えば0.5〜1.5秒の遅れの後、前記ダクト(10)中に流通させ前記ダクト(10)から前記使用者の容器(40)内に出すように構成されている、請求項3に記載のフレーバー系飲料調製マシン。
【請求項5】
前記洗浄機構(300、400、450)が、前記フレーバー系飲料の残余物を前記ダクトから排出するために、第1の除去流体に続いて第2の除去流体を前記ダクト(10)中に流通させ前記ダクト(10)から出すように構成され、前記第1の除去流体および前記第2の除去流体のうちの少なくとも一方が前記加圧ガスである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のフレーバー系飲料調製マシン。
【請求項6】
前記洗浄機構(300、400、450)が、前記フレーバー系飲料の残余物を前記ダクトから排出するために、
前記ガスを加圧下で第1の除去流体として、特に、0.5〜5秒、例えば1〜3秒間、続いて、
任意選択で洗剤を含む浄水のような除去液体を第2の除去流体として、特に、2〜15秒間、例えば3〜10秒間、
前記ダクト(10)中に流通させ前記ダクト(10)から出すように、またはその逆の順番で、前記ダクト(10)中に流通させ前記ダクト(10)から出すように構成されている、請求項5に記載のフレーバー系飲料調製マシン。
【請求項7】
前記洗浄機構(300、400、450)が、さらに、前記第2の除去流体の後、特に0.5〜5秒間、例えば1〜3秒間、第3の除去流体を前記ダクト中に流通させ前記ダクトから出すように構成されている、請求項6に記載のフレーバー系飲料調製マシン。
【請求項8】
前記洗浄機構(300、400、450)が前記加圧ガスを前記第3の除去流体として流通させるように構成されている、請求項7に記載のフレーバー系飲料調製マシン。
【請求項9】
前記洗浄機構(300、400、450)が、1〜60分の範囲、特に、2〜30分の範囲、例えば3〜20分または5〜10分の範囲の非分注時間の後、前記第1の除去流体を前記ダクト(10)中に流通させるように構成されている、請求項5〜8のいずれか1項に記載のフレーバー系飲料調製マシン。
【請求項10】
分注位置から、前記流出口(15)が、通常操作時、前記流出口(15)から排出した流体を使用者から離して閉じ込めるための少なくとも1つの閉じ込め壁(6)によって境界が定められた領域にある洗浄位置に、前記ダクト(10)を動かすための手段、特にも電気式アクチュエータのような自動的な手段を備える、請求項5〜9のいずれか1項に記載のフレーバー系飲料調製マシン。
【請求項11】
前記加圧ガス手段(300)が、さらに、前記フレーバー系飲料を調製するために、ミルクなどの別の原材料の供給と混合するための蒸気を供給するよう構成されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載のフレーバー系飲料調製マシン。
【請求項12】
前記洗浄機構(300、400、450)が、飲料分注サイクルの終わりに前記別の原材料の供給を中断するとともに、前記蒸気の供給を維持することによって、前記フレーバー系飲料の残余物を前記ダクト(10)から除去するように構成されている、特に請求項3または4に従属する請求項11に記載のフレーバー系飲料調製マシン。
【請求項13】
前記ダクト(10)と流体連結している導管(20)を備え、
前記導管が、ミルクなどの飲料原材料を前記ダクトに流通させるように構成されており、
前記洗浄機構(300、400、450)が、特に、除去流体を前記導管中に流通させ前記流出口(15)を経て前記ダクトから出すように構成されており、
前記除去流体が、任意選択で、例えば任意選択で洗剤を含む水などの洗浄液体のような第2の除去流体である、請求項1〜12のいずれか1項に記載のフレーバー系飲料調製マシン。
【請求項14】
ベンチュリ装置が、ダクト(10)の上流側にて、導管(20)と、ガスを加圧下で供給するための前記手段(300)とに連結されるよう配置されている、請求項11または13に記載のフレーバー系飲料調製マシン。
【請求項15】
導管(20)が、飲料原材料供給部(100)と水供給部(200)とに、特に空気流入口(450)を有する多方バルブ装置(400)を通じて連結されている、請求項11〜14のいずれか1項に記載のフレーバー系飲料調製マシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−518645(P2013−518645A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551607(P2012−551607)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【国際出願番号】PCT/EP2011/051453
【国際公開番号】WO2011/095509
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】