衛生薄葉紙製品包装体
【課題】取り出し性に優れ、しかも内包される製品のいくつかを使用した後にも、開封口の再封止が可能で、かつ必要時には瞬時に内包される製品を取出すことができるポケットティシュー包装体を提供する。
【解決手段】ポケットティシュー1を複数個まとめて並列に配置し、フィルム包装した包装体X2において、前記外装フィルム2に、略コ字状の取出口形成用の裂開用ミシン目線10を配した衛生薄葉紙製品包装体X2により解決される。
【解決手段】ポケットティシュー1を複数個まとめて並列に配置し、フィルム包装した包装体X2において、前記外装フィルム2に、略コ字状の取出口形成用の裂開用ミシン目線10を配した衛生薄葉紙製品包装体X2により解決される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポケットティシューや携帯用ウェットティシューなど複数枚の薄葉紙の束を個包装した製品を、複数個まとめてフィルム包装した衛生薄葉紙製品包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
衛生薄葉紙をコンパクトに折り畳んでフィルム包装したポケットティシューはよく知られる。このポケットティシューは、一般的には複数個をまとめてフィルム包装して市販される。
そして、従来、この種の包装体は、再接着可能なフラップを有する開封口を形成したフィルム製袋体を外装として用い、この袋体に適宜の個数を収納した形態とされている。
この従来包装体は、内包される製品のいくつかを取り出した後にも、フラップによって開封口を再封止できる点で優れる。
【特許文献1】特開2002−37357号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、この従来包装体は、内包されるティシュペーパーを瞬時に取出すことができないという欠点がある。
また、外装体に粘着剤を必要とすることから外装コストがかかるとともに、非包装物を内包させる梱包作業に手間がかかるという欠点もあった。
他方、フィルムの一部に引き裂き用の摘み部を形成して、使用時にこの摘み部を引っ張り、フィルムの有する引き裂き性能によって瞬時に開封可能にしたものも知られるが、この種の製品は再度の封止ができない。
そこで、本発明の主たる課題は、従来包装体のように粘着剤等の封止手段を必要とすることなく、内包される製品のいくつかを使用した後にも開封口を再封止して残りの製品を保管でき、さらに、必要時には瞬時に開封して内包される製品を取り出すことが可能な衛生薄葉紙製品包装体と提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決した本発明及び本発明と同様の効果を奏する参考発明は次記のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
略長方形状の上下面及びこれら繋ぐ長側縁及び短側縁とからなる立体形状をなす衛生薄葉紙製品の複数個が、前記長側縁を付き合わせて並列された配置形態を有し、その配置形態の製品束形状とほぼ同様の内包形状を有する外装フィルムによって包装されている薄葉紙製品包装体であって、
前記外装フィルムは;
隣接長側縁の両端位置からその長側縁中央部に向かい、その位置から非隣接長側縁に向かって延在して、先端矢印状又は錨状のアンカー部を描くように配された帯状部形成部と、
前記両端位置から短側縁及び非隣接長手縁に沿って配された略コ字状部と、
で形成される裂開によって前記帯状部を残して、他の部分が分離される開封口形成用の裂開用ミシン目線を有し、
かつ、前記帯状部の先端が位置する側と反対位置にある他方の非隣接長側縁がわに連続して余剰代を有し、この余剰代に前記アンカー部を挿入して係止するための貫通孔が形成されている、ことを特徴とを衛生薄葉紙製品包装体。
【0005】
〔請求項2記載の発明〕
略長方形状の上下面及びこれら繋ぐ長側縁及び短側縁とからなる立体形状をなす衛生薄葉紙製品の複数個が、前記短側縁を付き合わせて並列された配置形態を有し、その配置形態の製品束形状とほぼ同様の内包形状を有する外装フィルムによって包装されている薄葉紙製品包装体であって、
前記外装フィルムは;
隣接短側縁の両端位置からその短側縁中央部に向かい、その位置から非隣接短側縁に向かって延在して、先端矢印状又は錨状のアンカー部を描くように配された帯状部形成部と、
前記両端位置から長側縁及び非隣接短手縁に沿って配された略コ字状部と、
で形成される裂開によって前記帯状部を残して、他の部分が分離される開封口形成用の裂開用ミシン目線を有し、
かつ、前記帯状部の先端が位置する側と反対位置にある他方の非隣接短側縁がわに連続して余剰代を有し、この余剰代に前記アンカー部を挿入して係止するための貫通孔が形成されている、ことを特徴とを衛生薄葉紙製品包装体。
【0006】
〔請求項3記載の発明〕
外装フィルムによる包装は、四方シール包装、三方シール包装、二方シール包装、ガゼット包装の群から選択されるものである請求項1又は2に記載の衛生薄葉紙製品包装体。
【0007】
〔請求項4記載の発明〕
薄葉紙製品は、長側縁方向又は短側縁方向に隣接して複数個配置されているとともに、上下面方向にも複数個積層して配置されている、請求項1〜3の何れか1項に記載の衛生薄葉紙製品包装体。
【0008】
〔参考発明1−1〕
略長方形状の上下面及びこれら繋ぐ長側縁及び短側縁とからなる立体形状をなす衛生薄葉紙製品の複数個が、前記長側縁を付き合わせて並列された配置形態を有し、その配置形態の製品束形状とほぼ同様の内包形状を有する外装フィルムによって包装されている薄葉紙製品包装体であって、
前記外装フィルムには、最端に位置する衛生薄葉紙製品の非隣接長側縁の両端位置から短側縁に沿って所定距離離間した位置を起点として、ここから連続的に両短側縁及び隣接長手縁に沿って配された、略コ字状の開封口形成用の裂開用ミシン目線が配されている、ことを特徴とする衛生薄葉紙製品包装体。
【0009】
〔参考発明1−2〕
略長方形状の上下面及びこれら繋ぐ長側縁及び短側縁とからなる立体形状をなす衛生薄葉紙製品の複数個が、前記短側縁を付き合わせて並列された配置形態を有し、その配置形態の製品束形状とほぼ同様の内包形状を有する外装フィルムによって包装されている薄葉紙製品包装体であって、
前記外装フィルムには、最端に位置する衛生薄葉紙製品の非隣接短側縁の両端位置から長側縁に沿って所定距離離間した位置を起点として、ここから連続的に両長側縁及び隣接短側縁に沿って配された、略コ字状の開封口形成用の裂開用ミシン目線が配されている、ことを特徴とする衛生薄葉紙製品包装体。
【0010】
〔参考発明2−1〕
略長方形状の上下面及びこれら繋ぐ長側縁及び短側縁とからなる立体形状をなす衛生薄葉紙製品の複数個が、前記長側縁を付き合わせて並列された配置形態を有し、その配置形態の製品束形状とほぼ同様の内包形状を有する外装フィルムによって包装されている薄葉紙製品包装体であって、
前記外装フィルムは、最端に位置する衛生薄葉紙製品の非隣接長手縁から他方側の長手縁までの範囲の位置において、前記長手縁に平行をなして周回して配された開封口形成用の裂開用ミシン目線が形成されていることを特徴とする衛生薄葉紙製品包装体。
【0011】
〔参考発明2−2〕
略長方形状の上下面及びこれら繋ぐ長側縁及び短側縁とからなる立体形状をなす衛生薄葉紙製品の複数個が、前記短側縁を付き合わせて並列された配置形態を有し、その配置形態の製品束形状とほぼ同様の内包形状を有する外装フィルムによって包装されている薄葉紙製品包装体であって、
前記外装フィルムは、最端に位置する衛生薄葉紙製品の非隣接短手縁から他方側の短手縁までの範囲の位置において、前記短手縁に平行をなして周回して配された開封口形成用の裂開用ミシン目線が形成されていることを特徴とする衛生薄葉紙製品包装体。
【発明の効果】
【0012】
上記本発明によれば、粘着剤等の封止手段を必要とすることなく、内包される製品のいくつかを使用した後にも開封口を再封止して残りの製品を保管でき、さらに、必要時には瞬時に開封して内包される製品を取り出すことができる衛生薄葉紙製品包装体が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次いで、本発明の実施の形態を図面を参照しながら以下に詳述する。
以下、本発明の実施形態を例示するが本発明はこれに限定されない。なお、合わせて本発明と同様の効果を奏する第1の参考形態および第2の参考形態も説明する。
〔衛生薄葉紙製品包装体の概要〕
まず、本発明の実施形態、第1の参考形態、第2の参考形態に共通する事項について説明する。
図1〜3は、第1の参考形態にかかる衛生薄葉紙製品X1を示すものであり、図4は第1の参考形態の他の例X1’を示すものである。
図5〜7は、本発明の実施の形態にかかる衛生薄葉紙製品X2を示すものであり、図8は、本発明の実施の形態の他の例X2’を示すものである。
図9〜12は、第2の参考形態にかかる衛生薄葉紙製品X3を示すものであり、図13は、第2の参考形態の他の例X3’を示すものである。
【0014】
各図に示される本発明の実施形態及び各参考形態にかかる衛生薄葉紙製品包装体X1,X1’,X2,X2’,X3,X3’(以下、X1〜X3とする)は、衛生薄葉紙製品としてのポケットティシュー1を、複数個まとめて外装フィルム2によってパッケージングしたものである。なお、各形態においては衛生薄葉紙製品をポケットティシューとして説明するが、本発明はこれに限らず、携帯用ウェットティシューなどでもよい。また、通常の大きさのティシュペーパー2枚1組にして、40〜100組を外装フィルムによってパッケージングしたハンディパックティシューでもよい。
【0015】
各形態にかかるポケットティシュー1,1…は、略長方形状の上下面及びこれら繋ぐ長側縁L,L…及び短側縁S,S…とからなる座布団様の偏平状の立体形状をなすものであり、大きさは、概ね短側縁85mm×長側縁125mm×厚さ15mm前後である。また、ハンディパックティシューの場合、大きさは、概ね短側縁130mm×長側縁265mm×厚さ20mm前後である。本発明における衛生薄葉紙製品もこの大きさから±10mm前後の大きさであるのが望ましい。
【0016】
他方、前記ポケットティシュー1は、既知の製品と同様に、上面に取出口形成部(図示しない)が長側縁延在方向のほぼ全幅にわたって形成されている。取出口形成部は、例えばミシン目線によって形成される。このミシン目線を裂開することでスリット状の取出口が形成される。
【0017】
内包されるティシュペーパーは、従来既知のものが使用できる。ただし、通常のティシュペーパーを内包したポケットティシューは、無料配布されることも多く購買力に乏しい製品である。しかし、ローションティシューと呼ばれる基紙に薬液を塗布などして担持させものは、高級品として認識されており、これを内包させたポケットティシューは購買力があり、複数個まとめて市販する意義が高い。従って、本発明において特に適するポケットティシューは、ローションティシューを内包したポケットティシューである。
【0018】
他方、衛生薄葉紙製品X1、X2、X3は、図1、図5及び図9からも理解されるように上記ポケットティシュー四個が上下面方向及び長側縁方向に二列並べられた配置形態を採っており、これらの変形例X1’,X2’,X3’は、図4、図8、図13から理解されるように上記ポケットティシュー四個が上下面方向及び短側縁方向に二列並べられた配置形態を採っている。
【0019】
なお、本発明においては、ポケットティシューの長側縁L又は短側縁Sが隣接するようにして二個以上並べた配置形態であればよく、上下面方向に重ねる個数や長側縁方向又短側縁方向に並べる個数は特に限定されない。ただし、特に好適な配置形態は、図1、図5及び図9に示される上下面方向に二つ、長側縁方向に二つ並べた配置形態又は図4、図8及び図13に示される上下面方向に二つ、短側縁方向に二つ並べた配置形態である。
(以下、隣接するポケットティシュー1,1間にある長側縁Lを隣接長手側縁L1、隣接するポケットティシューが存在しない側の長側縁を非隣接長側縁L2として区別し、隣接するポケットティシュー1,1間にある短側縁Sを隣接短側縁S1、隣接するポケットティシューが存在しない側の短側縁を非隣接短側縁S2として区別する場合がある。)
【0020】
各形態の衛生薄葉紙製品包装体X1〜X3は、このように四個のポケットティシュー1,1…が配置された状態で、その配置形態の製品束形状とほぼ同様の内包形状を有する外装フィルム2によって包装されている。かかる外装フィルム2による包装は、既知の包装方法、例えば、四方シール包装、三方シール包装、二方シール包装、ガゼット包装などを採用して包装することで達成できる。
【0021】
包装方法を説明すれば、四方シール包装とは、二枚のフィルムシート間に被包装物を配置させつつ、シートの四方側縁を熱融着、超音波融着などの融着処理によってシールして封止する包装方法である。三方シール包装は、フィルムシートを二つ折りしつつその折り返し内面に被包装物を配置させるとともに、開口三方縁を融着処理して封止する包装方法である。二方シール包装とは、チューブ状フィルムの内部に被包装物を配置しつつ両端開口縁を融着処理してシールする包装方法である。ガゼット包装は、上記各包装方法において側部にマチを付けつつシールする包装方法である。これらの包装(包装方法)は、既知の包装機械により達成可能である。
【0022】
他方、本発明の実施の形態X2,X2’においては必須の構成として、内包されたポケットティシュー1の非隣接長側縁L1又は非隣接短側縁S1から延在するようにして、外装フィルム2に余剰代3が形成され、そのほぼ中央に貫通孔4が形成されている。この余剰代3は取っ手として機能し、前記貫通孔4は陳列の際に陳列棚に形成された陳列用の棒やフック等の係止部材を介しての陳列を容易にする。なお、本構成は、第1の参考形態X1,X1’及び第2の参考形態X3,X3’においても好ましい構成である。
【0023】
なお、本発明に係る外装フィルム2の種類は、特に限定されず、既知のフィルムを用いることができる。例示すれば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリスチレンフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムが例示できるが、特に、安価で透明性の高いポリエチレンフィルムが適する。
【0024】
また、外装フィルムは、内包物の視認性が良好であるのがよく、ヘイズ値が0.1〜20%の範囲のものとするのが望ましい。さらにフィルム全体としてのコシを発現させるとともに、後述する開封口形成用の裂開用ミシン目線に沿って裂開されるべく、厚さとして10〜50μmであるのが望ましい。10μm未満であると強度が弱くミシン線にそって裂開し難く、50μmを超えるとミシン目線自体を裂開させ難くなる。
以上の説明が本発明の実施形態、第1の参考形態及び第2の参考形態に共通する事項である。以下、各形態の個別に事項につき、第1の参考形態の詳細、本発明の実施形態の特徴部分、第2の参考形態の詳細の順に説明していく。
【0025】
〔第1の参考形態の詳細〕
第1の参考形態X1,X1’は、上記の本願発明と同様の効果を奏する参考発明1−1及び参考発明1−2に対応する形態である。なお、図1〜3に示される形態例X1は、長側縁方向が付き合わさるように配置された例で上記参考発明1−1に対応する例であり、図4に示される形態例X1’は、短側縁方向が付き合わさるように配置された例で上記参考発明1−2に対応する例である。
この第1の参考形態X1,X1’における特徴的部分は、外装フィルム2に形成された、内包されたポケットティシュー1を取り出すための開封口を形成するための裂開用ミシン目線10にある。
【0026】
図1〜3に示す形態例X1と図4に示す形態例X1’とは、内包されるポケットティシューの配置形態が相違するのみであり、ポケットティシューの配置形態以外については、両例に相違するところはない。作用効果も同様である。
従って、以下、第1の参考形態については、主に長側方向に隣接する例X1に基づき詳述し、短側縁方向に隣接する配置形態を採る例X1’については、説明は省略する。短側縁方向に隣接する配置形態を採る例X1’については、以下の説明における「長側縁」と「短側縁」との語句の置換によって容易に理解できよう。
【0027】
第1の参考形態X1にかかる裂開用ミシン目線10は、図1〜3からも理解されるように、複数並列された配置形態をとるポケットティシュー1,1のうちの、余剰代3がわの最端に位置する衛生薄葉紙製品1eの非隣接長側縁L2の両端位置から短側縁S,Sに沿って所定距離離間した位置を起点Kとして、ここから短側縁S,S、隣接長手縁L1の順に連続的に沿って配された、略コ字状をなしている。
【0028】
前記非隣接長側縁L2から起点までの所定距離は、ポケットティシュー1の短側縁Sの長さの6〜25%とするのが望ましい。6%未満又は25%を超えると後述する再封止がし難くなる。ポケットティシュー1の場合、実測では短側縁Sの長さが8cm、前記所定距離は0.5〜2cmとするのが望ましい。
また、裂開を確実かつ容易にすべく、裂開用ミシン目線のカット/タイ比は、1〜7、カット部分の長さは1〜7mmとするのが望ましい。
【0029】
次いで、第1の参考形態の作用及び効果を使用方法とともに説明すると、まず、図2に示すように、上記略コ字状の裂開用ミシン目線10を裂開して開封口20を形成するとともに、開封口20の形成によって露出される余剰代3側のポケットティシューを取り出す。この取出し作業は、ミシン目線を裂開させるのみでよいことから瞬時に行うことができる。なお、ミシン目線の裂開は、手でミシン目線を境にした両部分を反対方向に引張るという簡易な操作で行うことができる、
【0030】
ポケットティシュー1は、使用の際には、開封口20に面するポケットティシューから使用していく。すなわち、裂開用ミシン目線の起点K側に位置するポケットティシューを開封口に面するものから使用していく。開封口に面するポケットティシュー1が無くなった後には、開封口20の形成後もなお袋状部分となっている部分30に位置しているポケットティシューを使用していく。
【0031】
ここで、上下面が開封口に面するすべてのポケットティシューを取り出すと、すなわち図示例であれば裂開用ミシン目線の起点K側に位置する二コのポケットティシューを取り出すと、図2に示すが如く、取出口形成に伴って自由な開封片21が形成される。
【0032】
第1の参考形態X1においては、この状態とした後に、図2中において矢印Yにて示すように、未だ開封口20から取り出されず袋部分30に残る二個のポケットティシュー1,1を、前記袋部分30とともに折り返して前記開封片21とこれに面するフィルムとの間に位置せしめる。このときポケットティシュー1の内包物であるティシュペーパー束は弾性収縮性を有することから、当該部位に押し込むことができる。
【0033】
図3のように、このとき裂開用ミシン目線10の起点K,Kを、最端に位置していたポケットティシュー1の非隣接長側縁L2の両端位置から短側縁Sに沿って所定距離離間した位置としたことから、当該起点Kから余剰代3に向かって、すなわち開封片21の基端側にポケット状の係止袋部Fが形成されるので、当該部位Fにポケットティシューが内包された状態の袋部分30の端が押し込まれるとその弾性機能及び当該袋部Fを構成するフィルムの伸縮力によって係止機能が発揮され、折り返し状態が維持される。この折り返しによって、前記開封口20は、再度封止された状態となる。
以上のとおり第1の参考形態の衛生薄葉紙製品包装体X1では、この再封止状態とするに接着剤等の粘着剤は必要なく、衛生薄葉紙を束とすることによって生ずる弾性と、外装フィルム2による伸縮性との関係によって、効果的に封止状態が維持される。
【0034】
〔本発明の実施形態の特徴部分〕
本発明の実施形態X2,X2’は、本発明の請求項1及び2に対応する形態である。なお、図5〜7に示される形態例X2は、長側縁方向が付き合わさるように配置された例で請求項1に対応する例であり、図8に示される形態例X2’は、短側縁方向が付き合わさるように配置された例で請求項2に対応する例である。
この本発明の実施形態X2,X2’における特徴的部分は、外装フィルム2に形成された、内包されたポケットティシュー1を取り出すための開封口を形成するための裂開用ミシン目線10にある。
【0035】
図5〜7に示す形態例X2と図8に示す形態例X2’とは、内包されるポケットティシューの配置形態が相違するのみであり、ポケットティシューの配置形態以外については、両例に相違するところはない。課題及び作用効果も同様である。
従って、以下、本発明の実施形態については、主に長側方向に隣接する例X2に基づき詳述し、短側縁方向に隣接する配置形態を採る例X2’については、説明は省略する。短側縁方向に隣接する配置形態を採る例X2’については、以下の説明における「長側縁」と「短側縁」との語句の置換によって容易に理解できよう。
【0036】
図5〜7に本発明の実施形態X2の特徴的なミシン目線10は、隣接長側縁L1の両端K,Kから長側縁の中央部へ向かい、その位置から余剰代3とは反対位置の非隣接長側縁L2に向かって延在して、先端矢印状又は錨状のアンカー部11を描くように配された帯状部形成部10Aと、前記両端位置K,Kから短側縁S及び非隣接長手縁L2に沿って配された略コ字状部10Bとで形成され、裂開によって前記帯状部分を残して、他の部分が分離されるように構成されている。
ミシン目線のカット/タイ比、カット部分長は上記第1の参考形態と同様である。
【0037】
他方、本発明の実施形態における帯状部形成部10Aは、その先端が常に非隣接長側縁L2に位置されるようにし、また、帯状部形成部10Aの長さが、少なくとも前記起点Kから余剰代4までの直線長さ以上となるように構成するのが望ましい。また、帯状部の幅は1.5〜5cmとするのが望ましい。なお、帯状部の長さは短側縁Sに平行な方向の長さ、幅は長側縁Lに平行な方向の長さである。
【0038】
他方、本発明の実施形態X2においては、上述のとおり必須の構成として余剰代3及びそこに形成された貫通孔4を有する。換言すれば本発明の実施形態の包装体X2においては、前記帯状部形成部10Aの先端が位置する側と反対位置の他方の非隣接長側縁がわに連続して余剰代3が形成されており、この余剰代3のほぼ中央部分に貫通孔4が形成されている。
【0039】
次いで、この本発明の実施形態の包装体X2の作用及び効果を使用方法とともに説明すると、まず、図5から図6に示すように、裂開用ミシン目線10を裂開させて帯状部形成部10Aにより形成される帯状部11を残しつつ開封口を形成する。この開封口20形成は、第1の実施の形態と同様に、ミシン目線の裂開によって瞬時に形成される。
【0040】
そして、ポケットティシュー1は、使用の際には、上記第1の参考形態と同様に、開封口20に面するポケットティシューから使用していく。開封口に面するポケットティシューが無くなった後には、開封口20の形成後もなお袋状部分となっている余剰代に近い部分30に位置しているポケットティシューを使用していく。
【0041】
ここで、図6に示すように、余剰代3側に形成される袋状部分30にのみポケットティシューが残った状態では、本発明の実施形態の包装体X2では、帯状部分11とこれに対面する自由片21とが形成された状態となる。
【0042】
本発明の実施形態X2においては、この状態とした後に、図7に示すように、前記自由片21を袋部分に残るポケットティシュー1との外装フィルムとの間、若しくは上下面で接するポケットテュシュー間の隙間に押し込み、さらに帯状部分11を当該残ったポケットテュイシューが残る袋部分30に巻き付けつけて、先端のアンカー部11Uを余剰代3に形成された貫通孔4に通して係止する。この作業によって開封口20が封止された状態となる。なお、自由片21を押し込み位置は必ずしも限定されない。また押し込まずに筒状に丸める等適宜の措置をとることができる。
【0043】
本発明の実施形態では前記帯状部分11の先端にアンカー部11Uが形成されるため余剰代3に形成された貫通孔4に通した場合に容易に外れることがなく封止状態が維持される。
ここで、上記係止状態を適当に維持するために、前記貫通孔4の大きさは少なくともアンカー部11の幅よりも小さくするのが望ましい。なお帯状部分11はフィルムで構成されているため貫通孔に通すときはその収縮性を利用する。
かくして、本発明の実施形態の衛生薄葉紙製品包装体X2においては、再封止状態とするに接着剤等の粘着剤は必要なく、衛生薄葉紙を束とすることによって生ずる弾性と、フィルムによる伸縮性との関係によって、効果的に封止状態が維持される。
【0044】
〔第2の参考形態の詳細〕
第2の参考形態X3,X3’は、上記参考発明2−1、参考発明2−2に対応する形態である。なお、図9〜12に示される形態例X3は、長側縁方向が付き合わさるように配置された例で参考発明2−1に対応する例であり、図13に示される形態例X3’は、短側縁方向が付き合わさるように配置された例で参考発明2−2に対応する例である。
この第2の参考形態X3,X3’は、外装フィルム2に形成された、内包されたポケットティシュー1を取り出すための開封口を形成するための裂開用ミシン目線10が実施形態とは異なる。
【0045】
図9〜12に示す形態例X3と図13に示す形態例X3’とは、内包されるポケットティシューの配置形態が相違するのみであり、ポケットティシューの配置形態以外については、両例に相違するところはない。作用効果も同様である。
従って、以下、第2の参考形態については、主に長側方向に隣接する例X3に基づき詳述し、短側縁方向に隣接する配置形態を採る例X3’については、説明は省略する。短側縁方向に隣接する配置形態を採る例X3’については、以下の説明における「長側縁」と「短側縁」との語句の置換によって容易に理解できよう。
【0046】
第2の参考形態における裂開用ミシン目線10は、図9に示されるように、特徴的に、余剰代3に最も近くに位置するポケットティシュー1の非隣接長手縁L2、すなわち余剰代3側の非隣接長側縁L2から、そのポケットティシューの他方側の隣接長手縁L1までの範囲の位置において、前記長手縁Lに平行をなして周回するようにして配されている。
ミシン目線のカット/タイ比、カット部分長は上記第1の参考形態と同様である。
【0047】
この第2の参考形態の包装体X3の作用及び効果を使用方法とともに説明すると、まず、図9及び10に示す裂開用ミシン目線10を裂開させて余剰代側部分Aと他の部分Bとに分離して開封口20を形成する。この開封口20の形成は、本発明の実施形態や第1の参考形態と同様に、ミシン目線の裂開によって瞬時に形成される。
【0048】
かかる開封口20が形成された状態においては、裂開用ミシン目線10と重なって位置されていた余剰代3がわのポケットテュシュー1が露出される。図示の配置形態においては二個のポケットティシューが露出される(露出された状態は図示していない)。
この二個のポケットテュシューを使用のために包装から取り除くと、図10に示されるように、残りポケットティシューの長手縁側から延出して外装フィルムの余剰部分23が形成される。
【0049】
そして、この余剰部分23をミシン目線の裂開によって形成された開封口20を塞ぐように折り返し、その裂開縁23eを例えば、例えば図11に示すが如く、残るポケットティシュー間に押し込むようにして挿入する。ポケットティシューは、第2の実施の形態においても説明したように、内包される衛生薄葉紙束に起因する弾力性及び弾性伸縮性を有しているから、当該部位に押し込まれ挿入された裂開縁23e及びその近傍の余剰部分23は、その挿入状態が維持される。
余剰部分23が押し込まれると、図12に示されるように、使用されなかった残りのポケットティシュー1が被覆された状態に開封口20が再封止される。
かくして、第2の参考形態の衛生薄葉紙製品包装体X3においても、再封止状態とするに接着剤等の粘着剤は必要なく、衛生薄葉紙を束とすることによって生ずる弾性と、フィルムによる伸縮性との関係によって、効果的に封止状態が維持される。
【0050】
なお、図示例においては、上下面で重なり合うポケットティシュー間に余剰部分23を押し込むこととしたが、余剰部分23を押し込む位置は必ずしも当該部位に限らず、外装フィルム2とポケットティシュー1との間であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、ポケットティシューや携帯用ウェットティシュー等など弾性伸縮性を有する製品をまとめてフィルム包装した包装体に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の参考形態にかかる包装体X1の使用前の斜視図である。
【図2】本発明の第1の参考形態にかかる包装体X1の取出口を説明するための斜視図である。
【図3】本発明の第1の参考形態にかかる包装体X1の取出口再封止状態の斜視図である。
【図4】本発明の第1の参考形態にかかる包装体の他の例X1’の使用前の斜視図である。
【図5】本発明の実施形態にかかる包装体X2の使用前の斜視図である。
【図6】本発明の実施形態にかかる包装体X2の取出口を説明するための斜視図である。
【図7】本発明の実施形態にかかる包装体X2の取出口再封止状態の斜視図である。
【図8】本発明の実施形態にかかる包装体の他の例X2’使用前の斜視図である。
【図9】本発明の第2の参考形態にかかる包装体X3の使用前の斜視図である。
【図10】本発明の第2の参考形態にかかる包装体X3の取出口を説明するための斜視図である。
【図11】本発明の第2の参考形態にかかる包装体X3の取出口再封止の説明のための斜視図である。
【図12】本発明の第2の参考形態にかかる包装体X3の取出口再封止状態の斜視図である。
【図13】本発明の第2の参考形態にかかる包装体の他の例X3’使用前の斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
1(1e)…ポケットティシュー(衛生薄葉紙製品)、2…外装フィルム、10…裂開用ミシン目線、10A…帯状部形成部、11…帯状部、11U…アンカー部、20…開封口、21…自由片、23…余剰部分。23e…裂開縁(余剰部分の縁)、11…帯状部分、L…長側縁、L1…隣接長側縁、L2…非隣接長側縁、30…ミシン目線裂開後も袋形状が維持される部分、F…ミシン目線の裂開によって袋状になる部分、S…短側縁、A…衛生薄葉紙製品包装体の一部、B…外装フィルムの一部、Y…折り返し方向、K…起点、X1〜X3…衛生薄葉紙製品包装体。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポケットティシューや携帯用ウェットティシューなど複数枚の薄葉紙の束を個包装した製品を、複数個まとめてフィルム包装した衛生薄葉紙製品包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
衛生薄葉紙をコンパクトに折り畳んでフィルム包装したポケットティシューはよく知られる。このポケットティシューは、一般的には複数個をまとめてフィルム包装して市販される。
そして、従来、この種の包装体は、再接着可能なフラップを有する開封口を形成したフィルム製袋体を外装として用い、この袋体に適宜の個数を収納した形態とされている。
この従来包装体は、内包される製品のいくつかを取り出した後にも、フラップによって開封口を再封止できる点で優れる。
【特許文献1】特開2002−37357号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、この従来包装体は、内包されるティシュペーパーを瞬時に取出すことができないという欠点がある。
また、外装体に粘着剤を必要とすることから外装コストがかかるとともに、非包装物を内包させる梱包作業に手間がかかるという欠点もあった。
他方、フィルムの一部に引き裂き用の摘み部を形成して、使用時にこの摘み部を引っ張り、フィルムの有する引き裂き性能によって瞬時に開封可能にしたものも知られるが、この種の製品は再度の封止ができない。
そこで、本発明の主たる課題は、従来包装体のように粘着剤等の封止手段を必要とすることなく、内包される製品のいくつかを使用した後にも開封口を再封止して残りの製品を保管でき、さらに、必要時には瞬時に開封して内包される製品を取り出すことが可能な衛生薄葉紙製品包装体と提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決した本発明及び本発明と同様の効果を奏する参考発明は次記のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
略長方形状の上下面及びこれら繋ぐ長側縁及び短側縁とからなる立体形状をなす衛生薄葉紙製品の複数個が、前記長側縁を付き合わせて並列された配置形態を有し、その配置形態の製品束形状とほぼ同様の内包形状を有する外装フィルムによって包装されている薄葉紙製品包装体であって、
前記外装フィルムは;
隣接長側縁の両端位置からその長側縁中央部に向かい、その位置から非隣接長側縁に向かって延在して、先端矢印状又は錨状のアンカー部を描くように配された帯状部形成部と、
前記両端位置から短側縁及び非隣接長手縁に沿って配された略コ字状部と、
で形成される裂開によって前記帯状部を残して、他の部分が分離される開封口形成用の裂開用ミシン目線を有し、
かつ、前記帯状部の先端が位置する側と反対位置にある他方の非隣接長側縁がわに連続して余剰代を有し、この余剰代に前記アンカー部を挿入して係止するための貫通孔が形成されている、ことを特徴とを衛生薄葉紙製品包装体。
【0005】
〔請求項2記載の発明〕
略長方形状の上下面及びこれら繋ぐ長側縁及び短側縁とからなる立体形状をなす衛生薄葉紙製品の複数個が、前記短側縁を付き合わせて並列された配置形態を有し、その配置形態の製品束形状とほぼ同様の内包形状を有する外装フィルムによって包装されている薄葉紙製品包装体であって、
前記外装フィルムは;
隣接短側縁の両端位置からその短側縁中央部に向かい、その位置から非隣接短側縁に向かって延在して、先端矢印状又は錨状のアンカー部を描くように配された帯状部形成部と、
前記両端位置から長側縁及び非隣接短手縁に沿って配された略コ字状部と、
で形成される裂開によって前記帯状部を残して、他の部分が分離される開封口形成用の裂開用ミシン目線を有し、
かつ、前記帯状部の先端が位置する側と反対位置にある他方の非隣接短側縁がわに連続して余剰代を有し、この余剰代に前記アンカー部を挿入して係止するための貫通孔が形成されている、ことを特徴とを衛生薄葉紙製品包装体。
【0006】
〔請求項3記載の発明〕
外装フィルムによる包装は、四方シール包装、三方シール包装、二方シール包装、ガゼット包装の群から選択されるものである請求項1又は2に記載の衛生薄葉紙製品包装体。
【0007】
〔請求項4記載の発明〕
薄葉紙製品は、長側縁方向又は短側縁方向に隣接して複数個配置されているとともに、上下面方向にも複数個積層して配置されている、請求項1〜3の何れか1項に記載の衛生薄葉紙製品包装体。
【0008】
〔参考発明1−1〕
略長方形状の上下面及びこれら繋ぐ長側縁及び短側縁とからなる立体形状をなす衛生薄葉紙製品の複数個が、前記長側縁を付き合わせて並列された配置形態を有し、その配置形態の製品束形状とほぼ同様の内包形状を有する外装フィルムによって包装されている薄葉紙製品包装体であって、
前記外装フィルムには、最端に位置する衛生薄葉紙製品の非隣接長側縁の両端位置から短側縁に沿って所定距離離間した位置を起点として、ここから連続的に両短側縁及び隣接長手縁に沿って配された、略コ字状の開封口形成用の裂開用ミシン目線が配されている、ことを特徴とする衛生薄葉紙製品包装体。
【0009】
〔参考発明1−2〕
略長方形状の上下面及びこれら繋ぐ長側縁及び短側縁とからなる立体形状をなす衛生薄葉紙製品の複数個が、前記短側縁を付き合わせて並列された配置形態を有し、その配置形態の製品束形状とほぼ同様の内包形状を有する外装フィルムによって包装されている薄葉紙製品包装体であって、
前記外装フィルムには、最端に位置する衛生薄葉紙製品の非隣接短側縁の両端位置から長側縁に沿って所定距離離間した位置を起点として、ここから連続的に両長側縁及び隣接短側縁に沿って配された、略コ字状の開封口形成用の裂開用ミシン目線が配されている、ことを特徴とする衛生薄葉紙製品包装体。
【0010】
〔参考発明2−1〕
略長方形状の上下面及びこれら繋ぐ長側縁及び短側縁とからなる立体形状をなす衛生薄葉紙製品の複数個が、前記長側縁を付き合わせて並列された配置形態を有し、その配置形態の製品束形状とほぼ同様の内包形状を有する外装フィルムによって包装されている薄葉紙製品包装体であって、
前記外装フィルムは、最端に位置する衛生薄葉紙製品の非隣接長手縁から他方側の長手縁までの範囲の位置において、前記長手縁に平行をなして周回して配された開封口形成用の裂開用ミシン目線が形成されていることを特徴とする衛生薄葉紙製品包装体。
【0011】
〔参考発明2−2〕
略長方形状の上下面及びこれら繋ぐ長側縁及び短側縁とからなる立体形状をなす衛生薄葉紙製品の複数個が、前記短側縁を付き合わせて並列された配置形態を有し、その配置形態の製品束形状とほぼ同様の内包形状を有する外装フィルムによって包装されている薄葉紙製品包装体であって、
前記外装フィルムは、最端に位置する衛生薄葉紙製品の非隣接短手縁から他方側の短手縁までの範囲の位置において、前記短手縁に平行をなして周回して配された開封口形成用の裂開用ミシン目線が形成されていることを特徴とする衛生薄葉紙製品包装体。
【発明の効果】
【0012】
上記本発明によれば、粘着剤等の封止手段を必要とすることなく、内包される製品のいくつかを使用した後にも開封口を再封止して残りの製品を保管でき、さらに、必要時には瞬時に開封して内包される製品を取り出すことができる衛生薄葉紙製品包装体が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次いで、本発明の実施の形態を図面を参照しながら以下に詳述する。
以下、本発明の実施形態を例示するが本発明はこれに限定されない。なお、合わせて本発明と同様の効果を奏する第1の参考形態および第2の参考形態も説明する。
〔衛生薄葉紙製品包装体の概要〕
まず、本発明の実施形態、第1の参考形態、第2の参考形態に共通する事項について説明する。
図1〜3は、第1の参考形態にかかる衛生薄葉紙製品X1を示すものであり、図4は第1の参考形態の他の例X1’を示すものである。
図5〜7は、本発明の実施の形態にかかる衛生薄葉紙製品X2を示すものであり、図8は、本発明の実施の形態の他の例X2’を示すものである。
図9〜12は、第2の参考形態にかかる衛生薄葉紙製品X3を示すものであり、図13は、第2の参考形態の他の例X3’を示すものである。
【0014】
各図に示される本発明の実施形態及び各参考形態にかかる衛生薄葉紙製品包装体X1,X1’,X2,X2’,X3,X3’(以下、X1〜X3とする)は、衛生薄葉紙製品としてのポケットティシュー1を、複数個まとめて外装フィルム2によってパッケージングしたものである。なお、各形態においては衛生薄葉紙製品をポケットティシューとして説明するが、本発明はこれに限らず、携帯用ウェットティシューなどでもよい。また、通常の大きさのティシュペーパー2枚1組にして、40〜100組を外装フィルムによってパッケージングしたハンディパックティシューでもよい。
【0015】
各形態にかかるポケットティシュー1,1…は、略長方形状の上下面及びこれら繋ぐ長側縁L,L…及び短側縁S,S…とからなる座布団様の偏平状の立体形状をなすものであり、大きさは、概ね短側縁85mm×長側縁125mm×厚さ15mm前後である。また、ハンディパックティシューの場合、大きさは、概ね短側縁130mm×長側縁265mm×厚さ20mm前後である。本発明における衛生薄葉紙製品もこの大きさから±10mm前後の大きさであるのが望ましい。
【0016】
他方、前記ポケットティシュー1は、既知の製品と同様に、上面に取出口形成部(図示しない)が長側縁延在方向のほぼ全幅にわたって形成されている。取出口形成部は、例えばミシン目線によって形成される。このミシン目線を裂開することでスリット状の取出口が形成される。
【0017】
内包されるティシュペーパーは、従来既知のものが使用できる。ただし、通常のティシュペーパーを内包したポケットティシューは、無料配布されることも多く購買力に乏しい製品である。しかし、ローションティシューと呼ばれる基紙に薬液を塗布などして担持させものは、高級品として認識されており、これを内包させたポケットティシューは購買力があり、複数個まとめて市販する意義が高い。従って、本発明において特に適するポケットティシューは、ローションティシューを内包したポケットティシューである。
【0018】
他方、衛生薄葉紙製品X1、X2、X3は、図1、図5及び図9からも理解されるように上記ポケットティシュー四個が上下面方向及び長側縁方向に二列並べられた配置形態を採っており、これらの変形例X1’,X2’,X3’は、図4、図8、図13から理解されるように上記ポケットティシュー四個が上下面方向及び短側縁方向に二列並べられた配置形態を採っている。
【0019】
なお、本発明においては、ポケットティシューの長側縁L又は短側縁Sが隣接するようにして二個以上並べた配置形態であればよく、上下面方向に重ねる個数や長側縁方向又短側縁方向に並べる個数は特に限定されない。ただし、特に好適な配置形態は、図1、図5及び図9に示される上下面方向に二つ、長側縁方向に二つ並べた配置形態又は図4、図8及び図13に示される上下面方向に二つ、短側縁方向に二つ並べた配置形態である。
(以下、隣接するポケットティシュー1,1間にある長側縁Lを隣接長手側縁L1、隣接するポケットティシューが存在しない側の長側縁を非隣接長側縁L2として区別し、隣接するポケットティシュー1,1間にある短側縁Sを隣接短側縁S1、隣接するポケットティシューが存在しない側の短側縁を非隣接短側縁S2として区別する場合がある。)
【0020】
各形態の衛生薄葉紙製品包装体X1〜X3は、このように四個のポケットティシュー1,1…が配置された状態で、その配置形態の製品束形状とほぼ同様の内包形状を有する外装フィルム2によって包装されている。かかる外装フィルム2による包装は、既知の包装方法、例えば、四方シール包装、三方シール包装、二方シール包装、ガゼット包装などを採用して包装することで達成できる。
【0021】
包装方法を説明すれば、四方シール包装とは、二枚のフィルムシート間に被包装物を配置させつつ、シートの四方側縁を熱融着、超音波融着などの融着処理によってシールして封止する包装方法である。三方シール包装は、フィルムシートを二つ折りしつつその折り返し内面に被包装物を配置させるとともに、開口三方縁を融着処理して封止する包装方法である。二方シール包装とは、チューブ状フィルムの内部に被包装物を配置しつつ両端開口縁を融着処理してシールする包装方法である。ガゼット包装は、上記各包装方法において側部にマチを付けつつシールする包装方法である。これらの包装(包装方法)は、既知の包装機械により達成可能である。
【0022】
他方、本発明の実施の形態X2,X2’においては必須の構成として、内包されたポケットティシュー1の非隣接長側縁L1又は非隣接短側縁S1から延在するようにして、外装フィルム2に余剰代3が形成され、そのほぼ中央に貫通孔4が形成されている。この余剰代3は取っ手として機能し、前記貫通孔4は陳列の際に陳列棚に形成された陳列用の棒やフック等の係止部材を介しての陳列を容易にする。なお、本構成は、第1の参考形態X1,X1’及び第2の参考形態X3,X3’においても好ましい構成である。
【0023】
なお、本発明に係る外装フィルム2の種類は、特に限定されず、既知のフィルムを用いることができる。例示すれば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリスチレンフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムが例示できるが、特に、安価で透明性の高いポリエチレンフィルムが適する。
【0024】
また、外装フィルムは、内包物の視認性が良好であるのがよく、ヘイズ値が0.1〜20%の範囲のものとするのが望ましい。さらにフィルム全体としてのコシを発現させるとともに、後述する開封口形成用の裂開用ミシン目線に沿って裂開されるべく、厚さとして10〜50μmであるのが望ましい。10μm未満であると強度が弱くミシン線にそって裂開し難く、50μmを超えるとミシン目線自体を裂開させ難くなる。
以上の説明が本発明の実施形態、第1の参考形態及び第2の参考形態に共通する事項である。以下、各形態の個別に事項につき、第1の参考形態の詳細、本発明の実施形態の特徴部分、第2の参考形態の詳細の順に説明していく。
【0025】
〔第1の参考形態の詳細〕
第1の参考形態X1,X1’は、上記の本願発明と同様の効果を奏する参考発明1−1及び参考発明1−2に対応する形態である。なお、図1〜3に示される形態例X1は、長側縁方向が付き合わさるように配置された例で上記参考発明1−1に対応する例であり、図4に示される形態例X1’は、短側縁方向が付き合わさるように配置された例で上記参考発明1−2に対応する例である。
この第1の参考形態X1,X1’における特徴的部分は、外装フィルム2に形成された、内包されたポケットティシュー1を取り出すための開封口を形成するための裂開用ミシン目線10にある。
【0026】
図1〜3に示す形態例X1と図4に示す形態例X1’とは、内包されるポケットティシューの配置形態が相違するのみであり、ポケットティシューの配置形態以外については、両例に相違するところはない。作用効果も同様である。
従って、以下、第1の参考形態については、主に長側方向に隣接する例X1に基づき詳述し、短側縁方向に隣接する配置形態を採る例X1’については、説明は省略する。短側縁方向に隣接する配置形態を採る例X1’については、以下の説明における「長側縁」と「短側縁」との語句の置換によって容易に理解できよう。
【0027】
第1の参考形態X1にかかる裂開用ミシン目線10は、図1〜3からも理解されるように、複数並列された配置形態をとるポケットティシュー1,1のうちの、余剰代3がわの最端に位置する衛生薄葉紙製品1eの非隣接長側縁L2の両端位置から短側縁S,Sに沿って所定距離離間した位置を起点Kとして、ここから短側縁S,S、隣接長手縁L1の順に連続的に沿って配された、略コ字状をなしている。
【0028】
前記非隣接長側縁L2から起点までの所定距離は、ポケットティシュー1の短側縁Sの長さの6〜25%とするのが望ましい。6%未満又は25%を超えると後述する再封止がし難くなる。ポケットティシュー1の場合、実測では短側縁Sの長さが8cm、前記所定距離は0.5〜2cmとするのが望ましい。
また、裂開を確実かつ容易にすべく、裂開用ミシン目線のカット/タイ比は、1〜7、カット部分の長さは1〜7mmとするのが望ましい。
【0029】
次いで、第1の参考形態の作用及び効果を使用方法とともに説明すると、まず、図2に示すように、上記略コ字状の裂開用ミシン目線10を裂開して開封口20を形成するとともに、開封口20の形成によって露出される余剰代3側のポケットティシューを取り出す。この取出し作業は、ミシン目線を裂開させるのみでよいことから瞬時に行うことができる。なお、ミシン目線の裂開は、手でミシン目線を境にした両部分を反対方向に引張るという簡易な操作で行うことができる、
【0030】
ポケットティシュー1は、使用の際には、開封口20に面するポケットティシューから使用していく。すなわち、裂開用ミシン目線の起点K側に位置するポケットティシューを開封口に面するものから使用していく。開封口に面するポケットティシュー1が無くなった後には、開封口20の形成後もなお袋状部分となっている部分30に位置しているポケットティシューを使用していく。
【0031】
ここで、上下面が開封口に面するすべてのポケットティシューを取り出すと、すなわち図示例であれば裂開用ミシン目線の起点K側に位置する二コのポケットティシューを取り出すと、図2に示すが如く、取出口形成に伴って自由な開封片21が形成される。
【0032】
第1の参考形態X1においては、この状態とした後に、図2中において矢印Yにて示すように、未だ開封口20から取り出されず袋部分30に残る二個のポケットティシュー1,1を、前記袋部分30とともに折り返して前記開封片21とこれに面するフィルムとの間に位置せしめる。このときポケットティシュー1の内包物であるティシュペーパー束は弾性収縮性を有することから、当該部位に押し込むことができる。
【0033】
図3のように、このとき裂開用ミシン目線10の起点K,Kを、最端に位置していたポケットティシュー1の非隣接長側縁L2の両端位置から短側縁Sに沿って所定距離離間した位置としたことから、当該起点Kから余剰代3に向かって、すなわち開封片21の基端側にポケット状の係止袋部Fが形成されるので、当該部位Fにポケットティシューが内包された状態の袋部分30の端が押し込まれるとその弾性機能及び当該袋部Fを構成するフィルムの伸縮力によって係止機能が発揮され、折り返し状態が維持される。この折り返しによって、前記開封口20は、再度封止された状態となる。
以上のとおり第1の参考形態の衛生薄葉紙製品包装体X1では、この再封止状態とするに接着剤等の粘着剤は必要なく、衛生薄葉紙を束とすることによって生ずる弾性と、外装フィルム2による伸縮性との関係によって、効果的に封止状態が維持される。
【0034】
〔本発明の実施形態の特徴部分〕
本発明の実施形態X2,X2’は、本発明の請求項1及び2に対応する形態である。なお、図5〜7に示される形態例X2は、長側縁方向が付き合わさるように配置された例で請求項1に対応する例であり、図8に示される形態例X2’は、短側縁方向が付き合わさるように配置された例で請求項2に対応する例である。
この本発明の実施形態X2,X2’における特徴的部分は、外装フィルム2に形成された、内包されたポケットティシュー1を取り出すための開封口を形成するための裂開用ミシン目線10にある。
【0035】
図5〜7に示す形態例X2と図8に示す形態例X2’とは、内包されるポケットティシューの配置形態が相違するのみであり、ポケットティシューの配置形態以外については、両例に相違するところはない。課題及び作用効果も同様である。
従って、以下、本発明の実施形態については、主に長側方向に隣接する例X2に基づき詳述し、短側縁方向に隣接する配置形態を採る例X2’については、説明は省略する。短側縁方向に隣接する配置形態を採る例X2’については、以下の説明における「長側縁」と「短側縁」との語句の置換によって容易に理解できよう。
【0036】
図5〜7に本発明の実施形態X2の特徴的なミシン目線10は、隣接長側縁L1の両端K,Kから長側縁の中央部へ向かい、その位置から余剰代3とは反対位置の非隣接長側縁L2に向かって延在して、先端矢印状又は錨状のアンカー部11を描くように配された帯状部形成部10Aと、前記両端位置K,Kから短側縁S及び非隣接長手縁L2に沿って配された略コ字状部10Bとで形成され、裂開によって前記帯状部分を残して、他の部分が分離されるように構成されている。
ミシン目線のカット/タイ比、カット部分長は上記第1の参考形態と同様である。
【0037】
他方、本発明の実施形態における帯状部形成部10Aは、その先端が常に非隣接長側縁L2に位置されるようにし、また、帯状部形成部10Aの長さが、少なくとも前記起点Kから余剰代4までの直線長さ以上となるように構成するのが望ましい。また、帯状部の幅は1.5〜5cmとするのが望ましい。なお、帯状部の長さは短側縁Sに平行な方向の長さ、幅は長側縁Lに平行な方向の長さである。
【0038】
他方、本発明の実施形態X2においては、上述のとおり必須の構成として余剰代3及びそこに形成された貫通孔4を有する。換言すれば本発明の実施形態の包装体X2においては、前記帯状部形成部10Aの先端が位置する側と反対位置の他方の非隣接長側縁がわに連続して余剰代3が形成されており、この余剰代3のほぼ中央部分に貫通孔4が形成されている。
【0039】
次いで、この本発明の実施形態の包装体X2の作用及び効果を使用方法とともに説明すると、まず、図5から図6に示すように、裂開用ミシン目線10を裂開させて帯状部形成部10Aにより形成される帯状部11を残しつつ開封口を形成する。この開封口20形成は、第1の実施の形態と同様に、ミシン目線の裂開によって瞬時に形成される。
【0040】
そして、ポケットティシュー1は、使用の際には、上記第1の参考形態と同様に、開封口20に面するポケットティシューから使用していく。開封口に面するポケットティシューが無くなった後には、開封口20の形成後もなお袋状部分となっている余剰代に近い部分30に位置しているポケットティシューを使用していく。
【0041】
ここで、図6に示すように、余剰代3側に形成される袋状部分30にのみポケットティシューが残った状態では、本発明の実施形態の包装体X2では、帯状部分11とこれに対面する自由片21とが形成された状態となる。
【0042】
本発明の実施形態X2においては、この状態とした後に、図7に示すように、前記自由片21を袋部分に残るポケットティシュー1との外装フィルムとの間、若しくは上下面で接するポケットテュシュー間の隙間に押し込み、さらに帯状部分11を当該残ったポケットテュイシューが残る袋部分30に巻き付けつけて、先端のアンカー部11Uを余剰代3に形成された貫通孔4に通して係止する。この作業によって開封口20が封止された状態となる。なお、自由片21を押し込み位置は必ずしも限定されない。また押し込まずに筒状に丸める等適宜の措置をとることができる。
【0043】
本発明の実施形態では前記帯状部分11の先端にアンカー部11Uが形成されるため余剰代3に形成された貫通孔4に通した場合に容易に外れることがなく封止状態が維持される。
ここで、上記係止状態を適当に維持するために、前記貫通孔4の大きさは少なくともアンカー部11の幅よりも小さくするのが望ましい。なお帯状部分11はフィルムで構成されているため貫通孔に通すときはその収縮性を利用する。
かくして、本発明の実施形態の衛生薄葉紙製品包装体X2においては、再封止状態とするに接着剤等の粘着剤は必要なく、衛生薄葉紙を束とすることによって生ずる弾性と、フィルムによる伸縮性との関係によって、効果的に封止状態が維持される。
【0044】
〔第2の参考形態の詳細〕
第2の参考形態X3,X3’は、上記参考発明2−1、参考発明2−2に対応する形態である。なお、図9〜12に示される形態例X3は、長側縁方向が付き合わさるように配置された例で参考発明2−1に対応する例であり、図13に示される形態例X3’は、短側縁方向が付き合わさるように配置された例で参考発明2−2に対応する例である。
この第2の参考形態X3,X3’は、外装フィルム2に形成された、内包されたポケットティシュー1を取り出すための開封口を形成するための裂開用ミシン目線10が実施形態とは異なる。
【0045】
図9〜12に示す形態例X3と図13に示す形態例X3’とは、内包されるポケットティシューの配置形態が相違するのみであり、ポケットティシューの配置形態以外については、両例に相違するところはない。作用効果も同様である。
従って、以下、第2の参考形態については、主に長側方向に隣接する例X3に基づき詳述し、短側縁方向に隣接する配置形態を採る例X3’については、説明は省略する。短側縁方向に隣接する配置形態を採る例X3’については、以下の説明における「長側縁」と「短側縁」との語句の置換によって容易に理解できよう。
【0046】
第2の参考形態における裂開用ミシン目線10は、図9に示されるように、特徴的に、余剰代3に最も近くに位置するポケットティシュー1の非隣接長手縁L2、すなわち余剰代3側の非隣接長側縁L2から、そのポケットティシューの他方側の隣接長手縁L1までの範囲の位置において、前記長手縁Lに平行をなして周回するようにして配されている。
ミシン目線のカット/タイ比、カット部分長は上記第1の参考形態と同様である。
【0047】
この第2の参考形態の包装体X3の作用及び効果を使用方法とともに説明すると、まず、図9及び10に示す裂開用ミシン目線10を裂開させて余剰代側部分Aと他の部分Bとに分離して開封口20を形成する。この開封口20の形成は、本発明の実施形態や第1の参考形態と同様に、ミシン目線の裂開によって瞬時に形成される。
【0048】
かかる開封口20が形成された状態においては、裂開用ミシン目線10と重なって位置されていた余剰代3がわのポケットテュシュー1が露出される。図示の配置形態においては二個のポケットティシューが露出される(露出された状態は図示していない)。
この二個のポケットテュシューを使用のために包装から取り除くと、図10に示されるように、残りポケットティシューの長手縁側から延出して外装フィルムの余剰部分23が形成される。
【0049】
そして、この余剰部分23をミシン目線の裂開によって形成された開封口20を塞ぐように折り返し、その裂開縁23eを例えば、例えば図11に示すが如く、残るポケットティシュー間に押し込むようにして挿入する。ポケットティシューは、第2の実施の形態においても説明したように、内包される衛生薄葉紙束に起因する弾力性及び弾性伸縮性を有しているから、当該部位に押し込まれ挿入された裂開縁23e及びその近傍の余剰部分23は、その挿入状態が維持される。
余剰部分23が押し込まれると、図12に示されるように、使用されなかった残りのポケットティシュー1が被覆された状態に開封口20が再封止される。
かくして、第2の参考形態の衛生薄葉紙製品包装体X3においても、再封止状態とするに接着剤等の粘着剤は必要なく、衛生薄葉紙を束とすることによって生ずる弾性と、フィルムによる伸縮性との関係によって、効果的に封止状態が維持される。
【0050】
なお、図示例においては、上下面で重なり合うポケットティシュー間に余剰部分23を押し込むこととしたが、余剰部分23を押し込む位置は必ずしも当該部位に限らず、外装フィルム2とポケットティシュー1との間であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、ポケットティシューや携帯用ウェットティシュー等など弾性伸縮性を有する製品をまとめてフィルム包装した包装体に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の参考形態にかかる包装体X1の使用前の斜視図である。
【図2】本発明の第1の参考形態にかかる包装体X1の取出口を説明するための斜視図である。
【図3】本発明の第1の参考形態にかかる包装体X1の取出口再封止状態の斜視図である。
【図4】本発明の第1の参考形態にかかる包装体の他の例X1’の使用前の斜視図である。
【図5】本発明の実施形態にかかる包装体X2の使用前の斜視図である。
【図6】本発明の実施形態にかかる包装体X2の取出口を説明するための斜視図である。
【図7】本発明の実施形態にかかる包装体X2の取出口再封止状態の斜視図である。
【図8】本発明の実施形態にかかる包装体の他の例X2’使用前の斜視図である。
【図9】本発明の第2の参考形態にかかる包装体X3の使用前の斜視図である。
【図10】本発明の第2の参考形態にかかる包装体X3の取出口を説明するための斜視図である。
【図11】本発明の第2の参考形態にかかる包装体X3の取出口再封止の説明のための斜視図である。
【図12】本発明の第2の参考形態にかかる包装体X3の取出口再封止状態の斜視図である。
【図13】本発明の第2の参考形態にかかる包装体の他の例X3’使用前の斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
1(1e)…ポケットティシュー(衛生薄葉紙製品)、2…外装フィルム、10…裂開用ミシン目線、10A…帯状部形成部、11…帯状部、11U…アンカー部、20…開封口、21…自由片、23…余剰部分。23e…裂開縁(余剰部分の縁)、11…帯状部分、L…長側縁、L1…隣接長側縁、L2…非隣接長側縁、30…ミシン目線裂開後も袋形状が維持される部分、F…ミシン目線の裂開によって袋状になる部分、S…短側縁、A…衛生薄葉紙製品包装体の一部、B…外装フィルムの一部、Y…折り返し方向、K…起点、X1〜X3…衛生薄葉紙製品包装体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略長方形状の上下面及びこれら繋ぐ長側縁及び短側縁とからなる立体形状をなす衛生薄葉紙製品の複数個が、前記長側縁を付き合わせて並列された配置形態を有し、その配置形態の製品束形状とほぼ同様の内包形状を有する外装フィルムによって包装されている薄葉紙製品包装体であって、
前記外装フィルムは;
隣接長側縁の両端位置からその長側縁中央部に向かい、その位置から非隣接長側縁に向かって延在して、先端矢印状又は錨状のアンカー部を描くように配された帯状部形成部と、
前記両端位置から短側縁及び非隣接長手縁に沿って配された略コ字状部と、
で形成される裂開によって前記帯状部を残して、他の部分が分離される開封口形成用の裂開用ミシン目線を有し、
かつ、前記帯状部の先端が位置する側と反対位置にある他方の非隣接長側縁がわに連続して余剰代を有し、この余剰代に前記アンカー部を挿入して係止するための貫通孔が形成されている、ことを特徴とを衛生薄葉紙製品包装体。
【請求項2】
略長方形状の上下面及びこれら繋ぐ長側縁及び短側縁とからなる立体形状をなす衛生薄葉紙製品の複数個が、前記短側縁を付き合わせて並列された配置形態を有し、その配置形態の製品束形状とほぼ同様の内包形状を有する外装フィルムによって包装されている薄葉紙製品包装体であって、
前記外装フィルムは;
隣接短側縁の両端位置からその短側縁中央部に向かい、その位置から非隣接短側縁に向かって延在して、先端矢印状又は錨状のアンカー部を描くように配された帯状部形成部と、
前記両端位置から長側縁及び非隣接短手縁に沿って配された略コ字状部と、
で形成される裂開によって前記帯状部を残して、他の部分が分離される開封口形成用の裂開用ミシン目線を有し、
かつ、前記帯状部の先端が位置する側と反対位置にある他方の非隣接短側縁がわに連続して余剰代を有し、この余剰代に前記アンカー部を挿入して係止するための貫通孔が形成されている、ことを特徴とを衛生薄葉紙製品包装体。
【請求項3】
外装フィルムによる包装は、四方シール包装、三方シール包装、二方シール包装、ガゼット包装の群から選択されるものである請求項1又は2に記載の衛生薄葉紙製品包装体。
【請求項4】
薄葉紙製品は、長側縁方向又は短側縁方向に隣接して複数個配置されているとともに、上下面方向にも複数個積層して配置されている、請求項1〜3の何れか1項に記載の衛生薄葉紙製品包装体。
【請求項1】
略長方形状の上下面及びこれら繋ぐ長側縁及び短側縁とからなる立体形状をなす衛生薄葉紙製品の複数個が、前記長側縁を付き合わせて並列された配置形態を有し、その配置形態の製品束形状とほぼ同様の内包形状を有する外装フィルムによって包装されている薄葉紙製品包装体であって、
前記外装フィルムは;
隣接長側縁の両端位置からその長側縁中央部に向かい、その位置から非隣接長側縁に向かって延在して、先端矢印状又は錨状のアンカー部を描くように配された帯状部形成部と、
前記両端位置から短側縁及び非隣接長手縁に沿って配された略コ字状部と、
で形成される裂開によって前記帯状部を残して、他の部分が分離される開封口形成用の裂開用ミシン目線を有し、
かつ、前記帯状部の先端が位置する側と反対位置にある他方の非隣接長側縁がわに連続して余剰代を有し、この余剰代に前記アンカー部を挿入して係止するための貫通孔が形成されている、ことを特徴とを衛生薄葉紙製品包装体。
【請求項2】
略長方形状の上下面及びこれら繋ぐ長側縁及び短側縁とからなる立体形状をなす衛生薄葉紙製品の複数個が、前記短側縁を付き合わせて並列された配置形態を有し、その配置形態の製品束形状とほぼ同様の内包形状を有する外装フィルムによって包装されている薄葉紙製品包装体であって、
前記外装フィルムは;
隣接短側縁の両端位置からその短側縁中央部に向かい、その位置から非隣接短側縁に向かって延在して、先端矢印状又は錨状のアンカー部を描くように配された帯状部形成部と、
前記両端位置から長側縁及び非隣接短手縁に沿って配された略コ字状部と、
で形成される裂開によって前記帯状部を残して、他の部分が分離される開封口形成用の裂開用ミシン目線を有し、
かつ、前記帯状部の先端が位置する側と反対位置にある他方の非隣接短側縁がわに連続して余剰代を有し、この余剰代に前記アンカー部を挿入して係止するための貫通孔が形成されている、ことを特徴とを衛生薄葉紙製品包装体。
【請求項3】
外装フィルムによる包装は、四方シール包装、三方シール包装、二方シール包装、ガゼット包装の群から選択されるものである請求項1又は2に記載の衛生薄葉紙製品包装体。
【請求項4】
薄葉紙製品は、長側縁方向又は短側縁方向に隣接して複数個配置されているとともに、上下面方向にも複数個積層して配置されている、請求項1〜3の何れか1項に記載の衛生薄葉紙製品包装体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−140186(P2012−140186A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−53708(P2012−53708)
【出願日】平成24年3月9日(2012.3.9)
【分割の表示】特願2008−143579(P2008−143579)の分割
【原出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月9日(2012.3.9)
【分割の表示】特願2008−143579(P2008−143579)の分割
【原出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】
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