説明

衝撃吸収アセンブリを有する可搬型撮像装置

【課題】可搬型撮像装置のX線検出器を軽量でありながら機械的に剛性で頑丈であり、改善されたエネルギ吸収能力を有するものとする。
【解決手段】一実施形態では、可搬型撮像装置60に、筐体62と、筐体62に配設されている撮像パネル72と、撮像パネル72と筐体62との間に剛体接続を設けずに筐体62の内部に撮像パネル72を保持する衝撃吸収材料78とが設けられている。もう一つの実施形態では、X線検出器パネル72は、衝撃吸収材料78を介して筐体62の内部で全体的に自由に浮動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には、可搬型撮像装置に関し、さらに具体的には、可搬型ディジタルX線検出器の材料及び構築に関する。
【背景技術】
【0002】
可搬型X線検出器のような可搬型撮像装置はしばしば、物理的な衝突又は衝撃による損傷を極めて受け易い壊れ易い構成要素を含んでいる。例えば、撮像装置は、ガラス基材の上に設けられたシリコン光検出器のようなシリコン製又はガラス製の構成要素(例えば撮像パネル)を含み得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
典型的には、可搬型撮像装置は、相対的に堅固な筐体(エンクロージャ)を含んでおり、この筐体が内部構成要素に堅固に取り付けられている。例えば、筐体は多数個のマグネシウムのような金属で構築され得る。金属筐体は内部構成要素に対しある程度の保護を提供するが、筐体は一般的には、極めて重く、設計における様々な継ぎ目及び機械的な接合部のため破壊し易い。さらに、内部構成要素を筐体に堅固に取り付けると、外部の機械的な衝突からの衝撃が壊れ易い内部構成要素に伝達されてしまう。結果として、内部構成要素は依然として損傷を受け易い。
【課題を解決するための手段】
【0004】
独自に請求される発明と同範囲の幾つかの実施形態について以下で説明する。これらの実施形態は、本発明が取り得る幾つかの形態の簡単な概要を読者に提供するためのみに提示されており、これらの実施形態は本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。実際に、本発明は、以下では触れない多様な特徴を包含し得る。
【0005】
第一の実施形態によれば、可搬型撮像装置に、筐体と、筐体に配設されている撮像パネルと、撮像パネルと筐体との間に剛体接続を設けずに筐体の内部に撮像パネルを保持する衝撃吸収材料とが設けられている。
【0006】
第二の実施形態によれば、可搬型撮像装置に、ハウジングと、ハウジングに配設されているX線検出器パネルと、ハウジングとX線検出器パネルとの間にこれらハウジング及びX線検出器パネルの両方に接触して配設されている衝撃吸収材料とが設けられており、X線検出器パネルは、衝撃吸収材料を介してハウジングの内部で全体的に自由に浮動する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明のこれらの特徴、観点及び利点、並びに他の特徴、観点及び利点は、添付図面を参照して以下の詳細な説明を読解するとさらに十分に理解されよう。図面全体を通して、類似の参照符号は類似の部材を表わす。
【0008】
以下、本発明の1又は複数の特定の実施形態について説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を掲げる試みにおいて、実際の具現化形態の全ての特徴を明細書に記載する訳ではない。任意のかかる実際の具現化形態の開発では、あらゆる工学的プロジェクト又は設計プロジェクトの場合と同様に、具現化形態毎に異なり得るシステム関連の制約及び実務関連の制約の遵守等の開発者の特定の目標を達成するために、具現化形態特有の多くの判断を下さなければならないことが認められよう。さらに、かかる開発の試みは複雑で時間が掛かる場合があるが、それでも、本開示の利益を享受する当業者にとっては、かかる開発は設計、製造及び大量生産の常套業務であることが認められよう。
【0009】
幾つかの実施形態では、後に議論するように、撮像装置(例えばディジタルX線装置)の内部構成要素が外部筐体の内部に自由に浮動しており、衝撃吸収材料が外部筐体と内部構成要素(例えばX線検出器)との間に配設されている。換言すると、内部構成要素は周囲の外部筐体に堅固に固定されているのではなく、衝撃吸収材料が内部構成要素を外部筐体の内部に確実に固定している。明確に述べると、衝撃吸収材料は、内部構成要素及び外部筐体の両方に直に接触して内部構成要素の全ての側面に配設され得る。内部構成要素の上面には、内部構成要素と外部筐体との間に衝撃吸収材料の単一の連続シートを配設することができる。後に議論するように、単一の連続シートは、検出された画像(例えばX線画像)でのアーティファクトの可能性を実質的に低減し又は解消することができる。加えて、単一の連続シートは、遥かに広い面積にわたって外部筐体のあらゆる負荷点を実質的に分散させて、これにより内部構成要素に対する損傷の可能性を低減することができる。内部構成要素の他の側面では、衝撃吸収材料の不連続なブロックを外部筐体と内部構成要素との間に直に配置することができ、これにより対流熱伝達によって内部構成要素を冷却することを可能にしながら、衝撃保護を提供することができる。加えて、外部筐体は、単一パネル形状のスリーブのような単一の軽量筐体として少なくとも殆どの部分を構築することができる。例えば、外部筐体は、黒鉛繊維−エポキシ複合材から構築され得る。
【0010】
この可搬型撮像装置は、医用イメージング・システム及び医用以外のイメージング・システムのような多様なイメージング・システムに用いることができる。例えば、医用イメージング・システムとしては、放射線システム(例えばディジタルX線システム)、マンモグラフィ・システム、トモシンセシス・システム、及び計算機式断層写真法(CT)イメージング・システム等が挙げられる。これらの様々なイメージング・システム及びそれぞれの異なるトポロジー的形態を用いて、患者の画像又はビューを作成し、患者を透過した放射線(例えばX線)の減弱に基づく臨床的診断に供する。代替的には、イメージング・システムを、産業用品質管理、又は旅客の手荷物、小荷物及び/若しくは大貨物の保安スクリーニングのような医用以外の応用に用いることもできる。かかる応用では、取得されたデータ及び/又は形成された画像は、容積又は容積の部分(例えばスライス)を表わし、かかるデータ及び/又は画像を用いて、目視検査であれば隠されていたであろうようなスクリーニング実行者にとって関心のある物体、形状又は不規則性を検出することができる。これらのイメージング・システムの各々において、可搬型撮像装置は自由に浮動する態様で内部構成要素を保護する衝撃吸収材料を含んでおり、これにより物理的な衝突又は衝撃の事象時(例えば可搬型撮像装置を落下させた場合)の損傷の可能性を低減することができる。
【0011】
撮像装置の形式に依存して、内部構成要素は多様な回路、パネル、検出器、センサ、及び他の相対的に壊れ易い構成要素を含み得る。X線イメージング・システムは、医用でも医用以外でも、X線管を用いて、撮像工程に用いられるX線を発生する。発生されたX線は撮像対象を透過し、ここで対象の内部の構造及び組成に基づいて吸収され又は減弱されて、異なる強度のX線ビームのマトリクス又はプロファイルを生成する。減弱したX線は、入射したX線エネルギを、画像再構成に用いることのできる形態へ変換するように設計されているX線検出器に入射する。このように、減弱したX線のX線プロファイルは、X線検出器によって感知されて記録される。X線検出器はフィルム・スクリーン技術、計算機式ラジオグラフィ(CR)技術又はディジタル・ラジオグラフィ(DR)技術に基づくものであってよい。フィルム・スクリーン方式の検出器では、X線画像は、X線曝射の後に感光性フィルムを化学的に現像することにより形成される。CR検出器では、蓄光性蛍光体イメージング・プレートがラジオグラフィ画像を捉える。次いで、プレートをレーザ画像読み取り器へ移し、蛍光体から潜像を「解放」して、ディジタル化画像を作成する。DR検出器では、シンチレート性層がX線を吸収し、続いて発光した後に、シリコン光検出器の二次元フラット・パネル・アレイによって検出される。シリコン光検出器での光吸収によって電荷が発生する。制御システムが、X線検出器に蓄積された電荷を電子的に読み出し、読み出した電荷を用いてディジタル化X線可視画像を形成する。
【0012】
様々な形式のイメージング・システム及び潜在的な応用に鑑みて、以下の議論は、可動式X線イメージング・システムと共に用いられるディジタル・フラット・パネル型固体間接検出式可搬型X線検出器の実施形態に焦点を当てる。しかしながら、他の実施形態は、直接検出式ディジタル検出器のような他の形式の医用撮像装置及び医用以外の撮像装置でも適用可能である。加えて、他の実施形態を静止型又は固定型の室内用X線イメージング・システムと共に用いてもよい。さらに、本出願は、「被検体」、「被撮像体」及び「撮像対象」等を参照している。これらの用語は互いに排他的である訳ではなく、このようなものとして、これらの用語の使用は互換的であり、特許請求の範囲を限定しないものとする。
【0013】
ここで図1には、可搬型X線検出器を用いた例示的な可動式X線イメージング・システム10が図示されている。図示の実施形態では、可動式X線イメージング・システム10は、X線源12のような放射線源12を含んでおり、X線源12は、水平アーム14の一端に装着され又は他の場合には固定されている。アーム14は、X線源12が、特定の関心領域の照射を最適化するような態様で、患者テーブル又は寝台17に横臥している被検体16の上方で可変的に配置されることを可能にしている。X線源12は、支柱18に遊動環(ジンバル)形式の構成を介して装着され得る。この観点では、X線源12は、被検体16のX線曝射を行なうために、可動式X線ユニット台20での休止位置又は停止位置から被検体16の上方の適当な位置まで垂直に回転することができる。支柱18の回転運動は、X線源12に電力を供給するのに用いられる高電圧ケーブルの絡まりを防ぐために360°以下の値に制限され得る。ケーブルは、台20の商用電源又はバッテリに接続されて、X線源12、及びシステム10のその他電子回路に給電することができる。
【0014】
X線源12は、コリメートされた放射線のコーン・ビーム22を撮像したい被検体16に向かって投射する。従って、例示的なX線イメージング・システム10を用いて、患者、並びに手荷物及び小荷物等を非侵襲的に検査することができる。被検体16の下方に載置されている可搬型X線検出器24が、減弱した放射線を取得して、検出器出力信号を発生する。次いで、検出器出力信号を有線又は無線リンク26を介して可動式イメージング・システム10に伝達することができる。システム10は、被撮像体16から撮影される画像の表示を行なう表示ユニットを装備し得るか又はかかる表示ユニットに接続可能であり得る。
【0015】
図1のX線イメージング・システム10の模式図を図2に示す。上述のように、システム10は、焦点スポット28から軸30に沿って撮像したい被検体16に向かって放射線のコーン・ビーム22を投射するように設計されているX線源12を含んでいる。放射線22は被検体16を透過し、被検体16が減弱を与えて、結果として得られる放射線の減弱した部分が検出器アレイ24に入射する。尚、X線ビーム22の部分は、患者16の境界を越えて延在することができ、患者16によって減弱されずに検出器アレイ24に入射し得ることを特記しておく。本書で議論する実施形態では、フラット・パネル型ディジタル検出器を用いて、被検体16を透過した又は被検体16の周りを通過した放射線22の強度を検出して、検出された放射線に応答して検出器出力信号を発生することができる。コリメータ32が、X線源12に隣接して配置され得る。コリメータは典型的には、患者のような被検体16が配置されている領域を通過するX線コーン・ビーム22の寸法及び形状を画定し、従って照射範囲を制御することができる。
【0016】
ディジタル検出器24は一般的には、複数の検出器素子によって形成されており、これらの検出器素子が、被検体16を透過した又は被検体16の周りを通過したX線22を検出する。例えば、検出器24は、二次元アレイとして配列された検出器素子の多数の横列及び/又は縦列を含み得る。各々の検出器素子は、X線束によって衝突されると、検出器24の個々の検出器素子の位置において吸収されたX線束に比例した電気信号を発生する。これらの信号を取得して処理して、被検体の内部の特徴の画像を再構成する。このことについては後に改めて説明する。
【0017】
放射線源12はシステム制御器34によって制御され、システム制御器34は撮像系列についての電力、焦点スポット位置及び制御信号等を供給する。さらに、検出器24もシステム制御器34に結合されており、システム制御器34は検出器24において発生される信号の取得を制御する。システム制御器34はまた、ダイナミック・レンジの初期調節及びディジタル画像データのインタリーブ処理等のためのもののような様々な信号処理作用及びフィルタ処理作用を実行することができる。一般的には、システム制御器34は、イメージング・システム10の動作を指令して、検査プロトコルを実行させると共に、取得されたデータを処理させる。ここでの環境では、システム制御器34はまた、典型的には汎用型又は特定応用向けのディジタル・コンピュータを基本要素とする信号処理サーキットリ、及び付設のメモリ・サーキットリを含んでいてもよい。付設のメモリ・サーキットリは、コンピュータによって実行されるプログラム及びルーチン、構成パラメータ、並びに画像データ等を記憶することができる。例えば、付設のメモリ・サーキットリは、検出器出力信号から画像を再構成するためのプログラム又はルーチンを記憶することができる。
【0018】
図2に示す実施形態では、システム制御器34は、モータ制御器38を介して運動サブシステム36の運動を制御することができる。図示のイメージング・システム10では、運動サブシステム36はX線源12、コリメータ32及び/又は検出器24を患者16に関して1又は複数の空間内方向に移動させることができる。尚、運動サブシステム36は、Cアーム又は他の可動式アームのように、線源12及び/又は検出器24を配設することのできる支持構造を含んでいてもよいことを特記しておく。運動サブシステム36はさらに、患者16の特定の区域の画像を形成するために、患者16、又はさらに明確に述べると患者テーブル17が線源12及び検出器24に関して変位することを可能にすることができる。
【0019】
放射線の線源12は、システム制御器34の内部に配設されている放射線制御器40によって制御され得る。放射線制御器40は、放射線源12に電力信号及びタイミング信号を供給するように構成され得る。加えて、放射線制御器40は、線源12が個別の電子放出子を有する分散型線源である場合に、焦点スポット位置を与える、例えば放出点作動を可能にするように構成されていてもよい。
【0020】
さらに、システム制御器34は、データ取得サーキットリ42を含み得る。この実施形態の例では、検出器24はシステム制御器34に結合されており、さらに具体的にはデータ取得サーキットリ42に結合されている。データ取得サーキットリ42は、検出器24の読み出し電子回路によって収集されたデータを受け取る。アナログからディジタルへの変換は、後述する検出器読み出し電子回路76において実行されることができる。
【0021】
コンピュータ又はプロセッサ46は典型的には、システム制御器34に結合されており、マイクロプロセッサ、ディジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、並びに論理演算及び処理演算を実行するように設計された他の装置を含み得る。データ取得サーキットリ42によって収集されたデータは、画像再構成器44及び/又はコンピュータ46に伝送されて、後に行なわれる処理及び再構成に供することができる。例えば、検出器24から収集されたデータにデータ取得サーキットリ42、画像再構成器44、及び/又はコンピュータ46において前処理及び較正を施して、走査対象の減弱係数の線積分を表わすようにデータを調整することができる。次いで、処理済みのデータを並べ替え、フィルタ補正して、逆投影し、被走査域の画像を形成することができる。ここでの観点では典型的なフィルタ補正逆投影再構成アルゴリズムについて説明しているが、統計学的な再構成アプローチを含め任意の適当な再構成アルゴリズムを用いてよいことを特記しておく。一旦、再構成されたら、イメージング・システム10によって形成された画像は、患者16の体内の関心領域を明らかにするものとなり、かかる画像を用いて診断及び評価等を行なうことができる。
【0022】
コンピュータ46は、コンピュータ46によって処理されたデータ又はコンピュータ46によって処理されるべきデータを記憶することのできるメモリ48を含むことができ、又はかかるメモリ48と交信することができる。かかる例示的なシステム10によって、所望の量のデータ及び/又はコードを記憶することが可能な任意の形式のコンピュータ・アクセス可能なメモリ装置を用いてよいことを理解されたい。さらに、メモリ48は、磁気的装置又は光学的装置のような類似の形式又は異なる形式の1又は複数のメモリ装置を含んでいてよく、かかるメモリ装置はシステム10に対してローカル及び/又はリモートに位置していてよい。メモリ48は、データ、処理パラメータ、及び/又は再構成工程を実行する1若しくは複数のルーチンを含むコンピュータ・プログラムを記憶することができる。さらに、メモリ48は、取得されたデータの記憶を容易にするようにシステム制御器34に直接結合されていてもよい。
【0023】
コンピュータ46はまた、システム制御器24によって可能にされる各特徴例えば走査動作及びデータ取得を制御するように構成されることができる。さらに、コンピュータ46は、キーボード及び/又は他の入力装置を装備し得る操作者ワークステーション50を介して操作者から指令及び走査用パラメータを受け取るように構成され得る。これにより、操作者は、操作者ワークステーション50を介してシステム10を制御することができる。このようにして、操作者は、再構成画像、及び操作者ワークステーション50からのシステムに関連するその他データを観察したり、撮像を開始したりすることができる。
【0024】
操作者ワークステーション50に結合されている表示器52を利用して、再構成画像を観察することができる。加えて、走査画像は、操作者ワークステーション50に結合されたプリンタ54によって印刷されてもよい。表示器52及びプリンタ54はまた、コンピュータ46に直接接続されてもよいし、又は操作者ワークステーション50を介して接続されてもよい。さらに、操作者ワークステーション50は、画像保管通信システム(PACS)56に結合されていてもよい。尚、PACS56は、放射線科情報システム(RIS)、病院情報システム(HIS)のようなリモート・システム58、又は内部網若しくは外部網に結合されていてもよく、異なる位置にいる第三者が画像データへのアクセスを得ることができるようにしていることを特記しておく。
【0025】
1又は複数の操作者ワークステーション50をシステムにリンクして、システム・パラメータを出力する、検査を依頼する、及び画像を観察する等を行なってもよい。一般的には、システム内に供給されている表示器、プリンタ、ワークステーション及び同様の装置は、データ取得構成要素に対してローカルに位置していてもよいし、或いはインターネット及び仮想私設網等のような1又は複数の構成可変型網を介して画像取得システムにリンクされて、同じ施設内若しくは病院内の他の場所又は全く異なる場所等のようにこれらの構成要素に対してリモートに位置していてもよい。
【0026】
例示的なイメージング・システム10、及び放射線検出に基づく他のイメージング・システムは、フラット・パネル型ディジタルX線検出器のような検出器24を用いている。かかる例示的なフラット・パネル型ディジタルX線検出器60の遠近図を図3に掲げる。但し、上述のように、検出器60の他の実施形態が医用及び医用以外の両応用において他の撮像モダリティを含んでいてよい。この例示的なフラット・パネル型ディジタルX線検出器60は、入射したX線の受光に応答して電気信号を発生する検出器サブシステムを含んでいる。幾つかの実施形態によれば、単一個構成の保護ハウジング62が、検出器サブシステムに対する外部筐体を提供しており、壊れ易い検出器構成要素を外部負荷又は衝撃に晒されたときの損傷から保護するようにしている。加えて、後に改めて詳述するように、検出器60は、単一個構成の保護ハウジング62の内部で自由に浮動する態様で内部構成要素を保護する衝撃吸収材料を含んでいる。一般的には、単一個構成の保護筐体62は連続的な構造であってよく、実質的に如何なる断続性も存在しないものとすることができる。一実施形態では、この単一個構成の保護筐体は、4面〜5面の構造を、検出器サブシステムの挿入を可能にする少なくとも一つの開口を有するスリーブ状構成としたものであってよい。尚、単一個構成のスリーブの個々の側面又は端辺は、検出器の頑丈さ及び使い易さを高めるように、平坦である、丸みを帯びている、彎曲している、カーブが付いている、又は整形されているのいずれであってもよいことを特記しておく。単一個構成の保護筐体62は、金属、合金、プラスチック、複合材料、又はこれらの組み合わせのような材料で形成され得る。幾つかの実施形態では、材料は、低いX線減弱特性を有する。一実施形態では、保護筐体62は、炭素繊維強化プラスチック材料又は黒鉛繊維−エポキシ複合材のような軽量で耐久性の高い複合材料で形成され得る。加えて、単一個構成の保護筐体62は、外部負荷に晒されたときの撓みを最小限にするように実質的に剛性となるように設計されてもよい。
【0027】
単一個構成の保護筐体62のそれぞれの隅角(コーナー)、端辺(エッジ)、又はそれぞれの端辺の部分に、1又は複数の隅角キャップ又は端辺キャップ64を設けてもよい。尚、1又は複数の隅角キャップ又は端辺キャップ64は、ナイロン、ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン(UHMW−PE)、デルリン、又はポリカーボネートのような耐衝撃性エネルギ吸収材料で形成され得ることを特記しておく。UHMWポリエチレンは、分子量が3,100,000〜6,000,000にわたる線状ポリマーである。さらに、把手66が単一個構成の保護筐体62に機械的に結合されて、検出器60の可搬性を促していてもよい。この把手は、単一個構成の保護筐体62に取り付けられた別個の構成要素であってもよい。この場合にも、把手66は高分子量ポリエチレンのような耐衝撃性エネルギ吸収材料で形成され得ることを特記しておく。代替的には、幾つかの実施形態では、把手66は単一個構成の保護筐体62の連続的な延長を成していてもよい。換言すると、把手66を単一個構成の保護筐体と一体形成して、これにより把手66と保護筐体62との間の機械的な取り付け点をなくす又は最小限にすることができる。かかる実施形態において、着脱自在の端辺キャップを設けて、検出器サブシステムの単一個構成の保護筐体62への挿入を可能にしてもよい。
【0028】
図示のように、検出器24は、固定されたコード(tether)を用いずに構築されてよい。代替的には、検出器を、利用時に検出器読み出し電子回路をスキャナのデータ取得システムに接続するのに用いられるコードに接続してもよい。利用時以外には、検出器を容易にコードから取り外してイメージング・システムから離隔した所に保管することができる。このようなものとして、検出器を互いから離隔した多数の走査ステーションへ及び走査ステーションから輸送することができる。このことは、救急室及び他の傷病者優先処置施設で特に有利である。検出器の可搬性及び取り外し易さは、図1に示すもののような可動式X線イメージング・システムの可動性をさらに高める。
【0029】
図4は、開口70を介して単一個構成の保護筐体62の内部に配設される可搬型フラット・パネル型ディジタルX線検出器60の検出器サブシステム68を示す。この場合にも、前述と同様に、内部構成要素(例えばサブシステム68)は、放射線撮影(例えばディジタルX線)、計算機式断層写真法及びマンモグラフィ等のような多様な撮像構成要素を含み得る。図示の検出器サブシステム68は、撮像パネル72、パネル支持体74、及び付設の読み出し電子回路76を含んでいる。撮像パネル72は、入射したX線を可視光へ変換するシンチレータ層を含んでいる。シンチレータ層は、ヨウ化セシウム(CsI)又は他のシンチレート性材料から作製されることができ、吸収されたX線のエネルギ及び量に比例した光を放出するように設計されている。このようなものとして、光放出は、相対的に多くのX線が受光されたか又は受光されたX線のエネルギ・レベルが相対的に高かったかのいずれかのシンチレータ層の領域では大きくなる。被検体の組成によって、X線源によって投射されたX線が様々な程度まで減弱するので、シンチレータ層に入射するX線のエネルギ・レベル及び量はシンチレータ層にわたって一様とはならない。この光放出の変動を用いて、再構成画像にコントラストを生成する。
【0030】
シンチレータ層によって放出された光は、2Dフラット・パネル基材の上の感光性層によって検出される。感光性層は、感光素子又は検出器素子のアレイを含んでおり、各々の検出器素子によって吸収された入射光の量に比例した電荷を蓄積する。一般的には、各々の検出器素子が、感光性領域と、当該検出器素子からの電荷の蓄積及び出力を制御する電子回路を含む領域とを有する。感光性領域は、フォトダイオードで構成されることができ、フォトダイオードは光を吸収し、続いて電荷を発生して蓄積する。曝射の後に、各々の検出器素子の電荷を論理制御型電子回路76を用いて読み出す。
【0031】
各々の検出器素子は、トランジスタ方式のスイッチを用いて制御され得る。この観点では、トランジスタのソースがフォトダイオードに接続され、トランジスタのドレインが読み出し線に接続され、トランジスタのゲートが検出器60の電子回路76に配設されている走査制御インタフェイスに接続される。負電圧がゲートに印加されると、スイッチがオフ状態に駆動され、これによりソースとドレインとの間の導通を妨げる。反対に、正電圧がゲートに印加されると、スイッチがオンになり、これによりフォトダイオードに蓄積されている電荷がソースからドレインへ、また読み出し線へ通される。検出器アレイの各々の検出器素子は、それぞれのトランジスタによって構築されて、後述と整合する態様で制御される。
【0032】
明確に述べると、X線の曝射時には、負電圧が全てのゲート線に印加されて、全てのトランジスタ・スイッチがオフ状態に駆動され又はオフ状態になる。結果として、曝射時に蓄積される全ての電荷は各々の検出器素子のフォトダイオードに蓄積される。読み出し時には、正電圧が各々のゲート線に、一度に1本ずつのゲート線で相次いで印加される。すなわち、検出器は検出器素子のXYマトリクスであり、1本のゲート線をオンにすることによりこの線の全ての検出器素子を同時に読み出すように、1本の線のトランジスタのゲートの全てが共に接続される。この観点では、一度に1本のみの検出器線が読み出される。マルチプレクサを用いて、ラスタ方式での検出器素子の読み出しを支援してもよい。個々に各々の検出器素子を相次いで読み出すことの利点は、1個の検出器素子からの電荷が他の如何なる検出器素子も通過しないことである。次いで、各々の検出器素子の出力は出力回路(例えばデジタイザ)に入力され、この出力回路が、取得された信号を後に行なわれる画像再構成のためにピクセル毎にディジタル化する。再構成画像の各々のピクセルは、検出器アレイの単一の検出器素子に対応している。
【0033】
撮像パネル72は薄い軽量パネル支持体74によって支持されている。読み出し電子回路及び他の電子回路76は、撮像パネル72とは反対の側でパネル支持体74に配設されている。すなわち、パネル支持体74は、撮像パネル72の撮像用構成要素を読み出し電子回路76から機械的に隔離している。
【0034】
一般的には、パネル支持体74は、金属、合金、プラスチック、複合材料、又はこれらの材料の組み合わせで形成され得る。一実施形態では、パネル支持体74は、炭素繊維強化プラスチック材料又は黒鉛繊維−エポキシ複合材で実質的に形成され得る。もう一つの実施形態では、パネル支持体74は、複合材料をフォーム・コアと組み合わせて、パネル支持体として役立つ軽量でありながら剛性のアセンブリを提供するように、積層したサンドイッチ構成として実質的に形成され得る。複合材料単独又は複合材料をフォーム・コアと組み合わせたものからのパネル支持体74の構築は、より大きい機械的剛性及び改善されたエネルギ吸収能力を提供しつつ、重量を軽量化する。例えば、パネル支持体74の一実施形態は、黒鉛繊維−エポキシ複合材をフォーム・コアと共に含んでいる。
【0035】
複合材料は典型的には、強化材と母材との組み合わせである。樹脂又はエポキシのような母材の材料は、強化材料を包囲して支持する。有機又は無機の繊維又は粒子のような強化材の材料は、複合材母材によって共に結着する。繊維強化材については、個々の繊維の方向は、複合材の剛性及び強度を制御するように配向され得る。さらに、複合材は、強化材の層の配向又は整列性が複合材の厚みを通して変化するような何層かの個々の層で形成されてもよい。構成は、積層型構成(強化材の層のみを含む)であってもよいし、サンドイッチ型構成(二組の強化材の層の間に軟質コアが挿入されている)であってもよい。用いられる樹脂は熱硬化性であっても熱可塑性であってもよい。サンドイッチ型構成では、軟質コアによって付加的な軽量化を得ることができ、またこの軟質コアが、エネルギ吸収能力を強化する金属製又は非金属製のピンを有していてもよい。また、複合材の層に、異なる形態(粒子、繊維、織布、薄い箔等)にある多数の材料(カーボン、ケブラー(Kevlar)、アルミニウム箔等)を用いてもよい。一実施形態では、可搬型X線検出器60用の複合材料は、フォーム・コアを備えた成層構成の炭素繊維又はエポキシ樹脂から構成され得る。
【0036】
ここで内部に移り、図5は、可搬型フラット・パネル型ディジタルX線検出器60の一実施形態の断面図であり、外部保護筐体62の内部で内部構成要素(例えば検出器サブシステム68)の全ての側面の周囲に配設されている耐衝撃性材料又は衝撃吸収材料78をさらに詳細に示している。この態様で、検出器サブシステム68を、衝撃吸収材料78を介して外部保護筐体62の内部に自由に浮動していると記述することができる。換言すると、検出器サブシステム68は、外部保護筐体62に堅固に固定されているのではなく、衝撃吸収材料78を介して筐体62の内部で全ての方向に移動する少なくともの幾分かの自由性を有している。この自由性は、衝撃吸収材料78の圧縮の程度に依存して様々にすることができる。幾つかの実施形態では、衝撃吸収材料78は、ゴム、フォーム、エラストマー、フォーム・ラバー、他の弾性材料、又はこれらの組み合わせを含み得る。例えば、衝撃吸収材料78は、多孔質低圧縮硬化高密度ポリウレタン・フォーム及び/又は高密度可撓性微孔質ウレタン・フォーム材料を含み得る。これらのフォームを高密度と記述したが、衝撃吸収材料78は他の材料と比べると全体的に低密度である。幾つかの実施形態では、衝撃吸収材料78は、米国インディアナ州インディアナポリスのAearo Technologiesの一業務部門であるE-A-R Specialty Composites製造のCONFORフォーム及び/又はISOLOSSフォームを含み得る。他の実施形態では、衝撃吸収材料78は、米国コネチカット州ロジャーズのRogers Corporation製造のPORONフォームを含み得る。衝撃吸収材料78は一般的には、衝撃の50%、60%、70%、80%又は90%を吸収するといった高い耐衝撃性又はエネルギ吸収性を有する。幾つかの実施形態では、衝撃吸収材料78のエネルギ吸収は、衝撃の約95%、96%、97%、98%又は99%であり得る。これらのフォームはまた、全体的に軽量であり、片面又は両面の接着表面を含んで外部保護筐体62及び/又は検出器サブシステム68に対する取り付けを容易にすることができる。
【0037】
幾つかの実施形態では、1個又は複数個の衝撃吸収材料78を検出器サブシステム68と単一個構成の保護筐体62の内面との間に配設して、検出器サブシステム68を保持することができる。例えば、衝撃吸収材料78の1又は複数の層、短冊、ブロック、シート又はパネルを保護筐体62の内部で検出器サブシステム68の全6面の側面(例えば上面、底面、左面、右面、前面及び背面)に配設することができる。幾つかの実施形態では、衝撃吸収材料78は、異なる材料、異なる幾何学的構成(例えば矩形、円形、三角形等)、異なる寸法(例えば長さ、幅、厚み等)、又はこれらの組み合わせを有する多数の層を含んでいてよい。これらの衝撃吸収材料片は、検出器サブシステム68及び保護筐体62の両方に対し空隙を一切設けずに全体的に接触している。この態様で、衝撃吸収材料78片は、検出器サブシステム68の位置支持体及び衝撃吸収体の両方として作用する。この場合にも、検出器サブシステム68は外部保護筐体62に堅固に取り付けられているのではなく、衝撃吸収材料を介して単一個構成の保護筐体62の内部で遊動し又は自由に浮動していると記述することができる。
【0038】
加えて、単一個構成の保護筐体62は、落とされたとき又は負荷に晒されたときの検出器構成要素の破断を阻止するように、バンパー、フォーム・インサート、及び衝撃吸収材料の層等と共に構築されてもよい。前述のように、X線検出器60は、検出器60が落とされたとき又は外部負荷に晒されたときに撮像パネル及び付設の電子回路のような相対的に敏感な構成要素68が損傷しないように、相対的に高エネルギの衝撃、応力及び歪みに耐えるように設計されている。一実施形態では、X線検出器60は、単一個構成の保護筐体62の上面及び下面に密接し又は他の場合にはこれらの面の下方に配置された衝撃吸収材料78の2枚の層を含んでいる。さらに、検出器60は、検出器構成要素68同士の間に介設された衝撃吸収材料78の多数の層を含んでいてもよい。
【0039】
尚、衝撃吸収材料78は、データ取得に干渉しないように、放射線を減弱させないものとして設計されることを特記しておく。衝撃吸収材料78は、検出器60が落とされたときに検出器60に加わる衝撃及び振動を吸収し、また検出器60が踏まれたり又は他の場合には負荷例えば患者の体重を掛けられたりしたときに検出器60に加わる力を撓みにより逸らすように構成されている弾性材料である。弾性材料は、ゴム、フォーム、フォーム・ラバー、又は他のプラスチックであってよく、検出器60に加わる応力及び歪みを撓みにより逸らして吸収するように設計される。このようなものとして、検出器60が踏まれたり又は落とされたりしたときにも、検出器60の内部の構成要素(例えばサブシステム68)が破断したり損傷したりすることがなくなる。衝撃吸収材料78の厚み、密度及び組成が、検出器60が負荷に晒される又は落とされたときにも検出器構成要素68に損傷を与えないような限度を画定するように可変的に選択され得る。
【0040】
さらに、2層の衝撃吸収層は、類似の厚みを有していても異なる厚みを有していてもよく、また類似の衝撃吸収材料78で構成されていても異なる衝撃吸収材料78で構成されていてもよい。例えば、上層を下層よりも吸収性で撓み易くなるように設計してよく、従って下層よりも厚く設計してもよいし、改善された吸収性及び撓み性を備えた材料で形成してもよい。一実施形態では、上層を、顕著な弾性を有するフォームで形成し、下層を、弾性が相対的に顕著でないポリウレタン、PVC又は他の材料で形成することができる。
【0041】
上で議論した様々な実施形態において説明した可搬型X線検出器60は、軽量でありながら機械的に剛性で頑丈であり、改善されたエネルギ吸収能力を有する。可搬型X線検出器60の構造的負荷の加わる構成要素(保護筐体62及びパネル支持体74)は複合材料で作製される。複合材料は、高い機械的剛性及び強度を提供しつつ、同時に構成を軽量化する。用いられる複合材料の低密度は軽量化を助け、炭素繊維複合材の高い弾性率及び強度は構成を剛性化して強化することを助ける。
【0042】
保護筐体62のスリーブ設計(検出器サブシステム68の挿入のために少なくとも一方の端部が開放されている)は、機械的頑丈さを提供する。というのは、外部筐体の両表面及び側面を共に固定するための締結具が最早必要とされないからである。加えて、この設計は、複合材又はプラスチックのいずれかでの製造を可能にし、従って、重量を軽量化して、機械的靭性を高める。多数個構成のアセンブリは機械的な衝撃時に故障し得るため、この外部筐体62の単一個構成の設計は、より頑丈である。さらに、複合材構築時に熱可塑性材料を基本要素としたエポキシ、又はゴムで強靭化したエポキシを利用することにより、エネルギ吸収が高まる。
【0043】
さらに、上で議論した様々な実施形態において説明した可搬型X線検出器60用の新たなパッケージ化設計は、全ての側面に衝撃吸収材料78(例えばフォーム片)を用いることにより、壊れ易い検出器サブシステム68(撮像パネル及び読み出し電子回路)を外部保護筐体62から隔離する。検出器サブシステム68を外部保護筐体62から隔離すると、はずみで落としたり硬質の物体にぶつけたりすることの結果として生ずる外部衝撃及び応力から検出器サブシステム68が保護される。
【0044】
本発明の幾つかの特徴のみを本書で図示して説明したが、当業者には多くの改変及び変更が想到されよう。従って、特許請求の範囲は、本発明の真意に含まれるような全ての改変及び変更を網羅するものと理解されたい。また、図面の符号に対応する特許請求の範囲中の符号は、単に本願発明の理解をより容易にするために用いられているものであり、本願発明の範囲を狭める意図で用いられたものではない。そして、本願の特許請求の範囲に記載した事項は、明細書に組み込まれ、明細書の記載事項の一部となる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】可搬型ディジタルX線検出器を用いた可動式X線イメージング・システムの一実施形態の遠近図である。
【図2】図1に示すようなX線イメージング・システムの一実施形態のブロック模式図である。
【図3】可搬型フラット・パネル型ディジタルX線検出器の一実施形態の遠近図である。
【図4】図3に示すような可搬型フラット・パネル型ディジタルX線検出器の一実施形態の展開遠近図であって、単一個構成の保護筐体の開口から部分的に展開してディジタル検出器サブシステムをさらに詳細に示す図である。
【図5】図3及び図4に示すような可搬型フラット・パネル型ディジタルX線検出器の一実施形態の断面図である。
【符号の説明】
【0046】
10 可動式X線イメージング・システム
12 放射線源
14 水平アーム
16 被検体
17 患者テーブル又は寝台
18 支柱
20 可動式X線ユニット台
22 放射線
24 検出器
26 無線リンク
28 焦点スポット
30 軸
32 コリメータ
34 システム制御器
36 運動サブシステム
38 モータ制御器
40 放射線制御器
42 データ取得サーキットリ
44 画像再構成器
46 コンピュータ
48 メモリ
50 操作者ワークステーション
52 表示器
54 プリンタ
56 通信システム
58 遠隔システム
60 ディジタルX線検出器
62 単一個構成の保護ハウジング
64 端辺/隅角キャップ
66 把手
68 検出器サブシステム
70 開口
72 撮像パネル
74 パネル支持体
76 読み出し電子回路
78 耐衝撃性又は衝撃吸収材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体(62)と、
該筐体(62)に配設されている撮像パネル(72)と、
該撮像パネル(72)と前記筐体(62)との間に剛体接続を設けずに前記筐体(62)の内部に前記撮像パネル(72)を保持する衝撃吸収材料(78)と
を備えた可搬型撮像装置(60)。
【請求項2】
前記筐体(62)は黒鉛繊維エポキシ複合材を含んでいる、請求項1に記載の可搬型撮像装置(60)。
【請求項3】
前記筐体(62)は、内壁、外壁、及び前記内壁と外壁との間に配設されたフォーム・コアを含んでいる、請求項1に記載の可搬型撮像装置(60)。
【請求項4】
前記衝撃吸収材料(78)は、前記撮像パネル(72)の多数の側面において前記撮像パネル(72)及び前記筐体(62)の両方に接触して配設されている、請求項1に記載の可搬型撮像装置(60)。
【請求項5】
前記撮像パネル(72)は、前記衝撃吸収材料(78)を介して前記筐体(62)の内部で全体的に自由に浮動する、請求項1に記載の可搬型撮像装置(60)。
【請求項6】
前記衝撃吸収材料(78)は、異なる衝撃吸収材料の多数の層を含んでいる、請求項1に記載の可搬型撮像装置(60)。
【請求項7】
可搬型ハウジング(62)の内部に配設された撮像パネル(72)の全ての側面において衝撃を吸収するステップを備えた方法。
【請求項8】
前記衝撃を吸収するステップは、前記可搬型ハウジング(62)の内部で自由に浮動する態様で前記撮像パネル(72)を保持する衝撃吸収材料(78)に衝撃のエネルギを吸収するステップを含んでいる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
衝撃吸収材料(78)を介して自由に浮動する態様で可搬型ハウジング(62)の内部に撮像パネル(72)を装着するステップを備えた方法。
【請求項10】
前記装着するステップは、前記衝撃吸収材料(78)を前記撮像パネル(72)の少なくとも上面、底面及び2以上の側面において前記可搬型ハウジング(62)と前記撮像パネル(72)との間に嵌め込むステップを含んでいる、請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−96998(P2008−96998A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−253096(P2007−253096)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】