表示システムおよび表示プログラム
【課題】表示装置14で表示している画像を拡大し、その表示領域を48移動すると、視聴者は表示領域48の表示物の動きに目が付いていかず、ちらつきなどが生じる。
【解決手段】操作および表示状態を監視し、移動操作および拡大状態が検出されると、画像情報を加工し、画像に表示される表示物の動きをわかりにくくする。
【解決手段】操作および表示状態を監視し、移動操作および拡大状態が検出されると、画像情報を加工し、画像に表示される表示物の動きをわかりにくくする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示システムおよび表示プログラムに関し、特に、表示装置を用いて表示領域の画像を表示させる指示端末を有する表示システムおよび表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
端末の操作画面に表示されている画像をプロジェクタなどでスクリーンに表示した場合に、端末の操作者が表示領域を移動させたり、カーソルを移動させたりすると、画像が瞬間的に変化する。このため、スクリーンを見ている人は、その動きに目が付いていけず、目がちらつき眩んでしまう。特に、画像を拡大して表示し、その表示領域を移動させると、この現象はさらにひどくなり、表示画像を見づらく、視覚の不調が生じ易くなる。
【0003】
このような問題に対して、特許文献1では、画像を拡大して表示した際に、拡大倍率に応じて、カーソルの移動量を調整している。たとえば、カーソル移動量を拡大表示倍率の逆数値に設定することにより、画像を拡大するほどカーソル移動量を減らしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−34254
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、拡大画像におけるカーソルの移動量が少なくなると、カーソルを移動させるのに、マウスの操作量を増やさなければならず、操作しにくくなってしまう。
【0006】
それゆえに、この発明の目的は、操作性に優れ、視覚不調を防止可能な表示システムおよび表示プロジェクトを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、操作画面を有し、かつ操作画面における表示領域の画像を表示装置により表示させる指示端末を有する表示システムにおいて、操作画面の画像情報を取得する、画像取得部、指示端末における操作情報を取得する、操作取得部、操作情報により表示領域の移動操作および表示領域における表示物の移動操作のいずれかを監視する、操作監視部、操作監視結果に応じて、画像情報を加工する、加工部、および画像情報を表示装置に表示させる、表示指示部、を備える表示システムである。
【0008】
請求項1の発明では、画像情報を加工すると、表示領域や表示物の移動操作による動きが不鮮明になり、表示領域内の文字などや、カーソルなどの表示物の変化を判別しにくくなる。
【0009】
また、画像を拡大してもカーソルの移動量が少なくならないことにより、カーソルの移動にマウスの操作量を増やす必要がなく、カーソルを操作しやすい。
【0010】
請求項2の発明は、表示領域の画像における表示状態の情報を取得する、表示状態取得部、および表示状態情報により画像の拡大状態を監視する、拡大監視部、をさらに備え、加工部は、操作監視結果に加え、拡大監視結果に応じて、画像情報を加工する、請求項1記載の表示システムである。
【0011】
請求項2の発明によれば、画像が拡大されていると、表示領域における表示領域や表示物の移動量は標準サイズの画像に比べて大きくなるが、画像が加工されることにより、表示領域や表示物の動きが明確でなくなる。
【0012】
請求項3の発明は、画像情報の加工は、表示領域における明度の差の縮小、減色、解像度の低下、輝度の低下、モザイク加工およびコマ送りの少なくともいずれか1つを含む、請求項1または2記載の表示システムである。
【0013】
請求項3の発明では、明度の差の縮小などにより、文字や絵などの表示物とそれ以外の背景とを区別する視覚的な特徴の差がなくなり、移動する表示物などを識別しにくくなり、表示領域や表示物の動きがわかりにくくなる。
【0014】
請求項4の発明は、操作画面を有し、かつ操作画面における表示領域の画像を表示装置により表示させる指示端末を有するシステムにおいて、操作画面の画像情報を取得する、画像取得機能、指示端末における操作情報を取得する、操作取得機能、操作情報により表示領域の移動操作および表示領域における表示物の移動操作のいずれかを監視する、操作監視機能、操作監視結果に応じて、画像情報を加工する、加工機能、および画像情報を表示装置に表示させる、表示指示機能、を実現させるための表示プログラムである。
【0015】
請求項4でも、請求項1と同様に、指示端末の操作性に優れ、視覚不調の防止が図れる。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、表示物の移動操作に対してマウスの操作量が増えず、操作性に優れ、また、画像加工により表示領域や表示物を識別しにくくなることでその動きによる視覚不調を防げる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明のシステム構成の一例を示す機能ブロック図。
【図2】端末のハードウェア構成の一例を示す概念図。
【図3】操作画面に表示される画像を示す図。
【図4】指示端末を示す図
【図5】(a)および(b)は、拡大した画像を示す図。
【図6】図5(a)の画像情報を加工した画像を示す図。
【図7】図5(a)の画像情報を加工した画像を示す図。
【図8】処理プロセスの一例を示すフローチャート。
【図9】第2実施例のシステム構成の一例を示す機能ブロック図。
【図10】位置記憶部に記録されている位置情報を示す図。
【図11】画像情報を加工した場合の時間とそれに対応する情報の生成プロセスとを簡単に示す図。
【図12】表示領域の画像を表示ウインドウに表示した操作画面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0018】
図1に示す本発明の表示システム10は、指示端末12および表示装置14を備え、指示端末12は表示装置14を用いて表示領域の画像を表示させる。指示端末12と表示装置14とは、有線または無線で情報送受信可能に接続される。
【0019】
指示端末12は、図2のハードウェア構成の一例に示すように、プログラムの演算処理を実行し、各装置へ適切な指示を与えて制御するCPU等の演算制御装置16と、情報を記憶するRAMやハードディスクなどの記憶装置18と、演算制御装置16の処理結果や記憶装置18に記憶する情報などを送受信する通信装置20と、画像を拡大する指示や表示物などを移動する指示などを入力するマウスなどのポインティングデバイスやキーボードなどの入力装置22と、ディスプレイや操作画面などを含む出力表示装置24とを備える。
【0020】
指示端末12は、図1の機能ブロック図に示す構成部を有する。各構成部は、その機能により論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上同一または別の領域を為していてもよい。各機能は、これらに対応するプログラムやモジュール等が演算制御装置16に読み込まれてその処理が実行されることによって実現される。また、本発明において必要となる最小限度の装置および構成部を記載しており、その他の装置などについてはその記載を省略する。
【0021】
指示端末12は、操作画面の画像情報などを生成する制御部26、操作画面の画像情報を取得する、画像取得部28、指示端末12における操作情報を取得する、操作取得部30、操作情報により表示領域の移動操作および表示領域における表示物の移動操作のいずれかを監視する、操作監視部32、画像の表示状態の情報を取得する、表示状態取得部34、表示状態情報により画像の拡大状態を監視する、拡大監視部36、拡大監視結果および操作監視結果に応じて、画像情報を加工する、加工部38、および画像情報を表示装置14に表示させる、表示指示部40、を備える。
【0022】
制御部26は、プログラムやデータなどの情報を記憶装置18などから読み出し、また、入力装置22の操作による操作内容や位置などの情報を得て、これらの情報により操作画面46の画像情報を生成し、RAMなどの記憶装置18に記憶する。そして、画像情報に基づいて、図3に示すように、アイコン41やカーソル42、ウインドウ44などの表示物の画像を標準サイズとして出力表示装置24の操作画面46(図4)に表示する。ここでは、表示領域48は表示装置14を用いて表示させる画像の範囲である。この場合、表示装置14で表示する画像と操作画面46で表示する画像が同じであるため、表示領域48は操作画面46に表示される範囲と同じとなる。また、表示領域48のサイズを標準サイズの表示領域より小さく設定すると、表示領域48以外の部分は操作画面46に表示されずに、表示領域48内の画像は大きく拡大されてその拡大画像が操作画面46に表示される。
【0023】
制御部26は、操作画面46に表示されている画像を拡大する指示を入力装置22などから受けると、この指示による表示倍率および位置を取得し、これに基づき拡大画像の表示領域48を設定する。画像の表示倍率は、予め決められた所定値に設定することもできるし、また指示端末12のユーザが入力装置22などを使用し任意に設定することもできる。たとえば、カーソル42の位置を中心に拡大し、その表示倍率がマウスホイールの回転量により決まる場合、マウスホイールの回転量を取得し、回転量から表示倍率を求める。また、カーソル42の位置座標および操作画面サイズを取得し、これらの情報から拡大画像の表示領域48の位置座標を算出する。そして、記憶装置18から標準サイズの画像情報から抽出し、拡大画像の表示領域48の位置座標を基に、標準サイズの画像情報から拡大画像の表示領域48の画像情報を得て、図5(a)に示すように、この画像情報により操作画面46に拡大した画像を表示する。
【0024】
画像取得部28は、出力表示装置14の操作画面46に表示される画像の情報を、制御部26から取得し、画像情報を加工部38に送る。なお、この画像情報は、表示装置14を用いてスクリーンなどに表示領域の画像を表示するための情報である。また、画像情報が制御部26で生成され、RAMなどの記憶装置18などに記憶されている場合、記憶装置18から取得することもできる。
【0025】
操作取得部30は、入力装置22で操作された情報を制御部26から取得し、操作監視部32に送る。操作情報は、操作内容、操作対象および時刻などを含む。操作内容は、たとえば、ポインティングデバイスによる位置指示操作、クリック、ドロップ、プレス、ドラックなどポインティングデバイスのボタン操作、マウスホイールの回転、キーボードの入力操作、スクロールバー54に対するドラッグ操作、移動操作、スクロール操作、起動操作、コピー操作などがある。操作対象は、表示物やアプリケーションなどである。表示物は、カーソル42、アイコン41、ウインドウ44、ボタン、ウインドウ44内に表示される文字52や絵など、操作画面46に表示されるものである。
【0026】
操作監視部32は、操作取得部30から操作情報を受信し、操作情報から表示領域48の移動操作や表示領域48における表示物の移動操作を監視し、監視結果を加工部38に送る。たとえば、操作情報からポインティングデバイスの位置指示、ドラック、クリックなどポインティングデバイスのボタンの押下などの操作を監視し、表示物を移動させる操作を検出する。また、マウスホイールの回転、スクロールバー54に対するドラッグ操作など画像のスクロール操作を監視し、図5(a)から図5(b)に示すように表示領域48の移動によるウインドウ44に表示されている画像を移動させる操作を検出する。さらに、表示領域48の画像を拡大した場合、ポインティングデバイスの位置指示やドラッグなどの操作内容を監視し、表示領域48の移動による操作画面46に表示されている拡大画像を移動させる操作を検出する。他に、ショートカットキーなどの押下や
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上の特定位置の
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などの操作を監視し、UNDOやREDOなどによる表示領域48や表示物の移動操作を検出する。
【0027】
また、操作監視部32は、さらに、操作情報に基づき表示領域48や表示物の移動の停止を監視する。たとえば、ポインティングデバイスによる指示位置の変化を監視し、変化していると表示物などの位置情報を判定し、位置情報が変化していないと表示物などの停止と判定する。この停止時や一定時間停止が続けば、操作監視部32は表示物が停止しているとして、移動操作なしとの監視結果を加工部38に送付する。
【0028】
表示状態取得部34は、制御部26から表示領域48の画像が表示されている状態の情報を取得し、この表示状態情報を拡大監視部36に送る。表示状態情報は、表示領域48の画像が拡大されているか否かを判断できる情報を含み、たとえば表示倍率や表示領域48の位置情報などの画像サイズ、標準や拡大などの画像サイズの状態情報などである。
【0029】
拡大監視部36は、表示状態取得部34から表示状態情報を取得し、表示領域48の画像の拡大状態を監視し、監視結果を加工部38に送る。たとえば、表示状態情報が表示倍率の場合、これを監視し、表示倍率が1倍より大きいと表示領域48の画像は拡大状態であると判断する。また、表示状態情報が表示領域48の位置情報の場合、これから表示領域48の大きさを求め、標準サイズの表示領域48の大きさと比較し、標準サイズの大きさより小さければ、表示領域48の画像は拡大状態であると判断する。さらに、表示状態情報が画像サイズの状態の場合、これを監視し、状態が拡大であれば、表示領域48の画像は拡大状態であると判断する。
【0030】
加工部38は、画像情報を画像取得部28から得る。また、拡大監視部36から拡大監視結果を受けるとともに、操作監視部32から操作監視結果を受け、これらの結果に応じて画像情報を加工し、加工された画像情報を表示指示部40に送る。つまり、拡大監視結果により表示領域48の画像が拡大状態である場合に、操作監視結果で表示領域48や表示物の移動操作を検出すると、画像情報を加工し、加工した画像情報を表示指示部40に送信する。また、拡大監視結果により表示領域48の画像が拡大状態でない場合や、操作監視結果で表示領域48などの移動操作がない場合、画像情報を加工せずに表示指示部40に送信する。ここで、移動操作なしには、移動操作の停止を含む。
【0031】
画像情報の加工は、表示領域48に表示されている文字52や絵など、および表示領域48の表示物などの特徴的な部分を識別しにくくする。たとえば、表示領域48における明度の差の縮小、減色、解像度の低下、輝度の低下、およびモザイク加工などである。この明度の差の縮小では、表示領域48の白色部分の明度を下げ、灰色などにする。これにより、図5(a)のように背景が白色で、文字52などが黒色の場合、図6に示すように、背景が灰色になり、文字52と背景との明度の差が小さくなるため、文字52を識別しにくくなる。また、減色では、赤や青などの有彩色の数を減らし、モノトーン化することにより、色が付いた特徴的な部分がわかりにくくなる。
【0032】
この加工を施す部分は、表示領域48の全体とすることもできるし、表示領域48の一部とすることもできる。表示領域48の一部とする場合、指示端末のユーザが表示位置を把握できる大きさであればよい。たとえば、図5(a)の拡大画像のカーソル部分を加工せず、それ以外の部分を加工すると、図7に示すように、カーソル部分は識別可能であり、所望の位置に表示領域などを移動させることができる。しかも、その周囲は識別しにくくなるため、表示領域48などの移動によるちらつきが防止できる。
【0033】
表示指示部40は、加工部38から加工されていない画像情報または加工された画像情報を得ると、表示装置14に送り、表示を指示する。
【0034】
表示装置14は、表示指示部40から画像情報を得て、画像情報を基に画像を表示する。表示装置14は、たとえば、プロジェクタなどの投影装置、コンピュータやテレビなどのディスプレイである。
【0035】
第1実施例の外部接続機器制御システム10における処理プロセスの一例を、図3〜図8を用いて説明する。
【0036】
図4の指示端末12の操作画面46に表示している図3に示す画像を、表示装置14により表示する場合、ステップS100で、この操作画面の画像情報が制御部26から画像取得部28により取得される。そこから、加工部38に送られる。また、操作画面46において表示領域48aに設定され、図5(a)に示すように画像が拡大されると、表示領域48aの画像情報が制御部26から画像取得部28に送られる。
【0037】
指示端末12のユーザが入力装置22を用いて指示端末12に対して操作すると、ステップS102で、この操作内容などを示す操作情報が制御部26から操作取得部30により取得され、操作監視部32へ送られる。操作監視部32では、操作情報から表示領域48の移動操作や表示領域48における表示物の移動操作がなされたか否かが監視される。たとえば、図3に示す表示領域48aから表示領域48bに表示領域が移動されると、この移動操作が検出されて、ステップS104でYESと判定され、ステップS106に進む。
【0038】
一方、たとえば、操作情報が文字52などのキー入力操作やアプリケーションの起動などであって、表示領域48や表示物の移動操作でなければ、操作監視部32により、ステップS104でNOと判定され、ステップS108に進む。ここで、画像情報は加工部38で加工されずに、加工部38から表示指示部40に送られ、表示指示部40から表示装置14へ渡される。そして、ステップS110で、表示装置14により、画像情報を基に図5(b)に示す表示領域の画像がスクリーンなどに表示される。
【0039】
ステップS106において、表示状態情報が表示状態取得部34により制御部26から取得され、次いで、拡大監視部36に送られる。拡大監視部36では、表示状態情報を受け、これを基に表示領域48の画像の拡大状態が監視される。たとえば、表示状態情報により表示倍率が1より大きかったり、表示領域48のサイズが標準より小さかったりすると、拡大状態であると判定される。そして、拡大状態が検出されると、ステップS112でYESと判定され、次にステップS114に進む。
【0040】
一方、表示領域48の画像が拡大状態でなければ、ステップS104でNOと判定され、画像情報は加工部38で加工されずに、加工部38から表示指示部40に送られ、ステップS108で、表示指示部40から表示装置14へ表示指示されて、ステップS110で、画像情報を基に表示領域の画像が表示装置14により表示される。
【0041】
ステップS114において、画像情報が加工部38で加工される。画像情報の加工では、減色などにより、表示物やその動きを判別しにくくする。そして加工された画像情報が、ステップ108で加工部38から表示指示部40を介して表示装置14に送信される。表示装置14では、加工された画像情報に基づいて、モノトーン化された画像などがスクリーンに表示される(ステップS110)。
【0042】
このように、指示端末12の出力表示装置14の操作画面46に表示するための画像情報は加工せず、表示装置14で表示するための画像情報を加工する。これにより、スクリーンなどに表示された画像は加工されているため、スクリーンを見ている者は表示物やその移動が見えにくいため、移動によるちらつきなどの視覚不調が生じにくく、表示画像の見づらさを軽減できる。これに対して、操作画面46の画像は変化せず、指示端末12のユーザは表示物などを識別できるので、表示物や表示領域48を適切な位置に移動させることができる。
【0043】
なお、上記実施例では、画像情報の加工に、減色など、表示物やその移動を判別しにくい処理方法を用いたが、画像情報の削除することもできる。画像情報の削除は、移動中の全ての画像情報であってもよいし、所定時間間隔の画像情報であってもよい。全画像情報を削除すると、表示物などの移動中は削除前の画像を表示したままとすることもできるし、また、移動中は画像を表示しないようにすることもできる。また、所定時間間隔で画像情報を削除すると、表示物は不連続に移動するコマ送りのように表示される。このように加工することで、ちらつきを軽減することができ、上述と同様の効果が得られる。
【0044】
この画像情報の加工について、表示物の移動速度、移動操作の継続時間、表示倍率などに応じて画像情報の加工を変化させることもできる。たとえば、移動速度や表示倍率が大きいほど、加工の程度を大きくしたり、加工方法を組み合わせたりする。たとえば、表示領域などの移動速度が大きくなるほど、白い背景の色に対して黒色の割合を増やし、明度の差を減少させる。この他に、たとえば、図7に示すように、表示領域48の一部の画像情報を加工する場合、表示物の移動速度、移動操作の継続時間、表示倍率などに応じて加工する範囲をユーザが表示位置を把握できる大きさなどに変更することもできる。
【0045】
なお、上記実施例では、表示装置14に投影装置やテレビのディスプレイなどを用いたが、この代わりに指示端末12の出力表示装置14を用いることもできる。この場合、表示指示部40からの画像情報に基づき画像を操作画面46に表示する。
【0046】
また、制御部24からの画像情報により出力表示装置14の操作画面46に画像を表示し、表示指示部40からの画像情報により表示装置14でスクリーンなどに画像を表示したが、表示指示部40からの画像情報により操作画面46に画像を表示することもできる。この場合、表示装置14と操作画面46に同じ画像が表示される。ただし、操作画面46に加工された画像が表示されても、表示物は判別できるので、表示領域や表示物を移動させることはできる。
【0047】
さらに、上記実施例では、出力表示装置14の操作画面46の全範囲を表示領域とし、この表示領域の画像を表示装置14でスクリーンなどに表示した。つまり、画像加工されていない場合、操作画面46に表示される画像とスクリーンなどに表示される画像とは同じである。しかし、これに限らず、出力表示装置14の操作画面46の一部範囲を表示領域とし、スクリーンなどに表示される画像を操作画面46に表示される画像の一部分とすることもできる。たとえば、特定のウインドウを操作画面に設け、ウインドウに表示される範囲を表示領域として、この範囲に表示される画像を表示装置14でスクリーンなどに表示する。
【実施例2】
【0048】
この発明の第2実施例である表示システム10は、第1実施例とほぼ同じであるが、この実施例では、カーソルなど表示領域の設定基準の位置情報または表示領域の位置情報を図9に示す位置記憶部に記憶し、この記憶した位置情報を基に表示領域を設定することで、画像のコマ送り表示のように画像情報を加工する点が異なる。これ以外の部分に関しては第1実施例と同様であるため、共通する部分については同じ番号を付して、その番号の説明は省略している。
【0049】
制御部26は、プログラムやデータなどの情報および入力装置22などの操作情報を得て、操作画面46の画像情報を生成し、この画像情報により画像を操作画面46に表示する。また、操作画面に表示された拡大ボタンをクリックするなど、表示装置で表示する画像を拡大する指示を入力装置22などの操作から受けると、この指示または表示倍率などを取得し、この拡大画像の表示状態を示す情報を表示状態取得部34に送る。これと共に、カーソルなどの位置を中心に表示領域を設定する場合には、カーソルなど表示領域の設定基準の位置情報を取得する。この他に、表示領域の枠などが操作画面に表示され、その枠で表示領域を設定する場合には、枠など表示領域自体の位置情報を取得する。そして、表示領域の設定基準の位置情報または表示領域の位置情報を操作情報として操作取得部30に送信する。
【0050】
操作監視部32は、操作取得部30から操作情報を受け、操作情報により表示領域48の移動操作などを監視するとともに、カーソル42など表示領域48の設定基準の位置情報または表示領域48の位置情報を所定間隔で取得し位置記憶部に記憶する。この所定間隔は、所定時間間隔やカーソル42などの所定移動距離間隔である。たとえば、図10に示すように、位置情報Ln1、Ln2、Ln3・・・を1秒間隔で操作情報から取得し、位置記憶部56に記録する。
【0051】
位置記憶部56は、所定間隔で所得されたカーソル42などの位置情報が記録される。たとえば、図10に示すように、カーソル42の位置情報として、x座標およびy座標が対応付けられて記録される。
【0052】
加工部38は、拡大監視部36から拡大監視結果を受け、操作監視部32から操作監視結果を受ける。そして、操作監視結果から表示領域48の移動操作を検出し、かつ拡大監視結果により表示領域48の画像の拡大状態を検出すると、カーソルなどの位置情報を位置記憶部56に要求する。位置記憶部56から表示領域48の設定基準などの位置情報を順に抽出し、この位置情報に基づき表示領域48を設定する。この設定間隔は、操作監視部32が操作情報から位置情報を取得する間隔より長く設定される。たとえば、図11に示すように、操作監視部32の1秒の取得間隔より長い2秒間隔で表示領域48を設定する場合、まず日時n1で位置情報Ln1を取得し、これに基づき表示領域Dn1を設定する。これから2秒後の日時n3で次の位置情報Ln2を取得し、表示領域Dn2を設定する。さらに、2秒後の日時n5で次の位置情報Ln3を取得し、表示領域Dn3を設定する。拡大状態時に移動操作が継続する限り、これを続ける。これにより、操作画面に表示されるカーソル42の位置と、設定された表示領域48の位置とが異なり、実際のカーソル42の移動より表示領域48の変化が遅くなる。
【0053】
また、加工部38は、操作画面の画像情報を画像取得部28から得て、この画像情報の中から表示領域48に対応する画像情報を抽出し、画像情報を表示指示部40を介して表示装置14に送る。
【0054】
第2実施例の表示システム10における処理プロセスの一例を、図8〜図12を用いて説明する。ただし、第1実施例と同様の部分については説明を省略する。
【0055】
図12に示すように、カーソル42を中心に表示領域48を設定し、この表示領域48の画像を所定または任意の表示倍率で拡大し、表示装置14として出力表示装置24を用いて表示領域48の画像を操作画面46の所定の表示ウインドウ58に表示する場合について、説明する。
【0056】
まず、ステップS100で、操作画面46の画像情報が制御部26から画像取得部28により取得され、加工部38に送られる。
【0057】
また、指示端末12のユーザによる操作情報が、ステップS102で、操作取得部30により制御部26から取得され、操作監視部32へ送られる。操作監視部32では、カーソル42の位置情報が操作情報から所定間隔で取得され、位置記憶部56に保存される。たとえば、図11に示すように、操作監視部32により、日時n1、n2、n3・・・と1秒間隔で位置情報Ln1、Ln2、Ln3・・・が操作情報から取得され、位置記憶部56に記憶される。
【0058】
また、操作監視部32において、操作情報に基づき表示領域48などの移動操作が監視される。ここで、カーソル42などの移動操作が検出されなければ、ステップS104でNOと判定される。移動操作検出の監視結果がない限り、加工部38において、位置情報から表示領域48が設定され、表示領域48の画像情報が操作画面の画像情報の中から抽出され、表示指示部40に送られる。そして、ステップS108の表示指示部40の指示により、出力表示装置24において、ステップS110で、表示領域の画像情報に基づく画像が表示ウインドウ58に表示される。
【0059】
一方、操作監視部32において、カーソル42などの移動操作が検出されれば、ステップS104でYESと判定され、移動操作検出の監視結果が加工部38に送られ、ステップS106に進む。ステップS106において、表示状態情報が制御部26から表示状態取得部34を介して拡大監視部36に送信される。ここで、表示状態情報により表示領域48の画像の拡大状態が監視され、表示領域48の画像の拡大状態が検出されなければ、ステップS104でNOと判定され、上記と同様に、画像情報から表示領域48の画像情報が抽出され、加工部38で加工されずに表示指示部40を介して(ステップS108)、ステップS110で、表示領域の画像情報を基に画像が表示ウインドウ58に表示される。
【0060】
これに対し、ステップS112で、拡大状態が検出されれば、YESと判定され、ステップS114に進み、画像情報が加工部38で加工される。画像情報の加工では、たとえば、図11に示すように、表示領域48の設定間隔を2秒とした場合、この間隔で位置情報Ln1、Ln2、Ln3・・・が加工部38により位置記憶部56から順に取得される。時刻n1ではその時の位置情報Ln1に基づく表示領域48Dn1が設定される。また、この時n1の操作画面の画像情報Pn1が画像取得部28から取得され、画像情報Pn1から表示領域48Dn1に対応する画像情報En1が抽出される。次いで、時刻n1から2秒後の時刻n3に、次の位置情報Ln2による表示領域48Dn2が設定されるとともに、この時n3の操作画面の画像情報Pn3が画像取得部28から取得される。そして、表示領域48Dn2の画像情報En2が画像情報Pn3から抽出される。さらに、続く時刻n3から2秒後の時刻n5に、位置情報Ln3の表示領域48Dn3が設定され、またこの時n5の操作画面の画像情報Pn5が取得され、画像情報Pn5から表示領域48Dn3に対応する画像情報En3が抽出される。以降、移動操作が停止されるまで、または画像の拡大状態が終了するまで、同様に、位置記憶部56の位置情報から表示領域48Dnが設定され、その時の操作画面の画像情報Pnから表示領域48Dnに対応する画像情報Enが抽出される。そして、これらの画像情報Enが順次、ステップ108で、加工部38から表示指示部40を介して出力表示装置24に送信され、表示ウインドウ58に表示される(ステップS110)。
【0061】
このように、位置記憶部56に記憶された位置情報を基に表示領域48を設定し、この表示領域48に対応する画像情報を操作画面の画像情報から抽出することにより、画像情報を加工する。この加工された画像情報を基に画像を表示装置14で表示すると、画像がコマ送りのように表示される。
【0062】
この実施例によれば、画像情報を加工し、画像をコマ送りのように表示されるため、表示領域などの動きがわかりにくくなり、移動による画像のちらつきを抑えられる。
【0063】
また、表示領域48の設定間隔をカーソル42の位置情報の取得間隔より長く設定することにより、表示領域48の変化速度は操作画面46に表示されるカーソル42の移動速度より遅くなるため、表示領域48の移動によるちらつきなどがさらに低減できる。
【0064】
しかも、表示領域48の設定間隔を長く設定しても、表示領域48の移動量は変化しないことにより、操作性の維持が図られる。
【0065】
なお、上記実施例では、位置情報の取得間隔および表示領域48の設定間隔を一定としたが、変えることもできる。たとえば、表示領域48などの移動速度や画像の表示倍率などに応じて、表示領域48の設定間隔を変化させる。
【0066】
この表示領域48の設定間隔を位置情報の取得間隔より長く設定したが、表示領域48の設定間隔を位置情報の取得間隔より同じまたは短く設定することもできる。
【0067】
また、上記実施例では、指示端末12の出力表示装置24を表示装置14に用い、表示領域48の画像情報に基づき画像を操作画面46の表示ウインドウ58に表示したが、これに代えて、表示装置14に投影装置、テレビやコンピュータのディスプレイなどを用いることもできる。
【0068】
さらに、上記実施例では、操作監視部32がカーソル42など表示領域48の設定基準の位置情報または表示領域48の位置情報を所定間隔で取得し位置記憶部56に記憶したが、これらの位置情報が変化するごとに、位置情報を位置記憶部56に記憶することもできる。
【0069】
なお、上記全実施例では、画像の拡大状態において、表示領域などの移動操作があると、画像情報を加工したが、画像が拡大状態でなくても、表示物などの移動操作により画像情報を加工することができる。これにより、画像が拡大されていないときでも、表示物などが移動すると、画像情報が加工される。
【0070】
上記全実施例では、画像取得部28、加工部38、表示指示部40、操作取得部30、操作監視部32、表示状態取得部34、拡大監視部36、および位置記憶部56の機能構成部を指示端末12に設けたが、この機能構成部の一部または全部を表示装置14に持たせることもできる。さらに、指示端末12および表示装置14に管理機を加え、管理機に機能構成部の全部または一部を備えることもできる。
【0071】
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、各実施例またはその一部を組み合わせるなどすることができる。
【符号の説明】
【0072】
10:表示システム
12:指示端末
14:表示装置
24:出力表示装置
28:画像取得部
30:操作取得部
32:操作監視部
34:表示状態取得部
36:拡大監視部
38:加工部
40:表示指示部
46:操作画面
48:表示領域
56:位置記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示システムおよび表示プログラムに関し、特に、表示装置を用いて表示領域の画像を表示させる指示端末を有する表示システムおよび表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
端末の操作画面に表示されている画像をプロジェクタなどでスクリーンに表示した場合に、端末の操作者が表示領域を移動させたり、カーソルを移動させたりすると、画像が瞬間的に変化する。このため、スクリーンを見ている人は、その動きに目が付いていけず、目がちらつき眩んでしまう。特に、画像を拡大して表示し、その表示領域を移動させると、この現象はさらにひどくなり、表示画像を見づらく、視覚の不調が生じ易くなる。
【0003】
このような問題に対して、特許文献1では、画像を拡大して表示した際に、拡大倍率に応じて、カーソルの移動量を調整している。たとえば、カーソル移動量を拡大表示倍率の逆数値に設定することにより、画像を拡大するほどカーソル移動量を減らしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−34254
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、拡大画像におけるカーソルの移動量が少なくなると、カーソルを移動させるのに、マウスの操作量を増やさなければならず、操作しにくくなってしまう。
【0006】
それゆえに、この発明の目的は、操作性に優れ、視覚不調を防止可能な表示システムおよび表示プロジェクトを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、操作画面を有し、かつ操作画面における表示領域の画像を表示装置により表示させる指示端末を有する表示システムにおいて、操作画面の画像情報を取得する、画像取得部、指示端末における操作情報を取得する、操作取得部、操作情報により表示領域の移動操作および表示領域における表示物の移動操作のいずれかを監視する、操作監視部、操作監視結果に応じて、画像情報を加工する、加工部、および画像情報を表示装置に表示させる、表示指示部、を備える表示システムである。
【0008】
請求項1の発明では、画像情報を加工すると、表示領域や表示物の移動操作による動きが不鮮明になり、表示領域内の文字などや、カーソルなどの表示物の変化を判別しにくくなる。
【0009】
また、画像を拡大してもカーソルの移動量が少なくならないことにより、カーソルの移動にマウスの操作量を増やす必要がなく、カーソルを操作しやすい。
【0010】
請求項2の発明は、表示領域の画像における表示状態の情報を取得する、表示状態取得部、および表示状態情報により画像の拡大状態を監視する、拡大監視部、をさらに備え、加工部は、操作監視結果に加え、拡大監視結果に応じて、画像情報を加工する、請求項1記載の表示システムである。
【0011】
請求項2の発明によれば、画像が拡大されていると、表示領域における表示領域や表示物の移動量は標準サイズの画像に比べて大きくなるが、画像が加工されることにより、表示領域や表示物の動きが明確でなくなる。
【0012】
請求項3の発明は、画像情報の加工は、表示領域における明度の差の縮小、減色、解像度の低下、輝度の低下、モザイク加工およびコマ送りの少なくともいずれか1つを含む、請求項1または2記載の表示システムである。
【0013】
請求項3の発明では、明度の差の縮小などにより、文字や絵などの表示物とそれ以外の背景とを区別する視覚的な特徴の差がなくなり、移動する表示物などを識別しにくくなり、表示領域や表示物の動きがわかりにくくなる。
【0014】
請求項4の発明は、操作画面を有し、かつ操作画面における表示領域の画像を表示装置により表示させる指示端末を有するシステムにおいて、操作画面の画像情報を取得する、画像取得機能、指示端末における操作情報を取得する、操作取得機能、操作情報により表示領域の移動操作および表示領域における表示物の移動操作のいずれかを監視する、操作監視機能、操作監視結果に応じて、画像情報を加工する、加工機能、および画像情報を表示装置に表示させる、表示指示機能、を実現させるための表示プログラムである。
【0015】
請求項4でも、請求項1と同様に、指示端末の操作性に優れ、視覚不調の防止が図れる。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、表示物の移動操作に対してマウスの操作量が増えず、操作性に優れ、また、画像加工により表示領域や表示物を識別しにくくなることでその動きによる視覚不調を防げる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明のシステム構成の一例を示す機能ブロック図。
【図2】端末のハードウェア構成の一例を示す概念図。
【図3】操作画面に表示される画像を示す図。
【図4】指示端末を示す図
【図5】(a)および(b)は、拡大した画像を示す図。
【図6】図5(a)の画像情報を加工した画像を示す図。
【図7】図5(a)の画像情報を加工した画像を示す図。
【図8】処理プロセスの一例を示すフローチャート。
【図9】第2実施例のシステム構成の一例を示す機能ブロック図。
【図10】位置記憶部に記録されている位置情報を示す図。
【図11】画像情報を加工した場合の時間とそれに対応する情報の生成プロセスとを簡単に示す図。
【図12】表示領域の画像を表示ウインドウに表示した操作画面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0018】
図1に示す本発明の表示システム10は、指示端末12および表示装置14を備え、指示端末12は表示装置14を用いて表示領域の画像を表示させる。指示端末12と表示装置14とは、有線または無線で情報送受信可能に接続される。
【0019】
指示端末12は、図2のハードウェア構成の一例に示すように、プログラムの演算処理を実行し、各装置へ適切な指示を与えて制御するCPU等の演算制御装置16と、情報を記憶するRAMやハードディスクなどの記憶装置18と、演算制御装置16の処理結果や記憶装置18に記憶する情報などを送受信する通信装置20と、画像を拡大する指示や表示物などを移動する指示などを入力するマウスなどのポインティングデバイスやキーボードなどの入力装置22と、ディスプレイや操作画面などを含む出力表示装置24とを備える。
【0020】
指示端末12は、図1の機能ブロック図に示す構成部を有する。各構成部は、その機能により論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上同一または別の領域を為していてもよい。各機能は、これらに対応するプログラムやモジュール等が演算制御装置16に読み込まれてその処理が実行されることによって実現される。また、本発明において必要となる最小限度の装置および構成部を記載しており、その他の装置などについてはその記載を省略する。
【0021】
指示端末12は、操作画面の画像情報などを生成する制御部26、操作画面の画像情報を取得する、画像取得部28、指示端末12における操作情報を取得する、操作取得部30、操作情報により表示領域の移動操作および表示領域における表示物の移動操作のいずれかを監視する、操作監視部32、画像の表示状態の情報を取得する、表示状態取得部34、表示状態情報により画像の拡大状態を監視する、拡大監視部36、拡大監視結果および操作監視結果に応じて、画像情報を加工する、加工部38、および画像情報を表示装置14に表示させる、表示指示部40、を備える。
【0022】
制御部26は、プログラムやデータなどの情報を記憶装置18などから読み出し、また、入力装置22の操作による操作内容や位置などの情報を得て、これらの情報により操作画面46の画像情報を生成し、RAMなどの記憶装置18に記憶する。そして、画像情報に基づいて、図3に示すように、アイコン41やカーソル42、ウインドウ44などの表示物の画像を標準サイズとして出力表示装置24の操作画面46(図4)に表示する。ここでは、表示領域48は表示装置14を用いて表示させる画像の範囲である。この場合、表示装置14で表示する画像と操作画面46で表示する画像が同じであるため、表示領域48は操作画面46に表示される範囲と同じとなる。また、表示領域48のサイズを標準サイズの表示領域より小さく設定すると、表示領域48以外の部分は操作画面46に表示されずに、表示領域48内の画像は大きく拡大されてその拡大画像が操作画面46に表示される。
【0023】
制御部26は、操作画面46に表示されている画像を拡大する指示を入力装置22などから受けると、この指示による表示倍率および位置を取得し、これに基づき拡大画像の表示領域48を設定する。画像の表示倍率は、予め決められた所定値に設定することもできるし、また指示端末12のユーザが入力装置22などを使用し任意に設定することもできる。たとえば、カーソル42の位置を中心に拡大し、その表示倍率がマウスホイールの回転量により決まる場合、マウスホイールの回転量を取得し、回転量から表示倍率を求める。また、カーソル42の位置座標および操作画面サイズを取得し、これらの情報から拡大画像の表示領域48の位置座標を算出する。そして、記憶装置18から標準サイズの画像情報から抽出し、拡大画像の表示領域48の位置座標を基に、標準サイズの画像情報から拡大画像の表示領域48の画像情報を得て、図5(a)に示すように、この画像情報により操作画面46に拡大した画像を表示する。
【0024】
画像取得部28は、出力表示装置14の操作画面46に表示される画像の情報を、制御部26から取得し、画像情報を加工部38に送る。なお、この画像情報は、表示装置14を用いてスクリーンなどに表示領域の画像を表示するための情報である。また、画像情報が制御部26で生成され、RAMなどの記憶装置18などに記憶されている場合、記憶装置18から取得することもできる。
【0025】
操作取得部30は、入力装置22で操作された情報を制御部26から取得し、操作監視部32に送る。操作情報は、操作内容、操作対象および時刻などを含む。操作内容は、たとえば、ポインティングデバイスによる位置指示操作、クリック、ドロップ、プレス、ドラックなどポインティングデバイスのボタン操作、マウスホイールの回転、キーボードの入力操作、スクロールバー54に対するドラッグ操作、移動操作、スクロール操作、起動操作、コピー操作などがある。操作対象は、表示物やアプリケーションなどである。表示物は、カーソル42、アイコン41、ウインドウ44、ボタン、ウインドウ44内に表示される文字52や絵など、操作画面46に表示されるものである。
【0026】
操作監視部32は、操作取得部30から操作情報を受信し、操作情報から表示領域48の移動操作や表示領域48における表示物の移動操作を監視し、監視結果を加工部38に送る。たとえば、操作情報からポインティングデバイスの位置指示、ドラック、クリックなどポインティングデバイスのボタンの押下などの操作を監視し、表示物を移動させる操作を検出する。また、マウスホイールの回転、スクロールバー54に対するドラッグ操作など画像のスクロール操作を監視し、図5(a)から図5(b)に示すように表示領域48の移動によるウインドウ44に表示されている画像を移動させる操作を検出する。さらに、表示領域48の画像を拡大した場合、ポインティングデバイスの位置指示やドラッグなどの操作内容を監視し、表示領域48の移動による操作画面46に表示されている拡大画像を移動させる操作を検出する。他に、ショートカットキーなどの押下や
1266385765640_0
上の特定位置の
1266385765640_1
などの操作を監視し、UNDOやREDOなどによる表示領域48や表示物の移動操作を検出する。
【0027】
また、操作監視部32は、さらに、操作情報に基づき表示領域48や表示物の移動の停止を監視する。たとえば、ポインティングデバイスによる指示位置の変化を監視し、変化していると表示物などの位置情報を判定し、位置情報が変化していないと表示物などの停止と判定する。この停止時や一定時間停止が続けば、操作監視部32は表示物が停止しているとして、移動操作なしとの監視結果を加工部38に送付する。
【0028】
表示状態取得部34は、制御部26から表示領域48の画像が表示されている状態の情報を取得し、この表示状態情報を拡大監視部36に送る。表示状態情報は、表示領域48の画像が拡大されているか否かを判断できる情報を含み、たとえば表示倍率や表示領域48の位置情報などの画像サイズ、標準や拡大などの画像サイズの状態情報などである。
【0029】
拡大監視部36は、表示状態取得部34から表示状態情報を取得し、表示領域48の画像の拡大状態を監視し、監視結果を加工部38に送る。たとえば、表示状態情報が表示倍率の場合、これを監視し、表示倍率が1倍より大きいと表示領域48の画像は拡大状態であると判断する。また、表示状態情報が表示領域48の位置情報の場合、これから表示領域48の大きさを求め、標準サイズの表示領域48の大きさと比較し、標準サイズの大きさより小さければ、表示領域48の画像は拡大状態であると判断する。さらに、表示状態情報が画像サイズの状態の場合、これを監視し、状態が拡大であれば、表示領域48の画像は拡大状態であると判断する。
【0030】
加工部38は、画像情報を画像取得部28から得る。また、拡大監視部36から拡大監視結果を受けるとともに、操作監視部32から操作監視結果を受け、これらの結果に応じて画像情報を加工し、加工された画像情報を表示指示部40に送る。つまり、拡大監視結果により表示領域48の画像が拡大状態である場合に、操作監視結果で表示領域48や表示物の移動操作を検出すると、画像情報を加工し、加工した画像情報を表示指示部40に送信する。また、拡大監視結果により表示領域48の画像が拡大状態でない場合や、操作監視結果で表示領域48などの移動操作がない場合、画像情報を加工せずに表示指示部40に送信する。ここで、移動操作なしには、移動操作の停止を含む。
【0031】
画像情報の加工は、表示領域48に表示されている文字52や絵など、および表示領域48の表示物などの特徴的な部分を識別しにくくする。たとえば、表示領域48における明度の差の縮小、減色、解像度の低下、輝度の低下、およびモザイク加工などである。この明度の差の縮小では、表示領域48の白色部分の明度を下げ、灰色などにする。これにより、図5(a)のように背景が白色で、文字52などが黒色の場合、図6に示すように、背景が灰色になり、文字52と背景との明度の差が小さくなるため、文字52を識別しにくくなる。また、減色では、赤や青などの有彩色の数を減らし、モノトーン化することにより、色が付いた特徴的な部分がわかりにくくなる。
【0032】
この加工を施す部分は、表示領域48の全体とすることもできるし、表示領域48の一部とすることもできる。表示領域48の一部とする場合、指示端末のユーザが表示位置を把握できる大きさであればよい。たとえば、図5(a)の拡大画像のカーソル部分を加工せず、それ以外の部分を加工すると、図7に示すように、カーソル部分は識別可能であり、所望の位置に表示領域などを移動させることができる。しかも、その周囲は識別しにくくなるため、表示領域48などの移動によるちらつきが防止できる。
【0033】
表示指示部40は、加工部38から加工されていない画像情報または加工された画像情報を得ると、表示装置14に送り、表示を指示する。
【0034】
表示装置14は、表示指示部40から画像情報を得て、画像情報を基に画像を表示する。表示装置14は、たとえば、プロジェクタなどの投影装置、コンピュータやテレビなどのディスプレイである。
【0035】
第1実施例の外部接続機器制御システム10における処理プロセスの一例を、図3〜図8を用いて説明する。
【0036】
図4の指示端末12の操作画面46に表示している図3に示す画像を、表示装置14により表示する場合、ステップS100で、この操作画面の画像情報が制御部26から画像取得部28により取得される。そこから、加工部38に送られる。また、操作画面46において表示領域48aに設定され、図5(a)に示すように画像が拡大されると、表示領域48aの画像情報が制御部26から画像取得部28に送られる。
【0037】
指示端末12のユーザが入力装置22を用いて指示端末12に対して操作すると、ステップS102で、この操作内容などを示す操作情報が制御部26から操作取得部30により取得され、操作監視部32へ送られる。操作監視部32では、操作情報から表示領域48の移動操作や表示領域48における表示物の移動操作がなされたか否かが監視される。たとえば、図3に示す表示領域48aから表示領域48bに表示領域が移動されると、この移動操作が検出されて、ステップS104でYESと判定され、ステップS106に進む。
【0038】
一方、たとえば、操作情報が文字52などのキー入力操作やアプリケーションの起動などであって、表示領域48や表示物の移動操作でなければ、操作監視部32により、ステップS104でNOと判定され、ステップS108に進む。ここで、画像情報は加工部38で加工されずに、加工部38から表示指示部40に送られ、表示指示部40から表示装置14へ渡される。そして、ステップS110で、表示装置14により、画像情報を基に図5(b)に示す表示領域の画像がスクリーンなどに表示される。
【0039】
ステップS106において、表示状態情報が表示状態取得部34により制御部26から取得され、次いで、拡大監視部36に送られる。拡大監視部36では、表示状態情報を受け、これを基に表示領域48の画像の拡大状態が監視される。たとえば、表示状態情報により表示倍率が1より大きかったり、表示領域48のサイズが標準より小さかったりすると、拡大状態であると判定される。そして、拡大状態が検出されると、ステップS112でYESと判定され、次にステップS114に進む。
【0040】
一方、表示領域48の画像が拡大状態でなければ、ステップS104でNOと判定され、画像情報は加工部38で加工されずに、加工部38から表示指示部40に送られ、ステップS108で、表示指示部40から表示装置14へ表示指示されて、ステップS110で、画像情報を基に表示領域の画像が表示装置14により表示される。
【0041】
ステップS114において、画像情報が加工部38で加工される。画像情報の加工では、減色などにより、表示物やその動きを判別しにくくする。そして加工された画像情報が、ステップ108で加工部38から表示指示部40を介して表示装置14に送信される。表示装置14では、加工された画像情報に基づいて、モノトーン化された画像などがスクリーンに表示される(ステップS110)。
【0042】
このように、指示端末12の出力表示装置14の操作画面46に表示するための画像情報は加工せず、表示装置14で表示するための画像情報を加工する。これにより、スクリーンなどに表示された画像は加工されているため、スクリーンを見ている者は表示物やその移動が見えにくいため、移動によるちらつきなどの視覚不調が生じにくく、表示画像の見づらさを軽減できる。これに対して、操作画面46の画像は変化せず、指示端末12のユーザは表示物などを識別できるので、表示物や表示領域48を適切な位置に移動させることができる。
【0043】
なお、上記実施例では、画像情報の加工に、減色など、表示物やその移動を判別しにくい処理方法を用いたが、画像情報の削除することもできる。画像情報の削除は、移動中の全ての画像情報であってもよいし、所定時間間隔の画像情報であってもよい。全画像情報を削除すると、表示物などの移動中は削除前の画像を表示したままとすることもできるし、また、移動中は画像を表示しないようにすることもできる。また、所定時間間隔で画像情報を削除すると、表示物は不連続に移動するコマ送りのように表示される。このように加工することで、ちらつきを軽減することができ、上述と同様の効果が得られる。
【0044】
この画像情報の加工について、表示物の移動速度、移動操作の継続時間、表示倍率などに応じて画像情報の加工を変化させることもできる。たとえば、移動速度や表示倍率が大きいほど、加工の程度を大きくしたり、加工方法を組み合わせたりする。たとえば、表示領域などの移動速度が大きくなるほど、白い背景の色に対して黒色の割合を増やし、明度の差を減少させる。この他に、たとえば、図7に示すように、表示領域48の一部の画像情報を加工する場合、表示物の移動速度、移動操作の継続時間、表示倍率などに応じて加工する範囲をユーザが表示位置を把握できる大きさなどに変更することもできる。
【0045】
なお、上記実施例では、表示装置14に投影装置やテレビのディスプレイなどを用いたが、この代わりに指示端末12の出力表示装置14を用いることもできる。この場合、表示指示部40からの画像情報に基づき画像を操作画面46に表示する。
【0046】
また、制御部24からの画像情報により出力表示装置14の操作画面46に画像を表示し、表示指示部40からの画像情報により表示装置14でスクリーンなどに画像を表示したが、表示指示部40からの画像情報により操作画面46に画像を表示することもできる。この場合、表示装置14と操作画面46に同じ画像が表示される。ただし、操作画面46に加工された画像が表示されても、表示物は判別できるので、表示領域や表示物を移動させることはできる。
【0047】
さらに、上記実施例では、出力表示装置14の操作画面46の全範囲を表示領域とし、この表示領域の画像を表示装置14でスクリーンなどに表示した。つまり、画像加工されていない場合、操作画面46に表示される画像とスクリーンなどに表示される画像とは同じである。しかし、これに限らず、出力表示装置14の操作画面46の一部範囲を表示領域とし、スクリーンなどに表示される画像を操作画面46に表示される画像の一部分とすることもできる。たとえば、特定のウインドウを操作画面に設け、ウインドウに表示される範囲を表示領域として、この範囲に表示される画像を表示装置14でスクリーンなどに表示する。
【実施例2】
【0048】
この発明の第2実施例である表示システム10は、第1実施例とほぼ同じであるが、この実施例では、カーソルなど表示領域の設定基準の位置情報または表示領域の位置情報を図9に示す位置記憶部に記憶し、この記憶した位置情報を基に表示領域を設定することで、画像のコマ送り表示のように画像情報を加工する点が異なる。これ以外の部分に関しては第1実施例と同様であるため、共通する部分については同じ番号を付して、その番号の説明は省略している。
【0049】
制御部26は、プログラムやデータなどの情報および入力装置22などの操作情報を得て、操作画面46の画像情報を生成し、この画像情報により画像を操作画面46に表示する。また、操作画面に表示された拡大ボタンをクリックするなど、表示装置で表示する画像を拡大する指示を入力装置22などの操作から受けると、この指示または表示倍率などを取得し、この拡大画像の表示状態を示す情報を表示状態取得部34に送る。これと共に、カーソルなどの位置を中心に表示領域を設定する場合には、カーソルなど表示領域の設定基準の位置情報を取得する。この他に、表示領域の枠などが操作画面に表示され、その枠で表示領域を設定する場合には、枠など表示領域自体の位置情報を取得する。そして、表示領域の設定基準の位置情報または表示領域の位置情報を操作情報として操作取得部30に送信する。
【0050】
操作監視部32は、操作取得部30から操作情報を受け、操作情報により表示領域48の移動操作などを監視するとともに、カーソル42など表示領域48の設定基準の位置情報または表示領域48の位置情報を所定間隔で取得し位置記憶部に記憶する。この所定間隔は、所定時間間隔やカーソル42などの所定移動距離間隔である。たとえば、図10に示すように、位置情報Ln1、Ln2、Ln3・・・を1秒間隔で操作情報から取得し、位置記憶部56に記録する。
【0051】
位置記憶部56は、所定間隔で所得されたカーソル42などの位置情報が記録される。たとえば、図10に示すように、カーソル42の位置情報として、x座標およびy座標が対応付けられて記録される。
【0052】
加工部38は、拡大監視部36から拡大監視結果を受け、操作監視部32から操作監視結果を受ける。そして、操作監視結果から表示領域48の移動操作を検出し、かつ拡大監視結果により表示領域48の画像の拡大状態を検出すると、カーソルなどの位置情報を位置記憶部56に要求する。位置記憶部56から表示領域48の設定基準などの位置情報を順に抽出し、この位置情報に基づき表示領域48を設定する。この設定間隔は、操作監視部32が操作情報から位置情報を取得する間隔より長く設定される。たとえば、図11に示すように、操作監視部32の1秒の取得間隔より長い2秒間隔で表示領域48を設定する場合、まず日時n1で位置情報Ln1を取得し、これに基づき表示領域Dn1を設定する。これから2秒後の日時n3で次の位置情報Ln2を取得し、表示領域Dn2を設定する。さらに、2秒後の日時n5で次の位置情報Ln3を取得し、表示領域Dn3を設定する。拡大状態時に移動操作が継続する限り、これを続ける。これにより、操作画面に表示されるカーソル42の位置と、設定された表示領域48の位置とが異なり、実際のカーソル42の移動より表示領域48の変化が遅くなる。
【0053】
また、加工部38は、操作画面の画像情報を画像取得部28から得て、この画像情報の中から表示領域48に対応する画像情報を抽出し、画像情報を表示指示部40を介して表示装置14に送る。
【0054】
第2実施例の表示システム10における処理プロセスの一例を、図8〜図12を用いて説明する。ただし、第1実施例と同様の部分については説明を省略する。
【0055】
図12に示すように、カーソル42を中心に表示領域48を設定し、この表示領域48の画像を所定または任意の表示倍率で拡大し、表示装置14として出力表示装置24を用いて表示領域48の画像を操作画面46の所定の表示ウインドウ58に表示する場合について、説明する。
【0056】
まず、ステップS100で、操作画面46の画像情報が制御部26から画像取得部28により取得され、加工部38に送られる。
【0057】
また、指示端末12のユーザによる操作情報が、ステップS102で、操作取得部30により制御部26から取得され、操作監視部32へ送られる。操作監視部32では、カーソル42の位置情報が操作情報から所定間隔で取得され、位置記憶部56に保存される。たとえば、図11に示すように、操作監視部32により、日時n1、n2、n3・・・と1秒間隔で位置情報Ln1、Ln2、Ln3・・・が操作情報から取得され、位置記憶部56に記憶される。
【0058】
また、操作監視部32において、操作情報に基づき表示領域48などの移動操作が監視される。ここで、カーソル42などの移動操作が検出されなければ、ステップS104でNOと判定される。移動操作検出の監視結果がない限り、加工部38において、位置情報から表示領域48が設定され、表示領域48の画像情報が操作画面の画像情報の中から抽出され、表示指示部40に送られる。そして、ステップS108の表示指示部40の指示により、出力表示装置24において、ステップS110で、表示領域の画像情報に基づく画像が表示ウインドウ58に表示される。
【0059】
一方、操作監視部32において、カーソル42などの移動操作が検出されれば、ステップS104でYESと判定され、移動操作検出の監視結果が加工部38に送られ、ステップS106に進む。ステップS106において、表示状態情報が制御部26から表示状態取得部34を介して拡大監視部36に送信される。ここで、表示状態情報により表示領域48の画像の拡大状態が監視され、表示領域48の画像の拡大状態が検出されなければ、ステップS104でNOと判定され、上記と同様に、画像情報から表示領域48の画像情報が抽出され、加工部38で加工されずに表示指示部40を介して(ステップS108)、ステップS110で、表示領域の画像情報を基に画像が表示ウインドウ58に表示される。
【0060】
これに対し、ステップS112で、拡大状態が検出されれば、YESと判定され、ステップS114に進み、画像情報が加工部38で加工される。画像情報の加工では、たとえば、図11に示すように、表示領域48の設定間隔を2秒とした場合、この間隔で位置情報Ln1、Ln2、Ln3・・・が加工部38により位置記憶部56から順に取得される。時刻n1ではその時の位置情報Ln1に基づく表示領域48Dn1が設定される。また、この時n1の操作画面の画像情報Pn1が画像取得部28から取得され、画像情報Pn1から表示領域48Dn1に対応する画像情報En1が抽出される。次いで、時刻n1から2秒後の時刻n3に、次の位置情報Ln2による表示領域48Dn2が設定されるとともに、この時n3の操作画面の画像情報Pn3が画像取得部28から取得される。そして、表示領域48Dn2の画像情報En2が画像情報Pn3から抽出される。さらに、続く時刻n3から2秒後の時刻n5に、位置情報Ln3の表示領域48Dn3が設定され、またこの時n5の操作画面の画像情報Pn5が取得され、画像情報Pn5から表示領域48Dn3に対応する画像情報En3が抽出される。以降、移動操作が停止されるまで、または画像の拡大状態が終了するまで、同様に、位置記憶部56の位置情報から表示領域48Dnが設定され、その時の操作画面の画像情報Pnから表示領域48Dnに対応する画像情報Enが抽出される。そして、これらの画像情報Enが順次、ステップ108で、加工部38から表示指示部40を介して出力表示装置24に送信され、表示ウインドウ58に表示される(ステップS110)。
【0061】
このように、位置記憶部56に記憶された位置情報を基に表示領域48を設定し、この表示領域48に対応する画像情報を操作画面の画像情報から抽出することにより、画像情報を加工する。この加工された画像情報を基に画像を表示装置14で表示すると、画像がコマ送りのように表示される。
【0062】
この実施例によれば、画像情報を加工し、画像をコマ送りのように表示されるため、表示領域などの動きがわかりにくくなり、移動による画像のちらつきを抑えられる。
【0063】
また、表示領域48の設定間隔をカーソル42の位置情報の取得間隔より長く設定することにより、表示領域48の変化速度は操作画面46に表示されるカーソル42の移動速度より遅くなるため、表示領域48の移動によるちらつきなどがさらに低減できる。
【0064】
しかも、表示領域48の設定間隔を長く設定しても、表示領域48の移動量は変化しないことにより、操作性の維持が図られる。
【0065】
なお、上記実施例では、位置情報の取得間隔および表示領域48の設定間隔を一定としたが、変えることもできる。たとえば、表示領域48などの移動速度や画像の表示倍率などに応じて、表示領域48の設定間隔を変化させる。
【0066】
この表示領域48の設定間隔を位置情報の取得間隔より長く設定したが、表示領域48の設定間隔を位置情報の取得間隔より同じまたは短く設定することもできる。
【0067】
また、上記実施例では、指示端末12の出力表示装置24を表示装置14に用い、表示領域48の画像情報に基づき画像を操作画面46の表示ウインドウ58に表示したが、これに代えて、表示装置14に投影装置、テレビやコンピュータのディスプレイなどを用いることもできる。
【0068】
さらに、上記実施例では、操作監視部32がカーソル42など表示領域48の設定基準の位置情報または表示領域48の位置情報を所定間隔で取得し位置記憶部56に記憶したが、これらの位置情報が変化するごとに、位置情報を位置記憶部56に記憶することもできる。
【0069】
なお、上記全実施例では、画像の拡大状態において、表示領域などの移動操作があると、画像情報を加工したが、画像が拡大状態でなくても、表示物などの移動操作により画像情報を加工することができる。これにより、画像が拡大されていないときでも、表示物などが移動すると、画像情報が加工される。
【0070】
上記全実施例では、画像取得部28、加工部38、表示指示部40、操作取得部30、操作監視部32、表示状態取得部34、拡大監視部36、および位置記憶部56の機能構成部を指示端末12に設けたが、この機能構成部の一部または全部を表示装置14に持たせることもできる。さらに、指示端末12および表示装置14に管理機を加え、管理機に機能構成部の全部または一部を備えることもできる。
【0071】
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、各実施例またはその一部を組み合わせるなどすることができる。
【符号の説明】
【0072】
10:表示システム
12:指示端末
14:表示装置
24:出力表示装置
28:画像取得部
30:操作取得部
32:操作監視部
34:表示状態取得部
36:拡大監視部
38:加工部
40:表示指示部
46:操作画面
48:表示領域
56:位置記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作画面を有し、かつ前記操作画面における表示領域の画像を表示装置により表示させる指示端末を有する表示システムにおいて、前記操作画面の画像情報を取得する、画像取得部、前記指示端末における操作情報を取得する、操作取得部、前記操作情報により前記表示領域の移動操作および前記表示領域における表示物の移動操作のいずれかを監視する、操作監視部、前記操作監視結果に応じて、前記画像情報を加工する、加工部、および前記画像情報を前記表示装置に表示させる、表示指示部、を備える表示システム。
【請求項2】
前記表示領域の画像における表示状態の情報を取得する、表示状態取得部、および前記表示状態情報により前記画像の拡大状態を監視する、拡大監視部、をさらに備え、前記加工部は、前記操作監視結果に加え、前記拡大監視結果に応じて、前記画像情報を加工する、請求項1記載の表示システム。
【請求項3】
前記画像情報の加工は、前記表示領域における明度の差の縮小、減色、解像度の低下、輝度の低下、およびモザイク加工の少なくともいずれか1つを含む、請求項1または2記載の表示システム。
【請求項4】
操作画面を有し、かつ前記操作画面における表示領域の画像を表示装置により表示させる指示端末を有するシステムにおいて、前記操作画面の画像情報を取得する、画像取得機能、前記指示端末における操作情報を取得する、操作取得機能、前記操作情報により前記表示領域の移動操作および前記表示領域における表示物の移動操作のいずれかを監視する、操作監視機能、前記操作監視結果に応じて、前記画像情報を加工する、加工機能、および前記画像情報を前記表示装置に表示させる、表示指示機能、を実現させるための表示プログラム。
【請求項1】
操作画面を有し、かつ前記操作画面における表示領域の画像を表示装置により表示させる指示端末を有する表示システムにおいて、前記操作画面の画像情報を取得する、画像取得部、前記指示端末における操作情報を取得する、操作取得部、前記操作情報により前記表示領域の移動操作および前記表示領域における表示物の移動操作のいずれかを監視する、操作監視部、前記操作監視結果に応じて、前記画像情報を加工する、加工部、および前記画像情報を前記表示装置に表示させる、表示指示部、を備える表示システム。
【請求項2】
前記表示領域の画像における表示状態の情報を取得する、表示状態取得部、および前記表示状態情報により前記画像の拡大状態を監視する、拡大監視部、をさらに備え、前記加工部は、前記操作監視結果に加え、前記拡大監視結果に応じて、前記画像情報を加工する、請求項1記載の表示システム。
【請求項3】
前記画像情報の加工は、前記表示領域における明度の差の縮小、減色、解像度の低下、輝度の低下、およびモザイク加工の少なくともいずれか1つを含む、請求項1または2記載の表示システム。
【請求項4】
操作画面を有し、かつ前記操作画面における表示領域の画像を表示装置により表示させる指示端末を有するシステムにおいて、前記操作画面の画像情報を取得する、画像取得機能、前記指示端末における操作情報を取得する、操作取得機能、前記操作情報により前記表示領域の移動操作および前記表示領域における表示物の移動操作のいずれかを監視する、操作監視機能、前記操作監視結果に応じて、前記画像情報を加工する、加工機能、および前記画像情報を前記表示装置に表示させる、表示指示機能、を実現させるための表示プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−170501(P2011−170501A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−32335(P2010−32335)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(599108242)Sky株式会社 (257)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(599108242)Sky株式会社 (257)
【Fターム(参考)】
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