説明

表示デバイス

【課題】限られた占有面積内で表示画面と太陽電池の各面積を両方とも拡大する。
【解決手段】表示デバイス1は、外部機器と通信を行い上記外部機器から表示内容を受信する通信部2と、通信部2で受信された表示内容を表示する表示画面30を有する表示機能部3と、通信部2及び表示機能部3の駆動電力を生成する太陽電池4とを備えている。上記表示デバイス1において、表示機能部3の表示画面30を視認可能とする視認側である表面側から表示画面30、通信部2、太陽電池4の順に積層されて設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指示された表示内容を表示する表示デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
指示された表示内容を表示する従来の表示デバイスとして、表示画面及び太陽電池を同一平面上に配置して備えているICカードが知られている(例えば、特許文献1参照)。従来の表示デバイスは、通信によって受信した表示内容を表示画面に表示する。なお、従来の表示デバイスにおいて、太陽電池は、外光による光エネルギーを電気エネルギーに変換し、表示画面の駆動電力を生成する。
【特許文献1】特開2002−32728号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の表示デバイスには、表示画面と太陽電池との両方が同一平面上に配置されていることから、表示画面及び太陽電池が配置された平面が大きくなり、その結果、デバイス全体として大型化するという問題があった。
【0004】
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、その目的は、限られた占有面積内で表示画面と太陽電池の各面積を両方とも拡大することができる表示デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、外部機器との間で通信を行い通信時に応じて内容が可変する可変情報を受信する通信部と、表示画面を有し前記通信部で受信された可変情報に応じた表示を当該表示画面に行う表示機能部と、少なくとも前記表示機能部を駆動するための駆動電力を当該表示機能部に供給する太陽電池とを備え、前記表示画面と前記太陽電池とが積層されて設けられていることを特徴とすることを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、入射光の一部を拡散し残部を透過する拡散透過層を備え、前記表示画面は透光性を有し、光入射側から前記表示画面、前記拡散透過層、前記太陽電池の順に積層されて設けられていることを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記太陽電池は、少なくとも可視光領域の光に対して透光性を有し、光入射側から前記太陽電池、前記表示画面の順に積層されて設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記表示画面による表示の視認性を向上させる背景板を備え、前記表示画面は透光性を有し、光入射側から前記太陽電池、前記表示画面、前記背景板の順に積層されて設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明は、請求項3の発明において、入射光を反射する反射層を備え、前記表示画面は透光性を有し、光入射側から前記太陽電池、前記表示画面、前記反射層の順に積層されて設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れか1項の発明において、前記表示機能部は、前記可変情報を保持する保持機能と、前記通信部で新しい可変情報が受信されると保持している可変情報を当該新しい可変情報に更新する更新機能とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、表示機能部の表示画面と太陽電池とが積層して設けられていることによって、限られた容積で表示画面及び太陽電池の両方の面積を拡大することができるので、太陽電池による発電量を向上させることができるとともに、表示画面による表示の視認性を向上させることができる。
【0012】
請求項2の発明によれば、表示画面を透過した光の一部が拡散透過層で拡散することによって、表示画面による表示の視認性を向上させることができるとともに、表示画面を透過した光の残部が拡散透過層を透過して太陽電池に到達することによって、太陽電池が光電変換を行い、電力を生成することができるので、一方向からの入射光のみで表示画面による表示と太陽電池の電力生成との両方を行うことができる。
【0013】
請求項3の発明によれば、太陽電池が光入射側の表面に設けられていることによって、太陽電池が光を受けやすくなるので、太陽電池による発電量を向上させることができる。
【0014】
請求項4の発明によれば、表示画面による表示の視認性を向上させることができるので、表示画面による表示を遠くからでも認識しやすくすることができる。
【0015】
請求項5の発明によれば、太陽電池及び表示画面を透過した光を反射層で反射させて再び太陽電池に入射させることができるので、太陽電池において入射光による光電変換だけではなく、反射光による光電変換も行うことができ、その結果、太陽電池による発電量を向上させることができる。
【0016】
請求項6の発明によれば、表示機能部が可変情報を保持することによって、可変情報に応じた表示を行う度に外部機器との間で通信を行う必要がなく、通信後も継続して表示を行うことができるとともに、新しい可変情報を受信したときは、現在保持している可変情報を新しい可変情報に更新することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(実施形態1)
まず、実施形態1に係る表示デバイスの構成について説明する。図2は、本実施形態の表示デバイス1の構成を示す。図2の表示デバイス1は、外部機器Aとの間で通信を行う通信部2と、指示された表示内容を表示する表示機能部3と、光電変換によって電力を生成する太陽電池4と、太陽電池4で生成された電力を蓄える蓄電池5とを備えている。
【0018】
通信部2は、外部機器Aとの間で通信を行い、外部機器Aで指示された表示内容を受信する。
【0019】
表示機能部3は、反射型の液晶ディスプレイであり、液晶パネルである表示画面30と、表示内容を記憶するメモリ31と、表示画面30を制御する表示制御部32とを備えている。なお、表示機能部3は、表示画面30に液晶パネルを用いた液晶ディスプレイに限定されるものではなく、表示画面30に他の表示パネルを用いたディスプレイであってもよい。液晶パネル以外の表示画面30としては、電子ペーパー、エレクトロクロミック材料を用いた表示パネル、フォトクロミック材料を用いた表示パネルなどが好ましい。
【0020】
メモリ31には、通信部2で受信された表示内容が記憶される。メモリ31は、本発明の保持機能を有する。
【0021】
表示制御部32は、表示内容を可変情報として表示するように表示画面30を制御する。表示画面30に表示される表示内容としては、通信部2から直接受け取った表示内容、通信部2で受信された後にメモリ31に記憶されている表示内容の両方がある。上記より、表示画面30は、通信部2を介して得た外部機器Aからの表示内容を表示する。また、表示制御部32は、通信部2で新しい表示内容が受信されると、メモリ31に記憶されている表示内容を上記新しい表示内容に更新する更新機能を有している。
【0022】
太陽電池4は、色素増感太陽電池であり、光エネルギーを電気エネルギーに変換することによって、通信部2及び表示機能部3を駆動するための駆動電力を生成し、通信部2及び表示機能部3に供給する。
【0023】
続いて、太陽電池4の構成について説明する。太陽電池4は、図3に示すように、それぞれガラスやフィルムで形成された1対の基板40,41と、フッ素をドープした酸化錫などであって基板40に被着された第1の電極42と、フッ素をドープした酸化錫などであって基板41に被着された第2の電極43と、増感色素が担持されて第1の電極42上に被着される半導体層44と、基板40と基板41の間に設けられた電荷輸送層45と、電荷輸送層45を密封する封止材46とを備えている。
【0024】
第1の電極42及び第2の電極43は、光透過率が高い程よく、好ましい光透過率は50%以上であり、より好ましい光透過率は80%以上である。
【0025】
半導体層44は、TiOの微粒子で構成された多孔質膜である。半導体層44としてTiOが用いられた場合、他の材料が用いられたときに比べて、電荷輸送層45を形成する電解液中への光溶解を回避することができるともに高い光電変換特性を得ることができる。半導体層44に担持させる増感色素としては、ルテニウム錯体(Ru錯体)が好ましい。半導体層44に増感色素を担持させる方法としては、例えば、金属錯体色素を溶かした溶液に、半導体層44を被着させた第1の電極42を備えた基板40を浸漬させる方法などがある。
【0026】
電荷輸送層45には、酸化体と還元体からなる1対の酸化還元系構成物質である電解質が用いられている。酸化還元系構成物質としては、ヨウ素化合物−ヨウ素が好ましい。また、電解質を溶解するために使用される溶媒としては、γ―ブチロラクトン、ポリエチレングリコール、メトキシプロピオニトリルなどが好ましい。
【0027】
続いて、太陽電池4の発電原理について説明する。まず、太陽電池4に基板40側(図3の上側)から入射した光は、基板40及び第1の電極42を通り、半導体層44に固定された増感色素により吸収される。光を吸収した増感色素では励起電子が発生し、上記励起電子は半導体層44に移動し、半導体粒子間を伝って第1の電極42に達する。さらに、電子は導線等(図示せず)を通り第1の電極42から第2の電極43へ移動する。励起電子を失った増感色素は、電荷輸送層45に含まれる還元体Iから電子を受け取り基底状態の増感色素に戻る。酸化された電解質I3−は第2の電極43から電子を受け取り還元体Iへ戻る。
【0028】
図2に示す蓄電池5は、例えばキャパシタなどであり、太陽電池4で生成された電力のうち、通信部2及び表示機能部3の駆動電力を除く残りの電力を蓄える。電力を蓄えた蓄電池5は、例えば夜間など光のない環境において、太陽電池4に代わって、通信部2及び表示機能部3に駆動電力を供給する。これにより、光の少ない環境においても、通信部2及び表示機能部3に駆動電力を安定に供給することができる。つまり、太陽電池4と蓄電池5との組み合わせによって、昼に発電した電力を夜間に活用するシステムを構築することができる。
【0029】
本実施形態の表示デバイス1は、図1に示すように、表示機能部3の表示画面30による表示が視認可能な視認側から表示画面30、通信部2、太陽電池4の順に積層されて設けられている。表示画面30は、上記視認側となる表面側に配置されているのに対し、太陽電池4は、上記視認側とは反対面である裏面側に配置されている。
【0030】
表示デバイス1の厚みは、携帯性を考慮すると10mm以下であることが好ましい。また、携帯時に財布やカードケースなどに収納される場合や衣服の取り付ける場合を考慮すると、表示デバイス1の厚みは5mm以下であることがより好ましい。さらに、クレジットカードと同じ形状にする場合やネームプレートして用いる場合を考慮すると、表示デバイス1の厚みは2mm以下であることが好ましい。
【0031】
次に、本実施形態に係る表示デバイス1の動作について説明する。まず、通信部2が外部機器Aとの間で通信を行い、外部機器Aから表示内容を受信する。続いて、表示機能部3において、表示制御部32は、通信部2で受信された表示内容(図1の「abcde」)を表示画面30に表示させる。その後、通信部2が外部機器Aから新しい表示内容を受信すると、表示制御部32は、これまでの表示内容を新しい表示内容に更新して表示画面30に表示させる。上記の動作によって、表示内容をユーザに知らせることができる。
【0032】
上記の動作とは別に、太陽電池4は、裏面側からの光による光電変換を行い、通信部2及び表示機能部3に駆動電力を供給する。駆動電力以外の電力は蓄電池5に蓄えられる。
【0033】
なお、本実施形態の表示デバイス1を窓ガラスの内側に取り付ける際、太陽電池4が配置されている裏面側を窓ガラス側にし、表示画面30が配置されている表面側を室内側にするのが好ましい。
【0034】
以上、本実施形態によれば、表示機能部3の表示画面30と太陽電池4とが積層して設けられていることによって、限られた占有面積内で表示画面30と太陽電池4の各面積を両方とも拡大することができる。その結果、表示画面30に一度に表示される表示内容の情報量を増やすことができる。
【0035】
また、本実施形態によれば、表示機能部3のメモリ31が表示内容を保持することによって、同じ表示内容を表示する度に外部機器Aとの間で通信を行う必要がなく、通信後も継続して表示することができるとともに、新しい表示内容を受信したときは、現在保持している表示内容を新しい表示内容に更新することができる。
【0036】
(実施形態2)
実施形態2に係る表示デバイス1は、図4に示すように、後述の拡散透過層6を備え、光入射側から表示画面30、拡散透過層6、太陽電池4、通信部2の順に積層されて設けられている点で、実施形態1に係る表示デバイス1(図1参照)と相違する。表示画面30は透光性を有している。なお、実施形態1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0037】
拡散透過層6は、例えば乳白色パネルであり、入射光の一部を拡散し残部を透過するものである。つまり、拡散透過層6は、表示画面30からの光の一部を拡散させるとともに、表示画面30からの光の残部を透過させて太陽電池4に出射する。
【0038】
次に、本実施形態に係る表示デバイス1の動作について説明する。まず、視認側(表面側)から表示デバイス1に入射した光は、透光性を有する表示画面30を通って拡散透過層6に到達する。拡散透過層6に到達した光の一部は拡散透過層6で拡散する。一方、拡散透過層6に到達した光の残部は、拡散透過層6を透過して太陽電池4に出射される。太陽電池4は、拡散透過層6で透過された光による光エネルギーを電気エネルギーに変換し、電力を生成する。
【0039】
以上、本実施形態によれば、表示画面30を透過した光の一部が拡散透過層6で拡散することによって、表示画面30による表示の視認性を向上させることができるとともに、表示画面30を透過した光の残りが拡散透過層6を透過して太陽電池4に到達することによって、太陽電池4が光電変換を行い、電力を生成することができるので、一方向からの入射光のみで表示画面30による表示と太陽電池4の電力生成との両方を行うことができる。
【0040】
(実施形態3)
実施形態3に係る表示デバイス1は、図5に示すように、後述の白色板7を備え、光入射側から太陽電池4、表示画面30、白色板7、通信部2の順に積層されて設けられている点で、実施形態1に係る表示デバイス1(図1参照)と相違する。表示画面30は透光性を有している。太陽電池4は、少なくとも可視光領域の光に対して透光性を有している。なお、実施形態1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0041】
白色板7は、視認側から入射され太陽電池4及び表示画面30を透過した光を表示画面30側に反射する。白色板7は、表示画面30の背景色を決定するものとして機能し、表示画面30の表示部分300の視認性を向上させる。白色板7は、本発明の背景層及び反射層に相当する。
【0042】
ここで、視認性を表わすものの1つに、表示画面30の表示部分300と背景層(白色板7)とのコントラスト値がある。上記コントラスト値は、コントラスト値={(表示部分300の輝度(cd/m)−背景層の輝度(cd/m))}/表示部分300の輝度(cd/m)の数式で求められる。上記数式で求められたコントラスト値は0.1以上であることが好ましい。
【0043】
次に、本実施形態に係る表示デバイス1の動作について説明する。まず、視認側(表面側)から表示デバイス1に入射した光は、太陽電池4に到達する。太陽電池4は、入射光の一部による光エネルギーを電気エネルギーに変換し、電力を生成する。入射光の残部は、太陽電池4を透過し、さらに表示画面30を透過して白色板7に到達する。白色板7に到達した光は、白色板7で反射し、表示画面30を介して太陽電池4に到達する。太陽電池4は、裏面側からの光による光エネルギーを電気エネルギーに変換し、電力を生成する。
【0044】
以上、本実施形態によれば、太陽電池4が光入射側の表面に設けられていることによって、太陽電池4が光を受けやすくなる。また、太陽電池4及び表示画面30を透過した光を白色板7で反射させて再び太陽電池4に入射させることができるので、太陽電池4において入射光による光電変換だけではなく、反射光による光電変換も行うことができる。上記より、本実施形態によれば、太陽電池4による発電量を向上させることができる。
【0045】
また、本実施形態によれば、表示画面30における表示部分300の視認性を向上させることができるので、表示画面30による表示を遠くからでも認識しやすくすることができる。
【0046】
なお、実施形態3の表示デバイス1では、背景層として白色板7が用いられているが、板状のものに限定されるものではなく、白色塗料を塗布したものであってもよい。
【0047】
また、実施形態3の表示デバイス1において、背景層は、白色のものに限定されるのではなく、表示画面30の表示部分300と背景層とのコントラスト値が大きくなるものであってもよい。
【0048】
(実施形態4)
実施形態4に係る表示デバイス1は、白色板7に代えて、表示画面30における表示部分300と背景層とが補色の関係を有する色の組み合わせとなる背景層(図示せず)を備えている点で、実施形態3に係る表示デバイス1と相違する。なお、実施形態3と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0049】
本実施形態における表示部分300と背景層との色の組み合わせは、例えば、赤色と水色の組み合わせ、黄色と青色の組み合わせなど、色相環で正反対に位置する関係の色を選択すればよい。
【0050】
本実施形態においても、実施形態3と同様に、表示内容30における表示部分300の視認性を向上させることができるので、表示画面30による表示を遠くからでも認識しやすくすることができる。
【0051】
なお、実施形態4の表示デバイス1では、表示部分300と背景層との色の組み合わせとして、補色の関係を有する色の組み合わせを用いているが、上記補色の関係を有する色の組み合わせに限定されるものではなく、上記表示デバイス1の変形例として、色相環で完全に正反対に位置していない色の組み合わせであってもよい。
【0052】
(実施形態5)
実施形態5に係る表示デバイス1は、白色板7に代えて、適当な凹凸が形成された金属性の反射板を背景層として備えている点で、実施形態3に係る表示デバイス1と相違する。なお、実施形態3と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0053】
本実施形態では、入射光は、太陽電池4及び表示画面30を透過して反射板に到達する。反射板に到達した光は、回帰反射を行って、反射前の光の方向に戻っていく。つまり、本実施形態の反射板は、回帰反射を行うように、凹凸が形成されたものである。
【0054】
本実施形態よれば、回帰反射を行うように凹凸が形成された反射板を背景層として備えていることによって、表示画面30を明るくすることができ、表示画面30における表示部分300の視認性を向上させることができるので、表示画面30による表示を遠くからでも認識しやすくすることができる。
【0055】
(実施形態6)
実施形態6に係る表示デバイス1は、表示画面30が表示内容を継続して表示することによって表示内容を保持する点で、実施形態1に係る表示デバイス1(図2参照)と相違する。上記より、本実施形態の表示機能部3は、図6に示すように、メモリ31(図2参照)を備えていない。なお、実施形態1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0056】
図6に示す表示画面30は、電子ペーパーであり、電力供給が停止されて後も、表示内容を表示し続ける。
【0057】
以上、本実施形態によれば、実施形態1と同様に、表示機能部3の表示画面30が表示内容を保持することによって、同じ表示内容を表示する度に外部機器Aとの間で通信を行う必要がなく、通信後も継続して表示することができる。
【0058】
また、本実施形態によれば、電力供給が停止された後も、表示画面30である電子ペーパーが表示内容を継続して表示することができるので、低消費電力化を図ることができる。
【0059】
なお、実施形態5の表示デバイス1では、表示画面30として電子ペーパーを用いているが、上記表示デバイス1の変形例として、例えばコレステリック液晶などを用いたメモリ性液晶パネルを表示画面30に用いてもよい。変形例の構成では、表示画面30であるメモリ性液晶パネルが、電力供給が停止されて後も、表示内容を継続して表示することによって表示内容を保持する。
【0060】
(実施形態7)
実施形態7では、図7に示すように、実施形態1〜6の表示デバイス1(図1など参照)を名札として用いた名札用表示デバイス8について説明する。
【0061】
図7に示す名札用表示デバイス8は、表示デバイス1を透明ケース80に収納した構成である。透明ケース80の上部には紐81が取り付けられており、名札用表示デバイス8を首からぶらさげられるようになっている。
【0062】
本実施形態の表示画面30の表示内容は、例えば所持者の「名前」や「所属」などである。本実施形態の表示デバイス1は、所持者や所属が変わると、新しい表示内容を外部機器Aから受信し、受信した表示内容を表示画面30に表示する。
【0063】
以上、本実施形態によれば、所持者や所属が変わるごとに、新しい表示内容に簡単に変更することができるので、従来のように紙に名前を記載する名札の場合に比べて、利便性が高い。特に、本実施形態の名札用表示デバイス8を来客用の名札として用いた場合、表示内容である「名前」を来客に応じて簡単に変更することができ、より利便性が高い。
【0064】
なお、実施形態6の名札用表示デバイス8は、首からぶらさげるタイプのものであるが、上記名札用表示デバイス8の変形例として、バッジタイプのように衣服に取り付けるものであってもよいし、腕章や肩章、タグなどであってもよい。
【0065】
(実施形態8)
実施形態8では、実施形態1〜6の表示デバイス1(図1など参照)を、電車やバスなどの車内広告(吊り広告など)として用いた車内広告用表示デバイスについて説明する。
【0066】
従来の車内広告は、紙によるものが一般的であるため、ランニングコストはかからないものの、交換をしない限り、同じ表示内容である。したがって、電車やバスの行き先によっては、無関係の車内広告が取り付けられていることになる。また、1日の中でも、時間帯によって乗客層が異なるが、時間単位での交換はされないので、同じ内容の車内広告が取り付けられたままである。
【0067】
そこで、表示デバイス1を車内広告用表示デバイスとして用いると、広告等の内容を簡単に変更することができる。本実施形態の表示画面30(図1など参照)の表示内容は、車内広告の内容である。ユーザが車内広告の内容を変えたい場合、本実施形態の表示デバイス1は、新しい表示内容を外部機器Aから受信し、受信した表示内容を表示画面30に表示する。
【0068】
また、太陽電池4(図1など参照)を表示画面30と積層することによって、太陽電池4の面積を拡大しているので、太陽電池4は、車内灯の明るさでも十分に発電することができ、その結果、ランニングコストがほとんどかからない。
【0069】
以上、本実施形態によれば、従来の車内広告に比べて、ランニングコストを低価にしたまま、表示内容を簡単に変更することができる。
【0070】
(実施形態9)
実施形態9では、実施形態1〜6の表示デバイス1(図1など参照)を、店頭での販売促進用の広告、ポスター、案内板(以下「広告等」という。)として用いた店頭用表示デバイスについて説明する。
【0071】
従来、店頭での広告等は、紙や電光掲示板などで行われているが、紙による広告等は、交換しない限り、同じ表示内容であり、電光掲示板による広告等は、ランニングコストがかかっていた。
【0072】
そこで、表示デバイス1を店頭用表示デバイスとして用いると、広告等の内容を簡単に変更することができる。本実施形態の表示画面30(図1など参照)の表示内容は、広告やポスター、案内板などの内容である。ユーザが広告等の内容を変えたい場合、本実施形態の表示デバイス1は、新しい表示内容を外部機器Aから受信し、受信した表示内容を表示画面30に表示する。
【0073】
また、太陽電池4(図1など参照)を表示画面30と積層することによって、太陽電池4の面積を拡大しているので、太陽電池4は、店内照明の明るさでも十分に発電することができ、その結果、ランニングコストがほとんどかからない。
【0074】
以上、本実施形態によれば、従来の紙や電光掲示板に比べて、ランニングコストを低価にしたまま、表示内容を簡単に変更することができる。
【0075】
(実施形態10)
実施形態10では、実施形態1〜6の表示デバイス1(図1など参照)を、例えば美術館や博物館などで展示物を説明するための説明用端末装置として用いた場合について説明する。
【0076】
従来、展示物の説明は、展示物の周辺の壁面などに設置された説明用パネルによって行われていた。しかし、このような説明では、入館者は、説明用パネルの前に行かなければならなかった。特に、入館者が多数の場合、説明用パネルの前に行って、説明パネルに記載の説明を読むことが困難であった。
【0077】
そこで、表示デバイス1を説明用端末装置として用いると、上記の問題を解決することができる。まず、入館者は、入館時に表示デバイス1が渡される。一方、展示物ごとに、展示物の説明に関する表示内容を送信する外部機器A(図2など参照)が例えば展示物の上方などに設置されている。入館者が館内を動き、ある展示物の近くに行くと、入館者が所持している表示デバイス1は、展示物の説明に関する表示内容を外部機器Aから受信し、受信した表示内容(展示物の説明)を表示画面30に表示する。また、入館者が別の展示物の近くに行くと、表示デバイス1は、別の展示物の説明に関する表示内容を外部機器Aから受信し、受信した表示内容(別の展示物の説明)を表示画面30に表示する。
【0078】
以上、本実施形態によれば、展示物の説明を説明用パネルによって行う場合に比べて、入館者が上記展示物の説明を容易に読むことができる。
【0079】
なお、実施形態1〜10の表示デバイス1では、通信部2は太陽電池4又は蓄電池5からのみ駆動電力が供給されているが、上記表示デバイス1の変形例として、通信部2の駆動電力は、太陽電池4や蓄電池5に代えて又は太陽電池4や蓄電池5とともに、外部機器Aから供給されてもよい。上記変形例の場合、通信部2は、外部機器Aから表示内容を受信するときに電力供給される。
【0080】
また、実施形態1〜10の表示デバイス1では、蓄電池5を備えているが、上記表示デバイス1の変形例として、蓄電池5に代えて又は蓄電池5とともに、一次電池を内蔵して備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】実施形態1に係る表示デバイスの外観斜視図である。
【図2】同上に係る表示デバイスの構成を示すブロック図である。
【図3】同上に係る太陽電池の断面図である。
【図4】実施形態2に係る表示デバイスであって、(a)が外観斜視図、(b)が分解斜視図である。
【図5】実施形態3に係る表示デバイスの分解斜視図である。
【図6】実施形態5に係る表示デバイスの構成を示すブロック図である。
【図7】実施形態7に係る名札用表示デバイスの正面図である。
【符号の説明】
【0082】
1 表示デバイス
2 通信部
3 表示機能部
30 表示画面
300 表示部分
31 メモリ
32 表示制御部
4 太陽電池
6 拡散透過層
7 白色板(背景層、反射層)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器との間で通信を行い通信時に応じて内容が可変する可変情報を受信する通信部と、
表示画面を有し前記通信部で受信された可変情報に応じた表示を当該表示画面に行う表示機能部と、
少なくとも前記表示機能部を駆動するための駆動電力を当該表示機能部に供給する太陽電池とを備え、
前記表示画面と前記太陽電池とが積層されて設けられていることを特徴とする
ことを特徴とする表示デバイス。
【請求項2】
入射光の一部を拡散し残部を透過する拡散透過層を備え、
前記表示画面は透光性を有し、
光入射側から前記表示画面、前記拡散透過層、前記太陽電池の順に積層されて設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の表示デバイス。
【請求項3】
前記太陽電池は、少なくとも可視光領域の光に対して透光性を有し、
光入射側から前記太陽電池、前記表示画面の順に積層されて設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の表示デバイス。
【請求項4】
前記表示画面による表示の視認性を向上させる背景板を備え、
前記表示画面は透光性を有し、
光入射側から前記太陽電池、前記表示画面、前記背景板の順に積層されて設けられている
ことを特徴とする請求項3記載の表示デバイス。
【請求項5】
入射光を反射する反射層を備え、
前記表示画面は透光性を有し、
光入射側から前記太陽電池、前記表示画面、前記反射層の順に積層されて設けられている
ことを特徴とする請求項3記載の表示デバイス。
【請求項6】
前記表示機能部は、前記可変情報を保持する保持機能と、前記通信部で新しい可変情報が受信されると保持している可変情報を当該新しい可変情報に更新する更新機能とを備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の表示デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−67006(P2010−67006A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−232679(P2008−232679)
【出願日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】