説明

表示処理装置、画像形成システム、及びプログラム

【課題】有色画像を遮蔽することなく、透明現像剤を用いて形成する領域を反映させたプレビュー表示をする。
【解決手段】有色画像を描画領域毎に示す第1有色版画像データ、及び記録媒体に付与する光沢効果の種類及び光沢効果を与える光沢領域を描画領域毎に示す第1光沢制御版画像データを含む原稿データに基づいて、第1有色版画像データにおける、第1光沢制御版画像データによって特定される光沢領域に対応する領域の彩度を、光沢領域の種類に応じて補正し、第1補正画像データを生成する第1補正手段と、第1補正画像データを、原稿データの印刷結果を推定したプレビュー画像として表示部に表示する表示制御手段と、を備えた表示処理装置。表示処理部によれば、第2有色版画像データにおける、第2光沢制御版画像データによって光沢領域として特定される画素位置の画素の彩度を、光沢領域の光沢効果の種類に応じて補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示処理装置、画像形成システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CMYKの4色のトナーの他に、透明な現像剤を用いて画像を印刷する画像形成装置が存在する。透明な現像剤を用いることにより、記録媒体の面において視覚的な効果や触覚的な効果(光沢効果という)が実現される。また、透明な現像剤を用いて画像を形成することにより、改竄防止や偽造防止等に用いる透明な画像を形成することができる。このような画像形成装置において、印刷前に、印刷結果を推定した画像を表示する、所謂、プレビュー表示を行う技術が知られている。例えば特許文献1には、透明トナーで印刷される画像部分をプレビュー表示する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、透明トナーで印刷される画像の色を所定の色に着色し、この着色後の着色画像を有色画像に重ね合せてプレビュー表示を行っている。このため、プレビュー表示された表示画像では、有色画像における該着色画像の重なった領域の色や模様等が、該有色画像によって隠れるという問題があった。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、有色画像を遮蔽することなく、透明現像剤を用いて形成する領域を反映させたプレビュー表示することができる、表示処理装置、画像形成システム、及びプログラムを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の表示処理装置は、第1補正手段と、表示制御手段と、を備える。第1補正手段は、有色画像を描画領域毎に示す第1有色版画像データ、及び記録媒体に付与する光沢効果の種類及び該光沢効果を与える光沢領域を描画領域毎に示す第1光沢制御版画像データを含む原稿データに基づいて、前記第1有色版画像データにおける、前記第1光沢制御版画像データによって特定される該光沢領域に対応する領域の彩度を、該光沢領域の種類に応じて補正し、第1補正画像データを生成する。表示制御手段は、前記第1補正画像データを、前記原稿データの印刷結果を推定したプレビュー画像として表示部に表示する。
【0006】
また、本発明の画像形成システムは、原稿データに基づいて記録媒体に画像を形成する印刷手段と、前記印刷手段が実行する印刷の結果を推定したプレビュー画像を示す表示画像を表示部に表示する表示処理装置と、を備えた画像形成システムである。前記表示処理装置は、第1補正手段と、表示制御手段と、を備える。第1補正手段は、有色画像を描画領域毎に示す第1有色版画像データ、及び記録媒体に付与する光沢効果の種類及び該光沢効果を与える光沢領域を描画領域毎に示す第1光沢制御版画像データを含む原稿データに基づいて、前記第1有色版画像データにおける、前記第1光沢制御版画像データによって特定される該光沢領域に対応する領域の彩度を、該光沢領域の種類に応じて補正し、第1補正画像データを生成する。表示制御手段は、前記第1補正画像データを、前記原稿データの印刷結果を推定したプレビュー画像として表示部に表示する。
【0007】
また、本発明のプログラムは、コンピュータに、有色画像を描画領域毎に示す第1有色版画像データ、及び記録媒体に付与する光沢効果の種類及び該光沢効果を与える光沢領域を描画領域毎に示す第1光沢制御版画像データを含む原稿データに基づいて、前記第1有色版画像データにおける、前記第1光沢制御版画像データによって特定される該光沢領域に対応する領域の彩度を、該光沢領域の種類に応じて補正し、第1補正画像データを生成するステップと、前記第1補正画像データを、前記原稿データの印刷結果を推定したプレビュー画像として表示部に表示するステップと、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、有色画像を遮蔽することなく、透明現像剤を用いて形成する領域を反映させたプレビュー表示することができる、表示処理装置、画像形成システム、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施形態の画像形成システムの概略構成例を示すブロック図である。
【図2】図2は、実施形態のホスト装置を示す機能ブロック図である。
【図3】図3は、第1有色版画像データの一例を示す図である。
【図4】図4は、表面効果の種類を例示する図である。
【図5】図5は、第1光沢制御版画像データの一例を示す図である。
【図6】図6は、第1クリア版画像データの一例を示す図である。
【図7】図7は、原稿データ生成部を示す機能ブロック図である。
【図8】図8は、表示される画面例を示す図である。
【図9】図9は、表示される画面例を示す図である。
【図10】図10は、濃度値選択テーブルの一例を示す図である。
【図11】図11は、原稿データの構成の一例を示す模式図である。
【図12A】図12Aは、第1テーブルの一例を示す図である。
【図12B】図12Bは、第2テーブルの一例を示す図である。
【図13】図13は、入力画面の一例を示す模式図である。
【図14】図14は、透明画像の詳細設定を行うときに表示する入力画面の一例を示す模式図であり、(A)は、表現方法が自動である場合の入力画面の一例を示す図であり、(B)は、表現方法が手動である場合の入力画面の一例を示す図である。
【図15】図15は、実施形態で用いるテーブルの一例を示す図であり、(A)は、第3テーブルを示す図であり、(B)は、透明画像管理テーブルの一例を示す図である。
【図16】図16は、光沢効果の詳細設定を行うときに表示する入力画面の一例を示す模式図であり、(A)は、表現方法が自動である場合の入力画面の一例を示す図であり、(B)は、表現方法が手動である場合の入力画面の一例を示す図である。
【図17】図17は、光沢効果名に対応する、光沢制御版の濃度値の一例を示すテーブルである。
【図18】図18は、光沢制御管理テーブルの一例を示す図である。
【図19】図19は、光沢強調領域の詳細設定を行うときに表示する入力画面の一例を示す模式図であり、(A)は、表現方法が自動である場合の入力画面の一例を示す図であり、(B)は、表現方法が手動である場合の入力画面の一例を示す図である。
【図20】図20は、光沢強調管理テーブルの一例を示す図である。
【図21】図21は、表示処理部における画像表示処理の手順を示すシーケンス図である。
【図22】図22は、画像表示処理の手順を示すフローチャートである。
【図23】図23は、分類処理を示すフローチャートである。
【図24】図24は、第1補正画像生成処理を示すフローチャートである。
【図25】図25は、第2補正画像生成処理を示すフローチャートである。
【図26】図26は、実施形態のDFEの構成例を示すブロック図である。
【図27】図27は、光沢の有無に関する光沢効果の種類を例示する図である。
【図28】図28は、印刷装置を示す概略図である。
【図29】図29は、画像形成システムの構成を例示する図である。
【図30】図30は、サーバ装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図31】図31は、ホスト装置を示す機能ブロック図である。
【図32】図32は、ホスト装置の表示処理部で実行する画像表示処理の手順を示すフローチャートである。
【図33】図33は、サーバ装置で実行する画像処理の手順を示すフローチャートである。
【図34】図34は、ホスト装置、DFE、及びサーバ装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態1)
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る表示処理装置、画像形成システム、及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係る画像形成システム100の概略構成例を示すブロック図である。図1に示すように、画像形成システム100は、ホスト装置11、プリンタ制御装置(DFE:Digital Front End)(以下、DFEと称する)30、インタフェースコントローラ(MIC:Mechanism I/F Controller)(以下、MICと称する場合がある)40、及び印刷装置60を備える。これらの、ホスト装置11、DFE30、MIC40、及び印刷装置60は、互いにデータ授受可能に有線または無線の通信回線を介して接続されている。
【0012】
ホスト装置11は、例えば、PC(Personal Computer)等で構成され、原稿データ生成部10、印刷データ生成部20、及び表示処理部15等の機能部を含む。なお、本実施の形態では、ホスト装置11は、原稿データ生成部10、印刷データ生成部20、及び表示処理部15の各機能部を含む構成であるとして説明するが、これらの原稿データ生成部10、印刷データ生成部20、及び表示処理部15の各機能部は、別体として構成(例えば、別のパーソナルコンピュータに搭載)されていてもよく、1つの装置に一体的に設けられた構成に限られない。
【0013】
また、ホスト装置11は、インターネット等の通信回線に接続され、通信回線を介してDFE30にデータ授受可能に接続された構成であってもよい。
【0014】
図2には、ホスト装置11の具体的な構成の一例を示した。
【0015】
図2に示すように、ホスト装置11は、入力部99A、操作部99B、出力部99C、表示部99D、及び制御部100を備える。
【0016】
入力部99Aは、パーソナルコンピュータ等の外部装置から、後述する第1有色版画像データを受け付ける。操作部99Bは、各種操作指示を行うときにユーザによって操作される入力デバイスである。操作部99Bとしては、例えば、ボタン、リモコン受信部、および、ICカードなどから情報を読取るカードリーダなどが挙げられる。なお、操作部99Bがキーボードを備えるように構成してもよい。
【0017】
出力部99Cは、DFE30との間で通信を行うためのインタフェース装置である。表示部99Dは、各種情報を表示する表示デバイスであり、公知の表示デバイスを用いる。
【0018】
制御部100は、ホスト装置11全体を制御する手段であり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)などを含んで構成されるコンピュータである。
【0019】
本実施の形態では、図2に示すように、ホスト装置11は、制御部100の有する機能部として、上記原稿データ生成部10、印刷データ生成部20、及び表示処理部15等を有する。これらの機能部、及び各機能部に含まれる各機能は、制御部100のCPUがROM等に格納された各種プログラムをRAM上に展開して実行することにより実現される。また、これらの機能のうちの少なくとも一部を個別の回路(ハードウェア)で実現することも可能である。
【0020】
原稿データ生成部10は、第1有色版画像データ(詳細後述)を受け付ける。そして、この第1有色版画像データに、光沢効果の与えられる光沢領域及び光沢効果の種類や、透明画像及び透明画像を形成する領域を示す、特色版の情報(後述する、第1光沢制御版画像データ、及び第1クリア版画像データ)を付加した原稿データを生成し、印刷データ生成部20及び表示処理部15へ出力する。なお、原稿データ生成部10では、この第1有色版画像データを作成してもよい。
【0021】
印刷データ生成部20は、原稿データに基づいて印刷データ(詳細後述)を生成する。表示処理部15は、原稿データに基づいて、原稿データの印刷結果を推定したプレビュー画像を生成する(詳細後述)。
【0022】
原稿データとは、具体的には、第1有色版画像データ、第1光沢制御版画像データ、及び第1クリア版画像データを含む画像データである。
【0023】
第1有色版画像データ、第1クリア版画像データ、及び第1光沢制御版画像データは、例えば、PDF形式(Portable Document Format)で頁単位で生成される。そして、これらの第1クリア版画像データ、第1光沢制御版画像データ、及び第1有色版画像データを統合して、原稿データが生成される。なお、第1クリア版画像データ、第1光沢制御版画像データ、及び第1有色版画像データのデータ形式は、PDFに限定されるものではなく、任意の形式を用いることができる。
【0024】
各第1クリア版画像データ、第1光沢制御版画像データ、及び第1有色版画像データにおいて、これらの画像データによって特定される後述する各描画領域は、例えば、ベクター形式で表現されている。
【0025】
詳細には、第1有色版画像データは、有色現像剤を用いて印刷する有色画像を描画領域毎に示す画像データである。
【0026】
具体的には、第1有色版画像データとは、描画領域毎にRGBやCMYK等の有色の濃度値を規定した画像データである。図3は、第1有色版画像データの一例を示す説明図である。図3において、「A」、「B」、「C」等の描画領域ごとにユーザが指定した色に対応する濃度値が付与される。各描画領域の濃度値は、例えば、0〜100%の濃度値で示される(「0」〜「255」等で表してもよい)。
【0027】
有色現像剤としては、CMYK等の各色材を含む液体やトナー等が挙げられる。本実施の形態では、例えば、有色現像剤として、CMYKの各々の色材を含む有色トナーを用いる場合を説明する。
【0028】
第1光沢制御版画像データは、光沢効果の種類及び該光沢効果を与える光沢領域を描画領域毎に示す画像データである。光沢効果とは、記録媒体に付与する視覚的または触覚的な効果である。この光沢領域は、透明現像剤を記録媒体に付与することによって実現する。
【0029】
透明現像剤とは、色材を含まない無色透明な現像剤である。なお、透明及び無色とは、可視光線の透過率が70%以上であることを示す。本実施の形態では、透明現像剤として、透明なトナー(以下、クリアトナーと称する)を用いる場合を説明する。
【0030】
なお、クリアトナーとは、色材を含まないトナーであり、透明なトナーである。なお、透明及び無色とは、透過率が70%以上であることを示す。
【0031】
光沢効果の種類としては、図4に例示されるように、大別して4種類あり、光沢の度合(光沢度)の高い順に、例えば、超高光沢、高光沢、低光沢、及びつや消し、の4種類である場合を説明するが、更に細かな種類を設定してもよい。
【0032】
第1光沢制御版画像データでは、第1有色版画像データと同様に、各光沢領域(描画領域)の濃度値は、例えば、0〜100%の濃度値(「0」〜「255」等で表してもよい)で示される。この濃度値に、光沢効果の種類が対応づけられる。図4中において、超高光沢はその光沢度Gsが80以上、高光沢は一次色あるいは二次色のなすベタ光沢度、低光沢は一次色、かつ網点30%の光沢度、つや消しは光沢度10以下を表している。また、光沢度の偏差をΔGsで表し、10以下とした。このような光沢効果の各種類に対して、光沢を与える度合いが高い光沢効果に高い濃度値が対応付けられ、光沢を抑える光沢効果に低い濃度値が対応付けられる。
【0033】
なお、有色画像のどの領域に光沢効果を与えるのかやその領域にどの種類の光沢効果を与えるのかについては、ユーザにより指定される。ホスト装置11の原稿データ生成部10では、ユーザにより指定された各描画領域について、ユーザが指定した光沢効果に対応する濃度値をセットすることにより、第1光沢制御版画像データを生成する。濃度値と光沢効果の種類との対応関係については後述する。
【0034】
図5は、第1光沢制御版画像データの一例を示す説明図である。図5の第1光沢制御版画像データの例では、ユーザにより、描画領域「ABC」に光沢効果「超高光沢」が付与され、描画領域「(長方形の図形)」に光沢効果「高光沢」が付与され、描画領域「(円形の図形)」に光沢効果「低光沢」が付与された例を示している。なお、各光沢効果に設定された濃度値は、後述の濃度値選択テーブルで、光沢効果の種類に対応して定められた濃度値である。
【0035】
第1クリア版画像データは、クリアトナー(透明現像剤)を用いて印刷する透明画像を描画領域毎に示す画像データである。なお、透明画像とは、光沢効果の与えられる光沢領域以外の領域における、クリアトナーを用いて形成される描画領域を示す。この透明画像としては、たとえば、ウォーターマーク等があげられる。
【0036】
図6は、第1クリア版画像データの一例を示す説明図である。図6の例では、ユーザにより、透明画像としてのウォーターマーク「Sale」が指定されている。
【0037】
このように、第1クリア版画像データ、及び第1光沢制御版画像データは、ホスト装置11の原稿データ生成部10において、第1有色版画像データとは別のプレーンで生成される。
【0038】
図7には、原稿データ生成部10の機能ブロック図を示した。
【0039】
原稿データ生成部10は入力制御部124と、画像処理部120と、表示制御部121と、版データ生成部122と、記憶部123と、を主に備えている。
【0040】
入力制御部124は、入力部99A(図2参照)からの各種入力を受け付けて入力を制御する。例えばユーザは、入力部99Aを操作することにより、記憶部123に記憶された各種画像(例えば写真、文字、図形、これらを合成した画像等)のうち光沢効果を与えるべき画像、すなわち第1有色版画像データ(以下、「対象画像」と呼ぶ場合もある。)を指定する画像指定情報を入力することができる。なお、これに限らず、画像指定情報の入力方法は任意である。
【0041】
表示制御部121は、表示部99D(図2参照)に対する各種情報の表示を制御する。本実施の形態では、表示制御部121は、入力制御部124で画像指定情報を受け付けた場合、その画像指定情報で指定された画像を記憶部123から読み出し、その読み出した画像を画面上に表示するように表示部99Dを制御する。
【0042】
ユーザは、表示部99Dに表示された対象画像を確認しながら、入力部99Aを操作することにより、光沢効果を与える光沢領域および当該光沢効果の種類を指定する指定情報を入力することができる。なお、指定情報の入力方法は、これに限られるものではなく、任意である。
【0043】
より具体的には、表示制御部121は、例えば、図8に例示される画面を表示部99Dに表示させる。この図8は、Adobe System(R)社が販売しているIllustratorにプラグインを組み込んだ場合に表示される画面の例である。図8に示される画面では、処理対象である対象画像データ(第1有色版画像データ)によって表される画像が表示され、ユーザが入力部99Aを介してマーカ追加ボタンを押下して、光沢効果を与えたい光沢領域を指定する操作入力を行うことで、光沢効果を与える光沢領域が指定される。ユーザは光沢効果を与える全ての光沢領域に対してこのような操作入力を行うことになる。そして、表示制御部121は、例えば、指定された光沢領域(描画領域)毎に、図9に例示される画面を表示部99Dに表示させる。図9に示される画面では、光沢効果を与えるものとして指定された各光沢領域(描画領域)において当該光沢領域の描画領域を示す画像が表され、当該画像(描画領域)に対して与えたい光沢効果の種類を指定する操作入力を入力部99Aを介して行うことで、当該領域に対して与える光沢効果の種類が指定される。
【0044】
図7に戻り、画像処理部120は、対象画像に対して、ユーザからの入力部99A(図2参照)を介した指示に基づいて、各種画像処理を行う。
【0045】
版データ生成部122は、入力制御部124で指定情報(光沢効果を与える光沢領域および当該光沢効果の種類)を受け付けた場合、当該指定情報に基づいて、第1光沢制御版画像データを生成する。また、版データ生成部122は、入力制御部124で、透明画像の指定を受け付けた場合、当該ユーザからの指定に従って、第1クリア版データを生成する。
【0046】
ここで、記憶部123には、光沢効果の種類と、当該光沢効果の種類に対応する濃度値とを記憶する濃度値選択テーブルが格納される。図10は、濃度値選択テーブルの一例を示す図である。図10の例では、「超高光沢」に対応する濃度値は「94%〜98%」であり、「高光沢」に対応する濃度値は「84%〜90%」であり、「低光沢」に対応する濃度値は「10%〜16%」であり、「つや消し」に対応する濃度値は「0%〜6%」である。なお、光沢効果の種類は、更に細分化して設定可能としてもよい。
【0047】
図7に戻り、版データ生成部122は、図10に示す濃度値選択テーブルを参照しながら、ユーザにより所定の光沢効果が指定された描画領域の濃度値を、当該光沢効果の種類に応じた値に設定することで、第1光沢制御版画像データを生成する。版データ生成部122で生成された第1光沢制御版画像データは、点の座標と、それを結ぶ線や面の方程式のパラメータ、および、塗り潰しや特殊効果などを示す描画領域の集合として表現されるベクター形式のデータである。
【0048】
版データ生成部122は、上記第1光沢制御版画像データと、対象画像としての第1有色版画像データと、第1クリア版画像データとを統合した原稿データを生成して、印刷データ生成部20及び表示処理部15へ渡す。
【0049】
次に、印刷データ生成部20について説明する。
【0050】
印刷データ生成部20は、受け付けた原稿データに基づいて印刷データを生成する。印刷データは、原稿データと、プリンタに対して指定するジョブコマンドと、を含んで構成される。このジョブコマンドには、例えば、プリンタの設定、集約の設定、両面の設定などが挙げられる。なお、印刷データは、PostScriptのようなページ記述言語(PDL)に変換されてもよいし、DFE30が対応していれば、PDF形式のままでもよい。そして、印刷データ生成部20は、印刷データを、DFE30へ出力する。
【0051】
次に、図2に戻り、表示処理部15について説明する。
【0052】
表示処理部15は、原稿データ生成部10から原稿データを受け付け、原稿データの印刷結果を推定したプレビュー画像を生成し、表示部99Dに表示させる。
【0053】
図2に示すように、表示処理部15は、原稿データ受付部200A、解析部200L(解析手段)、分類画像データ生成部200F(生成手段)、分類画像データ記憶部200G、表示画像生成部200H(第1補正部、第2補正部)、補正情報生成部200K、受付部200M(受付手段)、補正情報記憶部200I、表示制御部200J、を備える。
【0054】
また、解析部200Lは、構造解析部200B(構造解析手段)、オブジェクト構造リスト記憶部200C、分類部200D(分類手段)、及び分類リスト記憶部200Eを備える。
【0055】
なお、オブジェクト構造リスト記憶部200C、後述する一次メモリ201B、分類リスト記憶部200E、分類画像データ記憶部200G、及び補正情報記憶部200Iは、RAM等の一次メモリであってもよいし、ハードディスクドライブ装置(HDD)等の記憶媒体であってもよい。
【0056】
原稿データ受付部200Aは、原稿データ生成部10から、原稿データを受け付ける。原稿データ受付部200Aでは、原稿データを、表示処理部15内で参照可能な状態とする。具体的には、原稿データ受付部200Aは、プレビュー対象として指示された頁の原稿データのファイル拡張子、もしくはファイルヘッダーを参照するなどして、表示処理部15内で取扱い可能なファイル形式であるか否かを判断する。そして、原稿データ受付部200Aは、ファイルロックを解除する等して取扱い可能な状態とする。そして、原稿データ受付部200Aは、該原稿データを、原稿データ受付部200Aに設けられた一次メモリ201Bに展開する。
【0057】
解析部200Lは、原稿データ受付部200Aで受け付けた原稿データを解析する。解析部200Lは、具体的には、上述のように、構造解析部200B、オブジェクト構造リスト記憶部200C、分類部200D、及び分類リスト記憶部200Eを備える。
【0058】
構造解析部200Bは、一次メモリ201Bに展開された原稿データのデータ構造を解析し、原稿データの各ページに含まれる描画領域(以下、オブジェクトと称する場合がある)を示すオブジェクト構造リストを作成する。
【0059】
このオブジェクト構造リストとは、原稿データの各ページに含まれる描画領域の一覧を示す情報である。具体的には、構造解析部200Bは、原稿データの各第1有色版画像データ、第1光沢制御版画像データ、及び第1クリア版画像データの各々に含まれる、1または複数の描画領域であるオブジェクトを解析し、オブジェクト毎の描画情報(描画領域の位置、色空間、濃度等)を示す、オブジェクト構造リストを作成する。
【0060】
図11には、原稿データの構成の一例を示した。例えば、原稿データ受付部200Aが、プレビュー対象の原稿データとして、図11に示す構成の原稿データを受け付けたとする。
【0061】
原稿データは、1頁中(同一頁中)に、第1有色版画像データ、第1光沢制御版画像データ、及び第1クリア版画像データによって特定される、1または複数の描画領域(オブジェクト)を示す描画情報を含む。図11には、原稿データが、例えば、1頁目に、オブジェクト1〜オブジェクト5の5つのオブジェクトを含む場合を一例として示した。
【0062】
図11に示す例では、オブジェクト1は、第1有色版画像データによって特定される有色画像の描画領域を示す。オブジェクト2は、第1クリア版画像データによって特定される透明画像の描画領域を示す。オブジェクト3〜オブジェクト5は、第1光沢制御版画像データによって特定される描画領域の各々を示す。
【0063】
原稿データは、オブジェクト毎に、描画情報として、描画領域の位置や、色空間や、濃度を示す情報を含む。描画領域の位置は、例えば、座標情報、または座標情報の集合によって示される。色空間とは、各描画領域(オブジェクト)が、有色画像、透明画像、及び光沢領域の何れであるかを示す。なお、図11中また後述する各図中では、透明画像を、R−clearと表記する場合がある。また、光沢領域を、R−effectと表記する場合がある。さらに、有色画像を、RGBと表記する場合がある。また、各オブジェクトの濃度として、濃度値(0〜100%)が設定されている場合を説明する。なお、図11に示す例では、第1有色版画像データによって特定される有色画像の描画領域群を、1つのオブジェクト(描画領域)として扱う場合を示した。
【0064】
図2に戻り、説明を続ける。構造解析部200Bでは、このような原稿データに含まれ得る1または複数の各描画領域について、第1有色版画像データによって特定される有色画像の描画領域、第1クリア版画像データによって特定される透明画像の描画領域、及び第1光沢制御版画像データによって特定される描画領域の何れであるかを解析する。構造解析部200Bでは、各描画領域の描画情報に示される色空間を読み取ることによって、各描画領域(オブジェクト)が、有色画像、光沢領域、及び透明画像の何れであるかを解析する。換言すれば、構造解析部200Bは、各描画領域(オブジェクト)が、第1有色版画像データ、第1光沢制御版画像データ、及び第1クリア版画像データの何れによって特定された描画領域であるかを解析する。
【0065】
そして、構造解析部200Bでは、更に、原稿データに含まれる、第1有色版画像データによって特定される有色画像の描画領域、第1クリア版画像データによって特定される透明画像の描画領域、及び第1光沢制御版画像データによって特定される描画領域の一欄を示すオブジェクト構造リストを作成する。
【0066】
このオブジェクト構造リストは、原稿データの頁内に含まれるオブジェクトをツリー構造で示したものである。
【0067】
オブジェクト構造リスト記憶部200Cは、構造解析部200Bによる原稿データの解析結果であるオブジェクト構造リストを記憶する。
【0068】
分類部200Dは、オブジェクト構造リストに示される各オブジェクト(描画領域)を、第1有色版画像データによって特定される有色画像の描画領域群、第1クリア版画像データによって特定される透明画像の描画領域群、及び第1光沢制御版画像データによって特定される描画領域群に分類し、オブジェクト分類リストを生成する。オブジェクト分類リストは、各オブジェクト群から、オブジェクト構造リスト記憶部200Cに格納されている対応するオブジェクトへのポインタのリストとなっており、実際の描画情報は、オブジェクト構造リスト記憶部200Cに格納されている。分類リスト記憶部200Eは、このオブジェクト分類リストを記憶する。
【0069】
分類画像データ生成部200Fは、原稿データ、詳細には、上記オブジェクト構造リスト及びオブジェクト分類リストに基づいて、表示用のイメージデータとして、第2有色版画像データ、第2クリア版画像データ、及び第2光沢制御版画像データを生成する。
【0070】
第2有色版画像データは、第1有色版画像データを表示部99Dで表示可能な形式の表示用のイメージデータに変換したものであり、第1有色版画像データを、1画素あたり例えば8ビットで表現されたラスター形式の画像データに変換したものである。
【0071】
分類画像データ生成部200Fは、オブジェクト分類リストに示される、第1有色版画像データによって特定される有色画像の描画領域群に対応する描画領域の描画情報を、オブジェクト構造リスト記憶部200Cから読み取る。そして、分類画像データ生成部200Fは、読みとった描画領域群の描画情報をラスター形式に変換した描画情報を統合し、該描画領域群を同一頁上のデータ群とみなし、該描画領域群に含まれる各描画領域の位置関係や前後関係といった情報をもとに画像データを生成することによって、第2有色版画像データを生成する。
【0072】
第2クリア版画像データは、第1クリア版画像データを表示部99Dで表示可能な形式の表示用のイメージデータに変換したものであり、第1クリア版画像データを、1画素あたり例えば8ビットで表現されたラスター形式の画像データに変換したものである。
【0073】
分類画像データ生成部200Fは、オブジェクト分類リストに示される、第1クリア版画像データによって特定される透明画像の描画領域群に対応する描画領域の描画情報を、オブジェクト構造リスト記憶部200Cから読み取る。そして、読みとった描画領域群の描画情報をラスター形式に変換した描画情報を統合し、該描画領域群を同一頁上のデータ群とみなし、該描画領域群に含まれる各描画領域の位置関係や前後関係といった情報をもとに画像データを生成することによって、第2クリア版画像データを生成する。
【0074】
第2光沢制御版画像データは、第1光沢制御版画像データを表示部99Dで表示可能な形式の表示用のイメージデータに変換したものであり、第1光沢制御版画像データを、1画素あたり例えば8ビットで表現されたラスター形式の画像データに変換したものである。
【0075】
分類画像データ生成部200Fは、オブジェクト分類リストに示される、第1光沢制御版画像データによって特定される光沢領域の描画領域群に対応する描画領域の描画情報を、オブジェクト構造リスト記憶部200Cから読み取る。そして、読みとった描画領域群の描画情報をラスター形式に変換した描画情報を統合し、該描画領域群を同一頁上のデータ群とみなし、該描画領域群に含まれる各描画領域の位置関係や前後関係といった情報をもとに画像データを生成することによって、第2光沢制御版画像データを生成する。
【0076】
分類画像データ記憶部200Gは、分類画像データ生成部200Fで生成された、第2有色版画像データ、第2光沢制御版画像データ、及び第2クリア版画像データを記憶する。
【0077】
補正情報記憶部200Iは、後述する複数種類の管理テーブルを格納する。本実施の形態では、補正情報記憶部200Iは、光沢制御管理テーブル、透明画像管理テーブル、及び光沢強調管理テーブル、の3種類の管理テーブルを格納する。
【0078】
光沢制御管理テーブルは、光沢効果の種類と、該光沢効果の種類に対応する濃度値と、第2有色版画像データの各画素の彩度調整値と、を格納したテーブルである。透明画像管理テーブルは、第2クリア版画像データの各画素の濃度値と、第2有色版画像データの各画素の彩度調整値と、を対応づけて格納したテーブルである。光沢強調管理テーブルは、光沢強調対象の光沢効果の種類に対応する光沢領域以外の領域の画素の濃度値(光沢効果の種類)と、後述する第1補正画像データの各画素の彩度調整値と、を対応づけて格納したテーブルである。
【0079】
なお、これらの管理テーブルは、第2有色版画像データに含まれる各画素の彩度調整に用いる。この彩度調整の詳細は後述する。
【0080】
補正情報生成部200Kは、彩度調整値を含む補正情報を生成し、補正情報記憶部200Iの管理テーブルに格納する。また、補正情報生成部200Kは、メモリ201Kを有する。メモリ201Kは、予め、第1テーブル及び第2テーブルを記憶する。この第1テーブルは、図12Aに示すように、第2クリア版画像データによって規定される透明画像の画素の濃度値に対応する、第2有色版画像データの画素の自動彩度調整値を格納したテーブルである。第2テーブルは、図12Bに示すように、第2光沢制御版画像データによって規定される光沢領域の画素における、濃度値及び光沢効果の種類に対応する、自動彩度調整値を格納したテーブルである。自動彩度調整値とは、第2有色版画像データの各画素の彩度の調整値として、予め定めた値である。
【0081】
受付部200Mは、上記補正情報等を操作部99Bから受け付け、補正情報生成部200Kへ出力する。なお、上記管理テーブルに格納される補正情報は、ユーザによる操作部99Bの操作指示によって入力される。
【0082】
例えば、ユーザが第2有色版画像データの彩度調整設定を行うときに表示部99Dに表示するための入力画面を示す入力画面情報を、予め補正情報記憶部200I等に記憶しておく。そして、操作部99Bのユーザによる操作によって、彩度調整設定開始を示す信号や、表示処理の開始を示す信号が表示処理部15に入力される。すると、表示制御部200Jは、補正情報記憶部200Iに格納されている入力画面情報の入力画面を表示部99Dに表示する。そして、補正情報生成部200Kは、ユーザによる操作部99Bによる操作指示によって設定された各種情報を受付部200Mから受け付け、上記管理テーブルに格納することによって、補正情報を生成する。
【0083】
例えば、表示部99Dに、図13に示す入力画面109を表示する。入力画面109には、PDF選択ボタン109G、透明画像チェックボックス109A、表示の詳細ボタン109B、光沢領域の表示チェックボックス109C、表示の詳細ボタン109D、特定光沢強調表示チェックボックス109E、表示の詳細ボタン109F、及びプレビュー画面110が含まれる。
【0084】
PDF選択ボタン109Gは、プレビュー表示対象の原稿データを指定するためのボタン表示である。
【0085】
透明画像チェックボックス109Aは、第2クリア版画像データの各画素の濃度値に応じて、第2有色版画像データの各画素の彩度調整を行うか否かを設定するためのボックス表示である。表示の詳細ボタン109Bは、透明画像チェックボックス109Aのチェックボックスが設定されて該彩度調整を行うときに、該彩度調整の設定を行うための入力画面の表示を指示するためのボタン表示である。
【0086】
光沢領域の表示チェックボックス109Cは、第2光沢制御版画像データの各画素の濃度値に応じて、第2有色版画像データの各画素の彩度調整を行うか否かを設定するためのボックス表示である。表示の詳細ボタン109Dは、光沢領域の表示チェックボックス109Cのチェックボックスが設定されて該彩度調整を行うときに、該彩度調整の設定を行うための入力画面の表示を指示するためのボタン表示である。
【0087】
特定光沢強調表示チェックボックス109Eは、複数種類の光沢効果の何れについて光沢強調を行うか否かを設定するためのボックス表示である。表示の詳細ボタン109Fは、特定光沢強調表示チェックボックス109Eのチェックボックスが設定されたときに、該光沢強調の設定を行うための入力画面の表示を指示するためのボタン表示である。
【0088】
具体的には、入力画面109において、ユーザによる操作部99Bの操作指示によってPDF選択ボタン109Gが指示されたとする。すると、表示制御部200Jは、図示を省略するファイル選択画面を表示部99Dに表示し、原稿データ受付部200Aで受け付けた原稿データの一覧を表示する。そして、ユーザによる操作部99Bの操作指示によって1の原稿データが選択されると、後述する解析部200Lによる解析処理等が行われて、分類画像データ記憶部200Gに、第2有色版画像データ、第2クリア版画像データ、及び第2光沢制御版画像データが格納される。
【0089】
そして、表示制御部200Jは、分類画像データ記憶部200Gに格納されている該原稿データに対応する第2有色版画像データを読取り、表示部99Dに表示する。
【0090】
そして、該入力画面109において、ユーザによる操作部99Bの操作指示によって、透明画像チェックボックス109Aにチェックマークが入力されたとする。すると、表示制御部200Jは、分類画像データ記憶部200Gに格納されている第2有色版画像データと、第2クリア版画像データと、を合成した合成画像をプレビュー画面110に表示する。
【0091】
このとき、第2クリア版画像データについては、第2クリア版画像データによって特定される透明画像の色を、予め定めた表示色(例えば水色)に変換した後に、該第2クリア版画像データによって特定される濃度値でプレビュー画面110に表示すればよい。なお、この透明画像の表示色は、予め図示を省略するメモリ等に記憶しておいて、該合成画像の表示時に、第2クリア版画像データにおける透明画像の色を該表示色へ色変換すればよい。
【0092】
そして、更に、ユーザによる操作部99Bの操作指示によって、表示の詳細ボタン109Dが指示されたとする。
【0093】
すると、表示制御部200Jは、第2クリア版画像データの各画素の濃度値に応じた、第2有色版画像データの各画素の彩度調整値を設定するための入力画面112を表示部99Dに表示する(図14(A)参照)。
【0094】
入力画面112は、透明画像の彩度表現方法として、自動または手動を選択するためのボタン112Aと、入力画面109に戻ることを指示するためのボタン112Bを有する。
【0095】
ユーザによる操作部99Bの操作指示によって、ボタン112Aが指示されて「自動」が設定されると、補正情報生成部200Kは、第1テーブルに格納されている、第2クリア版画像データの各画素位置の画素の濃度値に対応する自動彩度調整値を、第2有色版画像データの対応する画素位置の画素の自動彩度調整値として、透明画像管理テーブルに格納する。
【0096】
一方、ユーザによる操作部99Bの操作指示によって、ボタン112Aが指示されて「手動」が設定されると、表示制御部200Jは、第2クリア版画像データの各画素の濃度値に応じた、第2有色版画像データの各画素の彩度調整値を、手動で設定するためのスライドバー112Cを入力画面112に加えて表示する(図14(B)参照)。
【0097】
なお、メモリ201Kには、該スライドバー112C上の位置に対応する調整値を定めた第3テーブルが格納されている。具体的には、図15(A)に示すように、第3テーブルは、スライドバー上の表現に対応する彩度調整値を予め格納する。なお、スライドバー上の表現と表現の間の位置に対応する彩度調整値は、各表現間における位置に対応する彩度調整値を該第3テーブルから算出することによって得ればよい。
【0098】
そして、ユーザによる操作部99Bの操作指示によって、スライドバー112C上の指示マーク112Dの表示位置がスライドされることで、第2有色版画像データの各画素の彩度調整値が手動で調整される。
【0099】
図14(B)に示す例では、指示マーク112Dの位置は、スライドバー112Cの低光沢を示している。この場合、補正情報生成部200Kは、第3テーブルに格納されている低光沢に対応する彩度調整値を、第2クリア版画像データの各画素位置の画素の濃度値に対する手動彩度調整値として、透明画像管理テーブルに格納する。
【0100】
これによって、補正情報生成部200Kは、透明画像用の彩度調整値を含む補正情報を格納した、透明画像管理テーブルを作成する。
【0101】
図15(B)には、透明画像管理テーブルの一例を示した。図15(B)に示すように、透明画像管理テーブルは、第2クリア版画像データの各画素位置の画素の濃度値(透明画像を構成する各画素の濃度値)に対応する、自動彩度調整値、または手動彩度調整値を格納したテーブルである。補正情報生成部200Kは、このような透明画像管理テーブルを作成し、補正情報記憶部200Iに格納する。
【0102】
図13に戻り、一方、入力画面109において、ユーザによる操作部99Bの操作指示によって、光沢領域の表示チェックボックス109Cにチェックマークが入力されたとする。すると、表示制御部200Jは、分類画像データ記憶部200Gに格納されている、第2有色版画像データと第2光沢制御版画像データとを合成した合成画像をプレビュー画面110に表示する。
【0103】
このとき、第2光沢制御版画像データについては、第2光沢制御版画像データによって特定される光沢領域の色を、光沢領域の種類に対応する表示色とし、該第2光沢制御版画像データによって特定される濃度値でプレビュー画面110に表示すればよい。なお、この光沢領域の表示色は、予め図示を省略するメモリ等に、光沢効果の種類に対応づけて格納しておけばよい。そして、該合成画像の表示時に、第2光沢制御版画像データにおける光沢領域の色を、該光沢領域の種類に対応する表示色に変換した後に、プレビュー画面110に表示すればよい。
【0104】
そして、更に、ユーザによる操作部99Bの操作指示によって、表示の詳細ボタン109Dが指示されたとする。
【0105】
すると、表示制御部200Jは、第2光沢制御版画像データの各画素位置の画素の濃度値(すなわち光沢効果の種類)に対応する、第2有色版画像データの対応する画素位置の各画素の彩度調整値を設定するための入力画面114を表示部99Dに表示する(図16(A)参照)。
【0106】
入力画面114は、光沢効果の種類毎に、該種類の光沢効果の与えられる光沢領域に相当する、第2有色版画像データの対応する画素位置の各画素の彩度調整値を設定するための入力画面である。入力画面114は、設定対象の光沢効果の種類を選択するためのボタン114Bと、光沢効果の種類の彩度表現方法として、自動または手動を選択するためのボタン114Cと、入力画面109に戻ることを指示するためのボタン114Dを有する。
【0107】
なお、メモリ201Kには、各光沢効果の種類名である光沢効果名に対応する、第2光沢制御版画像データの各画素における濃度値を示す対応テーブル(図17参照)が予め格納されている。このため、入力画面114を介して、光沢効果の種類に対応する、第2有色版画像データの各画素の彩度調整値が設定されることによって、第2光沢制御版画像データの各画素の濃度値に対応する、該彩度調整値が設定される。
【0108】
図16(A)に戻り、ユーザによる操作部99Bの操作指示によって、ボタン114Bが選択されると、設定対象の光沢効果の種類が選択される。そして、さらに、ユーザによる操作部99Bの操作指示によって、ボタン114Cが操作指示されて「自動」が設定される。すると、補正情報生成部200Kは、該選択された光沢効果の種類に対応する調整方法として「自動」を、光沢制御管理テーブルに格納する。なお、光沢制御管理テーブルには、第2テーブル(図12B参照)に格納されている、第2光沢制御版画像データの光沢効果の種類(または光沢効果の種類に対応する濃度値)に対応する自動彩度調整値が予め格納されている。
【0109】
一方、ユーザによる操作部99Bの操作指示によって、ボタン114Cが指示されて「手動」が設定されると、表示制御部200Jは、第2光沢制御版画像データの各画素位置の画素の濃度値(光沢効果の種類)に応じた、第2有色版画像データの対応する画素位置の画素の彩度調整値を、手動で設定するためのスライドバー114Eを入力画面114に加えて表示する(図16(B)参照)。
【0110】
なお、スライドバー114E上の表現に対応する彩度調整値は、スライドバー112Cと同様に、上述した第3テーブル(図15(A)参照)を用いればよい。
【0111】
そして、ユーザによる操作部99Bの操作指示によって、スライドバー114E上の指示マーク114Fの表示位置がスライドされることで、第2有色版画像データの各画素の彩度調整値が手動で調整される。
【0112】
図16(B)に示す例では、指示マーク114Fの位置は、スライドバー114Eの超高光沢を示している。また、ボタン114Bの表示位置には、設定対象の光沢効果の種類として「超高光沢」が選択されている。この場合、補正情報生成部200Kは、第3テーブルに格納されている超高光沢に対応する彩度調整値を、第2光沢制御版画像データの超高光沢に対応する濃度値の設定されている画素に対応する、第2有色版画像データの彩度調整値として、光沢制御管理テーブルに格納する。
【0113】
これによって、補正情報生成部200Kは、光沢制御版用の彩度調整値を含む補正情報を格納した光沢制御管理テーブルを作成する。例えば、補正情報生成部200Kは、図18に示す光沢制御管理テーブルを作成する。
【0114】
図18に示すように、光沢制御管理テーブルは、光沢効果の種類と、光沢効果の種類に対応する濃度値と、調整方法と、自動彩度調整値と、手動彩度調整値と、を対応づけて格納する。調整方法とは、上記入力画面114のボタン114C(図16(A)(B)参照)で設定された手動、または自動を示す情報である。すなわち、図16(A)に示すように光沢効果の種類として超高光沢が指定され、表現方法として「自動」が選択されたとする。この場合には、補正情報生成部200Kは、光沢制御管理テーブルにおける、超高光沢に対応する調整方法として、「自動」を設定する。
【0115】
また、図16(B)に示すように、光沢効果の種類として超高光沢が指定され、表現方法として「手動」が選択されたとする。そして、スライドバー114E上の指示マーク114Fの表示位置が超高光沢の位置に指示されたとする。この場合には、補正情報生成部200Kは、光沢制御版管理テーブルにおける、超高光沢に対応する調整方法として「手動」を設定する。また、補正情報生成部200Kは、該指示マーク114Fの表示位置に対応する自動彩度調整値を第2テーブル(図12B参照)から読み取り、該自動彩度調整値を光沢制御版管理テーブルにおける超高光沢に対応する手動彩度調整値として、格納する。
【0116】
図13に戻り、一方、入力画面109において、ユーザによる操作部99Bの操作指示によって、特定光沢強調表示チェックボックス109Eにチェックマークが入力されたとする。すると、表示制御部200Jは、分類画像データ記憶部200Gに格納されている、第2有色版画像データと第2光沢制御版画像データとを合成した合成画像をプレビュー画面110に表示する。
【0117】
このとき、第2光沢制御版画像データについては、第2光沢制御版画像データによって特定される光沢領域の色を、光沢領域の種類に対応する表示色に変換し、該第2光沢制御版画像データによって特定される濃度値でプレビュー画面110に表示すればよい。なお、この光沢領域の表示色は、予め図示を省略するメモリ等に、光沢効果の種類に対応づけて格納しておけばよい。そして、該合成画像の表示時に、第2光沢制御版画像データにおける光沢領域の色を、該光沢領域の種類に対応する表示色に変換した後に、プレビュー画面110に表示すればよい。
【0118】
そして、更に、ユーザによる操作部99Bの操作指示によって、表示の詳細ボタン109Fが指示されたとする。
【0119】
すると、表示制御部200Jは、光沢強調対象の光沢効果の種類を設定すると共に、第2有色版画像データにおける、該光沢強調対象外の領域に対応する画素位置の画素の彩度調整値を設定するための入力画面116を表示部99Dに表示する(図19(A)参照)。なお、第1補正画像データとは、詳細は後述するが、上述した光沢制御管理テーブル及び透明画像管理テーブルに基づいた彩度の補正のなされた後の、第2有色版画像データを示す。
【0120】
入力画面116は、光沢強調対象の光沢効果の種類を選択するためのボタン116Aと、光沢強調対象外の領域の彩度表現方法として、自動または手動を選択するためのボタン116Cと、入力画面109に戻ることを指示するためのボタン116Bを有する。
【0121】
なお、上述したように、メモリ201Kには、各光沢効果の種類名である光沢効果名に対応する、第2光沢制御版画像データの各画素における濃度値を示す対応テーブル(図17参照)が予め格納されている。このため、入力画面116を介して、第2有色版画像データにおける、第2光沢制御版画像データにおける光沢強調対象外の領域に対応する画素位置の画素の彩度調整値が設定される。
【0122】
図19(A)に戻り、ユーザによる操作部99Bの操作指示によって、ボタン116Aが選択されると、光沢強調対象の光沢効果の種類が選択される。そして、さらに、ユーザによる操作部99Bの操作指示によって、ボタン116Cが操作指示されて「自動」が設定される。すると、補正情報生成部200Kは、該選択された光沢強調対象の光沢効果の種類に対応する調整方法として「自動」を、光沢強調管理テーブルに格納する。なお、光沢強調管理テーブルには、第2テーブル(図12B参照)に格納されている、第2光沢制御版画像データの光沢効果の種類(または光沢効果の種類に対応する濃度値)に対応する自動彩度調整値が予め格納されている。
【0123】
一方、ユーザによる操作部99Bの操作指示によって、ボタン116Cが指示されて「手動」が設定されると、表示制御部200Jは、第2有色版画像データにおける、第2光沢制御版画像データにおける光沢強調対象外の領域に対応する画素位置の画素の彩度調整値を、手動で設定するためのスライドバー116Dを入力画面116に加えて表示する(図19(B)参照)。
【0124】
なお、スライドバー116D上の表現に対応する彩度調整値は、スライドバー112Cと同様に、上述した第3テーブル(図15(A)参照)を用いて求めればよい。
【0125】
そして、ユーザによる操作部99Bの操作指示によって、スライドバー116D上の指示マーク116Fの表示位置がスライドされることで、第2有色版画像データにおける、第2光沢制御版画像データにおける光沢強調対象外の領域に対応する画素位置の画素の彩度調整値が手動で調整される。
【0126】
図19(B)に示す例では、指示マーク116Fは、スライドバー116Dの低光沢を示している。また、ボタン116Aの表示位置には、光沢強調対象の光沢効果の種類として、「高光沢」が選択されている。この場合、補正情報生成部200Kは、第3テーブルに格納されている高光沢に対応する彩度調整値を読み取る。そして、補正情報生成部200Kは、該彩度調整値を、第2有色版画像データにおける、第2光沢制御版画像データにおける光沢強調対象外の領域に対応する画素位置の画素の、手動彩度調整値として、光沢制御管理テーブルに格納する。
【0127】
これによって、補正情報生成部200Kは、例えば、図20に示す光沢強調管理テーブルを作成する。
【0128】
図20に示すように、光沢強調管理テーブルは、光沢効果の種類と、対象設定と、第2光沢制御版画像データの画素の濃度値と、調整方法と、自動彩度調整値と、手動彩度調整値と、を対応づけて格納する。
【0129】
該光沢強調管理テーブルにおける光沢効果の種類とは、上記入力画面116のボタン116Aによって光沢強調対象として指定された光沢効果の種類を示す。光沢強調管理テーブルにおける対象設定とは、対応する光沢効果の種類が、光沢強調対象であることを示す「対象」、または光沢強調対象外であることを示す「対象外」を表す。すなわち、図19(A)及び図19(B)に示すように、光沢強調対象として高光沢が指定されたとする。そして、その他の光沢効果の種類は該入力画面116で設定されなかったとする。この場合には、補正情報生成部200Kは、光沢強調管理テーブルにおける、高光沢に対応する対象設定として「対象」を示す情報を該光沢強調管理テーブルに格納する。また、補正情報生成部200Kは、光沢強調管理テーブルにおける、高光沢以外の光沢効果の種類(この場合、超高光沢、変化無し、低光沢、つや消し)に対応する対象設定として、「対象外」を示す情報を格納する。
【0130】
なお、図17、図18、及び図19等において、「変化無し」とは、何も光沢効果を付与しない、すなわちクリアトナーを付与しないことを示す。
【0131】
光沢強調管理テーブルにおける調整方法とは、上記入力画面116のボタン116C(図19(A)、図19(B)参照)で設定された手動、または自動を示す情報である。すなわち、図19(A)に示すように光沢強調対象として高光沢が指定され、強調表現として「自動」が選択されたとする。この場合には、図20に示すように、補正情報生成部200Kは、光沢強調管理テーブルにおける、高光沢に対応する調整方法として、「自動」を設定する。
【0132】
一方、図19(B)に示すように、光沢強調対象として高光沢が指定され、強調表現として「手動」が選択されたとする。この場合には、補正情報生成部200Kは、光沢強調管理テーブルにおける、高光沢に対応する調整方法として、「手動」を設定する。また、補正情報生成部200Kは、指示マーク116Fの表示位置に対応する自動彩度調整値を第2テーブル(図12B参照)から読み取る。そして、補正情報生成部200Kは、該自動彩度調整値を、光沢強調管理テーブルにおける、光沢強調対象として設定された超高光沢以外の光沢効果の種類に対応する手動彩度調整値として、格納する(図20参照)。
【0133】
以上のようにして、補正情報生成部200Kは、補正情報を生成し、光沢制御管理テーブル、透明画像管理テーブル、及び光沢強調管理テーブルに、各種補正情報を格納し、補正情報記憶部200Iに格納する。
【0134】
なお、補正情報とは、第2光沢制御版画像データや第2クリア版画像データにおける各画素の濃度値と、自動彩度調整値と、手動彩度調整値と、を含む。また、第2光沢制御版画像データに対応する補正情報には、更に、調整方法が含まれる。この調整方法とは、上記「手動」または「自動」を示す情報である。なお、第2光沢制御版画像データの各画素の濃度値は、光沢効果の種類も示す。このため、光沢制御管理テーブル、及び光沢強調管理テーブルに格納される補正情報には、光沢効果の種類も含まれる。
【0135】
図2に戻り、表示画像生成部200Hについて説明する。
【0136】
表示画像生成部200Hは、分類画像データ記憶部200Gに格納されている第2有色版画像データの各画素の彩度を補正し、表示画像(第1補正画像、第2補正画像)を生成する。
【0137】
表示画像生成部200Hは、第1補正画像生成部202、及び第2補正画像生成部204を有する。
【0138】
第1補正画像生成部202は、光沢制御管理テーブル及び透明画像管理テーブルの各々に格納されている補正情報に基づいて、第2有色版画像データの各画素の彩度を補正し、第1補正画像データを生成する。第1補正画像生成部202は、一次メモリ部202Aを備えており、第1補正画像データの生成時に各種データを展開するために用いる。この第1補正画像生成部202で実行する第1補正画像生成処理については、詳細を後述する。
【0139】
第2補正画像生成部204は、光沢強調管理テーブルに格納されている補正情報に基づいて、第1補正画像データの各画素の彩度を補正し、第2補正画像データを生成する。第2補正画像生成部204は、一次メモリ部204Aを備えており、第2補正画像データの生成時に各種データを展開するために用いる。この第2補正画像生成部204で実行する第2補正画像生成処理については、詳細を後述する。
【0140】
表示制御部200Jは、表示画像生成部200Hで生成された第1補正画像データの表示画像、または第2補正画像データの表示画像を、原稿データのプレビュー画像として、表示部99Dに表示する。
【0141】
次に、表示処理部15で実行する表示処理を説明する。
【0142】
図21には、表示処理部15における画像表示処理の手順を示すシーケンス図を示した。なお、図21は、図11に示す原稿データの印刷結果を推定した表示画像を表示部99Dに表示するまでの、画像表示処理の手順を示すシーケンス図である。
【0143】
まず、表示処理部15では、図13に示す入力画面109を表示部99Dに表示する。そして、ユーザによる操作部99Bの操作指示によって、表示対象の原稿データの選択指示を行うためのPDF選択ボタン109Gが操作指示される。そして、プレビュー対象の原稿データが選択されると、原稿データ受付部200Aが原稿データ記憶部100Bに格納されている該指示された原稿データを読み取り、一次メモリ201Bに展開する(SEQ1、SEQ2)。
【0144】
次に、構造解析部200Bは、ユーザによる操作部99Bの操作指示によって表示対象の頁が選択されると(SEQ4)、該選択結果に対応する頁の原稿データを一次メモリ201Bから読み取り、解析する(SEQ3、SEQ5)。
【0145】
そして構造解析部200Bは、解析結果であるオブジェクト構造リストを、オブジェクト構造リスト記憶部200Cに格納する(SEQ6)。
【0146】
分類部200Dは、オブジェクト構造リスト記憶部200Cに格納された、オブジェクト構造リストに示される各オブジェクト1〜オブジェクト5を、第1有色版画像データによって特定される有色画像の描画領域群、第1クリア版画像データによって特定される透明画像の描画領域群、及び第1光沢制御版画像データによって特定される光沢領域の描画領域群、の3つのオブジェクト群に分類し、オブジェクト分類リストを生成する(SEQ7、SEQ8)。
【0147】
そして、分類画像データ生成部200Fは、オブジェクト分類リストによって示される、有色画像の描画領域群を統合すると共にラスタライズを行い、第2有色版画像データを生成する。また、分類画像データ生成部200Fは、オブジェクト分類リストによって示される、透明画像の描画領域群を統合すると共にラスタライズを行い、第2クリア版画像データを生成する。さらに、分類画像データ生成部200Fは、光沢領域の描画領域群を統合すると共にラスタライズを行い、第2光沢制御版画像データを生成する。これによって、分類画像データ生成部200Fは、第2有色版画像データ、第2光沢制御版画像データ、及び第2クリア版画像データを生成する(SEQ9、SEQ10)。
【0148】
第1補正画像生成部202は、第2有色版画像データの各画素の彩度を、補正情報記憶部200Iに格納されている光沢制御管理テーブル及び透明画像管理テーブルの補正情報に基づいて補正し、第1補正画像データを生成し、一次メモリ部202Aに格納する(SEQ12、SEQ11、SEQ13)。
【0149】
次に、第2補正画像生成部204は、第1補正画像データの各画素の彩度を、補正情報記憶部200Iに格納されている光沢強調管理テーブルの補正情報に基づいて補正し、第2補正画像データを生成し、一次メモリ部204Aに格納する(SEQ14、SEQ15、SEQ16)。
【0150】
そして、表示制御部200Jは、第2補正画像データが生成されている場合には第2補正画像データを、第2補正画像データが生成されていない場合には第1補正画像データを、表示画像として、表示部99Dに表示する(SEQ17、SEQ18、SEQ19)。
【0151】
なお、補正情報生成部200Kは、操作部99Bの操作指示によって補正情報を生成し、上述した光沢制御管理テーブル、透明画像管理テーブル、光沢強調管理テーブルを補正情報記憶部200Iに格納する(SEQ20、SEQ21)。
【0152】
次に、以上のように構成された本実施形態の表示処理部15で実行する画像表示処理について説明する。
【0153】
図22は、本実施形態の画像表示処理の手順を示すフローチャートである。
【0154】
まず、原稿データ受付部200Aが、原稿データを受け付ける(ステップS400)。原稿データ受付部200Aで受け付けられた原稿データは、一次メモリ201Bに展開される。
【0155】
次いで、構造解析部200Bが、一次メモリ201Bに展開された原稿データのデータ構造を解析し、原稿データの各ページに含まれるオブジェクトを示すオブジェクト構造リストを作成する(ステップS402)。そして、構造解析部200Bは、オブジェクト構造リストをオブジェクト構造リスト記憶部200Cに格納する(ステップS404)。
【0156】
次いで、分類部200Dが原稿データの分類処理を実行する(ステップS406)。この分類処理については、詳細を後述する。
【0157】
そして、分類画像データ生成部200Fが、表示用のイメージデータとして、第2有色版画像データ、第2光沢制御版画像データ、及び第2クリア版画像データを生成し、分類画像データ記憶部200Gに格納する(ステップS408、ステップS410)。
【0158】
次に、第1補正画像生成部202が第1補正画像生成処理を実行する(ステップS412)。なお、このステップS412の第1補正画像生成処理については、詳細を後述する。
【0159】
次に、第2補正画像生成部204が第2補正画像生成処理を実行する(ステップS414)。なお、このステップS414の第2補正画像生成処理については、詳細を後述する。
【0160】
次に、表示制御部200Jが、表示画像生成部200Hで生成された表示画像データ(第1補正画像データ、または第2補正画像データ)の表示画像を、表示部99Dに表示する(ステップS416)。
【0161】
そして、表示画像生成部200Hは、光沢制御管理テーブル、透明画像管理テーブル、及び光沢強調管理テーブルに格納されている補正情報が変更されたか否かを判断する(ステップS418)。このステップS418の判断は、次のようにして行う。例えば、表示画像生成部200Hは、補正情報記憶部200Iに格納されている3種類の上記管理テーブル(光沢制御管理テーブル、透明画像管理テーブル、及び光沢強調管理テーブル)を読取る。そして、表示画像生成部200Hでは、これらの管理テーブルに格納されている補正情報が、前回の表示画像データ生成時(ステップS412、及びステップS414)の読み取り時の内容と異なるか否かを判別することによって、補正情報が変更されたか否かを判断する。
【0162】
そして、表示画像生成部200Hは、補正情報が変更されたと判断すると(ステップS418:Yes)、上記ステップS412に戻り、変更された後の3種類の上記管理テーブル(光沢制御管理テーブル、透明画像管理テーブル、及び光沢強調管理テーブル)を用いて、第1補正画像生成処理(ステップS412)及び第2補正画像生成処理(ステップS414)を行う。
【0163】
一方、補正情報が変更されていないと判断すると(ステップS418:No)、表示処理部15は、操作部99Bを介して表示終了指示を示す信号を受け付けたか否かを判断する(ステップS420)。そして、ステップS420で否定判断すると(ステップS420:No)、上記ステップS416へ戻る。一方、ステップS420で肯定判断すると(ステップS420:Yes)、本ルーチンを終了する。
【0164】
次に、ステップS406の分類処理について説明する。
【0165】
図23は、分類処理の手順を示すフローチャートである。
【0166】
まず、分類部200Dが、オブジェクト構造リスト記憶部200Cからオブジェクト構造リストを読み出す(ステップS500)。
【0167】
そして、分類部200Dは、読み出したオブジェクト構造リストに含まれるオブジェクト数を取得し(ステップS502)、後述するステップS504〜ステップS512またはステップS514の処理をオブジェクトの数分繰り返し実行する。
【0168】
分類部200Dは、まず、オブジェクト構造リスト記憶部200Cに格納されている1のオブジェクトの色空間情報を取得する(ステップS504)。
【0169】
次に、分類部200Dは、ステップS504で取得した色空間情報が、光沢領域を示す情報であるか否かを判断する(ステップS506)。そして、ステップS504で取得した色空間情報が光沢領域を示す情報である場合には(ステップS506:Yes)、光沢領域のオブジェクト群として分類リスト記憶部200Eに格納する(ステップS508)。
【0170】
そして、ステップS508の処理が終了、または上記ステップS506で否定判断した場合(ステップS506:No)、ステップS510へ進む。
【0171】
次に、分類部200Dは、ステップS504で取得した色空間情報が、透明画像を示す情報であるか否かを判断する(ステップS510)。そして、ステップS504で取得した色空間情報が透明画像を示す情報である場合には(ステップS510:Yes)、透明画像のオブジェクト群として分類リスト記憶部200Eに格納する(ステップS512)。
【0172】
一方、分類部200Dは、ステップS504で取得した色空間情報が、透明画像を示す情報ではない場合、すなわち、該色空間情報が有色画像を示す情報である場合、(ステップS510:No)、有色画像のオブジェクト群として分類リスト記憶部200Eに格納する(ステップS514)。
【0173】
次に、ステップS412の第1補正画像生成処理について説明する。
【0174】
図24は、第1補正画像生成処理の手順を示すフローチャートである。
【0175】
まず、第1補正画像生成部202は、作成する第1補正画像データの各画素データを格納する領域を確保する(ステップS600)。具体的には、第1補正画像生成部202は、該第1補正画像データの各画素データを格納するための領域として、一次メモリ部202AをRAMに確保する。
【0176】
次いで、第1補正画像生成部202は、ステップS602〜ステップS614の処理を、分類画像データ記憶部200Gに格納されている第2有色版画像データに含まれる画素数分繰り返す。
【0177】
第1補正画像生成部202は、該第2有色版画像データにおける1の画素位置の画素αを補正対象として選択し、該画素αと同じ画素位置の、第2光沢制御版画像データの画素の濃度値Kを抽出する(ステップS602)。詳細には、第1補正画像生成部202は、分類画像データ記憶部200Gに格納されている第2光沢制御版画像データの各画素の内、該画素αと同じ画素位置の画素の濃度値Kを、該第2光沢制御版画像データから抽出する。
【0178】
次いで、第1補正画像生成部202は、ステップS602で抽出した濃度値Kが、0より大きいか否かを判断する(ステップS604)。すなわち、第1補正画像生成部202は、ステップS604において、濃度値K>0、すなわち濃度値が0ではないか否かを判断する。濃度値Kが0より大きい値である場合、該濃度値Kの画素データを有する画素位置の画素には、光沢効果が指定されている。
【0179】
濃度値Kが0である場合、第1補正画像生成部202は否定判断し(ステップS604:No)、後述するステップS614の後の処理へと進む。一方、ステップS604で肯定判断し、濃度値Kが0より大きいと判断すると(ステップS604:Yes)、第1補正画像生成部202は、第2有色版画像データにおける上記画素αの画素データによって示される色情報を、RGB色空間からHSV色空間に変換する(ステップS606)。
【0180】
ここで、HSV色空間とは、色を、色相(Hue)、彩度(Saturation)、明度(Value)の3つのパラメータで表現したものである、色相は色の種類(赤、緑、青など)を示し、彩度は色の鮮やかさを示し、明度は色の明るさを示す。
【0181】
色相は、公知のように、色相環によって表現される。色相環は、赤色、緑色、青色、赤色と色合いの移り変わりを示したものである。色相の単位は、色相環の赤色を0度とした回転角で示され、緑色は120度、青色は240度になる。
【0182】
彩度は、公知のように、色相環の中心点からの距離で示され、その値は、0〜1.0で示される。なお、彩度が1.0である場合には、純色になる。また、彩度が0であると、鮮やかさが完全に失われ灰色になる。
【0183】
明度は、公知のように、色の明るさを示す明度軸によって示される。明度軸は、RGB色空間における(R=0,G=0,B=0)と、(R=255,G=255,B=255)と、を結ぶ直線である。明度軸上の各値に対して色相環の中心があり、その中心からどれだけ離れた位置にあるかが彩度で示される。また、色相環の円周上の位置(角度)で色の種類が示される。
【0184】
なお、HSV色空間は、一般的な公知の色表現方法であるため、さらなる詳細については割愛する。
【0185】
第1補正画像生成部202は、第2有色版画像データにおける上記画素αの画素データによって示される色情報を、公知の計算式を用いて、RGB色空間からHSV色空間に変換する。
【0186】
特に彩度について記述する。
【0187】
画素αのRGB値をそれぞれr,g,bとする。そして、これらの値の最大値であるrgbMax、及びこれらの値の最小値であるrgbMinを下記式(A)及び式(B)で定義する。
【0188】
rgbMax=max(r,g,b) ・・・式(A)
rgbMin=min(r,g,b) ・・・式(B)
【0189】
この場合、画素αの彩度sは、下記式(C)によって求められる。
【0190】
s=(rgbMax−rgbMin)/rgbMax ・・・式(C)
【0191】
上述したように、彩度sのとりうる値は、0〜1.0の範囲である。
【0192】
このため、上記補正情報を格納した光沢制御管理テーブル(図18参照)、透明画像管理テーブル(図15(B)参照)、光沢強調管理テーブル(図20参照)の各々は、この0〜1.0の範囲で彩度調整値である自動彩度調整値及び手動彩度調整値を定めている。
【0193】
なお、本実施の形態では、光沢効果の種類を4種類とした場合を説明しているため、光沢制御管理テーブル、透明画像管理テーブル、光沢強調管理テーブルに示される光沢効果の種類も4種類としている。しかし、更に細分化されてもよい。
【0194】
また、本実施の形態では、光沢制御管理テーブル、透明画像管理テーブル、光沢強調管理テーブルに示される自動彩度調整値は、図18、図15(B)、及び図20に示すように、+0.3、+0.15、±0、−0.15、−0.3としている。これは、基準の彩度を0.5とした時に、超高光沢で0.8、つや消しで0.2となるように設定したためであり、これらの値に限られない。
【0195】
特に、光沢効果の種類が「つや消し」である場合には、第2有色版画像データによって示される色は、光沢効果を付与しても完全に失われることはない。このため、つや消しに対応する自動彩度調整値は、基準の彩度0.5に対して彩度ゼロ(グレー)とならないように定めた値である。
【0196】
図24に戻り、次に、第1補正画像生成部202は、上記ステップS602で抽出した濃度値Kに対応した彩度調整値Sを取得する(ステップS608)。詳細には、まず、第1補正画像生成部202は、光沢制御管理テーブル(図18参照)を読取り、該光沢制御管理テーブルに格納されている濃度値Kに相当する光沢制御版濃度値に対応する調整方法を読み取る。そして、調整方法が「手動」である場合には、該光沢制御版濃度値に対応する手動彩度調整値を、彩度調整値Sとして取得する。一方、濃度値Kに相当する光沢制御版濃度値に対応する調整方法が「自動」である場合には、該光沢制御版濃度値に対応する自動彩度調整値を、彩度調整値Sとして取得する。
【0197】
例えば、濃度値Kが210である場合には、第1補正画像生成部202は、図18に示す光沢制御管理テーブルから、該濃度値としての210に対応する調整方法は「手動」であることから、手動彩度調整値である+0.225を、彩度調整値Sとして読み取る。
【0198】
次いで、第1補正画像生成部202は、上記ステップS606でHSV色空間に変換することによって得られた画素αの彩度に、上記ステップS608で取得した彩度調整値Sを加算した値を、該画素αの補正後の彩度として算出する(ステップS610)。
【0199】
次に、第1補正画像生成部202は、上記ステップS606でHSV色空間に変換した画素αの色情報における彩度を、ステップS610で算出した画素αの補正後の彩度に変更し、変更後のHSV色空間で示される色情報を、RGB色空間に変換する(ステップS612)。なお、HSV色空間からRGB色空間への変換式は、公知の式を用いればよい。
【0200】
次に、第1補正画像生成部202は、上記ステップS612で変換した後の色情報を含む画素データβを、第2有色版画像データの画素αの位置の画素データとして、一次メモリ部202Aに格納する(ステップS614)。
【0201】
そして、第1補正画像生成部202は、上記ステップS602〜ステップS614の処理を、分類画像データ記憶部200Gに格納されている第2有色版画像データに含まれる画素数分繰り返した後に、本ルーチンを終了する。
【0202】
第1補正画像生成部202が、第2有色版画像データの全画素について上記ステップS600〜ステップS614の第1補正画像生成処理を実行することによって、第1補正画像データが生成される。
【0203】
すなわち、第1補正画像生成部202は、第2有色版画像データにおける、第2光沢制御版画像データによって示される光沢領域に相当する画素の彩度を、該光沢領域の光沢効果の種類に応じて補正した、第1補正画像データを生成する。
【0204】
なお、第1補正画像生成部202は、第2クリア版画像データについても、上記ステップS600〜ステップS614と同様の処理を行う。すなわち、第1補正画像生成部202は、第2光沢制御版画像データに代えて第2クリア版画像データを用い、光沢制御管理テーブルに代えて透明画像管理テーブルを用いる以外は、ステップS600〜ステップS614と同様の処理を行えばよい。
【0205】
これによって、第1補正画像生成部202は、第2有色版画像データにおける、第2光沢制御版画像データによって示される光沢領域に相当する画素の彩度を、該光沢領域の光沢効果の種類に応じて補正し、且つ第2クリア版画像データによって示される透明画像に相当する画素の彩度を、該透明画像の濃度値に応じて補正した、第1補正画像データを生成する。
【0206】
次に、図22におけるステップS414の第2補正画像生成処理について説明する。
【0207】
図25は、第2補正画像生成処理の手順を示すフローチャートである。
【0208】
まず、第2補正画像生成部204は、作成する第2補正画像データの各画素データを格納する領域を確保する(ステップS700)。具体的には、第2補正画像生成部204は、該第2補正画像データの各画素データを格納するための領域として、一次メモリ部204AをRAMに確保する。
【0209】
次いで、第2補正画像生成部204は、ステップS702〜ステップS714の処理を、上記生成された第1補正画像データに含まれる画素数分繰り返す。
【0210】
第2補正画像生成部204は、該第1補正画像データにおける1の画素位置の画素βを補正対象として選択し、該画素βと同じ画素位置の、第2光沢制御版画像データの画素の濃度値Kを、上記ステップS602と同様にして抽出する(ステップS702)。
【0211】
次いで、第2補正画像生成部204は、ステップS702で抽出した濃度値Kに対応する光沢効果の種類が、光沢強調対象として指定されているか否かを判断する(ステップS704)。
【0212】
第2補正画像生成部204は、ステップS704の判断を、以下のようにして行う。詳細には、まず、第2補正画像生成部204は、補正情報記憶部200Iに格納されている光沢強調管理テーブル(図20参照)を読取る。そしてステップS702で抽出した濃度値Kに対応する対象設定として「対象」が設定されているか「対象外」が設定されているかを判別することによって行う。そして、「対象」が設定されている場合には、第2補正画像生成部204は、肯定判断し(ステップS704:Yes)、ステップS714の処理の後へと進む。一方、「対象外」が設定されている場合には、第2補正画像生成部204は、否定判断し(ステップS704:No)、ステップS706へ進む。
【0213】
次いで、第2補正画像生成部204は、第2有色版画像データにおける上記画素βの画素データによって示される色情報を、上記ステップS606と同様にして、RGB色空間からHSV色空間に変換する(ステップS706)。
【0214】
次に、第2補正画像生成部204は、上記ステップS702で抽出した濃度値Kに対応した彩度調整値Tを取得する(ステップS708)。詳細には、まず、第2補正画像生成部204は、光沢強調管理テーブル(図20参照)を読取り、該光沢強調管理テーブルに格納されている濃度値Kに相当する光沢制御版濃度値に対応する調整方法を読み取る。そして、調整方法が「手動」である場合には、該光沢制御版濃度値に対応する手動彩度調整値を、彩度調整値Tとして取得する。一方、該濃度値Kに相当する光沢制御版濃度値に対応する調整方法が「自動」である場合には、該光沢制御版濃度値に対応する自動彩度調整値を、彩度調整値Tとして取得する。
【0215】
例えば、該濃度値Kが210である場合には、第2補正画像生成部204は、図20に示す光沢強調管理テーブルから、該濃度値Kとしての210に対応する調整方法は「手動」である。このため、この場合、第2補正画像生成部204は、該濃度値Kとしての210に対応する手動彩度調整値である+0.3を、彩度調整値Tとして読み取る。一方、該濃度値Kが200である場合には、第2補正画像生成部204は、図20に示す光沢強調管理テーブルから、該濃度値Kとしての200に対応する調整方法は「自動」である。このため、この場合、第2補正画像生成部204は、該濃度値Kとしての200に対応する自動彩度調整値である0.15を、彩度調整値Tとして読み取る。
【0216】
次いで、第2補正画像生成部204は、上記ステップS706でHSV色空間に変換することによって得られた画素βの彩度から、上記ステップS708で取得した彩度調整値Tを減算した値を、該画素βの補正後の彩度として算出する(ステップS710)。
【0217】
次に、第2補正画像生成部204は、上記ステップS706でHSV色空間に変換した画素βの色情報における彩度を、ステップS710で算出した画素βの補正後の彩度に変更し、変更後のHSV色空間で示される色情報を、RGB色空間に変換する(ステップS712)。なお、HSV色空間からRGB色空間への変換式は、公知の式を用いればよい。
【0218】
次に、第2補正画像生成部204は、上記ステップS712で変換した後の色情報を含む画素データγを、第1補正画像データの画素βの位置の画素データとして、一次メモリ部204Aに格納する(ステップS714)。
【0219】
そして、第2補正画像生成部204は、上記ステップS702〜ステップS714の処理を、ステップS412(図22参照)における第1補正画像生成処理によって生成された第1補正画像データに含まれる画素数分繰り返した後に、本ルーチンを終了する。
【0220】
第2補正画像生成部204が、第1補正画像データの全画素について上記ステップS700〜ステップS714の第2補正画像生成処理を実行することによって、第2補正画像データが生成される。
【0221】
すなわち、第2補正画像生成部204は、光沢効果の種類によって補正された後の第2有色版画像データである第1補正画像データにおける、光沢強調対象外の領域に対応する画素データの彩度を、光沢強調管理テーブルに応じて補正した、第2補正画像データを生成する。
【0222】
以上説明したように、本実施の形態の表示処理部15によれば、第2有色版画像データにおける、第2光沢制御版画像データによって光沢領域として特定される画素位置の画素の彩度を、該光沢領域の光沢効果の種類に応じて補正する。このため、本実施の形態の表示処理部15によれば、有色画像を遮蔽することなく、透明現像剤を用いて形成する光沢領域を反映させたプレビュー表示することができる。
【0223】
また、本実施の形態の表示処理部15によれば、第2有色版画像データにおける、第2クリア版画像データによって透明画像として特定される画素位置の画素の彩度を、透明画像の濃度値に応じて補正する。このため、本実施の形態の表示処理部15によれば、有色画像を遮蔽することなく、透明現像剤を用いて形成する透明画像を反映させたプレビュー表示することができる。
【0224】
さらに、本実施の形態の表示処理部15では、該光沢領域の光沢効果の種類や透明画像の濃度値に応じた彩度の補正に用いる彩度調整値を、自動で設定することもできるし、ユーザによる手動で設定することもできる。
【0225】
そして、自動で設定するときに用いる彩度調整値としての自動彩度調整値としては、光沢度が高いほど(すなわち、第2光沢制御版画像データの各画素の濃度値または第2クリア版画像データの各画素の濃度値が大きいほど)、調整後の彩度が高くなるように、自動彩度調整値を定めている。反対に、光沢度が低いほど(すなわち、第2光沢制御版画像データの各画素の濃度値または第2クリア版画像データの各画素の濃度値が小さいほど)、調整後の彩度が低くなるように、自動彩度調整値を定めている。
【0226】
このため、光沢効果の種類や透明画像の濃度値に応じた彩度の補正を行うことができる。
【0227】
また、彩度調整値をユーザによる指示によって手動で設定することができるので、ユーザの所望の彩度となるように、第2有色版画像データにおける、第2光沢制御版画像データによって光沢領域として特定される画素位置の画素の彩度や、第2クリア版画像データによって透明画像として示される画素位置の画素の彩度を、任意の彩度に調整することができる。
【0228】
さらに、本実施の形態の表示処理部15では、光沢強調対象の光沢効果の種類に対応する光沢領域以外の領域の画素の濃度値(光沢効果の種類)に対応する、第1補正画像データの各画素の彩度を調整する。
【0229】
このため、光沢強調対象の光沢効果の種類に対応する光沢領域と、該光沢領域以外の領域との彩度差を大きくすることができ、光沢強調対象として指定された光沢領域を強調してプレビュー表示することができる。
【0230】
<DEF30、MIC40、印刷装置60について>
図1に戻り、次に、DEF30、MIC40、印刷装置60について説明する。
【0231】
DFE30は、ホスト装置11から印刷データを受信し、当該印刷データに基づいて、CMYKの各トナーおよび無色(透明色)のクリアトナーに応じたトナー像を形成するための画像データを生成する。そして、その生成した画像データを、MIC40を介してプリンタ機50および後処理機75の各々へ送信する。
【0232】
プリンタ機50には、CMYKの各トナーとクリアトナーとが少なくとも搭載されており、各トナーに対して感光体、帯電器、現像器及び感光体クリーナーを含む作像ユニット、及び露光器等が搭載されている。プリンタ機50は、MIC40を介してDFE30から送信された画像データに応じて、露光器から光ビームを照射して各トナーに応じたトナー像を感光体上に形成してこれを記録紙などの記録媒体に転写する。転写されたトナー像は、不図示の定着機において、所定の範囲内の温度(通常温度)での加熱および加圧が加えられて記録媒体上に定着する。これにより、記録媒体上に画像が形成される(詳細後述)。
【0233】
図1の例では、後処理機75は、プリンタ機50に接続されるグロッサ70と、グロッサ70に接続される通常定着後処理装置80と、通常定着後処理装置80に接続される低温定着後処理装置90とを含んで構成される。グロッサ70は、DFE30によりオン又はオフが制御され、オンにされた場合に、プリンタ機50により記録媒体に形成された画像を再定着し、その後、冷却して本体から画像の形成された記録媒体を剥離する。これにより、記録媒体に形成された画像全体において所定量以上のトナーが付着した各画素のトナーの総付着量は均一に圧縮される。
【0234】
通常定着後処理装置80には、クリアトナー用の感光体、帯電器、現像器および感光体クリーナーを含む作像ユニット、露光器、及び当該クリアトナーを定着させるための定着機が搭載されており、DFE30が生成した後述のクリアトナー版の画像データが入力される。通常定着後処理装置80は、入力されたクリアトナー版の画像データを用いて、クリアトナーによるトナー像を、グロッサ70により加圧された記録媒体上に形成された画像に重ねて形成する。そして、記録媒体上に形成されたトナー像は、定着機において通常温度での加熱および加圧が加えられて記録媒体上に定着する。
【0235】
低温定着後処理装置90には、クリアトナー用の感光体、帯電器、現像器および感光体クリーナーを含む作像ユニット、露光器、及び当該クリアトナーを定着させるための定着機が搭載されており、DFE30が生成した後述のクリアトナー版の画像データが入力される。低温定着後処理装置90は、入力されたクリアトナー版の画像データを用いてクリアトナーによるトナー像を、グロッサ70および通常定着後処理装置80により加圧された記録媒体上に形成された画像に重ねて形成する。そして、記録媒体上に形成されたトナー像は、定着機において通常温度よりも低い温度(低温)での加熱および加圧が加えられて記録媒体上に定着する。
【0236】
次に、DFE30の機能的構成について説明する。図26は、DFE30の概略構成例を示すブロック図である。図26に示すように、DFE30は、I/F部31と、I/F部32と、制御部35とを含んで構成される。I/F部31はホスト装置11との間で通信を行うためのインタフェース装置である。I/F部32は、MIC40との間で通信を行うためのインタフェース装置である。
【0237】
制御部35は、DFE30全体を制御する手段であり、CPU、ROMおよびRAMなどを含んで構成されるコンピュータである。図26に示すように、制御部35が有する機能には、レンダリングエンジン101、si1部102、TRC(Tone Reproduction Curve)103、si2部104、ハーフトーンエンジン105、クリアプロセッシング108、si3部109、表面効果選択テーブル(不図示)、などが含まれる。レンダリングエンジン101と、si1部102と、TRC(Tone Reproduction Curve)103と、si2部104と、ハーフトーンエンジン105と、クリアプロセッシング108と、si3部109とは、DFE30の制御部35が主記憶部や補助記憶部に記憶されている各種プログラムを実行することにより実現されるものである。si1部102、si2部104及びsi3部109はいずれも、画像データを分離する(separate)機能と、画像データを統合する(integrate)機能とを有するものである。表面効果選択テーブルは例えば補助記憶部に記憶されるものである。
【0238】
レンダリングエンジン101には、ホスト装置11から印刷データが入力される。レンダリングエンジン101は、入力された印刷データを言語解釈して、ベクター形式で表現される第1有色版画像データ、第1クリア版画像データ、及び第1光沢制御版画像データの各々を、ラスタ形式で表現される画像データに変換すると共に、RGB形式等で表現された色空間をCMYK等の色空間に変換して、CMYKの第4有色版画像データ、第4光沢制御版画像データ、及び第4クリア版画像データを出力する。なお、これらの第4有色版画像データ、第4光沢制御版画像データ、及び第4クリア版画像データは、1画素を例えば8ビット等で表現した画像データである。また、第4クリア版画像データ及び第4光沢制御版画像データは、画素毎に例えば8ビットで「0」〜「255」(0%〜98%)の範囲の濃度値で表される。すなわち、レンダリングエンジン101は、ホスト装置11から出力された印刷データに含まれる、ベクター形式で表現される第1有色版画像データ、第1クリア版画像データ、及び第1光沢制御版画像データの各々をラスタ形式に変換し、この結果、DFE30は、ユーザが指定した描画領域に対する表面効果の種類を、画素を単位とした濃度値として設定する。
【0239】
si1部102は、第4有色版画像データをTRC103に出力する。また、si1部102は、第4光沢制御版画像データ、及び第4クリア版画像データを、クリアプロセッシング108へ出力する。
【0240】
TRC103には、si1部102を介して第4有色版画像データが入力される。TRC103は、入力された第4有色版画像データに対してキャリブレーションにより生成された1D_LUTのガンマカーブでガンマ補正を行う。画像処理としては、ガンマ補正の他にトナーの総量規制等があるが、この実施の形態の例では省略している。si2部104は、TRC103でガンマ補正された第4有色版画像データを、インバースマスクを生成するためのデータとしてクリアプロセッシング108へ出力する。ハーフトーンエンジン105には、si2部104を介してガンマ補正後の第4有色版画像データが入力される。ハーフトーンエンジン105は、入力された第4有色版画像データを印刷装置60に出力するための、例えばCMYKの各2ビット等の画像データのデータ形式に変換するハーフトーン処理を行い、ハーフトーン処理後のCMYK各2ビット等の画像データとしての、第5有色版画像データをsi3部109へ出力する。なお、2ビットは一例であり、これに限定されるものではない。
【0241】
クリアプロセッシング108は表面情報及び装置構成に対応する、表面効果選択テーブルを参照し、グロッサ70のオン又はオフを決定すると共に、第4光沢制御版画像データ及び第4クリア版画像データを用いて、クリアトナーを付着させるための例えば、2ビット等の、後述するクリアトナー版の画像データを生成する。なお、2ビットは一例であり、これに限定されるものではない。
【0242】
詳細には、表面効果選択テーブルは、「0%」〜「98%」の範囲で表現される光沢制御版画像データの濃度値と、「0」〜「255」の256段階で表現される光沢制御版画像データの濃度値と、表面効果の種類と、グロッサ70のオンおよびオフの何れかを指定するオンオフ情報と、クリアトナー版の画像データの濃度値の決定方法と、実現可能な表面効果の種類とを対応付けて記憶する。この表面効果選択テーブルは、装置構成情報及びグロッサ70のオンまたはオフを示す情報に対応づけて定められている。
【0243】
図27は、表面効果選択テーブルの例を示す図である。表面効果選択テーブルの内容は、装置構成情報および優先情報に応じて決定される。装置構成情報は、印刷装置60に搭載されている後処理機75の構成を示す情報である。優先情報は「光沢優先」および「種類優先」の何れかを示す情報である。「光沢優先」とは、ユーザ指定の表面効果を、より光沢度の高い表面効果に置き換えることを示す。また、「種類優先」とは、ユーザ指定の表面効果を、最も光沢度の高い超高光沢を含まない表面効果に置き換えることを示す。
【0244】
クリアプロセッシング108は、装置構成情報および優先情報に対応する表面効果選択テーブルを、図示を省略する記憶部から読み出す。例えば、クリアプロセッシング108は、図27に示す表面効果選択テーブルを読み取る。この優先情報とは、光沢優先または種類優先を示す情報であり、ユーザの操作指示等によって指定される。装置構成情報は、印刷装置60に設けられた後処理機75の種類を示す情報である。
【0245】
そして、クリアプロセッシング108は、優先情報が光沢優先を示す場合には、グロッサ70のオンを決定する。また、クリアプロセッシング108は、優先情報が種類優先を示す場合には、グロッサ70のオフを決定する。
【0246】
そして、クリアプロセッシング108は、各画素位置の画素について、8ビットの画素データを例えば2ビットの画素データに変換する。詳細には、クリアプロセッシング108は、変換処理対象の画素について透明画像と、表面効果の与えられる光沢領域と、の双方が重なる場合には、予め別途設定された優先設定に応じていずれか一方を画素単位で排他する。
【0247】
具体的には、透明画像と光沢領域との双方の重なる画素位置については、優先設定が光沢優先(クリア版優先と称する場合もある)を示す場合には、第4クリア版画像データの対応する画素位置の8ビットの画素データを、2ビットの画素データに変換する。また、透明画像と光沢領域との双方の重なる画素位置については、優先設定が種類優先を示す場合には、第4光沢制御版画像データの対応する画素位置の8ビットの画素データを2ビットの画素データに変換する。
【0248】
そして、クリアプロセッシング108は、優先情報に応じて決定された、グロッサ70のオンまたはオフと装置構成情報に対応する表面効果選択テーブルを用いて、第4光沢制御版画像データ及び第4クリア版画像データから、2ビットの第1のクリアトナー版の画像データClr−1、2ビットの第2のクリアトナー版の画像データClr−2、および、2ビットの第3のクリアトナー版の画像データClr−3の各々を生成する。
【0249】
第1のクリアトナー版の画像データであるClr−1は、プリンタ機50がクリアトナーを用いた印刷時に用いる画像データである。また、第2のクリアトナー版の画像データであるClr−2は、通常定着後処理装置80がクリアトナーを用いた印刷時に用いる画像データである。また、第3のクリアトナー版の画像データであるClr−3は、低温定着後処理装置90がクリアトナーを用いた印刷時に用いる画像データである。
【0250】
そして、クリアプロセッシング108は、グロッサ70のオンおよびオフの何れかを指示するオンオフ指示情報と、各2ビットのクリアトナー版の画像データ(Clr−1〜Clr−3)とをsi3部109へ出力する。
【0251】
図27の例では、第4光沢制御版画像データに含まれる画素の濃度値が「205」〜「255」(94%〜98%)の場合、当該画素の濃度値に対応する表面効果の種類は超高光沢である。また、オンオフ情報は「オン」である。そして、超高光沢のときに、第1のクリアトナー版の画像データClr−1に入力する画像データは、インバースマスク1である。また、表面効果が超高光沢のときに、第2のクリアトナー版の画像データClr−2及びClr−3に入力する画像データは、no data(データ無し)である。
【0252】
同様に、第4光沢制御版画像データに含まれる画素の濃度値が「154」〜「204」(84%〜90%)の場合、当該画素の濃度値に対応する表面効果の種類は高光沢である。また、オンオフ情報は「オン」である。そして、高光沢のときに、第1のクリアトナー版の画像データC1r−1に入力する画像データは、インバースマスクmである。また、表面効果がGのときに、第2のクリアトナー版の画像データClr−2に入力する画像データはベタであり、Clr−3に入力する画像データは、no data(画像データ無し)である。
【0253】
同様に、第4光沢制御版画像データに含まれる画素の濃度値が「52」〜「102」
(10%〜16%)の場合、当該画素の濃度値に対応する表面効果の種類は低光沢である。また、オンオフ情報は「オン」である。そし低光沢のときに、第1のクリアトナー版の画像データClr−1及び、Clr−3に入力する画像データは、no data(画像データ無し)である。
【0254】
また、表面効果が低光沢のときに、第2のクリアトナー版の画像データClr−2に入力する画像データはhalftone−nである。
【0255】
同様に、第4光沢制御版画像データに含まれる画素の濃度値が「1」〜「51」(0%〜6%)の場合、当該画素の濃度値に対応する表面効果の種類はつや消しである。また、オンオフ情報は「オン」である。そして、つや消しのときに、第1のクリアトナー版の画像データClr−1及びClr−2に入力する画像データは、no data(画像データ無し)である。
【0256】
また、表面効果つや消しのときに、第3のクリアトナー版の画像データClr−3に入力する画像データはベタである。
【0257】
ここで、上記インバースマスクとは、表面効果を与える対象の領域を構成する各画素上のCMYKのトナー及びクリアトナーを合わせた総付着量が均一になるようにするためのものである。具体的には、CMYK版の画像データにおいて当該対象の領域を構成する画素の表す濃度値を全て加算し、その加算値を所定値から差し引いた画像データがインバースマスクとなる。具体的には、例えば、以下の式1で表される。
【0258】
Clr=100−(C+M+Y+K)・・・(式1)
但し、Clr<0となる場合、Clr=0
【0259】
式1において、Clr,C,M,Y,Kは、クリアトナー及びC,M,Y,Kの各トナーのそれぞれについて、各画素における濃度値から換算される濃度率を表すものである。即ち、式1によって、C,M,Y,Kの各トナーの総付着量にクリアトナーの付着量を加えた総付着量を、表面効果を与える対象の領域を構成する全ての画素について100%にする。なお、C,M,Y,Kの各トナーの総付着量が100%以上である場合には、クリアトナーは付着させずに、その濃度率は0%にする。これは、C,M,Y、Kの各トナーの総付着量が100%を超えている部分は定着処理により平滑化されるためである。このように、表面効果を与える対象の領域を構成する全ての画素上の総付着量を100%以上にすることで、当該対象の領域においてトナーの総付着量の差による表面の凸凹がなくなり、この結果、光の正反射による光沢が生じるのである。但し、インバースマスクには、式1以外により求められるものがあり、インバースマスクの種類は複数有り得る。後述するINV−1、INV−mがこれに相当する。
【0260】
ベタマスクとは、表面効果を与える対象の領域を構成する各画素上にクリアトナーを均一に付着させるためのものである。具体的には、例えば以下の式2で表される。
【0261】
Clr=100・・・(式2)
【0262】
なお、表面効果を与える対象の画素の中でも、100%以外の濃度率が対応付けられるものがあるようにしても良く、ベタマスクのパターンは複数有り得る。
【0263】
また、例えばインバースマスクは、各色の地肌露出率の乗算により求められるものであってもよい。この場合のインバースマスクは、例えば以下の式3で表される。
Clr=100×{(100−C)/100}×{(100−M)/100}×{(100−Y)/100}×{(100−K)/100}・・・(式3)
上記式3において、(100−C)/100は、Cの地肌露出率を示し、(100−M)/100は、Mの地肌露出率を示し、(100−Y)/100は、Yの地肌露出率を示し、(100−K)/100はKの地肌露出率を示す。
【0264】
また、例えばインバースマスクは、最大面積率の網点が平滑性を律すると仮定した方法により求められるものであってもよい。この場合のインバースマスクは、例えば以下の式4で表される。
Clr=100−max(C,M,Y,K)・・・(式4)
上記式4において、max(C,M,Y,K)は、CMYKのうち最大の濃度値を示す色の濃度値が代表値となることを示す。
【0265】
要するに、インバースマスクは、上記式1〜式4の何れかの式により表されるものであればよい。
【0266】
図27の例では、第4光沢制御版画像データに含まれる画素の濃度値が「154」〜「204」(84%〜90%)の場合、当該画素の濃度値に対応する表面効果の種類は高光沢、オンオフ情報は「オン」、第1のクリアトナー版の画像データClr−1における当該画素の濃度値は「インバースマスクm」により求められて8ビットで表現され、第2のクリアトナー版の画像データClr−2における当該画素の濃度値は「ベタ」により求められて2ビットで表現され、第3のクリアトナー版の画像データClr−3における当該画素の濃度値は無く(「no data」)、実現可能な表面効果の種類は「高光沢」であることが示されている。なお、当該インバースマスクmは、上述の式1とは異なる式で表される(式2〜式4のうちの何れかの式で表される)。これは、超高光沢の場合とは、平滑化されるトナーの総付着量が異なるからである。また、ベタとは、表面効果を与える対象の領域を構成する各画素上にクリアトナーを均一に付着させるためのものである。具体的には、例えば上記式2で表される。なお、表面効果を与える対象の画素の中でも、100%以外の濃度率が対応付けられるものがあるようにしてもよく、ベタのパターンは複数有り得る。
【0267】
また、図27の例では、第4光沢制御版画像データに含まれる画素の濃度値が「52」〜「102」(10%〜16%)の場合、当該画素の濃度値に対応する表面効果の種類は低光沢、オンオフ情報は「オン」、第1のクリアトナー版の画像データClr−1における当該画素の濃度値は「no data」、第2のクリアトナー版の画像データClr−2における当該画素の濃度値は「halftone−n」により求められて2ビットで表現され、第3のクリアトナー版の画像データClr−3における当該画素の濃度値は「no data」、実現可能な表面効果の種類は「低光沢」であることが示されている。なお、halftone(ハーフトーン)とは、クリアトナーに中間調処理を施し、表面に凹凸を付与し乱反射させることで光沢度を低くするためのものである。中間調処理には複数あり、その中の一つを示す表現としてhalftone−nと記載している。なお、本実施形態では、表面効果の種類として低光沢が指定された場合、光沢制御版画像データにおいて低光沢が指定された領域内の各画素の濃度値は、「52」〜「102」の範囲内の何れかの値に共通に設定される。
【0268】
また、図27の例では、第4光沢制御版画像データに含まれる画素の濃度値が「1」〜「51」(0%〜6%)の場合、当該画素の濃度値に対応する表面効果の種類はつや消し、オンオフ情報は「オン」、第1のクリアトナー版の画像データClr−1および第2のクリアトナー版の画像データClr−2の各々における当該画素の濃度値は「no data」、第3のクリアトナー版の画像データClr−3における当該画素の濃度値は「ベタ」により求められて2ビットで表現され、実現可能な表面効果の種類は「つや消し」であることが示されている。
【0269】
本実施形態では、クリアプロセッシング108は、光沢優先か種類優先かに応じて、図27の表面効果選択テーブルを参照して、グロッサ70のオン又はオフを決定する。また、クリアプロセッシング108は、決定されたグロッサ70のオンまたはオフと、グロッサ70のオンオフ及び装置構成に対応する、表面効果選択テーブルを用いて、入力された第4光沢制御版画像データを用いて、8ビットの第1のクリアトナー版の画像データClr−1、2ビットの第2のクリアトナー版の画像データClr−2、および、2ビットの第3のクリアトナー版の画像データClr−3の各々を生成する。そして、クリアプロセッシング108は、8ビットの第1のクリアトナー版の画像データClr−1に対してハーフトーン処理を行い、2ビットの第1のクリアトナー版の画像データClr−1に変換する。そして、クリアプロセッシング108は、グロッサ70のオンおよびオフの何れかを指示するオンオフ指示情報と、各2ビットのクリアトナー版の画像データ(Clr−1〜Clr−3)とをsi3部109へ出力する。
【0270】
si3部109は、ハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの画像データである第5有色版画像データ(2bit×4plane)と、クリアプロセッシング108が生成した各2ビットのクリアトナー版の画像データ(Clr−1〜Clr−3)(2bit×3plane)とを統合し、統合した画像データをMIC40に出力するとともに、クリアプロセッシング108から供給されたオンオフ指示情報をMIC40に出力する。本実施形態において、例えば1ページ内において超高光沢、高光沢、低光沢、及び、つや消しの各々が指定されていた場合、DFE30からは各々2ビットの7つの画像データ(CMYK+Clr−1+Clr−2+Clr−3)と、グロッサ70の「オン」を指示するオンオフ指示情報とがMIC40へ出力される。
【0271】
MIC40は、DFE30とプリンタ機50とに接続され、CMYKの第5有色版画像データ(2bit×4plane)および第1〜第3のクリアトナー版の画像データをDFE30から受信して各画像データを対応する装置に振り分けるとともに、後処理装置の制御を行う。
【0272】
この場合、図28に例示されるように、DFE30は、MIC40を介して、CMYKの第5有色版画像データ(2bit×4plane)および第1のクリアトナー版の画像データClr−1をプリンタ機50に出力する。また、DFE30は、MIC40を介して、「オン」を指示するオンオフ指示情報をグロッサ70へ出力する。これを受けて、グロッサ70はオン状態に遷移する。さらに、DFE30は、MIC40を介して、第2のクリアトナー版の画像データClr−2を通常定着後処理装置80へ出力し、第3のクリアトナー版の画像データClr−3を低温定着後処理装置90へ出力する。
【0273】
図28の例では、プリンタ機50は、MIC40から出力されたCMYKの第5有色版画像データ(2bit×4plane)及び第1のクリアトナー版の画像データClr−1を用いて、露光器から光ビームを照射して各トナーに応じたトナー像を感光体上に形成してこれを記録媒体に転写した後に定着させる。
【0274】
詳細には、プリンタ機50は、電子写真方式の複数の感光体50A、感光体50A上に形成されたトナー像を転写される転写ベルト50B、転写ベルト50B上のトナー像を記録媒体に転写する転写装置50C、及び記録媒体上のトナー像を該記録媒体に定着させる定着機50Dを備える。
【0275】
これによって記録媒体に、CMYKのトナーの他クリアトナーが付着されて、画像が形成される。その後、搬送路に沿って記録媒体が搬送されて、オン状態になっているグロッサ70の位置に到ると、当該グロッサ70は、当該記録媒体(のプリンタ機50による画像形成領域を含む領域)を高温及び高圧で加圧する。
【0276】
通常定着後処理装置80は、MIC40から出力された第2のクリアトナー版の画像データClr−2を用いてクリアトナーによるトナー像を形成し、グロッサ70を通過した記録媒体上に当該トナー像を重ねて、通常温度での加熱および加圧を与えて記録媒体に定着させる。そして、低温定着後処理装置90は、MIC40から出力された第3のクリアトナー版の画像データClr−3を用いてクリアトナーによるトナー像を形成し、通常定着後処理装置80を通過した記録媒体上に当該トナー像を重ねて、低温での加熱および加圧を与えて記録媒体に定着させる。
【0277】
通常定着後処理装置80及び低温定着後処理装置90は、詳細には、電子写真方式の感光体80A及び感光体90Aから転写されたトナー像を記録媒体に定着させる定着機80B及び定着機90Bの各々を備える。記録媒体は、図示を省略する搬送部材によって搬送されることで、プリンタ機50、グロッサ70、通常定着後処理装置80、及び低温定着後処理装置90の設けられている位置を、この順に搬送される。そして、これらの機器によって順次処理が行われて画像形成及び表面効果が付与された後に、図示を省略する搬送機構によって搬送されて、印刷装置60の外部へと排出される。
【0278】
以上により、クリアトナーを用いた透明画像が記録媒体に形成される。また、ユーザによって超高光沢が指定された領域においては、超高光沢としての効果が実現され、ユーザによって高光沢が指定された領域においては、高光沢としての効果が実現される。また、ユーザによって低光沢が指定された領域においては、低光沢としての効果が実現され、ユーザによってつや消しが指定された領域においては、つや消しとしての効果が実現される。なお、表面効果を与える領域として指定されていない領域には、いずれの表面効果も与えられない。
【0279】
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0280】
例えば、上記に説明した各実施形態では、表示処理部15は、ホスト装置11に設けられている場合を説明したが、表示処理部15を、DFE30に設けた構成であってもよい。
【0281】
また、本実施形態では、透明画像の印刷や表面効果の付与のために、クリアトナーを用いる場合を説明したが、透明現像剤を含む色材であればよく、トナーに限られない。例えば、クリアトナーに代えて、透明な現像液を用いてもよい。
【0282】
また、プリンタ機50では、CMYKの複数の色のトナーを用いて画像を形成するようにしたが、1色のトナーを用いて画像を形成するようにしてもよい。
【0283】
(実施形態2)
実施形態1では、ホスト装置11でプレビュー画像(表示画像)を生成する場合を説明したが、これに限定されるものではない。
【0284】
すなわち、一の装置で行っていた複数の処理のいずれかを、一の装置とネットワークを介して接続する1以上の他の装置で行う構成にしてもよい。
【0285】
その一例として、本実施形態に係る画像形成システムでは、ホスト装置の機能の一部を、ネットワーク上のサーバ装置上に実装している。
【0286】
図29は、本実施形態に係る画像形成システムの構成を例示する図である。図29に示すように、本実施形態の画像形成システム100Dは、ホスト装置110と、DFE30と、MIC40と、印刷装置60と、を備えている。
【0287】
本実施形態では、ホスト装置110が、インターネット等のネットワークを介して、サーバ装置3060と接続された構成となっている。また、本実施形態では、実施形態1のホスト装置11における解析部200L、分類画像データ生成部200F、表示画像生成部200Hの機能を、サーバ装置3060に設けた構成となっている。
【0288】
ここで、ホスト装置110、DFE30、MIC40、及び印刷装置60の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0289】
すなわち、具体的には、本実施形態では、ホスト装置110がインターネット等のネットワーク(クラウド)を介して、単一のサーバ装置3060に接続し、サーバ装置3060は、実施形態1の解析部200L、分類画像データ生成部200F、表示画像生成部200Hの機能を設けて、サーバ装置3060で、表示画像の生成処理を行うように構成している。
【0290】
まず、サーバ装置3060について説明する。図30は、本実施形態にかかるサーバ装置3060の機能的構成を示すブロック図である。サーバ装置3060は、記憶部3070と、解析部3061と、分類画像データ生成部3062と、表示画像生成部3063と、通信部3065と、を主に備えている。
【0291】
通信部3065は、ホスト装置110との間で各種データや要求の送受信を行う。より具体的には、通信部3065は、ホスト装置110から、原稿データと、光沢制御管理テーブル及び透明画像管理テーブルの各々に格納されている補正情報と、を含む第1データを受信する。また、通信部3065は、表示画像生成部3063で生成された表示画像を、ホスト装置110へ送信する。
【0292】
解析部3061、分類画像データ生成部3062、及び表示画像生成部3063の機能は、各々、実施形態1で説明した、解析部200L、分類画像データ生成部200F、及び表示画像生成部200Hの機能と同様である。
【0293】
記憶部3070は、HDDやメモリ等の記憶媒体であり、オブジェクト構造リスト、分類画像データ生成部3062で生成された、第2有色版画像データ、第2光沢制御版画像データ、及び第2クリア版画像データを記憶する。また、記憶部3070は、解析部3061で分類された、オブジェクト分類リストを記憶する。また、記憶部3070は、通信部3065が受信した第1データを記憶する。
【0294】
次に、ホスト装置110について説明する。
【0295】
図31は、ホスト装置110を示す機能ブロック図である。ホスト装置110は、表示部99Dと、入力部99Aと、操作部99Bと、制御部100Cと、を備える。制御部100Cは、原稿データ生成部10、印刷データ生成部20、及び表示処理部15Cを備える。
【0296】
原稿データ生成部10、及び印刷データ生成部20は、実施形態1と同様である。
【0297】
表示処理部15Cは、原稿データ受付部200A、通信部200K、受付部200M、補正情報生成部200K、補正情報記憶部200I、及び表示制御部200Jを備える。原稿データ受付部200A、受付部200M、補正情報生成部200K、補正情報記憶部200I、及び表示制御部200Jは、実施形態1と同様である。
【0298】
通信部200Kは、ホスト装置110へ第1データを送信する。また、通信部200Kは、ホスト装置110から表示画像を受信する。
【0299】
次に、本実施形態のホスト装置110の表示処理部15Cで実行する画像表示処理について説明する。
【0300】
図32は、ホスト装置110の表示処理部15Cで実行する画像表示処理の手順を示すフローチャートである。
【0301】
まず、原稿データ受付部200Aが、原稿データを受け付ける(ステップS2000)。原稿データ受付部200Aで受け付けられた原稿データは、一次メモリ201Bに展開される。
【0302】
次に、通信部200Kが、上記ステップS2000で受け付けた原稿データと、光沢制御管理テーブル及び透明画像管理テーブルの各々に格納されている補正情報と、を含む第1データを、サーバ装置3060へ送信する(ステップS2010)。
【0303】
次に、通信部200Kが、サーバ装置3060から表示画像を受信するまで否定判断を繰り返す(ステップS2020:No)。ステップS2020で肯定判断すると(ステップS2020:Yes)、ステップS2040へ進む。
【0304】
ステップS2040では、表示制御部200Jが、ステップS2020で受信した表示画像を表示部99Dへ表示する制御を行う(ステップS2040)。そして、本ルーチンを終了する。
【0305】
次に、サーバ装置3060で実行する画像処理の手順を説明する。図33は、サーバ装置3060で実行する画像処理の手順を示すフローチャートである。
【0306】
まず、サーバ装置3060の通信部3065が、ホスト装置110から第1データを受信したか否かを判断する(ステップS4000)。ステップS4000で否定判断すると(ステップS4000:No)、本ルーチンを終了する。
【0307】
一方、ステップS4000で肯定判断すると(ステップS4000:Yes)、ステップS4020へ進む。
【0308】
次いで、解析部3061が、ステップS4000で受信した第1データに含まれる原稿データのデータ構造を解析し、原稿データの各ページに含まれるオブジェクトを示すオブジェクト構造リストを作成する(ステップS4020)。そして、解析部3061は、オブジェクト構造リストを記憶部3070に格納する(ステップS4040)。
【0309】
次いで、分類画像データ生成部3062が原稿データの分類処理を実行する(ステップS4060)。この分類処理は、上記ステップS406と同様である。
【0310】
そして、分類画像データ生成部3062が、表示用のイメージデータとして、第2有色版画像データ、第2光沢制御版画像データ、及び第2クリア版画像データを生成し、記憶部3070に格納する(ステップS4080、ステップS4100)。
【0311】
次に、表示画像生成部3063が第1補正画像生成処理を実行する(ステップS4120)。なお、このステップS4120の第1補正画像生成処理は、上記ステップS412の処理と同様である。
【0312】
次に、表示画像生成部3063が第2補正画像生成処理を実行する(ステップS4140)。なお、このステップS4140の第2補正画像生成処理は、上記ステップS414の処理と同様である。
【0313】
次に、通信部3065が、表示画像生成部3063で生成された表示画像データ(第1補正画像データ、または第2補正画像データ)の表示画像を、ホスト装置110へ送信する(ステップS4160)。そして、本ルーチンを終了する。
【0314】
以上説明したように、本実施形態では、表示画像の生成を、クラウド上のサーバ装置3060で行っているので、実施形態1の効果の他、複数のホスト装置110が存在する場合でも、合成画像の生成を一括して行うことができ、管理者の便宜となる。
【0315】
なお、本実施形態では、クラウド上の単一のサーバ装置3060に、解析部3061、分類画像データ生成部3062、及び表示画像生成部3063を設けた構成としたが、これに限定されるものではない。
【0316】
例えば、クラウド上に2以上のサーバ装置を設け、上記各処理を、2以上のサーバ装置で分散させて実行するように構成してもよい。なお、各処理の各サーバ装置への分散の形態はこれに限定されるものではなく、任意に行うことができる。
【0317】
すなわち、ホスト装置110に入力部99A、出力部99C、表示制御部200J、及び通信部200K等の最低限の構成を設ければ、各処理の一部または全部をクラウド上の一つのサーバ装置に集中して設けたり、複数のサーバ装置に分散させて設けたりすることは任意に行うことができる。
【0318】
言い換えると、上述の例のように、一の装置で行っていた複数の処理のいずれかを、一の装置とネットワークを介して接続する1以上の他の装置で行う構成にすることができる。
【0319】
また、上記の「一の装置とネットワークを介して接続する1以上の他の装置で行う構成」の場合、一の装置で行われた処理で発生したデータ(情報)を一の装置から他の装置に出力する処理、そのデータを他の装置が入力する処理等、一の装置と他の装置間、さらには、他の装置間同士で行われるデータの入出力処理を含むような構成となる。
【0320】
つまり、他の装置が1つの場合では、一の装置と他の装置間で行われるデータの入出力処理を含むような構成となり、他の装置が2以上の場合では、一の装置と他の装置間、及び、第一の他の装置・第二の他の装置間のように他の装置間同士でデータの入出力処理を含むような構成となる。
【0321】
また、本実施形態では、サーバ装置3060などの1または複数のサーバ装置を、クラウド上に設けているが、これに限定されるものではない。例えば、サーバ装置3060などの1または複数のサーバ装置を、イントラネット上に設ける等、あらゆるネットワーク上に設けた構成としてもよい。
【0322】
次に、上述した実施形態のホスト装置11、110、DFE30、及びサーバ装置3060のハードウェア構成について説明する。
【0323】
図34は、本実施形態のホスト装置11、110、DFE30、及びサーバ装置3060のハードウェア構成例を示すブロック図である。本実施形態のホスト装置11、110、DFE30、及びサーバ装置3060は、CPUなどの制御装置1010と、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの主記憶装置1020と、HDD、CDドライブ装置などの補助記憶装置1030と、ディスプレイ装置などの表示装置1040と、キーボードやマウスなどの入力装置1050と、を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0324】
本実施形態のホスト装置11、110、DFE30、及びサーバ装置3060で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0325】
また、本実施形態のホスト装置11、110、DFE30、及びサーバ装置3060で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態のホスト装置11、110、DFE30、及びサーバ装置3060で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、本実施形態のホスト装置11、110、DFE30、及びサーバ装置3060で実行される制御プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0326】
本実施形態のホスト装置11、110、DFE30、及びサーバ装置3060で実行されるプログラムは、上述した各部を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体から制御プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、上記各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。なお、上述の実施形態では、ホスト装置11、110、DFE30、及びサーバ装置3060が本実施の形態に係る処理を実行しているが、これに限らず、本実施の形態に係る処理を実行する装置の種類は任意であり、例えばPCで処理を実行することもできる。
【0327】
なお、上述した実施形態において、画像形成システム100は、ホスト装置11、DFE30、MIC40、印刷装置60を備えるように構成したが、これに限らない。例えば、ホスト装置11、DFE30、MIC40、印刷装置60を一体的に形成して1つの画像形成装置として構成するようにしてもよい。
【0328】
また、MIC40とプリンタ機50とを一体的に構成してもよい。
【0329】
なお、上述した実施の形態のプリンタシステムは、MIC40を備えた構成としているが、これに限定されるものではない。上述したMIC40が行う処理、機能をDFE30等の他の装置にもたせて、MIC40を設けない構成としてもよい。
【符号の説明】
【0330】
100 画像形成システム
10 原稿データ生成部
11、110 ホスト装置
15 表示処理部
20 印刷データ生成部
30 DFE
99B 操作部
99D 表示部
200A 原稿データ受付部
200B 構造解析部
200C オブジェクト構造リスト記憶部
200D 分類部
200E 分類リスト記憶部
200F、3062 分類画像データ生成部
200G 分類画像データ記憶部
200H、3063 表示画像生成部
200K 補正情報生成部
200I 補正情報記憶部
200J 表示制御部
200L、3061 解析部
202 第1補正画像生成部
204 第2補正画像生成部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0331】
【特許文献1】特開2008−145784号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有色画像を描画領域毎に示す第1有色版画像データ、及び記録媒体に付与する光沢効果の種類及び該光沢効果を与える光沢領域を描画領域毎に示す第1光沢制御版画像データを含む原稿データに基づいて、前記第1有色版画像データにおける、前記第1光沢制御版画像データによって特定される該光沢領域に対応する領域の彩度を、該光沢領域の種類に応じて補正し、第1補正画像データを生成する第1補正手段と、
前記第1補正画像データを、前記原稿データの印刷結果を推定したプレビュー画像として表示部に表示する表示制御手段と、
を備えた表示処理装置。
【請求項2】
前記原稿データに基づいて、画素毎に有色画像の濃度値を規定した第2有色版画像データ、及び前記光沢効果の種類に応じた濃度値を画素毎に規定した第2光沢制御版画像データを生成する生成手段を更に備え、
前記第1補正手段は、
前記第2有色版画像データにおける、前記第2光沢制御版画像データによって前記光沢領域として特定される画素位置の画素の彩度を、該光沢領域の前記光沢効果の種類に応じて補正し、前記第1補正画像データを生成する、
請求項1に記載の表示処理装置。
【請求項3】
前記原稿データは、透明現像剤を用いて印刷する透明画像を描画領域毎に示す第1クリア版画像データを更に含み、
前記生成手段は、前記第1クリア版画像データに基づいて、画素毎に透明画像の濃度値を規定した第2クリア版画像データを更に生成し、
前記第1補正手段は、前記第2有色版画像データにおける、前記第2クリア版画像データによって前記透明画像の描画領域として特定される画素位置の画素の彩度を、該透明画像の濃度値に応じて更に補正し、前記第1補正画像データを生成する、請求項2に記載の表示処理装置。
【請求項4】
強調表示する光沢効果の種類を指定した強調情報を含む表示情報の入力を受け付ける受付部と、
前記第1補正画像データにおける、前記強調表示の指定された前記光沢効果の種類に対応する光沢領域以外の領域の画素の彩度を補正し、第2補正画像データを生成する第2補正手段と、
を更に備え、
前記表示制御手段は、前記第2補正画像データを前記表示部に表示する、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の表示処理装置。
【請求項5】
前記光沢効果の種類に対応する彩度補正値を予め記憶した記憶手段を更に備え、
前記第1補正手段は、前記第2有色版画像データにおける、前記第2光沢制御版画像データによって前記光沢領域として特定される画素位置の画素の彩度を、該光沢領域の前記光沢効果の種類に対応する前記彩度補正値に応じて補正し、前記第1補正画像データを生成する、請求項2に記載の表示処理装置。
【請求項6】
前記透明画像の濃度値に対応する彩度補正値を記憶した記憶手段を更に備え、
前記第1補正手段は、前記第2有色版画像データにおける、前記第2クリア版画像データによって前記透明画像の描画領域として特定される画素位置の画素の彩度を、該透明画像の濃度値に対応する該彩度補正値に応じて更に補正し、前記第1補正画像データを生成する、請求項3に記載の表示処理装置。
【請求項7】
前記強調表示の指定された光沢効果の種類以外の光沢効果の種類に対応する彩度補正値を記憶した記憶手段を備え、
前記第2補正手段は、前記第1補正画像データにおける、前記強調表示の指定された前記光沢効果の種類に対応する光沢領域以外の領域の画素の彩度を、該光沢領域以外の領域の光沢効果の種類に対応する該彩度補正値に応じて補正し、前記第2補正画像データを生成する、
請求項4に記載の表示処理装置。
【請求項8】
前記記憶手段に記憶された前記彩度補正値は、操作手段による操作指示によって変更される、請求項5〜請求項7の何れか1項に記載の表示処理装置。
【請求項9】
前記原稿データに含まれる描画領域の一欄を示すオブジェクト構造リストを作成することによって、該原稿データの構造を解析する構造解析手段と、
前記オブジェクト構造リストによって示される前記描画領域を、前記有色画像を示す第1描画領域群、前記光沢領域を示す第2描画領域群、及び前記透明画像を示す第3描画領域群に類する分類手段と、
を有する解析手段を更に備え、
前記生成手段は、前記解析手段による解析結果に基づいて、前記第1描画領域群に属する描画領域を統合した画像データに基づいて前記第2有色版画像データを生成し、前記第2描画領域群に属する描画領域を統合した画像データに基づいて前記第2光沢制御版画像データを生成し、前記第3描画領域群に属する描画領域を統合した画像データに基づいて前記第2クリア版画像データを生成する、
請求項2〜請求項8の何れか1項に記載の表示処理装置。
【請求項10】
原稿データに基づいて記録媒体に画像を形成する印刷手段と、前記印刷手段が実行する印刷の結果を推定したプレビュー画像を示す表示画像を表示部に表示する表示処理装置と、を備えた画像形成システムであって、
前記表示処理装置は、
有色画像を描画領域毎に示す第1有色版画像データ、及び記録媒体に付与する光沢効果の種類及び該光沢効果を与える光沢領域を描画領域毎に示す第1光沢制御版画像データを含む原稿データに基づいて、前記第1有色版画像データにおける、前記第1光沢制御版画像データによって特定される該光沢領域に対応する領域の彩度を、該光沢領域の種類に応じて補正し、第1補正画像データを生成する第1補正手段と、
前記第1補正画像データを、前記原稿データの印刷結果を推定したプレビュー画像として表示部に表示する表示制御手段と、
を備えた画像形成システム。
【請求項11】
コンピュータに、
有色画像を描画領域毎に示す第1有色版画像データ、及び記録媒体に付与する光沢効果の種類及び該光沢効果を与える光沢領域を描画領域毎に示す第1光沢制御版画像データを含む原稿データに基づいて、前記第1有色版画像データにおける、前記第1光沢制御版画像データによって特定される該光沢領域に対応する領域の彩度を、該光沢領域の種類に応じて補正し、第1補正画像データを生成するステップと、
前記第1補正画像データを、前記原稿データの印刷結果を推定したプレビュー画像として表示部に表示するステップと、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−76988(P2013−76988A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−185635(P2012−185635)
【出願日】平成24年8月24日(2012.8.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】