表示処理装置、表示処理方法、及びコンピュータプログラム
【課題】編集作業を行うことなく、自動で次の動作方向を示す矢印画像を映像中に表示する。
【解決手段】表示処理装置は、予めモーションキャプチャ技術により得られた動体の動きを表すモーションデータをフレームf1、f2・・・ごとに有する人体画像20の動画データを取得して記憶する。動画データの表示処理を行う際、時間的に前後するフレームf1、f2・・・に含まれるモーションデータの差分を算出し、算出した差分に基づいて人体画像20の動作方向を表す矢印画像25を生成する。生成した矢印画像25を、フレームf1、f2・・・に付加して、フレームf1、f2・・・の表示処理を行う。前後のフレームf1、f2・・・における人体画像20の動きが小さいとき、又は人体画像20が一時停止状態の場合は、矢印画像25を生成しない。
【解決手段】表示処理装置は、予めモーションキャプチャ技術により得られた動体の動きを表すモーションデータをフレームf1、f2・・・ごとに有する人体画像20の動画データを取得して記憶する。動画データの表示処理を行う際、時間的に前後するフレームf1、f2・・・に含まれるモーションデータの差分を算出し、算出した差分に基づいて人体画像20の動作方向を表す矢印画像25を生成する。生成した矢印画像25を、フレームf1、f2・・・に付加して、フレームf1、f2・・・の表示処理を行う。前後のフレームf1、f2・・・における人体画像20の動きが小さいとき、又は人体画像20が一時停止状態の場合は、矢印画像25を生成しない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モーションデータを有する動体の動画表示処理を行う際に、動体の次の動きを表す方向情報を自動付加して表示処理を行うようにした表示処理装置、表示処理方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な動画コンテンツ(ビデオ)が存在し、例えば、ダンス及びスポーツ等の動きに関する指導を行うために、ダンスのステップ及びスポーツにおける体の動かし方等を実写、アニメーション画像等で表現した指導用ビデオがある。これらの指導用ビデオでは、次の動き予め示すための矢印を画像中に挿入したものもある(例えば、特許文献1の図7〜13)。
【0003】
また、上述した動画コンテンツを所謂モーションキャプチャ技術を用いて作成することが行われている(特許文献2参照)。モーションキャプチャとは、人体の所要箇所にデータ取得対象となるマーカを複数取り付けた状態で、その人にダンス及びスポーツの動きを行ってもらうことにより、三次元座標におけるマーカを付した箇所の座標値及び角度を表すモーションデータ(動作情報)を取得するものである。このように取得されたモーションデータを利用して人体を表す画像が動作を行う内容の動画コンテンツを作成でき、モーションデータに基づく動画コンテンツは視点変更(表示する方向の変更)を容易に行うことができる。
【0004】
さらに、特許文献3では、実写映像と、コンピュータグラフィックによるキャラクタ画像を三次元情報に基づいて合成した映像を作成することが開示されている。
【特許文献1】特開平10−319957号公報
【特許文献2】特開平10−222668号公報
【特許文献3】特開2000−23037号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
指導用ビデオでのように、動きを示す矢印を挿入することは、映像編集者が被写体における各部の動きを見ながら矢印画像を手作業で付加する編集作業が必要なため、非常に手間を要すると云う問題がある。また、モーションキャプチャ技術によるモーションデータを利用して作成された動画コンテンツに対しても、動きを示す矢印を挿入する場合は、上記と同様に手作業による編集が必要になっていた。特に複数視点での動画表示を行う場合は、視点ごとに対応した矢印画像が必要となるため、編集作業量が膨大になると云う問題がある。
【0006】
なお、特許文献3は、実写映像と、キャラクタ画像を三次元情報に基づいて単に合成するだけものであるため、被写体であるモデルの動きに応じて、動きを示す矢印画像を合成することまでは行えない。
【0007】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、モーションキャプチャ技術により得られたモーションデータ(動作情報)を利用することにより、手作業による編集を行うことなく、動体の次に動く方向を示す方向情報を自動で付加できるようにした表示処理装置、表示処理方法、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明に係る表示処理装置は、フレームごとに動体の動作情報を含む動画の表示処理を行う表示処理装置において、前記動作情報を記憶する手段と、記憶された動作情報の中で、時間的に前後するフレームに対応した動作情報の差分を算出する算出手段と、算出した差分に基づいて、動体の動く方向を表す方向情報を生成する生成手段と、生成した方向情報をフレームに付加する付加手段と、方向情報を付加したフレームの表示処理を行う手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る表示処理装置は、前記算出手段が算出した差分が、基準値を下回るか否かを検出する手段を備え、前記差分が基準値を下回ることが検出された場合、前記生成手段は方向情報を生成しないようにしてあることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明に係る表示処理装置は、前記生成手段は、方向情報として動体の動く方向を表す画像を生成することを特徴とする。
さらにまた、本発明に係る表示処理装置は、前記算出手段が選出した差分と比較値との比較を行う比較手段を備え、前記生成手段は、前記比較手段の比較結果に基づいて生成する画像の形態を変更するようにしてあることを特徴とする。
また、本発明に係る表示処理装置は、前記生成手段は、方向情報として動作の動く方向を表す文字を生成することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る表示処理装置は、前記付加手段は、一定の時間間隔ごとのフレームに方向情報を付加することを特徴とする。
また、本発明に係る表示処理装置は、前記方向情報に応じた差分の算出に係るフレーム以前の時間帯に含まれるフレームに対応した動作情報の差分の中で、基準値を下回る差分を特定する特定手段を備え、前記付加手段は、前記特定手段が特定した差分に係るフレームに方向情報を付加することを特徴とする。
さらに、本発明に係る表示処理装置は、動画には楽曲が付帯してあり、動画の表示処理に伴って楽曲の再生処理を行う再生手段を備え、前記付加手段は、前記再生手段で再生処理が行われる楽曲の拍子に応じた表示処理対象のフレームに方向情報を付加することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る表示処理装置は、動作情報の差分及び音声を対応付けた音声テーブルと、前記音声テーブルから、前記算出手段が算出した差分に対応する音声を特定する音声特定手段と、特定した音声の出力処理を行う音声出力手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る表示処理装置は、動体の一時停止状態の検索指示を受け付ける受付手段と、該受付手段が検索指示を受け付けた場合、記憶された動作情報の中で、時間的に前後するフレームに対応した動作情報の差分を算出する手段と、算出された差分の中で、基準値を下回る差分に係るフレームを特定するフレーム特定手段と、前記フレーム特定手段が特定したフレームに前記付加手段が方向情報を付加した状態で表示処理を行う手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る表示処理方法は、動画のフレームごとに含まれる動体の動作情報を記憶する表示処理装置が、動画の表示処理を行う表示処理方法において、前記表示処理装置は、記憶する動作情報の中で、時間的に前後するフレームに対応した動作情報の差分を算出し、算出した差分に基づいて、動体の動く方向を表す方向情報を生成し、生成した方向情報をフレームに付加し、方向情報を付加したフレームの表示処理を行うことを特徴とする。
また、本発明に係る表示処理方法は、前記表示処理装置が、予め差分を算出して、算出した差分を記憶しておき、記憶した差分に基づいて方向情報を生成することを特徴とする。
【0015】
本発明に係るコンピュータプログラムは、動画のフレームごとに含まれる動体の動作情報を記憶するコンピュータに、動画の表示処理を行わせるためのコンピュータプログラムにおいて、コンピュータを、記憶された動作情報の中で、時間的に前後するフレームに対応した動作情報の差分を算出する算出手段と、該算出手段が算出した差分に基づいて、動体の動く方向を表す方向情報を生成する生成手段と、該生成手段が生成した方向情報をフレームに付加する付加手段と、方向情報を付加したフレームの表示処理を行う手段として機能させることを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、モーションキャプチャ技術により得られる動作情報(モーションデータ)の差分に基づいて方向情報を生成し、表示処理対象となるフレームに付加するので、次の動作を示す方向情報を自動で表示できるようになる。その結果、手作業による編集を行わなくても、動体の次の動作方向を把握できる指導用ビデオ等を従来に比べてより低コスト且つ容易に制作可能となる。また、本発明では、モーションキャプチャ技術により得られる動作情報を利用するので、モーションキャプチャ技術で動作情報を得られる動体の映像であれば、あらゆる種類の動体の映像に対して本発明を適用することが可能であり、動体としては人体以外にも、移動するボール、移動して組み合わせられる物体同士なども該当する。なお、モーションキャプチャ技術により得られる動作情報は一般に、三次元座標系における各座標軸に対する角度(回転角度)、又は各座標軸に対する座標値の少なくともいずれか一方を含む。
【0017】
また、本発明は、動画の表示処理を行う際にリアルタイム的に、動作情報の差分、及び差分に基づく方向情報の生成を行う以外に、予め動作情報の差分を算出すると共に、算出した差分を表示処理装置が記憶しておき、動画の表示処理を行う際に記憶する差分に基づき方向情報を生成してもよい。後者の場合、動画表示処理において表示処理装置の処理負担が軽減されるため、表示処理装置のプロセッサ能力が低いとき、又はネットワーク配信により動画表示処理を行った内容を配信する場合などに好適である。さらにまた、表示する動画の視点方向が定まっている場合は、予め差分を算出すると共に、算出した差分に基づいて、視点方向に応じた方向情報も生成し、生成した方向情報を表示処理装置が記憶しておき、動作表示処理を行う際に記憶する方向情報をフレームに付加して動画表示処理を行うことも可能であり、この場合は一段と処理負担の低減を図れる。
【0018】
本発明にあっては、算出した差分が基準値を下回る場合、方向情報を生成しないので、動体の動作が基準値を下回るレベルであるときは、方向情報が表示されなくなる。そのため、動体の微妙な動きは切り捨てられて方向情報の付加対象にならないので、方向情報が過度に表示されることを防止できる。
【0019】
本発明にあっては、動く方向を表す画像を生成するので、動画表示処理により表示画面中に付加された画像により、次に動体が動く方向を一目でユーザは把握できるようになる。なお、画像としては、方向を示す矢印の画像が好適であるが、方向を表すことが可能なクサビ形のような先細の画像等も適用可能である。
【0020】
本発明にあっては、生成する画像の形態を、比較結果に基づいて変更するので、表示される画像の形態を見ることで、ユーザは動体の動く量を予測できるようになり、現在表示されている動体の次の動きを詳細に把握可能となる。なお、形態の変更例としては、動体の動く量が大きいほど画像を大きくすること、画像を長くすること、画像の色を濃くすること等が該当し、特に方向情報に相当する画像が矢印画像の場合には、動体の動く量が大きいほど鏃部分を大きくすることなども適用できる。
【0021】
本発明にあっては、動く方向を表す文字が生成されるので、表示画面中には動体の次の動作方向を表す文字が示され、ユーザは確実に次の動きを把握できるようになる。具体的には、ダンスの指導用の動画コンテンツの場合で、モデルが次のフレームで右腕を上げるシーンになるとき、表示画面中には「右腕を上げて!」と云う文字が表示されるようになる。なお、文字及び画像の両方を表示して、次の動く方向をより把握しやすくすることも勿論可能である。
【0022】
本発明にあっては、一定の間隔ごとのフレームに方向情報を付加するので、方向情報が同一の間隔で表示されるようになり、方向情報の付加を定型的な処理で行うことができ、方向情報の付加に対してスムーズな処理の流れを作ることができる。
【0023】
本発明にあっては、基準値を下回る差分に係るフレームに方向情報を付加するので、動体の動きが小さいとき、又は動体が一時的に停止しているとき(ポーズ状態のとき)に方向情報が表示されることになり、次の動作が始まる前にタイミング良く方向情報をユーザに提示して、動画を見るユーザが動体の次の動きを把握しやくなる。
【0024】
本発明にあっては、動画に付帯する楽曲の拍子に応じたフレームに方向情報が付加されるので、楽曲のリズムに合わせて方向情報がユーザに提示されるようになる。そのため、ダンスの指導用の動画コンテンツのように、モデルが楽曲に合わせて動く場合、次の動きを示す方向情報も楽曲に合わせて表示されるため、ユーザは楽曲のリズム(拍子)に合わせて次の動きを把握でき、楽曲に応じた適切な動きをスムーズに学べる。
【0025】
本発明にあっては、差分に対応する音声を音声テーブルから特定して出力処理を行うので、視覚に加えて聴覚によっても動体の次の動きをユーザは把握できるようになり、多面的に次の動きをより確実に予測できる。その結果、ダンス及びスポーツ等の動作を指導する動画コンテンツにおける指導内容を、より強くユーザにアピールして指導力を高められる。
【0026】
本発明にあっては、動体の一時停止状態(ポーズ状態)を検索する指示を受け付けると、基準値を下回る差分に係るフレームを特定し、そのフレームに方向情報を付加して画像の表示処理を行うので、ユーザとしては、一連の動作の中でポーズ状態を素早く表示できると共に、そのポーズ状態を起点として次ぎの動作を学ぶことができ、ポーズごとに動きを学びたい場合に有効な機能を提供できる。
【発明の効果】
【0027】
本発明にあっては、モーションキャプチャ技術により得られる動作情報を利用して、動作情報の差分を求めると共に、その差分に基づいて方向情報を生成し、動画表示処理の対象となるフレームに付加するので、次の動作を示す方向情報を自動で表示でき、従来必要であった動作方向を表す画像編集作業を不要にできる。
また、本発明にあっては、予め動作情報の差分を求めて記憶すると共に、動画表示処理の際に、記憶する差分に基づき方向情報を生成してフレームに付加することも可能であり、この場合は装置の処理負荷を低減できる。
【0028】
本発明にあっては、算出した差分が基準値を下回る場合、方向情報を生成しないので、動体の微妙な動きに対しては方向情報が表れなくなり、方向情報が過度に表示されることを防止できる。
【0029】
また、本発明にあっては、動く方向を表す画像を生成するので、次に動体が動く方向を一目でユーザは把握できる。
さらに、本発明にあっては、生成する画像形態を比較結果に基づいて変更するので、表示される画像の形態により、次の動体の動く量までユーザは予測できる。
さらにまた、本発明にあっては、動く方向を表す文字が生成されるため、表示画面中の文字を読むことで、ユーザは確実に次の動きを把握できる。
【0030】
本発明にあっては、一定の間隔ごとのフレームに方向情報を付加するので、方向情報を同一のタイミングでユーザに表示でき、ユーザ側は周期的に動きを把握できる一方、装置側としては、方向情報の付加処理を定型的に効率良く行える。
【0031】
また、本発明にあっては、基準値を下回る差分に係るフレームに方向情報を付加するので、動体の動きが小さいとき、又は動体が一時的に停止しているとき(ポーズ状態のとき)に方向情報を表示でき、次の動作が始まる前にタイミング良く方向情報をユーザに提示できる。
【0032】
さらに、本発明にあっては、動画に付帯する楽曲の拍子に応じたフレームに方向情報が付加されるので、楽曲のリズムに合わせて方向情報をユーザに提示でき、ユーザは楽曲に合った自然なリズムで方向情報を確認できる。
【0033】
本発明にあっては、差分に対応する音声を音声テーブルから特定して出力処理を行うので、方向情報及び音声と云う視覚及び聴覚の両方により、動体の次の動きをユーザへ確実に伝えることができる。
【0034】
本発明にあっては、動体の一時停止状態(ポーズ状態)を検索する指示を受け付けると、基準値を下回る差分に係るフレームを特定し、そのフレームに方向情報を付加して画像の表示処理を行うので、一連の動作の中でポーズ状態を素早く見ることができ、ダンス及びスポーツの動き等を学習する場合、ポーズを起点として次ぎの動作を効率的に学習できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図1は、本発明の実施形態に係る表示処理装置1を示している。本実施形態の表示処理装置1は、汎用のパーソナルコンピュータを適用しており、コンピュータ本体1aに、各種映像、画像等を表示するディスプレイ装置10、並びにユーザからの操作指示を受け付けるキーボード11及びマウス12を接続している。表示処理装置1は、モーションキャプチャ技術により得られたモーションデータ(動作情報に相当)をフレームごとに含んだ動画データを予め記憶しており、動画再生の際、そのモーションデータにより時間的に前後する動体の動きの差を把握して、次の動体の動作方向を示す矢印画像(方向情報に相当)を生成して映像中に自動で表示できるようにしたことが特徴である。以下、表示処理装置1について詳説する。
【0036】
表示処理装置1は、コンピュータ本体1aの内部において、各種制御処理を行う制御部2(プロセッサ)に、RAM3、ROM4、表示用インタフェース5、操作部インタフェース6、音声出力処理部7、及びハードディスク装置9を内部バス1bで接続している。RAM3は制御部2の処理に従うデータ及びフォルダ等を一時的に記憶し、ROM4は制御部2が行う基本的な処理内容を規定したプログラム等を予め記憶している。
【0037】
表示用インタフェース5は、本実施形態の表示処理装置1では外部機器になるディスプレイ装置10と接続されており、動画データの表示処理を行って再生した映像をディスプレイ装置10へ順次送って、ディスプレイ装置10の画面10aに映像を表示する処理を行う。また、操作部インタフェース6は、キーボード11及びマウス12が接続され、図7(a)(b)に示すメニュー画面18、19等に対するユーザからの指示を受け付けると共に、受け付けた指示内容を制御部2へ伝える処理を行う。さらに、音声出力処理部7は音声出力手段及び再生手段として機能し、スピーカ8を接続すると共に、楽曲データ及び音声データ等を制御部2の制御指示に基づいて再生及び増幅等の処理を行って、再生音をスピーカ8から出力する処理を行う。
【0038】
ハードディスク装置9は、各種プログラム及びデータ等を記憶し、本実施形態ではプログラムとして、コンピュータ本体1aを作動させる上でベースとなる処理を規定したシステムプログラム14、本発明に係る表示処理を規定した表示処理プログラム(本発明のコンピュータプログラムに相当)15、モーションキャプチャ技術に基づく表示処理対象となる動画データD、次の動作を音声で指示するための音声データを格納した音声テーブルT、各種処理判断で基準及び判別用の値を含む閾値データ16、及びメニュー画像データ17等を記憶している。
【0039】
ハードディスク装置9に記憶される本実施形態の動画データDは、ダンス指導用の動画コンテンツであり、ダンサーにマーカを付してモーションキャプチャ技術により、三次元空間におけるマーカの座標等を表すモーションデータを、動画(映像)を構成するフレーム単位で含ませた内容になっている。このような動画データDは、再生時に視点を指定することで、ダンサーに応じた人体画像(動体に相当)の動きを所望の方向から眺めた映像を表示再生できるようになっている。
【0040】
具体的な動体データDのイメージは、図2に示すように、モーションデータに基づいて三次元コンピュータグラフィクス技術により作成されるダンサーを表す人体画像20がX軸、Y軸、Z軸で構成されるXYZ座標系に位置し、このXYZ座標系とは相違するカメラ22の撮像方向(再生時の視点方向に相当)及び位置を定めるためのUVW座標系を設け、XYZ座標系とUVW座標系との相対関係を規定することで、ユーザが所望する方向及び位置からの映像表示が可能になる。
【0041】
また、三次元コンピュータグラフィックス技術により作成される人体画像20(図3(a)参照)は、図3(b)に示すように、人体の骨に相当するボーンBと云う棒状のリンク部材を連結したものに、人体の皮膚に相当するスキンを被せて作成されている。さらに、図3(b)に示すボーンBの各所に付された点P1〜P17が、オリジナルのダンサーに付されたマーカ位置に相当し、これら各点P1〜P17ごとにモーションデータが存在している。なお、図3(b)に示す各点P1〜P17の位置及び個数は一例であり、ダンサーに付すマーカの位置及び個数に応じて適宜変更できる。
【0042】
図4は、動画データDを構成する各時刻ごとのフレームで作成される人体画像20のイメージを示す図である。動画データDは、時刻t1、t2、t3・・・におけるフレームf1、f2、f3・・・により構成されており、各フレームf1、f2、f3等に応じた画像を順次再生することで、各フレームf1、f2、f3等に含まれるダンサーを表した人体画像20が動く映像(動画)を再生表示できる。なお、本実施形態の動画データDは、1秒当たりのフレーム数を60個(60フレーム/秒)にしているが、この数値はあくまで一例であり、モーションデータを取得する際のフレーム数の範囲であれば、要求される動画品質に応じて適宜増減できる。
【0043】
図5は、時刻t1、t2における第1フレームf1、第2フレームf2に含まれる人体画像20に応じたモーションデータM1、M2の中身を概略的に示したものである。モーションデータM1、M2は、図3(b)に示す各点P1〜P17ごとに、図2に示すXYZ座標系におけるX軸、Y軸、Z軸のそれぞれに対する回転角度、及び座標値を有する。このようなフレームごとのモーションデータに基づいて、図4に示す各フレームに含まれる人体画像20(視点が人体画像20の正面から視点の場合)が作成される。なお、回転角度は、図2中、X、Y、Z軸に付した矢印方向がそれぞれプラス(+)、及びマイナス(−)方向になる。
【0044】
また、図6は、ハードディスク装置9に記憶される音声テーブルTの中身を示している。音声テーブルTは、後述する表示処理プログラム15が規定する処理により得られるモーションデータの差分と、音声データを対応付けたものであり、具体的には時間的に前後するフレーム間での各点P1〜P17に対するモーションデータに含まれる各要素(回転角度、座標)の差分状況に対して、それぞれ専用の音声データが対応付けられている。
【0045】
例えば、人体画像20の頭部頂点となる点P1に対するX軸の回転角度の差分がプラスになる場合、「頭を前に振って」と云う内容の音声データAが対応付けてあり、点P1に対するX軸の回転角度の差分がマイナスになる場合、「頭を後に振って」と云う内容の音声データBが対応付けてある。また、人体画像20の左腕先端となる点P6に対するY軸における回転角度の差分がプラスになる場合、「左腕を上げて」と云う内容の音声データCが対応付けてあり、点P6に対するY軸の回転角度の差分がマイナスになる場合、「右腕を下げて」と云う内容の音声データDが対応付けてある。このように音声テーブルTは、各点P1〜P17の各軸における回転角度の差分状況がプラス及びマイナスの場合に上述したような内容の音声データを対応付けている。
【0046】
なお、各軸における回転角度の0度は、X軸については図2中、X軸に平行で且つX軸の正から負の方向にYZ平面を眺めた場合で、Y軸の負側が0度であり、反時計方向がプラスの回転角度、時計回転方向がマイナスの回転角度になる。また、Y軸においては、Y軸に平行で且つY軸の正から負の方向にXZ平面を眺めた場合で、X軸の正側が0度であり、反時計回転方向が正方向、時計回転方向が負方向になる。さらに、Z軸においては、Z軸に平行で且つZ軸の正から負の方向にXY平面を眺めた場合で、X軸の負側が0度であり、反時計回転方向が正方向、時計回転方向が負方向になる。
【0047】
また、音声テーブルTは、モーションデータ中の座標値の差分状況に応じた音声データも対応付けており、例えば、人体の左腕先端となる点P6に対するX軸に対する座標の差分がプラスになる場合、「左腕を横に伸ばして」と云う内容の音声データEが対応付けてある。
【0048】
一方、図7(a)(b)に示すメニュー画面18、19は、ハードディスク装置9に記憶されるメニュー画像データ17に対応する内容の一例である。図7(a)のメニュー画面18は、表示処理プログラム15を起動させた場合、最初に表示されるメニュー内容に相当し、「視点方向設定」と云う第1ボタン18a、「映像再生」と云う第2ボタン18b、「一時停止検索」と云う第3ボタン18c(一時停止状態の検索指示を受け付ける受付手段に相当)、「終了」と云う第4ボタン18dを有している。なお、第1ボタン18aは、キーボード11又はマウス12の操作により選択された場合、図7(b)に示す視点選択用のメニュー画面19が表示されることが、表示処理プログラム15により規定されている。
【0049】
図7(b)のメニュー画面19は、視点方向を選択するための矢印形の方向ボタン19a〜19eを有すると共に、決定ボタン19fを有する。人体に対して前後、左右、及び上の5方向のいずれかの視点を特定する方向ボタン19a〜19eの中で一つが指定選択された状態で、決定ボタン19fが選択されると、指定された方向で視点が決定されて、図7(a)のメニュー画面18に表示が戻ることが、表示処理プログラム15により規定されている。なお、図7(b)のメニュー画面19に基づく視点方向の指定の仕方は一例であり、他の指定の仕方を適用することも勿論可能であり、例えば、マウス12の操作により360度のいずれの角度を指定するようにしてもよい。
【0050】
また、図7(a)の第2ボタン18bが選択された場合、表示処理プログラム15が動画データDの再生処理を開始する。なお、再生処理の開始後に、キーボード11の複数のキー(例えば、ALTキーとF4キー)が同時に操作されると、表示処理装置1は再生停止指示を受け付けたことになる。さらに、第3ボタン18cが選択された場合、後述する一時停止状態の検索処理が開始される。さらにまた、第4ボタン18dが選択された場合、表示処理プログラム15の全ての処理が終了する。
【0051】
次に、表示処理プログラム15が規定する処理内容について説明する。表示処理プログラム15は、制御部2が行う制御処理内容を規定しており、起動すると、先ず、図7(a)のメニュー画面18のメニュー画像データ17を読み出して、表示用インタフェース5から出力して、ディスプレイ装置10の画面10aにメニュー画面18を表示させる処理を制御部2に行わせることを規定している。また、メニュー画面18を表示して、「視点方向設定」の第1ボタン18aが選択されたことが操作部インタフェース6から制御部2に伝えられると、図7(b)のメニュー画面19を表示して視点方向の指定選択の操作に伴い制御部2が映像再生に係る視点方向を決定することを規定している。
【0052】
さらに、表示処理プログラム15は、第2ボタン18bの選択に基づき動画データDの動画表示処理を行う際に、表示処理対象となるフレームと、その後のフレームのそれぞれに含まれるモーションデータの差分を制御部2が算出手段として算出することを規定する。例えば、図4に示す時刻t1の第1フレームf1の表示処理を行う際、その第1フレーム1と、時刻t2の第2フレームf2のそれぞれに含まれるモーションデータが有する各点P1〜P17ごとの要素(回転角度、座標)の差分を制御部2が算出する。
【0053】
さらにまた、表示処理プログラム15は、算出された差分の結果が、ハードディスク装置9に記憶される閾値データ16に含まれる回転角度用の基準値、及び座標用の基準値を下回るか否かを制御部2が検出手段として検出することを規定する。本実施形態の回転角度用の基準値は「25度」と云う値になっており、座標用の基準値は座標軸における「20目盛り分」と云う値になっている。制御部2は、各点P1〜P17に対して算出した差分結果の中で、回転角度に対する各点ごとの結果が「25度」を下回るか否かを検出すると共に、座標に対する各点ごとの結果が「20目盛り分」を下回るか否かを検出する。なお、上述した各基準値(25度、20目盛り分)は、あくまで一例であり、他の値を適用することも勿論可能である。
【0054】
上述した検出処理で、全ての点における回転角度及び座標に対する結果が、基準値を下回る場合は、時間的に前後するフレーム間における人体画像20の動きは、動作に該当しない程度の体の振れ、又は人体画像20が一連の動作における一時停止状態(ポーズ状態)と判断できるため、動作方向を表す矢印画像を生成しないことを、表示処理プログラム15は規定している。
【0055】
また、上述した検出処理で、各点のいずれか1つでも回転角度及び座標に対する結果が、基準値を下回らない場合、表示処理プログラム15は矢印画像を生成することを規定している。なお、矢印画像の生成は、主に人体画像20の六つの部分(頭部、左腕、右腕、胴体部分、左脚、右脚)に分けて行われ、具体的には図3(b)において頭部に相当する点P1及びP2、左腕に相当する点P5及びP6、右腕に相当する点P8及びP9、胴体部分に相当する点P3、P4、P7、P10、P11、左脚に相当する点P12〜P14、右脚に相当する点P15〜P17のそれぞれに部分ごとに、最も大きい動作量の大きい点(回転角度の差分絶対値及び座標の差分絶対値が最も大きい点)に対して矢印画像が生成される。
【0056】
図8は、時間的に前後するフレーム間での右腕の動きを示しており、点P8、9に係る実線のボーンBは時間的に前側のフレームにおける右腕の状態を示し、点P8′、9′に係る波線は時間的に後ろ側のフレームにおける右腕の状態を示している。なお、図8は、図2に示す視点方向(Y軸方向に平行で且つY軸方向の正から負へ向かう方向)に基づく図である。図8に示す動きの場合では、右腕先端に相当する点P9の方が、右腕の肘部分に相当する点8より動作量が大きいため、点P9が矢印画像の生成対象になる。
【0057】
図8の場合、時間的に前側のフレームにおける点P9に対する各座標値が(X、Y、Z)=(20、60、0)、各座標に対する回転角度が(X、Y、Z)=(100度、180度、30度)であり、時間的に後ろ前側のフレームにおける点P9′の各座標値が(X、Y、Z)=(50、60、140)、各座標に対する回転角度が(X、Y、Z)=(100度、140度、30度)であるとすると、座標値に対する差分結果は(30、0、140)、回転角度に対する差分結果は(0度、−40度、0度)になる。
【0058】
上述して得られた座標値の差分結果は、時間的に前側のフレームにおける点P9から、時間的に後ろ側のフレームにおける点P9′へ向かうベクトルデータとなるため、このベクトルデータ及び回転角度に対する差分結果に応じた矢印画像25を制御部2が生成することを、表示処理プログラム15は規定している。なお、生成される矢印画像25は同一寸法であり、矢印画像の後端25aが、差分結果において対象となる点P9に一致させられると共に、矢印画像25の先端25bが、回転角度に対する差分結果による回転方向で且つベクトルデータ(差分結果)の表す向きに合わせられる。
【0059】
また、生成された矢印画像25は図9(a)(b)に示すように、人体画像20と、視点方向及び視点位置を決定するカメラ22との間に位置するように、差分の算出対象となった前側のフレームに制御部2が付加手段として付加する処理を行うことを、表示処理プログラム15は規定している。図9(b)中、人体画像20のY座標の値をy1、矢印画像25の配置箇所に対するY座標の値をy2、カメラ22のY座標の値をy3とした場合、y1<y2<y3の関係が成立する。なお、フレームの画像中に含まれる人体画像20も、表示処理プログラム15の三次元コンピュータグラフィックス技術に基づいて規定した処理内容に従って制御部2が作成している。このように矢印画像25の配置を、人体画像20及びカメラ22の間にすることで、カメラ22からの視点方向による表示において、矢印画像25が、人体画像20によって隠れてしまう(埋もれてしまう)ことがなくなり、良好に矢印画像25をユーザに見せることができる。
【0060】
さらに、表示処理プログラム15は、上述したように作成した人体画像20及び矢印画像25を含むフレームに対して、表示処理を行うことを規定しており、制御部2が上記フレームを表示用インタフェース5へ送る制御を行って、表示処理が行われた再生画像がディスプレイ装置10の画面10aに表示される。
【0061】
また、表示処理プログラム15は、矢印画像25に関する処理に加えて、音声データの出力処理も規定している。具体的には、上述したモーションデータの差分算出により、人体画像20の各部分(頭部、左腕、右腕、胴体部分、左脚、右脚)ごとに、何れか点に対する差分絶対値が求まると、その差分絶対値に対応する音声データを図6の音声テーブルTから制御部2が音声特定手段として特定することを、表示処理プログラム15は規定している。また、特定した音声データは制御部2の制御により、矢印画像25含むフレームをディスプレイ装置10に表示する処理に同期させて、音声出力処理部7へ送られてスピーカ8から出力される。
【0062】
制御部2は、上述したような矢印画像25の表示及び音声の出力に係る処理を、動画表示処理に連係してリニアに行い、表示処理プログラム15は、ユーザにより動画再生の停止指示を受けた場合、又は最後フレームの表示処理を行うまで、上述した処理を継続することを規定している。
【0063】
図10の第1フローチャートは、上述した表示処理プログラム15が規定する矢印画像25に係る表示及び音声出力に係る処理手順(表示処理方法の内容)を整理したものである。以下、この第1フローチャートに従って、表示処理プログラム15が起動してからの表示処理装置1における一連の処理内容を説明する。
【0064】
先ず、表示処理装置1は、表示処理プログラム15の起動に伴って表示する図7(a)のメニュー画像18で、ユーザからの映像再生の指示を受け付けたか否かを判断する(S1)。指示を受け付けていない場合(S1:NO)、指示待ちとなり、指示を受け付けた場合(S1:YES)、図4の第1フレームf1と、第2フレームf2とのそれぞれに含まれるモーションデータの差分を算出する(S2)。それから、表示処理装置1は、算出した全ての点P1〜P17に対する差分が、閾値データ16の基準値を下回るか否かを判断する(S3)。
【0065】
全ての点P1〜P17に対する差分が、閾値データ16の基準値を下回る場合(S3:YES)、表示処理装置1は、矢印画像25を生成することなく、第1フレームf1の表示処理を行う(S6)。この場合(S3:YES)に表示される画面内容は、従来と同様に人体画像20のみが表されたものになる(図4参照)。
【0066】
一方、全ての点P1〜P17に対する差分が、閾値データ16の基準値を下回らない場合(S3:NO)、表示処理装置1は、算出した差分の値に基づいて対象となる点P1〜P17のいずれかに対して矢印画像25を生成する(S4)。また、矢印画像25の生成と共に、表示処理装置1は音声テーブルTの中から、差分の値に対応する音声データの特定も行う。それから、表示処理装置1は、作成した人体画像20の画像を含む第1フレームf1に、生成した矢印画像25を図9(a)(b)に示す位置関係で付加してから(S5)、第1フレームf1の表示処理を行い、ディスプレイ装置10に人体画像20及び矢印画像25を表示する(S6)。なお、この際、表示処理装置1は、特定した音声データの再生処理を行って、第1フレームf1の表示に合わせて音声(例えば、「左腕を上げて」と云う音声)をスピーカ8から出力する。
【0067】
そして、表示処理装置1は、最終フレームまで表示処理を終了したか、又はユーザから再生停止指示を受け付けたか否かを判断する(S7)。最後まで表示処理が終了しておらず、且つ再生停止指示も受け付けていない場合(S7:NO)、次の時間的に前後するフレーム(図4の第2フレームf2と、第3フレームf3)のモーションデータの差分を算出し(S2)、以降、最終フレームまで表示処理を終了するか、又は再生停止指示を受け付けるまで、S2〜S7の処理段階を繰り返すことになる。また、最終フレームまで表示処理を終了した場合、又はユーザから再生停止指示を受け付けた場合(S7:YES)、表示処理装置1は一連の処理を終了する。
【0068】
図11は、上述した表示処理装置1の処理により順次表示される動画の各フレーム画像の内容を示したものである。図11に示す各フレーム画像は、図4のフレーム画像に比べて、人体画像20の次の動作方向を示す矢印画像25が適宜付されているため、再生映像を見るユーザは、従来に比べて次の動作方向を予め把握できるため、ダンス又はスポーツ等の動作を学びやすくなっている。
【0069】
しかも、本実施形態では、例えば、時刻t1では「右腕上げて」、時刻t2では「左腕上げて」、時刻t3では「右腕下げて」及び「左腕下げて」と云う音声が表示される動作に応じて出力されるため、ユーザは視覚に加えて聴覚によっても、次の動作内容を把握でき、次の動作に対する準備、心構えを充分に行える。なお、図11において、時刻t4〜t5の第4、第5フレームf4、f5では、人体画像20が一時停止状態であるため、図10の第1フローチャートにおいて、矢印画像25が生成されない処理ルート(S3:YES)を経た内容になっている。同様に時刻t8、t9間の人体画像20の動作による差(モーションデータの差分)は小さく基準値を下回るため、時刻t8の第8フレームf8においても矢印画像25が付されていない。
【0070】
また、図1に示すハードディスク装置9に記憶される表示処理プログラム15は、上述した映像再生処理の他にも、動画データDに含まれる人体画像20の一時停止状態(ポーズ状態、又は動きの小さい状態)を検索する処理も規定している。一時停止状態の検索処理は、図7(a)の第3ボタン18cの選択で開始され、最初に制御部2が動画データDに含まれる時間的に前後するフレーム間のモーションデータの差分を算出することを、表示処理プログラム15は規定している。また、算出した差分が閾値データ16に含まれる上述した基準値を下回るか否かを制御部2が判別する。
【0071】
制御部2が、基準値を下回る差分を特定した場合、その差分より後ろの時間帯の差分に基づき上記と同様に矢印画像25を生成すると共に、差分の算出に係る前後のフレーム中に対して前側のフレームを特定し、そのフレームに矢印画像及び選択可能なボタン(図13参照)を付加して、その状態でフレームの表示処理を行う。なお、このときの表示処理は、動画ではなく静止画の表示処理となる。
【0072】
図12の第2フローチャートは、上述した表示処理プログラム15が規定する一時停止の検索処理手順を整理したものである。整理した内容を順次説明すると、先ず、表示処理装置1は、図7(a)のメニュー画像18で、ユーザからの一時停止検索の指示を受け付けたか否かを判断する(S10)。指示を受け付けていない場合(S10:NO)、指示待ちとなり、指示を受け付けた場合(S10:YES)、動画データDに含まれる最初の第1フレームf1と、第2フレームf2とのそれぞれに含まれるモーションデータの差分を算出し(S11)、算出した全ての点P1〜P17に対する差分が、基準値を下回るか否かを判別する(S12)。
【0073】
全ての点P1〜P17に対する差分が、基準値を下回らない場合(S12:NO)、次に前後するフレーム(第2フレームf2、第3フレームf3)間のモーションデータの差分を算出し(S11)、以降、算出した全ての点P1〜P17に対する差分が基準値を下回るまで、S11〜S12の処理を繰り返すことになる。
【0074】
また、全ての点P1〜P17に対する差分が、基準値を下回る場合(S12:YES)、表示処理装置1は、その基準値を下回る差分より前の差分に基づき矢印画像25を生成し(S13)、基準値を下回る差分に係るフレームに矢印画像等を付加し(S14)、静止画としてフレームの表示処理を行う(S15)。
【0075】
図13は、上述した一時停止検索処理を経て、ディスプレイ装置10の画面10aに表示された静止画30の一例を示しており、人体画像20に矢印画像25が付加されている。また、静止画30には、再生開始ボタン30a、次の一時停止状態の検索指示を受け付ける検索ボタン30b、処理を終わらせる終了ボタン30cが設けられている。再生開始ボタン30aの選択操作が行われると、表示中の静止画30に応じたフレーム以降の動画データDに対して動画表示処理(図10の第1フローチャートに示す内容)が開始される。また、検索ボタン30bの選択操作が行われると、表示中の静止画30に応じたフレーム以降の動画データDに対して一時停止検索処理(図12の第2フローチャートに示す内容)が開始される。
【0076】
上述したような一時停止検索処理を行うことで、ユーザは動作を学ぶ上で起点となる一時停止状態を動画データDの中から素早く見つけることができ、効率良く動作を学ぶことが可能となる。
【0077】
なお、本発明は、上述した内容に限定されるものではなく、種々の変形例の適用が可能である。例えば、生成した矢印画像25を付加するフレームは、一定の時間間隔(例えば5ミリ秒ごと)のフレームに順次付加するようにしてもよい。この場合、矢印画像25の付加対象のフレームは、時間間隔で特定することができ、付加対象の特定に係る処理を簡略化できると共に、矢印画像25も一定の間隔で表示されるようになり、ユーザとしては矢印画像25が画面10aに表示されるタイミングを把握しやすくなる。
【0078】
また、生成した矢印画像25は、人体画像20が一時停止状態又は動きが小さいときのフレームに付加してもよい。この場合は、矢印画像25の生成に用いた差分の算出に関連した時間的に前後するフレームの中で前側のフレーム以前の時間帯に含まれるフレームに対して、モーションデータの差分を算出し、算出した差分が図12の第2フローチャートのS12の処理段階と同様に、基準値を下回るか否かを制御部2で判別する。制御部2が基準値を下回る差分を特定した場合、その特定した差分を算出するのに用いた前後の各フレームに矢印画像を付加する。このような処理を行うことで、例えば、図11に示す人体画像20が一時停止状態の第4フレームf4、第5フレームf5にも、第6フレームf6に付した矢印画像25と同様の矢印画像25が付加されることになる。そのため、人体画像20が、一時停止状態又は動きが小さいときに、動作開始フレーム(図11の場合、第6フレームf6)より前のフレーム(図11の場合、第4及び第5フレームf4、f5)から次の動作方向を示す矢印画像25が現れるので、ユーザは前もって動きの向きを知ることが可能となり、動作を学びやすくなる。
【0079】
さらに、図14(a)に示すように、再生対象の動画データDが、映像と共に再生される楽曲データ23を付帯する場合、動画の表示処理に伴って再生処理が行われる楽曲データ23の拍子(図14(b)のリズムR1、R2、R3、R4)に応じた表示処理対象のフレームに、生成した矢印画像25を付加して、楽曲データ23のリズムに合わせて矢印画像25を表示してもよい。この場合、楽曲リズムに合わせて矢印画像25が表示されるため、ユーザはリズム良く矢印画像25を確認でき、特に、楽曲と共に動作を行うダンスの動きを学ぶ場合に好適な矢印画像表示を行える。
【0080】
また、生成する矢印画像25の形態は、モーションデータの差分の値に応じて変更させてもよい。この場合は、閾値データ16の中に比較用の比較値(複数も可能)を含ませ、座標値に対する差分結果をスカラー量として制御部2が比較値と比較を行い、比較結果に基づき形態を変更して矢印画像を生成することになる。
【0081】
具体的には、第1比較値として「60」、第2比較値として「100」と云う値を設定し、算出した差分結果(スカラー量)が第1比較値未満のとき、制御部2は、図15(a)に示すように白色の矢印画像40を生成する。以下、算出した差分結果(スカラー量)が第1比較値以上、第2比較値未満のときは、図15(b)に示すように灰色(図中、ハッチングで示す)の矢印画像41を生成し、算出した差分結果(スカラー量)が第2比較値以上のときは、図15(c)に示すように黒色の矢印画像42を生成する。このように生成する矢印画像の形態(色)を変更することで、ユーザは矢印画像の形態に応じて次ぎの動作量までも把握できるため、より次の動作への対応を行いやすくなる。
【0082】
なお、矢印画像の形態のバリエーションとしては、図15(d)〜(f)に示すように、第1比較値未満のときは図15(d)の短い矢印画像45、第1比較値以上、第2比較値未満のときは図15(e)に示す中間長さの矢印画像46、第2比較値以上のときは図15(f)に示す長い矢印画像47にしてもよく、他にも矢印画像の寸法自体を変更すること、矢印画像の色の濃さを変更することも適用可能である。なお、矢印画像の形態を、より詳細に分ける場合は、3以上の比較値を用いることが好適であり、逆に処理を簡略化するときは1つの比較値のみを用いて比較処理を行ってもよい。
【0083】
また、矢印画像生成(差分算出)に用いるフレーム数は2つに限定されるものではなく、時間的に前後する3つ以上のフレーム間の差分により矢印画像を生成してもよい。このように3つ以上のフレームを用いる場合は、対象となる点の軌跡も把握できるため、生成する矢印画像は直線ではなく、軌跡に応じた形状にしてもよい。
【0084】
例えば、図16に示すように矢印画像の生成対象となる右腕先端の点P9が、時間的に連続する計4個のフレームにおいて、円弧状の軌跡で動く場合、点P9の各フレーム間の複数の差分(座標値に応じた差分結果)のベクトルを繋ぎ合わせた円弧状の矢印画像50を制御部2は生成する。この場合、矢印画像50の形態により動作の軌跡を把握できるため、ユーザは細かい動き内容までを学ぶことができる。
【0085】
さらに、動画表示処理時の制御部2の処理負担を低減するためには、予め時間的に前後するフレーム間のモーションデータの差分を算出すると共に、算出に関連するフレームと対応付けて図1のハードディスク装置9に差分結果を記憶しておき、動画表示処理時に記憶する差分の結果に基づき矢印画像25を生成して、作成した人体画像20の画像を含むフレームに付加してもよい。
【0086】
図17の第3フローチャートは、予め算出した差分を記憶した場合における変形例の表示処理プログラム15が規定する処理手順(変形例の表示処理方法の内容)を示す。この第3フローチャートによれば、変形例の表示処理装置1は、先ず、図7(a)のメニュー画像18で、ユーザからの映像再生の指示を受け付けたか否かを判断し(S20)、指示を受け付けていない場合(S20:NO)、指示待ちとなり、指示を受け付けた場合(S20:YES)、記憶する差分に基づいて、矢印画像を生成し(S21)、表示処理対象のフレームに、生成した矢印画像を付加し(S22)、そのフレームの表示処理を行う(S23)。
【0087】
それから、表示処理装置1は、最終フレームまで表示処理を終了したか、又はユーザから再生停止指示を受け付けたか否かを判断し(S24)、最後まで表示処理が終了しておらず、且つ再生停止指示も受け付けていない場合(S24:NO)、次の表示対象となるフレームに対応付けられた差分に基づき矢印画像の生成を行う段階(S21)に戻る。また、最終フレームまで表示処理を終了した場合、又はユーザから再生停止指示を受け付けた場合(S24:YES)、表示処理装置1は処理を終了する。このように図17の第3フローチャートの処理は、動画表示処理時の処理数が図10の第1フローチャートに比べて減少しているため、処理能力の低い制御部2の場合に好適となる。なお、視点方向及び視点位置等が予め決まっている場合は、第3フローチャートにおけるS21の処理段階での矢印画像の生成も予め行い、生成した矢印画像を各フレームに対応付けてハードディスク装置9に記憶しておき、動画表示処理時には、記憶する矢印画像を表示処理対象のフレームに付加するだけにして、更に処理負荷を低減することも可能である。
【0088】
また、次の動作方向を示す方向情報として生成する画像は矢印画像以外にも、方向を表す画像として先細の画像、三角形状の画像等も適用できる。また、図18の表示画像55に示すように、算出した差分結果を表す文字56を生成して、人体画像20を含むフレームに付加して表示するようにしてもよい。このように文字56を表示することで、より直接的にユーザへ指示を与えることができる。なお、文字56は生成する以外に、図6の音声テーブルTのように、動作を表す文字を各種差分内容に対応付けて格納する文字テーブルを設けてハードディスク装置9に記憶しておき、算出した差分内容に基づき文字テーブルから、対応する文字を特定してフレームに付加する処理を行うことも可能である。また、文字をフレームに付加する場合、上述した矢印画像も付加して、矢印画像と文字の両方で次の動作方向を明確にユーザへ示してもよい。
【0089】
さらに、表示処理装置1の仕様を簡略化する場合は、図6に示す音声テーブルTに係る処理を省略して、矢印画像のみを付す表示処理を行ってもよい。また、矢印画像25を生成しないようにする基準値の値は、ユーザ側で自由に設定可能にしてもよい。この場合、微妙な動きに対してまで矢印画像25を表示することを望むユーザは、基準値を小さく設定することになり(例えば、回転角度用の基準値として「10度」、座標用の基準値として「10目盛り分」)、また、大まかな動作を把握することを希望するユーザの場合は、基準値を大きく設定することになる(例えば、回転角度用の基準値として「30度」、座標用の基準値として「30目盛り分」)。なお、モーションデータの差分が、基準値を下回るか否かを検出する処理を省略して、少しでも動きがあるときは、常に矢印画像25を表示する仕様にしてもよい。
【0090】
また、処理に係る負担を少しでも軽減することを望む場合は、動体(人体)に関連付けられたモーションデータの差分算出処理において、各座標に対する回転角度と、各座標値のいずれか一方のみを用いて矢印画像25を生成することも可能である。
【0091】
さらに、本発明において、動体の対象となるのは人体に限定されるものではなく、モーションデータが関連付けられた動く物体であれば、全て適用可能である。そのため、例えば、図19(a)に示す表示画像56のように、物を動かして組み立てる際の組み立てマニュアル的な動画ビデオにも本発明を適用でき、この場合、移動して第1物体31へ組み付けられる対象の第2物体20′(動体に相当)の組み付け方向を矢印画像25で表すことができ、しかも、視点方向を自由に変更することで、組み付け方を詳細に確認することが可能になる。さらにまた、図19(b)に示す表示画像57のように、動体としてボール20″の移動方向を矢印画像25で表すことも可能である。
【0092】
また、本発明の表示処理装置1としてはパーソナルコンピュータのコンピュータ本体1aを用いる以外に、表示ディスプレイを具備した携帯型のパーソナルコンピュータ、PD、携帯電話機等も適用可能である。さらに、装置内のみで処理を完結させる以外に、図20に示すネットワークシステム100のように、サーバ装置110で上述した動画表示処理を行い、処理を行った動画をネットワークNW及び中継基地局100A〜100Nを通じて携帯電話機120のような端末装置へ配信し、端末装置で表示処理が行われた図11に示す各画像を順次表示させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の実施形態に係る表示処理装置の主要な構成を示すブロック図である。
【図2】三次元空間における人体、及び視点方向の位置関係等を説明する概略図である。
【図3】(a)三次元コンピュータグラフィック技術により作成される人体画像を示す概略図、(b)はモーションキャプチャ技術によるマーカに対応した点及びボーンを示す概略図である。
【図4】動画データを構成する各フレームに含まれる人体画像の状態を示す概略図である。
【図5】各フレームに含まれるモーションデータの内容を表した図である。
【図6】音声テーブルを示す図表である。
【図7】(a)は処理内容を選択するためのメニュー画面を示す概略図、(b)は視点方向の設定用のメニュー画面を示す概略図である。
【図8】生成した矢印画像を示す概略図である。
【図9】(a)(b)は生成した矢印画像の人体及びカメラに対する配置位置を説明するための図である。
【図10】表示処理方法の処理内容を示す第1フローチャートである。
【図11】生成した矢印画像を含む一連のフレームを示す概略図である。
【図12】一時停止状態の検索処理内容を表した第2フローチャートである。
【図13】検索に基づいて表示した画像を示す概略図である。
【図14】(a)は楽曲データを付帯する動画データの概略図、(b)は楽曲の拍子に合わせた矢印画像の表示タイミングを示すタイムチャートである。
【図15】(a)〜(c)は差分に応じて色を変更した変形例の矢印画像を示す概略図、(d)〜(e)は差分に応じて長さを変更した別の変形例の矢印画像を示す概略図である。
【図16】円弧状の変形例の矢印画像である。
【図17】予め差分を算出して記憶した場合の処理手順を示す第3フローチャートである。
【図18】動作方向を表す文字を付加した表示画像を示す概略図である。
【図19】(a)は物体を組み立てる場合の表示画像を示す概略図、(b)は移動するボールの表示画像を示す概略図である。
【図20】本発明を適用したネットワークシステムを示す概略図である。
【符号の説明】
【0094】
1 表示処理装置
2 制御部
5 表示用インタフェース
6 操作部インタフェース
7 音声出力処理部
8 スピーカ
9 ハードディスク装置
10 ディスプレイ装置
11 キーボード
12 マウス
15 表示処理プログラム
16 閾値データ
17 メニュー画像データ
20 人体画像
22 カメラ
25 矢印画像
D 動画データ
M1、M2 モーションデータ
T 音声テーブル
P1〜P17 点
【技術分野】
【0001】
本発明は、モーションデータを有する動体の動画表示処理を行う際に、動体の次の動きを表す方向情報を自動付加して表示処理を行うようにした表示処理装置、表示処理方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な動画コンテンツ(ビデオ)が存在し、例えば、ダンス及びスポーツ等の動きに関する指導を行うために、ダンスのステップ及びスポーツにおける体の動かし方等を実写、アニメーション画像等で表現した指導用ビデオがある。これらの指導用ビデオでは、次の動き予め示すための矢印を画像中に挿入したものもある(例えば、特許文献1の図7〜13)。
【0003】
また、上述した動画コンテンツを所謂モーションキャプチャ技術を用いて作成することが行われている(特許文献2参照)。モーションキャプチャとは、人体の所要箇所にデータ取得対象となるマーカを複数取り付けた状態で、その人にダンス及びスポーツの動きを行ってもらうことにより、三次元座標におけるマーカを付した箇所の座標値及び角度を表すモーションデータ(動作情報)を取得するものである。このように取得されたモーションデータを利用して人体を表す画像が動作を行う内容の動画コンテンツを作成でき、モーションデータに基づく動画コンテンツは視点変更(表示する方向の変更)を容易に行うことができる。
【0004】
さらに、特許文献3では、実写映像と、コンピュータグラフィックによるキャラクタ画像を三次元情報に基づいて合成した映像を作成することが開示されている。
【特許文献1】特開平10−319957号公報
【特許文献2】特開平10−222668号公報
【特許文献3】特開2000−23037号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
指導用ビデオでのように、動きを示す矢印を挿入することは、映像編集者が被写体における各部の動きを見ながら矢印画像を手作業で付加する編集作業が必要なため、非常に手間を要すると云う問題がある。また、モーションキャプチャ技術によるモーションデータを利用して作成された動画コンテンツに対しても、動きを示す矢印を挿入する場合は、上記と同様に手作業による編集が必要になっていた。特に複数視点での動画表示を行う場合は、視点ごとに対応した矢印画像が必要となるため、編集作業量が膨大になると云う問題がある。
【0006】
なお、特許文献3は、実写映像と、キャラクタ画像を三次元情報に基づいて単に合成するだけものであるため、被写体であるモデルの動きに応じて、動きを示す矢印画像を合成することまでは行えない。
【0007】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、モーションキャプチャ技術により得られたモーションデータ(動作情報)を利用することにより、手作業による編集を行うことなく、動体の次に動く方向を示す方向情報を自動で付加できるようにした表示処理装置、表示処理方法、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明に係る表示処理装置は、フレームごとに動体の動作情報を含む動画の表示処理を行う表示処理装置において、前記動作情報を記憶する手段と、記憶された動作情報の中で、時間的に前後するフレームに対応した動作情報の差分を算出する算出手段と、算出した差分に基づいて、動体の動く方向を表す方向情報を生成する生成手段と、生成した方向情報をフレームに付加する付加手段と、方向情報を付加したフレームの表示処理を行う手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る表示処理装置は、前記算出手段が算出した差分が、基準値を下回るか否かを検出する手段を備え、前記差分が基準値を下回ることが検出された場合、前記生成手段は方向情報を生成しないようにしてあることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明に係る表示処理装置は、前記生成手段は、方向情報として動体の動く方向を表す画像を生成することを特徴とする。
さらにまた、本発明に係る表示処理装置は、前記算出手段が選出した差分と比較値との比較を行う比較手段を備え、前記生成手段は、前記比較手段の比較結果に基づいて生成する画像の形態を変更するようにしてあることを特徴とする。
また、本発明に係る表示処理装置は、前記生成手段は、方向情報として動作の動く方向を表す文字を生成することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る表示処理装置は、前記付加手段は、一定の時間間隔ごとのフレームに方向情報を付加することを特徴とする。
また、本発明に係る表示処理装置は、前記方向情報に応じた差分の算出に係るフレーム以前の時間帯に含まれるフレームに対応した動作情報の差分の中で、基準値を下回る差分を特定する特定手段を備え、前記付加手段は、前記特定手段が特定した差分に係るフレームに方向情報を付加することを特徴とする。
さらに、本発明に係る表示処理装置は、動画には楽曲が付帯してあり、動画の表示処理に伴って楽曲の再生処理を行う再生手段を備え、前記付加手段は、前記再生手段で再生処理が行われる楽曲の拍子に応じた表示処理対象のフレームに方向情報を付加することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る表示処理装置は、動作情報の差分及び音声を対応付けた音声テーブルと、前記音声テーブルから、前記算出手段が算出した差分に対応する音声を特定する音声特定手段と、特定した音声の出力処理を行う音声出力手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る表示処理装置は、動体の一時停止状態の検索指示を受け付ける受付手段と、該受付手段が検索指示を受け付けた場合、記憶された動作情報の中で、時間的に前後するフレームに対応した動作情報の差分を算出する手段と、算出された差分の中で、基準値を下回る差分に係るフレームを特定するフレーム特定手段と、前記フレーム特定手段が特定したフレームに前記付加手段が方向情報を付加した状態で表示処理を行う手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る表示処理方法は、動画のフレームごとに含まれる動体の動作情報を記憶する表示処理装置が、動画の表示処理を行う表示処理方法において、前記表示処理装置は、記憶する動作情報の中で、時間的に前後するフレームに対応した動作情報の差分を算出し、算出した差分に基づいて、動体の動く方向を表す方向情報を生成し、生成した方向情報をフレームに付加し、方向情報を付加したフレームの表示処理を行うことを特徴とする。
また、本発明に係る表示処理方法は、前記表示処理装置が、予め差分を算出して、算出した差分を記憶しておき、記憶した差分に基づいて方向情報を生成することを特徴とする。
【0015】
本発明に係るコンピュータプログラムは、動画のフレームごとに含まれる動体の動作情報を記憶するコンピュータに、動画の表示処理を行わせるためのコンピュータプログラムにおいて、コンピュータを、記憶された動作情報の中で、時間的に前後するフレームに対応した動作情報の差分を算出する算出手段と、該算出手段が算出した差分に基づいて、動体の動く方向を表す方向情報を生成する生成手段と、該生成手段が生成した方向情報をフレームに付加する付加手段と、方向情報を付加したフレームの表示処理を行う手段として機能させることを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、モーションキャプチャ技術により得られる動作情報(モーションデータ)の差分に基づいて方向情報を生成し、表示処理対象となるフレームに付加するので、次の動作を示す方向情報を自動で表示できるようになる。その結果、手作業による編集を行わなくても、動体の次の動作方向を把握できる指導用ビデオ等を従来に比べてより低コスト且つ容易に制作可能となる。また、本発明では、モーションキャプチャ技術により得られる動作情報を利用するので、モーションキャプチャ技術で動作情報を得られる動体の映像であれば、あらゆる種類の動体の映像に対して本発明を適用することが可能であり、動体としては人体以外にも、移動するボール、移動して組み合わせられる物体同士なども該当する。なお、モーションキャプチャ技術により得られる動作情報は一般に、三次元座標系における各座標軸に対する角度(回転角度)、又は各座標軸に対する座標値の少なくともいずれか一方を含む。
【0017】
また、本発明は、動画の表示処理を行う際にリアルタイム的に、動作情報の差分、及び差分に基づく方向情報の生成を行う以外に、予め動作情報の差分を算出すると共に、算出した差分を表示処理装置が記憶しておき、動画の表示処理を行う際に記憶する差分に基づき方向情報を生成してもよい。後者の場合、動画表示処理において表示処理装置の処理負担が軽減されるため、表示処理装置のプロセッサ能力が低いとき、又はネットワーク配信により動画表示処理を行った内容を配信する場合などに好適である。さらにまた、表示する動画の視点方向が定まっている場合は、予め差分を算出すると共に、算出した差分に基づいて、視点方向に応じた方向情報も生成し、生成した方向情報を表示処理装置が記憶しておき、動作表示処理を行う際に記憶する方向情報をフレームに付加して動画表示処理を行うことも可能であり、この場合は一段と処理負担の低減を図れる。
【0018】
本発明にあっては、算出した差分が基準値を下回る場合、方向情報を生成しないので、動体の動作が基準値を下回るレベルであるときは、方向情報が表示されなくなる。そのため、動体の微妙な動きは切り捨てられて方向情報の付加対象にならないので、方向情報が過度に表示されることを防止できる。
【0019】
本発明にあっては、動く方向を表す画像を生成するので、動画表示処理により表示画面中に付加された画像により、次に動体が動く方向を一目でユーザは把握できるようになる。なお、画像としては、方向を示す矢印の画像が好適であるが、方向を表すことが可能なクサビ形のような先細の画像等も適用可能である。
【0020】
本発明にあっては、生成する画像の形態を、比較結果に基づいて変更するので、表示される画像の形態を見ることで、ユーザは動体の動く量を予測できるようになり、現在表示されている動体の次の動きを詳細に把握可能となる。なお、形態の変更例としては、動体の動く量が大きいほど画像を大きくすること、画像を長くすること、画像の色を濃くすること等が該当し、特に方向情報に相当する画像が矢印画像の場合には、動体の動く量が大きいほど鏃部分を大きくすることなども適用できる。
【0021】
本発明にあっては、動く方向を表す文字が生成されるので、表示画面中には動体の次の動作方向を表す文字が示され、ユーザは確実に次の動きを把握できるようになる。具体的には、ダンスの指導用の動画コンテンツの場合で、モデルが次のフレームで右腕を上げるシーンになるとき、表示画面中には「右腕を上げて!」と云う文字が表示されるようになる。なお、文字及び画像の両方を表示して、次の動く方向をより把握しやすくすることも勿論可能である。
【0022】
本発明にあっては、一定の間隔ごとのフレームに方向情報を付加するので、方向情報が同一の間隔で表示されるようになり、方向情報の付加を定型的な処理で行うことができ、方向情報の付加に対してスムーズな処理の流れを作ることができる。
【0023】
本発明にあっては、基準値を下回る差分に係るフレームに方向情報を付加するので、動体の動きが小さいとき、又は動体が一時的に停止しているとき(ポーズ状態のとき)に方向情報が表示されることになり、次の動作が始まる前にタイミング良く方向情報をユーザに提示して、動画を見るユーザが動体の次の動きを把握しやくなる。
【0024】
本発明にあっては、動画に付帯する楽曲の拍子に応じたフレームに方向情報が付加されるので、楽曲のリズムに合わせて方向情報がユーザに提示されるようになる。そのため、ダンスの指導用の動画コンテンツのように、モデルが楽曲に合わせて動く場合、次の動きを示す方向情報も楽曲に合わせて表示されるため、ユーザは楽曲のリズム(拍子)に合わせて次の動きを把握でき、楽曲に応じた適切な動きをスムーズに学べる。
【0025】
本発明にあっては、差分に対応する音声を音声テーブルから特定して出力処理を行うので、視覚に加えて聴覚によっても動体の次の動きをユーザは把握できるようになり、多面的に次の動きをより確実に予測できる。その結果、ダンス及びスポーツ等の動作を指導する動画コンテンツにおける指導内容を、より強くユーザにアピールして指導力を高められる。
【0026】
本発明にあっては、動体の一時停止状態(ポーズ状態)を検索する指示を受け付けると、基準値を下回る差分に係るフレームを特定し、そのフレームに方向情報を付加して画像の表示処理を行うので、ユーザとしては、一連の動作の中でポーズ状態を素早く表示できると共に、そのポーズ状態を起点として次ぎの動作を学ぶことができ、ポーズごとに動きを学びたい場合に有効な機能を提供できる。
【発明の効果】
【0027】
本発明にあっては、モーションキャプチャ技術により得られる動作情報を利用して、動作情報の差分を求めると共に、その差分に基づいて方向情報を生成し、動画表示処理の対象となるフレームに付加するので、次の動作を示す方向情報を自動で表示でき、従来必要であった動作方向を表す画像編集作業を不要にできる。
また、本発明にあっては、予め動作情報の差分を求めて記憶すると共に、動画表示処理の際に、記憶する差分に基づき方向情報を生成してフレームに付加することも可能であり、この場合は装置の処理負荷を低減できる。
【0028】
本発明にあっては、算出した差分が基準値を下回る場合、方向情報を生成しないので、動体の微妙な動きに対しては方向情報が表れなくなり、方向情報が過度に表示されることを防止できる。
【0029】
また、本発明にあっては、動く方向を表す画像を生成するので、次に動体が動く方向を一目でユーザは把握できる。
さらに、本発明にあっては、生成する画像形態を比較結果に基づいて変更するので、表示される画像の形態により、次の動体の動く量までユーザは予測できる。
さらにまた、本発明にあっては、動く方向を表す文字が生成されるため、表示画面中の文字を読むことで、ユーザは確実に次の動きを把握できる。
【0030】
本発明にあっては、一定の間隔ごとのフレームに方向情報を付加するので、方向情報を同一のタイミングでユーザに表示でき、ユーザ側は周期的に動きを把握できる一方、装置側としては、方向情報の付加処理を定型的に効率良く行える。
【0031】
また、本発明にあっては、基準値を下回る差分に係るフレームに方向情報を付加するので、動体の動きが小さいとき、又は動体が一時的に停止しているとき(ポーズ状態のとき)に方向情報を表示でき、次の動作が始まる前にタイミング良く方向情報をユーザに提示できる。
【0032】
さらに、本発明にあっては、動画に付帯する楽曲の拍子に応じたフレームに方向情報が付加されるので、楽曲のリズムに合わせて方向情報をユーザに提示でき、ユーザは楽曲に合った自然なリズムで方向情報を確認できる。
【0033】
本発明にあっては、差分に対応する音声を音声テーブルから特定して出力処理を行うので、方向情報及び音声と云う視覚及び聴覚の両方により、動体の次の動きをユーザへ確実に伝えることができる。
【0034】
本発明にあっては、動体の一時停止状態(ポーズ状態)を検索する指示を受け付けると、基準値を下回る差分に係るフレームを特定し、そのフレームに方向情報を付加して画像の表示処理を行うので、一連の動作の中でポーズ状態を素早く見ることができ、ダンス及びスポーツの動き等を学習する場合、ポーズを起点として次ぎの動作を効率的に学習できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図1は、本発明の実施形態に係る表示処理装置1を示している。本実施形態の表示処理装置1は、汎用のパーソナルコンピュータを適用しており、コンピュータ本体1aに、各種映像、画像等を表示するディスプレイ装置10、並びにユーザからの操作指示を受け付けるキーボード11及びマウス12を接続している。表示処理装置1は、モーションキャプチャ技術により得られたモーションデータ(動作情報に相当)をフレームごとに含んだ動画データを予め記憶しており、動画再生の際、そのモーションデータにより時間的に前後する動体の動きの差を把握して、次の動体の動作方向を示す矢印画像(方向情報に相当)を生成して映像中に自動で表示できるようにしたことが特徴である。以下、表示処理装置1について詳説する。
【0036】
表示処理装置1は、コンピュータ本体1aの内部において、各種制御処理を行う制御部2(プロセッサ)に、RAM3、ROM4、表示用インタフェース5、操作部インタフェース6、音声出力処理部7、及びハードディスク装置9を内部バス1bで接続している。RAM3は制御部2の処理に従うデータ及びフォルダ等を一時的に記憶し、ROM4は制御部2が行う基本的な処理内容を規定したプログラム等を予め記憶している。
【0037】
表示用インタフェース5は、本実施形態の表示処理装置1では外部機器になるディスプレイ装置10と接続されており、動画データの表示処理を行って再生した映像をディスプレイ装置10へ順次送って、ディスプレイ装置10の画面10aに映像を表示する処理を行う。また、操作部インタフェース6は、キーボード11及びマウス12が接続され、図7(a)(b)に示すメニュー画面18、19等に対するユーザからの指示を受け付けると共に、受け付けた指示内容を制御部2へ伝える処理を行う。さらに、音声出力処理部7は音声出力手段及び再生手段として機能し、スピーカ8を接続すると共に、楽曲データ及び音声データ等を制御部2の制御指示に基づいて再生及び増幅等の処理を行って、再生音をスピーカ8から出力する処理を行う。
【0038】
ハードディスク装置9は、各種プログラム及びデータ等を記憶し、本実施形態ではプログラムとして、コンピュータ本体1aを作動させる上でベースとなる処理を規定したシステムプログラム14、本発明に係る表示処理を規定した表示処理プログラム(本発明のコンピュータプログラムに相当)15、モーションキャプチャ技術に基づく表示処理対象となる動画データD、次の動作を音声で指示するための音声データを格納した音声テーブルT、各種処理判断で基準及び判別用の値を含む閾値データ16、及びメニュー画像データ17等を記憶している。
【0039】
ハードディスク装置9に記憶される本実施形態の動画データDは、ダンス指導用の動画コンテンツであり、ダンサーにマーカを付してモーションキャプチャ技術により、三次元空間におけるマーカの座標等を表すモーションデータを、動画(映像)を構成するフレーム単位で含ませた内容になっている。このような動画データDは、再生時に視点を指定することで、ダンサーに応じた人体画像(動体に相当)の動きを所望の方向から眺めた映像を表示再生できるようになっている。
【0040】
具体的な動体データDのイメージは、図2に示すように、モーションデータに基づいて三次元コンピュータグラフィクス技術により作成されるダンサーを表す人体画像20がX軸、Y軸、Z軸で構成されるXYZ座標系に位置し、このXYZ座標系とは相違するカメラ22の撮像方向(再生時の視点方向に相当)及び位置を定めるためのUVW座標系を設け、XYZ座標系とUVW座標系との相対関係を規定することで、ユーザが所望する方向及び位置からの映像表示が可能になる。
【0041】
また、三次元コンピュータグラフィックス技術により作成される人体画像20(図3(a)参照)は、図3(b)に示すように、人体の骨に相当するボーンBと云う棒状のリンク部材を連結したものに、人体の皮膚に相当するスキンを被せて作成されている。さらに、図3(b)に示すボーンBの各所に付された点P1〜P17が、オリジナルのダンサーに付されたマーカ位置に相当し、これら各点P1〜P17ごとにモーションデータが存在している。なお、図3(b)に示す各点P1〜P17の位置及び個数は一例であり、ダンサーに付すマーカの位置及び個数に応じて適宜変更できる。
【0042】
図4は、動画データDを構成する各時刻ごとのフレームで作成される人体画像20のイメージを示す図である。動画データDは、時刻t1、t2、t3・・・におけるフレームf1、f2、f3・・・により構成されており、各フレームf1、f2、f3等に応じた画像を順次再生することで、各フレームf1、f2、f3等に含まれるダンサーを表した人体画像20が動く映像(動画)を再生表示できる。なお、本実施形態の動画データDは、1秒当たりのフレーム数を60個(60フレーム/秒)にしているが、この数値はあくまで一例であり、モーションデータを取得する際のフレーム数の範囲であれば、要求される動画品質に応じて適宜増減できる。
【0043】
図5は、時刻t1、t2における第1フレームf1、第2フレームf2に含まれる人体画像20に応じたモーションデータM1、M2の中身を概略的に示したものである。モーションデータM1、M2は、図3(b)に示す各点P1〜P17ごとに、図2に示すXYZ座標系におけるX軸、Y軸、Z軸のそれぞれに対する回転角度、及び座標値を有する。このようなフレームごとのモーションデータに基づいて、図4に示す各フレームに含まれる人体画像20(視点が人体画像20の正面から視点の場合)が作成される。なお、回転角度は、図2中、X、Y、Z軸に付した矢印方向がそれぞれプラス(+)、及びマイナス(−)方向になる。
【0044】
また、図6は、ハードディスク装置9に記憶される音声テーブルTの中身を示している。音声テーブルTは、後述する表示処理プログラム15が規定する処理により得られるモーションデータの差分と、音声データを対応付けたものであり、具体的には時間的に前後するフレーム間での各点P1〜P17に対するモーションデータに含まれる各要素(回転角度、座標)の差分状況に対して、それぞれ専用の音声データが対応付けられている。
【0045】
例えば、人体画像20の頭部頂点となる点P1に対するX軸の回転角度の差分がプラスになる場合、「頭を前に振って」と云う内容の音声データAが対応付けてあり、点P1に対するX軸の回転角度の差分がマイナスになる場合、「頭を後に振って」と云う内容の音声データBが対応付けてある。また、人体画像20の左腕先端となる点P6に対するY軸における回転角度の差分がプラスになる場合、「左腕を上げて」と云う内容の音声データCが対応付けてあり、点P6に対するY軸の回転角度の差分がマイナスになる場合、「右腕を下げて」と云う内容の音声データDが対応付けてある。このように音声テーブルTは、各点P1〜P17の各軸における回転角度の差分状況がプラス及びマイナスの場合に上述したような内容の音声データを対応付けている。
【0046】
なお、各軸における回転角度の0度は、X軸については図2中、X軸に平行で且つX軸の正から負の方向にYZ平面を眺めた場合で、Y軸の負側が0度であり、反時計方向がプラスの回転角度、時計回転方向がマイナスの回転角度になる。また、Y軸においては、Y軸に平行で且つY軸の正から負の方向にXZ平面を眺めた場合で、X軸の正側が0度であり、反時計回転方向が正方向、時計回転方向が負方向になる。さらに、Z軸においては、Z軸に平行で且つZ軸の正から負の方向にXY平面を眺めた場合で、X軸の負側が0度であり、反時計回転方向が正方向、時計回転方向が負方向になる。
【0047】
また、音声テーブルTは、モーションデータ中の座標値の差分状況に応じた音声データも対応付けており、例えば、人体の左腕先端となる点P6に対するX軸に対する座標の差分がプラスになる場合、「左腕を横に伸ばして」と云う内容の音声データEが対応付けてある。
【0048】
一方、図7(a)(b)に示すメニュー画面18、19は、ハードディスク装置9に記憶されるメニュー画像データ17に対応する内容の一例である。図7(a)のメニュー画面18は、表示処理プログラム15を起動させた場合、最初に表示されるメニュー内容に相当し、「視点方向設定」と云う第1ボタン18a、「映像再生」と云う第2ボタン18b、「一時停止検索」と云う第3ボタン18c(一時停止状態の検索指示を受け付ける受付手段に相当)、「終了」と云う第4ボタン18dを有している。なお、第1ボタン18aは、キーボード11又はマウス12の操作により選択された場合、図7(b)に示す視点選択用のメニュー画面19が表示されることが、表示処理プログラム15により規定されている。
【0049】
図7(b)のメニュー画面19は、視点方向を選択するための矢印形の方向ボタン19a〜19eを有すると共に、決定ボタン19fを有する。人体に対して前後、左右、及び上の5方向のいずれかの視点を特定する方向ボタン19a〜19eの中で一つが指定選択された状態で、決定ボタン19fが選択されると、指定された方向で視点が決定されて、図7(a)のメニュー画面18に表示が戻ることが、表示処理プログラム15により規定されている。なお、図7(b)のメニュー画面19に基づく視点方向の指定の仕方は一例であり、他の指定の仕方を適用することも勿論可能であり、例えば、マウス12の操作により360度のいずれの角度を指定するようにしてもよい。
【0050】
また、図7(a)の第2ボタン18bが選択された場合、表示処理プログラム15が動画データDの再生処理を開始する。なお、再生処理の開始後に、キーボード11の複数のキー(例えば、ALTキーとF4キー)が同時に操作されると、表示処理装置1は再生停止指示を受け付けたことになる。さらに、第3ボタン18cが選択された場合、後述する一時停止状態の検索処理が開始される。さらにまた、第4ボタン18dが選択された場合、表示処理プログラム15の全ての処理が終了する。
【0051】
次に、表示処理プログラム15が規定する処理内容について説明する。表示処理プログラム15は、制御部2が行う制御処理内容を規定しており、起動すると、先ず、図7(a)のメニュー画面18のメニュー画像データ17を読み出して、表示用インタフェース5から出力して、ディスプレイ装置10の画面10aにメニュー画面18を表示させる処理を制御部2に行わせることを規定している。また、メニュー画面18を表示して、「視点方向設定」の第1ボタン18aが選択されたことが操作部インタフェース6から制御部2に伝えられると、図7(b)のメニュー画面19を表示して視点方向の指定選択の操作に伴い制御部2が映像再生に係る視点方向を決定することを規定している。
【0052】
さらに、表示処理プログラム15は、第2ボタン18bの選択に基づき動画データDの動画表示処理を行う際に、表示処理対象となるフレームと、その後のフレームのそれぞれに含まれるモーションデータの差分を制御部2が算出手段として算出することを規定する。例えば、図4に示す時刻t1の第1フレームf1の表示処理を行う際、その第1フレーム1と、時刻t2の第2フレームf2のそれぞれに含まれるモーションデータが有する各点P1〜P17ごとの要素(回転角度、座標)の差分を制御部2が算出する。
【0053】
さらにまた、表示処理プログラム15は、算出された差分の結果が、ハードディスク装置9に記憶される閾値データ16に含まれる回転角度用の基準値、及び座標用の基準値を下回るか否かを制御部2が検出手段として検出することを規定する。本実施形態の回転角度用の基準値は「25度」と云う値になっており、座標用の基準値は座標軸における「20目盛り分」と云う値になっている。制御部2は、各点P1〜P17に対して算出した差分結果の中で、回転角度に対する各点ごとの結果が「25度」を下回るか否かを検出すると共に、座標に対する各点ごとの結果が「20目盛り分」を下回るか否かを検出する。なお、上述した各基準値(25度、20目盛り分)は、あくまで一例であり、他の値を適用することも勿論可能である。
【0054】
上述した検出処理で、全ての点における回転角度及び座標に対する結果が、基準値を下回る場合は、時間的に前後するフレーム間における人体画像20の動きは、動作に該当しない程度の体の振れ、又は人体画像20が一連の動作における一時停止状態(ポーズ状態)と判断できるため、動作方向を表す矢印画像を生成しないことを、表示処理プログラム15は規定している。
【0055】
また、上述した検出処理で、各点のいずれか1つでも回転角度及び座標に対する結果が、基準値を下回らない場合、表示処理プログラム15は矢印画像を生成することを規定している。なお、矢印画像の生成は、主に人体画像20の六つの部分(頭部、左腕、右腕、胴体部分、左脚、右脚)に分けて行われ、具体的には図3(b)において頭部に相当する点P1及びP2、左腕に相当する点P5及びP6、右腕に相当する点P8及びP9、胴体部分に相当する点P3、P4、P7、P10、P11、左脚に相当する点P12〜P14、右脚に相当する点P15〜P17のそれぞれに部分ごとに、最も大きい動作量の大きい点(回転角度の差分絶対値及び座標の差分絶対値が最も大きい点)に対して矢印画像が生成される。
【0056】
図8は、時間的に前後するフレーム間での右腕の動きを示しており、点P8、9に係る実線のボーンBは時間的に前側のフレームにおける右腕の状態を示し、点P8′、9′に係る波線は時間的に後ろ側のフレームにおける右腕の状態を示している。なお、図8は、図2に示す視点方向(Y軸方向に平行で且つY軸方向の正から負へ向かう方向)に基づく図である。図8に示す動きの場合では、右腕先端に相当する点P9の方が、右腕の肘部分に相当する点8より動作量が大きいため、点P9が矢印画像の生成対象になる。
【0057】
図8の場合、時間的に前側のフレームにおける点P9に対する各座標値が(X、Y、Z)=(20、60、0)、各座標に対する回転角度が(X、Y、Z)=(100度、180度、30度)であり、時間的に後ろ前側のフレームにおける点P9′の各座標値が(X、Y、Z)=(50、60、140)、各座標に対する回転角度が(X、Y、Z)=(100度、140度、30度)であるとすると、座標値に対する差分結果は(30、0、140)、回転角度に対する差分結果は(0度、−40度、0度)になる。
【0058】
上述して得られた座標値の差分結果は、時間的に前側のフレームにおける点P9から、時間的に後ろ側のフレームにおける点P9′へ向かうベクトルデータとなるため、このベクトルデータ及び回転角度に対する差分結果に応じた矢印画像25を制御部2が生成することを、表示処理プログラム15は規定している。なお、生成される矢印画像25は同一寸法であり、矢印画像の後端25aが、差分結果において対象となる点P9に一致させられると共に、矢印画像25の先端25bが、回転角度に対する差分結果による回転方向で且つベクトルデータ(差分結果)の表す向きに合わせられる。
【0059】
また、生成された矢印画像25は図9(a)(b)に示すように、人体画像20と、視点方向及び視点位置を決定するカメラ22との間に位置するように、差分の算出対象となった前側のフレームに制御部2が付加手段として付加する処理を行うことを、表示処理プログラム15は規定している。図9(b)中、人体画像20のY座標の値をy1、矢印画像25の配置箇所に対するY座標の値をy2、カメラ22のY座標の値をy3とした場合、y1<y2<y3の関係が成立する。なお、フレームの画像中に含まれる人体画像20も、表示処理プログラム15の三次元コンピュータグラフィックス技術に基づいて規定した処理内容に従って制御部2が作成している。このように矢印画像25の配置を、人体画像20及びカメラ22の間にすることで、カメラ22からの視点方向による表示において、矢印画像25が、人体画像20によって隠れてしまう(埋もれてしまう)ことがなくなり、良好に矢印画像25をユーザに見せることができる。
【0060】
さらに、表示処理プログラム15は、上述したように作成した人体画像20及び矢印画像25を含むフレームに対して、表示処理を行うことを規定しており、制御部2が上記フレームを表示用インタフェース5へ送る制御を行って、表示処理が行われた再生画像がディスプレイ装置10の画面10aに表示される。
【0061】
また、表示処理プログラム15は、矢印画像25に関する処理に加えて、音声データの出力処理も規定している。具体的には、上述したモーションデータの差分算出により、人体画像20の各部分(頭部、左腕、右腕、胴体部分、左脚、右脚)ごとに、何れか点に対する差分絶対値が求まると、その差分絶対値に対応する音声データを図6の音声テーブルTから制御部2が音声特定手段として特定することを、表示処理プログラム15は規定している。また、特定した音声データは制御部2の制御により、矢印画像25含むフレームをディスプレイ装置10に表示する処理に同期させて、音声出力処理部7へ送られてスピーカ8から出力される。
【0062】
制御部2は、上述したような矢印画像25の表示及び音声の出力に係る処理を、動画表示処理に連係してリニアに行い、表示処理プログラム15は、ユーザにより動画再生の停止指示を受けた場合、又は最後フレームの表示処理を行うまで、上述した処理を継続することを規定している。
【0063】
図10の第1フローチャートは、上述した表示処理プログラム15が規定する矢印画像25に係る表示及び音声出力に係る処理手順(表示処理方法の内容)を整理したものである。以下、この第1フローチャートに従って、表示処理プログラム15が起動してからの表示処理装置1における一連の処理内容を説明する。
【0064】
先ず、表示処理装置1は、表示処理プログラム15の起動に伴って表示する図7(a)のメニュー画像18で、ユーザからの映像再生の指示を受け付けたか否かを判断する(S1)。指示を受け付けていない場合(S1:NO)、指示待ちとなり、指示を受け付けた場合(S1:YES)、図4の第1フレームf1と、第2フレームf2とのそれぞれに含まれるモーションデータの差分を算出する(S2)。それから、表示処理装置1は、算出した全ての点P1〜P17に対する差分が、閾値データ16の基準値を下回るか否かを判断する(S3)。
【0065】
全ての点P1〜P17に対する差分が、閾値データ16の基準値を下回る場合(S3:YES)、表示処理装置1は、矢印画像25を生成することなく、第1フレームf1の表示処理を行う(S6)。この場合(S3:YES)に表示される画面内容は、従来と同様に人体画像20のみが表されたものになる(図4参照)。
【0066】
一方、全ての点P1〜P17に対する差分が、閾値データ16の基準値を下回らない場合(S3:NO)、表示処理装置1は、算出した差分の値に基づいて対象となる点P1〜P17のいずれかに対して矢印画像25を生成する(S4)。また、矢印画像25の生成と共に、表示処理装置1は音声テーブルTの中から、差分の値に対応する音声データの特定も行う。それから、表示処理装置1は、作成した人体画像20の画像を含む第1フレームf1に、生成した矢印画像25を図9(a)(b)に示す位置関係で付加してから(S5)、第1フレームf1の表示処理を行い、ディスプレイ装置10に人体画像20及び矢印画像25を表示する(S6)。なお、この際、表示処理装置1は、特定した音声データの再生処理を行って、第1フレームf1の表示に合わせて音声(例えば、「左腕を上げて」と云う音声)をスピーカ8から出力する。
【0067】
そして、表示処理装置1は、最終フレームまで表示処理を終了したか、又はユーザから再生停止指示を受け付けたか否かを判断する(S7)。最後まで表示処理が終了しておらず、且つ再生停止指示も受け付けていない場合(S7:NO)、次の時間的に前後するフレーム(図4の第2フレームf2と、第3フレームf3)のモーションデータの差分を算出し(S2)、以降、最終フレームまで表示処理を終了するか、又は再生停止指示を受け付けるまで、S2〜S7の処理段階を繰り返すことになる。また、最終フレームまで表示処理を終了した場合、又はユーザから再生停止指示を受け付けた場合(S7:YES)、表示処理装置1は一連の処理を終了する。
【0068】
図11は、上述した表示処理装置1の処理により順次表示される動画の各フレーム画像の内容を示したものである。図11に示す各フレーム画像は、図4のフレーム画像に比べて、人体画像20の次の動作方向を示す矢印画像25が適宜付されているため、再生映像を見るユーザは、従来に比べて次の動作方向を予め把握できるため、ダンス又はスポーツ等の動作を学びやすくなっている。
【0069】
しかも、本実施形態では、例えば、時刻t1では「右腕上げて」、時刻t2では「左腕上げて」、時刻t3では「右腕下げて」及び「左腕下げて」と云う音声が表示される動作に応じて出力されるため、ユーザは視覚に加えて聴覚によっても、次の動作内容を把握でき、次の動作に対する準備、心構えを充分に行える。なお、図11において、時刻t4〜t5の第4、第5フレームf4、f5では、人体画像20が一時停止状態であるため、図10の第1フローチャートにおいて、矢印画像25が生成されない処理ルート(S3:YES)を経た内容になっている。同様に時刻t8、t9間の人体画像20の動作による差(モーションデータの差分)は小さく基準値を下回るため、時刻t8の第8フレームf8においても矢印画像25が付されていない。
【0070】
また、図1に示すハードディスク装置9に記憶される表示処理プログラム15は、上述した映像再生処理の他にも、動画データDに含まれる人体画像20の一時停止状態(ポーズ状態、又は動きの小さい状態)を検索する処理も規定している。一時停止状態の検索処理は、図7(a)の第3ボタン18cの選択で開始され、最初に制御部2が動画データDに含まれる時間的に前後するフレーム間のモーションデータの差分を算出することを、表示処理プログラム15は規定している。また、算出した差分が閾値データ16に含まれる上述した基準値を下回るか否かを制御部2が判別する。
【0071】
制御部2が、基準値を下回る差分を特定した場合、その差分より後ろの時間帯の差分に基づき上記と同様に矢印画像25を生成すると共に、差分の算出に係る前後のフレーム中に対して前側のフレームを特定し、そのフレームに矢印画像及び選択可能なボタン(図13参照)を付加して、その状態でフレームの表示処理を行う。なお、このときの表示処理は、動画ではなく静止画の表示処理となる。
【0072】
図12の第2フローチャートは、上述した表示処理プログラム15が規定する一時停止の検索処理手順を整理したものである。整理した内容を順次説明すると、先ず、表示処理装置1は、図7(a)のメニュー画像18で、ユーザからの一時停止検索の指示を受け付けたか否かを判断する(S10)。指示を受け付けていない場合(S10:NO)、指示待ちとなり、指示を受け付けた場合(S10:YES)、動画データDに含まれる最初の第1フレームf1と、第2フレームf2とのそれぞれに含まれるモーションデータの差分を算出し(S11)、算出した全ての点P1〜P17に対する差分が、基準値を下回るか否かを判別する(S12)。
【0073】
全ての点P1〜P17に対する差分が、基準値を下回らない場合(S12:NO)、次に前後するフレーム(第2フレームf2、第3フレームf3)間のモーションデータの差分を算出し(S11)、以降、算出した全ての点P1〜P17に対する差分が基準値を下回るまで、S11〜S12の処理を繰り返すことになる。
【0074】
また、全ての点P1〜P17に対する差分が、基準値を下回る場合(S12:YES)、表示処理装置1は、その基準値を下回る差分より前の差分に基づき矢印画像25を生成し(S13)、基準値を下回る差分に係るフレームに矢印画像等を付加し(S14)、静止画としてフレームの表示処理を行う(S15)。
【0075】
図13は、上述した一時停止検索処理を経て、ディスプレイ装置10の画面10aに表示された静止画30の一例を示しており、人体画像20に矢印画像25が付加されている。また、静止画30には、再生開始ボタン30a、次の一時停止状態の検索指示を受け付ける検索ボタン30b、処理を終わらせる終了ボタン30cが設けられている。再生開始ボタン30aの選択操作が行われると、表示中の静止画30に応じたフレーム以降の動画データDに対して動画表示処理(図10の第1フローチャートに示す内容)が開始される。また、検索ボタン30bの選択操作が行われると、表示中の静止画30に応じたフレーム以降の動画データDに対して一時停止検索処理(図12の第2フローチャートに示す内容)が開始される。
【0076】
上述したような一時停止検索処理を行うことで、ユーザは動作を学ぶ上で起点となる一時停止状態を動画データDの中から素早く見つけることができ、効率良く動作を学ぶことが可能となる。
【0077】
なお、本発明は、上述した内容に限定されるものではなく、種々の変形例の適用が可能である。例えば、生成した矢印画像25を付加するフレームは、一定の時間間隔(例えば5ミリ秒ごと)のフレームに順次付加するようにしてもよい。この場合、矢印画像25の付加対象のフレームは、時間間隔で特定することができ、付加対象の特定に係る処理を簡略化できると共に、矢印画像25も一定の間隔で表示されるようになり、ユーザとしては矢印画像25が画面10aに表示されるタイミングを把握しやすくなる。
【0078】
また、生成した矢印画像25は、人体画像20が一時停止状態又は動きが小さいときのフレームに付加してもよい。この場合は、矢印画像25の生成に用いた差分の算出に関連した時間的に前後するフレームの中で前側のフレーム以前の時間帯に含まれるフレームに対して、モーションデータの差分を算出し、算出した差分が図12の第2フローチャートのS12の処理段階と同様に、基準値を下回るか否かを制御部2で判別する。制御部2が基準値を下回る差分を特定した場合、その特定した差分を算出するのに用いた前後の各フレームに矢印画像を付加する。このような処理を行うことで、例えば、図11に示す人体画像20が一時停止状態の第4フレームf4、第5フレームf5にも、第6フレームf6に付した矢印画像25と同様の矢印画像25が付加されることになる。そのため、人体画像20が、一時停止状態又は動きが小さいときに、動作開始フレーム(図11の場合、第6フレームf6)より前のフレーム(図11の場合、第4及び第5フレームf4、f5)から次の動作方向を示す矢印画像25が現れるので、ユーザは前もって動きの向きを知ることが可能となり、動作を学びやすくなる。
【0079】
さらに、図14(a)に示すように、再生対象の動画データDが、映像と共に再生される楽曲データ23を付帯する場合、動画の表示処理に伴って再生処理が行われる楽曲データ23の拍子(図14(b)のリズムR1、R2、R3、R4)に応じた表示処理対象のフレームに、生成した矢印画像25を付加して、楽曲データ23のリズムに合わせて矢印画像25を表示してもよい。この場合、楽曲リズムに合わせて矢印画像25が表示されるため、ユーザはリズム良く矢印画像25を確認でき、特に、楽曲と共に動作を行うダンスの動きを学ぶ場合に好適な矢印画像表示を行える。
【0080】
また、生成する矢印画像25の形態は、モーションデータの差分の値に応じて変更させてもよい。この場合は、閾値データ16の中に比較用の比較値(複数も可能)を含ませ、座標値に対する差分結果をスカラー量として制御部2が比較値と比較を行い、比較結果に基づき形態を変更して矢印画像を生成することになる。
【0081】
具体的には、第1比較値として「60」、第2比較値として「100」と云う値を設定し、算出した差分結果(スカラー量)が第1比較値未満のとき、制御部2は、図15(a)に示すように白色の矢印画像40を生成する。以下、算出した差分結果(スカラー量)が第1比較値以上、第2比較値未満のときは、図15(b)に示すように灰色(図中、ハッチングで示す)の矢印画像41を生成し、算出した差分結果(スカラー量)が第2比較値以上のときは、図15(c)に示すように黒色の矢印画像42を生成する。このように生成する矢印画像の形態(色)を変更することで、ユーザは矢印画像の形態に応じて次ぎの動作量までも把握できるため、より次の動作への対応を行いやすくなる。
【0082】
なお、矢印画像の形態のバリエーションとしては、図15(d)〜(f)に示すように、第1比較値未満のときは図15(d)の短い矢印画像45、第1比較値以上、第2比較値未満のときは図15(e)に示す中間長さの矢印画像46、第2比較値以上のときは図15(f)に示す長い矢印画像47にしてもよく、他にも矢印画像の寸法自体を変更すること、矢印画像の色の濃さを変更することも適用可能である。なお、矢印画像の形態を、より詳細に分ける場合は、3以上の比較値を用いることが好適であり、逆に処理を簡略化するときは1つの比較値のみを用いて比較処理を行ってもよい。
【0083】
また、矢印画像生成(差分算出)に用いるフレーム数は2つに限定されるものではなく、時間的に前後する3つ以上のフレーム間の差分により矢印画像を生成してもよい。このように3つ以上のフレームを用いる場合は、対象となる点の軌跡も把握できるため、生成する矢印画像は直線ではなく、軌跡に応じた形状にしてもよい。
【0084】
例えば、図16に示すように矢印画像の生成対象となる右腕先端の点P9が、時間的に連続する計4個のフレームにおいて、円弧状の軌跡で動く場合、点P9の各フレーム間の複数の差分(座標値に応じた差分結果)のベクトルを繋ぎ合わせた円弧状の矢印画像50を制御部2は生成する。この場合、矢印画像50の形態により動作の軌跡を把握できるため、ユーザは細かい動き内容までを学ぶことができる。
【0085】
さらに、動画表示処理時の制御部2の処理負担を低減するためには、予め時間的に前後するフレーム間のモーションデータの差分を算出すると共に、算出に関連するフレームと対応付けて図1のハードディスク装置9に差分結果を記憶しておき、動画表示処理時に記憶する差分の結果に基づき矢印画像25を生成して、作成した人体画像20の画像を含むフレームに付加してもよい。
【0086】
図17の第3フローチャートは、予め算出した差分を記憶した場合における変形例の表示処理プログラム15が規定する処理手順(変形例の表示処理方法の内容)を示す。この第3フローチャートによれば、変形例の表示処理装置1は、先ず、図7(a)のメニュー画像18で、ユーザからの映像再生の指示を受け付けたか否かを判断し(S20)、指示を受け付けていない場合(S20:NO)、指示待ちとなり、指示を受け付けた場合(S20:YES)、記憶する差分に基づいて、矢印画像を生成し(S21)、表示処理対象のフレームに、生成した矢印画像を付加し(S22)、そのフレームの表示処理を行う(S23)。
【0087】
それから、表示処理装置1は、最終フレームまで表示処理を終了したか、又はユーザから再生停止指示を受け付けたか否かを判断し(S24)、最後まで表示処理が終了しておらず、且つ再生停止指示も受け付けていない場合(S24:NO)、次の表示対象となるフレームに対応付けられた差分に基づき矢印画像の生成を行う段階(S21)に戻る。また、最終フレームまで表示処理を終了した場合、又はユーザから再生停止指示を受け付けた場合(S24:YES)、表示処理装置1は処理を終了する。このように図17の第3フローチャートの処理は、動画表示処理時の処理数が図10の第1フローチャートに比べて減少しているため、処理能力の低い制御部2の場合に好適となる。なお、視点方向及び視点位置等が予め決まっている場合は、第3フローチャートにおけるS21の処理段階での矢印画像の生成も予め行い、生成した矢印画像を各フレームに対応付けてハードディスク装置9に記憶しておき、動画表示処理時には、記憶する矢印画像を表示処理対象のフレームに付加するだけにして、更に処理負荷を低減することも可能である。
【0088】
また、次の動作方向を示す方向情報として生成する画像は矢印画像以外にも、方向を表す画像として先細の画像、三角形状の画像等も適用できる。また、図18の表示画像55に示すように、算出した差分結果を表す文字56を生成して、人体画像20を含むフレームに付加して表示するようにしてもよい。このように文字56を表示することで、より直接的にユーザへ指示を与えることができる。なお、文字56は生成する以外に、図6の音声テーブルTのように、動作を表す文字を各種差分内容に対応付けて格納する文字テーブルを設けてハードディスク装置9に記憶しておき、算出した差分内容に基づき文字テーブルから、対応する文字を特定してフレームに付加する処理を行うことも可能である。また、文字をフレームに付加する場合、上述した矢印画像も付加して、矢印画像と文字の両方で次の動作方向を明確にユーザへ示してもよい。
【0089】
さらに、表示処理装置1の仕様を簡略化する場合は、図6に示す音声テーブルTに係る処理を省略して、矢印画像のみを付す表示処理を行ってもよい。また、矢印画像25を生成しないようにする基準値の値は、ユーザ側で自由に設定可能にしてもよい。この場合、微妙な動きに対してまで矢印画像25を表示することを望むユーザは、基準値を小さく設定することになり(例えば、回転角度用の基準値として「10度」、座標用の基準値として「10目盛り分」)、また、大まかな動作を把握することを希望するユーザの場合は、基準値を大きく設定することになる(例えば、回転角度用の基準値として「30度」、座標用の基準値として「30目盛り分」)。なお、モーションデータの差分が、基準値を下回るか否かを検出する処理を省略して、少しでも動きがあるときは、常に矢印画像25を表示する仕様にしてもよい。
【0090】
また、処理に係る負担を少しでも軽減することを望む場合は、動体(人体)に関連付けられたモーションデータの差分算出処理において、各座標に対する回転角度と、各座標値のいずれか一方のみを用いて矢印画像25を生成することも可能である。
【0091】
さらに、本発明において、動体の対象となるのは人体に限定されるものではなく、モーションデータが関連付けられた動く物体であれば、全て適用可能である。そのため、例えば、図19(a)に示す表示画像56のように、物を動かして組み立てる際の組み立てマニュアル的な動画ビデオにも本発明を適用でき、この場合、移動して第1物体31へ組み付けられる対象の第2物体20′(動体に相当)の組み付け方向を矢印画像25で表すことができ、しかも、視点方向を自由に変更することで、組み付け方を詳細に確認することが可能になる。さらにまた、図19(b)に示す表示画像57のように、動体としてボール20″の移動方向を矢印画像25で表すことも可能である。
【0092】
また、本発明の表示処理装置1としてはパーソナルコンピュータのコンピュータ本体1aを用いる以外に、表示ディスプレイを具備した携帯型のパーソナルコンピュータ、PD、携帯電話機等も適用可能である。さらに、装置内のみで処理を完結させる以外に、図20に示すネットワークシステム100のように、サーバ装置110で上述した動画表示処理を行い、処理を行った動画をネットワークNW及び中継基地局100A〜100Nを通じて携帯電話機120のような端末装置へ配信し、端末装置で表示処理が行われた図11に示す各画像を順次表示させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の実施形態に係る表示処理装置の主要な構成を示すブロック図である。
【図2】三次元空間における人体、及び視点方向の位置関係等を説明する概略図である。
【図3】(a)三次元コンピュータグラフィック技術により作成される人体画像を示す概略図、(b)はモーションキャプチャ技術によるマーカに対応した点及びボーンを示す概略図である。
【図4】動画データを構成する各フレームに含まれる人体画像の状態を示す概略図である。
【図5】各フレームに含まれるモーションデータの内容を表した図である。
【図6】音声テーブルを示す図表である。
【図7】(a)は処理内容を選択するためのメニュー画面を示す概略図、(b)は視点方向の設定用のメニュー画面を示す概略図である。
【図8】生成した矢印画像を示す概略図である。
【図9】(a)(b)は生成した矢印画像の人体及びカメラに対する配置位置を説明するための図である。
【図10】表示処理方法の処理内容を示す第1フローチャートである。
【図11】生成した矢印画像を含む一連のフレームを示す概略図である。
【図12】一時停止状態の検索処理内容を表した第2フローチャートである。
【図13】検索に基づいて表示した画像を示す概略図である。
【図14】(a)は楽曲データを付帯する動画データの概略図、(b)は楽曲の拍子に合わせた矢印画像の表示タイミングを示すタイムチャートである。
【図15】(a)〜(c)は差分に応じて色を変更した変形例の矢印画像を示す概略図、(d)〜(e)は差分に応じて長さを変更した別の変形例の矢印画像を示す概略図である。
【図16】円弧状の変形例の矢印画像である。
【図17】予め差分を算出して記憶した場合の処理手順を示す第3フローチャートである。
【図18】動作方向を表す文字を付加した表示画像を示す概略図である。
【図19】(a)は物体を組み立てる場合の表示画像を示す概略図、(b)は移動するボールの表示画像を示す概略図である。
【図20】本発明を適用したネットワークシステムを示す概略図である。
【符号の説明】
【0094】
1 表示処理装置
2 制御部
5 表示用インタフェース
6 操作部インタフェース
7 音声出力処理部
8 スピーカ
9 ハードディスク装置
10 ディスプレイ装置
11 キーボード
12 マウス
15 表示処理プログラム
16 閾値データ
17 メニュー画像データ
20 人体画像
22 カメラ
25 矢印画像
D 動画データ
M1、M2 モーションデータ
T 音声テーブル
P1〜P17 点
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームごとに動体の動作情報を含む動画の表示処理を行う表示処理装置において、
前記動作情報を記憶する手段と、
記憶された動作情報の中で、時間的に前後するフレームに対応した動作情報の差分を算出する算出手段と、
算出した差分に基づいて、動体の動く方向を表す方向情報を生成する生成手段と、
生成した方向情報をフレームに付加する付加手段と、
方向情報を付加したフレームの表示処理を行う手段と
を備えることを特徴とする表示処理装置。
【請求項2】
前記算出手段が算出した差分が、基準値を下回るか否かを検出する手段を備え、
前記差分が基準値を下回ることが検出された場合、前記生成手段は方向情報を生成しないようにしてある請求項1に記載の表示処理装置。
【請求項3】
前記生成手段は、方向情報として動体の動く方向を表す画像を生成する請求項1又は請求項2に記載の表示処理装置。
【請求項4】
前記算出手段が選出した差分と比較値との比較を行う比較手段を備え、
前記生成手段は、前記比較手段の比較結果に基づいて生成する画像の形態を変更するようにしてある請求項3に記載の表示処理装置。
【請求項5】
前記生成手段は、方向情報として動作の動く方向を表す文字を生成する請求項1又は請求項2に記載の表示処理装置。
【請求項6】
前記付加手段は、一定の時間間隔ごとのフレームに方向情報を付加する請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の表示処理装置。
【請求項7】
前記方向情報に応じた差分の算出に係るフレーム以前の時間帯に含まれるフレームに対応した動作情報の差分の中で、基準値を下回る差分を特定する特定手段を備え、
前記付加手段は、前記特定手段が特定した差分に係るフレームに方向情報を付加する請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の表示処理装置。
【請求項8】
動画には楽曲が付帯してあり、
動画の表示処理に伴って楽曲の再生処理を行う再生手段を備え、
前記付加手段は、前記再生手段で再生処理が行われる楽曲の拍子に応じた表示処理対象のフレームに方向情報を付加する請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の表示処理装置。
【請求項9】
動作情報の差分及び音声を対応付けた音声テーブルと、
前記音声テーブルから、前記算出手段が算出した差分に対応する音声を特定する音声特定手段と、
特定した音声の出力処理を行う音声出力手段と
を備える請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載の表示処理装置。
【請求項10】
動体の一時停止状態の検索指示を受け付ける受付手段と、
該受付手段が検索指示を受け付けた場合、記憶された動作情報の中で、時間的に前後するフレームに対応した動作情報の差分を算出する手段と、
算出された差分の中で、基準値を下回る差分に係るフレームを特定するフレーム特定手段と、
前記フレーム特定手段が特定したフレームに前記付加手段が方向情報を付加した状態で表示処理を行う手段と
を備える請求項1乃至請求項9のいずれか1つに記載の表示処理装置。
【請求項11】
動画のフレームごとに含まれる動体の動作情報を記憶する表示処理装置が、動画の表示処理を行う表示処理方法において、
前記表示処理装置は、
記憶する動作情報の中で、時間的に前後するフレームに対応した動作情報の差分を算出し、
算出した差分に基づいて、動体の動く方向を表す方向情報を生成し、
生成した方向情報をフレームに付加し、
方向情報を付加したフレームの表示処理を行うことを特徴とする表示処理方法。
【請求項12】
前記表示処理装置は、
予め差分を算出して、算出した差分を記憶しておき、
記憶した差分に基づいて方向情報を生成する請求項11に記載の表示処理方法。
【請求項13】
動画のフレームごとに含まれる動体の動作情報を記憶するコンピュータに、動画の表示処理を行わせるためのコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータを、
記憶された動作情報の中で、時間的に前後するフレームに対応した動作情報の差分を算出する算出手段と、
該算出手段が算出した差分に基づいて、動体の動く方向を表す方向情報を生成する生成手段と、
該生成手段が生成した方向情報をフレームに付加する付加手段と、
方向情報を付加したフレームの表示処理を行う手段として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項1】
フレームごとに動体の動作情報を含む動画の表示処理を行う表示処理装置において、
前記動作情報を記憶する手段と、
記憶された動作情報の中で、時間的に前後するフレームに対応した動作情報の差分を算出する算出手段と、
算出した差分に基づいて、動体の動く方向を表す方向情報を生成する生成手段と、
生成した方向情報をフレームに付加する付加手段と、
方向情報を付加したフレームの表示処理を行う手段と
を備えることを特徴とする表示処理装置。
【請求項2】
前記算出手段が算出した差分が、基準値を下回るか否かを検出する手段を備え、
前記差分が基準値を下回ることが検出された場合、前記生成手段は方向情報を生成しないようにしてある請求項1に記載の表示処理装置。
【請求項3】
前記生成手段は、方向情報として動体の動く方向を表す画像を生成する請求項1又は請求項2に記載の表示処理装置。
【請求項4】
前記算出手段が選出した差分と比較値との比較を行う比較手段を備え、
前記生成手段は、前記比較手段の比較結果に基づいて生成する画像の形態を変更するようにしてある請求項3に記載の表示処理装置。
【請求項5】
前記生成手段は、方向情報として動作の動く方向を表す文字を生成する請求項1又は請求項2に記載の表示処理装置。
【請求項6】
前記付加手段は、一定の時間間隔ごとのフレームに方向情報を付加する請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の表示処理装置。
【請求項7】
前記方向情報に応じた差分の算出に係るフレーム以前の時間帯に含まれるフレームに対応した動作情報の差分の中で、基準値を下回る差分を特定する特定手段を備え、
前記付加手段は、前記特定手段が特定した差分に係るフレームに方向情報を付加する請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の表示処理装置。
【請求項8】
動画には楽曲が付帯してあり、
動画の表示処理に伴って楽曲の再生処理を行う再生手段を備え、
前記付加手段は、前記再生手段で再生処理が行われる楽曲の拍子に応じた表示処理対象のフレームに方向情報を付加する請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の表示処理装置。
【請求項9】
動作情報の差分及び音声を対応付けた音声テーブルと、
前記音声テーブルから、前記算出手段が算出した差分に対応する音声を特定する音声特定手段と、
特定した音声の出力処理を行う音声出力手段と
を備える請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載の表示処理装置。
【請求項10】
動体の一時停止状態の検索指示を受け付ける受付手段と、
該受付手段が検索指示を受け付けた場合、記憶された動作情報の中で、時間的に前後するフレームに対応した動作情報の差分を算出する手段と、
算出された差分の中で、基準値を下回る差分に係るフレームを特定するフレーム特定手段と、
前記フレーム特定手段が特定したフレームに前記付加手段が方向情報を付加した状態で表示処理を行う手段と
を備える請求項1乃至請求項9のいずれか1つに記載の表示処理装置。
【請求項11】
動画のフレームごとに含まれる動体の動作情報を記憶する表示処理装置が、動画の表示処理を行う表示処理方法において、
前記表示処理装置は、
記憶する動作情報の中で、時間的に前後するフレームに対応した動作情報の差分を算出し、
算出した差分に基づいて、動体の動く方向を表す方向情報を生成し、
生成した方向情報をフレームに付加し、
方向情報を付加したフレームの表示処理を行うことを特徴とする表示処理方法。
【請求項12】
前記表示処理装置は、
予め差分を算出して、算出した差分を記憶しておき、
記憶した差分に基づいて方向情報を生成する請求項11に記載の表示処理方法。
【請求項13】
動画のフレームごとに含まれる動体の動作情報を記憶するコンピュータに、動画の表示処理を行わせるためのコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータを、
記憶された動作情報の中で、時間的に前後するフレームに対応した動作情報の差分を算出する算出手段と、
該算出手段が算出した差分に基づいて、動体の動く方向を表す方向情報を生成する生成手段と、
該生成手段が生成した方向情報をフレームに付加する付加手段と、
方向情報を付加したフレームの表示処理を行う手段として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2007−316971(P2007−316971A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−146313(P2006−146313)
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(396004833)株式会社エクシング (394)
【出願人】(505343136)株式会社エイタロウソフト (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(396004833)株式会社エクシング (394)
【出願人】(505343136)株式会社エイタロウソフト (6)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]