説明

表示制御装置、制御プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】 音量の操作子の操作中の音量情報を明確に識別することができる「表示制御装置、制御プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体」を提供する。
【解決手段】 表示制御装置100は、ボリュームつまみ1aを含む操作部1、操作速度検出部2、文字表示制御部4及び表示部5を備えている。表示部5が文字データ(即ち音量設定レベルの数値)を表示し、操作速度検出部2が、ボリュームつまみ1aの操作速度Vを検出し、文字表示制御部4が検出された操作速度Vに応じて表示部5に表示される文字データの大きさを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音量の操作子の操作と連動する音量情報の表示を制御する表示制御装置、制御プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、オーディオアンプ等に増幅回路において、色相により音量設定レベル等の利得設定値を表示するための表示制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この表示制御装置は、表示部を備え、音量設定レベル等の利得設定値に応じて当該表示部の表示色が変化するので、表示部の表示色を一見するだけで当該利得設定値を識別できるという利点がある。
【0003】
また、従来より、表示部を備えている、車両に搭載されるカーオーディオ装置やカーナビゲーション装置が知られている。これらの装置では、ボリュームつまみの回転により音量設定レベルを変更することができ、音量設定レベルは数値で表示部に表示される。
【特許文献1】特開平2005−198356号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の表示制御装置は、音量設定レベルを表示部の表示色で表すだけなので、必ずしも表示部の表示色を一見するだけで音量設定レベルを識別できるものではない。例えば、初めて特許文献1の表示制御装置の表示部を見るユーザは、音量設定レベルと表示部の表示色との関係が理解できないため、表示部の表示色を一見するだけで音量設定レベルを識別できない。
【0005】
また、従来のカーオーディオ装置やカーナビゲーション装置は、音量設定レベルは数値で表示部に表示されるが、音量設定レベル以外の他の情報が表示部に同時に表示されると、必ずしも一見するだけで音量設定レベルを識別できなかった。特に、音量設定レベルの数値の大きさは、ボリュームつまみの操作により変化するものではない。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、音量の操作子の操作中の音量情報を明確に識別することができる表示制御装置、制御プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の表示制御装置は、音声の音量情報を表示する表示手段と、音量の操作子の操作速度を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された操作速度に応じて前記表示手段に表示される音量情報の大きさを制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の表示制御装置は、請求項1に記載の表示制御装置において、前記制御手段は、前記検出手段により検出された操作速度が所定の閾値より小さい場合の前記音量情報の大きさが、前記検出手段により検出された操作速度が所定の閾値より大きい場合の前記音量情報の大きさよりも大きくなるように、前記音量情報の大きさを制御することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の表示制御装置は、音声の音量情報を表示する表示手段と、音声の音量範囲を設定する設定手段と、音量の操作子が示す音量が前記設定手段でされた音量範囲に含まれるか否かに応じて前記表示手段に表示される音量情報の大きさを制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の表示制御装置は、請求項3に記載の表示制御装置において、前記制御手段は、前記音量の操作子が示す音量が前記設定手段でされた音量範囲に含まれる場合の前記音量情報の大きさが、前記音量の操作子が示す音量が前記設定手段でされた音量範囲に含まれない場合の前記音量情報の大きさよりも大きくなるように、前記音量情報の大きさを制御することを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の表示制御装置は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示制御装置において、前記制御手段は、さらに、前記音量の操作子の操作量に応じて前記表示手段に表示される音量情報の種類を決定する決定手段を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の表示制御装置は、請求項5に記載の表示制御装置において、さらに、前記音量の操作子の操作量に応じた音量の音声を再生する再生手段を備え、前記制御手段は、前記音量情報の大きさの制御及び前記音量情報の種類の決定をしたときに、前記再生手段に対し同期信号を出力することを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の制御プログラムは、コンピュータを、音声の音量情報を表示する表示手段、音量の操作子の操作速度を検出する検出手段、及び前記検出手段により検出された操作速度に応じて前記表示手段に表示される音量情報の大きさを制御する制御手段として機能させることを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の制御プログラムは、コンピュータを、音声の音量情報を表示する表示手段、音声の音量範囲を設定する設定手段、及び音量の操作子が示す音量が前記設定手段でされた音量範囲に含まれるか否かに応じて前記表示手段に表示される音量情報の大きさを制御する制御手段として機能させることを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータを、音声の音量情報を表示する表示手段、音量の操作子の操作速度を検出する検出手段、及び前記検出手段により検出された操作速度に応じて前記表示手段に表示される音量情報の大きさを制御する制御手段として機能させるためのプログラムを記録したことを特徴とする。
【0016】
請求項10に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータを、音声の音量情報を表示する表示手段、音声の音量範囲を設定する設定手段、及び音量の操作子が示す音量が前記設定手段でされた音量範囲に含まれるか否かに応じて前記表示手段に表示される音量情報の大きさを制御する制御手段として機能させるためのプログラムを記録したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1、7、9の発明によれば、音量の操作子の操作速度に応じて表示手段に表示される音量情報の大きさが制御されるので、音量の操作子の操作中の音量情報を明確に識別することができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、音量の操作子の操作速度が所定の閾値よりも小さくなると、音量情報の大きさがより大きくなるので、操作子の操作で設定される音量が所望の音量に近づき、音量の操作子の操作速度が所定の閾値よりも小さくなると、音量の操作子の操作中の音量情報がより明確に識別し易くなり、音量の操作子の操作の補助となる。
【0019】
請求項3、8、10の発明によれば、音量の操作子が示す音量が設定手段でされた音量範囲に含まれるか否かに応じて表示手段に表示される音量情報の大きさが制御されるので、音量の操作子の操作中の音量情報を明確に識別することができる。
【0020】
請求項4の発明によれば、音量の操作子が示す音量が前記設定手段でされた音量範囲に含まれると、音量の操作子の操作中の音量情報がより明確に識別し易くなり、音量の操作子の操作の補助となる。
【0021】
請求項5の発明によれば、音量の操作子の操作中に音量情報の種類を決定することができる。
【0022】
請求項6の発明によれば、再生手段で再生される音声の音量と表示手段に表示される文字情報の種類及び大きさとを対応付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る表示制御装置の構成を示すブロック図である。
【0025】
表示制御装置100は、例えば、カーオディオ等の車載機器に適用されるものとする。表示制御装置100は、図1に示すように、操作部1、操作速度検出部2(検出手段)、基準クロック作成部3、文字表示制御部4(制御手段、決定手段)、表示部5(表示手段)、サウンドコントローラ6(再生手段)、及びスピーカ7を備えている。
【0026】
操作部1は、回転式のボリュームつまみ1a、ボリュームつまみ1aに接続され、ボリュームつまみ1aの回転角度に応じて信号を操作速度検出部2、文字表示制御部4及びサウンドコントローラ6に出力するロータリーエンコーダ1b、及び各種のデータや情報の設定や入力を行うためのキースイッチ(SW)1cを備えている。ロータリーエンコーダ1bは、例えば時計方向に0.5度回転する毎に信号Sn(S1、S2、…、Sn)を操作速度検出部2、文字表示制御部4及びサウンドコントローラ6に順次出力する。
【0027】
サウンドコントローラ6は、ロータリーエンコーダ1bからの信号Sn及びラジオ又はCD−ROMドライブ等からの音声データ9を入力し、順次入力される信号Snに基づいて音声データ9の音量を増幅し、文字表示制御部4から同期信号を入力してスピーカ7を介して音声を出力する。
【0028】
基準クロック生成部3は、例えば、1周期(即ち、1クロック)が0.1秒のパルス信号を生成し、操作速度検出部2に出力する。
【0029】
操作速度検出部2は、ロータリーエンコーダ1bから出力される信号Sn及び基準クロック生成部3で生成されたパルス信号を入力し、これらの入力された信号に基づいてボリュームつまみ1aの操作速度V(例えば、角速度)を検出する。そして、操作速度検出部2は、検出された操作速度Vを示す信号Sdを文字表示制御部4に出力する。
【0030】
文字表示制御部4は、ロータリーエンコーダ1bから出力される信号Sn及び操作速度検出部2からボリュームつまみ1aの操作速度Vを示す信号Sdを入力すると共に、ボリュームつまみ1aの音量設定レベルを示す文字データ8(文字情報)を入力する。さらに、文字表示制御部4は、ロータリーエンコーダ1bから出力される信号Snの個数(即ち、ボリュームつまみ1aの操作量)に応じて文字データ8の種類を決定し、信号Sdが示すボリュームつまみ1aの操作速度Vに応じて、文字データ8の大きさを決定し、当該決定された種類及び大きさの文字データ8を表示部5に出力する。また、文字表示制御部4は、文字データの大きさの制御及び文字データの種類の決定をしたときに、サウンドコントローラ6に対し同期信号を出力する。表示部5は、文字表示制御部4から入力した文字データ8を表示する。
【0031】
図2は、表示制御装置100に含まれる操作速度検出部2のハードウエア構成を示すブロック図である。
【0032】
操作速度検出部2は、例えば、マイコンで構成され、装置全体を制御するCPU11、制御プログラム、データ及び情報を備えるROM12、ワーキングエリアとして機能するRAM13、及び基準クロック生成部3のような外部デバイスと接続するためのインターフェース部14を備えている。CPU11は、システムバス15を介してROM12、RAM13、及びインターフェース部14に接続されている。
【0033】
尚、文字表示制御部4も、操作速度検出部2と同様に、CPU、ROM、RAM、及びインターフェース部を備えている。
【0034】
図3は、基準クロック生成部3で生成されるパルス信号の一例を示す図である。
【0035】
図3に示すように、基準クロック生成部3は、例えば、1周期(即ち1クロック)が0.1秒のパルス信号を生成し、操作速度検出部2に出力する。
【0036】
操作速度検出部2が、例えば、同図に示すタイミングで、ロータリーエンコーダ1bから出力される信号Sn及び信号Sn+1を入力する。尚、信号Sn+1は、ボリュームつまみ1aの回転により操作速度検出部2が信号Snの次に入力する信号を示す。
【0037】
このとき、信号Snと信号Sn+1との間には、2クロックが存在するため、操作速度検出部2は、信号Snを入力してから信号Sn+1を入力するまで0.2秒経過したことを検出する。そして、信号Snは、上述したように、ボリュームつまみ1aが0.5度回転する毎に出力されるので、操作速度検出部2は、ボリュームつまみ1aの操作速度V(角速度)が2.5(度/秒)(=0.5秒/0.2秒)であると検出することができる。
【0038】
図4は、表示制御装置100で実行される制御処理を示すフローチャートである。
【0039】
まず、ユーザがボリュームつまみ1aを回転すると、操作部1のロータリーエンコーダ1bは、信号Sn及び信号Sn+1を操作速度検出部2に出力する(ステップS1)。操作速度検出部2は、ステップS1の信号Sn及び信号Sn+1を入力し(ステップS2)、さらに基準クロック生成部3で生成されたパルス信号を入力する(ステップS3)。
【0040】
そして、操作速度検出部2は、上記入力した信号Sn及び信号Sn+1とパルス信号とに基づいて、ボリュームつまみ1aの操作速度Vを検出し、検出された操作速度Vを示す信号Sdを文字表示制御部4に出力する(ステップS4)。
【0041】
文字表示制御部4は、信号Sn、ステップS4の信号Sd及びボリュームつまみ1aの音量設定レベルを示す文字データ8を入力する(ステップS5)。
【0042】
次に、文字表示制御部4は、入力した信号Snの個数(ボリュームつまみ1aの操作量)に応じて表示部5で表示される文字データ8の種類を決定する(ステップS6)。例えば、文字表示制御部4は、ボリュームつまみ1aが初期状態から5度回転されると、信号Snを10個入力し、音量設定レベルを1つ増加する。このとき、例えば、音量設定レベルは初期状態「0」から「1」となる、即ち、文字データ8の種類を「1」に決定する。
【0043】
次いで、文字表示制御部4は、信号Sdの示すボリュームつまみ1aの操作速度Vと閾値SV1、SV2との大小関係を判別する(ステップS7)。閾値SV1、SV2は予め文字表示制御部4のROMに格納されているものとする。例えば、閾値SV1は10(度/秒)とし、閾値SV2は5(度/秒)とし、SV1>SV2とする。
【0044】
ステップS7の判別の結果、ボリュームつまみ1aの操作速度Vが閾値SV1以上である場合には、文字表示制御部4は、ステップS6で種類が決定されている文字データの大きさを「小」サイズに決定し、当該文字データを表示部5に出力すると共に、同期信号をサウンドコントローラ6に出力する(ステップS8)。尚、図5に文字データの表示と操作速度Vとの関係を模式的に示す。また、尚、「小」サイズは、通常状態の文字データの大きさである。
【0045】
サウンドコントローラ6は、順次入力される信号Snに基づいて音声データ9の音量を増幅し、文字表示制御部4から同期信号を入力して、スピーカ7を介して増幅した音量で音声データ9を出力する(ステップ11)。この後、ステップS1に戻る。
【0046】
このように、文字表示制御部4はサウンドコントローラ6に同期信号を出力するので、スピーカ7で出力される音声データ9の音量と表示部5に表示される文字データの種類及び大きさとが互いに対応付けられる。
【0047】
上記ステップS7の判別の結果、ボリュームつまみ1aの操作速度Vが閾値SV2以上閾値SV1未満である場合には、文字表示制御部4は、ステップS6で種類が決定されている文字データの大きさを「中」サイズに決定し、当該文字データを表示部5に出力すると共に、同期信号をサウンドコントローラ6に出力して(ステップS9)、ステップS11に進む。
【0048】
上記ステップS7の判別の結果、ボリュームつまみ1aの操作速度Vが閾値SV2未満である場合には、文字表示制御部4は、ステップS6で種類が決定されている文字データの大きさを「大」サイズに決定し、当該文字データを表示部5に出力すると共に、同期信号をサウンドコントローラ6に出力して(ステップS10)、ステップS11に進む。
【0049】
本処理では、操作速度の閾値を2つ利用したが、閾値を1つにして、ボリュームつまみ1aの操作速度Vが当該閾値以上である場合には、文字表示制御部4は、ステップS6で種類が決定されている文字データの大きさを「小」サイズに決定し、ボリュームつまみ1aの操作速度Vが当該閾値未満である場合には、文字表示制御部4は、ステップS6で種類が決定されている文字データの大きさを「大」サイズに決定するようにしてもよい。
【0050】
図6は、図1の表示制御装置の構成の変形例を示すブロック図である。図1と同一の構成要素については、同一の番号を付す。
【0051】
図6の表示制御装置101は、図1の表示制御装置100と比べ、操作部1の構成が異なる。表示制御装置101の操作部1は、ボリュームつまみ1aに代えて、例えば左右に60mm移動可能なスライダ1dを備え、さらに、ロータリーエンコーダ1bに代えて、スライダ信号出力部1eを備えている。スライダ信号出力部1eは、スライダ1dの移動開始を示す信号Siと、左端を基準としてスライダ1dが2mm右に移動する毎に信号Smとを操作速度検出部2、文字表示制御部4及びサウンドコントローラ6に出力する。
【0052】
操作速度検出部2は、スライダ信号出力部1eから信号Si及び信号Smを、基準クロック生成部からパルス信号を入力する。
【0053】
操作速度検出部2は、順次入力される信号Smと信号Sm+1(信号Sm+1は、スライダ1dの移動により操作速度検出部2が信号Smの次に入力する信号を示す)との間にパルス信号の何個分のクロックが存在するか判断する。操作速度検出部2は、このクロック数から信号Sm及び信号Sm+1を受信するのにかかった時間を算出できるので、2mmを当該算出時間で除算することで、スライダ1dの操作速度Vが算出できる。例えば、操作速度検出部2が、信号Sm及び信号Sm+1を受信する間にパルス信号を2個受信すると、信号Sm及び信号Sm+1を受信するのにかかった時間は、0.2秒(=2個×0.1秒/1個)であり、2mmを0.2秒で除算することで、スライダ1dの操作速度Vは1mm/秒と算出される。
【0054】
サウンドコントローラ6は、スライダ1dからの信号Sm及びラジオ又はCD−ROMドライブ等からの音声データ9を入力し、順次入力される信号Smに基づいて音声データ9の音量を増幅し、文字表示制御部4から同期信号を入力してスピーカ7を介して音声を出力する。
【0055】
表示制御装置101で実行される制御処理は、図4中の信号Snを信号Smと置き換えることで、図4の表示制御装置100で実行される制御処理を準用することができる。
【0056】
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、表示部5が文字データ(即ち音量設定レベル又は音量情報)を表示し、操作速度検出部2が、ボリュームつまみ1a又はスライダ1dの操作速度Vを検出し、文字表示制御部4が検出された操作速度Vに応じて表示部5に表示される文字データの大きさを制御するので、ボリュームつまみ1a又はスライダ1dの操作中の文字データを明確に識別することができる。
【0057】
また、文字表示制御部4は、ボリュームつまみ1a又はスライダ1dの操作速度Vが所定の閾値(SV1又はSV2)より小さい場合の文字データの大きさが、ボリュームつまみ1a又はスライダ1dの操作速度Vが所定の閾値(SV1又はSV2)より大きい場合の文字データの大きさよりも大きくなるように、文字データの大きさを制御するので、ボリュームつまみ1a又はスライダ1dの操作で設定される音量が所望の音量に近づき、操作速度Vが所定の閾値よりも小さくなると、ボリュームつまみ1a又はスライダ1dの操作中の文字データがより明確に識別し易くなり、ボリュームつまみ1a又はスライダ1dの操作の補助となる。
【0058】
特に、ユーザが音量を微調整する場合、ボリュームつまみ1a又はスライダ1dの操作速度Vは閾値SV2より小さくなり、文字データの表示が拡大されるため、必要なときだけ文字表示に注目しやすくなる。また、ユーザがボリュームつまみ1a又はスライダ1dを素早く操作しているときには、ボリュームつまみ1a又はスライダ1dの操作速度Vは閾値SV1より大きくなり、文字データの表示が縮小されるため、文字データの表示がその他の表示を阻害するようなことがなくなる。
【0059】
また、文字表示制御部4は、ボリュームつまみ1a又はスライダ1dの操作量に応じて表示部5に表示される文字データの種類を決定するので、ボリュームつまみ1a又はスライダ1dの操作中に文字データの種類を決定することができる。なお、文字データの種類とは、具体的には音量設定レベルの数値である。
【0060】
さらに、サウンドコントローラ6はボリュームつまみ1a又はスライダ1dの操作量に応じた音量の音声を再生し、文字表示制御部4は、文字データの大きさの制御及び文字データの種類の決定をしたときに、サウンドコントローラ6に対し同期信号を出力するので、サウンドコントローラ6で再生される音声の音量と表示部5に表示される文字データの種類及び大きさとを対応付けることができる。
【0061】
尚、上記実施の形態では、操作速度検出部2及び文字表示制御部4は別体で構成したが、一体で構成してもよい。
【0062】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態では、予めユーザが音量範囲を設定し、現在のボリュームつまみ1aの音量が当該設定された音量範囲に含まれたときに、文字表示制御部4が、通常の文字データの大きさよりも文字データの大きさが大きくなるように、文字データの大きさを制御する。
【0063】
図7は、第2の実施の形態に係る表示制御装置の構成を示すブロック図である。
【0064】
図7の表示制御装置102は、例えば、カーオーディオ等の車載機器に適用されるものとする。表示制御装置102は、操作部1(設定手段)、文字表示制御部4(制御手段、決定手段、設定手段)、表示部5(表示手段)、サウンドコントローラ6(再生手段)、及びスピーカ7を備えている。
【0065】
操作部1は、回転式のボリュームつまみ1a、ボリュームつまみ1aに接続され、ボリュームつまみ1aの回転角度に応じて信号を操作速度検出部2、文字表示制御部4及びサウンドコントローラ6に出力するロータリーエンコーダ1b、及び各種のデータや情報の設定や入力を行うためのキースイッチ(SW)1cを備えている。ロータリーエンコーダ1bは、例えば時計方向に0.5度回転する毎に信号Sn(S1、S2、…、Sn)を文字表示制御部4及びサウンドコントローラ6に順次出力する。
【0066】
サウンドコントローラ6は、ロータリーエンコーダ1bからの信号Sn及びラジオ又はCD−ROMドライブ等からの音声データ9を入力し、順次入力される信号Snに基づいて音声データ9の音量を増幅し、文字表示制御部4から同期信号を入力してスピーカ7を介して音声を出力する。
【0067】
文字表示制御部4は、ボリュームつまみ1a及びキースイッチ(SW)1cを介して設定される音声データ9の音量範囲の情報を記憶する範囲情報記憶部4aを備えている。
【0068】
文字表示制御部4は、ロータリーエンコーダ1bから出力される信号Snを入力すると共に、ボリュームつまみ1aの音量設定レベルを示す文字データ8(文字情報)を入力する。さらに、文字表示制御部4は、ロータリーエンコーダ1bから出力される信号Snの個数(即ち、ボリュームつまみ1aの操作量)に応じて文字データ8の種類を決定し、信号Sdが示すボリュームつまみ1aの操作速度Vに応じて、文字データ8の大きさを決定し、当該決定された種類及び大きさの文字データ8を表示部5に出力する。なお、文字データの種類とは、具体的には音量設定レベルの数値である。また、文字表示制御部4は、文字データの大きさの制御及び文字データの種類の決定をしたときに、サウンドコントローラ6に対し同期信号を出力する。表示部5は、文字表示制御部4から入力した文字データ8を表示する。
【0069】
図8は、表示制御装置102で実行される制御処理を示すフローチャートである。
【0070】
まず、ボリュームつまみ1a及びキースイッチ(SW)1cを介してユーザの操作により音声データ9の音量範囲が設定され、当該音量範囲の情報が範囲情報記憶部4aに記憶される(ステップ21)。音量範囲の情報は、具体的には、音量設定レベルの値で設定される。
【0071】
その後、ユーザがボリュームつまみ1aを回転すると、操作部1のロータリーエンコーダ1bは、信号Snを文字表示制御部4に出力する(ステップS22)。
【0072】
文字表示制御部4は、ステップS22の信号Snを順次入力し(ステップS23)、さらにボリュームつまみ1aの音量設定レベルを示す文字データ8を入力する(ステップS24)。
【0073】
次に、文字表示制御部4は、入力した信号Snの個数(ボリュームつまみ1aの操作量)に応じて表示部5で表示される文字データ8の種類を決定する(ステップS25)。例えば、文字表示制御部4は、ボリュームつまみ1aが初期状態から5度回転されると、信号Snを10個入力し、音量設定レベルを1つ増加する。このとき、例えば、音量設定レベルは初期状態「0」から「1」となる、即ち、文字データ8の種類を「1」に決定する。
【0074】
次いで、文字表示制御部4は、入力した信号Snの個数(ボリュームつまみ1aの操作量)及び範囲情報記憶部4aに記憶される音量範囲の情報に基づいて、現在のボリュームつまみ1aの音量が音量範囲の情報に含まれるか否かを判別する(ステップS26)。例えば、音量範囲の情報が音量設定レベル「2」〜「4」であるとし、ボリュームつまみ1aが初期状態から5度回転されると、音量設定レベルを1つ増加するとした場合、文字表示制御部4は、入力する信号Snの個数が100個〜200個のときに、現在のボリュームつまみ1aの音量が音量範囲の情報に含まれると判断し、これ以外のときには、現在のボリュームつまみ1aの音量が音量範囲の情報に含まれないと判断する。
【0075】
ステップS26の判別の結果、現在のボリュームつまみ1aの音量が音量範囲の情報に含まれる場合には(ステップS26でYES)、文字表示制御部4は、ステップS25で種類が決定されている文字データの大きさを「大」サイズに決定し、当該文字データを表示部5に出力すると共に、同期信号をサウンドコントローラ6に出力する(ステップS27)。尚、図9に文字データの表示と音量範囲との関係を模式的に示す。
【0076】
サウンドコントローラ6は、順次入力される信号Snに基づいて音声データ9の音量を増幅し、文字表示制御部4から同期信号を入力して、スピーカ7を介して増幅した音量で音声データ9を出力する(ステップ29)。この後、ステップS21に戻る。
【0077】
このように、文字表示制御部4はサウンドコントローラ6に同期信号を出力するので、スピーカ7で出力される音声データ9の音量と表示部5に表示される文字データの種類及び大きさとが互いに対応付けられる。
【0078】
上記ステップS26の判別の結果、現在のボリュームつまみ1aの音量が音量範囲の情報に含まれない場合には(ステップS26でNO)、文字表示制御部4は、ステップS25で種類が決定されている文字データの大きさを「小」サイズに決定し、当該文字データを表示部5に出力すると共に、同期信号をサウンドコントローラ6に出力して(ステップS28)、ステップS29に進む。尚、「小」サイズは、通常状態の文字データの大きさである。
【0079】
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、表示部5が文字データ(即ち音量設定レベル又は音量情報)を表示し、ボリュームつまみ1a、キーSW1c及び文字表示制御手段4で音声データの音量範囲を設定し、文字表示制御手段4がボリュームつまみ1aが示す音量が設定された音量範囲に含まれるか否かに応じて表示部5に表示される文字データの大きさを制御するので、ボリュームつまみ1aの操作中の文字データを明確に識別することができる。
【0080】
また、文字表示制御手段4は、ボリュームつまみ1aが示す音量が設定された音量範囲に含まれる場合の文字データの大きさが、ボリュームつまみ1aが示す音量が設定された音量範囲に含まない場合の文字データの大きさよりも大きくなるように、文字データの大きさを制御するので、ボリュームつまみ1aの操作中の文字データがより明確に識別し易くなり、ボリュームつまみ1aの操作の補助となる。
【0081】
特に、ボリュームつまみ1aが示す音量が、ユーザが予め設定した音量範囲内にあるときに文字データの表示が拡大されるため、必要なときだけ文字表示に注目しやすくなる。また、ボリュームつまみ1aが示す音量が、ユーザが予め設定した音量範囲外にあるときに文字データの表示が縮小されるため、文字データの表示がその他の表示を阻害するようなことがなくなる。
【0082】
また、文字表示制御部4は、ボリュームつまみ1aの操作量に応じて表示部5に表示される文字データの種類を決定するので、ボリュームつまみ1aの操作中に文字データの種類を決定することができる。なお、文字データの種類とは、具体的には音量設定レベルの数値である。
【0083】
さらに、サウンドコントローラ6はボリュームつまみ1aの操作量に応じた音量の音声を再生し、文字表示制御部4は、文字データの大きさの制御及び文字データの種類の決定をしたときに、サウンドコントローラ6に対し同期信号を出力するので、サウンドコントローラ6で再生される音声の音量と表示部5に表示される文字データの種類及び大きさとを対応付けることができる。
【0084】
上記第2の実施の形態では、音量範囲を1つだけ設定したが、複数の音量範囲を設定してもよい。また、音量範囲毎に表示部5に表示される表示データの大きさを設定してもよい。
【0085】
尚、表示制御装置100〜102の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムが記録されている記録媒体を、表示制御装置100〜102に供給し、表示制御装置100〜102のコンピュータ(即ち、CPU)が記憶媒体に格納されたプログラムを読み出し実行することによっても、上記第1及び第2の実施の形態と同様の効果を奏する。プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、CD−ROM、DVD、又はSDカードなどがある。
【0086】
また、表示制御装置100〜102のコンピュータ(即ち、CPU)が、表示制御装置100〜102の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムを実行することによっても、上記第1及び第2の実施の形態と同様の効果を奏する。
【0087】
尚、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る表示制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】表示制御装置に含まれる操作速度検出部のハードウエア構成を示すブロック図である。
【図3】基準クロック生成部で生成されるパルス信号の一例を示す図である。
【図4】表示制御装置で実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図5】文字データの表示と操作速度Vとの関係を模式的に示す図である。
【図6】図1の表示制御装置の構成の変形例を示すブロック図である。
【図7】第2の実施の形態に係る表示制御装置の構成を示すブロック図である。
【図8】表示制御装置で実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図9】文字データの表示と音量範囲との関係を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0089】
1 操作部
1a ボリュームつまみ
1b ロータリーエンコーダ
1c キーSW
1d スライダ
1e スライダ信号出力部
2 操作速度検出部
3 基準クロック生成部
4 文字表示制御部
5 表示部
6 サウンドコントローラ
7 スピーカ
100〜102 表示制御装置



【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声の音量情報を表示する表示手段と、
音量の操作子の操作速度を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された操作速度に応じて前記表示手段に表示される音量情報の大きさを制御する制御手段と
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記検出手段により検出された操作速度が所定の閾値より小さい場合の前記音量情報の大きさが、前記検出手段により検出された操作速度が所定の閾値より大きい場合の前記音量情報の大きさよりも大きくなるように、前記音量情報の大きさを制御することを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
音声の音量情報を表示する表示手段と、
音声の音量範囲を設定する設定手段と、
音量の操作子が示す音量が前記設定手段でされた音量範囲に含まれるか否かに応じて前記表示手段に表示される音量情報の大きさを制御する制御手段と
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記音量の操作子が示す音量が前記設定手段でされた音量範囲に含まれる場合の前記音量情報の大きさが、前記音量の操作子が示す音量が前記設定手段でされた音量範囲に含まれない場合の前記音量情報の大きさよりも大きくなるように、前記音量情報の大きさを制御することを特徴とする請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記制御手段は、さらに、前記音量の操作子の操作量に応じて前記表示手段に表示される音量情報の種類を決定する決定手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項6】
さらに、前記音量の操作子の操作量に応じた音量の音声を再生する再生手段を備え、
前記制御手段は、前記音量情報の大きさの制御及び前記音量情報の種類の決定をしたときに、前記再生手段に対し同期信号を出力することを特徴とする請求項5に記載の表示制御装置。
【請求項7】
コンピュータを、
音声の音量情報を表示する表示手段、
音量の操作子の操作速度を検出する検出手段、及び
前記検出手段により検出された操作速度に応じて前記表示手段に表示される音量情報の大きさを制御する制御手段
として機能させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項8】
コンピュータを、
音声の音量情報を表示する表示手段、
音声の音量範囲を設定する設定手段、及び
音量の操作子が示す音量が前記設定手段でされた音量範囲に含まれるか否かに応じて前記表示手段に表示される音量情報の大きさを制御する制御手段
として機能させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
音声の音量情報を表示する表示手段、
音量の操作子の操作速度を検出する検出手段、及び
前記検出手段により検出された操作速度に応じて前記表示手段に表示される音量情報の大きさを制御する制御手段
として機能させるためのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項10】
コンピュータを、
音声の音量情報を表示する表示手段、
音声の音量範囲を設定する設定手段、及び
音量の操作子が示す音量が前記設定手段でされた音量範囲に含まれるか否かに応じて前記表示手段に表示される音量情報の大きさを制御する制御手段
として機能させるためのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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