説明

表示制御装置、表示制御方法、プログラム、及び記憶媒体

【課題】複数の記録媒体間で画像データのコピーや移動を行う場合に、操作の容易化及び高速化を図る。
【解決手段】タッチパネルに、第1のグループに属する電子データを表す複数の表示アイテムを同時に表示する第1の表示制御手段と、いずれかの表示アイテムがタッチされたか否かを判定するタッチダウン判定手段と、タッチされた表示アイテムである選択アイテム以外の表示アイテムを非表示とする一方、第1のグループと異なる第2のグループに含まれる電子データを表す表示アイテムを表示する第2の表示制御手段と、第2の表示制御手段による表示の後に、選択アイテムへのタッチが離されたか否かを判定するタッチアップ判定手段と、タッチが離された位置が第2のグループへの移動またはコピーを示す表示アイテムの位置であった場合に、選択アイテムが表す電子データを、第1のグループから第2のグループへ移動またはコピーするように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
タッチパネルの表示制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な電子機器にタッチパネルが搭載されるようになっている。タッチパネルは、表示部とユーザが入力を行う操作部とが一体となった操作デバイスである。ユーザがタッチパネルに表示されたメニューボタンなどの表示アイテムの中から所望のタッチパネルを指やペンなどで接触することで、選択されたアイテムに応じた操作を電子機器に対して行うことができる。タッチパネルは非常に直感的な入出力インタフェースである。
【0003】
特許文献1には、ユーザのタッチパネルでの操作を簡単にする目的で、タッチパネルに対するタッチ圧力の変化に応じて画像を表示する画面の面積を増減し、画面表示される画像の表示量を切り替える技術が記載されている。これにより、目的画面を検索する途中では全画面を表示することがないので、画像データの検索をより高速に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−114593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のタッチパネルでは、ユーザが所望の操作を完了するまでに何度もタッチパネルをタッチしなければならない場合があり、迅速かつ簡便な操作が行えないことがある。特に画面の切り替え回数が多い場合やユーザがタッチパネル上で指を移動させる距離が長くなる場合などのように操作の手順が複雑となる場合、途中で操作がわからなくなったり、操作に煩わしさを感じたり、迅速性に欠ける場合がある。
【0006】
また、上記特許文献1では、タッチパネルに対するタッチ圧力に応じて画像の表示量を変化させているが、特に操作の手順が複雑になる画像データのコピーや移動については言及されていない。最近のデジタルカメラなどでは複数の記録媒体を装着できるものがあるが、従来のタッチパネルでは複数の記録媒体間などにおいて画像データのコピーや移動を行う操作を容易化及び高速化するという課題は未だ解決されていないのが現状である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の表示制御装置は、タッチパネルと、前記タッチパネルに、第1のグループに属する複数の電子データを表す複数の表示アイテムを同時に表示するように制御する第1の表示制御手段と、前記第1の表示制御手段で表示された複数の表示アイテムのうちいずれかの表示アイテムがタッチされたか否かを判定するタッチダウン判定手段と、前記第1の表示制御手段で表示された複数の表示アイテムのうち、前記タッチダウン判定手段でタッチされたと判定された表示アイテムである選択アイテム以外の表示アイテムを非表示とする一方、前記タッチパネルに前記第1のグループと異なる第2のグループに含まれる電子データを表す表示アイテムを表示するように制御する第2の表示制御手段と、前記第2の表示制御手段による表示の後に、前記選択アイテムへのタッチが離されたか否かを判定するタッチアップ判定手段と、前記タッチアップ判定手段によって前記選択アイテムへのタッチが離されたと判定された位置が前記第2のグループへの移動またはコピーを示す表示アイテムの位置であった場合に、前記選択アイテムが表す電子データを、前記第1のグループから前記第2のグループへ移動またはコピーするように制御する制御手段と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の記録媒体間などにおいてデータのコピーや移動を行う場合に、少ない表示領域でもコピー/移動先の候補に含まれるデータを表示し、ユーザにコピー/移動先としてふさわしいグループであるか否かを識別させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る実施形態の表示制御装置の構成を例示するブロック図。
【図2】本実施形態による録画モードにおける画面遷移を例示する図。
【図3】本実施形態による再生モードにおける画面遷移を例示する図。
【図4】本実施形態によるコピー/移動アイテムを選択したときの画面遷移を例示する図。
【図5】再生モードにおいてコピー/移動アイテムを選択したときの表示制御処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、添付図面を参照して本発明の表示制御装置をデジタルビデオカメラにより実現した実施の形態について詳細に説明する。
【0011】
<装置構成>先ず、図1を参照して、タッチパネル部120を搭載したビデオカメラ100の構成について説明する。図1において、撮像部110は、レンズやイメージセンサから構成されて、被写体像を撮像して映像信号を生成する。アクセス制御部115は、ビデオカメラ100に装着される第1の記録媒体A(130)、第2の記録媒体B(131)及び第3の記録媒体C(132)に対する画像データの書き込みや各記録媒体からの画像データの読み出しを制御する。信号処理部113は映像信号の符号化機能と画像データの復号機能とを有する。符号化機能は、撮像部110から入力した映像信号を、MPEG形式の動画データやJPEG形式の静止画データなどに圧縮符号化して画像データを生成する。復号機能は、ユーザの操作に応じてアクセス制御部115により各記録媒体から読み出した符号化された画像データを復号し、復号した映像信号を最適なサイズに変換してから画像処理部112に出力する。
【0012】
グラフィックス部114は、タッチパネル部120に表示するための後述する表示アイテムとしてのメニューボタンなどのグラフィックデータを生成する。画像処理部112は、信号処理部113で復号された画像データと、グラフィックス部114で生成されたグラフィックデータとを重畳した合成画像データを生成する。タッチパネル部120はユーザインタフェースとして、ユーザが指やペンなどでタッチされたアイテムをシステム制御部111に通知する操作部122と、画像処理部112で生成された合成画像データをタッチパネル上に表示する表示部121とを有する。タッチパネル部120は、ユーザがタッチした位置座標を検知し、検知位置に割り当てられた操作アイテムや表示アイテムをシステム制御部111へ出力する。
【0013】
データベース部116は、記録媒体ごとに格納されている画像データの種類やファイル数などをデータベースに登録し管理する。システム制御部111は、ユーザのタッチパネル部120へのタッチに従い、上述した各機能ブロックを含むビデオカメラ100の動作全体に統括して制御する。117は後述する表示制御処理などのプログラムを展開するためのワークメモリであるRAMであり、118はプログラムが格納されたROMである。
【0014】
<タッチパネル部の構成>ここで、操作部122は、表示部121に対する接触や圧力を検知可能なタッチパネルを構成する。システム制御部111はタッチパネルへの以下の操作を判別できる。タッチパネルを指やペンで触れたこと(以下、タッチダウンと称する)。タッチパネルを指やペンで触れている状態であること(以下、タッチオンと称する)。タッチパネルを指やペンで触れたまま移動していること(以下、ムーブと称する)。タッチパネルへ触れていた指やペンを離したこと(以下、タッチアップと称する)。タッチパネルに何も触れていない状態(以下、タッチオフと称する)。これらの操作や、タッチパネル上に指やペンが触れている位置座標は内部バス(不図示)を通じてシステム制御部111に通知され、システム制御部111は通知された座標情報に応じてタッチパネル上で選択された操作を判別する。ムーブについてはタッチパネル上で移動する指やペンの移動方向についても、位置座標の変化によりタッチパネル上の垂直成分・水平成分ごとに判定できる。またタッチパネル上をタッチダウンから一定のムーブを経てタッチアップをしたとき、ストロークを描いたこととする。素早くストロークを描く操作をフリックと呼ぶ。フリックは、タッチパネル上に指を触れたままある程度の距離だけ素早く動かして、そのまま離すといった操作であり、言い換えればタッチパネル上を指ではじくように素早くなぞる操作である。所定距離以上を、所定速度以上でムーブしたことが検出され、そのままタッチアップが検出されるとフリックが行われたと判定できる。また、表示されたアイテムをタッチで選択し、そのままムーブの動作でアイテムの表示位置を移動する操作をドラッグとも称する。
【0015】
<録画モード>次に、図2を参照して、本実施形態による録画モードにおける画面遷移について説明する。図2(a)は再生モード画面を例示している。再生モードから録画モードへ画面を遷移させるためには、この再生モード画面において、ユーザが録画モードボタン204に対してタッチダウンの操作を行えばよい。201はビデオカメラ100の表示部121の筐体、202は表示部121の液晶パネル部を示している。203は現在一覧表示されたサムネイル(詳細は後述する)が第1の記録媒体Aに格納されている画像データに対応していることを示している。208は再生モードにおいて操作可能な操作アイテムを選択するためのメニューボタンであり、ユーザがメニューボタン208に対してタッチダウンの操作を行うことで、例えば画像データのコピーや移動などの操作アイテムを選択できる(詳細は後述する)。
【0016】
この再生モード画面において、タッチパネル部120に表示された録画モードボタン204に対してユーザがタッチダウンの操作を行うと、ビデオカメラ100が録画モードに切り替わり、録画モード画面が表示される(図2(b))。このとき、タッチパネル部120が録画モードボタン204に対するタッチダウンを検知し、タッチパネル上のタッチした位置座標をシステム制御部111に通知する。システム制御部111は、タッチした位置座標が録画モードボタン204であることを判別すると録画モードへ移行し、撮像部110へ撮像可能な状態へ遷移することを指示する。また、システム制御部111は、グラフィックス部114に対して録画開始ボタン205と再生モードへ遷移するための再生モードボタン206のグラフィックデータの生成を指示する。画像処理部112は、撮像部110により撮像された画像データとグラフィックス部114で生成されたグラフィックデータとを重畳して合成画像データを生成し、表示部121へ表示する。ここでは、アクセス制御部115は、予め記録先として選択された第1の記録媒体A(130)に画像データを格納する。
【0017】
タッチパネル部120に表示された録画開始ボタン205に対してユーザがタッチダウンの操作を行うことで録画が開始される。タッチパネル部120が録画開始ボタン205に対するタッチダウンを検知し、タッチパネル上のタッチした位置座標をシステム制御部111に通知する。システム制御部111は、タッチした位置座標が録画開始ボタン205であることを判別すると録画を開始し、撮像部110から信号処理部113へ入力された映像信号を符号化するように指示する。また、システム制御部111は、符号化された画像データを第1の記録媒体A(130)に格納する。
【0018】
次にシステム制御部111は、グラフィックス部114に対して録画停止ボタン207と、録画中であることを示す「REC」の文字211のグラフィックデータの生成を指示する。画像処理部112は、撮影された画像「A−g」と、グラフィックス部114で生成された録画停止ボタン207と、録画中であることを示す文字「REC」211とを重畳して合成画像データを生成し、表示部121へ表示する(図2(c))。
【0019】
次にタッチパネル部120に表示した録画停止ボタン207に対してユーザがタッチダウンの操作を行うことで録画が停止される。タッチパネル部120が録画停止ボタン207に対するユーザによるタッチダウンを検知し、タッチパネル上の位置座標をシステム制御部111に通知すると、システム制御部111が録画を停止する処理を実行する。このとき、システム制御部111は、撮像部110での撮像動作、信号処理部113での符号化処理を停止するように指示する。また、システム制御部111は、データベース部116に対してデータベースに管理情報の登録を指示する。システム制御部111は更に、グラフィックス部114に対して録画開始ボタン205と再生モードボタン206のグラフィックデータの生成を指示する。画像処理部112は、撮影された画像「A−g」と、グラフィックス部114で生成された録画開始ボタン205と、再生モードボタン206とを重畳して合成画像データを生成し、表示部121へ表示する(図2(d))。
【0020】
以上のようにして録画モード画面の表示制御が実行される。
【0021】
<再生モード>次に、図3を参照して、本実施形態による再生モードにおける画面遷移について説明する。図3(a)は録画モード画面を例示している。この録画モード画面において、タッチパネル部120に表示された再生モードボタン301に対してユーザによりタッチダウンの操作がされると、ビデオカメラ100が再生モードに切り替わり、再生モード画面が表示される(図3(b))。タッチパネル部120が再生モードボタン301に対するタッチダウンを検知し、タッチパネル上のタッチした位置座標をシステム制御部111に通知する。システム制御部111は、タッチした位置座標が再生モードボタン301であることを判別すると再生モードへ移行し、撮像部110へ撮像動作の停止を指示する。
【0022】
システム制御部111は、信号処理部113に対して、データベース部116に登録された管理情報に応じて、第1の記録媒体A(130)に格納された画像データを復号し、最適なサイズに変換してサムネイルを生成するように指示する。信号処理部113は、生成したサムネイルを画像処理部112に出力する。また、システム制御部111は、グラフィックス部114に対して録画モードボタン302とメニューボタン303のグラフィックデータの生成を指示する。画像処理部112は、信号処理部113で生成されたサムネイルデータと、グラフィックス部114で生成されたグラフィックデータとを重畳した合成画像を生成し、表示部121へ表示する。これにより、タッチパネル部120には、サムネイルA−a〜fが一覧表示される(図3(b)のインデックス表示)。この一覧表示されたサムネイルは、ユーザが再生したい対象を選択するための表示アイテムとなる。
【0023】
次に、一覧表示されたサムネイルからユーザがサムネイル「A−e」(304)に対してタッチダウンの操作を行うと、システム制御部111は位置座標を検知し、選択されたアイテムがサムネイル「A−e」であることを判別する。そして、システム制御部111は、アクセス制御部115に対して、選択されたサムネイルに対応する元画像データを第1の記録媒体A(130)から読み出し、信号処理部113に対して復号するように指示する。システム制御部111は更に、グラフィックス部114に対してメニューボタン303と、再生中であることを示す「PLAY」の文字305のグラフィックデータの生成を指示する。画像処理部112は、復号された画像データ「A−e」と、グラフィックス部114で生成されたメニューボタン303と、再生中であることを示す文字「PLAY」305とを重畳して合成画像データを生成し、表示部121へ表示する(図3(d))。
【0024】
一方、図3(b)の画面において、ユーザがメニューボタン303に対してタッチダウンの操作を行うと、メニューアイテム306が表示される。本例では、再生モードにおいて操作可能な機能として、「記録媒体の切り替え」又は「コピー/移動」が選択可能に表示される(図3(e))。なお、メニューアイテム306として表示される「記録媒体の切り替え」と「コピー/移動」はあくまで一例であり、これらに限定されるものではない。
【0025】
ユーザがメニューアイテム306から「記録媒体の切り替え」を選択し、「第2の記録媒体B」307を選択すると、システム制御部111は、アクセス制御部115に対して第2の記録媒体B(131)へアクセスする対象を切り替えるよう指示する。アクセス制御部115により第2の記録媒体B(131)から読み出された画像データは、図3(b)と同様に、信号処理部113によって復号され、最適なサイズに変換されて第2の記録媒体B(131)のサムネイルB−a〜fが生成される。グラフィックス部114は、第2の記録媒体B(131)のサムネイルであることを示す文字列308のグラフィックデータを生成する。画像処理部112は、録画モードボタン302、メニューボタン303及びサムネイルを重畳した合成画像データを生成し、表示部121には、第2の記録媒体BのサムネイルB−a〜fが一覧表示される(図3(f))。
【0026】
<コピー/移動手順>次に、図4を参照して、第1の記録媒体A(130)から第2の記録媒体B(131)へ画像データをコピー/移動する手順について説明する。図4(a)は、図3(e)と同等の再生モード画面を例示している。ユーザが図4(a)のサムネイル一覧において、メニューボタン403を選択し、メニューアイテム401から「コピー/移動」を選択すると、ビデオカメラ100がコピー/移動モードに切り替わる。グラフィックス部114は、コピー/移動モードであることを示す文字列404と、コピー/移動のための手順を説明する文字列405の各グラフィックデータを生成して、画像処理部112を介して表示部121に表示する(図4(b))。
【0027】
次にユーザがサムネイル「A−b」を選択すると、選択された「A−b」のサムネイルのみを残し、他のサムネイルを非表示とした画面に切り替わる(図4(c))。図4(c)では、ユーザが選択した「A−b」のサムネイルの左側と右側の各領域にそれぞれ「第2の記録媒体Bに移動」406と「第2の記録媒体Bにコピー」407の2つの表示アイテムが表示される。ここでは「第2の記録媒体Bに移動」406と「第2の記録媒体Bにコピー」407についてのみ説明するが、本発明は図示の機能に限定されるものではない。「第2の記録媒体Bに移動」406と「第2の記録媒体Bにコピー」407の各アイテムは、図示のように「A−b」のサムネイルが元々表示されている場所を避けて表示される。更に信号処理部113は、第2の記録媒体B(131)の画像データから「B−a」、「B−b」及び「B−c」の各サムネイルを生成する。これらのサムネイルは、「A−b」のサムネイルが元々表示されている場所と、「第2の記録媒体Bに移動」406と、「第2の記録媒体Bにコピー」407の各アイテムを表示する場所を避けて表示される。システム制御部111は、ユーザによって選択されたサムネイルの位置座標を判別し、選択されたサムネイルが表示される場所を避けて第2の記録媒体B(131)のサムネイルを一覧表示する(図4(c))。
【0028】
次にユーザがサムネル「A−b」をタッチオンしたまま「第2の記録媒体Bにコピー」405へムーブさせ、「第2の記録媒体Bにコピー」407の領域に重ね合わせた状態でタッチアップすると(図4(d))、サムネイル「A−b」の元画像データを第2の記録媒体Bにコピーすることができる。なお、サムネイル「A−b」を「第2の記録媒体Bにコピー」405の領域にムーブし、更にタッチパネルを押し込む操作を行うことでコピーを行うこともできる。
【0029】
一方、ユーザが図4(e)の一覧表示からサムネイル「A−c」を選択すると、選択された「A−c」のサムネイルのみを残し、他のサムネイルを非表示とする画面に切り替わる(図4(f))。図4(f)では、「第2の記録媒体Bに移動」406と「第2の記録媒体Bにコピー」407の各アイテムは、「A−c」のサムネイルが元々表示されている場所を避けて表示される。また、信号処理部113は、第2の記録媒体B(131)の画像データから「B−a」、「B−b」及び「B−c」の各サムネイルを生成する。これらのサムネイルは、「A−c」のサムネイルが元々表示されている場所と、「第2の記録媒体Bに移動」406と「第2の記録媒体Bにコピー」407の各アイテムを表示する場所を避けて表示される。システム制御部111は、選択されたサムネイルの位置座標を判別し、選択されたサムネイルが表示される領域を避けて表示するように画像処理部112へ指示し、第2の記録媒体B(131)のサムネイルを一覧表示する(図4(f))。
【0030】
次にユーザがサムネイル「A−c」をタッチオンしたまま「第2の記録媒体Bに移動」406へムーブさせ、「第2の記録媒体Bに移動」406の領域に重ね合わせた状態でタッチアップすると(図4(g))、サムネイル「A−c」の元画像データを第2の記録媒体Bに移動することができる。なお、サムネイル「A−c」を「第2の記録媒体Bに移動」406の領域にムーブし、更にタッチパネルを押し込む操作を行うことで移動を行うこともできる。
【0031】
また、ユーザが選択したサムネイルをムーブさせ、「第2の記録媒体Bに移動」406や「第2の記録媒体Bにコピー」407以外の場所でタッチアップすると、ユーザがこれまでに行った操作がキャンセルされる。
【0032】
また、図4(c)の画面で、ユーザがタッチの圧力を強くすることで、図4(h)のように第2の記録媒体B(131)のサムネイルから第3の記録媒体C(132)のサムネイルの一覧表示に切り替わる。図4(h)では、第3の記録媒体C(132)に格納された2つの画像データに対応するサムネイル「C−a」及び「C−b」と共に、「第3の記録媒体Cに移動」408と「第3の記録媒体Cにコピー」409の各アイテムが表示される。更に、図4(h)の画面でタッチの圧力を一旦弱め、再びタッチの圧力を強くすると、図4(c)の第2の記録媒体B(131)のサムネイルの一覧表示に切り替わる。このように、ユーザがサムネイルを選択した後、タッチパネルをタッチする圧力の強弱を調節することによって一覧表示するサムネイルの対象となる記録媒体の選択を切り替えることができる。
【0033】
<表示制御処理>次に、図3乃至図5を参照して、再生モードにおいてコピー/移動のメニューを選択したときの表示制御処理について説明する。なお、以下に述べる処理は、システム制御部111がROM118に格納されたプログラムをRAM117に展開して実行することで実現される。
【0034】
図5において、ユーザが再生モードボタン301をタッチすると再生モードに遷移する。S501では、第1のグループの第1の表示制御として、第1の記録媒体A(130)に格納された画像データのサムネイルが一覧表示された再生モード画面が表示される(図3(b)、図4(b))。S502では、ユーザがメニューボタン403をタッチし、メニューアイテム401から「コピー/移動」が選択されたか否かを判定する。「コピー/移動」が選択されたと判定されるとS504へ移行し、選択されないならばS503に移行し各種操作に応じたその他の処理を実行する。
【0035】
S504では、表示アイテムとして一覧表示された第1の記録媒体A(130)のサムネイルの1つが選択アイテムとして選択されたか否かを判定する(タッチダウン判定)。このタッチダウン判定では、サムネイルに対するユーザのタッチダウンを検知するか、サムネイル以外の場所でタッチダウンを検知後にムーブによってサムネイルの領域がタッチオンされることで、サムネイルが選択されたと判定する。サムネイルが選択されていないと判定するとS503へ、サムネイルが選択されたと判定するとS505へ移行する。
【0036】
S505では、S504で検知されたタッチオンのまま(タッチアップが検知されずに)、ムーブされたか否かを判定する(ムーブ判定)。このムーブ判定は、言い換えれば、S504でタッチオンされているサムネイルをドラッグする操作があったか否かの判定である。S505では、実質的なムーブがあったか否かを判定するために、ユーザの指の震えなどによる意図しないムーブを除外するように、予め定められた閾値以上のムーブであるか否かを判定することが望ましい。ムーブありと判定されるとS506へ移行し、ムーブなしと判定するとS504へ戻る。S506では、選択アイテム以外、すなわちS504で選択されているサムネイル以外のサムネイルを非表示とする。選択されたサムネイルは表示が継続され、その表示位置がタッチ位置の移動に追従して変更される。
【0037】
S507では、第2のグループの第2の表示制御として、画面を現在選択中のサムネイル「A−b」のみを残し、それ以外を第1の記録媒体A(130)とは異なる第2の記録媒体B(131)のサムネイルを一覧表示された画面に切り替える(図4(c))。このようにインデックス表示を切り替えることで、ユーザは現在選択中のサムネイルの元画像データの移動先候補となる記録媒体にどのような画像データが格納されているかを確認した上で移動又はコピーを行うことができる。すなわち、ユーザが意図しない移動先に画像データをコピー又は移動してしまう不都合を防止することができる。
【0038】
また同時に、選択中のサムネイル(現在タッチオンされているサムネイル)に対して実行可能な処理を示すアイテムの指示アイコン(図4(c)の406,407)を表示する。指示アイコンは選択中のサムネイルの移動先又はコピー先の記録媒体の候補を表し、現在選択中のサムネイルを指示アイコン上までムーブしてタッチアップすることにより、選択したサムネイルの元画像データに対して指示アイコンが示す処理を実行できる。
【0039】
インデックス表示が第2の記録媒体B(131)に切り替わった様子は図4(c)で示した通りであり、指示アイコンは「第2の記録媒体Bに移動」406と「第2の記録媒体Bにコピー」407に対応する。指示アイコンは、インデックス表示が切り替えられる前に、タッチオンされたサムネイル以外のサムネイルが表示されていた領域の少なくとも一部に表示される。このように、タッチオンにより移動又はコピーの対象として選択されなかった表示アイテム(タッチオンされなかったサムネイル)の領域に指示アイコンを表示することで、アイコンを大きく目出させて表示できるようになる。
【0040】
よって、ユーザは現在選択中のサムネイルの元画像データに対する処理を選択しやすくなる。
【0041】
S508では、タッチ圧力が予め定められた閾値以上となったか否かを判定する。予め定められた閾値以上ならばS507に戻り、第3のグループの第3の表示制御として、更にインデックス表示を別の記録媒体のサムネイル一覧に切り替える。例えば第2の記録媒体B(131)のサムネイル(図4(c))が一覧表示されていた場合にタッチ圧力が閾値以上に変化したならば、記録媒体C(132)のサムネイル(図4(h))の一覧表示に切り替わる。指示アイコンも画面の切り替えに合わせて更新される。
【0042】
S508でタッチ圧力が閾値以上でないならばS509へ進む。S509では、選択中のサムネイルに対してタッチアップされたか否かを判定する(タッチアップ判定)。タッチアップされないと判定するとS508へ戻り、タッチアップされたと判定するとS510へ進む。S510では、タッチアップされた位置座標が指示アイコンの表示位置であったか否かを判定し、指示アイコンの表示位置ではないと判定するとS511へ進み、S511でそれまでに行った操作をキャンセルしてS502へ戻る。また、タッチアップされた位置が指示アイコンの表示位置であったと判定すると、S512へ進む。
【0043】
S512では、タッチアップされた位置の指示アイコンに応じた処理を実行する。例えば、第2の記録媒体B(131)のサムネイル(図4(c))が表示中に、S504で選択したサムネイルを「第2の記録媒体Bに移動」406にムーブしてタッチアップすることで、選択したサムネイルの元画像データが第2の記録媒体Bに移動される。
【0044】
なお、ここでいう「移動」とは、移動元の記録媒体に格納されていたデータを移動先の記録媒体に記録し、且つ移動元の記録媒体から該当データを消去することである。これに対して、「コピー」とは、移動元の記録媒体に格納されていたデータを移動先の記録媒体にも記録し、且つ移動元の記録媒体の該当データを消去せずに残しておくことである。
【0045】
以上の実施形態によれば、複数の記録媒体間などにおいて画像データのコピーや移動を行う場合に、少ない表示領域でもコピー/移動先の候補に含まれる画像データを表示し、ユーザにコピー/移動先としてふさわしい記録媒体か否かを識別させることができる。
【0046】
また、選択したサムネイルのタッチ圧力を強くすることで別の記録媒体のサムネイル一覧の画面に切り替え、指示アイコンも画面の切り替えに合わせて更新されるので、タッチパネルをタッチする操作を少なくして、操作の容易化及び高速化を図ることができる。
【0047】
更に、選択したサムネイル以外を非表示とした領域であって、当該サムネイルに隣接した位置(図4(c)、(f)、(h))に指示アイコンを表示することで、選択したサムネイルをムーブする距離を少なくして、操作の容易化及び高速化を図ることができる。
【0048】
図5のS508ではタッチ圧力が閾値以上か否かに応じて画面を切り替えているが、ムーブせずにタッチオンしたままの継続時間が所定時間(例えば1秒)以上となった場合に、S507へ戻って別のサムネイル一覧のインデックス表示に切り替えてもよい。すなわち、S507でインデックス表示に切り替えた後、タッチオンしたまましばらく静止しているようであれば、現在のインデックス表示は所望のものではないとみなして別のインデックス表示に切り替える。
【0049】
なお、本実施形態では、画像データを異なる記録媒体へ移動又はコピーする例を説明したが、同一の記録媒体中あるいは他の記録媒体中の異なるフォルダへの移動あるいはコピーにも本発明は適用可能である。この場合、上述の記録媒体をフォルダと読み替えて適用すればよい。また、フォルダに関わらず、画像ファイルが属するグループを異なるグループへ移動する場合にも本発明は適用可能である。更に、動画ファイルや静止画ファイルに限られず、音楽ファイルや文書ファイルその他の電子データの移動やコピーにも本発明は適用可能である。この場合、上述したサムネイルを、該当する電子データを表すアイコン等の表示アイテムと読み替えて適用すればよい。
【0050】
また、システム制御部111での制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
【0051】
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0052】
また、上述した実施形態においては、本発明をデジタルビデオカメラに適用した場合を例にして説明したが、本発明は上述した例に限定されない。すなわち、本発明は、タッチパネルを用いたパーソナルコンピュータやPDAといった機器に適用してもよい。さらに、携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、プリンタ装置に設けられた印刷画像選択および確認のためのディスプレイ、デジタルフォトフレームなど、タッチパネルを用いた表示制御装置であれば、本発明は適用可能である。
【0053】
[他の実施形態]
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述の実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルと、
前記タッチパネルに、第1のグループに属する複数の電子データを表す複数の表示アイテムを同時に表示するように制御する第1の表示制御手段と、
前記第1の表示制御手段で表示された複数の表示アイテムのうちいずれかの表示アイテムがタッチされたか否かを判定するタッチダウン判定手段と、
前記第1の表示制御手段で表示された複数の表示アイテムのうち、前記タッチダウン判定手段でタッチされたと判定された表示アイテムである選択アイテム以外の表示アイテムを非表示とする一方、前記タッチパネルに前記第1のグループと異なる第2のグループに含まれる電子データを表す表示アイテムを表示するように制御する第2の表示制御手段と、
前記第2の表示制御手段による表示の後に、前記選択アイテムへのタッチが離されたか否かを判定するタッチアップ判定手段と、
前記タッチアップ判定手段によって前記選択アイテムへのタッチが離されたと判定された位置が前記第2のグループへの移動またはコピーを示す表示アイテムの位置であった場合に、前記選択アイテムが表す電子データを、前記第1のグループから前記第2のグループへ移動またはコピーするように制御する制御手段と、を有することを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記タッチアップ判定手段によって前記選択アイテムへのタッチが離されたと判定されるまでは、前記選択アイテムの表示位置をタッチ位置の移動に追従して変更するムーブを行うことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記第2の表示制御手段は、前記タッチダウン判定手段によって表示アイテムがタッチされたと判定されると、前記第2のグループに含まれる電子データを表す表示アイテムを表示することを特徴とする請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記第2の表示制御手段はさらに、前記選択アイテムをコピーすることを指示するための指示アイコンと、前記選択アイテムを移動するための指示アイコンを、前記非表示とした表示アイテムを表示していた領域に表示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記第2の表示制御手段は、前記第2のグループに含まれる電子データを表す表示アイテムを、前記非表示とした表示アイテムを表示していた領域に表示することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記選択アイテムへのタッチ圧力に応じて、前記第2の表示制御手段で表示された複数の表示アイテムを消去し、前記タッチパネルに前記第1のグループおよび第2のグループと異なる第3のグループに含まれる電子データを表す表示アイテムを表示するように制御する第3の表示制御手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記選択アイテムへのタッチの継続時間に応じて、前記第2の表示制御手段で表示された複数の表示アイテムを消去し、前記タッチパネルに前記第1のグループおよび第2のグループと異なる第3のグループに含まれる電子データを表す表示アイテムを表示するように制御する第3の表示制御手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記第1のグループは、前記装置に装着された第1の記録媒体に記録された電子データであり、前記第2のグループは前記第1の記録媒体とは異なる第2の記録媒体に記録された電子データであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記第1及び第2のグループはフォルダであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項10】
前記電子データは画像ファイルであり、前記表示アイテムは画像のサムネイルであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項11】
タッチパネルが搭載された装置の表示制御方法であって、
前記タッチパネルに、第1のグループに属する複数の電子データを表す複数の表示アイテムを同時に表示するように制御する第1の表示制御工程と、
前記第1の表示制御工程で表示された複数の表示アイテムのうちいずれかの表示アイテムがタッチされたか否かを判定するタッチダウン判定工程と、
前記第1の表示制御工程で表示された複数の表示アイテムのうち、前記タッチダウン判定工程でタッチされたと判定された表示アイテムである選択アイテム以外の表示アイテムを非表示とする一方、前記タッチパネルに前記第1のグループと異なる第2のグループに含まれる電子データを表す表示アイテムを表示するように制御する第2の表示制御工程と、
前記第2の表示制御工程による表示の後に、前記選択アイテムへのタッチが離されたか否かを判定するタッチアップ判定工程と、
前記タッチアップ判定工程によって前記選択アイテムへのタッチが離されたと判定された位置が前記第2のグループへの移動またはコピーを示す表示アイテムの位置であった場合に、前記選択アイテムが表す電子データを、前記第1のグループから前記第2のグループへ移動またはコピーするように制御する制御工程と、を有することを特徴とする表示制御方法。
【請求項12】
コンピュータを、請求項1乃至10のいずれか1項に記載された表示制御装置の各手段として機能させるプログラム。
【請求項13】
コンピュータを、請求項1乃至10のいずれか1項に記載された表示制御装置の各手段として機能させるプログラムを格納した記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−164798(P2011−164798A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−24822(P2010−24822)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】