説明

表示制御装置、表示制御方法、表示制御プログラム並びにこの表示制御プログラムが記録された記録媒体

【課題】ユーザの所望する範囲にあるコンテンツの表示数を調節できるようにする。
【解決手段】複数のコンテンツが表示された表示画面の表示形態を変更するための操作が行われる入力部を備える。そして、この入力部に対して、表示画面上の任意の位置を囲むようなユーザ操作を行った場合、ユーザ操作の操作開始の始点から終点までの軌跡から、ユーザ操作が回転操作であるか否かを検出する。そして、検出結果が回転操作ならば、回転操作の回転方向および回転回数を検出するとともに、軌跡で囲まれる表示画面上の領域を選択領域に決定する。さらに、複数のコンテンツの中から、選択領域内に含まれる位置情報に対応するコンテンツである該当コンテンツを検索する。また、回転方向に応じて該当コンテンツを表示/非表示するとともに、該当コンテンツが複数の場合、該当コンテンツのうち表示/非表示する該当コンテンツの個数を回転回数に基づいて決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置等に係り、表示部に表示するコンテンツの数を調節する表示制御装置、表示制御方法および表示制御プログラム並びにこの表示制御プログラムが記録された記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ(Personal computer:PC)を使ってさまざまな作業を行っていると、表示画面に表示されるコンテンツ(例えば、アイコンやサムネイル画像等)が増えてしまうということがある。
【0003】
この問題を解決するために、表示画面上のスライダーを用いてコンテンツの表示数を一時的に調節するという技術が考えられた。この技術は、コンテンツの表示数を、スライダーを動かす幅に応じて表示画面内全体あるいはフォルダ単位で調節する表示制御技術である。表示画面内全体のコンテンツの表示数を調節する他の技術について記載された特許文献1を以下に示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−201048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような表示制御技術では、表示画面内全体あるいはフォルダ単位でしかコンテンツの表示数を調節することができない、という問題がある。
【0006】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、所定範囲内にあるコンテンツの表示数を調節することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、複数のコンテンツが表示された表示画面の表示形態を変更するための操作が行われる入力部を備える。そして、この入力部に対して、表示画面上の任意の位置を囲むようなユーザ操作を行った場合、ユーザ操作の操作開始の始点から終点までの軌跡から、ユーザ操作が回転操作であるか否かを検出する。そして、検出結果が回転操作ならば、回転操作の回転方向および回転回数を検出するとともに、軌跡で囲まれる表示画面上の領域を選択領域に決定する。さらに、複数のコンテンツの中から、選択領域内に含まれる位置情報に対応するコンテンツである該当コンテンツを検索する。また、回転方向に応じて該当コンテンツを表示/非表示するとともに、該当コンテンツが複数の場合、該当コンテンツのうち表示/非表示する該当コンテンツの個数を回転回数に基づいて決定する。
本発明の上述した構成によれば、選択領域に含まれる位置情報に対応するコンテンツの表示・非表示を回転操作の方向および回数に基づいて制御できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、選択領域に含まれる位置情報に対応するコンテンツの表示・非表示を回転操作の方向および回数に基づいて制御できる。これにより、所定範囲内にあるコンテンツの表示数を直感的に調節することができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】地図表示プログラム実行画面を示す説明図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る表示制御装置において実行されるプログラムを示す説明図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る表示制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る表示制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る表示制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】表示制御プログラム実行時の地図表示プログラム実行画面を示す説明図である。
【図7】表示制御プログラム実行時の地図表示プログラム実行画面を示す説明図である。
【図8】表示制御プログラム実行時の地図表示プログラム実行画面を示す説明図である。
【図9】表示制御プログラム実行時の地図表示プログラム実行画面を示す説明図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る表示制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る表示制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第4の実施形態に係る表示制御装置を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための実施形態例について説明する。以下に述べる実施の形態例は、本発明の好適な具体例である。そのため、技術的に好ましい種々の限定が付されている。しかしながら、本発明は、下記の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。例えば、以下の説明で挙げる各パラメータの数値的条件は好適例に過ぎず、説明に用いた各図における寸法、形状および配置関係も概略的なものである。
【0011】
以下の手順で説明を行う。
<第1の実施形態例(選択領域の位置情報に対応するコンテンツの表示数を調節する例)>
1.表示制御装置の構成
2.表示制御装置の動作
<第2の実施形態例(初めの回転操作で選択領域を決定する例)>
1.表示制御装置の動作
<第3の実施形態例(選択領域を自動的に広げる例)>
1.表示制御装置の動作
<第4の実施形態(選択領域内のコンテンツの表示数数を調節する例)>
【0012】
<第1の実施形態例>
本発明の第1の実施形態例を、図1〜図9を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る地図表示プログラム実行画面を示す説明図である。
地図表示プログラム実行画面102は、地図表示領域103と、画像リスト表示領域104とで構成されている。
地図表示領域103には、表示制御装置110が記憶している地図情報に基づいて生成された地図が表示されている。画像リスト表示領域104には、表示制御装置110が記憶しているすべての画像のうち、地図で示される範囲内で撮影された画像のサムネイル画像がすべて表示される。そして、これらサムネイル画像の元になる画像が撮影された位置(緯度・経度)を示すマーカー107が地図上に表示される。本例では、画像リスト表示領域104に表示されたサムネイル画像がコンテンツに相当する。
【0013】
本発明に係る表示制御装置110(図2を参照)は、例えば地図表示プログラム実行画面102の画像リスト表示領域104に表示されたサムネイル画像の表示/非表示の数を調節するものである。なお、表示制御装置110は、特開2007−323543号公報に記載された技術を用いて、図1に示す地図表示プログラム実行画面102を生成するものとする。
【0014】
[1.表示制御装置の構成]
図2は、本発明の第1の実施形態に係る表示制御装置において実行されるプログラムを示す説明図である。
【0015】
表示制御装置110で実行されるプログラムは、大きく分けて、画像閲覧プログラム301と、地図表示プログラム302と、表示制御プログラム303である。画像閲覧プログラム301が実行された場合、特開2007−323543号公報の図9に示す画像閲覧プログラム実行画面351が生成される。この画像閲覧プログラム実行画面351は、表示制御装置110に記憶されたすべての画像が日付単位にグルーピングされて表示された画面である。
【0016】
この画像閲覧プログラム実行画面351において、○(白丸)で囲まれた領域の画像(以下、「選択画像」という)が選択された後に、地図表示プログラム起動アイコン324がクリックされたとする。すると、地図表示プログラム302が実行され、地図表示プログラム実行画面102(図1を参照)が生成される。この地図表示プログラム実行画面102の画像リスト表示領域104には、選択画像のサムネイル画像が表示される。また、地図表示領域103には、選択画像の撮影された位置をすべて含むような範囲および縮尺の地図が表示される。
【0017】
地図表示プログラム実行画面102において、表示制御プログラム起動ボタン(不図示)がクリックされると、表示制御プログラム303が起動される。そして、地図表示プログラム実行画面102の地図表示領域103において、タッチパネルと指の接触部の移動軌跡がおよそ円(閉ループ)を描くような操作(以下、「回転操作」)を行う。すると、画像リスト表示領域104において、地図上の移動軌跡で囲まれた範囲内で撮影された画像のサムネイル画像の表示が変更される。サムネイル画像の表示の変更は、回転操作の回転方向および回転回数に基づいて決定される。なお、回転操作の回転方向および回転回数と、サムネイル画像の表示の変更との関係については、図5〜図8にて詳述する。本例では、回転操作は、タッチパネルにより行うものとするが、これに限られず、例えばマウスやキーボード等のポインティングデバイスあるいはジェスチャー入力装置等で行うこともできる。
【0018】
次に、表示制御装置110の機能構成について図3を参照して説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る表示制御装置の機能を示すブロック図である。
表示制御装置110は、データ入出力部としてのユーザインタフェース471と、データ処理部472と、記憶部473と、通信部474とを備える。
【0019】
記憶部473には、上述した画像閲覧プログラム301、地図表示プログラム302および表示制御プログラム303と、これらプログラムが実行された際に必要となる各情報とが記憶されている。これらプログラムが実行された際に必要となる各情報は、上述したように、地図情報、画像データ、当該画像データのサムネイル画像データおよび特開2007−323543号公報の図5に示す画像ファイルパス、サムネイル画像ファイルパス、画像位置情報(緯度・経度)および画像撮影日時等であり、相互に紐付けられている。
【0020】
また、記憶部473には、地図表示プログラム実行画面102(図1を参照)の地図における緯度・経度を示す各座標(以下、「地図座標」という)と、ユーザインタフェース471の表示部における各座標(以下、「表示部座標」という)とが対応付けられた情報(以下、「地図座標−表示部座標対応情報」という)が記憶される。
【0021】
データ処理部472は、プログラムの実行を行うCPUを備えたものであり、上述した、画像閲覧プログラム301、地図表示プログラム302および表示制御プログラム303に関する処理を行う。
【0022】
以下、表示制御プログラム303に関するデータ処理部472の機能について説明する。
データ処理部472は、回転検出部を含み、ユーザインタフェース471の入力部(タッチパネルやポインティングデバイス等)に対するユーザの操作を検出した場合、その操作が上述した地図表示領域103における回転操作であるか否かを検出する。具体的には、回転操作は、入力部に対するユーザ操作の操作開始時の接触部(始点)から終了時の接触部(終点)までの軌跡に基づいて検出される。この回転検出部は、地図表示領域103に対する回転操作である場合は、当該回転操作の回転方向および回転回数も検出する。
【0023】
また、データ処理部472は、コンテンツ検索部を含み、検出した回転操作により囲まれた領域(以下、「選択領域」)を決定する。そして、決定した選択領域の外枠に対応する各表示部座標を、それぞれ地図座標に変換する。この変換には、記憶部に記憶された地図座標−表示部座標対応情報が利用される。なお、選択領域の決定方法は、例えば以下に示す3つの方法が考えられる。
(1)回転操作の始点と軌跡から、およそ中心点もしくは重心と半径を推測し、選択領域を決定する方法
(2)回転操作の一周分の軌跡から、およそ中心点もしくは重心と半径を求め、選択領域を決定する方法
(3)軌跡をそのまま選択領域とする方法(なお、軌跡が閉ループではない場合、始点と終点を結んだ線と、軌跡とで囲まれる領域を選択領域とする。)
【0024】
また、データ処理部472のコンテンツ検索部は、選択領域の外枠における各地図座標で示される緯度・経度の中に含まれるような画像位置情報(緯度・経度)が記憶部473に記憶されているか否かを確認する。記憶されている場合は、該当する画像位置情報(緯度・経度)に対応するサムネイル画像データを記憶部473から検索する。
【0025】
また、データ処理部472は、コンテンツ表示数調節部を含み、画像リスト表示領域104に対して、検索したサムネイル画像データに関するサムネイル画像の表示を変更する。例えば、検出した回転方向が順方向の場合は、該当するサムネイル画像を画像リスト表示領域104において非表示にする。一方、回転方向が逆方向の場合は、該当するサムネイル画像を画像リスト表示領域104において表示する。なお、画像リスト表示領域104において非表示/表示するサムネイル画像の数は、検出した回転回数に応じて決定される。
【0026】
通信部474は、外部の装置と情報のやり取りを行うものである。例えば、通信部474は、地図サーバ150から定期的に地図情報を受信して、受信した最新の地図情報を記憶部473に記憶する。これにより、記憶部473に記憶される地図情報を常に最新のものに保つことができる。
【0027】
次に、表示制御装置110のハードウェア構成例について、図4を参照して説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る表示制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
CPU(Central Processing Unit)501は、データ処理部472の実行主体として機能し、画像閲覧プログラム301、地図表示プログラム302および表示制御プログラム303に従った各種の処理を実行する。
【0028】
ROM(Read Only Memory)502は、CPU501が使用するプログラム、すなわち画像閲覧プログラム301、地図表示プログラム302および表示制御プログラム303等を格納する。RAM(Random Access Memory)503は、CPU501の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を格納する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス506により相互に接続されている。
【0029】
キーボード508、ポインティングデバイス509は、ユーザにより操作される入力デバイスである。ディスプレイ510は、タッチパネル機能を有する液晶表示装置またはCRT(Cathode Ray Tube)などから成り、各種情報をテキストやイメージで表示する。
【0030】
HDD(Hard Disk Drive)511は、内蔵のハードディスクを駆動し、CPU501によって実行するプログラムや情報を記録または再生させる。ハードディスクは、例えば画像情報、画像属性情報などの格納手段などに利用され、さらに、データ処理プログラム等、各種コンピュータ・プログラムが格納される。
【0031】
ドライブ512は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体521に記録されているデータまたはプログラムを読み出して、そのデータまたはプログラムを、インタフェース507、ホストバス506を介して接続されているRAM503に供給する。
【0032】
接続ポート514は、外部接続機器522を接続するポートであり、USB,IEEE1394等の接続部を持つ。接続ポート514は、インタフェース507、およびホストバス506等を介してCPU501等に接続されている。通信部515は、ネットワークに接続され、クライアントやネットワーク接続サーバとの通信を実行する。
【0033】
[3.表示制御装置の動作]
次に、表示制御装置の動作について、図5〜図9を参照して説明する。
図5は、本発明の第1の実施形態に係る表示制御装置の動作の流れを示すフローチャートである。なお、表示制御装置110のデータ処理部472において、地図表示プログラム302が実行され、ユーザインタフェース471の表示部に地図表示プログラム実行画面102が表示されているものとする。
【0034】
まず、ユーザは地図表示プログラム実行画面102の表示制御プログラム起動ボタン(不図示)をタッチする。すると、データ処理部472は表示制御プログラム303による処理を開始する。そして、データ処理部472が、地図表示プログラム実行画面102の地図表示領域103において、ユーザの指601(図6を参照)による回転操作を検出すると(ステップS10)、回転操作による軌跡に基づいて選択領域602(図6を参照)を決定する(ステップS11)。このとき、データ処理部472は、選択領域602の外枠(破線部分)を形成している各地図座標(緯度・経度)をすべて取得する。
【0035】
続いて、データ処理部472は、選択領域602内で撮像された画像(以下、「選択領域内画像」)があるか否かを確認する(ステップS12)。具体的には、地図上のマーカー107で示される点の座標(緯度・経度)が、選択領域602の外枠を形成する各座標(緯度・経度)内に含まれているか否かの確認が行われる。
【0036】
選択領域内画像がないならば(ステップS12のNO)、データ処理部472は、表示制御プログラム303による処理を終了する。なお、表示制御プログラム303による処理が終了された場合は、現在の設定されている選択領域602が解除される。
【0037】
選択領域内画像があるならば(ステップS12のYES)、データ処理部472は、ステップS10の処理における回転操作の回転方向を判定する(ステップS13)。
【0038】
回転方向が図7に示すように順方向(右回り)603ならば、データ処理部472は、ステップS10の処理における回転操作の回転回数を検出する。そして、画像リスト表示領域104において、選択領域内画像に対応するサムネイル画像を、検出した回転回数に応じた数だけ非表示にする(ステップS14)。続いて、非表示にしたサムネイル画像の縮小画像が表示されたフォルダ画像604を生成し、生成したフォルダ画像604を画像リスト表示領域104に表示する。フォルダ画像604に表示される縮小画像の倍率は、フォルダ画像604に表示すべき縮小画像の数に応じて変更される。もちろん、代表的な縮小画面だけをフォルダ画像604に表示するようにしてもよい。
【0039】
なお、選択領域内画像のサムネイル画像を非表示にする順番は、選択領域内画像の撮影日時の早いあるいは遅い順としてもよいし、選択領域画像の撮影された位置(緯度・経度)と選択領域の中心位置(緯度・経度)との間の距離が短い順としてもよい。また、サムネイル画像のファイル番号の5個飛ばしなど一定の規則に従った順、あるいはランダムとしてもよい。
【0040】
以上の処理が完了した後、データ処理部472は、順方向603の回転操作が継続されているか否かを確認する(ステップS15)。回転操作が継続されているならば(ステップS15のYES)、ステップS12の処理に戻る。回転操作が継続されていないならば(ステップS15のNO)、データ処理部472は、表示制御プログラム303による処理を終了する。
【0041】
一方、ステップS13の処理において、回転方向が図8に示すように逆方向(左回り)605ならば、データ処理部472は、選択領域内画像に係るフォルダ画像604のようなフォルダ画像が画像リスト表示領域104において表示されているか否かを確認する(ステップS16)。当該フォルダ画像が表示されていないならば(ステップS16のYES)、データ処理部472は、表示制御プログラム303による処理を終了する。
【0042】
画像リスト表示領域104に当該フォルダ画像604が表示されているならば(ステップS16のNO)、データ処理部472は、ステップS10の処理における回転操作の回転回数を検出する。そして、ステップS14の処理で非表示にした順番とは逆の順番で、検出した回転回数に応じた数のサムネイル画像を画像リスト表示領域104に表示し(ステップS17)、ステップS15の処理に移行する。このステップS17の処理において、ステップS14の処理で非表示にされたサムネイル画像がすべて表示された段階で、当該フォルダ画像604を非表示にする。
【0043】
例えば、図7に示したようにフォルダ画像604が画像リスト表示領域104に表示された状態で表示制御プログラムによる処理が終了したとする。そして、ステップS10〜ステップS15までの処理が再度実行されると、図9に示すようなフォルダ画像607が画像リスト表示領域104に表示される。ただし、このときにステップS11の処理にて設定された選択領域606は、選択領域602と異なる領域であるとする。
【0044】
なお、上述したステップS14およびステップS17の処理では、地図表示領域103の地図上の選択領域で撮影された画像のサムネイル画像の表示/非表示の制御を行うようにした。このとき、表示/非表示されるサムネイル画像の元画像が撮影された位置に表示されたマーカー107も同様に表示/非表示されるようにしてもよい。
【0045】
以上説明したように、本発明の第1の実施形態では、複数の画像のサムネイル画像(コンテンツ)と、それら複数の画像が撮影された位置を含む範囲の地図を同一画面に表示している。この画面の地図上で回転操作を行うことにより、回転操作で囲まれた範囲で撮影された画像のサムネイル画像の表示・非表示を回転操作の方向および回数に基づいて制御できる。これにより、回転操作で指定された範囲のサムネイル画像の表示数を直感的に調節することができる、という効果がある。
【0046】
例えば、表示すべきサムネイル画像(コンテンツ)の数が多くて、離れた場所にある2つのサムネイル画像が同一画面上に表示されないような場合でも、当該2つのサムネイル画像の間にあるすべてのサムネイル画像をまとめて非表示にすることができる。この結果、当該2つのサムネイル画像を同一画面に表示することもできる。
【0047】
また、本発明の第1の実施形態では、選択領域を何度でも変更することができる。これにより、異なった二つの選択領域を設定すれば、これらの領域に含まれる位置情報に対応するサムネイル画像(コンテンツ)の表示数を別々に調節することができる。例えば、ユーザにとって多くのサムネイル画像を見たい箇所と、少数のサムネイル画像を見たい箇所とをそれぞれ調節する、といったことができる。
【0048】
<第2の実施形態例>
次に、本発明の第2の実施形態の例を、図10を参照して説明する。第2の実施形態に係る表示制御装置は、初めの一連の回転操作によって選択領域を確定し、選択領域が確定後に再度なされた回転操作によって画像リスト表示領域104におけるサムネイル画像の表示を制御する機能をさらに備えたデータ処理部472(回転検出部)を有するものである。
【0049】
[1.表示制御装置の動作]
第2の実施形態に係る表示制御装置の動作について、図6および図10を参照して説明する。
図10は、本発明の第2の実施形態に係る表示制御装置の動作の流れを示すフローチャートである。本例においても、表示制御装置のデータ処理部472において、地図表示プログラム302が実行されて、表示部に地図表示プログラム実行画面102が表示されているものとする。なお、図10におけるステップS24〜ステップS29の処理は、図6にて説明したステップS12〜ステップS17の処理と同じであるので、これらの説明は省略する。
【0050】
まず、ユーザは地図表示プログラム実行画面102(図6を参照)の表示制御プログラム起動ボタン(不図示)をタッチする。すると、データ処理部472は表示制御プログラムによる処理を開始する。そして、データ処理部472が、地図表示プログラム実行画面102の地図表示領域103におけるユーザの指601による回転操作を検出する(ステップS20)。続いて、データ処理部472は、ステップS20における回転操作が継続中であるか否かを確認する(ステップS21)。継続中であるならば(ステップS21のYES)、ステップS21の処理を繰り返す。
【0051】
継続中でないならば(ステップS21のNO)、地図表示領域103の地図において、回転操作による軌跡に基づいて選択領域602を決定する(ステップS22)。このとき、データ処理部472は、選択領域602の外枠(破線部分)を形成している各地図座標(緯度・経度)をすべて取得する。
【0052】
以上の処理が完了した後、データ処理部472は、ユーザインタフェース471の表示部に対するさらなる回転操作が所定の時間以内になされた否かを確認する(ステップS23)。所定の時間内に回転操作がなされないならば(ステップS23のNO)、データ処理部472は、表示制御プログラム303による処理を終了する。所定の時間内に回転操作がなされたならば(ステップS23のYES)、ステップS24の処理に移行する。
【0053】
以上説明したように、本発明の第2の実施形態では、最初の回転操作で、当該回転操作で囲まれた範囲を選択領域として決定している。そして、さらなる回転操作を行うと、第1の実施形態と同様に、選択領域で撮影された画像のサムネイル画像(コンテンツ)の表示・非表示を回転操作の方向および回数に基づいて制御している。これにより、第1の実施形態と同様の各効果がある。
【0054】
また、本発明の第2の実施形態では、最初の回転操作とさらなる回転操作の位置が異なったとしても、最初の回転操作で決定された選択領域に含まれる位置情報に対応するサムネイル画像(コンテンツ)の表示数だけを調節できる。
【0055】
<第3の実施形態例>
次に、本発明の第3の実施形態の例を、図11を参照して説明する。第3の実施形態に係る表示制御装置は、第2の実施形態における各機能に加えて選択領域内で撮像された画像がない場合に当該選択領域の半径(範囲)を大きくする機能を備えるデータ処理部472(回転検出部)を有する。
【0056】
[1.表示制御装置の動作]
第3の実施形態に係る表示制御装置の動作について、図6および図11を参照して説明する。
図11は、本発明の第3の実施形態に係る表示制御装置の動作の流れを示すフローチャートである。本例においても、表示制御装置のデータ処理部において、地図表示プログラム302が実行されて表示部に地図表示プログラム実行画面102(図6を参照)が表示されているものとする。なお、図11におけるステップS30〜ステップS33の処理は、図10にて説明したステップS20〜ステップS23の処理と同じ処理であり、ステップS36〜ステップS40の処理は、図5にて説明したステップS13〜ステップS17の処理と同じであるので、これらの説明は省略する。
【0057】
ステップS33にて、さらなる回転操作が検出されると(ステップS33のYES)、データ処理部は、選択領域内で撮像された画像である選択領域内画像があるか否かを確認する(ステップS34)。具体的には、地図上のマーカー107で示される点の座標(緯度・経度)が、選択領域の外枠を形成する各座標(緯度・経度)内に含まれているか否かの確認が行われる。
【0058】
選択領域内画像があるならば(ステップS34のYES)、ステップS36の処理に移行する。選択領域画像がないならば(ステップS34のNO)、データ処理部は、現在の選択領域の半径を所定の割合長くして選択領域を大きくする(ステップS35)。このとき、データ処理部は、大きくした選択領域の外枠を形成する各座標(緯度・経度)を取得・更新する。以上の処理が完了した後、ステップS34の処理に戻る。
なお、第1の実施形態において、ステップS12の処理の代わりに、これらのステップS34およびステップS35の処理を実行するようにすることもできる。
【0059】
以上説明したように、本発明の第3の実施形態では、第2の実施形態と同様に、最初の回転操作で囲まれた範囲を選択領域として決定している。そして、さらなる回転操作を行うと、選択領域で撮影された画像のサムネイル画像(コンテンツ)の表示・非表示を回転操作の方向および回数に基づいて制御している。これにより、第2の実施形態と同様の各効果がある。
【0060】
また、本発明の第3の実施形態では、最初の回転操作によって決定された選択領域に含まれる位置情報に対応するサムネイル画像(コンテンツ)がない場合は、選択領域の広さを自動的に大きくすることができる。これにより、回転操作を数回繰り返して行えば、最終的には最初の操作によって決定された選択領域に含まれる位置情報に対応するサムネイル画像以外のサムネイル画像(コンテンツ)の表示/非表示を制御することができる。このような表示/非表示制御により、ユーザにとってうずまきのような動きを連想させることができ、非常に面白い。
【0061】
<第4の実施形態例>
上述した各実施形態においては、選択領域602(図6を参照)に含まれるマーカー107の表示/非表示を制御することができるものであるが、第4の実施形態に係る表示制御装置は、この技術を利用したものである。以下、第4の実施形態に係る表示制御装置について図12を参照して説明する。
【0062】
図12は、第4の実施形態に係る表示制御装置の表示部を示す図である。
表示部には、複数のファイルのアイコン(以下、「ファイルアイコン」)701というが表示されているものとする。本例では、ファイルアイコン701がコンテンツに相当する。
【0063】
まず、ユーザは、表示部における領域702の外枠を指703でなぞり(図12(a)を参照)、順方向704の回転操作を繰り返し行う(図12(b)を参照)。すると、第1〜第3の実施形態と同様に、データ処理部472は、領域702に重なる位置にあるファイルアイコン701を、回転操作の回転回数に応じた数だけ非表示にする。ここで、新たにフォルダ画像705が生成され、表示部に表示される(図12(c)を参照)。
【0064】
この段階で、回転操作がさらに継続されている場合は、第3の実施形態と同様に、データ処理部472は、領域702外のファイルアイコン701を、領域702の中心からの距離が近い順に非表示にする(図12(d)を参照)。
【0065】
非表示にされたファイルアイコン701を再度表示する場合は、第1〜第3の実施形態と同様に、フォルダ画像705を含むように、順方向704とは逆方向の回転操作を行えばよい。
【0066】
また、上述した各実施形態では、表示制御装置はPCであるとしたが、PCに限られず、デジタルスチルカメラ、携帯電話あるいはカーナビゲーション装置などであってもよい。例えば、カーナビゲーション装置の場合は、その表示部に表示される施設アイコン(コンテンツ)の数が多くて見えない場合がある。このようなときに、第1〜第3の実施形態における回転操作を行うことで、表示部に表示される施設アイコン(コンテンツ)を適当な数に調節することができる。
【0067】
また、上述した各実施形態では、選択領域を一度に設定する数を1としたが、2以上とするようにしてもよい。これにより、同じ表示処理を行いたいコンテンツが離れた場所にある場合に、操作の手間を省くことができる。
【0068】
また、上述した各実施形態では、円形を描くような回転操作とした。しかし、回転操作は、円形に限られなく、例えば四角形、三角形あるいは星形等どんな形を描くようなものであってもよい。これにより、選択領域を自由に設定できるので、コンテンツの表示/非表示制御の効率を上げることができる。
【0069】
また、上述した各実施形態においては、ポップアップ画像を地図表示領域(図1を参照)に表示するようにしているが、ポップアップ画像を表示しないようにすることもできる。これにより、ポップアップ画像によって隠された部分の地図を、ユーザが確認できるようになる。
【0070】
以上、本発明の各実施形態の例について説明したが、本発明は上記各実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含むことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0071】
102…地図表示プログラム実行画面、103…地図表示領域、104…画像リスト表示領域、107…マーカー、110…表示制御装置、150…地図サーバ、301…画像閲覧プログラム、302…地図表示プログラム、303…表示制御プログラム、471…ユーザインタフェース、472…データ処理部、473…記憶部、474…通信部、501…CPU、502…ROM、503…RAM、506…ホストバス、507…インタフェース、508…キーボード、509…ポインティングデバイス、510…ディスプレイ、511…HDD、512…ドライブ、514…接続ポート、515…通信部、521…リムーバブル記録媒体、522…外部接続機器、601…指、602…選択領域、603…順方向、604…フォルダ画像、605…逆方向、606…選択領域、607…フォルダ画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテンツが表示された表示画面の表示形態を変更するための操作が行われる入力部と、
前記表示画面上の任意の位置を囲むような前記入力部に対するユーザ操作の操作開始の始点から終点までの軌跡から、前記ユーザ操作が回転操作であるか否かを検出し、検出結果が前記回転操作ならば、前記回転操作の回転方向および回転回数を検出するとともに、前記軌跡で囲まれる前記表示画面上の領域を選択領域に決定する回転検出部と、
前記複数のコンテンツの中から、前記選択領域内に含まれる位置情報に対応するコンテンツである該当コンテンツを検索するコンテンツ検索部と、
前記回転方向に応じて前記該当コンテンツを表示/非表示するとともに、前記該当コンテンツが複数の場合、前記該当コンテンツのうち表示/非表示する該当コンテンツの個数を前記回転回数に基づいて決定するコンテンツ表示数調節部と、
を備える表示制御装置。
【請求項2】
前記該当コンテンツが前記コンテンツ検索部により検索されない場合に、前記回転検出部は、前記選択領域の大きさを大きくする
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示画面は、前記複数のコンテンツが表示される画像リスト表示領域と、前記複数のコンテンツに対応する位置情報で示される位置を含む地図が表示される地図表示領域を含み、
前記回転操作は、前記地図表示領域に対して行われる
請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記地図表示領域に表示される地図上において、前記複数のコンテンツに対応する位置情報で示される位置にはマーカーが表示され、
前記表示数調節部は、表示/非表示する該当コンテンツに対応する位置情報で表される位置に表示されたマーカーを表示/非表示する
請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記選択領域は、前記回転操作の1周目の軌跡に基づいて決定され、前記該当コンテンツの表示/非表示および表示/非表示の数は、前記回転操作の2周目以降の回転操作の回転方向および回転回数それぞれに基づいて決定される
請求項1〜4のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記選択領域は、同時に複数設定可能である
請求項1〜4のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記コンテンツ表示数調節部は、非表示になった該当コンテンツの縮小画像を表示したフォルダ画像を表示する
請求項1〜6のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記コンテンツ表示数調節部は、前記フォルダ画像に、非表示になった該当コンテンツの縮小画像がすべて表示されるように、該縮小画像の倍率を変更する
請求項7に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記入力部はタッチパネルである
請求項1〜8のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項10】
複数のコンテンツが表示された表示画面の表示形態を変更するための操作が行われる入力部に対して、前記表示画面上の任意の位置を囲むようなユーザ操作が行われた場合、前記ユーザ操作の操作開始の始点から終点までの軌跡から、前記ユーザ操作が回転操作であるか否かを検出し、検出結果が前記回転操作ならば、前記回転操作の回転方向および回転回数を検出するとともに、前記軌跡で囲まれる前記表示画面上の領域を選択領域に決定するステップと、
前記複数のコンテンツの中から、前記選択領域内に含まれる位置情報に対応するコンテンツである該当コンテンツを検索するステップと、
前記回転方向に応じて前記該当コンテンツを表示/非表示するとともに、前記該当コンテンツが複数の場合、前記該当コンテンツのうち表示/非表示する該当コンテンツの個数を前記回転回数に基づいて決定するステップと、
を含む表示制御方法。
【請求項11】
コンピュータを、
複数のコンテンツが表示された表示画面の表示形態を変更するための操作が行われる入力部に対して、前記表示画面上の任意の位置を囲むようなユーザ操作が行われた場合、前記ユーザ操作の操作開始の始点から終点までの軌跡から、前記ユーザ操作が回転操作であるか否かを検出し、検出結果が前記回転操作ならば、前記回転操作の回転方向および回転回数を検出するとともに、前記軌跡で囲まれる前記表示画面上の領域を選択領域に決定する回転検出手段、
前記複数のコンテンツの中から、前記選択領域内に含まれる位置情報に対応するコンテンツである該当コンテンツを検索するコンテンツ検出手段、
前記回転方向に応じて前記該当コンテンツを表示/非表示するとともに、前記該当コンテンツが複数の場合、前記該当コンテンツのうち表示/非表示する該当コンテンツの個数を前記回転回数に基づいて決定する表示数調節手段、
として機能させるための表示制御プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載の表示制御プログラムが記録された
記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−257923(P2011−257923A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−131073(P2010−131073)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】