説明

表示制御装置および表示制御方法

【課題】バックライトの消費電力を適切に削減することができる表示制御装置および表示制御方法を提供すること。
【解決手段】バックライトの発光量を映像の輝度に応じて制御し、バックライトの発光量に応じて輝度を補正した映像を表示パネルに表示させる表示制御装置であって、複数の制御パラメータをそれぞれ映像の種別に対応づけて記憶する記憶部12と、表示パネルに表示させる映像の種別に応じた制御パラメータを記憶部12から読み出し、当該読み出した制御パラメータによって、映像の輝度に応じたバックライトの発光量を決定する発光量決定部11fとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置および表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カーナビゲーションの普及に伴い、自動車には液晶表示パネルを有する車載装置が搭載されることが一般的となってきている。
【0003】
液晶表示パネルは、バックライトから照射された光を部分的に遮ったり透過させたりすることによって映像の表示を行っているが、バックライトによる消費電力の高さが省電力化の妨げとなっている。
【0004】
そこで、近年では、バックライトによる消費電力を削減するための様々な試みがなされている。例えば、特許文献1には、映像の輝度に応じてバックライトの発光量を制御することで、バックライトによる消費電力を削減する技術が開示されている。
【0005】
特許文献1に記載の技術では、映像に含まれる画素の輝度分布を作成し、この輝度分布を用いて高輝度側から累積画素数を計数していき所定の画素数に達した位置の輝度値に基づき、映像の輝度を上げると共にバックライトの発光量を低減する。これにより、バックライトによる消費電力を削減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−219477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、例えば、カーナビゲーションなどの車載装置では、映像を構成する画素の輝度や色などの分布が異なる傾向の映像が表示装置へ選択的に表示される。例えば、DVD(Digital Versatile Disc)などに記録されている映画などの映像と、ナビゲーション用映像とでは、画素の輝度や色などの分布傾向が異なる。
【0008】
そのため、例えば、DVDの映像に対してバックライトの消費電力を効果的に削減しようとすると、ナビゲーション用映像に対してバックライトの消費電力を効果的に削減できない恐れがあった。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、バックライトの消費電力を適切に削減することができる表示制御装置および表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る表示制御装置は、表示パネルへ光を照射するバックライトの発光量を映像の輝度に応じて制御し、前記バックライトの発光量に応じて輝度を補正した前記映像を前記表示パネルに表示させる表示制御装置であって、複数の制御パラメータをそれぞれ映像の種別に対応づけて記憶する記憶部と、前記表示パネルに表示させる映像の種別に応じた制御パラメータを前記記憶部から読み出し、当該読み出した制御パラメータによって、前記映像の輝度に応じた前記バックライトの発光量を決定する決定部とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の表示制御方法は、表示パネルへ光を照射するバックライトの発光量を映像の輝度に応じて制御し、前記バックライトの発光量に応じて輝度を補正した前記映像を前記表示パネルに表示させる表示制御方法であって、複数の制御パラメータをそれぞれ映像の種別に対応づけて記憶する記憶部から、前記表示パネルに表示させる映像の種別に応じた制御パラメータを読み出す工程と、当該読み出した制御パラメータによって、前記映像の輝度に応じた前記バックライトの発光量を決定する工程とを含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、種別に応じた制御パラメータによって、映像の輝度に応じたバックライトの発光量を決定するようにしたので、種別に応じてバックライトの消費電力を適切に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明に係る実施形態の表示制御手法の概要を示す図である。
【図2】図2は、実施例に係る表示制御装置を含む表示システムの構成を示す図である。
【図3】図3は、実施例に係る表示制御装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、制御パラメータテーブルの一例を示す図である。
【図5】図5は、制御パラメータの適用タイミングを示す図である。
【図6】図6は、実施例に係る発光量決定部の構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、発光量決定部の動作例を示す図である。
【図8】図8は、RGB変換情報の一例を示す図である。
【図9】図9は、実施例に係る表示制御装置の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照して、本発明の実施形態に係る表示制御装置および表示制御方法の実施例を詳細に説明する。
【0015】
まず、実施例の詳細な説明に先立って、本発明の実施形態に係る表示制御手法の概要について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る表示制御手法の概要を示す図である。
【0016】
本実施形態に係る表示制御手法は、映像ソースから取得した映像の情報およびソース種別に基づいてバックライトの発光量および映像の輝度補正量を制御するものである。なお、以下においては、映像の種別を、映像のソース種別によって判定する例を示すが、他の方法によって映像の種別を判定してもよい。
【0017】
かかる表示制御手法においては、図1に示すように、表示制御装置の制御部が、表示装置に表示させようとする映像のソース種別を示す情報(以下、「ソース種別情報」と記載する)を取得する(ステップS1)。
【0018】
ここで、映像のソース種別とは、表示装置に表示させようとする映像の情報(以下、「映像情報」と記載する)を発生する映像ソースの種別である。図1に示す例では、映像情報を発生する映像ソースの種別が「ソース種別1」であることを示している。
【0019】
表示装置が車載用の表示装置である場合、映像ソースとして、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、ナビゲーション用映像ソース、TV(Television)、カメラがある。そして、例えば、DVDのソース種別が上記「ソース種別1」、ナビゲーション用映像ソースのソース種別が「ソース種別2」、TVのソース種別が「ソース種別3」、カメラのソース種別が「ソース種別4」というように割り当てられる。
【0020】
なお、ソース種別情報は、映像ソースから取得することとしているが、ソース種別情報の取得先はこれに限られない。例えば、複数のソースからの映像情報を入力し、これらの映像情報の中から選択した映像情報を表示制御装置へ出力する映像出力装置がある場合、表示制御装置の制御部は、この映像出力装置から映像のソース種別を取得するようにしてもよい。また、ここでは、映像の種別を、映像のソース種別によって判定しているため、映像処理回路などが必要なく、映像の種別を容易に判定することができる。
【0021】
次に、表示制御装置の制御部は、ステップS1において取得したソース種別情報に基づき、映像のソース種別に応じた制御パラメータを取得する(ステップS2)。表示制御装置の記憶部には、映像のソース種別に応じた複数の制御パラメータが記憶されており、表示制御装置の制御部は、ステップS1において取得したソース種別情報に応じた制御パラメータを記憶部から読み出すことによって、映像のソース種別に応じた制御パラメータを取得する。
【0022】
ステップS1において取得したソース種別情報は、「ソース種別1」を示す情報であるため、表示制御装置の制御部は、「ソース種別1」に応じた制御パラメータを記憶部から取得する。
【0023】
次に、表示制御装置の制御部は、映像ソースから映像情報を取得する(ステップS3)。そして、表示制御装置の制御部は、ステップS2で読み出した制御パラメータを用いて、バックライトの発光量を決定し、映像の輝度を補正する(ステップS4)。
【0024】
具体的には、表示制御装置の制御部は、映像情報を構成する画素の輝度に基づいて、映像の輝度を判定する。そして、制御部は、映像の輝度に応じたバックライトの発光量を、ステップS2で読み出した「ソース種別1」の制御パラメータを用いて決定する。
【0025】
「ソース種別1」の映像ソースは、DVDであり、DVDから取得される映像情報は、映画などの映像の情報である。かかる映像は、比較的複雑な映像が多く、画素の輝度や色などの分布が複雑な場合が多い。しかし、このような映像に対し、バックライトの発光量として小さい値が決定されて、映像の輝度を大きく上げる補正が行われた場合、高輝度画素によって表示される部分に色つぶれ現象(以下、「ハレーション」と記載する)が生じ、視認性が低下する恐れがある。
【0026】
そこで、表示制御装置の制御部は、映像ソースをDVDとする映像に対しては、バックライトの発光量として大きな値が決定される「ソース種別1」の制御パラメータを記憶部から取得し、「ソース種別1」の制御パラメータによってバックライトの発光量を決定する。
【0027】
一方で、映像ソースをナビゲーション用映像ソースとする映像は、地図映像などのように、画素の輝度や色などの分布が単純な映像であるため、高輝度画素が増加した場合であっても、ハレーションの問題が発生しにくい。
【0028】
すなわち、映像ソースをナビゲーション用映像ソースとする映像は、同一色および同一輝度の画素が隣接する領域が多く、領域間の色の差も大きいため、領域間の境界の区別が明瞭である。そのため、高輝度画素が増加した場合であっても、ハレーションの問題が発生しにくい。
【0029】
そこで、表示制御装置の制御部は、映像ソースをナビゲーション用映像ソースとする映像に対しては、バックライトの発光量として小さい値が決定される「ソース種別2」の制御パラメータを記憶部から取得し、「ソース種別2」の制御パラメータによってバックライトの発光量を決定する。
【0030】
したがって、ナビゲーション用映像ソースを映像ソースとする映像に対して適切にバックライトの発光量および輝度補正を行うことができる。
【0031】
なお、制御パラメータは、映像の輝度とバックライトの発光量とを対応付けるパラメータである。例えば、映像の輝度毎に、バックライトの発光量を映像の輝度へ対応付けたテーブルを制御パラメータとしたり、映像の輝度を判定するためのパラメータを制御パラメータとしたりすることができる。
【0032】
次に、表示制御装置の制御部は、ステップS4で決定したバックライトの発光量で表示装置のバックライトを発光させ(ステップS5)、また、決定したバックライトの発光量に応じて輝度を補正した映像の情報を表示パネルに出力する(ステップS6)。
【0033】
このように、本実施形態の表示制御手法では、映像のソース種別に応じた制御パラメータによって、バックライトの発光量の決定および映像の輝度補正を行うため、バックライトの消費電力を適切に削減することができる。
【0034】
以下では、図1を用いて説明した表示制御手法を適用した表示制御装置についての実施例を詳細に説明する。なお、以下に示す実施例では、車載用の表示装置を制御する表示制御装置に対して本表示制御手法を適用する場合について説明する。ただし、本発明にかかる表示制御装置は、これに限ったものではなく、携帯端末装置やPC(Personal Computer)あるいはTVのように、バックライトを用いて表示を行う表示装置を備える各種の装置に対して適用することができる。
【実施例】
【0035】
図2は、本実施例に係る表示制御装置を含む表示システムの構成を示す図である。図2に示すように、本実施例に係る表示制御装置10は、映像情報出力装置30から映像情報を取得し、表示装置20の表示制御を行う装置である。なお、映像情報出力装置30から出力される映像情報は、例えば、RGB444形式の映像情報である。
【0036】
表示装置20は、表示パネル21と、バックライト22とを備えている。表示パネル21は、表示制御装置10から出力される映像情報に応じた映像を表示する液晶表示パネルなどの表示部である。また、バックライト22は、表示パネル21の背面側に設けられた照明装置であり、表示パネル21に対して背面側から光を照射する。
【0037】
映像情報出力装置30は、映像情報を表示制御装置10へ出力する。表示制御装置10へ出力される映像情報は、ソース選択部31によって選択される。すなわち、ソース選択部31は、セレクタ32を制御して、複数の映像ソースの中から一つの映像ソースを選択し、選択した映像ソースから出力される映像情報を表示制御装置10へ出力する。映像情報出力装置30には、図示しない操作部が設けられており、この操作部へのユーザの操作によってソース選択部31が映像ソースを選択する。
【0038】
ここでは、映像ソースとして、ナビ映像(昼)のソース、ナビ映像(夜)のソース、DVD映像のソース、カメラ映像のソース、TV映像のソースがある。ナビ映像(昼)は、昼用のナビゲーション用映像であり、ナビ映像(夜)は、夜用のナビゲーション用映像である。これらのナビゲーション用映像の情報は、カーナビゲーション装置から出力される。
【0039】
また、DVD映像は、DVDに記憶された映画などの映像であり、このDVD映像の情報は、DVD再生装置から出力される。カメラ映像は、車両周辺を撮像する車載カメラの映像であり、TV映像は、デジタルテレビ放送受信装置から出力されるTV(Television)の映像である。
【0040】
また、ソース選択部31は、選択した映像ソースの種別情報であるソース種別情報を表示制御装置10へ出力する。例えば、ソース選択部31は、ナビ映像(昼)のソースを選択した場合、ソース種別がナビ映像(昼)のソースであることを示すソース種別情報を表示制御装置10へ出力する。なお、ソース選択部31は、昼夜判別部33によって昼と判定した場合、ナビ映像(昼)を選択し、昼夜判別部33によって夜と判定した場合、ナビ映像(夜)を選択する。
【0041】
また、映像情報出力装置30は、現在の時間帯が昼であるか夜であるかを判別し、昼と夜とを区別する昼夜情報を表示制御装置10へ出力する昼夜判別部33を備えている。この昼夜判別部33は、例えば、図示しない照度センサから出力される照度値が所定以上の照度値である場合、現在の時間帯が昼であると判定し、照度値が所定未満の照度値である場合、現在の時間帯が夜であると判定する。なお、昼夜判別部33には、ヘッドライトなどの前照灯が点灯状態である場合、照度値が所定以上の照度値であっても、現在の時間帯が夜であると判定することもできる。
【0042】
また、昼夜判別部33は、図示しない前照灯スイッチにより前照灯が点灯状態である場合、現在の時間帯が夜であると判定し、前照灯が消灯状態である場合、現在の時間帯が昼であると判定してもよい。この場合、短いトンネルや濃霧等周囲が比較的明るいが対向車に自車を気付かせたり、ドライバーの視認性を確保したい場所を走行しているときに、スモールライトを点灯させる場合がある。すると前照灯スイッチのオンにより昼夜判別部33が夜と判定し、例えばナビ映像であればナビ映像(昼)からナビ映像(夜)に切り替わってしまう。周囲が明るい場合は、前照灯スイッチがオンしても、ナビ映像(夜)に切り換えず、ナビ映像(昼)を維持するようにしておくことが望ましい場合もある。そのためには、車両周囲の照度値や時間によっても昼か夜かを判定し、昼と判定しているときは、前照灯が点灯状態になっても昼と判定するようにし、ナビ映像(夜)への切り換えを禁止するようにすればよい。
【0043】
つづいて、本実施例に係る表示制御装置10の構成について説明する。図3は、本実施例に係る表示制御装置10の構成を示すブロック図である。なお、図3には、表示制御装置10の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。また、この表示制御装置10は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などによって構成することができる。
【0044】
本実施例に係る表示制御装置10は、制御部11と、記憶部12とを備えている。また、制御部11は、映像情報取得部11aと、ソース種別情報取得部11b、昼夜情報取得部11c、サブサンプリング部11dと、ヒストグラム生成部11eと、発光量決定部11fと、発光量規制部11gと、PWM(Pulse Width Modulation)生成部11hと、RGB変換部11iとを備えている。また、記憶部12は、制御パラメータテーブル12aと、RGB変換情報12bとを記憶している。
【0045】
制御部11は、映像情報出力装置30からの映像情報の取得、取得した映像情報のサブサンプリング、ヒストグラムの生成および解析、発光量の規制処理、PWMの生成あるいはRGB変換処理といった処理を実行する処理部である。映像情報取得部11aは、映像情報を映像情報出力装置30から取得する処理部である。また、映像情報取得部11aは、取得した映像情報をサブサンプリング部11dおよびRGB変換部11iへ渡す処理も併せて行う。
【0046】
ソース種別情報取得部11bは、ソース種別情報を映像情報出力装置30から取得する処理部であり、取得したソース種別情報を発光量決定部11fへ渡す処理も併せて行う。また、昼夜情報取得部11cは、昼夜情報を映像情報出力装置30から取得する処理部であり、取得した昼夜情報を発光量決定部11fへ渡す処理も併せて行う。
【0047】
サブサンプリング部11dは、映像情報取得部11aから映像情報を取得した場合に、取得した映像情報に対してサブサンプリングを行う処理部である。また、サブサンプリング部11dは、サブサンプリング後の映像情報をヒストグラム生成部11eへ渡す処理も併せて行う。
【0048】
ここで、サブサンプリングとは、取得した映像情報から画素を間引く処理を示す。このように、取得した映像情報に対してサブサンプリングを行うことによって、後述するヒストグラム生成部11eや発光量決定部11fといった処理部の処理速度を高めることができる。
【0049】
ヒストグラム生成部11eは、サブサンプリング部11dから取得したサブサンプリング後の映像情報を用いてヒストグラムを生成する処理部である。ヒストグラムとは、映像情報を構成する画素の輝度分布をあらわす情報である。ヒストグラム生成部11eは、映像情報に含まれるR,G,Bの各成分うち、最も値の大きい成分を用いてヒストグラムを生成する。また、ヒストグラム生成部11eは、生成したヒストグラムを発光量決定部11fへ渡す処理も併せて行う。
【0050】
発光量決定部11fは、ヒストグラム生成部11eによって生成されたヒストグラムを、制御パラメータを用いて解析することによって、バックライト22の確定発光量を決定する処理部である。
【0051】
発光量決定部11fは、ソース種別情報取得部11bからソース種別情報を取得すると共に、昼夜情報取得部11cから昼夜情報を取得し、これらの情報に応じた制御パラメータを、記憶部12に記憶している制御パラメータテーブル12aから読み出す。そして、読み出した制御パラメータを用いて、ヒストグラム生成部11eによって生成されたヒストグラムを解析する。ここで、制御パラメータテーブル12aの内容について説明する。図4は、制御パラメータテーブル12aの一例を示す図である。
【0052】
図4に示すように、制御パラメータテーブル12aは、DNUM、HオフセットおよびLオフセットなどの制御パラメータを、各パターン1〜4に対応付けた情報である。パターン1からパターン4へ向かうに従って、消費電力の削減量を優先する割合が高くなる。
【0053】
すなわち、パターン1の制御パラメータが最も映像の画質を優先する制御パラメータであり、パターン4の制御パラメータが最も消費電力の削減量を優先する制御パラメータである。パターン2の制御パラメータは、パターン1よりも消費電力の削減量を優先する制御パラメータであり、パターン3の制御パラメータは、パターン2よりも消費電力の削減量を優先する制御パラメータである。
【0054】
ここで、パターン1は、ソース映像がDVD映像、TV映像又はカメラ映像であって、かつ昼夜情報が昼を示す情報であるときに選択されるパターンである。また、パターン2は、ソース映像がDVD映像又はTV映像であって、かつ昼夜情報が夜を示す情報であるときに選択されるパターンである。
【0055】
また、パターン3は、ソース映像がナビ映像であって、かつ昼夜情報が昼を示す情報であるときに選択されるパターン、パターン4は、ナビ映像であって、かつ昼夜情報が夜を示す情報であるときに選択されるパターンである。なお、各制御パラメータ(DNUM、Hオフセット、Lオフセット)については、後で詳述する。
【0056】
DVD映像、TV映像およびカメラ映像は、比較的複雑な映像が多く、画素の輝度や色などの分布が複雑な場合が多い映像であることから、ハレーションによる視認性低下を回避するために、画質を優先する度合いが高いパターン1やパターン2が割り当てられる。
【0057】
一方、ナビ映像は、画素の輝度や色などの分布が単純な映像であるため、高輝度画素が増加した場合であっても、ハレーションの問題が発生しにくく、よって、消費電力の削減を優先する度合いが高いパターン3やパターン4が割り当てられる。
【0058】
また、DVD映像、TV映像およびカメラ映像は、映像情報出力装置30において、昼の場合よりも夜の場合の方が暗くなるように制御されて出力される。そのため、昼か夜の違いによってパターンを変更するようにしている。例えば、DVD映像やTV映像の場合、昼であればパターン1が選択され、夜であればパターン2が選択される。また、ナビ映像の場合、昼であればパターン3が選択され、夜であればパターン4が選択される。
【0059】
なお、ここでは、昼の場合におけるDVD映像、TV映像およびカメラ映像に対して、同一パターンが割り当てられ、夜の場合におけるDVD映像およびTV映像に対して、同一パターンが割り当てられているが、各映像に対してそれぞれ異なるパターンを割り当てるようにしてもよい。
【0060】
このように、記憶部12には、複数の制御パラメータをそれぞれ映像のソース種別および昼夜情報に対応づけた制御パラメータテーブル12aが記憶されており、発光量決定部11fは、映像のソース種別や昼夜情報に応じた制御パラメータを選択する。
【0061】
なお、図4に示す例では、ソース種別情報および昼夜情報に応じたパターンを選択し、選択したパターンに対応する制御パラメータを用いることにしたが、制御パラメータテーブル12aは、これに限られるものではない。
【0062】
例えば、複数の制御パラメータをそれぞれソース種別に対応付けた制御パラメータテーブルを昼用と夜用とで2つ設けるようにしてもよい。この場合、昼夜情報によって複数の制御パラメータテーブルのいずれかを選択し、選択した制御パラメータテーブルからソース種別情報に基づいて制御パラメータを選択する。
【0063】
また、昼と夜のうち一方だけソース種別に応じた制御パラメータを選択するようにしてもよい。この場合、例えば、夜は、ソース種別に関わらず同一の制御パラメータを用い、昼は、ソース種別に応じた制御パラメータを制御パラメータテーブルから選択する。
【0064】
また、昼と夜とに分けるのではなく、照度センサから出力される照度値に応じて、制御パラメータを変更するようにしてもよい。この場合、例えば、制御パラメータテーブルを所定範囲の照度値毎に記憶部12に記憶しておき、照度センサから出力される照度値に応じて、制御パラメータテーブルを選択する。そして、選択した制御パラメータテーブルからソース種別に応じた制御パラメータを選択する。
【0065】
図3に戻り、制御部11の説明を続ける。発光量決定部11fは、選択した制御パラメータをヒストグラム解析に適用するタイミングをVSYNC(Vertical Synchronizing signal:垂直同期信号)に同期させるようにしている。VSYNCは、表示制御装置10から表示装置20へ出力する映像情報に含まれる信号である。
【0066】
ここで、映像情報取得部11aへ入力される映像(以下、「入力映像」と記載する)、表示装置20へ出力するVSYNC、および適用される制御パラメータのタイミング関係について説明する。図5は、制御パラメータの適用タイミングを示す図である。
【0067】
図5に示す例では、映像情報取得部11aに映像情報として入力される入力映像が、カメラ映像からナビ映像(昼)に切り替わる。発光量決定部11fは、入力映像が、カメラ映像からナビ映像(昼)へ切り替わったことを検出すると、ナビ映像(昼)に対応するパターン3の制御パラメータを制御パラメータテーブル12aの中から選択する。
【0068】
その後、発光量決定部11fは、次のVSYNCが出現するタイミングで、パターン3の制御パラメータをヒストグラム解析に適用する。このようにすることで、切り替わる入力映像に対する制御パラメータの適用タイミングを適切に設定することができる。すなわち、フレームの切り替わりに合わせて制御パラメータを適用することができる。
【0069】
ここで、発光量決定部11fの具体的な構成について説明する。図6は、本実施例に係る発光量決定部11fの構成を示すブロック図である。図6に示すように、発光量決定部11fは、暫定発光量決定部111と、比較部112と、確定発光量決定部113とを備えている。
【0070】
暫定発光量決定部111は、ヒストグラム生成部11eから取得したヒストグラムとDNUMとを用いて暫定発光量を決定する処理部である。DNUMは、累積画素数の閾値を示す制御パラメータである。
【0071】
具体的には、暫定発光量決定部111は、ヒストグラムの高輝度側から順に画素数を計数していき、累積画素数がDNUMを超えた場合におけるヒストグラム上の位置(輝度値)に対応する発光量を暫定発光量として決定する。また、暫定発光量決定部111は、暫定発光量を決定すると、決定した暫定発光量を比較部112へ渡す処理も併せて行う。
【0072】
比較部112は、暫定発光量決定部111によって決定された暫定発光量と記憶部12に記憶されたHオフセットおよびLオフセットとを比較する処理部である。また、比較部112は、暫定発光量とHオフセットおよびLオフセットとの比較結果を確定発光量決定部113へ渡す処理も併せて行う。Hオフセットは、バックライト22の発光量の上限値を示す制御パラメータであり、Lオフセットは、バックライト22の発光量の下限値を示す制御パラメータである。
【0073】
ここで、かかる発光量決定部11fの動作例について説明する。図7は、発光量決定部11fの動作例を示す図である。なお、図7の(A)は、暫定発光量決定部111の動作例を、図7の(B)は、比較部112および確定発光量決定部113の動作例をそれぞれ示している。
【0074】
図7の(A)に示すように、暫定発光量決定部111は、ヒストグラムにおける輝度値「255」の位置を計数開始ポイントとし、各輝度値に対応する画素数を計数開始ポイントから低輝度側へ向かって順に計数していく。そして、暫定発光量決定部111は、累積画素数がDNUMに達した位置を算出ポイントとして定め、かかる算出ポイントの輝度値に対応する発光量を暫定発光量として決定する。
【0075】
例えば、暫定発光量決定部111は、累積画素数がDNUMに達した位置の輝度値が「200」である場合には、「200」を暫定発光量として決定する。
【0076】
また、比較部112は、暫定発光量決定部111によって決定された暫定発光量とHオフセットおよびLオフセットとの比較を行い、比較結果を確定発光量決定部113へ渡す。そして、確定発光量決定部113は、図7の(B)に示すように、暫定発光量がHオフセット以下である場合には、暫定発光量を確定発光量として決定する。
【0077】
一方、確定発光量決定部113は、暫定発光量がHオフセットを超える場合には、Hオフセットを確定発光量として決定し、暫定発光量がLオフセット未満である場合には、Lオフセットを確定発光量として決定する。
【0078】
ここで、例えば、ソース種別がDVD映像の映像ソースで、かつ昼夜情報が昼を示す情報である場合、パターン1が選択され、図4に示すように、DNUMは「100」、Hオフセットは「215」、Lオフセットは「100」となる。
【0079】
したがって、例えば、累積画素数がDNUMに達した位置の輝度値が「220」である場合には、暫定発光量が「220」となるため、確定発光量がHオフセットの「215」となる。また、例えば、累積画素数がDNUMに達した位置の輝度値が「95」である場合には、暫定発光量が「95」となるため、確定発光量がLオフセットの「100」となる。
【0080】
このように、暫定発光量がHオフセットを超える場合には、暫定発光量よりも少ない発光量であるHオフセットを確定発光量とすることによって、明るい映像が入力された場合であっても、バックライト22の消費電力の削減量を極力多くすることができる。
【0081】
また、Lオフセットが暫定発光量よりも多い場合には、暫定発光量よりも多いLオフセットを確定発光量として決定する。これにより、画面が暗くなり過ぎることが防止されるため、画面の視認性を高めることができる。
【0082】
上記制御から分かるように、DNUMは小さければ小さいほど、Hオフセットは大きければ大きいほど、確定発光量が大きくなる傾向へ向かう。したがって、DNUMを小さくし、Hオフセットを大きくすることで、バックライト22の発光量の削減率が低下する。一方、DNUMを大きくし、Hオフセットを小さくすることで、バックライト22の発光量の削減率が増加する。
【0083】
従って、例えば、図4に示すように、制御パラメータテーブル12aを構成することによって、ハレーションが発生しにくいナビ映像に対し、他の映像に比べてバックライトの発光量の削減率を増加させることができる。
【0084】
すなわち、DNUMやHオフセットなどの制御パラメータを全ての映像に対して共通にした場合、DVD映像やTV映像などにハレーションが発生しないような制御パラメータとなるため、ナビ映像に対するバックライトの発光量をより効果的に削減することができない。
【0085】
しかし、本実施例では、ソース種別に対応させて制御パラメータを適用することができるため、ナビ映像に対するバックライトの発光量をより効果的に削減することができる。特に、表示装置20は、車載用であり、ナビ映像を表示する時間が長いため、消費電力の削減の効果が高い。
【0086】
図3に戻り、制御部11の説明を続ける。発光量規制部11gは、バックライト22の発光量の急激な変化によって生じる画面のちらつきを防止するため、発光量決定部11fから取得した確定発光量と現在の発光量との差分に基づいて発光量の変化量を制限する発光量規制処理を行う。
【0087】
具体的には、発光量規制部11gは、確定発光量と現在の発光量との差分が所定の閾値よりも大きい場合に、変化量の上限値として予め決められた値を現在の発光量に対して加算(あるいは減算)した値を、最終的な発光量とする。一方、確定発光量と現在の発光量との差分が所定の閾値未満の場合には、発光量規制部11gは、確定発光量を最終的な発光量とする。発光量規制部11gは、最終的な発光量(以下、「最終確定発光量」と記載する)を決定すると、この最終確定発光量をPWM生成部11hへ渡す。
【0088】
また、発光量規制部11gは、最終確定発光量を決定すると、RGB変換情報12bを用いて最終確定発光量に対応するRGB変換係数を決定し、決定したRGB変換係数をRGB変換部11iへ渡す処理も行う。ここで、RGB変換情報12bの内容について説明する。図8は、RGB変換情報12bの一例を示す図である。
【0089】
図8に示すように、RGB変換情報12bは、「最終確定発光量」ごとに「RGB変換係数」を対応付けた情報である。ここで、「最終確定発光量」は、発光量規制部11gによって決定された最終確定発光量を示す。また、「RGB変換係数」は、R,G,Bの各成分の値(RGB値)に対して掛け合わせる係数である。
【0090】
例えば、最終確定発光量が「255(100%)」である場合には、RGB変換係数は「1.00」となる。これは、入力データのRGB値が、そのまま出力データのRGB値となることを示している。また、最終確定発光量が「240(93.75%)」である場合には、RGB変換係数は「1.03」となる。これは、入力データのRGB値を1.03倍した値が出力データのRGB値となることを示している。
【0091】
このように、RGB変換情報12bでは、最終確定発光量が少なくなるほど、すなわち、バックライト22の発光量が少なくなり画面が暗くなるほど、RGB変換係数が高くなるように設定されている。なお、発光量規制部11gは、最終確定発光量を決定すると、決定した最終確定発光量と対応付けられたRGB変換係数をRGB変換情報12bから読み出し、読み出したRGB変換係数をRGB変換部11iへ渡す。
【0092】
PWM生成部11hは、発光量規制部11gから最終確定発光量を取得すると、バックライト22の発光量が最終確定発光量となるようにパルス幅が調整されたPWM信号を生成してバックライト22へ出力する処理部である。なお、PWM生成部11hは、VSYNCが1回出力されるごとに、PWM信号を4回出力することとしている。
【0093】
RGB変換部11iは、映像情報取得部11aから取得した映像情報に含まれるR,G,Bの各成分の値に対して、発光量規制部11gから取得したRGB変換係数を掛け合わせるRGB変換処理を行う。また、RGB変換部11iは、RGB変換処理後の映像情報を表示パネル21へ出力する処理も併せて行う。
【0094】
例えば、RGB変換部11iは、RGB変換係数「1.26」を取得した場合、映像情報取得部11aから取得した映像情報に含まれるR,G,Bの各成分の値を1.26倍する。そして、RGB変換部11iは、R,G,Bの各成分の値を1.26倍した映像情報を表示パネル21へ出力する。
【0095】
次に、本実施例に係る表示制御装置10の具体的動作について説明する。図9は、本実施例に係る表示制御装置10の処理手順を示すフローチャートである。なお、図9においては、表示制御装置10が実行する処理手順のうち、制御パラメータの選択手順を主として示している。この処理手順は、映像情報出力装置30から新たなソース種別の映像ソース情報を取得した場合や昼夜情報を取得した場合に開始される。
【0096】
図9に示すように、表示制御装置10では、発光量決定部11fが、映像情報出力装置30から映像ソース情報を取得すると、ソース種別がカメラ映像であるか否かを判定する(ステップS10)。そして、発光量決定部11fは、映像種別がカメラ映像でないと判定した場合(ステップS10,No)、ソース種別がTV映像であるか否かを判定する(ステップS11)。
【0097】
ソース種別がTV映像でないと判定した場合(ステップS11,No)、発光量決定部11fは、ソース種別がDVD映像であるか否かを判定する(ステップS12)。ソース種別がDVD映像でないと判定した場合(ステップS12,No)、発光量決定部11fは、ソース種別がナビ映像であるか否かを判定する(ステップS13)。
【0098】
ソース種別がナビ映像であると判定した場合(ステップS13,Yes)、発光量決定部11fは、映像情報出力装置30から取得した昼夜情報が昼を示す情報であるか否かを判定する(ステップS14)。
【0099】
昼夜情報が昼を示す情報であると判定した場合(ステップS14,Yes)、発光量決定部11fは、記憶部12に記憶されている制御パラメータテーブル12aから、パターン3の制御パラメータを読み出す(ステップS15)。
【0100】
一方、昼夜情報が昼を示す情報でないと判定した場合(ステップS14,No)、発光量決定部11fは、記憶部12に記憶されている制御パラメータテーブル12aから、パターン4の制御パラメータを読み出す(ステップS16)。
【0101】
ステップS11において、ソース種別がTV映像であると判定した場合(ステップS11,Yes)、又は、ステップS12において、ソース種別がDVD映像であると判定した場合(ステップS12,Yes)、発光量決定部11fは、映像情報出力装置30から取得した昼夜情報が昼を示す情報であるか否かを判定する(ステップS17)。
【0102】
昼夜情報が昼を示す情報であると判定した場合(ステップS17,Yes)、発光量決定部11fは、記憶部12に記憶されている制御パラメータテーブル12aから、パターン1の制御パラメータを読み出す(ステップS18)。
【0103】
一方、昼夜情報が昼を示す情報でないと判定した場合(ステップS17,No)、発光量決定部11fは、記憶部12に記憶されている制御パラメータテーブル12aから、パターン2の制御パラメータを読み出す(ステップS19)。
【0104】
ステップS10において、ソース種別がカメラ映像であると判定した場合(ステップS10,Yes)、発光量決定部11fは、映像情報出力装置30から取得した昼夜情報が昼を示す情報であるか否かを判定する(ステップS20)。
【0105】
昼夜情報が昼を示す情報であると判定した場合(ステップS20,Yes)、発光量決定部11fは、記憶部12に記憶されている制御パラメータテーブル12aから、パターン3の制御パラメータを読み出す(ステップS21)。
【0106】
上述した制御パラメータの選択処理が終了した場合、すなわち、ステップS15,S16,S18,S19,S21の処理が終了した場合、発光量決定部11fは、読み出した制御パラメータ(DNUM、Hオフセット、Lオフセット)に基づいてバックライト22の発光量(確定発光量)を決定する(ステップS22)。その後、制御部11は、決定したバックライト22の発光量に基づいて、バックライト22の制御を行うと共に、映像の輝度を調整する。
【0107】
また、ステップS20において、昼夜情報が昼を示す情報ではないと判定した場合(ステップS20,No)、制御部11は、バックライト22の発光量の決定を行うことなく、バックライト制御を停止する。
【0108】
すなわち、バックライト22の発光量を100%にする。これは、夜はカメラ映像が暗いため、バックライト制御を行うと、映像品質が悪くなって、視認性が低下するためである。なお、発光量決定部11fは、確定発光量を「255」に固定することによって、バックライト制御を停止する。確定発光量を「255」に固定する方法として、例えば、Hオフセットを「255」に設定する方法がある。
【0109】
なお、ソース種別がナビ映像ではないと判定した場合(ステップS13,No)、発光量決定部11fは、処理を終了する。
【0110】
以上のように、本実施例に係る表示制御装置10では、表示パネル21に表示させる映像のソース種別に応じた制御パラメータを記憶部12から読み出し、当該読み出した制御パラメータに基づいて、映像の輝度に応じたバックライト22の発光量を決定する発光量決定部11fを備えており、ソース種別に応じてバックライト22の消費電力を適切に削減することができる。
【0111】
また、本実施例に係る表示制御装置10では、表示パネル21に表示させる映像のソース種別に加えて昼か夜かによって制御パラメータを変更するようにしている。そのため、例えば、夜の場合に、表示パネル21に表示する映像のまぶしさを抑えて映像を見やすくすることができ、昼の場合には、表示パネル21に表示する映像を明るくすることができる。
【0112】
なお、本実施例では、映像を構成する画素の輝度や色などの分布が単純であることに着目して、バックライト22の発光量がより効果的に削減することができるような制御パラメータを設定する例を示したが、これに限られるものではない。
【0113】
すなわち、映像の種別毎の特徴に基づいて映像種別に応じた制御パラメータを設定するものであれば、どのようなものであってもよい。例えば、輝度が高い映像が比較的多い映像ソースと、輝度が低い映像が比較的多い映像ソースとで異なる制御パラメータを設定するようにしてもよい。
【0114】
また、本実施例では、発光量決定部11fは、昼夜情報が夜でかつソース種別がカメラ映像の場合には、バックライト制御を停止するようにしたが、例えば、昼夜情報が夜でかつDVD映像やTV映像の場合にバックライト制御を停止するようにしてもよい。
【0115】
また、本実施例では、ソース種別と昼夜情報に応じて制御パラメータを設定することとしたが、さらに、図示しない車載装置(例えば、カーナビゲーション装置)の消費電力や車載装置へ供給されるバッテリー電圧などに応じて、制御パラメータを変更するようにしてもよい。
【0116】
例えば、ソース種別および昼夜情報に加え、さらに、車載装置の消費電力に応じた制御パラメータを含む制御パラメータテーブルを記憶部12に記憶させておく。そして、発光量決定部11fは、ソース種別および昼夜情報に加え、さらに、車載装置の消費電力に応じてバックライト22の発光量を決定する。
【0117】
また、フロントカメラ、バックカメラなどのように車載カメラが複数ある場合には、それぞれのカメラ毎に制御パラメータを変更するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0118】
以上のように、本発明に係る表示制御装置および表示制御方法は、バックライトの消費電力の削減量を多くしたい場合に有用であり、例えば、車載装置の液晶ディスプレイの消費電力を抑えたい場合に適している。
【符号の説明】
【0119】
10 表示制御装置
11 制御部
11a 映像情報取得部
11b ソース種別情報取得部
11c 昼夜情報取得部
11d サブサンプリング部
11e ヒストグラム生成部
11f 発光量決定部
11g 発光量規制部
11h PWM生成部
11i RGB変換部
12 記憶部
12a 制御パラメータテーブル
12b RGB変換情報
20 表示装置
30 映像情報出力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルへ光を照射するバックライトの発光量を映像の輝度に応じて制御し、前記バックライトの発光量に応じて輝度を補正した前記映像を前記表示パネルに表示させる表示制御装置であって、
複数の制御パラメータをそれぞれ映像の種別に対応づけて記憶する記憶部と、
前記表示パネルに表示させる映像の種別に応じた制御パラメータを前記記憶部から読み出し、当該読み出した制御パラメータによって、前記映像の輝度に応じた前記バックライトの発光量を決定する決定部と
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記決定部は、
前記映像の種別が特定の種別である場合に、前記映像の輝度に応じた前記バックライトの発光量の決定を停止する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記決定部は、
昼と夜とを区別する昼夜情報を取得する取得手段を備え、
前記映像の種別および前記取得手段によって取得した昼夜情報に応じた制御パラメータによって、前記映像の輝度に応じた前記バックライトの発光量を決定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記制御パラメータは、
第1パラメータおよび第2パラメータを含み、
前記決定部は、
前記映像を構成する画素を輝度値の高いものから順に計数し、当該計数した画素の累積数が前記第1パラメータの値に達した場合の輝度値に基づいて前記バックライトの暫定的な発光量を決定する暫定発光量決定手段と、
前記暫定発光量決定手段によって決定された暫定的な発光量と前記第2パラメータの値とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果、前記暫定的な発光量が前記第2パラメータの値を超える場合に、前記暫定的な発光量よりも少ない発光量を前記バックライトの確定的な発光量として決定する確定発光量決定手段と
を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項5】
表示パネルへ光を照射するバックライトの発光量を映像の輝度に応じて制御し、前記バックライトの発光量に応じて輝度を補正した前記映像を前記表示パネルに表示させる表示制御方法であって、
複数の制御パラメータをそれぞれ映像の種別に対応づけて記憶する記憶部から、前記表示パネルに表示させる映像の種別に応じた制御パラメータを読み出す工程と、
当該読み出した制御パラメータによって、前記映像の輝度に応じた前記バックライトの発光量を決定する工程と
を含んだことを特徴とする表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−189638(P2012−189638A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50782(P2011−50782)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】