説明

表示制御装置及び制御装置

【課題】本発明は、表示装置に表示される映像が正常でない場合に、その旨をユーザに提示することを行う表示制御装置及び制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】映像信号を受信し、受信した映像信号を第1のメモリに書き込む映像信号受信部と、前記映像信号を処理した画像を表示部に出力する画像出力部と、第1のメモリへの前記映像信号の書き込みが許可に設定されている場合で、前記映像信号の第1のメモリへの書き込みが停止したときに、フェイルセーフ処理を実行するメモリ制御部と、を有することを特徴とする表示制御装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラで撮影された映像の表示を制御する表示制御装置及び制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のカメラで撮影された映像を表示装置へ出力する場合、各カメラによって取得された映像信号を、一旦フレームメモリへ書き込み、書き込まれた映像信号を順次更新して出力する技術が知られている。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−032443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような複数のカメラで撮影された映像を表示装置へ出力する装置では、ノイズ等の影響によって映像信号のフレームメモリへの書き込み処理が停止してしまうと、映像信号は更新して出力されなくなってしまう。そのため、表示装置にはユーザの意図しない静止画像が表示され、ユーザに誤った動作を促すおそれがあるといった問題がある。
【0005】
特に、車両の前部、後部および側部等に設置されたカメラによって撮影された車両周辺の映像を運転者に提供することによって運転者の安全運転をサポートするような運転支援システムにおいては、このような問題が発生すると、運転者は意図しない静止画に戸惑ってしまい運転に集中できなくなってしまったり、また、静止画に切り替わっていることを知らずに動画像と信じて運転を続けてしまったりすると、良好に安全運転をサポートすることができなくなってしまうおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、表示装置に表示される映像が正常でない場合に、その旨をユーザに提示することを行う表示制御装置及び制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る表示制御装置は、映像信号を受信し、受信した映像信号を第1のメモリに書き込む映像信号受信部と、前記映像信号を処理した画像を表示部に出力する画像出力部と、第1のメモリへの前記映像信号の書き込みが許可に設定されている場合で、前記映像信号の第1のメモリへの書き込みが停止したときに、フェイルセーフ処理を実行するメモリ制御部と、を有するようにした。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る制御装置は、画像制御部と、映像信号を受信し、受信した映像信号を第1のメモリに書き込む映像信号受信部と、前記映像信号を処理した画像を表示部に出力する画像出力部と、第1のメモリへの前記映像信号の書き込みが許可に設定されている場合で、前記映像信号の第1のメモリへの書き込みが停止したときに、フェイルセーフ処理を実行するメモリ制御部と、を有するようにした。
【発明の効果】
【0009】
本装置では、表示装置に表示される映像が正常でない場合には、その旨をユーザに提示するため、ユーザに誤った動作を誘発しなくできる。特に、運転支援システムにおいては、運転者に誤った運転操作を回避できるため、安全運転を維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(a),(b)は、本発明で利用する、車両に搭載したカメラの映像に基づいて合成画像を作成する方法を説明する概念図である。
【図2】本発明の映像信号に基づく画像の表示制御装置を示す。
【図3】(a)、(b)本発明のレジスタの状態の説明図である。
【図4】本発明の表示制御装置の表示モード1,2の説明図である。
【図5】本発明の表示制御装置の表示モードの切換えを示す図である。
【図6】本発明の表示制御装置のモード4の表示画像の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の明細書に記載される具体例は単なる例示に過ぎず、本発明を限定するものとして解釈してはならない。また、本発明の説明は例示のためのもので、請求項の範囲を制限するためのものではない。したがって、様々な代案、修正、及び変形が当業者にとっては明らかである。
【0012】
図1(a)は、車両を上方から見た図であり、カメラが、前部(カメラF11)、後部(カメラB(バックカメラ)12)、右側部(カメラR13)及び左側部(カメラL14)に4台設置されている。カメラF11は、車両の前部の一部と車両前方周囲の映像を撮像し、カメラB12は、車両の後部の一部と車両後方周囲の映像を撮像し、カメラR13は、車両の右側部の一部と車両右側方周囲の映像を撮像し、カメラL14は、車両の左側部の一部と車両左側方周囲の映像を撮像する。
【0013】
また、カメラ11〜14は、広い画角で撮影可能なカメラであることが好ましいが、それに限定されず、カメラ11〜14のうち一部が狭い画角で撮影可能なカメラであってもよい。
【0014】
カメラ11〜14により広い画角で撮像された車両周辺の映像は、画像の縁端部に近づくほどゆがんでいる。そこで、取得された画像のゆがみを修正するとともに、自車両と自車両の周囲に存在する物体との位置関係が明確となるように、カメラ11〜14によって取得された画像を仮想視点から見たような合成画像に合成し、その合成画像にFLASHメモリに予め記憶されている自車両の画像(イメージ画像、ポリゴン画像等)を重畳して表示部に出力する。
【0015】
図1(b)は、表示部に出力された合成画像の一例である。自車両を上方の仮想視点から見たときの合成画像を示す。カメラ11〜14によって撮影された、前方画像111、後方画像121、右側方画像131、左側方画像141及び自車両の画像(イメージ)101を合成したものである。自車両は合成画像の中央付近に表示される。
【0016】
図2は、本発明の表示制御装置20の概念図を示す。表示制御装置20は、表示制御部24及び画像制御部30を含む。図2を参照して、カメラ11〜14によって撮影された映像を表示部40に表示するまでの映像信号の処理を説明する。表示制御装置20は、カメラから映像信号を取得し、取得した映像信号をメモリへ書き込み、メモリに書き込まれた映像信号を読み出し、メモリから読み出された映像信号に基づいて合成画像を作成し、作成した合成画像をメモリへ書き込んだり、作成した合成画像を表示部へ出力したりする等の処理を行う。
【0017】
表示制御部24は、映像信号受信部21、画像合成部22、画像出力部23、メモリ制御部27、書き込み停止レジスタ201、出力レジスタ202等を有する。書き込み停止レジスタ201、出力レジスタ202は、バス28を介してメモリ制御部27に接続される。また、映像信号受信部21、画像合成部22及び画像出力部23は、バス29を介してメモリ制御部27に接続される。
【0018】
第1のメモリ25−1は、バス36を介して映像信号受信部21に接続される。また、第2のメモリ25−2、第3のメモリ(不揮発性メモリ)26は、それぞれ、バス37,38を介して画像合成部22に接続される。
【0019】
画像制御部30には、状態レジスタ301とステータスレジスタ302が、配置される。メモリ制御部27は、バス33を介して画像制御部30に接続される。また、第1のスイッチ31と第2のスイッチ32は、それぞれ、バス34,35を介して画像制御部30に接続される。
【0020】
4台のカメラF11、カメラB12、カメラR13、カメラL14を示しており、各カメラは、自車両の前方、後方、右側方、左側方の画像情報(前方画像情報、後方画像情報、右側方画像情報,左側方画像情報)を映像信号として取得し、映像信号受信部21へ入力する。映像信号受信部21は、A/D変換部(図示せず)を備えている。
【0021】
映像信号受信部21は、受信した映像信号がアナログ信号の場合、A/D変換部でアナログ信号をデジタル信号に変換する。一方、受信した映像信号がデジタル信号の場合は、A/D変換部によるA/D変換は行われない。尚、アナログの映像信号はアナログ映像信号、デジタルの映像信号はデジタル映像信号と、以降に記載する。
【0022】
次に、メモリ制御部27からの制御信号により、デジタル映像信号を第1のメモリ25−1(例えば、DDR2メモリ)に書き込む。第1のメモリ25−1では、各カメラ11〜14によって同じタイミングで撮影された映像信号が同期をとって読み出されるように格納される。具体的には、例えば、第1のメモリ25−1の記憶領域の上2つにカメラB12とカメラL14からのデジタル映像信号を、第1のメモリ25−1の記憶領域の下2つにカメラR13とカメラF11からのデジタル映像信号を書き込む。このように記憶領域の上下2段の近接した位置に書き込むと、4つのカメラ11〜14からの映像信号を第1のメモリ25−1から読み出した時に同じタイミングでの読み出しが可能となる。
【0023】
ここで、画像制御部30は、後述する状態レジスタ301が、第1のメモリ25−1へのデジタル映像信号の書き込みを停止する状態(書き込み停止の状態(状態「1」)であることを検出すると、表示制御部24の後述する書き込み停止レジスタ201を書き込み停止の状態(状態「1」)にする。このような状態になると、第1のメモリ25−1に書き込まれたデジタル映像信号を読み出しても、第1のメモリ25−1に格納されている映像信号は更新されていないため、カメラ11〜14で撮像されている現在の(リアルタイムな)映像信号は、第1のメモリ25−1から読み出すことはできない。
【0024】
一方で、第1のメモリ25−1への書き込みが停止した時点で、第1のメモリ25−1に書き込まれている映像信号が繰り返し読み出されるため、表示部には静止画が表示される。
これによって、運転者の意図に関係なく、ノイズ等の影響で状態レジスタ301や書き込み停止レジスタ201が書き込み停止状態となると、運転者は意図しない静止画に戸惑ってしまい運転に集中できなくなってしまったり、また、静止画に切り替わっていることを知らずに動画像と信じて運転を続けてしまったりするおそれがある。
【0025】
次に、画像合成部22は、第1のメモリ25−1から読み出した4方向を撮影した画像情報(前方画像情報、右側方画像情報,左側方画像情報,後方画像情報)のデジタル映像信号に対し、座標変換処理を施し、自車両のイメージ画像(ポリゴン画像等)を含まない合成画像を作成する。
【0026】
次に、画像合成部22は、自車両のイメージ画像を予め記憶した第3のメモリ(不揮発性メモリ)26(例えば、FLASHメモリ)から読み出し、合成画像に自車両のイメージ画像を重畳するように合成する(貼り付ける)。これによって作成された自車両のイメージ画像を含む合成画像(前方画像情報、右側方画像情報,左側方画像情報,後方画像情報、自車両のイメージ画像を含む)を第2のメモリ25−2に書き込む(画像をセーブする)。
【0027】
ここで、自車両のイメージ画像は必要な時に読み出し可能なように、上方、前方、後方、左右側方を含む周囲360度の全ての方向及び様々な高さから見た自車両のイメージ画像を第3のメモリ26に予め記憶しておく。さらに、第3のメモリ26に記憶した自車両のイメージ画像を揮発性メモリ(例えば、DRAM)に書き込んだものを読み出してもよい。
【0028】
そして、画像出力部23は、第2のメモリ25−2に記憶されている自車両のイメージ画像を含む合成画像を表示部40に出力する。ここで、画像出力部23は、D/A変換部(図示せず)を備えてもよい。出力信号として、アナログ映像信号が必要な場合には、デジタル映像信号をD/A変換部でD/A変換して、アナログ映像信号とした合成画像を、表示部40に出力する。なお、合成画像をデジタル映像信号で出力する場合には、合成画像のD/A変換は行わない。
【0029】
また、前述した実施形態では、映像信号の処理および制御において、カメラから取得された映像信号を第1のメモリ25−1に、合成画像の映像信号を第2のメモリ25−2に書き込んでいる。別の実施形態として、メモリの容量が十分に大きく、信号処理速度が十分速い場合は、第1のメモリと第2のメモリを1つのメモリとして、メモリ領域を分割して扱ってもよい。
【0030】
[1画面表示]
上記では、カメラ11〜14から取得された画像情報のそれぞれを合成した合成画像を表示部に出力するための画像信号処理について説明したが、次に、カメラB12によって取得された車両の後方周囲の画像情報のみを表示部に出力するための画像信号の処理について説明する。
【0031】
映像信号受信部21は、カメラB12によって撮影された後方画像情報を取得し、第1のメモリ25−1に書き込む。そして、第1のメモリ25−1に書き込まれた後方画像情報のデジタル映像信号のみを第1のメモリ25−1から読み出し、視点変換及び画像合成を行わずに、後方画像情報の1画面のみを表示部40へ出力する。必要な場合には、後方画像情報をD/A変換した後、表示部40へ出力する。
【0032】
また、同様にして、映像信号受信部21は、カメラF11、カメラR13又はカメラL14のいずれか一つによって撮影された画像情報のデジタル映像信号を第1のメモリ25−1から読み出し、画像情報を視点変換及び画像合成を行わずに、選択された画像情報の1画面のみを表示部40へ出力する。必要な場合には、後方画像情報をD/A変換した後、表示部40へ出力する。このようにして、4つのカメラのいずれかから得られた画像情報の1画面のみを表示部40に出力することができる。
【0033】
さらに、後方画像情報を視点変換した映像信号を1画面表示のための映像情報として用いることもできる。さらに、視点変換し、画像合成した合成画像から、必要な部分、例えば、後方画像情報のみを取り出して1画面情報とすることもできる。これは、1画面情報として、前方画像情報、右側方画像情報、左側方画像情報のいずれかを取り出す場合においても、同様にして合成画像からいずれかの1画面情報を取り出すことができる。
【0034】
[第2の合成画像]
さらに、合成画像とバックカメラB12の1画面とを更に合成した、第2の合成画像を作成することができる。自車両のイメージを含む合成画像のデジタル映像信号を第2のメモリ25−2から読み出し、バックカメラB12からの1画面の後方画像情報のデジタル映像信号を第1のメモリ25−1から読み出し、カメラ11〜14から画像情報を取得した時刻が同じとなるようにして、第2の合成画像を作成する。
【0035】
この際、合成画像と1画面の後方画像とを左右に並べて表示した第2の合成画像としてもよい。また、合成画像と1画面の後方画像とを上下に並べて表示した第2の合成画像としてもよい。さらに、1画面の画像は、後方画像以外の、前方画像、右側方画像、左側方画像のいずれか1つを任意に選択できる。
【0036】
ここで、1画面の後方画像は視点変換及び合成画像処理を行っていないので、第1のメモリ25−1から読み出されるカメラB12からの後方画像の映像信号のカメラB12での映像取得時刻は、第2のメモリ25−2から読み出される合成画像を作成する画像のカメラ11〜14からの映像取得時刻と比較すると、合成画像を作成するための視点変換及び画像合成処理等に要する時間だけ早い。
【0037】
したがって、カメラB12からの後方画像と合成画像とを合成する際には、両画像についての映像信号のカメラからの取得時刻が一致するように、後方画像を遅延させて第2の合成画像を作成することが必要である。
【0038】
また、1画面の前方画像、右側方画像、左側方画像のいずれかについても、1画面の後方画像と同様に、視点変換及び画像合成処理された合成画像とは、画像取得時間のずれがあるので、第2の合成画像を作成する際には、画像の取得時刻の調整が必要である。
【0039】
なお、第2の合成画像を作成する際に、合成画像の一部分を切り出して、1画面画像として利用し、更に、合成画像と合成する場合には、画像合成の元となる画像情報の取得時間のずれはない。したがって、映像取得時間を一致させるための、1画面画像の映像信号の遅延は不要である。
【0040】
図2に記載される表示制御部24においては、第1のメモリ25−1、第2のメモリ25−2、第3のメモリ(不揮発性メモリ)26が、表示制御部24の外部に配置されているが、表示制御部24の内部に配置してもよい。また、画像制御部30も、表示制御部24の内部に配置することができる。
【0041】
図3は、画像制御部30の状態レジスタ301、ステータスレジスタ302と、表示制御部24の書き込み停止レジスタ201、出力レジスタ202の動作を説明する図である。図3(a)は、状態レジスタが「1」(書き込み停止)の場合の状態を、図3(b)は、状態レジスタが「0」(書き込み許可)の場合の状態を示す。
【0042】
画像制御部30の状態レジスタ301の状態を設定するための手段として、第1のスイッチ31、第2のスイッチ32が画像制御部30に接続されている。そして、第1のスイッチ31及び第2のスイッチ32の動作により、状態レジスタ301の状態を「0」(書き込み許可)に設定することができる。
【0043】
図3(a)は、状態レジスタが「1」(第1のメモリへの書き込み停止)に設定された場合である。例えば、図4の運転支援モード(自動)(モード1)では、表示画面にナビゲーション画面(ナビ画面)が表示される。この場合には、カメラからの映像信号を第1のメモリ25−1へ書き込むことは不要である。したがって、運転支援モード(自動)(モード1)では、状態レジスタは「1」に設定される。この状態レジスタ「1」の設定及び解除は、ギヤの切り換えに応じて行われる。すなわち、ギヤの切り換えを検出する信号に基づいて第1のスイッチ31の動作が行われ、これにより状態レジスタ「1」の設定及び解除が行われる。(図2参照)
【0044】
ここで、表示制御部24の出力レジスタ202の動作について説明する。出力レジスタ202の状態は、「表1」に示すとおりである。
【0045】
【表1】

【0046】
出力レジスタ202は、ここでは、2ビット表示であり、表示は、「00」、「01」、「10」、「11」をとり得る。出力レジスタ202が「00」のときは、正常動作であり、また、出力レジスタ202の「01」、「10」は、いずれかのカメラからの映像信号を映像信号受信部が受信していない、即ち異常が生じていることを意味する。そして、出力レジスタ202が「11」のときは、第1のメモリ25−1への書き込み停止を意味する。メモリ制御部27は、表示制御部24の各部を監視し、その状態を出力レジスタ202に設定する。第1のメモリ25−1への書き込み停止は、ユーザーが意図して設定する場合もあるため、本来書き込み停止状態は異常状態とは言えない。本実施の形態では、元々異常状態を出力するための出力レジスタ202を利用して第1のメモリ25−1への書き込み停止状態を出力している。
【0047】
表示制御部24の出力レジスタ202の「01」、「10」のそれぞれに対して、どのカメラからの映像信号を映像信号受信部21が受信していないかを対応させることは任意である。例えば、「01」では、サイドカメラ13,14からの映像信号がないことを示し、「10」では、フロントカメラ11からの映像信号がないことを示すと設定できる。また、「01」、「10」に対して、他のカメラからの映像信号がないことを示すと設定することもできる。
【0048】
したがって、出力スレジスタ202の状態が、「11」であることは、カメラからの映像信号が単に受信されない状態とも異なることは明らかである。なお、出力レジスタ202の状態が「01」、「10」であることは、一般的には、対応付けられたカメラの何らかの不具合を意味する。
【0049】
さらに、表示制御部24の出力レジスタ202のビット数は、3以上、例えば3とすることができる。すると、正常状態及び第1のメモリ25−1への書き込み停止以外に、最大6つの異なる状態を出力することができる。そうすることにより、4つのカメラのいずれからの映像信号がないかを個別に検出して出力することもできるし、他の部位の異常状態を出力することもできる。
【0050】
表示制御部24の出力レジスタ202の状態は、画像制御部30のステータスレジスタ302に伝えられ、ステータスレジスタ302には、出力レジスタ202と同じ状態が設定される。例えば、出力レジスタ202が「00」であれば、ステータスレジスタ302にも「00」が設定され、出力レジスタ202が「11」であれば、ステータスレジスタ302にも「11」が設定される。
【0051】
次に、出力レジスタ202からステータスレジスタ302に伝えられた状態、例えば、「11」が、状態レジスタ301の状態「1」と一致していれば、正常であるため画像制御部30から新たな制御信号は出されない。しかしながら、例えば、状態レジスタ301が「0」の状態であるのに対して、出力レジスタ202から伝えられた、ステータスレジスタ302の状態が「11」であれば、画像制御部30により、ユーザの意図(状態レジスタ(「0」))と現在の状態(ステータスレジスタ(「11」))とが一致していないことが検出できる。
【0052】
言い換えると、状態レジスタ301が「第1のメモリへの書き込み許可」の状態(「0」)であるにもかかわらず、ステータスレジスタ302が「第1のメモリへの書き込み停止」の状態(「11」)を示している。すると、画像制御部30は、表示制御部24に異常が生じていると判断し、表示画面に出力される映像信号が、逐次更新されていないことを示すために、第2のメモリ25−2から警告画像を読み出し、表示部40に警告画像を表示するように制御する信号を出力する。
【0053】
ここで、画像制御部30の「状態レジスタ」301は、書き込み許可の状態「0」であるにもかかわらず、ノイズ等の何かの不具合により、表示制御部24の書き込み停止レジスタ201が、書き込み停止の状態「1」となる。すると、メモリ制御部27が、表示制御部24の書き込み停止レジスタ201が「1」となったことを検出して、出力レジスタ202を状態「11」とする。そして、画像制御部30は、出力レジスタ202が状態「11」となったことを検出して、ステータスレジスタ302を状態「11」とする。
【0054】
この状態では、状態レジスタ301の状態(「0」:第1のメモリへの書き込み許可)と、ステータスレジスタ302の状態(「11」:第1のメモリへの書き込み停止)とは一致していない。したがって、画像制御部30は、状態レジスタ301の状態とステータスレジスタ302の状態が一致していない、言い換えると、第1のメモリ25−1への書き込み許可と設定しているにもかかわらず、第1のメモリ25−1への書き込みが停止していることを検出する。
【0055】
そして、ユーザの意図に反して第1のメモリ25−1への書き込みが停止されていることをユーザに知らせるために、表示部の画面には警告画像が表示される。このようにして、フェイルセーフ処理を実行する。
【0056】
警告画像は、予め記憶された第3のメモリ(不揮発性メモリ)26から読み出されて表示される。警告画像に表示される警告信号としては、単色(例えば、黒、青)の画面、又は、警告内容を言語、記号、意匠、又は模様で表わす画面が含まれる。ユーザは、警告画像を見ることにより、映像信号の第1のメモリへの書き込みが停止していることを明確に認識できる。
【0057】
ここで、図4の運転支援モードでは、車両に搭載されたカメラ11〜14からの画像情報を合成した合成画面は表示画面に表示されていないので、カメラ11〜14によって取得された映像信号の第1のメモリ25−1への書き込みは行われない。したがって、画像制御部30の状態レジスタ301は、書き込み停止の状態(状態「1」)となっている。画像制御部30は、状態レジスタ301が、書き込み停止の状態(状態「1」)であることを検出すると、表示制御部24の書き込み停止レジスタ201を書き込み停止の状態(状態「1」)にする。
【0058】
そして、メモリ制御部27は、書き込み停止レジスタ201が書き込み停止の状態(状態「1」)になったことを検出して、第1のメモリへのデジタル映像信号の書き込みを停止させると共に、表示制御部24の出力レジスタ202を書き込み停止中であることを示す状態「11」とする。また、画像制御部30は、出力レジスタ202の出力を監視し、出力レジスタ202が書き込み停止の状態(状態「11」)になったことを検出してステータスレジスタ302を書き込み停止中であることを示す状態「11」とする。
【0059】
ここで、状態レジスタ301の状態「1」と、ステータスレジスタ302の状態「11」とを比較すると、いずれも、第1のメモリ25−1への書き込み停止の状態である。したがって、図3(a)のレジスタの状態は、ユーザの設定(状態レジスタ301「1」)と現在の状態、即ち、ステータスレジスタ302の状態(書き込み停止(状態「11」))が一致している。
【0060】
この場合には、ステータスレジスタ302は書き込み停止の状態であるが、ユーザが、第1のスイッチ31を動作させて行った状態レジスタ301の設定と一致するので問題はない。
【0061】
次に、運転者(ユーザ)がギヤを「リバース」に切り換えると、自動的に、表示画面が、ナビゲーション画面から、カメラ画像に切り換り、車両に搭載したカメラからの映像信号を変換したデジタル映像信号の第1のメモリ25−1への書き込みを開始する。即ち、ギヤ切り換えに連動して運転支援モード(自動)(モード1)から駐車支援モード(自動)(モード2)にモードが、切り換る(図4参照)。
【0062】
ギヤのリバースへの切り換えを検出し、その検出信号に基づく、第1のスイッチ31の動作により、画像制御部30の状態レジスタ301は、書き込み許可の状態(状態「0」)となる。そして、画像制御部30は、状態レジスタ301が書き込み許可の状態(状態「0」)であることを検出すると、表示制御部24の書き込み停止レジスタ201を、書き込み許可の状態(状態「0」)とする。そして、モード2の画面402又は403では、モード2が選択された状態を示す、スイッチ405が「ON」となっている(図4参照)。
【0063】
さらに、運転者(ユーザ)がギヤを「リバース」から「フォーワード」に切り換えると、表示画面が、カメラから映像信号に基づく合成画像から、ナビゲーション画面に自動的に切り換る。即ち、ギヤ切り換えに連動して、駐車支援モード(自動)(モード2)から運転支援モード(自動)(モード1)にモードが切り換る(図4参照)。
【0064】
同時に、車両に搭載したカメラからの映像信号を変換したデジタル映像信号の第1のメモリ25−1への書き込みは不要となり、第1のメモリ25−1への書き込みを停止する。そして、モード1の画面401では、モード1が選択された状態を示す、スイッチ404が「ON」となっている(図4参照)。
【0065】
そのとき、画像制御部30の「状態レジスタ」301は、書き込み許可(状態「0」)から書き込み停止(状態「1」)となる。同様にして、表示制御部24の「書き込み停止レジスタ」201も、書き込み許可(状態「0」)から書き込み停止(状態「1」)となる。
【0066】
再度、運転者(ユーザ)がギヤを「リバース」に切り換えると、表示画面が、ナビゲーション画面からカメラからの映像信号を表示する画面に自動的に切り換わる。同時に、車両に搭載したカメラからの映像信号を変換したデジタル映像信号の第1のメモリ25−1への書き込みが開始する。さらに、画像制御部30の状態レジスタ301は、書き込み許可(状態「0」)となり、表示制御部24の書き込み停止レジスタ201も、書き込み許可(状態「0」)となる。
【0067】
[表示画面切換え]
図4は、本発明の表示制御装置の表示モード1,2の説明図である。図4には、本発明での表示モードで、運転支援モード(モード1)と駐車支援モード(モード2)とを自動で切り換える際のモードの切換えと、切換えにより表示される画面を示している。通常の運転においては、運転支援モード(モード1)で、ナビゲーション画面(ナビ画面)401が表示され、ナビゲーションシステム(図示せず)からのナビゲーション画面401により、運転者の支援をする。
【0068】
ここで、画面上に形成したモード切り換えスイッチ404ないし407(例えば、タッチパネル上のスイッチ)は、それぞれ、モード1ないし4(図5参照)に対応している。したがって、モード1の画面401では、モード1に対応するスイッチ404が「ON」となっている。
【0069】
また、モード2の画面402、403では、モード2に対応するスイッチ405が「ON」となっている。このように、現在のモードが画面上に表示されているので、モードの確認が容易であり、モード切り換えもスイッチ404ないし407の選択により、任意に変更できる。
【0070】
駐車支援モード(モード2)においては、4台のカメラからの画像情報を利用して作成した自車両を含む合成画像とバックカメラB12からの後方画像を1画面とした第2の合成画像402の表示画面と、バックカメラB12からの後方画像のみを1画面とした表示画面403とを、ユーザは、例えば、画面(タッチパネル)上に形成した切り換えスイッチ408で切り換えることができる。
【0071】
スイッチ408により切り換えられる状態は、例えば、画面402では、スイッチ408が「ON」と表示され、画面403では、スイッチ408は「OFF」と表示される。モード1の画面401では、スイッチ408は、図4のように表示される場合は非アクティブとするか、または、画面表示しないかのいずれかが選択できる。
【0072】
ここで、運転支援モード(自動)(モード1)と駐車支援モード(自動)(モード2)とは、ギアの切換えに連動して自動で切り換えることができる。運転支援モード(モード1)の通常運転時に、ギアをリバースに切り換えると、ギアの切換えと連動して、表示モードが、運転支援モード(モード1)から駐車支援モード(モード2)に切り換わる。尚、モード1とモード2の切替はギヤ位置と車速に基づき行なうようにしてもよい。例えば、ギヤが「フォーワード」かつ車速が10Km/h以上の時、ナビゲーション画面に切り換え、ギヤが「フォーワード」かつ車速が10Km/h以下のとき、またはギヤが「リバース」のときに運転支援モード(自動)(モード1)に切り換えるようにしてもよい。
【0073】
ギヤの切換えと連動して、カメラからの映像信号を変換したデジタル映像信号の第1のメモリへの書き込みが開始し(第1のメモリへの書き込みが許可され)、表示モードが、ナビゲーション画面から、カメラからの映像信号による合成画像又は後方画像のみの1画面を表示するモードに切り換えられる。そして、図2に示す、映像信号の処理に従って、カメラからの画像を視点変換して合成した合成画像または後方画像のみの1画面が表示画面に表示される。
【0074】
したがって、運転支援モード(自動)(モード1)から駐車支援モード(自動)(モード2)に切り換えられると、状態レジスタ301は「0」(第1のメモリへの映像信号の書き込み許可)に設定される。また、駐車支援モード(自動)(モード2)から運転支援モード(自動)(モード1)に切り換えられると、状態レジスタ301は「1」(第1のメモリへの映像信号の書き込み停止)に設定される。
【0075】
そして、第1のメモリへの書き込みの許可(状態レジスタの「0」)と書き込み停止(状態レジスタの「1」)の設定は、ギヤ切り換えを検出する信号に基づく第1のスイッチ31の動作により行うことができる(図2参照)。
【0076】
ところで、駐車支援モード(モード2)には、第2の合成画像を表示するモード(画面402)と、後方画像の1画面のみを表示するモード(画面403)がある。ギアがリバースから他の位置に変更される時に、ギア切換え前に表示されているモード(第2の合成画像を表示するモード、又は、後方画像の1画面を表示するモード)が記憶される。
【0077】
次に、ギアがリバースに切り換えられた時には、前に記憶されている、駐車支援モード(モード2)のいずれかの表示モード(2画面又は1画面)が表示される。なお、駐車支援モード(モード2)の画面が表示されている間は、画面上のモード切り換えスイッチ408により、第2の合成画像を表示するモード(2画面402)と、後方画像情報の1画面のみを表示するモード(1画面403)の切換えが可能である。
【0078】
駐車支援モード(モード2)の画面が表示されている間は、第1のメモリ25−1への書き込みが許可されるので、通常動作では、画像情報のデジタル映像信号は、第1のメモリに逐次書き込まれており、第2の合成画像は、第2のメモリに逐次書き込まれている。
【0079】
しかし、運転支援モード(モード1)に切り換えられると、表示画面には、ナビゲーションシステムから取得した地図情報等のナビゲーション画像が表示される。そして、ナビゲーション画像を表示中は、カメラ11〜14から取得した画像情報のデジタル映像信号の第1のメモリ25−1への書き込みは不要となり、カメラからの映像信号を受信した映像信号受信部からのデジタル映像信号の第1のメモリ25−1への書き込みは停止する。
【0080】
これまで、車両に設置したカメラは4台として説明しているが、カメラは1台以上であればよい。設置するカメラの台数が少ないと、車両周囲の状況について得られる情報は減少する。しかし、例えば、カメラが1台であっても、そのカメラが車両後部に設置されるバックカメラ(カメラB)であれば、車両後部周囲の状況を把握することができる。したがって、駐車支援モード(モード2)での後方画像の1画面表示は可能である。また、カメラの台数が増加すると、合成画像を作成したとき、カメラ4台からの映像信号に基づく合成画像に近い画像が得られる。
【0081】
さらに、第2の合成画像402は、合成画像(俯瞰画像)と後方画像とを1画面に表示したものである。俯瞰画像と後方画像を1画面に表示することにより、車両が後進する際に、車両後方周囲の状況を正確に把握することができる。また、運転者は後方を振り返ることなく、自車両を含めた俯瞰画像とさらに詳細な車両後方周囲の後方画像を利用して運転ができる。後方画像のみで十分な場合には、後方画像の1画面に切り換えることができる。
【0082】
図5は、本発明の表示制御装置の表示モードの切換えを示す図である。表示モードには、「モード1」:運転支援モード(自動)(ナビ画像)、「モード2」:駐車支援モード(自動)、「モード3」:駐車支援モード、「モード4」:運転支援モードがある。モード1は、表示画面にナビゲーションの画像を表示するモードであり、モード2〜4は、表示画面にカメラからの画像情報(カメラ画像)を表示するモードである。
【0083】
ここで、表示画面にカメラからの映像信号を表示するモードである、駐車支援モード(自動)(モード2)、駐車支援モード(モード3)、運転支援モード(モード4)の各モードにおいては、状態レジスタは「0」となっている。即ち、映像信号の第1のメモリ25−1への書き込みが許可されている状態となっている。
【0084】
モード1ないし4の各モードは、画面上に形成した切り換えスイッチ404ないし407を用いて切り換えることができる。また、モード1からモード2への切り換えに伴う状態レジスタの「第1のメモリへの書き込み許可」の設定は、第1のスイッチ31の動作によりなし得る。また、その他のモード切り換えでの、第1のメモリへの書き込み許可の設定は、第2、第3及び第4モード切り換えスイッチ405,406及び407(図4参照)の選択に連動する、第2のスイッチ32の動作によりなし得る(図2参照)。
【0085】
これまで、第1のメモリへの書き込み許可の設定は、第1及び第2のスイッチ31,32の動作により行うと説明しているが、第1のメモリへの書き込み許可の設定を行うことができれば、他の設定手段でよいことは当業者に明らかである。ここで、第1及び第2のスイッチは、第1及び第2の設定手段とも呼べる。
【0086】
そして、状態レジスタが「0」(映像信号の第1のメモリへの書き込み許可)となっているにもかかわらず、何からの不具合により、書き込み停止レジスタの状態が「1」となることがある。すると、出力レジスタ202、ステータスレジスタ302はともに「11」となる。したがって、状態レジスタ301の状態「0」と、ステータスレジスタ302の状態「11」が異なる状態を示しており、画像制御部30が両者を比較して異なることを検出する。すると、画像制御部30からの制御信号により、第2のメモリ25−2から読み出された警告画像が表示部40に表示される。
【0087】
一方、表示画面にナビ画面を表示するモードである、運転支援モード(自動)(ナビ画像)(モード1)においては、状態レジスタは「1」となっている。即ち、映像信号の第1のメモリへの書き込みは停止された状態となっている。
【0088】
そして、カメラ画像を表示するモードには、ギヤをリバースに切り換えると自動的にカメラ画像が表示される「モード2」(駐車支援モード(自動))と、駐車操作中にギヤをリバースからフォーワードに戻してもカメラ画像が引き続き表示されるように設定した「モード3」(駐車支援モード)と、通常の運転中にカメラ画像を利用した運転ができる「モード4」(運転支援モード)がある。
【0089】
さらに、「モード1」から「モード2」への切換えのために、ギヤをリバースに切り換えると、表示画面がナビ画像401からカメラ画像402,403に自動的に切り換えられる。逆に「モード2」から「モード1」への切換えのために、ギヤをリバースからフォーワードに戻すと、カメラ画像402,403からナビ画像401に自動的に切り換えられる。また、図5に各モード間の切換えを示す。「モード1」と「モード2」との間の切換え以外の、「モード1」〜「モード4」の相互の切換えは、画面上に形成した切り換えスイッチ404ないし407により任意に行うことができる。
【0090】
ナビ画像を表示したモード1を利用した通常の運転から、ギヤをリバースにすると駐車支援モード(自動)(モード2)となり、表示画面に、カメラからの映像情報を利用した画像が表示される。しかし、駐車操作中にギヤをリバースからフォーワードに戻す必要がある場合には、画面上のスイッチ406で駐車支援モード2から駐車支援モード(モード3)にモードを切り換えておく。すると、ギヤをリバースからフォーワードに戻しても、表示画面には、引き続きカメラからの映像情報を利用した画像が表示される。したがって、駐車操作中に切返しなどの操作を行う場合には、駐車支援モード(モード3)が利用できる。
【0091】
さらに、駐車支援モード(自動)(モード2)と駐車支援モード(モード3)のいずれにおいても、表示モードは、俯瞰画像とバックカメラからの画像との合成画像と、バックカメラからの1画像のみの表示画像とを画面上のスイッチ408により切り換えることができる(図4参照)。
【0092】
また、通常の運転中には、「モード1」(運転支援モード)(自動)により表示画面にナビ画像を表示することができ、「モード1」(運転支援モード)(自動)と「モード4」(運転支援モード)との間では、画面上のスイッチ404,407により切り換えができる。「モード4」(運転支援モード)では、俯瞰画面とフロント画面からの画像との合成画像、俯瞰画面とサイド画面からの画像との合成画像又は俯瞰画面とバック画面からの画像との合成画像を表示画面に表示できる。例えば、カメラからの画像を表示することにより、車両側面又は、車両斜め後方等の運転者から見えにくい方向の映像を表示した表示画面により状況を正確に確認できる。
【0093】
しかしながら、何らかの不具合により、カメラ11〜14からの画像情報についての映像信号の第1のメモリ25−1への書き込みが停止すると、第1のメモリへの映像信号は更新されなくなる。そのため、第1のメモリ25−1から読み出した映像信号に基づいて合成される、第2のメモリ25−2へ書き込まれる合成画像も、第1のメモリ25−1への映像信号の書き込みが停止される前の映像信号に基づくものとなる。したがって、第2のメモリ25−2から読み出され、画像出力部23(図2参照)から出力される映像信号は更新されず、静止画が表示画面に表示される。
【0094】
したがって、運転者は、カメラ11〜14からの画像情報がどのようなものであるか、現在の車両周辺の状況がどのように変化しているかを把握することができない。そして、安全が確認できない状況で運転することになる。
【0095】
モード2(駐車支援モード(自動))、モード3(駐車支援モード)及びモード4(運転支援モード)のいずれにおいても、カメラから取得した画像情報を表示画面に表示中は、映像信号の第1のメモリ25−1への書き込みは許容されているので、カメラから取得した映像信号の第1のメモリ25−1への書き込みが停止する可能性がある。しかし、モード1(運転支援モード)(自動)においては、映像信号の第1のメモリ25−1への書き込みは許容されていない。
【0096】
映像信号の第1のメモリ25−1への書き込みが許容されている場合で、映像信号の第1のメモリ25−1への書き込みが停止した時には、メモリ制御部27からの制御信号により、第2のメモリ25−2から、予め記憶されている、警告画像が表示部40に表示される。警告画像としては、一色、例えば、青又は黒、の画面がある。また、警告内容を言語、記号、意匠又は模様で表わす画面であってもよい。
【0097】
図6は、本発明の表示制御装置のモード4の表示画像の一例である。通常運転においても、ナビ画面を表示させないで、カメラ画像を表示することにより、運転者がより安全に運転することをサポートすることができる。
【0098】
上記説明においては、カメラ映像を用いた車載用の運転支援装置を例にとり説明したが、DVD等の映像記録再生装置やデジタルテレビなどの映像表示装置であれば適用可能である。
【0099】
また、上記説明においては、画像制御部及び表示制御装置にレジスタを備え、画像制御部の状態レジスタの状態とステータスレジスタの状態との一致・不一致を検出することにより、ユーザが設定した状態(第1のメモリへの書き込み許可)と、現在の状態が同じか異なるかを検出した。しかし、レジスタ以外の手段により、ユーザが設定した状態と現在の状態との一致・不一致を検出することができる、他の手段を用いてもよいことは当業者にとって明らかである。
【符号の説明】
【0100】
10 自車両
11 前部(F)カメラ
12 後部(B)カメラ
13 右側部(RS)カメラ
14 左側部(LS)カメラ
101 自車両の画像
111 前方画像
121 後方画像
131 右側方画像
141 左側方画像
20 表示制御装置
201 書き込み停止レジスタ
202 出力レジスタ
21 映像信号受信部
22 画像合成部
23 画像出力部
24 表示制御部
25−1 第1のメモリ
25−2 第2のメモリ
26 第3のメモリ(不揮発性メモリ)
27 メモリ制御部
28、29 バス
30 画像制御部
31 第1のスイッチ
32 第2のスイッチ
33、34、35、36、37、38 バス
301 状態レジスタ
302 ステータスレジスタ
40 表示部
401 ナビゲーション画面
402 第2の合成画面
403 1画面
404、405、406、407 第1ないし第4モード切り換えスイッチ
408 モード切り換えスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号を受信し、受信した映像信号を第1のメモリに書き込む映像信号受信部と、
前記映像信号を処理した画像を表示部に出力する画像出力部と、
第1のメモリへの前記映像信号の書き込みが許可に設定されている場合で、前記映像信号の第1のメモリへの書き込みが停止したときに、フェイルセーフ処理を実行するメモリ制御部と、
を有することを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記映像信号は車両に設置したカメラから車両の周囲が撮影された映像信号であり、
前記第1のメモリから読み出し視点変換した映像信号と予め記憶されている車両の画像とを合成した合成画像を作成する画像合成部を更に備え、
前記メモリ制御部は、フェイルセーフ処理として、前記合成画像に代えて警告画像を表示部に出力することを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
画像制御部により前記第1のメモリへの書き込みの停止が設定される書き込み停止レジスタ、および出力レジスタを備え、前記メモリ制御部は前記書き込み停止レジスタが書き込み停止状態に設定されていることを検出すると前記第1のメモリへの前記映像信号の書き込みを停止すると共に、書き込み停止状態であることを出力レジスタに設定し、
前記画像制御部は、前記書き込み停止レジスタに書き込み停止を設定していないにもかかわらず該出力レジスタが書き込み停止状態であることを示すとき異常が発生したと判断し、前記メモリ制御部に異常を通知することを特徴とする請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
車両のギアがリバースに切り換えられた時に、前記第1のメモリへの前記映像信号の書き込みの許可の設定を行う設定手段を更に有することを特徴とする請求項2または3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記映像信号を処理した画像又は前記警告画像を表示する表示部を更に有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項6】
画像制御部と、
映像信号を受信し、受信した映像信号を第1のメモリに書き込む映像信号受信部と、
前記映像信号を処理した画像を表示部に出力する画像出力部と、
第1のメモリへの前記映像信号の書き込みが許可に設定されている場合で、前記映像信号の第1のメモリへの書き込みが停止したときに、フェイルセーフ処理を実行するメモリ制御部と、
を有することを特徴とする制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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