表示削除装置、コンピュータの制御方法及びプログラム
【課題】
キーの数が限られる携帯端末において、入力した文字を効率的に削除できる表示削除装置、そのためのコンピュータの制御方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】
操作部12に備えられたクリアキーを押下し、1秒未満の間に4文字削除すると、操作指示部24によりポップアップメニューが作成され、表示部10に表示される。ポップアップメニューには、削除された文字が含まれていた段落を削除する「段落消し」、削除された文字が含まれていた文を削除する「文消し」、削除された文字が含まれていた行を削除する「行消し」の各項目が含まれ、使用者が選択して削除作業を効率化できる。
キーの数が限られる携帯端末において、入力した文字を効率的に削除できる表示削除装置、そのためのコンピュータの制御方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】
操作部12に備えられたクリアキーを押下し、1秒未満の間に4文字削除すると、操作指示部24によりポップアップメニューが作成され、表示部10に表示される。ポップアップメニューには、削除された文字が含まれていた段落を削除する「段落消し」、削除された文字が含まれていた文を削除する「文消し」、削除された文字が含まれていた行を削除する「行消し」の各項目が含まれ、使用者が選択して削除作業を効率化できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末における表示削除装置、そのためのコンピュータの制御方法及びプログラムの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、携帯電話等の携帯端末では、文字入力中に入力データを削除するためのクリアキーが備えられ、このクリアキーの短押し、長押しにより削除操作を行っていた。
【0003】
また、下記特許文献1には、文字入力の効率化を図るため、ユーザが希望する用語を別途記憶しておき、入力文字を用語に変換する際に、この別途記憶している用語を使用することができるようにした携帯電話機が開示されている。
【特許文献1】特開2003−122746号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の技術では、キーの数が限られる携帯端末において、入力データの削除を、クリアキーの短押し(1文字削除)、長押し(押している間連続的に文字削除)だけで対応しなければならず、操作が煩雑で操作時間が増大するという問題があった。また、上記特許文献1に開示された技術は文字入力に関するものであり、文字消去に関する効率化技術に適用することはできないという問題もあった。
【0005】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、キーの数が限られる携帯端末において、入力した文字を効率的に削除できる表示削除装置、そのためのコンピュータの制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、表示削除装置であって、削除キーにより削除された各文字を示すデータを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された文字数が所定の数に達したときに、複数の削除処理の中からその後に実行すべき削除処理を選択するためのメニュー画面を表示する表示手段と、
を備え、前記メニュー画面に表示される複数の削除処理には、互いに異なる削除単位を削除対象とする削除処理が含まれることを特徴とする。
【0007】
また、上記表示削除装置において、前記メニュー画面に表示される処理の内容は、前記削除された文字が含まれていた段落を消去する段落消し処理、前記削除された文字が含まれていた文章を消去する文消し処理、前記削除された文字が含まれていた行を消去する行消し処理が含まれることを特徴とする。
【0008】
また、上記表示削除装置において、前記メニュー画面に表示される複数の削除処理の項目は、前記削除キーにより削除される各文字の文章中の位置情報にかかわらず、同一であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、コンピュータの制御方法であって、削除キーにより削除された文字を示すデータを記憶手段に記憶させるステップと、表示手段が、前記記憶手段に記憶された文字数が所定の数に達したときに、複数の削除処理の中からその後に実行すべき処理を選択するためのメニュー画面を表示するステップと、を含み、前記メニュー画面に表示される複数の削除処理には、互いに異なる削除単位を削除対象とする削除処理が含まれることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、削除キーにより削除された文字を示すデータを記憶する記憶手段、及び前記記憶手段に記憶された文字数が所定の数に達したときに、複数の削除処理の中からその後に実行すべき削除処理を選択するためのメニュー画面を表示する表示手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記メニュー画面に表示される複数の削除処理には、互いに異なる削除単位を削除対象とする削除処理が含まれることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、少ないキー操作で効率的に文字削除を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0013】
図1には、本発明にかかる表示削除装置を適用した携帯端末の一実施形態の構成のブロック図が示される。図1において、携帯端末は、表示部10、操作部12、記憶部14、時間計測部16、通信部18及び制御部20で構成されている。
【0014】
表示部10は、例えば液晶ディスプレイ等で構成され、文字データ等のキー入力の内容、各種図形等を表示する。上記キー入力は、図1の操作部12により行う。この操作部12は、例えば携帯端末の操作ボタン等により構成される。
【0015】
記憶部14は、例えば制御部20の作業用のRAM、不揮発性メモリとしてのEEPROM、磁気記憶媒体等で構成されており、キー入力の内容等の各種データが記憶される。
【0016】
時間計測部16は、時計等の計時機能を含んだ構成とされており、携帯端末の制御を行う際に必要となる時間データを発生させる。
【0017】
通信部18は、公知の方法により基地局と通信して携帯通信端末としての通話機能を実現している。なお、本発明をPDA(パーソナルデジタルアシスタンス)等に適用した場合には、通信部18は不要である。
【0018】
制御部20は、例えばCPU等で構成され、表示部10、操作部12、記憶部14、時間計測部16及び通信部18とデータのやり取りを行いながらこれらの動作を制御する。
【0019】
制御部20の表示制御部22は、主として表示部10に表示される内容を制御する。操作指示部24は、後述する削除処理を選択するためのポップアップメニュー画面を表示する等使用者に所定の操作を促すような画面表示等の動作を携帯端末に行わせるための制御を行う。判定部26は、使用者により所定のキーが押下されたか否か等携帯端末の制御に必要な判定を実行するための制御を行う。時間管理部28は、時間計測部16で発生した時間データを取得し、所定のキーが押下されてからの時間等携帯端末の制御に必要な時間データを管理する制御を行う。文字位置管理部30は、表示部10の画面に表示された文章中の各文字の位置データを管理する制御を行う。
【0020】
図2には、文字位置管理部30が、操作部12のクリアキーにより削除された文字の位置データの管理に使用する記憶部14の記憶領域の例が示される。図2において、記憶部14には4個の記憶領域M1、M2、M3、M4が備えられ、各記憶領域には、削除された文字データと、その文字の文章中の位置データとが記憶されるように構成されている。この場合の記憶部14が、本発明にかかる、削除された文字を示すデータを1文字毎に文章中の位置情報とともに記憶する記憶手段に相当する。なお、図2には、4個の記憶領域M1、M2、M3、M4が備えられた例が示されるが、4個に限られるものではなく、適宜数を決定できる。
【0021】
図3及び図4は、以上に述べた表示削除装置において、入力された文字データの削除を実行する際の動作を示すフロー図である。なお、以下に説明するフローは、媒体に格納されたプログラムをCPUが実行して実現してもよい。
【0022】
図3及び図4において、表示部10に文章等を表示するために所望の文字を入力中に、操作部12に備えられた、入力文字を削除するためのクリアキーを押下すると(S1)、時間管理部28が時間計測部16から現在時刻を取得して記憶部14の領域xに格納する(S2)。また、文字位置管理部30が、クリアキーの押下により削除された1文字を、該文字の文章中の位置とともに上記記憶部14の領域M1に格納する(S3)。
【0023】
ここで再度クリアキーが押下されると(S4)、文字位置管理部30が、クリアキーの押下により削除された1文字を、文章中の位置とともに記憶部14の領域M2に格納する(S5)。さらに、クリアキーが押下されると(S6)、文字位置管理部30が、クリアキーの押下により削除された1文字を、文章中の位置とともに記憶部14の領域M3に格納する(S7)。
【0024】
次に、4回目のクリアキーが押下されると(S8)、時間管理部28が時間計測部16から現在時刻を取得して記憶部14の領域yに格納する(S9)。ここで、xに格納された時刻とyに格納された時刻との差すなわち4文字を削除する時間が所定値以内、例えば1秒未満か否かを判定部26が判定し(S10)、1秒未満であれば、文字位置管理部30が、クリアキーの押下により削除された1文字を、文章中の位置とともに記憶部14の領域M4に格納する(S11)。
【0025】
なお、上記S4、S6またはS8においてクリアキーの押下がなく、またはS10においてxに格納された時刻とyに格納された時刻との差が1秒以上である場合には、後述するポップアップメニューの消去処理が実行される(S22)。
【0026】
次に、操作指示部24によりポップアップメニューの作成処理が実行される(S12)。ポップアップメニューは、クリアキーにより削除された文字の文章中の位置に応じて、後述の図5、図6、図7に基づき作成される。この場合の操作指示部24は、本発明にかかる表示手段及び表示変更手段として機能する。上記ポップアップメニューは、例えば文字データ入力中の表示部10の画面に、「中止」、「段落消し」、「文消し」、「行消し」の各項目が同時に表示されるものである(S13)。「中止」は、ポップアップメニュー中の「段落消し」、「文消し」、「行消し」の処理をいずれも実行しない処理である。「段落消し」は、入力中の文章のうち削除された文字が含まれていた段落(カーソルの位置とその直後の改行位置との間の文字列または当該段落の全ての文字列)を削除する処理である。「文消し」は、入力中の文章のうち削除された文字が含まれていた文(句点と句点との間の文字列)を削除する処理である。「行消し」は、入力中の文章のうち削除された文字が含まれていた行(画面に表示された1行文の文字列)を削除する処理である。
【0027】
次に、判定部26により、上下キーまたはセンターキーすなわちポップアップメニュー中の項目を選択するキーが押下されたか否かが判定される(S14)。上下キーまたはセンターキー以外のキーが押下された場合は、後述するポップアップメニューの消去処理が実行された後にその押下されたキーに対応する処理が実行される(S22)。
【0028】
一方、上下キーまたはセンターキーが押下された場合は、判定部26により、ポップアップメニュー中の「中止」が選択されたか否かが判定される(S15)。「中止」が選択された場合には、ポップアップメニューの消去処理が実行される(S22)。また、「中止」が選択されない場合には、判定部26により、ポップアップメニュー中の「段落消し」が選択されたか否かが判定される(S16)。「段落消し」が選択された場合には、上述した段落消し処理が実行される(S17)。「段落消し」が選択されない場合には、判定部26により、ポップアップメニュー中の「文消し」が選択されたか否かが判定される(S18)。「文消し」が選択された場合には、上述した文消し処理が実行される(S19)。「文消し」が選択されない場合には、判定部26により、ポップアップメニュー中の「行消し」が選択されたか否かが判定される(S20)。「行消し」が選択された場合には、上述した行消し処理が実行される(S21)。
【0029】
ここで、「行消し」が選択されず、例えば削除キーが押下された場合には、操作指示部24によりポップアップメニューの消去処理が実行され、表示部10の画面からポップアップメニューの表示が消去される(S22)。
【0030】
次に、文字位置管理部30が記憶部14の領域M1、M2、M3及びM4を開放する(S23)。
【0031】
以上に述べたように、クリアキーにより削除された文字数が所定の数(本実施形態では4文字)に達すると、複数の削除処理の中からその後に実行すべき削除処理を選択するためのポップアップメニューが表示されるので、文字の削除作業を効率化することができる。なお、前述の通り、ポップアップメニューが表示されるまでの削除文字数は4文字に限られるものではなく、適宜決定することができる。
図5、図6及び図7には、上記S12で述べたポップアップメニューの作成処理の例が示される。図5には、処理Aの例が示され、判定部26により、上記M1、M2、M3及びM4に格納された消去済文字が、画面表示された文章の2段落以上にわたっているか否かが判定され(S24)、2段落以上にわたっていれば「段落消し」の表示が最後尾(ポップアップメニュー中の選択位置としてデフォルトのカーソル位置から最も遠い位置)に移動される(S25)。消去済文字が2段落以上にわたっていれば、当該文字が含まれていた段落を全て削除する可能性が低いからである。また、2段落以上にわたっていなければ処理Aを終了する。
【0032】
次に、図6には、処理Bの例が示され、判定部26により、上記M1、M2、M3及びM4に格納された消去済文字が、画面表示された文章の2文以上にわたっているか否かが判定され(S26)、2文以上にわたっていれば「文消し」の表示が最後尾(ポップアップメニュー中の選択位置としてデフォルトのカーソル位置から最も遠い位置)に移動される(S27)。消去済文字が2文以上にわたっていれば、当該文字が含まれていた文を全て削除する可能性が低いからである。また、2文以上にわたっていなければ処理Bを終了する。
【0033】
さらに、図7には、処理Cの例が示され、判定部26により、上記M1、M2、M3及びM4に格納された消去済文字が、画面表示された文章の2行以上にわたっているか否かが判定され(S28)、2行以上にわたっていれば「行消し」の表示が最後尾(ポップアップメニュー中の選択位置としてデフォルトのカーソル位置から最も遠い位置)に移動される(S29)。消去済文字が2行以上にわたっていれば、当該文字が含まれていた行を全て削除する可能性が低いからである。また、2段落以上にわたっていなければ処理Cを終了する。
【0034】
図8、図9、図10及び図11には、表示部10に表示される画面の例が示される。図8は、メール編集画面の例であり、矢印(1)により指摘される「さて明日午後1時より」の部分を削除する場合が示されている。
【0035】
図9の矢印(2)に示されるように、クリアキーにより「さて明日」までの4文字が削除されると、上述したポップアップメニューの作成処理が実行され、図10の矢印(3)に示されるように、画面にポップアップメニューが表示される。ここで、例えば「文消し」を選択すると、図11の矢印(4)に示されるように、削除された文字が含まれていた文(句点の間の文字列)が削除される。
【0036】
以上により、文字の削除作業を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明にかかる表示削除装置を適用した携帯端末の一実施形態の構成のブロック図である。
【図2】図1に示された記憶部の記憶領域の例を示す図である。
【図3】図1に示された表示削除装置において、入力された文字データの削除を実行する際の動作を示すフロー図である。
【図4】図1に示された表示削除装置において、入力された文字データの削除を実行する際の動作を示すフロー図である。
【図5】ポップアップメニューの作成処理の例を示すフロー図である。
【図6】ポップアップメニューの作成処理の例を示すフロー図である。
【図7】ポップアップメニューの作成処理の例を示すフロー図である。
【図8】図1に示された表示部に表示される画面の例を示す図である。
【図9】図1に示された表示部に表示される画面の例を示す図である。
【図10】図1に示された表示部に表示される画面の例を示す図である。
【図11】図1に示された表示部に表示される画面の例を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
10 表示部、12 操作部、14 記憶部、16 時間計測部、18 通信部、20
制御部、22 表示制御部、24 操作指示部、26 判定部、28 時間管理部、30 文字位置管理部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末における表示削除装置、そのためのコンピュータの制御方法及びプログラムの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、携帯電話等の携帯端末では、文字入力中に入力データを削除するためのクリアキーが備えられ、このクリアキーの短押し、長押しにより削除操作を行っていた。
【0003】
また、下記特許文献1には、文字入力の効率化を図るため、ユーザが希望する用語を別途記憶しておき、入力文字を用語に変換する際に、この別途記憶している用語を使用することができるようにした携帯電話機が開示されている。
【特許文献1】特開2003−122746号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の技術では、キーの数が限られる携帯端末において、入力データの削除を、クリアキーの短押し(1文字削除)、長押し(押している間連続的に文字削除)だけで対応しなければならず、操作が煩雑で操作時間が増大するという問題があった。また、上記特許文献1に開示された技術は文字入力に関するものであり、文字消去に関する効率化技術に適用することはできないという問題もあった。
【0005】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、キーの数が限られる携帯端末において、入力した文字を効率的に削除できる表示削除装置、そのためのコンピュータの制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、表示削除装置であって、削除キーにより削除された各文字を示すデータを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された文字数が所定の数に達したときに、複数の削除処理の中からその後に実行すべき削除処理を選択するためのメニュー画面を表示する表示手段と、
を備え、前記メニュー画面に表示される複数の削除処理には、互いに異なる削除単位を削除対象とする削除処理が含まれることを特徴とする。
【0007】
また、上記表示削除装置において、前記メニュー画面に表示される処理の内容は、前記削除された文字が含まれていた段落を消去する段落消し処理、前記削除された文字が含まれていた文章を消去する文消し処理、前記削除された文字が含まれていた行を消去する行消し処理が含まれることを特徴とする。
【0008】
また、上記表示削除装置において、前記メニュー画面に表示される複数の削除処理の項目は、前記削除キーにより削除される各文字の文章中の位置情報にかかわらず、同一であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、コンピュータの制御方法であって、削除キーにより削除された文字を示すデータを記憶手段に記憶させるステップと、表示手段が、前記記憶手段に記憶された文字数が所定の数に達したときに、複数の削除処理の中からその後に実行すべき処理を選択するためのメニュー画面を表示するステップと、を含み、前記メニュー画面に表示される複数の削除処理には、互いに異なる削除単位を削除対象とする削除処理が含まれることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、削除キーにより削除された文字を示すデータを記憶する記憶手段、及び前記記憶手段に記憶された文字数が所定の数に達したときに、複数の削除処理の中からその後に実行すべき削除処理を選択するためのメニュー画面を表示する表示手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記メニュー画面に表示される複数の削除処理には、互いに異なる削除単位を削除対象とする削除処理が含まれることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、少ないキー操作で効率的に文字削除を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0013】
図1には、本発明にかかる表示削除装置を適用した携帯端末の一実施形態の構成のブロック図が示される。図1において、携帯端末は、表示部10、操作部12、記憶部14、時間計測部16、通信部18及び制御部20で構成されている。
【0014】
表示部10は、例えば液晶ディスプレイ等で構成され、文字データ等のキー入力の内容、各種図形等を表示する。上記キー入力は、図1の操作部12により行う。この操作部12は、例えば携帯端末の操作ボタン等により構成される。
【0015】
記憶部14は、例えば制御部20の作業用のRAM、不揮発性メモリとしてのEEPROM、磁気記憶媒体等で構成されており、キー入力の内容等の各種データが記憶される。
【0016】
時間計測部16は、時計等の計時機能を含んだ構成とされており、携帯端末の制御を行う際に必要となる時間データを発生させる。
【0017】
通信部18は、公知の方法により基地局と通信して携帯通信端末としての通話機能を実現している。なお、本発明をPDA(パーソナルデジタルアシスタンス)等に適用した場合には、通信部18は不要である。
【0018】
制御部20は、例えばCPU等で構成され、表示部10、操作部12、記憶部14、時間計測部16及び通信部18とデータのやり取りを行いながらこれらの動作を制御する。
【0019】
制御部20の表示制御部22は、主として表示部10に表示される内容を制御する。操作指示部24は、後述する削除処理を選択するためのポップアップメニュー画面を表示する等使用者に所定の操作を促すような画面表示等の動作を携帯端末に行わせるための制御を行う。判定部26は、使用者により所定のキーが押下されたか否か等携帯端末の制御に必要な判定を実行するための制御を行う。時間管理部28は、時間計測部16で発生した時間データを取得し、所定のキーが押下されてからの時間等携帯端末の制御に必要な時間データを管理する制御を行う。文字位置管理部30は、表示部10の画面に表示された文章中の各文字の位置データを管理する制御を行う。
【0020】
図2には、文字位置管理部30が、操作部12のクリアキーにより削除された文字の位置データの管理に使用する記憶部14の記憶領域の例が示される。図2において、記憶部14には4個の記憶領域M1、M2、M3、M4が備えられ、各記憶領域には、削除された文字データと、その文字の文章中の位置データとが記憶されるように構成されている。この場合の記憶部14が、本発明にかかる、削除された文字を示すデータを1文字毎に文章中の位置情報とともに記憶する記憶手段に相当する。なお、図2には、4個の記憶領域M1、M2、M3、M4が備えられた例が示されるが、4個に限られるものではなく、適宜数を決定できる。
【0021】
図3及び図4は、以上に述べた表示削除装置において、入力された文字データの削除を実行する際の動作を示すフロー図である。なお、以下に説明するフローは、媒体に格納されたプログラムをCPUが実行して実現してもよい。
【0022】
図3及び図4において、表示部10に文章等を表示するために所望の文字を入力中に、操作部12に備えられた、入力文字を削除するためのクリアキーを押下すると(S1)、時間管理部28が時間計測部16から現在時刻を取得して記憶部14の領域xに格納する(S2)。また、文字位置管理部30が、クリアキーの押下により削除された1文字を、該文字の文章中の位置とともに上記記憶部14の領域M1に格納する(S3)。
【0023】
ここで再度クリアキーが押下されると(S4)、文字位置管理部30が、クリアキーの押下により削除された1文字を、文章中の位置とともに記憶部14の領域M2に格納する(S5)。さらに、クリアキーが押下されると(S6)、文字位置管理部30が、クリアキーの押下により削除された1文字を、文章中の位置とともに記憶部14の領域M3に格納する(S7)。
【0024】
次に、4回目のクリアキーが押下されると(S8)、時間管理部28が時間計測部16から現在時刻を取得して記憶部14の領域yに格納する(S9)。ここで、xに格納された時刻とyに格納された時刻との差すなわち4文字を削除する時間が所定値以内、例えば1秒未満か否かを判定部26が判定し(S10)、1秒未満であれば、文字位置管理部30が、クリアキーの押下により削除された1文字を、文章中の位置とともに記憶部14の領域M4に格納する(S11)。
【0025】
なお、上記S4、S6またはS8においてクリアキーの押下がなく、またはS10においてxに格納された時刻とyに格納された時刻との差が1秒以上である場合には、後述するポップアップメニューの消去処理が実行される(S22)。
【0026】
次に、操作指示部24によりポップアップメニューの作成処理が実行される(S12)。ポップアップメニューは、クリアキーにより削除された文字の文章中の位置に応じて、後述の図5、図6、図7に基づき作成される。この場合の操作指示部24は、本発明にかかる表示手段及び表示変更手段として機能する。上記ポップアップメニューは、例えば文字データ入力中の表示部10の画面に、「中止」、「段落消し」、「文消し」、「行消し」の各項目が同時に表示されるものである(S13)。「中止」は、ポップアップメニュー中の「段落消し」、「文消し」、「行消し」の処理をいずれも実行しない処理である。「段落消し」は、入力中の文章のうち削除された文字が含まれていた段落(カーソルの位置とその直後の改行位置との間の文字列または当該段落の全ての文字列)を削除する処理である。「文消し」は、入力中の文章のうち削除された文字が含まれていた文(句点と句点との間の文字列)を削除する処理である。「行消し」は、入力中の文章のうち削除された文字が含まれていた行(画面に表示された1行文の文字列)を削除する処理である。
【0027】
次に、判定部26により、上下キーまたはセンターキーすなわちポップアップメニュー中の項目を選択するキーが押下されたか否かが判定される(S14)。上下キーまたはセンターキー以外のキーが押下された場合は、後述するポップアップメニューの消去処理が実行された後にその押下されたキーに対応する処理が実行される(S22)。
【0028】
一方、上下キーまたはセンターキーが押下された場合は、判定部26により、ポップアップメニュー中の「中止」が選択されたか否かが判定される(S15)。「中止」が選択された場合には、ポップアップメニューの消去処理が実行される(S22)。また、「中止」が選択されない場合には、判定部26により、ポップアップメニュー中の「段落消し」が選択されたか否かが判定される(S16)。「段落消し」が選択された場合には、上述した段落消し処理が実行される(S17)。「段落消し」が選択されない場合には、判定部26により、ポップアップメニュー中の「文消し」が選択されたか否かが判定される(S18)。「文消し」が選択された場合には、上述した文消し処理が実行される(S19)。「文消し」が選択されない場合には、判定部26により、ポップアップメニュー中の「行消し」が選択されたか否かが判定される(S20)。「行消し」が選択された場合には、上述した行消し処理が実行される(S21)。
【0029】
ここで、「行消し」が選択されず、例えば削除キーが押下された場合には、操作指示部24によりポップアップメニューの消去処理が実行され、表示部10の画面からポップアップメニューの表示が消去される(S22)。
【0030】
次に、文字位置管理部30が記憶部14の領域M1、M2、M3及びM4を開放する(S23)。
【0031】
以上に述べたように、クリアキーにより削除された文字数が所定の数(本実施形態では4文字)に達すると、複数の削除処理の中からその後に実行すべき削除処理を選択するためのポップアップメニューが表示されるので、文字の削除作業を効率化することができる。なお、前述の通り、ポップアップメニューが表示されるまでの削除文字数は4文字に限られるものではなく、適宜決定することができる。
図5、図6及び図7には、上記S12で述べたポップアップメニューの作成処理の例が示される。図5には、処理Aの例が示され、判定部26により、上記M1、M2、M3及びM4に格納された消去済文字が、画面表示された文章の2段落以上にわたっているか否かが判定され(S24)、2段落以上にわたっていれば「段落消し」の表示が最後尾(ポップアップメニュー中の選択位置としてデフォルトのカーソル位置から最も遠い位置)に移動される(S25)。消去済文字が2段落以上にわたっていれば、当該文字が含まれていた段落を全て削除する可能性が低いからである。また、2段落以上にわたっていなければ処理Aを終了する。
【0032】
次に、図6には、処理Bの例が示され、判定部26により、上記M1、M2、M3及びM4に格納された消去済文字が、画面表示された文章の2文以上にわたっているか否かが判定され(S26)、2文以上にわたっていれば「文消し」の表示が最後尾(ポップアップメニュー中の選択位置としてデフォルトのカーソル位置から最も遠い位置)に移動される(S27)。消去済文字が2文以上にわたっていれば、当該文字が含まれていた文を全て削除する可能性が低いからである。また、2文以上にわたっていなければ処理Bを終了する。
【0033】
さらに、図7には、処理Cの例が示され、判定部26により、上記M1、M2、M3及びM4に格納された消去済文字が、画面表示された文章の2行以上にわたっているか否かが判定され(S28)、2行以上にわたっていれば「行消し」の表示が最後尾(ポップアップメニュー中の選択位置としてデフォルトのカーソル位置から最も遠い位置)に移動される(S29)。消去済文字が2行以上にわたっていれば、当該文字が含まれていた行を全て削除する可能性が低いからである。また、2段落以上にわたっていなければ処理Cを終了する。
【0034】
図8、図9、図10及び図11には、表示部10に表示される画面の例が示される。図8は、メール編集画面の例であり、矢印(1)により指摘される「さて明日午後1時より」の部分を削除する場合が示されている。
【0035】
図9の矢印(2)に示されるように、クリアキーにより「さて明日」までの4文字が削除されると、上述したポップアップメニューの作成処理が実行され、図10の矢印(3)に示されるように、画面にポップアップメニューが表示される。ここで、例えば「文消し」を選択すると、図11の矢印(4)に示されるように、削除された文字が含まれていた文(句点の間の文字列)が削除される。
【0036】
以上により、文字の削除作業を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明にかかる表示削除装置を適用した携帯端末の一実施形態の構成のブロック図である。
【図2】図1に示された記憶部の記憶領域の例を示す図である。
【図3】図1に示された表示削除装置において、入力された文字データの削除を実行する際の動作を示すフロー図である。
【図4】図1に示された表示削除装置において、入力された文字データの削除を実行する際の動作を示すフロー図である。
【図5】ポップアップメニューの作成処理の例を示すフロー図である。
【図6】ポップアップメニューの作成処理の例を示すフロー図である。
【図7】ポップアップメニューの作成処理の例を示すフロー図である。
【図8】図1に示された表示部に表示される画面の例を示す図である。
【図9】図1に示された表示部に表示される画面の例を示す図である。
【図10】図1に示された表示部に表示される画面の例を示す図である。
【図11】図1に示された表示部に表示される画面の例を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
10 表示部、12 操作部、14 記憶部、16 時間計測部、18 通信部、20
制御部、22 表示制御部、24 操作指示部、26 判定部、28 時間管理部、30 文字位置管理部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
削除キーにより削除された各文字を示すデータを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された文字数が所定の数に達したときに、複数の削除処理の中からその後に実行すべき削除処理を選択するためのメニュー画面を表示する表示手段と、
を備え、
前記メニュー画面に表示される複数の削除処理には、互いに異なる削除単位を削除対象とする削除処理が含まれることを特徴とする表示削除装置。
【請求項2】
請求項1記載の表示削除装置において、前記メニュー画面に表示される処理の内容は、前記削除された文字が含まれていた段落を消去する段落消し処理、前記削除された文字が含まれていた文章を消去する文消し処理、前記削除された文字が含まれていた行を消去する行消し処理が含まれることを特徴とする表示削除装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の表示削除装置において、前記メニュー画面に表示される複数の削除処理の項目は、前記削除キーにより削除される各文字の文章中の位置情報にかかわらず、同一であることを特徴とする表示削除装置。
【請求項4】
削除キーにより削除された文字を示すデータを記憶手段に記憶させるステップと、
表示手段が、前記記憶手段に記憶された文字数が所定の数に達したときに、複数の削除処理の中からその後に実行すべき処理を選択するためのメニュー画面を表示するステップと、を含み、
前記メニュー画面に表示される複数の削除処理には、互いに異なる削除単位を削除対象とする削除処理が含まれることを特徴とするコンピュータの制御方法。
【請求項5】
削除キーにより削除された文字を示すデータを記憶する記憶手段、及び
前記記憶手段に記憶された文字数が所定の数に達したときに、複数の削除処理の中からその後に実行すべき削除処理を選択するためのメニュー画面を表示する表示手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記メニュー画面に表示される複数の削除処理には、互いに異なる削除単位を削除対象とする削除処理が含まれることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
削除キーにより削除された各文字を示すデータを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された文字数が所定の数に達したときに、複数の削除処理の中からその後に実行すべき削除処理を選択するためのメニュー画面を表示する表示手段と、
を備え、
前記メニュー画面に表示される複数の削除処理には、互いに異なる削除単位を削除対象とする削除処理が含まれることを特徴とする表示削除装置。
【請求項2】
請求項1記載の表示削除装置において、前記メニュー画面に表示される処理の内容は、前記削除された文字が含まれていた段落を消去する段落消し処理、前記削除された文字が含まれていた文章を消去する文消し処理、前記削除された文字が含まれていた行を消去する行消し処理が含まれることを特徴とする表示削除装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の表示削除装置において、前記メニュー画面に表示される複数の削除処理の項目は、前記削除キーにより削除される各文字の文章中の位置情報にかかわらず、同一であることを特徴とする表示削除装置。
【請求項4】
削除キーにより削除された文字を示すデータを記憶手段に記憶させるステップと、
表示手段が、前記記憶手段に記憶された文字数が所定の数に達したときに、複数の削除処理の中からその後に実行すべき処理を選択するためのメニュー画面を表示するステップと、を含み、
前記メニュー画面に表示される複数の削除処理には、互いに異なる削除単位を削除対象とする削除処理が含まれることを特徴とするコンピュータの制御方法。
【請求項5】
削除キーにより削除された文字を示すデータを記憶する記憶手段、及び
前記記憶手段に記憶された文字数が所定の数に達したときに、複数の削除処理の中からその後に実行すべき削除処理を選択するためのメニュー画面を表示する表示手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記メニュー画面に表示される複数の削除処理には、互いに異なる削除単位を削除対象とする削除処理が含まれることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−59380(P2009−59380A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−274084(P2008−274084)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【分割の表示】特願2003−431464(P2003−431464)の分割
【原出願日】平成15年12月25日(2003.12.25)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【分割の表示】特願2003−431464(P2003−431464)の分割
【原出願日】平成15年12月25日(2003.12.25)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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