説明

表示器付計装機器を用いた計測値管理システム

【課題】計測信号の変換、表示、警報出力などを行う計装機器をおいて、計測値管理を簡素な構成で容易に行うことのできる表示器付計装機器の計測値管理システムを提供することを目的とする。
【解決手段】メモリ部205に保存されたヒストリカルデータがエンコーダ部206によってQRコード225に符号化され、液晶表示部204において表示される。その画像を携帯電話機30のカメラ部301で撮影し、デコーダ部305によって、読み取り可能な文字データに復号化して次段の液晶表示部306に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置や7セグメントLED装置などの表示器を備えた計装機器を用いた計測値管理システムであって、特に計測信号を変換、表示、警報出力などを行う計装機器においてその計測値管理を簡素な構成で容易に行うことのできる表示器付計装機器を用いた計測値管理システムである。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置や7セグメントLED装置などの表示器を備えた計装機器を用い、例えば物理量の一つである温度を測定する場合には、ユーザーはまず制御対象となる固体表面、固体内部、気体などの温度制御を行うシステムの装置内における測温範囲や測定精度などの条件に応じて、熱電対、測温抵抗体、サーミスタなどの各種温度センサーの中からセンサー部として適宜選択していた。
【0003】
次に、制御対象を制御するシステムの装置内にそのセンサー部を設置し、温度センサーの出力端子側を計装機器のセンサー入力端子に接続していた。
【0004】
そして、制御対象となる固体表面、固体内部、気体などの温度制御を行うシステムの装置が動作を開始し、温度センサーによる測定が開始されると、計装機器のセンサー入力端子から温度計測値に応じた入力信号が入力され、その入力信号が内蔵された信号変換部によってA/D変換され、演算処理部で所定の範囲内の統一信号(例えば、DC4〜20mAやDC1〜5V)に変換して、リアルタイムの計測データを出力し、その一部のバイナリデータが液晶表示部に供給されて所定の数値が液晶表示部に表示されているようになっていた。
【0005】
ここで、ユーザーは、測定開始前に液晶表示部の初期設定画面において、センサー部の種別に応じた設定、上限・下限設定、スケーリング設定、警報出力設定などの機能設定を予め行うことが必要ではあるが、測定開始後には所望の計測データが表示されるため適切な計測値管理を行うことが可能となっていた。
【0006】
また、昨今では液晶表示装置を搭載し、記録紙を不要として各種計測データをリアルタイムに表示するペーパーレス記録計が発売されているが、記録紙などの消耗品コストが削減され好評を得ている。
【0007】
例えば、図11で示したように、ペーパーレス記録計の簡易設定画面においては、予めユーザーのキー操作によって行われた温度レンジや時間軸などの各種設定状態が表示画面によってユーザーが容易に確認できるようになっている。
【0008】
同時に、計測日時、計測値、入力チャンネル数が10チャンネル以上の計測中のトレンドグラフが表示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
一方では、テレビモニタに表示される2次元バーコードを、2次元バーコード読み取り機能付き携帯端末で読み取り、直接商品・サービス注文用URLにアクセスし、簡単に注文ができるような方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−132662号公報(第7頁、図6)
【特許文献2】特開2006−99150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、ユーザーが上述したペーパーレス記録計を用いたとしても、観察時における現在値の計測データ、過去推移及びトレンドは視覚的には容易に把握できるものの、それら表示データの情報量はたいへん多いため、所望の計測データのみを取得、保存、データ伝送することは困難である。
【0012】
特に、管理対象となる計装機器の台数が多い場合には、管理工数の増加に加え取得された計測データの統計的な加工にも適さず、制御対象となる固体表面、固体内部、気体などの温度制御を行うシステムの装置における迅速かつ精度の高い計測値管理が困難となるため、ユーザーが温度暴走などの様々な異常や事故の前兆を察知したり、ユーザー視認による監視下におかれていないときの異常履歴を把握して早期にその原因を診断・発見したりすることができないという課題があった。
【0013】
また、容器内部で爆発が生じても、容器の外部には爆発が及ばないようにした耐圧防爆処理が計装機器に要求された場合などには、防爆用の外郭部材が爆発時の圧力に耐えるよう堅牢かつ全閉構造に設計されているので、計測中にユーザーが直接アクセスできない。
【0014】
そのため、計測データの取得のため本体に着脱可能なコンパクトフラッシュ(登録商標)やメモリカードなどの外部記録媒体を用いることもできず、そのような場合であっても計装機器にユーザーが直接アクセスすることなく、瞬間値や積算値をはじめとする計測データの取得、保存、伝送することを可能とする、簡素な構成の表示器付計装機器を用いた計測値管理システムが望まれていた。
【0015】
特に、計測データの中でも、入力最大値、入力最小値のいずれかの計測値情報、または、警報出力、ループチェック、電源ON、電源OFFのいずれかのイベント情報と、その情報の発生時刻情報と、を対にした所謂ヒストリカルデータの取得は、上述したようにユーザーが制御対象となる固体表面、固体内部、気体などの温度制御を行うシステムにおける装置の温度暴走などの様々な異常や事故の前兆を察知したり、ユーザー視認による監視下におかれていないときの異常履歴を把握して早期にその原因を診断・発見したりするうえで非常に重要なデータであるにもかかわらず、それらのデータを容易に取得することができず、加えて、それら取得された計測データを保存、伝送することもできなかった。
【0016】
本発明は、上記の従来の課題を解決するもので、簡素な構成で、より簡単に瞬間値、積算値、またはヒストリカルデータの取得、保存、伝送を実現できる表示器付計装機器を用いた計測値管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記従来の課題を解決するために、本発明による表示器付計装機器を用いた計測値管理システムおいては、物理量をセンシングするセンサー部と、センサー部から取得された電気信号を入力として所定の入力処理を施す入力処理部と、その入力処理部の出力信号を所定の範囲内の統一信号に変換する信号変換部と、信号変換部から出力された統一信号をA/D変換して所定の出力演算処理を施す演算処理部と、演算処理部から出力されるバイナリデータに応じて文字データを表示する表示部と、演算処理部により抽出された所定の特定データを保存するメモリ部と、メモリ部に保存されたデータを2次元コードに符号化するエンコーダ部とを備えた計装機器と、計装機器の表示部に表示された2次元コードを認識可能なカメラ部と、カメラ部を介して認識された2次元コードを読み取り可能な文字データに復号化するデコーダ部とを備えた受信機器と、を備えた表示器付計装機器を用いた計測値管理システムであって、計装機器のエンコーダ部によって変換された2次元コードの画像を前記計装機器の表示部に表示させ、その画像を前記受信機器のカメラ部で認識させそのデコーダ部で復号化させて前記所定の特定データに対応した読み取り可能な文字データを取得するものである。
【0018】
この構成によれば、計装機器のエンコーダ部によって2次元コードに変換された画像を計装機器の表示部に表示させ、その画像を受信機器のカメラ部で認識しデコーダ部で復号させて所定の特定データに対応した文字データを取得することにより、簡素な構成で計装機器にユーザーが直接アクセスすることなく計測データの取得、保存、伝送することの可能な表示器付計装機器を用いた計測値管理システムの提供を実現できる。
【0019】
また、容器内部で爆発が生じても、容器の外部には爆発が及ばないようにした耐圧防爆処理が計装機器に要求された場合などには、防爆用の外郭部材が爆発時の圧力に耐えるよう堅牢かつ全閉構造に設計されているので計測中にユーザーが直接アクセスできないため、計測データの取得のため本体に着脱可能なコンパクトフラッシュ(登録商標)やメモリカードなどの外部記録媒体を用いることはできないが、そのような場合においても計装機器にユーザーが直接アクセスすることなく計測データの取得、保存、伝送することが、簡素な構成で可能となる。
【0020】
さらに、管理対象となる計装機器の台数が多い場合であっても、取得された計測データを容易に加工できるため、統計的な処理も可能となり、迅速かつ精度の高い計測値管理も可能となる。
【0021】
本発明による表示器付計装機器を用いた計測値管理システムにおいては、前記構成に加えて、所定の特定データは、センサー部を介して取得した計測データの瞬間値または積算値を含むことが好ましい。
【0022】
この構成によれば、所定の特定データが計測データの瞬間値である場合、制御対象となる物理量の変化に追従したリアルタイムの計測データの取得、保存、伝送が容易となり、これらのデータを利用・管理する上で迅速な対応が可能となる。
【0023】
また、所定の特定データが積算値である場合、例えば制御対象となるものが電力、ガス、上水、供給熱、給湯などの資源エネルギーの消費量であっても、計測手段となる、電力計、ガス流量計、上水流量計、熱量計、及び給湯量計などに本発明による表示器付計装機器を用いた計測値管理システムを導入することで、エネルギー供給会社や自治体がその積算量から消費量を容易に把握できるため、消費者に対する費用請求システムの効率化が図れる。
【0024】
本発明による表示器付計装機器を用いた計測値管理システムにおいては、前記構成に加えて、所定の特定データは、入力最大値、入力最小値のいずれかの計測値情報、または、警報出力、ループチェック、電源ON、電源OFFのいずれかのイベント情報と、その情報の発生時刻情報と、を対にしたヒストリカルデータを含むことが好ましい。
【0025】
この構成によれば、ユーザーが制御対象となる固体表面、固体内部、気体などの温度制御を行うシステムにおける温度暴走などの様々な異常や事故の前兆を察知したり、ユーザー視認による監視下におかれていないときの異常履歴を把握して早期にその原因を診断・発見したりするうえで非常に重要なデータを容易に取得できる。
【0026】
本発明による表示器付計装機器を用いた計測値管理システムにおいては、前記構成に加えて、外部から所定のトリガ信号が入力された場合に、メモリ部に保存された所定の特定データを2次元コードに符号化してその計装機器の表示部に表示させることが好ましい。
【0027】
この構成によれば、通常のオペレーティング中にはリアルタイムの計測データのみを表示させ、ユーザーが所定の特定データの取得、保存、伝送を必要とするときのみに2次元コードを表示部に表示させられるので、限られた表示部の領域を効率的に活用でき、計装機器に大きな表示部を設ける必要がなくなる。
【0028】
本発明による表示器付計装機器を用いた計測値管理システムにおいては、前記構成に加えて、外部から所定のトリガ信号が入力された場合に、メモリ部に保存された所定の特定データをクリアしてデフォルトデータに設定することが好ましい。
【0029】
この構成によれば、ユーザーが所望するときにそれまでに取得された所定のデータを一旦クリアして新たな所定の特定データの取得が開始できるため、例えば、プロセス異常に対して修復措置を行った後にあらためて所定の特定データの取得、保存、伝送が可能となり容易に迅速なプロセス修復を実現できる。
【0030】
本発明による表示器付計装機器を用いた計測値管理システムにおいては、前記構成に加えて、外部から所定のトリガ信号が入力された場合に、表示部の照明部が発光し、その表示部に表示された2次元コードの画像を照射することが好ましい。
【0031】
この構成によれば、その計装機器が設置された場所の周囲が暗く表示部の画面の視認が困難な状況であって2次元コードのカメラ認識ができないような雰囲気であっても容易に画像を受信機器のカメラ部で認識してデコーダ部で復号させることができる。
【0032】
本発明による表示器付計装機器を用いた計測値管理システムにおいては、前記構成に加えて、所定のトリガ信号が入力された場合に、表示部に表示される2次元コードの画像の表示倍率を変えて所定の時間間隔で表示させることが好ましい。
【0033】
この構成によれば、2次元コードの画像データを認識させる度に計装機器の表示部と受信機器のカメラ部との距離が変わったとしても、カメラ部の認識エリア内に認識のために必要な適切な大きさの画像データが得られるので、2次元コードのカメラ認識性が向上することにより計測データを容易に取得できる。
【0034】
本発明による表示器付計装機器を用いた計測値管理システムにおいては、前記構成に加えて、所定のトリガ信号の入力は、計装機器に設けられた複数個のトリガ入力部から受光される光量の相対的な差が所定の閾値を超えた場合に行われることが好ましい。
【0035】
この構成によれば、ユーザーが計装機器に直接アクセスすることなく、例えばペンライトやレーザーポインタで所定のトリガ入力部へ照射することにより、前述した所望の機能が得られる。
【0036】
本発明による表示器付計装機器を用いた計測値管理システムにおいては、前記構成に加えて、受信機器は、計装機器の表示部に表示される2次元コードを認識可能なカメラ機能を有する携帯端末装置であることが好ましい。
【0037】
この構成によれば、例えば市場において大きく普及し2次元コードとして代表的なQRコード(登録商標)の認識可能な携帯端末を用いることが可能となるため、使い勝手がよく多くのユーザーに支持されるシステムを提供できる。
【0038】
本発明による表示器付計装機器を用いた計測値管理システムにおいては、前記構成に加えて、受信機器は、計装機器の表示部に表示される2次元コードを認識可能な撮像カメラ機能を有するPCであって、一乃至複数の計装機器の2次元コードを復号化した文字データを表示する表示部を有することが好ましい。
【0039】
この構成によれば、特に制御対象となる固体表面、固体内部、気体などの温度制御を行うシステムの装置において多数測点が要求され、管理対象となる計装機器の台数が多い場合であっても、管理工数を軽減できるだけではなく、撮像カメラを常時設置して2次元コードを取得できる環境を整えれば、完全無人化も可能となる。
【0040】
また、取得された計測データの統計的な加工も容易にし、制御対象となる固体表面、固体内部、気体などの温度制御を行うシステムの迅速かつ精度の高い計測値管理を実現できる。
【発明の効果】
【0041】
本発明による表示器付計装機器を用いた計測値管理システムによれば、計装機器のエンコーダ部によって2次元コードに変換された画像を計装機器の表示部に表示させ、その画像を受信機器のカメラ部で認識し、そのデコーダ部で復号させて所定の特定データに対応した読み取り可能な文字データを取得することができるので、簡素な構成で計装機器から得られた計測データを取得し、保存、伝送することが可能な表示器付計装機器を用いた計測値管理システムの提供を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態における信号変換器を用いた計測値管理システムの全体構成図
【図2】本発明の実施の形態における信号変換器のヒストリカルデータを取得し、液晶表示部に表示するためのフローチャート
【図3】(a)本発明の実施の形態における信号変換器の前面パネル図、(b)本発明の実施の形態における信号変換器の液晶表示部にQRコードが表示されたときの拡大図
【図4】本発明の実施の形態における携帯電話機でヒストリカルデータを液晶表示部に表示するためのフローチャート
【図5】(a)本発明の実施の形態におけるカメラ機能を有する携帯電話機の筐体外側から見た図、(b)本発明の実施の形態におけるカメラ機能を有する携帯電話機の筐体内側から見た図、(c)本発明の実施の形態におけるカメラ機能を有する携帯端末装置の液晶表示部の拡大図
【図6】本発明の実施の形態における信号変換器の変形例を示す全体構成図
【図7】本発明の実施の形態における信号変換器の変形例において、ヒストリカルデータを取得し、液晶表示部に表示するためのフローチャート
【図8】(a)信号変換器の変形例における前面パネル図、(b)信号変換器の変形例における信号変換器の液晶表示部にQRコードが表示されたときの拡大図
【図9】本発明の実施の形態における信号変換器を用いた計測値管理システムの変形例を示す全体構成図
【図10】本発明の実施の形態における信号変換器を用いた計測値管理システムの変形例におけるPCの液晶表示部を示す図
【図11】従来のペーパーレス記録計に表示されるトレンドグラフの一例を示した図
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の実施の形態を説明するために、図面を参照して説明する。
【0044】
図1は、本発明の実施の形態における信号変換器を用いた計測値管理システムの全体構成図で、図2は、本発明の実施の形態における信号変換器のヒストリカルデータを取得し、液晶表示部に表示するためのフローチャートで、図3(a)は、本発明の実施の形態における信号変換器の前面パネル図で、図3(b)は、本発明の実施の形態における信号変換器の液晶表示部にQRコードが表示されたときの拡大図で、図4は、本発明の実施の形態における携帯電話機でヒストリカルデータを液晶表示部に表示するためのフローチャートで、図5(a)は、本発明の実施の形態におけるカメラ機能を有する携帯電話機の筐体外側から見た図で、図5(b)は、本発明の実施の形態におけるカメラ機能を有する携帯電話機の筐体内側から見た図で、図5(c)は、本発明の実施の形態におけるカメラ機能を有する携帯端末装置の液晶表示部の拡大図で、図6は、本発明の実施の形態における信号変換器の変形例を示す全体構成図で、図7は、本発明の実施の形態における信号変換器の変形例において、ヒストリカルデータを取得し、液晶表示部に表示するためのフローチャートで、図8(a)は、信号変換器の変形例における前面パネル図で、図8(b)は、信号変換器の変形例における信号変換器の液晶表示部にQRコードが表示されたときの拡大図で、図9は、本発明の実施の形態における信号変換器を用いた計測値管理システムの変形例を示す全体構成図で、図10は、本発明の実施の形態における信号変換器を用いた計測値管理システムの変形例におけるPCの液晶表示部を示す図である。
【0045】
まず、図1は、本発明の実施の形態における信号変換器を用いた計測値管理システムの全体構成図であるが、例えば、制御対象である固体表面、固体内部、気体などの温度制御を行うシステムの装置に用いられた場合についての一つの実施形態を示すものであるが、センサー部10と、表示器付計装機器としての信号変換器20と、受信機器である携帯電話機30とから構成されている。
【0046】
ここで、センサー部10は、測温範囲や測定精度などの条件に応じて適宜選択された、例えば熱電対、測温抵抗体、またはサーミスタなどの温度センサーで構成されており、破線で囲った制御対象となる固体表面、固体内部、気体などの所望の場所に配置され、制御しようとするその制御対象の温度をセンシングして、信号変換器20の入力処理部201に電気信号を出力する。
【0047】
次に、入力処理部201は、センサー部10から出力された電気信号に低ドリフト入力処理を施して、次段の信号変換部202に出力する。
【0048】
次に、信号変換部202は、入力処理部201の出力をA/D変換して、次段のデジタル演算回路部203へ出力する。
【0049】
デジタル演算回路部203は、信号変換部202から入力されたデジタル信号をスケーリング等必要な入力演算処理を施すことにより所定の範囲内の統一信号(例えば、DC4〜20mA、DC1〜5V)に変換して、リアルタイムの計測データを次段の液晶表示部204にバイナリデータで出力し、読み取り可能な文字データで表示させたり、信号変換部202から入力されたスケーリング値が所定の閾値を超過した場合にリレー207を駆動して警報を出力させたり、コンフィギュレータ接続用のジャック(図示せず)を介してPC側からセンサー入力設定、警報出力設定、ディレー時間などのセットアップを行ったりするなどの出力演算処理を施している。
【0050】
ここで、リレー207は、リアルタイムの計測データが所定の閾値を超過すると、所定のディレー時間後にデジタル演算回路部203の指令に応じてCOM端子210に接続された接点をNC端子209からNO端子208へ切換えて外部の警報器に接点出力している。
【0051】
また、デジタル演算回路部203は、後述する所定のフローチャートに従って、入力最大値及び入力最小値の計測値情報並びに警報発信及び電源ONのイベント情報と、その発生時刻情報と、を対にしたヒストリカルデータを次段のメモリ部205に保存している。
【0052】
そして、メモリ部205に保存されたヒストリカルデータは、一且デジタル演算回路部203に取り込まれ、エンコーダ部206によって2次元コードであるQRコード225に符号化され、液晶表示部204において計測データと同じ画面で画像として表示される(図3(b)参照)。
【0053】
一方、ユーザーの操作により携帯電話機30のカメラ部301で前述した信号変換器20の液晶表示部204に表示されたQRコード225の画像を撮影すると、カメラ部301は、アナログの撮影信号を次段のアナログ信号処理部302に出力する。
【0054】
そして、アナログ信号処理部302は、その撮影信号に所定のアナログ信号処理を施して次段のA/D変換部303に出力する。
【0055】
次に、A/D変換部303は、その出力信号をデジタル信号に変換して次段のデジタル信号処理部304に出力し、デジタル信号処理部304は、次段のデコーダ部305で復号化可能となるように所定のデジタル信号処理を行う。
【0056】
そして、デコーダ部305は、そのデジタル信号処理を行われたデジタル信号出力を読み取り可能な文字データに復号化して次段の液晶表示部306に出力し、液晶表示部306はその文字データを表示する。
【0057】
また、ユーザーは、必要に応じキーの配列された操作部308を操作して、所望のデータのみを、例えばDRAMの内部メモリ部307に保存できる。
【0058】
また、ユーザーは、内部メモリ部307に代えて、図示していないが、SDカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア(登録商標)、メモリースティック(登録商標)、マルチメディアカード(登録商標)、USB、およびスモールPCカードなどの外部メモリ部にも保存できるように構成されている。
【0059】
さらに、内部メモリ部307や外部メモリ部(図示せず)に保存された所望のデータを、操作部308を操作して図示しない他の携帯電話機やインターネットに接続されたPCなどの他の受信機器にも送信可能である。
【0060】
次に、図2で示したフローチャートを用いて、信号変換器20の電源ONから液晶表示部204にQRコード225が表示されるまでの間においてデジタル演算回路部203の行う処理を説明する。
【0061】
まず、電源ONされた直後に、電源ONの時刻がメモリ部205に保存された後(S01)、メモリ部205に保存された最大温度、最小温度、アラームON時刻がデフォルト値に設定される(S02)。
【0062】
そして、計測動作が開始され、リアルタイムに測定された温度の計測データが最大温度よりも大きいかどうかを判断される(S03)。
【0063】
ここで、計測データが最大温度よりも大きい場合には、最大温度が計測データで置換され(S04)、次のステップに行き、計測データが最大温度よりも大きくない場合には、そのまま次のステップに行く。
【0064】
次に、リアルタイムに測定された温度の計測データが最小温度よりも小さいかどうかを判断される(S05)。
【0065】
計測データが最小温度よりも小さい場合には、最小温度が計測データで置換され(S06)、次のステップに行き、計測データが最小温度よりも小さくない場合には、そのまま次のステップに行く。
【0066】
次に、リレー207の切換方向が判断され(S07)、NC端子側の場合であればメモリ部205に保存された所定のデータをQRコードに変換する(S10)。
【0067】
一方、リレー207の切換方向が判断され(S07)、NO端子側の場合は、アラームONの時刻データが保存されているかを判断し(S08)、保存されていなければ、そのときの時刻をアラームONの時刻としてメモリ部205に保存し(S09)、メモリ部205に保存された所定のデータをQRコードに変換する(S10)。
【0068】
一方、アラームONの時刻データが保存されているかを判断し(S08)、アラームONの時刻データが保存されていなければ、そのままメモリ部205に保存された所定のデータをQRコードに変換する(S10)。
【0069】
その後、そのQRコードが液晶表示部204に表示され(S11)、計測データが最大温度よりも大きいかどうかの判断(S03)の前にリターンして、以降、S03のステップからS11までのステップを信号変換器20の動作中に繰り返す。
【0070】
次に、図3(a)と図3(b)を用いて、信号変換器20の前面パネルの構成について説明する。
【0071】
信号変換器20の前面パネルの上方には、所定の表示内容を表示する液晶表示部204が配置されている。
【0072】
そして、その下方には、各種設定モード画面に入るためのMODEボタン220、液晶表示部に表示されたコマンドを選択し決定したりカーソルを移動させたりするSETボタン221、表示値を増加させたりカーソルを上側に移動させたりするUPボタン222、表示値を減少させたりカーソルを下側に移動させたりするDOWNボタン223が配置されている。
【0073】
さらにその下方には、コンフィギュレータ接続用のジャック(図示せず)を格納した格納部224が配置されている。
【0074】
そして、液晶表示部204の画面上右側には、リアルタイムの温度の計測データが表示され、画面上左側には、前述した、最大温度及び最小温度の計測値情報並びに警報出力及び電源ONのイベント情報と、その発生時刻情報と、を対にしたヒストリカルデータが符号化されてQRコード225として表示されている。
【0075】
さらに、その下方には、警報出力するために設定された各種閾値の設定値226が表示されており、表示の切換えにより警報時の励磁方向や警報動作の表示なども可能となっている。
【0076】
次に、図4のフローチャートと図5(a)〜(c)を用いて、携帯電話機30のカメラ部301によって信号変換器20の液晶表示部204に表示されたQRコード225の画像を撮影してから所定のデータをその内部メモリ部307に保存するまでのステップを説明する。
【0077】
まず、携帯電話機30の操作部308のキー操作によりQRコード撮影モードに設定し(S21)、次に液晶表示部306の画像で確認しながらQRコード225をカメラ部301で捕らえる(S22)。
【0078】
次に、そのQRコード225を操作部308のキー操作によりQRコード225を撮影すると(S23)、その画像データが前述したようにアナログ信号処理部302、A/D変換部303、デジタル信号処理部304、及びデコーダ部305を介してQRコード225がデコードされ(S24)、液晶表示部306に読み取り可能な文字データが表示される(S25)。
【0079】
次に、液晶表示部306に表示された所定のヒストリカルデータをユーザーが確認した後、必要に応じてそのヒストリカルデータ中の所望の保存範囲を操作部308のキー操作により選択することができる(S26)。
【0080】
そして、選択された保存範囲の文字データは、内部メモリ部307に保存されて(S27)、作業が終了する。
【0081】
したがって、内部メモリ部307に保存された文字データは、操作部308のキー操作によりその携帯電話機30においていつでも再生でき、また必要に応じてその他の携帯電話機やインターネットに接続されたPCに転送することも可能となる。
【0082】
また、図5(a)と図5(b)で示したように、操作部筐体31と表示部筐体32とがヒンジ部33を介して折り畳み可能に組み合わされ、その操作部筐体31の外側にカメラ部301が内蔵されている。
【0083】
さらに、操作部筐体31と表示部筐体32は共に薄く形成されており、操作部筐体31の内側には各種操作キーが配列された操作部308が設けられ、表示部筐体32の内側には液晶表示部306が設けられている。
【0084】
また、図5(c)で示したように、計測データを取得した信号変換器20を特定できるモデル番号とシリアル番号に加えて、前述したヒストリカルデータである、最大温度、最小温度、警報出力及び電源ONが、それぞれの発生時刻情報と併せて液晶表示部306に表示される。
【0085】
以上説明したように、本実施の形態によれば、簡素な構成で計装機器にユーザーが直接アクセスすることなく計測データの取得、保存、伝送することの可能な表示器付計装機器を用いた計測値管理システムの提供を実現できる。
【0086】
また、容器内部で爆発が生じても、容器の外部には爆発が及ばないようにした耐圧防爆処理が計装機器に要求された場合などには、防爆用の外郭部材が爆発時の圧力に耐えるよう堅牢かつ全閉構造に設計されているので計測中にユーザーが直接アクセスできないため、計測データの取得のため本体に着脱可能なコンパクトフラッシュ(登録商標)やメモリカードなどの外部記録媒体を用いることはできないが、そのような場合においても計装機器にユーザーが直接アクセスすることなく計測データの取得、保存、伝送することが、簡素な構成で可能となる。
【0087】
また、ユーザーが制御対象となる固体表面、固体内部、気体などの温度制御を行うシステムにおける温度暴走などの様々な異常や事故の前兆を察知したり、ユーザー視認による監視下におかれていないときの異常履歴を把握して早期にその原因を診断・発見したりするうえで非常に重要なデータを容易に取得できる。
【0088】
また、市場において大きく普及し2次元コードとして代表的なQRコード(登録商標)の認識可能な携帯端末を用いることが可能となるため、使い勝手がよく多くのユーザーに支持されるシステムを提供できる。
【0089】
次に、図6を用いて、信号変換器の変形例を説明するが、前述した構成要素と同一のものについては、同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0090】
信号変換器25には、前述した構成に加え、トリガ信号入力部230が設けられているが、トリガ信号入力部230に所定のトリガ信号が入力されると、そのトリガ信号の種別が判断され、そのトリガ信号の種別によって、計測データの表示をそのままにするか、QRコードに変換された所定のデータを表示するかのいずれかが選択され、切換部231によって画面表示内容が切換えられる。
【0091】
また、トリガ信号入力部230は、図8(a)で示したようにトリガ信号入力部230Aとトリガ信号入力部230Bとから構成され、両者の相対的な差を判断して、計測データの表示をそのままにするか、QRコードに変換された所定のデータを表示するかが選択され、次段の切換部231に所定の信号を出力している。
【0092】
そして、そのトリガ信号の種別、言い換えるとトリガ信号入力部230Aに入力される光量とトリガ信号入力部230Bに入力される光量との大小関係によっては、メモリ部205に保存された最大温度、最小温度、アラームON時刻がデフォルト値に再設定される。
【0093】
図7は、トリガ信号入力部230によって入力されたトリガ信号の種別(受光光量の大小関係)が判断され、その種別によって行う処理を示したフローチャートである。
【0094】
信号変換器25が電源ONされた後、リアルタイムの計測データが表示され(S41)、トリガ信号の入力があるかどうか(相対差があるかどうか)を判断し(S42)、トリガ信号の入力がなければ計測データの表示(S41)のステップの前に戻り、トリガ信号の入力があれば図8で示したトリガ信号入力部230Aに入力されたトリガAとトリガ信号入力部230Bに入力されたトリガBとを比較する(S43)。
【0095】
ここで、トリガAがトリガBよりも大きい場合には、表示された計測データを消去して(S44)、液晶バックライトをONし(S45)、メモリ部205に保存された所定のデータをQRコードに変換し(S46)、QRコードを所定の時間だけ表示し(S47)、液晶バックライトをOFFして(S48)、計測データの表示(S41)のステップの前に戻る。
【0096】
一方、トリガ信号入力部230Aに入力されたトリガAとトリガ信号入力部230Bに入力されたトリガBとを比較して(S43)、トリガAがトリガBよりも小さい場合には、最大温度、最小温度、アラームON時刻をデフォルト値に再設定して(S49)、計測データの表示(S41)のステップの前に戻る。
【0097】
ここで、図8(a)を用いて説明したように、前面パネルの右側にトリガ信号入力部230Aが配置され、左側にトリガ信号入力部230Bが配置されている。
【0098】
そして、受光光量を検知するため、トリガ信号入力部230A及びトリガ信号入力部230Bの受光部として、例えば、フォトダイオード、フォトトランジスタ、CdSセルなどのフォトセンサーを選択して搭載し、前述した所望の処置を行う際には、どちらか一方のみにペンライトやレーザーポインタなどの光を照射すればよい。
【0099】
これにより、前述したS43のステップに相当する、トリガ信号入力部230Aの受光部から受光される光量であるトリガAと、トリガ信号入力部230Bの受光部から受光される光量であるトリガBとの相対的な差が所定の閾値を超えるかどうかの判断がなされる。
【0100】
また、図8(b)は、図7におけるS47の処置内容の状態を示しており、QRコード235が所定の時間だけ液晶表示部204を表示されたものである。
【0101】
ここで、液晶表示部204に表示するQRコード235の表示倍率を変えて、それぞれの表示倍率毎に数秒間程度の間隔で表示させてもよい。
【0102】
以上説明したように、信号変換器の変形例によれば、通常のオペレーティング中には数値データのみを表示させ、ユーザーが所定の特定データの取得、保存、伝送を必要とするときのみに2次元コードを表示部に表示させられるので、限られた液晶表示部の領域を効率的に活用でき、計装機器に大きな液晶表示部を設ける必要がなくなる。
【0103】
また、ユーザーが所望するときにそれまでに取得された所定のデータを一旦クリアして新たな所定の特定データの取得が開始できるため、例えば、プロセス異常に対して修復措置を行った後にあらためて所定の特定データの取得、記録、伝送が可能となり容易に迅速なプロセス修復を実現できる。
【0104】
また、計装機器に外部から所定のトリガ信号が入力された場合に、表示部の照明部が発光し、その表示部に表示された2次元コードの画像を照射することにより、その計装機器が設置された場所の周囲が暗く表示部の画面の視認が困難な状況において2次元コードのカメラ認識ができないような雰囲気であっても容易に画像を受信機器のカメラ部で認識してデコーダ部で復号させることができる。
【0105】
また、計装機器に外部から所定のトリガ信号が入力された場合に、表示部に表示される2次元コードの画像の表示倍率を変えて所定の時間間隔で表示させることにより、2次元コードの画像データを認識させる度に計装機器の表示部と受信機器のカメラ部との距離が変わったとしてもカメラ部の認識エリア内に認識のために必要な適切な大きさの画像データが得られるので、2次元コードのカメラ認識性が向上することにより計測データが容易に取得できる。
【0106】
また、所定のトリガ信号の入力は、計装機器に設けられた複数個のトリガ入力部から受光される光量の相対的な差が所定の閾値を超えた場合に行われることにより、ユーザーが計装機器に直接アクセスすることなく所望の機能が得られる。
【0107】
次に、図9と図10を用いて、上述した本発明の実施の形態における信号変換器を用いた計測値管理システムの変形例を説明するが、前述した構成要素と同一のものについては、同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0108】
図9で示したように、防爆ケース46によって耐圧防爆処理の施された信号変換器45に表示されたQRコード451が撮像カメラ51で撮影され、同様に、防爆ケース48によって耐圧防爆処理の施された信号変換器47に表示されたQRコード471が撮像カメラ52で撮影され、防爆ケース50によって耐圧防爆処理の施された信号変換器49に表示されたQRコード491が撮像カメラ53で撮影されており、図示しないが他に3台の信号変換器のQRコードも同様に撮影されている。
【0109】
それら合計6台の撮像カメラで撮影されたそれぞれのQRコードの画像が、信号ケーブル54でPC55に伝送され、PC55内において前述した携帯電話機30の内部で行われる処理と同様の処理が行われ、液晶表示部551に6台の信号変換器のヒストリカルデータが読み取り可能な文字データによって一覧的に表示される。
【0110】
図10は、その6台分の信号変換器のヒストリカルデータが、液晶表示部551に一覧的に表示されている状態を示している。
【0111】
このような構成によれば、特に制御対象となる固体表面、固体内部、気体などの温度制御を行うシステムの装置において多数測点が要求され、管理対象となる計装機器の台数が多い場合であっても、管理工数を軽減できるだけではなく、撮像カメラを常時設置して2次元コードを取得できる環境を整えれば、完全無人化も可能となる。
【0112】
さらに、取得された6台のヒストリカルデータをPC55の中央演算処理装置(図示せず)の機能を用いて加工処理し、温度最大値、温度最小値、温度中間値などをグラフィック表示して比較することも容易に可能となり、それら取得された計測データを統計的に加工して平均値、分散値、推移グラフなどを表示することも容易となる。
【0113】
すなわち、取得された計測データの統計的な加工も容易にし、制御対象となる固体表面、固体内部、気体などの温度制御を行うシステムの迅速かつ精度の高い計測値管理を実現できる。
【0114】
また、本実施の形態においては、所定の特定データがヒストリカルデータである場合において、それを取得する形態についてのみ記述したが、所定の特定データが計測データの瞬間値または積算値でも構わない。
【0115】
所定の特定データが計測データの瞬間値であれば、制御対象となる物理量の変化に追従したリアルタイムの計測データの取得、保存、伝送が容易となり、これらのデータを利用・管理する上で迅速な対応が可能となる。
【0116】
また、所定の特定データが積算値であれば、例えば制御対象となるものが電力、ガス、上水、供給熱、給湯などの資源エネルギーの消費量であっても、計測手段となる、電力計、ガス流量計、上水流量計、熱量計、及び給湯量計などに本発明による表示器付計装機器を用いた計測値管理システムを導入することで、エネルギー供給会社や自治体がその積算量から消費量を容易に把握できるため、消費者に対する費用請求システムの効率化が図れる。
【0117】
なお、本発明の技術的範囲は、上述した実施の形態に限定されるものでなく、請求項に示した範囲で種々の変形が可能であり、異なる実施の形態にそれぞれ開示された技術的な手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態の変形例についても本発明の技術的範囲に含まれるものとする。
【0118】
また、本実施の形態では物理量のセンシングとして温度のセンシングとその温度管理の場合についてのみ説明したが、他に、圧力、光度、流量、水位などの物理量、あるいは電流、電気量、電圧、静電容量、磁界、磁束密度、インダクタンス、電気抵抗、コンダクタンス、無効電力などの電気や磁気にかかわる物理量、などセンシングして電気信号が得られるものであれば、どのような物理量であってもその物理量に応じたセンサー部を選択することにより同様に適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明の表示器付計装機器を用いた計測値管理システムは、計測信号の変換、表示、警報出力などを行う計装機器における計測値管理を簡素な構成で容易に行うことのできるので有用である。
【符号の説明】
【0120】
10 センサー部
20 信号変換器
25 信号変換器
30 携帯電話機
31 操作部筐体
32 表示部筐体
33 ヒンジ部
45 信号変換器
46 防爆ケース
47 信号変換器
48 防爆ケース
49 信号変換器
50 防爆ケース
51 撮像カメラ
52 撮像カメラ
53 撮像カメラ
54 信号ケーブル
55 PC
201 入力処理部
202 信号変換部
203 デジタル演算回路部
204 液晶表示部
205 メモリ部
206 エンコーダ部
207 リレー
208 NO端子
209 NC端子
210 COM端子
220 MODEボタン
221 SETボタン
222 UPボタン
223 DOWNボタン
224 格納部
225 QRコード
226 閾値の設定値
230 トリガ信号入力部
230A トリガ信号入力部
230B トリガ信号入力部
231 切換部
235 QRコード
301 カメラ部
302 アナログ信号処理部
303 A/D変換部
304 デジタル信号処理部
305 デコーダ部
306 液晶表示部
307 内部メモリ部
308 操作部
451 QRコード
471 QRコード
491 QRコード
551 液晶表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理量をセンシングするセンサー部と、前記センサー部から取得された電気信号を入力として所定の入力処理を施す入力処理部と、その入力処理部の出力信号を所定の範囲内の統一信号に変換する信号変換部と、前記信号変換部から出力された統一信号をA/D変換して所定の出力演算処理を施す演算処理部と、前記演算処理部から出力されるバイナリデータに応じて文字データを表示する表示部と、前記演算処理部により抽出された所定の特定データを保存するメモリ部と、前記メモリ部に保存されたデータを2次元コードに符号化するエンコーダ部とを備えた計装機器と、
前記計装機器の表示部に表示された2次元コードを認識可能なカメラ部と、前記カメラ部を介して認識された2次元コードを読み取り可能な文字データに復号化するデコーダ部とを備えた受信機器と、
を備えた表示器付計装機器を用いた計測値管理システムであって、
前記計装機器のエンコーダ部によって変換された2次元コードの画像を前記計装機器の表示部に表示させ、その画像を前記受信機器のカメラ部で認識させそのデコーダ部で復号化させて前記所定の特定データに対応した読み取り可能な文字データを取得することを特徴とする表示器付計装機器を用いた計測値管理システム。
【請求項2】
前記所定の特定データは、前記センサー部を介して取得したデータの瞬間値または積算値を含むことを特徴とする請求項1記載の表示器付計装機器を用いた計測値管理システム。
【請求項3】
前記所定の特定データは、入力最大値、入力最小値のいずれかの計測値情報、または、警報出力、ループチェック、電源ON、電源OFFのいずれかのイベント情報と、その情報の発生時刻情報と、を対にしたヒストリカルデータを含むことを特徴とする請求項1または2記載の表示器付計装機器を用いた計測値管理システム。
【請求項4】
外部から所定のトリガ信号が入力された場合に、前記メモリ部に保存させた所定の特定データを2次元コードに符号化してその計装機器の表示部に表示させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表示器付計装機器を用いた計測値管理システム。
【請求項5】
外部から所定のトリガ信号が入力された場合に、前記メモリ部に保存された所定の特定データをクリアしてデフォルトデータに設定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表示器付計装機器を用いた計測値管理システム。
【請求項6】
外部から所定のトリガ信号が入力された場合に、前記表示部の照明部が発光し、その表示部に表示された前記2次元コードの画像を照射することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の表示器付計装機器を用いた計測値管理システム。
【請求項7】
外部から所定のトリガ信号が入力された場合に、前記表示部に表示される2次元コードの画像の表示倍率を変えて所定の時間間隔で表示させることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の表示器付計装機器を用いた計測値管理システム。
【請求項8】
前記所定のトリガ信号の入力は、前記計装機器に設けられた複数個のトリガ入力部から受光される光量の相対的な差が所定の閾値を超えた場合に行われることを特徴とする請求項4から請求項7のいずれか1項に記載の表示器付計装機器を用いた計測値管理システム。
【請求項9】
前記受信機器は、前記計装機器の表示部に表示される2次元コードを認識可能なカメラ機能を有する携帯端末装置であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の表示器付計装機器を用いた計測値管理システム。
【請求項10】
前記受信機器は、前記計装機器の表示部に表示される2次元コードを認識可能な撮像カメラ機能を有するPCであって、一乃至複数の前記計装機器の2次元コードを復号化した文字データを表示する表示部を有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の表示器付計装機器を用いた計測値管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−165154(P2011−165154A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40989(P2010−40989)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(390001166)株式会社エム・システム技研 (25)
【Fターム(参考)】