説明

表示器

【課題】物理的な損傷のおそれを低減すると共に、表示装置乃至は制御装置の機種変更にも有利に対応することの出来る、新規な構造の表示器を提供すること。
【解決手段】表示素子24を備えた表示装置14と、該表示装置14との間で電力及び表示制御信号を伝送する表示制御装置16,18とを互いに独立して別体形成すると共に、互いに離隔可能とされた一対のコイル部材46、120をコア部材48、122に対して電磁結合の状態で連結することにより電磁誘導を利用して電力及び信号の少なくとも一方の送受信を行う伝送用インターフェースにおける一方のコイル部材46を該表示装置14に装着すると共に他方120を該表示制御装置18に装着せしめた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の数字や文字、図形などを表示する表示素子を備えた表示器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種の数字や文字、図形などを表示する表示素子としてLEDや液晶を備えた表示装置が知られている。これらの表示装置は、板状に形成することが出来て、陰極線管などに比して薄く小型且つ軽量に出来ることから、例えばLEDは看板や列車内の電光掲示板に適用されたり、液晶はテレビのみならず、駅の広告や時刻表、或いはスーパーの値札や病室の名札などへの利用も検討されている。
【0003】
ところで、このような表示素子を備えた表示装置は、例えば特許文献1や特許文献2にも記載されているように、表示装置の作動を制御する表示制御装置と互いにコネクタ接続されることによって、表示素子に電力が供給されると共に、シリアル通信などを用いて表示素子の駆動回路に信号としての制御コマンドが送信されることによって、表示素子の作動が制御されるようになっているのが一般的である。
【0004】
このように、表示素子の作動を制御するためには、表示装置と表示制御装置が互いにコネクタ接続されることが一般的であるが、このようなコネクタ接続では、コネクタを抜き差しする際にコネクタに無理な力が加わってコネクタを物理的に破損するおそれがあった。特に表示装置の製造段階においては、表示素子が正常に動作するか否かを検査するために、コネクタの抜き差しが頻繁に行なわれることが多く、かかる検査段階でコネクタを破損してしまうおそれが高かった。
【0005】
更にまた、コネクタ接続では、表示装置及び表示制御装置の何れか一方に機種変更などによるコネクタ形状の変更が生じると、他方のコネクタも交換しなければならず、コネクタの形状変更に柔軟に対応することは困難であった。
【0006】
【特許文献1】特開平7−128680号公報
【特許文献2】特開平8−166590号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここにおいて、本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、物理的な損傷のおそれを低減すると共に、表示装置乃至は制御装置の機種変更にも有利に対応することの出来る、新規な構造の表示器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、前述の如き課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
【0009】
すなわち、本発明の第一の態様は、表示素子および表示素子の駆動回路を含んで構成された表示装置と、該表示装置の該駆動回路との間で、表示制御信号を送受信するコントロール回路および電力を供給する給電回路を含んで構成された表示制御装置とを、相互に独立して別体形成すると共に、互いに離隔可能とされた一対のコイル部材をコア部材に対して電磁結合の状態で連結することにより電磁誘導を利用して電力及び信号の少なくとも一方の送受信を行なう伝送用インターフェースを構成し、該伝送用インターフェースにおける該一対のコイル部材の一方を該表示装置に装着すると共に他方を該表示制御装置に装着せしめたことを特徴とする表示器にある。
【0010】
本態様に従う構造とされた表示器においては、表示装置と表示制御装置とが相互に独立して別体形成されると共に、伝送用インターフェースを構成する一対のコイル部材が互いに離隔可能とされて、電磁誘導を利用して電力及び信号の少なくとも一方の伝送を行なうようにされている。これにより、接点を有することなく表示装置と表示制御装置とを電気的に接続することが出来る。従って、例えばコネクタ接続等のような強固な嵌合も不要とされることから、抜き差しに伴う物理的な損傷のおそれを回避することが出来る。
【0011】
また、嵌合による接続が不要とされることから、コネクタ接続を採用した場合における形状変更に比して、コイル部材やコア部材の形状変更にもより柔軟に対応することが出来て、表示装置や表示制御装置に機種変更が生じた場合にもより柔軟に対応することが出来る。更に、嵌合による接続が不要とされることから、表示装置と表示制御装置の接続に際する機械的な自由度を高くすることが出来て、表示装置と表示制御装置の接続をより容易に行なうことも可能となる。
【0012】
なお、本態様における表示素子は特に限定されるものではなく、例えば従来公知の液晶やLEDなどが適宜に採用され得る。また、コア部材の数は、必ずしも一つに限定されるものではなく、複数でも良い。例えば、単一のコア部材に一対のコイル部材を取り外し可能に設けるほか、一対のコイル部材のそれぞれにコア部材を設けて磁路を形成するコイルヘッドの一対を構成して、かかる一対のコイルヘッドを互いに離隔可能にする等してもよい。
【0013】
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係る表示器において、前記表示素子としてコレステリック液晶を用いたことを、特徴とする。
【0014】
コレステリック液晶は、画面の光を通すフォーカルコニック状態と、特定の光を反射(波長選択反射)するプレーナ状態の何れの状態も電圧を印加せずとも安定する双安定性を有していることから、本態様に従う構造とされた表示器においては、電圧を印加せずとも表示内容を保持することが出来る。これにより、表示内容を維持するために常に電力を供給することが不要とされて、ランニングコストの軽減を図ることが出来る。従って、表示内容の書き換え頻度がそれほど多くない例えば駅の広告や時刻表、スーパーの値札や病室の名札等に好適に適用することが出来る。
【0015】
そこにおいて、より好適には、前記伝送用インターフェースとして電力の伝送を行なう給電用インターフェースと信号の伝送を行なう制御用インターフェースとを構成し、該給電用インターフェースを構成する前記一対のコイル部材の一方を前記表示装置に装着すると共に他方を前記表示制御装置に装着せしめる一方、該制御用インターフェースを構成する前記一対のコイル部材の一方を該表示装置に装着すると共に他方を該表示制御装置に装着せしめた態様が採用される。
【0016】
すなわち、本態様における表示装置は表示素子としてコレステリック液晶を用いていることから、駆動用の電力は表示内容の書換時にのみ供給されれば足りる。そこで、制御用インターフェースと給電用インターフェースの両方を設けて、表示制御装置から表示装置に表示制御信号と共に電力を供給することによって、表示装置に例えば蓄電池などの電源装置を内蔵せしめることも不要とすることが出来る。これにより、より効率的な電力供給を行なうことが出来て、表示装置の省電力化が図られるのみならず、表示装置の回路構成をより簡易にすることが出来て、製造の容易化およびコンパクト化を図ることも出来る。
【0017】
本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に係る表示器において、前記表示装置及び前記表示制御装置の少なくとも一方に装着された前記コイル部材及び前記コア部材の少なくとも1つが、該表示装置又は該表示制御装置に対して着脱可能とされていることを、特徴とする。
【0018】
本態様に従う構造とされた表示器においては、コイル部材およびコア部材の交換を容易に行うことが出来る。これにより、要求される信号および電力の送受信の精度や大きさのレベル、或いは電磁ノイズなどの周囲の環境に応じて、コイル部材およびコア部材を適当なものに変更したりチューニングすることがより容易になると共に、コイル部材やコア部材の形状変更にもより柔軟に対応することが出来る。
【0019】
本発明の第四の態様は、前記第一乃至第三の何れか一つの態様に係る表示器において、前記コア部材の周りに電磁遮蔽部材が配設されていることを、特徴とする。本態様によれば、コイル部材から生ぜしめられる電磁波が他の電子部品に与える影響を抑えることが出来ると共に、他の電子部品から受けるノイズを軽減することも出来て、信号や電力の送受信をより安定して行うことが出来る。
【0020】
本発明の第五の態様は、前記第一乃至第四の何れか一つの態様に係る表示器において、前記コア部材の周りに低透磁率部材が配設されていることを、特徴とする。本態様によれば、コア部材の周囲の比透磁率をコア部材よりも十分に低くすることによって、コア部材からの漏れ磁束をより有効に抑えることが出来て、より優れた伝送効率を得ることが出来る。ここにおいて、低透磁率部材としては、例えばポリテトラフルオロエチレンやエポキシ樹脂等従来公知の部材が適宜に採用可能である。なお、本態様においては、前記第四の態様に係る表示器において、前記コア部材と前記電磁遮蔽部材との間に低透磁率部材が介在せしめられている態様が、好適に採用される。このようにすれば、コイルヘッドから発せられる磁力線によって電磁遮蔽部材に生ぜしめられる渦電流を抑えることが出来て、渦電流によってコイルヘッドの磁気エネルギーが吸収されるようなことを抑えることが出来る。
【0021】
本発明の第六の態様は、前記第一乃至第五の何れか一つの態様に係る表示器において、前記コイル部材に前記コア部材を組み合わせて該コイル部材の周囲に磁路を形成したコイルヘッドの一対を用い、それぞれの該コア部材によって形成された該磁路の開放面からなる送受面を相互に対向位置せしめることにより電磁誘導作用を利用して電力および信号の少なくとも一方の送受信を行なう対向型インターフェースを含んで前記伝送用インターフェースを構成したことを、特徴とする。
【0022】
本態様に従う構造とされた表示器においては、互いのコア部材の送受面を対向位置せしめるのみで信号や電力の伝送が可能とされることから、表示装置と表示制御装置の電気的な接続をより容易に行うことが出来る。そこにおいて、両コア部材の送受面は、互いに重ね合わされた接触状態で対向位置せしめられても良いし、磁路の実質的な連続性を維持し得る程度、換言すれば磁束の漏れ出しが伝送上で問題とならない程度に離隔せしめて対向位置せしめることも可能である。前者によれば、磁束の漏れ出しを抑えてより安定した伝送が可能になると共に、後者によれば、表示装置と表示制御装置を互いに非接触の状態で電気的に接続することが可能であり、接続に際する物理的な損傷のおそれを更に軽減することが出来る。
【0023】
本発明の第七の態様は、前記第六の態様に係る表示器において、前記表示装置に前記表示素子を備えた絶縁基板が設けられており、該絶縁基板における該表示素子の反対側に前記コア部材が配設されていることを、特徴とする。
【0024】
本態様に従う構造とされた表示器においては、表示素子とコア部材との間に絶縁基板が介在せしめられることによって、コア部材を絶縁基板で隠蔽することが出来る。また、比較的大きな配設スペースを必要とする表示素子と反対側にコア部材を配設することによって、コア部材の配設スペースを有利に確保することが出来る。ここにおいて、コア部材の送受面は表示素子側に向けられていても良いし、表示素子と反対側に向けられていても良い。例えば、送受面を表示素子側に向けることによって、表示素子を挟んで表示装置のコイルヘッドと表示制御装置のコイルヘッドを対向位置せしめる、換言すれば、表示制御装置のコイルヘッドを表示素子に重ね合わせるようにして電力や信号の伝送を行なうことが出来る。
【0025】
本発明の第八の態様は、前記第六又は第七の態様に係る表示器において、前記表示装置および前記表示制御装置の少なくとも一方に、前記コイル部材を備えた絶縁基板が設けられていると共に、該絶縁基板には前記コア部材を挿通する挿通孔が形成されており、該コア部材が該絶縁基板において該コイル部材と反対側から該挿通孔を通じて該コイル部材に向けて突出せしめられていることを、特徴とする。
【0026】
本態様に従う構造とされた表示器においては、予め絶縁基板上にコイル部材を形成しておいて、コイル部材が形成された絶縁基板の挿通孔にコア部材を挿通することによって、コア部材のリード溝内にコイル部材を収容することが出来る。これにより、コア部材とコイル部材との組み付けをより容易に行なうことが出来る。また、コア部材の絶縁基板からの突出寸法を抑えることが出来て、表示装置および表示制御装置のコンパクト化を図ることも出来る。
【0027】
そこにおいて、より好適には、前記絶縁基板に形成された導体パターンによって前記コイル部材が形成されている態様が採用される。このようにすれば、例えば絶縁基板の電装面上にコイルを形成することが出来て、絶縁基板からの突出寸法をより抑えることが出来る。更に、コイル部材を導体パターンで形成することによって、コイル部材の形状の安定化、特に、変位せしめられる際におけるコイル形状の安定化を図ることが出来る。但し、導体パターンは、絶縁基板の表面に形成されていても良いし、絶縁基板の表面のみならず内部に形成されていても良い。好適には、絶縁層に対する印刷成形等によってコイル部材が積層形成されることとなる。また、絶縁基板としては、硬質のものの他、可撓性のものなど、従来から公知の各種のものが採用可能である。
【0028】
本発明の第九の態様は、前記第一乃至第五の何れか一つの態様に係る表示器において、前記コイル部材の一対とそれらコイル部材を電磁結合の状態で連結する環状コア部材を組み合わせて、該環状コア部材を該一対のコイル部材の少なくとも一方に対して取り外し可能に組み付けることにより電磁誘導作用を利用して電力および信号の少なくとも一方の送受信を行なうリング型インターフェースを含んで前記伝送用インターフェースを構成したことを、特徴とする。
【0029】
本態様に従う構造とされた表示器においては、環状コア部材をコイル部材に組み付けることによって信号や電力の伝送が可能とされることから、表示装置と表示制御装置の電気的な接続を容易に行なうことが出来る。更に、コイル部材が環状コア部材の周方向に変位可能な状態を容易に実現可能となることから、表示装置と表示制御装置との接続の自由度を向上せしめることが出来て、より容易に接続を行なうことが出来る。
【0030】
なお、本態様においては、コイル部材の一対の少なくとも一方と環状コア部材との間に隙間が形成されている態様が、好適に採用される。このようにすれば、コイル部材の環状コア部材に対してひねって傾斜せしめる方向(鎖交角度の変化を伴うような方向)への変位が許容される。これにより、一対のコイル部材間での相対的な動きの自由度をより大きく確保することが出来て、表示装置と表示制御装置の接続をより容易に行なうことが出来る。
【0031】
また、本態様においては、環状コア部材が円環形状とされている態様も、好適に採用される。このようにすれば、環状コア部材が角部を有しないことから、角部での磁束の損失を抑えることが出来て、より安定した伝送を行なうことが出来る。但し、本態様における環状コア部材は、必ずしも円環形状を示すものではなく、例えば楕円形や多角形などの各種異形の環形状を含む。また、環状コア部材は必ずしも全周に亘って連続せしめられている必要は無く、周方向で不連続とされて、エアギャップが形成される等しても良い。
【0032】
本発明の第十の態様は、前記第九の態様に係る表示器において、前記一対のコイル部材の間に、前記環状コア部材が複数設けられていることを、特徴とする。本態様によれば、一対のコイル部材の相対変位の自由度をより大きく確保することが出来る。これにより、電力や信号の伝送の途中で表示装置と表示制御装置の相対位置が変化しても、伝送を継続して行なうことが出来る。
【0033】
本発明の第十一の態様は、前記第九又は第十の態様に係る表示器において、前記環状コア部材が閉状態で閉磁路を形成すると共に開状態で閉磁路を切断するように開閉可能とされていることを、特徴とする。
【0034】
本態様に従う構造とされた表示器においては、環状コア部材を開くことによってコイル部材から取り外し可能にすると共に、環状コア部材を閉じることによってコイル部材に組み付けることが出来る。従って、環状コア部材のコイル部材への組み付けおよび取り外しを容易に行なうことが可能となる。
【0035】
本発明の第十二の態様は、前記第九乃至第十一の何れか一つの態様に係る表示器において、前記表示制御装置に装着された前記コイル部材に対して、複数の前記表示装置のそれぞれに装着された前記コイル部材が電磁結合の状態で連結されることによって電力及び信号の少なくとも一方の送受信を行なえるようにされていることを、特徴とする。
【0036】
本態様に従う構造とされた表示器においては、一つの表示制御装置から複数の表示装置に電力や信号を伝送することが出来る。これにより、例えば複数の表示装置の表示内容を一度に書き換える等することが出来る。ここにおいて、環状コア部材は一つでも良いし複数でも良い。即ち、表示制御装置に装着されたコイル部材に一つの環状コア部材を組み付けると共に、かかる環状コア部材に複数の表示装置のそれぞれに装着されたコイル部材を組み付けても良いし、或いは、複数の表示装置のそれぞれに装着されたコイル部材毎に環状コア部材を組み付けて、それぞれの環状コア部材を表示制御装置に装着されたコイル部材に組み付ける等しても良い。
【0037】
本発明の第十三の態様は、前記第十二の態様に係る表示器において、前記表示制御装置における前記コントロール回路に、複数の前記表示装置の少なくとも一つを指定する識別情報と該識別情報に対応する該表示装置における前記駆動回路の作動内容を指定する駆動制御情報とを前記表示制御信号に含んで送信する表示装置選択制御回路が設けられている一方、該表示装置における該駆動回路に、該表示制御信号に含まれる該識別情報が自己を示す識別情報か否かを判定して、該識別情報が自己を示す識別情報である場合には該表示制御信号に含まれた該駆動制御情報に基づいて前記表示素子を駆動せしめる制御情報取得回路が設けられていることを、特徴とする。
【0038】
本態様に従う構造とされた表示器においては、表示制御装置に接続された複数の表示装置の中から特定の表示装置の表示内容を選択的に変更することが出来る。なお、表示制御信号に含まれる識別情報は、複数の表示装置を指定するものでも良い。このようにすれば、表示制御装置に接続されている複数の表示装置の中から、特定の複数の表示装置の表示内容を同時に書き換えることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0040】
先ず、図1に、本発明の第一の実施形態としての表示器10を示す。表示器10は、スーパー等で用いられる陳列棚12と、陳列棚12に取り付けられて値札として用いられる複数(本実施形態においては、3つ)の表示装置14と、表示装置14から互いに独立して別体形成されて、表示装置14の表示内容を書き換える表示制御装置としてのコントローラ16やコンピュータ18を含んで構成されている。
【0041】
図2に、表示装置14を示す。表示装置14は、略矩形箱体形状とされており、ケース20に開口せしめられた開口窓22を通じて、ケース20の内部に収容された表示素子としての液晶パネル24が視認出来るようにされている。なお、以下の説明において、特に断りの無い限り、表面とは液晶パネル24が設けられた面を言い、裏面および背面とは、液晶パネル24と反対側の面を言うものとする。
【0042】
ケース20の内部には、図3および図4に示す液晶モジュール26が収容されている。液晶モジュール26は、例えばシリコン等から形成された絶縁性を有する基板28の一方の面に液晶パネル24およびコントローラ16等との間で電力および制御信号の伝送を行なうための一次側伝送用端子30等が設けられる一方、液晶パネル24の反対側の面には、液晶パネル24の作動を制御するための駆動回路32、液晶パネル24に電力を供給するための整流安定化回路34、コントローラ16との間で制御信号の送受信を行なうための液晶側通信用回路36等の各種の電子部品が設けられている。
【0043】
液晶パネル24は、従来公知のコレステリック液晶を用いた液晶パネルであり、コレステリック液晶の特徴である双安定性を利用することによって、電圧が印加されずともその表示内容が維持出来るようにされている。かかる液晶パネル24には、行電極を1行毎に順次走査する走査ドライバ回路38と、表示しようとする画像データに基づいて、走査された行電極上の所望する列に対応する列電極に駆動電圧を印加するデータドライバ回路40が接続されている。そして、これら走査ドライバ回路38およびデータドライバ回路40はフラットケーブル42と電気的に接続されており、かかるフラットケーブル42が基板28を回り込んで、基板28における液晶パネル24の反対側の面に設けられたコネクタ44と接続されることによって、駆動回路32等と電気的に接続されている。
【0044】
さらに、基板28における液晶パネル24と同じ面上の隅部(本実施形態においては、図3中、右下隅部)には、一次側伝送用端子30が設けられている。図5および図6に、一次側伝送用端子30を示す。一次側伝送用端子30は、コイル部材としての信号用一次側コイル46が巻回せしめられたコア部材としての信号用一次側コア48と、コイル部材としての電力用一次側コイル50が巻回せしめられたコア部材としての電力用一次側コア52とが、電磁遮蔽部材としての一次側収容ケース54に収容されて構成されている。
【0045】
信号用一次側コア48は、フェライト等の強磁性材から形成されて略円環形状を有する所謂ポット型コアとされており、軸方向の一方(図6中、右方向)の端面56に開口するリード溝58が全周に亘って形成されている。そして、リード溝58内に銅などによって形成されたリード線が所定回数巻回せしめられることによって、信号用一次側コイル46が形成されている。これにより、本実施形態においては、信号用一次側コア48および信号用一次側コイル46によって、表示装置14側の第一のコイルヘッドが構成されており、信号用一次側コア48によって信号用一次側コイル46の磁路が形成されると共に、信号用一次側コア48の端面56が送受面とされている。なお、信号用一次側コイル46の巻数は、要求される伝送特性等を考慮して適宜に設定され得るものである。例えば、信号用一次側コイル46をリード溝58の半周のみ巻回せしめる等しても良いし、信号用一次側コイル46をリード溝58内に略隙間の無い程度に幾重にも重ねて巻回する等しても良い。
【0046】
一方、電力用一次側コア52は、フェライト等の強磁性材から形成されて略円環形状を有する所謂ポット型コアとされており、軸方向の一方(図6中、右方向)の端面60に開口するリード溝62が全周に亘って形成されている。ここにおいて、電力用一次側コア52の内径寸法は、信号用一次側コア48の外径寸法よりも大きくされている。そして、リード溝62内に銅などによって形成されたリード線が所定回数巻回せしめられることによって、電力用一次側コイル50が形成されている。これにより、本実施形態においては、電力用一次側コア52および電力用一次側コイル50によって、表示装置14側の第二のコイルヘッドが構成されており、電力用一次側コア52によって電力用一次側コイル50の磁路が形成されると共に、電力用一次側コア52の端面60が送受面とされている。なお、電力用一次側コイル50の巻数は、要求される伝送特性等を考慮して適宜に設定され得るものである。例えば、電力用一次側コイル50をリード溝62の半周のみ巻回せしめる等しても良いし、電力用一次側コイル50をリード溝62内に略隙間の無い程度に幾重にも重ねて巻回する等しても良い。
【0047】
そして、信号用一次側コア48および電力用一次側コア52が、一次側収容ケース54に収容状態で組み付けられている。一次側収容ケース54は、例えばアルミニウムや銅等の非磁性材料で形成されており、軸方向(図6中、左右方向)の中間部分を挟んだ一方に小径部64が形成されると共に、他方に小径部64よりも大きな径寸法を有する大径部66が同心軸上に形成されることによって、大径部66の中央から小径部64が突出せしめられた全体として段付円柱形状を有している。
【0048】
さらに、一次側収容ケース54の小径部64には、突出先端面に開口する円形の第一開口部68が形成されている一方、大径部66には、小径部64が形成された側の端面に開口すると共に小径部64よりも大きな内径寸法を有する円環形状の第二開口部70が形成されている。そして、第一開口部68に信号用一次側コア48が収容されている一方、第二開口部70に電力用一次側コア52が収容されている。かかる収容状態において、信号用一次側コア48と電力用一次側コア52は同心軸上に配設されると共に、それぞれ、送受面となる端面56、60を除く外周部分が一次側収容ケース54に覆われるようになっている。これにより、一次側収容ケース54によって電磁遮蔽構造が構成されており、信号用一次側コア48や電力用一次側コア52から漏れ出す磁力線が、基板28に設けられた各電子部品に影響を与えたり、基板28に設けられた各電子部品からの磁力線が信号用一次側コア48や電力用一次側コア52の電磁誘導作用に影響を与えるおそれが軽減されている。
【0049】
さらに、特に本実施形態においては、信号用一次側コア48および電力用一次側コア52と一次側収容ケース54との間には、低透磁率部材としてのギャップ部材72,74が介在せしめられており、両コア48,52は、送受面となる端面56,60を除く外周面がギャップ部材72,74によって覆われている。ここにおいて、ギャップ部材72,74としては、比透磁率の小さな従来公知の部材が適宜に採用可能であり、具体的には、ポリテトラフルオロエチレンやエポキシ樹脂などが例示される。より好適には、ギャップ部材72,74としては、非導電性を有する部材が採用される。本実施形態においては、ギャップ部材72,74としてポリテトラフルオロエチレンが用いられている。これにより、両コア48,52からの漏れ磁束が抑えられると共に、磁力線の影響によって一次側収容ケース54に渦電流が生ぜしめられることも抑えられており、渦電流によって両コア48,52の磁気エネルギーが減少せしめられるおそれも軽減されている。
【0050】
このような一次側伝送用端子30は、基板28における表面の隅部に配設されている。そして、図2に示すように、液晶モジュール26を収容するケース20に貫設された開口部76を通じて、信号用一次側コア48および電力用一次側コア52それぞれの送受面となる端面56、60が、表示装置14の表面に露出せしめられるようになっている。
【0051】
さらに、図4に示すように、基板28において液晶パネル24と反対の面の略中央部分には、コイル部材としての信号電力用一次側コイル78が設けられている。信号電力用一次側コイル78は、基板28の背面に突出すると共に、上下方向(図4中、上下方向)に延び出して設けられている。そして、ケース20に設けられた開口部80(図7および図8参照)が上下方向に開口せしめられていると共に、信号電力用一次側コイル78に連通せしめられている。
【0052】
このような構造とされた表示装置14は、図7および図8に示すように、環状コア部材82を介して陳列棚12の柵84に係合せしめられている。本実施形態における環状コア部材82は、図9にも示すように、例えばフェライト等の強磁性材料から形成された一定の円形断面をもって全周に亘って延びる略円環形状とされている。特に本実施形態においては、環状コア部材82は、複数(本実施形態においては、2つ)のコア形成部材86,86が組み合わされることによって構成されている。コア形成部材86は、一定の円形断面をもって半周に亘って延びる半円環形状とされている。そして、例えばABSや天然ゴムなど、従来公知の合成樹脂材料やゴム材料によって形成された連結部材88の軸方向両側からコア形成部材86,86の端部が嵌め入れられることにより、全体として円環形状を有する環状コア部材82が形成されている。
【0053】
一方、柵84は、図10に示すように、例えば鉄等の強磁性材によって形成された枠状のフレーム90を含んで構成されており、かかるフレーム90に、銅等のリード線が一回未満から複数回までの適当な回数だけ巻回せしめられて形成された信号電力用二次側コイル92が接着等で固定されている。そして、信号電力用二次側コイル92が取り付けられたフレーム90の全体がポリ塩化ビニル等で被覆されることによって柵84が形成されている。
【0054】
そして、コア形成部材86、86の一方が、表示装置14の開口部80に挿通された後に、他方のコア形成部材86によって柵84を挟んだ状態で、両コア形成部材86,86が連結部材88で連結される。これにより、表示装置14が環状コア部材82を介して柵84に取り外し可能に取り付けられることとなり、環状コア部材82が、表示装置14に設けられた信号電力用一次側コイル78および柵84に設けられた信号電力用二次側コイル92に挿通されることとなる。
【0055】
このような表示装置14は、コントローラ16やコンピュータ18を操作することによって、液晶パネル24の表示内容を書き換えることが出来る。
【0056】
先ず、コントローラ16は、図1に示すように、入力装置100に送信機102が接続された構造とされている。入力装置100は、数値や文字を入力可能なキーボードやボタン等によって構成された入力部104と、入力内容や各種情報を表示可能な液晶表示板等によって構成された表示部106を備えている。
【0057】
そして、入力装置100には、入力装置100の駆動電力を供給すると共に、表示装置14に駆動電力を供給するための給電回路としての電源回路108(図15参照)や、入力部104からの入力情報に基づいて表示装置14の作動を制御するコントロール回路としての制御回路110(図15参照)、および電源回路108に接続されるインバータ111(図15参照)や制御回路110に接続される制御側通信用回路113(図15参照)が内蔵されている。
【0058】
さらに、入力装置100には、接続ケーブル112を介して送信機102が接続されている。図11にも示すように、送信機102は、略棒形状とされた把持部114を有しており、かかる把持部114の一方の端部から、接続ケーブル112が延び出されている一方、他方の端部には、把持部114の延出方向(図11中、上下方向)から略直角に屈曲せしめられて先端部が開口せしめられた開口部116が形成されている。そして、開口部116に、二次側伝送用端子118が露出せしめられている。
【0059】
図12および図13に、二次側伝送用端子118を示す。二次側伝送用端子118は、コイル部材としての信号用二次側コイル120が巻回せしめられたコア部材としての信号用二次側コア122と、コイル部材としての電力用二次側コイル124が巻回せしめられたコア部材としての電力用二次側コア126とが、電磁遮蔽部材としての二次側収容ケース128に収容されて構成されている。
【0060】
信号用二次側コア122は、例えばフェライト等の強磁性材から形成されて略円環形状を有する所謂ポット型コアとされており、軸方向の一方(図13中、左方向)の端面130に開口するリード溝132が全周に亘って形成されている。そして、リード溝132内に銅などによって形成されたリード線が所定回数巻回せしめられることによって、信号用二次側コイル120が形成されている。これにより、本実施形態においては、信号用二次側コア122および信号用二次側コイル120によって、コントローラ16側の第一のコイルヘッドが構成されており、信号用二次側コア122によって信号用二次側コイル120の磁路が形成されると共に、信号用二次側コア122の端面130が送受面とされている。なお、信号用二次側コイル120の巻数は、要求される伝送特性等を考慮して適宜に設定され得るものである。例えば、信号用二次側コイル120をリード溝132の半周のみ巻回せしめる等しても良いし、信号用二次側コイル120をリード溝132内に略隙間の無い程度に幾重にも重ねて巻回する等しても良い。
【0061】
一方、電力用二次側コア126は、例えばフェライト等の強磁性材から形成されて略円環形状を有する所謂ポット型コアとされており、軸方向の一方(図13中、左方向)の端面134に開口するリード溝136が全周に亘って形成されている。ここにおいて、電力用二次側コア126の内径寸法は、信号用二次側コア122の外径寸法よりも大きくされている。そして、リード溝136内に銅などによって形成されたリード線が所定回数巻回せしめられることによって、電力用二次側コイル124が形成されている。これにより、本実施形態においては、電力用二次側コア126および電力用二次側コイル124によって、コントローラ16側の第二のコイルヘッドが構成されており、電力用二次側コア126によって電力用二次側コイル124の磁路が形成されると共に、電力用二次側コア126の端面134が送受面とされている。なお、電力用二次側コイル124の巻数は、要求される伝送特性等を考慮して適宜に設定され得るものである。例えば、電力用二次側コイル124をリード溝136の半周のみ巻回せしめる等しても良いし、電力用二次側コイル124をリード溝136内に略隙間の無い程度に幾重にも重ねて巻回する等しても良い。
【0062】
そして、信号用二次側コア122および電力用二次側コア126が、二次側収容ケース128に収容状態で組み付けられている。二次側収容ケース128は、例えばアルミニウムや銅等の非磁性材料で形成されており、軸方向一方(図13中、左方向)の端面137に開口する開口部138が中央部分に形成された全体として略有底円筒形状とされている。
【0063】
さらに、二次側収容ケース128の開口部138には、底面140に開口する円形の第一開口部142が形成されている一方、開口部138の外側には、端面137に開口する円環形状の第二開口部144が形成されている。そして、第一開口部142に信号用二次側コア122が収容されている一方、第二開口部144に電力用二次側コア126が収容されている。かかる収容状態において、信号用二次側コア122と電力用二次側コア126は同心軸上に配設されると共に、それぞれ、送受面となる端面130、134を除く外周部分が二次側収容ケース128に覆われるようになっている。これにより、二次側収容ケース128によって電磁遮蔽構造が構成されており、信号用二次側コア122や電力用二次側コア126から漏れ出す磁力線がコントローラ16に設けられた他の電子部品に影響を与えたり、コントローラ16に設けられた各電子部品からの磁力線が信号用二次側コア122や電力用二次側コア126の電磁誘導作用に影響を与えるおそれが軽減されている。
【0064】
さらに、特に本実施形態においては、信号用二次側コア122および電力用二次側コア126と二次側収容ケース128との間には、低透磁率部材としてのギャップ部材146,148が介在せしめられている。ギャップ部材146,148は、前述のギャップ部材72,74と略同様の構造とされており、両コア122,126は、送受面となる端面130、134を除く外周面がギャップ部材146、148によって覆われている。これにより、両コア122,126からの漏れ磁束が抑えられると共に、磁力線の影響によって二次側収容ケース128に渦電流が生ぜしめられることも抑えられており、渦電流によって両コア122,126の磁気エネルギーが減少せしめられるおそれも軽減されている。
【0065】
このような二次側伝送用端子118は、接続ケーブル112を介して、入力装置100に設けられた電源回路108や制御回路110と電気的に接続された状態で、送信機102の開口部116を通じて外部に露出せしめられている。なお、以上の説明から明らかなように、本実施形態における信号用一次側コイル46、電力用一次側コイル50は表示装置14に設けられている一方、これに対応する信号用二次側コイル120、電力用二次側コイル124は表示装置14と独立して別体形成されたコントローラ16に設けられており、これらコイル46、50と120,124は互いに離隔可能とされている。
【0066】
このような構造とされた二次側伝送用端子118は、表示装置14の表示内容を更新する場合には、図14に示すように、開口部138に表示装置14の一次側伝送用端子30の小径部64を嵌め込むようにして、これら一次側伝送用端子30と二次側伝送用端子118を重ね合わせる。これにより、信号用一次側コア48の端面56と、信号用二次側コア122の端面130が僅かに離隔した非接触状態で対向位置せしめられて、信号用一次側コイル46と信号用二次側コイル120が電磁結合せしめられると共に、電力用一次側コア52の端面60と電力用二次側コア126の端面134が僅かに離隔した非接触状態で対向位置せしめられて、電力用一次側コイル50と電力用二次側コイル124が電磁結合せしめられる。その結果、表示装置14とコントローラ16との間で、互いに非接触の状態で制御信号および電力の伝送が行えるようになっている。このように、本実施形態においては、信号用一次側コイル46、信号用一次側コア48と、信号用二次側コイル120、信号用二次側コア122によって伝送用インターフェースとしての制御用の対向型インターフェースが構成されていると共に、電力用一次側コイル50、電力用一次側コア52と、電力用二次側コイル124、電力用二次側コア126によって伝送用インターフェースとしての給電用の対向型インターフェースが構成されている。ここにおいて、特に本実施形態においては、一次側収容ケース54が全体として凸形状断面とされる一方、二次側収容ケース128が全体として凹形状断面とされていることによって、信号用一次側コア48および信号用二次側コア122の端面56、130と、電力用一次側コア52および電力用二次側コア126の端面60、134が、異なる平面上で対向位置せしめられるようになっている。なお、図14においては、一次側伝送用端子30における端面56、60と二次側伝送用端子118における端面130,134が僅かに離隔せしめられており、本実施形態においては、このような非接触状態で制御信号および電力の伝送が可能とされているが、これら端面56、60および130,134を互いに接触せしめても良い。
【0067】
また、本実施形態においては、柵84に設けられた信号電力用二次側コイル92を構成するリード線の両端がコントロールボックス150に接続されていると共に、コントロールボックス150がコンピュータ18に接続されている。そして、これらコンピュータ18とコントロールボックス150を含んで、もう一つの表示制御装置が構成されている。
【0068】
本実施形態におけるコントロールボックス150には、前述のコントローラ16に設けられた制御側通信用回路113と略同様の構造とされた制御側通信用回路152およびコントローラ16に設けられたインバータ111と略同様の構造とされたインバータ154が設けられている。また、表示装置14の作動を制御するコントロール回路としての制御回路156はコンピュータ18のCPUを含んで構成されていると共に、表示装置14に電源を供給する電源回路158が、コンピュータ18の電源回路を含んで構成されている。
【0069】
図15に、本実施形態における表示装置14、コントローラ16、コンピュータ18およびコントロールボックス150の構成を概略的に示し、コントローラ16やコンピュータ18から表示装置14に供給される電力及び信号の伝送経路について説明する。
【0070】
先ず、コントローラ16から表示装置14に供給される電力の伝送経路について説明すると、コントローラ16の電源回路108には、インバータ111が接続されている。インバータ111としては、例えば、CVCF型やVVVF型の従来公知のインバータが適宜に採用可能である。そして、電源回路108の直流電圧が、インバータ111によって高周波電圧に変換される。ここにおいて、インバータ111によって変換された高周波電圧の周波数(出力周波数)は、供給する電力や使用環境等によって異なるものであるが、本実施形態においては、100Hz〜500MHz程度の範囲内で適当に設定されている。
【0071】
そして、インバータ111によって変換された高周波電圧が、電力用二次側コイル124に給電されることによって、電力用二次側コイル124を貫き、出力周波数に応じて変化する磁束が発生する。電力用二次側コイル124を貫く磁束は、電力用二次側コア126から表示装置14に設けられた電力用一次側コア52の中を通って、電力用一次側コイル50と鎖交する。その結果、電力用一次側コイル50には、相互誘導作用による誘導起電力が生じることとなり、電力用二次側コイル124に供給された高周波電圧が、電力用一次側コイル50から取り出される。このようにして、電源回路108から供給される電力が、電力用二次側コイル124から電力用一次側コイル50に非接触の状態で伝送される。そして、電力用一次側コイル50から取り出された高周波電圧は、整流安定化回路34によって直流電圧に変換された後に、駆動回路32や液晶側通信用回路36に供給される。
【0072】
次に、コントローラ16と表示装置14の間で送受信される制御信号の伝送経路を説明する。先ず、コントローラ16の制御回路110には、制御側通信用回路113が接続されている。そして、制御回路110によって生成された制御信号は、制御側通信用回路113によって高周波電圧に重畳された後に、信号用二次側コイル120に供給される。なお、制御信号が重畳される高周波電圧は、制御側通信用回路113によって生成されるようになっており、その周波数は、制御信号のデータサイズや使用環境等によって異なるものであるが、本実施形態においては、100Hz〜10GHz程度の範囲内で適当に設定されている。
【0073】
そして、信号用二次側コイル120に高周波電圧が給電されることによって、信号用二次側コイル120を貫き、出力周波数に応じて変化する磁束が発生する。信号用二次側コイル120を貫く磁束は、信号用二次側コア122から表示装置14に設けられた信号用一次側コア48の中を通って、信号用一次側コイル46と鎖交する。その結果、信号用一次側コイル46には、相互誘導作用による誘導起電力が生じることとなり、信号用二次側コイル120に供給された高周波電圧が、信号用一次側コイル46から取り出される。このようにして、制御回路110から送信された制御信号が、信号用二次側コイル120から信号用一次側コイル46に非接触の状態で伝送される。そして、信号用一次側コイル46から取り出された高周波電圧に重畳されている制御信号は、液晶側通信用回路36によって取り出された後に、駆動回路32に送信される。
【0074】
これにより、駆動回路32は、受信した制御信号に基づいて走査ドライバ回路38およびデータドライバ回路40の作動を制御することによって、液晶パネル24に目的とする画像を表示する。そして、本実施形態においては、液晶パネル24としてコレステリック液晶が用いられていることから、送信機102を表示装置14から離して、表示装置14への電力の供給を停止しても、表示内容が維持されるのである。
【0075】
なお、本実施形態においては、例えば液晶パネル24の書き換えが完了したことを通知する制御信号を表示装置14からコントローラ16に向けて送信する場合等のように、表示装置14からコントローラ16へ制御信号を送信することも可能とされている。表示装置14からコントローラ16への制御情報を送信する場合には、前記コントローラ16から表示装置14へ制御情報を送信した場合とは逆に、駆動回路32で生成された制御信号が、液晶側通信用回路36で高周波電圧に重畳されて信号用一次側コイル46から信号用二次側コイル120に信号用一次側コア48および信号用二次側コア122を介して非接触の状態で伝送された後に、制御側通信用回路113によって高周波電圧から取り出されて、制御回路110に送信されることとなる。
【0076】
次に、コンピュータ18から表示装置14に供給される電力の伝送経路について説明すると、コンピュータ18の制御回路156には、柵84に接続された複数の表示装置14の少なくとも一つを選択すると共に、選択した表示装置14の表示内容を指定可能なプログラムが記憶されており、かかるプログラムを含んで、表示装置選択制御回路160が構成されている。また、コンピュータ18の制御回路156が、コントロールボックス150の制御側通信用回路152と電気的に接続されると共に、コンピュータ18の電源回路158が、コントロールボックス150のインバータ154と電気的に接続されている。そして、これら制御側通信用回路152とインバータ154が、柵84に設けられた信号電力用二次側コイル92と電気的に接続されている。
【0077】
そして、先ず、コンピュータ18の画面上で書き換えの対象となる表示装置14の少なくとも一つを選択すると共に、選択した表示装置14の表示内容を入力する。そして、入力が完了すると、電源回路158から供給された直流電圧が、インバータ154によって高周波電圧に変換される。ここにおいて、インバータ154によって変換された高周波電圧の周波数(出力周波数)は、供給する電力や使用環境等によって異なるものであるが、本実施形態においては、100Hz〜10GHz程度の範囲内で適当に設定されている。
【0078】
そして、インバータ154によって変換された高周波電圧が、信号電力用二次側コイル92に給電されることによって、信号電力用二次側コイル92を貫き、出力周波数に応じて変化する磁束が発生する。ここにおいて、本実施形態においては、信号電力用二次側コイル92に各表示制御装置14の環状コア82が挿通されていることによって、信号電力用二次側コイル92を貫く磁束がそれぞれの環状コア82の中を通るようにされている。そして、各環状コア82によって閉磁路が形成されており、信号電力用二次側コイル92に発生した磁束は、各環状コア82に対して外挿せしめられているそれぞれの信号電力用一次側コイル78と鎖交することとなる。その結果、柵84に取り付けられている各表示装置14の信号電力用一次側コイル78には、相互誘導作用による誘導起電力が生じることとなり、信号電力用二次側コイル92に供給された高周波電圧が、信号電力用一次側コイル78から取り出される。
【0079】
このようにして、電源回路158から供給される電力が、信号電力用二次側コイル92から各表示装置14の信号電力用一次側コイル78に伝送される。そして、各表示装置14において、信号電力用一次側コイル78から取り出された高周波電圧は、整流安定化回路34によって直流電圧に変換された後に、駆動回路32や液晶側通信用回路36に供給される。これにより、各表示装置14の液晶側通信用回路36および駆動回路32が作動可能な状態とされる。このように、本実施形態においては、これら信号電力用一次側および二次側コイル78,92と環状コア82を含んで、伝送用インターフェースとしての給電用のリング型インターフェースが構成されている。
【0080】
次に、コンピュータ18から表示装置14に送受信される制御信号の伝送経路について説明すると、各表示装置14には重複しないユニークな識別番号が割り振られており、コンピュータ18の画面上で書き換えの対象となる表示装置14の少なくとも一つが選択されると、選択された表示装置14の識別番号と、入力された駆動制御情報を含む表示制御信号が表示装置選択制御回路160によって生成される。そして、表示装置選択制御回路160によって生成された制御信号は、制御側通信用回路152によって高周波電圧に重畳された後に、信号電力用二次側コイル92に供給される。なお、制御信号が重畳される高周波電圧は、制御側通信用回路152によって生成されるようになっており、その周波数は、制御信号のデータサイズや使用環境等によって異なるものであるが、本実施形態においては、100Hz〜10GHz程度の範囲内で適当に設定されている。
【0081】
そして、信号電力用二次側コイル92に高周波電圧が給電されることによって、信号電力用二次側コイル92を貫き、出力周波数に応じて変化する磁束が発生する。ここにおいて、本実施形態においては、信号電力用二次側コイル92に各表示制御装置14の環状コア82が挿通されていることによって、信号電力用二次側コイル92を貫く磁束がそれぞれの環状コア82の中を通るようにされている。そして、各環状コア82によって閉磁路が形成されており、信号電力用二次側コイル92に発生した磁束は、各環状コア82に対して外挿せしめられているそれぞれの信号電力用一次側コイル78と鎖交することとなる。その結果、柵84に取り付けられている各表示装置14の信号電力用一次側コイル78には、相互誘導作用による誘導起電力が生じることとなり、信号電力用二次側コイル92に供給された高周波電圧が、信号電力用一次側コイル78から取り出される。
【0082】
このようにして、制御回路156から送信された制御信号が、信号電力用二次側コイル92から各表示装置14の信号電力用一次側コイル78に伝送される。そして、各表示装置14において、信号電力用一次側コイル78から取り出された高周波電圧に重畳されている制御信号は、液晶側通信用回路36によって取り出された後に、駆動回路32に送信される。
【0083】
そこにおいて、駆動回路32には、制御情報取得回路162が設けられている。制御情報取得回路162は、受信した表示制御信号に含まれた識別番号が自己を示す識別番号である場合にのみ、表示制御信号に含まれた駆動制御情報に基づいて走査ドライバ回路38およびデータドライバ回路40の作動を制御することによって液晶パネル24の書き換えを行い、受信した表示制御信号に含まれた識別番号が自己を示す識別番号でない場合には、受信した表示制御信号を破棄するようにされている。これにより、複数の表示装置14のうち、特定の表示装置14の表示内容を更新することが可能とされている。要するに、柵84に設けられた全ての表示装置14に電力が供給されて、全ての表示装置14の駆動回路32が駆動可能とされた後に、全ての表示装置14に表示制御信号が送信される。そして、各表示装置14は、受け取った表示制御信号に含まれている識別番号が自己を示す識別番号である場合にのみ、受け取った表示制御信号に含まれた駆動制御情報に基づく作動を行なうようにされている。なお、表示制御信号に複数の識別番号を含ませることも可能であり、このようにすれば、複数の表示装置14を同時に書き換えることが可能とされる。
【0084】
このように、信号電力用一次側および二次側コイル78、92と環状コア82を含んで、伝送用インターフェースとしての制御用のリング型インターフェースが構成されている。即ち、本実施形態においては、電力用のリング型インターフェースおよび制御用のリング型インターフェースの何れも、共通の信号電力用一次側および二次側コイル78、92と環状コア82によって構成されている。
【0085】
なお、本実施形態においては、前述の信号用一次側コイル46および信号用二次側コイル120と同様に、信号電力用一次側コイル78と信号電力用二次側コイル92において、表示装置14からコンピュータ18へ制御信号を送信することも可能とされている。表示装置14からコンピュータ18へ制御情報を送信する場合には、前記コンピュータ18から表示装置14へ制御情報を送信した場合とは逆に、駆動回路32で生成された制御信号が、液晶側通信用回路36で高周波電圧に重畳されて信号電力用一次側コイル78から信号電力用二次側コイル92に環状コア82を介して伝送された後に、制御側通信用回路152によって高周波電圧から取り出されて、制御回路156に送信されることとなる。
【0086】
このような構造とされた表示器10においては、液晶パネル24としてコレステリック液晶を採用したことによって、表示内容を維持するために常に電力を供給することが不要とされる。これにより、表示装置14の省電力化を図ることが出来る。
【0087】
そして、コントローラ16やコンピュータ18から表示装置14への制御信号の送受信時に、コントローラ16やコンピュータ18から表示装置14に駆動用の電力が供給されるようになっている。これにより、表示装置14内に電源装置を内蔵せしめることが不要とされて、表示装置14をよりコンパクトに構成することが出来る。即ち、本実施形態における表示器10においては、書き換え時にのみ電力が必要とされるコレステリック液晶の特性を巧く利用して、書き換えに際する制御信号の送受信時に、書き換えに必要な駆動電力をコントローラ16やコンピュータ18から表示装置14に併せて供給することによって、表示装置14内に電源装置を内蔵せしめることを不要として、表示装置14のコンパクト化を図り得たのである。
【0088】
さらに、本実施形態においては、表示装置14の表示内容を書き換える場合には、コントローラ16を用いて各表示装置14の表示内容を個別に書き換えたり、コンピュータ18を用いて複数の表示装置14を同時に書き換えることが可能とされている。
【0089】
そこにおいて、コントローラ16を用いて表示装置14の表示内容を書き換える場合には、表示装置14の一次側伝送用端子30にコントローラ16の二次側伝送用端子118を非接触の状態で対向位置せしめることによって、表示装置14に対する電力の供給と制御信号の送受信が可能とされている。これにより、コネクタのような物理的な接続が不要とされて、繰り返しの書き換えによっても、表示装置14とコントローラ16との接続部分を損傷してしまうおそれを軽減することが出来る。それと共に、一次側伝送用端子30と二次側伝送用端子118を対向位置せしめるのみで表示装置14とコントローラ16の電気的な接続が可能とされることから、接続の自由度も大きくされて、容易に接続することが出来る。特に本実施形態においては、信号用一次側及び二次側コア48、122と、電力用一次側及び二次側コア52,126として何れもポット型コアを採用して同軸上に配設したことによって、これらの送受面が回転対称形状とされていることから、両伝送用端子30、118の周方向の位置決めも不要とされており、接続をより容易に行なうことが可能とされている。更にまた、一次側伝送用端子30が全体として凸状断面とされていると共に、二次側伝送用端子118が全体として凹状断面とされていることから、互いに凹凸嵌合せしめるようにして、軸直方向の位置合わせを容易に行うことも可能とされている。
【0090】
加えて、特に本実施形態においては、信号用一次側コア48と信号用二次側コア122の対向面と、電力用一次側コア52と電力用二次側コア126の対向面が異なる平面上に位置せしめられている。これにより、制御信号を伝送する電磁波と電力を伝送する電磁波が互いに影響を及ぼすことが軽減されて、ノイズの発生や電力の損失を抑えることも出来る。
【0091】
また、コンピュータ18を用いて表示装置14の表示内容を書き換える場合には、柵84に取り付けられた複数の表示装置14の中から所定の表示装置14を任意に選択することが出来る。これにより、複数の表示装置14の表示内容を一括して制御することが出来る。それと共に、表示の更新時には柵84を通じて電力が供給されることによって、表示制御信号を受信するために表示装置14に電池などの待機電源を内蔵せしめることも不要とされることから、特に陳列棚12に食材を陳列するような場合にも、表示装置14を食材の近辺に衛生的に配設することが出来る。
【0092】
なお、本実施形態における表示装置14は、図16に示すように、表示装置14の製造工程においても好適に用いることが出来る。即ち、表示装置14の製造工程においては、作動を検査するために表示装置14とそれを駆動せしめるコントローラ16との接続を行う機会が多くなるが、本発明に従う構造とされた表示器14によれば、表示装置14とコントローラ16を互いに非接触状態で接続出来ることから、例えばコネクタ接続などのように、繰り返しの物理的な接続に起因して損傷するようなおそれも軽減されるのである。特に本実施形態においては、表示装置14の一次側伝送用端子30が表面に露出せしめられていることから、製造ライン上を流れる各表示装置14に順に送信機102を重ねることによって、表示装置14の検査をより容易に行なうことが出来る。
【0093】
次に、図17に、本発明の第二の実施形態としての表示器200を示す。表示器200は、互いに独立して別体形成された表示装置としての表示装置202と、表示装置202に電力を供給すると共に制御信号の送受信を行なうことによって表示装置202の作動を制御する表示制御装置としてのコントローラ204とを含んで構成されている。なお、以下の説明において、前述の第一の実施形態と同様の構造とされた部材及び部位については、図中に第一の実施形態と同様の符号を付すことによって、その詳細な説明を省略する。
【0094】
より詳細には、表示装置202の内部には、図18に示す液晶モジュール206が収容されている。なお、液晶モジュール206の図18に示した面と反対側の面は、前述の第一の実施形態における一次側伝送用端子30が設けられていない点を除いて略同様の構造であることから図示を省略する。一方、液晶パネル24が設けられた面と反対側の面には、液晶パネル24の作動を制御するための駆動回路32、液晶パネル24に電力を供給するための整流安定化回路34、コントローラ204との間で制御信号の送受信を行なうための液晶側通信用回路36、およびコントローラ204との間で電力および制御信号の送受信を行なうための各種の電子部品が設けられている。
【0095】
さらに、基板28における側端部(本実施形態においては、図18中、左側端部)には、円形状の挿通孔208が厚さ方向に貫設されている。そして、基板28の裏面における挿通孔208の外側には、表示装置側のコイル部材としての一次側コイル210が形成されている。一次側コイル210は、基板28の裏面にプリント成形された導電パターンによって形成されており、挿通孔208の周囲を略一周するように形成されている。
【0096】
なお、本実施形態において一次側コイル210を形成する導体パターンは、前述の第一の実施形態における信号電力用一次側コイル78(図15参照)と同様に、整流安定化回路34および液晶側通信用回路36等の基板28上に設けられた各種の回路に電気的に接続されている。
【0097】
そして、図17に示すように、液晶モジュール206を収容する収容ケース212には、液晶モジュール206の収容状態で挿通孔208と重なる位置に、挿通孔208と同じ径寸法を有する円形の開口部214が収容ケース212の厚さ方向(図17中、紙面に対する垂直方向)に貫設されている。これにより、液晶モジュール206の収容状態において、挿通孔208と開口部214が接続されて、挿通孔208が表示装置202の表面および裏面に開口せしめられるようになっている。
【0098】
一方、コントローラ204は、入力装置216および送信機218を含んで構成されている。入力装置216は、前述の第一の実施形態におけるコントローラ16を構成する入力装置100と略同様の構造とされており、表示装置202に駆動電力を供給するための給電回路としての電源回路108や、入力部104からの入力情報に基づいて表示装置202の作動を制御するコントロール回路としての制御回路110(図15参照)等が内蔵されている。
【0099】
さらに、入力装置216には、接続ケーブル219を介して送信機218が接続されている。図19に、送信機218を示す。送信機218は、環状コア224に二次側コイル236が設けられた構造とされている。
【0100】
図19(a)に示すように、環状コア224は全体として、例えばフェライト等の強磁性材料から形成された一定の矩形状断面をもって全周に亘って延びる円筒形状とされており、軸方向(図19中、紙面に対する垂直方向)視において円環形状を有している。更に、本実施形態おける環状コア224は、軸方向視において半周に亘って延びるコア形成部材としての第一部分コア234aおよび第二部分コア234bが組み合わされることによって構成されている。
【0101】
ここにおいて、第二部分コア234bには、表示制御装置側のコイル部材としての二次側コイル236が設けられている。二次側コイル236は、例えば銅等によって形成されたリード線が第二部分コア234bに所定回数巻回されることによって形成されている。なお、本実施形態において二次側コイル236を形成するリード線は、接続ケーブル219を介して、前述の第一の実施形態における信号電力用二次側コイル92(図15参照)と同様に、制御側通信用回路113およびインバータ111と電気的に接続されている。
【0102】
そして、そして、図19(a)に示すように、例えばABSなど従来公知の合成樹脂材や天然ゴムなど従来公知のゴム材料によって形成された連結用筒部材237に対して軸方向両側から第一および第二部分コア234a,234bが取外し可能に嵌め入れた閉状態とされることによって、第一部分コア234aの周方向端面238a,238bと第二部分コア234bの周方向端面240a,240bが互いに重ね合わされて、全周に亘って連続する円環形状の閉磁路が形成される一方、図19(b)に示すように、連結用筒部材237から第一および第二部分コア234a,234bを取り外した開状態とすることによって、これら周方向端面238a,238bと240a,240bが離隔せしめられて、閉磁路が切断されるようになっている。
【0103】
このような構造とされた表示器200は、表示装置202の表示を更新する場合には、コントローラ204に適当な書換情報を入力した後に、図20にモデル的に示すように、送信機218の第一および第二部分コア234a,234bの一方を開口部214に挿通せしめ、第一および第二部分コア234a,234bの他方を連結用筒部材237で組み付けることによって、環状コア224を表示装置202の開口部214を通じて、基板28の挿通孔208に挿通せしめる。
【0104】
ここにおいて、挿通孔208の開口寸法は、環状コア224の矩形断面よりも大きくされており、環状コア224は、挿通孔208延いては一次側コイル210に対して隙間242をもって外挿せしめられる。これにより、環状コア224は、図21にモデル的に示すように、X,Y,Zの直交3軸座標において、Z軸上に延びる環状コア224を考えた場合に、環状コア224の部材軸心となる上下方向に延びるZ軸に外挿状態で配設されて、水平面となるXY平面上に平置された一次側コイル210を想定すると、環状コア224は、一次側コイル210に対して、上下方向(Z軸方向)、前後方向(Y軸方向)、左右方向(X軸方向)の3方向で移動が許容されていると共に、Z軸回りのヨー、Y軸回りのロール、X軸回りのピッチの3方向で傾動乃至は回動が許容された状態で組み付けられている。なお、各方向の相対変位の許容量は、環状コア224や一次側コイル210および挿通孔208の形状や大きさ、隙間242の大きさ等を適当に調節して設定可能である。
【0105】
このようにして、環状コア224が挿通孔208延いては一次側コイル210に挿通せしめられる。その結果、一次側コイル210および二次側コイル236内に環状コア224が挿通せしめられた状態とされて、一次側コイル210と二次側コイル236が電磁結合せしめられる。これにより、前述の第一の実施形態における表示装置14とコントロールボックス150との間と同様に、表示装置202とコントローラ204との間で、制御信号および電力の伝送が行えるようになっている。特に本実施形態においては、環状コア224と挿通孔208の間に隙間242が形成されることから、表示装置202に対して送信機218を非接触の状態で制御信号および電力の伝送が可能とされている。なお、制御信号および電力の伝送が完了した後は、第一および第二部分コア234a,234bの何れか一方を連結用筒部材237から取り外して環状コア224を挿通孔208から取り外すことによって、一次側コイル210と二次側コイル236の電磁結合が解除されて、互いに離隔せしめられることとなる。
【0106】
本実施形態に従う構造とされた表示器200においては、液晶パネル24の表示内容を書き換える場合には、送信機218の第一および第二部分コア234a,234bを連結用筒部材237で連結して環状コア224を表示装置202の開口部214に挿通せしめることによって、表示装置202に対する電力の供給と制御信号の送受信が可能とされている。これにより、表示装置202とコントローラ204を容易に接続することが可能とされていると共に、コネクタなどのように強固に嵌合せしめることなく表示装置202とコントローラ204を電気的に接続することが可能とされることから、繰り返しの接続によっても、接続部分を損傷してしまうおそれを軽減することが出来る。特に本実施形態においては、環状コア224と挿通孔214の間に隙間242が形成されるようになっており、環状コア224と表示装置202を非接触の状態で電力および信号の伝送が可能とされていることから、接続に際する損傷のおそれが大幅に軽減されている。
【0107】
さらに、環状コア224と挿通孔214の間に隙間242が形成されていることによって一次側コイル210と二次側コイル236が相対的に変位可能とされている。これにより、表示装置202とコントローラ204の接続の自由度も向上せしめられて、接続をより容易に行なうことが出来る。更にまた、特に本実施形態においては、制御信号を伝送する制御用のリング型インターフェースと電力を伝送する給電用のリング型インターフェースの何れもが、一次及び二次側コイル210,236と環状コア224によって構成されている。これにより、表示装置202およびコントローラ204のコンパクト化が図られると共に、1つの環状コア224を表示装置202に組み付けるのみで制御信号と電力の伝送が可能とされることによって、接続の手間も軽減されている。
【0108】
また、図22に示すように、本実施形態に従う構造とされた表示器200は、複数の表示装置202を、単一の環状コア224に接続せしめることが出来る。このようにすれば、1つのコントローラ204からの電力及び制御情報を複数の表示装置202に同時に伝送することが出来て、複数の表示装置202を同時に書き換えることが出来る。これにより、特に多数の表示装置202の作動を検査する必要がある製造工程において、複数の表示装置202をまとめて検査することも可能となる。そして、本発明に従う構造とされた表示器200によれば、表示装置202の開口部214に環状コア224を挿通せしめることで表示装置202とコントローラ204を電気的に接続可能とされていることから、コネクタ等のような嵌合も不要とされており、繰り返しの抜き差しに起因して接続部が損傷するようなおそれも軽減されている。従って、表示装置202の作動を検査するためにコントローラ204と接続する機会が多くなる製造工程において、接続部を損傷するおそれを軽減することが出来る。
【0109】
以上、本発明の幾つかの実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
【0110】
例えば、前記第一の実施形態においては、一次側伝送用端子30における信号用一次側コア48と電力用一次側コア52、および二次側伝送用端子118における信号用二次側コア122と電力用二次側コア126は、互いに同心軸上に配設されると共に、それらの端面56,60、130,134が異なる平面上に位置せしめられていたが、例えば図23乃至図25に示す一次側伝送用端子250及び図26に示す二次側伝送用端子252のように、これらコア48,52および122,126の中心軸を異ならせると共に、これらの端面56,60および130,134を同一平面上に位置せしめるなどしても良い。
【0111】
本態様における一次側伝送用端子250および二次側伝送用端子252は、互いに略同様の構造とされていることから、一次側伝送用端子250を例に説明すると、本態様における収容ケース254は、略矩形ブロック形状とされており、一方の端面256に開口する第一開口部258および第二開口部260が形成されている。そして、これら第一開口部258および第二開口部260に、前述の実施形態と同様の構造とされた信号用一次側コア48および電力用一次側コア52が、ギャップ部材72,74を介して収容状態で組み付けられている。かかる収容状態において、送受面とされる信号用一次側コア48の端面56および電力用一次側コア52の端面60が、収容ケース254の端面256と同一平面上に位置せしめられている。
【0112】
また、二次側伝送用端子252は、一次側伝送用端子250と同様の構造とされた収容ケース254に、信号用二次側コア122および電力用二次側コア126が、一次側伝送用端子250と左右(図23および図26中、左右方向)を反対に配設されて、信号用二次側コア122の端面130および電力用二次側コア126の端面134が、一次側伝送用端子250の信号用一次側コア48の端面56および電力用一次側コア52の端面60と重なり合うようにされている。
【0113】
このような構造とされた一次側伝送用端子250および二次側伝送用端子252は、図27に示すように、互いに離隔した非接触状態で重ね合わされることによって、信号用一次側コア48の端面56と信号用二次側コア122の端面130、および電力用一次側コア52の端面60と電力用二次側コア126の端面134が、互いに非接触状態で対向位置せしめられることとなる。このようにすれば、一次側伝送用端子130および二次側伝送用端子132の軸方向寸法(図24中、左右方向寸法)を小さくすることが出来ると共に、一次側および二次側伝送用端子250、252を容易に重ね合わせることが出来る。
【0114】
特に本態様においては、一次側伝送用端子250は、基板28を挟んで液晶パネル24の背面に配設されていると共に、収容ケース254の端面256が基板28に向けて重ね合わされており、信号用一次側コア48の端面56および電力用一次側コア52の端面60が、液晶パネル24側に向けて配設されている。そして、一次側伝送用端子250は、各端面56、60が液晶パネル24および基板28によって隠蔽されている。これにより、本態様においては、二次側伝送用端子252が液晶パネル24の表面から重ね合わされるようにして、液晶パネル24の背後に位置せしめられた一次側伝送用端子250と対向位置せしめられるようになっている。このように、液晶パネル24を挟んで一次側及び二次側伝送用端子250,252を対向位置せしめることも可能である。
【0115】
また、図28に前記第一の実施形態における信号用一次側コア48および信号用一次側コイル46を例として示すように、コア部材やコイル部材を基板28から取外し可能にするなどしても良い。本態様においては、基板28に一方に開口する有底筒形状の取付金具262が設けられている。そして、かかる取付金具262の開口部に信号用一次側コア48が着脱可能に嵌め込まれると共に、信号用一次側コア48に、信号用一次側コイル46が着脱可能に差し込まれるようになっている。なお、信号用一次コイル46を構成するリード線のそれぞれの端部にはコネクタ264、264が設けられており、基板28に設けられたコネクタ266、266と嵌合せしめられることによって、基板28に設けられた電子部品と電気的に接続されるようになっている。また、図28に示す取付金具262は有底形状とされているが、底部は必ずしも必要ではなく、例えば取付金具262として軸方向両側に開口する筒形状のものを採用する等しても良い。
【0116】
このようにすれば、要求される伝送精度や電磁ノイズなどの周囲の環境に応じて、コア部材およびコイル部材を適当なものに変更したりチューニングすることがより容易となる。なお、本態様においては、取付金具262を例えばアルミニウムなどの非磁性材料で形成することによって、取付金具262を電磁遮蔽部材として用いる態様が好適に採用されるが、電磁遮蔽部材は必ずしも必要ではない。従って、コア部材を着脱可能とするその他の態様としては、例えば、コア部材を基板28にネジ止めするなどしても良い。また、本態様から明らかなように、前述の実施形態におけるギャップ部材72も必ずしも必要ではないが、例えば、信号用一次側コア48と取付金具262の間にギャップ部材72を介在せしめることも勿論可能である。
【0117】
また、前記実施形態においては、例えば一次側伝送用端子30における信号用一次側コア48と電力用一次側コア52は、電磁遮蔽部材としての共通の一次側収容ケース54に収容されていたが、電磁遮蔽部材は必ずしも単一の部材である必要は無いのであって、それぞれのコア部材用に電磁遮蔽部材を設けて、それぞれのコア部材を各別に電磁遮蔽部材で覆うことも可能である。
【0118】
更にまた、図29および図30に前述の第一の実施形態における信号用一次側コア48を例に示すように、基板28の厚さ方向に貫通する挿通孔270を形成して、かかる挿通孔270に信号用一次側コア48を挿通せしめて基板28に固定することも可能である。本態様においては、信号用一次側コイル46は、基板28における液晶パネル24と反対側の面上に、プリント配線によって形成されている。そして、信号用一次側コア46が、基板28における液晶パネル24と同じ側から信号用一次側コイル48に向けて挿通孔270に挿通されて、液晶パネル24と反対側に突出せしめられることによって、信号用一次側コア48のリード溝58内に信号用一次側コイル46が収容されるようになっている。なお、本態様における信号用一次側コア48のリード溝58の外周壁部の一部には切欠272が形成されており、かかる切欠272を通じて、信号用一次側コイル46のプリント配線が信号用一次側コア48の外に延び出されるようになっている。
【0119】
なお、図29においては、信号用一次側コア48の端面56が液晶パネル24の反対側に位置せしめられていたが、例えば、信号用一次側コア48を基板28における液晶パネル24の反対側から挿し通して、端面56を液晶パネル24側に向けて配設することも可能である。このようにすれば、例えば信号用一次側コア48を液晶パネル24の背後に位置せしめて視認不可能とすることによって表示装置14の外観を向上せしめることが出来る。それと共に、コントローラ16に設けられた二次側伝送用端子118を液晶パネル24の正面から重ね合わせて背後の一次側伝送用端子30と重ね合わせることが可能であることから、表示装置14の正面側から一次側伝送用端子30と二次側伝送用端子118を対向位置せしめることが出来て、電力及び信号の伝送を容易に行なうことも出来る。
【0120】
また、例えば、図31にモデル的に示すように、前述の第二の実施形態における信号電力用一次側コイル78と信号電力用二次側コイル92の間を、互いに独立形成された複数(本態様においては、2つ)の環状コア280,282で連結するなどしても良い。これら環状コア280,282は、連結コイル284が両方に巻かれることによって互いに連結されており、連結コイル284は、その内部に誘導される電流が何れの環状コア280,282に対しても鎖交し得るようになっている。更に、特に本態様では、連結コイル部材284は、両方の環状コア280,282の間に隙間を有するようになっており、かかる隙間によって、連結コイル部材284は、何れの環状コア280,282に対しても6自由度の相対変位が許容されている。これにより、環状コア280,282は、互いに相対変位可能な状態で連結されている。
【0121】
本態様においては、例えば信号電力用二次側コイル92から連結コイル部材284へと電気信号が相互誘導作用により伝送された後、連結コイル部材284から信号電力用一次側コイル78へと電気信号が相互誘導作用によって伝送されるようになっている。即ち、連結コイル部材284は、二つの環状コア280,282に対して、電磁結合の状態で組み付けられている。このようにすれば、信号電力用一次側コイル78と信号電力用二次側コイル92の間に複数の環状コア280,282が配設されて、それら複数の環状コア280,282が連結コイル部材284によって大きな自由度をもって連結されていることから、信号電力用一次側コイル78と信号電力用二次側コイル92間の相対的な動きの自由度をより大きく確保することが出来て、表示装置14とコントローラ16との接続をより容易に行うことが出来る。なお、信号電力用一次側コイル78と信号電力用二次側コイル92の間に配設される環状コアの個数は、必ずしも2つに限定されることはなく、2以上の個数をもって構成することも可能である。
【0122】
さらに、本態様における環状コア280は、矩形枠体形状とされている。このように、コア部材は必ずしも円環形状とされる必要はない。一方、環状コア282は、全体として略矩形枠体形状とされると共に、その周上の一部に、磁路の実質的な連続性を維持し得る程度、換言すれば磁束の漏れ出しが電力や電気信号の伝送上で問題とならない程度の空隙(ギャップ)286が形成されている。このようにすれば、例えば信号電力用二次側コイル92の環状コア282への着脱を、空隙286を通じて行うことも出来る。このことから明らかなように、環状コア部材は、必ずしも周方向に連続している必要は無い。
【0123】
更にまた、前述の態様においては、連結コイル部材284は、一対の環状コア280、282に跨って巻回せしめられていたが、例えば図32および図33に示す連結コイル部材288のように、連結コイル部材288の両端部を環状コア224,224のそれぞれに巻回せしめることによって、これら一対の環状コア224,224を連結コイル部材288で連結するなどしても良い。
【0124】
更にまた、前述の第一の実施形態における表示装置は商品棚の値札として用いられていたが、これはあくまでも例示であって、表示装置の用途は何等限定されない。例えば、第一の実施形態と同様に更に長大なフレームとそれに組み付けられるコイルを形成して、かかるフレームを病院内に配設して、表示装置を病室の患者名を示す名札として用いても良いし、そのようなフレームを駅構内に配設して表示装置を時刻表として用いるなどしても良い。
【0125】
また、前述の柵84においては、枠状のフレーム90に二次側コイル92を取り付けた構造とされていたが(図10参照)、例えば図34に示すように、前述のフレーム90と同様の形状とされた環状コア290の略全体に信号電力用二次側コイル292を巻回せしめることによって、柵84に環状コアとそれに巻回せしめられた二次側コイルを構成して、かかる柵84に表示装置14の信号電力用一次側コイル78を直接に巻回せしめるなどしても良い。このようにすれば、表示装置14に設けられた信号電力用一次側コイル78と柵84に設けられた信号電力用二次側コイル292が、柵84のフレームを構成する環状コア290を介して電磁結合せしめられることとなる。
【0126】
また、例えば図35に示す表示装置294のように、前述の第一の実施形態における一次側伝送用端子30と同様の対向型インターフェースのみを設けることも勿論可能であって、このようにすれば、表示装置294をポスター等として好適に用いることが出来る。
【0127】
更にまた、例えば前述の第一の実施形態において互いに対向位置せしめられて、対向型インターフェースを構成する信号用一次側コア48と信号用二次側コア122や、電力用一次側コア52と電力用二次側コア126は、互いに略等しい内径寸法および外径寸法を有していたが、これらの寸法は必ずしも互いに等しくされている必要は無いのであって、伝送に支障が生じない程度に異ならされていても良い。
【0128】
加えて、前述の第一の実施形態においては、対向型インターフェースを構成する信号用一次側コア48と電力用一次側コア52、および信号用二次側コア122と電力用二次側コア126は互いに別体構造とされていたが、例えば、信号用一次側コイル46と電力用一次側コイル50、および信号用二次側コイル120と電力用二次側コイル124を互いの磁路が干渉しないように共通のコア部材に組み付ける等しても良い。このようにすれば、一次側および二次側伝送用端子30、118をよりコンパクトに構成することが出来る。
【0129】
また、前述の各実施形態においては、表示素子としてコレステリック液晶を用いると共に、書き換えに必要な電力も伝送用インターフェースによって供給されるようにされていたが、表示素子は必ずしもコレステリック液晶に限定されるものではなく、例えば表示装置に電源を内蔵せしめて、表示素子として従来から広く用いられているネマティック液晶やLED等を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明の第一の実施形態としての表示器を示す説明図。
【図2】同表示器を構成する表示装置を示す説明図。
【図3】同表示装置に設けられる液晶モジュールの正面を概略的に示す説明図。
【図4】同液晶モジュールの背面を概略的に示す説明図。
【図5】表示装置に設けられるコイルヘッドを概略的に示す正面図。
【図6】図5におけるVI−VI断面に相当する説明図。
【図7】図1に示した表示装置の上面を示す説明図。
【図8】図7におけるVIII−VIII断面に相当する説明図。
【図9】環状コア部材を概略的に示す断面説明図。
【図10】図1に示した柵を構成するフレームを説明するための説明図。
【図11】送信機の正面を概略的に示す説明図。
【図12】表示制御装置に設けられるコイルヘッドを概略的に示す正面図。
【図13】図12におけるXIII−XIII断面に相当する説明図。
【図14】図6及び図13に示したコイルヘッドを重ね合わせた状態を概略的に示す断面説明図。
【図15】表示器を概略的に示すブロック図。
【図16】表示器の使用例を説明するための説明図。
【図17】本発明の第二の実施形態としての表示器を示す説明図。
【図18】同表示器を構成する表示装置に設けられる液晶モジュールの背面を概略的に示す説明図。
【図19】表示制御装置に設けられる送信機を概略的に示す説明図。
【図20】コイル部材と環状コア部材との組付状態を説明するための断面説明図。
【図21】コイル部材に対する環状コア部材の相対変位自由度を説明するための説明図。
【図22】表示器の使用例を説明するための説明図。
【図23】表示装置に設けられるコイルヘッドの異なる態様を概略的に示す正面図。
【図24】図23におけるXXIV−XXIV断面に相当する説明図。
【図25】図23におけるXXV−XXV断面に相当する説明図。
【図26】表示制御装置に設けられるコイルヘッドの異なる態様を概略的に示す正面図。
【図27】図23及び図26に示したコイルヘッドを重ね合わせた状態を概略的に示す断面説明図。
【図28】コア部材およびコイル部材の異なる態様を説明するための説明図。
【図29】コア部材およびコイル部材の更に異なる態様を説明するための説明図であって、図30のXXIX−XXIX断面に相当する説明図。
【図30】コア部材およびコイル部材の更に異なる態様を説明するための説明図。
【図31】環状コア部材の異なる態様を説明するための説明図。
【図32】連結コイル部材の異なる態様を説明するための説明図。
【図33】図32の上面説明図。
【図34】図10に示した柵の異なる態様を説明するための説明図。
【図35】表示装置の異なる用途を説明するための説明図。
【符号の説明】
【0131】
10:表示器、14:表示装置、16:コントローラ、18:コンピュータ、24:液晶パネル、30:一次側伝送用端子、32:駆動回路、46:信号用一次側コイル、48:信号用一次側コア、50:電力用一次側コイル、52:電力用一次側コア、56:端面、60:端面、78:信号電力用一次側コイル、82:環状コア部材、92:信号電力用二次側コイル、108:電源回路、110:制御回路、118:二次側伝送用端子、120:信号用二次側コイル、122:信号用二次側コア、124:電力用二次側コイル、126:電力用二次側コア、130:端面、134:端面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示素子および表示素子の駆動回路を含んで構成された表示装置と、該表示装置の該駆動回路との間で、表示制御信号を送受信するコントロール回路および電力を供給する給電回路を含んで構成された表示制御装置とを、相互に独立して別体形成すると共に、互いに離隔可能とされた一対のコイル部材をコア部材に対して電磁結合の状態で連結することにより電磁誘導を利用して電力及び信号の少なくとも一方の送受信を行なう伝送用インターフェースを構成し、該伝送用インターフェースにおける該一対のコイル部材の一方を該表示装置に装着すると共に他方を該表示制御装置に装着せしめたことを特徴とする表示器。
【請求項2】
前記表示素子としてコレステリック液晶を用いた請求項1に記載の表示器。
【請求項3】
前記表示装置及び前記表示制御装置の少なくとも一方に装着された前記コイル部材及び前記コア部材の少なくとも1つが、該表示装置又は該表示制御装置に対して着脱可能とされている請求項1又は2に記載の表示器。
【請求項4】
前記コア部材の周りに電磁遮蔽部材が配設されている請求項1乃至3の何れか一項に記載の表示器。
【請求項5】
前記コア部材の周りに低透磁率部材が配設されている請求項1乃至4の何れか一項に記載の表示器。
【請求項6】
前記コイル部材に前記コア部材を組み合わせて該コイル部材の周囲に磁路を形成したコイルヘッドの一対を用い、それぞれの該コア部材によって形成された該磁路の開放面からなる送受面を相互に対向位置せしめることにより電磁誘導作用を利用して電力および信号の少なくとも一方の送受信を行なう対向型インターフェースを含んで前記伝送用インターフェースを構成した請求項1乃至5の何れか一項に記載の表示器。
【請求項7】
前記表示装置に前記表示素子を備えた絶縁基板が設けられており、該絶縁基板における該表示素子の反対側に前記コア部材が配設されている請求項6に記載の表示器。
【請求項8】
前記表示装置および前記表示制御装置の少なくとも一方に、前記コイル部材を備えた絶縁基板が設けられていると共に、該絶縁基板には前記コア部材を挿通する挿通孔が形成されており、該コア部材が該絶縁基板において該コイル部材と反対側から該挿通孔を通じて該コイル部材に向けて突出せしめられている請求項6又は7に記載の表示器。
【請求項9】
前記コイル部材の一対とそれらコイル部材を電磁結合の状態で連結する環状コア部材を組み合わせて、該環状コア部材を該一対のコイル部材の少なくとも一方に対して取り外し可能に組み付けることにより電磁誘導作用を利用して電力および信号の少なくとも一方の送受信を行なうリング型インターフェースを含んで前記伝送用インターフェースを構成した請求項1乃至5の何れか一項に記載の表示器。
【請求項10】
前記一対のコイル部材の間に、前記環状コア部材が複数設けられている請求項9に記載の表示器。
【請求項11】
前記環状コア部材が閉状態で閉磁路を形成すると共に開状態で閉磁路を切断するように開閉可能とされている請求項9又は10に記載の表示器。
【請求項12】
前記表示制御装置に装着された前記コイル部材に対して、複数の前記表示装置のそれぞれに装着された前記コイル部材が電磁結合の状態で連結されることによって電力及び信号の少なくとも一方の送受信を行なえるようにされている請求項9乃至11の何れか一項に記載の表示器。
【請求項13】
前記表示制御装置における前記コントロール回路に、複数の前記表示装置の少なくとも一つを指定する識別情報と該識別情報に対応する該表示装置における前記駆動回路の作動内容を指定する駆動制御情報とを前記表示制御信号に含んで送信する表示装置選択制御回路が設けられている一方、該表示装置における該駆動回路に、該表示制御信号に含まれる該識別情報が自己を示す識別情報か否かを判定して、該識別情報が自己を示す識別情報である場合には該表示制御信号に含まれた該駆動制御情報に基づいて前記表示素子を駆動せしめる制御情報取得回路が設けられている請求項12に記載の表示器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2009−135843(P2009−135843A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−311754(P2007−311754)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(599078163)三重電子株式会社 (13)
【Fターム(参考)】