説明

表示方法および表示装置

【課題】 焼き付きを防止し、高品質な表示が可能な表示方法および表示装置を提供する。
【解決手段】 スピードメータの画像とタコメータの画像を切り替えて有機ELパネル2の表示エリア14に画像の一部が重なるように表示する際に、タコメータの画像に、スピードメータの画像と重なる部分に黒の表示200を入れる。黒の表示200を、スピードメータの画像に含まれる白の画像部分の輪郭を覆うように入れる。つまり、スピードメータの画像に含まれる白の画像部分の輪郭が、焼き付きとして見える焼き付きライン205であり、その焼き付きライン205全体を環状の黒の表示200で覆っている。そのため、図7に示すタコメータの画像には、スピードメータの画像と重なる部分に焼き付きが見えなくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両、航空機、船舶、電車等の移動体に搭載され、移動体の速度、エンジン回転数等を表示する表示方法および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、有機エレクトロルミネッセンス(以下、ELという。)素子を用いた有機ELパネルが、低消費比電力、高視野角、高コントラスト比で他の装置より優れているとして注目されている。こうした有機ELパネルを用いた有機EL表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、従来、自動車等の車両のインストルメントパネルに搭載される車両用情報表示装置として、液晶ディスプレイ装置によって構成される一つの画面(マルチディスプレイ装置)内に、複数の表示をさせるようにしたものが知られている(特許文献2参照)。このような車両用情報表示装置では、液晶パネル内に、速度を表示するスピードメータとしての第1の表示部と、エンジン回転数を表示するタコメータとしての第2の表示部と、カーナビゲーション装置の地図情報等を表示する第3の表示部とにより、3種類の表示を行うようになっている。
【特許文献1】特開2004−127924号公報
【特許文献2】特開2004−291731号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載されているような従来の有機EL表示装置を自動車等の車両のインストルメントパネルに搭載し、同表示装置の同じ表示パネルに異なる複数の画像を切り替えて画像の一部が重なるように表示させることが考えられる。
【0005】
例えば、異なる複数の画像として、移動体の速度を表わすスピードメータの画像と、移動体の機関回転数を表わすタコメータの画像を切り替えて画像の一部が重なるように表示させることが考えられる。このようにする場合、表示パネルのある部分に白の画像部分を有する画像R(例えばスピードメータ)を1回表示し、次に画像Rの白の画像部分と重なる白の画像部分を有する画像S(例えばタコメータ)を表示すると、画像Rと画像Sが重なる部分に焼き付きが見える。そのため、高品質な表示を得ることができない。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、その目的は、焼き付きを防止し、高品質な表示が可能な表示方法および表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明における表示方法は、複数の走査線と複数のデータ線の交差に対応して複数の画素がマトリクス状に配置された表示エリアを有する表示パネルを備え、各画素の発光素子を画像データに基づいて駆動し、異なる複数の画像を切り替えて前記表示エリアに画像の一部が重なるように表示する表示方法であって、切り替え後の画像に、切り替え前の画像と重なる部分に黒の表示を入れることを要旨とする。
【0008】
表示エリアのある部分に白の画像部分を有する画像Rをある時間表示し、その後、画像Rの白の画像部分と重なる白の画像部分を有する画像Sを表示すると、画像Rと画像Sが重なる部分に焼き付きが見える。
【0009】
これによれば、切り替え後の画像に、切り替え前の画像と重なる部分に黒の表示を入れることで、切り替え後の画像の高輝度の画像部分(例えば白の画像部分)のうち、切り替え前の画像の高輝度の画像部分と重なる部分に焼き付きが目立たなくなる。したがって、焼き付きを防止し、高品質な表示が可能になる。
【0010】
この表示方法において、前記切り替え前の画像は、第1の画像部分と、該第1の画像部分よりも輝度が高い第2の画像部分を含み、前記黒の表示を、前記第2の画像部分の輪郭を覆うように前記切り替え後の画像に入れることを要旨とする。
【0011】
切り替え前の画像に含まれる高輝度の画像部分の輪郭が、焼き付きとして見える焼き付きラインである。
これによれば、黒の表示を、切り替え前の画像に含まれる第1の画像部分と該第1の画像部分よりも輝度が高い第2の画像部分のうち第2の画像部分の輪郭を覆うように入れることで、焼き付きラインのところを黒の表示にするので、切り替え前の画像の高輝度の画像部分(第2の画像部分)と重なる部分に焼き付きが目立たなくなる。
【0012】
この表示方法において、前記切り替え前の画像は、第1の画像部分と、該第1の画像部分よりも輝度が高い第2の画像部分を含み、前記黒の表示を、前記第2の画像部分全体を覆うように前記切り替え後の画像に入れることを要旨とする。
【0013】
これによれば、黒の表示を、切り替え前の画像に含まれる第1の画像部分と該第1の画像部分よりも輝度が高い第2の画像部分のうち第2の画像部分全体を覆うように入れることで、切り替え前の画像の高輝度の画像部分(第2の画像部分)と重なる部分に焼き付きが目立たなくなる。
【0014】
この表示方法において、前記異なる複数の画像として、移動体の速度を表わすスピードメータの画像と、移動体の機関回転数を表わすタコメータの画像とが含まれることを要旨とする。
【0015】
これによれば、同じ表示パネルにスピードメータの画像とタコメータの画像を切り替えて表示する場合、切り替え前の画像の高輝度の画像部分と重なる部分に焼き付きが目立たなくなる。このように焼き付きが目立たないようにスピードメータの画像とタコメータの画像を切り替えることができるので、移動体、例えば自動車等の車両のインストルメントパネルに2つの表示パネルが設けられている構成において、各表示パネルに表示するスピードメータの画像とタコメータの画像を入れ替えることができる。これにより、移動体の計器表示盤、例えば自動車等の車両のインストルメントパネルの表示デザインを乗員の好みに応じて変更することができる。
【0016】
この表示方法において、前記異なる複数の画像は、同じ種類のメータで、高輝度の画像部分の色が異なる画像であることを要旨とする。
これによれば、同じ表示パネルに同じ種類のメータ、例えばスピードメータで、高輝度の画像部分の色が異なる画像を切り替えて表示する場合、切り替え前の画像の高輝度の画像部分と重なる部分に焼き付きが目立たなくなる。このように焼き付きが目立たないように同じ種類のメータの画像を切り替えることができるので、移動体の計器表示盤、例えば自動車等の車両のインストルメントパネルの表示デザインを乗員の好みに応じて変更することができる。
【0017】
この表示方法において、前記発光素子は、エレクトロルミネッセンス素子であることを要旨とする。
これによれば、エレクトロルミネッセンス素子の劣化が抑制されてエレクトロルミネッ
センス素子の長寿命化を図れるとともに、焼き付きを防止することができる。
【0018】
本発明における表示装置は、複数の走査線と複数のデータ線の交差に対応して複数の画素がマトリクス状に配置された表示エリアを有する表示パネルを備え、各画素の発光素子を画像データに基づいて駆動し、異なる複数の画像を切り替えて前記表示エリアに画像の一部が重なるように表示する表示装置であって、切り替え後の画像に、切り替え前の画像と重なる部分に黒の表示を入れることを要旨とする。
【0019】
これによれば、焼き付きを防止し、高品質な表示が可能な表示装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した各実施形態を、図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は第1実施形態に係る表示装置全体の電気的構成を示している。図2は同表示装置で用いるパネルアッセンブリの電気的構成を示し、図3は同パネルアッセンブリの表示パネルを示している。また、図4(a)は同表示パネルの一つの画素回路を示している。
【0021】
まず、第1実施形態に係る表示方法を説明する。
この表示方法は、移動体の一例として自動車等の車両のインストルメントパネルに搭載される表示装置により実施される。
【0022】
この表示方法の特徴は、次の点にある。
・複数の走査線と複数のデータ線の交差に対応して複数の画素がマトリクス状に配置された表示エリアを有する表示パネルを備え、各画素の発光素子を画像データに基づいて駆動し、異なる複数の画像を切り替えて表示エリアに画像の一部が重なるように表示する。
【0023】
・異なる複数の画像の一例として、移動体の速度を表わすスピードメータの画像(図6参照)と、自動車のエンジン回転数(移動体の機関回転数)を表わすタコメータの画像(図7参照)とが含まれる。
【0024】
図6に示すスピードメータの画像は、中央部にある白の画像部分(高輝度の画像部分)201と、この画像部分201内にある指針93と、白の画像部分201の輪郭に沿ってその外側に配置された数字92と、白の画像部分201の外側全体が黒表示になった黒の画像部分202とを含む。この画像部分202が特許請求の範囲に記載の第1の画像部分に相当し、画像部分202よりも輝度の高い画像部分201が特許請求の範囲に記載の第2の画像部分に相当する。
【0025】
また、図7に示すタコメータの画像は、中央部にある赤色(或いは橙色)の画像部分203と、この画像部分203内にある指針96と、赤色の画像部分203の輪郭に沿ってその外側に配置された数字95と、赤色の画像部分203の外側全体が黒表示になった黒の画像部分204と、黒の表示200とを含む。
【0026】
・切り替え後の画像(タコメータの画像)に、切り替え前の画像(スピードメータの画像)と重なる部分に黒の表示200(図7参照)を入れる。
本例では、表示エリア14のある部分に白の画像部分201を有するスピードメータの画像(図6参照)をある時間表示し、その後、同画像の白の画像部分201と重なる白の画像部分203を有するタコメータの画像を表示すると、タコメータの画像にはスピードメータの画像の白の画像部分201と重なる部分に焼き付きが見える。この焼き付きを見えなくするために、図7に示すように、タコメータの画像には白の画像部分201と重な
る部分に黒の表示200を入れる。
【0027】
・黒の表示を、切り替え前の画像に含まれる高輝度の画像部分(例えば白の画像部分)の輪郭を覆うように入れる。
以下、第1実施形態に係る表示方法を実施するための表示装置1を図面に基づいて説明する。表示装置1は、図1および図2に示すように、表示パネルとしての有機ELパネル2を有するパネルアッセンブリAと、画像制御ユニットCUとを備える有機EL表示装置である。この画像制御ユニットCUは、車情報データとしての車速およびエンジン回転数をそれぞれ表わす信号に基づいてスピードメータの表示用画像データおよびタコメータの表示用画像データを作成し、これらの画像データを出力する。また、画像制御ユニットCUは、車両の後部に装着されたバックモニター(図示省略)から送られる画像データに基づいてバックモニターの自然画の表示用画像データを作成し、こ画像データを出力するようになっている。この自然画の表示用画像データ画像データは、有機ELパネル2とは別の有機ELパネル(図示省略)にその自然画を表示させるのに使用される。
【0028】
表示装置1は、画像制御ユニットCUの出力ポートにパネルアッセンブリAが電気的に接続され、有機ELパネル2に、出力ポートから出力されるスピードメータの表示用画像データとタコメータの表示用画像データに基づきスピードメータの画像とタコメータの画像のいずれか一方を切り替えて表示させるようになっている。
【0029】
パネルアッセンブリAは、図1および図2に示すように、上記スピードメータとタコメータの2種類の表示用画像データを使って有機ELパネル2に表示をさせるパネル制御回路100が設けられたパネル制御基板101をそれぞれ備える。本例では、一例として、車情報データを画像処理する画像処理回路や電源回路が画像制御ユニットCU側に設けられているので、パネル制御回路100は画像制御ユニットCUから送られる表示用画像データを使って有機ELパネル2にスピードメータの画像とタコメータの画像のいずれか一方を切り替えて表示させる。
【0030】
パネル制御回路100は、有機ELパネル2の輝度を設定するための輝度設定データが格納された記憶手段としてのEEPROM102を備える。また、パネル制御回路100は、画像制御ユニットCUから送られる上記2種類の表示用画像を使って有機ELパネル2にスピードメータの画像とタコメータの画像のいずれか一方を切り替えて表示させるための信号として、制御信号O、ドライブデータP、パネル電源Qをそれぞれ出力する複数の出力端子を有する。これら複数の出力端子(図示省略)は、有機ELパネル2を駆動するドライバIC103が実装されたフレキシブル配線基板104上の複数の配線を介して有機ELパネル2の複数のデータ線、複数の電源線、複数の制御信号線と電気的に接続されるようになっている。
【0031】
ドライバIC103は、有機ELパネル2の後述する複数のデータ線を駆動するデータ線駆動回路として構成されている。制御信号Oは、後述する走査線駆動回路やドライバIC(データ線駆動回路)を制御する信号である。また、ドライブデータPは、後述する各画素(赤色,緑色および青色の光をそれぞれ放射する赤用発光素子,緑用発光素子および青用発光素子の3種類の発光素子を含む)の画像データ、例えば8ビットのデジタル階調データである。
【0032】
フレキシブル配線基板104は、例えばフレキシブルプリント基板(FPC)で構成されている。フレキシブル配線基板104上には、パネル制御回路100の複数の出力端子とドライバIC103の複数の入力側端子とを接続する複数の入力側配線(図示省略)と、ドライバIC103の複数の出力端子と有機ELパネル2の複数のデータ線および走査線を接続する出力側配線とが形成されている。また、フレキシブル配線基板104上には
、パネル電源Qを有機ELパネル2の複数の電源線に供給する電源供給線が形成されている。
【0033】
有機ELパネル2は、電流引き込み型の電流駆動方式(電流プログラム方式)を採用している。この有機EL表示装置は、有機ELパネル2、このパネル上に形成された左右2つの走査線駆動回路106L,106Rと、データ線駆動回路としてのドライバIC103と、パネル制御回路100とを備えている。
【0034】
有機ELパネル2は、図2および図3に示すように、自発光型の発光素子としてエレクトロルミネッセンス素子である有機EL素子221をそれぞれ有する複数の画素210Aがマトリクス状に配置された発光素子基板11と、複数の画素210Aを密封するように発光素子基板11に接合された封止基板(図示省略)とを備える。有機ELパネル2は、各画素210Aの画像データに基づいて各画素210Aの有機EL素子221が駆動される。図1で符号14は、複数の画素210Aがマトリクス状に配置された表示エリアであり、この表示エリア14の外側はいわゆる額縁(非表示エリア)である。
【0035】
発光素子基板11には、図3では図示を省略してあるが、陽極として機能する矩形状の画素電極がマトリクス状に形成されており、各画素電極上に、例えば、正孔注入/輸送層と発光層とが順次積層形成され、発光層が形成された基板のほぼ全面に渡って陰極が形成されている。また、各画素電極には、薄膜トランジスタ(TFT)等が電気的に接続されており、各画素電極、その上に形成された正孔注入/輸送層、発光層、および陰極により、各画素210Aの有機EL素子221が構成されている。なお、図2では複数の画素210Aのうちの一つのみを示してある。
【0036】
有機ELパネル2は、図2および図3に示すように、発光素子基板11上にそれぞれ形成され、行方向に延びるn本の第1走査線Y1〜Yn(nは整数)と列方向に延びるm本のデータ線X1〜Xm(mは整数)との交差に対応してn行m列に配列された複数の画素210Aを有している。また、有機ELパネル2は、行方向に延びるn本の第2走査線Y11〜Yn1を有している。複数の画素210Aはそれぞれ、例えば、列方向にR,G,Bの順に配置された赤用有機EL素子,緑用有機EL素子および青用有機EL素子の3種類の有機EL素子221により一つの画素が構成されている。つまり、複数の画素210Aはそれぞれ、例えば、赤用画素、緑用画素および青用画素の3種類の画素により一つの画素が構成されている。
【0037】
また、発光素子基板11上には、図3および図7に示すように、各画素210Aの画素回路220に電源を供給する複数の(m本の)画素電源線50が形成されている。本例では、列方向に縦に並ぶn個の画素210Aが縦に延びる1本の画素電源線50に接続されている。各画素電源線50には、列方向にR,G,Bの順にn個ずつ配置された赤用画素、緑用画素および青用画素が個別に接続されている。つまり、n個の赤用画素が接続された赤用の画素電極線(50)と、n個の緑用画素が接続された緑用の画素電極線(50)と、n個の青用画素が接続された青用の画素電極線(50)とが、列方向にR,G,Bの順に形成されている。
【0038】
図3において、符号16は、複数の画素電源線50の各端子と、複数のデータ線X1〜Xmの各端子とが接続された接続端子部である。この接続端子部16には、フレキシブル配線基板104の接続端子部が電気的に接続されている。また、図3において、符号17は、複数の赤用の画素電極線(50)と、複数の緑用の画素電極線(50)と、複数の青用の画素電極線(50)とが接続された1本のパネル電源線である。このパネル電源線17は、発光素子基板11上の、表示エリア14の外側の額縁(非表示エリア)に形成されている。そして、符号18は、各画素210Aの上記陰極に接続されたパネルグランド線
である。
【0039】
走査線駆動回路106Lは、上記制御信号Oとして入力される同期信号、クロック信号に応じたタイミングで、Hレベルのプログラム期間選択信号Vprg(図4(a),(b)参照)を順に生成して出力することで、第1走査線Y1〜Ynを線順次走査により一つずつ順に選択するようになっている。図4(b)では、第1走査線Y1〜Ynのうち、第1行目の第1走査線Y1にプログラム期間選択信号Vprgが出力されるプログラム期間(t1時点からt2時点までの期間)のみを示してある。
【0040】
走査線駆動回路106Rは、上記制御信号Oとして入力される同期信号、クロック信号に応じたタイミングで、Hレベルの発光期間選択信号Vrep(図4(b)参照)を順に生成して出力することで、第2走査線Y11〜Yn1を線順次走査により一つずつ順に選択するようになっている。なお、図4(b)では、第2走査線Y11〜Yn1のうち、第1行目の第2走査線Y11にHレベルの発光期間選択信号Vrepが出力される発光期間(t2時点からt3時点までの期間)のみを示してある。
【0041】
そして、ドライバIC103は、上記プログラム期間に、選択された1本の第1走査線に接続された各画素回路220に、データ線X1〜Xmをそれぞれ介してプログラム信号電流Isig(図4(b)参照)を一斉に供給するようになっている。
【0042】
各プログラム信号電流Isigは、階調表示のためのnビットのデジタル階調データである赤用,緑用および青用の各画素の画像データをドライバIC103内でD−A変換した電流信号である。本例では、各画素210Aの画像データは、各画素の明るさを、8ビットの2進数で表わすデジタル階調データであり、0〜255の256段階の階調値をとる。
【0043】
ドライバIC103は、図4に示すように、プログラム信号電流Isigをデータ線X1〜Xmを介して各画素回路220に書き込むためのデータ書き込み回路(サンプリング回路)、データ書き込み回路の動作タイミングをコントロールするシフトレジスタ、ラッチ回路、およびデジタル/アナログ変換器等を備える。ラッチ回路は、各画素の画像データを各画素ごとに設けたデータメモリに格納して1行分の画像データを保持し、上記プログラム期間に、各データメモリに格納した画像データが一斉に読み出されてドライバIC103内のデジタル/アナログ変換器(図示省略)へ出力されるようになっている。
【0044】
このように、有機ELパネル2では、R,G,B3種類の有機EL素子221(赤用有機EL素子,緑用有機EL素子および青用有機EL素子)により一つの画素210Aが構成され、このような画素が複数の走査線と複数のデータ線の交差に対応してマトリクス状に配置されている。
【0045】
複数の画素210Aはそれぞれ、有機半導体材料で構成された発光層から赤色,緑色および青色の光をそれぞれ放射する赤用有機EL素子、緑用有機EL素子および青用有機EL素子を有する赤用、緑用、および青用の3種類の画素回路をそれぞれ有している(図4(a)参照)。一つの画素210Aを構成する3種類の画素回路220は、各々の有機EL素子221から放射される光の色が異なる以外は、同じ回路構成である。
【0046】
画素回路220の構成を図4(a)に基づいて説明する。
画素回路220は、駆動トランジスタTdr、プログラム用トランジスタTprg、プログラム時選択トランジスタTsig、発光時選択トランジスタTrepおよび保持容量Cstgを有している。駆動トランジスタTdrはPチャネルTFTで構成されている。プログラム用トランジスタTprg、プログラム時選択トランジスタTsigおよび発光
時選択トランジスタTrepは、NチャネルTFTでそれぞれ構成されている。
【0047】
駆動トランジスタTdrのドレインは発光時選択トランジスタTrepを介して有機EL素子221の陽極に接続され、有機EL素子221の陰極は接地されている。また、駆動トランジスタTdrのドレインはプログラム時選択トランジスタTsigを介して1つのデータ線(図4(a)ではデータ線X1)に接続されている。また、駆動トランジスタTdrのソースは高電位電源Vddに接続されている。さらに、駆動トランジスタTdrのゲートは保持容量Cstgの第1の電極に接続され、その保持容量Cstgの第2の電極は高電位電源Vddに接続されている。プログラム用トランジスタTprgは、駆動トランジスタTdrのゲート・ドレイン間に接続されている。
【0048】
プログラム時選択トランジスタTsigおよびプログラム用トランジスタTprgの各ゲートは、第1走査線の1つ(図4(a)では第1走査線Y1)に接続されている。そして、プログラム時選択トランジスタTsigおよびプログラム用トランジスタTprgは、第1走査線Y1からのHレベルのプログラム期間選択信号Vprgに応答してオン状態となり、LレベルのVprgに応答してオフ状態となる。そして、本実施形態では、プログラム時選択トランジスタTsigおよびプログラム用トランジスタTprgがオン状態となると、データ線X1に上記プログラム信号電流Isigが供給されるようになっている。
【0049】
発光時選択トランジスタTrepのゲートは、第2走査線の1つ(図4(a)ではY11)に接続されている。また、発光時選択トランジスタTrepは、第2走査線Y11からのHレベルの発光期間選択信号Vrepに応答してオン状態となり、LレベルのVrepに応答してオフ状態となる。そして、発光時選択トランジスタTrepがオン状態になると、駆動トランジスタTdrのオン状態に基づく駆動トランジスタ供給電流IdrをOLED供給電流Ioledとして有機EL素子221に供給するようになっている。
【0050】
次に、各画素回路220の動作を、図4(b)に基づいて簡単に説明する。
1.プログラム期間
いま、第1走査線Y1からHレベルのプログラム期間選択信号Vprgが供給されると、プログラム用トランジスタTprgおよびプログラム時選択トランジスタTsigはオン状態に設定される。このとき、第2走査線Y11からLレベルの発光期間選択信号Vrepが供給されていて、発光時選択トランジスタTrepはオフ状態に設定されている。このとき、データ線X1にプログラム信号電流Isigが供給される。そして、プログラム用トランジスタTprgがオン状態になることによって駆動トランジスタTdrはダイオード接続となる。その結果、そのプログラム信号電流Isigが、駆動トランジスタTdr→プログラム時選択トランジスタTsig→データ線X1という経路で流れる。このとき、駆動トランジスタTdrのゲートの電位に対応した電荷が保持容量Cstgに蓄積される。
【0051】
2.発光期間
この状態から、プログラム期間選択信号VprgがLレベルとなり、発光期間選択信号VrepがHレベルとなると、プログラム用トランジスタTprgおよびプログラム時選択トランジスタTsigがオフ状態に設定され、発光時選択トランジスタTrepはオン状態に設定される。このとき、保持容量Cstgの電荷の蓄積状態は変化しないので、駆動トランジスタTdrのゲート電位は、プログラム信号電流Isigが流れたときの電圧に保持されている。従って、駆動トランジスタTdrのソース・ドレイン間には、そのゲート電圧に応じた大きさの駆動トランジスタ供給電流Idr(OLED供給電流Ioled)が流れる。詳しくは、OLED供給電流Ioledは、駆動トランジスタTdr→発光時選択トランジスタTrep→有機EL素子221という経路で流れる。これによって
、有機EL素子221は、OLED供給電流Ioled(プログラム信号電流Isig)に応じた輝度で発光する。
【0052】
このような動作が、第1走査線Y2〜Ynにそれぞれ接続された各画素回路220において順に行われて1フレーム分の表示がなされる。
また、パネルアッセンブリAのパネル制御回路100は、上記EEPROM102と、基準電圧生成回路107とを備える。EEPROM102には、有機ELパネル2の輝度を補正するための輝度補正データが格納されている。また、EEPROM102には、ドライバIC103の初期化のためのパラメータ、例えば有機ELパネル2でのフレーム周波数を設定するためのデータも格納されている。
【0053】
本例では、有機ELパネル2の輝度を、ドライバIC103内のデジタル/アナログ変換器の基準電圧をEEPROM102(図2参照)に格納された輝度補正データによってR,G,Bごとに補正できるようになっている。そのために、基準電圧生成回路107は、電源投入時デジタル/アナログ変換器の基準電圧を輝度補正データによって補正したR,G,Bごとの基準電圧VrefR,VrefG,VrefBを生成してドライバIC103へ出力するようになっている。
【0054】
表示装置1は、図5に示すように、自動車等の車両のインストルメントパネル21に搭載される。この表示装置1は、図6に示すスピードメータの画像と図7に示すタコメータの画像のいずれか一方を切り替えて表示する。
【0055】
(画像制御ユニットの電気的構成)
次に、上記画像制御ユニットCUの電気的構成を図1に基づいてより詳しく説明する。
画像制御ユニットCUは、画像処理回路110が設けられた画像制御基板111を備える。この画像処理回路110は、車情報データに基づいてスピードメータの数字92および指針93を表示するためのスピードメータの表示用画像データと、タコメータの数字95および指針96を表示するためのスピードメータの表示用画像データを作成し、これらの画像データをパネルアッセンブリAのパネル制御回路100へ出力する。
【0056】
また、画像制御ユニットCUは、複数の出力ポートから有機ELパネル2へ電源を供給する電源回路112と、車情報データおよび画像データがそれぞれ入力される複数の入力回路(インターフェースI/F1,I/F2)113,114とを備える。さらに、画像制御ユニットCUは、画像処理回路110、電源回路112、入力回路113,114を統括制御するCPU115と、各種の制御プログラム等が格納されたROM116と、画像処理に用いる各種の画像データが格納されたROM117と画像処理用のRAM118とを備える。
【0057】
ROM117には、スピードメータの数字92を表示させるための背景データと、タコメータの数字95を表示させるための背景データが格納されている。また、ROM117には、スピードメータの数字92に重ねて表示される指針93の画像を作成するための画像データ、タコメータの数字95に重ねて表示される指針96の画像を作成するための画像データ等が格納されている。さらに、ROM117には、図7に示すように、タコメータの画像に白の画像部分201(図6参照)と重なる部分に黒の表示200を入れるための画像データも格納されている。
【0058】
指針93を数字92を表示させるための背景データに重ねて表示する方法として、例えば次の2通りがあり、いずれの方法でも良い。同これと同様の方法により、指針96を数字95を表示させるための背景データに重ねて表示する。
【0059】
・所定角度ずつ位置が異なる多数の指針データ(指針93用の指針データ)をROM117に格納しておき、車速に応じた指針データを読み出し、読み出した指針データと上記背景データの足し算をしてタスピードメータの表示用画像データを作成する。
【0060】
・車速データに応じた角度位置の指針93の画像データを作成し、作成した指針の画像データと、上記背景データの足し算をして上記2種類のメータの表示用画像データを作成する。
【0061】
入力回路113には、スピードメータ、タコメータの各表示用画像データを作成するのに用いる車速データとエンジン回転数データとが入力される。車速センサおよびエンジン回転数センサでそれぞれ検出された車速データとエンジン回転数データは、シフトセンサで検出されたシフトレバー位置検出信号とは)から車載ネットワークを通じて逐次送られる。車載ネットワーク・プロトコルとして、例えば、CAN(C ontroller Area Network)、Flex Ray等が利用可能である。入力回路114には、バックモニターのカメラから送られる画像データが入力される。
【0062】
図1に示す画像制御ユニットCUにおいて、符号aは車情報データ制御信号、符号bは画像データ制御信号、符号cは画像処理回路制御信号、符号dは電源回路制御信号、符号eはパネルアッセンブリ制御信号、符号fは車情報データ、符号gは画像データである。また、符号hはパネルアッセンブリAへの電源信号、符号kはパネルアッセンブリAへの画像データである。また、符号nは、RAM118の制御信号である。
【0063】
CPU115は、車情報データ制御信号aにより入力回路113に逐次入力される車情報データf(車速データとエンジン回転数データ)を画像処理回路110へ転送する制御を行う。また、CPU115は、画像データ制御信号gにより入力回路114に入力される画像データを画像処理回路110へ転送する制御を行う。また、CPU115は、画像処理回路制御信号cにより、画像処理回路110からパネルアッセンブリAへ画像データkを出力する制御を行う。そして、CPU115は、パネルアッセンブリ制御信号eをパネルアッセンブリAへ出力する制御を行うようになっている。この画像データkには、スピードメータの表示用画像データとタコメータの表示用画像データ等が含まれる。
【0064】
さらに、画像制御ユニットCUには、図6に示すスピードメータの画像と図7に示すタコメータの画像のいずれか一方を乗員が手動で切り替えるための切替スイッチ119が設けられている。
【0065】
以上の構成を有する表示装置1では、有機ELパネル2の表示エリア14に図6に示すようなスピードメータの画像をある時間表示したとする。その後、図1に示す切替スイッチ119を乗員が手動操作して、図7に示すタコメータの画像を有機ELパネル2の表示エリア14に表示させる。この場合、タコメータの画像にスピードメータの画像における白の画像部分201と重なる部分があると、その部分に焼きつきが見える。そこで本例では、その焼きつきが見えないようにするために、タコメータの画像には白の画像部分201と重なる部分に黒の表示200(図7参照)を入れる。この黒の表示200を、切り替え前の画像(スピードメータの画像)に含まれる白の画像部分201)の輪郭を覆うように入れる。
【0066】
以上のように構成された第1実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
○スピードメータの画像とタコメータの画像を切り替えて表示エリア14に画像の一部が重なるように表示する際に、タコメータの画像(切り替え後の画像)に、スピードメータの画像(切り替え前の画像)と重なる部分に黒の表示200(図7参照)を入れる。これにより、タコメータの画像のうち、スピードメータの画像の画像の高輝度の画像部分と
重なる部分に焼き付きが見えなくなり、高品質な表示が可能になる。
【0067】
○黒の表示200を、スピードメータの画像に含まれる白の画像部分201の輪郭を覆うように入れる。つまり、スピードメータの画像に含まれる白の画像部分201の輪郭(図7の破線で示す輪郭)が、焼き付きとして見える焼き付きライン205であり、その焼き付きライン205全体を環状の黒の表示200で覆っている。そのため、図7に示すタコメータの画像には、スピードメータの画像と重なる部分に焼き付きが見えなくなり、高品質な表示が得られる。
【0068】
○同じ有機ELパネル2に表示するスピードメータの画像とタコメータの画像を入れ替えることができる。これにより、移動体の計器表示盤、例えば自動車等の車両のインストルメントパネル21の表示デザインを乗員の好みに応じて変更することができる。
【0069】
○乗員が切替スイッチ119を手動操作してスピードメータの画像とタコメータの画像のいずれか一方を選択することができる。これにより、図5に示すように、インストルメントパネル21に2つの有機ELパネル2,3が設けられている構成において、各有機ELパネル2,3に表示するスピードメータの画像とタコメータの画像を入れ替えることができる。例えば、図5に示すように、有機ELパネル2にスピードメータの画像を、有機ELパネル3にタコメータの画像をそれぞれ表示している状態で、乗員が切替スイッチ119を手動操作して、スピードメータの画像を有機ELパネル3に、タコメータの画像を有機ELパネル2に表示させることができる。これにより、インストルメントパネル21の表示デザインを乗員の好みに応じて変更することができる。
【0070】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る表示方法を説明する。
第2実施形態に係る表示方法は、上記第1実施形態に係る表示装置1と同様の構成の表示装置を用いて実行される。
【0071】
この表示方法は、図8に示すように有機ELパネル2の表示エリア14のある部分に白の画像部分300を有する画像を1回或いはある時間表示し、その後、図9に示すように表示エリア14全体に白の画像部分302を有する画像を表示する場合の焼き付き抑制対策に適している。図8に示す画像には、白の画像部分300と、その周囲全体が黒表示になった黒の画像部分301とを含む。この画像部分301が特許請求の範囲に記載の第1の画像部分に相当し、画像部分301よりも輝度の高い画像部分300が特許請求の範囲に記載の第2の画像部分に相当する。
図9に示す画像には、白の画像部分302内に、図8に示す画像における白の画像部分300全体を覆うように黒の表示303を入れてある。なお、図9で符号304は、図8に示す画像に含まれる白の画像部分300の輪郭(図9の破線で示す輪郭)が、焼き付きとして見える焼き付きラインである。
【0072】
以上のように構成された第2実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
○図9に示す画像には、白の画像部分302内に、図8に示す画像(切り替え前の画像)における白の画像部分300全体を覆うように黒の表示303を入れることで、図9に示す画像(切替の後の画像)における図8に示す画像の白の画像部分300と重なる部分に焼き付きが見えなくなり、高品質な表示が得られる。
【0073】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る表示方法を説明する。
第2実施形態に係る表示方法は、上記第2実施形態に係る表示方法と同様に、図8に示すように有機ELパネル2の表示エリア14のある部分に白の画像部分300を有する画
像を1回或いはある時間表示し、その後、図10に示すように表示エリア14全体に白の画像部分302を有する画像を表示する場合の焼き付き抑制対策に適している。図10に示す画像には、白の画像部分302内に、環状の黒の表示305を図8に示す画像における白の画像部分300の輪郭を覆うように入れる。なお、図10で符号305は、図8に示す画像に含まれる白の画像部分300の輪郭(図9の破線で示す輪郭)が焼き付きとして見える焼き付きラインである。
【0074】
以上のように構成された第3実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
○図10に示す画像には、白の画像部分302内に、環状の黒の表示305を図8に示す画像における白の画像部分300の輪郭を覆うように入れる。つまり、図8に示す画像に含まれる白の画像部分300の輪郭が焼き付きとして見える焼き付きライン304全体を環状の黒の表示305で覆っている。そのため、図10に示す画像には、図8に示す画像における白の画像部分300と重なる部分に焼き付きが見えなくなり、高品質な表示が得られる。
【0075】
なお、この発明は以下のように変更して具体化することもできる。
・上記各実施形態では、同じ有機ELパネル2に表示するスピードメータの画像とタコメータの画像を入れ替えることができる。これにより、移動体の計器表示盤、例えば自動車等の車両のインストルメントパネルの表示デザインを乗員の好みに応じて変更することができる。
【0076】
○乗員が切替スイッチ119を手動操作してスピードメータの画像とタコメータの画像のいずれか一方を、同じ有機ELパネル2に切り替えて表示させるようにしているが、その手動操作により同種のメータで表示デザインの異なるメータを同じ有機ELパネル2に切り替えて表示させるように構成しても良い。例えば、図7に示すようなタコメータの画像として、中央部に赤色(或いは橙色)の画像部分203を有する画像と、その中央部に緑色の画像部分を有する画像の2種類用意しておく。この2種類の画像のいずれか一方を、乗員が切替スイッチ119を手動操作して同じ有機ELパネル2に切り替えて表示させる構成にも本発明は適用可能である。このような構成により、移動体の計器表示盤、例えば自動車等の車両のインストルメントパネル21の表示デザインを乗員の好みに応じて変更することができる。
【0077】
・上記各実施形態では、発光素子として有機EL素子を駆動して表示エリアにメータ等の画像を表示する構成を一例として説明したが、有機EL素子以外の発光素子を駆動して表示エリアにメータ等の画像を表示する表示方法および表示装置にも本発明は適用可能である。
【0078】
・上記各実施形態では、データ線駆動回路として構成されたドライバIC103がフレキシブル配線基板104に実装されているが、データ線駆動回路を有機ELパネル2の発光素子基板11上に形成した構成にも本発明は適用される。
【0079】
・上記各実施形態では、発光素子として有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)を用いた有機ELパネルを用いているが、発光素子として無機エレクトロルミネッセンス素子(無機EL素子)を用いた無機ELパネルを用いた構成にも本発明は適用可能である。無機EL素子は例えば蒸着法などで形成される。
【0080】
・上記各実施形態では、説明のため簡単な画像を用いているが、本発明は、スピードメータや、タコメータ以外の画像、例えば、車の走行やメンテナンス情報、緊急車両の接近を知らせる情報画像についても適用可能である。
【0081】
・本発明における有機ELパネルの画素構成では、複数の画素がそれぞれR,G,Bの3つの画素(3色)で一つの画素が構成されているが、複数の画素はそれぞれ3色に限定されるものでなく、2色や4色以上であっても良い。また、R,G,Bの3色でカラー表示するパネル(有機ELパネル或いは無機ELパネル)は、複数の画素をそれぞれ構成する3つの画素をR,G,Bごとに塗り分けたパネルであっても、また、白色材料とR,G,Bのカラーフィルタで構成されるパネルであっても良い。
【0082】
ここで、前者のパネルでは、複数の画素を構成する3つの画素が、有機半導体材料で構成された発光層から赤色,緑色および青色の光をそれぞれ放射する赤用有機EL素子、緑用有機EL素子および青用有機EL素子を有する赤用、緑用、および青用の3種類の画素で構成される。また、後者のパネルは、複数の画素を構成する3つの画素が、有機半導体材料で構成された発光層から白色の光を放射する白用有機EL素子で構成される有機ELパネルと、R,G,Bのカラーフィルタとを含む。ここで、有機半導体材料は、低分子材料でも、高分子材料でも良い。
【0083】
・上記各実施形態では、説明のため簡単な画像を用いているが、スピードメータや、タコメータ以外の情報、例えば、車の走行やメンテナンス情報、緊急車両の接近を知らせる情報表示画面を切替えながら用いることが一般的である。このようなスピードメータや、タコメータ以外の情報を表示する場合にも本発明は適用可能である。
【0084】
・本発明における有機ELパネルの画素構成は、R,G,B画素で構成されているが、3色に限定されるものでなく、2色や4色以上であっても良い。また、R,G,B画素は、R,G,Bごとに塗分けたパネルであっても、また、白色材料と、RGBのカラーフィルタで構成されるパネルであっても良い。また有機材料は、低分子材料でも、高分子材料でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】第1実施形態に係る表示装置の電気的構成を示すブロック図。
【図2】同表示モジュールで用いるパネルアッセンブリの電気的構成を示すブロック図。
【図3】同表示モジュールの有機ELパネルを示す平面図。
【図4】(a)は画素回路を示す回路図、(b)は動作を示すタイミングチャート。
【図5】同表示装置が搭載された車両のインストルメントパネルを示す斜視図。
【図6】同表示装置によるスピードメータの表示状態を示す平面図。
【図7】同表示装置によるタコメータの表示状態を示す平面図。
【図8】第2実施形態に係る表示装置による一つの画像の表示状態を示す説明図。
【図9】同表示装置によるもう一つの画像の表示状態を示す説明図。
【図10】第3実施形態に係る表示装置による画像の表示状態を示す説明図。
【符号の説明】
【0086】
k…画像データ、X1〜Xm…データ線、1…表示装置、2…表示パネルとしての有機ELパネル、210A…画素、221…発光素子としての有機EL素子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の走査線と複数のデータ線の交差に対応して複数の画素がマトリクス状に配置された表示エリアを有する表示パネルを備え、各画素の発光素子を画像データに基づいて駆動し、異なる複数の画像を切り替えて前記表示エリアに画像の一部が重なるように表示する表示方法であって、
切り替え後の画像に、切り替え前の画像と重なる部分に黒の表示を入れることを特徴とする表示方法。
【請求項2】
請求項1に記載の表示方法において、
前記切り替え前の画像は、第1の画像部分と、該第1の画像部分よりも輝度が高い第2の画像部分を含み、
前記黒の表示を、前記第2の画像部分の輪郭を覆うように前記切り替え後の画像に入れることを特徴とする表示方法。
【請求項3】
請求項1に記載の表示方法において、
前記切り替え前の画像は、第1の画像部分と、該第1の画像部分よりも輝度が高い第2の画像部分を含み、
前記黒の表示を、前記第2の画像部分全体を覆うように前記切り替え後の画像に入れることを特徴とする表示方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つに記載の表示方法において、
前記異なる複数の画像として、移動体の速度を表わすスピードメータの画像と、移動体の機関回転数を表わすタコメータの画像とが含まれることを特徴とする表示方法。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一つに記載の表示方法において、
前記異なる複数の画像は、同じ種類のメータで、高輝度の画像部分の色が異なる画像であることを特徴とする表示方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一つに記載の表示方法において、
前記発光素子は、エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする表示方法。
【請求項7】
複数の走査線と複数のデータ線の交差に対応して複数の画素がマトリクス状に配置された表示エリアを有する表示パネルを備え、各画素の発光素子を画像データに基づいて駆動し、異なる複数の画像を切り替えて前記表示エリアに画像の一部が重なるように表示する表示装置であって、
切り替え後の画像に、切り替え前の画像と重なる部分に黒の表示を入れることを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−330034(P2006−330034A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−149098(P2005−149098)
【出願日】平成17年5月23日(2005.5.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】