説明

表示方法

【課題】回転受信アンテナにて方向調整を行うオペレータの習熟度の必要性を軽減することを目的とする。
【解決手段】映像信号でデジタル変調された電波の遅延プロファイル波形を映像としてパソコン画面上に表示を行う遠隔監視制御装置において、遅延プロファイル波形データを、Y軸方向を相関レベル、X軸方向を遅延量として相関レベルのピーク値とそのときの遅延量と、反射波の相関レベルのピーク値とそのときの遅延量とを算出し、相関レベルと遅延量からレベル値を算出し、前記操作パソコン画面に遅延プロファイルレベルメータとして表示する。また、遅延プロファイルレベルメータを、レベル値に応じてメータ表示色を変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体から受信基地局に送信される映像音声信号のデジタル無線伝送の追尾に関する。
【背景技術】
【0002】
放送システムでは、カメラにより撮影された映像や収集された音声を基地局装置へ無線送信し、基地局装置がその映像や音声を放送局へ送信し、放送局がその映像や音声を放送信号として一般の家庭などに対して無線送信することが行われている。映像音声を基地局装置へ無線送信する装置を日本国内の放送業界では可搬型映像音声伝送装置(以下FPU)と呼ぶ。
【0003】
FPU受信基地局遠隔監視制御装置では伝送装置の送信装置から伝送されるマイクロ波を回転受信アンテナを操作パソコンで方向調整して受信装置にて受信する。従来の操作パソコン画面の模式図の図2は、回転受信アンテナの方向調整を行う遠隔監視制御装置の操作パソコン画面であり、親局表示板と称される。図2では、判断し易い色の1例として、青を斜め線模様、緑を波線模様、黄色を白地に黒点模様、赤が黒地に白点模様に、表記してある。
【0004】
このときの伝送状況(受信状態)を監視するために、伝送装置の受信装置から出力される遅延プロファイル波形をFPU受信基地局遠隔監視制御装置の親局表示板に画像として表示している。オペレータはこのFPU受信基地局遠隔監視制御装置親局表示板で表示されている遅延プロファイル波形映像を見ながら受信状況を確認する。
【0005】
OFDM等の伝送装置に関し、電界強度、BERとあわせて遅延プロファイル波形、伝送マージンを表示し、遅延プロファイルの波形の位置から遅延プロファイルマージンを算出する技術がある。(特許文献1参照)
【特許文献1】特開2003−101491号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように従来のFPU受信基地局遠隔監視制御装置親局表示板での表示方式では、回転受信アンテナにて方向調整を行う必要がある場合において、受信電界レベル、BER状態及び遅延プロファイル波形映像を監視しながらの方向調整となる。
【0007】
FPU受信基地局遠隔監視制御装置親局表示板では、受信電界レベル及びBERはメータ化されており認識し易い形態となっているが、遅延プロファイル波形は操作画面に画像として表示されているため、オペレータが監視するためには負荷が多い。受信電界メータ、BERメータ及び遅延プロファイル波形映像を監視しなければならない為、回転受信アンテナにて方向調整を行うオペレータの負担が高く、更に遅延プロファイル波形を監視しながらの方向調整は習熟度が高くなければ難しい。
【0008】
本発明は、上記問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため本発明は、映像信号でデジタル変調された受信電波の伝送状況を操作パソコン画面に表示を行う受信アンテナ制御装置の表示方法において、受信電波の遅延プロファイル波形の相関レベルと遅延量に基づき、レベルメータとして表示を行う。
【0010】
具体的には上記表示方法において、遅延プロファイル波形データを、Y軸方向を相関レベル、X軸方向を遅延量として相関レベルのピーク値とそのときの遅延量と、反射波の相関レベルのピーク値とそのときの遅延量とを算出し、相関レベルと遅延量からレベル値を算出し、前記操作パソコン画面に遅延プロファイルレベルメータとして表示する。
【0011】
また、遅延プロファイルレベルメータは、レベル値に応じてメータ表示色を変化させる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明によれば、従来のFPU受信基地局遠隔監視制御装置親局表示板では、遅延プロファイル波形を映像として表示しているものを、遅延プロファイル波形データから相関レベル、遅延量からなる遅延プロファイルレベルメータを表示をすることにより、受信電界メータ、BERメータと類似したメータ表示となる為、方向調整を行う場合において遅延プロファイル波形映像を監視することなく方向調整が行えることとなり、オペレータの負担も軽減され、習熟度の必要性も軽減される。
【0013】
また、遅延プロファイル波形が正常又は異常かの判断が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明に係る実施例を本発明の1実施例の操作パソコン画面の模式図の図1と遅延プロファイルメータの模式図の図3と遅延プロファイル波形のデータ化模式図の図4を参照して説明する。
【0015】
本発明の1実施例の操作パソコン画面の模式図の図1は、回転受信アンテナの方向調整を行う遠隔監視制御装置の操作パソコン画面であり、親局表示板と称される。従来の操作パソコン画面の模式図の図2との相違点は、遅延プロファイルを画像として表示する替わりに、遅延プロファイルをレベル値としてメータ表示したことである。
遅延プロファイル波形のデータ化模式図の図4に示される、伝送装置の受信装置から出力される遅延プロファイル波形データをFPU受信基地局遠隔監視制御装置の親局表示板と称される操作パソコンが座標データとして扱い、座標データであるY方向:相関レベル(0〜256)、X方向:遅延量(0〜256)から相関レベルのピーク値とそのときの遅延量を算出し、遅延プロファイルのレベル値として遅延プロファイルレベルメータの模式図の図3のようにメータ表示する。
【0016】
図3の(a)のように、相関レベルが低く遅延量が大きくければ、遅延プロファイルレベルメータの表示は短く、赤付近のみ表示される。図3の(b)のように、相関レベルが高く遅延量が大きくければ、遅延プロファイルレベルメータの表示は中ぐらいで、赤と黄色が表示される。図3の(c)のように、相関レベルが高く遅延量が大きい遅延波の相関レベルが低ければ、遅延プロファイルレベルメータはMAXに近づき、黄緑まで表示される。図3の(d)のように、遅延プロファイルの遅延波がほとんど無ければ、遅延プロファイルレベルメータはMAXで、緑端まで表示される。
【0017】
また、レベル値に応じてメータ表示色を変化させることにより、レベル無しから最大レベルまでの視認性を高め、遅延プロファイル波形が正常又は異常かの判断が可能とする。図3では、判断し易い色の1例として、青を斜め線模様、緑を波線模様、黄色を白地に黒点模様、赤が黒地に白点模様に、表記してある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の1実施例の操作パソコン画面の模式図
【図2】従来の操作パソコン画面の模式図
【図3】遅延プロファイルレベルメータの模式図
【図4】遅延プロファイル波形のデータ化の模式図
【符号の説明】
【0019】
電波の強さ:受信電波の相関の強さ、遅延:基準波からの遅延量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号でデジタル変調された受信電波の伝送状況を操作パソコン画面上に表示を行う受信アンテナ制御装置の表示方法において、受信電波の遅延プロファイル波形の相関レベルと遅延量に基づき、レベルメータとして表示を行うことを特徴とする表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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