説明

表示端末装置、画像読み取りシステム、画像読み取り方法、画像読み取りプログラム

【課題】複数の画像を容易に読み取ることができる表示端末装置、画像読み取りシステム、画像読み取り方法、画像読み取りプログラムを提供する。
【解決手段】電子ペーパ端末1の画像をコピー機で複数取り込む場合、スキャナ光が第1光センサ11、第2光センサ12に検出される。それら検出時刻と各センサ間の距離からスキャナヘッドの速度が算出され、第1光センサ11から表示パネル3に到達するまでの時間が算出される。その到達時間よりも短いパネル書換時間が設定されるので複数の画像を容易に読み取ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示した画像をスキャナで読み取らせることができる表示端末装置、画像読み取りシステム、画像読み取り方法、画像読み取りプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子ペーパなどの携帯性に優れた表示端末が普及している。ところが、表示端末が携帯性に優れているとはいえ、紙と比較して重量は重い。そのため、表示端末のデータの一部だけを持ち運びたい場合には、表示端末の表示データを紙に印刷することになる。例えば、表示端末に表示されている画像をコピー機を用いて複写するという方法がある。この場合、表示端末の表示部をコピー機のスキャナ部分の原稿台に載せ、コピーボタンを押すことで表示部に表示されている画像が読み取られて複写される。例えば、環境センサと、コンテンツに付随させた複製の許諾可否に関する利用権情報とに基づき、表示手段に表示されるコンテンツの可読/非可読状態を制御できる表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この表示装置では、光学的手段、特にスキャナを用いたコンテンツの不当な複製を防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−79871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の方法で、表示端末の表示部に表示された複数の画像をコピー機のスキャナで連続して読み取る場合、画像毎に電子ペーパの画像を更新するための操作が必要となり、操作が煩わしいという問題点があった。また、更新するタイミングを誤ると、画像が正確に読み取られなかったり、意図しない画像が読み取られてしまう等の問題点もあった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、複数の画像を容易に読み取ることができる表示端末装置、画像読み取りシステム、画像読み取り方法、画像読み取りプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の表示端末装置は、コンテンツ画像を表示する表示面と、当該表示面を取り囲む表示枠において互いに離間する位置に各々設けられ、スキャナヘッドが発するスキャナ光を検出する第1検出手段及び、当該第1検出手段から前記表示面に向かう方向において、前記第1検出手段よりも前記表示面に近い位置に配置された第2検出手段と、前記第1検出手段によって前記スキャナ光が検出された後に、前記第2検出手段によって前記スキャナ光が検出された場合に、前記表示面に表示されたコンテンツ画像を次のコンテンツ画像に書き換える書き換え制御手段とを備えている。
【0007】
また、請求項2に係る発明の表示端末装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記第1検出手段によって前記スキャナ光が検出された時から、前記第2検出手段によって前記スキャナ光が検出される時までの経過時間を計測する計測手段と、前記第1検出手段と前記第2検出手段とが離間する第1距離と、前記計測手段によって計測された前記経過時間とに基づいて、前記スキャナヘッドの移動速度を算出する速度算出手段と、当該速度算出手段によって算出された前記移動速度を記憶する移動速度記憶手段と、前記第1距離に対して、前記第2検出手段から前記表示面までの第2距離を加算した第3距離と、前記移動速度記憶手段に記憶された前記移動速度とに基づいて、前記第1検出手段から前記表示面に到達するまでの到達時間を算出する到達時間算出手段と、当該到達時間算出手段によって算出された前記到達時間よりも短い時間を、前記第1検出手段によって前記スキャナ光が検出されてから、前記表示面において次のコンテンツ画像に書き換えるまでの書き換え時間に設定する書き換え時間設定手段とを備え、前記書き換え制御手段は、前記書き換え時間設定手段によって設定された前記書き換え時間で、次の前記コンテンツ画像に書き換えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る発明の表示端末装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記第1検出手段及び前記第2検出手段は、前記スキャナヘッドが前記表示枠の外縁から前記表示面に到達するまでの間において各々配置されている。
【0009】
また、請求項4に係る発明の表示端末装置は、請求項3に記載の発明の構成に加え、前記表示面は、平面視長方形状であって、前記表示枠は、平面視帯状の上枠部位、下枠部位、右枠部位および左枠部位から構成された平面視長方形状の枠であって、前記第1検出手段及び前記第2検出手段は、前記上枠部位、前記下枠部位、前記右枠部位および前記左枠部位の少なくとも何れかの部位に設けられている。
【0010】
また、請求項5に係る発明の表示端末装置は、請求項4に記載の発明の構成に加え、前記第1検出手段及び前記第2検出手段は、前記上枠部位、前記下枠部位、前記右枠部位、前記左枠部位の各部位に各々設けられ、前記各部位における前記第2距離を各々記憶する第2距離記憶手段と、前記各部位に設けられた前記第1検出手段のうち、前記スキャナ光を検出した前記第1検出手段を特定するスキャナ光検出特定手段と、当該スキャナ光検出特定手段によって特定された前記第1検出手段が設けられた前記部位における前記第2距離を、前記第2距離記憶手段に記憶された前記第2距離から決定する第2距離決定手段とを備え、前記到達時間算出手段は、前記第1距離に、前記第2距離決定手段によって決定された前記第2距離を加算した前記第3距離と、前記移動速度とに基づいて、前記到達時間を算出することを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に係る発明の表示端末装置は、請求項2乃至5の何れかに記載の発明の構成に加え、前記書き換え時間の設定可能時間を記憶する設定可能時間記憶手段を備え、前記書き換え時間設定手段は、前記設定可能時間記憶手段に記憶された前記設定可能時間であって、かつ前記到達時間算出手段によって算出された前記到達時間よりも短い時間を、前記書き換え時間に設定することを特徴とする。
【0012】
また、請求項7に係る発明の表示端末装置は、請求項1乃至6の何れかに記載の発明の構成に加え、前記スキャナヘッドによって前記コンテンツ画像を読み取るためのスキャナモードへの移行を指示するスキャナモード移行指示手段を備え、当該スキャナモード移行指示手段によって前記スキャナモードへの移行を指示された場合に、前記第1検出手段及び前記第2検出手段が駆動することを特徴とする。
【0013】
また、請求項8に係る発明の画像読み取りシステムは、コンテンツ画像を表示する表示端末装置と、当該表示端末装置に表示された前記コンテンツ画像を読み取って記憶するための画像読取装置とからなる画像読み取りシステムであって、前記画像読取装置は、前記コンテンツ画像を読み取るための読み取り面と、当該読み取り面に沿って移動するスキャナヘッドと、当該スキャナヘッドの有する発光素子に、前記スキャナヘッドの移動速度に対応させて前記スキャナ光の周波数、又は点滅周期を設定するスキャナ光設定手段とを備え、前記表示端末装置は、前記コンテンツ画像を表示する表示面と、当該表示面を取り囲む表示枠に設けられ、画像を読み取り可能な画像読取装置の読み取り面に前記表示面を載置して、前記表示面に表示された前記コンテンツ画像が前記画像読取装置のスキャナヘッドによって読み取られる際に、前記読み取り面に沿って移動する前記スキャナヘッドが発するスキャナ光を検出すると共に、前記スキャナ光の周波数、又は点滅周期を検出する第3検出手段と、前記スキャナヘッドの移動速度を、前記スキャナ光の前記周波数、又は前記点滅周期に対応付けて記憶する移動速度記憶手段と、前記第3検出手段によって検出された前記スキャナ光の前記周波数、又は前記点滅周期に対応する前記移動速度を、前記移動速度記憶手段に記憶された前記移動速度から決定する移動速度決定手段と、当該移動速度決定手段によって決定された前記移動速度と、前記第3検出手段から前記表示面までの距離である第4距離とに基づいて、前記第3検出手段から前記表示面に到達するまでの到達時間を算出する到達時間算出手段と、当該到達時間算出手段によって算出された前記到達時間よりも短い時間を、前記第3検出手段によって前記スキャナ光が検出されてから、前記表示面において次のコンテンツ画像に書き換えるまでの書き換え時間に設定する書き換え時間設定手段と、当該書き換え時間設定手段によって設定された前記書き換え時間で、次の前記コンテンツ画像に書き換える書き換え制御手段とを備えている。
【0014】
また、請求項9に係る発明の画像読み取り方法は、コンテンツ画像を表示する表示端末装置の表示面を、画像を読み取り可能な画像読取装置の読み取り面に載置して、前記表示面に表示された前記コンテンツ画像を前記画像読取装置のスキャナヘッドによって読み取るための画像読み取り方法であって、前記表示面を取り囲む表示枠において互いに離間する位置に各々設けられた第1検出手段及び、当該第1検出手段から前記表示面に向かう方向において、前記第1検出手段よりも前記表示面に近い位置に設けられた第2検出手段によって、前記読み取り面に沿って移動する前記スキャナヘッドが発するスキャナ光をそれぞれの位置で検出するスキャナ光検出ステップと、当該スキャナ光検出ステップにおいて、前記第1検出手段によって前記スキャナ光が検出された時から、前記第2検出手段によって前記スキャナ光が検出される時までの経過時間を計測する計測ステップと、前記第1検出手段と前記第2検出手段とが離間する第1距離と、前記計測ステップにおいて計測された前記経過時間とに基づいて、前記スキャンヘッドの移動速度を算出する速度算出ステップと、当該速度算出ステップにおいて算出された前記移動速度を移動速度記憶手段に記憶する移動速度記憶ステップと、前記第1距離に対して、前記第2検出手段から前記表示面までの第2距離を加算した第3距離と、前記移動速度記憶ステップにおいて記憶された前記移動速度とに基づいて、前記第1検出手段から前記表示面に到達するまでの到達時間を算出する到達時間算出ステップと、当該到達時間算出ステップにおいて算出された前記到達時間よりも短い時間を、前記第1検出手段によって前記スキャナ光が検出されてから、前記表示面において次のコンテンツ画像に書き換えるまでの書き換え時間に設定する書き換え時間設定ステップと、当該書き換え時間設定ステップにおいて設定された前記書き換え時間で、次の前記コンテンツ画像に書き換える書き換え制御ステップとを備えている。
【0015】
また、請求項10に係る発明の画像読み取りプログラムは、請求項1乃至7の何れかに記載の表示端末装置の各種処理手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明の表示端末装置では、コンテンツ画像を表示した表示面をスキャナヘッドで所定方向に走査する。表示枠には、スキャナ光を検出する第1検出手段および第2検出手段が設けられている。第2検出手段は、第1検出手段から表示面に向かう方向において、第1検出手段よりも表示面に近い位置に配置されている。従って、スキャナヘッドが画像を読み取るために走査を開始すると、まず、第1検出手段によってスキャナ光をが検出され、その後で、第2検出手段によってスキャナ光が検出される。そして、第2検出手段によってスキャナ光が検出された場合に、書き換え制御手段が、表示面に表示されたコンテンツ画像を次のコンテンツ画像に書き換える。これにより、コンテンツ画像が読み取られている際中に、コンテンツ画像が書き換えられるのを防止できる。さらに、第1検出手段、第2検出手段の順に何れもスキャナ光が検出された場合に、書き換え制御手段は、表示画面に表示されたコンテンツ画像を書き換えるので、コンテンツ画像を更新するための操作が不要となるので、複数のコンテンツ画像を正確かつ容易に読み取ることができる。また、スキャナヘッドが走査を終えて元の位置に戻る際のスキャナ光を検出した場合にコンテンツ画像を書き換えてしまうのを防止できる。
【0017】
また、請求項2に係る発明の表示端末装置では、請求項1に記載の発明の効果に加え、第1検出手段によってスキャナ光が検出された時から、第2検出手段によってスキャナ光が検出される時までの経過時間を計測手段が計測する。次いで、第1検出手段と第2検出手段とが離間する第1距離と、計測手段によって計測された経過時間とに基づき、速度算出手段がスキャナヘッドの移動速度を算出する。算出された移動速度は移動速度記憶手段に記憶される。さらに、第1距離に対して、第2検出手段から表示面までの第2距離を加算した第3距離と、移動速度記憶手段に記憶された移動速度とに基づき、到達時間算出手段が第1検出手段から表示面に到達するまでの到達時間を算出する。そして、書き換え時間設定手段は、算出された前記到達時間よりも短い時間を、第1検出手段によってスキャナ光が検出されてから、表示面において次のコンテンツ画像に書き換えるまでの書き換え時間に設定する。書き換え制御手段は、設定された書き換え時間で、次のコンテンツ画像に書き換える。これにより、コンテンツ画像を更新するための操作が不要となるので、複数のコンテンツ画像を正確かつ容易に読み取ることができる。また、コンテンツ画像が読み取られている際中に、コンテンツ画像が書き換えられるのを確実に防止できる。
【0018】
また、請求項3に係る発明の表示端末装置では、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、第1検出手段及び第2検出手段は、スキャナヘッドが表示枠の外縁から表示面に到達するまでの間において各々配置されている。これにより、スキャナヘッドが表示枠の外縁から表示面に到達するまでの間で、第1検出手段および第2検出手段の両方においてスキャナ光を検出できる。
【0019】
また、請求項4に係る発明の表示端末装置では、請求項3に記載の発明の効果に加え、表示面は平面視長方形状である。表示枠は、平面視帯状の上枠部位、下枠部位、右枠部位および左枠部位から構成された平面視長方形状の枠である。第1検出手段及び第2検出手段は、表示枠の上枠部位、下枠部位、右枠部位および左枠部位の少なくとも何れかの部位に設けられている。従って、上枠部位に第1検出手段及び第2検出手段が設けられている場合は、表示面を上から下へ移動するスキャナヘッドのスキャナ光を検出できる。下枠部位に第1検出手段及び第2検出手段が設けられている場合は、表示面を下から上へ移動するスキャナヘッドのスキャナ光を検出できる。右枠部位に第1検出手段及び第2検出手段が設けられている場合は、表示面を右から左へ移動するスキャナヘッドのスキャナ光を検出できる。左枠部位に第1検出手段及び第2検出手段が設けられている場合は、表示面を左から右へ移動するスキャナヘッドのスキャナ光を検出できる。
【0020】
また、請求項5に係る発明の表示端末装置では、請求項4に記載の発明の効果に加え、第1検出手段及び第2検出手段は、表示枠の全部位に各々設けられている。第2距離記憶手段には、各部位における第2距離が記憶されている。このような構成で、スキャナ光検出特定手段は、各部位に設けられた第1検出手段のうち、スキャナ光を検出した第1検出手段を特定する。ここで、スキャナ光検出特定手段によって特定された第1検出手段がある部位側からスキャナヘッドが走査することがわかる。そこで、第2距離決定手段は、特定された第1検出手段が設けられた部位における第2距離を、第2距離記憶手段に記憶された第2距離から決定する。そして、到達時間算出手段は、第1距離に、第2距離決定手段によって決定された第2距離を加算した第3距離と、移動速度とに基づいて到達時間を算出する。これにより、スキャナヘッドの表示面に対する走査方向が変わっても、その走査方向を特定しつつ、特定された方向において到達時間を算出できる。
【0021】
また、請求項6に係る発明の表示端末装置では、請求項2乃至5の何れかに記載の発明の効果に加え、設定可能時間記憶手段には、書き換え時間の設定可能時間が記憶されている。書き換え時間設定手段は、設定可能時間記憶手段に記憶された設定可能時間であって、かつ到達時間算出手段によって算出された到達時間よりも短い時間を書き換え時間に設定する。これにより、コンテンツ画像が読み取られている際中に、コンテンツ画像が書き換えられるのを確実に防止できる。
【0022】
また、請求項7に係る発明の表示端末装置では、請求項1乃至6の何れかに記載の発明の効果に加え、スキャナモード移行指示手段は、スキャナヘッドによってコンテンツ画像を読み取るためのスキャナモードへの移行を指示する。スキャナモード移行指示手段によってスキャナモードへの移行を指示された場合に、第1検出手段及び第2検出手段が駆動する。これにより、ユーザが複数のコンテンツ画像を連続して読み取ろうとした場合に、スキャナモード移行指示手段によってスキャナモードに移行された場合に限って、書き換え制御手段によるコンテンツ画像の書き換えを行うことができる。よって、画像が勝手に書き換えられるのを防止できる。
【0023】
また、請求項8に係る発明の画像読み取りシステムでは、コンテンツ画像を表示する表示端末装置と、そのコンテンツ画像を読み取って記憶するための画像読取装置とを備えている。画像読取装置の読み取り面に、表示端末装置の表示面を載置した状態で、読み取り面に表示されたコンテンツ画像がスキャナヘッドによって所定方向に読み取られる。スキャナヘッドの有する発光素子には、スキャナ光設定手段によって、スキャナヘッドの移動速度に対応させてスキャナ光の周波数、点滅周期が設定されている。表示端末装置では、第3検出手段によって、スキャナヘッドによってが読み取り面に沿って移動する際に、スキャナヘッドが発するスキャナ光が検出されると共に、スキャナ光の周波数、又は点滅周期が検出される。移動速度記憶手段には、スキャナヘッドの移動速度が、スキャナ光の周波数、又は点滅周期に対応付けて記憶されている。そして、移動速度決定手段は、第3検出手段によって検出されたスキャナ光の周波数、又は点滅周期に対応する移動速度を、移動速度記憶手段に記憶された移動速度から決定する。次いで、到達時間算出手段は、移動速度決定手段によって決定された移動速度と、第3検出手段から表示面までの距離である第4距離とに基づき、第3検出手段から表示面に到達するまでの到達時間を算出する。さらに、書き換え時間設定手段は、到達時間算出手段によって算出された到達時間よりも短い時間を、第3検出手段によってスキャナ光が検出されてから、表示面において次のコンテンツ画像に書き換えるまでの書き換え時間に設定する。そして、書き換え制御手段が、書き換え時間設定手段によって設定された書き換え時間で、次のコンテンツ画像に書き換える。このように、画像読取装置側で、スキャナヘッドの移動速度に対応させてスキャナ光の周波数、点滅周期を設定しておき、表示端末装置側で、第3検出手段によってそのスキャナ光の周波数、点滅周期が検出され、その移動速度が決定される。従って、1コの検出手段であっても、スキャナヘッドの移動速度を特定できるのでコストを節約できる。また、移動速度に対応させてスキャナ光の周波数や、点滅周期を設定するので、表示端末装置側に対してスキャナヘッドの移動速度を確実に伝達できる。
【0024】
また、請求項9に係る発明の画像読み取り方法では、まず、スキャナ光検出ステップでは、表示面を取り囲む表示枠において互いに離間する位置に各々設けられた第1検出手段及び、当該第1検出手段よりも表示面に近い位置に設けられた第2検出手段によって、読み取り面に沿って移動するスキャナヘッドが発するスキャナ光がそれぞれの位置で検出される。次いで、計測ステップでは、スキャナ光検出ステップにおいて、第1検出手段によってスキャナ光が検出された時から、第2検出手段によってスキャナ光が検出される時までの経過時間が計測される。続いて、速度算出ステップでは、第1検出手段と第2検出手段とが離間する第1距離と、計測ステップにおいて計測された経過時間とに基づいて、スキャンヘッドの移動速度が算出される。速度記憶ステップでは、速度算出ステップにおいて算出された移動速度が移動速度記憶手段に記憶される。さらに、到達時間算出ステップでは、第1距離に対して、第2検出手段から表示面までの第2距離を加算した第3距離と、移動速度記憶ステップにおいて記憶された移動速度とに基づいて、第1検出手段から前記表示面に到達するまでの到達時間が算出される。次いで、書き換え時間設定ステップでは、到達時間算出ステップにおいて算出された到達時間よりも短い時間が、第1検出手段によってスキャナ光が検出されてから、表示面において次のコンテンツ画像に書き換えるまでの書き換え時間に設定される。そして、書き換え制御ステップでは、書き換え時間設定ステップにおいて設定された書き換え時間で、次のコンテンツ画像に書き換えられる。これにより、コンテンツ画像を更新するための操作が不要となるので、複数のコンテンツ画像を正確かつ容易に読み取ることができる。また、コンテンツ画像が読み取られている際中に、コンテンツ画像が書き換えられるのを確実に防止できる。
【0025】
また、請求項10に係る発明の画像読み取りプログラムでは、請求項1乃至7の何れかに記載の表示端末装置の各種処理手段としてコンピュータを機能させることによって、請求項1乃至7の何れかに記載の発明の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】電子ペーパ端末1の斜視図である。
【図2】電子ペーパ端末1の平面図である。
【図3】電子ペーパ端末1の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】RAM103の各種記憶エリアを示す概念図である。
【図5】EEPROM104の各種記憶エリアを概念図である。
【図6】第1距離テーブル2111の概念図である。
【図7】第2距離テーブル2121の概念図である。
【図8】設定時間テーブル2131の概念図である。
【図9】コピー機2の原稿台202に電子ペーパ端末1を載置した状態を示す斜視図である。
【図10】原稿台202に載置された電子ペーパ端末1の画像をスキャナヘッド204で走査する態様を示す図である。
【図11】原稿台202に電子ペーパ端末1を載置した状態の平面図である。
【図12】電子ペーパ端末1における画像読み取り処理のフローチャートである。
【図13】図12の続きを示すフローチャートである。
【図14】図12の続きを示すフローチャートである。
【図15】画像読み取りシステム500において、コピー機2の原稿台202に電子ペーパ端末400を載置した状態を示す斜視図(第2実施形態)である。
【図16】電子ペーパ端末400の平面図である。
【図17】電子ペーパ端末400の電気的構成を示すブロック図である。
【図18】コピー機2の電気的構成を示すブロック図である。
【図19】電子ペーパ端末400における画像読取処理のフローチャートである。
【図20】コピー機2における画像読取処理のフローチャートである。
【図21】電子ペーパ端末600の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の第1実施形態である電子ペーパ端末1について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成、各種処理のフローチャート等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。図1に示す電子ペーパ端末1が本発明の「表示端末装置」に相当する。
【0028】
なお、第1実施形態では、図9に示すように、電子ペーパ端末1の画像をコピー機2で複数ページ複写する場合を想定する。この場合、コピー機2の圧版201を開いてスキャナ部分の原稿台202に電子ペーパ端末1の表示パネル3(図1参照)が下になるように設置し、スタートボタン203を押す。すると、表示パネル3に表示されたコンテンツ画像がコピー機2のスキャナヘッド204(図9参照)に読み取られ、紙等の記録媒体に複写される。本実施形態は、電子ペーパ端末1の画像を複数ページ取り込む場合に、コピー機2のスキャナヘッド204の走査に合わせて、画像をタイミングよく書き換えることができる点に特徴がある。
【0029】
まず、電子ペーパ端末1の構造について、図1,図2を参照して説明する。電子ペーパ端末1は、反射型液晶等の表示デバイスからなる表示装置である。表示装置としては、反射型液晶の他、電気泳動方式による電子ペーパ等が適用可能である。基本原理は、プラスに帯電した白の粒子とマイナスに帯電した黒の粒子が電気泳動によって表示液中を移動することで白黒が表示される。
【0030】
電子ペーパ端末1は、所定厚を有する平面視長方形状の板状に形成されている。その上面には、平面視長方形状の表示パネル3が形成されている。表示パネル3には、テキスト、図表、画像等から構成される種々のコンテンツ画像が表示される。コンテンツ画像は、外部記録媒体4に記録されている。外部記録媒体4としては、例えば、フレキシブルディスク、光ディスク、メモリカード等である。なお、コンテンツ画像は、後述するROM102、RAM103、EEPROM104(図3参照)等に記録されていてもよい。
【0031】
電子ペーパ端末1の前面の右側には、その外部記録媒体4を挿入するための記録媒体挿入口20(図1参照)が設けられている。記録媒体挿入口20の奥には、後述する記録媒体読込部112(図3参照)が設けられている。記録媒体挿入口20に外部記録媒体4を挿入すると、外部記録媒体4に記憶されたコンテンツ情報が記録媒体読込部112に読み込まれ、そのコンテンツ情報に対応するコンテンツ画像が表示パネル3に表示される。
【0032】
表示パネル3の周囲には平面視長方形状の表示枠5が形成されている。表示枠5は、平面視帯状の下枠部位51、右枠部位52、左枠部位53および上枠部位54からなる。下枠部位51は、右枠部位52、左枠部位53および上枠部位54よりも幅広に形成されている。その下枠部位51の幅方向略中央には、電子ペーパ端末1を操作するための操作部108が設けられている。操作部108は、多機能ボタン6、その右側に設けられた送りボタン7、左側に設けられた戻しボタン8からなる。多機能ボタン6は、メニュー選択、コンテンツ画像の選択、決定、画像・画質の調整等を行うためのボタンである。送りボタン7は、表示パネル3に表示された画像のページを送るためのボタンである。戻しボタンは画像のページを戻すためのボタンである。
【0033】
表示枠5には、コピー機2のスキャナヘッド204が発するスキャナ光を検出するための8つの光センサ11〜18が設けられている。具体的には、表示枠5を構成する4つの枠部位51〜54に、それぞれ1対の第1,第2光センサが設けられている。第1光センサは、表示枠5の幅方向の外側に配置されるセンサである。第2光センサは、表示枠5の幅方向の内側に配置されるセンサである。これら光センサは一般的なフォトセンサである。
【0034】
さらに具体的に説明すると、下枠部位51には、第1光センサ11および第2光センサ12が各々設けられている。右枠部位52には、第1光センサ13および第2光センサ14が各々設けられている。左枠部位53には、第1光センサ15および第2光センサ16が各々設けられている。上枠部位54には、第1光センサ17および第2光センサ18が各々設けられている。
【0035】
第1光センサ11,17および第2光センサ12,18は、下枠部位51および上枠部位54において上下方向に互いに離間して配置されている。第1光センサ13,15および第2光センサ14,16は、右枠部位52および左枠部位53において左右方向に互いに離間して配置されている。このことは、電子ペーパ端末1をコピー機2の原稿台202に載置した場合に、第1光センサおよび第2光センサの離間する方向が、コピー機2のスキャナヘッド204(図10参照)の走査方向に対して平行になるようになっている。
【0036】
次に、表示枠5の上面において規定される第1距離d1、第2距離d2について、図2を参照して説明する。第1距離d1、第2距離d2は、スキャナヘッド204(図10参照)の速度vを算出するために規定されるパラメータである。表示枠5の下枠部位51の上面において、第1光センサ11から第2光センサ12までの距離を「第1距離d1」とする。第2光センサ12から表示パネル3までの距離を「第2距離d2」とする。なお、図示しないが、第1距離d1、第2距離d2は、下枠部位51のみならず、右枠部位52、左枠部位53、上枠部位54においてもそれぞれ同様に規定されている。つまり、第1距離d1、第2距離d2は、各枠部位においてそれぞれ固有の距離でそれぞれ規定されている。これら規定値は、後述するEEPROM104に記憶されている。
【0037】
次に、上記構成からなる電子ペーパ端末1の電気的構成について、図3を参照して説明する。電子ペーパ端末1は、電子ペーパ端末1の全体の制御を司るCPU101を備えている。CPU101には、ROM102、RAM103、EEPROM104、表示制御部105、操作制御部107、計時装置111、記録媒体読込部112等が、バス115を介して接続されている。CPU101には、さらに、第1光センサ11,13,15,17、第2光センサ12,14,16,18がバス115を介して接続されている。
【0038】
ROM102には、CPU101が実行する画像の表示に関わるメインの画像表示プログラムや、複数のコンテンツ画像をコピー機2で読み取らせる場合に実行する本発明の「画像読み取りプログラム」等の各種プログラムが記憶されている。RAM103には、後述する各種データが一時的に記憶される。
【0039】
EEPROM104には、後述する各種データが記憶されている。表示制御部105には、表示パネル3が接続されている。表示制御部105は、表示パネル3における画像表示を制御する。操作制御部107には、操作部108が接続されている。操作制御部107は、操作部108を構成する多機能ボタン6、送りボタン7、戻しボタン8による入力の検知を行う。計時装置111では、各種時間が計測される。
【0040】
次に、RAM103の各種記憶エリアについて、図4を参照して説明する。RAM103には、速度記憶エリア131、到達時間記憶エリア132、パネル書換時間記憶エリア133、読取枚数記憶エリア134、スキャナ光検出時刻記憶エリア135、走査方向記憶エリア136等が各々設けられている。
【0041】
速度記憶エリア131には、後述する所定の算出方法で算出されたスキャナヘッド204(図10参照)の速度vが記憶される。到達時間記憶エリア132には、第1光センサから表示パネル3までの到達時間T2が記憶される。パネル書換時間記憶エリア133には、後述する所定の決定方法で決定されたパネル書換時間が記憶される。読取枚数記憶エリア134には、コピー機2のスキャナに読み取らせた枚数が記憶される。スキャナ光検出時刻記憶エリア135には、第1光センサおよび第2光センサによってスキャナ光を検出した時刻t1,t2が各々記憶される。走査方向記憶エリア136には、表示パネル3に対するスキャナヘッド204の走査方向が記憶される。
【0042】
次に、EEPROM104の各種記憶エリアについて、図5を参照して説明する。EEPROM104には、第1距離テーブル記憶エリア211、第2距離テーブル記憶エリア212、設定時間テーブル記憶エリア213等が各々設けられている。第1距離テーブル記憶エリア211には、第1距離テーブル2111(図6参照)が記憶されている。第2距離テーブル記憶エリア212には、第2距離テーブル2121(図7参照)が記憶されている。設定時間テーブル記憶エリア213には、設定時間テーブル2131(図8参照)が記憶されている。
【0043】
次に、第1距離テーブル2111について、図6を参照して説明する。第1距離テーブル2111は、第1光センサから第2光センサまでの第1距離d1を、下枠部位51、右枠部位52、左枠部位53、上枠部位54ごとに記憶している。第1距離テーブル2111には、センサID欄251と、距離欄252とが対応付けられて設けられている。
【0044】
センサID欄251には、センサID1〜4が記憶されている。センサID1は、上枠部位54に設けられた第1光センサ17を識別するために付されたIDである。センサID2は、下枠部位51に設けられた第1光センサ11を識別するために付された識別IDである。センサID3は、右枠部位52に設けられた第1光センサ13を識別するために付された識別IDである。センサID4は、左枠部位53に設けられた第1光センサ15を識別するために付された識別IDである。
【0045】
距離欄252には、センサIDに対応する第1距離d1が各々記憶されている。センサID1に対して、上枠部位54における第1光センサ17から第2光センサ18までの第1距離d1が記憶されている。センサID2に対して、下枠部位51における第1光センサ11から第2光センサ12までの第1距離d1が記憶されている。センサID3に対して、右枠部位52における第1光センサ13から第2光センサ14までの第1距離d1が記憶されている。センサID4に対して、左枠部位53における第1光センサ15から第2光センサ16までの第1距離d1が記憶されている。
【0046】
次に、第2距離テーブル2121について、図7を参照して説明する。第2距離テーブル2121は、第2光センサから表示パネル3までの第2距離d2を、下枠部位51、右枠部位52、左枠部位53、上枠部位54ごとに記憶している。第2距離テーブル2121には、センサID欄261と、距離欄262とが対応付けられて設けられている。
【0047】
センサID欄261には、センサID1〜4が記憶されている。センサID1は、第2光センサ18に付された識別IDである。センサID2は、第2光センサ12に付された識別IDである。センサID3は、第2光センサ14に付された識別IDである。センサID4は、第2光センサ18に付された識別IDである。
【0048】
距離欄262には、センサIDに対応して第2距離d2が各々記憶されている。センサID1に対して、上枠部位54における第2光センサ18から表示パネル3までの第2距離d2が記憶されている。センサID2に対して、下枠部位51における第2光センサ12から表示パネル3までの第2距離d2が記憶されている。センサID3に対して、右枠部位52における第2光センサ14から表示パネル3までの第2距離d2が記憶されている。センサID4に対して、左枠部位53における第2光センサ16から表示パネル3までの第2距離d2が記憶されている。
【0049】
次に、設定時間テーブル2131について、図8を参照して説明する。設定時間テーブル2131は、電子ペーパ端末1で設定可能なパネル書換時間を「設定時間」として記憶している。設定時間テーブル2131には、設定時間ID欄271と、設定時間欄272とが対応付けられて設けられている。
【0050】
設定時間ID欄271には、設定時間ID1〜4が記憶されている。設定時間欄272には、設定時間ID1〜4に対して、表示パネル3に表示された画像を書き換えるための設定時間が記憶されている。例えば、設定時間ID1には10秒、設定時間ID2には5秒、設定時間ID3には1秒、設定時間ID4には1秒、設定時間ID5には0.5秒が記憶されている。
【0051】
次に、電子ペーパ端末1の画像をコピー機2で複数ページ取り込む手順について、図9乃至図11を参照して説明する。図9に示すように、コピー機2の圧版201を開いてスキャナの原稿台202に電子ペーパ端末1の表示パネル3(図1参照)が下になるように設置する。つまり、電子ペーパ端末1の表示パネル3を原稿台202に密着させるように電子ペーパ端末1を原稿台202載置する。そして、圧版201を閉じ、電子ペーパ端末1の表示パネル3を原稿台202に密着させる。この状態で、スタートボタン203を押す。これにより、図10に示すように、コピー機2のスキャナヘッド204が走査を開始し、表示パネル3に表示されたコンテンツ画像がスキャナヘッド204に読み取られる。
【0052】
ここで、原稿台202に載置する電子ペーパ端末1の向きによっては、表示パネル3に対するスキャナヘッド204の走査方向が異なる。例えば、図11に示すように、スキャナヘッド204の走査開始となる基準位置側に、電子ペーパ端末1の下枠部位51を合わせて載置した場合、表示パネル3は、スキャナヘッド204によって「下側から上側」に向かって走査される。また、スキャナヘッド204の走査開始となる基準位置側に、電子ペーパ端末1の上枠部位54を合わせて載置した場合、表示パネル3は、スキャナヘッド204によって「上側から下側」に向かって走査される。
【0053】
また、スキャナヘッド204の走査開始となる基準位置側に、電子ペーパ端末1の右枠部位52を合わせて載置した場合、表示パネル3は、スキャナヘッド204によって「右側から左側」に向かって走査される。また、スキャナヘッド204の走査開始となる基準位置側に、電子ペーパ端末1の左枠部位53を合わせて載置した場合、表示パネル3は、スキャナヘッド204によって「左側から右側」に向かって走査される。
【0054】
そこで、表示パネル3に対するスキャナヘッド204の走査方向を特定するために、本実施形態では、表示枠5の各枠部位に設けられた第1光センサ11,13,15,17を利用する。つまり、表示枠5の各枠部位に設けられた第1光センサ11,13,15,17のうち、どの第1光センサがスキャナヘッド204のスキャナ光を検出したかでその走査方向を特定できる。ここで特定した走査方向は、RAM103の走査方向記憶エリア136(図4参照)に記憶される。
【0055】
例えば、第1光センサ11がスキャナ光を検出した場合は、表示パネル3に対するスキャナヘッド204の走査方向は「下側から上側」である。第1光センサ13がスキャナ光を検出した場合は、表示パネル3に対するスキャナヘッド204の走査方向は「右側から左側」である。第1光センサ15がスキャナ光を検出した場合は、表示パネル3に対するスキャナヘッド204の走査方向は「左側から右側」である。第1光センサ17がスキャナ光を検出した場合は、表示パネル3に対するスキャナヘッド204の走査方向は「上側から下側」である。
【0056】
そして、スキャナヘッド204の走査方向を特定することで、表示枠5におけるどの枠部位の第1距離d1、第2距離d2を使えばよいかを決定することができる。つまり、第1光センサ11,13,15,17のうち、どの第1光センサがスキャナ光を検出したかで、表示パネル3に対するスキャナヘッド204の走査方向を特定できる。そして、その走査方向に基づき、EEPROM104に記憶された第1距離テーブル2111から、スキャナ光を検出した第1光センサの各センサIDに対応する第1距離d1を取得できる。
【0057】
ところで、表示パネル3に対するスキャナヘッド204の走査方向は、第2光センサ12,14,16,18でも特定できる。つまり、第2光センサ12がスキャナ光を検出した場合は、表示パネル3に対するスキャナヘッド204の走査方向は「下側から上側」である。第2光センサ14がスキャナ光を検出した場合は、表示パネル3に対するスキャナヘッド204の走査方向は「右側から左側」である。第2光センサ16がスキャナ光を検出した場合は、表示パネル3に対するスキャナヘッド204の走査方向は「左側から右側」である。第2光センサ18がスキャナ光を検出した場合は、表示パネル3に対するスキャナヘッド204の走査方向は「上側から下側」である。
【0058】
そこで、本実施形態では、スキャナ光を検出した第1光センサで特定される走査方向と、第2光センサで特定される走査方向とを比較して一致した場合を正常とし、一致しない場合を異常と判断する。一致しない場合として、例えば、スキャン中に電子ペーパ端末1の向きが変えられたこと等が考えられる。
【0059】
次に、上記構成からなる電子ペーパ端末1のCPU101による画像読取処理について、図12乃至図14のフローチャートを参照して説明する。まず、図12に示すように、計時装置111によって計時される時刻が初期化される(S1)。次いで、使用者が操作部108の多機能ボタン6(図2参照)を使ってスキャナモードに移行したか否かが判断される(S2)。スキャナモードに移行されない間は(S2:NO)、S2に戻って待機状態となる。
【0060】
そして、スキャナモードに移行した場合(S2:YES)、使用者は、コピー機2の原稿台202に電子ペーパ端末1の表示パネル3(図1参照)が下になるように設置し、スタートボタン203を押す。すると、コピー機2のスキャナヘッド204による走査が開始される。そこで、第1光センサ11,13,15,17のうちの何れかの第1光センサがスキャナ光を検出したか否かが判断される(S3)。第1光センサがスキャナ光を検出するまでは(S3:NO)、S3に戻って待機状態となる。
【0061】
さらに、第1光センサ11,13,15,17のうちの何れかの第1光センサがスキャナ光を検出した場合(S3:YES)、これからスキャナに読み取らせるコンテンツ画像が最初のページか否かが判断される(S4)。ここでは、RAM103の読取枚数記憶エリア134(図4参照)に記憶された枚数に基づき判断される。例えば、読み取り枚数が「0」の場合、スキャナに読み取らせる最初のページであるので(S4:YES)、第1光センサがスキャナ光を検出した時刻t1と、表示パネル3に対するスキャナヘッド204の走査方向とが記憶される(S5)。ここでのスキャナヘッド204の走査方向は、上述したように、どの第1光センサでスキャナ光を検出したかで特定される。第1光センサがスキャナ光を検出した時刻t1は、RAM103のスキャナ光検出時刻記憶エリア135(図4参照)に記憶される。走査方向は、RAM13の走査方向記憶エリア136(図4参照)に記憶される。
【0062】
続いて、第2光センサ12,14,16,18のうちの何れかの第2光センサがスキャナ光を検出したか否かが判断される(S6)。第2光センサがスキャナ光を検出するまでは(S6:NO)、S6に戻って待機状態となる。第2光センサ12,14,16,18のうちの何れかの第2光センサがスキャナ光を検出した場合(S6:YES)、第2光センサがスキャナ光を検出した時刻t2と、表示パネル3に対するスキャナヘッド204の走査方向とが記憶される(S7)。ここでのスキャナヘッド204の走査方向は、上述したように、どの第2光センサでスキャナ光を検出したかで特定される。第2光センサがスキャナ光を検出した時刻t2は、RAM103のスキャナ光検出時刻記憶エリア135(図4参照)に記憶される。走査方向は、RAM13の走査方向記憶エリア136(図4参照)に記憶される。
【0063】
次いで、図13に示すように、第1光センサによるスキャナ光の検出によって特定された走査方向と、第2光センサによるスキャナ光の検出によって特定された走査方向とが一致するか否かが判断される(S10)。これらの走査方向は、RAM13の走査方向記憶エリア136に何れも記憶されたものである。走査方向が一致した場合(S10:YES)、スキャナヘッド204の速度vを算出するために、第1光センサから第2光センサまでにかかった時間T1が算出される(S11)。ここでは、RAM103のスキャナ光検出時刻記憶エリア135に記憶された時刻t2から時刻t1を差し引くことで、時間T1が算出される。
【0064】
さらに、スキャナヘッド204の速度vを求めるために、まず、上述の方法によって特定された走査方向に基づき、EEPROM104に記憶された第1距離テーブル2111(図6参照)から第1距離d1が取得される。ここでは、スキャナ光を検出した第1光センサのセンサIDに対応する第1距離d1が取得される。ここで取得された第1距離d1と、算出された時間T1とから、スキャナヘッド204の速度vが算出され、その算出された速度vがRAM103の速度記憶エリア131(図4参照)に記憶される(S12)。
【0065】
続いて、使用者によってスキャナモードが終了されたか否かが判断される(S13)。スキャナモードが終了された場合は(S13:YES)、そのまま処理を終了する。引き続きスキャナモードが続いている場合(S13:NO)、図12に戻り、コピー機2のスキャナによる次の読み取り動作に対して待機状態となる。この間、コピー機2では、スキャナヘッド204による最初のページの読み取り動作が終了し、次ページの読み取りを行うために、スキャナヘッド204が基準位置に戻る。このとき、RAM103の読取枚数記憶エリア134(図4参照)に記憶された読み取り枚数に1加算される。
【0066】
そして、スキャナモードが続いている状態で(S2:YES)、スキャナヘッド204による走査が開始され、第1光センサ11,13,15,17のうちの何れかの第1光センサがスキャナ光を検出したか否かが判断される(S3)。第1光センサ11,13,15,17のうちの何れかがスキャナ光を検出した場合(S3:YES)、これからスキャナに読み取らせるコンテンツ画像が最初のページか否かが判断される(S4)。
【0067】
ここで、RAM103の読取枚数記憶エリア134には、読取枚数=1が記憶され、最初のページではないから(S4:NO)、図14に示すように、スキャナ光を検出した第1光センサの場所からスキャナヘッド204の走査方向が特定され、RAM103の走査方向が記憶される(S21)。さらに、その特定された走査方向において、第1距離d1と、第2距離d2とがそれぞれ取得される。そして、その取得された第1距離d1に第2距離d2を足すことで、特定された走査方向における第1光センサから表示パネル3までの第3距離d3が算出される(S22)。
【0068】
次いで、表示パネル3までの到達時間T2が算出される(S23)。到達時間T2は、算出された第3距離d3と、RAM103の速度記憶エリア131に記憶された速度vとから算出される。そして、その算出された到達時間T2より、最長のパネル書換時間が取得される(S26)。ここでは、EEPROM204に記憶された設定時間テーブル2131(図8参照)に基づき、到達時間T2から設定可能なパネル書換時間が取得される(S24)。
【0069】
例えば、到達時間T2=3秒であった場合を一例に説明する。パネル書換時間は、設定時間テーブル2131(図8参照)を参照して決定される。具体的には、到達時間T2よりも短く、かつ設定時間テーブル2131に設定された複数の設定時間の中で最も長い設定時間が「パネル書換時間」として取得される。パネル書変時間を短縮すればするほど消費電力は大きくなるが、本実施形態では、パネル書換時間が最も長くなるように設定できるので消費電力を低減できる。本実施例では、設定時間ID=3の設定時間=1秒が取得される。
【0070】
ここで設定されたパネル書換時間が設定時間内であるか否かが判断される(S25)。パネル書換時間が設定時間内でなかった場合(S25:NO)、図13に戻って、異常処理が行われる(S14)。異常処理では、表示パネル3に異常である旨を報知するエラーメッセージが表示される。
【0071】
パネル書換時間が設定時間内であった場合(S25:YES)、その取得されたパネル書換時間が設定される(S26)。そして、第1光センサがスキャナ光を検出してから設定されたパネル書換時間が経過したときに、表示パネル3に次ページのコンテンツ画像を表示させる(S27)。つまり、スキャナヘッド204が第1光センサを検出してからパネル書換時間を経過したときに表示パネル3の画像が更新される。これにより、スキャナヘッド204が表示パネル3に到達する前に、表示パネル3に表示されたコンテンツ画像を確実に書き換えることができる。よって、スキャナ中に画像が更新されることがないので、複数の画像を確実に取り込むことができる。
【0072】
その後、図13に戻り、使用者によってスキャナモードが終了されたか否かが判断される(S13)。取り込むべきコンテンツ画像が全て表示され、スキャナモードが終了された場合(S13:YES)、そのまま処理を終了する。スキャナモードが持続されている場合は(S13:NO)、図12のS2に戻り、スキャナモードが終了するまで処理が繰り返される。
【0073】
以上説明したように、第1実施形態の電子ペーパ端末1では、コンテンツ画像をコピー機2で複数枚取り込む場合に、コピー機2の原稿台202に載せてスキャナに順次読み取らせる。スキャナヘッド204のスキャナ光は、異なる2点に設けられた第1光センサ及び第2光センサで検出される。それらの検出時刻と、第1光センサと第2光センサとの第1距離d1とから、スキャナヘッド204の速度vが算出される。算出された速度vに基づき、次ページ以降、第1光センサでスキャナ光が検出されてから表示パネル3に到達するまでの時間が算出される。そして、その算出された到達時間よりも短いパネル書換時間が設定される。これにより、スキャナヘッド204が表示パネル3に到達する前に、表示パネル3に表示されたコンテンツ画像を確実に書き換えることができる。よって、コンテンツ画像を更新するための操作が不要となるので、複数のコンテンツ画像を容易に読み取ることができる。また、スキャナ中に画像が更新されることがないので、複数の画像を失敗することなく確実に取り込むことができる。
【0074】
次に、本発明の第2実施形態である画像読み取りシステム500について、図15乃至図20を参照して説明する。図15に示すように、画像読み取りシステム500は、電子ペーパ端末400と、コピー機2とからなるシステムである。第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、電子ペーパ端末400の画像をコピー機2で複数ページ複写する場合を想定する。本システムでは、コピー機2側でスキャナヘッド204の発光素子の周波数にスキャナヘッド204の速度情報を埋め込み、電子ペーパ端末400側でそのスキャナ光の周波数を検出して、スキャナヘッド204の速度を取得する点に特徴がある。なお、電子ペーパ端末400は、第1実施形態の電子ペーパ端末1の変形例であるので、共通する構造、電気的構成部分は、第1実施形態と同符号を付して説明する。
【0075】
まず、電子ペーパ端末400の構造について、図16を参照して説明する。電子ペーパ端末400は、第1実施形態と同様の構造を備えるが、表示枠5に設けられる光センサの数が異なる。電子ペーパ端末400の表示枠5には、4つの光センサが設けられている。具体的に説明すると、下枠部位51の長手方向略中央には、第1光センサ71が設けられている。右枠部位52の長手方向略中央には、第2光センサ72が設けられている。左枠部位53の長手方向略中央には、第3光センサ73が設けられている。上枠部位54の長手方向略中央には、第4光センサ74が設けられている。つまり、各枠部位に光センサが一個ずつ設けられている。
【0076】
次に、電子ペーパ端末400の電気的構成について、図17を参照して説明する。電子ペーパ端末400は、電子ペーパ端末400の全体の制御を司るCPU401を備えている。CPU401には、ROM402、RAM403、EEPROM404、表示制御部105、操作制御部107、計時装置111、記録媒体読込部112等が、バス115を介して接続されている。さらに、CPU401には、上述した第1光センサ71、第2光センサ72、第3光センサ73、第4光センサ74がバス115を介して接続されている。
【0077】
なお、RAM403には、図示しないが、第1実施形態と同様の速度記憶エリア、到達時間記憶エリア、読取枚数記憶エリア、スキャナ光検出時刻記憶エリア、走査方向記憶エリア等が設けられている。EEPROM404には、第1実施形態と同様の距離テーブル記憶エリア、設定時間テーブル記憶エリア等が設けられている。距離テーブル記憶エリアには、距離テーブル(図示外)が記憶されている。距離テーブルは、光センサから表示パネル3までの距離が記憶されている。距離テーブルでは、第1実施形態の第1距離テーブル2111(図6参照)と同様に、光センサを識別するセンサIDに対して、光センサ71〜74が対応づけられ、光センサから表示パネル3までの距離が各々記憶されている。設定時間テーブル記憶エリアには、第1実施形態と同様の設定時間テーブル2131が記憶されている(図8参照)。
【0078】
次に、コピー機2の電気的構成について、図18を参照して説明する。コピー機2は、コピー機2の全体の制御を司るCPU301を備えている。CPU301には、ROM302、RAM303、ハードディスクドライブ(HDD)304、操作制御部307、計時装置308、スタートボタン203、ヘッド駆動回路310、複写部311等が、バス115を介して接続されている。
【0079】
操作制御部307には、操作パネル209が接続されている。操作パネル209は、図15に示すように、タッチパネルである。即ち、操作パネル209に表示される設定メニューや、各種ボタン等を押下して決定することで、各種設定、操作等が可能である。ヘッド駆動回路310には、スキャナヘッド204が接続されている。ヘッド駆動回路310は、スキャナヘッド204の移動制御を行うと共に、スキャナヘッド204の発光素子の周波数の制御を行う。複写部311は、スキャナヘッド204で読み取られた画像を記録媒体に複写する装置である。
【0080】
次に、上記構成からなる画像読み取りシステム500における画像読取処理について、図19,図20のフローチャートを参照して説明する。なお、本処理は、電子ペーパ端末400側の処理と、コピー機2側の処理とが連携することで行われる。以下、各処理について順に説明する。
【0081】
コピー機2のCPU301によって実行される画像読み取り処理について、図19のフローチャートを参照して説明する。まず、計時装置308によって計時される時刻が初期化される(S41)。次いで、使用者が操作パネル209(図15参照)を使ってスキャナモードに移行したか否かが判断される(S42)。スキャナモードに移行されない間は(S42:NO)、S42に戻って待機状態となる。
【0082】
一方、スキャナモードに移行した場合(S42:YES)、使用者は、コピー機2の原稿台202に電子ペーパ端末400の表示パネル3(図16参照)が下になるように設置し、スタートボタン203を押す。ここでは、コピー機2のスキャナヘッド204による走査が開始されたか否かが判断される(S43)。スタートボタン203が押されず、スキャナヘッド204による走査が開始されない間は、S43に戻って待機状態となる。
【0083】
そして、スキャナヘッド204による走査が開始された場合(S43:YES)、スキャナヘッド204の発光素子による光出力が開始される(S44)。さらに、スキャナヘッド204の移動速度に対応する発光素子の周波数が設定され、その周波数で発光素子が発光される(S45)。なお、スキャナヘッド204の移動速度と、それに対応する発光素子の周波数とは、コピー機2のHDD304に記憶されている。そして、そのスキャナ光に埋め込んだ移動速度でスキャナヘッド204が移動される(S46)。こうして、電子ペーパ端末400の表示パネル3に表示された1枚のコンテンツ画像がスキャンされる(S47)。
【0084】
次いで、1枚のコンテンツ画像のスキャンが終了すると、スキャナヘッド204の発光が停止され(S48)、スキャナヘッド204が基準位置に戻される(S49)。そして、使用者によってスキャナモードが終了されたか否かが判断される(S50)。スキャナモードが終了された場合は(S50:YES)、そのまま処理を終了する。引き続きスキャナモードが続いている場合(S50:NO)、S42に戻って処理が繰り返される。
【0085】
次に、電子ペーパ端末400のCPU401による画像読取処理について、図20のフローチャートを参照して説明する。まず、計時装置111によって計時される時刻が初期化される(S61)。次いで、使用者が操作部108の多機能ボタン6(図16参照)を使ってスキャナモードに移行したか否かが判断される(S62)。スキャナモードに移行されない間は(S62:NO)、S62に戻って待機状態となる。
【0086】
次いで、光センサ71〜74のうちの何れかがスキャナ光を検出したか否かが判断される(S63)。どの光センサもスキャナ光を検出しない間は(S63:NO)、S63に戻って待機状態となる。光センサ71〜74のうち何れかがスキャナ光を検出した場合(S63:YES)、そのスキャナ光の周波数からスキャナヘッド204の移動速度が取得される(S64)。取得されたスキャナヘッド204の移動速度は、RAM403の速度記憶エリアに記憶される。
【0087】
さらに、光センサのスキャナ光を検出した時刻t3と、表示パネル3に対するスキャナヘッド204の走査方向とが記憶される(S65)。ここでのスキャナヘッド204の走査方向は、上述したように、どの光センサでスキャナ光を検出したかで特定される。光センサがスキャナ光を検出した時刻t3は、RAM403のスキャナ光検出時刻記憶エリアに記憶される。走査方向は、RAM403の走査方向記憶エリアに記憶される。
【0088】
次いで、その特定された走査方向において、光センサから表示パネル3までの距離d4が、RAM403に記憶された距離テーブルの中から取得される(S66)。そして、取得されたd4と、RAM403の速度記憶エリアに記憶された速度とから、表示パネル3までの到達時間T2が算出される(S67)。そして、その算出された到達時間T2より、最長のパネル書換時間が取得される(S68)。ここでは、EEPROM404に記憶された設定時間テーブル2131(図8参照)に基づき、到達時間T2から設定可能なパネル書換時間が取得される。なお、パネル書換時間の取得方法は、上述した通りである。そして、取得されたパネル書換時間が設定される(S69)。
【0089】
続いて、これからスキャナに読み取らせるコンテンツ画像が最初のページか否かが判断される(S70)。ここでは、RAM403の読取枚数記憶エリアに記憶された枚数に基づき判断される。最初のページであった場合(S70:YES)、使用者によってスキャナモードが終了されたか否かが判断される(S72)。スキャナモードが終了された場合は(S72:YES)、そのまま処理を終了する。スキャナモードがまだ終了されていない場合(S72:NO)、S62に戻って処理が繰り返される。
【0090】
一方、2ページ目以降であった場合(S70:NO)、光センサがスキャナ光を検出してから設定されたパネル書換時間が経過したときに、表示パネル3に次ページのコンテンツ画像を表示させる(S71)。つまり、スキャナヘッド204が第1光センサを検出してからパネル書換時間を経過したときに表示パネル3の画像が更新される。これにより、スキャナヘッド204が表示パネル3に到達する前に、表示パネル3に表示されたコンテンツ画像を確実に書き換えることができる。よって、コンテンツ画像を更新するための操作が不要となるので、複数のコンテンツ画像を容易に読み取ることができる。また、スキャナ中に画像が更新されることがないので、複数の画像を確実に取り込むことができる。
【0091】
以上説明したように、第2実施形態である画像読み取りシステム500では、コピー機2側でスキャナヘッド204の発光素子の周波数にスキャナヘッド204の速度情報を埋め込み、電子ペーパ端末400側でそのスキャナ光の周波数を検出して、スキャナヘッド204の速度を取得する。電子ペーパ端末400側では、その取得されたスキャナヘッド204の速度に基づき、表示パネル3までの到達時間を算出し、第1実施形態と同様にパネル書換時間を設定する。これにより、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。そして、第1実施形態と比べて、光センサの数が少なくて済むのでコストを節約できる。
【0092】
なお、本発明は、上記第1,第2実施形態に限らず、種々の変更が可能である。例えば
第1実施形態では、電子ペーパ端末1の表示枠5には、各枠部位に一対の第1光センサおよび第2光センサを設けている。つまり、スキャナヘッド204の走査方向において互いに異なる2地点に、第1光センサと第2光センサとを設けることで、スキャナヘッド204の速度を算出できるからである。そこで、例えば、図21に示す変形例である電子ペーパ端末600のように、光センサの配置を変えることで、第1実施形態で8個あったのを4個に減らすことができる。
【0093】
図21に示すように、電子ペーパ端末600は、第1実施形態の電子ペーパ端末1と同様に、表示パネル3、表示枠5、多機能ボタン6、送りボタン7、戻しボタン8等を備えている。表示枠5は、表示枠5は、平面視帯状の下枠部位51、右枠部位52、左枠部位53および上枠部位54からなる。
【0094】
表示枠5には、コピー機2のスキャナヘッド204が発するスキャナ光を検出するための4つの光センサ81〜84が設けられている。具体的に説明すると、下枠部位51と右枠部位52とが交わる角部には、光センサ81が配置されている。右枠部位52と上枠部位54とが交わる角部には、光センサ82が配置されている。上枠部位54と左枠部位53とが交わる角部には、光センサ83が配置されている。下枠部位51と左枠部位53とが交わる角部には、光センサ84が配置されている。
【0095】
そして、下枠部位51では、光センサ81および光センサ84は、表示枠5の上下方向において離間している。つまり、光センサ81の方が光センサ84よりも下端側に配置されている。上枠部位54では、光センサ82および光センサ83は、表示枠5の上下方向において離間している。つまり、光センサ83の方が光センサ83よりも上端側に配置されている。右枠部位52では、光センサ81および光センサ82は、表示枠5の左右方向において離間している。つまり、光センサ81の方が光センサ82よりも右端側に配置されている。左枠部位53では、光センサ83および光センサ84は、表示枠5の左右方向において離間している。つまり、光センサ83の方が光センサ84よりも左端側に配置されている。
【0096】
上記構成からなる電子ペーパ端末600の画像を、図1に示すコピー機2で取り込む場合、コピー機2のスキャナの原稿台202に電子ペーパ端末600の表示パネル3が下になるように設置し、スタートボタン203を押す。すると、コピー機2のスキャナヘッド204(図10参照)が走査を開始する。
【0097】
ここで、原稿台202に載置する電子ペーパ端末600の向きによっては、表示パネル3に対するスキャナヘッド204の走査方向が異なる。例えば、スキャナヘッド204の走査開始となる基準位置側に、電子ペーパ端末600の下枠部位51を合わせて載置した場合、表示パネル3は、スキャナヘッド204によって「下側から上側」に向かって走査される。この場合は、光センサ81,84によってスキャナヘッド204のスキャナ光が検出される。そして、光センサ81,84、表示パネル3において第1距離d1、第2距離d2が規定される。
【0098】
また、スキャナヘッド204の走査開始となる基準位置側に、電子ペーパ端末600の上枠部位54を合わせて載置した場合、表示パネル3は、スキャナヘッド204によって「上側から下側」に向かって走査される。この場合は、光センサ83,82によってスキャナヘッド204のスキャナ光が検出される。そして、光センサ83,82、表示パネル3において第1距離d1、第2距離d2が規定される。
【0099】
また、スキャナヘッド204の走査開始となる基準位置側に、電子ペーパ端末1の右枠部位52を合わせて載置した場合、表示パネル3は、スキャナヘッド204によって「右側から左側」に向かって走査される。この場合は、光センサ81,82によってスキャナヘッド204のスキャナ光が検出される。そして、光センサ81,82、表示パネル3において第1距離d1、第2距離d2が規定される。
【0100】
また、スキャナヘッド204の走査開始となる基準位置側に、電子ペーパ端末1の左枠部位53を合わせて載置した場合、表示パネル3は、スキャナヘッド204によって「左側から右側」に向かって走査される。この場合は、光センサ83,84によってスキャナヘッド204のスキャナ光が検出される。そして、光センサ83,84、表示パネル3において第1距離d1、第2距離d2が規定される。
【0101】
このように、4つの光センサ81〜84を図21に示すような配置にすることで、第1実施形態の電子ペーパ端末1と同様に、異なる2点においてスキャナヘッド204のスキャナ光を検出でき、その検出時刻から異なる2点間の移動にかかった時間を算出できる。そして、その算出時間からスキャナヘッド204の移動速度を算出できる。
【0102】
また、上述の変形例の他に、第1実施形態、第2実施形態における電子ペーパ端末1,400では、表示パネル3は平面視長方形状であるが、これ以外の形状であってもよい。
【0103】
さらに、第2実施形態の画像読み取りシステム500では、コピー機2において、スキャナヘッド204のスキャナ光の周波数を調整することで、スキャナヘッド204の速度情報を埋め込んでいるが、例えば、スキャナ光の点滅周期を調整することで、スキャナヘッド204の速度情報を埋め込んでもよい。
【0104】
なお、以上説明において、図1に示す表示パネル3が本発明の「表示面」に相当し、第1光センサ11,13,15,17が本発明の「第1検出手段」に相当し、第2光センサ12,14,16,18が本発明の「第2検出手段」に相当し、操作部108が本発明の「スキャナモード移行指示手段」に相当する。図3に示すRAM13が本発明の「移動速度記憶手段」に相当し、EEPROM104に記憶された第2距離テーブル2121が本発明の「第2距離記憶手段」に相当し、EEPROM104に記憶された設定時間テーブル2131が本発明の「設定可能時間記憶手段」に相当する。図12に示すS3の処理を実行するCPU101が本発明の「スキャナ光検出特定手段」に相当し、図13に示すS11の処理を実行するCPU101が本発明の「計測手段」に相当し、S12の処理を実行するCPU101が本発明の「速度算出手段」に相当し、図14に示すS22の処理を実行するCPU101が本発明の「第2距離手段」に相当し、図14に示すS24〜26の処理を実行するCPU101が本発明の「書き換え時間手段」に相当する。
【0105】
図15に示すコピー機2が本発明の「画像読取装置」に相当し、原稿台202が本発明の「読み取り面」に相当する。電子ペーパ端末400の光センサ81〜84が本発明の「第3検出手段」に相当する。図19に示すS45の処理を実行するCPU301が本発明の「スキャナ光設定手段」に相当する。図20に示すS67の処理を実行するCPU401が本発明の「到達時間設定手段」に相当し、S69の処理を実行するCPU401が本発明の「書き換え時間手段」に相当し、S71の処理を実行するCPU401が本発明の「書き換え制御手段」に相当する。
【符号の説明】
【0106】
1,400,600 電子ペーパ端末
2 コピー機
3 表示パネル
5 表示枠
11,13,15,17 第1光センサ
12,14,16,18 第2光センサ
51 下枠部位
52 右枠部位
53 左枠部位
54 上枠部位
71〜74 光センサ
81〜84 光センサ
101 CPU
103 RAM
104 EEPROM
108 操作部
202 原稿台
204 スキャナヘッド
301 CPU
303 RAM
401 CPU
500 画像読み取りシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ画像を表示する表示面と、
当該表示面を取り囲む表示枠において互いに離間する位置に各々設けられ、スキャナヘッドが発するスキャナ光を検出する第1検出手段及び、当該第1検出手段から前記表示面に向かう方向において、前記第1検出手段よりも前記表示面に近い位置に配置された第2検出手段と、
前記第1検出手段によって前記スキャナ光が検出された後に、前記第2検出手段によって前記スキャナ光が検出された場合に、前記表示面に表示されたコンテンツ画像を次のコンテンツ画像に書き換える書き換え制御手段と
を備えたことを特徴とする表示端末装置。
【請求項2】
前記第1検出手段によって前記スキャナ光が検出された時から、前記第2検出手段によって前記スキャナ光が検出される時までの経過時間を計測する計測手段と、
前記第1検出手段と前記第2検出手段とが離間する第1距離と、前記計測手段によって計測された前記経過時間とに基づいて、前記スキャナヘッドの移動速度を算出する速度算出手段と、
当該速度算出手段によって算出された前記移動速度を記憶する移動速度記憶手段と、
前記第1距離に対して、前記第2検出手段から前記表示面までの第2距離を加算した第3距離と、前記移動速度記憶手段に記憶された前記移動速度とに基づいて、前記第1検出手段から前記表示面に到達するまでの到達時間を算出する到達時間算出手段と、
当該到達時間算出手段によって算出された前記到達時間よりも短い時間を、前記第1検出手段によって前記スキャナ光が検出されてから、前記表示面において次のコンテンツ画像に書き換えるまでの書き換え時間に設定する書き換え時間設定手段と
を備え、
前記書き換え制御手段は、前記書き換え時間設定手段によって設定された前記書き換え時間で、次の前記コンテンツ画像に書き換えることを特徴とする請求項1に記載の表示端末装置。
【請求項3】
前記第1検出手段及び前記第2検出手段は、
前記スキャナヘッドが前記表示枠の外縁から前記表示面に到達するまでの間において各々配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示端末装置。
【請求項4】
前記表示面は、平面視長方形状であって、
前記表示枠は、平面視帯状の上枠部位、下枠部位、右枠部位および左枠部位から構成された平面視長方形状の枠であって、
前記第1検出手段及び前記第2検出手段は、
前記上枠部位、前記下枠部位、前記右枠部位および前記左枠部位の少なくとも何れかの部位に設けられたことを特徴とする請求項3に記載の表示端末装置。
【請求項5】
前記第1検出手段及び前記第2検出手段は、前記上枠部位、前記下枠部位、前記右枠部位、前記左枠部位の各部位に各々設けられ、
前記各部位における前記第2距離を各々記憶する第2距離記憶手段と、
前記各部位に設けられた前記第1検出手段のうち、前記スキャナ光を検出した前記第1検出手段を特定するスキャナ光検出特定手段と、
当該スキャナ光検出特定手段によって特定された前記第1検出手段が設けられた前記部位における前記第2距離を、前記第2距離記憶手段に記憶された前記第2距離から決定する第2距離決定手段と
を備え、
前記到達時間算出手段は、
前記第1距離に、前記第2距離決定手段によって決定された前記第2距離を加算した前記第3距離と、前記移動速度とに基づいて、前記到達時間を算出することを特徴とする請求項4に記載の表示端末装置。
【請求項6】
前記書き換え時間の設定可能時間を記憶する設定可能時間記憶手段を備え、
前記書き換え時間設定手段は、
前記設定可能時間記憶手段に記憶された前記設定可能時間であって、かつ前記到達時間算出手段によって算出された前記到達時間よりも短い時間を、前記書き換え時間に設定することを特徴とする請求項2乃至5の何れかに記載の表示端末装置。
【請求項7】
前記スキャナヘッドによって前記コンテンツ画像を読み取るためのスキャナモードへの移行を指示するスキャナモード移行指示手段を備え、
当該スキャナモード移行指示手段によって前記スキャナモードへの移行を指示された場合に、前記第1検出手段及び前記第2検出手段が駆動することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の表示端末装置。
【請求項8】
コンテンツ画像を表示する表示端末装置と、当該表示端末装置に表示された前記コンテンツ画像を読み取って記憶するための画像読取装置とからなる画像読み取りシステムであって、
前記画像読取装置は、
前記コンテンツ画像を読み取るための読み取り面と、
当該読み取り面に沿って移動するスキャナヘッドと、
当該スキャナヘッドの有する発光素子に、前記スキャナヘッドの移動速度に対応させて前記スキャナ光の周波数、又は点滅周期を設定するスキャナ光設定手段と
を備え、
前記表示端末装置は、
前記コンテンツ画像を表示する表示面と、
当該表示面を取り囲む表示枠に設けられ、画像を読み取り可能な画像読取装置の読み取り面に前記表示面を載置して、前記表示面に表示された前記コンテンツ画像が前記画像読取装置のスキャナヘッドによって読み取られる際に、前記読み取り面に沿って移動する前記スキャナヘッドが発するスキャナ光を検出すると共に、前記スキャナ光の周波数、又は点滅周期を検出する第3検出手段と、
前記スキャナヘッドの移動速度を、前記スキャナ光の前記周波数、又は前記点滅周期に対応付けて記憶する移動速度記憶手段と、
前記第3検出手段によって検出された前記スキャナ光の前記周波数、又は前記点滅周期に対応する前記移動速度を、前記移動速度記憶手段に記憶された前記移動速度から決定する移動速度決定手段と、
当該移動速度決定手段によって決定された前記移動速度と、前記第3検出手段から前記表示面までの距離である第4距離とに基づいて、前記第3検出手段から前記表示面に到達するまでの到達時間を算出する到達時間算出手段と、
当該到達時間算出手段によって算出された前記到達時間よりも短い時間を、前記第3検出手段によって前記スキャナ光が検出されてから、前記表示面において次のコンテンツ画像に書き換えるまでの書き換え時間に設定する書き換え時間設定手段と、
当該書き換え時間設定手段によって設定された前記書き換え時間で、次の前記コンテンツ画像に書き換える書き換え制御手段と
を備えたことを特徴とする画像読み取りシステム。
【請求項9】
コンテンツ画像を表示する表示端末装置の表示面を、画像を読み取り可能な画像読取装置の読み取り面に載置して、前記表示面に表示された前記コンテンツ画像を前記画像読取装置のスキャナヘッドによって読み取るための画像読み取り方法であって、
前記表示面を取り囲む表示枠において互いに離間する位置に各々設けられた第1検出手段及び、当該第1検出手段から前記表示面に向かう方向において、前記第1検出手段よりも前記表示面に近い位置に設けられた第2検出手段によって、前記読み取り面に沿って移動する前記スキャナヘッドが発するスキャナ光をそれぞれの位置で検出するスキャナ光検出ステップと、
当該スキャナ光検出ステップにおいて、前記第1検出手段によって前記スキャナ光が検出された時から、前記第2検出手段によって前記スキャナ光が検出される時までの経過時間を計測する計測ステップと、
前記第1検出手段と前記第2検出手段とが離間する第1距離と、前記計測ステップにおいて計測された前記経過時間とに基づいて、前記スキャンヘッドの移動速度を算出する速度算出ステップと、
当該速度算出ステップにおいて算出された前記移動速度を移動速度記憶手段に記憶する移動速度記憶ステップと、
前記第1距離に対して、前記第2検出手段から前記表示面までの第2距離を加算した第3距離と、前記移動速度記憶ステップにおいて記憶された前記移動速度とに基づいて、前記第1検出手段から前記表示面に到達するまでの到達時間を算出する到達時間算出ステップと、
当該到達時間算出ステップにおいて算出された前記到達時間よりも短い時間を、前記第1検出手段によって前記スキャナ光が検出されてから、前記表示面において次のコンテンツ画像に書き換えるまでの書き換え時間に設定する書き換え時間設定ステップと、
当該書き換え時間設定ステップにおいて設定された前記書き換え時間で、次の前記コンテンツ画像に書き換える書き換え制御ステップと
を備えたことを特徴とする画像読み取り方法。
【請求項10】
請求項1乃至7の何れかに記載の表示端末装置の各種処理手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする画像読み取りプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−199933(P2010−199933A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−41823(P2009−41823)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】