説明

表示装置、それを用いたテレビジョン受信装置、表示制御方法及びプログラム

【課題】表示装置において、適切な表示輝度で表示を行うとともに、消費電力も可能な限り抑制する。
【解決手段】番組を表示する表示装置であって、表示モードを判定する表示モード判定部と、番組を特定するための番組特定情報を検索する番組情報検索部と、前記番組特定情報と、前記表示モードと、表示輝度を調整する指標となる省エネ設定項目と、の対応関係を示すユーザ設定ファイルを保存するメモリ部と、を有し、前記番組特定情報と前記表示モードとの組に対応する省エネ設定項目が前記ユーザ設定ファイルに存在する場合に、当該省エネ設定項目に基づいて表示輝度を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、それを用いたテレビジョン受信装置、表示制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置において、表示の輝度を低くすることにより、装置の消費電力を抑制する省エネルギー(以下、「省エネ」と称する。)化を図ることができるが、表示するコンテンツなどや画面表示状態(立体表示、すなわち3Dなど)より、視聴しにくくなるという問題もある。下記特許文献1に記載の技術では、コンテンツのジャンルの適した表示輝度により映像表示を自動的に行うことで、適切な画像表示を行うことが可能となるとともに不要な電力消費を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3863904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば、1つの表示画面に、映像と同時にデータ放送やインターネット画面を表示する場合、映像のジャンルをもとに輝度設定を行ったとしても、映像とともに表示されているデータ放送やインターネット画面等が、輝度が高過ぎて見にくくなったりすることがある。この時、データ放送やインターネット画面を無視した高い輝度設定になっているため、十分な省エネ効果が得られないという問題がある。
【0005】
例えば、ジャンルに基づいて表示装置の輝度を自動制御し、適切な輝度と省エネを両立させようとしても、例えば、3D映像、字幕放送などでは、輝度が低くて見にくくなるため、ユーザがそれらの表示に切り替わった場合に、そのたびに輝度設定(省エネの度合いと関連する。)を変更する必要があり、操作が煩雑になるという問題がある。
【0006】
同様に、テレビ画面に、映像に加えて、インターネット画像や小窓VODなども表示させた多画面表示の場合に、映像のジャンルに応じた輝度設定を行うと、適した輝度と省エネ設定にならないという問題がある。
【0007】
本発明は、表示モードに応じて、適切な表示を行うとともに、消費電力もできるだけ抑制することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、表示モードに応じて輝度を設定することを特徴とする。また、番組などのコンテンツに応じてユーザが輝度設定を変えた場合に、次に、そのコンテンツを表示させる場合に、上記ユーザの輝度設定を反映させることを特徴とする。
【0009】
本発明は、番組を表示する表示装置であって、表示モードを判定する表示モード判定部と、番組を特定するための番組特定情報を検索する番組情報検索部と、前記番組特定情報と、前記表示モードと、表示輝度を調整する指標となる省エネ設定項目と、の対応関係を示すユーザ設定ファイルを保存するメモリ部と、を有し、前記番組特定情報と前記表示モードとの組に対応する省エネ設定項目が前記ユーザ設定ファイルに存在する場合に、当該省エネ設定項目に基づいて表示輝度を調整することを特徴とする表示装置である。番組特定情報に依存するユーザ設定ファイルに基づいて省エネ設定を行うことにより、番組のジャンル等に依存せずに、番組特定情報で特定した番組に適した省エネ設定を行うことができる。
【0010】
VODなどのインターネットコンテンツの場合、上記番組特定情報に対応するコンテンツ特定情報は、例えば、インターネットを介して取得できるコンテンツ情報ファイルなどに格納されている。
前記メモリ部は、前記表示モードと前記省エネ設定との対応関係を保存するモード設定ファイルを有し、前記ユーザ設定ファイルに前記番組特定情報と前記表示モードとの組に対応する省エネ設定項目が存在しない場合に、前記表示モード判定部により判定された表示モードに対応する前記省エネ設定項目を前記モード設定ファイルを参照して求め、求められた前記省エネ設定項目に基づいて表示輝度を調整するようにしても良い。
【0011】
また、前記省エネ設定が変更された際に、前記番組情報検索部により前記番組特定情報を検索して、前記表示モード判定部による前記表示モードとともに前記メモリ部に一時的に保存し、番組の変更又は表示モードの変更が検出され、省エネ設定を保存する旨の指示を受けると、前記メモリ部に一時的に保存されている、変更された前記省エネ設定と、前記番組特定情報と、前記表示モードとを、前記ユーザ設定ファイルに新たに保存するようにしても良い。
【0012】
また、前記省エネ設定が変更された際に、前記番組情報検索部により前記番組特定情報を検索して、前記表示モード判定部による前記表示モードとともに前記メモリ部に一時的に保存し、番組の変更又は表示モードの変更が検出され、省エネ設定を保存しない旨の指示を受けると、前記メモリ部に一時的に保存されていた前記番組特定情報と前記表示モードとを、前記ユーザ設定ファイルから消去する処理を行うようにしても良い。
【0013】
本発明は、上記のいずれか1に記載の表示装置を備えたテレビジョン受信装置である。
【0014】
本発明は、表示モードを判定する表示モード判定ステップと、番組を特定するための番組特定情報を検索する番組情報検索ステップと、前記番組情報検索ステップで検索された前記番組特定情報と前記表示モード判定ステップで判定された前記表示モードとの組に対応する省エネ設定項目が、前記番組特定情報と、前記表示モードと、表示輝度を調整する指標となる省エネ設定項目と、の対応関係を示すユーザ設定ファイルに存在する場合に、当該省エネ設定項目に基づいて表示輝度を調整するステップと、を有することを特徴とする表示制御方法である。
【0015】
本発明は、上記に記載の表示制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであっても良く、該プログラムを記録するコンピュータ読みとり可能な記録媒体であっても良い。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、表示モードに適した省エネ設定を番組毎に適切に行うことが可能である。また、視聴中のコンテンツの設定を行うことで、次回以降に同じ表示モードを表示させる場合には、設定済みの省エネ設定に基づいて適切な表示を行うことができるため、適切な設定を簡単に反映させることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態による表示装置を備えたテレビジョン受信装置の一構成例を示す機能ブロック図である。
【図2】本実施の形態による表示制御処理の基本的な流れを示すフローチャート図である。
【図3】本実施の形態による設定反映処理の流れを示すフローチャート図である。
【図4】本実施の形態による設定保存処理の流れを示すフローチャート図である。
【図5】省エネ設定保存画面の一例を示す図である。
【図6】モード設定ファイルの一構成例を示す図である。
【図7】ユーザ設定ファイルの一構成例を示す図である。
【図8】本実施例による3D視聴における省エネ設定の例を示す図である。
【図9】本実施例による字幕表示における省エネ設定の例を示す図である。
【図10】本実施例によるインターネット表示における省エネ設定の例を示す図である。
【図11】本実施例による小窓VODにおける省エネ設定の例を示す図である。
【図12】本実施例による小窓番組+BML(データ放送)における省エネ設定の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書において、表示モードとは、表示画面の表示構成のことであり、表示画面において、どのようなコンテンツを表示させているかに関するモードのことを指す。例えば、テレビ放送のみの表示モード、テレビの2画面表示の表示モード、3D表示の表示モード、テレビ+字幕表示の表示モード、テレビ+インターネット表示の表示モード、VOD小画面の表示モードなどにより表示モードを区別できる。
【0019】
また、省エネ設定(項目)とは、表示輝度を調整することにより省エネルギー化を図る際の指標となる設定(項目)のことであり、省エネ設定がONとは、省エネ設定がOFFの場合よりも表示輝度を低くして省エネルギーとする設定のことであり、また、省エネ設定がONの場合でも、省エネの効果により、例えば、効果の大小などを設定できるようにしても良い。或いは、省エネの効果による設定を、より多段階にできるようにしても良い。
【0020】
また、「番組特定情報」とは、番組を特定することができる情報を指し、例えば、テレビの放送では、番組の放送波(例えば、地上波デジタル方法、BSデジタル放送、CSデジタル放送など)を表すネットワークIDと、番組を放送する放送局のIDを表すサービスIDと、により、チャネルが特定され、番組名により、そのチャネルのどの番組であるかを特定することができる。「番組特定情報」は、放送波中の番組表データから取得することができる。
【0021】
すなわち、ネットワークIDとサービスIDは、NIT(Network Information Table)から取得することができる。より詳細には、TR-B14(地デジ)の第二分冊またはTR−B15の第二分冊(BS)および第四分冊(CS)に”NIT(Network Information Table)”として定義されており、基本的には、ネットワークIDはNIT中から、サービスIDはNITの第2ループ中から取得しできる。
【0022】
また、コンテンツを提供するIPTVなどの場合には、ネットワークIDによりソースが特定され、コンテンツIDにより、コンテンツを特定することができる。コンテンツIDは、コンテンツ提供者から提供されるコンテンツのメタデータから取得することができる。
【0023】
以下、本発明の一実施の形態による表示装置について、テレビジョン受信装置を例にして説明を行う。
【0024】
図1に示すテレビジョン受信装置は、アンテナATから受信された放送信号から放送番組を選択するチューナなどを含むフロントエンド1と、多重化されている信号を映像信号と音声信号とに分けるデマルチプレクサ3と、暗号化されている映像信号と音声信号とをデコードする映像・音声デコード部11と、デコードされた音声を出力する音声出力部13と、デマルチプレクサ3からの出力から番組情報をデコードする番組情報デコード部(番組情報取得部を兼ねる)5と、取得した番組情報から電子番組表データを生成する番組表データ生成部7と、映像及び番組表示データなどを合成する画面合成部15と、画面合成部15で合成された映像を表示する表示部(ディスプレイ)17と、画面表示モードをユーザにより操作されたモードにするように制御する画面表示モード制御部19と、を有している。
【0025】
さらに、各機能部全体を制御する制御部(CPU)21と、各種処理をCPU21に実行させるためのプログラムなどを格納するメモリ部(RAM、ROM)25と、番組などを記録するハードディスクなどの記憶部(HDD)27と、リモコン装置からのリモコン信号を受信するリモコン受光部23と、センサ部31と、を有している。
【0026】
センサ部31は、例えば輝度センサであり、後述するユーザ設定ファイル・モード設定ファイルの両方を見ても設定変更の必要が無い場合、輝度センサで自動的に制御すれば、輝度センサによりセンシングされた周辺輝度に応じて、画面輝度を制御する従来と同様の省エネ制御が可能である。
【0027】
また、コンテンツなどを提供するサーバ装置35との間で、ネットワークNTを介してコンテンツを取得するためのインターフェイスを構成するインターフェイス部33も有していても良い。尚、HDD27は、一般的にはレコーダ兼用のテレビの場合に設けられる。
【0028】
さらに、本実施の形態では、省エネ設定部37が設けられている。この省エネ設定部37は、現在の表示制御がどのようになっているかにより表示モードを、例えば画面表示モード制御部19の制御信号等に基づいて判定する表示モード判定部37aと、番組情報を検索したり、番組の切り替わりを検出する番組情報検索部37bと、表示モード、番組特定情報などにより省エネ設定を変更する省エネ設定変更部37cと、を有している。これらの機能部は、メモリ部25のROM内に記録されているプログラムに基づいて処理が行われるようになっているのが一般的である。また、メモリ部のROM25には、後述するモード設定ファイル25aと、ユーザ設定ファイル25bと、が格納されている。
【0029】
図2は、本実施の形態による表示制御処理の基本的な処理の流れを示すフローチャート図であり、図3及び図4は、本実施の形態による設定反映及び設定保存処理の流れを示すフローチャート図である。図6は、デフォルトの省エネ設定であるモード設定ファイルの一構成例を示す図であり、図7は、ユーザが省エネ設定を図6に示す設定から切り替えた場合のユーザ設定ファイルの一構成例を示す図である。
【0030】
図6に示すように、モード設定ファイルは、省エネ設定と表示モードとを対応させたファイルであり、このモード設定ファイルには、現在のテレビ画面の状態、すなわち表示モードと、その時のデフォルト設定となる省エネ設定との対応関係が記述されている。テレビを視聴中に、ユーザが番組や表示モードを変えた時、番組が終了して次の番組が始まった時、3D放送が始まって自動的に3Dモードに表示モードが変わった時、インターネットからのお知らせを受けて自動的にテレビ+インターネットの表示モードに変わった時などに、このモード設定ファイルに記述されている判断基準に基づいて、自動的に省エネ設定を切り替えることができる。
【0031】
例えば、表示モードがテレビのみの場合には、省エネ設定は大(効果大、すなわち低輝度)であり、3Dの場合には、省エネ設定をOFFにして輝度を高くすることで明るくして見るように設定されている。テレビ+インターネットの場合には、省エネ設定をONにし、かつ、大にして、輝度を下げて暗くして見るように設定されている。
【0032】
図7に示すユーザ設定ファイルは、ユーザが、ある番組等に対して、上記図6のモード設定ファイルとは異なる省エネ設定に切り替えた場合に、次回以降にその番組等を見る場合に、そのユーザ設定に従うようにするための参照用ファイルである。図7に示すように、ユーザ設定ファイルは、省エネ設定と、番組特定情報としてネットワークID、サービスID及び番組名と、表示モードと、の対応関係を保存している。コンテンツの場合には、コンテンツ特定情報としてコンテンツID(IPTVの場合には、ネットワークIDも含む)及び番組名と、表示モードとの対応関係を保存している。
【0033】
例えば、設定1では、テレビではあるが、モード設定ファイルの省エネ設定が“大”よりももっと明るくして見たい場合に、その番組に対して、省エネ設定小を設定している。
【0034】
ここで、本実施の形態の基本的な表示制御方法としては、図6のモード設定ファイルよりも、図7のユーザ設定ファイルを優先して適用する。但し、他の番組に切り替わったり、表示モードが変わったりした場合などで、図7に該当しない場合には、図6のモード設定ファイルに従って省エネ設定を自動的に切り替える。
【0035】
すなわち、図2に示すように、処理が開始され(ステップS1:START)、ステップS2で、番組を表示する旨の指示(操作)が行われた場合には(Yes)、ステップS3に示すように、番組情報取得部が取得した番組情報に基づいて番組情報検索部37bが番組を特定する番組特定情報を検索し抽出するとともに、表示モード判定部37aが表示モードを判定して取得する。ステップS4でユーザ設定ファイルを検索し、ステップS5において、ステップS3で取得した番組特定情報と表示モードとに対応する省エネ設定項目がユーザ設定ファイルに存在するか否かを判定し、番組特定情報と表示モードとに対応する省エネ設定項目がユーザ設定ファイルに存在する場合には(Yes)、ステップS6に進み、ステップS5で求めたユーザ設定ファイル内の省エネ設定項目に基づいて、装置の省エネ設定を行い、処理を終了する(ステップS7:END)。
【0036】
一方、ステップS5で、番組特定情報と表示モードとに対応する省エネ設定項目がユーザ設定ファイルに存在しない場合には(No)、ステップS8で、モード設定ファイルを検索し、ステップS9で、ステップS3で取得した表示モードに対応する省エネ設定項目がモード設定ファイルに存在するか否かを判断し、Yesの場合には、ステップS10において、モード設定ファイルに基づいて、ステップS3で取得した表示モードに対応する省エネ設定項目に基づいて、装置の省エネ設定を行い、Noの場合(この場合は、省エネ設定を維持する。)とともに、ステップS7で処理を終了する。
【0037】
このように、通常は、ユーザ設定ファイルを優先して適用し、ユーザ設定ファイルに適用すべき項目が存在しない場合には、モード設定ファイルに基づいて省エネモードを設定することで、ユーザにとって適切な省エネ設定に基づく表示制御を優先して行うことができる。
【0038】
以下、現在視聴中における省エネ設定を変更する具体的な処理について図3のフローチャート図を参照しながら説明する。
図3に示すように、まず、ステップS11において、処理が開始されると(START)、ステップS12で、視聴中の番組を替えたこと、番組が変わったこと、のいずれかが番組情報検索部37bにより判定され、或いは、表示モードを替えたこと、表示モードが変わったこと、のいずれかが表示モード判定部37aにより判定される。この判定がYESであると、ステップS13で、図2の場合と同様に、番組情報検索部37bが、電子番組表情報などに含まれる番組特定情報、より具体的には、番組の「ネットワークID」、「サービスID」、「番組名」を取得する。また、表示モード判定部37aにより、「表示モード」を取得する。
【0039】
尚、ここでは、コンテンツの一例として番組を例にして説明したが、IPTVの場合には、メットワークIDと、コンテンツID(コンテンツ名を含んでいても良い)とからなるコンテンツ特定情報と表示モードとを取得し、コンテンツサーバ等からコンテンツが提供される場合には、コンテンツサーバのURIと、コンテンツに付加されコンテンツを識別する識別コードであるコンテンツIDと、からなるコンテンツ特定情報と、表示モードとを取得する。
【0040】
次いで、ステップS14において、ステップS13で取得した情報、すなわち、新たに取得した番組特定情報と表示モードとに基づいてユーザ設定ファイルを検索し、ステップS15で、ステップS13で取得した情報に対応する省エネ設定項目がユーザ設定ファイル内に存在するか否かを判定し、対応する省エネ設定項目がある場合には、ステップS16で、ユーザ設定ファイルに基づいてステップS15で求めた対応する省エネ設定項目による省エネ設定に変更し、処理を終了する(ステップS17: END)。例えば、現在の省エネ設定が、「効果大」であり、ステップS15で求めた省エネ設定項目が、「省エネ設定効果小」又は「省エネ設定OFF」である場合に、ステップS16で省エネ設定をステップS16で求めた省エネ設定(「省エネ設定効果小」又は「省エネ設定OFF」)に変更する。
【0041】
一方、ステップS15でNOの場合(ステップS13で取得した情報に対応する省エネ設定項目がユーザ設定ファイルに存在しない場合)には、ステップS18に進み、モード設定ファイルを検索し、ステップS19で、ステップS13で求めた表示モードに対応する省エネ設定項目がモード設定ファイル内に存在するか否かを判定する。モード設定ファイル内に省エネ設定の項目がある(YES)場合には、ステップS20で、ステップS19で求めた省エネ設定に変更し、ステップS17で処理を終了する。例えば、現在の省エネ設定が、「効果大」であり、ステップS19で求めた省エネ設定項目が、「省エネ設定効果小」又は「省エネ設定OFF」である場合に、ステップS20で省エネ設定をステップS19で求めた省エネ設定に変更する。
【0042】
ステップS19でNoの場合には、ステップS17に進み現在の省エネ設定を維持してそのまま処理を終了する。
【0043】
以上に説明したように、番組の変更、表示モードの変更等が検出された場合には、ユーザ設定ファイルにより番組毎の省エネ設定を反映させる。ユーザ設定ファイルに指定がない場合には、モード設定ファイルに基づいて省エネ設定を行う。このようにすることで、従来技術のように番組のジャンルによって省エネ設定を行うのではなく、表示モードや番組特定情報に応じた省エネ設定を行うことができる。
【0044】
図4は、設定保存の処理の流れを示すフローチャート図である。まず、ステップS21において、処理が開始される(START)。ステップS22で、省エネ設定の変更指示があると(Yes)ステップS23において、(a)番組情報検索部37bが、番組特定情報を取得し、また、(b)表示モード判定部37aが、「表示モード」を取得する。そして、(c)において、(a)と(b)と、ステップS22の省エネ設定項目と、を、RAMに保存する。次いで、ステップS24において、番組を換えたこと、番組が変わったこと、のいずれかが番組情報検索部37bにより判定され、表示モードを換えたこと、表示モードが変わったこと、のいずれかが表示モード判定部37aにより判定されると、ステップS25において、例えば図5に示すような省エネ設定を保存するか否かの決定を促すGUIが表示部17に表示され、ステップS23における省エネ設定を保存する旨のYESの決定がなされると、ステップS26において、ユーザ設定ファイルを検索する。一方、ステップS25において、Noであると、ステップS31において、ステップS23の項目cの番組特定情報と、表示モードと、省エネ設定項目と、を一時的な高速記憶装置であるRAMから消去し、処理を終了する(ステップS30)。
【0045】
ステップS25でYesであればステップS26、ステップS27に進み、ユーザ設定ファイルに新たに保存可能な空き領域があるか否かを判定する。新たに書き込む際に空き領域がない場合は(No)場合には、ステップS28において、例えば一番古い保存項目を削除し、ステップS29に進む。ステップS27でYesの場合には、ステップS29に直接進む。
【0046】
ステップS29においては、空き領域に、ステップS23で求めた番組特定情報と、表示モードと、省エネ設定項目と、をROMに上書きで書き込み、この書き込みを、一番新しい順番として、ステップS30において処理を終了する。その際、同一の番組に対するユーザ設定が既にユーザ設定ファイルに存在する場合は上書きし、同一の番組に対するユーザ設定が存在しない場合は新たに書き込む。尚、ステップS29において、ROMに書き込まれる番組特定情報及び表示モードは、ステップS24で番組が変更された場合の、変更後の番組特定情報又は表示モードのデータではなく、ステップS24における切換えの前のステップS23において求めたデータである。
【0047】
このように、状態が変わる前に、RAMに、番組特定情報と、表示モードと、省エネ設定と、を書き込み、ステップS24で状態が変わった場合に、ステップS29で、ステップS23のRAMに保存していた情報をROMに書き込むための処理を行うことで、ステップS24の番組の変更又は表示モードの変更をトリガーとして、変更前のユーザ設定項目を保存する処理を忘れずに行うことができる。
【0048】
以上に説明したように、本実施の形態による表示装置においては、表示モード(画面構成)に応じて省エネ設定を行い、テレビ+インターネットなど、特定の表示状態での視聴時に最適な省エネ設定を自動で行うことができる(モード設定ファイル)。
【0049】
さらに、番組情報に応じて省エネ設定を行うことで、連続ドラマなど同じ"番組名"をもつ番組の次回視聴時に、ユーザが前回設定した省エネ設定に自動的に変更することができる(ユーザ設定ファイル)。
【0050】
これにより、番組のジャンルなどに依存せずに、番組名や表示構成等のユーザの利用シーンに応じて適切な輝度設定が可能になり、良好な省エネ効果が得られるという利点がある。また、この効果を、番組名や表示構成等のユーザの利用シーンの範囲内に限定することで、より適切な省エネ効果を得ることができる。
【0051】
(実施例)
以下に、本実施例による表示装置についてより具体的に説明する。
【0052】
図8は、番組Aを2D(図8(a)のような平面表示)から3D表示(図8(b)のような立体表示)に変更する場合の例を示す図である。3D視聴の場合には、左右の目に交互にしか画像が表示されないため、画像が暗くなる傾向にある。そこで、自動的に或いはリモコン装置の3Dボタン等を押すと、図6を参照して省エネ設定がOFFになり画面表示が明るくなる。
【0053】
ここで、図8(a)で番組Aを視聴している場合に、2Dでも暗くて見難いとユーザが感じて省エネ設定を効果小に設定し直すと、図4に示す処理に従って、図8(b)への切り替わり時に、ユーザ設定ファイルへの項目の保存が行われる。すなわち、再度番組Aを2D表示させる場合には、省エネ設定が小になる。ユーザ設定ファイルにおける設定が優先されるため、次回以降に、番組Aを2Dで視聴する場合には、図8(c)に示すように、省エネ設定が効果小に自動的に設定され、表示される。
【0054】
図9(a)は、番組Bの下段に字幕を表示させた例であり、図6に示すモード設定ファイルより、テレビ+字幕の場合には字幕表示中は省エネ設定を小にして、見やすくする表示が行われる。一方、図9(b)のように、チャネルを切替え、番組Cを見る場合に字幕表示を行わないようにすると、省エネ効果大に設定することで省エネにすることができる。
【0055】
ここで、図9(a)で番組Bを視聴している場合に、画面が明るいため字幕があっても輝度を下げて良いとユーザが判断し、省エネ設定をON(効果大)に設定し直すと、図4に示す処理に従って、図9(b)への切り替わり時に、ユーザ設定ファイルへの項目の保存が行われる。すなわち、再度番組Bをテレビ+字幕表示させる場合には、省エネ設定を効果大にして表示が行われるようにユーザ設定ファイルに書き込まれる。ユーザ設定ファイルにおける設定が優先されるため、次回以降に、番組Bをテレビ+字幕表示で視聴する場合には、図9(c)に示すように、省エネ設定が効果大に自動的に設定され表示される。
【0056】
図10は、地デジのニュースとインターネットの2画面表示の場合の例であり、図10(a)では、省エネ設定をオン(効果大)にしている。図10(b)に示すように、チャネルを切り替えてニュースからスポーツにしてインターネット(MLB日本人特集)も見た場合でも、ユーザ設定ファイルに、インターネット(MLB日本人特集)の項目は存在せず、従って、モード設定ファイルに従って動作するため、省エネ設定は変更されない。
【0057】
一方、図10(a)の状態において、地デジのニュースとインターネット(NHKオンライン)とが表示されており、ここで、ユーザが少し明るくして見たいと思い省エネ設定をON(効果小)に設定しなおすと、図10(b)に切り替えた段階で、地デジのニュースとインターネット(NHKオンライン)に対応して、省エネ効果(小)の設定がユーザ設定ファイルに保存される。
【0058】
次回以降に、地デジのこのニュースをインターネット画面と一緒に表示する場合には、図10(c)に示すように、ユーザ設定ファイルに基づいて、省エネ効果(小)の設定に基づく表示が行われる。
【0059】
図11は、画面埋め込みの小窓VOD表示17fと番組関連情報表示17eとを行ったり(図11(a))、全画面VOD17g表示を行ったりして切り替えた(図11(b))場合の例であり、いずれも図6のモード設定ファイルの基づき省エネ設定ON(効果大)に設定されている。
【0060】
一方、図11(a)の小窓VOD表示17fと番組関連情報表示17eとを行った状態において、画面が暗すぎて見難いとユーザが感じて省エネ設定をOFFに設定し直すと、図11(b)に切り替えた段階で、画面埋め込みの小窓VOD表示17fと番組関連情報表示17eとの組み合わせで、ユーザ設定ファイルに省エネ設定OFFが設定される。図11(c)に示すように、次回以降に、このVODに限り、画面埋め込みの小窓VOD表示17fと番組関連情報表示17eとを表示させた場合には、ユーザ設定ファイルに基づいて省エネ設定OFFでの表示が行われる。
【0061】
図12(a)は、番組関連情報表示17eと小窓番組放送表示(番組D)17hとを行った状態を示し、ここでは、モード設定ファイルにより、省エネ設定ON(効果大)に基づく表示が行われる。
【0062】
図12(b)に示すように、表示モードを切り替えて、番組Dの全画面表示(17i)にした場合でも、ユーザ設定ファイルに、番組Dを含む項目は存在せず、従って、モード設定ファイルに従って動作するため、省エネ設定は変更されず、省エネON(効果大)のままである。
【0063】
ここでは、図12(a)の状態で、省エネ設定の変更が行われず、ユーザ設定ファイルに新しい項目の保存が行われないため、図12(c)に示すように、次回以降に番組関連情報17eと同じ番組の小窓番組放送(放送D)17hに切り替わった場合にも、モード設定ファイルに基づいて、省エネ設定ON(効果大)に基づく表示が行われる(省エネ設定の変更は行われない)。
【0064】
尚、ユーザ設定ファイルが保存されている状態において、任意の設定項目を消去できるようにしても良い。また、図5においては、省エネ設定を保存するかどうかをユーザ操作に委ねる例を示したが、自動的に省エネ設定を保存するようにしても良い。
【0065】
また、例えば、放送局やコンテンツプロバイダが推奨するユーザ設定ファイルの設定項目を、ネットワーク経由で、放送局やコンテンツプロバイダ等から取得して、メモリに保存するようにしても良い。
【0066】
さらに、チャンネルコールにモード設定ファイル又はユーザ設定ファイルのいずれのファイルに基づいて省エネ設定されるかを表示しても良い。メニュー画面中に省エネ設定の設定画面を表示させて省エネ設定を変更できるようにしても良い。
【0067】
尚、上述の実施形態において、添付図面に図示されている構成等については、これらに限定されるものではなく、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0068】
例えば、本実施の形態による番組予約録画装置は、一般的な記録再生装置に設けても良いし、テレビ一体型の記録再生装置に設けても良い。或いは、パーソナルコンピュータなどの記録再生機能に付加させるようにしても良い。
【0069】
また、上述の実施形態で説明した機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。尚、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0070】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
【0071】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また前記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、テレビジョン受信装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0073】
AT…アンテナ、NT…ネットワーク、1…フロントエンド、3…デマルチプレクサ、5…放送情報デコード部(放送情報取得部)、7…番組表データ生成部、11…映像・音声デコード部、13…音声出力部、15…画面合成部、17…表示部(ディスプレイ)、21…制御部、23…リモコン受光部、25…メモリ部、25a…モード設定ファイル、25b…ユーザ設定ファイル、27…記憶部(HDD)、33…インターフェイス部、35…サーバ、37…省エネ設定部、37a…表示モード判定部、37b…番組情報検索部、37c…省エネ設定変更部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
番組を表示する表示装置であって、
表示モードを判定する表示モード判定部と、
番組を特定するための番組特定情報を検索する番組情報検索部と、
前記番組特定情報と、前記表示モードと、表示輝度を調整する指標となる省エネ設定項目と、の対応関係を示すユーザ設定ファイルを保存するメモリ部と、を有し、
前記番組特定情報と前記表示モードとの組に対応する省エネ設定項目が前記ユーザ設定ファイルに存在する場合に、当該省エネ設定項目に基づいて表示輝度を調整することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記メモリ部は、前記表示モードと前記省エネ設定との対応関係を保存するモード設定ファイルを有し、
前記ユーザ設定ファイルに前記番組特定情報と前記表示モードとの組に対応する省エネ設定項目が存在しない場合に、前記表示モード判定部により判定された表示モードに対応する前記省エネ設定項目を、前記モード設定ファイルを参照して求め、求められた前記省エネ設定項目に基づいて表示輝度を調整することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記省エネ設定が変更された際に、前記番組情報検索部により前記番組特定情報を検索して、前記表示モード判定部による前記表示モードとともに前記メモリ部に一時的に保存し、
番組の変更又は表示モードの変更が検出され、省エネ設定を保存する旨の指示を受けると、前記メモリ部に一時的に保存されている、変更された前記省エネ設定と、前記番組特定情報と、前記表示モードとを、前記ユーザ設定ファイルに新たに保存することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記省エネ設定が変更された際に、前記番組情報検索部により前記番組特定情報を検索して、前記表示モード判定部による前記表示モードとともに前記メモリ部に一時的に保存し、
番組の変更又は表示モードの変更が検出され、省エネ設定を保存しない旨の指示を受けると、前記メモリ部に一時的に保存されていた前記番組特定情報と前記表示モードとを、前記ユーザ設定ファイルから消去する処理を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1項に記載の表示装置を備えたテレビジョン受信装置。
【請求項6】
表示モードを判定する表示モード判定ステップと、
番組を特定するための番組特定情報を検索する番組情報検索ステップと、
前記番組情報検索ステップで検索された前記番組特定情報と前記表示モード判定ステップで判定された前記表示モードとの組に対応する省エネ設定項目が、前記番組特定情報と、前記表示モードと、表示輝度を調整する指標となる省エネ設定項目と、の対応関係を示すユーザ設定ファイルに存在する場合に、当該省エネ設定項目に基づいて表示輝度を調整するステップと、を有することを特徴とする表示制御方法。
【請求項7】
請求項6に記載の表示制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−156810(P2012−156810A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14449(P2011−14449)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】