説明

表示装置、及び、テレビジョン

【課題】省エネの程度を分かり易く知らせることを課題とする。
【解決手段】表示部2の輝度レベルを調整するための輝度調整手段4を備える表示装置(1)において、輝度調整手段4により調整された表示部2の輝度レベルの基準輝度レベルに対する低下量に対応した消費電力の削減度合を表す削減情報91を表示部2に表示するための削減情報表示手段5を備える。輝度レベルを表す輝度レベル情報92を表示部2に表示するための輝度レベル表示手段6と、削減情報91と輝度レベル情報92を含む情報の中から表示部2に表示する情報を選択するための情報選択手段7とが設けられてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部の輝度レベルを調整するための輝度調整手段を備える表示装置、及び、テレビジョンに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のテレビジョン受信装置は、省エネ(省エネルギー)モードで動作しており、且つバックライトの輝度が設定されている下限値でないとき、チャンネルの切り換えにかかる入力が行われる毎に、バックライトの輝度を第1の量ずつ下げる。また、バックライトの輝度を第1の量だけ下げるときに、液晶パネルに黒ベタの映像を一定時間表示し、視聴しているユーザーに暗い映像を印象づける。
【0003】
特許文献2に記載の画像表示装置は、テレビジョン映像を表示するモードと、グラフィックユーザインターフェース映像を表示するモードとを切換可能に構成されている。この画像表示装置は、モードの切換指示に連動して、バックライト光源の発光輝度を可変制御する。
【0004】
特許文献3に記載のテレビジョン受像機は、テレビ放送に係る番組映像を表示するモードと、データ放送に係る番組映像を表示するモードとを切換可能に構成されている。このテレビジョン受像機は、ユーザーによる表示番組映像の放送タイプの切換指示に連動して、バックライト光源の発光輝度を可変制御する。
【0005】
特許文献4に記載の液晶表示装置は、液晶パネルに表示する映像のジャンルに応じて、光源の発光輝度制御特性を変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−238390号公報
【特許文献2】特開2006−262031号公報
【特許文献3】特開2010−166593号公報
【特許文献4】特開2007−049693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した表示装置を見るユーザーは、表示が暗くなるのは分かっても、どの程度省エネとなるのか分からない。
【0008】
以上を鑑み、本発明は、省エネ(省エネルギー)の程度を分かり易く知らせる目的を有している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、表示部の輝度レベルを調整するための輝度調整手段を備える表示装置において、
前記輝度調整手段により調整された前記表示部の輝度レベルの基準輝度レベルに対する低下量に対応した消費電力の削減度合を表す削減情報を前記表示部に表示するための削減情報表示手段を備える態様を有する。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、省エネの程度を分かり易く知らせることが可能な表示装置を提供することができる。
請求項2に係る発明では、消費電力の削減度合を表す削減情報と、表示部の輝度レベルを表す輝度レベル情報と、を含む情報が選択されて表示されるので、利便性を向上させることができる。
請求項3に係る発明では、簡易な構成で省エネの程度を分かり易く知らせることができる。
請求項4に係る発明では、バックライトを用いた表示装置の省エネの程度を簡易な構成で分かり易く知らせることができる。
請求項5に係る発明では、省エネの程度を分かり易く知らせることが可能なテレビジョンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(a)は本発明の一実施形態に係るテレビジョン1(表示装置)1の構成を模式的に例示する正面図、(b)はテレビジョン1の構成を模式的に例示する側面図、である。
【図2】テレビジョン1の回路構成を例示するブロック図である。
【図3】テレビジョン1の構成を模式的に例示するブロック図である。
【図4】テレビジョン1で行われるバックライト輝度設定処理を例示するフローチャートである。
【図5】基準輝度レベルと輝度レベルの差と消費電力削減量との対応関係を例示する図である。
【図6】テレビジョン1で行われる削減情報表示処理を例示するフローチャートである。
【図7】(a)はPWM信号を例示する図、(b)は電流値と基準電流値とから消費電力削減量を求める例を説明する図、(c)はデューティ(Duty)比と基準デューティ(Duty)比とから消費電力削減量を求める例を説明する図、である。
【図8】削減情報91の表示を例示する図、(b)は輝度レベル情報92の表示を例示する図、である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(1)テレビジョン(表示装置)の概略:
図1(a),(b)、図2及び図3に例示するテレビジョン(表示装置)1は、表示画面10となる液晶パネル128aに映像(画像)を表示する薄型表示装置とされている。むろん、本発明を適用可能なテレビジョンは、液晶テレビジョンの他、プラズマテレビジョンといった薄型表示装置、受像管表示装置、記録再生装置が一体化されたテレビジョン、等のディスプレイでもよい。前記記録再生装置には、ハードディスク記録再生装置、BD(Blue-ray Disc)記録再生装置、DVD(Digital Versatile Disk)記録再生装置、ビデオデッキ、等が含まれる。また、表示装置には、テレビジョン放送を受信しないディスプレイも含まれる。
【0013】
上記テレビジョン(TV)1に例示される表示装置は、表示部2の輝度レベルを調整するための輝度調整手段4を備えるとともに、削減情報表示手段5を備える。
削減情報表示手段5は、輝度調整手段4により調整された表示部2の輝度レベルの基準輝度レベルに対する低下量に対応した消費電力の削減度合を表す削減情報91(図8(a)参照)を表示部2に表示する。
【0014】
すなわち、削減情報91により表示部2の輝度レベルの基準輝度レベルに対する低下量に対応した消費電力の削減度合が通知されるので、本表示装置は、省エネ(省エネルギー)の程度を分かり易く知らせることができる。ユーザーは、どの程度省エネとなるのか容易に把握することができる。
【0015】
ここで、消費電力の削減度合には、ワット(W)等で表される消費電力、ワット時(Wh)等で表される消費電力量、等が含まれる。
【0016】
ところで、前記輝度レベルを表す輝度レベル情報92(図8(b)参照)を前記表示部2に表示するための輝度レベル表示手段6と、前記削減情報91と前記輝度レベル情報92を含む情報の中から前記表示部2に表示する情報を選択するための情報選択手段7とが設けられてもよい。すると、表示部2に表示する情報を削減情報91以外に輝度レベル情報92等とすることができるので、利便性が向上する。
【0017】
前記削減情報表示手段5は、前記表示部2による表示のための電流値(電流量)を取得する電流量取得手段5aを備えていてもよい。該削減情報表示手段5は、取得した電流値と基準電流値(基準電流量)との差に基づいて前記削減情報91を生成して前記表示部2に表示してもよい。本態様は、簡易な構成で省エネの程度を分かり易く知らせることができる。
【0018】
前記表示部2は、表示画面10に光を供給するバックライト128bを備えていてもよい。前記輝度調整手段4は、前記バックライト128bの明るさを変えることにより前記表示画面10の輝度レベルを調整する手段とされてもよい。前記電流量取得手段5aは、前記バックライト128bを点灯させるための電流量を取得してもよい。本態様は、バックライト128bを用いた表示装置(1)の省エネの程度を簡易な構成で分かり易く知らせることができる。
【0019】
本技術は、省エネを目的としたバックライト自動調節機能付きTVを提案する側面を有する。ユーザーの好みを自動調節モードに入れるようにすることで、ニーズに応じた省エネが実現できる。省エネ効果により、ユーザーにとっても環境にとっても有意義な製品となる。図1(a)の設定画面80に例示するように、複数の条件をOSD(On-Screen Display)上に提示し、デフォルト設定に加え、マニュアル設定を追加することで、ユーザーのニーズに合わせた省エネが可能となる。
また、本技術は、不要時のバックライト輝度をユーザーのニーズに合わせて適切に低下させ、バックライトの輝度低下に応じた省エネ度合をユーザーに分かる形で表示する側面を有する。
【0020】
(2)テレビジョン(表示装置)の構成:
TV1は、キャビネット8、マイコン(マイクロコンピュータ)110、不揮発性メモリ118、本体側送受信装置119、表示手段121〜128、音声出力部130、リモコン(リモートコントロール装置)9、等を備えている。テレビジョン本体を形作るキャビネット8は、樹脂等で略箱形に形成され、表示画面10のための開口を前面に有している。マイコン110は、映像表示及び音声出力を制御する。不揮発性メモリ118は、例えば不揮発性半導体メモリで構成され、各種データを保持する。不揮発性メモリ118は、ハードディスクといった磁気ディスク等でもよい。本体側送受信装置119は、リモコン9との間で赤外線信号(無線信号)を送受信可能である。リモコン9以外のTV1の電気回路は、キャビネット8に収容されている。
まず、表示手段の各部を説明する。
【0021】
チューナ回路121は、例えば、マイコン110の制御により、PLL(Phase Lock Loop)シンセサイザ方式の選局方式で選局し、アンテナ122から受信したテレビジョン放送信号を高周波増幅し、増幅後の信号をヘテロダイン検波によって中間周波信号に変換する。テレビジョン放送には、地上デジタル放送、BS(Broadcasting Satellite)放送、CS(Communication Satellite)放送、地上アナログ放送、等が含まれる。中間周波増幅回路123は、チューナ回路121から前記中間周波信号を入力し、該中間周波信号を増幅して映像検波回路124へ出力する。映像検波回路124は、中間周波増幅回路123から入力される中間周波信号から復号映像信号及び音声信号を取り出す。復号映像信号には、輝度信号や搬送色信号や同期信号が含まれる。AGC(Automatic Gain Control)回路125は、映像検波回路124から同期信号を入力し、該同期信号の大きさ強さに応じたRF−AGC(Radio Frequency Automatic Gain Control)電圧及びIF−AGC(Intermediate Frequency Automatic Gain Control)電圧を生成する。映像信号処理部126は、複合映像信号をさらに増幅し、Y/C分離回路126aでY/C分離を行い、輝度信号(Y)をマトリクス回路126cに対して出力し、搬送色信号(C)を色復調回路126bに対して出力し、同期分離によって得られる同期信号をマイコン110に対して出力する。色復調回路126bは、Y/C分離回路126aから入力される搬送色信号(C)をR−Yの色差信号及びB−Yの色差信号に復調し、マトリクス回路126cに対して出力する。マトリクス回路126cは、入力される輝度信号(Y)、R−Y色差信号及びB−Y色差信号に基づいてマトリクス変換処理を行い、RGB(Red-Green-Blue)信号を生成する。液晶ドライバ127は、映像信号処理部126からのRGB信号を入力し、液晶モジュール128を駆動するための駆動信号をRGB信号に従って生成し、この駆動信号を液晶モジュール128へ出力する。
【0022】
表示部2を構成する液晶モジュール128は、表示画面10となる液晶パネル128a、液晶パネル128aを背面から照射するバックライト128b、入力される電源電圧から高電圧を生成してバックライト128bに供給するバックライト駆動部128c、を備えている。液晶モジュール128は、液晶ドライバ127からの駆動信号を入力し、この駆動信号に従ってバックライト128bを点灯させながら液晶パネル128aに映像を表示させる。
【0023】
バックライト駆動部128cは、マイコン110からの制御信号に応じたデューティ(Duty)比のPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成するPWM調光回路128dを備えている。バックライト駆動部128cは、図7(a)に例示されるPWM信号のデューティ比T1/Tallに応じてバックライト128bの明るさを制御する。具体的には、PWM信号のデューティ比T1/Tallが大きくなるほどバックライト128bを点灯させるため表示部2に流れる電流値(I1とする)が大きくなってバックライト128bの発光を明るくさせ、PWM信号のデューティ比T1/Tallが小さくなるほどバックライト128bを点灯させるための電流値I1が小さくなってバックライト128bの発光を暗くさせる。その結果、表示画面10(表示部2)の輝度レベルが調整される。
以上より、マイコン110、バックライト128b及びバックライト駆動部128cは、輝度調整手段4を構成する。
【0024】
また、音声出力部130は、映像検波回路124から入力される音声信号を増幅し、音声信号に対応した音声をスピーカから出力する。
【0025】
マイコン110は、内部のバスに接続されたCPU(Central Processing Unit)111、半導体メモリ112,113、時計回路114、OSD(On-Screen Display)回路115、I/O(入出力)回路、等を備えている。CPU111は、RAM(Random Access Memory)113をワークエリアとして利用しながらROM(Read Only Memory)112に書き込まれたテレビジョン用の制御プログラムを実行し、TV1全体の動作を制御する。ROM112には、輝度調整手段4や削減情報表示手段5や輝度レベル表示手段6や情報選択手段7を含むTV1としてコンピュータを機能させる複数のプログラムが書き込まれている。時計回路114は、現在時刻を計時し、一定時間毎に割込信号を生成してCPU111へ出力可能である。OSD回路115は、OSD画面の被重畳信号を生成して映像信号処理部126へ出力する。
以上より、マイコン110は、輝度調整手段4を構成するとともに、削減情報表示手段5や輝度レベル表示手段6や情報選択手段7を構成する。
【0026】
(3)テレビジョン(表示装置)の動作、作用、及び、効果:
次に、TV1の動作、作用、及び、効果を説明する。
図4は、TV1で行われるバックライト輝度設定処理をフローチャートにより例示している。本処理は、例えば、所定のメニュー画面が表示されているときに所定の「バックライト輝度設定」項目が選択操作されたときに開始し、マルチタスクにより他の処理と並列して行われる。
【0027】
処理を開始すると、マイコン110は、図1(a)に例示する設定画面80を表示画面10(表示部2)に表示する(ステップS102。以下、「ステップ」の記載を省略)。設定画面80には、バックライト輝度調整を有効(on)にするか無効(off)にするかを切り替えるためのバックライト輝度調整オンオフ項目81、バックライト輝度調整をデフォルトの設定(auto)で行うか消費電力の削減度合である削減量(W)で行うか輝度レベル(%)で行うかを切り替えるための選択項目82、OSD操作時に基準輝度レベルからどの程度消費電力を削減するかを入力するためのOSD操作時入力欄83、映像信号処理部126に表示信号が入力されていないときにどの程度消費電力を削減するかを入力するための無入力時入力欄84、コマーシャルを映像表示しているときにどの程度消費電力を削減するかを入力するためのコマーシャル時入力欄85、表示信号の入力切替時にどの程度消費電力を削減するかを入力するための入力切替時入力欄86、EPG(電子番組ガイド)を表示するときにどの程度消費電力を削減するかを入力するためのEPG時入力欄87、が設けられている。各入力欄83〜87は、バックライト輝度調整オンオフ項目81が”on”にされているときに操作入力可能となり、選択項目82で”W”が選択操作されているときに消費電力削減量の数値(例えばワット単位)で操作入力可能であり、選択項目82で”%”が選択操作されているときに輝度レベルの数値(例えば基準輝度レベルに対する百分率)で操作入力可能である。
【0028】
マイコン110は、ユーザーからの操作入力をリモコン9等から受け付け、所定の確定キーの操作入力を受け付けると、バックライト輝度調整を有効(on)にするか無効(off)にするかを表す情報、バックライト輝度調整の選択項目82の種類を表す情報、各入力欄83〜87に操作入力された数値を表す情報、を設定値として例えば不揮発性メモリ118に記憶する(S104)。
【0029】
その後、マイコン110は、記憶された設定値に従って、バックライト輝度調整処理を開始し(S106)、バックライト輝度設定処理を終了させる。
【0030】
S106の処理及びその後の処理において、バックライト輝度調整が無効(off)である場合、マイコン110は、基準のデューティ比となるようにPWM調光回路128dに指示を出し、どの場面でも基準輝度レベル(L0とする)の明るさでバックライト128bを点灯させる。バックライト輝度調整が有効(on)である場合、基準輝度レベルよりも低下した輝度レベル(L1とする)の明るさでバックライト128bを点灯させる。例えば、PWM信号の基準デューティ比をRT0、輝度レベルL1に合わせて低下させたデューティ比をRT1とすると、
RT1=(L1/L0)×RT0 …(1)
で求められるデューティ比RT1となるようにPWM調光回路128dに指示を出せばよい。むろん、式(1)よりも好ましい対応関係があればその対応関係に従ったデューティ比となるようにPWM調光回路128dに指示を出してもよい。
【0031】
まず、バックライト輝度調整の選択項目82で輝度レベル(%)が選択された場合について説明する。この場合、OSDを表示するときには、OSD操作時入力欄83に入力された輝度レベルL1に合わせたデューティ比RT1となるようにPWM調光回路128dに指示を出す。
【0032】
また、映像信号処理部126に表示信号が所定レベル以下しか入力されていないとき、無入力時入力欄84に入力された輝度レベルL1に合わせたデューティ比RT1となるようにPWM調光回路128dに指示を出す。コマーシャルを映像表示しているとき、コマーシャル時入力欄85に入力された輝度レベルL1に合わせたデューティ比RT1となるようにPWM調光回路128dに指示を出す。コマーシャルであるか否かは、TS(Transport Stream;トランスポートストリーム)中のPSI(Program Specific Information)/SI(Service Information)の中のPID(パケット識別子)がコマーシャル用のPIDであるか否かにより判断することができる。表示信号の入力切替時、入力切替時入力欄86に入力された輝度レベルL1に合わせたデューティ比RT1となるようにPWM調光回路128dに指示を出す。EPGを表示するとき、EPG時入力欄87に入力された輝度レベルL1に合わせたデューティ比RT1となるようにPWM調光回路128dに指示を出す。なお、リモコン9に対する操作が所定時間(例えば2時間)以上行われていない場合、基準輝度レベルL0よりも低下した輝度レベルL1に合わせたデューティ比RT1となるようにPWM調光回路128dに指示を出す。また、OSDや無入力やコマーシャルや入力切替後所定時間内やEPGやリモコン無操作時以外の映像表示(以下、「通常映像表示」と記載)を行うとき、基準輝度レベルL0に合わせたデューティ比RT1となるようにPWM調光回路128dに指示を出す。
【0033】
次に、バックライト輝度調整の選択項目82で消費電力削減量(W)が選択された場合について説明する。この場合、OSDを表示するときには、OSD操作時入力欄83に入力された消費電力削減量に対応する輝度レベルL1に合わせたデューティ比RT1となるようにPWM調光回路128dに指示を出す。図5に例示するように、基準輝度レベルL0と輝度レベルL1の差L0−L1と消費電力削減量(ΔWとする)とには、差L0−L1が大きくなるほどΔWが大きくなる対応関係がある。このような対応関係をTV1の機種毎に求めておけばよい。従って、この対応関係に従った輝度レベルL1に合わせたデューティ比RT1となるようにPWM調光回路128dに指示を出せばよい。
【0034】
また、映像信号処理部126に表示信号が入力されていないとき、無入力時入力欄84に入力された消費電力削減量に対応する輝度レベルL1に合わせたデューティ比RT1となるようにPWM調光回路128dに指示を出す。コマーシャルを映像表示しているとき、コマーシャル時入力欄85に入力された消費電力削減量に対応する輝度レベルL1に合わせたデューティ比RT1となるようにPWM調光回路128dに指示を出す。表示信号の入力切替時、入力切替時入力欄86に入力された消費電力削減量に対応する輝度レベルL1に合わせたデューティ比RT1となるようにPWM調光回路128dに指示を出す。EPGを表示するとき、EPG時入力欄87に入力された消費電力削減量に対応する輝度レベルL1に合わせたデューティ比RT1となるようにPWM調光回路128dに指示を出す。なお、リモコン9に対する操作が上記所定時間以上行われていない場合、輝度レベルL1に合わせたデューティ比RT1となるようにPWM調光回路128dに指示を出す。また、上記通常映像表示を行うとき、基準輝度レベルL0に合わせたデューティ比RT1となるようにPWM調光回路128dに指示を出す。
【0035】
図6は、TV1で行われる削減情報表示処理をフローチャートにより例示している。本処理は、例えば、TVが電源オンであるときに所定間隔で繰り返し行われ、マルチタスクにより他の処理と並列して行われる。ここで、S204の処理を行うマイコン110は情報選択手段7を構成し、S206の処理を行うマイコン110は削減情報表示手段5を構成し、S208の処理を行うマイコン110は輝度レベル表示手段6を構成する。
【0036】
処理を開始すると、マイコン110は、図8(a),(b)に例示する情報(91,92)を表示するタイミングであるか否かを判断する(S202)。この表示タイミングには、例えば、OSDの表示を開始するタイミング、映像信号処理部126に入力される表示信号が所定レベル以下になったタイミング、コマーシャルの映像表示を開始するタイミング、表示信号の入力切替時のタイミング、EPGの表示を開始するタイミング、リモコン9に対する無操作が所定時間以上となったタイミング、上記通常映像表示に戻るタイミング、がある。
【0037】
S204では、バックライト輝度調整の選択項目82での選択内容に応じて処理を分岐させる。すなわち、S204の処理は、削減情報91と輝度レベル情報92の中から表示部2に表示する情報を選択するための処理である。
【0038】
選択項目82で消費電力削減量(W)が選択された場合、マイコン110は、表示部2の輝度レベルの基準輝度レベルL0に対する低下量に対応した消費電力削減量ΔW(削減度合)を表す削減情報91を生成し、図8(a)に例示するように、表示画面10に削減情報91を映像V1に重ねて表示画面10に表示して(S206)、削減情報表示処理を終了させる。削減情報91は、例えば、通常映像表示の場合に「0W削減中」、リモコン無操作時に基準輝度レベルL0と輝度レベルL1との差L0−L1に対応した消費電力削減量ΔWを削減中であることを表す情報、これら以外の場合に入力欄83〜87に入力された消費電力削減量ΔWを削減中であることを表す情報、とすることができる。
【0039】
また、電流量取得手段5aでバックライト128bを点灯させるための電流値I1を取得し、取得した電流値I1と基準電流値(I0とする)との差I0−I1に基づいて削減情報91を生成して表示部2に表示してもよい。電流値I1は、図7(a)に例示するPWM信号のデューティ比T1/Tallが大きくなるほど大きくなる。そこで、TVの機種に応じてデューティ比T1/Tallと電流値I1との対応関係を求めておけば、電流量取得手段5aは、この対応関係からPWM調光回路128dからPWM信号のデューティ比T1/Tallを取得し、前記対応関係に従ってデューティ比T1/Tallから電流値I1を求めることができる。図7(b)に例示するように、基準電流値L0と電流値L1との差I0−I1が大きくなるほど消費電力削減量ΔWが大きくなる。そこで、TVの機種に応じて電流値の差I0−I1と消費電力削減量ΔWとの対応関係を求めておけば、この対応関係から電流値の差I0−I1から消費電力削減量ΔWを求め、削減情報91を生成することができる。従って、削減情報91は、求めた消費電力削減量ΔWを削減中であることを表す情報とすることができる。
【0040】
さらに、PWM信号のデューティ比T1/Tallが大きくなるほど電流値I1が大きくなる対応関係があるので、図7(c)に例示するように、基準デューティ比RT0とデューティ比RT1との差RT0−RT1が大きくなるほど消費電力削減量ΔWが大きくなる。そこで、TVの機種に応じてデューティ比の差RT0−RT1と消費電力削減量ΔWとの対応関係を求めておけば、この対応関係からデューティ比の差RT0−RT1から消費電力削減量ΔWを求め、削減情報91を生成することができる。
【0041】
一方、選択項目82で輝度レベル(%)が選択された場合、マイコン110は、表示部2の輝度レベルL1を表す輝度レベル情報92を生成し、図8(b)に例示するように、表示画面10に輝度レベル情報92を映像V1に重ねて表示画面10に表示して(S208)、削減情報表示処理を終了させる。輝度レベル情報92は、例えば、通常映像表示の場合に「輝度100%」、リモコン無操作時に基準輝度レベルL0よりも低下した輝度レベルL1を表す情報、これら以外の場合に入力欄83〜87に入力された輝度レベルL1を表す情報、とすることができる。
【0042】
また、電流量取得手段5aでバックライト128bを点灯させるための電流値I1を取得し、取得した電流値I1と基準電流値(I0とする)との差I0−I1に対応した輝度レベルL1を求め、この輝度レベルL1を表す輝度レベル情報92を生成して表示部2に表示してもよい。TVの機種に応じて電流値の差I0−I1と輝度レベル低減量L0−L1との対応関係を求めておけば、この対応関係から電流値の差I0−I1から輝度レベル低減量L0−L1を求め、この輝度レベル低減量と基準輝度レベルL0とから輝度レベルL1を求め、輝度レベルL1を表す輝度レベル情報92を生成することができる。さらに、TVの機種に応じてデューティ比の差RT0−RT1と輝度レベル低減量L0−L1との対応関係を求めておけば、この対応関係からデューティ比の差RT0−RT1から輝度レベル低減量L0−L1を求め、輝度レベルL1を表す輝度レベル情報92を生成することができる。
【0043】
以上説明したように、本表示装置は、削減情報91により表示部2の輝度レベルの基準輝度レベルに対する低下量に対応した消費電力の削減度合が通知されるので、省エネの程度を分かり易く知らせることができる。ユーザーは、どの程度省エネとなるのか容易に把握することができる。また、表示部2に表示する情報を削減情報91以外に輝度レベル情報92等とすることができるので、本表示装置は便利である。
【0044】
(4)変形例:
上述した処理の各ステップの順番は、適宜、変更可能である。例えば、図4のS104の設定値記憶処理の前にS106のバックライト輝度調整処理を開始してもよい。また、図6のS204,S208の処理が行われず、削減情報91のみが表示されてもよい。このような表示装置も、本発明に含まれる。
図6のS202の表示タイミングで表示する情報には、輝度レベル低減量等、削減情報91と輝度レベル情報92以外の情報が含まれていてもよい。また、削減情報91は、消費電力量等の情報でもよい。
図1(a)に示す各入力欄83〜87は、選択項目82の選択内容に連動していなくてもよい。例えば、選択項目82で消費電力削減量(W)が選択されているときに各入力欄83〜87に輝度レベルL1が操作入力されてもよい。
【0045】
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、省エネ(省エネルギー)の程度を分かり易く知らせることが可能な表示装置、表示方法、テレビジョン、テレビジョンの制御方法、表示プログラム、テレビジョンの制御プログラム、これらのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な非伝送媒体、等を提供することができる。
【0046】
なお、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなる装置、システム、方法及びプログラムでも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
【0047】
また、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
・上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材及び構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材及び構成等と相互に置換可能な部材及び構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材及び構成等の代用として想定し得る部材及び構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
【符号の説明】
【0048】
1…テレビジョン(表示装置)、
2…表示部、4…輝度調整手段、
5…削減情報表示手段、5a…電流量取得手段、
6…輝度レベル表示手段、7…情報選択手段、
8…キャビネット、9…リモコン(リモートコントロール装置)、
10…表示画面、
80…設定画面、81…バックライト輝度調整オンオフ項目、
91…削減情報、92…輝度レベル情報、
128b…バックライト。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部の輝度レベルを調整するための輝度調整手段を備える表示装置において、
前記輝度調整手段により調整された前記表示部の輝度レベルの基準輝度レベルに対する低下量に対応した消費電力の削減度合を表す削減情報を前記表示部に表示するための削減情報表示手段を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記輝度レベルを表す輝度レベル情報を前記表示部に表示するための輝度レベル表示手段と、
前記削減情報と前記輝度レベル情報を含む情報の中から前記表示部に表示する情報を選択するための情報選択手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記削減情報表示手段は、前記表示部による表示のための電流量を取得する電流量取得手段を備え、取得した電流量と基準電流量との差に基づいて前記削減情報を生成して前記表示部に表示することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示部は、表示画面に光を供給するバックライトを備え、
前記輝度調整手段は、前記バックライトの明るさを変えることにより前記表示画面の輝度レベルを調整する手段とされ、
前記電流量取得手段は、前記バックライトを点灯させるための電流量を取得することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
映像を表示する表示画面に光を供給するバックライトを有する表示部と、前記バックライトの明るさを変えることにより前記表示画面の輝度レベルを調整する輝度調整手段とを備えるテレビジョンにおいて、
前記輝度調整手段により調整された前記表示画面の輝度レベルの基準輝度レベルに対する低下量に対応した消費電力の削減度合を表す削減情報を映像に重ねて前記表示画面に表示するための削減情報表示手段を備えることを特徴とするテレビジョン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−242462(P2012−242462A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−110017(P2011−110017)
【出願日】平成23年5月17日(2011.5.17)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】