表示装置、情報記録方法および記録装置並びに表示シート
【課題】フレキシブルディスプレイに正確に情報の記録と消去を行う。
【解決手段】表示シート11には、黒色微粒子と白色微粒子が封入されたマイクロカプセルが分散される。消去ヘッド73a、73bに電圧を印加し、さらに消去ヘッド74a、74bに極性を反対にした電圧を印加する。消去ヘッド73a、73b、74a、74bに所定の電圧が印加されることでマイクロカプセルに電界がかかり、マイクロカプセル内の黒色微粒子と白色微粒子とが分散する。そして記録ヘッド75a、75bに電圧を印加することで、マイクロカプセルに電界がかかりマイクロカプセル内の黒色微粒子と白色微粒子とがいずかか一方のヘッド側に集積する。例えば、記録ヘッド75a側に黒色微粒子が集積すると、人間の目に対して黒色の状態が表示される。
【解決手段】表示シート11には、黒色微粒子と白色微粒子が封入されたマイクロカプセルが分散される。消去ヘッド73a、73bに電圧を印加し、さらに消去ヘッド74a、74bに極性を反対にした電圧を印加する。消去ヘッド73a、73b、74a、74bに所定の電圧が印加されることでマイクロカプセルに電界がかかり、マイクロカプセル内の黒色微粒子と白色微粒子とが分散する。そして記録ヘッド75a、75bに電圧を印加することで、マイクロカプセルに電界がかかりマイクロカプセル内の黒色微粒子と白色微粒子とがいずかか一方のヘッド側に集積する。例えば、記録ヘッド75a側に黒色微粒子が集積すると、人間の目に対して黒色の状態が表示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示装置、情報記録方法および記録装置並びに表示シートに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子ペーパーなどと称される電子ディスプレイの開発が行われている。電子ペーパーには、紙のように薄く、軽く、表示した情報を書き換え可能であることが要求される。
【0003】
電子ペーパーを表示原理や表示素子で分類すると、例えばコレステリック液晶を用いた液晶方式、有機EL(Electro Luminescence)を用いたフレキシブルディスプレイ、電気泳動方式やツイストボール方式と称される2色の異なる状態を電界や磁界を使用して切り換える方式などに大別される。フレキシブルディスプレイは、基板にガラスではなくフィルムを使用することで、可撓性を有し、薄くて軽量である電子ディスプレイを実現している。
【0004】
図15は、電気泳動方式による表示方法を模式的に示したものである。マイクロカプセル101内にはマイナスに帯電している複数の白色微粒子102と、プラスに帯電している複数の黒色微粒子103とが封入されている。
【0005】
例えば図15Aに示すように、電極104aにプラスの電圧を印加し電極104bにマイナスの電圧を印加するとマイクロカプセル101に対して電界がかかり、マイナスに帯電している白色微粒子102は電極104a側に引き寄せられ、プラスに帯電している黒色微粒子103は電極104b側に引き寄せられる。図15Aの状態では、人間の目に対しては白の状態が表示される。さらに、図15Bに示すように電極105aにマイナスの電圧を印加し、電極105bにプラスの電圧を印加するとマイクロカプセル101内の微粒子はいずれの電極側にも引き寄せられることなく拡散し、人間の目に対しては灰色の状態が表示される。図15Cに示すように電極104aにマイナスの電圧を印加し、電極104bにプラスの電圧を印加すると、黒色微粒子103は電極104a側に引き寄せられ、白色微粒子102は電極104b側に引き寄せられる。この状態では、人間の目に対しては黒の状態が表示される。電気泳動方式では例えば、駆動電極をマトリクス状に配置してそれぞれの電極を駆動し、図15A〜図15Cに示す状態を切り換えることで文字や画像の表示を行う。
【0006】
下記特許文献1には、スピーカを内蔵させたフレキシブルディスプレイに関する発明が記載されている。
【0007】
【特許文献1】特開2003−125315号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来の技術には以下のような問題点があった。例えば、液晶方式では液晶層に入射した光を選択的に反射させて明暗を表示するが、入射する光の一部である反射光を利用するために画面が暗くなってしまうおそれがある。また、フレキシブルディスプレイは、フィルム基板がガラス基板と異なり熱的、化学的、光学的安定性が低く、また耐熱温度が低い、表面精度が悪い、熱膨張率が大きい等の問題点がありガラス基板を用いたフラットパネルディスプレイの作成プロセスを使用できない。特に、フレキシブルディスプレイではバリアフィルム内に薄膜有機EL層を形成する微細加工技術が必要であるため、新たな作成プロセスを構築することは容易ではない。また、フィルム基板でなくプラスチック基板を使用したフレキシブルディスプレイも提案されているが、紙のようなホールド感や曲げ感と同等とすることは困難である。
【0009】
また、上述した電気泳動方式における電界をかける方法は、例えばX電極とY電極をマトリクス状に配置してそれぞれの電極に電圧を印加することで所定の画素に電界をかけるようにされるが、画面が大型化すると画面の両端で電圧降下が生じてしまい、端部に存在する画素に適切な電界をかけることができないおそれがある。また、近年、ディスプレイの高画素化が進んでいるが、それぞれの画素にかかる電界が隣接した画素に対してもかかってしまうクローストクが生じるおそれがあり、さらに電界をかける画素の位置決めをより正確に行わなければならないという問題点がある。
【0010】
したがって、この発明の目的は、複雑な製造工程を要しない表示部を有し、該表示部に文字情報や画像情報を記録し、記録された情報を消去することができる表示装置、情報記録方法および記録装置並びに表示シートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するために、この発明は、反射率が中間である第1の状態と、第1の状態の反射率に比して反射率が低い第2の状態と、第1の状態の反射率に比して反射率が高い第3の状態とを有する表示素子が光透過性基材によって支持される表示部と、
表示部に対して駆動信号を印加することで、第2または第3の状態から第1の状態へと変化させる消去処理を行い、
さらに、表示部に対して駆動信号を印加することで、第1の状態から第2または第3のいずれか一方の状態へと変化させる記録処理を行う記録部とを備える表示装置である。
【0012】
この発明は、反射率が中間である第1の状態と、第1の状態の反射率に比して反射率が低い第2の状態と、第1の状態の反射率に比して反射率が高い第3の状態とを有する表示素子が光透過性基材によって支持されてなる表示部に情報を書き込む情報記録方法であって、
表示部に対して駆動信号を印加することで、第2または第3の状態から第1の状態へと変化させる消去ステップと、
表示部に対して駆動信号を印加することで、第1の状態から第2または第3のいずれか一方の状態へと変化させる記録ステップからなる情報記録方法である。
【0013】
この発明は、反射率が中間である第1の状態と、第1の状態の反射率に比して反射率が低い第2の状態と、第1の状態の反射率に比して反射率が高い第3の状態とを有する表示素子が光透過性基材によって支持されてなる表示部に情報を書き込む記録装置であって、
表示部に対して駆動信号を印加することで、第2または第3の状態から第1の状態へと変化させる消去処理を行い、
さらに、表示部に対して駆動信号を印加することで、第1の状態から第2または第3のいずれか一方の状態へと変化させる記録処理を行う記録装置である。
【0014】
この発明は、反射率が中間である第1の状態と、第1の状態の反射率に比して反射率が低い第2の状態と、第1の状態の反射率に比して反射率が高い第3の状態とを有する表示素子が糸状とされた光透過性基材によって支持され、
複数の糸状の光透過性基材を織布状に織り上げることで作成される表示シートである。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、表示素子と情報の記録および消去を行う機構とが分離されるため、フィルム基板の特性に起因するプロセス上の問題がなくなり、簡単な方法でフィルムディスプレイを作成できる。また、外部からの駆動信号を用いて記録/消去処理を行うため、高精度な位置合せをすることなく正確に情報の記録と消去を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照しながらこの発明の一実施形態について説明する。図1Aはこの発明の一実施形態における表示装置1の外観を示す。表示装置1は、表示部である表示シート11、記録部の一例であるヘッド12、ヘッド12を駆動する電力やデータを供給するクレードル13、表示シート11を保持するバー14を含む構成とされる。ヘッド12は表示シート11を挟んだ状態で上下方向にスライド可能とされている。また、ヘッド12は、後述するように対向する一対のヘッドによって表示シート11を挟むように構成されている。
【0017】
またクレードル13には、外部からの電力を供給する電力供給線15と、表示シート11に書き込まれるデータが供給されるデータ供給線16が接続される。データ供給線16は、例えばLAN(Local Area Network)ケーブルであり、パーソナルコンピュータ等の外部機器からデータが供給される。なお、表示装置1に対しては有線による接続に限らず無線通信によってデータが供給されるようにしても良い。
【0018】
図1Bは、表示装置1の使用状態の一例を示す。バー14はクレードル13から着脱可能とされ、バー14によって支持される表示シート11も表示装置1と着脱自在とされる。従って、表示シート11に情報が書き込まれた後にバー14を取り外せば、表示シート11に表示される情報を離れた位置で確認することができる。
【0019】
図2は、この発明の一実施形態における表示装置1の構成を示す。制御部21は、バス41を介して表示装置1の各部を制御する。例えばヘッド12を制御して表示シート11に対する記録処理および消去処理を制御する。制御部21が実行するプログラムはROM(Reed Only Memory)22に格納され、RAM(Random Access Memory)23は制御部21がプログラムを実行する際のワークエリアとして使用される。
【0020】
電源制御部24は、電力供給線15から供給される電力を制御する。電源制御部24による制御によって、例えば表示装置1のオン/オフや充電状態の切り替えが行われる。
【0021】
表示情報記憶部25には、表示シート11に表示される表示情報が記憶される。例えば通信インターフェース(I/F)26を介して伝送される表示情報が表示情報記憶部25に記憶される。なお、表示情報はリムーバブルな記録媒体27から供給されるようにしても良い。記録媒体27は例えば、磁気テープ、光ディスク、半導体メモリ等である。図1では図示を省略したが、表示装置1に記録媒体27の装着部を設ける。そして記録媒体27が装着されると、記録媒体27から記録媒体コントローラ28によって表示情報が読み取られ、読み取られた表示情報が表示情報記憶部25に供給される。
【0022】
電極制御部29は、ヘッド12に設けられる電極に印加される電圧の極性の切り換えを制御する。ヘッド12の詳細については後述するが、ヘッド12には、すでに書き込まれた表示情報の消去を行う消去ヘッドと、新たな表示情報を書き込むための記録ヘッドが設けられる。この一実施形態では、消去ヘッドおよび記録ヘッドは電極によって構成されている。電極制御部29は、消去ヘッドと記録ヘッドに印加される電圧の極性の切り換えを制御する。
【0023】
ドライバ30は、制御部21からの駆動信号に基づいてヘッド送り部31を駆動する。ドライバ30によりヘッド送り部31が駆動して、ヘッド送り部31に取り付けられたヘッド12が駆動し、表示シート11に対して表示情報の記録と消去が行われる。記録時には先行する消去ヘッドによる消去処理を行ってから、記録ヘッドによる記録処理がなされる。
【0024】
表示装置1の記録および消去動作について説明する。記録媒体27や外部機器から通信I/F26を介して供給される表示情報のデータは、表示情報記憶部25に記憶される。制御部21は表示情報記憶部25に記憶された表示情報のデータに応じて、ヘッド12における記録ヘッドおよび消去ヘッドに印加される電圧の極性を決定する。そしてドライバ30によってヘッド送り部31を駆動させながら電極制御部29を制御し、表示シート11に対する記録および消去処理が行われる。
【0025】
次に、表示シート11の一例について説明する。図3は、この発明の一実施形態における表示シート11の表面を示す。図3Aに示すように表示シート11の表面には表示素子がコーティング等の方法によって均一に塗布されている。
【0026】
図3Bは、この発明の一実施形態における表示素子である。この一実施形態における表示素子は、直径数10μm(マイクロメートル)程度のマイクロカプセル51に、マイナスに帯電した0.5μm程度の白色微粒子と、プラスに帯電した0.5μm程度の黒色微粒子とが分散した分散液が封入されたものである。黒色微粒子は、例えばカーボンやシリカ粒子が使用され、白色微粒子は、例えば二酸化チタンが使用される。また、ポリエチレン等の粉を使い、カップリング剤等で表面処理を行い、帯電調整を行うこともできる。マイクロカプセル化する方法としては、重合相分離法、熱相分離法、溶媒蒸発相分離法などが使用される。
【0027】
表示素子は、内部の微粒子の状態によって反射率が中間である第1の状態と、第1の反射率に比べて反射率が低い第2の状態と、第1の反射率に対して反射率が高い第3の状態を有する。例えば、図4Aに示すように、第1の状態ではマイクロカプセル51内の白色微粒子と黒色微粒子とが分散し、人間の見る方向に対して例えば灰色が表示される。第2の状態は、図4Bに示すように黒色微粒子が人間の見る方向に集積している状態であり、第1の状態の反射率より反射率が低い黒色の状態とされる。第3の状態では、図4Cに示すように白色微粒子が人間の見る方向に集積している状態であり、第1の状態の反射率より反射率が高い白色の状態とされる。
【0028】
上述した白色微粒子と黒色微粒子とが封入されたマイクロカプセルを、光透過性基材の一例である紫外線硬化樹脂に均一に分散し、フィルム基板に均一に塗布する。マイクロカプセルは紫外線硬化樹脂にペイントシェーカー等により分散される。フィルム基板への紫外線硬化樹脂の塗布は、例えば、図5に示すように、マイクロカプセルが分散された紫外線硬化樹脂61をフィルム基板62にドクターブレイド63を使用して塗布するドクターブレイド法が用いられる。フィルム基板62に紫外線硬化樹脂を塗布した後に紫外線を照射し、紫外線硬化樹脂が硬化することで表示シート11が作成される。
【0029】
表示シートの他の例について説明する。はじめにマイクロカプセルを紫外線硬化樹脂に分散させる。マイクロカプセルを含む紫外線硬化樹脂に圧力をかけて小さな孔(ノズル)から押出し、押出しながら紫外線を照射する。このようにして、マイクロカプセルを含む紫外線硬化樹脂を糸状に加工することができる。なお、以下の説明では、適宜、糸状に加工されたマイクロカプセルを含む紫外線硬化樹脂を糸状構成材と称する。
【0030】
上述した方法では、溶融紡糸法などと称される糸を生産する技術を利用したが、他の湿式紡糸法や乾式紡糸法などと称される方法によっても糸状構成材を作成できる。これらの紡糸法は、公知の技術であり、新たな製造プロセスを構築する必要なく既存の技術を使用できる。
【0031】
続いて、糸状構成材を図6に示すようにして織り上げる。すなわち、複数の糸状構成材を縦糸と横糸のように見立て、上下を反対にしながら交互に織り上げることで織布状の表示シート11´が作成される。このようにして作成された織布状の表示シート11´は、曲げ癖がつきにくくなると共に、より紙に近い手触り感や曲げ感を得ることができる。さらに、フィルム基板を使用するのに比べ、表面粗度が大きくなり、表面散乱が増加して紙に近い反射率を得ることができる。
【0032】
図7は、表示シート11´を模式的に示す。例えば、参照符号55、56、57、58に示す糸状構成材が、交互に織り上げられている。それぞれの糸状構成材には、マイクロカプセルが分散されている。
【0033】
図8Aに示すように糸状構成材55には、複数のマイクロカプセルが支持されている。この糸状構成材55に外部電極に電圧を印加することで電界をかけると、糸状構成材55に支持されるマイクロカプセル内の微粒子が移動する。例えば、図8Bに示すようにして外部電極59aにマイナスの電圧を印加し、外部電極59bにプラスの電圧を印加すると、マイクロカプセル内の黒色微粒子はマイナス側に引き付けられ、白色微粒子はプラス側に引き付けられる。すなわち、糸状構成材にマイクロカプセルを分散させても、外部から電界をかけることで、マイクロカプセル内の黒色微粒子と白色微粒子の移動を制御することができる。
【0034】
次に、表示シート11(表示シート11´も同様に使用できる。以下同じ)へ表示情報を書き込む記録処理と、消去する消去処理について説明する。図9は、記録処理と消去処理の概略を示す。表示シート11のX方向とY方向を図9Aに示すように定義する。ヘッド12は、Y方向に例えば1ライン毎のステップ送りにより送られて記録および消去処理を行う。ヘッド12において先行して設けられる消去ヘッド73および消去ヘッド74により消去処理が行われ、続いて記録ヘッド75により記録処理が行われる。消去ヘッド73および消去ヘッド74はヘッド12のX方向に平行な線状の電極として構成される。記録ヘッド75は、ヘッド12のX方向に平行な複数の点状の針状電極として構成される。この記録ヘッド75の針状電極の数が1ラインの画素数に対応する。つまり表示シート11に画素配列パターンを形成する必要はない。
【0035】
また、それぞれのヘッドに印加される電圧は図9Bに示すようにパルス状に印加される。例えばヘッド12が移動するシート送り期間には、電圧はオフされる。そしてシート送りが終わると電圧はオンされる。このようにして、それぞれのヘッドに印加される電圧はオン/オフされる。
【0036】
図10は、表示シート11とヘッド12を模式的に示す。図1および図9では、表示シート11が垂直方向に送られる構成としたが、図10乃至図12では表示シート11が水平方向に送られる構成としている。このように、この発明では表示シート11の送り方向が垂直方向および水平方向のいずれであっても良い。
【0037】
ヘッド12は、対向する一対のヘッド12aおよび12bからなり、ヘッド12aおよびヘッド12bの対向間隙に表示シート11が位置した状態で、表示シート11が送られる。ヘッド12aの表示シート11と対向する面には、破線で示す表示シート11に表示されている表示情報を消去するための消去ヘッド73a、74aと、表示シート11に表示情報を記録するための記録ヘッド75aが設けられる。同様にヘッド12bの表示シート11と対向する面には、表示シート11に表示されている表示情報を消去するための消去ヘッド73b、74bと、表紙シート11に表示情報を記録するための記録ヘッド75bが設けられる。なお、消去ヘッド73aと73bを総称して消去ヘッド73、消去ヘッド74aと74bを総称して消去ヘッド74、記録ヘッド75aと75bを総称して記録ヘッド75と、適宜称する。
【0038】
図11は、表示シート11を挟んだ状態のヘッド12の断面を示す。ヘッド12aは、表示シート11を挟むシート挟み部71a、72aと、消去ヘッド73a、74aと、針状電極である記録ヘッド75aと、シートを水平方向に搬送するためのシート送り部76aを含む構成とされる。
【0039】
また、ヘッド12bも同様に、表示シート11を挟むシート挟み部71b、72bと、消去ヘッド73b、74bと、針状電極である記録ヘッド75bと、シートを水平方向に搬送するためのシート送り部76bを含む構成とされる。
【0040】
支持体の一例であるシート挟み部71a、71b、72a、72bは表示シート11の厚みのむらを吸収しつつ、表示シート11を送るための適度の摩擦を有する。また、それぞれのヘッドにより係る電界が、表示シート11に対してできる限り垂直にかかるようにする。
【0041】
シート送り部76a、76bは例えばシリコンゴムからなり、正しい位置に表示情報が書き込まれるように回転駆動して、表示シート11を送る。
【0042】
上述したような構成を有するヘッド12によって表示情報が書き込まれる処理の一例を、図12を参照して説明する。なお、図12では説明をわかり易くするためにシート挟み部71a、71b、72a、72bとシート送り部76aおよび76bの図示を省略する。
【0043】
図12に示すように、例えば表示シート11に分散されるあるマイクロカプセル81aが黒色の状態であるとする。はじめに、消去ヘッド73a、73bと、消去ヘッド74a、74bを使用してすでに書き込まれている表示情報を消去する。表示情報の消去は、マイクロカプセルに対して交互にプラスとマイナスの電圧が印加されるようにする。例えば、消去ヘッド73aにプラスの電圧を印加し、消去ヘッド73bにマイナスの電圧を印加したとすると、消去ヘッド74a、74bには極性を反対にした電圧を印加する。すなわち消去ヘッド74aにはマイナスの電圧を印加し、消去ヘッド74bにはプラスの電圧を印加する。
【0044】
マイクロカプセル81bに示す状態では、黒色微粒子はプラスの電極73bに引き寄せられ、白色微粒子は電極73a側に引き寄せられる。続いて、マイクロカプセル81cに示す状態では、黒色微粒子は電極74b側に引き寄せられ、白色微粒子は電極74a側に引き寄せられる。この消去処理によって、反射率の低い状態から、マイクロカプセル内の黒色微粒子と白色微粒子が適度に分散した反射率が中間である状態へと変化させることができる。
【0045】
この一実施形態では、消去ヘッドは、消去ヘッド73と消去ヘッド74の2つの消去ヘッドを設ける構成としたが、1またはより多くの消去ヘッドを設ける構成としても良い。しかしながら、マイクロカプセル81aの状態では、黒色および白色微粒子が比較的強固に付着していること、またマイクロカプセル81aは白色の状態も有り得るため消去ヘッドが1つであると印加される電圧の極性を切り換える処理を必要とする等の理由から、消去ヘッドは複数個設けることが望ましい。
【0046】
なお、マイクロカプセル内81b、マイクロカプセル81cの状態は、必ずしも黒色微粒子と白色微粒子とが均一に分散する必要はなく、上下方向のいずれか一方に付着している状態でなければ良い。また、消去ヘッド73a、73b、74a、74bに印加される電圧の大きさは、黒色微粒子または白色微粒子が上下いずれか一方に付着しない程度に適切に決定される。
【0047】
続いて記録ヘッド75aおよび75bを使用して表示情報を記録する記録処理が行われる。記録処理は、消去処理によって反射率が中間とされたマイクロカプセルを、反射率が高いまたは反射率が低い状態のいずれか一方の状態へと変化させる。例えば、上述した電極制御部29の制御によって、記録ヘッド75aにマイナスの電圧が印加され、記録ヘッド75bにプラスの電圧を印加されると、マイクロカプセル81内の黒色微粒子は記録ヘッド75a側に引き寄せられ、白色微粒子は記録ヘッド75b側に引き寄せられる(マイクロカプセル81dの状態)。そして記録処理が終了し、マイクロカプセル81eに示すように人間が見る方向に対して黒の状態が表示される。記録処理において記録ヘッド75aおよび記録ヘッド75bに印加される電圧の大きさは、黒色または白色微粒子を端部に付着させる程度の大きさであり例えば、50ボルトから100ボルト程度とされる。
【0048】
なお、図12では説明をわかりやすくするために表示シート11におけるひとつのマイクロカプセルを用いて説明したが、上述したように表示シート11には多数のマイクロカプセルが分散している。例えば、記録ヘッド75aおよび75bに電圧が印加されることで電界が形成されるが、その電界がかかるマイクロカプセルは電圧の極性に応じて反射率が高いまたは反射率が低い状態へと変化する。このように、外部から複数の針状電極からなる記録ヘッド75aおよび75bを使用して電界をかけることで、従来のようにディスプレイ側に画素配列を形成し、正確に位置決めを行ってそれぞれの画素を制御する必要がなくなる。
【0049】
図13は、この発明を、球形微粒子を電界によって回転させるツイストボール方式に適用した例を示す。表示シート11には、上述したマイクロカプセルではなく球形微粒子が分散されても良い。図13に示す球形微粒子82は周囲が油などの絶縁性樹脂で覆われ、半球が黒色と白色とで色分けされ、さらに帯電特性が異なるようにされている。ここでは、黒色側がマイナスの帯電特性を有し、白色側がプラスの帯電特性を有するものとして説明する。
【0050】
球形微粒子82が82aの状態であるときに消去ヘッド73aにプラスの電圧が印加され、消去ヘッド73bにマイナスの電圧が印加されると、マイナスに帯電している黒色側が消去ヘッド73a側に向かって回転を開始する。このとき、一部の球形微粒子は粒子の側壁との摩擦等によるスティッキングのため、直ぐには回転しない。そこで、消去ヘッド74には消去ヘッド73と交互に逆電圧を印加する。すなわち、消去ヘッド74aにはマイナスの電圧を印加し、消去ヘッド74bにはプラスの電圧を印加する。すると球形微粒子82は82cの状態となり、黒色側は消去ヘッド74b側に回転しようとする。このように消去ヘッド73および消去ヘッド74に交互に逆電圧を印加することで、球形微粒子82を動き易い状態へとすることができる。
【0051】
そして、記録ヘッド75aおよび75bを用いて記録処理を行う。記録処理は、球形微粒子82に記録に必要とされる電圧を印加し、球形微粒子82を反射率が高い状態または反射率が低い状態へのいずれか一方の状態へと変化させる。例えば、電極制御部29の制御によって記録ヘッド75aにプラスの電圧が印加され、記録ヘッド75bにマイナスの電圧が印加されると、球形微粒子82の黒色側は記録ヘッド75a側に向かって回転し、白色側は記録ヘッド75b側に向かって回転する(球形微粒子82dの状態)。記録処理が終了すると、球形微粒子82は82eの状態となり、人間の目に対して黒の状態が表示される。
【0052】
図14は、この発明の一実施形態における表示装置の使用例を示す。図14Aは電子新聞としての使用例を示す。インターネット等のネットワークが普及した今日でも、新聞や雑誌などの紙媒体を利用した情報の伝達は広く行われている。電子新聞として使用すれば、紙の省資源化を図ることが可能となる。また、操作性や、全体の記事を見てから一部の記事に注目できる点などは他の電子ディスプレイにはない優れた点である。
【0053】
図14Bは、例えばこの一実施形態における表示を看板に使用した例である。図14Bの例では、立ち入り禁止の内容を表示する看板であるが、他にも広告用の看板や店の宣伝を表示する看板の内容にするなど自在に変更できる。すなわち1台の表示装置で用途に応じた使用をでき、省資源化を図ることができる。
【0054】
この発明は、この発明の要旨を逸脱しない範囲内でさまざまな変形や応用が可能であり、上述した一実施形態に限定されることはない。上述した一実施形態では、ヘッドを電極として構成し、駆動信号として電圧を印加することで表示シート11に対する記録および消去処理を行うようにしたが、ヘッドを磁気ヘッドとして構成し、駆動信号として磁界をかけるようにしても良い。また、エレクトロクロミックやエレクトロデポジション、フォトクロミック、ロイコ染料、サーモクロミックなどを化学的に変化させることで表示を切り換える表示方法に対してもこの発明を適用できる。
【0055】
また、ヘッド12を点状の構成として、1ライン毎にスキャンすることで表示シート11に表示情報の記録および消去を行うようにしても良い。
【0056】
上述した処理は、ハードウェア的に実現されても良いし、プログラムを利用してソフトウェア的に処理されるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】この発明の一実施形態における表示装置の外観図である。
【図2】この発明の一実施形態における表示装置の構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の一実施形態における表示シートを構成する表示素子を説明するための略線図である。
【図4】この発明の一実施形態における表示素子の反射率の違いを説明するための略線図である。
【図5】この発明の一実施形態における表示シートの作成方法の一例を示す略線図である。
【図6】この発明の一実施形態における表示シートの作成方法の他の例を示す略線図である。
【図7】この発明の一実施形態における表示シートを示す略線図である。
【図8】この発明の一実施形態における糸状構成材に電界をかけたときの状態を説明するための略線図である。
【図9】この発明の一実施形態における情報の記録および消去処理の概略を説明するための略線図である。
【図10】この発明の一実施形態におけるヘッドと表示シートの位置関係を説明するための略線図である。
【図11】この発明の一実施形態におけるヘッドの断面図である。
【図12】この発明の一実施形態における消去処理と記録処理を説明するための略線図である。
【図13】この発明の一実施形態における消去処理と記録処理の他の例を説明するための略線図である。
【図14】この発明の適用例を示す略線図である。
【図15】電気泳動方式による表示方法を説明するための略線図である。
【符号の説明】
【0058】
1 表示装置
11 表示シート
12 ヘッド
21 制御部
29 電極制御部
73、74 消去ヘッド
75 記録ヘッド
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示装置、情報記録方法および記録装置並びに表示シートに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子ペーパーなどと称される電子ディスプレイの開発が行われている。電子ペーパーには、紙のように薄く、軽く、表示した情報を書き換え可能であることが要求される。
【0003】
電子ペーパーを表示原理や表示素子で分類すると、例えばコレステリック液晶を用いた液晶方式、有機EL(Electro Luminescence)を用いたフレキシブルディスプレイ、電気泳動方式やツイストボール方式と称される2色の異なる状態を電界や磁界を使用して切り換える方式などに大別される。フレキシブルディスプレイは、基板にガラスではなくフィルムを使用することで、可撓性を有し、薄くて軽量である電子ディスプレイを実現している。
【0004】
図15は、電気泳動方式による表示方法を模式的に示したものである。マイクロカプセル101内にはマイナスに帯電している複数の白色微粒子102と、プラスに帯電している複数の黒色微粒子103とが封入されている。
【0005】
例えば図15Aに示すように、電極104aにプラスの電圧を印加し電極104bにマイナスの電圧を印加するとマイクロカプセル101に対して電界がかかり、マイナスに帯電している白色微粒子102は電極104a側に引き寄せられ、プラスに帯電している黒色微粒子103は電極104b側に引き寄せられる。図15Aの状態では、人間の目に対しては白の状態が表示される。さらに、図15Bに示すように電極105aにマイナスの電圧を印加し、電極105bにプラスの電圧を印加するとマイクロカプセル101内の微粒子はいずれの電極側にも引き寄せられることなく拡散し、人間の目に対しては灰色の状態が表示される。図15Cに示すように電極104aにマイナスの電圧を印加し、電極104bにプラスの電圧を印加すると、黒色微粒子103は電極104a側に引き寄せられ、白色微粒子102は電極104b側に引き寄せられる。この状態では、人間の目に対しては黒の状態が表示される。電気泳動方式では例えば、駆動電極をマトリクス状に配置してそれぞれの電極を駆動し、図15A〜図15Cに示す状態を切り換えることで文字や画像の表示を行う。
【0006】
下記特許文献1には、スピーカを内蔵させたフレキシブルディスプレイに関する発明が記載されている。
【0007】
【特許文献1】特開2003−125315号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来の技術には以下のような問題点があった。例えば、液晶方式では液晶層に入射した光を選択的に反射させて明暗を表示するが、入射する光の一部である反射光を利用するために画面が暗くなってしまうおそれがある。また、フレキシブルディスプレイは、フィルム基板がガラス基板と異なり熱的、化学的、光学的安定性が低く、また耐熱温度が低い、表面精度が悪い、熱膨張率が大きい等の問題点がありガラス基板を用いたフラットパネルディスプレイの作成プロセスを使用できない。特に、フレキシブルディスプレイではバリアフィルム内に薄膜有機EL層を形成する微細加工技術が必要であるため、新たな作成プロセスを構築することは容易ではない。また、フィルム基板でなくプラスチック基板を使用したフレキシブルディスプレイも提案されているが、紙のようなホールド感や曲げ感と同等とすることは困難である。
【0009】
また、上述した電気泳動方式における電界をかける方法は、例えばX電極とY電極をマトリクス状に配置してそれぞれの電極に電圧を印加することで所定の画素に電界をかけるようにされるが、画面が大型化すると画面の両端で電圧降下が生じてしまい、端部に存在する画素に適切な電界をかけることができないおそれがある。また、近年、ディスプレイの高画素化が進んでいるが、それぞれの画素にかかる電界が隣接した画素に対してもかかってしまうクローストクが生じるおそれがあり、さらに電界をかける画素の位置決めをより正確に行わなければならないという問題点がある。
【0010】
したがって、この発明の目的は、複雑な製造工程を要しない表示部を有し、該表示部に文字情報や画像情報を記録し、記録された情報を消去することができる表示装置、情報記録方法および記録装置並びに表示シートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するために、この発明は、反射率が中間である第1の状態と、第1の状態の反射率に比して反射率が低い第2の状態と、第1の状態の反射率に比して反射率が高い第3の状態とを有する表示素子が光透過性基材によって支持される表示部と、
表示部に対して駆動信号を印加することで、第2または第3の状態から第1の状態へと変化させる消去処理を行い、
さらに、表示部に対して駆動信号を印加することで、第1の状態から第2または第3のいずれか一方の状態へと変化させる記録処理を行う記録部とを備える表示装置である。
【0012】
この発明は、反射率が中間である第1の状態と、第1の状態の反射率に比して反射率が低い第2の状態と、第1の状態の反射率に比して反射率が高い第3の状態とを有する表示素子が光透過性基材によって支持されてなる表示部に情報を書き込む情報記録方法であって、
表示部に対して駆動信号を印加することで、第2または第3の状態から第1の状態へと変化させる消去ステップと、
表示部に対して駆動信号を印加することで、第1の状態から第2または第3のいずれか一方の状態へと変化させる記録ステップからなる情報記録方法である。
【0013】
この発明は、反射率が中間である第1の状態と、第1の状態の反射率に比して反射率が低い第2の状態と、第1の状態の反射率に比して反射率が高い第3の状態とを有する表示素子が光透過性基材によって支持されてなる表示部に情報を書き込む記録装置であって、
表示部に対して駆動信号を印加することで、第2または第3の状態から第1の状態へと変化させる消去処理を行い、
さらに、表示部に対して駆動信号を印加することで、第1の状態から第2または第3のいずれか一方の状態へと変化させる記録処理を行う記録装置である。
【0014】
この発明は、反射率が中間である第1の状態と、第1の状態の反射率に比して反射率が低い第2の状態と、第1の状態の反射率に比して反射率が高い第3の状態とを有する表示素子が糸状とされた光透過性基材によって支持され、
複数の糸状の光透過性基材を織布状に織り上げることで作成される表示シートである。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、表示素子と情報の記録および消去を行う機構とが分離されるため、フィルム基板の特性に起因するプロセス上の問題がなくなり、簡単な方法でフィルムディスプレイを作成できる。また、外部からの駆動信号を用いて記録/消去処理を行うため、高精度な位置合せをすることなく正確に情報の記録と消去を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照しながらこの発明の一実施形態について説明する。図1Aはこの発明の一実施形態における表示装置1の外観を示す。表示装置1は、表示部である表示シート11、記録部の一例であるヘッド12、ヘッド12を駆動する電力やデータを供給するクレードル13、表示シート11を保持するバー14を含む構成とされる。ヘッド12は表示シート11を挟んだ状態で上下方向にスライド可能とされている。また、ヘッド12は、後述するように対向する一対のヘッドによって表示シート11を挟むように構成されている。
【0017】
またクレードル13には、外部からの電力を供給する電力供給線15と、表示シート11に書き込まれるデータが供給されるデータ供給線16が接続される。データ供給線16は、例えばLAN(Local Area Network)ケーブルであり、パーソナルコンピュータ等の外部機器からデータが供給される。なお、表示装置1に対しては有線による接続に限らず無線通信によってデータが供給されるようにしても良い。
【0018】
図1Bは、表示装置1の使用状態の一例を示す。バー14はクレードル13から着脱可能とされ、バー14によって支持される表示シート11も表示装置1と着脱自在とされる。従って、表示シート11に情報が書き込まれた後にバー14を取り外せば、表示シート11に表示される情報を離れた位置で確認することができる。
【0019】
図2は、この発明の一実施形態における表示装置1の構成を示す。制御部21は、バス41を介して表示装置1の各部を制御する。例えばヘッド12を制御して表示シート11に対する記録処理および消去処理を制御する。制御部21が実行するプログラムはROM(Reed Only Memory)22に格納され、RAM(Random Access Memory)23は制御部21がプログラムを実行する際のワークエリアとして使用される。
【0020】
電源制御部24は、電力供給線15から供給される電力を制御する。電源制御部24による制御によって、例えば表示装置1のオン/オフや充電状態の切り替えが行われる。
【0021】
表示情報記憶部25には、表示シート11に表示される表示情報が記憶される。例えば通信インターフェース(I/F)26を介して伝送される表示情報が表示情報記憶部25に記憶される。なお、表示情報はリムーバブルな記録媒体27から供給されるようにしても良い。記録媒体27は例えば、磁気テープ、光ディスク、半導体メモリ等である。図1では図示を省略したが、表示装置1に記録媒体27の装着部を設ける。そして記録媒体27が装着されると、記録媒体27から記録媒体コントローラ28によって表示情報が読み取られ、読み取られた表示情報が表示情報記憶部25に供給される。
【0022】
電極制御部29は、ヘッド12に設けられる電極に印加される電圧の極性の切り換えを制御する。ヘッド12の詳細については後述するが、ヘッド12には、すでに書き込まれた表示情報の消去を行う消去ヘッドと、新たな表示情報を書き込むための記録ヘッドが設けられる。この一実施形態では、消去ヘッドおよび記録ヘッドは電極によって構成されている。電極制御部29は、消去ヘッドと記録ヘッドに印加される電圧の極性の切り換えを制御する。
【0023】
ドライバ30は、制御部21からの駆動信号に基づいてヘッド送り部31を駆動する。ドライバ30によりヘッド送り部31が駆動して、ヘッド送り部31に取り付けられたヘッド12が駆動し、表示シート11に対して表示情報の記録と消去が行われる。記録時には先行する消去ヘッドによる消去処理を行ってから、記録ヘッドによる記録処理がなされる。
【0024】
表示装置1の記録および消去動作について説明する。記録媒体27や外部機器から通信I/F26を介して供給される表示情報のデータは、表示情報記憶部25に記憶される。制御部21は表示情報記憶部25に記憶された表示情報のデータに応じて、ヘッド12における記録ヘッドおよび消去ヘッドに印加される電圧の極性を決定する。そしてドライバ30によってヘッド送り部31を駆動させながら電極制御部29を制御し、表示シート11に対する記録および消去処理が行われる。
【0025】
次に、表示シート11の一例について説明する。図3は、この発明の一実施形態における表示シート11の表面を示す。図3Aに示すように表示シート11の表面には表示素子がコーティング等の方法によって均一に塗布されている。
【0026】
図3Bは、この発明の一実施形態における表示素子である。この一実施形態における表示素子は、直径数10μm(マイクロメートル)程度のマイクロカプセル51に、マイナスに帯電した0.5μm程度の白色微粒子と、プラスに帯電した0.5μm程度の黒色微粒子とが分散した分散液が封入されたものである。黒色微粒子は、例えばカーボンやシリカ粒子が使用され、白色微粒子は、例えば二酸化チタンが使用される。また、ポリエチレン等の粉を使い、カップリング剤等で表面処理を行い、帯電調整を行うこともできる。マイクロカプセル化する方法としては、重合相分離法、熱相分離法、溶媒蒸発相分離法などが使用される。
【0027】
表示素子は、内部の微粒子の状態によって反射率が中間である第1の状態と、第1の反射率に比べて反射率が低い第2の状態と、第1の反射率に対して反射率が高い第3の状態を有する。例えば、図4Aに示すように、第1の状態ではマイクロカプセル51内の白色微粒子と黒色微粒子とが分散し、人間の見る方向に対して例えば灰色が表示される。第2の状態は、図4Bに示すように黒色微粒子が人間の見る方向に集積している状態であり、第1の状態の反射率より反射率が低い黒色の状態とされる。第3の状態では、図4Cに示すように白色微粒子が人間の見る方向に集積している状態であり、第1の状態の反射率より反射率が高い白色の状態とされる。
【0028】
上述した白色微粒子と黒色微粒子とが封入されたマイクロカプセルを、光透過性基材の一例である紫外線硬化樹脂に均一に分散し、フィルム基板に均一に塗布する。マイクロカプセルは紫外線硬化樹脂にペイントシェーカー等により分散される。フィルム基板への紫外線硬化樹脂の塗布は、例えば、図5に示すように、マイクロカプセルが分散された紫外線硬化樹脂61をフィルム基板62にドクターブレイド63を使用して塗布するドクターブレイド法が用いられる。フィルム基板62に紫外線硬化樹脂を塗布した後に紫外線を照射し、紫外線硬化樹脂が硬化することで表示シート11が作成される。
【0029】
表示シートの他の例について説明する。はじめにマイクロカプセルを紫外線硬化樹脂に分散させる。マイクロカプセルを含む紫外線硬化樹脂に圧力をかけて小さな孔(ノズル)から押出し、押出しながら紫外線を照射する。このようにして、マイクロカプセルを含む紫外線硬化樹脂を糸状に加工することができる。なお、以下の説明では、適宜、糸状に加工されたマイクロカプセルを含む紫外線硬化樹脂を糸状構成材と称する。
【0030】
上述した方法では、溶融紡糸法などと称される糸を生産する技術を利用したが、他の湿式紡糸法や乾式紡糸法などと称される方法によっても糸状構成材を作成できる。これらの紡糸法は、公知の技術であり、新たな製造プロセスを構築する必要なく既存の技術を使用できる。
【0031】
続いて、糸状構成材を図6に示すようにして織り上げる。すなわち、複数の糸状構成材を縦糸と横糸のように見立て、上下を反対にしながら交互に織り上げることで織布状の表示シート11´が作成される。このようにして作成された織布状の表示シート11´は、曲げ癖がつきにくくなると共に、より紙に近い手触り感や曲げ感を得ることができる。さらに、フィルム基板を使用するのに比べ、表面粗度が大きくなり、表面散乱が増加して紙に近い反射率を得ることができる。
【0032】
図7は、表示シート11´を模式的に示す。例えば、参照符号55、56、57、58に示す糸状構成材が、交互に織り上げられている。それぞれの糸状構成材には、マイクロカプセルが分散されている。
【0033】
図8Aに示すように糸状構成材55には、複数のマイクロカプセルが支持されている。この糸状構成材55に外部電極に電圧を印加することで電界をかけると、糸状構成材55に支持されるマイクロカプセル内の微粒子が移動する。例えば、図8Bに示すようにして外部電極59aにマイナスの電圧を印加し、外部電極59bにプラスの電圧を印加すると、マイクロカプセル内の黒色微粒子はマイナス側に引き付けられ、白色微粒子はプラス側に引き付けられる。すなわち、糸状構成材にマイクロカプセルを分散させても、外部から電界をかけることで、マイクロカプセル内の黒色微粒子と白色微粒子の移動を制御することができる。
【0034】
次に、表示シート11(表示シート11´も同様に使用できる。以下同じ)へ表示情報を書き込む記録処理と、消去する消去処理について説明する。図9は、記録処理と消去処理の概略を示す。表示シート11のX方向とY方向を図9Aに示すように定義する。ヘッド12は、Y方向に例えば1ライン毎のステップ送りにより送られて記録および消去処理を行う。ヘッド12において先行して設けられる消去ヘッド73および消去ヘッド74により消去処理が行われ、続いて記録ヘッド75により記録処理が行われる。消去ヘッド73および消去ヘッド74はヘッド12のX方向に平行な線状の電極として構成される。記録ヘッド75は、ヘッド12のX方向に平行な複数の点状の針状電極として構成される。この記録ヘッド75の針状電極の数が1ラインの画素数に対応する。つまり表示シート11に画素配列パターンを形成する必要はない。
【0035】
また、それぞれのヘッドに印加される電圧は図9Bに示すようにパルス状に印加される。例えばヘッド12が移動するシート送り期間には、電圧はオフされる。そしてシート送りが終わると電圧はオンされる。このようにして、それぞれのヘッドに印加される電圧はオン/オフされる。
【0036】
図10は、表示シート11とヘッド12を模式的に示す。図1および図9では、表示シート11が垂直方向に送られる構成としたが、図10乃至図12では表示シート11が水平方向に送られる構成としている。このように、この発明では表示シート11の送り方向が垂直方向および水平方向のいずれであっても良い。
【0037】
ヘッド12は、対向する一対のヘッド12aおよび12bからなり、ヘッド12aおよびヘッド12bの対向間隙に表示シート11が位置した状態で、表示シート11が送られる。ヘッド12aの表示シート11と対向する面には、破線で示す表示シート11に表示されている表示情報を消去するための消去ヘッド73a、74aと、表示シート11に表示情報を記録するための記録ヘッド75aが設けられる。同様にヘッド12bの表示シート11と対向する面には、表示シート11に表示されている表示情報を消去するための消去ヘッド73b、74bと、表紙シート11に表示情報を記録するための記録ヘッド75bが設けられる。なお、消去ヘッド73aと73bを総称して消去ヘッド73、消去ヘッド74aと74bを総称して消去ヘッド74、記録ヘッド75aと75bを総称して記録ヘッド75と、適宜称する。
【0038】
図11は、表示シート11を挟んだ状態のヘッド12の断面を示す。ヘッド12aは、表示シート11を挟むシート挟み部71a、72aと、消去ヘッド73a、74aと、針状電極である記録ヘッド75aと、シートを水平方向に搬送するためのシート送り部76aを含む構成とされる。
【0039】
また、ヘッド12bも同様に、表示シート11を挟むシート挟み部71b、72bと、消去ヘッド73b、74bと、針状電極である記録ヘッド75bと、シートを水平方向に搬送するためのシート送り部76bを含む構成とされる。
【0040】
支持体の一例であるシート挟み部71a、71b、72a、72bは表示シート11の厚みのむらを吸収しつつ、表示シート11を送るための適度の摩擦を有する。また、それぞれのヘッドにより係る電界が、表示シート11に対してできる限り垂直にかかるようにする。
【0041】
シート送り部76a、76bは例えばシリコンゴムからなり、正しい位置に表示情報が書き込まれるように回転駆動して、表示シート11を送る。
【0042】
上述したような構成を有するヘッド12によって表示情報が書き込まれる処理の一例を、図12を参照して説明する。なお、図12では説明をわかり易くするためにシート挟み部71a、71b、72a、72bとシート送り部76aおよび76bの図示を省略する。
【0043】
図12に示すように、例えば表示シート11に分散されるあるマイクロカプセル81aが黒色の状態であるとする。はじめに、消去ヘッド73a、73bと、消去ヘッド74a、74bを使用してすでに書き込まれている表示情報を消去する。表示情報の消去は、マイクロカプセルに対して交互にプラスとマイナスの電圧が印加されるようにする。例えば、消去ヘッド73aにプラスの電圧を印加し、消去ヘッド73bにマイナスの電圧を印加したとすると、消去ヘッド74a、74bには極性を反対にした電圧を印加する。すなわち消去ヘッド74aにはマイナスの電圧を印加し、消去ヘッド74bにはプラスの電圧を印加する。
【0044】
マイクロカプセル81bに示す状態では、黒色微粒子はプラスの電極73bに引き寄せられ、白色微粒子は電極73a側に引き寄せられる。続いて、マイクロカプセル81cに示す状態では、黒色微粒子は電極74b側に引き寄せられ、白色微粒子は電極74a側に引き寄せられる。この消去処理によって、反射率の低い状態から、マイクロカプセル内の黒色微粒子と白色微粒子が適度に分散した反射率が中間である状態へと変化させることができる。
【0045】
この一実施形態では、消去ヘッドは、消去ヘッド73と消去ヘッド74の2つの消去ヘッドを設ける構成としたが、1またはより多くの消去ヘッドを設ける構成としても良い。しかしながら、マイクロカプセル81aの状態では、黒色および白色微粒子が比較的強固に付着していること、またマイクロカプセル81aは白色の状態も有り得るため消去ヘッドが1つであると印加される電圧の極性を切り換える処理を必要とする等の理由から、消去ヘッドは複数個設けることが望ましい。
【0046】
なお、マイクロカプセル内81b、マイクロカプセル81cの状態は、必ずしも黒色微粒子と白色微粒子とが均一に分散する必要はなく、上下方向のいずれか一方に付着している状態でなければ良い。また、消去ヘッド73a、73b、74a、74bに印加される電圧の大きさは、黒色微粒子または白色微粒子が上下いずれか一方に付着しない程度に適切に決定される。
【0047】
続いて記録ヘッド75aおよび75bを使用して表示情報を記録する記録処理が行われる。記録処理は、消去処理によって反射率が中間とされたマイクロカプセルを、反射率が高いまたは反射率が低い状態のいずれか一方の状態へと変化させる。例えば、上述した電極制御部29の制御によって、記録ヘッド75aにマイナスの電圧が印加され、記録ヘッド75bにプラスの電圧を印加されると、マイクロカプセル81内の黒色微粒子は記録ヘッド75a側に引き寄せられ、白色微粒子は記録ヘッド75b側に引き寄せられる(マイクロカプセル81dの状態)。そして記録処理が終了し、マイクロカプセル81eに示すように人間が見る方向に対して黒の状態が表示される。記録処理において記録ヘッド75aおよび記録ヘッド75bに印加される電圧の大きさは、黒色または白色微粒子を端部に付着させる程度の大きさであり例えば、50ボルトから100ボルト程度とされる。
【0048】
なお、図12では説明をわかりやすくするために表示シート11におけるひとつのマイクロカプセルを用いて説明したが、上述したように表示シート11には多数のマイクロカプセルが分散している。例えば、記録ヘッド75aおよび75bに電圧が印加されることで電界が形成されるが、その電界がかかるマイクロカプセルは電圧の極性に応じて反射率が高いまたは反射率が低い状態へと変化する。このように、外部から複数の針状電極からなる記録ヘッド75aおよび75bを使用して電界をかけることで、従来のようにディスプレイ側に画素配列を形成し、正確に位置決めを行ってそれぞれの画素を制御する必要がなくなる。
【0049】
図13は、この発明を、球形微粒子を電界によって回転させるツイストボール方式に適用した例を示す。表示シート11には、上述したマイクロカプセルではなく球形微粒子が分散されても良い。図13に示す球形微粒子82は周囲が油などの絶縁性樹脂で覆われ、半球が黒色と白色とで色分けされ、さらに帯電特性が異なるようにされている。ここでは、黒色側がマイナスの帯電特性を有し、白色側がプラスの帯電特性を有するものとして説明する。
【0050】
球形微粒子82が82aの状態であるときに消去ヘッド73aにプラスの電圧が印加され、消去ヘッド73bにマイナスの電圧が印加されると、マイナスに帯電している黒色側が消去ヘッド73a側に向かって回転を開始する。このとき、一部の球形微粒子は粒子の側壁との摩擦等によるスティッキングのため、直ぐには回転しない。そこで、消去ヘッド74には消去ヘッド73と交互に逆電圧を印加する。すなわち、消去ヘッド74aにはマイナスの電圧を印加し、消去ヘッド74bにはプラスの電圧を印加する。すると球形微粒子82は82cの状態となり、黒色側は消去ヘッド74b側に回転しようとする。このように消去ヘッド73および消去ヘッド74に交互に逆電圧を印加することで、球形微粒子82を動き易い状態へとすることができる。
【0051】
そして、記録ヘッド75aおよび75bを用いて記録処理を行う。記録処理は、球形微粒子82に記録に必要とされる電圧を印加し、球形微粒子82を反射率が高い状態または反射率が低い状態へのいずれか一方の状態へと変化させる。例えば、電極制御部29の制御によって記録ヘッド75aにプラスの電圧が印加され、記録ヘッド75bにマイナスの電圧が印加されると、球形微粒子82の黒色側は記録ヘッド75a側に向かって回転し、白色側は記録ヘッド75b側に向かって回転する(球形微粒子82dの状態)。記録処理が終了すると、球形微粒子82は82eの状態となり、人間の目に対して黒の状態が表示される。
【0052】
図14は、この発明の一実施形態における表示装置の使用例を示す。図14Aは電子新聞としての使用例を示す。インターネット等のネットワークが普及した今日でも、新聞や雑誌などの紙媒体を利用した情報の伝達は広く行われている。電子新聞として使用すれば、紙の省資源化を図ることが可能となる。また、操作性や、全体の記事を見てから一部の記事に注目できる点などは他の電子ディスプレイにはない優れた点である。
【0053】
図14Bは、例えばこの一実施形態における表示を看板に使用した例である。図14Bの例では、立ち入り禁止の内容を表示する看板であるが、他にも広告用の看板や店の宣伝を表示する看板の内容にするなど自在に変更できる。すなわち1台の表示装置で用途に応じた使用をでき、省資源化を図ることができる。
【0054】
この発明は、この発明の要旨を逸脱しない範囲内でさまざまな変形や応用が可能であり、上述した一実施形態に限定されることはない。上述した一実施形態では、ヘッドを電極として構成し、駆動信号として電圧を印加することで表示シート11に対する記録および消去処理を行うようにしたが、ヘッドを磁気ヘッドとして構成し、駆動信号として磁界をかけるようにしても良い。また、エレクトロクロミックやエレクトロデポジション、フォトクロミック、ロイコ染料、サーモクロミックなどを化学的に変化させることで表示を切り換える表示方法に対してもこの発明を適用できる。
【0055】
また、ヘッド12を点状の構成として、1ライン毎にスキャンすることで表示シート11に表示情報の記録および消去を行うようにしても良い。
【0056】
上述した処理は、ハードウェア的に実現されても良いし、プログラムを利用してソフトウェア的に処理されるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】この発明の一実施形態における表示装置の外観図である。
【図2】この発明の一実施形態における表示装置の構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の一実施形態における表示シートを構成する表示素子を説明するための略線図である。
【図4】この発明の一実施形態における表示素子の反射率の違いを説明するための略線図である。
【図5】この発明の一実施形態における表示シートの作成方法の一例を示す略線図である。
【図6】この発明の一実施形態における表示シートの作成方法の他の例を示す略線図である。
【図7】この発明の一実施形態における表示シートを示す略線図である。
【図8】この発明の一実施形態における糸状構成材に電界をかけたときの状態を説明するための略線図である。
【図9】この発明の一実施形態における情報の記録および消去処理の概略を説明するための略線図である。
【図10】この発明の一実施形態におけるヘッドと表示シートの位置関係を説明するための略線図である。
【図11】この発明の一実施形態におけるヘッドの断面図である。
【図12】この発明の一実施形態における消去処理と記録処理を説明するための略線図である。
【図13】この発明の一実施形態における消去処理と記録処理の他の例を説明するための略線図である。
【図14】この発明の適用例を示す略線図である。
【図15】電気泳動方式による表示方法を説明するための略線図である。
【符号の説明】
【0058】
1 表示装置
11 表示シート
12 ヘッド
21 制御部
29 電極制御部
73、74 消去ヘッド
75 記録ヘッド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射率が中間である第1の状態と、上記第1の状態の反射率に比して反射率が低い第2の状態と、上記第1の状態の反射率に比して反射率が高い第3の状態とを有する表示素子が光透過性基材によって支持される表示部と、
上記表示部に対して駆動信号を印加することで、上記第2または上記第3の状態から上記第1の状態へと変化させる消去処理を行い、
さらに、上記表示部に対して駆動信号を印加することで、上記第1の状態から上記第2または上記第3のいずれか一方の状態へと変化させる記録処理を行う記録部とを備える表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
上記記録部は、上記消去処理を行う消去ヘッドと上記記録処理を行う記録ヘッドを含み、
上記消去ヘッドは、上記記録部に線状に形成され、
上記記録ヘッドは、上記記録部に点状に形成される表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の表示装置において、
上記記録部は、上記表示部を支持する支持体を備える表示装置。
【請求項4】
請求項1に記載の表示装置において、
上記基材は糸状とされ、
上記表示部は、複数の糸状の基材を織布状に織り上げたものとされる表示装置。
【請求項5】
反射率が中間である第1の状態と、上記第1の状態の反射率に比して反射率が低い第2の状態と、上記第1の状態の反射率に比して反射率が高い第3の状態とを有する表示素子が光透過性基材によって支持されてなる表示部に情報を書き込む情報記録方法であって、
表示部に対して駆動信号を印加することで、上記第2または上記第3の状態から上記第1の状態へと変化させる消去ステップと、
上記表示部に対して駆動信号を印加することで、上記第1の状態から上記第2または上記第3のいずれか一方の状態へと変化させる記録ステップからなる情報記録方法。
【請求項6】
反射率が中間である第1の状態と、上記第1の状態の反射率に比して反射率が低い第2の状態と、上記第1の状態の反射率に比して反射率が高い第3の状態とを有する表示素子が光透過性基材によって支持されてなる表示部に情報を書き込む記録装置であって、
上記表示部に対して駆動信号を印加することで、上記第2または上記第3の状態から上記第1の状態へと変化させる消去処理を行い、
さらに、上記表示部に対して駆動信号を印加することで、上記第1の状態から上記第2または上記第3のいずれか一方の状態へと変化させる記録処理を行う記録装置。
【請求項7】
反射率が中間である第1の状態と、上記第1の状態の反射率に比して反射率が低い第2の状態と、上記第1の状態の反射率に比して反射率が高い第3の状態とを有する表示素子が糸状とされた光透過性基材によって支持され、
複数の上記糸状の光透過性基材を織布状に織り上げることで作成される表示シート。
【請求項1】
反射率が中間である第1の状態と、上記第1の状態の反射率に比して反射率が低い第2の状態と、上記第1の状態の反射率に比して反射率が高い第3の状態とを有する表示素子が光透過性基材によって支持される表示部と、
上記表示部に対して駆動信号を印加することで、上記第2または上記第3の状態から上記第1の状態へと変化させる消去処理を行い、
さらに、上記表示部に対して駆動信号を印加することで、上記第1の状態から上記第2または上記第3のいずれか一方の状態へと変化させる記録処理を行う記録部とを備える表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
上記記録部は、上記消去処理を行う消去ヘッドと上記記録処理を行う記録ヘッドを含み、
上記消去ヘッドは、上記記録部に線状に形成され、
上記記録ヘッドは、上記記録部に点状に形成される表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の表示装置において、
上記記録部は、上記表示部を支持する支持体を備える表示装置。
【請求項4】
請求項1に記載の表示装置において、
上記基材は糸状とされ、
上記表示部は、複数の糸状の基材を織布状に織り上げたものとされる表示装置。
【請求項5】
反射率が中間である第1の状態と、上記第1の状態の反射率に比して反射率が低い第2の状態と、上記第1の状態の反射率に比して反射率が高い第3の状態とを有する表示素子が光透過性基材によって支持されてなる表示部に情報を書き込む情報記録方法であって、
表示部に対して駆動信号を印加することで、上記第2または上記第3の状態から上記第1の状態へと変化させる消去ステップと、
上記表示部に対して駆動信号を印加することで、上記第1の状態から上記第2または上記第3のいずれか一方の状態へと変化させる記録ステップからなる情報記録方法。
【請求項6】
反射率が中間である第1の状態と、上記第1の状態の反射率に比して反射率が低い第2の状態と、上記第1の状態の反射率に比して反射率が高い第3の状態とを有する表示素子が光透過性基材によって支持されてなる表示部に情報を書き込む記録装置であって、
上記表示部に対して駆動信号を印加することで、上記第2または上記第3の状態から上記第1の状態へと変化させる消去処理を行い、
さらに、上記表示部に対して駆動信号を印加することで、上記第1の状態から上記第2または上記第3のいずれか一方の状態へと変化させる記録処理を行う記録装置。
【請求項7】
反射率が中間である第1の状態と、上記第1の状態の反射率に比して反射率が低い第2の状態と、上記第1の状態の反射率に比して反射率が高い第3の状態とを有する表示素子が糸状とされた光透過性基材によって支持され、
複数の上記糸状の光透過性基材を織布状に織り上げることで作成される表示シート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−52129(P2007−52129A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−236029(P2005−236029)
【出願日】平成17年8月16日(2005.8.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月16日(2005.8.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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