説明

表示装置、表示制御方法及び表示制御プログラム

【課題】画像の識別を容易にすること。
【解決手段】記憶部2が、画像ごとに当該画像の特徴部分を対応付けて記憶する。そして、表示画像生成部3が、第一の画像に対応する配置領域のうち、第二の画像に対応する配置領域と重ならない領域である可視領域を抽出し、抽出した可視領域と同一形状であり、記憶部2によって記憶された第一の画像に対応する特徴部分を含む表示画像を生成する。そして、表示部4が、表示画像生成部3によって生成された表示画像を第一の画像に対応する配置領域に配置して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示装置、表示制御方法及び表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像ファイルなどを効率よく識別するために、サムネイル画像が用いられている。サムネイル画像は、本来の画像ファイルなどを縮小して表示する画像ファイルであり、複数の画像ファイルを一覧表示するためなどに用いられている。そして、多くのサムネイル画像を同一画面に表示する方法として、サムネイル画像を部分的に重ねて複数のサムネイル画像を表示する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−268295号公報
【特許文献2】特開2001−128044号公報
【特許文献3】特開2000−295570号公報
【特許文献4】特開2000−105772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術では、画像の識別が困難であるという問題があった。具体的には、上述した従来技術では、複数のサムネイル画像が部分的に重なりあって表示されることから、背後に表示されたサムネイル画像がどのような画像であるかを判断することができず、画像の識別が困難である。例えば、上述した従来技術では、手前に重ねられたサムネイル画像によって、背後のサムネイル画像の特徴となる部分が隠されてしまう場合には、背後のサムネイル画像がどのような画像であるかを判断することができず、画像の識別が困難である。
【0005】
そこで、本開示の技術は、上述した従来技術の問題を鑑みて、画像の識別を容易にすることが可能である表示装置、表示制御方法及び表示制御プログラムを提供することを目的とする。なお、便宜上、以下ではサムネイル画像を用いる実施例を説明するが、本発明の対象とする画像はサムネイル画像に限られるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、開示の装置は、記憶部が、画像ごとに当該画像の特徴部分を対応付けて記憶する。そして、表示画像生成部が、第一の画像に対応する配置領域のうち、第二の画像に対応する配置領域と重ならない領域である可視領域を抽出する。さらに、表示画像生成部が、抽出した可視領域と同一形状であり、記憶部によって記憶された第一の画像に対応する特徴部分を含む表示画像を生成する。そして、表示部が、表示画像生成部によって生成された表示画像を第一の画像に対応する配置領域に配置して表示する。
【発明の効果】
【0007】
開示の装置は、画像の識別を容易にすることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、実施例1に係る表示装置の構成を示す図である。
【図2】図2は、実施例2に係る携帯端末装置の構成を示す図である。
【図3】図3は、画像データ記憶部を示す図である。
【図4】図4は、実施例2に係る配置記憶部を示す図である。
【図5】図5は、データ更新部を示す図である。
【図6】図6は、実施例2に係る表示画像生成部による矩形領域抽出処理を示す図である。
【図7】図7は、矩形領域の重心を示す図である。
【図8】図8は、実施例2に係る表示画像生成部による移動処理を示す図である。
【図9】図9は、実施例2に係る表示画像生成部によるぼかし処理を示す図である。
【図10】図10は、実施例2に係る携帯端末装置の表示制御部を示す図である。
【図11】図11は、実施例2に係る携帯端末装置による処理の手順を示す図である。
【図12】図12は、実施例2に係る携帯端末装置による表示の一例を示す図である。
【図13】図13は、実施例3に係る携帯端末装置の構成を示す図である。
【図14】図14は、実施例3に係る配置記憶部を示す図である。
【図15】図15は、実施例3に係る表示画像生成部による移動処理を示す図である。
【図16】図16は、実施例3に係る携帯端末装置による処理の手順を示す図である。
【図17】図17は、実施例3に係る携帯端末装置による表示の一例を示す図である。
【図18】図18は、実施例4に係る表示制御プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、本願の開示する表示装置、表示制御方法及び表示制御プログラムの実施例を詳細に説明する。なお、本願の開示する表示装置、表示制御方法及び表示制御プログラムは、以下の実施例により限定されるものではない。
【実施例1】
【0010】
まず、本実施例に係る表示装置の構成を説明する。図1は、実施例1に係る表示装置の構成を示す図である。図1に示すように、表示装置1は、記憶部2と、表示画像生成部3と、表示部4とを有する。記憶部2は、画像ごとに当該画像の特徴部分を対応付けて記憶する。
【0011】
表示画像生成部3は、第一の画像に対応する配置領域のうち、第二の画像に対応する配置領域と重ならない領域である可視領域を抽出し、抽出した可視領域と同一形状であり、記憶部2によって記憶された第一の画像に対応する特徴部分を含む表示画像を生成する。表示部4は、表示画像生成部3によって生成された表示画像を第一の画像に対応する配置領域に配置して表示する。
【0012】
上述したように、実施例1に係る表示装置1は、他の画像によって覆われる領域以外の可視領域に画像の特徴部分を表示する。従って、実施例1に係る表示装置1は、利用者の視認性を向上させ、画像の識別を容易にすることを可能にする。
【0013】
例えば、サムネイル画像を配置する際に、手前に重ねられたサムネイル画像によって背後のサムネイル画像の特徴となる部分が隠されてしまう場合でも、実施例1に係る表示装置1は、画像の特徴部分を可視領域に表示することで、画像の識別を容易にする。
【実施例2】
【0014】
[実施例2に係る携帯端末装置の構成]
実施例2では、表示装置として携帯端末装置を用いる場合を例に挙げて説明する。なお、携帯端末装置とは、例えば、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、通信機能を備えた携帯型パーソナルコンピュータなどである。図2は、実施例2に係る携帯端末装置10の構成を示す図である。
【0015】
図2に示すように、携帯端末装置10は、アンテナ20と、無線部30と、近距離無線部40と、入力部50と、デジタルカメラ60と、表示部70と、入出力制御I/F(interface)部80と、記憶部90と、制御部100とを有する。アンテナ20は、図示しない基地局との間で信号を送受信する。無線部30は、アンテナを介して音声信号等の無線信号の送受信を行う。例えば、無線部30は、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)ベースバンドプロセッサなどである。
【0016】
近距離無線部40は、電磁界や電波などを用いて、数cm〜数mの近距離の無線信号の送受信を行う。例えば、近距離無線部40は、RFID(Radio Frequency Identification)やBluetoothなどである。入力部50は、携帯端末装置の利用者による種々の情報の入力処理を受付ける。例えば、入力部50は、操作キーやタッチパネルなどである。
【0017】
デジタルカメラ60は、画像を撮像素子で撮影するカメラである。表示部70は、情報を表示出力する。例えば、表示部70は、液晶ディスプレイやスピーカなどである。入出力制御I/F部80は、無線部30、近距離無線部40、入力部50、デジタルカメラ60、表示部70と制御部100との間での各種情報のやり取りを制御するインタフェース部である。
【0018】
記憶部90は、図2に示すように、画像データ記憶部91と、配置記憶部92とを有し、入力部50を介して利用者から入力された情報や後述する制御部100による処理結果などを記憶する。記憶部90は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置である。
【0019】
画像データ記憶部91は、画像ごとに画像の特徴部分を対応付けて記憶する。具体的には、画像データ記憶部91は、利用者が画像の識別に用いる情報を画像データごとに対応付けて記憶する。図3は、画像データ記憶部91を示す図である。図3においては、画像データがExif(Exchangeable image file format for Digital Still Camera)形式で保存されていることを示している。図3の「SOI(Start Of Image)」とは、画像データの始端を識別するためのマーカーを示している。また、図3の「APP1」とは、画像データに関する情報が含まれたExif独自のマーカーを示している。図3の「EOI(End Of Image)」とは、画像データの終端を識別するためのマーカーを示している。
【0020】
図3に示すように、画像データ記憶部91は、APP1内にAPP1マーカーの始端を識別するための「Marker(APP1)」やサムネイル画像の情報である「1stIFD(Image File Directory)」など記憶している。そして、画像データ記憶部91は、サムネイル画像の情報として、1stIFDにフィールド1〜nまでのフィールド数を記憶している。
【0021】
ここで、画像データ記憶部91は、画像データに対応付けて画像の特徴部分を記憶する。例えば、画像データ記憶部91は、図3に示すように、「APP1」の「1stIFD」に「フォーカス点(X1、Y1)」を記憶する。なお、「フォーカス点」とは、画像撮影時に焦点が定まっていた座標を意味する。
【0022】
図2に戻って、配置記憶部92は、後述する制御部100が表示部70にサムネイル画像を表示する際の、サムネイル画像の配置状態を記憶する。図4は、実施例2に係る配置記憶部92を示す図である。図4では、表示部70にサムネイル画像を表示する際のサムネイル画像の配置状態を示している。図4の領域R1は、サムネイル画像を表示する領域であるサムネイル画像表示領域を示している。また、図4の領域R1内に示す複数の四角は、サムネイル画像の配置位置を示している。例えば、図4に示す「A」、「B」及び「C」は、それぞれ「配置位置A」、「配置位置B」及び「配置位置C」を示している。
【0023】
また、図4に示す「a」及び「b」は、サムネイル画像の配置位置の辺を示している。すなわち、図4の「a」は、四角で示すサムネイル画像の配置位置の上辺を示しており、図4の「b」は、サムネイル画像の配置位置の右辺を示している。なお、図示してないが、サムネイル画像の配置位置のすべての上辺は「a」である。また、サムネイル画像の配置位置のすべての右辺は「b」である。例えば、配置記憶部92は、図4に示すように、複数のサムネイル画像を円状に重ねて配置する配置状態を記憶する。
【0024】
図2に戻って、制御部100は、データ更新部101と、表示画像生成部102と、表示制御部103とを有し、記憶部90に記憶された画像データのサムネイル画像を表示する際の各種処理を実行する。制御部100は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路、または、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの電子回路である。
【0025】
データ更新部101は、デジタルカメラ60によって撮影された画像の画像データを画像データ記憶部91に格納する。図5は、データ更新部101を示す図である。図5では、デジタルカメラ60によって撮影された画像の状態を示している。図5の領域R2は、デジタルカメラ60の撮影領域を示している。また、図5の領域R3は、デジタルカメラ60の焦点設定領域を示している。図5の横方向の矢印はX軸を示し、縦方向の矢印はY軸を示している。
【0026】
例えば、図5に示すように、デジタルカメラ60によって座標(X1、Y1)を中心とする顔の位置に焦点が設定された画像が撮影された場合には、データ更新部101は、画像データに焦点の座標(X1、Y1)を対応付けて画像データ記憶部91に格納する。すなわち、データ更新部101は、図3に示すように、画像データの「APP1」の「1stIFD」にフォーカス点(X1、Y1)を格納する。
【0027】
図2に戻って、表示画像生成部102は、第一の画像に対応する配置領域のうち、第二の画像に対応する配置領域と重ならない領域である可視領域を抽出する。そして、表示画像生成部102は、抽出した可視領域と同一形状であり、画像データ記憶部91によって記憶された第一の画像に対応する特徴部分を含む表示画像を生成する。また、表示画像生成部102は、可視領域から面積が最大となる矩形領域を抽出し、当該矩形領域に第一の画像に対応する特徴部分を含む画像を、表示画像として生成する。
【0028】
さらに、表示画像生成部102は、矩形領域に第一の画像の周縁を含まない画像を、表示画像として生成する。また、さらに、表示画像生成部102は、可視領域に第一の画像の周縁が含まれる場合には、当該画像の周縁を段階的にぼかした画像を、表示画像として生成する。
【0029】
具体的には、表示画像生成部102は、画像データ記憶部91によって記憶されたサムネイル画像の情報と配置記憶部92によって記憶されたサムネイル画像の配置情報とを用いて、表示部70に表示するサムネイル画像の表示画像を生成する。すなわち、表示画像生成部102は、配置記憶部92が記憶する配置状態でサムネイル画像を配置した際に、利用者に表示される表示画像を生成する。以下では、図4に示す配置状態でサムネイル画像を表示する場合の表示画像生成部102による処理について説明する。また、以下では、表示画像生成部102が、図4のAの位置に表示するサムネイル画像に対して実行する処理を例に挙げて説明する。
【0030】
例えば、表示画像生成部102は、図4のAの位置に表示するサムネイル画像に対して処理を実行する場合には、まず、他のサムネイル画像によって覆われない可視領域を抽出する。すなわち、図4のAの位置においては、表示画像生成部102は、配置位置BおよびCによって覆われておらず、画像部分が視認可能となる可視領域を抽出する。そして、表示画像生成部102は、抽出した可視領域から矩形をさらに抽出する。図6は、実施例2に係る表示画像生成部による矩形領域抽出処理を示す図である。図6では、図4のAに示す可視領域から抽出された8パターンの矩形領域を示している。図6の黒色の領域が、表示画像生成部102によって抽出された矩形領域を示している。
【0031】
ここで、可視領域からの矩形領域の抽出方法について説明する。矩形領域は、サムネイル画像を覆う位置に重なっている他の配置位置の辺を可視領域上に延長することにより抽出される。例えば、図6の(1)は、図4に示す「配置位置B」の辺aが可視領域上に延長されて形成される矩形領域を示している。また、図6の(2)は、図4に示す「配置位置B」の辺bが可視領域上に延長されて形成される矩形領域を示している。また、図6の(3)は、図4に示す「配置位置C」の辺bが可視領域上に延長されて形成される矩形領域を示している。同様に、図6の(4)〜(8)は、図4に示す「配置位置B」の辺又は「配置位置C」の辺、又は、「配置位置B」の辺及び「配置位置C」の辺が可視領域上に延長されて形成される矩形領域を示している。
【0032】
そして、表示画像生成部102は、抽出した矩形領域のなかで、面積が最大となる矩形領域をさらに抽出する。例えば、表示画像生成部102は、図6に示す8パターンの矩形領域のなかから、面積が最大である図6の(1)に示す矩形領域を抽出する。
【0033】
そして、表示画像生成部102は、抽出した最大面積の矩形領域の重心を算出する。図7は、矩形領域の重心を示す図である。図7には、図6の(1)に示す矩形領域の重心が示されている。例えば、表示画像生成部102は、図7に示すように、矩形領域の各辺における中点をそれぞれ算出し、算出した中点のうち対向する2辺の中点を通過する2本の直線が交差する位置を重心として算出する。
【0034】
そして、表示画像生成部102は、算出した重心とサムネイル画像の焦点とを合せる。例えば、表示画像生成部102は、算出した重心とサムネイル画像のフォーカス点(X1、Y1)とを合せる。ここで、サムネイル画像の領域から外れる矩形領域がある場合には、表示画像生成部102は、サムネイル画像を矩形領域内に移動させる移動処理を実行する。
【0035】
図8は、実施例2に係る表示画像生成部102による移動処理を示す図である。図8には、移動処理前の矩形領域がサムネイル画像の領域から外れている状態と、移動処理後の状態とを示している。例えば、表示画像生成部102は、図8の(1)に示すように、矩形領域がサムネイル画像の領域から外れている場合には、図8の(2)に示すように、矩形領域内にサムネイル画像を移動させる。
【0036】
さらに、表示画像生成部102は、可視領域においてサムネイル画像以外の領域である余剰領域とサムネイル画像との境界を段階的にぼかしていくぼかし処理を実行する。図9は、実施例2に係る表示画像生成部102によるぼかし処理を示す図である。図9には、ぼかし処理前の状態と、ぼかし処理後の状態とを示している。図9の実線で囲んだ領域が可視領域を示している。また、図9の(1)の黒色の領域が、可視領域におけるサムネイル画像の領域を示している。
【0037】
例えば、表示画像生成部102は、図9の(1)に示すように、可視領域内のサムネイル画像の領域側から余剰領域側に、サムネイル画像の背景と同系の色を用いて段階的に境界をぼかしていくぼかし処理を実行する。そして、表示画像生成部102は、図9の(2)に示すように、余剰領域全体に色付けを行った表示画像を生成する。
【0038】
図2に戻って、表示制御部103は、表示画像生成部102によって生成された表示画像を第一の画像に対応する配置領域に配置して表示部70に表示させる。図10は、実施例2に係る携帯端末装置の表示制御部103を示す図である。図10では、表示画像が可視領域に配置された状態を示している。例えば、表示制御部103は、図10に示すように、図9の(2)に示す表示画像を図10のAの可視領域に配置したサムネイル画像を表示部70に表示させる。
【0039】
なお、上述した例では、図4のAの位置に表示するサムネイル画像に対して処理を実行する場合について説明したが、表示画像生成部102は、表示するすべてのサムネイル画像に対して上記と同様の処理を実行する。
【0040】
[実施例2に係る携帯端末装置による処理の手順]
次に、実施例2に係る携帯端末装置による処理の手順を説明する。図11は、実施例2に係る携帯端末装置10による処理の手順を示す図である。図10に示すように、サムネイル画像の表示が、サムネイル画像が部分的に重なって表示される部分表示である場合には、(ステップS101肯定)、表示画像生成部102がサムネイル画像の焦点を取得する(ステップS102)。そして、表示画像生成部102は、サムネイル画像の配置位置において他の配置位置によって覆われていない可視領域から面積が最大となる矩形領域を抽出する(ステップS103)。なお、サムネイル画像の表示が、部分表示ではない場合には(ステップS101否定)、表示制御部103は、画像全体を示すサムネイル画像を表示部70に表示させる(ステップS108)。
【0041】
そして、表示画像生成部102は、矩形領域においてサムネイル画像の領域から外れる部分があるか否かを判定する(ステップS104)。具体的には、表示画像生成部102は、ステップS102で取得したサムネイル画像の焦点と矩形領域の重心とを合せた後、矩形領域においてサムネイル画像の領域から外れる部分があるか否かを判定する。ここで、領域から外れる部分があると判定した場合には(ステップS104肯定)、表示画像生成部102は、サムネイル画像を矩形領域内に移動させて(ステップS105)、可視領域にサムネイル画像を配置する(ステップS106)。
【0042】
一方、矩形領域においてサムネイル画像の領域から外れる部分がないと判定した場合には(ステップS104否定)、表示画像生成部102は、可視領域にサムネイル画像を配置する(ステップS106)。そして、表示画像生成部102は、可視領域における画像領域と余剰領域との境界をぼかすように加工して(ステップS107)、表示画像を生成する。続いて、表示制御部103が、表示画像生成部102によって生成された表示画像を可視領域に配置したサムネイル画像を表示部70に表示させて(ステップS108)、処理を終了する。
【0043】
[実施例2の効果]
上述したように、実施例2によれば、画像データ記憶部91が、画像ごとに当該画像の特徴部分を対応付けて記憶する。そして、表示画像生成部102が、第一の画像に対応する配置領域のうち、第二の画像に対応する配置領域と重ならない領域である可視領域を抽出する。さらに、表示画像生成部102が、抽出した可視領域と同一形状であり、画像データ記憶部91によって記憶された第一の画像に対応する特徴部分を含む表示画像を生成する。そして、表示部70が、表示画像生成部102によって生成された表示画像を第一の画像に対応する配置領域に配置して表示する。従って、実施例2に係る携帯端末装置10は、画像の視認性を向上させることができ、利用者による画像の識別を容易にすることを可能にする。
【0044】
また、実施例2によれば、表示画像生成部102が、可視領域から面積が最大となる矩形領域を抽出し、当該矩形領域に第一の画像に対応する特徴部分を含む画像を、表示画像として生成する。従って、実施例2に係る携帯端末装置10は、サムネイル画像の配置状態によって変化する可視領域の形状を考慮した表示制御を行うことを可能になる。
【0045】
また、実施例2によれば、表示画像生成部102は、矩形領域に第一の画像の周縁を含まない画像を、表示画像として生成する。従って、実施例2に係る携帯端末装置10は、自然なサムネイル画像を表示することができ、利用者の視認性をさらに向上させて、画像の識別をさらに容易にすることを可能にする。
【0046】
また、実施例2によれば、表示画像生成部102は、可視領域に第一の画像の周縁が含まれる場合には、当該画像の周縁を段階的にぼかした画像を、表示画像として生成する。従って、実施例2に係る携帯端末装置10は、可視領域における画像領域と非画像領域との境界を目立たなくすることができ、利用者の視認性をまたさらに向上させて、画像の識別をまたさらに容易にすることを可能にする。
【0047】
ここで、実施例2に係る携帯端末装置10を用いた場合のサムネイル画像の表示例について、図12を用いて説明する。図12は、実施例2に係る携帯端末装置10による表示の一例を示す図である。図12では、携帯端末装置10の表示部70にサムネイル画像が表示された状態を示している。図12に示すように、携帯端末装置10は、複数のサムネイル画像を円状に重ねて配置する場合であっても、画像の特徴部分である顔部分を表示することによって、利用者が容易に画像を識別することを可能にする。
【実施例3】
【0048】
上記実施例2では、複数のサムネイル画像が円状に重ねて配置される場合について説明した。実施例3では、複数のサムネイル画像が横方向に重ねて配置される場合について説明する。
【0049】
[実施例3に係る携帯端末装置の構成]
まず、実施例3に係る携帯端末装置の構成について説明する。図13は、実施例3に係る携帯端末装置10aの構成を示す図である。実施例3に係る携帯端末装置10aは、図13に示すように、実施例2に係る携帯端末装置10と比較して、配置記憶部92aによって記憶されるデータと、表示画像生成部102aによる処理内容とが、実施例2とは異なる。以下、これらを中心に説明する。
【0050】
配置記憶部92aは、制御部100aが表示部70にサムネイル画像を表示する際の、サムネイル画像の配置状態を記憶する。図14は、実施例3に係る配置記憶部92aを示す図である。図14では、表示部70にサムネイル画像を表示する際のサムネイル画像の配置状態を示している。図14の領域R1は、サムネイル画像を表示する領域であるサムネイル画像表示領域を示している。また、図14のR1内に示す複数の四角は、サムネイル画像の配置位置を示している。例えば、図14に示す「A」、「B」及び「C」は、それぞれ「配置位置A」、「配置位置B」及び「配置位置C」を示している。例えば、配置記憶部92aは、図14に示すように、複数のサムネイル画像を横方向に重ねて配置する配置状態を記憶する。
【0051】
表示画像生成部102aは、可視領域の中点にサムネイル画像の焦点を移動させる移動処理を実行して、表示画像を生成する。図15は、実施例3に係る携帯端末装置10aによる移動処理を示す図である。図15には、図14に示す配置位置Aに配置するサムネイル画像の焦点を可視領域に移動する移動処理前の状態と、移動処理後の状態とを示している。また、図15の(1)に示す線L1は、サムネイル画像の焦点と配置位置Aの左辺とを結ぶ線を示している。
【0052】
また、図15に示す点P1は、サムネイル画像の焦点と配置位置Aの左辺との交点を示している。また、図15に示す点P2は、サムネイル画像の焦点と配置位置Bの左辺との交点を示している。なお、図15の(1)では、線L1がサムネイル画像の焦点と配置位置Aの左辺とを結ぶ線であることを説明するために焦点の画像である顔などを示しているが、実際には、顔などは配置位置Bに配置されるサムネイル画像によって覆われている。
【0053】
例えば、表示画像生成部102aは、図15の(1)に示すように、線L1と配置位置Aの左辺との交点P1と、線L1と配置位置Bとの交点P2とを算出する。そして、表示画像生成部102aは、P1とP2との中点を算出して、算出した中点とサムネイル画像の焦点とを合せた表示画像を生成する。すなわち、表示画像生成部102aは、図15の(2)に示すように、可視領域の中点にサムネイル画像の焦点である顔を合せた表示画像を生成する。
【0054】
なお、上記実施例3では、複数のサムネイル画像が横方向に重ねて配置される場合について説明したが、本実施例はこれに限定するものではなく、例えば、複数のサムネイル画像が縦方向に重ねて配置される場合であってもよい。
【0055】
[実施例3に係る携帯端末装置による処理の手順]
次に、実施例3に係る携帯端末装置10aによる処理の手順を説明する。図16は、実施例3に係る携帯端末装置10aによる処理の手順を示す図である。図16に示すように、サムネイル画像の表示が、サムネイル画像が部分的に重なって表示される部分表示である場合には(ステップS201肯定)、表示画像生成部102aがサムネイル画像の焦点を取得する(ステップS202)。そして、表示画像生成部102aは、サムネイル画像の配置位置において他の配置位置によって覆われていない可視領域を抽出する(ステップS203)。なお、サムネイル画像の表示が、部分表示ではない場合には(ステップS201否定)、表示制御部103は、画像全体を示すサムネイル画像を表示部70に表示させる(ステップS205)。
【0056】
そして、表示画像生成部102aは、可視領域の中点にサムネイル画像の焦点を移動させる(ステップS204)。例えば、表示画像生成部102aは、図15に示すように、P1とP2との中点を算出して、算出した中点とサムネイル画像の焦点とを合せるようにサムネイル画像を移動させる。続いて、表示制御部103が、表示画像生成部102aによって生成された表示画像を可視領域に配置したサムネイル画像を表示部70に表示させて(ステップS205)、処理を終了する。
【0057】
[実施例3の効果]
上述したように、実施例3によれば、複数のサムネイル画像が横方向に重ねて配置される場合には、表示画像生成部102aが、可視領域の中点にサムネイル画像の焦点を移動させた表示画像を生成する。そして、表示制御部103が、表示画像生成部102aによって生成された表示画像を可視領域に配置したサムネイル画像を表示部70に表示させる。従って、実施例3に係る携帯端末装置10aは、可視領域から矩形領域を抽出することなくサムネイル画像の焦点を可視領域に表示することができ、矩形領域算出に要するリソース消費を抑制することを可能にする。また、実施例3に係る携帯端末装置10aは、可視領域から矩形領域を抽出することなくサムネイル画像の焦点を可視領域に表示することで、処理時間を短縮することを可能にする。
【0058】
ここで、実施例3に係る携帯端末装置10aを用いた場合のサムネイル画像の表示例について、図17を用いて説明する。図17は、実施例3に係る携帯端末装置10aによる表示の一例を示す図である。図17では、携帯端末装置10aの表示部70にサムネイル画像が表示された状態を示している。図17に示すように、携帯端末装置10aは、複数のサムネイル画像を横方向に重ねて配置する場合であっても、画像の特徴部分である顔部分を表示することによって、利用者が容易に画像を識別することを可能にする。
【実施例4】
【0059】
さて、これまで実施例1〜3について説明したが、上述した実施例1〜3以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、種々の異なる実施例を(1)〜(6)に区分けして説明する。
【0060】
(1)表示装置
上記実施例2及び3では、表示装置として携帯端末装置を用いる場合について説明したが、本実施例はこれに限定するものではなく、例えば、デジタルカメラなどを用いる場合であってもよい。
【0061】
(2)表示領域
上記実施例2及び3では、サムネイル画像を表示する領域が矩形である場合について説明したが、本実施例はこれに限定するものではなく、例えば、曲線が含まれる形状の可視領域にサムネイル画像を表示する場合であってもよい。
【0062】
(3)矩形領域の算出
上記実施例2では、可視領域から矩形領域を抽出し、抽出した矩形領域にサムネイル画像の焦点の画像を表示する場合について説明した。しかしながら、本実施例はこれに限定するものではなく、例えば、矩形領域を抽出することなく、図4に示す階段状の形状となっている可視領域にサムネイル画像の焦点の画像を表示する場合であってもよい。
【0063】
(4)特徴部分
上記実施例2及び3では、画像の特徴部分として画像のフォーカス点を用いる場合について説明したが、本実施例はこれに限定するものではなく、例えば、顔認識によって検出された座標点を用いる場合であってもよい。
【0064】
(5)システム構成等
図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示された構成要素と同一であることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、図2に示す画像データ記憶部91と配置記憶部92とを一つの記憶部として統合してもよい。また、一方で、図2に示す表示画像生成部を、移動処理を実行する移動処理部と、ぼかし処理を実行するぼかし処理部とに分散してもよい。
【0065】
(6)表示制御プログラム
また、上記実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図18を用いて、図1に示した表示装置1と同様の機能を有する表示制御プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。
【0066】
図18は、実施例4に係る表示制御プログラムを実行するコンピュータを示す図である。図18に示すように、コンピュータ1000は、RAM1010と、キャッシュ1020と、HDD1030と、ROM1040と、CPU1050と、バス1060とを有する。RAM1010、キャッシュ1020、HDD1030、ROM1040、CPU1050は、バス1060によって接続されている。
【0067】
ROM1040には、図1に示した表示装置1と同様の機能を発揮する表示制御プログラムが予め記憶されている。具体的には、ROM1040には、表示画像生成プログラム1041と、表示プログラム1042とが記憶されている。
【0068】
そして、CPU1050は、これらの表示画像生成プログラム1041と、表示プログラム1042とを読み出して実行する。これにより、図18に示すように、表示画像生成プログラム1041は、表示画像生成プロセス1051になり、表示プログラム1042は、表示プロセス1052になる。なお、表示画像生成プロセス1051は、図1に示した表示画像生成部3に対応し、表示プロセス1052は、図1に示した表示部4に対応する。
【0069】
また、HDD1030には、図18に示すように、記憶部1031が設けられる。記憶部1031は、図1に示した記憶部2に対応する。
【0070】
なお、上記した各プログラム1041及び1042については、必ずしもROM1040に記憶させなくてもよい。例えば、コンピュータ1000に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」にプログラム1041及び1042を記憶させてもよい。または、コンピュータ1000の内外に備えられるハードディスクドライブ(HDD)などの「固定用の物理媒体」にプログラム1041及び1042を記憶させてもよい。または、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ1000に接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」にプログラム1041及び1042を記憶させてもよい。そして、コンピュータ1000は、上述したフレキシブルディスク等から各プログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 表示装置
2、90、90a 記憶部
3、102、102a 表示画像生成部
4、70 表示部
10、10a 携帯端末装置
60 デジタルカメラ
91 画像データ記憶部
92 配置記憶部
103 表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像ごとに当該画像の特徴部分を対応付けて記憶する記憶部と、
第一の画像に対応する配置領域のうち、第二の画像に対応する配置領域と重ならない領域である可視領域を抽出し、抽出した可視領域と同一形状であり、前記記憶部によって記憶された前記第一の画像に対応する特徴部分を含む表示画像を生成する表示画像生成部と、
前記表示画像生成部によって生成された前記表示画像を前記第一の画像に対応する配置領域に配置して表示する表示部と、
を有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示画像生成部は、前記可視領域から面積が最大となる矩形領域を抽出し、当該矩形領域に前記第一の画像に対応する特徴部分を含む画像を、前記表示画像として生成することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示画像生成部は、前記矩形領域に前記第一の画像の周縁を含まない画像を、前記表示画像として生成することを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示画像生成部は、前記可視領域に前記第一の画像の周縁が含まれる場合には、当該画像の周縁を段階的にぼかした画像を、前記表示画像として生成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項5】
コンピュータによって実行される表示制御方法であって、
前記コンピュータが、
第一の画像に対応する配置領域のうち、第二の画像に対応する配置領域と重ならない領域である可視領域を抽出し、抽出した可視領域と同一形状であり、画像ごとに当該画像の特徴部分を対応付けて記憶する記憶部によって記憶された前記第一の画像に対応する特徴部分を含む表示画像を生成する表示画像生成ステップと、
前記表示画像生成ステップによって生成された前記表示画像を前記第一の画像に対応する配置領域に配置して表示する表示ステップと、
を実行することを特徴とする表示制御方法。
【請求項6】
表示装置によって実行される表示制御プログラムであって、
前記表示装置に、
第一の画像に対応する配置領域のうち、第二の画像に対応する配置領域と重ならない領域である可視領域を抽出し、抽出した可視領域と同一形状であり、画像ごとに当該画像の特徴部分を対応付けて記憶する記憶部によって記憶された前記第一の画像に対応する特徴部分を含む表示画像を生成する表示画像生成手順と、
前記表示画像生成手順によって生成された前記表示画像を前記第一の画像に対応する配置領域に配置して表示する表示手順と、
をコンピュータに実行させること特徴とする表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−191703(P2011−191703A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59980(P2010−59980)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】