説明

表示装置、表示装置の制御方法、および表示装置の制御プログラム

【課題】ページを切り替えるための機能を発電素子に持たせ、表示装置の小型化を実現するとともに、表示させるデータのページ切り替え操作を容易にする。
【解決手段】複数の情報を表示する発電素子を備える表示装置であって、複数の情報のいずれかを表示する表示手段と、一度に表示される情報毎にページ情報に対応させて複数の情報を記憶し、ページ情報とフラグ情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記表示装置に供給される電圧が低下して前記表示装置がリセットされた後に、記憶手段のフラグ情報に対応するページ情報を参照する演算手段と、参照されたページ情報からページ情報に対応する、一度に表示される情報を表示手段に表示するように制御する表示制御手段と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電素子を電力供給用素子として搭載する表示機能を有するカードにおいて、表示データを発電素子によって切り替える表示装置、表示装置の制御方法、および表示装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ICカード等の表示装置に表示されるデータの表示を切り替える手法として、表示装置に複数ある太陽電池等の発電素子のいずれかをユーザが指などで覆ったときに、いずれの太陽電池セルが操作されたか否かを操作判定部が各電圧検出部の検出結果に基づき判定し、判定結果を信号処理部に通知し、ユーザが実行した入力操作を判定し、判定された操作対象に対応する処理を行う方法が、例えば、特許文献1に記載されている。
【0003】
また、表示装置に表示されるデータの順番を決定する場合に、未使用の電子チケットのうち、もっとも早い、すなわちもっとも先に使用された電子チケット情報の表示順位を高くしたり、使用済の電子チケットのうち、もっとも遅い、すなわち直前の電子チケット情報の表示順位を高くしたりすることにより、ユーザがもっとも必要とする情報を表示することが可能となる表示順位決定部を有する技術が、例えば、特許文献2に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−21018号公報
【特許文献1】特開2009−230268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば、特許文献1に記載の従来技術では、複数の発電素子の一つ一つに操作ボタンとしての一義的な意味合いを持たせることによって、操作ボタンの数が増加してしまい、表示装置の大型化に繋がってしまうという課題がある。また操作ボタンの増加によってユーザにとってボタン操作が煩雑になるという課題がある。さらに、特許文献2に記載の従来技術では、表示するデータをチケット情報に限定しているとともに、ソーティングのためにはチケット情報に付随する付加情報を取り扱わなければならないのでデータ処理量が増えるという課題がある。また、それらの情報の表示を切り替えるには、新たなスイッチが必要になるという課題もある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、課題の一例として、ページを切り替えるための複数の操作ボタンによるユーザインターフェースとしての機能を、1つの発電素子に持たせて表示装置の小型化を実現するとともに、表示装置に表示させるデータのページ切り替え操作を容易にする表示装置、表示装置の制御方法、および表示装置の制御プログラムを提供しようというものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。
【0008】
すなわち、請求項1に係る発明は、複数の情報を表示する発電素子を備える表示装置であって、前記複数の情報のいずれかを表示する表示手段と、前記表示手段に一度に表示される情報毎にページ情報と対応させて前記複数の情報を記憶し、ページ情報とフラグ情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記表示装置に供給される電圧が低下して前記表示装置がリセットされた後に、前記記憶手段のフラグ情報に対応するページ情報を参照する演算手段と、前記演算手段によって参照された前記ページ情報から前記ページ情報に対応する、前記表示手段に一度に表示される情報を前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段と、を備え、前記演算手段は、前記表示装置がリセットされ、前記記憶手段のフラグ情報に対応するページ情報を参照した後に、フラグ情報を設定することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載される発明は、請求項1に記載の表示装置において、前記演算手段は、前記表示装置に供給される電圧が低下して前記表示装置がリセットされた後に、前記表示装置に電圧が印加されて演算手段が動作を開始する場合に前記記憶手段のフラグ情報に対応するページ情報を参照し、その後に、前記フラグ情報をインクリメントし、インクリメントした前記フラグ情報に対応するページ情報が無い場合には、前記フラグ情報を最初に前記表示手段に表示されるべき情報に対応したページ情報に対応する値に設定することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に記載される発明は、請求項1に記載の表示装置において、前記演算手段は、前記表示装置に供給される電圧が低下して前記表示装置がリセットされた後に、前記表示装置に電圧が印加されて演算手段が動作を開始する場合に、フラグ情報を最初に前記表示手段に表示されるべき情報に対応したページ情報に対応する値に設定してから、前記記憶手段のフラグ情報に対応するページ情報を参照し、その後に前記フラグ情報をインクリメントし、インクリメントした前記フラグ情報に対応するページ情報が無い場合には、前記フラグ情報を最初に前記表示手段に表示されるべき情報に対応したページ情報に対応する値に設定することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に記載される発明は、請求項3に記載の表示装置において、前記発電素子が発生する発電電圧を検出する電圧検出手段をさらに備え、前記電圧検出手段が第1電圧よりも高い第2電圧を超える電圧を検出した後に、前記第1電圧と前記第2電圧との間の電圧を検出し、その後に前記第2電圧を超える電圧を検出した場合に、前記演算手段は前記記憶手段のフラグ情報に対応するページ情報を参照し、前記フラグ情報をインクリメントし、インクリメントした前記フラグ情報に対応するページ情報が無い場合には、前記フラグ情報を最初に前記表示手段に表示されるべき情報に対応したページ情報に対応する値に設定することを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に記載される発明は、請求項4に記載の表示装置において、前記第1電圧は、前記演算手段での動作が保証されている電圧以下の電圧であり、前記第2電圧は、前記演算手段での動作が保証されている電圧であることを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に記載される発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の表示装置において、前記発電素子から発生した電圧は、電力供給手段に蓄電され、すくなくとも前記記憶手段と前記演算手段は前記電力供給手段に蓄電された電圧が供給されることを特徴とする。
【0014】
また、請求項7に記載される発明は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の表示装置において、前記発電素子は太陽電池であることを特徴とする。
【0015】
また、請求項8に記載される発明は、複数の情報を表示する発電素子を備える表示装置の制御方法であって、前記複数の情報のいずれかを表示する表示工程と、前記表示工程において一度に表示される情報毎にページ情報と対応させて前記複数の情報を記憶し、ページ情報とフラグ情報とを対応付けて記憶する記憶工程と、前記表示装置に供給される電圧が低下して前記表示装置がリセットされた後に、前記記憶部のフラグ情報に対応するページ情報を参照する演算工程と、前記演算工程において参照された前記ページ情報から前記ページ情報に対応する、前記表示工程において一度に表示される情報を前記表示工程において表示するように制御する表示制御工程と、を備え、前記演算工程において、前記表示装置がリセットされ、前記記憶工程におけるフラグ情報に対応するページ情報を参照した後に、フラグ情報を設定することを特徴とする。
【0016】
また、請求項9に記載される発明は、複数の情報を表示する発電素子を備える表示装置に含まれるコンピュータを、前記複数の情報のいずれかを表示する表示手段、前記表示手段に一度に表示される情報毎にページ情報と対応させて前記複数の情報を記憶し、ページ情報とフラグ情報とを対応付けて記憶する記憶手段、前記表示装置に供給される電圧が低下して前記表示装置がリセットされた後に、前記記憶手段のフラグ情報に対応するページ情報を参照する演算手段、前記演算手段によって参照された前記ページ情報から前記ページ情報に対応する、前記表示手段に一度に表示される情報を前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段として機能させ、前記演算手段は、前記表示装置がリセットされ、前記記憶手段のフラグ情報に対応するページ情報を参照した後に、フラグ情報を設定する機能を発揮することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、発電素子がユーザインターフェースとしても利用できるため、他にスイッチ、ボタンなどのページ切り替えるための構成を表示装置に設ける必要がないので、表示装置全体を小型化できる。
【0018】
また、発電素子を1つ用いるだけでページ切り替えができるので、他にスイッチ、ボタンなどのページ切り替えるための構成を設けた場合に比較して、ページ切り替え操作が容易になる。
【0019】
さらに、ページ情報に対応付ければ、表示部10に表示させるデータを記憶部23に予め記憶できるので、順番に表示されるべきデータとして文字データおよび画像データを含む任意のデータを記憶でき、またソーティングすることが可能になる。
【0020】
すなわち、表示されるべきデータはチケット情報に限定されない。
【0021】
また、本願によればICカード用のチップが無くても、データを表示部10に表示しておくことが可能となる。
【0022】
また、CPU部22は、フラグ情報だけを書き換える構成としたので、表示されるべきデータの情報量が大きい場合であっても、確実にフラグ情報を書き換えて、次にCPU部22が起動した場合に表示すべきデータを参照することが可能になる。
【0023】
また、CPU部22は、電源電圧が上昇する過程にフラグ情報の書き換えを実施するので、電源電圧の変動がある場合にもフラグ情報を確実に書き換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る表示装置の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明に係る表示装置による第1実施形態の処理手順のフローチャートの一例である。
【図3】本発明に係る表示装置による第2実施形態の処理手順のフローチャートの一例である。
【図4】本発明に係る第1実施形態の表示装置による表示部の表示内容の変化を示す図である。
【図5】本発明に係る第1実施形態の表示装置における記憶部の構成の一例を示す図である。
【図6】本発明に係る表示装置における記憶部の処理手順のフローチャートの一例を示す図である。
【図7】(A)本発明に係る表示装置の表示部における表示の一例を示す図である。(B)本発明に係る表示装置の表示部における表示の一例を示す図である。(C)本発明に係る表示装置の表示部における表示の一例を示す図である。
【図8】本発明に係る表示装置の表示部における表示の他の一例を示す図である。
【図9】本発明に係る表示装置の表示部における表示のその他の一例を示す図である。
【図10】本発明に係る第2実施形態の表示装置による表示部の表示内容の変化を示す図である。
【図11】本発明に係る第2実施形態の表示装置における記憶部の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
【0026】
最初に、本発明の実施形態について図1を参照しながら説明する。
【0027】
[システム全体構成]
図1には、本実施形態に係る、表示手段としての表示部10と、表示制御手段としての表示制御部21および演算手段としてのCPU(Central Processing Unit)部22および記憶手段としての記憶部23を含む制御部20と、電圧検出手段としての電圧検出部31および発電素子(図示せず)を含む発電部30と、発電素子で発電された電力を蓄積し、表示部10と制御部20とに電力を供給する電力供給部40とから構成される表示装置100を示す。なお、図1においては、表示部10と、制御部20と、発電部30と、電力供給部40とがそれぞれ一つずつで示されているが、これに限られず、それぞれ複数台で構成されていても良い。
【0028】
また、発電素子の一例としては太陽電池が挙げられるが、これに限定されるわけではない。さらに、記憶部23はCPU部22の外部に設けられる構成としているが、これに限定されるわけではなく、CPU部22の内部に設けられる構成としてもよい。さらに電圧検出部31を発電部30に設けたがこれに限定されるわけではなく、表示制御部21またはCPU部22の内部に設ける構成とすることもできる。
【0029】
また、本発明に係る表示装置100は、上述のような構成を有することにより、電力供給用として設けている太陽電池等の発電素子を、表示機能の付いたICカード等の表示装置100の表示データを切り替えるユーザインターフェースとして使用し、発電素子を手などで覆うことで電力供給が停止してカード内のCPU部22がリセットする毎に、または所定の電圧以下になったことを電圧検出部31が検出して、表示されるデータの切り替え処理を行う機能を有する。
【0030】
ここで、当該機能を発揮するための構成について、図1に示す機能ブロック図を用いてさらに詳細に説明する。
【0031】
表示部10は、複数の情報を表示する一つの発電素子を備える表示装置100において複数の情報のいずれかを表示する機能を有する。
【0032】
表示部10の一例としては液晶ディスプレイ、EL(Electro luminescence)ディスプレイ等が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。
【0033】
表示制御部21は、CPU部22によって参照されたページ情報からページ情報に対応する、表示部10に一度に表示される情報を表示部に表示するように制御する機能を有する。
【0034】
表示制御部21は、表示部10に一度に表示される情報毎にデータを制御するが、表示部10に一度に表示される情報毎にページ値が対応付けられて記憶部23に記憶されているので、ページ値から表示部10に一度に表示される情報であるページ情報にアクセスし、その情報を得ることが可能になる。
【0035】
表示部10に一度に表示される情報は、表示制御部21が記憶部23に直接アクセスして取得してもよいし、CPU部22を介して取得しても良い。
【0036】
記憶部23は、表示部10に一度に表示される情報毎にページ情報と対応させて複数の情報を記憶し、さらに、ページ情報とフラグ情報とを対応付けて記憶する機能を有する。ここで、フラグ情報は図5および図11に示すようにフラグ位置を示す。
【0037】
表示部10に一度に表示される情報毎にページ情報と対応して記憶されているので、ページ情報を使用して記憶部23にアクセスすることで、表示部10に一度に表示される情報を記憶部23の外部から取得することができる。
【0038】
また、ページ情報とフラグ情報とが対応付けられて記憶されているので、例えばフラグ情報を数値で表現すれば、数値からページ情報を取得し、そのページ情報から、表示部10に一度に表示される情報を取得することができる。
【0039】
一例として、フラグ情報としての数値をページ数に対応付ければ、フラグ情報が「1」の場合には表示部10の1ページ目に対応する情報を記憶部23から取得することができ、以下順次に、フラグ情報が「2」の場合には表示部10の2ページ目に対応する情報を記憶部23から取得することができ、フラグ情報が「3」の場合には表示部10の3ページ目に対応する情報を記憶部23から取得することができる。またページ情報は、表示部10に一度に表示されるデータの中で、先頭部分のデータのアドレスを表すように構成することもできる。
【0040】
また、表示するデータとしてのコンテンツには、電子マネー残高情報、鉄道乗車駅情報、鉄道定期区間情報、鉄道利用料金情報、アミューズメント施設用のカード情報等がある。
【0041】
なお、記憶部23はCPU部22の外部に設けられなくともよく、CPU部22の内部に設けられていてもよい。記憶部23の一例として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリまたは揮発性メモリが挙げられる。
【0042】
電圧検出部31は、発電部30に含まれる発電素子が発生する発電電圧を検出する機能を有する。
【0043】
例えば、発電素子が太陽電池である場合には、表示装置の太陽電池のパネル面をユーザが指または手などを使用して外光から遮ることで、太陽電池が発生する発電電圧が低下するので、電圧検出部31はその低下した電圧を検知することができる。検出する電圧には、CPU部22の動作が保証されている電圧以下の電圧である第1電圧と第1電圧よりも高い第2電圧とがある。第1電圧としては、0ボルトからCPU部22の動作が保証されている電圧までの任意の電圧を設定することができる。第2電圧は、CPU部22が動作できない第1電圧よりも高い電圧であって、CPU部22の動作が保証されている電圧である。第2電圧としては、第1電圧から電力供給部40から供給される電圧であって、CPU部22の動作が保証されている電源電圧までの任意の電圧を設定することができる。
【0044】
演算部手段としてのCPU部22は表示装置に供給される電圧が低下してCPU部22がリセットされた後に、記憶部23のフラグ情報に対応するページ情報を参照する機能を有する。
【0045】
また、CPU部22は、表示装置に供給される電圧が低下して表示装置がリセットされた後に、再び表示装置に電圧が供給されてCPU部22が動作を開始する場合に、フラグ情報を設定する機能を有する。
【0046】
例えば、CPU部22は、表示装置に供給される電圧が低下して表示装置がリセットされた後に、前記表示装置に電圧が印加されてCPU部22が動作できない低電圧である第1電圧を超えた場合にフラグ情報をインクリメントし、インクリメントしたフラグ情報に対応するページ情報が無い場合には、フラグ情報を、最初に表示部10に表示されるべき情報に対応したページ情報に対応する値に設定する機能を有する。
【0047】
この機能によれば、表示装置の太陽電池のパネル面をユーザが指または手などを使用して外光から遮ることで、太陽電池から発生する電圧がゼロボルト近くになってCPU部22がリセットされた後に、ユーザが表示装置の太陽電池のパネル面からユーザの指または手を離すことで、CPU部22に電圧が供給されてCPU部22が動作を開始する場合にフラグ情報をインクリメントし、CPU部22が次に起動した場合に、表示部10に表示される情報を次のページに設定することができる。また、インクリメントしたフラグ情報に対応するページ情報が無い場合には、最初に表示部10に表示されるべき1ページ目に対応するフラグ情報に設定することができる。
【0048】
すなわちこの機能によれば、表示装置は、電圧が低下してリセットするたびに次のページを表示することができ、表示するべきページの最後が表示された後に表示装置がリセットされた場合には、最初のページを表示することができる。
【0049】
また、CPU部22は、表示装置に供給される電圧が低下して表示装置がリセットされた後に、再び表示装置に電圧が供給されてCPU部22が動作を開始する場合に、フラグ情報を最初に表示部10に表示されるべき情報に対応したページ情報に対応する値に設定してから、記憶部23のフラグ情報に対応するページ情報を参照し、その後に前記フラグ情報をインクリメントし、インクリメントした前記フラグ情報に対応するページ情報が無い場合には、前記フラグ情報を最初に表示部10に表示されるべき情報に対応したページ情報に対応する値に設定する機能を有する。
【0050】
この機能によれば、表示装置の太陽電池のパネル面をユーザが指または手などを使用して外光から遮ることで、太陽電池から発生する電圧がゼロボルト近くになってCPU部22がリセットされた後に、ユーザが表示装置の太陽電池のパネル面からユーザの指または手を離すと、表示部10に表示される情報を最初に表示部10に表示されるべき情報とすることができる。
【0051】
すなわち、表示装置の太陽電池のパネル面をユーザが指または手などを使用して外光から遮ることで、表示装置100をリセットするたびに、表示部10には先頭のページが表示されることになる。なおこの場合には、リセット後にフラグ情報がインクリメントされているので、次にCPU部22がフラグ情報を参照すると、次に表示されるべきページ(2ページ目)が表示部10に表示される。
【0052】
また、CPU部22は、電圧検出部31が第1電圧よりも高い第2電圧を超える電圧を検出した後に、第1電圧と第2電圧との間の電圧を検出し、その後に第2電圧を超える電圧を検出した場合に、CPU部22は、記憶部23のフラグ情報に対応するページ情報を参照し、その後に前記フラグ情報をインクリメントし、インクリメントした前記フラグ情報に対応するページ情報が無い場合には、前記フラグ情報を最初に前記表示部10に表示されるべき情報に対応したページ情報に対応する値に設定する機能を有する。
【0053】
この機能によれば、表示装置の太陽電池のパネル面の一部をユーザが指または手などを使用して外光から遮ることで、太陽電池から発生する電圧が少し低下した後に、ユーザが表示装置の太陽電池のパネル面からユーザの指または手を離すと、表示部10に表示される情報を次のページに設定することができる。また、インクリメントしたフラグ情報に対応するページ情報が無い場合には、最初に表示部10に表示されるべき1ページ目に対応するフラグ情報に設定することができる。
【0054】
ここで少し低下した電圧とは、第1電圧と第2電圧との間の電圧である。
【0055】
すなわちこの機能によれば、表示装置は、電圧が少し低下するたびに次のページを表示することができ、表示するべきページの最後が表示された後に電圧が少し低下した場合には、最初のページを表示することができる。
【0056】
電力供給部40は、発電素子から発生した電圧を蓄電し、すくなくとも記憶部23とCPU部22に蓄電された電圧が供給する機能を有する。
【0057】
電力供給部40の一例としては、コンデンサが挙げられるが、本願ではこれに限定されるわけではない。電力供給部40が存在するために、電圧検出部31で検出した電圧が直ちにCPU部22等に印加されるわけではなく、検出された電圧は電圧検出部31で検出された後に電圧検出部31を介して遅延され、または蓄積されてCPU部22に電圧が印加されるので、上述したフラグ情報の書き換え処理をCPU部22において確実に実行することが可能になる。
【0058】
なお、表示装置100には、その他に、ICカード用のチップ(図示せず)を有し、表示装置100が非接触型カードの場合、通信部(アンテナ)(図示せず)を備える。また、制御部20の表示制御部21、CPU部22、記憶部23は一体でなくともよい。また、フラグ情報をインクリメントする代わりに、フラグ情報をポイントするフラグの位置をシフトさせることでCPU部22に現在参照するべきページ情報を認識させるように構成してもよい。さらに、表示装置を、ネットワークを介したデータベースまたはサーバ装置と接続するように構成できる。
【0059】
次に図5を参照して、本発明表示装置100の記憶部23に記憶されるフラグ情報、ページ情報、第1ページの情報であるページAの情報(電子マネー残高)、第2ページの情報であるページBの情報(鉄道乗車駅名)、第3ページの情報であるページCの情報(鉄道定期区間)との対応関係について説明する。
【0060】
記憶部23に記憶されるフラグ情報は、フラグ値として第1ページの情報であることを示す「1」、フラグ値として第2ページの情報であることを示す「2」、フラグ値として第3ページの情報であることを示す「3」またはフラグ値として第nページの情報であることを示す「n」がCPU部22によって書き込まれる。
【0061】
CPU部22は電圧が低下した場合であっても、これらのフラグ値を書き換えるだけで、CPU部22が次に起動したときに所望のページの情報を記憶部23から取得することが可能になる。
【0062】
CPU部22はフラグ値に基づいて、ページ情報を参照する。
【0063】
例えば、フラグ値が1である場合には、フラグ値が1の場合に参照すべき位置からページ情報を取得する。フラグ値が1の場合に参照すべき位置はアドレスで予め決められていてもよい。ページ情報は該当するページの文字、図形等のデータ本体が記憶部23のどのアドレスから記憶されているかを示すアドレスを情報として記憶している。
【0064】
図5の場合には、フラグ値が1である場合のページ情報は「1」であるので、CPU部22はアドレス1から1ページ目のデータ本体(電子マネー残高)を読み込む。フラグ値が2である場合のページ情報は「2」であるので、CPU部22はアドレス2から2ページ目のデータ本体(鉄道乗車駅名)を読み込む。フラグ値が3である場合のページ情報は「3」であるので、CPU部22はアドレス3から3ページ目のデータ本体(鉄道定期区間)を読み込む。
【0065】
なお、nページ目のデータ本体を読み込む場合に、ページ情報をオフセットとして用いて、絶対アドレスを参照するように構成することも可能である。
【0066】
また、上記例では、フラグ情報をインクリメントさせるように構成したが、図5に示すように、フラグ情報をシフトさせながら、順番にページ情報が記憶されている領域をアクセスするように構成することも可能である。
【0067】
また、フラグ情報、ページ情報、第nページの情報であるページnの情報をアドレスによって相互に参照するようにすることで、本願の構成を実現することも可能である。
【0068】
次に図6に図5の処理手順についてフローチャートを用いて説明する。
【0069】
ステップS21において、CPU部22は、フラグ情報を取得する。そしてフラグ情報に対応する位置からページ情報を取得する。
【0070】
ステップS22において、CPU部22は、ページ情報のアドレスを示すページ値から、記憶部23に記憶されている該当するページのデータ本体を取得する。
【0071】
ステップS23において、CPU部22は、フラグ情報をインクリメントさせて、フラグ情報が参照するページ情報を次のページのデータが記憶されているページ情報を参照するようにする。
【0072】
ステップS24において、CPU部22は、ステップS22において取得したデータを表示制御部21に転送し、データを取得した表示制御部21が表示部10にデータを表示する。
【0073】
このようにして、CPU部22は、記憶部23に記憶されているフラグ情報、ページ情報、第nページの情報であるページnの情報を対応付けて、表示制御部21にデータを表示部10に表示させる。
【0074】
[処理手順]
ここで、本発明を適用した場合において実現され得る、表示装置100全体の具体的な処理手順について、図2〜図3に示すフローチャートを参照して説明する。なお、以下に示す処理手順は、一例であってこれ以外にも実現され得る処理手順は無数に存在する。
【0075】
(第1実施形態)
なお、図2の手順は、本発明に係る表示装置100において、発電素子をユーザの手などで覆うことによって電力供給を停止し、カード内のCPU部22がリセットする毎に表示するデータの切り替え処理を行って、表示部10に表示するデータを切り替える機能を発揮するための処理手順である。
【0076】
ステップS1において、電圧検出部31は発電素子が発電して電圧が発生しているかを検出する。発電素子が発電している場合(ステップS1:YES)には、ステップS8に進む。発電素子が発電していない場合(ステップS1:NO)には、ステップS2に進む。
【0077】
ステップS2において、発電素子が発電しておらずCPU部22に電圧が供給されない場合、すなわち発電素子のパネルの全面をユーザが指、手などで覆っている場合(図4(B)、(D)、(F)参照)には、CPU部22は停止する。
【0078】
ステップS3において、発電素子が発電しておらず電圧が供給されない場合には、表示制御部21も停止し、表示部10の表示が消える。
【0079】
ステップS4において、電圧検出部31は発電素子が発電して電圧が発生しているかを検出する。発電素子が発電している場合(ステップS4:YES)には、ステップS5に進む。発電素子が発電していない場合(ステップS4:NO)には、発電素子が発電を開始するまでステップS4を繰り返す。
【0080】
ステップS5において、発電素子が発電を開始して電圧が供給されるので、すなわち発電素子パネルを覆っていたユーザが指、手を発電素子パネルから離した場合(図4(A)、(C)、(E)参照)には、CPU部22が動作を開始する。
【0081】
ステップS6において、CPU部22は記憶部23に記憶されているフラグ情報を読み出し、フラグ情報に対応するページ情報、すなわちページ値を読み出す(図5参照)。
【0082】
例えば、フラグ情報が1つずつインクリメントされ、インクリメントされたフラグ値に対応するアドレスにページ情報としてのページ値が記憶されている。ページ値は一例として、ページ情報に対応するデータが記憶されている領域の開始アドレスである。
【0083】
ステップS7において、CPU部22は記憶部23に記憶されているページ値から、そのページ情報に対応するデータが記憶されている領域からデータを呼び出す。
【0084】
その後、CPU部22はフラグ情報を1つインクリメントしてフラグ情報を書き変える。なお、フラグ情報に対応するページ情報が存在しない場合には、CPU部22はフラグ情報を、最初に表示部10に表示されるべき情報に対応したページ情報に対応する値、例えば1ページを示す「1」に設定する。
【0085】
ステップS8において、ステップS7において、呼び出されたデータがCPU部22から表示制御部21に渡され、表示制御部21はCPU部22から渡されたデータに基づいて、表示部10にデータを表示する。
【0086】
このようにして、発電素子をユーザの指、手などで覆うことによって電力供給を停止し、カード内のCPU部22がリセットする毎に表示するデータの切り替え処理を行うことが可能になる。
【0087】
(第2実施形態)
次に、図3の処理手順について説明する。
【0088】
図3の手順は、本発明に係る表示装置において、ユーザが指、手などで発電素子の一部を覆い隠すことによって発電素子が発生する電圧がある一定の値を下回ると、CPU部22が記憶部23から次に表示するページ情報を呼び出し、そのページ情報に対応するページ内容データをCPU部22が記憶部23から呼び出し、表示制御部21が表示部10にページデータを表示し、また、発電素子からの電力供給が全く無くなりCPU部22がリセットされる場合には、CPU部22は初期ページの内容データを記憶部23から呼び出して表示部10に表示する機能を発揮するための処理手順である。
【0089】
ステップS11において、電圧検出部31は発電素子が発電して電圧が発生しているかを検出する。発電素子が発電している場合(ステップS11:YES)には、ステップS15に進む。発電素子が発電していない場合(ステップS11:NO)には、ステップS12に進む。
【0090】
ステップS12において、発電素子が発電しておらずCPU部22に電圧が供給されない場合、すなわち発電素子のパネルの全部をユーザが指、手などで覆っている場合には、CPU部22は停止する。また、表示制御部21も停止し、表示部10の表示が消える。
【0091】
ステップS13において、電圧検出部31は発電素子が発電して電圧が発生しているかを検出する。発電素子が発電している場合(ステップS13:YES)には、ステップS14に進む。発電素子が発電していない場合(ステップS14:NO)には、発電素子が発電を開始するまで、すなわちユーザが発電素子のパネルから指、手などを離すまでステップS13を繰り返す。
【0092】
ステップS14において、CPU部22はフラグ情報を、最初に表示部10に表示されるべき情報に対応したページ情報に対応する値、例えば1ページを示す「1」に設定する。CPU部22はフラグ情報に対応するページ情報、すなわち開始アドレスから記憶部23に記憶されている1ページ目のデータを取得する。このようにしてフラグ値「1」、に対応する1ページ目のデータを記憶部23から呼び出す。
【0093】
ステップS15において、電圧検出部31は発電素子が発電している電圧が所定の電圧以上であるかを検出する。発電素子が発電している電圧が所定の電圧以上である場合(ステップS15:YES)には、ステップS18に進む。発電素子が発電している電圧が所定の電圧未満である場合(ステップS15:NO)には、ステップS16に進む。
【0094】
ここで、所定の電圧とは、第2電圧であり、ICの特性によって変化するが、CPU部22が処理を続行するために必要な最低電圧の+10%程度の値が一例として挙げられる。
【0095】
ステップS16において、CPU部22は記憶部23に記憶されているフラグ情報を読み出し、フラグ情報に対応するページ情報、すなわちページ値を読み出す。
【0096】
ステップS17において、CPU部22は記憶部23に記憶されているページ値から、そのページ情報に対応するデータが記憶されているデータを記憶部23から取得する。
【0097】
その後、CPU部22はフラグ情報を1つインクリメントしてフラグ情報を書き変える。なお、フラグ情報に対応するページ情報が存在しない場合には、CPU部22はフラグ情報を、最初に表示部10に表示されるべき情報に対応したページ情報に対応する値、例えば1ページを示す「1」に設定する。
【0098】
ステップS18において、呼び出されたデータがCPU部22から表示制御部21に渡され、表示制御部21はCPU部22から渡されたデータに基づいて、表示部10にデータを表示する。
【0099】
このようにして、ユーザが指、手などで発電素子の一部を覆い隠すなどして、電圧がある一定の値を下回ると、CPU部22が記憶部23から次に表示するページ情報を呼び出し、そのページ情報に対応するページ内容データを記憶部23から呼び出して表示制御部21が表示部10にページ内容データを表示し、発電素子からの電力供給が完全に無くなりCPU部22がリセットされると、初期ページの内容データをCPU部22が記憶部23から呼び出しで表示制御部21が初期ページの内容データを表示部10に表示することが可能になる。
【0100】
[表示装置の使用例]
次に図4を用いて、図2の実施形態1に基づく表示部10の画面表示例の一例について表示装置100の使用例として説明する。
【0101】
図4(A)では、表示装置100の発電部30に外光が照射されて発電素子から起電力が発生し、表示装置100の表示部10に初期ページ、すなわちページAが表示されている状態が図示されている。表示装置100が起動してから最初にこの状態になる前に、CPU部22は記憶部23のフラグ情報に対応するページ値を参照して、すなわちページ値である1を参照して、参照されたページ値である1に対応するページAの情報であるページA情報を記憶部23から読み出して、表示部10に一度に表示されるページA情報を表示部10に表示する。ここで、フラグ情報は図5および図11に示すようにフラグ位置を示す。
【0102】
すなわち、フラグ情報が「1」に対応する第1ページの情報であるページAの情報(電子マネー残高)を、フラグ情報「1」に対応するページ情報を用いて記憶部23の記憶領域から読み出して、表示制御部21が、表示部10にページAを表示する(図4(A)参照)。その後、記憶部23のフラグ情報をインクリメントして書き換える。すなわち、CPU部22は、第1ページの情報であるページAの次の第2ページの情報であるページBを表示できるように、フラグ情報をインクリメントされた「2」に書き換える(図5(B)参照)。この一連の処理が終了した状態が図4(A)の状態である。
【0103】
図4(B)では、図4(A)の状態から、ユーザが次のページを見るために、ユーザの指または手等を使用して、発電部30を覆っている状態が図示されている。この場合にはCPU部22はリセットされ、CPU部22に電圧が供給されないので、表示装置100の表示部10には何も表示されない。
【0104】
図4(C)では、図4(B)の状態から、ユーザが次のページを見るために、発電部30を覆っていたユーザの指または手等を発電部30から離して、発電部30に外光が照射される状態にする。
【0105】
表示装置100の発電部30に外光が照射されて発電素子に再び起電力が発生して、CPU部22に電力が供給されるので、CPU部22は、図4(A)で書き換えられたフラグ情報「2」を記憶部23から呼び出して、フラグ情報が「2」に対応する第2ページの情報であるページB情報(鉄道乗車駅名、図5参照)を記憶部23から読み出して、表示制御部21が、表示部10にページBを表示する(図4(C))。それからCPU部22は、記憶部23のフラグ情報をインクリメントして書き換える。すなわち、第2ページの情報であるページBの次の第3ページの情報であるページCを表示制御部23が表示できるように、CPU部22はフラグ情報をインクリメントされた「3」に書き換える(図5(C)参照)。
【0106】
このように、ユーザが次のページを見ようとして、ユーザの指または手等を使用して、発電部30を覆ってCPU部22をリセットするたびに、表示部10に表示されるページ情報が次のページに切り替えられる。
【0107】
図4(D)では、図4(C)の状態から、ユーザが次のページを見るために、ユーザの指または手等を使用して、発電部30を覆っている状態が図示されている。この場合にもCPU部22はリセットされ、CPU部22に電圧が供給されないので、表示装置100の表示部10には何も表示されない。
【0108】
図4(E)では、図4(D)の状態から、ユーザが次のページを見るために、発電部30を覆っていたユーザの指または手等を発電部30から離して、発電部30に外光が照射される状態にする。
【0109】
表示装置100の発電部30に外光が照射されて発電素子に再び起電力が発生して、CPU部22に電力が供給されるので、CPU部22は、図4(C)で書き換えられたフラグ情報「3」を記憶部23から呼び出して、フラグ情報が「3」に対応する第3ページの情報であるページCのページ情報(鉄道定期期間、図5(C)参照)を記憶部23から読み出して、表示制御部21が、表示部10にページCを表示する。
【0110】
その後、CPU部22は、記憶部23のフラグ情報をインクリメントして書き換える。図4(D)のフラグ情報は図4(C)でインクリメントされた「3」であるので、フラグ情報をインクリメントすると「4」となるが、フラグ情報「4」に対応するページ情報が存在しないので、CPU部22はフラグ情報を、最初に表示部10に表示されるべき情報に対応したページ情報、すなわちページAの情報(電子マネー残高)、に対応する値、すなわちフラグ情報を「1」に設定する(図5(A)参照)。
【0111】
図4(F)では、図4(E)の状態からユーザが次のページを見るために、ユーザの指または手等を使用して、発電部30を覆っている状態が図示されている。この場合にCPU部22には電圧が供給されないので、表示装置100の表示部10には何も表示されない。すなわち、表示装置100がリセットされる。
【0112】
図4(F)の状態からユーザが次のページを見るために、発電部30を覆っていたユーザの指または手等を発電部30から離して、発電部30に外光が照射される状態にする(図4(A)参照)。
【0113】
表示装置100の発電部30に外光が照射されて発電素子に再び起電力が発生して、CPU部22に電力が供給されるので、CPU部22は、図4(E)で書き換えられたフラグ情報「1」を記憶部23から呼び出して、フラグ情報が「1」に対応する第1ページの情報(電子マネー残高、図5(A)参照)を記憶部23から読み出して、表示制御部21が、表示部10にページAを表示する。
【0114】
このように、図4に示すように発電素子をユーザの指、手などでほとんど覆い隠すことで、電力供給を停止し、CPU部22がリセットする。そしてCPU部22がリセットする毎に、表示部10に表示するデータの切り替え処理を行い、ページを切り替えることができる。表示するためのデータは、あらかじめICカード用チップ内の記憶部23にページ内容データとして書き込まれている。また、発電素子は一例として太陽電池であり、表示部10に表示するコンテンツの一例としては、電子マネー残高情報、鉄道乗車駅情報、鉄道定期区間情報、鉄道利用料金情報、アミューズメント施設用のカード情報などが挙げられる。
【0115】
次に図10を用いて、図3の実施形態2に基づく表示部10の画面表示例の一例について表示装置100の使用例として説明する。
【0116】
図10(A)では、図4(A)と同様に、表示装置100の発電部30に外光が照射されて発電素子から起電力が発生し、表示装置100の表示部10に初期ページ、すなわちページAが表示されている状態が図示されている。表示装置100が起動してから最初にこの状態になる前に、CPU部22は記憶部23のフラグ情報に対応するページ値を参照して、すなわちページ値である1を参照して、参照されたページ値である1に対応するページAの情報であるページA情報を記憶部23から読み出して、表示部10に一度に表示されるページA情報を表示部10に表示する。
【0117】
すなわち、フラグ情報が「1」に対応する第1ページの情報であるページAの情報(電子マネー残高)を、フラグ情報「1」に対応するページ情報を用いて記憶部23の記憶領域から読み出して、表示制御部21が、表示部10にページAを表示する(図10(A)参照)。その後、記憶部23のフラグ情報をインクリメントして書き換える。すなわち、CPU部22は、第1ページの情報であるページAの次の第2ページの情報であるページBを表示できるように、フラグ情報をインクリメントされた「2」に書き換える(図11(A)参照)。この一連の処理が終了した状態が図10(A)の状態である。
【0118】
図10(B)では、図10(A)の状態から、ユーザが次のページを見るために、ユーザの指または手等を使用して、発電部30の一部を覆っている状態が図示されている。
【0119】
この場合にはCPU部22に供給される電圧は少し低下するが、CPU部22がリセットされることはないので、表示装置100の表示部10にはページAの情報(電子マネー残高)が図10(A)と同様に引き続き表示される。すなわち、電圧検出部31は第1電圧と第2電圧との間の電圧を検出する(図10(B))。
【0120】
図4(C)では、図4(B)の状態から、ユーザが次のページを見るために、発電部30の一部を覆っていたユーザの指または手等を発電部30から離して、発電部30に外光が照射される状態にする。
【0121】
すなわち、CPU部22は、電圧検出部31が第1電圧よりも高い第2電圧を超える電圧を検出した(図10(A))後に、第1電圧と第2電圧との間の電圧を検出し(図10(B))、その後に第2電圧を超える電圧を検出する(図10(C))。この場合に、CPU部22は、記憶部23のフラグ情報に対応するページ情報を参照し、その後に前記フラグ情報をインクリメントし、インクリメントした前記フラグ情報に対応するページ情報が無い場合には、前記フラグ情報を最初に前記表示部10に表示されるべき情報に対応したページ情報に対応する値に設定する。
【0122】
すなわち、CPU部22は、図10(A)で書き換えられたフラグ情報「2」を記憶部23から呼び出して、フラグ情報が「2」に対応する第2ページの情報であるページB情報(鉄道乗車駅名、図11参照)を記憶部23から読み出して、表示制御部21が、表示部10にページBを表示する(図10(C))。それからCPU部22は、記憶部23のフラグ情報をインクリメントして書き換える。すなわち、第2ページの情報であるページBの次の第3ページの情報であるページCを表示制御部23が表示できるように、CPU部22はフラグ情報をインクリメントされた「3」に書き換える(図11(B)参照)。
【0123】
このように表示装置の太陽電池のパネル面の一部をユーザが指または手などを使用して外光から遮ることで、太陽電池から発生する電圧が少し低下(第1電圧と第2電圧との間)した後に、ユーザが表示装置の太陽電池のパネル面からユーザの指または手を離すと、表示部10に表示される情報が次のページに切り替えられる。
【0124】
図10(D)では、図10(C)の状態から、ユーザが最初のページを見るために、ユーザの指または手等を使用して、発電部30を覆っている状態が図示されている。この場合にもCPU部22はリセットされ、CPU部22に電圧が供給されないので、表示部10の表示部10には何も表示されない。
【0125】
図10(E)では、図10(D)の状態から、ユーザが最初のページを見るために、発電部30を覆っていたユーザの指または手等を発電部30から離して、発電部30に外光が照射される状態にする。
【0126】
表示装置100の発電部30に外光が照射されて発電素子に再び起電力が発生して、CPU部22に電力が供給されるので、CPU部22が動作を開始する場合に、フラグ情報を最初に表示部10に表示されるべきページAの情報に対応するページ値を1に設定してから、記憶部23のフラグ情報に対応するページ情報を参照する。すなわち、ページ値1に対応するページAの情報であるページA情報を記憶部23から読み出して、表示部10に一度に表示されるページA情報(電子マネー残高、図11参照)を表示部10に表示する(図10(E))。
【0127】
ページA情報を表示部10に表示した後に、前記フラグ情報をインクリメントし、ページ値を2に設定する(図11(C))。インクリメントしたフラグ情報に対応するページ情報が無い場合には、フラグ情報を最初に表示部10に表示されるべき情報に対応したページ情報に対応する値、すなわちページ値を1に設定する機能を有する。
【0128】
図10(F)では、図10(E)の状態から、ユーザが最初のページを見るために、ユーザの指または手等を使用して、発電部30を覆っている状態が図示されている。この場合にもCPU部22はリセットされ、CPU部22に電圧が供給されないので、表示部10の表示部10には何も表示されない。
【0129】
図10(A)では、表示装置100の発電部30に外光が照射されて発電素子から起電力が発生し、表示装置100の表示部10に初期ページ、すなわちページA情報(電子マネー残高、図11参照)が表示されている状態が図示されている。
【0130】
図10(E)と同様に、表示装置100の発電部30に外光が照射されて発電素子に再び起電力が発生して、CPU部22に電力が供給されるので、CPU部22が動作を開始する場合に、フラグ情報を最初に表示部10に表示されるべきページAの情報に対応するページ値を1に設定してから、記憶部23のフラグ情報に対応するページ情報を参照する。すなわち、ページ値1に対応するページAの情報であるページA情報を記憶部23から読み出して、表示部10に一度に表示されるページA情報を表示部10に表示する(図10(A))。そして、ページA情報を表示部10に表示した後に、前記フラグ情報をインクリメントし、ページ値を2に設定する(図11(A))。インクリメントしたフラグ情報に対応するページ情報が無い場合には、フラグ情報を最初に表示部10に表示されるべき情報に対応したページ情報に対応する値、すなわちページ値を1に設定する機能を有する。
【0131】
このように、第2の実施形態を説明する図11では、ユーザが発電素子をユーザの指、手などでほとんど覆い隠すことで、電力供給を停止し、CPU部22がリセットする。そしてCPU部22がリセットする毎に、表示部10に最初のページを表示する。また、発電素子をユーザの指、手などで一部を覆い隠すことによって太陽電池から発生する電圧が少し低下(第1電圧と第2電圧との間)した後に、ユーザが表示装置の太陽電池のパネル面からユーザの指または手を離すと、表示部10に表示される情報が次のページに切り替えられる。発電素子は一例として太陽電池であり、表示部10に表示するコンテンツの一例としては、電子マネー残高情報、鉄道乗車駅情報、鉄道定期区間情報、鉄道利用料金情報、アミューズメント施設用のカード情報などが挙げられる。
【0132】
[表示装置の表示例]
次に表示装置100の表示部10に表示されるデータの具体例について説明する。
【0133】
図7は、表示部10に表示されるさまざまなデータを示している。
【0134】
最初に、図7を図2および図4の実施形態1に基づいて説明する。
【0135】
図7(A)は図4(A)のページA(図2のページ1)の電子マネーの残高が表示部10に表示されている状態を示す。
【0136】
図7(A)の表示部10には、電子マネー残高が¥18900であることが表示される。このように、他の電子情報処理装置を表示装置100に接続することなく、ユーザはICカードの記憶部23に記憶されている電子マネーの残高を、表示部10を介して容易に確認することができる。
【0137】
次に、ユーザが図7(A)の発電素子を指や手などを使用して覆い隠すと、図7(B)のように表示される。
【0138】
図7(B)は図4(C)のページBの鉄道乗車駅情報が表示部10に表示されている状態を示す。
【0139】
図7(B)の表示部10には、ユーザが乗車した駅名である「新宿」、乗車駅であることを示す「IN」、ユーザが「新宿」駅で乗車した日付「22年10月19日」が表示される。このように、図7(A)の表示画面から、発電素子を覆い隠すだけで次の情報が表示されるべき画面を容易に確認することができる。
【0140】
次に、ユーザが図7(B)の発電素子を指や手などを使用して覆い隠すと、図7(C)のように表示される。
【0141】
図7(C)は図4(E)のページCの鉄道定期区間が表示部10に表示されている状態を示す。
【0142】
図7(C)の表示部10には、ユーザが定期券を購入している区間である「東京-品川」が表示されるとともに、定期券の期限日を示す「23年4月10日」が表示される。このように、図7(B)の表示画面から、発電素子を覆い隠すだけで次の情報が表示されるべき画面を容易に確認することができる。
【0143】
なお、図7(C)の画面において、ユーザが発電素子を指や手などを使用して覆い隠した後に、覆い隠した指や手などを取り除くと、表示部10は図7(A)のように表示される。
【0144】
また、図7(A)→図7(B)→図7(C)→図7(A)への変化は、ユーザが発電素子の一部を指や手などを使用して覆い隠すことによっても変化させることができる(図3の第2実施形態)。この場合には、ユーザが発電素子の全体を指や手などを使用して覆い隠した後に、覆い隠した指や手などを取り除くと、表示部10は図7(B)→図7(A)(第一実施形態では図7(A)ではなく図7(C)が表示される)、図7(C)→図7(A)、図7(A)→図7(A)(第一実施形態では次に表示される画面は図7(A)ではなく図7(B)である)のように、第1ページである電子マネーの残高が表示される。
【0145】
なお、表示部10の大きさおよび形状は任意に設定することが可能である。
【0146】
次に表示部10に表示されるデータの別の実施形態について図8を用いて説明する。
【0147】
図8が、図7(A)と異なる点は、表示部10に現在表示されている情報が何ページの情報であるかを示していることである。図8では、現在表示されている「電子マネーの残高」が1ページ目であることが分かるように「情報1」と表示されている。「鉄道乗車駅情報」が表示される場合には、2ページ目であることが分かるように「情報2」と表示され、「鉄道定期区間」が表示される場合には、3ページ目であることが分かるように「情報3」と表示される。
【0148】
このようにユーザが予め現在表示されている情報のページ数を知ることで、次のページに何が表示されるかを予測し、または、使用中にページ数と表示情報との対応付けを学習し、ユーザが表示させようとしている情報に早くたどりつくことが可能になる。
【0149】
次に表示部10に表示されるデータの別の実施形態について図9を用いて説明する。
【0150】
これまでは、表示装置100は主にICカードに使用されることを想定して説明してきたが、本願はこれに限定されるものではなく、電子書籍のページ送りにも適用することが可能である。この場合にも、表示部10の大きさおよび形状は任意に設定することが可能である。
【0151】
図9は、表示装置100として電子書籍表示端末へ応用した場合の表示部10での表示画面の一例を示した図である。
【0152】
図9では、電子書籍表示端末としての表示装置100の表示部10に、電子書籍の文章が縦方向に表示される。また、表示部10の右上の隅に現在表示されているページが全体の何ページ目に該当するか示すページ情報が表示される。図9に表示されている文章は合計で20ページある電子書籍の1ページ目であるので、「1/20」と表示され、ユーザは現在表示されているページを容易に確認することができる。
【0153】
このように表示装置100を電子書籍表示端末として使用した場合には、表示装置100を、ネットワークを介したデータベースまたはサーバ装置と接続するように構成することができる。
【0154】
また、上記実施形態においては、表示装置100に発電素子を1つ備える場合について説明してきたが、本願はこれに限定されるわけではなく、表示装置100には複数の発電素子が備えられてもよい。
【0155】
複数の発電素子が備えられる場合には、発電素子は表示装置100において隣接して備えられ、または、表示装置100の両端に離れて備えられてもよい。また、発電部30における発電量は、複数の発電素子の総発電量とすることができる。
【0156】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変更が可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0157】
10…表示部
20…制御部
21…表示制御部
22…CPU部
23…記憶部
30…発電部
31…電圧検出部
40…電力供給部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の情報を表示する発電素子を備える表示装置であって、
前記複数の情報のいずれかを表示する表示手段と、
前記表示手段に一度に表示される情報毎にページ情報と対応させて前記複数の情報を記憶し、ページ情報とフラグ情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記表示装置に供給される電圧が低下して前記表示装置がリセットされた後に、前記記憶手段のフラグ情報に対応するページ情報を参照する演算手段と、
前記演算手段によって参照された前記ページ情報から前記ページ情報に対応する、前記表示手段に一度に表示される情報を前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段と、を備え、
前記演算手段は、前記記憶手段のフラグ情報に対応するページ情報を参照した後に、フラグ情報を設定することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
前記演算手段は、前記表示装置に供給される電圧が低下して前記表示装置がリセットされた後に、前記表示装置に電圧が印加されて演算手段が動作を開始する場合に前記記憶手段のフラグ情報に対応するページ情報を参照し、その後に、前記フラグ情報をインクリメントし、インクリメントした前記フラグ情報に対応するページ情報が無い場合には、前記フラグ情報を最初に前記表示手段に表示されるべき情報に対応したページ情報に対応する値に設定することを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の表示装置において、
前記演算手段は、前記表示装置に供給される電圧が低下して前記表示装置がリセットされた後に、前記表示装置に電圧が印加されて演算手段が動作を開始する場合に、フラグ情報を最初に前記表示手段に表示されるべき情報に対応したページ情報に対応する値に設定してから、前記記憶手段のフラグ情報に対応するページ情報を参照し、その後に前記フラグ情報をインクリメントし、インクリメントした前記フラグ情報に対応するページ情報が無い場合には、前記フラグ情報を最初に前記表示手段に表示されるべき情報に対応したページ情報に対応する値に設定することを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の表示装置において、
前記発電素子が発生する発電電圧を検出する電圧検出手段をさらに備え、
前記電圧検出手段が第1電圧よりも高い第2電圧を超える電圧を検出した後に、前記第1電圧と前記第2電圧との間の電圧を検出し、その後に前記第2電圧を超える電圧を検出した場合に、前記演算手段は前記記憶手段のフラグ情報に対応するページ情報を参照し、前記フラグ情報をインクリメントし、インクリメントした前記フラグ情報に対応するページ情報が無い場合には、前記フラグ情報を最初に前記表示手段に表示されるべき情報に対応したページ情報に対応する値に設定することを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載の表示装置において、
前記第1電圧は、前記演算手段での動作が保証されている電圧以下の電圧であり、前記第2電圧は、前記演算手段での動作が保証されている電圧であることを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の表示装置において、
前記発電素子から発生した電圧は、電力供給手段に蓄電され、すくなくとも前記記憶手段と前記演算手段は前記電力供給手段に蓄電された電圧が供給されることを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の表示装置において、
前記発電素子は太陽電池であることを特徴とする表示装置。
【請求項8】
複数の情報を表示する発電素子を備える表示装置の制御方法であって、
前記複数の情報のいずれかを表示する表示工程と、
前記表示工程において一度に表示される情報毎にページ情報と対応させて前記複数の情報を記憶し、ページ情報とフラグ情報とを対応付けて記憶する記憶工程と、
前記表示装置に供給される電圧が低下して前記表示装置がリセットされた後に、前記記憶部のフラグ情報に対応するページ情報を参照する演算工程と、
前記演算工程において参照された前記ページ情報から前記ページ情報に対応する、前記表示工程において一度に表示される情報を前記表示工程において表示するように制御する表示制御工程と、を備え、
前記演算工程において、前記表示装置がリセットされ、前記記憶工程におけるフラグ情報に対応するページ情報を参照した後に、フラグ情報を設定することを特徴とする表示装置の制御方法。
【請求項9】
複数の情報を表示する発電素子を備える表示装置に含まれるコンピュータを、
前記複数の情報のいずれかを表示する表示手段、
前記表示手段に一度に表示される情報毎にページ情報と対応させて前記複数の情報を記憶し、ページ情報とフラグ情報とを対応付けて記憶する記憶手段、
前記表示装置に供給される電圧が低下して前記表示装置がリセットされた後に、前記記憶手段のフラグ情報に対応するページ情報を参照する演算手段、
前記演算手段によって参照された前記ページ情報から前記ページ情報に対応する、前記表示手段に一度に表示される情報を前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段として機能させ、
前記演算手段は、前記表示装置がリセットされ、前記記憶手段のフラグ情報に対応するページ情報を参照した後に、フラグ情報を設定する機能を発揮することを特徴とする表示装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−155084(P2012−155084A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−13140(P2011−13140)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】