説明

表示装置およびその電力制御用プログラム

【課題】消費電力の低減とユーザの利便性とを両立させることが可能な表示装置およびその電力制御用プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】画面上に情報を表示するためのLCD70と、LCD70背面側から光を照射してLCD70を照明するバックライト装置と、バックライト装置の点灯を制御するパワーマネージャ14cとを備え、バックライト装置は複数のブロックに分割された光源を備えており、パワーマネージャ14cは、各ブロックの光源の第1の点灯、第1の点灯より輝度の低い第2の点灯、および消灯を個別に制御して、各ブロックに対応するLCD70の第1〜第3の領域A1〜A3を第1の点灯、第2の点灯、または消灯させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置およびその電力制御用プログラムに関し、詳細には、ユーザの利便性と消費電力低減を両立させることが可能な表示装置およびその電力制御用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶を用いたLCD(Liquid Crystal Display)画面を利用して表示をおこなう表示装置は、小型化が容易であるなど、多くの利点を有するので、技術的進歩に伴って、近年、急速に普及している。これらの液晶表示装置においては、表示画面の背面から照明を行うバックライト装置が必要となる。かかるバックライト装置としては、例えば、蛍光管を利用したものが挙げられるが、特に小型化及び薄型化を図る必要がある場合には、LED、EL(Electronic Luminescence )素子が利用されている。
【0003】
バックライト装置では、省電力の要求が高く、各種の省電力技術が提案されている。例えば、特許文献1では、液晶表示部とバックライト光源を備える画像表示装置において、バックライト光源の消費電力を低減するために、光源制御部は、所定の光源体のみを点灯させて液晶表示部の所定の範囲のみを照射するとともに、表示制御部は照射範囲に対応する範囲のみに画像を表示する技術が提案されている。
【0004】
また、特許文献2では、画面を背面側から照明する照明装置の電力消費を抑えるために、表示・バックライト制御部の制御に基づいて、バックライト装置の3分割された各光源のうち、上方に液晶表示パネル(LCD)の有効表示領域(ウィンドウ)が存在する光源だけを点灯させることにより、バックライト装置の電力消費を抑える技術が提案されている。
【0005】
また、特許文献3では、LCDの背面にマトリクス上に配置された複数の照明装置の点灯及び消灯を制御するバックライト制御装置であって、CPUによって生成される表示情報に基づいて、LCD上に表示されるデータの表示位置をバックライト駆動装置によって特定し、この特定された位置に対応する照明装置のみを点灯させることにより、LCDにおいて表示が行われる部分のみに対して照明を行う技術が提案されている。
【0006】
【特許文献1】特開2001−21863号公報
【特許文献2】特開平9−288272公報
【特許文献3】特開平11−184442号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1〜3は、消費電力低減のために、バックライトを複数に分割して、所定の範囲のみを照射して、他の領域を消灯するものであるため、ユーザの使い勝手が悪いという問題がある。すなわち、上記特許文献1〜3では、消費電力低減のために、点灯および消灯の2段階でバックライトを制御していたため、ユーザが使用しているウィンドウ(アクティブウィンドウ)は点灯しているが、画面上の他の領域は消灯しているので、使用しているウィンドウ以外の画面上に表示される他の情報を簡単に確認することができず、ユーザの使い勝手が悪いという問題がある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、消費電力の低減とユーザの利便性とを両立させることが可能な表示装置およびその電力制御用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、画面上に情報を表示するための表示パネルと、前記表示パネルの背面側から光を照射して当該表示パネルを照明する照明手段と、前記照明手段の点灯を制御する制御手段と、を備え、前記照明手段は、複数のブロックに分割された光源を備えており、前記制御手段は、各ブロックの光源の第1の点灯、前記第1の点灯より輝度の低い第2の点灯、および消灯を個別に制御して、各ブロックに対応する表示パネルの各領域を第1の点灯、第2の点灯、または消灯させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記制御手段は、画面上で位置指示を与える位置指示手段が、前記表示パネルの第1の点灯領域から消灯領域に移動した場合には、当該消灯領域が第2の点灯となるように前記照明手段を制御することが望ましい。
【0011】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記制御手段は、画面上で位置指示を与える位置指示手段が、前記表示パネルの第2の点灯領域から第1の点灯領域に移動した場合には、当該第2の点灯領域が消灯となるように前記照明手段を制御することが望ましい。
【0012】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記制御手段は、前記画面上のアクティブウィンドウのサイズを、点灯する領域のサイズに変更した後、アクティブウィンドウ以外の領域を第2の点灯または消灯することが望ましい。
【0013】
また、本発明の好ましい態様によれば、バッテリの残量を検知するバッテリ残量検知手段を備え、前記バッテリ駆動時に、前記バッテリの残量に基づいて、前記表示パネルの第1の点灯をする領域のサイズを変更することが望ましい。
【0014】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記照明手段は、光を発するライン型LEDモジュールと、前記ライン型LEDモジュールから発せられた光を反射させる反射板とで構成されることが望ましい。
【0015】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、画面上に情報を表示するための表示パネルと、複数のブロックに分割された光源を有し、前記表示パネルの背面側から光を照射して当該表示パネルを照明する照明手段と、を備えた表示装置に搭載される電力制御用プログラムにおいて、前記照明手段の各ブロックの光源の第1の点灯、前記第1の点灯より輝度の低い第2の点灯、および消灯を個別に制御して、各ブロックに対応する表示パネルの各領域を第1の点灯、第2の点灯、または消灯させる工程をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、画面上に情報を表示するための表示パネルと、前記表示パネルの背面側から光を照射して当該表示パネルを照明する照明手段と、前記照明手段の点灯を制御する制御手段と、を備え、前記照明手段は、複数のブロックに分割された光源を備えており、前記制御手段は、各ブロックの光源の第1の点灯、前記第1の点灯より輝度の低い第2の点灯、および消灯を個別に制御して、各ブロックに対応する表示パネルの各領域を第1の点灯、第2の点灯、または消灯させることとしたので、消費電力の低減とユーザの利便性とを両立させることが可能な表示装置を提供することが可能になるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるものまたは実質的に同一のものが含まれる。
【実施例】
【0018】
図1は、本発明にかかる表示装置をバッテリ駆動型のノートパソコンに適用した場合の概略のハードウェア構成例を示す図である。実施例1に係る表示装置は、同図に示すように、CPU11、ROM12、RAM13、HDD(ハードディスク)14、ディスプレイ15、光学ドライブ装置16、ネットワークカード17、入力部18、USBポート19、バッテリ20、パワーコントローラ21、DC−DCコンバータ22、およびACアダプタ23等を備えており、各部はバスを介して接続されている。
【0019】
CPU11は、バスを介して接続されたHDD14に格納されたマルチタスクOS14aによりノート型パソコン全体の制御を行うとともに、HDD14に格納された各種のプログラムに基づいて処理を実行する機能を司る。ROM12は、BIOS12aやデータ等を格納している。RAM13は、CPU11による各種プログラムの実行時にワークエリアとして利用されるメモリ機能を有している。
【0020】
ネットワークカード17は、インターネット等のネットワークに接続してデータ通信を行ったり、赤外線で他の機器と通信する機能を司る。
【0021】
入力部18は、ユーザが入力操作を行うためのユーザインターフェースであり、文字、コマンド等を入力する各種キーより構成されるキーボードや、画面上のカーソルを移動させたり、各種メニューを選択するマウスおよびスライスパッドを備えている。
【0022】
HDD(ハードディスク)14は、例えば、Windows(R)等のノート型パソコン全体の制御を行うためのマルチタスクOS(マルチウィンドウOS)14a、各種ドライバ14b、消費電力を制御するパワーマネージャ14c、各種アプリケーションプログラム14d等を記憶する機能を有している。
【0023】
ACアダプタ23は、商用電源に接続して、AC電圧をDC電圧に変換してDC−DCコンバータ22に出力する。DC−DCコンバータ22は、ACアダプタ23から供給されるDC電圧を所定の電圧に変換して各部に電力を供給し、また、バッテリ20の充電を行う。バッテリ20は、DC−DCコンバータ22により充電され、充電した電圧を各部に供給する。パワーコントローラ21は、バッテリ20およびDC−DCコンバータ22の動作を制御する。パワーコントローラ21は、パワーマネージャ14cからバッテリ20のバッテリ残量の計測要求を受け付けると、バッテリ20のバッテリ残量を計測して、計測結果をパワーマネージャ14cに出力する。バッテリ20は、ACアダプタ23が商用電源に接続されていない場合に使用される。
【0024】
表示ユニット16は、バックライトコントローラ30、第1〜第3のLEDC(第1〜第3のLEDコントローラ)40a〜40c、第1〜第3のLEDB(第1〜第3のLEDブロック)50a〜50c、LCDコントローラ60、LCD(液晶表示パネル)70等を備えている。
【0025】
LCD70は、透過型または半透過型であり、CPU11の制御に従って、各種情報を表示する機能を有している。LCDコントローラ60は、CPU11の制御に従って、LCD60の表示制御を行い、LCD60に各種情報を表示させる。
【0026】
バックライトコントローラ30,LEDコントローラで構成される第1〜第3のLEDC(第1〜第3のLEDコントローラ)40a〜40c、および第1〜第3のLEDB(第1〜第3のLEDブロック)50a〜50cは、バックライト装置を構成する。
【0027】
バックライトコントローラ30は、CPU(パワーマネージャ14c)11から入力される制御情報(第1、第2、第3のLEDB50a〜50cの全灯、減灯、および消灯の指示)に基づいて、第1〜第3のLEDC40a〜40cを制御して、第1、第2、第3のLEDB50a〜50cの全灯(第1の点灯)、減灯(第2の点灯)、消灯を個別に制御する。第1〜第3のLEDC40a〜40cは、DC/DCコンバータ22から供給される直流電圧を約20V〜40Vの直流電圧に変換して、第1、第2、第3のLEDB50a〜50cにそれぞれ出力する。
【0028】
上記CPU11が、HDD14に格納されるパワーマネージャ14cを読み出して実行することにより実現される機能について図3〜図7−2を参照しながら説明する。CPU11が、パワーマネージャ14cを実行することにより、制御手段およびバッテリ残量検出手段として機能する。以下の説明では、CPU11がパワーマネージャ14cを実行することにより実現される機能について、パワーマネージャ14cを動作主体として説明する。
【0029】
パワーマネージャ14cは、バックライトコントローラ30に、制御情報(第1、第2、第3のLEDB50a〜50cの全灯、減灯、および消灯の指示)を出力して、第1、第2、第3のLEDB50a〜50cの全灯(第1の点灯)、減灯(第2の点灯)、消灯を個別に制御する。また、パワーマネージャ14cは、後述する第1の省電力処理(図3〜図4−2参照)および第2の省電力処理(図5〜図7−2参照)を実行する。第1の省電力処理では、省電力モードにおいて、画面上のアクティブウィンドウのサイズおよび位置を、点灯する領域のサイズおよび位置に変更した後、アクティブウィンドウ以外の領域を減灯または消灯させる。第2の省電力処理では、バッテリ駆動時に、マウスカーソル(位置指示手段)がLCD70の減灯領域から全灯領域に移動した場合には、当該減灯領域を消灯にする一方、全灯領域から消灯領域に移動した場合には、当該消灯領域を減灯とし、また、バッテリ残量に応じて、全灯領域の大きさを変更する。
【0030】
図2は、表示ユニット16の構成を説明するための模式図である。第1、第2、第3のLEDB50a〜50bは、ライン型LEDモジュールで構成されている。本実施例では、このライン型LEDモジュールを複数(3つ)のブロックに分割して、第1〜第3のLEDB50a〜50bを形成している。第1、第2、第3のLEDB50a〜50bは、LCD70の背面側下方に配置されており、第1、第2、第3のLEDB50a〜50bから発せられる光を、LCD70に配置された反射板(不図示)で反射して、背面側からLCD70の全面を照光する。また、LCD70の第1〜第3の領域A1〜A3は、それぞれ、第1〜第3のLEDB50a〜50bと反射板により照光される。一般的に、ライン型LEDモジュールは、約40〜60個のLEDが横一列に並ぶため、LEDの個数分のブロックに分割可能である。本実施例では、3つのブロック(第1、第2、第3のLEDB50a〜50b)に分割している。ライン型LEDモジュールが、例えば50個のLEDが横一列に並んで構成される場合の第1〜第3の領域A1〜A3の分割比は、例えば、(例1)A1:A2:A3=30:10:10、(例2)A1:A2:A3=25:15:10、(例3)A1:A2:A3=25:10:15、(例4)A1:A2:A3=20:20:10とすることができる。本実施例では、図2に示すように、A1:A2:A3=25:10:15としている。
【0031】
したがって、パワーマネージャ14cは、第1〜第3のLEDB50a〜50bの全灯(第1の点灯)、減灯(第2の点灯)、および消灯を個別に制御することで、LCD70の第1の領域〜第3の領域A1〜A3を個別に全灯(第1の点灯)、減灯(第2の点灯)、および消灯させることができる。第1〜第3のLEDB50a〜50bは、例えば、0(暗)〜15(明)段階の輝度レベルの調整が可能となっており、第2の点灯は第1の点灯よりも輝度レベルが低くなっている。例えば、本実施例では、第1の点灯(全灯)は、ユーザが快適に表示画面を視認できる輝度レベル(例えば、「10」〜「15」)、第2の点灯(減灯)は、ユーザが表示画面を視認可能な程度の輝度レベル(例えば、「3」〜「5」)、消灯は、LEDがOFFの輝度レベル「0」としている。なお、本発明においては、全灯(第1の点灯)、減灯(第2の点灯)、および消灯の輝度レベルは、この実施例に限定されるものではない。
【0032】
つぎに、図3、図4−1および図4−2を参照して、パワーマネージャ14cが実行する第1の省電力処理を説明する。図3は、第1の省電力処理を説明するための説明図、図4−1および図4−2は、パワーマネージャ14cが実行する第1の省電力処理を説明するためのフローチャートである。
【0033】
図3において、100は、LCD70の画面上に矩形の有効表示領域として設定されるウィンドウ(アクティブウィンドウ)である。LCD70の画面上に設定できるウィンドウは複数であるが、操作の対象となるウィンドウは一つだけであり、操作の対象となるウィンドウはアクティブウィンドウと称される。アクティブウィンドウの選択は、マウスカーソルを移動して、対象となるウィンドウ上でマウスボタンを押下(クリック)することにより行うことができる。尚、このウィンドウは、マウスの操作によりその大きさを変更したり、移動することができる。
【0034】
同図において、D1は、通常モードでのLCD70の画面表示を示している。この通常モードでは、LCD70の全領域A1〜A3が全灯されている。この状態で省電力モードに移行した場合には、D2に示すように、アクティブウィンドウ100の位置と大きさを、全灯する領域の大きさに調整する。D2では、第1の領域A1および第2の領域A2を全灯、第3の領域A3を消灯させる場合を示しており、アクティブウィンドウ100を、第1の領域A1および第2の領域A2に対応した位置および大きさに変更する。この後、第3の領域A3を消灯させる(D3)。なお、ここでは、アクティブウィンドウ100の大きさおよび位置を調整した後に、消灯しているが、消灯させた後に、アクティブウィンドウ100の大きさおよび位置を調整することにしてもよい。D3に示す省電力モードが解除された場合には、第3領域A3の消灯を解除するとともに、アクティブウィンドウ100の位置および大きさを通常モードの状態に戻す(D1)。このように、アクティブウィンドウ100の位置および大きさを、点灯させる領域の位置および大きさに調整し、他の領域を消灯させることにより、ユーザの利便性(OSの機能)を損なうことなく、消費電力を低減させることができる。なお、ここでは、アクティブウィンドウ以外の領域を消灯させることとしたが、第2の点灯としてもよい。
【0035】
図4−1および図4−2に示すフローチャートを参照して、パワーマネージャ14cが実行する第1の省電力処理を具体的に説明する。図4−1において、まず、パワーマネージャ14cは、省電力モードであるか否かを判断する(ステップS11)。省電力モードではない場合には(ステップS11の「No」)、省電力モードに入る条件が成立しているか否かを判断する(ステップS12)。省電力モードに入る条件が成立していない場合には(ステップS12の「No」)、当該フローを終了する。省電力モードに入る条件が成立している場合には(ステップS12の「Yes」)、LCD70の第3の領域A3(図2参照)を消灯した後(ステップS13)、第2の領域A2の消灯条件が成立するか否かを判断する。
【0036】
第2の領域A2の消灯条件が成立しない場合には(ステップS14の「No」)、ステップS16に移行する一方、第2の領域A2の消灯条件が成立する場合には(ステップS14の「Yes」)、第2の領域A2を消灯した後(ステップS15)、ステップS16に移行する。ステップS16では、アクティブウィンドウの位置とサイズを第1の領域A1の位置およびサイズに変更し、また、マウスカーソルの位置を点灯領域の中央に配置した後、当該フローを終了する。
【0037】
他方、省電力モードである場合には(ステップS11の「Yes」)、省電力モードの解除の条件が成立しているか否かを判断する(図4−2のステップS21)。省電力モードの解除の条件が成立している場合には(ステップS21の「Yes」)、第2、第3の領域A2,A3を全灯させて、アクティブウィンドウのサイズを元に戻す(ステップS22)。
【0038】
他方、省電力モードの解除の条件が成立していない場合には(ステップS21の「No」)、第2の領域A2が減灯中であるか否かを判断する(ステップS31)。第2の領域A2が減灯中である場合には(ステップS31の「Yes」)、ステップS35に移行する。第2の領域A2が減灯中でない場合には(ステップS31の「No」)、第2の領域A2の消灯条件が成立しているか否かを判断する(ステップS32)。第2の領域A2の消灯条件が成立していない場合には(ステップS32の「No」)、ステップS35に移行する。第2の領域A2の消灯条件が成立している場合には(ステップS32の「Yes」)、第2の領域A2を消灯させた後(ステップS33)、アクティブウィンドウの位置とサイズを第1の領域A1のサイズに変更し、また、マウスカーソルの位置を点灯領域の中央に配置した後、ステップS35に移行する。
【0039】
ステップS35では、第2の領域A2の全灯条件が成立しているか否かを判断する。第2の領域A2の全灯条件が成立していない場合には(ステップS35の「No」)、ステップS38に移行する。第2の領域A2の全灯条件が成立している場合には(ステップS35の「Yes」)、第2の領域A2を全灯させた後(ステップS36)、アクティブウィンドウの位置とサイズを、第1および第2の領域A1、A2のサイズに変更し(ステップS37)、ステップS38に移行する。
【0040】
ステップS38では、第2の領域A2の減灯条件が成立するか否かを判断する。第2の領域A2の減灯条件が成立しない場合には(ステップS38の「No」)、ステップS40に移行する一方、第2の領域A2の減灯条件が成立する場合には(ステップS38の「Yes」)、第2の領域A2を減灯させた後(ステップS39)、ステップS40に移行する。ステップS40では、第3の領域A3の減灯条件が成立するか否かを判断する。第3の領域A3の減灯条件が成立しない場合には(ステップS40の「No」)、ステップS23に移行する一方、第3の領域A3の減灯条件が成立する場合には(ステップS40の「Yes」)、第3の領域A3を減灯させた後(ステップS41)、ステップS23に移行する。
【0041】
ステップS23では、第2の領域A2の消灯条件が成立するか否かを判断する。第2の領域A2の消灯条件が成立しない場合には(ステップS23の「No」)、ステップS25に移行する一方、第2の領域A2の消灯条件が成立する場合には(ステップS23の「Yes」)、第2の領域A2を消灯させた後(ステップS24)、ステップS25に移行する。ステップS25では、第3の領域A3の消灯条件が成立するか否かを判断する。第3の領域A3の消灯条件が成立しない場合には(ステップS25の「No」)、当該フローを終了する一方、第3の領域A3の消灯条件が成立する場合には(ステップS25の「Yes」)、第3の領域A3を消灯させた後(ステップS26)、当該フローを終了する。
【0042】
つぎに、図5〜図7−2を参照して、パワーマネージャ14cが実行する第2の省電力処理を説明する。図5および図6は、第2の省電力処理の一例を説明するための説明図、図7−1および図7−2は、パワーマネージャ14cが実行する第2の省電力処理を説明するためのフローチャートである。
【0043】
図5において、D4に示すように、第1,第2の領域A1が全灯、第3の領域3が消灯している場合において、マウスカーソルC1が点灯領域である第1,第2の領域A1,A2から消灯領域である第3の領域A3に移動した場合には、消灯領域である第3の領域A3を減灯させる(D5)。これにより、ユーザは、第3の領域A3に表示されている情報を視認可能となり、画面操作が可能となる。また、マウスカーソルC1が減灯領域である第3の領域A3から点灯領域である第1、第2の領域A1、A2に移動した場合には、消灯領域である第3の領域A3を消灯させる(D4)。このように、マウスカーソルC1の位置に応じて、消灯⇔減灯を変更することとしたので、ユーザの利便性(OSの機能)を損なうことなく、消費電力を低減させることができる。
【0044】
図6において、バッテリ動作中に、バッテリ残量が50%以上の場合には、第1〜第3の領域A1〜A3を全灯させて、フル画面表示を行う。バッテリ残量が25%以上で50%未満の場合には、第3の領域A3を消灯させて、画面サイズを4:3にする(D6)。バッテリ残量が25%未満の場合には、第2,第3の領域A2,A3を消灯させて、画面サイズを半分にする(D7)。このように、バッテリ残量に応じて、LCD70の点灯領域の大きさを変更することで、ユーザの利便性(OSの機能)を損なうことなく、消費電力を低減させることができる。なお、LCD70の消灯させる領域を、ユーザが選択可能な構成としてもよい。
【0045】
図7−1および図7−2に示すフローチャートを参照して、パワーマネージャ14cが実行する第2の省電力処理を具体的に説明する。図7−1において、まず、パワーマネージャ14cは、バッテリ20で動作中か否かを判断する(ステップS101)。バッテリで動作中でない場合には(ステップS101の「No」)、第2,3の領域A2,A3で消灯中若しくは減灯中の領域があるか否かを判断する(ステップS111)。第2,第3の領域A2,A3で、消灯中若しくは減灯中の領域がない場合には(ステップS111の「No」)、ステップS106に移行する一方、第2,第3の領域A2,A3で、消灯中若しくは減灯中の領域がある場合には(ステップS111の「Yes」)、第2、第3の領域A2,A3を全灯した後(ステップS112)、ステップS106に移行する。ステップS106では、T1秒待機した後、ステップS101に戻り、同一の処理を行う。
【0046】
他方、バッテリ20が動作中である場合には(ステップS101の「Yes」)、第2,3の領域A2,A3で1つ以上の領域が全灯中か否かを判断する(ステップS102)。第2,3の領域A2,A3で1つ以上の領域が全灯中である場合には(ステップS102の「Yes」)、パワーコントローラ21から現在のバッテリ残量を取得する(図7−2のステップS121)。そして、バッテリ残量が50%以上であるか否かを判断する(ステップS122)。バッテリ残量が50%以上である場合には(ステップS122の「Yes」)、図7−1のステップS103に移行する。
【0047】
バッテリの残量が50%以上でない場合には(ステップS122の「No」)、バッテリ残量が25%以上であるか否かを判断する(ステップS123)。バッテリ残量が25%以上である場合には(ステップS123の「Yes」)、第3の領域A3が全灯中であるか否かを判断する(ステップS124)。第3の領域A3が全灯中でない場合には(ステップS124の「No」)、図7−1のステップS103に移行する。また、第3の領域A3が全灯中である場合には(ステップS124の「Yes」)、第3の領域A3を消灯した後(ステップS126)、図7−1のステップS103に移行する。すなわち、バッテリ動作中において、バッテリ残量が25%以上で50%未満の場合には、第3の領域A3を消灯させて、画面サイズを4:3にする(上記図6参照)。
【0048】
バッテリ残量が25%以上でない場合には(ステップS123の「No」)、第2の領域A2が全灯中であるか否かを判断する(ステップS125)。第2の領域A2が全灯中でない場合には(ステップS125の「No」)、図7−1のステップS103に移行する。また、第2の領域A2が全灯中である場合には(ステップS125の「Yes」)、第2,第3の領域A2,A3を消灯した後(ステップS129)、図7−1のステップS103に移行する。すなわち、バッテリ動作中において、バッテリ残量が25%未満の場合には、第2,第3の領域A2,A3を消灯させて、画面サイズを半分にする(上記図6参照)。
【0049】
図7−1のステップS103では、マルチタスクOS14aから現在のマウスカーソルC1の位置を取得する。続いて、第2,第3の領域A2,A3が消灯中か否かを判断する(ステップS104)。第2,第3の領域A2,A3が消灯中でない場合には(ステップS104の「No」)、ステップS105に移行する。
【0050】
第2,第3の領域A2,A3が消灯中である場合には(ステップS104の「Yes」)、マウスカーソルC1の位置が第2、第3の領域A2、A3にあるか否かを判断する(ステップS141)。マウスカーソルC1の位置が第2、第3の領域A2,A3にない場合には(ステップS141の「No」)、ステップS105に移行する。また、マウスカーソルC1の位置が第2、第3の領域A2,A3にある場合には(ステップS141の「Yes」)、第2,第3の領域A2,A3を減灯した後(ステップS142)、ステップS105に移行する。すなわち、バッテリ動作中において、マウスカーソルC1が、LCD70の全灯領域から消灯領域に移動した場合には、当該消灯領域を減灯にして、ユーザに視認可能とし、ユーザが利用できるようにする(上記図5参照)。
【0051】
ステップS105では、第2,第3の領域A2,A3が減灯中か否かを判断する。第2,第3の領域A2,A3が減灯中でない場合には(ステップS105の「No」)、T1秒待機した後(ステップS106)、ステップS101に戻り、同一の処理を行う。
【0052】
第2,第3の領域A2,A3が減灯中である場合には(ステップS105の「Yes」)、マウスカーソルC1の位置が第1の領域A1にあるか否かを判断する(ステップS151)。マウスカーソルC1の位置が第1の領域A1にない場合には(ステップS151の「No」)、ステップS106に移行する。また、マウスカーソルC1の位置が第1の領域A1にある場合には(ステップS151の「Yes」)、第2,第3の領域A1を消灯した後(ステップS152)、ステップS106に移行する。すなわち、バッテリ動作中において、マウスカーソルC1がLCD70の減灯領域から全灯領域に移動した場合には、当該減灯領域を消灯にして、電力の消費を低減する。
【0053】
なお、上記した第1の省電力処理および第2の省電力処理は、組み合わせて実施することにしてもよいし、いずれか一方のみを実施することにしてもよい。
【0054】
以上説明したように、本実施例によれば、画面上に情報を表示するためのLCD70と、LCD70背面側から光を照射してLCD70を照明するバックライト装置と、バックライト装置の点灯を制御するパワーマネージャ14cとを備え、バックライト装置は複数のブロックに分割された光源を備えており、パワーマネージャ14cは、各ブロックの光源の第1の点灯、第1の点灯より輝度の低い第2の点灯、および消灯を個別に制御して、各ブロックに対応するLCD70の第1〜第3の領域A1〜A3を第1の点灯、第2の点灯、または消灯させることとしたので、消費電力の低減とユーザの利便性とを両立させることが可能となる。
【0055】
また、パワーマネージャ14cは、マウスカーソルC1がLCD70の第1の点灯領域から消灯領域に移動した場合には、当該消灯領域を第2の点灯とすることとしたので、ユーザが使用しているウィンドウ以外の画面上に表示される他の情報を簡単に確認することができ、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0056】
また、パワーマネージャ14cは、マウスカーソルC1がLCD70の第2の点灯領域から第1の点灯領域に移動した場合には、当該第2の点灯領域を消灯させることとしたので、消費電力を低減することが可能となる。
【0057】
また、パワーマネージャ14cは、LCD70上のアクティブウィンドウのサイズを、点灯する領域のサイズに変更した後、アクティブウィンドウ以外の領域を第2の点灯または消灯することとしたので、ユーザは大きなアクティブウィンドウを使用することができ、ユーザの操作性と消費電力の削減を両立させることが可能となる。
【0058】
また、パワーマネージャ14cは、バッテリ駆動時に、バッテリ残量に基づいて、LCD70の第1の点灯領域のサイズを変更することとしたので、ユーザの利便性を損なうことなく、消費電力を低減させることができる。
【0059】
また、バックライト装置は、光を発するライン型LEDモジュールと、ライン型LEDモジュールから発せられた光を反射させる反射板とを備えているので、低コストかつコンパクトな構成でバックライト装置を構成することが可能となる。
【0060】
なお、上記記実施例では、表示パネルとして、LCD(液晶表示パネル)を使用することとしたが本発明はこれに限られるものではなく、他のバックライト型の表示パネルを使用することにしてもよい。また、上記実施例では、バックライト装置として、ライン型LEDモジュールを使用することとしたが、本発明はこれに限られるものではなく、複数のブックに分割して、ブロック毎に独立して点灯可能な構成であればよく、他の光源、例えば、EL素子等を使用することにしてもよく、また、全画面型の照明を使用することにしてもよい。また、上記実施例では、ライン型LEDモジュールを3分割した場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、LCD70の画面の大きさに応じて2分割または4分割以上にすることにしてもよい。また、上記実施例では、画面上で位置指示を与える位置指示手段として、マウスカーソルを例示して説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、キーボードのキーカーソル、スライスパッドのカーソル等、他のカーソルにも本発明は適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明に係る表示装置およびその電力制御用プログラムは、バックライト駆動型の各種の表示装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明にかかる表示装置をバッテリ駆動型のノートパソコンに適用した場合の概略のハードウェア構成例を示す図である。
【図2】表示ユニットの構成を説明するための模式図である。
【図3】第1の省電力処理を説明するための説明図である。
【図4−1】パワーマネージャが実行する第1の省電力処理を説明するためのフローチャートである。
【図4−2】パワーマネージャが実行する第1の省電力処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】第2の省電力処理を説明するための説明図である。
【図6】第2の省電力処理を説明するための説明図である。
【図7−1】パワーマネージャが実行する第2の省電力処理を説明するためのフローチャートである。
【図7−2】パワーマネージャが実行する第2の省電力処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0063】
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 HDD(ハードディスク)
15 光学ディスク装置
16 表示ユニット
17 ネットワークカード
18 入力部
19 USBポート
20 バッテリ
21 パワーコントローラ
22 DC−DCコンバータ
23 ACアダプタ
30 バックライトコントローラ
40a〜40c 第1〜第3のLEDC(第1〜第3のLEDコントローラ)
50a〜50c 第1〜第3のLEDB(第1〜第3のLEDブロック)
60 LCDコントローラ
70 LCD(液晶表示パネル)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面上に情報を表示するための表示パネルと、
前記表示パネルの背面側から光を照射して当該表示パネルを照明する照明手段と、
前記照明手段の点灯を制御する制御手段と、
を備え、
前記照明手段は、複数のブロックに分割された光源を備えており、
前記制御手段は、各ブロックの光源の第1の点灯、前記第1の点灯より輝度の低い第2の点灯、および消灯を個別に制御して、各ブロックに対応する前記表示パネルの各領域を第1の点灯、第2の点灯、または消灯させることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記制御手段は、画面上で位置指示を与える位置指示手段が、前記表示パネルの第1の点灯領域から消灯領域に移動した場合には、当該消灯領域が第2の点灯となるように前記照明手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記画面上で位置指示を与える位置指示手段が、前記表示パネルの第2の点灯領域から第1の点灯領域に移動した場合には、当該第2の点灯領域が消灯となるように前記照明手段を制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記画面上のアクティブウィンドウのサイズを、点灯する領域のサイズに変更した後、アクティブウィンドウ以外の領域を第2の点灯または消灯することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項5】
バッテリの残量を検知するバッテリ残量検知手段を備え、
前記バッテリ駆動時に、前記バッテリの残量に基づいて、前記表示パネルの第1の点灯をする領域のサイズを変更することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項6】
前記照明手段は、光を発するライン型LEDモジュールと、前記ライン型LEDモジュールから発せられた光を反射させる反射板とで構成されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項7】
画面上に情報を表示するための表示パネルと、複数のブロックに分割された光源を有し、前記表示パネルの背面側から光を照射して当該表示パネルを照明する照明手段と、を備えた表示装置に搭載される電力制御用プログラムにおいて、
前記照明手段の各ブロックの光源の第1の点灯、前記第1の点灯より輝度の低い第2の点灯、および消灯を個別に制御して、各ブロックに対応する表示パネルの各領域を第1の点灯、第2の点灯、または消灯させる工程をコンピュータに実行させることを特徴とする電力制御用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図5】
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【図6】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【公開番号】特開2009−157045(P2009−157045A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−334226(P2007−334226)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(505205731)レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド (292)
【復代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
【Fターム(参考)】