表示装置および表示プログラム
【課題】 手書き入力された文字をユーザが所望する方向に沿って直線状に整列させて表示することができ、手書き入力された文字を読みやすくすることができる表示装置を提供する。
【解決手段】 表示装置1では、基準線生成部62は、入力面21に対する入力操作によって2つの基準点が指示されることで、タッチパネル2から出力される前記基準点に対応する座標データに基づいて、2つの基準点を結ぶ線分の法線である基準線Gを生成する。そして、垂直方向文字位置補正部65は、文字抽出部63が抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、手書き入力された各文字が基準線Gに沿って整列するように、基準線Gに垂直な方向における文字の位置補正を行い、位置補正された文字を表示パネル3に表示させる。
【解決手段】 表示装置1では、基準線生成部62は、入力面21に対する入力操作によって2つの基準点が指示されることで、タッチパネル2から出力される前記基準点に対応する座標データに基づいて、2つの基準点を結ぶ線分の法線である基準線Gを生成する。そして、垂直方向文字位置補正部65は、文字抽出部63が抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、手書き入力された各文字が基準線Gに沿って整列するように、基準線Gに垂直な方向における文字の位置補正を行い、位置補正された文字を表示パネル3に表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネルと一体的に形成されたタッチパネルに手書きで入力された文字を、表示パネルに表示することができる表示装置および表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子黒板システム、パーソナルコンピュータ、携帯電話端末、電子手帳などには、液晶ディスプレイなどの表示パネルと、この表示パネルと一体的に形成されたタッチパネルとを含んで構成される、手書きで入力された文字を表示可能な表示装置が備えられている。表示装置では、タッチパネルに対する入力操作により文字を手書き入力することによって、この手書き入力の入力座標データに基づく筆跡が表示パネルに表示される。
【0003】
このような表示装置において、手書き入力された文字列を読みやすくするために、入力された文字が直線状に整列するように文字の位置補正を行う技術が提案されている。
【0004】
たとえば、特許文献1には、文字の入力位置の目安となるガイド線を予め表示しておき、手書き入力された文字列がガイド線に沿って整列するように、文字の位置補正を行う技術が開示されている。また、特許文献2には、手書き入力済みの文字列について、同一方向に並んだ文字列の連続的なつながりを示す行の切り出しを行い、切り出された行について文字の切り出しを行い、その切り出した文字が基準線上に整列するように文字の位置補正を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−227338号公報
【特許文献2】特開平6−4206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、手書き入力された文字を直線状に整列させるための文字の位置補正の基準は、特許文献1に開示される技術では予め表示されたガイド線であり、特許文献2に開示される技術では入力済みの文字の配置位置に基づく基準線であるので、手書き入力文字を、ユーザが所望する方向に沿って直線状に整列させて表示することができない。
【0007】
したがって本発明の目的は、手書き入力された文字をユーザが所望する方向に沿って直線状に整列させて表示することができ、手書き入力された文字を読みやすくすることができる表示装置、および表示プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、手書き入力するための入力面を有し、前記入力面に対する入力操作によって指示された点の位置を表わす座標データを出力する入力部と、
前記入力部から出力される座標データに基づいて、前記入力面に対する手書き入力の軌跡を表示する表示部と、
前記入力面に対する入力操作によって、予め定める条件を満たす2点が指示されると、その2点を基準点とし、前記基準点に対応する座標データに基づいて、2つの基準点を結ぶ線分の法線である基準線を生成する基準線生成部と、
前記基準線生成部が基準線を生成した後に、前記入力面に対する入力操作によって手書き入力されることで、前記入力部から出力される手書き入力の軌跡に対応する座標データから文字を認識し、1文字ごとの座標データを抽出する文字抽出部と、
前記文字抽出部が抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、手書き入力された各文字が前記基準線に沿って整列するように、前記基準線に垂直な方向における文字の位置補正を行い、位置補正された文字を前記表示部に表示させる垂直方向文字位置補正部と、を備えることを特徴とする表示装置である。
【0009】
また本発明の表示装置において、前記基準線生成部は、2つの基準点を結ぶ線分の中点から前記表示部の周縁端部まで延びるように前記基準線を生成し、生成した基準線を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0010】
また本発明の表示装置は、前記文字抽出部が抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、各文字の外接矩形の座標データを設定し、設定した外接矩形の座標データから前記基準線に対する外接矩形の傾斜角度を算出する傾斜角度算出部と、
前記傾斜角度算出部が算出した傾斜角度で各文字を回転させて、前記基準線に対する各文字の傾き補正を行い、傾き補正された文字を前記表示部に表示させる文字傾き補正部と、をさらに備えることを特徴とする。
【0011】
また本発明の表示装置は、前記文字抽出部が抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、互いに隣接する文字同士の間隔が予め定める一定間隔となるように、前記基準線に平行な方向における文字の位置補正を行い、位置補正された文字を前記表示部に表示させる平行方向文字位置補正部をさらに備えることを特徴とする。
【0012】
また本発明の表示装置は、前記入力面に対する入力操作が行われているか否かを判定し、入力操作の待機時間を計時する計時部と、
前記計時部により計時された待機時間が、予め定める時間以上となった場合に、前記基準線生成部が生成した基準線を消去する基準線消去部と、をさらに備えることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、入力部および表示部を備えるコンピュータを、前記表示装置として機能させることを特徴とする表示プログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、表示装置は、入力部に対するユーザの入力操作により文字を手書き入力することによって、この手書き入力の座標データに基づく文字の軌跡を表示部に表示する装置である。さらに、表示装置は、基準線生成部と、文字抽出部と、垂直方向文字位置補正部とを備える。
【0015】
基準線生成部は、入力部の入力面に対して手書きで文字が入力されるのに先立って、入力面に対するユーザの入力操作によって2つの基準点が指示されることで、入力部から出力される基準点に対応する座標データに基づいて、2つの基準点を結ぶ線分の法線である基準線を生成する。たとえば、基準線生成部は、ユーザが入力面に対して手書き文字を入力するときに添える手の指(ユーザが右手で手書き文字を入力する場合には左手の指)で2つの基準点が指示されることで、基準線を生成する。基準線生成部が生成する基準線は、ユーザの入力面に対する入力操作によって設定される。
【0016】
文字抽出部は、基準線生成部が基準線を生成した後に、入力面に対するユーザの入力操作によって手書き入力されることで、入力部から出力される手書き入力の軌跡に対応する座標データから文字を認識し、1文字ごとの座標データを抽出する。そして、垂直方向文字位置補正部は、文字抽出部が抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、手書きで入力された各文字が基準線に沿って整列するように、基準線に垂直な方向における文字の位置補正を行い、位置補正された文字を表示部に表示させる。
【0017】
本発明の表示装置は、入力面に対して手書きで入力された各文字を、入力面に対するユーザの入力操作によって任意に設定された基準線に沿って整列させて表示部に表示するので、ユーザが所望する方向に沿って直線状に整列させて手書き文字を表示することができる。これによって、手書き入力された文字をユーザに読みやすくすることができる。
【0018】
また本発明によれば、基準線生成部は、2つの基準点を結ぶ線分の中点から表示部の周縁端部まで延びるように基準線を生成し、生成した基準線を表示部に表示させる。これによって、ユーザは、入力面に対する入力操作によって任意に設定された基準線を、表示部上で視認することができる。
【0019】
また本発明によれば、表示装置は、傾斜角度算出部と文字傾き補正部とをさらに備える。傾斜角度算出部は、文字抽出部が抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、各文字の外接矩形の座標データを設定し、設定した外接矩形の座標データから基準線に対する外接矩形の傾斜角度を算出する。そして、文字傾き補正部は、傾斜角度算出部が算出した傾斜角度で各文字を回転させて、基準線に対する各文字の傾き補正を行い、傾き補正された文字を表示部に表示させる。これによって、手書き入力された文字をより読みやすくすることができる。
【0020】
また本発明によれば、表示装置は、平行方向文字位置補正部をさらに備える。この平行方向文字位置補正部は、文字抽出部が抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、互いに隣接する文字同士の間隔が予め定める一定間隔となるように、基準線に平行な方向における文字の位置補正を行い、位置補正された文字を表示部に表示させる。これによって、手書き入力された文字をより読みやすくすることができる。
【0021】
また本発明によれば、表示装置は、計時部と基準線消去部とをさらに備える。計時部は、入力面に対する入力操作が行われているか否かを判定し、入力操作の待機時間を計時する。そして、基準線消去部は、計時部により計時された待機時間が、予め定める時間以上となった場合に、基準線生成部が生成した基準線を消去する。これによって、予め定める時間以上経過後に、現在設定されている基準線を消去することができる。このようにして基準線が消去された後、ユーザは、入力面に対して新たな2つの基準点を指示する入力操作を行うことによって、新たな基準線を任意に設定することができる。
【0022】
また本発明によれば、表示プログラムは、入力部および表示部を備えるコンピュータを、前記表示装置として機能させるためのプログラムである。このような表示プログラムは、ユーザが所望する方向に沿って直線状に整列させて手書き文字を表示することが可能な表示処理を、ソフトウェアで制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の一形態に係る表示装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】表示装置1の動作を示すフローチャートである。
【図3】表示装置1における基準点検出処理の動作を示すフローチャートである。
【図4】表示装置1における基準線生成処理の動作を示すフローチャートである。
【図5】表示装置1における基準線生成処理の動作を説明するための図である。
【図6】基準線の傾き補正値を算出する手順を示すフローチャートである。
【図7】表示装置1における文字抽出処理の動作を示すフローチャートである。
【図8】文字抽出処理による文字抽出結果を説明するための図である。
【図9】表示装置1における垂直方向文字位置補正処理の動作を示すフローチャートである。
【図10】表示装置1における垂直方向文字位置補正処理の動作を説明するための図である。
【図11】表示装置1における文字傾き補正処理の動作を示すフローチャートである。
【図12】表示装置1における文字傾き補正処理の動作を説明するための図である。
【図13】表示装置1における平行方向文字位置補正処理の動作を示すフローチャートである。
【図14】表示装置1における平行方向文字位置補正処理の動作を説明するための図である。
【図15】表示装置1における平行方向文字位置補正処理の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の実施の一形態に係る表示装置1の構成を示すブロック図である。表示装置1は、入力部である透明なタッチパネル2と、表示部である表示パネル3と、タッチパネルデータ処理部4と、表示データ処理部5と、制御手段であるCPU6と、メモリなどで構成される第1記憶手段7と、HDDなどで構成される第2記憶手段8とを含む。表示装置1は、タッチパネル2に対する入力操作により文字を手書き入力することによって、この手書き入力の座標データに基づく軌跡が表示パネル3に表示される装置である。
【0025】
本実施形態の表示装置1では、タッチパネル2は、直交座標が設定された入力面を有し、表示パネル3の表面上に積層されて、表示パネル3と一体的に形成されている。このタッチパネル2は、入力面に対する入力操作によって手書き入力され、入力された座標点を表わす座標データを出力する。タッチパネルデータ処理部4は、タッチパネルドライバによって実現され、表示データ処理部5は、表示ドライバによって実現される。
【0026】
上記以外の入力方式として赤外線を遮る赤外線切断方式、静電容量結合方式、電磁誘導方式、カメラ方式等のタブレットを用いることも可能である。
【0027】
CPU6は、座標データ取得部60と、軌跡表示指示部61と、基準線生成部62と、文字抽出部63と、傾斜角度算出部64と、垂直方向文字位置補正部65と、文字傾き補正部66と、平行方向文字位置補正部67と、計時部68と、基準線消去部69とを含む。
【0028】
座標データ取得部60は、タッチパネル2から出力される座標データを取得する。軌跡表示指示部61は、タッチパネル2に入力される手書き入力の座標データを表示パネル3に送信し、この座標データに基づいた手書き入力の軌跡を表示パネル3に表示させる。
【0029】
基準線生成部62は、タッチパネル2の入力面に対して、予め定める条件を満たす2点が指示されると、その2点を基準点とし、タッチパネル2から出力される基準点に対応する座標データに基づいて、2つの基準点を結ぶ線分の法線である基準線を生成する。たとえば、基準線生成部62は、ユーザが入力面に対して手書き文字を入力するときに添える手の指(ユーザが右手で手書き文字を入力する場合には左手の指)で2つの基準点が指示されることで、基準線を生成する。基準線生成部62が生成する基準線は、ユーザの入力面に対する入力操作によって設定される。
【0030】
予め定める条件を満たす2点が指示されるとは、計時部68により計時された待機時間が、予め定める時間以上経過し、計時部68が計時をリセットした後に、タッチパネル2の入力面に対して2点が指示されることを示す。
【0031】
本実施形態では、基準線生成部62は、2つの基準点を結ぶ線分の中点から右向きに、表示パネル3の周縁端部まで延びるように基準線を生成し、生成した基準線を表示パネル3に表示させる。これによって、ユーザは、タッチパネル2の入力面に対する入力操作によって任意に設定された基準線を、表示パネル3上で視認することができる。なお、基準線の延びる向きは、予め設定することができ、たとえば、ユーザが左手で手書き文字を入力する場合に添える右手の指で2つの基準点が指示されるような場合には、基準線生成部62は、2つの基準点を結ぶ線分の中点から左向きに、表示パネル3の周縁端部まで延びるように基準線を生成する。
【0032】
文字抽出部63は、基準線生成部62が基準線を生成した後に、タッチパネル2の入力面に対するユーザの入力操作によって手書きで文字が入力されることで、タッチパネル2から出力される手書き入力の軌跡に対応する座標データから文字を認識し、1文字ごとの座標データを抽出する。
【0033】
傾斜角度算出部64は、文字抽出部63が抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、各文字の外接矩形の座標データを設定し、設定した外接矩形の座標データから基準線に対する外接矩形の傾斜角度を算出する。
【0034】
垂直方向文字位置補正部65は、文字抽出部63が抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、手書きで入力された各文字が基準線に沿って整列するように、基準線に垂直な方向における文字の位置補正を行い、位置補正された文字を表示パネル3に表示させる。
【0035】
本実施形態の表示装置1は、タッチパネル2の入力面に対して手書きで入力された各文字を、入力面に対するユーザの入力操作によって任意に設定された基準線に沿って整列させて表示パネル3に表示するので、ユーザが所望する方向に沿って直線状に整列させて手書き文字を表示することができる。これによって、手書き入力された文字をユーザに読みやすくすることができる。
【0036】
文字傾き補正部66は、傾斜角度算出部64が算出した傾斜角度で各文字を回転させて、基準線に対する各文字の傾き補正を行い、傾き補正された文字を表示パネル3に表示させる。これによって、手書き入力された文字をより読みやすくすることができる。
【0037】
平行方向文字位置補正部67は、文字抽出部63が抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、互いに隣接する文字同士の間隔が予め定める一定間隔となるように、基準線に平行な方向における文字の位置補正を行い、位置補正された文字を表示パネル3に表示させる。これによって、手書き入力された文字をより読みやすくすることができる。
【0038】
計時部68は、タッチパネル2の入力面に対する入力操作が行われているか否かを判定し、入力操作の待機時間を計時する。基準線消去部69は、計時部68により計時された待機時間が、予め定める時間以上となった場合に、基準線生成部62が生成した基準線を消去する。これによって、予め定める時間以上経過後に、現在設定されている基準線を消去することができる。このようにして基準線が消去された後、ユーザは、タッチパネル2の入力面に対して新たな2つの基準点を指示する入力操作を行うことによって、新たな基準線を任意に設定することができる。
【0039】
第1記憶手段7は、表示装置1におけるワーキングメモリとしての機能を有する。第1記憶手段7は、表示情報記憶部70と、座標データ記憶部71と、表示パネル周縁情報記憶部72と、基準線表示位置記憶部73と、傾き補正値記憶部74とを含む。
【0040】
表示情報記憶部70は、表示パネル3に表示されている表示情報を記憶する。座標データ記憶部71は、タッチパネル2から出力された基準点の座標データ、および、手書き入力された文字の座標データを記憶する。表示パネル周縁情報記憶部72は、表示パネル3の周縁部における右端部および下端部の位置情報を記憶する。基準線表示位置記憶部73は、基準線生成部62が表示パネル3に表示させた基準線の表示パネル3に対する位置を記憶する。傾き補正値記憶部74は、基準線生成部62が基準線を生成するときに参照する、基準線の傾きを補正するための補正値を記憶する。
【0041】
第2記憶手段8は、ソフトウェア記憶部80と、ドライバ記憶部81と、ユーザ設定表示画面記憶部82と、ユーザ設定テーブル記憶部83とを含む。
【0042】
ソフトウェア記憶部80は、表示装置1を動作させるためのソフトウェアを記憶する。ドライバ記憶部81は、タッチパネルデータ処理部4を実現するタッチパネルドライバと、表示データ処理部5を実現する表示ドライバとを記憶する。ユーザ設定表示画面記憶部82は、表示装置1を操作するユーザが設定する、表示パネル3の設定に関する情報を記憶する。ユーザ設定テーブル記憶部83は、ユーザが設定する基準線に関するテーブル情報を記憶する。ユーザ設定テーブル記憶部83に記憶されるテーブル情報には、基準線の表示の要否、基準線の線種(たとえば、実線、点線など)、基準線の色(たとえば、黒色、グレー色、赤色など)などを関連付ける情報が含まれる。
【0043】
次に、本実施形態の表示装置1の動作について、図2を用いて説明する。図2は、表示装置1の動作を示すフローチャートである。
【0044】
ステップs1では、表示装置1は、計時部68による計時をリセットさせる。次に、ステップs2では、表示装置1は、基準点検出処理を行う。
【0045】
図3は、表示装置1における基準点検出処理の動作を示すフローチャートである。表示装置1は、タッチパネル2の入力面に対するユーザの入力操作によって基準点が指示された場合に、基準点検出処理を行う。
【0046】
まず、ステップs2−1では、タッチパネル2は、入力面に対するユーザの入力操作によって指示された基準点を検出し、その基準点に対応する座標データを出力する。そして、座標データ取得部60は、タッチパネル2から出力された基準点に対応する座標データを取得する。
【0047】
次に、ステップs2−2では、計時部68は、タッチパネル2の入力面に対する入力操作が行われているか否かを判定し、入力操作が行われていないと判定した場合に、入力操作の待機時間の計時を開始する。
【0048】
次に、ステップs2−3では、タッチパネル2は、2つの基準点が指示されたか否かを判定する。タッチパネル2は、2つの基準点を検出した場合に、2つの基準点が指示されたと判定する。タッチパネル2が2つの基準点が指示されたと判定した場合にはステップs2−4に進み、2つの基準点が指示されていないと判定した場合にはステップs2−5に進む。
【0049】
ステップs2−4では、座標データ取得部60は、タッチパネル2から出力された2つの基準点に対応する座標データに基づいて、基準点間の距離が予め定める距離D1以下であるか否かを判定する。2つの基準点間の距離が距離D1を超える場合には、タッチパネル2に対する入力操作が誤操作である可能性があるので、その誤操作による基準点の設定を排除するために、座標データ取得部60が、基準点間の距離が予め定める距離D1以下であるか否かの判定を行う。座標データ取得部60が基準点間の距離が距離D1以下であると判定した場合にはステップs2−6に進み、距離D1を超えると判定した場合にはステップs2−3に戻る。
【0050】
ステップs2−3において、2つの基準点が指示されていないと判定された場合、ステップs2−5では、計時部68は、入力操作の待機時間が予め定める時間以上経過したか否かを判定する。計時部68が予め定める時間以上経過したと判定した場合には計時をリセットしてステップs2−1に戻り、予め定める時間以上経過していないと判定した場合にはステップs2−3に戻る。
【0051】
そして、ステップs2−6では、座標データ取得部60は、取得した2つの基準点に対応する座標データを座標データ記憶部71に送信する。座標データ記憶部71は、受信した基準点に対応する座標データを記憶する。このようにして、座標データ記憶部71に基準点に対応する座標データが記憶されると、表示装置1における基準点検出処理は終了する。
【0052】
図2に戻って、ステップs2において基準点検出処理が終了すると、ステップs3に進む。ステップs3では、表示装置1は、基準線生成処理を行う。
【0053】
図4は、表示装置1における基準線生成処理の動作を示すフローチャートである。図5は、表示装置1における基準線生成処理の動作を説明するための図である。表示装置1は、座標データ記憶部71に記憶される、2つの基準点P1,P2に対応する座標データに基づいて、基準線生成処理を行う。
【0054】
まず、ステップs3−1では、基準線生成部62は、座標データ記憶部71に記憶される2つの基準点P1,P2に対応する座標データを取出す。次に、ステップs3−2では、基準線生成部62は、2つの基準点P1,P2のX座標値が同じであるか否かを判定する。基準線生成部62が2つの基準点P1,P2のX座標値が同じであると判定した場合にはステップs3−3に進み、2つの基準点P1,P2のX座標値が異なると判定した場合にはステップs3−4に進む。
【0055】
ステップs3−3では、基準線生成部62は、2つの基準点P1,P2を結ぶ線分の法線であって、傾きが「0」、すなわち、直交座標が設定されたタッチパネル2の入力面21におけるX軸に平行で、線分の中点から右向きに表示パネル3の周縁端部まで延びる基準線Gを生成する。
【0056】
ステップs3−2において、2つの基準点P1,P2のX座標値が異なると判定された場合、ステップs3−4では、基準線生成部62は、2つの基準点P1,P2の座標データに基づいて、基準線Gの傾き「a」を算出する。具体的には、基準線生成部62は、基準点P1の座標データを(x1,y1)、基準点P2の座標データを(x2,y2)とした場合、下記式(1)により基準線Gの傾き「a」を算出する。
a=(y2−y1)/(x2−x1) …(1)
【0057】
次に、ステップs3−5では、基準線生成部62は、図5(a)に示すように、2つの基準点P1,P2を結ぶ線分の法線であって、傾きが「a」で、線分の中点から表示パネル3の周縁右端部まで延びる基準線Gを生成する。なお、基準線生成部62は、タッチパネル2の入力面21に対する新たな入力操作によって、新たな基準点P1,P2が指示された場合には、図5(b)に示すように、新たな基準点P1,P2に基づいた基準線Gを生成する。このようにして、ユーザは、入力面21に対する基準点を入力する入力操作によって任意に基準線Gを設定することができる。
【0058】
次に、ステップs3−6では、基準線生成部62は、基準線Gの傾きを補正するための補正値「Cg」が予め設定されているか否かを判定する。基準線生成部62は、傾き補正値記憶部74に補正値「Cg」が記憶されている場合に、補正値「Cg」が予め設定されていると判定する。この補正値「Cg」は、傾き「0」の基準線Gを生成するために、傾き補正値記憶部74に予め記憶された、基準線Gの傾きを補正するための数値である。
【0059】
補正値「Cg」は、次のようにして予め算出される。図6は、基準線の傾き補正値を算出する手順を示すフローチャートである。補正値「Cg」を算出する処理は、傾き「0」の基準線Gを生成するために、2つの基準点がタッチパネル2の入力面21に入力された場合に開始される。
【0060】
まず、ステップs3−6−1では、タッチパネル2は、入力面21に対するユーザの入力操作によって指示された、傾き「0」の基準線Gを生成するための基準点(以下、「傾き補正用基準点」という)を検出し、その傾き補正用基準点に対応する座標データを出力する。そして、座標データ取得部60は、タッチパネル2から出力された傾き補正用基準点に対応する座標データを取得する。
【0061】
次に、ステップs3−6−2では、基準線生成部62は、2つの傾き補正用基準点の座標データに基づいて、2つの傾き補正用基準点を結ぶ線分の法線の傾きを、補正値「Cg」として算出する。
【0062】
そして、ステップs3−6−3では、基準線生成部62は、算出した補正値「Cg」を傾き補正値記憶部74に送信する。傾き補正値記憶部74は、受信した補正値「Cg」を記憶する。このようにして、傾き補正値記憶部74に補正値「Cg」が記憶されると、補正値「Cg」の算出処理は終了する。
【0063】
図4に戻って、ステップs3−6において、基準線生成部62が補正値「Cg」が予め設定されていると判定した場合にはステップs3−7に進み、補正値「Cg」が予め設定されていないと判定した場合にはステップs3−8に進む。
【0064】
ステップs3−7では、基準線生成部62は、補正値「Cg」を用いて、生成した基準線Gの傾きを、傾き「0」に近づくように補正する。
【0065】
次に、ステップs3−8では、基準線生成部62は、基準線Gの傾きの絶対値が、予め定めるゼロ補正値「Rd」以下である場合には、基準線Gの傾きを「0」に補正する。そして、ステップs3−9では、基準線生成部62は、生成した基準線Gを、表示パネル3の表示面31に表示させる。このようにして表示パネル3の表示面31に表示された基準線Gは、図5(c)に示すように、タッチパネル2の入力面21に手書きで入力された文字(図5(c)では文字「ぬ」)を直線状に整列させるときの基準の線となる。なお、基準線Gは、図5(d)に示すように、タッチパネル2の入力面21に対する基準点P1,P2の入力操作の指示が解除された場合であっても、基準線消去部69による消去動作が実行されない限り、表示パネル3の表示面31に継続して表示される。
【0066】
図2に戻って、ステップs3において基準線生成処理が終了すると、ステップs4に進む。ステップs4では、表示装置1は、文字抽出処理を行う。
【0067】
図7は、表示装置1における文字抽出処理の動作を示すフローチャートである。図8は、文字抽出処理による文字抽出結果を説明するための図である。表示装置1は、基準線生成部62が基準線Gを生成した後に、タッチパネル2の入力面21に対する入力操作によって手書きで文字が入力されることで、文字抽出処理を行う。
【0068】
まず、ステップs4−1では、タッチパネル2は、入力面21に手書き文字の入力が開始されたか否かを判定する。タッチパネル2は、入力面21に対して手書き文字の入力がされて、手書き文字の開始点を示す座標データが座標データ取得部60によって取得されたときに、手書き文字の入力が開始されたと判定する。タッチパネル2が手書き文字の入力が開始されたと判定した場合にはステップs4−2に進み、手書き文字の入力が開始されていないと判定した場合にはステップs4−1を繰返す。
【0069】
ステップs4−2では、タッチパネル2は、入力面21に対する手書き文字の入力が終了したか否かを判定する。タッチパネル2は、予め定める時間が経過しても座標データ取得部60によって手書き文字の軌跡を示す座標データが取得されないときに、手書き文字の入力が終了したと判定する。タッチパネル2が手書き文字の入力が終了したと判定した場合には、座標データ取得部60によって取得された手書き文字の軌跡を示す座標データが座標データ記憶部71に送信されて記憶されてステップs4−3に進む。また、タッチパネル2が手書き文字の入力が終了していないと判定した場合にはステップs4−2を繰返す。
【0070】
ステップs4−3では、計時部68は、タッチパネル2の入力面21に対する入力操作の待機時間の計時を開始する。
【0071】
次に、ステップs4−4では、タッチパネル2は、入力面21に手書き文字の入力が新たに開始されたか否かを判定する。タッチパネル2が手書き文字の入力が新たに開始されたと判定した場合にはステップs4−2に戻り、手書き文字の入力が新たに開始されていないと判定した場合にはステップs4−5に進む。
【0072】
ステップs4−5では、計時部68は、入力操作の待機時間が予め定める時間以上経過したか否かを判定する。計時部68が予め定める時間以上経過したと判定した場合には計時をリセットしてステップs4−6に進み、予め定める時間以上経過していないと判定した場合にはステップs4−4に戻る。
【0073】
ステップs4−6では、文字抽出部63は、座標データ記憶部71に記憶される、手書き文字の軌跡を示す座標データを取出して、その座標データから1文字ごとの座標データを抽出する。そして、文字抽出部63は、図8に示すように、抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、各文字の外接矩形の座標データを設定し、設定した外接矩形の座標データから文字のサイズを示す情報として、文字の高さ「St」と文字の幅「Sw」とを算出する。また、文字抽出部63は、抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、各文字の外接矩形の座標データを設定し、設定した外接矩形の座標データから、X軸に対する文字の傾き「Rc」を算出する。
【0074】
図2に戻って、ステップs4において文字抽出処理が終了すると、ステップs5に進む。ステップs5では、表示装置1は、垂直方向文字位置補正処理を行う。
【0075】
図9は、表示装置1における垂直方向文字位置補正処理の動作を示すフローチャートである。図10は、表示装置1における垂直方向文字位置補正処理の動作を説明するための図である。
【0076】
まず、ステップs5−1では、垂直方向文字位置補正部65は、図10(a)に示すように、文字抽出部63が算出した文字の傾き「Rc」と同一の傾きを有する直線L1を生成し、その直線L1を文字の外接矩形の下方一辺91上に配置する。
【0077】
次に、ステップs5−2では、垂直方向文字位置補正部65は、図10(b)に示すように、生成した直線L1を、その傾きが変化しないように文字の外接矩形の上方一辺92に向けて平行移動させながら、直線L1と文字との交点A1,A2,A3,A4の数を算出する。
【0078】
次に、ステップs5−3では、垂直方向文字位置補正部65は、直線L1が文字の外接矩形の上方一辺92まで移動されたか否かを判定する。垂直方向文字位置補正部65が直線L1が文字の外接矩形の上方一辺92まで移動されたと判定した場合にはステップs5−4に進み、移動されていないと判定した場合にはステップs5−2に戻る。
【0079】
ステップs5−4では、垂直方向文字位置補正部65は、直線L1と文字との交点A1,A2,A3,A4の数に基づいてヒストグラムを作成し、文字の重心を算出する。
【0080】
そして、ステップs5−5では、垂直方向文字位置補正部65は、図10(c)に示すように、文字の重心が基準線G上に位置するように、文字を移動させる。なお、文字の高さ「St」および文字の幅「Sw」が予め定める値よりも小さい「ゃ」、「っ」などの文字については、文字の重心が基準線G上に位置するように移動させてもよいし、基準線Gよりも予め定める値で下側の位置に移動させるようにしてもよい。このようにして、垂直方向文字位置補正部65は、手書きで入力された各文字が基準線Gに沿って整列するように、基準線Gに垂直な方向における文字の位置補正を行い、位置補正された文字を表示パネル3の表示面31に表示させる。
【0081】
図2に戻って、ステップs5において垂直方向文字位置補正処理が終了すると、ステップs6に進む。ステップs6では、表示装置1は、文字傾き補正処理を行う。
【0082】
図11は、表示装置1における文字傾き補正処理の動作を示すフローチャートである。図12は、表示装置1における文字傾き補正処理の動作を説明するための図である。
【0083】
まず、ステップs6−1では、傾斜角度算出部64は、文字抽出部63が抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、各文字の外接矩形を設定し、設定した外接矩形の座標データから基準線Gに対する外接矩形の傾斜角度を算出し、その算出結果を用いて文字の回転角度を算出する。具体的には、傾斜角度算出部64は、図12(a)に示すように、文字抽出部63が算出した文字の傾き「Rc」を、基準線Gの傾き「a」と同一にするための文字の回転角度を算出する。
【0084】
次に、ステップs6−2では、文字傾き補正部66は、図12(b)に示すように、傾斜角度算出部64が算出した回転角度で文字を回転させて、基準線Gに対する各文字の傾き補正を行い、傾き補正された文字を表示パネル3の表示面31に表示させる。
【0085】
図2に戻って、ステップs6において文字傾き補正処理が終了すると、ステップs7に進む。ステップs7では、表示装置1は、平行方向文字位置補正処理を行う。
【0086】
図13は、表示装置1における平行方向文字位置補正処理の動作を示すフローチャートである。図14および図15は、表示装置1における平行方向文字位置補正処理の動作を説明するための図である。
【0087】
まず、ステップs7−1では、平行方向文字位置補正部67は、図14(a)に示すように、連続した手書き入力により、最後に入力された最新の文字に対して直前に入力された文字の外接矩形上の接点において、最新の文字側の辺上の接点「Pp」の座標データを取得する。
【0088】
次に、ステップs7−2では、平行方向文字位置補正部67は、図14(a)に示すように、最新の文字の外接矩形上の接点において、直前の文字側の辺上の接点「Pc」の座標データを取得する。
【0089】
次に、ステップs7−3では、平行方向文字位置補正部67は、接点「Pp」と接点「Pc」との距離が、予め定める最小文字間隔「DXmin」以下であるか否かを判定する。平行方向文字位置補正部67が最小文字間隔「DXmin」以下であると判定した場合にはステップs7−4に進み、最小文字間隔「DXmin」を超えると判定した場合にはステップs7−5に進む。
【0090】
ステップs7−4では、平行方向文字位置補正部67は、図14(b)に示すように、接点「Pp」と接点「Pc」との距離が最小文字間隔「DXmin」となるように、最新の文字を基準線Gに沿って移動させる。
【0091】
ステップs7−3において接点「Pp」と接点「Pc」との距離が最小文字間隔「DXmin」を超えると判定された場合、ステップs7−5では、平行方向文字位置補正部67は、図15(a)に示すように、接点「Pp」と接点「Pc」との距離が、予め定める最大文字間隔「DXmax」以上であるか否かを判定する。平行方向文字位置補正部67が最大文字間隔「DXmax」以上であると判定した場合にはステップs7−6に進み、最大文字間隔「DXmax」未満であると判定した場合には平行方向文字位置補正処理の動作を終了する。
【0092】
ステップs7−6では、平行方向文字位置補正部67は、図15(b)に示すように、接点「Pp」と接点「Pc」との距離が最大文字間隔「DXmax」となるように、最新の文字を基準線Gに沿って移動させる。
【0093】
また、計時部68は、タッチパネル2の入力面21に対する入力操作が行われているか否かを判定し、入力操作の待機時間を計時する。そして、基準線消去部69は、計時部68により計時された待機時間が、予め定める時間以上となった場合に、基準線生成部62が生成した基準線Gを消去する。これによって、予め定める時間以上経過後に、現在設定されている基準線Gを消去することができる。このようにして基準線Gが消去された後、ユーザは、タッチパネル2の入力面21に対して新たな2つの基準点を指示する入力操作を行うことによって、新たな基準線Gを任意に設定することができる。
【0094】
以上のようにして、表示装置1は、タッチパネル2の入力面21に対して手書きで入力された各文字を、入力面21に対するユーザの入力操作によって任意に設定された基準線Gに沿って整列させて表示パネル3の表示面31に表示するので、ユーザが所望する方向に沿って直線状に整列させて手書き文字を表示することができる。これによって、手書き入力された文字をユーザに読みやすくすることができる。
【0095】
また本発明のさらに他の実施の形態として、コンピュータを前述した表示装置1として機能させるために、コンピュータに実行させるための表示プログラム(実行形式プログラム、中間コードプログラムおよびソースプログラムの少なくともいずれか1つ)、およびこの表示プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することも可能である。
【0096】
なお、表示プログラムを記録する記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理が行われるために図示していないメモリ、たとえばCD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)のようなものそのものがプログラムメディアであってもよいし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。
【0097】
いずれの場合においても、格納されている表示プログラムはマイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であってもよいし、あるいは、いずれの場合も表示プログラムを読み出し、読み出された表示プログラムは、マイクロコンピュータの図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされて、その表示プログラムが実行される方式であってもよい。このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0098】
上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープなどのテープ系、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスクなどの磁気ディスクやCD−ROM/MO(Magneto Optical disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスクのディスク系、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを含む)/光カードなどのカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Ele ctrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROMなどによる半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0099】
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成を持つことで、通信ネットワークから表示プログラムをダウンロードするように流動的に表示プログラムを担持する媒体であってもよい。なお、このように通信ネットワークから表示プログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであってもよい。なお、本発明は、上記表示プログラムが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【符号の説明】
【0100】
1 表示装置
2 タッチパネル
3 表示パネル
60 座標データ取得部
61 軌跡表示指示部
62 基準線生成部
63 文字抽出部
64 傾斜角度算出部
65 垂直方向文字位置補正部
66 文字傾き補正部
67 平行方向文字位置補正部
68 計時部
69 基準線消去部
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネルと一体的に形成されたタッチパネルに手書きで入力された文字を、表示パネルに表示することができる表示装置および表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子黒板システム、パーソナルコンピュータ、携帯電話端末、電子手帳などには、液晶ディスプレイなどの表示パネルと、この表示パネルと一体的に形成されたタッチパネルとを含んで構成される、手書きで入力された文字を表示可能な表示装置が備えられている。表示装置では、タッチパネルに対する入力操作により文字を手書き入力することによって、この手書き入力の入力座標データに基づく筆跡が表示パネルに表示される。
【0003】
このような表示装置において、手書き入力された文字列を読みやすくするために、入力された文字が直線状に整列するように文字の位置補正を行う技術が提案されている。
【0004】
たとえば、特許文献1には、文字の入力位置の目安となるガイド線を予め表示しておき、手書き入力された文字列がガイド線に沿って整列するように、文字の位置補正を行う技術が開示されている。また、特許文献2には、手書き入力済みの文字列について、同一方向に並んだ文字列の連続的なつながりを示す行の切り出しを行い、切り出された行について文字の切り出しを行い、その切り出した文字が基準線上に整列するように文字の位置補正を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−227338号公報
【特許文献2】特開平6−4206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、手書き入力された文字を直線状に整列させるための文字の位置補正の基準は、特許文献1に開示される技術では予め表示されたガイド線であり、特許文献2に開示される技術では入力済みの文字の配置位置に基づく基準線であるので、手書き入力文字を、ユーザが所望する方向に沿って直線状に整列させて表示することができない。
【0007】
したがって本発明の目的は、手書き入力された文字をユーザが所望する方向に沿って直線状に整列させて表示することができ、手書き入力された文字を読みやすくすることができる表示装置、および表示プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、手書き入力するための入力面を有し、前記入力面に対する入力操作によって指示された点の位置を表わす座標データを出力する入力部と、
前記入力部から出力される座標データに基づいて、前記入力面に対する手書き入力の軌跡を表示する表示部と、
前記入力面に対する入力操作によって、予め定める条件を満たす2点が指示されると、その2点を基準点とし、前記基準点に対応する座標データに基づいて、2つの基準点を結ぶ線分の法線である基準線を生成する基準線生成部と、
前記基準線生成部が基準線を生成した後に、前記入力面に対する入力操作によって手書き入力されることで、前記入力部から出力される手書き入力の軌跡に対応する座標データから文字を認識し、1文字ごとの座標データを抽出する文字抽出部と、
前記文字抽出部が抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、手書き入力された各文字が前記基準線に沿って整列するように、前記基準線に垂直な方向における文字の位置補正を行い、位置補正された文字を前記表示部に表示させる垂直方向文字位置補正部と、を備えることを特徴とする表示装置である。
【0009】
また本発明の表示装置において、前記基準線生成部は、2つの基準点を結ぶ線分の中点から前記表示部の周縁端部まで延びるように前記基準線を生成し、生成した基準線を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0010】
また本発明の表示装置は、前記文字抽出部が抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、各文字の外接矩形の座標データを設定し、設定した外接矩形の座標データから前記基準線に対する外接矩形の傾斜角度を算出する傾斜角度算出部と、
前記傾斜角度算出部が算出した傾斜角度で各文字を回転させて、前記基準線に対する各文字の傾き補正を行い、傾き補正された文字を前記表示部に表示させる文字傾き補正部と、をさらに備えることを特徴とする。
【0011】
また本発明の表示装置は、前記文字抽出部が抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、互いに隣接する文字同士の間隔が予め定める一定間隔となるように、前記基準線に平行な方向における文字の位置補正を行い、位置補正された文字を前記表示部に表示させる平行方向文字位置補正部をさらに備えることを特徴とする。
【0012】
また本発明の表示装置は、前記入力面に対する入力操作が行われているか否かを判定し、入力操作の待機時間を計時する計時部と、
前記計時部により計時された待機時間が、予め定める時間以上となった場合に、前記基準線生成部が生成した基準線を消去する基準線消去部と、をさらに備えることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、入力部および表示部を備えるコンピュータを、前記表示装置として機能させることを特徴とする表示プログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、表示装置は、入力部に対するユーザの入力操作により文字を手書き入力することによって、この手書き入力の座標データに基づく文字の軌跡を表示部に表示する装置である。さらに、表示装置は、基準線生成部と、文字抽出部と、垂直方向文字位置補正部とを備える。
【0015】
基準線生成部は、入力部の入力面に対して手書きで文字が入力されるのに先立って、入力面に対するユーザの入力操作によって2つの基準点が指示されることで、入力部から出力される基準点に対応する座標データに基づいて、2つの基準点を結ぶ線分の法線である基準線を生成する。たとえば、基準線生成部は、ユーザが入力面に対して手書き文字を入力するときに添える手の指(ユーザが右手で手書き文字を入力する場合には左手の指)で2つの基準点が指示されることで、基準線を生成する。基準線生成部が生成する基準線は、ユーザの入力面に対する入力操作によって設定される。
【0016】
文字抽出部は、基準線生成部が基準線を生成した後に、入力面に対するユーザの入力操作によって手書き入力されることで、入力部から出力される手書き入力の軌跡に対応する座標データから文字を認識し、1文字ごとの座標データを抽出する。そして、垂直方向文字位置補正部は、文字抽出部が抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、手書きで入力された各文字が基準線に沿って整列するように、基準線に垂直な方向における文字の位置補正を行い、位置補正された文字を表示部に表示させる。
【0017】
本発明の表示装置は、入力面に対して手書きで入力された各文字を、入力面に対するユーザの入力操作によって任意に設定された基準線に沿って整列させて表示部に表示するので、ユーザが所望する方向に沿って直線状に整列させて手書き文字を表示することができる。これによって、手書き入力された文字をユーザに読みやすくすることができる。
【0018】
また本発明によれば、基準線生成部は、2つの基準点を結ぶ線分の中点から表示部の周縁端部まで延びるように基準線を生成し、生成した基準線を表示部に表示させる。これによって、ユーザは、入力面に対する入力操作によって任意に設定された基準線を、表示部上で視認することができる。
【0019】
また本発明によれば、表示装置は、傾斜角度算出部と文字傾き補正部とをさらに備える。傾斜角度算出部は、文字抽出部が抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、各文字の外接矩形の座標データを設定し、設定した外接矩形の座標データから基準線に対する外接矩形の傾斜角度を算出する。そして、文字傾き補正部は、傾斜角度算出部が算出した傾斜角度で各文字を回転させて、基準線に対する各文字の傾き補正を行い、傾き補正された文字を表示部に表示させる。これによって、手書き入力された文字をより読みやすくすることができる。
【0020】
また本発明によれば、表示装置は、平行方向文字位置補正部をさらに備える。この平行方向文字位置補正部は、文字抽出部が抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、互いに隣接する文字同士の間隔が予め定める一定間隔となるように、基準線に平行な方向における文字の位置補正を行い、位置補正された文字を表示部に表示させる。これによって、手書き入力された文字をより読みやすくすることができる。
【0021】
また本発明によれば、表示装置は、計時部と基準線消去部とをさらに備える。計時部は、入力面に対する入力操作が行われているか否かを判定し、入力操作の待機時間を計時する。そして、基準線消去部は、計時部により計時された待機時間が、予め定める時間以上となった場合に、基準線生成部が生成した基準線を消去する。これによって、予め定める時間以上経過後に、現在設定されている基準線を消去することができる。このようにして基準線が消去された後、ユーザは、入力面に対して新たな2つの基準点を指示する入力操作を行うことによって、新たな基準線を任意に設定することができる。
【0022】
また本発明によれば、表示プログラムは、入力部および表示部を備えるコンピュータを、前記表示装置として機能させるためのプログラムである。このような表示プログラムは、ユーザが所望する方向に沿って直線状に整列させて手書き文字を表示することが可能な表示処理を、ソフトウェアで制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の一形態に係る表示装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】表示装置1の動作を示すフローチャートである。
【図3】表示装置1における基準点検出処理の動作を示すフローチャートである。
【図4】表示装置1における基準線生成処理の動作を示すフローチャートである。
【図5】表示装置1における基準線生成処理の動作を説明するための図である。
【図6】基準線の傾き補正値を算出する手順を示すフローチャートである。
【図7】表示装置1における文字抽出処理の動作を示すフローチャートである。
【図8】文字抽出処理による文字抽出結果を説明するための図である。
【図9】表示装置1における垂直方向文字位置補正処理の動作を示すフローチャートである。
【図10】表示装置1における垂直方向文字位置補正処理の動作を説明するための図である。
【図11】表示装置1における文字傾き補正処理の動作を示すフローチャートである。
【図12】表示装置1における文字傾き補正処理の動作を説明するための図である。
【図13】表示装置1における平行方向文字位置補正処理の動作を示すフローチャートである。
【図14】表示装置1における平行方向文字位置補正処理の動作を説明するための図である。
【図15】表示装置1における平行方向文字位置補正処理の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の実施の一形態に係る表示装置1の構成を示すブロック図である。表示装置1は、入力部である透明なタッチパネル2と、表示部である表示パネル3と、タッチパネルデータ処理部4と、表示データ処理部5と、制御手段であるCPU6と、メモリなどで構成される第1記憶手段7と、HDDなどで構成される第2記憶手段8とを含む。表示装置1は、タッチパネル2に対する入力操作により文字を手書き入力することによって、この手書き入力の座標データに基づく軌跡が表示パネル3に表示される装置である。
【0025】
本実施形態の表示装置1では、タッチパネル2は、直交座標が設定された入力面を有し、表示パネル3の表面上に積層されて、表示パネル3と一体的に形成されている。このタッチパネル2は、入力面に対する入力操作によって手書き入力され、入力された座標点を表わす座標データを出力する。タッチパネルデータ処理部4は、タッチパネルドライバによって実現され、表示データ処理部5は、表示ドライバによって実現される。
【0026】
上記以外の入力方式として赤外線を遮る赤外線切断方式、静電容量結合方式、電磁誘導方式、カメラ方式等のタブレットを用いることも可能である。
【0027】
CPU6は、座標データ取得部60と、軌跡表示指示部61と、基準線生成部62と、文字抽出部63と、傾斜角度算出部64と、垂直方向文字位置補正部65と、文字傾き補正部66と、平行方向文字位置補正部67と、計時部68と、基準線消去部69とを含む。
【0028】
座標データ取得部60は、タッチパネル2から出力される座標データを取得する。軌跡表示指示部61は、タッチパネル2に入力される手書き入力の座標データを表示パネル3に送信し、この座標データに基づいた手書き入力の軌跡を表示パネル3に表示させる。
【0029】
基準線生成部62は、タッチパネル2の入力面に対して、予め定める条件を満たす2点が指示されると、その2点を基準点とし、タッチパネル2から出力される基準点に対応する座標データに基づいて、2つの基準点を結ぶ線分の法線である基準線を生成する。たとえば、基準線生成部62は、ユーザが入力面に対して手書き文字を入力するときに添える手の指(ユーザが右手で手書き文字を入力する場合には左手の指)で2つの基準点が指示されることで、基準線を生成する。基準線生成部62が生成する基準線は、ユーザの入力面に対する入力操作によって設定される。
【0030】
予め定める条件を満たす2点が指示されるとは、計時部68により計時された待機時間が、予め定める時間以上経過し、計時部68が計時をリセットした後に、タッチパネル2の入力面に対して2点が指示されることを示す。
【0031】
本実施形態では、基準線生成部62は、2つの基準点を結ぶ線分の中点から右向きに、表示パネル3の周縁端部まで延びるように基準線を生成し、生成した基準線を表示パネル3に表示させる。これによって、ユーザは、タッチパネル2の入力面に対する入力操作によって任意に設定された基準線を、表示パネル3上で視認することができる。なお、基準線の延びる向きは、予め設定することができ、たとえば、ユーザが左手で手書き文字を入力する場合に添える右手の指で2つの基準点が指示されるような場合には、基準線生成部62は、2つの基準点を結ぶ線分の中点から左向きに、表示パネル3の周縁端部まで延びるように基準線を生成する。
【0032】
文字抽出部63は、基準線生成部62が基準線を生成した後に、タッチパネル2の入力面に対するユーザの入力操作によって手書きで文字が入力されることで、タッチパネル2から出力される手書き入力の軌跡に対応する座標データから文字を認識し、1文字ごとの座標データを抽出する。
【0033】
傾斜角度算出部64は、文字抽出部63が抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、各文字の外接矩形の座標データを設定し、設定した外接矩形の座標データから基準線に対する外接矩形の傾斜角度を算出する。
【0034】
垂直方向文字位置補正部65は、文字抽出部63が抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、手書きで入力された各文字が基準線に沿って整列するように、基準線に垂直な方向における文字の位置補正を行い、位置補正された文字を表示パネル3に表示させる。
【0035】
本実施形態の表示装置1は、タッチパネル2の入力面に対して手書きで入力された各文字を、入力面に対するユーザの入力操作によって任意に設定された基準線に沿って整列させて表示パネル3に表示するので、ユーザが所望する方向に沿って直線状に整列させて手書き文字を表示することができる。これによって、手書き入力された文字をユーザに読みやすくすることができる。
【0036】
文字傾き補正部66は、傾斜角度算出部64が算出した傾斜角度で各文字を回転させて、基準線に対する各文字の傾き補正を行い、傾き補正された文字を表示パネル3に表示させる。これによって、手書き入力された文字をより読みやすくすることができる。
【0037】
平行方向文字位置補正部67は、文字抽出部63が抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、互いに隣接する文字同士の間隔が予め定める一定間隔となるように、基準線に平行な方向における文字の位置補正を行い、位置補正された文字を表示パネル3に表示させる。これによって、手書き入力された文字をより読みやすくすることができる。
【0038】
計時部68は、タッチパネル2の入力面に対する入力操作が行われているか否かを判定し、入力操作の待機時間を計時する。基準線消去部69は、計時部68により計時された待機時間が、予め定める時間以上となった場合に、基準線生成部62が生成した基準線を消去する。これによって、予め定める時間以上経過後に、現在設定されている基準線を消去することができる。このようにして基準線が消去された後、ユーザは、タッチパネル2の入力面に対して新たな2つの基準点を指示する入力操作を行うことによって、新たな基準線を任意に設定することができる。
【0039】
第1記憶手段7は、表示装置1におけるワーキングメモリとしての機能を有する。第1記憶手段7は、表示情報記憶部70と、座標データ記憶部71と、表示パネル周縁情報記憶部72と、基準線表示位置記憶部73と、傾き補正値記憶部74とを含む。
【0040】
表示情報記憶部70は、表示パネル3に表示されている表示情報を記憶する。座標データ記憶部71は、タッチパネル2から出力された基準点の座標データ、および、手書き入力された文字の座標データを記憶する。表示パネル周縁情報記憶部72は、表示パネル3の周縁部における右端部および下端部の位置情報を記憶する。基準線表示位置記憶部73は、基準線生成部62が表示パネル3に表示させた基準線の表示パネル3に対する位置を記憶する。傾き補正値記憶部74は、基準線生成部62が基準線を生成するときに参照する、基準線の傾きを補正するための補正値を記憶する。
【0041】
第2記憶手段8は、ソフトウェア記憶部80と、ドライバ記憶部81と、ユーザ設定表示画面記憶部82と、ユーザ設定テーブル記憶部83とを含む。
【0042】
ソフトウェア記憶部80は、表示装置1を動作させるためのソフトウェアを記憶する。ドライバ記憶部81は、タッチパネルデータ処理部4を実現するタッチパネルドライバと、表示データ処理部5を実現する表示ドライバとを記憶する。ユーザ設定表示画面記憶部82は、表示装置1を操作するユーザが設定する、表示パネル3の設定に関する情報を記憶する。ユーザ設定テーブル記憶部83は、ユーザが設定する基準線に関するテーブル情報を記憶する。ユーザ設定テーブル記憶部83に記憶されるテーブル情報には、基準線の表示の要否、基準線の線種(たとえば、実線、点線など)、基準線の色(たとえば、黒色、グレー色、赤色など)などを関連付ける情報が含まれる。
【0043】
次に、本実施形態の表示装置1の動作について、図2を用いて説明する。図2は、表示装置1の動作を示すフローチャートである。
【0044】
ステップs1では、表示装置1は、計時部68による計時をリセットさせる。次に、ステップs2では、表示装置1は、基準点検出処理を行う。
【0045】
図3は、表示装置1における基準点検出処理の動作を示すフローチャートである。表示装置1は、タッチパネル2の入力面に対するユーザの入力操作によって基準点が指示された場合に、基準点検出処理を行う。
【0046】
まず、ステップs2−1では、タッチパネル2は、入力面に対するユーザの入力操作によって指示された基準点を検出し、その基準点に対応する座標データを出力する。そして、座標データ取得部60は、タッチパネル2から出力された基準点に対応する座標データを取得する。
【0047】
次に、ステップs2−2では、計時部68は、タッチパネル2の入力面に対する入力操作が行われているか否かを判定し、入力操作が行われていないと判定した場合に、入力操作の待機時間の計時を開始する。
【0048】
次に、ステップs2−3では、タッチパネル2は、2つの基準点が指示されたか否かを判定する。タッチパネル2は、2つの基準点を検出した場合に、2つの基準点が指示されたと判定する。タッチパネル2が2つの基準点が指示されたと判定した場合にはステップs2−4に進み、2つの基準点が指示されていないと判定した場合にはステップs2−5に進む。
【0049】
ステップs2−4では、座標データ取得部60は、タッチパネル2から出力された2つの基準点に対応する座標データに基づいて、基準点間の距離が予め定める距離D1以下であるか否かを判定する。2つの基準点間の距離が距離D1を超える場合には、タッチパネル2に対する入力操作が誤操作である可能性があるので、その誤操作による基準点の設定を排除するために、座標データ取得部60が、基準点間の距離が予め定める距離D1以下であるか否かの判定を行う。座標データ取得部60が基準点間の距離が距離D1以下であると判定した場合にはステップs2−6に進み、距離D1を超えると判定した場合にはステップs2−3に戻る。
【0050】
ステップs2−3において、2つの基準点が指示されていないと判定された場合、ステップs2−5では、計時部68は、入力操作の待機時間が予め定める時間以上経過したか否かを判定する。計時部68が予め定める時間以上経過したと判定した場合には計時をリセットしてステップs2−1に戻り、予め定める時間以上経過していないと判定した場合にはステップs2−3に戻る。
【0051】
そして、ステップs2−6では、座標データ取得部60は、取得した2つの基準点に対応する座標データを座標データ記憶部71に送信する。座標データ記憶部71は、受信した基準点に対応する座標データを記憶する。このようにして、座標データ記憶部71に基準点に対応する座標データが記憶されると、表示装置1における基準点検出処理は終了する。
【0052】
図2に戻って、ステップs2において基準点検出処理が終了すると、ステップs3に進む。ステップs3では、表示装置1は、基準線生成処理を行う。
【0053】
図4は、表示装置1における基準線生成処理の動作を示すフローチャートである。図5は、表示装置1における基準線生成処理の動作を説明するための図である。表示装置1は、座標データ記憶部71に記憶される、2つの基準点P1,P2に対応する座標データに基づいて、基準線生成処理を行う。
【0054】
まず、ステップs3−1では、基準線生成部62は、座標データ記憶部71に記憶される2つの基準点P1,P2に対応する座標データを取出す。次に、ステップs3−2では、基準線生成部62は、2つの基準点P1,P2のX座標値が同じであるか否かを判定する。基準線生成部62が2つの基準点P1,P2のX座標値が同じであると判定した場合にはステップs3−3に進み、2つの基準点P1,P2のX座標値が異なると判定した場合にはステップs3−4に進む。
【0055】
ステップs3−3では、基準線生成部62は、2つの基準点P1,P2を結ぶ線分の法線であって、傾きが「0」、すなわち、直交座標が設定されたタッチパネル2の入力面21におけるX軸に平行で、線分の中点から右向きに表示パネル3の周縁端部まで延びる基準線Gを生成する。
【0056】
ステップs3−2において、2つの基準点P1,P2のX座標値が異なると判定された場合、ステップs3−4では、基準線生成部62は、2つの基準点P1,P2の座標データに基づいて、基準線Gの傾き「a」を算出する。具体的には、基準線生成部62は、基準点P1の座標データを(x1,y1)、基準点P2の座標データを(x2,y2)とした場合、下記式(1)により基準線Gの傾き「a」を算出する。
a=(y2−y1)/(x2−x1) …(1)
【0057】
次に、ステップs3−5では、基準線生成部62は、図5(a)に示すように、2つの基準点P1,P2を結ぶ線分の法線であって、傾きが「a」で、線分の中点から表示パネル3の周縁右端部まで延びる基準線Gを生成する。なお、基準線生成部62は、タッチパネル2の入力面21に対する新たな入力操作によって、新たな基準点P1,P2が指示された場合には、図5(b)に示すように、新たな基準点P1,P2に基づいた基準線Gを生成する。このようにして、ユーザは、入力面21に対する基準点を入力する入力操作によって任意に基準線Gを設定することができる。
【0058】
次に、ステップs3−6では、基準線生成部62は、基準線Gの傾きを補正するための補正値「Cg」が予め設定されているか否かを判定する。基準線生成部62は、傾き補正値記憶部74に補正値「Cg」が記憶されている場合に、補正値「Cg」が予め設定されていると判定する。この補正値「Cg」は、傾き「0」の基準線Gを生成するために、傾き補正値記憶部74に予め記憶された、基準線Gの傾きを補正するための数値である。
【0059】
補正値「Cg」は、次のようにして予め算出される。図6は、基準線の傾き補正値を算出する手順を示すフローチャートである。補正値「Cg」を算出する処理は、傾き「0」の基準線Gを生成するために、2つの基準点がタッチパネル2の入力面21に入力された場合に開始される。
【0060】
まず、ステップs3−6−1では、タッチパネル2は、入力面21に対するユーザの入力操作によって指示された、傾き「0」の基準線Gを生成するための基準点(以下、「傾き補正用基準点」という)を検出し、その傾き補正用基準点に対応する座標データを出力する。そして、座標データ取得部60は、タッチパネル2から出力された傾き補正用基準点に対応する座標データを取得する。
【0061】
次に、ステップs3−6−2では、基準線生成部62は、2つの傾き補正用基準点の座標データに基づいて、2つの傾き補正用基準点を結ぶ線分の法線の傾きを、補正値「Cg」として算出する。
【0062】
そして、ステップs3−6−3では、基準線生成部62は、算出した補正値「Cg」を傾き補正値記憶部74に送信する。傾き補正値記憶部74は、受信した補正値「Cg」を記憶する。このようにして、傾き補正値記憶部74に補正値「Cg」が記憶されると、補正値「Cg」の算出処理は終了する。
【0063】
図4に戻って、ステップs3−6において、基準線生成部62が補正値「Cg」が予め設定されていると判定した場合にはステップs3−7に進み、補正値「Cg」が予め設定されていないと判定した場合にはステップs3−8に進む。
【0064】
ステップs3−7では、基準線生成部62は、補正値「Cg」を用いて、生成した基準線Gの傾きを、傾き「0」に近づくように補正する。
【0065】
次に、ステップs3−8では、基準線生成部62は、基準線Gの傾きの絶対値が、予め定めるゼロ補正値「Rd」以下である場合には、基準線Gの傾きを「0」に補正する。そして、ステップs3−9では、基準線生成部62は、生成した基準線Gを、表示パネル3の表示面31に表示させる。このようにして表示パネル3の表示面31に表示された基準線Gは、図5(c)に示すように、タッチパネル2の入力面21に手書きで入力された文字(図5(c)では文字「ぬ」)を直線状に整列させるときの基準の線となる。なお、基準線Gは、図5(d)に示すように、タッチパネル2の入力面21に対する基準点P1,P2の入力操作の指示が解除された場合であっても、基準線消去部69による消去動作が実行されない限り、表示パネル3の表示面31に継続して表示される。
【0066】
図2に戻って、ステップs3において基準線生成処理が終了すると、ステップs4に進む。ステップs4では、表示装置1は、文字抽出処理を行う。
【0067】
図7は、表示装置1における文字抽出処理の動作を示すフローチャートである。図8は、文字抽出処理による文字抽出結果を説明するための図である。表示装置1は、基準線生成部62が基準線Gを生成した後に、タッチパネル2の入力面21に対する入力操作によって手書きで文字が入力されることで、文字抽出処理を行う。
【0068】
まず、ステップs4−1では、タッチパネル2は、入力面21に手書き文字の入力が開始されたか否かを判定する。タッチパネル2は、入力面21に対して手書き文字の入力がされて、手書き文字の開始点を示す座標データが座標データ取得部60によって取得されたときに、手書き文字の入力が開始されたと判定する。タッチパネル2が手書き文字の入力が開始されたと判定した場合にはステップs4−2に進み、手書き文字の入力が開始されていないと判定した場合にはステップs4−1を繰返す。
【0069】
ステップs4−2では、タッチパネル2は、入力面21に対する手書き文字の入力が終了したか否かを判定する。タッチパネル2は、予め定める時間が経過しても座標データ取得部60によって手書き文字の軌跡を示す座標データが取得されないときに、手書き文字の入力が終了したと判定する。タッチパネル2が手書き文字の入力が終了したと判定した場合には、座標データ取得部60によって取得された手書き文字の軌跡を示す座標データが座標データ記憶部71に送信されて記憶されてステップs4−3に進む。また、タッチパネル2が手書き文字の入力が終了していないと判定した場合にはステップs4−2を繰返す。
【0070】
ステップs4−3では、計時部68は、タッチパネル2の入力面21に対する入力操作の待機時間の計時を開始する。
【0071】
次に、ステップs4−4では、タッチパネル2は、入力面21に手書き文字の入力が新たに開始されたか否かを判定する。タッチパネル2が手書き文字の入力が新たに開始されたと判定した場合にはステップs4−2に戻り、手書き文字の入力が新たに開始されていないと判定した場合にはステップs4−5に進む。
【0072】
ステップs4−5では、計時部68は、入力操作の待機時間が予め定める時間以上経過したか否かを判定する。計時部68が予め定める時間以上経過したと判定した場合には計時をリセットしてステップs4−6に進み、予め定める時間以上経過していないと判定した場合にはステップs4−4に戻る。
【0073】
ステップs4−6では、文字抽出部63は、座標データ記憶部71に記憶される、手書き文字の軌跡を示す座標データを取出して、その座標データから1文字ごとの座標データを抽出する。そして、文字抽出部63は、図8に示すように、抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、各文字の外接矩形の座標データを設定し、設定した外接矩形の座標データから文字のサイズを示す情報として、文字の高さ「St」と文字の幅「Sw」とを算出する。また、文字抽出部63は、抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、各文字の外接矩形の座標データを設定し、設定した外接矩形の座標データから、X軸に対する文字の傾き「Rc」を算出する。
【0074】
図2に戻って、ステップs4において文字抽出処理が終了すると、ステップs5に進む。ステップs5では、表示装置1は、垂直方向文字位置補正処理を行う。
【0075】
図9は、表示装置1における垂直方向文字位置補正処理の動作を示すフローチャートである。図10は、表示装置1における垂直方向文字位置補正処理の動作を説明するための図である。
【0076】
まず、ステップs5−1では、垂直方向文字位置補正部65は、図10(a)に示すように、文字抽出部63が算出した文字の傾き「Rc」と同一の傾きを有する直線L1を生成し、その直線L1を文字の外接矩形の下方一辺91上に配置する。
【0077】
次に、ステップs5−2では、垂直方向文字位置補正部65は、図10(b)に示すように、生成した直線L1を、その傾きが変化しないように文字の外接矩形の上方一辺92に向けて平行移動させながら、直線L1と文字との交点A1,A2,A3,A4の数を算出する。
【0078】
次に、ステップs5−3では、垂直方向文字位置補正部65は、直線L1が文字の外接矩形の上方一辺92まで移動されたか否かを判定する。垂直方向文字位置補正部65が直線L1が文字の外接矩形の上方一辺92まで移動されたと判定した場合にはステップs5−4に進み、移動されていないと判定した場合にはステップs5−2に戻る。
【0079】
ステップs5−4では、垂直方向文字位置補正部65は、直線L1と文字との交点A1,A2,A3,A4の数に基づいてヒストグラムを作成し、文字の重心を算出する。
【0080】
そして、ステップs5−5では、垂直方向文字位置補正部65は、図10(c)に示すように、文字の重心が基準線G上に位置するように、文字を移動させる。なお、文字の高さ「St」および文字の幅「Sw」が予め定める値よりも小さい「ゃ」、「っ」などの文字については、文字の重心が基準線G上に位置するように移動させてもよいし、基準線Gよりも予め定める値で下側の位置に移動させるようにしてもよい。このようにして、垂直方向文字位置補正部65は、手書きで入力された各文字が基準線Gに沿って整列するように、基準線Gに垂直な方向における文字の位置補正を行い、位置補正された文字を表示パネル3の表示面31に表示させる。
【0081】
図2に戻って、ステップs5において垂直方向文字位置補正処理が終了すると、ステップs6に進む。ステップs6では、表示装置1は、文字傾き補正処理を行う。
【0082】
図11は、表示装置1における文字傾き補正処理の動作を示すフローチャートである。図12は、表示装置1における文字傾き補正処理の動作を説明するための図である。
【0083】
まず、ステップs6−1では、傾斜角度算出部64は、文字抽出部63が抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、各文字の外接矩形を設定し、設定した外接矩形の座標データから基準線Gに対する外接矩形の傾斜角度を算出し、その算出結果を用いて文字の回転角度を算出する。具体的には、傾斜角度算出部64は、図12(a)に示すように、文字抽出部63が算出した文字の傾き「Rc」を、基準線Gの傾き「a」と同一にするための文字の回転角度を算出する。
【0084】
次に、ステップs6−2では、文字傾き補正部66は、図12(b)に示すように、傾斜角度算出部64が算出した回転角度で文字を回転させて、基準線Gに対する各文字の傾き補正を行い、傾き補正された文字を表示パネル3の表示面31に表示させる。
【0085】
図2に戻って、ステップs6において文字傾き補正処理が終了すると、ステップs7に進む。ステップs7では、表示装置1は、平行方向文字位置補正処理を行う。
【0086】
図13は、表示装置1における平行方向文字位置補正処理の動作を示すフローチャートである。図14および図15は、表示装置1における平行方向文字位置補正処理の動作を説明するための図である。
【0087】
まず、ステップs7−1では、平行方向文字位置補正部67は、図14(a)に示すように、連続した手書き入力により、最後に入力された最新の文字に対して直前に入力された文字の外接矩形上の接点において、最新の文字側の辺上の接点「Pp」の座標データを取得する。
【0088】
次に、ステップs7−2では、平行方向文字位置補正部67は、図14(a)に示すように、最新の文字の外接矩形上の接点において、直前の文字側の辺上の接点「Pc」の座標データを取得する。
【0089】
次に、ステップs7−3では、平行方向文字位置補正部67は、接点「Pp」と接点「Pc」との距離が、予め定める最小文字間隔「DXmin」以下であるか否かを判定する。平行方向文字位置補正部67が最小文字間隔「DXmin」以下であると判定した場合にはステップs7−4に進み、最小文字間隔「DXmin」を超えると判定した場合にはステップs7−5に進む。
【0090】
ステップs7−4では、平行方向文字位置補正部67は、図14(b)に示すように、接点「Pp」と接点「Pc」との距離が最小文字間隔「DXmin」となるように、最新の文字を基準線Gに沿って移動させる。
【0091】
ステップs7−3において接点「Pp」と接点「Pc」との距離が最小文字間隔「DXmin」を超えると判定された場合、ステップs7−5では、平行方向文字位置補正部67は、図15(a)に示すように、接点「Pp」と接点「Pc」との距離が、予め定める最大文字間隔「DXmax」以上であるか否かを判定する。平行方向文字位置補正部67が最大文字間隔「DXmax」以上であると判定した場合にはステップs7−6に進み、最大文字間隔「DXmax」未満であると判定した場合には平行方向文字位置補正処理の動作を終了する。
【0092】
ステップs7−6では、平行方向文字位置補正部67は、図15(b)に示すように、接点「Pp」と接点「Pc」との距離が最大文字間隔「DXmax」となるように、最新の文字を基準線Gに沿って移動させる。
【0093】
また、計時部68は、タッチパネル2の入力面21に対する入力操作が行われているか否かを判定し、入力操作の待機時間を計時する。そして、基準線消去部69は、計時部68により計時された待機時間が、予め定める時間以上となった場合に、基準線生成部62が生成した基準線Gを消去する。これによって、予め定める時間以上経過後に、現在設定されている基準線Gを消去することができる。このようにして基準線Gが消去された後、ユーザは、タッチパネル2の入力面21に対して新たな2つの基準点を指示する入力操作を行うことによって、新たな基準線Gを任意に設定することができる。
【0094】
以上のようにして、表示装置1は、タッチパネル2の入力面21に対して手書きで入力された各文字を、入力面21に対するユーザの入力操作によって任意に設定された基準線Gに沿って整列させて表示パネル3の表示面31に表示するので、ユーザが所望する方向に沿って直線状に整列させて手書き文字を表示することができる。これによって、手書き入力された文字をユーザに読みやすくすることができる。
【0095】
また本発明のさらに他の実施の形態として、コンピュータを前述した表示装置1として機能させるために、コンピュータに実行させるための表示プログラム(実行形式プログラム、中間コードプログラムおよびソースプログラムの少なくともいずれか1つ)、およびこの表示プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することも可能である。
【0096】
なお、表示プログラムを記録する記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理が行われるために図示していないメモリ、たとえばCD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)のようなものそのものがプログラムメディアであってもよいし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。
【0097】
いずれの場合においても、格納されている表示プログラムはマイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であってもよいし、あるいは、いずれの場合も表示プログラムを読み出し、読み出された表示プログラムは、マイクロコンピュータの図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされて、その表示プログラムが実行される方式であってもよい。このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0098】
上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープなどのテープ系、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスクなどの磁気ディスクやCD−ROM/MO(Magneto Optical disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスクのディスク系、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを含む)/光カードなどのカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Ele ctrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROMなどによる半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0099】
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成を持つことで、通信ネットワークから表示プログラムをダウンロードするように流動的に表示プログラムを担持する媒体であってもよい。なお、このように通信ネットワークから表示プログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであってもよい。なお、本発明は、上記表示プログラムが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【符号の説明】
【0100】
1 表示装置
2 タッチパネル
3 表示パネル
60 座標データ取得部
61 軌跡表示指示部
62 基準線生成部
63 文字抽出部
64 傾斜角度算出部
65 垂直方向文字位置補正部
66 文字傾き補正部
67 平行方向文字位置補正部
68 計時部
69 基準線消去部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手書き入力するための入力面を有し、前記入力面に対する入力操作によって指示された点の位置を表わす座標データを出力する入力部と、
前記入力部から出力される座標データに基づいて、前記入力面に対する手書き入力の軌跡を表示する表示部と、
前記入力面に対する入力操作によって、予め定める条件を満たす2点が指示されると、その2点を基準点とし、前記基準点に対応する座標データに基づいて、2つの基準点を結ぶ線分の法線である基準線を生成する基準線生成部と、
前記基準線生成部が基準線を生成した後に、前記入力面に対する入力操作によって手書き入力されることで、前記入力部から出力される手書き入力の軌跡に対応する座標データから文字を認識し、1文字ごとの座標データを抽出する文字抽出部と、
前記文字抽出部が抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、手書き入力された各文字が前記基準線に沿って整列するように、前記基準線に垂直な方向における文字の位置補正を行い、位置補正された文字を前記表示部に表示させる垂直方向文字位置補正部と、を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記基準線生成部は、2つの基準点を結ぶ線分の中点から前記表示部の周縁端部まで延びるように前記基準線を生成し、生成した基準線を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記文字抽出部が抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、各文字の外接矩形の座標データを設定し、設定した外接矩形の座標データから前記基準線に対する外接矩形の傾斜角度を算出する傾斜角度算出部と、
前記傾斜角度算出部が算出した傾斜角度で各文字を回転させて、前記基準線に対する各文字の傾き補正を行い、傾き補正された文字を前記表示部に表示させる文字傾き補正部と、をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記文字抽出部が抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、互いに隣接する文字同士の間隔が予め定める一定間隔となるように、前記基準線に平行な方向における文字の位置補正を行い、位置補正された文字を前記表示部に表示させる平行方向文字位置補正部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項5】
前記入力面に対する入力操作が行われているか否かを判定し、入力操作の待機時間を計時する計時部と、
前記計時部により計時された待機時間が、予め定める時間以上となった場合に、前記基準線生成部が生成した基準線を消去する基準線消去部と、をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項6】
入力部および表示部を備えるコンピュータを、請求項1〜5のいずれか1つに記載の表示装置として機能させることを特徴とする表示プログラム。
【請求項1】
手書き入力するための入力面を有し、前記入力面に対する入力操作によって指示された点の位置を表わす座標データを出力する入力部と、
前記入力部から出力される座標データに基づいて、前記入力面に対する手書き入力の軌跡を表示する表示部と、
前記入力面に対する入力操作によって、予め定める条件を満たす2点が指示されると、その2点を基準点とし、前記基準点に対応する座標データに基づいて、2つの基準点を結ぶ線分の法線である基準線を生成する基準線生成部と、
前記基準線生成部が基準線を生成した後に、前記入力面に対する入力操作によって手書き入力されることで、前記入力部から出力される手書き入力の軌跡に対応する座標データから文字を認識し、1文字ごとの座標データを抽出する文字抽出部と、
前記文字抽出部が抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、手書き入力された各文字が前記基準線に沿って整列するように、前記基準線に垂直な方向における文字の位置補正を行い、位置補正された文字を前記表示部に表示させる垂直方向文字位置補正部と、を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記基準線生成部は、2つの基準点を結ぶ線分の中点から前記表示部の周縁端部まで延びるように前記基準線を生成し、生成した基準線を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記文字抽出部が抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、各文字の外接矩形の座標データを設定し、設定した外接矩形の座標データから前記基準線に対する外接矩形の傾斜角度を算出する傾斜角度算出部と、
前記傾斜角度算出部が算出した傾斜角度で各文字を回転させて、前記基準線に対する各文字の傾き補正を行い、傾き補正された文字を前記表示部に表示させる文字傾き補正部と、をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記文字抽出部が抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、互いに隣接する文字同士の間隔が予め定める一定間隔となるように、前記基準線に平行な方向における文字の位置補正を行い、位置補正された文字を前記表示部に表示させる平行方向文字位置補正部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項5】
前記入力面に対する入力操作が行われているか否かを判定し、入力操作の待機時間を計時する計時部と、
前記計時部により計時された待機時間が、予め定める時間以上となった場合に、前記基準線生成部が生成した基準線を消去する基準線消去部と、をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項6】
入力部および表示部を備えるコンピュータを、請求項1〜5のいずれか1つに記載の表示装置として機能させることを特徴とする表示プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−234412(P2012−234412A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−103222(P2011−103222)
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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